JP2023166830A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パッド部材の蓄熱性を高め、通紙時の温度落ち込みを抑制して、定着不良などの画像障害の発生を防止できる定着装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】
パッド部材の定着ニップ部と対向する部である定着ニップ対向部でパッド部材と当接するパッド当接部を有する中間部材と、パッド部材および中間部材を保持し、且つ中間部材のパッド当接部と対向する部であるパッド対向部で当接する中間部材当接部を有する保持部材とを有し、パッド部材は、定着ニップ対向部に凹部を有していて、パッド当接部は、定着ニップ対向部と当接し且つ少なくとも定着ニップ部の記録媒体の通過領域に対応する部分の凹部を覆っている。
【選択図】図12

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関するものである。
電子写真方式の画像形成装置では、多種多様な用紙の印刷に対応したいという要望がある。この要望に応えるために、定着装置の定着ニップ部を加圧ローラと平面形状を有する長尺板状のパッド部材(摺動パッド)とにより形成した摺動定着技術があることが知られている。
このような摺動定着技術は、用紙の搬送経路を挟んで互いに対向して配置されたゴム製の弾性層を含んだ加圧ローラとパッド部材とが押圧することで定着ニップ部が形成されるものである。
また、加圧ローラの加圧力を受けるためには、パッド部材を保持する保持部材を設けることが一般的である。保持部材は、加圧力に耐えられるように金属で形成される。そのため、パッド部材は、蓄熱性向上という点を踏まえると、定着ベルトを介して加熱ローラより受け取る熱を可能な限り保持しておくことが望ましいため、一般的に熱伝導率が低いプラスチックで形成される。
一方で、パッド部材をプラスチェックで形成する場合は、パッド部材自体も加圧ローラの加圧力に耐えられるようにするため、パッド部材にリブ(格子)を設けて剛性を確保するようにする。このような構成にすると、パッド部材の保持部材側の部位は、複数の凹形状部を有したような構成となる。そして、この凹形状部が保持部材に接触するようになる。
そして、特許文献1には、定着装置は、ニップ部を形成する加圧ローラおよび加圧パッドと、加圧パッドから見て加圧ローラが位置する側とは反対側に配置された挟み込み部材とを備える定着装置が開示されている。また、この定着装置における加圧パッドは、長尺板状の部材からなり、加圧ローラ側に位置する第1主面と、挟み込み部材側に位置する第2主面とを含む。また、挟み込み部材は、押圧状態において加圧パッドに当接する宛がい部を含む。ニップ部に設けられた記録材の通過領域に対応する部分の第2主面には、加圧ローラの押圧方向と直交する方向において各々の全周が出っ張り部によって取り囲まれてなる複数の凹状部が設けられ、出っ張り部の頂面は、押圧状態において宛がい部に密着するものである。
しかしながら、特許文献1に開示されている構成では、パッド部材の出っ張り部が、保持部材であって且つ熱伝導率の高い挟み込み部材に密着した構成であるため、保持部材側に熱が逃げ易くなっている。
このことから、この方式では、パッド部材が保持できる熱量が低減することになる。熱量が低減すると、例えば、厚紙等を連続して通紙したときに、定着ニップ部においてトナー像を用紙に定着させるに十分な熱量が供給できず、結果的に定着不良などの画像障害が発生してしまう。そこで、これを防止するように、パッド部材と保持部材との間に熱量の低減を防ぐための部材を設けることが必要となる。
そして、特許文献2には、定着ベルトと、定着ベルトを介して加圧ローラに対向配置され、定着ベルトと加圧間に定着ニップを形成する定着パットと、定着パットを支持する加熱ローラとを有し、定着パットが加圧ローラに接離する方向に移動可能で、かつ、加圧ローラと加熱ローラとに挟まれて支持される定着装置において、定着パットの加熱ローラを接触する部分に当該加熱ローラよりも硬度を低い樹脂を設ける構成が開示されている。
しかしながら、特許文献2に開示されている構成では、当該樹脂が設けられているのは、定着パットの用紙幅方向の両端部であるため、用紙が通過する領域においては考慮されていない。このことから、当該構成では、定着パットの熱量が低減することを防止するには十分とはいえない。
そこで、本発明は、パッド部材の蓄熱性を高め、通紙時の温度落ち込みを抑制して、定着不良などの画像障害の発生を防止することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、回転可能な無端ベルトと、前記無端ベルトに対向して配置され、前記無端ベルトを加圧する加圧回転体と、前記無端ベルトを加熱する加熱回転体と、前記無端ベルトの内側に配置され、前記無端ベルトを介して前記加圧回転体が押圧することで定着ニップ部を形成するパッド部材とを有する定着装置において、前記パッド部材の前記定着ニップ部と対向する部である定着ニップ対向部で前記パッド部材と当接するパッド当接部を有する中間部材と、前記パッド部材および前記中間部材を保持し、且つ前記中間部材の前記パッド当接部と対向する部であるパッド対向部で当接する中間部材当接部を有する保持部材とを有し、前記パッド部材は、前記定着ニップ対向部に凹部を有していて、前記パッド当接部は、前記定着ニップ対向部と当接し且つ少なくとも前記定着ニップ部の記録媒体の通過領域に対応する部分の前記凹部を覆っていることを特徴としている。
本発明によれば、パッド部材の蓄熱性を高め、通紙時の温度落ち込みを抑制して、定着不良などの画像障害の発生を防止できる定着装置および画像形成装置を提供することができる。
本発明に係る実施形態における画像形成装置の説明図。 本発明に係る実施形態における定着装置の説明図。 本発明に係る実施形態における保持部材に摺動パッドおよび中間部材が取り付けられた状態を示した斜視図。 本発明に係る実施形態における保持部材の説明図。 本発明に係る実施形態における保持部材に摺動パッドおよび中間部材が取り付けられたときの保持部材の用紙幅方向の端部を示した図。 本発明に係る実施形態における摺動パッドの説明図。 本発明に係る実施形態における摺動パッドの複数のパッド凹部の用紙幅方向について説明するための図。 本発明に係る実施形態における摺動パッドの複数のパッド凹部の深さについて説明するための図。 定着ニップ対向部に複数の凹部の設けられていない摺動パッドと保持部材とを全面で接触させた構成の断面図。 摺動パッドの定着ニップ対向部における定着ニップ部の用紙が通過する領域に対応する領域を説明するための図。 本発明に係る実施形態における中間部材の斜視図。 本発明に係る実施形態における中間部材を摺動パッドに取り付けたときの斜視図。 本発明に係る実施形態の摺動パッドにおける熱の移動の状態を示した図。 従来技術に係る形態の摺動パッドにおける熱の移動の状態を示した図。 摺動パッドの蓄熱性を向上させるための説明図。 本発明に係る実施形態の変形例1を示した図。 本発明に係る実施形態の変形例2を示した図。
本発明に係る実施形態を、図面を用いて以下に説明する。
<本実施形における画像形成装置について>
まず、本発明を適用する画像形成装置としての実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略を示す図である。図1において画像形成装置100は、カラーレーザプリンタである。なお、画像形成装置100は、他のタイプのプリンタ、ファクシミリ、複写機、複写機とプリンタとの複合機等、他の画像形成装置であっても良い。そして、画像形成装置100は、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体として画像形成を行なうことが可能である。
画像形成装置100は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成することが可能な第1の像担持体としての感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを平行に配設している。なお、この平行に配設することをタンデム構造、言い換えると「タンデム方式」という。画像形成装置100は、この「タンデム方式」を採用している。
画像形成装置100は、本体99内に、4つの画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKを備える。また、画像形成装置100は、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの下方に対向して配設され、転写ベルト11を備えた中間転写装置である中間転写ユニットとしての転写ベルトユニット10とを備える。さらに、画像形成装置100は、図1の転写ベルト11の下側において転写ベルト11に対向して配設された二次転写装置5と、静電潜像形成手段としての光書込み装置に用いられる露光手段に相当する光走査装置8とを備えている。そして、これら装置のうちで、光走査装置8は、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKの上方に対向して配設されている。また、画像形成装置100は、用紙(転写紙)Sを多数枚積載可能な給紙カセットとしてのシート給送装置61を有する。
本体99内には、転写ベルト11と二次転写装置5とを有する。そして、画像形成装置100は、シート給送装置61から、転写ベルト11と二次転写装置5との間の二次転写部57に向けて用紙Sがされるようになっている。
また、本体99は、シート給送装置61から搬送されてきた用紙Sを、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで二次転写部57に向けて繰り出すレジストローラ対4を有する。さらに、本体99は、用紙Sの先端がレジストローラ対4に到達したことを検知するセンサ(図示しない)を有している。
また、画像形成装置100は、本体99内に、トナー像を転写された用紙Sに同トナー像を定着させるためのベルト定着方式の定着ユニットとしての定着装置6と、二次転写部57を経由した用紙Sについて定着装置6に搬送するベルト搬送装置87とを有する。
そして、画像形成装置100は、さらに、定着済みの用紙Sを本体99の外部に排出する排出ローラである排紙ローラ対としての排紙ローラ7と、当該排紙ローラ7により本体99の外部に排出された用紙Sを積載する排紙部としての排紙トレイ17とを有する。
また、本体99の上部に配設されてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の各色の画像形成用トナー、すなわちトナーを充填されたトナーボトル9Y、9M、9C、9BKを有している。そして、画像形成装置100は、光走査装置8を締結固定した光走査装置支持フレーム77と、当該フレームを位置決め固定した板状の側板78とを有する。また、画像形成装置100は、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKのそれぞれに対応して設けられており、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを回転駆動する駆動装置(図示しない)と、画像形成装置100の動作全般を制御するCPU、メモリ等を含む制御手段64とを有している。
次に、本発明の特徴部ついて説明する。
<本実施形における定着装置について>
まず、本発明の実施形態に係る定着装置の概略について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る定着装置を示す。定着装置6は、入口ガイド90と、加熱ローラ91と、加熱ローラ91に巻き掛けた無端状の定着ベルト92と、加熱ローラ91と共に定着ベルト92を巻き掛けられた長尺状の摺動パッド93と、定着ベルト92にテンション(張力)を付与する補助ローラ95と、入口ローラ98とを有する。なお、定着ベルト92は、回転可能な無端ベルトの一例である、加熱ローラ91は、無端ベルトを加熱する加熱回転体の一例である。また、摺動パッド93は、パッド部材の一例である。
そして、定着装置6は、定着ベルト92を介して摺動パッド93に対向する位置に設けられていて、加圧部材としての加圧回転体である加圧ローラ94を有している。この加圧ローラ94が、摺動パッド93に定着ベルト92を介して圧接することで、定着ニップ部を形成する。本実施形態においては、当該定着ニップ部のニップ幅は、30mmに設定されている。そして、用紙は、定着ニップ部に、入口ガイド90によって搬送をガイドされることで入るようになっている。
<本実施形における加熱ローラについて>
次に、定着装置6の加熱ローラ91について説明する。加熱ローラ91は、熱源としての加熱手段であるヒータランプ81を内部に有している。このヒータランプ81は、ハロゲンヒータやカーボンヒータ等が代表例として挙げられる。なお、本実施形態においては、ヒータランプ81を5本使用しているが、これに限られない。
そして、ヒータランプ81によって加熱された加熱ローラ91が、定着ベルト92を加熱する。なお、加熱ローラ91は、本実施形態では、内部のヒータランプ81によって加熱される構成だが、例えば、加熱ローラ91を整磁合金製回転体に構成して、外部誘導加熱部を設けて加熱するいわゆる「IHヒータ方式」にしてもよい。
<本実施形における定着ベルトについて>
次に、定着ベルト92の構成について説明する。定着ベルト92は、表面層(加圧ローラ94と当接する層)921、中間層922および最下層923の三層構造からなる。ここで、表面層921の材質としてはPFAが用いられ、層の厚さとしては150μmである。また、中間層922の材質としてはシリコーンが用いられ、層の厚さとしては350μmである。そして、最下層の材質としてはポリイミドが用いられ、層の厚さとしては110μmである。
また、本実施形態においては、定着ベルト92と摺動パッド93との間は、潤滑性を高めるために、潤滑剤が塗布されている。この潤滑剤としては、シリコーンオイルが用いられている。また、潤滑剤の塗布は、塗布ローラで行っている。
<本実施形における加圧ローラについて>
次に、加圧ローラ94の構成について説明する。上記したが、加圧ローラ94は、定着ベルト92を介して摺動パッド93に対向する位置に設けられ、摺動パッド93に定着ベルト92を介して圧接することで定着ニップ部を形成する加圧部材である。なお、本実施形態においては、摺動パッド93には、3000Nの荷重がかかる。
ここで、本実施形態における加圧ローラ94の径φは、80mmである。また、加圧ローラ94は、芯金をゴム層で覆っている。ここで、ゴム層についてだが、ゴムの材質にはシリコーンゴムが使用され、厚みは15mmである。
<本実施形における保持部材について>
次に、本発明の実施形態に係る保持部材96の構成について図3および図4を用いて説明する。ここで、図3は、保持部材96に摺動パッド93および中間部材97が取り付けられている状態を示した斜視図である。
保持部材96は、図3に示すように、荷重受け部963および取り付け部964からから構成される。まず、荷重受け部963の機能としてだが、摺動パッド93は、加圧ローラ94からの加圧力を受けるため、その荷重を受ける役割を担っている。また、その荷重に耐えるための剛性が必要であることから、荷重受け部963は、主に、鉄等の鋼材から形成される。
一方で、取り付け部964は、加圧力を受ける機能に加え、摺動パッド93の位置決めとしての役割も担っている。また、本実施形態においては、加工性も加味して、主に、アルミで形成されている。
図4は、本実施形態における保持部材96について説明するための図である。図4(a)は、図3においてA方向から見た図(用紙幅方向から保持部材96を見た図)であり、図4(b)は、図3においてB視点から保持部材96を見たときの保持部材96の斜視図(加圧ローラ94側から保持部材96を見た図)である。また、図5は、本実施形態における摺動パッド93および中間部材97の保持部材96への取り付けた状態を示した図である。これらの図を用いて、摺動パッド93および中間部材97の保持部材96への取り付け方、位置決めの行い方について説明する。
まず、図4(a)に示すように、保持部材96、摺動パッド93および中間部材97の3つの部材は、定着ベルト92側から、摺動パッド93、中間部材97、そして保持部材96の順になるような配置関係となっている。そして、保持部材96は、荷重を受ける機能に加え、摺動パッド93と中間部材97とを固定し且つ保持する機能をもつ。
また、図4(b)に示すように、保持部材96の取り付け部964は、中間部材97と当接する部である中間部材当接部961を有している。なお、図4(b)では、中間部材当接部961の用紙幅方向の端部辺りの一部を示している。本実施形態において、中間部材当接部961は平面に形成されている。また、中間部材当接部961は、用紙の搬送方向の中央部あたりに、位置決め凹部962が設けられている。そして、後述するが、摺動パッド93には位置決め用の凸部(位置決め部935)が設けられており、この位置決め部935が位置決め凹部962に嵌まるようになっている。これによって摺動パッド93の保持部材96に対しての位置が決まるようになっている。
また、これについても詳細は後述するが、中間部材97には、この位置決め部935と係合する穴部974が設けられている。そして、摺動パッド93の位置決め部935がこの穴部974と係合することで、中間部材97の保持部材96に対する位置が決まる。
図5は、保持部材96に摺動パッド93および中間部材97が取り付けられている状態における保持部材96の用紙幅方向の端部を示す図である。摺動パッド93および中間部材97の用紙幅方向の端部には、保持部材96への取り付け用の穴であるねじ穴が設けられている。摺動パッド93および中間部材97は、この穴を介してねじ965が嵌められてねじ止めされることで、保持部材96に固定され且つ保持される。
<本実施形における摺動パッドについて>
次に、摺動パッド93について説明する。摺動パッド93は、加圧ローラ94と定着ベルト92を介して当接することで定着ニップ部を形成することから、ニップ形成部材としての役割を担う。そして、上記したように摺動パッド93は、保持部材96に固定されている。ここで、摺動パッド93は、蓄熱性を高めるため、プラスチックなどの熱伝導率が小さい材料で形成されている。
図6は、用紙幅方向から摺動パッド93を見た図(図3においてA方向から摺動パッド93を見た図)である。摺動パッド93には、用紙の搬送方向上流側と下流側でそれぞれに湾曲部931,932が設けられている。また、下流側湾曲部932の方が上流側湾曲部931に比べて曲率を大きくし、定着ニップ部を通過した用紙に圧力を与え、定着ベルト92から用紙を分離するように構成している。
また、摺動パッド93は、定着ニップ部と対向する部位である定着ニップ対向部933を有しており、この部位が後述する中間部材97の摺動パッド当接部971と当接する。なお、上記した「定着ニップ部と対向する部位」とは、ここでは「定着ニップ部とは反対側の部位」をいうものとする。そして、定着ニップ対向部933には、位置決め部935が設けられている。この位置決め部935は、先ほど説明した保持部材96の位置決め凹部962と係合することで、摺動パッド93の保持部材96に対する位置を決めている。
また、定着ニップ対向部933は、リブ(格子)939が設けられ、これにより複数の凹部であるパッド凹部大936,パッド凹部小937および上流パッド凹部938が形成される構成となっている。これについて詳細を以下に説明する。なお、本明細書内では、便宜上、パッド凹部大936,パッド凹部小937および上流パッド凹部938をまとめて、単に、パッド凹部とよぶこともある。
図7は、本実施形態における摺動パッドの複数のパッド凹部の用紙幅方向について説明するための図である。また、図7(a)は、摺動パッド93の斜視図である。そして、図7(b)は、図7(a)において摺動パッド93の領域C(破線の領域)について、定着ニップ対向部933を保持部材96側から見た図である。さらに、図7(c)は、パッド凹部の用紙幅方向における幅について説明するために、図7(b)の一部を拡大した図である。まずは、図7(b)を用いてパッド凹部の用紙幅方向について説明する。
図7(b)を参照すると、大きさが異なるパッド凹部大936とパッド凹部小937とが設けられているものの、用紙幅方向において、これらが規則的に並んでいることがわかる。また、摺動パッド93の用紙搬送方向の上流側のパッド凹部である上流パッド凹部938についても、用紙幅方向において規則的に並んでいることがわかる。ここで、図7(c)を用いて、より詳しく説明する。例えば、1列目において、一つのパッド凹部大936と一つのパッド凹部小937を一つのパッド凹部のセット(黒く塗った部分)とし、用紙幅方向における幅を幅W1とする。すると、幅W1と別のパッド凹部セットの幅である幅W2とは略同じ大きさの幅である。また、2列目においても、一つのパッド凹部大936と一つのパッド凹部小937を一つのパッド凹部のセット(黒く塗った部分)とし、用紙幅方向における幅を幅W3とする。すると、幅W3と別のパッド凹部セットの幅である幅W4とは略同じである。つまり、用紙幅方向においてのパッド凹部の幅の大きさは略同じ(略均等)になっているといえる。すなわち、本実施形態におけるそれぞれのパッド凹部の用紙幅方向における幅は、互いに略同じになっている。このような構成にすることで、摺動パッド93が受ける加圧ローラ94からの加圧力を均等に分散させることができる。
また、パッド凹部の深さ(定着ニップ対向部933と直交する方向において、当該対向部から摺動パッド93の底部までの長さ)であるパッド凹部深さ940については、次のような観点を踏まえて決められている。まず、摺動パッド93の厚み方向(定着ニップ対向部933と直交する方向)においては、摺動パッド93の用紙幅方向ほど、加圧ローラ94からの加圧力の影響はない。一方で、パッド凹部には、必要とする熱を蓄えるための空間を確保する必要がある。また、摺動パッド93の成型性を考慮したり、加圧力に耐えられる厚み(肉厚)を確保する必要がある。これらを踏まえて、パッド凹部の深さを決めている。
図8は、摺動パッドの複数のパッド凹部の深さについて説明するための図である。本実施形態においては、それぞれのパッド凹部の深さは、場所によって異なっている。なお、定着ニップ部に対応するところに設けられた複数のパッド凹部深さ940は、互いに同じ深さとなっている。
その他についてだが、本実施形態では、複数のパッド凹部を構成しているリブ939は、横に(用紙幅方向に沿うように)したり、斜めにしているが、これに限られない。例えば、斜めの構成を縦に(用紙の搬送方向に沿うように)して、四角形状のようなパッド凹部を定着ニップ対向部933上に並べるような構成にしてもよい。また、本実施形態では、摺動パッド93を製造し易くする観点から、上記した幅W1とW3とも略等しく、幅W2とW4とも略等しくしている。
ここで、定着ニップ対向部933に、複数のパッド凹部を設けている理由について説明する。
まず、ニップ形成部材として、パッド部材の代わりに、ローラ部材を使用することも考えられる。しかしながら、ローラ部材にすると、加圧ローラもローラ部材であることから、定着ニップ部は円弧のような形状になり、これを通過する用紙は、しわやカール等が発生してしまう可能性がある。そこで、これを防ぐためには、ニップ形成部材として安定した定着ニップ部を形成できるパッド部材を使用することが望ましい。そこで、本発明では、パッド部材を採用している。
また、本発明では、摺動パッド93は、プラスチック等の熱伝導率が小さい材料で形成されている。なぜならば、摺動パッド93は、通過する用紙への加熱を行う観点から、蓄熱性を高める必要がある。このとき摺動パッド93を金属の材料で形成させた場合には、金属は一般的に熱伝導率が大きいため、保持部材96との接触により熱が保持部材96へ逃げてしまう。そこで、本発明では、一般的に熱伝導率が小さい材料であるプラスチック等で摺動パッド93を形成している。
一方で、摺動パッド93をプラスチック等で形成すると、金属で形成するときに比べて精度が出なかったり、反りが生じたりする。これを解消するためには、摺動パッド93の厚み(肉厚)を均一にする必要がある。しかしながら、その場合は、加圧ローラからの加圧力に耐えきれなくなる。そこで、耐久性を上げるために、摺動パッド93にリブ等を設けて剛性を確保して耐久性を向上させる対策を施している。その結果、本発明では、摺動パッド93の保持部材96に取り付けられる側の部位である定着ニップ対向部933には、複数のパッド凹部が設けられることになる。
ここで、摺動パッド93を上記のような構成にすると、次のような課題が生じる。定着ベルト92を介して加熱ローラ91より供給された熱は、摺動パッド93を介して保持部材96に伝熱されるが、それ以外に、摺動パッド93のパッド凹部の表面からも空間(空気)を介して保持部材96に伝熱(放熱)されてしまう。ここで、当該伝熱される熱量は、摺動パッド93と保持部材96との接触する面積(接触面積)と、それぞれの熱伝導率の関係から、図9に示すような定着ニップ対向部に複数のパッド凹部の設けられていない摺動パッド193と保持部材96とを全面で接触させた構成に比べて多くなる。そのため、摺動パッド93の蓄熱性が低下する。
そして、図10に示すように、特に、摺動パッド93の定着ニップ対向部における定着ニップ部の用紙が通過する領域に対応する領域934については、用紙が通過することで熱が用紙に奪われるため、十分な熱量を確保する必要がある。仮に、摺動パッド93の蓄熱性が低減すると、必要とする熱量を用紙に与えることができなくなり、定着不良等を起こす可能性がある。なお、図10は、定着ニップ対向部933を保持部材96側から見た平面図になるが、この図では、複数のパッド凹部は、省略して図示している。
そこで、これを防止するために、本発明に係る実施形態は、次に述べる中間部材97を設けている。
<本実施形における中間部材について>
ここで、中間部材97について説明する。図11は、中間部材97の斜視図である。中間部材97は、摺動パッド93の定着ニップ対向部933に当接する部位である摺動パッド当接部971(パッド当接部の一例)と、摺動パッド当接部971と対向し(摺動パッド当接部971とは反対側に位置し)、保持部材96の中間部材当接部961に当接する部位である摺動パッド対向部972とを有する。ここで、摺動パッド対向部972は、保持部材96の保持が安定する観点、加工性の観点を踏まえて、単一の平面に形成している。
そして、摺動パッド当接部971は、本実施形態では、加工性のよさに加えて、摺動パッド93との当接が可能であること、望ましくは密着できることを踏まえ、単一の平面に形成している。これにより摺動パッド当接部971は、摺動パッド93の定着ニップ対向部933の複数のパッド凹部と当接あるいは密着し、これによりパッド凹部に蓄えられた熱が保持部材96側に逃げにくくなり、摺動パッド93の蓄熱性が向上することになる。
特に、図10に示すように、少なくとも摺動パッド93の定着ニップ対向部933における定着ニップ部の用紙が通過する領域に対応する領域934(図10において破線で囲った領域)については、十分な熱量を確保する必要がある。上記したように当該領域934については、ここを通過する用紙によって熱が奪われるからである。そのため、この領域934については、その他の領域と比べて中間部材97と摺動パッド93とが十分に当接できるように構成することに留意する。
また、本実施例では、摺動パッド当接部971は、単一の平面の形状としているが、中間部材97と摺動パッド93とが十分に当接でき、摺動パッド93のパッド凹部に熱が蓄積できるようであれば、このような形状に限られない。
中間部材97は、LCP(耐熱性ポリマー)といった熱伝導率の小さい材料で形成されている。そして、中間部材97の熱伝導率は、保持部材96よりも小さい。さらに、中間部材97の熱伝導率は、摺動パッド93よりも小さい。
そして、本実施形態において、中間部材97の厚みは、1.5mmとしている。なお、本発明は、これに限られない。
また、図12を用いて中間部材97を摺動パッド93に取り付ける方法や位置を決める方法について説明する。中間部材97には、穴部974が設けられている。これは、上記で説明したが、図12に示すように摺動パッドの93の位置決め部935が嵌まるようになっている。この穴部974と保持部材96の位置決め凹部962とが係合することで、中間部材97の摺動パッド93に対する位置が決まる。また、この位置決めが、中間部材97の保持部材96に対する位置が決まることにもなる。これにより、保持部材96が摺動パッド93および中間部材97を安定して保持することができる。
そして、中間部材97は、熱カシメ973を行うことで摺動パッド93に固定される。密着性が高まることで蓄熱性が向上することから、熱カシメ973は、領域934の部分を中心に行うようにする。なお、固定方法は、熱カシメに限らず、他の方法を採用してもよい。
<従来技術に係る構成との比較について>
ここで、図13および図14を用いて、本発明に係る実施形態と従来技術に係る形態の摺動パッドの蓄熱の違いを説明する。図13は、本発明に係る実施形態の摺動パッドにおける熱の移動を示した図であり、図14は、従来技術に係る形態の摺動パッドにおける熱の移動を示した図である。すなわち、図13においては、中間部材97が設けられているが、図14においては、中間部材97が設けられていない。なお、両者の違いは、中間部材97が設けられているか否かであるとし、その他の構成については同じであることを前提とする。
図13についてだが、図13(a)は、本発明に係る実施形態の断面図であり、図13(b)は、図13(a)における領域D(破線の領域)の拡大図である。そして、ここで、図13(b)において、パッド凹部の空間を内部空間942とする。また、領域Dについて内部空間が設けられている領域を領域αとし、そうでない領域を領域βとして区切る。また、摺動パッド93から内部空間942に移動する熱の熱量をQ1´、中間部材97の領域βから領域αへ移動する熱の熱量をQ2´、内部空間942から中間部材97へ移動する熱の熱量をQ2α´、摺動パッド93から中間部材97へ移動する熱の熱量をQ2β´、保持部材96の領域βから領域αへ移動する熱の熱量をQ3´、中間部材97の領域αから保持部材96の領域αに移動する熱の熱量をQ3α´、そして中間部材97の領域βから保持部材96の領域βに移動する熱の熱量をQ3β´とする。
また、図14について、図14(a)は、従来技術に係る形態の断面図であり、図14(b)は、図14(a)における領域E(破線の領域)の拡大図である。そして、ここで、図14(b)において、パッド凹部の空間を内部空間942とする。また、領域Eについて内部空間が設けられている領域を領域αとし、そうでない領域を領域βとして区切る。また、摺動パッド93から内部空間942に移動する熱の熱量をQ1、内部空間942から保持部材96の領域αに移動する熱の熱量をQ3α、保持部材96の領域βから領域αへ移動する熱の熱量をQ3、そして摺動パッド93の領域βから保持部材96の領域βに移動する熱の熱量をQ3βとする。
まず、同一材質内の熱の移動はないため、図13(b)における熱量Q2´とQ3´は0であり、図14(b)における熱量Q3は0である。すなわち、Q2´=Q3´=Q3=0である。また、図13(b)における摺動パッド93から内部空間942に移動する熱の熱量Q1´と図14(b)における摺動パッド93から内部空間942に移動する熱の熱量Q1とは、同じ(Q1´=Q1)である。また、領域βで移動する熱の熱量Q3β´とQ3βとの関係だが、ここでは同じ(Q3β´=Q3β)であるとする。
ここで、図13(b)および図14(b)において、それぞれ領域αをとり、熱量の関係を説明する。まず、図14(b)における熱量Q3αだが、保持部材96は金属で形成されているため熱伝導率が大きいことから、図13(b)における熱量Q2α´よりも多い。すなわち、Q3α>Q2α´である。そして、図13(b)において、中間部材97から保持部材96へ移動する熱の熱量Q3α´は、熱量Q2α´よりも少ないため、Q2α´>Q3α´となる。すなわち、Q3α>Q3α´となる。また、上記したように熱量Q1´=Q1であるため、内部空間942だけの熱量でみれば、Q1´-Q2α´>Q1-Q3αとなることがわかる。
このことから、保持部材96と摺動パッド93の間に熱伝導率が小さく且つ両部材よりも熱伝導率の小さい中間部材97を設けることで内部空間942に蓄えられる熱量は多くなることがわかる。そして、この空間に蓄えられる熱量が多いほど、摺動パッド93の蓄熱性も向上する。
なお、熱量Q1´とQ2α´との差分(Q1´-Q2α´)が大きくなれば、内部空間942に蓄えられる熱量も多くなる。そのため、ここに蓄える熱量を増やしたい場合は、それを踏まえて摺動パッド93の材質や空間の広さ等を設計すればよい。
<摺動パッドの蓄熱性向上について>
摺動パッド93の蓄熱性を向上させるための構成について図15を用いて説明する。図15(a)は、本実施形態における摺動パッド93の全体を示した斜視図であり、図15(b)は、図15(a)において示した領域F(破線の領域)について保持部材96側からみた平面図である。また、図15(c)は、図15(b)において複数のパッド凹部のうち一つの凹部である凹部H(図15(b)中の黒く塗った部分)の斜視図である。ここで、凹部Hを例にとり、パッド凹部の空間の広さと熱量の関係について説明する。
まず、凹部Hは、摺動パッド93と中間部材97とによって覆われた空間としてとらえることができる。そして、その空間は、図15(c)で示すような三角柱のようになっている。また、当該三角柱は、5つの面で形成されているといえる。ここで、上面943は、中間部材97が摺動パッド93を覆う面、側面944,945および946は、パッド凹部を形成するリブ939で形成される面であり、下面947は底部941に相当する。そして、この空間に蓄熱される熱量は、これらの5つの面の面積の合計、すなわち、当該三角柱の表面積として表すことができる。また、当該表面積の大きさが、摺動パッド93と保持部材96とが接触する面積の大きさよりも大きければ、摺動パッド93に蓄熱される熱量が多いということがいえる。
そこで、摺動パッド93の蓄熱性を向上させるためには、摺動パッド93を中間部材97で覆った摺動パッド93に形成された凹部全て(図15(a)の太い枠線で囲った領域G)の空間の総面積(表面積の合計)の大きさが、摺動パッド93と保持部材96とが接触する面積の大きさよりも大きくするように構成すればよい。このようにすることで、摺動パッド93に蓄熱される熱量が多くなり、蓄熱性が向上するからである。なお、上記では、凹部Hを例に挙げてパッド凹部の空間の広さと熱量の関係について説明したが、その他のパッド凹部に関しても考え方は同じである。
<本発明の変形例について>
また、本発明には、摺動パッド93あるいは摺動パッド93と中間部材97により形成された閉空間に、加熱器を配した構成をとってもよい。そこで、本発明に係る変形例について説明する。
図16は、変形例1の構成を示した図である。変形例1は、摺動パッド293は、複数のパッド凹部の一部の空間を大きくとり、そこに加熱部材であるヒータランプ82を設けた構成にしたものである。なお、本実施形態におけるヒータランプ82は、加熱ローラ91に使用しているヒータランプ81と同じものを使用しているが、これに限られない。
また、ヒータランプ82を点灯させる制御タイミングついて説明する。例えば、定着ベルト92にサーミスタ等の温度センサを設け、定着ベルト92の温度を検知する。そして、定着ベルト92が、所定の温度になるようにヒータランプ82の電源のON/OFFを行うようにする。これにより、摺動パッド293の蓄熱性をより向上させ、且つ加熱時間を短縮することができるという効果を奏することができる。
ここで、摺動パッド293は、プラスチック等の樹脂材料で形成されているため、ヒータランプ82の熱による変形等の影響を防ぐ必要がある。そこで、摺動パッド293を耐熱性のある樹脂材料で形成するか、もしくはヒータランプ82があるパッド凹部(空間)の周辺を金属で覆うような構成にするのが望ましい。
また、ヒータランプ82の設けられた空間には、摺動パッド293に蓄えられるべき所望の熱量を上回り、それによっても摺動パッド293は変形等を起こす可能性がある。そのため、ある程度は、蓄積した熱を逃す必要がある。そこで、ヒータランプ82の用紙幅方向の端部を開放し、そこから熱を逃すようにしておく。
さらに、本発明に係る別の変形例について説明する。図17は、変形例2の構成を示した図である。変形例2は、ヒータランプ82の代わりに、摺動パッド393の定着ニップ部を形成する面側に加熱部材であるセラミックヒータ83を取り付けた構成である。
そして、変形例1と同様に、定着ベルト92にサーミスタ等の温度センサを設け、定着ベルト92の温度を検知する。そして、定着ベルト92が、所定の温度になるようにセラミックヒータ83の電源のON/OFFを行うようにする。これにより、摺動パッド393の蓄熱性をより向上させ、且つ加熱時間を短縮することができるという効果を奏することができる。
以上説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[第1態様]
第1態様は、回転可能な無端ベルト(例えば、定着ベルト92)と、前記無端ベルトに対向して配置され、前記無端ベルトを加圧する加圧回転体(例えば、加圧ローラ94)と、前記無端ベルトを加熱する加熱回転体(例えば、加熱ローラ91)と、前記無端ベルトの内側に配置され、前記無端ベルトを介して前記加圧回転体が押圧することで定着ニップ部を形成するパッド部材(例えば、摺動パッド93)とを有する定着装置において、前記パッド部材の前記定着ニップ部と対向する部である定着ニップ対向部(例えば、定着ニップ対向部933)で前記パッド部材と当接するパッド当接部(例えば、摺動パッド当接部971)を有する中間部材(例えば、中間部材97)と、前記パッド部材および前記中間部材を保持し、且つ前記中間部材の前記パッド当接部と対向する部であるパッド対向部(例えば、摺動パッド対向部972)で当接する中間部材当接部(例えば、中間部材当接部961)を有する保持部材(例えば、保持部材96)とを有し、前記パッド部材は、前記定着ニップ対向部に凹部(例えば、パッド凹部大936、パッド凹部小937,上流パッド凹部938)を有していて、前記パッド当接部は、前記定着ニップ対向部と当接し且つ少なくとも前記定着ニップ部の記録媒体の通過領域に対応する部分(例えば、定着ニップ対向部における定着ニップ部の用紙が通過する領域に対応する領域934)の前記凹部を覆っていることを特徴とするものである。
第1態様によれば、パッド部材において、少なくとも定着ニップ部の記録媒体の通過領域に対応する部分の凹部の蓄熱性が向上する。そのため 、パッド部材の蓄熱性を高め、通紙時の温度落ち込みを抑制して、定着不良などの画像障害の発生を防止できる定着装置を提供できる。
[第2態様]
第2態様は、第1態様において、前記パッド当接部および前記パッド対向部は、単一の平面で形成されていることを特徴とするものである。
第2態様によれば、保持部材の保持が安定し、パッド部材との当接が十分にできる。
[第3態様]
第3態様は、第1態様または第2態様において、前記中間部材は、前記保持部材よりも熱伝導率が小さいことを特徴とするものである。
第3態様によれば、パッド部材に蓄熱される熱量が多くなり、蓄熱性が向上できる。
[第4態様]
第4態様は、第1態様乃至第3態様のいずれかにおいて、前記中間部材は、前記パッド部材よりも熱伝導率が小さいことを特徴とするものである。
第4態様によれば、パッド部材の蓄熱性をより向上させ、且つ加熱時間を短縮することができるという効果を奏することができる。
[第5態様]
第5態様は、第1態様乃至第4態様のいずれかにおいて、前記中間部材は、前記パッド部材に設けられた前記保持部材と位置決めする凸状の位置決め部(例えば、位置決め部935)と係合する位置決め穴部(例えば、穴部974)を有することを特徴とするものである。
第5態様によれば、保持部材がパッド部材および中間部材を安定して保持することができる。
[第6態様]
第6態様は、第1態様乃至第5態様のいずれかにおいて、前記凹部の用紙搬送方向と直交する方向の幅は略同じであることを特徴とするものである。
第6態様によれば、加圧回転体からの加圧力を均等に分散させることができる。
[第7態様]
第7態様は、第1態様乃至第6態様のいずれかにおいて、前記中間部材が前記凹部を覆うことで前記中間部材と前記凹部とで形成される空間の面積は、前記パッド部材と前記保持部材とが接触する面積よりも大きいことを特徴とするものである。
第7態様によれば、パッド部材に蓄熱される熱量が多くなり、蓄熱性が向上できる。
[第8態様]
第8態様は、第1態様乃至第7態様のいずれかにおいて、前記パッド部材の前記凹部内に加熱部材(例えば、ヒータランプ82)を設けたことを特徴とするものである。
第8態様によれば、パッド部材の蓄熱性をより向上させ、且つ加熱時間を短縮することができるという効果を奏することができる。
[第9態様]
第9態様は、第1態様乃至第7態様のいずれかにおいて、前記パッド部材の定着ニップ部に対向する位置に加熱部材(例えば、セラミックヒータ83)を設けたことを特徴とするものである。
第9態様によれば、パッド部材の蓄熱性をより向上させ、且つ加熱時間を短縮することができるという効果を奏することができる。
[第10態様]
第10態様は、第1態様乃至第9態様のいずれかの定着装置を備えた画像形成装置であることを特徴とするものである。
第10態様によれば、パッド部材において、少なくとも定着ニップ部の記録媒体の通過領域に対応する部分の凹部の蓄熱性が向上する。そのため 、パッド部材の蓄熱性を高め、通紙時の温度落ち込みを抑制して、定着不良などの画像障害の発生を防止できる画像形成装置を提供できる。
4 レジストローラ対
5 二次転写装置
6 定着装置
7 排紙ローラ
8 光走査装置
9 トナーボトル
10 転写ベルトユニット
11 転写ベルト
17 排紙トレイ
20 感光体ドラム
57 二次転写部
60 画像形成ユニット
61 シート給送装置
64 制御手段
77 光走査装置支持フレーム
78 側板
81、82 ヒータランプ
83 セラミックヒータ
87 ベルト搬送装置
90 入口ガイド
91 加熱ローラ
92 定着ベルト
93、193、293,393 摺動パッド
94 加圧ローラ
95 補助ローラ
96 保持部材
97 中間部材
98 入口ローラ
99 本体
100 画像形成装置
921 表面層
922 中間層
923 最下層
931 上流側湾曲部
932 下流側湾曲部
933 定着ニップ対向部
934 定着ニップ対向部における定着ニップ部の用紙が通過する領域に対応する領域
935 位置決め部
936 パッド凹部大
937 パッド凹部小
938 上流パッド凹部
939 リブ
940 パッド凹部深さ
941 底部
942 内部空間
943 上面
944,945、946 側面
947 下面
961 中間部材当接部
962 位置決め凹部
963 荷重受け部
964 取り付け部
965 ねじ
971 摺動パッド当接部
972 摺動パッド対向部
973 熱カシメ
974 穴部
特開2019-132995号公報 特開2014-052579号公報

Claims (10)

  1. 回転可能な無端ベルトと、
    前記無端ベルトに対向して配置され、前記無端ベルトを加圧する加圧回転体と、
    前記無端ベルトを加熱する加熱回転体と、
    前記無端ベルトの内側に配置され、前記無端ベルトを介して前記加圧回転体が押圧することで定着ニップ部を形成するパッド部材とを有する定着装置において、
    前記パッド部材の前記定着ニップ部と対向する部である定着ニップ対向部で前記パッド部材と当接するパッド当接部を有する中間部材と、
    前記パッド部材および前記中間部材を保持し、且つ前記中間部材の前記パッド当接部と対向する部であるパッド対向部で当接する中間部材当接部を有する保持部材とを有し、
    前記パッド部材は、前記定着ニップ対向部に凹部を有していて、
    前記パッド当接部は、前記定着ニップ対向部と当接し且つ少なくとも前記定着ニップ部の記録媒体の通過領域に対応する部分の前記凹部を覆っていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記パッド当接部および前記パッド対向部は、単一の平面で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記中間部材は、前記保持部材よりも熱伝導率が小さいことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記中間部材は、前記パッド部材よりも熱伝導率が小さいことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  5. 前記中間部材は、前記パッド部材に設けられた前記保持部材と位置決めする凸状の位置決め部と係合する位置決め穴部を有することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  6. 前記凹部の用紙搬送方向と直交する方向の幅は略同じであることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  7. 前記中間部材が前記凹部を覆うことで前記中間部材と前記凹部とで形成される空間の面積は、前記パッド部材と前記保持部材とが接触する面積よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  8. 前記パッド部材の前記凹部内に加熱部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  9. 前記パッド部材の定着ニップ部に対向する位置に加熱部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  10. 請求項1乃至9の何れか一項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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