JP7064177B2 - 触力覚情報提示システム - Google Patents

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JP7064177B2
JP7064177B2 JP2020068563A JP2020068563A JP7064177B2 JP 7064177 B2 JP7064177 B2 JP 7064177B2 JP 2020068563 A JP2020068563 A JP 2020068563A JP 2020068563 A JP2020068563 A JP 2020068563A JP 7064177 B2 JP7064177 B2 JP 7064177B2
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本発明は、感覚特性を利用した触力覚情報提示システムに関する。
従来の触力覚電子装置は、使用者が把持する部分と変位・振動などの刺激を発生する部
分とが一体的に構成され、触力覚電子装置全体から使用者に変位・振動などの刺激が伝達
されている。
本発明は、従来の把持して使用する電子装置の重量が重い場合、電子装置内の変位・振
動発生部において生成された変位・振動などの刺激が電子装置本体の重さに負けてしまい
、操作者に伝わる刺激が小さくなり、確実に刺激が伝わらない等の欠点を鑑みてなされた
もので、本発明は、電子装置の重量に関係なくどんな小さな変位刺激・振動刺激でも使用
者に精度よく、確実に与えることを目的とする。
位置、速度、加速度、形状、変位、変形、振幅、回転、振動、力、トルク、圧力、湿度、
温度、粘性、弾性の少なくとも1つを備える刺激を検知するセンサと、
操作者の感覚特性及び又は錯角を適用して、該操作者に実際に操作したかのような触力覚
を提示する触力覚提示装置と、
前記触力覚提示装置をセンサからの刺激を基に制御する触力覚提示制御装置と、
前記触力覚提示制御装置は、人の身体に印加される刺激量と感覚量との関係を示す感覚特
性が、非線形及び又は錯覚であることを利用して刺激量を制御して触力覚情報を提示し、
前記感覚特性は、前記操作者に与えられる刺激量及び操作者の操作によってもたらされる
刺激量の少なくとも1つの刺激量と操作者に提示される感覚量とを備え、該感覚量は物理
的に存在し得ない感覚量であり、
ここで、前記触力覚提示装置は、刺激を生成する触力覚提示装置と、触力覚提示を駆動す
る駆動装置と、該刺激を操作者に生成しない非触力覚提示装置とを備えを、該触力覚提示
装置は、該触力覚を操作者に提示してなる触力覚情報提示システム。
上記触力覚情報提示システムにおいて、前記触力覚提示装置と、前記非触力覚提示装置と
は、該触力覚提示を非触力覚提示装置に伝達させないための触力覚提示分離装置を介して
取り付けられている。
上記触力覚情報提示システムにおいて、前記触力覚提示装置は、刺激部材及び又は振動部
材を備え、該触力覚提示装置に設けられた開口部を介して触力覚を操作者に提示する。
本発明によれば、電子装置の重量に関係なく、電子装置内の振動発生部において生成さ
れるどんな小さな変位や振動などの刺激でも使用者に精度よく、確実に与えることができ
る。
固定部と刺激部の分離を示す概略図である。 システム概略図である。 刺激提示部における刺激の種類を示す概略図である。 刺激提示部と固定部の分離方法を示す概略図である。 刺激提示部と固定部の他の分離方法を示す概略図である。 接触部分を示す概略図である。 他の接触部分を示す概略図である。 刺激提示部と振動体の接触方法を示す概略図である。 刺激提示部と振動体の他の接触方法を示す概略図である。 刺激提示部と振動体のさらに他の接触方法を示す概略図である。 刺激提示部と振動体のさらに他の接触方法を示す概略図である。 刺激提示部と固定部の変形例を示す概略図である。 刺激提示部と固定部のさらなる変形例を示す概略図である。 刺激提示部と固定部のさらなる変形例を示す概略図である。 刺激提示部と固定部のさらなる変形例を示す概略図である。 刺激提示部の動作を示す概略図である。 アクチュエータ制御方法を説明する概略図 アクチュエータ制御方法を説明する概略図 アクチュエータ制御方法を説明する概略図 錯触力覚生成方法を説明する概略図 感覚特性を説明する概略図
触力覚情報提示システムは、位置、速度、加速度、形状、変位、変形、振幅、回転、振
動、力、トルク、圧力、湿度、温度、粘性、弾性の少なくとも1つを備える刺激を検知す
るセンサと、
操作者の感覚特性及び又は錯角を適用して、該操作者に実際に操作したかのような触力覚
を提示する触力覚提示装置と、
前記触力覚提示装置をセンサからの刺激を基に制御する触力覚提示制御装置とを備える。
前記触力覚提示制御装置は、人の身体に印加される刺激量と感覚量との関係を示す感覚特
性が、非線形及び又は錯覚であることを利用して刺激量を制御して触力覚情報を提示する
。触力覚提示装置は、該触力覚を操作者に提示し、
前記感覚特性は、前記操作者に与えられる刺激量及び操作者の操作によってもたらされる
刺激量の少なくとも1つの刺激量と操作者に提示される感覚量とを備え、該感覚量は物理
的に存在し得ない感覚量である。
前記触力覚提示装置は、刺激を生成する触力覚提示装置と、触力覚提示を駆動する駆動装
置と、該刺激を操作者に生成しない非触力覚提示装置とを備えを備える。
上記触力覚情報提示システムにおいて、前記触力覚提示装置と、前記非触力覚提示装置と
は、該触力覚提示を非触力覚提示装置に伝達させないための触力覚提示分離装置を介して
取り付けられている。
上記触力覚情報提示システムにおいて、前記触力覚提示装置は、刺激部材及び又は振動部
材を備え、該触力覚提示装置に設けられた開口部を介して触力覚を操作者に提示する。
実施例
図1は、本発明に係る触力覚情報提示システムである。
触力覚情報提示システムは、刺激を生成する触力覚提示装置と、触力覚提示を駆動する駆
動装置と、刺激を操作者に生成しない非触力覚提示装置とを筐体に備える。
刺激を生成する触力覚提示装置は、刺激生成源として、モータ、偏心モータ、アクチュエ
ータ、圧電素子、ピエゾ素子、スピーカ等、超音波、人工筋肉、記憶合金、分子モータ、
静電、コイル、磁力、静電気、電気刺激の少なくとも1つを備える。
その他、変位や振動などの物理的な刺激を発生するものならば、デバイス・動作原理は問
われない。
触力覚提示装置は、刺激提示部を備える。非触力覚提示装置は、使用者が把持する、又は
机等に取り付けられる固定部を備える。非触力覚提示装置は、触力覚提示装置をセンサか
らの刺激を基に制御する触力覚提示制御装置を内蔵している。触力覚提示制御装置は、セ
ンサの他に通信装置、電源、制御回路等を備える。
触力覚提示装置は、手のひらとその他の指で固定部を手のひらに固定できる。
よって、筐体の一部が手に平らに固定されているにもかかわらずに、刺激を親指と人指し
指に与えることが可能となる。
触力覚提示制御装置は、センサからの位置情報、姿勢情報等を用いて刺激パターンを生成
する。触力覚提示制御装置は、計算された刺激パターンにより刺激を生成する。また、通
信装置を通して外部機器と連携して刺激パターンの計算を行うこともできる。
また、図4に示すように、上記触力覚情報提示システムは、触力覚提示装置からの振動等
の触力覚提示を非触力覚提示装置に伝達させないための触力覚提示分離装置を触力覚提示
装置と非触力覚提示装置との間に設ける。触力覚提示分離装置は、刺激を吸収する部材、
または分離装置であることが好ましい。
変位や振動の場合、振動を吸収する素材としてゴム、スポンジ、バネ、ジェル等が用いら
れる。超音波の場合、超音波を吸収する素材としてゴム、スポンジ、バネ、ジェル等が用
いられる。電気刺激の場合、絶縁体等が用いられる。
触力覚提示装置は、刺激提示部を備える。刺激提示部は、図5-図11に示されている。
これら図において、刺激提示部に振動体などの刺激生成体が開口を介して配設されている
。開口は、刺激提示部の上下に、さらに刺激提示部の上下に複数個設けられている。
振動体などの刺激生成体は、開口を介して使用者に刺激を伝達する。刺激生成体は、刺激
提示部内部で自由に動けるように配設されている。刺激生成体は、刺激提示部と独立して
振動するように配設されている、刺激生成体は、刺激提示部の内部の面と低摩擦で接触し
ている。刺激生成体は、固定部が身体と別の部位に固定、もしくは机等に固定されていて
も、刺激生成体は、自由に動作し、その刺激は指先等に伝えられる。
刺激生成体は、図5及び図6に示すように、使用者の指先等に直接に接する接触部を備え
る。また、刺激生成体は、伝達部を介して接触部と結合されている。
図8~図11に示すように、刺激生成体は、刺激提示部内部を自由に動作することができ
るように、軸受けを介して刺激提示部に設けられている。刺激生成体は、刺激提示部内部
を摩擦を軽減させた状態で配設されている。軸受け以外にも刺激生成体と刺激提示部内部
の底に低摩擦の素材である、フッ素コーティング材を設けてもよく、またオイル等の液体
を塗布してもよい。さらに、刺激生成体は、刺激提示部内部との間にスポンジ素材を配設
、もしくは充填してもよい。かくして、刺激生成体は、触力覚提示装置と独立して振動を
発生することができる。
触力覚情報提示システムは、図12に示すステック状に限らずに、図13に示すグリップ
状、さらに図14に示すリング状、図15に示すメッシュ状に配設してもよい。
図14に示すリング状に形成した場合、固定部を指や手首に嵌める。刺激提示部が指や手
首を刺激し、固定部が指や手首に接触して固定される。刺激提示部は、1個に限らずに複
数個であってもよい。図15のメッシュ状の場合、布等のメッシュ状素材の表面に固定部
と刺激提示部を複数個ランダムに配置する、そして、このメッシュ状素材に手を置くと、
固定部で手全体が固定され、刺激提示部が手の部位を刺激することになる。
上述したように、固定部に対して刺激提示部を配設し、このましくは複数個配設して、刺
激提示部を強度の差、位相差、周波数差、時間差等で作動させることができる。
刺激を生成すための方法を示す。
図31は、力覚に関する感覚特性を用い、2つの偏心回転子A912および偏心回転子B
913の回転を位相同期させて変位を合成した触力覚情報提示方法を示す図である。
ここで、(図31(b))は、(図31(a))の2つの偏心回転子A912および偏
心回転子B913を同方向で180度位相が遅れて同期回転させた場合を模式化したもの
である。この同期回転の結果、偏心のないトルク回転を合成することができる。
(図31(c))は感覚特性931が対数関数的な特性の場合を模式化したものであり
、感覚特性931は感覚特性211と同様に刺激である物理量932に対してその感覚量
933が対数などの非線形特性であることを示している。この感覚特性931上の、動作
点A934で正のトルクを発生し、動作点B935で逆方向の負のトルクを発生した場合
を考えると、トルク感覚944は(図31(d))のように表わされる。トルク943は
回転子の回転速度942の時間微分に比例する。動作点A934、および動作点B935
で動作させると、トルク感覚944が知覚される。
トルク943は、物理的に1サイクルで初期状態948に戻り、その積分値はゼロとな
っている。しかし、感覚量であるトルク感覚944の感覚的積分値はゼロになるとは限ら
ない。動作点A934および動作点B935を適切に選択して、動作点A継続時間945
および動作点B継続時間946を適切に設定することで、任意の方向に自在にトルク感覚
を提示し続けることができる。
以上のことは、トルク回転に限らず回転や並進の変位の時や、感覚特性931が指数関
数的な場合などの非線形特性を示す時にも成立する。(図31(c))の感覚特性931
が閾値を持つ場合も、同様のトルク感覚が生じ、片方の方向のみにトルク感覚を間欠的に
提示し続けることができる。
図32(a)は、位相パターンの初期位相(θi)によって誘起・知覚される錯触力覚
の方向を示している。
錯触力覚デバイス107は、図32(b)の回転開始の初期位相(θi)を変えること
により、偏心回転子で合成される運動量の変化によって誘起される錯触力覚の方向120
2を、初期位相(θi)の方向に制御することができる。例えば、図32(c)のように
初期位相(θi)を変えることにより、平面内360°の任意の方向に誘起できる。
このとき、錯触力覚インタフェース装置101自身の重さが重い場合、錯触力による上
向きの力感覚1202と重力による下向きの力感覚1204とが打ち消されて浮き上がる
浮力感覚1202が得られにくく、重く感じられてしまうことがある。その時には、錯触
力覚による上向き方向を重力方向の反対方向から僅かにずらして錯触力覚1203を誘起
させることで、重力による浮上感覚の減少・阻害を抑制することができる。
重力方向と反対方向に提示したい場合には、重力方向と180°+α°及び180°-
α°とわずかに鉛直からずれた方向に交互に錯触力覚を誘起する方法もある。
図33(a)~図33(f)は、基本的な触力覚の感覚、錯触力覚の感覚を提示する、
錯触力デバイス(触力デバイス)の制御の一例を示している。
図33(a)は、錯触力覚デバイス107において回転力を発生する方法を模式的に示
したものであり、図33(d)は、並進力を発生する方法を模式的に示したものである。
図33(a)の2つの偏心錘814の回転は、位相180°遅れて同じ方向に回転してい
る。これに対して、図33(d)では、お互いに反対方向に回転している。
(1)図33(b)のように、2つの偏心回転子を180度の位相遅れで同方向に同期回
転させた場合、2つの偏心回転子が点対称となり重心と回転軸中心が一致することにより
、偏心のない等トルクの回転が合成される。これにより、回転力感覚を提示することがで
きる。しかし、角運動量の時間微分がトルクであり、一定方向に連続してトルクを提示し
続けるためには、モータの回転数を連続的に加速し続ける必要があり、現実的には連続的
に提示することは困難である。
(2)図33(c)のように、角速度ω1及び角速度ω2によって同期制御することによ
り、一定方向に連続的な回転力の錯触力覚感覚(連続トルク感覚)が誘起される。
(3)図33(e)のように、反対方向に一定角速度で同期回転させた場合、初期位相θ
i1201を制御することで任意の方向に直線的に振動する力(単振動)が合成できる。
(4)図33(f)のように、錯触力覚に関する感覚特性に従い、角速度ω1及び角速度
ω2によって反対方向に同期回転させた場合、一定方向に連続的な並進力の錯触力覚感覚
(連続力感覚)が誘起される。
錯触力覚インタフェース装置101において、図33(c)及び図33(f)のように
、人間の感覚特性に合わせて回転速度(角速度)及び位相同期を的確に制御すれば、2種
類の角速度(ω1、ω2)の組み合わせだけでも錯触力覚を誘起できるため、制御回路を
簡潔にすることができる。
図34は、この図31の現象及びその効果を模式的に示している。錯触力覚に関する感
覚特性を考慮して、偏心モータ815の回転パターンを制御して2つの偏心回転子の合成
運動量を時間的に変化させることにより、平衡点周りに周期的に加減速する振動904か
ら、一定方向に連続的に働く力が知覚される錯覚905を誘起させることができる。つま
り、物理的には一定方向に働く力のような成分は存在していないが、一定方向に力が働い
ているように知覚される錯覚が誘起される。
動作点A、及び動作点Bで位相180°毎に交互に加減速させると、一定方向の力感覚
905が連続的に知覚される。力は、物理的に1サイクルで初期状態に戻り、その運動量
及び力の積分値はゼロとなっている。つまり、平衡点周りに留まり、加減速機構が左側に
移動することはない。しかし、感覚量である力感覚の感覚的積分値はゼロにならない。こ
の時、正の方向の力の積分908の知覚は低下し、負の方向の力の積分909だけが知覚
される。
ここで、角運動量の時間微分がトルク、運動量の時間微分が力であり、一定方向に連続
してトルク及び力を発生し続けるためには、モータの回転数もしくはリニアモータを連続
的に加速し続ける必要があり、そのため、回転体などを周期的に回転させ方法は力覚を一
定方向に連続的に提示するのに適していない。特に、モバイル等で利用される非ベース型
インタフェースでは、一方向への連続的な力の提示は物理的には不可能である。
しかし、人は非線形感覚特性を有しており、本発明の手法を用いれば、錯触力覚特性に
関する知覚感度の利用や運動量の加減速パターン制御によって、物理特性とは異なった力
・力パターンを錯覚的に知覚させることができる。例えば、与えた刺激強度に対する感じ
られた刺激の大きさの比が感度であるが、人間の感覚特性は与えた刺激の強度に対して感
度が異なっており、弱い刺激にはより敏感であり、強い刺激には鈍感である。そこで、モ
ータ回転の加減速の位相を制御し周期的に加減速を繰り返すことで、弱い刺激を提示した
方向に連続的な力覚を提示させることに成功している。また、感覚特性の適切な動作点A
及びBを選択することにより、強い刺激を提示した方向にも連続的な力覚を提示させるこ
ともできる。
類似の装置としてドライビング・シミュレータが連想されるが、ドライビング・シミュ
レータでは、目的の力(加速感)を与えた後に気付かれない程度の小さな加速度で元の位
置にゆっくりと戻すことで車の加速感を提示している。そのため力の提示は断続的になり
、このような偏加速型方式では、一定方向の力感覚や加速感を連続的に提示することはで
きない。従来型である触力覚インタフェース装置でも同様である。しかし、本発明では、
錯覚を利用することで、一定方向に連続的な並進力感覚905が提示される。特に、物理
的な手法による上記ドライビング・シミュレータで提示される断続的な力の方向とは反対
方向に連続的な力が知覚される点が、錯覚を用いた錯触力覚インタフェース装置101の
特徴である。
つまり、この強度によって感度が異なるという人間の非線形感覚特性を利用することで
、周期的な加減速や振動で発生する力の積分が物理的にはゼロであるにも関わらず、感覚
的には相殺されないばかりか、正の方向の力908は知覚されず、目的の方向である負の
方向909に並進力的な力覚905やトルク感が連続的に提示できる。(連続的なトルク
感覚の生成方法は、図20(c)を参照)これらの現象は、感覚特性831が刺激である
物理量832に対してその感覚量が対数以外の場合でも、非線形特性であれば同じ効果が
得られる。本効果は、非ベース型に限らず、ベース型においても効果が得られる。
図9において、動作点Aでの回転継続時間Taをゼロに近づけることにより、回転継続
時間Taと回転継続時間Tbのそれぞれの区間での運動量が等しいことから、回転継続時
間Taの区間での合成運動量は大きくなり力も大きくなるが、力感覚は対数的に変化し感
度が低下するために、回転継続時間Taの区間での感覚値の積分はゼロに近づく。このた
め、回転継続時間Tbの区間での力感覚が相対的に大きくなり、一方向への力の感覚90
5の連続性が向上していく。その結果、動作点A及び動作点Bを適切に選択して、動作点
A継続時間及び動作点B継続時間を適切に設定し、2つの偏心回転子A及び偏心回転子B
の同期位相を調整することで、任意の方向に自在に力感覚を提示し続けることができる。
図35は、錯触力覚インタフェース装置で利用される非線形特性を示しており、それぞ
れ、感覚特性(図35(a)及び図35(b))、粘弾性材料の非線形特性(図35(c
))、粘弾性材料のヒステリシス特性(図22(d))を示している。
図35(b)は、図8と同様に、物理量に対して閾値2206を有する人間の感覚特性
を示した模式図であり、この特性を考慮して錯触力覚インタフェース装置を制御すること
により、物理的には存在していない感覚が錯触力覚として誘起されることを示している。
図35(c)のように、加えた力に対する応力特性が非線形特性を示す物性を有する材
料を変位・振動・トルク・力といった駆動力を発生する装置と人間の皮膚・感覚器官との
間に挟んだ時にも、同様な錯触力覚が誘起される。
また、図35(d)のように、感覚特性は、筋肉を伸ばす時と縮める時など、変位が増
加する時と減少する時において等方的でなく、ヒステリシス的感覚特性を示す場合が多い
。筋肉が引っ張られるとその直後に筋肉が強く収縮する。このように強いヒステリシス特
性を発生させることで、同様な錯触力覚の誘起が促進される。
このような触力覚提示装置を用いることで、触力覚提示装置内の振動発生部において生成
されるどんな小さな刺激でも、効果的に、差し込み感、押込み感、めり込み感、深さ感、
押し戻され感、浮き上がり感、振動・振幅の収束感、振動・振幅の残響感、変位・移動の
方向感覚、ズブズブ感、硬さ感、ソフト感、立体的な感触が操作者に感じられる。また、
物理的には、そのような感覚が再生・提示されていないにも関わらず、感覚的にはそのよ
うな感覚、および、身体的な反応・反射が体験される。
産業上の利用分野
本発明を実施することにより、バーチャルリアリティの分野において用いられる機器、ゲ
ーム・アミューズメント・エンタテイメントの分野において用いられる機器、IT分野に
おいて用いられる携帯通信機器、情報端末機器、ナビゲーション機器、携帯情報端末機器
、自動車・ロボット分野において用いられる機器、医療・福祉分野において用いられる機
器、宇宙開発の分野において用いられる機器、などに搭載され得る、有用なマンマシンイ
ンタフェースを実現することができる。
より具体的に述べると、例えばバーチャルリアリティや情報家電の分野においては、本発
明を適用したマンマシンインタフェースを介して人に触覚・感触などの触力覚情報を提示
したり、抗力あるいは反力などを与えて人の動きを制限することにより、仮想空間および
実空間における物体の存在や衝突による衝撃や機器の操作感覚を提示することができる。
また、携帯電話機,携帯型ナビゲーション機器などに上記インタフェースを搭載すること
により、操作者の皮膚を介して、従来には見られなかった各種多様な指示・案内等を実現
することができる。
様々な感触を提示することができるため、文具、ノート、ペン、家電、看板、サイネージ
、キオスク端末、壁、テーブル、椅子、マッサージャー、乗り物、ロボット、車椅子、食
器、シェイカー、シミュレータ(手術、運転、マッサージ、スポーツ、歩行、楽器、工芸
用、絵画用、芸術用)などに利用可能であり、差し込み感、めり込み感、深さ感、戻され
感、浮き上がり感、収束感、残響感、方向感覚、ズブズブ感、硬さ感、ソフト感、ツルツ
ル感、ヌメヌメ感、ヌルヌル感、ザラザラ感、でこぼこ感、チクチク感、コチコチ感、コ
ツコ感、プニュプニュ感といった触感・感触といった付加価値を製品に付加することがで
きる。

Claims (7)

  1. 使用者又は操作者に触力覚を提示するための物理量を生成する物理量生成体を運動可能に配設した触力覚提示装置と、
    前記使用者又は前記操作者に触力覚を提示せず、操作時に把持可能に構成された非触力覚提示装置と、
    前記触力覚提示装置と、前記非触力覚提示装置とを分離する触力覚提示分離装置と、を備え、
    前記触力覚提示装置は、前記物理量生成体で生成された物理量を前記使用者又は前記操作者に伝達させる接触部と、伝達部とを備え、
    前記物理量生成体は、前記触力覚提示装置の内部で自由に運動可能に配設され、
    前記物理量生成体と、前記触力覚提示装置の内部の面との間に、摩擦を軽減させるための低摩擦素材が配設され、
    前記触力覚提示分離装置は、前記物理量生成体により生成される物理量が前記触力覚提示装置から前記非触力覚提示装置に伝達されることを遮断又は低減する構造を備える
    触力覚情報提示装置。
  2. 使用者又は操作者に触力覚を提示するための物理量を生成する物理量生成体を運動可能に配設した触力覚提示装置と、
    使用者又は操作者に触力覚を提示せず、操作時に把持可能に構成された非触力覚提示装置と、
    前記触力覚提示装置と、前記非触力覚提示装置とを分離する触力覚提示分離装置と、を備え、
    前記物理量生成体は、前記触力覚提示装置の内部で自由に運動可能に配設され、
    前記物理量生成体と、前記触力覚提示装置の内部の面との間に、摩擦を軽減させるための低摩擦素材が配設され、
    前記触力覚提示分離装置は、前記物理量生成体により生成される物理量が前記触力覚提示装置から前記非触力覚提示装置に伝達されることを遮断又は低減する構造を備える触力覚情報提示装置。
  3. 前記物理量生成体は、前記触力覚提示装置の内部で摩擦及び又は抵抗を減らし、及び又は該触力覚提示装置の内部の面との摩擦及び又は抵抗を減らすことを特徴とする請求項1又は2記載の触力覚情報提示装置。
  4. 前記触力覚提示装置は、開口部を備え、
    前記接触部は、前記開口部を介して前記触力覚提示装置から露出していることを特徴とする請求項1に記載の触力覚情報提示装置。
  5. 前記触力覚提示装置は、強度、位相、周波数、及び時間の少なくとも1つを制御して触力覚を提示することを特徴とする請求項1又は2に記載の触力覚情報提示装置。
  6. 前記触力覚提示分離装置は、物理量を吸収する部材及び又は減衰させる部材、ゴム、スポンジ、バネ、ジェル、及び絶縁体の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の触力覚情報提示装置。
  7. 前記物理量生成体は、物理量生成源を備え、該物理量生成源は、モータ、アクチュエータ、圧電素子、ピエゾ素子、スピーカ,超音波、人口筋肉、形状記憶合金、静電素子、コイル、磁力、及び静電気の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の触力覚情報提示装置。
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