JP2023163855A - 殺菌剤及び水系の殺菌方法 - Google Patents

殺菌剤及び水系の殺菌方法 Download PDF

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Takayuki Fujii
薫麗 藤槻
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Abstract

【課題】製紙工程水のような水系における菌に起因したスライムの発生を効果的に抑制できる殺菌剤を提供する。【解決手段】水系に添加される殺菌剤であって、アンモニウム塩及びアルカリ剤を含む第一組成物とハロゲン系酸化剤とを混合する、又は、ハロゲン系酸化剤及びアルカリ剤を含む第二組成物とアンモニウム塩とを混合する、ことにより生成されることを特徴とする殺菌剤。【選択図】なし

Description

本発明は水系に添加される殺菌剤、及び、該殺菌剤を用いた水系の殺菌方法に関し、より詳しくは紙・パルプ工業における製造工程水、各種工業用の冷却水等の水系のスライム発生を抑制できる殺菌剤及び該殺菌剤を用いた水系の殺菌方法に関する。
従来から紙・パルプ工業における製造工程水や各種工業における冷却水系統には、細菌や真菌によるスライムが発生し、生産品の品質低下や生産効率の低下などの障害があることが知られている。
これらの微生物による障害を防止するため、多くの殺菌剤が使用されてきた。古くは有機水銀化合物や塩素化フェノール化合物などが使用されていたが、これらの薬剤は人体や魚介類に対する毒性が強く、環境汚染をひき起こすため使用が規制されるようになり、最近では比較的低毒性のメチレンビスチオシアネート、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンで代表される有機窒素硫黄系、2,2-ジブロモ-2-ニトロエタノール、2,2-ジブロモ-3-ニトリロプロピオンアミド、1,2-ビス(ブロモアセトキシ)エタン、1,4-ビス(ブロモアセトキシ)-2-ブテン、ビストリブロモメチルスルホンで代表される有機ブロム系及び4,5-ジクロロ-1,2-ジチオール-3-オンで代表される有機硫黄系等の有機化合物が工業用殺菌剤として汎用されている(非特許文献1参照)。
また、次亜塩素酸ナトリウム等の塩素剤やクロラミン等の結合塩素等の無機化合物、これらの無機化合物と有機化合物との併用によるスライム防止方法も提案されている(特許文献1~6)。
特開平5-146785号公報 特開2000-256993号公報 特開2002-336867号公報 特開2003-105692号公報 特開2003-306893号公報 特開2008-43836号公報
昭和61年8月22日に日本防菌防黴学会から発行された書籍「防菌防黴剤事典」24~30頁
しかしながら、最終製品である紙・パルプ製品をより高い品質で得るために、更にスライムを抑制可能な殺菌剤及び該殺菌剤を用いた殺菌方法が求められている。
本発明は、このような従来技術に鑑み、製紙工程水のような水系における菌に起因したスライムの発生を効果的に抑制できる殺菌剤及び該殺菌剤を用いた水系の殺菌方法を提供することを目的とする。
本発明は水系に添加される殺菌剤であって、アンモニウム塩及びアルカリ剤を含む第一組成物とハロゲン系酸化剤とを混合する、又は、ハロゲン系酸化剤及びアルカリ剤を含む第二組成物とアンモニウム塩とを混合する、ことにより生成される、ことにより生成されることを特徴とする殺菌剤である。
アンモニウム塩は、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、臭化アンモニウム及びスルファミン酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
ハロゲン系酸化剤は、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩及び二酸化塩素からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
ハロゲン系酸化剤とアンモニウム塩とのモル比は、残留塩素量と窒素とのモル比として1:1~1:2であることが好ましい。
第一組成物のpHが、4.5~8.5であることが好ましい。
なお、上記特許文献6には希釈水に(a)成分と(b)成分とを混合して混合溶液を調成した後、アルカリ剤を添加して混合溶液のpHを8以上とする方法が記載されている。しかしながら、特許文献6に記載の方法で得られる殺菌剤は、本発明に係る殺菌剤と比較してアルカリ剤の添加のタイミングが異なり、そのため特許文献6で得られる殺菌剤は本発明に係る殺菌剤とは異なる構造を有するものと考えられ、本発明に係る殺菌剤がより殺菌効果に優れたものとなる。
また、本発明は、水系に本発明に係る殺菌剤を添加することを特徴とする水系の殺菌方法でもある。
本発明によれば、製紙工程水等の水系におけるスライムの発生を効果的に抑制できる殺菌剤及び該殺菌剤を用いた水系の殺菌方法を提供できる。
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示すものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることは無い。
本明細書中、「X~Y」は、「X以上、Y以下」を意味する。
本発明は、水系に添加される殺菌剤である。
本明細書において「水系」とは、紙パルプ製造工程水、各種工業用冷却水、海水冷却水等の工業用水系が挙げられる。紙パルプ製造工程水にはパルプ化工程、調成工程及び抄紙工程に使用される白水、パルプスラリーを含む。紙パルプ製造工程水は、循環利用又は再利用されるものを含み、紙パルプ製造工程中の各工程を循環する水である。
本発明の殺菌剤は、アンモニウム塩及びアルカリ剤を含む第一組成物とハロゲン系酸化剤とを混合する、又は、ハロゲン系酸化剤及びアルカリ剤を含む第二組成物とアンモニウム塩とを混合する、ことにより生成される。
一般的に酸化剤として使用されているモノクロラミン及びモノブロラミンは、OCl(Br)+NH →NHCl(Br)+HOのような反応で生成される穏やかな酸化剤である。例えば、次亜塩素酸ナトリウムとアンモニウム塩とを混合することによりモノクロラミンを生成でき、アンモニウム塩としては、具体的に、硫酸アンモニウム、臭化アンモニウム、塩化アンモニウム、スルファミン酸アンモニウムが挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができると知られている。また、通常の手法により製造されたモノクロラミン及びモノブロラミンの安定化を図る目的で、モノクロラミン又はモノブロラミンとアルカリ剤とを混合することが知られている。また、モノクロラミン又はモノブロラミンが添加される対象のpHを調製する目的で、モノクロラミン、モノブロラミンとアルカリ剤とを対象に別々に添加することも知られている。
本発明者らは、モノクロラミン及び/又はモノブロラミンの作製時に、アンモニウム塩にアルカリ剤を含有させ、アンモニウム塩のpHをアルカリ側にコントロールしたものをハロゲン系酸化剤と反応させて生成されるモノクロラミン及び/又はモノブロラミンは、アルカリ剤を含有しないアンモニウム塩とハロゲン系酸化剤とを反応させて生成される従来のモノクロラミン及び/又はモノブロラミン、並びに、従来のモノクロラミン及び/又はモノブロラミンにアルカリ剤を含有させたものと比較して、優れた殺菌効果によりスライムの発生を効果的に抑制できることを見出した。
また、本発明者らは、モノクロラミン及び/又はモノブロラミンの作製時に、ハロゲン系酸化剤にアルカリ剤を含有させたものをアンモニウム塩と反応させて生成されるモノクロラミン及び/又はモノブロラミンは、アルカリ剤を含有しないハロゲン系酸化剤とアンモニウム塩とを反応させて生成される従来のモノクロラミン及び/又はモノブロラミン、並びに、従来のモノクロラミン及び/又はモノブロラミンにアルカリ剤を含有させたものと比較して、優れた殺菌効果によりスライムの発生を効果的に抑制できることを見出した。
すなわち、アンモニウム塩にアルカリ剤を含有させ、アンモニウム塩のpHをアルカリ側へコントロールしたものをハロゲン系酸化剤と反応させて生成される組成物、及び、ハロゲン系酸化剤にアルカリ剤を含有させたものをアンモニウム塩と反応させて生成される組成物は、従来のモノクロラミン及び/又はモノブロラミン、並びに、従来のモノクロラミン及び/又はモノブロラミンにアルカリ剤を含有させたものと比較して、優れた殺菌効果により水系における菌に起因したスライムの発生抑制効果を有することを見出した。
本発明に用いられるアンモニウム塩は、無機酸とアンモニアの反応物である無機アンモニウム塩、又は有機酸とアンモニアの反応物である有機アンモニウム塩であれば特に限定されない。無機アンモニウム塩としては、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、臭化アンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、硫酸鉄(III)アンモニウム、過硫酸アンモニウム、タングステン酸アンモニウム、メタタングステン酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、及びポリリン酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。有機アンモニウム塩としては、ギ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、プロピオン酸アンモニウム、酪酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、リンゴ酸アンモニウム、コハク酸アンモニウム、フマル酸アンモニウム、乳酸アンモニウム、及び酒石酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。また、上記アンモニウム塩は、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、臭化アンモニウム及びスルファミン酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましく、硫酸アンモニウム、臭化アンモニウム及びスルファミン酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種であることがさらに好ましい。
本発明に用いられるハロゲン系酸化剤は、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩及び二酸化塩素からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記次亜塩素酸塩は、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸カリウム及び次亜塩素酸マグネシウム等が挙げられる。上記次亜塩素酸塩は、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸カリウム及び次亜塩素酸マグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム及び次亜塩素酸カリウムからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましい。
上記亜塩素酸塩としては、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸マグネシウム等が挙げられる。上記亜塩素酸塩は、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、亜塩素酸カルシウム、及び亜塩素酸マグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
上記塩素酸塩としては、塩素酸カリウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カルシウム、塩素酸バリウム、及び、塩素酸マグネシウム等が挙げられる。上記塩素酸塩は、塩素酸カリウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カルシウム、塩素酸バリウム及び塩素酸マグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
上記過塩素酸塩としては、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸カルシウム及び過塩素酸マグネシウム等が挙げられる。上記過塩素酸塩は、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸カルシウム及び過塩素酸マグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
上記二酸化塩素は、極めて不安定な化学物質であるため、その貯蔵や輸送は非常に困難である。したがって、その場で公知の方法により二酸化塩素を製造(生成)し、添加濃度に調整して用いるのが好ましい。
例えば、次のような反応により二酸化塩素を製造することができ、市販の二酸化塩素発生器(装置)を用いることもできる。
(1)次亜塩素酸ナトリウムと塩酸と亜塩素酸ナトリウムとの反応
NaOCl+2HCl+2NaClO → 2ClO+3NaCl+H
(2)亜塩素酸ナトリウムと塩酸との反応
5NaClO+4HCl → 4ClO+5NaCl+2H
(3)塩素酸ナトリウム、過酸化水素および硫酸との反応
2NaClO+H+HSO → 2ClO+NaSO+O+2H
本発明に用いられるハロゲン系酸化剤は、次亜塩素酸塩であることがより好ましい。
本発明に用いられるアルカリ剤は、水に溶解した際にpHがアルカリ性を示す、アルカリ金属塩、及びアルカリ土類金属塩であれば特に限定されない。アルカリ剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、クエン酸三ナトリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酸カリウム、リンゴ酸カルシウム、ギ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、酪酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、フマル酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、及び酒石酸ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。また、本発明に用いられるアルカリ剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム及びクエン酸三ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びクエン酸三ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種であることがさらに好ましい。
本発明では、上記アンモニウム塩と上記ハロゲン系酸化剤とを混合する前に、上記アンモニウム塩と上記アルカリ剤とを含む第一組成物、又は、上記ハロゲン系酸化剤と上記アルカリ剤とを含む第二組成物が調製されていることが好ましい。第一組成物及び第二組成物の調製方法は特に限定されず、一般的な混合方法を用いることができる。
本発明における第一組成物は、アンモニウム塩自体のpHに対し、第一組成物のpHが1.08倍以上となるようにアルカリ剤を含ませることが好ましい。アンモニウム塩のpHを上記程度にしたものをハロゲン系酸化剤と反応させて生成される殺菌剤は、充分な殺菌効果を有するためである。
本発明における第二組成物は、ハロゲン系酸化剤自体のpHに対し、第二組成物のpHが1.05倍以上となるようにアルカリ剤を含ませることが好ましく、1.2倍以上となるようにアルカリ剤を含ませることがより好ましい。ハロゲン系酸化剤のpHを上記程度にしたものをアンモニウム塩と反応させて生成される殺菌剤は、充分な殺菌効果を有するためである。
また、本発明において、第一組成物のpHが、4.5~8.5であることが好ましい。
具体的に、アンモニウム塩が硫酸アンモニウムである場合の第一組成物のpHが、4.5~8.5であることが好ましく、臭化アンモニウムである場合の第一組成物のpHが、7.0~8.5であることが好ましい。また、アンモニウム塩がスルファミン酸アンモニウムである場合の第一組成物のpHが、5.5~8.5であることが好ましい。
なお、本発明において、pHは、一般的に使用されている測定器を用いて測定することができ、例えば、堀場製作所製のpH計を用いて測定することができる。
本発明において、第二組成物のpHが、10.5~12.5であることが好ましい。
本発明において、ハロゲン系酸化剤とアンモニウム塩とのモル比(ハロゲン系酸化剤:アンモニウム塩)は、残留塩素量と窒素とのモル比として1:1~1:2であることが好ましく、1:1.1~1:2であることがより好ましく、1:1.2~1:2であることがさらに好ましく、1:1.2~1:1.6であることが特に好ましい。
本発明において、第一組成物とハロゲン系酸化剤との重量比、及び、第二組成物とアンモニウム塩との重量比は、ハロゲン系酸化剤とアンモニウム塩とのモル比(ハロゲン系酸化剤:アンモニウム塩)が、上記範囲となるように決定されることが好ましい。
上述した水系に添加される本発明の殺菌剤の濃度(例えば、紙パルプ製造工程水に添加後の濃度)は、全残留塩素濃度として被処理対象である紙パルプ製造工程水に対する殺菌剤の殺菌率に応じて適宜決定できるが、例えば、0.1~35mg/Lであることが好ましい。また、組成物添加工程後の製紙工程水の残留塩素濃度が、残留塩素量として、0.5~30mg/Lであることがより好ましく、1~30mg/Lがさらに好ましく、経済性の点から、1~25mg/Lまたは1~20mg/Lが好ましい。
なお、本発明における「残留塩素濃度」の記載は、ハロゲン系酸化剤が塩素系酸化剤ではない場合には、「残留塩素量換算値」を意味する。
本発明の殺菌剤を添加するタイミングとしては、白水サイロ、白水ピット等の貯留槽に本発明の殺菌剤を添加することができるが、紙パルプ製造工程水に添加することができれば工程内のいずれの箇所でも良く、本発明はこれに囚われない。
また、本発明の殺菌剤を添加は、間欠添加でも良く、連続添加でも良い。
上述した本発明の殺菌剤を水系に添加することで水系に存在する菌に起因したスライムの発生を効果的に抑制できる。
このような本発明の殺菌剤を用いた水系の殺菌方法もまた本発明の一つである。
以下、実施例、比較例及び参考例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1~3、比較例1)
[原料]
某製紙工場の板紙製造工程(マシンチェスト)から白水を採取した。
[殺菌剤の作製及び殺菌効果の確認]
(1)滅菌済みのL字管に採取した白水10mLを分注してサンプル水とした。
(2)硫酸アンモニウム(キシダ化学社製試薬)3.5mol/L及び水酸化ナトリウム(富士フィルム和光純薬社製試薬)2.7×10-3mol/Lを含む第一組成物(pH6.8)と次亜塩素酸ナトリウム(キシダ化学社製試薬)1.7mol/Lを含む第二組成物とを混合した反応物を殺菌剤とし、得られた殺菌剤を全塩素濃度として表1に示した濃度になるようにサンプル水に添加した(実施例1~3)。なお、殺菌剤を添加しなかったものを比較例1とした。
(3)次いで、サンプル水を5分間振とうし、実施例に係るサンプル水と殺菌剤とを5分間接触させた。
(4)殺菌剤と5分間接触させた実施例に係るサンプル水の一部と、比較例1に係るサンプル水の一部とを採取し、標準寒天培地で培養し、菌数を測定した。結果を表1に示した。
Figure 2023163855000001
(実施例4~8、比較例2)
[原料]
某製紙工場の洋紙製造工程(マシンチェスト)から白水を採取した。
[殺菌剤の作製及び殺菌効果の確認]
実施例1と同様にして殺菌剤の作製と殺菌効果の確認とを行った。結果を表2に示した。
Figure 2023163855000002
(実施例9~10、比較例3、参考例1~2)
[Pseudomonas aeruginosaを対象とした試験]
[殺菌剤の作製]
実施例1と同様にして実施例9及び10における殺菌剤の作製を行った。
参考例1及び2に係る殺菌剤として、硫酸アンモニウム(キシダ化学社製試薬)3.5mol/Lと次亜塩素酸ナトリウム(キシダ化学社製試薬)1.7mol/Lとを混合した反応物を全塩素濃度として表3に示した濃度で使用した。なお、殺菌剤を添加しなかったものを比較例3とした。
[対象菌]
Pseudomonas areruginosa(標準菌)
[試験方法]
(1)液体培地で培養した菌液をマイクロチューブに1mLずつ採取し、遠心分離機で培地と菌を分けた。
(2)遠心分離により分かれた培地を取り除き、そこへ滅菌生理食塩水を1mL程度入れ取り出すことで残った培地も取り除いた。
(3)培地を取り除き菌のみ残ったマイクロチューブに、実施例1と同様にして作製した殺菌剤を全塩素濃度として表3に示した濃度のものを1mL添加した。
(4)5分間、菌と殺菌剤とを接触させた。
(5)接触終了後、菌液を一部採取し、L字管に入った液体ブイヨン培地に植えた。
(6)L字管を37℃で振とうさせながら培養し、1、3、5時間それぞれの時点の菌数を測定した。結果を表3に示した。
Figure 2023163855000003

Claims (6)

  1. 水系に添加される殺菌剤であって、
    アンモニウム塩及びアルカリ剤を含む第一組成物とハロゲン系酸化剤とを混合する、又は、ハロゲン系酸化剤及びアルカリ剤を含む第二組成物とアンモニウム塩とを混合する、ことにより生成される、
    ことを特徴とする殺菌剤。
  2. アンモニウム塩は、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、臭化アンモニウム及びスルファミン酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1に記載の殺菌剤。
  3. ハロゲン系酸化剤は、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩及び二酸化塩素からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の殺菌剤。
  4. ハロゲン系酸化剤とアンモニウム塩とのモル比(ハロゲン系酸化剤:アンモニウム塩)は、残留塩素量と窒素とのモル比として1:1~1:2である請求項1又は2に記載の殺菌剤。
  5. 第一組成物のpHが、4.5~8.5である請求項1又は2に記載の殺菌剤。
  6. 水系に請求項1又は2に記載の殺菌剤を添加することを特徴とする水系の殺菌方法。

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