本発明に係る触力覚情報提示システムは、以下を備える。触力覚情報提示システムは、物体と、該物体は、実物体又は仮想物体であり、物体により及び又は物体への位置、速度、加速度、形状、変位、変形、振幅、回転、振動、力、トルク、圧力、湿度、温度、粘性、弾性の少なくとも1つを備える刺激を検知するセンサと、前記物体に操作者の感覚特性及び又は錯覚を適用して、該操作者に実際の該物体を操作したかのような触力覚を提示する触力覚提示装置と、該触力覚提示装置をセンサからの刺激を基に制御する触力覚提示制御装置と、前記触力覚提示制御装置は、人の身体に印加される刺激量と感覚量との関係を示す感覚特性が、非線形及び又は錯覚であることを利用して刺激を制御して触力覚情報を提示し、前記感覚特性は、前記操作者に与えられる刺激量及び操作者の操作によってもたらされる刺激量の少なくとも1つの刺激量と操作者に提示される感覚量とを備え、該感覚量は物理的に存在し得ない感覚量である。
前記触力覚提示装置は、前記物体により及び又は物体への刺激を提示し、そして操作者の操作に合わせて物体に印加される刺激を制御して触力覚を生成してなる。
タッチパネルは、複数個に区画されてアレイ状、ドット状、画素の少なくとも1つに配設され、各タッチパネルは独立して制御される。
物体は、タッチパネルであり、該タッチパネル毎に異なる触覚及び又は力覚を生成する。
前記触力覚提示装置は、前記物体に振幅、変位、変形の少なくとも1つを提示してなる。
タッチパネルは、複数個に区画されてアレイ状、ドット状、画素の少なくとも1つに配設され、各タッチパネルは独立して制御される。
前記触力覚提示装置は、前記物体の生じる振幅、変位及び又は変形に応じて触力覚を提示する。
触力覚提示装置は、位置、位相、時間の少なくとも1つごとに前記物体に振幅、変位、変形の少なくとも1つを6次元誘導をさせる。
前記触力覚提示装置は、物体の接線と直角に、平行に、又は任意の角度に振幅、変位、変形の少なくとも1つを生じる。
前記触力覚提示装置は、誘導感覚の感覚を合成する感覚合成・誘導装置であり、該感覚合成・誘導装置は、前記物体にスウィーブ変位を備える変位により圧覚、力覚、錯覚の少なくとも1つを生成してなる。
図2は、触力覚ディスプレイ・パネルのシステムの構成図を示す。触力覚ディスプレイのシステムは、パネル、ディスプレイで触力覚圧覚、触覚、力覚を備える触力覚を再現する。指の動きに合わせて変位もしくは変位パターン、波形が制御される。平板な物体であるのに深さ感のある立体的な感触が得られる。異なる方向の変位、変位パターン、波形であるのに圧覚・力覚が提示される。ボタン、スライダ、ダイヤル、スイッチに適用してもよい。
触力覚ディスプレイ・パネルのシステムは、コントローラと触力覚アクチュエータを備える。触力覚アクチュエータは、コントローラにセンサ信号を供給し、コントローラは、触力覚アクチュエータに制御信号を供給する。センサ信号は、物体により及び又は物体への位置、速度、加速度、形状、変位、変形、振幅、回転、振動、力、トルク、圧力、湿度、温度、粘度、弾性の少なくとも1つを備える刺激を備える。
コントローラは、制御アルゴリズムで駆動し、指の動きに合わせて、変位、運動量、振動、振幅、変位を備える刺激強度を時間変化させる。制御信号は、力情報、振幅情報の駆動電圧により生成される。
アクチュエータは、モータ、偏心モータ、リニアモータ、静電モータ、分子モータ、ピエゾ、人口筋肉、記憶合金、コイル、ボイスコイル、圧電素子、磁力、静電気、その他、変位、振動を発生するものであればよい。
触力覚ディスプレイ・パネルは、身体のどの部位にも装着が可能である(図58参照)。
本システムは、操作者の感覚特性、錯覚を適用して、操作者に実際の物体を操作したかのような触力覚情報を提示する。具体的には、センサで検知された刺激を基に制御され、人の身体に印加される刺激量と感覚量との関係を示す感覚特性が、非線形や錯覚であることを利用して刺激を制御して触力覚情報が提示される。感覚特性は、前記操作者に与えられる刺激量及び操作者の操作によってもたらされる刺激量の少なくとも1つの刺激量と操作者に提示される感覚量とを備え、感覚量は物理的に存在し得ない感覚量である。
ここで、システムは、物体から、もしくは、物体への刺激を提示し、そして操作者の操作に合わせて操作者に印加される刺激が制御される。最小限の触力覚情報提示システムは、触力覚アクチュエータおよびコントローラから構成されている。触力覚アクチュエータに取り付けられたセンサにより、センサにおける位置、速度、加速度、形状、変位、変形、振幅、回転、振動、力、トルク、圧力、湿度、温度、粘性、弾性が測定され、その情報がコントローラに送られて、触力覚アクチュエータを制御するための制御信号が計算されて、触力覚アクチュエータに送られ、触力覚アクチュエータが制御される。
触力覚アクチュエータは、パネル型およびディスプレイ型のセンサ機能および提示機能を備え、コントローラにおいて、指や掌などの身体の動きにともなう、変位、運動量、振動振幅、変位刺激、振動刺激、刺激強度の時間変化などが計算され、制御アルゴリズムに基づき、センサでモニタされた指や掌などの身体の動きや圧力などに合わせて、触力覚アクチュエータの位置、速度、加速度、形状、変位、変形、振幅、回転、振動、力、トルク、圧力、湿度、温度、粘性、弾性などが制御され、ヒトなどに、圧覚、触覚、力覚などの触力覚情報が提示される。
制御信号は、力情報(t)、振幅情報(t)などが駆動電圧等で表現されており、アクチュエータは、モータ、ピエゾ、人工筋肉、記憶合金、分子モータ、静電、コイル、磁力、静電気、その他、変位・振動を発生するものならば、デバイス・動作原理は問われない。その結果、平面、曲面、立体形状で構成されたパネル、ディスプレイが、筐体等に、固定もしくは微小振動するように設置されているにも関わらず、差し込み感、押込み感、めり込み感、深さ感、押し戻され感、浮き上がり感、振動・振幅の収束感、振動・振幅の残響感、変位・移動の方向感覚、ズブズブ感、硬さ感、ソフト感、立体的な感触が感じられる。物理的には、そのような感覚が再生・提示されていないにも関わらず、感覚的にはそのような感覚、および、身体的な反応・反射が体験される。
その結果、情報端末等において、平面・平坦なパネルにも関わらず、ボタン、スライダ、ダイヤル、スウィッチ、操作パネルなどの物体の操作感触がリアルに得られることが可能となる。
図3は、触力覚アクチュエータの変位制御の概略図を示す。触力覚アクチュエータは、並進と回転について、6自由度を有しており、変位、振幅、速度、加速度、位相差を自在に制御できる。また、変位、変位パターン、波形、振動の刺激以外でも電気刺激、クーロン力等の刺激を制御できる。
図4~図10は、錯角現象を示す装置の概略図を示す。該図において、この装置は、基材上にアクチュエータ、その上にタッチパネル及び物体の変位、圧力、加速度等を検知し、位置、回転、テンソルを計測するセンサを備える。タッチパネルは、y方向に変位するが、ボタンのz方向にへこみ・押込みが感じられる。
図4に、錯覚現象のない通常の動作を示す。触力覚アクチュエータの基本ユニットは、タッチパネル、センサ、アクチュエータから構成されている。タッチパネル、およびセンサにおいて、位置、速度、加速度、形状、変位、変形、振幅、回転、振動、力、トルク、圧力、湿度、温度、粘性、弾性などが、スカラー、ベクトル、もしくはテンソルとして、計測される。
アクチュエータは、位置、速度、加速度、形状、変位、変形、振幅、回転、振動、力、トルク、圧力、湿度、温度、粘性、弾性などが、スカラー、ベクトル、もしくはテンソルとして、提示される。タッチパネルは通常硬く変形しないことが多く、操作者が、タッチパネルを押込圧Pで押し込むと、タッチパネルはZ方向には変位、変形せずにZ=0が保たれる。押込圧Pが増加するとともに、操作者の指先が変形し、押込みの圧力を知覚するが、沈み込み変位Z(=0)、および沈込感覚Sz(=0)は感じられない。
本特許では、指先での触力覚情報の知覚について説明をするが、特に指先に限らず、操作者の全身、身体の至るところを想定している。
図5に、錯覚現象のある場合の動作を示す。タッチパネルは通常硬く変形しないことが多く、操作者が、タッチパネルを押込圧Pで押し込むと、タッチパネルはZ方向には変位、変形せずにZ=0が保たれる。
ここで、通常とは異なり、アクチュエータによって、タッチパネルをY方向に変位(Y)させると、沈み込み変位Z(=0)がないにも関わらず、押込圧Pの増加の知覚とともに、Z方向に沈込感覚Szが感じられる。タッチパネルをX方向に変位(X)させた場合も、同じく、Z方向に沈込感覚Szが感じられる。ただし、指先の指し示す方向(Y)と、タッチパネルの変位方向が一致しない場合は、変位方向への移動を弱く知覚することもある。指先および指の沈み込みの方向により、タッチパネルの変位方向を調整すると、錯覚が効果的となる。
ここでの現象は、Y方向の変位が、Z方向への沈み込み感覚に知覚される錯覚であり、軸間、動作向を越えた錯覚現象(Cross-Direction効果)である。Y方向の変位は、所望の触感・感触に合わせた、様々な変位パターンが存在している。直線的な増加・減少や、正弦波的な振動、基本周波数成分の組合せにとどまらず、シンセサイザーで楽器の音色や音楽を創造するかのように、任意波形のデザイン、振幅変調、周波数変調、畳み込み、およびその組合せなどによって、様々な触感・感触を表現することができる。
錯覚パターンは、押し込み圧力方法(3方向)×アクチュエータ変位方向(3方向)の9パターンの組み合わせが備える。さらに、回転パターンを備える。また、中間の方向もあるので、その組合せは、無限となる。並進的な変位の他に、回転的な変位の場合もある。
図6に、ラッチ・連続的な錯覚現象の動作を示す。ここで、アクチュエータによって、タッチパネルをY方向に階段的に変位(Y)させると、沈み込み変位Z(=0)がないにも関わらず、押込圧Pの増加の知覚とともに、変位(Y)の階段的変化にともない、Z方向にズブズブと階段的な沈込感覚Szが感じられる。
図7に、ラッチ・連続的な錯覚現象の動作を示す。ここで、アクチュエータによって、タッチパネルをY方向に変位(Y)を繰り返すと、沈み込み変位Z(=0)がないにも関わらず、押込圧Pの増加の知覚とともに、変位(Y)の変化にともない、Z方向にズブズブと沈込感覚Szが感じられる。押込み変位(Y)が感じられにくい条件が存在する。
該図は、押し込み、押し込み圧、変位、沈み込み感覚をそれぞれ示す。図8は、位相が遅れて変位が現れる。タッチパネルは通常硬く変形しないことが多く、操作者が、タッチパネルを押込圧Pで押し込むと、タッチパネルはZ方向には変位、変形せずにZ=0が保たれる。ここで、通常とは異なり、アクチュエータによって、押込圧Pの増加に対して位相を遅らせて、タッチパネルをY方向に変位(Y)させると、沈み込み変位Z(=0)がないにも関わらず、Y方向に変位(Y)にともない、Z方向に沈込感覚Szが感じられる。変位(Y)の増加が開始するまでは、仮想ボタンの押込みに対する抗力が提示され、抗力の最大値である押込感覚Sz(≠0)が、仮想ボタンの硬さとして提示される。
図9は、変位が持続せずピークを示した後に変位がゼロになる。ここで、アクチュエータによって、タッチパネルをY方向に往復的に変位(Y)させると、沈み込み変位Z(=0)がないにも関わらず、押込圧Pの増加、変位(Y)の変化にともない、Z方向に「カチッ」といったボタンのような沈込感覚Szが感じられる。
図10は、変位がプラス方向のピークとマイナス方向のピークを示した後にゼロになる。ここで、アクチュエータによって、タッチパネルをY方向に往復的に変位(Y)させると、沈み込み変位Z(=0)がないにも関わらず、押込圧Pの増加、変位(Y)の変化にともない、Z方向に「カチッ」といったボタンのような沈込感覚Szが感じられる。
図11から図17は、物体(パネル)により及び又は物体への刺激である指の押込み方法を示す概略図である。図11は、操作者が、タッチパネルを押込圧Pで押し込み、アクチュエータによって、タッチパネルがZ方向に変位すると、Z方向に沈込感覚Spが感じられる。図12及び図13は、段階的なボタンの押込みにより、パネルのわずかなボタン抵抗の刺激、瞬時に反応、応答の良い刺激、ボタン感触後カチッとした刺激、ボタン存在なく壁だけが感じられる刺激の提示をそれぞれ示す。図14及び図15は、段階的なボタンの押込みにより、パネルが動く刺激、パネルが静止する刺激、指とパネルとの感覚刺激の提示をそれぞれ示す。図17は、ボタンの押込みにより、パネルに生じる三角波、サイン波の刺激の提示を示す。
図19から図24は、刺激としてパネルに印加される変位・振幅の制御を示す概略図である。図19は、パネルを真下に押下げ際にパネルが変位して三角波を形成する。この変位により感覚的指の深行感刺激、物理的指への張力刺激、感覚的指への抵抗感刺激が提示される。図20は、パネルを無自覚に移動させた際の押し下げ際にパネルが変位して三角波を形成する。この変位により感覚的指の進行感刺激、物理的指への張力刺激、感覚的指への奥行感刺激が提示される。図21は、パネルにボタン特性である粘弾性刺激を与えた際にパネルが変位して三角波を形成する。この変位によりパネルに感覚的指の進行感刺激、物理的指への張力刺激、感覚的指への反応感が提示される。
図22は、パネルに人口皮膚感覚である粘弾性刺激を与えた際にパネルが変位して三角波を形成する。この変位によりパネルに感覚的指の進行感刺激、物理的指への張力刺激、感覚的指への反力感が提示される。
図23は、パネルに刺激を与えた際にパネルが変位して三角波を形成する。パネルの変位をそれぞれ示す。ここで、アクチュエータによって、タッチパネルをY方向に変位(Y)させると、沈み込み変位Z(=0)がないにも関わらず、押込圧Pの増加、変位(Y)の変化にともない、Z方向にボタンのような沈込感覚Szが感じられる。Y方向の変位(Y)のさせ方によって、Z方向に、「ズブッ」沈み込む感覚、「カチッ」「カッチ」といったボタンのような感覚Szが感じられる。
図24は、パネルに刺激を与えた際にパネルの変位がサイン波を形成する。パネルの変位をそれぞれ示す。ここで、アクチュエータによって、タッチパネルをY方向に変位(Y)、正弦波的に変化させると、沈み込み変位Z(=0)がないにも関わらず、押込圧Pの増加、変位(Y)の変化にともない、Z方向にボタンのような沈込感覚Szが感じられる。Y方向の変位(Y)のさせ方によって、Z方向に、「ズブッ」沈み込む感覚、「カチッ」「カッチ」といったボタンのような感覚Szが感じられる。
図25~図29は、触力覚アクチュエータの変位、変位パターン、波形、振動の一例である、波形制御の概略図を示す。触力覚アクチュエータは、波形振幅、振動振幅、速度、加速度、位相差を自在に制御することで、任意の方向に、任意の変位・波形パターンを生成できる。
図26は、波形を非対称に加減速することで力覚を発生する変位波形を示す。図27は、波形を非対称に加減速することができる力覚を発生する加減速波形を示す。図28は、パネルを短時間波形変動させてクリック感を出す場合、1波形ごとに周波数を変えて感触を変える加速スウィープ(クリック感)波形を示す。パターン減速波形とパターン加速波形を発生させる。図29は、波形の位相は固定で加減速位置を入れ替える加減速シフト波形、加減速位置は固定で波形の位相を入れ替える位相シフト波形の概略図を示す。波形は、速度、位相波形が制御される。
図30は、力覚に関する感覚特性を用い、2つの偏心回転子A912および偏心回転子B913の回転を位相同期させて変位を合成した触力覚情報提示方法を示す図である。
ここで、(図30(b))は、(図30(a))の2つの偏心回転子A912および偏心回転子B913を同方向で180度位相が遅れて同期回転させた場合を模式化したものである。この同期回転の結果、偏心のないトルク回転を合成することができる。
(図30(c))は感覚特性931が対数関数的な特性の場合を模式化したものであり、感覚特性931は感覚特性211と同様に刺激である物理量932に対してその感覚量933が対数などの非線形特性であることを示している。この感覚特性931上の、動作点A934で正のトルクを発生し、動作点B935で逆方向の負のトルクを発生した場合を考えると、トルク感覚944は(図30(d))のように表わされる。トルク943は回転子の回転速度942の時間微分に比例する。動作点A934、および動作点B935で動作させると、トルク感覚944が知覚される。
トルク943は、物理的に1サイクルで初期状態948に戻り、その積分値はゼロとなっている。しかし、感覚量であるトルク感覚944の感覚的積分値はゼロになるとは限らない。動作点A934および動作点B935を適切に選択して、動作点A継続時間945および動作点B継続時間946を適切に設定することで、任意の方向に自在にトルク感覚を提示し続けることができる。
以上のことは、トルク回転に限らず回転や並進の変位の時や、感覚特性931が指数関数的な場合などの非線形特性を示す時にも成立する。(図30(c))の感覚特性931が閾値を持つ場合も、同様のトルク感覚が生じ、片方の方向のみにトルク感覚を間欠的に提示し続けることができる。
図31(a)は、位相パターンの初期位相(θi)によって誘起・知覚される錯触力覚の方向を示している。 錯触力覚デバイス107は、図31(b)の回転開始の初期位相(θi)を変えることにより、偏心回転子で合成される運動量の変化によって誘起される錯触力覚の方向1202を、初期位相(θi)の方向に制御することができる。例えば、図31(c)のように初期位相(θi)を変えることにより、平面内360°の任意の方向に誘起できる。 このとき、錯触力覚インタフェース装置101自身の重さが重い場合、錯触力による上向きの力感覚1202と重力による下向きの力感覚1204とが打ち消されて浮き上がる浮力感覚1202が得られにくく、重く感じられてしまうことがある。その時には、錯触力覚による上向き方向を重力方向の反対方向から僅かにずらして錯触力覚1203を誘起させることで、重力による浮上感覚の減少・阻害を抑制することができる。 重力方向と反対方向に提示したい場合には、重力方向と180°+α°及び180°-α°とわずかに鉛直からずれた方向に交互に錯触力覚を誘起する方法もある。
図32(a)~図32(f)は、基本的な触力覚の感覚、錯触力覚の感覚を提示する、錯触力デバイス(触力デバイス)の制御の一例を示している。 図32(a)は、錯触力覚デバイス107において回転力を発生する方法を模式的に示したものであり、図32(d)は、並進力を発生する方法を模式的に示したものである。図32(a)の2つの偏心錘814の回転は、位相180°遅れて同じ方向に回転している。これに対して、図32(d)では、お互いに反対方向に回転している。
(1)図32(b)のように、2つの偏心回転子を180度の位相遅れで同方向に同期回転させた場合、2つの偏心回転子が点対称となり重心と回転軸中心が一致することにより、偏心のない等トルクの回転が合成される。これにより、回転力感覚を提示することができる。しかし、角運動量の時間微分がトルクであり、一定方向に連続してトルクを提示し続けるためには、モータの回転数を連続的に加速し続ける必要があり、現実的には連続的に提示することは困難である。
(2)図32(c)のように、角速度ω1及び角速度ω2によって同期制御することにより、一定方向に連続的な回転力の錯触力覚感覚(連続トルク感覚)が誘起される。(3)図32(e)のように、反対方向に一定角速度で同期回転させた場合、初期位相θi1201を制御することで任意の方向に直線的に振動する力(単振動)が合成できる。
(4)図32(f)のように、錯触力覚に関する感覚特性に従い、角速度ω1及び角速度ω2によって反対方向に同期回転させた場合、一定方向に連続的な並進力の錯触力覚感覚(連続力感覚)が誘起される。 錯触力覚インタフェース装置101において、図32(c)及び図32(f)のように、人間の感覚特性に合わせて回転速度(角速度)及び位相同期を的確に制御すれば、2種類の角速度(ω1、ω2)の組み合わせだけでも錯触力覚を誘起できるため、制御回路を簡潔にすることができる。
図33は、この図30の現象及びその効果を模式的に示している。錯触力覚に関する感覚特性を考慮して、偏心モータ815の回転パターンを制御して2つの偏心回転子の合成運動量を時間的に変化させることにより、平衡点周りに周期的に加減速する振動904から、一定方向に連続的に働く力が知覚される錯覚905を誘起させることができる。つまり、物理的には一定方向に働く力のような成分は存在していないが、一定方向に力が働いているように知覚される錯覚が誘起される。
動作点A、及び動作点Bで位相180°毎に交互に加減速させると、一定方向の力感覚905が連続的に知覚される。力は、物理的に1サイクルで初期状態に戻り、その運動量及び力の積分値はゼロとなっている。つまり、平衡点周りに留まり、加減速機構が左側に移動することはない。しかし、感覚量である力感覚の感覚的積分値はゼロにならない。この時、正の方向の力の積分908の知覚は低下し、負の方向の力の積分909だけが知覚される。
ここで、角運動量の時間微分がトルク、運動量の時間微分が力であり、一定方向に連続してトルク及び力を発生し続けるためには、モータの回転数もしくはリニアモータを連続的に加速し続ける必要があり、そのため、回転体などを周期的に回転させ方法は力覚を一定方向に連続的に提示するのに適していない。特に、モバイル等で利用される非ベース型インタフェースでは、一方向への連続的な力の提示は物理的には不可能である。
しかし、人は非線形感覚特性を有しており、本発明の手法を用いれば、錯触力覚特性に関する知覚感度の利用や運動量の加減速パターン制御によって、物理特性とは異なった力・力パターンを錯覚的に知覚させることができる。例えば、与えた刺激強度に対する感じられた刺激の大きさの比が感度であるが、人間の感覚特性は与えた刺激の強度に対して感度が異なっており、弱い刺激にはより敏感であり、強い刺激には鈍感である。そこで、モータ回転の加減速の位相を制御し周期的に加減速を繰り返すことで、弱い刺激を提示した方向に連続的な力覚を提示させることに成功している。また、感覚特性の適切な動作点A及びBを選択することにより、強い刺激を提示した方向にも連続的な力覚を提示させることもできる。
類似の装置としてドライビング・シミュレータが連想されるが、ドライビング・シミュレータでは、目的の力(加速感)を与えた後に気付かれない程度の小さな加速度で元の位置にゆっくりと戻すことで車の加速感を提示している。そのため力の提示は断続的になり、このような偏加速型方式では、一定方向の力感覚や加速感を連続的に提示することはできない。従来型である触力覚インタフェース装置でも同様である。しかし、本発明では、錯覚を利用することで、一定方向に連続的な並進力感覚905が提示される。特に、物理的な手法による上記ドライビング・シミュレータで提示される断続的な力の方向とは反対方向に連続的な力が知覚される点が、錯覚を用いた錯触力覚インタフェース装置101の特徴である。
つまり、この強度によって感度が異なるという人間の非線形感覚特性を利用することで、周期的な加減速や振動で発生する力の積分が物理的にはゼロであるにも関わらず、感覚的には相殺されないばかりか、正の方向の力908は知覚されず、目的の方向である負の方向909に並進力的な力覚905やトルク感が連続的に提示できる。(連続的なトルク感覚の生成方法は、図19(c)を参照)これらの現象は、感覚特性831が刺激である物理量832に対してその感覚量が対数以外の場合でも、非線形特性であれば同じ効果が得られる。本効果は、非ベース型に限らず、ベース型においても効果が得られる。
図3において、動作点Aでの回転継続時間Taをゼロに近づけることにより、回転継続時間Taと回転継続時間Tbのそれぞれの区間での運動量が等しいことから、回転継続時間Taの区間での合成運動量は大きくなり力も大きくなるが、力感覚は対数的に変化し感度が低下するために、回転継続時間Taの区間での感覚値の積分はゼロに近づく。このため、回転継続時間Tbの区間での力感覚が相対的に大きくなり、一方向への力の感覚905の連続性が向上していく。その結果、動作点A及び動作点Bを適切に選択して、動作点A継続時間及び動作点B継続時間を適切に設定し、2つの偏心回転子A及び偏心回転子Bの同期位相を調整することで、任意の方向に自在に力感覚を提示し続けることができる。
図34は、錯触力覚インタフェース装置で利用される非線形特性を示しており、それぞれ、感覚特性(図34(a)及び図34(b))、粘弾性材料の非線形特性(図34(c))、粘弾性材料のヒステリシス特性(図21(d))を示している。 図34(b)は、図2と同様に、物理量に対して閾値2206を有する人間の感覚特性を示した模式図であり、この特性を考慮して錯触力覚インタフェース装置を制御することにより、物理的には存在していない感覚が錯触力覚として誘起されることを示している。 図34(c)のように、加えた力に対する応力特性が非線形特性を示す物性を有する材料を変位・振動・トルク・力といった駆動力を発生する装置と人間の皮膚・感覚器官との間に挟んだ時にも、同様な錯触力覚が誘起される。 また、図34(d)のように、感覚特性は、筋肉を伸ばす時と縮める時など、変位が増加する時と減少する時において等方的でなく、ヒステリシス的感覚特性を示す場合が多い。筋肉が引っ張られるとその直後に筋肉が強く収縮する。このように強いヒステリシス特性を発生させることで、同様な錯触力覚の誘起が促進される。
図35は、感覚特性を変化させる方法の一例として、力覚に関するマスキング効果によって感覚特性を変化させる方法を用いた触力覚情報提示方法を示す図である。
感覚特性は、マスキング変位(振動)によってマスキングされトルク感覚434が減少する。このマスキング方法として、(視覚、聴覚のマスキングで実績のある)同時マスキング424、前方マスキング425、後方マスキング426があげられる。(図35(a))はマスキーであるトルク413を模式化したものであり、この時知覚されるトルク感覚434は(図35(c))のように表わされる。トルク413は回転子の回転速度412の時間微分に比例する。
この時、回転子の回転速度412を初期化する初期化時間415と、それに対応したマスキング継続時間425を、図6に示した(図35(d))の初期化時間445とマスキング継続時間455のように短縮していき、ある一定時間よりも短くなると初期化による負のトルクが物理的に存在するにも関わらず、トルク感覚464のようにトルクが連続して提示されているように感じられる臨界融合が生じる。
なお、マスキング変位(振動)を発生するマスカーは、それによってトルクがマスクされるマスキーである回転子と別な回転子であっても、マスキーである回転子自身であってもよい。 マスキーの回転子がマスカーでもある場合とは、マスキング時にその回転子が制御装置によってマスキング変位(振動)を発生するように制御されることを意味する。マスカーの変位(振動)方向は、マスキーの回転子の回転方向と同一であっても、あるいは同一でなくてもよい。 以上のことは、マスキーとマスカーが同一の刺激の場合(マスキーの回転子がマスカーでもある場合)にも起こり得る。
図36は、この場合を模式化した図である。図36に示すように、強トルク感覚485、486の前後において、前方マスキング485、後方マスキング486によりトルク感覚484が減少する。
感覚特性は、筋肉の緊張状態、あるいは、身体的・生理的・心理的状態のいずれか1つ以上の状態によりトルク感覚517の感度が変化する。例えば、筋肉が外力である提示トルク514(短い時間で強いトルク524)で瞬時に伸ばされることで、筋肉の中の筋紡錘というセンサがこれを感知し、この外力に負けないパワーを持つ筋肉起因トルク515(筋肉反射起因トルク525)で条件反射的に筋肉が素早く収縮する。このとき筋電511が発生する。それを検知した制御回路512は触力覚提示機513を制御して、筋肉の収縮に同期して提示トルク516(穏やかに中程度のトルク526)を働かせることでトルク感覚517の感度を変化させる。
以上のことは、筋肉の緊張状態だけに限らず、呼吸・姿勢・神経発火の状態のいずれか1つ以上の状態による感覚感度の変化の場合にも成立する。
掌は、その骨格・関節・腱・筋肉などの解剖学的な構造から、掌の方向によって感度が異なる。掌の方向に依存した感度(不等方性感度曲線611)に合わせて提示物理量の強度(回転速度ω612)を補正することによって、精度良い方向提示が可能となる。
図37は、任意方向に変位感覚・振動感覚・力感覚・トルク感覚のいずれか1つ以上の触力覚情報を、連続的、断続的に提示する制御方法の1例として、力覚に関するマスキング効果によって感覚特性を変化させる方法を用いて、任意の方向に振動触力覚情報提示方法を示す図である。
感覚特性は、マスキング変位(振動)1216によってマスキングされ力感覚1224が減少する。このマスキング変位(振動)は、(図30(b))において偏心回転子Aの回転速度1022および偏心回転子Aの回転速度1023を同期させて速度を変位(振動)されることによって発生させることができる。(図37(a))はこれを模式化したものであり、この時知覚される力感覚1224は(図37(b))のように表わされる。力1213は2つの偏心回転子の合成回転速度の大きさ1212の時間微分に比例する。
この時、回転子の回転速度1212を初期化する初期化時間1215を短縮していき、図37(c)のようにある一定時間よりも短くなると初期化による負の力が物理的に存在するにも関わらず、力感覚1244のように力が連続して提示されているように感じられる臨界融合が生じる。
以上のことは、マスキーとマスカーが異なる回転子による場合にも生じるし、また、力だけでなくトルクの場合にも同様な連続提示感覚が生じる。
図38(a)~図38(c)に示した感覚特性のように、ユーザごとの感覚特性は異なる。このため、錯触力覚がはっきりと知覚される人や知覚されにくい人、学習によって知覚されやすさが向上する人がいる。本発明では、この個人差を補正する装置を有する。また、同じ刺激が持続的に提示される場合、その刺激に対して感覚が鈍化してしまうこともある。そのため、刺激の強度・周期や方向に揺らぎを与えたりすることで慣れを防止することは効果的である。
図38(d)に錯触力覚を用いた一定方向の力の提示手法の一例を示す。2つの偏心振動子を反対回転方向に回転させて変位成分・振動成分を合成する方法において、動作点Aでの高速回転数ω1(高周波f1)1002aと動作点Bでの低速回転数ω2(低周波f2)1002bを位相180°毎に交互に提示した場合、錯触力覚強度(II)は、偏心回転子の回転速度である周波数の加減速比Δf/fの対数に比例する(図38(e))。ただし、(f=(f1+f2)/2、Δf=f1-f2)。錯触力覚強度とΔf/fの対数値をプロットした時の傾きnが、個人差を示す。
また、感覚強度(VI)は、錯覚による一定方向の力感覚と同時に知覚される変位成分・振動成分の強度を示し、変位成分・振動成分の強度と物理量f(対数)とはおおよそ反比例の関係にあり、周波数fを大きくすることで感覚強度(VI)は相対的に低下する(図38(f))。この変位成分・振動成分の含有強度を制御することにより、錯触力覚を提示したときの力の質感が変わる。対数でプロットした場合の傾きmは個人差を示す。なお、個人差を示すn、mは、学習が進むに従って変化し、学習が飽和した時に一定の値に収束する。
図39(a)~図39(c)は、仮想平板1100の質感表現方法を示している。錯触力覚インタフェース装置101が、センシングによってモニタされた錯触力覚インタフェース装置101の動き(位置・姿勢角度、速度、加速度)が仮想物体の動きを1101を表しており、この仮想物体の動きに合わせて、錯触力覚による抗力1102の方向・強度及び質感パラメタ(含有振動成分)を制御することにより、仮想平板の質感である摩擦感覚1109や粗さ感覚1111及び形状が制御される。 図39(a)は、仮想平板1100上で仮想物体(錯触力覚インタフェース装置101)を移動させた時に働く仮想平板から仮想物体への抗力1103及び移動に対する抗力1102を示している。
図39(b)は、錯触力覚インタフェース装置101と仮想平板1100とが接した時に両物体の間に働く摩擦力1104が、動摩擦及び静摩擦を振動的に繰り返すことを示している。また、仮想平板の誤差厚内1107に錯触力覚インタフェース装置101が留まるように押し戻す抗力1106をフィードバック制御して提示することで、仮想平板の存在・形状を知覚させる。錯触力覚インタフェース装置101が仮想平板内1100に存在しない時は押し戻す抗力を提示せず、存在する時だけ提示することにより壁の存在が知覚される。
図39(c)は、表面粗さの表現方法を示している。錯触力覚インタフェース装置101を移動させた方向1101とは反対方向に、移動速度・加速度に合わせて抗力を提示することによって、抵抗感や粘性感1108を知覚させる。移動方向と同じ方向に負の抗力を提示(加速力1113)することによって、氷上を滑るような仮想平板の滑らか感1110を強調することができる。この加速感・滑らか感1110は、従来の振動子を使った非ベース型触力覚インタフェース装置では提示することが困難であり、錯覚を使った錯触力覚インタフェース装置101で実現された質感及び効果である。また、抗力を振動的に変化させること(振動的抗力1112)により、仮想平板の表面粗さ感覚1111を知覚させる。
図40は、印加電圧で特性が変わる粘弾性材料を用いた制御アルゴリズムを示している。 粘弾性材料を用いた手法では異なる応力-変形特性の材質(2403,2404)を張り付けるが、図40(a)のように、印加電圧で粘弾性特性が変化する材料1707を用いてもよい。印加電圧を制御することで粘弾性係数を変化(図40(b))させて、偏心回転子によって発生された周期的に変化する運動量の掌への伝達率を、偏心回転子の回転位相と同期させて変化させることで、偏心回転子が図40(c)のように一定の回転速度で回転(定速度回転)していたとしても、図40(d)のように粘弾性の特性を時間的に動作点B及び動作点Aにおける特性値になるように変化させることで掌・指先に伝わる運動量を制御できるため、偏心回転子の回転速度を加減速したことと同じ効果が得られる。
また、本手法は、皮膚の物理特性を疑似的に変えることと同じ効果を有し、感覚特性曲線(図40(e)を擬似的に変化させる効果を持つ。そのため、感覚特性の個人差を吸収したり、錯触力覚の誘起効率を高める制御に利用できる。また、図40(a)のように錯触力覚デバイス表面に粘弾性材料を貼り付けた場合と同様に、図40(f)のように粘弾性材料を指先や身体に貼り付けてもよい。ここで、粘弾性材料は、印加電圧によって応力-歪特性を非線形に制御することができるものであれば、材質・特性を問わない。また、非線形制御ができれば、制御方法も印加電圧による制御に限られない。
図40(b)のようにモータの回転の加減速を繰り返すと大きなエネルギーのロス及び発熱が起こるが、本手法は、モータの回転速度は一定(図40(c))、もしくは、加速度比f1/f2が1に近い値であり、印加電圧による特性の変化を行うため本手法のエネルギー消費は、モータの加減速によるエネルギー消費よりも小さく抑え得る。
図41は、錯触力覚インタフェース装置101の制御の一例を示している。 本装置では、モータ1704の制御を、モータ1704のフィードバック特性を制御するモータフィードバック(FB)特性制御器と錯触力覚誘起パターンをモータ制御信号に変換する制御信号生成器に分けて制御する。本発明では、モータ回転の位相パターンθ(t)=F(u,II,VI,R)の同期を制御することが肝要であり、時間的に高精度に同期制御する必要がある。そのため手法の一例として、ここではサーボモータの制御用パルス列による位置制御を示す。位置制御としてステップモータを用いた場合には、急な加減速のために簡単に脱調・制御不能になることが多い。そこで、ここではサーボモータによるパルス位置制御を説明する。モータフィードバック(FB)制御特性の制御とパルス位置制御法によるモータ制御に分離することで、錯触力覚インタフェース装置101を多数同期制御して利用する本発明では、異なるモータを使用した場合のモータ制御信号の一貫性、錯触力覚誘起パターン生成の高速化、及び同期制御すべき制御モータ数の増加に容易に対応ができるスケーラビリティが確保される。また、個人差の補正も容易となる。
錯触力覚誘起関数生成器1701において、モータFB特性制御器及びモータ制御信号生成器を制御するための制御信号に分離され、モータ制御信号生成器においてモータの位相位置を制御するパルス信号列gi(t)=gi(f(t))が生成され、モータの位相パターンθ(t)が制御される。 本方式では、パルス数によってモータの回転位相をフィードバック制御しており、例えば、1パルスによって1.8°モータが回転する。なお、回転方向は、方向制御信号により、正転・反転が選択される。このパルス制御手法を用いることにより、2つ以上のモータの位相関係を保ちながら、任意の加減速パターン(回転速度、回転加速度)を任意の位相のタイミングで制御する。
図42(a)~は、錯触力覚インタフェース装置101の実装例を示している。 図42(a)や図42(b)のように、接着テープ1301やハウジング1302の指挿入部1303を用いて指先533に装着する。また、指533の間に装着したり(43(c))、指533で挟んで(43(d))使用してもよい。ハウジング1302は、変形が少ない硬い材料でもよいし、変形が容易な材料でもよいし、粘弾性を持ったスライム状でもよい。これらの装着方法の変形態として、図43も考えられる。柔軟な接着及びハウジングによって、錯触力覚デバイスの2つの基本ユニットの位相を制御することにより、左右上下の力覚に加え、膨張感覚、圧縮・圧迫感覚も表現することができる。このように、接着テープ、指挿入部を有するハウジングのように、錯触力覚インタフェース装置101を身体などに装着させるものを装着部と呼ぶ。装着部は、上記の接着テープ、指挿入部を有するハウジングの他に、シート型、ベルト型、タイツのように、物や身体に装着できるものならばどのような形態のものでもよい。同様な方法で、指先、掌、腕、大腿など、体の至る所に装着される。 なお、本明細書で扱う粘弾性材料及び粘弾性特性という用語は、粘性及び又は弾性の特性を有するものを示す。
図43に、その他の、錯触力覚インタフェース装置101の実装例を示す。 図43(a)では、錯触力覚デバイス107が加速度センサ108にノイズ振動として検出されてしまうため、これらを指533に対して反対方向に配置することで、振動の加速度センサ108への影響を低減させている。また、錯触力覚デバイス107の制御信号をもとに加速度センサ108で検出されるノイズ振動をキャンセリングすることによってもノイズ混入の低減を図っている。
図43(c)~図43(e)では、錯触力覚デバイス107と加速度センサ108の間に耐震材料1405を介在させることで、ノイズ振動の混入を抑えさせている。 図43(d)では、実物体を触りながら錯触力感覚をも知覚する錯触力覚インタフェース装置101である。実物体との触感に錯触力覚の感覚を付加している。従来のデータグローブでは、触力覚の提示に指にワイヤを装着して指を引っ張ることにより力覚を提示していた。データグローブを用いて実物体を触りながらも触力覚提示を行うと、実物体から指が離れてしまったり、把持が阻害されるなど、実物体とバーチャル物体の感触を複合することが難しい。錯触力覚インタフェース装置101では、このようなことがなく、実物体をしっかりと把持・触れながらもバーチャルな感触も付加する複合感覚(ミックス・リアリティ)を実現している。
図43(e)では、さらに、圧力センサ110によって測定された実物体との接触及び把持圧に従い錯触力感覚を付加することで、その実物体の把持・接触感触を編集したり、バーチャル物体531の感触に置換する。図43(f)では、図43(e)の圧力センサの代わりに表面形状や形状変形を測定する形状センサ(例えば、フォトセンサ)を用いて、触感に係る把持物体の形状・表面形状の測定、及び変形による把持力・歪せん弾力・接触の測定を行っている。これらによって、測定された応力・せん弾力及び表面形状を強調した触覚拡大鏡が実現される。顕微鏡のようにディスプレイで微細な表面形状を視覚的に確認するとともに、その形状を触覚的にも確認することができる。また、形状センサにフォトセンサを使用すれば、接触しなくても形状を測定できるため、離れた物体に手をかざすことで物体の形状を体感することができる。
また、使用状況やコンテキスト(文脈)によってタッチパネル上のコマンドが変化する可変型タッチボタンの場合、特に、携帯電話のようにボタンを押すときに指で隠れてしまう場合などでは、可変型ボタンのコマンドが隠れてしまい読めなくなる。同様に、VRコンテンツにおける仮想空間内の可変型ボタンの場合、メニュー表記やコマンドがコンテキストで変化するため、ボタンを押す場合には今押そうとするボタンの内容がわからなくなる。そのために、図43(e)のように、錯触力覚インタフェース装置101上のディスプレイ1406にそれを表示することで、ボタンのコマンド内容を確認しながら錯触力覚ボタンを押し込むことができる。
バーチャル物体531やバーチャル・コントローラでのバーチャル・ボタンの押込み情報及び押込み反力が実物体と同様に違和感なく感じ操作できるためには、押込みと押込み反力の提示との間の時間遅れが問題となる。例えば、アーム型の接地型力覚インタフェースの場合、把持指の位置がアームの角度等で計測され、デジタルモデルとの接触・干渉判定が行われた後、提示すべき応力が計算され、モータの回転が制御され、アームの動き・応力が提示されるため、応答遅れが発生することがある。特に、ゲーム時のボタン操作は反射的に高速に行われるため、コンテンツ側でモニタ・制御していたのでは間に合わないことがある。そこで、錯触力覚インタフェース装置側101にも、センサ(108,109,110)をモニタし、錯触力覚デバイス107及び粘弾性材料1404を制御するCPU、メモリを搭載して、リアルタイム制御を行うことでバーチャル・ボタンの押込みなどの応答性が向上し、リアリティ及び操作性が向上する。
また、通信器205を有し、他の錯触力覚インタフェース装置101との通信を行う。例えば、錯触力覚インタフェース装置101を指5本に装着した場合、それぞれの指の動きに連動して、錯触力覚インタフェース装置が形状変形材(図43(b)の1403)で変形したり、バーチャル・コントローラの形状変形や感触、バーチャル・ボタン操作をリアルタイムに行うことで、リアリティ及び操作性が向上する。
図43(a)では、感覚・筋肉のヒステリシス特性を効果的に利用するために、筋電センサ110で筋電反応を測定し、筋肉が縮小する時間及び強度が大きくなるように錯触力覚誘起関数がフィードバック的に補正される。錯触力覚の誘起に影響する要因のひとつに、錯触力覚インタフェース装置101の指や掌への装着仕方(挟み方・挟む強さ)、錯触力覚インタフェース装置101からの力を受け止める腕へのユーザによる力の入れ方がある。錯触力覚の感度には個人差があり、軽く握った方が錯触力覚を感度良く感じる人もいるし、強く握った方が感度良く感じる人がいる。同様に、装着時の締め付け方によっても感度が変わる。この個人差を吸収するために、圧力センサ109や筋電センサ110で握りの状態をモニタして、個人差を測定するとともに錯触力覚誘起関数をリアルタイムで補正する。人はコンテンツ中の物理シミュレーションに慣れる・学習することで握り方が適切な方向に学習が進むが、本補正はこれを促進する効果を有している。 図43(a)~図43(e)では、部品構成を示すために、錯触力覚インタフェース装置101が厚くなっているが、各部品はシート状の薄型にも対応できる。
図44(a)は、錯触力覚デバイスによって誘起される錯触力感覚に加えて、錯触力に同期させて形状変形用モータ3002によって錯触力覚インタフェース装置の形状3001を変形させることによって、誘起される錯触力覚905を強調する装置を示している。 例えば図44(b)のように、釣りゲームに応用した場合、魚による釣り竿の引っ張りに合わせてインタフェースの形状3001を反らせることにより、錯触力覚905によって誘起された釣り糸の張力感覚が更に強調される。このときに錯触力覚なしにインタフェースを変形しただけでは、このようなリアルな魚の引きを体感することはできなく、錯触力覚にインタフェースの変形が加わることでリアリティが向上する。また、図29(c)のように錯触力覚デバイスの基本ユニットを空間的に並べることにより、形状変形用モータ3002なしに変形効果を生じさせることができる。 形状の変形は、形状変形用モータ3002に限らず、形状記憶合金や圧電素子を用いた駆動装置といった形状を変化させることができる機構ならばどんなものでもよい。
図45は、錯触力覚デバイス107の代替デバイスを示している。 図45(a)の偏心回転子の偏心錘814とそれを駆動する偏心モータ815の代わりに、図45(b)~図45(e)では錘2302と伸縮材2303を使用している。例えば、図45(b)及び図45(d)は、錘2302を支える伸縮材2303が、それぞれ、8つの場合と、4つの場合の平面図、正面図、側面図を示している。それぞれ図において、対となる伸縮材2303を収縮・膨張させることにより、錘を任意の方向に移動させることができる。その結果、並進的及び回転的な変位・振動を発生させることができる。重心の並進移動や回転トルクを発生・制御できる加減速機構を有するものならば、どのような構造でも代替品として利用できる。
図46から図56は、触力覚ディスプレイもしくはタッチパネルの各種構成を示す。触力覚ディスプレイもしくはタッチパネルは、基材の上に設けられたアクチュエータと、タッチパネルとタッチパネルの変位、圧力、加速度などを検知して変位、圧力、加速度などの位置、回転、テンソルを計測するセンサとを備える。
図46、図47、図48は、テーブル型の触力覚ディスプレイもしくはタッチパネルの各種構成を示す。
図46に、触力覚アクチュエータの基本ユニットが示されており、タッチパネル、センサ、アクチュエータから構成されている。タッチパネル、およびセンサにおいて、位置、速度、加速度、形状、変位、変形、振幅、回転、振動、力、トルク、圧力、湿度、温度、粘性、弾性などが、スカラー、ベクトル、もしくはテンソルとして、計測される。アクチュエータは、位置、速度、加速度、形状、変位、変形、振幅、回転、振動、力、トルク、圧力、湿度、温度、粘性、弾性などが、スカラー、ベクトル、もしくはテンソルとして、提示される。ここでは、指先での触力覚情報の知覚について説明をするが、特に指先に限らず、操作者の全身、身体の至るところを想定している。図47は、触力覚アクチュエータの基本ユニットを、テーブル型、テーブル用に用いた例を示している。指先での操作の他、掌で操作できる。
図48は、テーブル型で、壁等に操作者が操作するためのバーチャル・ボタンを備えている。肘などの身体部分での操作、および、身体部分を介してバーチャル・ボタンなどの物体が操作できる。
図49及び図51、図52は、ハンドル型で、自動車のハンドル等アクチュエータ、並びに操作者が操作するためのハンドルの近くにバーチャル・ボタンを備えている。触力覚アクチュエータの基本ユニットを、ハンドル型、ハンドル用に用いた例を示している。図49は、指や掌などの身体部分での操作、および、身体部分を介してバーチャル・ボタンなどの物体が操作できる。図50は、ハンドルに液晶ディスプレイが設けられている。ハンドルを運転中に回わしたとしても液晶ディスプレイの姿勢はそのままの状態に維持される。指や掌などの身体部分での操作、および、身体部分を介してバーチャル・ボタンなどの物体が操作できる。この時に、液晶ディスプレイなどの視覚情報提示では、視点や視野を確保できるように、ハンドルを回転させても、液晶ディスプレイの姿勢が一定を維持している。
図51は、指や掌などの身体部分での操作、および、身体部分を介してバーチャル・ボタンなどの物体が操作できる。触力覚アクチュエータは、ハンドル全体に配置されており、ハンドルを回転させたり、指、掌、腕がどの位置にあっても、触力覚アクチュエータを使用できる。
図52は、指や掌などの身体部分での操作、および、身体部分を介してバーチャル・ボタンなどの物体が操作できる。ハンドル全体が触力覚アクチュエータになっており、ハンドルを回転させたり、指、掌、腕がどの位置にあっても、触力覚アクチュエータを使用できる
図53は、指や掌などの身体部分での操作、および、身体部分を介してバーチャル・ボタンなどの物体が操作できる。これにより、ドアノブがなくても、ドアノブの感触や操作が可能になる。窓ガラスに曲面液晶パネルと触力パネルが設けられている。同様なことが、物体のボタン、スライダ、ダイヤル、スウィッチ、操作パネルなど、すべてにおいて行える。
図54は、指に触力覚アクチュエータが装着され、図55は、手首にアクチュエータが装着され、図56は、アクチュエータが装着され、指でバーチャル・ボタンを押して操作される。図54は、触力覚アクチュエータの基本ユニットを、リング型、リング用に用いた例を示している。指や掌などの身体部分での操作、および、身体部分を介してバーチャル・ボタンなどの物体が操作できる。これにより、ドアノブがなくても、ドアノブの感触や操作が可能になる。同様なことが、物体のボタン、スライダ、ダイヤル、スウィッチ、操作パネルなど、すべてにおいて行える。
図55は、触力覚アクチュエータの基本ユニットを、リスト型、リスト用に用いた例を示している。指や掌などの身体部分での操作、および、身体部分を介してバーチャル・ボタンなどの物体が操作できる。これにより、ドアノブがなくても、ドアノブの感触や操作が可能になる。同様なことが、物体のボタン、スライダ、ダイヤル、スウィッチ、操作パネルなど、すべてにおいて行える。
図56は、触力覚アクチュエータの基本ユニットを、アームリング型、アームリング用に用いた例を示している。指や掌などの身体部分での操作、および、身体部分を介してバーチャル・ボタンなどの物体が操作できる。これにより、ドアノブがなくても、ドアノブの感触や操作が可能になる。同様なことが、物体のボタン、スライダ、ダイヤル、スウィッチ、操作パネルなど、すべてにおいて行える。
図57は、触力覚アクチュエータの基本ユニットを、身体全身に用いた例を示している。指や掌などの身体部分での操作、および、身体部分を介してバーチャル・ボタンなどの物体が操作できる。これにより、ドアノブがなくても、ドアノブの感触や操作が可能になる。同様なことが、物体のボタン、スライダ、ダイヤル、スウィッチ、操作パネルなど、すべてにおいて行える。
図58及び図59は、コントローラと触力覚アクチュエータとを繋ぐ配線の仕方の概略を示す。図58は、触力覚アクチュエータを並列配列に接続した場合、及び図59は、クロス配列に接続した場合を示す。
図60は、触力覚ディスプレイ・パネルとコンピュータ(PC)とを通信で情報をやり取りするシステムの概略図を示す。タッチパネルは、アクチュエータ・アレイを装着している、もしくは一体に設けられている。
本システムは、操作者の感覚特性、錯覚を適用して、操作者に実際の物体を操作したかのような触力覚情報を提示する。具体的には、センサで検知された刺激を基に制御され、人の身体に印加される刺激量と感覚量との関係を示す感覚特性が、非線形や錯覚であることを利用して刺激を制御して触力覚情報が提示される。感覚特性は、前記操作者に与えられる刺激量及び操作者の操作によってもたらされる刺激量の少なくとも1つの刺激量と操作者に提示される感覚量とを備え、感覚量は物理的に存在し得ない感覚量である。
ここで、システムは、物体から、もしくは、物体への刺激を提示し、そして操作者の操作に合わせて操作者に印加される刺激が制御される。最小限の部品は、触力覚アクチュエータおよびコントローラから構成されており、部品として使用することができる。この部品を集積し、アクチュエータ・アレイとすることで、触力覚情報提示機能を有する映像タッチパネルが構成される。触力覚情報提示システムは、この部品、およびその他のモジュール等を用いて、タッチ・ディスプレイなどのシステムが構成される。このように、アクチュエータ・アレイとして集積することで、平面、曲面、立体などの様々な形状や大きさの触力覚情報提示システムを構成することができる。
触力覚アクチュエータに取り付けられたセンサにより、センサにおける位置、速度、加速度、形状、変位、変形、振幅、回転、振動、力、トルク、圧力、湿度、温度、粘性、弾性が測定され、その情報がコントローラに送られて、触力覚アクチュエータを制御するための制御信号が計算されて、触力覚アクチュエータに送られ、触力覚アクチュエータが制御される。触力覚アクチュエータは、パネル型およびディスプレイ型のセンサ機能および提示機能を備え、コントローラにおいて、指や掌などの身体の動きにともなう、変位、運動量、振動振幅、変位刺激、振動刺激、刺激強度の時間変化などが計算され、制御アルゴリズムに基づき、センサでモニタされた指や掌などの身体の動きや圧力などに合わせて、触力覚アクチュエータの位置、速度、加速度、形状、変位、変形、振幅、回転、振動、力、トルク、圧力、湿度、温度、粘性、弾性などが制御され、ヒトなどに、圧覚、触覚、力覚などの触力覚情報が提示される。
制御信号は、力情報(t)、振幅情報(t)などが駆動電圧等で表現されており、アクチュエータは、モータ、ピエゾ、人工筋肉、記憶合金、分子モータ、静電、コイル、磁力、静電気、その他、変位・振動を発生するものならば、デバイス・動作原理は問われない。
その結果、平面、曲面、立体形状で構成されたパネル、ディスプレイが、筐体等に、固定もしくは微小変位・微小振動するように設置されているにも関わらず、差し込み感、押込み感、めり込み感、深さ感、押し戻され感、浮き上がり感、振動・振幅の収束感、振動・振幅の残響感、変位・移動の方向感覚、ズブズブ感、硬さ感、ソフト感、立体的な感触が感じられる。物理的には、そのような感覚が再生・提示されていないにも関わらず、感覚的にはそのような感覚、および、身体的な反応・反射が体験される。また、情報端末等において、平面・平坦なパネルにも関わらず、ボタン、スライダ、ダイヤル、スウィッチ、操作パネルなどの物体の操作感触がリアルに得られることが可能となる。
上記以外にも、文具、ノート、ペン、家電、看板、サイネージ、キオスク端末、壁、テーブル、椅子、マッサージャー、乗り物、ロボット、車椅子、食器、シェイカー、シミュレータ(手術、運転、マッサージ、スポーツ、歩行、楽器、工芸用、絵画用、芸術用)などに利用可能である。
図61は、触力覚ディスプレイ・パネルシステムの集積化された各種構成を示す。タッチパネルに複数個のアクチュエータが取り付けられている。アクチュエータは、アレイ状であってもよい。タッチパネルにアクチュエータが集積化されていてもよい。複数モジュールから構成されたユニット、集積されたアレイタイプ、表面に配置された球体・立体タイプ、その球体・立体の中にも詰まったソリッド・タイプがあげられる。このように、アクチュエータ・アレイとして集積することで、平面、曲面、立体などの様々な形状や大きさの触力覚情報提示システムを構成することができる。
図62は、触力覚ディスプレイ・パネル設けられたアクチュエータをアレイ状に配置しており、そしてこれらをリンク機構、振動緩衝剤もしくは緩衝機構を介して取り付けられている。振動緩衝剤もしくは緩衝機構を介さなくてもよい。複数モジュールは、単に、平面、曲面、立体に配置されたもの、各モジュールが、リンク機構でつなげられたもの、振動緩衝剤・緩衝機構でつなげられたもの、独立したものなど、様々な配置方法がある。
図64から図67は、触力覚デバイスの基本モジュールの解略図を示す。触力覚デバイスの基本モジュールは、ボタン感、摩擦感、凹凸感の触力覚の感覚、痛感、バーチャル物体の存在感、表現感をデジタル化、デジタル表現をする。指や身体等の接触、動きに合わせた変位、回転、変形、振動等の物理量・刺激による触力覚及び錯触力覚の提示を行う。そして、接触、動き等の変位、回転、速度、加速度、圧力、力をフォトデバイス、歪、しなり、抵抗、導電、静電容量、音波、レーザ等を用いたセンサで計測する。センサ信号は、物体により及び又は物体への位置、速度、加速度、形状、変位、変形、振幅、回転、振動、力、トルク、圧力、湿度、温度、粘度、弾性の少なくとも1つを備える刺激を備える。これにより、ボタン感、摩擦感、凸凹感といった触力覚の感覚、痛覚、および、バーチャル物体の存在感・感触が表現される。
パネルは、自由な平面、形状に対応可能である。これにより、自由なデザインが可能となる。触力覚に関する瞬間的な変化のデジタル表現は可能である。タッチパネルに触れる前のタッチパネル付近での動作をモニタすることでタッチパネルに接した時のリアルタイム応答特性の向上を図ることができる。動きなどの変位、回転、速度、加速度、圧力、力を非接触センサ等で計測する。よって衝突感、衝撃感が表現される。触力覚に関する接し状態をデジタル表現できる。指の接し角度、接した面積、指の湿り気、等の接し状態をモニタして、その状態を反映した制御が可能にで、よってなぞり感表現を向上できる。
図68~図78は、パネル型モジュールの概略図である。触力覚デバイスの基本モジュールは、ボタン感、摩擦感、凹凸感の触力覚の感覚、痛感、バーチャル物体の存在感、表現感をデジタル化、デジタル表現をする。指や身体等の接触、接触位置、動きに合わせた変位、回転、変形、振動等の物理量・刺激による触力覚及び錯触力覚の提示を行う。そして、接触、接触位置、動きに合わせた変位、回転、変形、振動等の物理量、刺激及びその刺激のタッチパネル上の空間バランス、強度分布、時間変化による触力覚及び錯触力覚を提示する。よって、刺激の空間バランス、強度分布、時間変化による、力、物体、存在感の移動、伝搬、形状変化の感覚(ファントム・センセーション)が可能になり、硬質パネルにおける物体、存在感を提示できる。また、硬質パネルにも関わらず、物体、立体物、およびその存在感を提示することができる。
図69は、フォトインタラプトを基材に設置したタッチパネル構造を示す。フォトインタラプトは、距離、変化を検出して、ボタンの押し込み感覚(沈み込みピッチ、深さ)を知覚する。よって硬質パネルにおけるボタン感覚をデジタル表現することで用途や好みに合わせて適応的に質感、感触表現を瞬時に変えることができる。
図70、図71及び図72は、タッチパネルにアクチュエータが宙吊り構造に取り付けられた構造を示す。図70は、タッチパネルのほぼ中央にアクチュエータが宙吊り構造に取り付けられた構造を示す。
図71は、アクチュエータがタッチパネルの両端に宙吊り構造に取り付けられた構造を示す。図70及び図71の構造では、パネルと壁との間には、側壁に粘弾性材料や、振動緩衝剤を設けることが好ましい。
図72は、アクチュエータがタッチパネルの両端側に宙吊り構造に取り付けられた構造を示す。図72の構造では、パネルと壁との間には、側壁に低摩擦材料を設けることが好ましい。これら構造により、触力覚の感覚強度及びその効果を増加させることができる。図71の構造では、タッチパネル、アクチュエータ部分を浮かせた、6自由度の変位・振動の3Dスピーカ機構によりタッチパネルを通して、指、身体に伝達する物理量、刺激量を増やすことができ、物理量、刺激量の増加に伴う、また、図71のアクチュエータ部分をタッチパネルの両端に、また図72では、慣性アクチュエータがタッチパネルの両端側に取り付けられている構造を備えることにより、タッチパネルを通して、指、身体に伝搬する物理量、刺激量を増やすことができる。触力覚の感覚量を増加し、さらに押し込み感覚量、沈み込みピッチ、深さ感覚を増加する。IoT用デバイスに適用できる。実装場所を選びことなしに感覚量、効率を増加できる
図73から図77は、タッチパネルに液晶ディスプレイを組み込むだタッチパネルモジュールの概略図を示す。図73タッチパネルモジュールは、タッチパネルの両側に配置された1対のモジュールの空間部分に液晶パネルを配置されている。タッチパネルとアクチュエータとは、互いに分離されているため液晶パネルの映像がぶれないでかつ振動しない。液晶パネルに映しだされた物体の触覚、感触の提示及び存在感が提示される。2Dモデルによる3D物体の触感、感触の疑似的な表現が可能となる。
図74及び図75は、薄型のタッチパネルモジュールの概略図を示す。図74は、図73と同じ配置を示す。図75は、タッチパネルの両端にそれぞれアクチュエータが配設されているため、スマートフォン等の薄型機器に実装が可能である。
図76は、図73~図75のタッチパネルモジュールのタッチパネルの表面上にスクリーンを設け、スクリーンの上方にプロジェクタを配設したタッチパネルモジュールシステムの概略図を示す。これにより、映像のデジタル触力覚機能が実現できる。プロジェクタによる映像投影と触力覚タッチパネルが制御される。
図77は、図73~図76のタッチパネルモジュール上に五感情報提示機が配設されている概略図である。五感情報提示機の設置により視覚、聴覚、触覚等の五感活用によるリアリティの向上が図れる。また、映像、音響、触り心地、匂い、味等の五感を利用できる。触力覚情報にオブジェクトとして一致した、または一致しない(ミスマッチ)の五感情報との相互効果で錯覚を増強、促進する、また現実には存在しない感覚を拡張できる。
図78は、マルチタッチ用アレイユニットの概略図を示す。基本的な移動感覚・運動感覚を提示する。各パネルごとの変位方向の位相制御を行い、移動刺激による単なる変位以外の移動・運動感覚の表現できる。固定式パネルによる回転感覚を提示する。
図79は、複雑な運動感覚を提示する。各パネルごとに変位方向の位相制御と指先で感覚合成制御して、膨張感、圧迫感、ねじれ感、膨張感、圧迫感を提示する。固定式パネルによる変形感覚を提示する。
図80は、複雑な運動感覚を提示する。各パネルごとに変位方向の位相制御と知覚・認知層における感覚合成して、マルチタッチ感覚を合成制御して、膨張感、圧迫感、ねじれ感を得て、膨張感、圧迫感を提示する。固定式パネルによる変形感覚を得る。
図81は、一つのデバイスによる触覚・力覚を提示する。パネル毎に異なる成分[触覚・力覚]の再生する感覚合成制御を行う。指圧によるZ方向圧覚駆動およびX-Y変位トリガーによる制御を行い、Z方向による触覚・力覚の同時提示する。複数の共振ピークを実現する。
図82は、一つのデバイスによる触覚・力覚を提示する。パネル毎に異なる成分(触覚・力覚)を再生する。指圧によるZ方向圧覚駆動およびX-Y変位トリガーによる制御、Z方向の圧覚を生成・制御を行い、パネルによる触覚・力覚の同時提示する。複数の共振ピークを実現する。
図83は、一つのデバイスによる触覚・力覚を提示する。パネル毎に異なる成分(触覚・力覚)を異なるタイミングで再生する。合成の仕方はこれに限らない。触覚・力覚の相互マスキングなどの相互効果を避ける。子音・母音を提示する。
図84は、誘起パターンを制御して前変位、後変位を制御する。図85は、一つのデバイスによる触覚・力覚を提示する。パネル毎に異なる成分(触覚・力覚)を異なるタイミングで再生する。重なっている場合と、重ならない部分がある場合。合成の仕方はこれに限らない。触覚・力覚の相互マスキングなどの総合効果を避ける。子音・母音を提示する。
図86は、一つのデバイスによる触覚・力覚を提示する。パネル毎に異なる成分(強度・振幅、周波数、波形、位相)を提示する。波形比較、差分、位相差、相乗効果によって、成分とは異なる感覚を生成する。図87は、一つのデバイスによる触覚・力覚を提示する。パネル毎に異なる成分(強度・振幅、周波数、波形、位相)を提示する。波形比較、差分、位相差、相乗効果によって、成分とは異なる感覚を生成する。
図88は、触力覚における尖った山頂凸感覚をボタン形状感覚生成して提示する。中央近くほどパネル振幅が大きく。遠ざかると小さくなる。山頂での感覚(引き戻し・追い越し感覚)を提示する。パネルによる尖った勾配凸感覚を提示する。図89は、触力覚における半円柱凸感覚を提示する。刺激・変位の強度・振幅を制御する。山越え(引き戻し・追い越し)を提示する。パネルによる凸感覚を提示する。
図90は、触力覚における凹ギャップ感覚を提示する。抵抗感を一瞬なくして、ギャップ感覚を提示する。パネルによる凹んだギャップ感覚を提示する。
図91は、ボタン間での指移動(わたり感覚)を誘導感覚制御する。刺激・変位の強度・振幅を制御する。ボタン間に留まり難く、ボタンへ誘導される。平面パネル上で、ポテンシャル場のアトラクターのように指移動を誘導する。パネルからポインタを操作してボタン間を移動する。ポインタがボタン領域から出ると次のポインタまで誘導される。誘導区間中央に近づくほどパネル振幅が大きくなる(遠ざかると小さくなる)。誘導区間中央で力覚方向が切り替わる。
図92は、ボタン間の誘導感覚を制御してエッジ感、端点感覚を提示する。誘導区間終了時に、クリック変位する。エッジの存在感、ボタンの浮き上がり感が得られる。パネルからポインタを操作してボタン間を移動する。ポインタがボタン領域から出ると次のポインタまで誘導される。誘導区間中央に近づくほどパネル振幅が大きくなる(遠ざかると小さくなる)。誘導区間中央で力覚方向が切替わる。
図93ボタンの誘導感覚を制御してエッジ感を提示するエッジ部分に、マスキング変位(振動)を生じる。エッジの存在感、平面パネルでのボタンの段差・凹み感を得る。パネルからポインタを操作してボタン間を移動する。ポインタがボタン領域から出ると次のポインタまで誘導される。誘導区間中央に近づくほどパネル振幅が大きくなる(遠ざかると小さくなる)。誘導区間中央で力覚方向が切り替わる。
図94は、スライダを触力制御して安定的触力覚を提示する。パネルからポインタを操作してボタン間を移動、ポインタかボタン領域から出ると次のボタンまで誘導、誘導区間中央に近くほど@パネル振幅が大きくなる(遠ざかると小さくなる)、誘導区間中央で力覚方向を切換わる。スライダ感覚を得る。
図95は、スライダを触力覚制御して安定的触力覚を提示し、スライダ端点でクリック変位を発生する。スライダ感覚を得る。図96は、スライダの感覚制御を示す。
図97は、スウィープ時の安定的な触力覚を提示する。静摩擦時、動摩擦時のケース分けして制御する。安定した触力覚を提示する。異なる制御モードで安定提示する。図98は、スウィープ時の動摩擦制御(等周期化)して安定的な触力覚を提示する。切断変位によるコヒーレントな位相を制御する。安定した触力覚を提示する。異なる制御モードで安定を提示する。
図99は、スウィープ時の静摩擦制御して安定的な触力覚を提示する。指(身体)を固定し、バーチャルスライダを動かす。バーチャルスライダを固定し、指をスライドさせ、往復運動。スライダ感覚。図100は、スウィープ時の静摩擦制御により安定的な触力覚を提示する。指(身体)を固定し、バーチャルスライダを動かす。バーチャルスライダを固定し、指をスライドし、端まで来たら指をリセット(パネル面から指を浮かす)。スライダ感覚。
図101は、スウィープ時の静摩擦制御により安定的な触力覚を提示する。指(身体)を固定し、バーチャルスライダを動かす。バーチャルスライダを固定し、指をスライドし、端まで来たら指をリセット(切断変位)。スライダ感覚。図102は、スウィープ時の動摩擦制御により安定的な触力覚を提示する。指(身体)を固定し、バーチャルスライダを動かす。バーチャルスライダを固定し、指をスライドさせる。摩擦が張力限界を超えた時、接触固定が外れる。スライダ感覚。
これらのスウィープ波形、クリック波形、切断波形は、振動で良いし、任意の波形でも良い。任意波形は、所望の触感・感触に合わせた、様々な波形パターンが存在している。直線的な増加・減少や、正弦波的な振動、基本周波数成分の組合せにとどまらず、シンセサイザーで楽器の音色や音楽を創造するかのように、任意波形のデザイン、振幅変調、周波数変調、畳み込み、およびその組合せなどによって、様々な触感・感触を表現することができる。
図103は、ボタンの押し込み感覚を制御して提示する。―押下圧力上昇時の閾値1と下降時の閾値2を超えたタイミングでパネルに変位を加える。―閾値の値とパネルの振幅、周波数でボタンの固さを表現。へこまないパネルなのに、押込深さ感覚を体感。物理的なへこみなしに、へこみ感覚。
図104は、ボタンの押込を制御して押し込みボタン感覚を提示する。―押下圧力上昇時の閾値1と下降時の閾値2を超えたタイミングでパネルに変位を加える。―閾値の値とパネルの振幅、周波数でボタンの固さを表現する。へこまないパネルなのに、押込深さ感覚を体感。物理的なへこみなしに、へこみ感覚。
図105は、ボタンの押込感覚を制御して提示する。閾値を複数設定することで半押しなどの感覚を表現する。カメラのシャッターのような半押し感覚。シャッターフォーカスの保持感覚。図106は、シャッターボタンの押込感覚を制御して提示する。閾値を複数設定することで半押しなどの感覚を表現する。カメラのシャッターのような半押し感覚。シャッターフォーカスの保持感覚。
図107は、ボタンの押し込み感覚を制御して提示する。押し込みと解放を分ける(1回目は解放無、2回目は解放有)。図108は、ボタンの押込感覚をラッチ制御して提示する。押込と解放を分ける(1回目は解放無、2回目は解放有)
図109は、ノッチ用パルス閾値を等間隔に制御する。ミルフィーユ、チョコでカバーされたアイスクリームにナイフを入れた感覚。図110は、ノッチ用パルス閾値を不等感覚に制御する。図111は、ノッチ用パルス閾値を等間隔に制御する。ミルフィーユ、チョコでカバーされたアイスクリームにナイフを入れた感覚。
図112は、ノッチ用パルス閾値を等間隔に制御する。ミルフィーユ、チョコでカバーされたアイスクリームにナイフを入れた感覚。図113は、ノッチ用パルス閾値を等間隔に制御する。ミルフィーユ、チョコでカバーされたアイスクリームにナイフを入れた感覚。図114は、ノッチ用パルス閾値を不等間隔に制御する。ミルフィーユ、チョコでカバーされたアイスクリームにナイフを入れた感覚。
図115は、押し込み感覚ボタンをヒステリ制御する。押下圧力時の閾値と下降時の閾値を超えたタイミングでパネルに振幅を加える。閾値の値とパネルの振幅、周波数でボタンの固さを表現する。
図116は、押し込み感覚ボタンを指圧関数制御する。押下圧力上昇時の閾値1と下降時の閾値2を超えたタイミングでパネルに振幅を加える。閾値の値とパネルの振幅、周波数でボタンの固さを表現図117は、押下圧力上昇時の閾値1と下降時の閾値2を超えたタイミングでパネルに振幅を加える。波形の適応を制御する。閾値の値とパネルの振幅、周波数でボタンの固さを表現する。
図118は、押し込み感覚ボタンを3D的に変位振幅面(位相)を押し込み、閾値に応じて制御する。押下圧力上昇時の閾値1と下降時の閾値2を超えたタイミングでパネルに振幅を加える。閾値の値とパネルの振幅、周波数でボタンの固さを表現
図119は、押し下げ圧力上昇時の閾値1と下降時の閾値2を超えたタイミングでパネルに振幅を加えて押し込み感覚ボタンを状況に合わせて制御する。閾値の値とパネルの振幅、周波数でボタンの固さを表現。押す下圧力上昇時の閾値と下降時の閾値を超えたタイミングでパネルに振幅を加える。閾値の値とパネルの振幅、周波数でボタンの硬さを表現する。
図120は、押し下げ圧力上昇時の閾値1と下降時の閾値2を超えたタイミングでパネルに振幅を加える。閾値の値とパネルの振幅、周波数でボタンの硬さを表現する。押し下げ圧力上昇時の閾値1と下降時の閾値2を超えたタイミングでパネルに振幅を加えて押し込み感覚ボタンを状況に合わせて制御する。
図121は、押し込み感覚ボタンを時間パターンで制御する。図122は、ノッチ用パルス閾値を等間隔に制御する。図123は、ノッチ用パルス閾値を等間隔にパルス幅振幅制御する。図124は、ノッチ用パルス閾値を等間隔に波形制御する。図125は、ノッチ用パルス閾値を等間隔にマスキング制御する。
図126は、押し込み感覚ボタンを動・静摩擦制御して押下圧力上昇時の閾値1と下降時の閾値2を超えたタイミングでパネルに振幅を加える。閾値の値とパネルの振幅、周波数でボタンの硬さを表現する。図127は、押し込み感覚ボタンを位相制御して押下圧力上昇時の閾値1と下降時の閾値2を超えたタイミングでパネルに振幅を加える閾値の値とパネルの振幅、周波数でボタンの固さを表現
図128は、押し込み等間隔を制御して、押下圧上昇時のみ、複数設けた閾値を超えたタイミングでパネルを振幅させる。ノッチの振幅は高周波を使用。ボタンと組み合わせてノッチボタンを表現。図129は、押し込み不等間隔を制御して、押下圧上昇時のみ、複数設けた閾値を超えたタイミングでパネルを振幅させる。ノッチの振幅は高周波を使用。ボタンと組み合わせてノッチボタンを表現
図130は、閾値等間隔を制御して、押下圧上昇時のみ、複数設けた閾値を超えたタイミングでパネルを振幅させる。ノッチの振幅は高周波を使用。ボタンと組み合わせてノッチボタンを表現。
図131は、触力覚ダイヤルを制御関数で制御する。位置位相ごとに変位方向を制御。変位は3D方向に制御可能。様々なダイヤル感触を実現。平板パネルでリアルなダイヤル感触。物理的・アナログなダイヤル機構が不要。図132は、パネルからポインタを操作してダイヤルを加速度感で回す。ダイヤルの接線と平行にパネルを振幅させて加速感を実現する。滑り表現ではさらにダイヤル回転方向に力覚を出すように制御する。
図133は、パネルからポインタを操作してダイヤルを抵抗感で回す。ダイヤルの接線と直角にパネルを振幅させて抵抗感を実現する。図134は、パネルからポインタを操作してダイヤルを水平加速感で回す。ダイヤルの接線と直角にパネルを振幅させて水平加速感を表現する。図135は、パネルからポインタを操作してダイヤルを可変感触で回す。ダイヤルの接線と任意の角度にパネルを振幅させて可変感触を表現する。各位置ごとに変位方向の位相を変化させることでさまざまな感触が生成される。図136は、パネルからポインタを操作してダイヤルをランダム感で回す。ダイヤルの接線と直角にパネルを振幅させてランダム感を表現する。
図137は、ダイヤルをカチカチ感で、一定の位置位相ごとにクリック変位を起こさせて平面パネルローダーエンコーダ的感触、デジタルダイヤル感、ボリームつまみ感を実現する。
図138は、ボリュームの円周上の円周誘導操作感、指が円周内に留まったり、円周上を指が動くような感覚、実際の回転ボリュ-ムを回転させたときの円周的動作感覚を一定の位置位相ごとに求心的触力覚を提示する。図139は、ボリュームの円周上の操作感、実際に回転ボリュームを回転させた時の円周誘導感、抵抗感をもって動作感覚を表現できる。一定の位置位相ごとに求心的触力覚と、抵抗的触力覚とを交互もしくは時間、排他的に提示すると同時にボリュームを回転させる時の円周的動作感覚を実現する。
図140は、ボリューム調整と確定動作の触力覚を表現する。一定の位置位相ごとにクリック変位を与え、クリック変位によるロータリー・ボリューム感、確定用のクリック変位によってボタン押し込み感、平面パネルでのボリューム操作・確定・スイッチ感覚を実現する。
図141は、触力覚ダイヤルの感触バリエーションを増やす。位置位相ごとに変位方向、変位のさせ方を制御する。変位は、3D方向に制御可能である。様々なダイヤル感触、手応えを実現し、警告、注意を促す、方向提示の使い分け。開いたパネルで適宜、適時、適所に様々なダイヤル感触、手応えを提示する。状況に合わせて、適時的に感触、手応えを制御する。
図142は、錯力覚は、デバイスのサイズ、形状を変化させて重量によって非線形に変化する。知覚音圧、知覚トルク強度を可変する。図143は、触力覚の閾値、知覚量は、デバイスサイズで変化させる。知覚トルク強度は、トルクから重量を差し引いて得られる。知覚量には最適デバイスサイズがある。
図144は、質感は、圧覚(接触感);圧、温冷、触覚;ミクロ的時間構造、力覚;マクロ的時間構造、振動感;周波数で形成される。図145は、多彩なマクロ、ミクロ的な時間構造が質感を表現する、質感構造のデータベースを示す。
図146は、波形を制御して2D振幅方向を制御する。X軸、Y軸の波形合成でパネル面の任意軸に対する振幅を生成する。
図147は、多数のタッチパネルをアレイ状に配設して、各タッチパネル毎にアクチュエータが設けられている。これにより、各パネル毎に変位方向の位置を制御することができ、ピッチ感、握り感、切裂感、回転感を実現でき、マウス操作の微妙な加減を直観的に実現できる。図148は、錯触力誘起関数生成器を使用して個人の特性を測定するシステムを示す。
図149は、アクチュエータの制御方法を示すフローチャートである。
図150~図152に応用例とその効果を示す。図150は、個人のプロファイリングをダイヤル、ポインタを使用して実現する。筆跡判定のように操作プロファイル、生理情報によって分析して個人ID、心理状態、健康状態、疲労度を推定する。
図151は、多数のタッチパネルをアレイ状に配設して、各タッチパネル毎にアクチュエータが設けられている。これにより、各パネル毎に変位方向の位置を制御することができ、前進感、後退感、せん断・切り裂き感、拡大・ピンチ感、にぎり感、回転感を実現でき、これにより映像、及び指先の動かし方、力の入れ方に合わせて臓器等の身体の状態(硬さ、柔らかさ、形状等)を提供することで触診トレーニングを実現できる。
図152は、VR環境生成装置間を通信で結ぶことにより遠隔同期操作が可能となる。応用例のように、情報端末等において、平面・平坦なパネルにも関わらず、ボタン、スライダ、ダイヤル、スウィッチ、操作パネルなどの物体の操作感触がリアルに得られることが可能となる。様々な感触を提示することができるため、文具、ノート、ペン、家電、看板、サイネージ、キオスク端末、壁、テーブル、椅子、マッサージャー、乗り物、ロボット、車椅子、食器、シェイカー、シミュレータ(手術、運転、マッサージ、スポーツ、歩行、楽器、工芸用、絵画用、芸術用)などに利用可能であり、差し込み感、めり込み感、深さ感、戻され感、浮き上がり感、収束感、残響感、方向感覚、ズブズブ感、硬さ感、ソフト感、ツルツル感、ヌメヌメ感、ヌルヌル感、ザラザラ感、でこぼこ感、チクチク感、コチコチ感、コツコツ感、プニュプニュ感といった触感・感触といった付加価値を製品に付加することができる。
産業上の利用分野
本発明を実施することにより、バーチャルリアリティの分野において用いられる機器、ゲーム・アミューズメント・エンタテイメントの分野において用いられる機器、IT分野において用いられる携帯通信機器、情報端末機器、ナビゲーション機器、携帯情報端末機器、自動車・ロボット分野において用いられる機器、医療・福祉分野において用いられる機器、宇宙開発の分野において用いられる機器、などに搭載され得る、有用なマンマシンインタフェースを実現することができる。
より具体的に述べると、例えばバーチャルリアリティや情報家電の分野においては、本発明を適用したマンマシンインタフェースを介して人に触覚・感触などの触力覚情報を提示したり、抗力あるいは反力などを与えて人の動きを制限することにより、仮想空間および実空間における物体の存在や衝突による衝撃や機器の操作感覚を提示することができる。また、携帯電話機,携帯型ナビゲーション機器などに上記インタフェースを搭載することにより、操作者の皮膚を介して、従来には見られなかった各種多様な指示・案内等を実現することができる。
平面・平坦なパネルにも関わらず、ボタン、スライダ、ダイヤル、スウィッチ、操作パネルなどの物体の操作感触がリアルに得られることが可能となる。様々な感触を提示することができるため、文具、ノート、ペン、家電、看板、サイネージ、キオスク端末、壁、テーブル、椅子、マッサージャー、乗り物、ロボット、車椅子、食器、シェイカー、シミュレータ(手術、運転、マッサージ、スポーツ、歩行、楽器、工芸用、絵画用、芸術用)などに利用可能であり、差し込み感、めり込み感、深さ感、戻され感、浮き上がり感、収束感、残響感、方向感覚、ズブズブ感、硬さ感、ソフト感、ツルツル感、ヌメヌメ感、ヌルヌル感、ザラザラ感、でこぼこ感、チクチク感、コチコチ感、コツコツ感、プニュプニュ感といった触感・感触といった付加価値を製品に付加することができる。