JP2023163377A - シーラントフィルム、包装材及び包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリプロピレン系フィルムでありながら、優れた耐熱性及び低温シール性を両立することが可能な、シーラントフィルムを提供すること。【解決手段】プロピレン単独重合体(A)、プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)及びエチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)を含有し、エチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)の含有量がプロピレン単独重合体(A)及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)の全量100質量部に対して、5.0~11.5質量部である、第一の層を備える、シーラントフィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、シーラントフィルム、包装材及び包装体に関する。詳しくは、本発明は、ポリプロピレン系のフィルムでありながら、耐熱性及び低温シール性に優れ、かつ包装材用として、沸水処理、レトルト処理等の過酷な処理にも好適に使用できる、シーラントフィルム、並びに当該シーラントフィルムを用いて得られる包装材及び包装袋に関する。
ポリプロピレン系の無延伸フィルムは、剛性及び耐熱性に優れ、かつ安価であることから、食品包装等の種々の包装用材料における、シーラントフィルムとして使用されることがある。
特許文献1では、融点が120~165℃である結晶性プロピレン重合体と、エチレン・α-オレフィン共重合体と、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィン、環状オレフィン又は環状ポリエンから選ばれる少なくとも1種との共重合体と、を含むポリプロピレン系フィルムが提案されている。
特許文献2では、結晶性プロピレン・α-オレフィンランダム共重合体とエチレン・α-オレフィンランダム共重合体とからなることを特徴とするポリプロピレン系フィルムが提案されている。
特許文献3では、3層から構成されるポリプロピレン系複合フィルムであって、中間層がプロピレン・エチレンブロック共重合体からなり、両表面層がプロピレン系ランダム共重合体からなることを特徴とするポリプロピレン系複合フィルムが提案されている。
特開2003-119298号公報 特開2004-359711号公報 特開2017-132186号公報
ポリプロピレン系無延伸フィルムには、シーラントフィルムとして用いられる場合、例えばハイレトルト条件である135℃の高温で加圧処理を行って殺菌及び滅菌を行うレトルト処理等に耐えられる耐熱性が求められる。
また近年では、包装材のリサイクル性向上を目的として、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)基材とポリプロピレン系無延伸フィルムとを用いた、モノマテリアル構成の包装材の検討が進められている。しかしながら、二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、従来基材として使用されてきた二軸延伸ポリアミドフィルム(ONy)、二軸延伸ポリエステルフィルム(PET)等と比較して融点が低いため、製袋加工時に高温でヒートシールを行えないという事情がある。そのため、ヒートシール温度を下げても適切にヒートシールが行えるよう、ポリプロピレン系無延伸フィルムには低温シール性も求められるようになってきている。
しかしながら、従来のポリプロピレン無延伸フィルムでは、優れた耐熱性と低温シール性とを両立することは困難であるのが現状である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ポリプロピレン系フィルムでありながら、優れた耐熱性及び低温シール性を両立することが可能な、シーラントフィルムを提供することを目的とする。本発明はまた、当該シーラントフィルムを用いて得られる包装材及び包装体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、プロピレン単独重合体(A)及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)を含む樹脂組成物に、所定量のエチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)を含ませることが重要であることを発明者らが見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の一側面に係るシーラントフィルムは、プロピレン単独重合体(A)、プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)及びエチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)を含有し、エチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)の含有量が、プロピレン単独重合体(A)及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)の全量100質量部に対して、5.0~11.5質量部である、第一の層を備える。
上記シーラントフィルムは、優れた耐熱性及び低温シール性を両立することができる。このような効果は、結晶性プロピレン重合体と、エチレン・α-オレフィン共重合体と、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィン、環状オレフィン又は環状ポリエンから選ばれる少なくとも1種との共重合体と、を含む樹脂組成物を用いた場合(例えば、上記特許文献1)、結晶性プロピレン・α-オレフィンランダム共重合体とエチレン・α-オレフィンランダム共重合体とからなる樹脂組成物を用いた場合(例えば、上記特許文献2)、あるいは表面層にプロピレン系ランダム共重合体を用いた場合(例えば、上記特許文献3)では得ることができないものであり、特にポリプロピレン系のモノマテリアル構成のレトルト用包装材用途において好適な効果である。
一態様において、プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)の含有量に対する、プロピレン単独重合体(A)の含有量の質量比が0.40~0.95の範囲であることが好ましい。これにより、耐熱性を維持しつつ、より優れた低温シール性を得易い。
一態様において、シーラントフィルムは、上記第一の層と、プロピレン・エチレンブロック共重合体(D)及びエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(E)を含有する第二の層と、を備えてよい。これにより、フィルムが優れた耐寒衝撃性を得易い。
一態様において、シーラントフィルムは、上記第一の層と、上記第二の層と、プロピレン単独重合体(A)及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)を含有する第三の層と、をこの順に備えてよい。これにより、フィルムの歪みや反りを抑制し易い。
一態様において、上記第二の層が、プロピレン・エチレンブロック共重合体(D)90~50質量%及びエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(E)10~50質量%を含有してよい。これにより、フィルムがより優れた耐寒衝撃性を得易い。
一態様において、上記第二の層の厚さは20μm以上であってよい。これにより、フィルムがより優れた耐寒衝撃性を得易い。
本発明の一側面に係る包装材は、上記のシーラントフィルムと、金属酸化物蒸着層を有する樹脂フィルムと、を備える。
本発明の一側面に係る包装材は、上記のシーラントフィルムと、二軸延伸ポリプロピレンフィルムと、を備える。
本発明の一側面に係る包装体は、上記の包装材から製袋される。
本発明によれば、ポリプロピレン系フィルムでありながら、優れた耐熱性及び低温シール性を高いレベルでバランスよく両立することが可能なシーラントフィルムを提供することができる。また、本発明によれば、当該シーラントフィルムを用いて得られる包装材及び包装体を提供することができる。
本発明のシーラントフィルムは、ハイレトルト条件である135℃の高温での殺菌及び滅菌を行うレトルト処理に耐えられる耐熱性を有し、かつ二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)基材と共に用いられたとしても(ポリプロピレンの同一素材で構成される包装材であったとしても)ヒートシール可能な低温シール性に優れる。
図1は、本発明の一実施形態に係るシーラントフィルムの断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係るシーラントフィルムの断面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係るシーラントフィルムの断面図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る包装材の断面図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る包装材の断面図である。 図6は、本発明の一実施形態に係る包装材の断面図である。
<シーラントフィルム100>
図1は、本発明の一実施形態に係るシーラントフィルム100の断面図である。シーラントフィルム100は、プロピレン単独重合体(A)、プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)及びエチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)を含有する、第一の層10を備える。
(プロピレン単独重合体(A))
プロピレン単独重合体(A)は、例えばチーグラー・ナッタ型触媒、メタロセン触媒、又はハーフメタロセン触媒を用いて、プロピレンを単独重合する方法により得ることができる。シーラントフィルムがプロピレン単独重合体(A)を含有することにより、第一の層に優れた耐熱性を付与することができる。これにより、例えば135℃のハイレトルト条件で加圧加熱処理を行った後に、包装袋の内面で融着が発生し難い。
プロピレン単独重合体(A)としては、示差走査熱量測定(JIS K 7121)をした際の、融解開始温度が150℃以上、融点が155℃以上であるものを用いることができる。融解開始温度及び融点が共にこの範囲内であることにより、第一の層により優れた耐熱性を付与することができる。これにより、例えば135℃のハイレトルト条件で加圧加熱処理を行った後に、包装袋の内面で融着がより発生し難い。示差走査熱量測定の条件は以下のとおりである。
[示差走査熱量測定条件]
25℃から230℃まで10℃/minで昇温した際の、DSC曲線の低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、融解ピークの低温側の曲線に接しかつ勾配が最大になるように引いた接線との交点を融解開始温度とし、融解ピークの頂点の温度を融点とする。
プロピレン単独重合体(A)としては、メルトフローレート(MFR:ISO 1133)(温度230℃、荷重2.16kg)が2.0~7.0g/10分の範囲であるものを用いることができる。メルトフローレートが下限値以上であることで、成形加工時の押出機負荷が小さくなり、加工速度が低下し難く優れた生産性を維持し易い。また、メルトフローレートが上限値以下であることで、第一の層が優れた耐衝撃性を有し易い。
(プロピレン・エチレンランダム共重合体(B))
プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)は、例えばチーグラー・ナッタ型触媒、メタロセン触媒、又はハーフメタロセン触媒を用いて、プロピレンからなる主モノマー中にコモノマーとしてエチレンを共重合することにより得ることができる。第一の層がプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)を含有することにより、耐熱性を維持しつつ、優れた低温シール性が得易い。
プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)としては、示差走査熱量測定(JIS K 7121)をした際の、融点が132~150℃の範囲であるものを用いることができる。融点がこの範囲内であるものを用いることで、耐熱性を維持しつつ、優れた低温シール性が得易い。示差走査熱量測定の条件は以下のとおりである。
[示差走査熱量測定条件]
25℃から230℃まで10℃/minで昇温した際の、DSC曲線の融解ピークの頂点の温度を融点とする。
プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)のエチレン含有量は6質量%以下であってよい。エチレン含有量が上限値以下であることで、低温シール性を維持しつつも耐熱性が過度に低下し難い。これにより、135℃のハイレトルト条件での加圧加熱処理後に、包装袋の内面における融着をより抑制し易い。この観点から、当該エチレン含有量は5.5質量%以下であってよく、4.5質量%以下であってよい。エチレン含有量の下限は特に限定されないが、低温シール性の観点から、3質量%とすることができる。
プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)のエチレン含有量は、社団法人日本分析学会 高分子分析懇談会編集 高分子分析ハンドブック(2013年5月10日,第3刷)の412~413ページに記載の、エチレン含有量の定量方法(IR法)に従い測定することができる。
(エチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C))
エチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)は、例えばチーグラー・ナッタ型触媒、メタロセン触媒、又はハーフメタロセン触媒を用いて、エチレンとα-オレフィンとを共重合することにより得ることができる。第一の層がエチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)を含有することにより、優れた低温シール性を得ることができる。また、第一の層がエチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)を含有することにより、優れた耐寒衝撃性と耐ピンホール性を得易い。
エチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)としては、エチレンに由来する構造単位と炭素数4~20のα-オレフィンに由来する構造単位とを有する、エチレン-α-オレフィン共重合体エラストマーを用いることができる。これにより、優れた低温シール性が得易い。エチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)はランダム共重合体であってよい。
炭素数4~20のα-オレフィンとしては、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ヘキサデセン、1-エイコセン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン等が挙げられる。炭素数4~20のα-オレフィンは、好ましくは、1-ブテン又は1-ヘキセンである。エチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)は、これら炭素数4~20のα-オレフィンに由来する構造単位を2種以上有していてもよい。
エチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)としては、エチレンに由来する構造単位の含有量が、エチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)の全量(構造単位の全量)100質量%を基準として75~97質量%、好ましくは80~95質量%の範囲であるものを用いることができる。エチレンに由来する構造単位の含有量が下限値以上であることで、優れた耐熱性を維持し易い。また、エチレンに由来する構造単位の含有量が上限値以下であることで、優れた低温シール性が得易い。
エチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)としては、密度(JIS K 7112)が860~950kg/mの範囲であるものを用いることができる。密度が下限値以上であることで、フィルムのタック性を抑制することができる。また、密度が上限値以下であることで、低温シール性が得易い。
エチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)としては、メルトフローレート(MFR:ISO 1133)(温度190℃、荷重2.16kg)が、0.5~15g/10分の、好ましくは0.5~10g/10分又は0.5~5g/10分の範囲であるものを用いることができる。メルトフローレートが下限値以上であることで、成形加工時の押出機負荷が小さくなり、加工速度が低下し難く優れた生産性を維持し易い。また、メルトフローレートが上限値以下であることで、プロピレン単独重合体(A)及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)への相溶性が良好となり、耐熱性を維持し易い。
第一の層は、プロピレン単独重合体(A)とプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)の全量100質量部に対して、エチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)5.0~11.5質量部を含有する。エチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)の含有量が上記範囲内であることで、優れた耐熱性を維持しつつ、低温シール性が得易い。以上の観点から、当該含有量は6.0~10質量部であってよく、7.0~9.0質量部であってよい。
第一の層において、プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)の含有量に対するプロピレン単独重合体(A)の含有量の質量比(A)/(B)は0.40~0.95の範囲であってよい。上記質量比(A)/(B)が下限値以上であることで、優れた耐熱性を維持し易い。また、上記質量比(A)/(B)が上限値以下であることで、優れた低温シール性が得易い。この観点から、質量比(A)/(B)は、0.50~0.94であってよく、0.60~0.93であってよい。
<シーラントフィルム101>
図2は、本発明の一実施形態に係るシーラントフィルム101の断面図である。シーラントフィルム101は、ヒートシール層である第一の層10と、プロピレン・エチレンブロック共重合体(D)及びエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(E)を含有する第二の層1と、を備える。第二の層を設けることでシーラントフィルムが優れた耐寒衝撃性を得易い。
(プロピレン・エチレンブロック共重合体(D))
プロピレン・エチレンブロック共重合体(D)は、第一工程でプロピレン重合体(D1)を製造し、次いで、第二工程で気相重合によりエチレン-プロピレン共重合体(D2)を製造することで得ることができる共重合体である。プロピレン・エチレンブロック共重合体(D)は、プロピレン重合体末端とエチレン-プロピレン共重合体末端が結合されたブロック共重合体ではなく、一種のブレンド系の共重合体である。第二の層がプロピレン・エチレンブロック共重合体(D)を含有することにより、優れた耐寒衝撃性を得易い。
プロピレン・エチレンブロック共重合体(D)としては、メルトフローレート(MFR:ISO 1133)(温度230℃、荷重2.16kg)が0.5~2.5g/10分の範囲であるものを用いることができる。メルトフローレートが下限値以上であることで、成形加工時の押出機負荷が小さくなり、加工速度が低下し難く優れた生産性を維持し易い。メルトフローレートが上限値以下であることで、第二の層が優れた耐寒衝撃性を得易い。
プロピレン・エチレンブロック共重合体(D)は、上記プロピレン重合体(D1)90~60質量%及びエチレン-プロピレン共重合体(D2)10~40質量%を含有してよい。各成分がこの範囲であることにより、優れた耐寒衝撃性が得易い。この観点から、プロピレン・エチレンブロック共重合体(D)は、プロピレン重合体(D1)87.5~65質量%及びエチレン-プロピレン共重合体(D2)12.5~35質量%を含有してよく、プロピレン重合体(D1)85~70質量%及びエチレン-プロピレン共重合体(D2)15~30質量%を含有してよい。
エチレン-プロピレン共重合体(D2)のエチレン含有量は、特に制限はないが、20~40質量%の範囲とすることができる。エチレン含有量が上限値以下であることで、生成物のタック性を抑制することができ、製造時に生成物のタックによる汚染がし難く優れた生産性を維持し易い。エチレン含有量が下限値以上であることで、優れた耐寒衝撃性を得易い。
(エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(E))
エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(E)は、例えばヘキサン、ヘプタン、灯油等の不活性炭化水素、又はプロピレン等の液化α-オレフィン溶媒の存在下で行うスラリー重合法、無溶媒下の気相重合法などにより得ることができる。具体的には、エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(E)は、公知の多段重合法を用いて得られる。すなわち、第1段の反応器でプロピレン及び/又はプロピレン-α-オレフィン重合体を重合した後、第2段の反応でプロピレンとα-オレフィンとの共重合により得ることができる、重合型高ゴム含有ポリプロピレン系樹脂である。第二の層がエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(E)を含有することにより、更に優れた耐寒衝撃性を得易い。
エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(E)としては、メルトフローレート(MFR:ISO 1133)(温度230℃、荷重2.16kg)が0.5~3.5g/10分の範囲であるものを用いることができる。メルトフローレートが下限値以上であることで、成形加工時の押出機負荷が小さくなり、加工速度が低下し難く優れた生産性を維持し易い。メルトフローレートが上限値以下であることで、プロピレン・エチレンブロック共重合体(D)とエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(E)との相容性が良好となり、耐衝撃性が得易い。
エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(E)としては、プロピレン含有量とエチレン含有量の質量比(プロピレン含有量/エチレン含有量)が1.5~4の範囲であるものを用いることができる。上記範囲であることで、更に優れた耐寒衝撃性が得易い。
第二の層は、プロピレン・エチレンブロック共重合体(D)90~50質量%及びエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(E)10~50質量%を含有してよい。プロピレン・エチレンブロック共重合体(D)の含有量が50質量%以上であることで、優れた耐熱性を維持し易い。この観点から、当該含有量は60質量%以上であってよく、70質量%以上であってよい。プロピレン・エチレンブロック共重合体(D)の含有量が90質量%以下であることで、すなわち、エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(E)の含有量が少なくとも10質量%以上であることで、優れた耐寒衝撃性を発現することができる。この観点から、プロピレン・エチレンブロック共重合体(D)の含有量は87.5質量%以下であってよく、85質量%以下であってよい。以上の観点から、エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(E)の含有量は、12.5~40質量%であってよく、15~30質量%であってよい。
<シーラントフィルム102>
図3は、本発明の一実施形態に係るシーラントフィルム102の断面図である。シーラントフィルム102は、ヒートシール層である第一の層10と、第二の層1と、プロピレン単独重合体(A)及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)を含有する第三の層2と、をこの順に備える。第三の層を設けることでフィルムの歪みやカールを抑制し易くなる。
第三の層におけるプロピレン単独重合体(A)とプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)の混合比(質量比)に特に制限はないが、フィルム成形後のフィルムカール抑制の観点から第一の層と同様の比率であることが好ましい。
シーラントフィルムは無延伸フィルムであり、主としてポリプロピレン系の材料で構成することができるためポリプロピレン系無延伸フィルムと言うことができる。
シーラントフィルムの厚さは、例えば包装材料用のフィルムとして使用可能な範囲であれば特に制限されることはない。ただし、フィルムが厚すぎる場合にはコストデメリットとなるため、フィルムの厚さは100μm以下とすることができ、50~70μmであってよい。
シーラントフィルム101及び102における第一の層の厚さの割合は、シーラントフィルムの厚さを基準として8~30%であってよい。第一の層の厚さの割合が下限値以上であることで、優れたヒートシール強度が発現し易く、また上限値以下であることで、フィルムの耐寒衝撃性が得易く、実用性が得られ易い。この観点から、第一の層の厚さの割合は10~25%であってよい。
シーラントフィルム101及び102における第二の層の厚さは20μm以上であってよい。これにより、フィルムの耐寒衝撃性が維持され、低温保管時でも破袋し難い。この観点から、第二の層の厚さは25μm以上であってよく、30μm以上であってよい。第二の層の厚さの上限値は特に限定されないが、コストデメリットとなるため、50μmとすることができる。
シーラントフィルム102における第一の層と第三の層の総厚の割合は、シーラントフィルムの厚さを基準として16~42%であってよい。第一の層と第三の層の総厚の割合が下限値以上であることで、優れたヒートシール強度が発現し易く、また上限値以下であることで、フィルムの耐寒衝撃性が得易く、実用性が得られ易い。この観点から、第一の層と第三の層の総厚の割合は20~35%であってよい。
<シーラントフィルムの製造方法>
シーラントフィルムを製造する方法は特に制限されるものではなく、公知の方法を使用することが可能である。
例えば、第一~第三の各層の熱成形加工の方法としては、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解又は分散混合後、溶剤を加熱除去する方法等が挙げられる。作業性を考慮した場合、単軸スクリュー押出機又は2軸スクリュー押出機を使用することができる。単軸押出機を用いる場合、スクリューとしては、フルフライトスクリュー、ミキシングエレメントを持つスクリュー、バリアフライトスクリュー、フルーテッドスクリュー等が挙げられ、これらを特に制限なく使用することができる。2軸混練装置としては、同方向回転2軸スクリュー押出機、異方向回転2軸スクリュー押出機等を用いることができ、またスクリュー形状としてはフルフライトスクリュー、ニーディングディスクタイプ等特に限定なく用いることができる。
上記方法において、各層の原料を溶融したのち、フィードブロック又はマルチマニホールドを介しTダイで製膜することで、各層の形成及び積層をすることができる。
得られたシーラントフィルムには、必要に応じて適宜後工程適性を向上する表面改質処理を施してよい。例えば、単体フィルム使用時の印刷適性向上や、積層使用時のラミネート適性向上のために、印刷面や基材と接触する面に対して表面改質処理を行ってよい。表面改質処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレーム処理等のフィルム表面を酸化させることにより官能基を生じさせる処理や、コーティングにより易接着層を形成するウェットプロセスによる改質処理が挙げられる。
<包装材>
包装材は、上記シーラントフィルムを備える。包装材は、上記シーラントフィルムのみを備えていてもよく、さらにその他の層を備えていてもよい。シーラントフィルムは、ヒートシール層である第一の層が内容物側になるように包装材中に設けられる。
<包装材200~202>
図4~6は、本発明の一実施形態に係る包装材の断面図である。包装材200は、シーラントフィルム100と、基材4とが、接着層3を介して積層されている。包装材201は、シーラントフィルム101と、基材4とが、接着層3を介して積層されている。包装材202は、シーラントフィルム102と、基材4とが、接着層3を介して積層されている。
基材としては、二軸延伸ポリアミドフィルム(ONy)、二軸延伸ポリエステルフィルム(PET)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)等の樹脂フィルム、これらの樹脂フィルム表面に金属酸化物蒸着層を設けた金属酸化物蒸着層を有する樹脂フィルム(透明蒸着フィルム)、印刷紙、金属箔(AL箔)などが挙げられる。基材は、これらいずれかの単層であってもよく、二種以上を備える積層体であってもよい。基材が積層体である場合、各層は接着層を介して積層されていてよい。
包装材のガスバリア性の観点から、基材は金属酸化物蒸着層を有する樹脂フィルムとすることができ、すなわち包装材は、シーラントフィルムと、金属酸化物蒸着層を有する樹脂フィルムと、を備えることができる。金属酸化物蒸着層を構成する金属酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等が挙げられる。樹脂フィルムは、金属酸化物蒸着層の保護の観点から、金属酸化物蒸着層をシーラント層側に向けて積層されてよい。樹脂フィルムは、その両面に金属酸化物蒸着層を有してよい。
包装材のリサイクル性の観点から、基材は二軸延伸ポリプロピレンフィルムとすることができ、すなわち包装材は、シーラントフィルムと、二軸延伸ポリプロピレンフィルムと、を備えることができる。基材として二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いて得られる包装材を、同一素材包装材ということができる。
包装材のガスバリア性及びリサイクル性の観点から、基材は金属酸化物蒸着層を有する樹脂フィルム及び二軸延伸ポリプロピレンフィルムの積層体とすることができ、すなわち包装材は、シーラントフィルムと、金属酸化物蒸着層を有する樹脂フィルムと、二軸延伸ポリプロピレンフィルムと、をこの順に備えることができる。特に包装材のリサイクル性の観点から、金属酸化物蒸着層を有する樹脂フィルムは、金属酸化物蒸着層を有する二軸延伸ポリプロピレンフィルムであってよい。
接着層の材料としては、例えば、ポリエステル-イソシアネート系樹脂、ウレタン樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリオレフィンの酸変性物等を用いることができる。
包装材は、上記のとおりシーラントフィルムと基材とを接着層を介して貼合せる通常のドライラミネート法により製造することができる。ただし、包装材は、シーラントフィルムを基材上に直接押出してラミネートする方法により製造されてもよい。
包装材の構成は、包装体の要求特性、例えば包装する食品の品質保持期間を満たすバリア性、内容物の重量に対応できるサイズ・耐衝撃性、内容物の視認性、リサイクル性等に応じて適宜調整することができる。
<包装体>
包装体は上記の包装材から製袋されてよく、その製袋様式に関しては特に制限されない。例えば上記の包装材(積層体)は、シーラントフィルムをシール材とする、平袋、三方袋、合掌袋、ガゼット袋、スタンディングパウチ、スパウト付きパウチ、ビーク付きパウチ等に用いることが可能である。
<本実施形態の概要>
[発明1]
プロピレン単独重合体(A)、プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)及びエチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)を含有し、
前記エチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)の含有量が、前記プロピレン単独重合体(A)及び前記プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)の全量100質量部に対して、5.0~11.5質量部である、第一の層を備える、シーラントフィルム。
[発明2]
前記プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)の含有量に対する、前記プロピレン単独重合体(A)の含有量の質量比が0.40~0.95である、発明1に記載のシーラントフィルム。
[発明3]
前記第一の層と、
プロピレン・エチレンブロック共重合体(D)及びエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(E)を含有する第二の層と、を備える、発明1又は2に記載のシーラントフィルム。
[発明4]
前記第一の層と、
前記第二の層と、
プロピレン単独重合体(A)及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)を含有する第三の層と、をこの順に備える、発明3に記載のシーラントフィルム。
[発明5]
前記第二の層が、前記プロピレン・エチレンブロック共重合体(D)90~50質量%及び前記エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(E)10~50質量%を含有する、発明3又は4に記載のシーラントフィルム。
[発明6]
前記第二の層の厚さが20μm以上である、発明3~5のいずれか一に記載のシーラントフィルム。
[発明7]
発明1~6のいずれか一に記載のシーラントフィルムと、金属酸化物蒸着層を有する樹脂フィルムと、を備える包装材。
[発明8]
発明1~6のいずれか一に記載のシーラントフィルムと、二軸延伸ポリプロピレンフィルムと、を備える包装材。
[発明9]
発明7又は8に記載の包装材から製袋される包装体。
以下、本発明について実施例及び比較例を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
<シーラントフィルムの作製>
(実施例1)
以下に示すプロピレン単独重合体(A)、プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)、エチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)を準備した。
(プロピレン単独重合体(A))
示差走査熱量測定(JIS K 7121)をした際の、融解開始温度が153℃、融点が159℃であり、かつメルトフローレート(MFR:ISO 1133)(温度230℃、荷重2.16kg)が3.0g/10分であるプロピレン単独重合体。
(プロピレン・エチレンランダム共重合体(B))
示差走査熱量測定(JIS K 7121)をした際の、融点が147℃、エチレン含有量が3.4質量%であるプロピレン・エチレンランダム共重合体。
エチレン含有量の測定は、社団法人日本分析学会 高分子分析懇談会編集 高分子分析ハンドブック(2013年5月10日,第3刷)の412~413ページに記載の、エチレン含有量の定量方法(IR法)に従い行った。
(エチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C))
エチレン-1-ブテン共重合体エラストマーであるタフマーA-1085S(商品名、三井化学株式会社製)を用いた。メルトフローレート(MFR:ISO 1133)(温度190℃、荷重2.16kg)は1.2g/10分であり、密度は885kg/m、エチレンに由来する構造単位の含有量は84質量%であった。
プロピレン単独重合体(A)47.4質量部及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)52.6質量部をペレット状態で混合したのち、プロピレン単独重合体(A)とプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)の全量100質量部に対して、エチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)を5.3質量部混合した樹脂混合体を準備した。その後、樹脂混合体を250℃に温調した押出機に供給し、溶融状態にて混錬して、フィードブロックを持つTダイ押出機にてフィルムの厚さが60μmとなるようにフィルム成形し、実施例1のシーラントフィルムを作製した。
(実施例2~5及び比較例1~5)
各原料化合物の混合割合を、表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作製した。
(実施例6)
第二の層に使用する材料として、以下に示すプロピレン・エチレンブロック共重合体(D)、エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(E)を準備した。
(プロピレン・エチレンブロック共重合体(D))
メルトフローレート(MFR:ISO 1133)(温度230℃、荷重2.16kg)が1.8g/10分であり、プロピレン重合体81.5質量%及びエチレン-プロピレン共重合体18.5質量%を含有し、エチレン-プロピレン共重合体に含まれるエチレン含有量が36.2重量%であるプロピレン・エチレンブロック共重合体。
(エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(E))
メルトフローレート(MFR:ISO 1133)(温度230℃、荷重2.16kg)が0.6g/10分であり、かつプロピレン含有量/エチレン含有量の質量比が2.7であるエチレン・プロピレン共重合体エラストマー。
第一の層形成用に、プロピレン単独重合体(A)47.4質量部及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)52.6質量部をペレット状態で混合したのち、プロピレン単独重合体(A)とプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)の全量100質量部に対して、エチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)を5.3質量部混合した樹脂混合体を準備した。
第二の層形成用に、プロピレン・エチレンブロック共重合体(D)70質量%及びエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(E)30質量%をペレット状態で混合した樹脂混合体を準備した。
各樹脂混合体を250℃に温調した押出機に供給し、溶融状態にて混錬して、フィードブロックを持つTダイ押出機にて第一の層の厚さが15μm、第二の層の厚さが45μmとなるように積層し、実施例6のシーラントフィルムを作製した。
(実施例7)
各原料化合物の混合割合を、表2に示すように変更したこと以外は、実施例6と同様にしてフィルムを作製した。
(実施例8)
第一の層及び第三の層形成用に、プロピレン単独重合体(A)47.4質量部及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)52.6質量部をペレット状態で混合した樹脂混合体を準備した。第一の層形成用の樹脂混合体にのみ、プロピレン単独重合体(A)とプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)の全量100質量部に対して、エチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)を5.3質量部添加した。
第二の層形成用に、プロピレン・エチレンブロック共重合体(D)70質量%及びエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(E)30質量%をペレット状態で混合した樹脂混合体を準備した。
各樹脂混合体を250℃に温調した押出機に供給し、溶融状態にて混錬して、フィードブロックを持つTダイ押出機にて第一の層と第三の層の厚さがそれぞれ10μm、第二の層の厚さが40μmとなるように積層し、実施例8のシーラントフィルムを作製した。
(実施例9)
各原料化合物の混合割合を、表2に示すように変更したこと以外は、実施例8と同様にしてフィルムを作製した。
(比較例6~7)
各原料化合物の混合割合を、表2に示すように変更したこと以外は、実施例6と同様にしてフィルムを作製した。
(比較例8~9)
各原料化合物の混合割合を、表2に示すように変更したこと以外は、実施例8と同様にしてフィルムを作製した。
<各種評価>
各例で得られたフィルムに対し以下の評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
[低温シール性評価]
各例で得られたフィルム(フィルムが積層体である場合は第一の層)同士を対向させ、テスター産業株式会社製のヒートシーラーを用いて、シール圧0.2MPa、シール時間1秒、シール幅5mmの条件でヒートシールした。シール温度は、140℃~160℃の間で2℃刻みに調整した。その後、各温度でヒートシールされたフィルムをそれぞれ15mm幅×80mmに切出し、株式会社島津製作所製の引張試験機を用いて、300mm/minの引張速度でT字剥離を行い、ヒートシール部分のヒートシール強度を測定した。ヒートシール強度が15N/15mm以上に達した温度をヒートシール立ち上がり温度とし、ヒートシール立ち上がり温度が低いほど、低温シール性が良好であると判断した。
[耐熱性評価]
各例で得られたフィルム(フィルムが積層体である場合は第一の層)同士を対向させ、テスター産業株式会社製のヒートシーラーを用いて、シール圧0.05MPa、シール時間30秒間、シール幅10mm、シール温度135℃の条件でヒートシールした。その後、ヒートシールされたフィルムを15mm幅×80mmに切出し、株式会社島津製作所製の引張試験機を用いて、300mm/minの引張速度でT字剥離を行い、ヒートシール部分の熱融着強度を測定した。熱融着強度が2.0N/15mm以下であれば、耐熱性が良好であると判断した。
本発明のシーラントフィルムは、ポリプロピレン系フィルムでありながら、耐熱性及び低温シール性を高いレベルで両立することができる。そのため、本発明のシーラントフィルムは、ポリプロピレン系のモノマテリアルな包装材(レトルト包材)において好適に利用できる。
1…第二の層、2…第三の層、3…接着層、4…基材、10…第一の層、100~102…シーラントフィルム、200~202…包装材。

Claims (12)

  1. プロピレン単独重合体(A)、プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)及びエチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)を含有し、
    前記エチレン-α-オレフィン共重合体エラストマー(C)の含有量が、前記プロピレン単独重合体(A)及び前記プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)の全量100質量部に対して、5.0~11.5質量部である、第一の層を備える、シーラントフィルム。
  2. 前記プロピレン・エチレンランダム共重合体(B)の含有量に対する、前記プロピレン単独重合体(A)の含有量の質量比が0.40~0.95である、請求項1に記載のシーラントフィルム。
  3. 前記第一の層と、
    プロピレン・エチレンブロック共重合体(D)及びエチレン・プロピレン共重合体エラストマー(E)を含有する第二の層と、を備える、請求項1に記載のシーラントフィルム。
  4. 前記第一の層と、
    前記第二の層と、
    プロピレン単独重合体(A)及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(B)を含有する第三の層と、をこの順に備える、請求項3に記載のシーラントフィルム。
  5. 前記第二の層が、前記プロピレン・エチレンブロック共重合体(D)90~50質量%及び前記エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(E)10~50質量%を含有する、請求項3に記載のシーラントフィルム。
  6. 前記第二の層が、前記プロピレン・エチレンブロック共重合体(D)90~50質量%及び前記エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(E)10~50質量%を含有する、請求項4に記載のシーラントフィルム。
  7. 前記第二の層の厚さが20μm以上である、請求項3に記載のシーラントフィルム。
  8. 前記第二の層の厚さが20μm以上である、請求項4に記載のシーラントフィルム。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載のシーラントフィルムと、金属酸化物蒸着層を有する樹脂フィルムと、を備える包装材。
  10. 請求項1~8のいずれか一項に記載のシーラントフィルムと、二軸延伸ポリプロピレンフィルムと、を備える包装材。
  11. 請求項9に記載の包装材から製袋される包装体。
  12. 請求項10に記載の包装材から製袋される包装体。

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