JP2023163167A - 警報システム、警報器、通信方法、プログラム - Google Patents

警報システム、警報器、通信方法、プログラム Download PDF

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徹也 大橋
Tetsuya Ohashi
健司 原田
Kenji Harada
翔 吉田
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勇太 原
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Abstract

【課題】マルチホップネットワークにおいて中継ルートをスムーズに切りかえる技術を提供する。【解決手段】警報システム1000は、中継装置700から広がるマルチホップネットワークにより構成される。マルチホップネットワークには、第1火災警報器600aから第6火災警報器600fが含まれる。第5火災警報器600eは、第3火災警報器600cを介して中継装置700からの信号を受信する。また、第5火災警報器600eは、第1火災警報器600aを介しても中継装置700からの信号を受信可能である。【選択図】図1

Description

本開示は、警報技術に関し、特にマルチホップネットワークを使用する警報システム、警報器、通信方法、プログラムに関する。
スマートメータを各家屋に設置し、それらのスマートメータ間で無線通信マルチホップ方式によりデータ伝送を実行することによって、基地局がデータを収集する。無線通信マルチホップ方式では、ノード間で通信異常が発生し、収集ノードから宛先のセンサノードへの通信メッセージが送信不可となるおそれがある。その際、異常を検知した中継ルート外のノードが自律的に代替ルートを構築して通信を継続する(例えば、特許文献1参照)。
特開2017-50746号公報
マルチホップネットワークにおいて通信の失敗が発生した場合、再送がなされる。再送によっても通信の失敗が続く状況においては中継ルートの切替が必要とされる。中継ルートをスムーズに切りかえることが求められる。
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、マルチホップネットワークにおいて中継ルートをスムーズに切りかえる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本開示のある態様の警報システムは、中継装置から広がるマルチホップネットワークを構成する複数の警報器を備える。複数の警報器は、第1警報器、第2警報器、第3警報器を含む。第1警報器は、第2警報器を介して中継装置からの信号を受信し、第1警報器は、第3警報器を介しても中継装置からの信号を受信可能である。
本開示の別の態様は、警報器である。この警報器は、中継装置から広がるマルチホップネットワークを構成する複数の警報器のうちの警報器であって、本警報器を第1警報器と呼ぶ場合、複数の警報器には、第2警報器、第3警報器も含まれ、第2警報器を介して中継装置からの信号を受信するとともに、第3警報器を介しても中継装置からの信号を受信可能である通信部と、通信部を制御する制御部と、を備える。
本開示のさらに別の態様は、通信方法である。この方法は、中継装置から広がるマルチホップネットワークを構成する複数の警報器のうちの警報器における通信方法であって、本警報器を第1警報器と呼ぶ場合、複数の警報器には、第2警報器、第3警報器も含まれ、第2警報器を介して中継装置からの信号を受信するステップと、第3警報器を介しても中継装置からの信号を受信可能であるステップと、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
本開示によれば、マルチホップネットワークにおいて中継ルートをスムーズに切りかえることができる。
本実施例に係る警報システムの構成を示す図である。 図1の火災警報器の構成を示す図である。 図3(a)-(e)は、図1の警報システムで使用されるスーパーフレームの構成を示す図である。 図1の中継装置の構成を示す図である。 図1の警報システムにおける通信の概要を示す図である。 図6(a)-(b)は、図1の警報システムにおいて使用される定期信号と応答信号のフォーマットを示す図である。 図7(a)-(b)は、図1の警報システムにおける通信の別の概要を示す図である。 図1の警報システムにおけるルーティングの概要を示す図である。 図1の警報システムにおけるルーティングの手順を示すシーケンス図である。 図10(a)-(b)は、図1の警報システムにおいて通信の失敗が発生した場合の状況を示す図である。 図11(a)-(b)は、図1の警報システムにおける再送の概要を示す図である。 図12(a)-(b)は、図1の警報システムにおける再送の別の概要を示す図である。 図13(a)-(b)は、図1の警報システムにおける通知の概要を示す図である。 図14(a)-(b)は、図1の警報システムにおけるスロット切替・エイジングの概要を示す図である。 図15(a)-(b)は、図1の警報システムにおけるルート切替後の通信の概要を示す図である。 図1の警報システムにおけるルーティングの概要を示す別の図である。 図17(a)-(c)は、図2の制御部に保持されるテーブルのデータ構造を示す。 図18(a)-(b)は、図2の制御部に保持される別のテーブルのデータ構造を示す。
本開示を具体的に説明する前に、概要を述べる。本実施例は、集合住宅、戸建住宅、オフィス、病院等の施設に設置される警報システムに関する。警報システムでは、管理装置に中継装置が接続され、中継装置に複数の火災警報器が無線のマルチホップネットワークにより接続される。このようなネットワークにおいて、管理装置が上位側に相当し、中継装置から最もホップ数の多い火災警報器が下位側に相当する。火災警報器は、火災の発生を検知すると検知結果を中継装置に向かって転送し、中継装置は、管理装置に検知結果を転送する。管理装置は、検知結果を受信すると、鳴動を実行する火災警報器を1つ以上選択し、選択した1つ以上の火災警報器を最終的な宛先として、鳴動の指示を送信する。中継装置と火災警報器は、最終的な宛先の火災警報器まで鳴動の指示を転送し、最終的な宛先の火災警報器は、鳴動の指示を受信すると鳴動を実行する。
ここで、中継装置から、中継装置から最もホップ数の多い火災警報器に向かう信号のための回線を「下り回線」と呼ぶ場合、最もホップ数の多い火災警報器から中継装置に向かう信号のための回線は「上り回線」と呼ばれる。本実施例では、複数のタイムスロットが並べられることによって1つのフレームが形成され、複数のフレームが並べられることによって1つのスーパーフレームが形成される。また、1つの火災警報器が、1つの下り回線用のタイムスロット(以下、「下り通信用タイムスロット」という)に割り当てられるとともに、1つの上り回線用のタイムスロット(以下、「上り通信用タイムスロット」という)に割り当てられる。下り回線の転送のために下り通信用タイムスロットが使用され、上り回線の転送のために上り通信用タイムスロットが使用される。
下り回線では、鳴動の指示の他に、各火災警報器の生存を確認するための信号(以下、「定期信号」という)が中継装置から定期的に送信される。この定期信号は、マルチホップネットワーク内の中継装置および火災警報器が同期を確立および維持するためにも使用される。上り回線では、検知結果の他に、定期信号に対する応答信号が各火災警報器から送信される。以下の説明において、定期信号、応答信号、検知結果、鳴動の指示は、「通信用信号」と総称されることもある。
マルチホップネットワークの火災警報器は、下位側の他の火災警報器に割り当てられた上り通信用タイムスロットにおいて検知結果が送信されているかを監視しなければならない。特に、下位側の火災警報器の数が増加すると、監視しなければならない上り通信用タイムスロットが増加するので、火災警報器の消費電力が増加する。
火災警報器の消費電力の増加を抑制するために、監視用のタイムスロットが導入される。フレームは、前述のごとく、複数の下り通信用タイムスロットと、複数の上り通信用タイムスロットを含む。また、フレームは、割り当てられた上り通信用タイムスロットにおいて通信用信号を送信予定の火災警報器が信号(以下、「監視用信号」という)を送信するための監視用のタイムスロット(以下、「監視用タイムスロット」という)も含む。各火災警報器は、監視用タイムスロットにおいて監視用信号の受信を待ち受ける。監視用タイムスロットにおいて監視用信号を受信した場合、火災警報器は、自身に割り当てられた上り通信用タイムスロットにおいて通信用信号の受信を待ち受ける。一方、監視用タイムスロットにおいて監視用信号を受信しない場合、火災警報器は、自身に割り当てられた上り通信用タイムスロットにおいて通信用信号の受信を待ち受けない。
中継装置は、火災警報器からの応答信号を受信しない場合、定期信号を再送する。しかしながら、通信環境によっては再送した定期信号が火災警報器に常に届かない可能性がある。この通信環境は、例えば、レイアウト変更などによる固定の遮蔽物(鉄扉)が存在すること、定常的な妨害波による干渉を受けることである。このような状況下において、マルチホップネットワークにおける中継ルートをスムーズに切りかえることが求められる。
以下では、本実施例を(1)基本構成、(2)ルーティング、(3)通信の失敗の発生、(4)新たなルートにおける再送(その1)、(5)新たなルートにおける再送(その2)、(6)ルート変更の通知、(7)スロット切替・エイジング、(8)ルート切替後の通信、(9)ルーティングの変形例の順に説明する。
(1)基本構成
図1は、警報システム1000の構成を示す。警報システム1000は、火災警報器600と総称される第1火災警報器600aから第6火災警報器600f、中継装置700、管理装置800を含む。火災警報器600の数は「6」に限定されず、中継装置700の数は「1」に限定されない。
警報システム1000は、住宅、オフィス、商業施設等の施設に適用され、火災を検知し、火災が発生したことを報知するシステムである。複数の火災警報器600は、例えば、住宅用火災警報器であり、火災検知センサを備える。複数の火災警報器600は、例えば、施設の天井等に設置されるが、壁等に設置されてもよい。
ここで、第1火災警報器600aから第6火災警報器600fは、中継装置700から広がるマルチホップネットワークを構成する。例えば、中継装置700、第1火災警報器600aを結ぶ中継ルート、中継装置700、第2火災警報器600b、第3火災警報器600c、第4火災警報器600dを結ぶ中継ルートが形成される。また、中継装置700、第2火災警報器600b、第3火災警報器600c、第5火災警報器600e、第6火災警報器600fを結ぶ中継ルートも形成される。このような中継ルートは、各火災警報器600において決定され、中継装置700、管理装置800にも共有される。
これらの中継ルートにおいて、第1火災警報器600a、第2火災警報器600bは、ホップ数「1」で中継装置700と通信可能であり、第3火災警報器600cは、ホップ数「2」で中継装置700と通信可能である。第4火災警報器600d、第5火災警報器600eは、ホップ数「3」で中継装置700と通信可能であり、第6火災警報器600fは、ホップ数「4」で中継装置700と通信可能である。第5火災警報器600eに着目すると、第5火災警報器600eは、第3火災警報器600cを介して中継装置700からの信号を受信するが、第1火災警報器600aまたは第4火災警報器600dを介しても中継装置700からの信号を受信可能である。第5火災警報器600eが、第1火災警報器600aまたは第4火災警報器600dに接続すると、中継装置700までのホップ数は変わる。
このように中継装置700は、マルチホップネットワークを構成する複数の火災警報器600と無線通信または有線通信を実行する。中継装置700は、マルチホップネットワークに含まれる複数の火災警報器600間の通信を中継するともいえる。さらに、中継装置700は、管理装置800とケーブルにより接続され、管理装置800との間で有線通信を実行する。中継装置700と管理装置800は無線通信を実行してもよい。
管理装置800は、例えば、施設内に設置されるHEMS(Home Energy Management System)のコントローラである。管理装置800は、施設に設けられた複数の機器と通信可能である。複数の機器は、例えば、通信機能を有した空調機器、照明機器、給湯器等を含む。また、管理装置800は、施設に設けられた中継装置700と通信可能である。さらに、管理装置800は、中継装置700を介して各火災警報器600とも通信可能である。
図2は、火災警報器600の構成を示す。火災警報器600は、通信部620、処理部622、制御部624、火災検知センサ630、ブザー632を含み、制御部624は、監視部626を含む。処理部622と制御部624は一体化されてもよい。火災検知センサ630には公知の技術が使用されればよい。例えば、火災検知センサ630は、光学式の煙検知センサであってもよく、光の乱反射を利用して火災の際の煙を検知することで火災を検知してもよい。例えば、火災検知センサ630は、熱検知センサであってもよく、火災の際の熱を検知することで火災を検知してもよい。例えば、火災検知センサ630は、一酸化炭素検知センサであってもよく、火災の際の燃焼によって発生する一酸化炭素の濃度を検知することで火災を検知してもよい。例えば、火災検知センサ630は、赤外線検知センサであってもよく、火災の際の燃焼によって放射される赤外線を検知することで火災を検知してもよい。
通信部620は、他の火災警報器600または中継装置700との間の無線通信を実行する。通信部620は有線通信を実行してもよい。処理部622は、通信部620において受信した信号を処理したり、通信部620から送信すべき信号を生成したりする。制御部624は、通信部620と処理部622の動作を制御する。制御部624の処理の詳細は後述する。ブザー632は、ブザー音を鳴動可能である。火災警報器600は、ブザー632を含まず、火災検知センサ630を含む構成、つまり検知機能と通信機能を有する構成であってもよい。このような火災警報器600は、火災の検知を警報可能な感知器であるともいえる。
図3(a)-(e)は、警報システム1000で使用されるスーパーフレーム1010の構成を示す。図3(a)に示されるように一定期間がスーパーフレーム1010として規定される。スーパーフレーム1010は繰り返し配置される。スーパーフレーム1010は、複数のフレーム1020に分割される。図3(b)に示されるように、1つのフレーム1020は、複数のタイムスロット1030に分割される。複数のタイムスロット1030のうち、先頭部分の1以上のタイムスロット1030は「下り通信用タイムスロット」に使用される。複数の下り通信用タイムスロットは、中継装置700からの信号を送信するために、複数の火災警報器600のそれぞれに割り当てられるべきタイムスロット1030であり、時間軸上に並べられる。
下り通信用タイムスロットに続く1以上のタイムスロット1030は「監視用タイムスロット」に使用される。1以上の監視用タイムスロットに続く1以上のタイムスロット1030は「上り通信用タイムスロット」に使用される。複数の上り通信用タイムスロットは、中継装置700への信号を送信するために、複数の火災警報器600のそれぞれに割り当てられるべきタイムスロット1030であり、時間軸上に並べられる。上り通信用タイムスロットに続く1以上のタイムスロット1030は「空きタイムスロット」に使用される。下り通信用タイムスロットの数と、上り通信用タイムスロットの数は同一であり、かつマルチホップネットワークに含まれる火災警報器600の数以上とされる。監視用タイムスロットの数はマルチホップネットワークにおける最大のホップ数以上とされる。空きスロットはなくてもよい。
図3(c)は、下り通信用タイムスロットまたは上り通信用タイムスロットに使用されるべきタイムスロット1030を示す。当該タイムスロット1030の長さは「A」とされる。図3(d)は、監視用タイムスロットに使用されるべきタイムスロット1030を示す。当該タイムスロット1030の長さは「B」とされる。「B」は「A」よりも小さい値に設定される。
図3(e)は、スーパーフレーム1010における複数のフレーム1020の使用例を示す。スーパーフレーム1010の先頭のフレーム1020では「定期監視」がなされる。「定期監視」とは、中継装置700が定期信号を送信し、定期信号に応じて火災警報器600が応答信号を送信することによって、中継装置700が、受信した応答信号の送信元になる火災警報器600の生存を確認する処理である。「定期監視」に続く「2つ」のフレーム1020では「同一ルート再送」がなされる。「同一ルート再送」では、「定期監視」において生存が確認されなかった火災警報器600が存在する場合に、「定期監視」と同一の中継ルートにおいて同一の処理がなされる。
「同一ルート再送」に続く「2つ」のフレーム1020では「別ルート再送」がなされる。「別ルート再送」では、「定期監視」および「同一ルート再送」において生存が確認されなかった火災警報器600が存在する場合に、「定期監視」および「同一ルート再送」とは別の中継ルートにおいて同一の処理がなされる。
「別ルート再送」に続く複数のフレーム1020では「検知待ち」がなされる。「検知待ち」とは、少なくとも1つの火災警報器600が火災の発生を検知することによって検知結果が送信されることを待つ処理である。少なくとも1つの火災警報器600からの検知結果を中継装置700が受信した場合、中継装置700は鳴動の指示を送信する。定期監視、同一ルート再送、別ルート再送において、すべての火災警報器600の生存が確認された場合、残りの同一ルート再送または別ルート再送のフレーム1020は、「検知待ち」に使用される。定期監視、同一ルート再送、別ルート再送は、予め定められたタイミングでなされるので、火災警報器600と中継装置700は、定期監視、同一ルート再送、別ルート再送のタイミングを認識する。また、「定期監視」、「同一ルート再送」、「同一ルート再送」のフレーム1020においても、火災警報器600が火災の発生を検知すると、当該火災警報器600から検知結果が送信される。
図4は、中継装置700の構成を示す。中継装置700は、マルチホップネットワークを構成する複数の火災警報器600に対する制御装置であるともいえる。中継装置700は、通信部710、制御部720を含み、通信部710は出力部712を含み、制御部720は割当部722を含む。通信部710は、複数の中継装置700と通信するための通信機能を有するとともに、管理装置800と通信するための通信機能を有する。制御部720は、中継装置700の動作を制御する。
通信部710は、マルチホップネットワークを構成する複数の火災警報器600と通信することによって、各火災警報器600においてなされたルーティングの結果を受けつける。各火災警報器600においてなされるルーティングについては後述するが、ルーティングの結果により、図1のような各中継ルートが形成される。
割当部722は、ルーティングの結果をもとに、図3(b)に示される1つの下り通信用タイムスロットと1つの上り通信用タイムスロットとの組合せを1つの火災警報器600に割り当てる。出力部712は、割当部722における割当結果をスロット情報として複数の火災警報器600に対して出力する。スロット情報では、下り通信用タイムスロットと上り通信用タイムスロットとの組合せと、火災警報器600との対応関係が示される。
図5は、警報システム1000における通信の概要、特に「定期監視」の概要を示す。ここでは、警報システム1000における中継ルートが図1のように形成されていることを前提とする。図5において、第1火災警報器600aから第6火災警報器600fが「C1」から「C6」とそれぞれ示され、中継装置700が「M」と示される。
下り通信用タイムスロットには、中継装置700、第1火災警報器600a、第2火災警報器600b、第3火災警報器600c、第4火災警報器600d、第5火災警報器600e、第6火災警報器600fが前側から順に割り当てられる。前述のごとく、第1火災警報器600a、第2火災警報器600bから中継装置700までのホップ数は「1」であり、第3火災警報器600cから中継装置700までのホップ数は「2」である。また、第4火災警報器600d、第5火災警報器600eから中継装置700までのホップ数は「3」であり、第6火災警報器600fから中継装置700までのホップ数は「4」である。つまり、下り通信用タイムスロットに対して、中継装置700までのホップ数が小さい火災警報器600ほど前側に割り当てられる。
上り通信用タイムスロットには、第6火災警報器600f、第5火災警報器600e、第4火災警報器600d、第3火災警報器600c、第2火災警報器600b、第1火災警報器600a、中継装置700が前側から順に割り当てられる。つまり、上り通信用タイムスロットに対して、中継装置700までのホップ数が大きい火災警報器600ほど前側に割り当てられる。
第5火災警報器600eに着目する場合、下り通信用タイムスロットでは、第5火災警報器600eが、第4火災警報器600dの後側、かつ第6火災警報器600fの前側に割り当てられる。上り通信用タイムスロットでは、第5火災警報器600eが、第6火災警報器600fの後側、かつ第4火災警報器600dの前側に割り当てられる。
下り通信用タイムスロットの前側に、監視用タイムスロット「N1」、「N2」、「N3」、「N4」が並べられる。監視用タイムスロット「N1」は、ホップ数「2」の火災警報器600が、ホップ数「1」の火災警報器600に受信させるための監視用信号を送信すべきタイムスロット1030である。監視用タイムスロット「N2」は、ホップ数「3」の火災警報器600が、ホップ数「2」の火災警報器600に受信させるための監視用信号を送信すべきタイムスロット1030である。監視用タイムスロット「N3」は、ホップ数「4」の火災警報器600が、ホップ数「3」の火災警報器600に受信させるための監視用信号を送信すべきタイムスロット1030である。監視用タイムスロット「N4」は、ホップ数「5」の火災警報器600が、ホップ数「4」の火災警報器600に受信させるための監視用信号を送信すべきタイムスロット1030である。
監視用タイムスロットは、「N4」、「N3」、「N2」、「N1」の順に並べられる。つまり、中継装置700からホップ数が大きい火災警報器600ほど、前側の監視用タイムスロットが割り当てられる。
これらのタイムスロット1030の割当は、中継装置700または管理装置800において決定される。例えば、中継装置700または管理装置800は、中継ルートの情報をもとにタイムスロット1030の割当を決定する。中継装置700または管理装置800は、決定したタイムスロット1030の割当を各火災警報器600に通知する。そのため、各火災警報器600も、これらのタイムスロット1030の割当を把握する。その結果、火災警報器600は、通信用信号を送信すべきタイムスロット1030であって、かつ自らに割り当てられたタイムスロット1030を把握する。また、火災警報器600は、中継ルート上の隣接の火災警報器600または中継装置700からの通信用信号を受信可能なタイムスロット1030も把握する。
図1に示された中継ルートに沿って、下り通信用タイムスロットでは定期信号が送信される。下り通信における定期信号の送信は、ブロードキャスト送信(フラッディング方式)によりなされる。また、図1に示された中継ルートに沿って、上り通信用タイムスロットでは応答信号が送信される。上り通信における応答信号の送信は、ユニキャスト送信によりなされる。
図6(a)-(b)は、警報システム1000において使用される定期信号と応答信号のフォーマットを示す。図6(a)は、定期信号、つまり中継装置700から定期的に送信される信号のフォーマットを示す。前述のごとく、フラッディング方式が使用されるので、ブロードキャストアドレスが格納される。同期ビーコンは、TDMA(Time Division Multiple Access)同期用のフラグである。定期監視要求フラグにより定期信号であることが示される。定期監視要求にはデータが格納されない。
図6(b)は、応答信号、つまり複数の火災警報器600のそれぞれが定期信号を受信したときに送信すべき信号のフォーマットを示す。前述のごとく、ユニキャスト通信が使用されるので、次に送信すべき上位側の他の火災警報器600または中継装置700のユニキャストアドレスが格納される。定期監視応答フラグにより応答信号であることが示される。定期監視応答データには、32ビットがアサインされており、警報システム1000に接続可能な最大32台の火災警報器600が32ビットで表現される。下位側の他の火災警報器600から受信した応答信号に含まれた情報に、自らの情報を論理和(XOR)連結することによって、定期監視応答データが生成される。つまりパケット連結がなされる。図5に戻る。
図5における三角形印は、火災警報器600の通信部620においてなされる間欠受信動作を示す。通信部620における間欠受信動作では、タイムスロット1030の先頭部分の一部期間において受信動作が実行され、一部期間において信号(通信用信号、監視用信号)が受信されない場合に、タイムスロット1030の残りの期間で受信動作が停止される。一方、タイムスロット1030の先頭部分の一部期間において信号が受信された場合は、タイムスロット1030の残りの期間で受信動作が続行される。間欠受信動作は、消費電力を低減するためになされる。
下り通信において、火災警報器600は、中継ルート上において直接通信する上位側の他の火災警報器600に割り当てられたタイムスロット1030のみ間欠受信を実行する。上り通信において、火災警報器600は、中継ルート上において直接通信する下位側の他の火災警報器600に割り当てられたタイムスロット1030のみ間欠受信を実行する。定期監視は、予め決められたタイミングでなされるので、上り通信において監視用タイムスロットは使用されない。
中継装置700は、下り通信用タイムスロットにおけるタイムスロット1030「M」で定期信号を送信する。定期信号には、前述のごとく、ブロードキャストアドレスが設定される。第1火災警報器600aと第2火災警報器600bは、タイムスロット1030「M」において定期信号を受信する。第2火災警報器600bは、タイムスロット1030「C2」で定期信号を送信する。第3火災警報器600cは、タイムスロット1030「C2」において定期信号を受信する。第3火災警報器600cは、タイムスロット1030「C3」で定期信号を送信する。第4火災警報器600dと第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「C3」において定期信号を受信する。第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「C5」で定期信号を送信する。第6火災警報器600fは、タイムスロット1030「C5」において定期信号を受信する。
第6火災警報器600fは、上り通信用タイムスロットにおけるタイムスロット1030「C6」で応答信号を送信する。第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「C6」において応答信号を受信する。第5火災警報器600eは、第6火災警報器600fからの応答信号に自らの応答を連結することによって応答信号を生成し、タイムスロット1030「C5」で応答信号を送信する。第3火災警報器600cは、タイムスロット1030「C5」において応答信号を受信する。
第4火災警報器600dは、タイムスロット1030「C4」で応答信号を送信する。第3火災警報器600cは、タイムスロット1030「C4」において応答信号を受信する。第3火災警報器600cは、第5火災警報器600eからの応答信号、第4火災警報器600dからの応答信号、自らの応答を結合することによって応答信号を生成し、タイムスロット1030「C3」で応答信号を送信する。
第2火災警報器600bは、タイムスロット1030「C3」において応答信号を受信する。第2火災警報器600bは、第3火災警報器600cからの応答信号に自らの応答を連結することによって応答信号を生成し、タイムスロット1030「C2」で応答信号を送信する。中継装置700は、タイムスロット1030「C2」で応答信号を受信する。第1火災警報器600aは、タイムスロット1030「C1」で応答信号を送信する。中継装置700は、タイムスロット1030「C1」で応答信号を受信する。
中継装置700は、第1火災警報器600aから受信した応答信号と、第2火災警報器600bから受信した応答信号とを確認することによって、第1火災警報器600aから第6火災警報器600fのすべてが生存していることを確認する。
第5火災警報器600eに着目する場合、以上の処理は次のように示される。第3火災警報器600cは、第3火災警報器600cに割り当てられた下り通信用タイムスロットにおいて定期信号を第5火災警報器600eに送信する。第5火災警報器600eは、第3火災警報器600cに割り当てられた下り通信用タイムスロットにおいて間欠受信により定期信号を受信すると、第5火災警報器600eに割り当てられた下り通信用タイムスロットにおいて定期信号を第6火災警報器600fに送信する。ここで、第5火災警報器600eは、第3火災警報器600cを介して中継装置700からの定期信号を受信している場合に、第1火災警報器600aおよび第4火災警報器600dを介した中継装置700からの信号を受信しない。
第5火災警報器600eは、第6火災警報器600fに割り当てられた上り通信用タイムスロットにおいて間欠受信により応答信号を受信する。第5火災警報器600eは、第3火災警報器600cからの定期信号を受信した場合に、第5火災警報器600eに割り当てられた上り通信用タイムスロットにおいて応答信号を第3火災警報器600cに送信する。この応答信号には、第6火災警報器600fからの応答信号も連結される。
第3火災警報器600cは、定期信号を第5火災警報器600eに送信した後、第5火災警報器600eに割り当てられた上り通信用タイムスロットにおいて応答信号を間欠受信により第5火災警報器600eから受信する。第3火災警報器600cは、第3火災警報器600cに割り当てられた上り通信用タイムスロットにおいて応答信号を送信する。
ここで、第5火災警報器600eを第1警報器と呼ぶ場合、第3火災警報器600cは第2警報器と呼ばれ、第1火災警報器600aは第3警報器と呼ばれ、第4火災警報器600dは第4警報器と呼ばれる。
図7(a)-(b)は、警報システム1000における通信の別の概要、特に「検知待ち」の概要を示す。図7(a)では、第6火災警報器600fの火災検知センサ630が火災の発生を検知した場合を想定する。第6火災警報器600fの処理部622は、検知結果の送信を決定する。検知結果には、火災を検知した第6火災警報器600fの識別情報が含まれるとともに、異常に関する情報が含まれる。第6火災警報器600fの通信部620は、タイムスロット1030「N3」の監視用タイムスロットで監視用信号を送信する。第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「N3」の監視用タイムスロットで監視用信号を受信する。
第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「N2」の監視用タイムスロットで監視用信号を送信する。第3火災警報器600cは、タイムスロット1030「N2」の監視用タイムスロットで監視用信号を受信する。第3火災警報器600cは、タイムスロット1030「N1」の監視用タイムスロットで監視用信号を送信する。第2火災警報器600bは、タイムスロット1030「N1」の監視用タイムスロットで監視用信号を受信する。
その結果、マルチホップネットワークの最も下位側の第6火災警報器600fからホップ数「1」の第2火災警報器600bに監視用信号が1つのフレーム1020内で転送される。一方、すべての火災警報器600の火災検知センサ630が火災の発生を検知しない場合、監視用信号の転送はなされない。
第6火災警報器600fは、上り通信用タイムスロットにおけるタイムスロット1030「C6」で検知結果を送信する。第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「C6」で検知結果を受信する。ここで、第5火災警報器600eの監視部626が監視用タイムスロット「N3」における監視用信号の受信を監視し、監視用信号の受信を検出しているので、第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「C6」において間欠受信を実行する。一方、第5火災警報器600eの監視部626が監視用信号の受信を検出しない場合、第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「C6」における通信用信号の受信処理を停止する。
第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「C5」で検知結果を転送する。第3火災警報器600cは、タイムスロット1030「C5」で検知結果を受信する。第3火災警報器600cは、タイムスロット1030「C3」で検知結果を転送する。第2火災警報器600bは、タイムスロット1030「C3」で検知結果を受信する。第2火災警報器600bは、タイムスロット1030「C2」で検知結果を転送する。中継装置700は、タイムスロット1030「C2」で検知結果を受信する。
中継装置700は、検知結果を第2火災警報器600bから受信した場合、検知結果を管理装置800に送信する。管理装置800は、検知結果を受信すると、検知結果に含まれた識別情報をもとに、鳴動させる火災警報器600を特定する。識別情報と、鳴動させる火災警報器600の情報との対応関係は管理装置800に予め記憶されている。ここでは、例えば、第5火災警報器600eと第6火災警報器600fが特定される。管理装置800は、特定した火災警報器600を最終的に宛先として鳴動の指示を中継装置700に送信する。
図7(b)では、図5と同様の処理がなされることによって、鳴動の指示が、中継装置700、第2火災警報器600b、第3火災警報器600c、第5火災警報器600e、第6火災警報器600fの順に転送される。第5火災警報器600eと第6火災警報器600fの通信部620が鳴動の指示を受信すると、制御部624は、ブザー632を鳴動させる。制御部624は、発光装置を点滅させてもよい。
(2)ルーティング
これまでは、図1に示されるような中継ルートが形成されていることを前提としているが、ここでは、図8も使用しながら中継ルートの形成および変更について説明する。図8は、警報システム1000におけるルーティングの概要を示す。図8では、警報システム1000のうちの第n+1火災警報器600n+1、第n+2火災警報器600n+2、第n+3火災警報器600n+3、中継装置700が示される。第n+1火災警報器600n+1、第n+2火災警報器600n+2、第n+3火災警報器600n+3は、図1のいずれかの火災警報器600に対応する。第n+3火災警報器600n+3の周囲には、第n+1火災警報器600n+1、第n+2火災警報器600n+2以外の火災警報器600、例えば、第n+4火災警報器600n+4(図示せず)が存在してもよい。
図9は、警報システム1000におけるルーティングの手順を示すシーケンス図である。ここでは、第n+3火災警報器600n+3に着目してルーティング処理を説明する。各火災警報器600は、一定時間ごとにHELLOメッセージをブロードキャスト送信する。HELLOメッセージには、火災警報器600から中継装置700までのルート品質情報が含まれる。第n+3火災警報器600n+3の通信部620は、HELLOメッセージを第n+1火災警報器600n+1、第n+2火災警報器600n+2、第n+4火災警報器600n+4から受信する(S10、S12、S14)。
第n+3火災警報器600n+3の通信部620は、受信した各HELLOメッセージの受信電力を計測し、処理部622は、計測した受信電力をもとに各火災警報器600に対するリンク品質を導出する。リンク品質は、受信電力に応じて変化し、かつ受信電力が大きくなるほど小さくなる値である。リンク品質は、瞬時のRSSI(Received Signal Strength Indicator)であってもよい。前述のルート品質もリンク品質と同様に示される。制御部624は、第n+1火災警報器600n+1のリンク品質と、第n+1火災警報器600n+1からのHELLOメッセージに含まれるルート品質とを加算することによって、次のように仮ルートコストを導出する。
仮ルートコスト=ルート品質+Ka×リンク品質+Kb×C 式(1)
ここで、Ka、Kbは係数であり、Cは予め定められた定数である。中継ルートを形成する際にKbを「0」とすれば、Kb×Cは無視される。
制御部624は、他の火災警報器600に対しても仮ルートコストを導出する。制御部624は、複数の仮ルートコストを比較して、仮ルートコストが低い順に数個の火災警報器600を優先リンク先として選択する。ここでは、例えば、第n+1火災警報器600n+1と第n+2火災警報器600n+2が優先リンク先として選択される。
第n+3火災警報器600n+3の通信部620は、選択した火災警報器600のアドレスと受信時のリンク品質をHELLOメッセージのLINK_REQサブメッセージに含めて送信する(S16、S18)。第n+1火災警報器600n+1と第n+2火災警報器600n+2は、逆方向のリンク品質をLINK_REPサブメッセージに含めて送信する(S20、22)。
第n+3火災警報器600n+3の通信部620は、LINK_REPサブメッセージを受信する。第n+3火災警報器600n+3の制御部624は、第n+1火災警報器600n+1からのLINK_REPサブメッセージに含まれたリンク品質と、既に計測した受信電力をもとに導出したリンク品質とを比較して、大きい方のリンク品質を選択する。また、制御部624は、選択したリンク品質と、第n+1火災警報器600n+1に対するルート品質とを加算することによって、次のように正式ルートコストを導出する。
正式ルートコスト=ルート品質+Ka×Max(リンク品質)+Kb×C 式(2)
ここで、Maxは、最大のリンク品質を選択することを示す。
制御部624は、第n+2火災警報器600n+2に対しても正式ルートコストを導出する。制御部624は、第n+1火災警報器600n+1に対する正式ルートコストと、第n+2火災警報器600n+2に対する正式ルートコストとを比較して、小さい方を中継ルートとして選択する。選択されなかった中継ルートは、代替ルートして使用されてもよい。
つまり、第n+3火災警報器600n+3は、第n+1火災警報器600n+1との間でリンク品質情報を交換することによって、第n+1火災警報器600n+1を経由して中継装置700と通信するための中継ルート(以下、「第1中継ルート」という)に対する正式ルートコスト(以下、「第1コスト」という)を導出する。また、第n+3火災警報器600n+3は、第n+2火災警報器600n+2との間でリンク品質情報を交換することによって、第n+2火災警報器600n+2を経由して中継装置700と通信するための中継ルート(以下、「第2中継ルート」という)に対する正式ルートコスト(以下、「第2コスト」という)を導出する。さらに、第n+3火災警報器600n+3は、第1コストと第2コストと比較して小さい方の中継ルートを優先して選択する。このような処理が各火災警報器600においてなされることによって中継ルートが形成される。各火災警報器600において形成された中継ルート(代替ルート)に関する情報は、中継装置700経由で管理装置800に送信される。管理装置800は、中継ルート(代替ルート)に関する情報をもとに、ホップ数にしたがってタイムスロット1030の割当を決定する。
(3)通信の失敗の発生
図10(a)-(b)は、警報システム1000において通信の失敗が発生した場合の状況を示す。図10(a)では、図1の警報システム1000において第3火災警報器600cと第5火災警報器600eとの間に、鉄扉等の障害物(図示せず)が存在する状況を想定する。このような障害物の存在によって、第3火災警報器600cと第5火災警報器600eとの間の通信環境が悪化する。
図10(b)は、図10(a)の状況における通信の概要、特に「定期監視」の概要を示す。中継装置700は、下り通信用タイムスロットにおけるタイムスロット1030「M」で定期信号を送信する。第1火災警報器600aと第2火災警報器600bは、タイムスロット1030「M」において定期信号を受信する。第2火災警報器600bは、タイムスロット1030「C2」で定期信号を送信する。第3火災警報器600cは、タイムスロット1030「C2」において定期信号を受信する。第3火災警報器600cは、タイムスロット1030「C3」で定期信号を送信する。第4火災警報器600dと第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「C3」において間欠受信を実行する。第4火災警報器600dは定期信号を受信するが、第5火災警報器600eは定期信号の受信に失敗する。これにより、定期信号は第6火災警報器600fにも受信されない。
第4火災警報器600dは、上り通信用タイムスロットにおけるタイムスロット1030「C4」で応答信号を送信する。第3火災警報器600cは、タイムスロット1030「C4」において応答信号を受信する。第3火災警報器600cは、第4火災警報器600dからの応答信号に自らの応答を連結することによって応答信号を生成し、タイムスロット1030「C3」で応答信号を送信する。
第2火災警報器600bは、タイムスロット1030「C3」において応答信号を受信する。第2火災警報器600bは、第3火災警報器600cからの応答信号に自らの応答を連結することによって応答信号を生成し、タイムスロット1030「C2」で応答信号を送信する。中継装置700は、タイムスロット1030「C2」で応答信号を受信する。第1火災警報器600aは、タイムスロット1030「C1」で応答信号を送信する。中継装置700は、タイムスロット1030「C1」で応答信号を受信する。
中継装置700は、第1火災警報器600aから受信した応答信号と、第2火災警報器600bから受信した応答信号とを確認することによって、第1火災警報器600aから第4火災警報器600dが生存していることを確認する。また、中継装置700は、第5火災警報器600eと第6火災警報器600fからの応答がないことも確認する。これに続いて、中継装置700は、図3(e)に示すように次のフレーム1020において、定期信号を再送する。その際、初回の定期信号を送信した中継ルート(図1)を使用する。また、上り通信では、監視用タイムスロットも使用する。このような定期信号の再送によってもいずれかの火災警報器600の応答がない場合、中継装置700は、同一の中継ルートによる定期信号の再送を繰り返す。一方、中継装置700がすべての火災警報器600の生存を確認した場合、次のフレーム1020から「検知待ち」が実行される。
(4)新たなルートにおける再送(その1)
同一の中継ルートによる定期信号の送信が複数回数なされても応答のない火災警報器600が存在する場合、中継ルートの切替が必要になる。本実施例では、(4)新たなルートにおける再送(その1)、または(5)新たなルートにおける再送(その2)が実行される。ここでは、(4)新たなルートにおける再送(その1)を説明する。
図11(a)-(b)は、警報システム1000における再送の概要を示す。図11(a)は、図10(a)に続く状況を示す。これまで、第5火災警報器600eは、中継装置700に向かう中継ルートとして第3火災警報器600cを経由する中継ルートを使用している。しかしながら、図10(a)の状況において、第5火災警報器600eは、第3火災警報器600cを介した中継装置700からの定期信号の受信に失敗する。図3(e)の別ルート再送と示されたフレーム1020において、第5火災警報器600eの制御部624は、通信部620に対して、下り通信用タイムスロットにおけるすべてのタイムスロット1030(第5火災警報器600eに割り当てられたタイムスロット1030を除く)で間欠受信を実行させる。その結果、通信部620は、第1火災警報器600aからの定期信号と、第4火災警報器600dからの定期信号を受信する。制御部624は、第5火災警報器600eに割り当てられたタイムスロット1030において定期信号を第6火災警報器600fに送信する。
制御部624は、第1火災警報器600aから受信した定期信号の通信品質と、第4火災警報器600dから受信した定期信号の通信品質とを比較する。通信品質の一例はRSSI(Received Signal Strength Indicator)である。制御部624は、RSSIが大きい方、つまり通信品質が良好な方の定期信号を送信した火災警報器600を選択する。これは、リンク品質の小さい方の定期信号を送信した火災警報器600を選択することに相当する。図11(a)においては、例えば第1火災警報器600aが選択される。制御部624は、中継装置700に向かう中継ルートとして第1火災警報器600aを経由する中継ルートへの切替を決定する。切りかえられる中継ルートは代替ルートであるといえる。通信部620は、中継装置700への応答信号を第1火災警報器600aに送信する。
図11(b)は、図11(a)の状況における通信の概要、特に「別ルート再送」の概要を示す。中継装置700は、下り通信用タイムスロットにおけるタイムスロット1030「M」で定期信号を送信する。第1火災警報器600aと第2火災警報器600bは、タイムスロット1030「M」において定期信号を受信する。第1火災警報器600aは、タイムスロット1030「C1」で定期信号を送信する。第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「C1」において定期信号を受信する。第2火災警報器600bは、タイムスロット1030「C2」で定期信号を送信する。第3火災警報器600cは、タイムスロット1030「C2」において定期信号を受信する。第3火災警報器600cは、タイムスロット1030「C3」で定期信号を送信する。
第4火災警報器600dと第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「C3」において間欠受信を実行する。第4火災警報器600dは定期信号を受信するが、第5火災警報器600eは定期信号の受信に失敗する。第4火災警報器600dは、タイムスロット1030「C4」で定期信号を送信する。第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「C4」において定期信号を受信する。
これまでの処理の結果、第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「C1」から「C4」において間欠受信を実行することによって、第1火災警報器600aからの定期信号と、第4火災警報器600dからの定期信号とを受信している。前述のごとく、第5火災警報器600eは、中継装置700までの代替ルートとして、第1火災警報器600aを経由する中継ルートを選択する。第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「C5」で定期信号を送信する。第6火災警報器600fは、タイムスロット1030「C5」において定期信号を受信する。
第6火災警報器600fは、タイムスロット1030「N3」の監視用タイムスロットで監視用信号を送信する。第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「N3」の監視用タイムスロットで監視用信号を受信する。第4火災警報器600dは、タイムスロット1030「N2」の監視用タイムスロットで監視用信号を送信する。第3火災警報器600cは、タイムスロット1030「N2」の監視用タイムスロットで監視用信号を受信する。
第3火災警報器600cは、タイムスロット1030「N1」の監視用タイムスロットで監視用信号を送信する。第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「N1」の監視用タイムスロットで監視用信号を送信する。第1火災警報器600aと第2火災警報器600bは、タイムスロット1030「N1」の監視用タイムスロットで監視用信号を受信する。その結果、マルチホップネットワークの最も下位側の第6火災警報器600fからホップ数「1」の第1火災警報器600aと第2火災警報器600bに監視用信号が1つのフレーム1020内で転送される。
第6火災警報器600fは、上り通信用タイムスロットにおけるタイムスロット1030「C6」で応答信号を送信する。第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「C6」で応答信号を受信する。第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「C5」で応答信号を送信する。応答信号についてはこれまでと同様であるので、ここでは説明を省略する。第1火災警報器600aは、タイムスロット1030「C5」で応答信号を受信する。
第4火災警報器600dは、上り通信用タイムスロットにおけるタイムスロット1030「C4」で応答信号を送信する。第3火災警報器600cは、タイムスロット1030「C4」で応答信号を受信する。第3火災警報器600cは、タイムスロット1030「C3」で応答信号を送信する。第2火災警報器600bは、タイムスロット1030「C3」で応答信号を受信する。第2火災警報器600bは、タイムスロット1030「C2」で応答信号を送信する。中継装置700は、タイムスロット1030「C2」で応答信号を受信する。第1火災警報器600aは、タイムスロット1030「C1」で応答信号を送信する。中継装置700は、タイムスロット1030「C1」で応答信号を受信する。
中継装置700は、第1火災警報器600aから受信した応答信号と、第2火災警報器600bから受信した応答信号とを確認することによって、第1火災警報器600aから第6火災警報器600fのすべてが生存していることを確認する。このような処理により、中継装置700と各火災警報器600に記憶されているルート情報、つまりルーティングの情報は、図1の中継ルート(以下、「本ルート」という)に応じているが、監視用信号を使用することによって、代替ルートに沿って通知信号と応答信号が送信される。つまり、通知信号が代替ルートに沿って送信される場合に、応答信号も代替ルートに沿って送信される。代替ルートは、第5火災警報器600eにおいて最も通信品質が良好である中継ルートであるので、信頼性の高い中継ルートであるといえる。
(5)新たなルートにおける再送(その2)
図12(a)-(b)は、警報システム1000における再送の別の概要を示す。図12(a)は、図10(a)に続く状況を示す。これまで、第5火災警報器600eは、中継装置700に向かう中継ルートとして第3火災警報器600cを経由する中継ルートを使用している。しかしながら、図10(a)の状況において、第5火災警報器600eは、第3火災警報器600cを介した中継装置700からの定期信号の受信に失敗する。一方、第5火災警報器600eの制御部624は、前述のルーティングの処理を実行する際に周囲の他の火災警報器600に対するリンク品質を導出している。リンク品質は、ルーティングの処理の終了後も定期的に導出されてもよい。例えば、第1火災警報器600a、第3火災警報器600c、第4火災警報器600dに対するリンク品質が導出される。
図3(e)の別ルート再送と示されたフレーム1020において、第5火災警報器600eの制御部624は、各火災警報器600に対するリンク品質を比較し、第3火災警報器600cを除いて、最もリンク品質の小さい他の火災警報器600を選択する。これは、第3火災警報器600cを除いて、最も通信品質の高い他の火災警報器600を選択することに相当する。ここでは、一例として第1火災警報器600aが選択される。制御部624は、通信部620に対して、下り通信用タイムスロットにおいて第1火災警報器600aに割り当てられたタイムスロット1030で間欠受信を実行させる。その結果、通信部620は、第1火災警報器600aからの定期信号を受信する。つまり、第5火災警報器600eは、第3火災警報器600cからの定期信号の受信に失敗した場合、第1火災警報器600aとのリンク品質が第4火災警報器600dとのリンク品質よりもよければ、第1火災警報器600aを介して定期信号を受信する。第5火災警報器600eは、第4火災警報器600dからの定期信号を受信しない。制御部624は、第5火災警報器600eに割り当てられたタイムスロット1030において定期信号を第6火災警報器600fに送信する。
制御部624は、中継装置700に向かう代替ルートとして第1火災警報器600aを経由する中継ルートを決定する。通信部620は、中継装置700への応答信号を第1火災警報器600aに送信する。つまり、第5火災警報器600eは、第1火災警報器600aからの定期信号を受信している場合に、応答信号を第1火災警報器600aに送信する。
図12(b)は、図12(a)の状況における通信の概要、特に「別ルート再送」の概要を示す。図11(b)における第5火災警報器600eは、下り通信用タイムスロットにおけるタイムスロット1030「C1」から「C4」、「C6」において間欠受信を実行する。一方、図12(b)における第5火災警報器600eは、下り通信用タイムスロットにおけるタイムスロット1030「C1」において間欠受信を実行するが、タイムスロット1030「C2」から「C4」、「C6」において間欠受信を実行しない。それ以外は、図11(b)と同様であるので、ここでは説明を省略する。
(6)ルート変更の通知
(4)新たなルートにおける再送(その1)または(5)新たなルートにおける再送(その2)における処理によって、本ルートによる通信が失敗しても、代替ルートによる通信が可能になる。これに続いて、警報システム1000では、代替ルートが本ルートに変更される。
図13(a)-(b)は、警報システム1000における通知の概要を示す。図13(a)は、図11(a)または図12(a)に続く状況を示す。第5火災警報器600eは、第3火災警報器600cを含む中継ルートを、第1火災警報器600aを含む中継ルートに切りかえた場合、中継ルートの切替を中継装置700に知らせるためのルート切替通知を第1火災警報器600aに送信する。ルート切替通知には、例えば、第3火災警報器600cを第1火災警報器600aに切りかえたことが示される。ルート切替通知は、第1火災警報器600aを介して中継装置700に受信される。
図13(b)は、図13(a)の状況における通信の概要を示す。ルート切替通知を生成した第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「N1」の監視用タイムスロットで監視用信号を送信する。第1火災警報器600aは、タイムスロット1030「N1」の監視用タイムスロットで監視用信号を受信する。第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「C5」でルート切替通知を送信する。タイムスロット1030「C5」でルート切替通知を受信した第1火災警報器600aは、タイムスロット1030「C1」でルート切替通知を送信する。中継装置700は、タイムスロット1030「C1」でルート切替通知を受信する。
中継装置700の制御部720は、第1火災警報器600aから受信したルート切替通知をもとに、警報システム1000の中継ルートを更新する。その結果、中継装置700において管理される中継ルートは、図1から図12(a)に更新される。このような中継ルートの更新によって、第5火災警報器600eから中継装置700までのホップ数は「3」から「2」に変更され、第6火災警報器600fから中継装置700までのホップ数は「4」から「3」に変更される。
(7)スロット切替・エイジング
中継ルートの更新により、中継装置700までのホップ数が変更される火災警報器600が存在する場合、通信用タイムスロットの割当の変更が必要になる。中継装置700の割当部722は、ホップ数に応じて、下り通信用タイムスロットと上り通信用タイムスロットとに対する火災警報器600の割当の変更を決定する。制御部720は、下り通信用タイムスロットと上り通信用タイムスロットとに対する火災警報器600の割当の変更が決定されると、変更された割当が示されたスロット情報を生成する。出力部712は、スロット情報を複数の火災警報器600に対して出力する。スロット情報は、例えば、割当の変更前の下り通信用タイムスロットにより送信される。スロット情報を受信した各火災警報器600は、自らに割り当てられた下り通信用タイムスロットと上り通信用タイムスロットとを認識する。その後、下り通信用タイムスロットと上り通信用タイムスロットとに対する火災警報器600の割当が実際に変更される。
各火災警報器600は、下り通信用タイムスロットと上り通信用タイムスロットの変更を認識するが、変更された中継ルートを認識しない。そのため、各火災警報器600は、変更前の中継ルートにおいて接続していた他の火災警報器600であって、かつ変更後の中継ルートにおいて接続されない他の火災警報器600に割り当てられたタイムスロット1030でも間欠受信を実行する。このような間欠受信は無駄な処理であるので、中継ルートの更新が望まれる。各火災警報器600は、変更前の中継ルートを忘れ、かつ変更後の中継ルートを覚えるために、エイジングの処理を実行する。
図14(a)-(b)は、警報システム1000におけるスロット切替・エイジングの概要を示す。図14(a)は、図13(a)に続く状況を示す。下り通信用タイムスロットと上り通信用タイムスロットとに対する火災警報器600の割当は変更されているが、中継ルートは図13(a)と同様に示される。このような中継ルートにおいて、中継ルートの変更を決定した火災警報器600は第5火災警報器600eである。また、変更された中継ルートにおいて、新たに第5火災警報器600eに接続される上位側の火災警報器600は第1火災警報器600aである。さらに、変更された中継ルートにおいて、第5火災警報器600eとの接続が切断される火災警報器600は第3火災警報器600cである。
エイジングの処理は、「定期監視」においてなされる。第5火災警報器600eは、第1火災警報器600aに割り当てられた下り通信用タイムスロットにおいて定期信号を受信する。また、第5火災警報器600eは、定期信号を受信すると、第5火災警報器600eに割り当てられた上り通信用タイムスロットにおいて応答信号を第1火災警報器600aに送信する。その際、応答信号の次の宛先は第1火災警報器600aに設定される。第5火災警報器600eは、第1火災警報器600aに応答信号を送信した後、中継装置700からの定期信号の再送を受信しない場合、上位側を第3火災警報器600cから第1火災警報器600aに切りかえる。これは、第3火災警報器600cに割り当てられた下り通信用タイムスロットにおける定期信号の受信を、第1火災警報器600aに割り当てられた下り通信用タイムスロットにおける定期信号の受信に切りかえることに相当する。
第3火災警報器600cは、定期信号を第5火災警報器600eに送信する。第3火災警報器600cは、定期信号の送信後、第5火災警報器600eに割り当てられた上り通信用タイムスロットにおいて応答信号を第5火災警報器600eから受信しない場合、その後に中継装置700からの定期信号の再送を受信しなければ、下位側の第5火災警報器600eを削除する。これは、第3火災警報器600cに割り当てられた下り通信用タイムスロットにおいて定期信号を第5火災警報器600eに送信せず、かつ第5火災警報器600eに割り当てられた上り通信用タイムスロットにおける応答信号の受信を実行しないことに相当する。
第1火災警報器600aは、第5火災警報器600eに割り当てられた上り通信用タイムスロットにおいて応答信号を第5火災警報器600eから受信していない状況下において、第5火災警報器600eに割り当てられた上り通信用タイムスロットにおいて応答信号を第5火災警報器600eから受信すると、第1火災警報器600aに割り当てられた上り通信用タイムスロットにおいて応答信号を送信する。これに続いて、第1火災警報器600aは、中継装置700からの定期信号の再送を受信しなければ、下位側に第5火災警報器600eを追加する。これは、第1火災警報器600aに割り当てられた下り通信用タイムスロットにおいて定期信号を第5火災警報器600eに送信することに相当する。
図14(b)は、図14(a)の状況における通信の概要、特にエイジング処理中の通信の概要を示す。中継ルートの変更により、第5火災警報器600eと第6火災警報器600fに対するホップ数が変更されている。そのため、下り通信用タイムスロットには、中継装置700、第1火災警報器600a、第2火災警報器600b、第3火災警報器600c、第5火災警報器600e、第4火災警報器600d、第6火災警報器600fが前側から順に割り当てられる。また、上り通信用タイムスロットには、第6火災警報器600f、第4火災警報器600d、第5火災警報器600e、第3火災警報器600c、第2火災警報器600b、第1火災警報器600a、中継装置700が前側から順に割り当てられる。
中継装置700は、下り通信用タイムスロットにおけるタイムスロット1030「M」で定期信号を送信する。第1火災警報器600aと第2火災警報器600bは、タイムスロット1030「M」において定期信号を受信する。第1火災警報器600aは、タイムスロット1030「C1」で定期信号を送信する。第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「C1」において定期信号を受信する。第2火災警報器600bは、タイムスロット1030「C2」で定期信号を送信する。第3火災警報器600cは、タイムスロット1030「C2」において定期信号を受信する。第3火災警報器600cは、タイムスロット1030「C3」で定期信号を送信する。
第4火災警報器600dと第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「C3」において間欠受信を実行する。第4火災警報器600dは定期信号を受信するが、第5火災警報器600eは定期信号の受信に失敗する。第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「C5」で定期信号を送信する。第6火災警報器600fは、タイムスロット1030「C5」において定期信号を受信する。
第4火災警報器600dと第6火災警報器600fは、タイムスロット1030「N2」の監視用タイムスロットで監視用信号を送信する。第3火災警報器600cと第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「N2」の監視用タイムスロットで監視用信号を受信する。第3火災警報器600cと第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「N1」の監視用タイムスロットで監視用信号を送信する。第1火災警報器600aと第2火災警報器600bは、タイムスロット1030「N2」の監視用タイムスロットで監視用信号を受信する。
第6火災警報器600fは、上り通信用タイムスロットにおけるタイムスロット1030「C6」で応答信号を送信する。第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「C6」で応答信号を受信する。第4火災警報器600dは、上り通信用タイムスロットにおけるタイムスロット1030「C4」で応答信号を送信する。第3火災警報器600cは、タイムスロット1030「C4」で応答信号を受信する。
第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「C5」で応答信号を送信する。応答信号についてはこれまでと同様であるので、ここでは説明を省略する。第1火災警報器600aは、タイムスロット1030「C5」で応答信号を受信する。第3火災警報器600cは、タイムスロット1030「C3」で応答信号を送信する。第2火災警報器600bは、タイムスロット1030「C3」で応答信号を受信する。第2火災警報器600bは、タイムスロット1030「C2」で応答信号を送信する。中継装置700は、タイムスロット1030「C2」で応答信号を受信する。第1火災警報器600aは、タイムスロット1030「C1」で応答信号を送信する。中継装置700は、タイムスロット1030「C1」で応答信号を受信する。
中継装置700は、第1火災警報器600aから受信した応答信号と、第2火災警報器600bから受信した応答信号とを確認することによって、第1火災警報器600aから第6火災警報器600fのすべてが生存していることを確認する。その結果、中継装置700は定期信号を再送しない。このような処理により、各火災警報器600においてエイジングの条件が満たされることによって、変更前の中継ルートが消去される。
(8)ルート切替後の通信
エイジングがなされることによって、代替ルートが本ルートとなる。図15(a)-(b)は、警報システム1000におけるルート切替後の通信の概要を示す。図15(a)は、図14(a)に続く状況を示す。これは、エイジング処理後に相当する。図15(b)は、図15(a)の状況における通信の概要、特に「定期監視」の概要を示す。中継装置700は、下り通信用タイムスロットにおけるタイムスロット1030「M」で定期信号を送信する。第1火災警報器600aと第2火災警報器600bは、タイムスロット1030「M」において定期信号を受信する。第1火災警報器600aは、タイムスロット1030「C1」で定期信号を送信する。第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「C1」において定期信号を受信する。第2火災警報器600bは、タイムスロット1030「C2」で定期信号を送信する。第3火災警報器600cは、タイムスロット1030「C2」において定期信号を受信する。第3火災警報器600cは、タイムスロット1030「C3」で定期信号を送信する。第4火災警報器600dは、タイムスロット1030「C3」において定期信号を受信する。第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「C5」で定期信号を送信する。第6火災警報器600fは、タイムスロット1030「C5」において定期信号を受信する。
第6火災警報器600fは、上り通信用タイムスロットにおけるタイムスロット1030「C6」で応答信号を送信する。第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「C6」で応答信号を受信する。第4火災警報器600dは、上り通信用タイムスロットにおけるタイムスロット1030「C4」で応答信号を送信する。第3火災警報器600cは、タイムスロット1030「C4」で応答信号を受信する。第5火災警報器600eは、タイムスロット1030「C5」で応答信号を送信する。応答信号についてはこれまでと同様であるので、ここでは説明を省略する。第1火災警報器600aは、タイムスロット1030「C5」で応答信号を受信する。
第3火災警報器600cは、タイムスロット1030「C3」で応答信号を送信する。第2火災警報器600bは、タイムスロット1030「C3」で応答信号を受信する。第2火災警報器600bは、タイムスロット1030「C2」で応答信号を送信する。中継装置700は、タイムスロット1030「C2」で応答信号を受信する。第1火災警報器600aは、タイムスロット1030「C1」で応答信号を送信する。中継装置700は、タイムスロット1030「C1」で応答信号を受信する。中継ルートが切りかえられており、かつ定期監視が予め決められたタイミングでなされるので、上り通信において監視用タイムスロットは使用されない。
(9)ルーティングの変形例
(2)ルーティングでは、候補となる他の火災警報器600のそれぞれに対する正式ルートコストをもとに1つの他の火災警報器600が選択されることによって、中継ルートが形成される。選択の信頼性を高くするための「学習」がルーティングにおいてなされてもよい。また、中継を実行する他の火災警報器600の電池寿命を延ばすための「分散」がルーティングにおいてなされてもよい。「学習」と「分散」では、通信中に得たリンク品質、つまり瞬時的なRSSI以外の要素もルートコストの演算に使用される。「学習」と「分散」は、各火災警報器600における処理である。さらに、ルーティングは、中継ルートを最初に作成する場合だけではなく、通信障害時(緊急性:高)、定期見直し時(緊急性:低)になされてもよい。以下では、(9-1)学習、(9-2)分散、(9-3)ルーティングのタイミングの順に説明する。
(9-1)学習
図16は、警報システム1000におけるルーティングの概要を示す。警報システム1000に含まれる第1火災警報器600aから第6火災警報器600fは図1と同様に示される。ここでは、第5火災警報器600eに着目してルーティング処理を説明する。第5火災警報器600eは、図8の第n+3火災警報器600n+3と同様の処理を実行する。そのため、第5火災警報器600eの制御部624は、これまでと同様に、周囲の他の火災警報器600、例えば第1火災警報器600a、第3火災警報器600c、第4火災警報器600dのそれぞれに対するリンク品質とルート品質とを取得する。
これに続いて、制御部624は式(2)により正式ルートコストを導出する。その際、制御部624は、第5火災警報器600eが通信可能な他の火災警報器600に対する統計情報を得ることによって学習処理を実行する。統計情報は、第5火災警報器600eと他の火災警報器600との送受信によって得られる情報であり、学習結果を反映する時点よりも過去の情報である。入手可能な統計情報は、例えば、送受信の失敗回数または失敗率、RSSIの統計値である。
制御部624は、定期監視を実行する際に、第1火災警報器600aからの定期信号を受信可能な下り通信用タイムスロットにおいて定期信号の受信に失敗した場合、第1火災警報器600aに対する受信の失敗回数を「1」加算する。制御部624は、定期監視を実行する際に、第3火災警報器600cからの定期信号を受信可能な下り通信用タイムスロットにおいて定期信号の受信に失敗した場合、第3火災警報器600cに対する受信の失敗回数を「1」加算する。制御部624は、定期監視を実行する際に、第4火災警報器600dからの定期信号を受信可能な下り通信用タイムスロットにおいて定期信号の受信に失敗した場合、第4火災警報器600dに対する受信の失敗回数を「1」加算する。
制御部624は、第1火災警報器600a、第3火災警報器600c、第4火災警報器600d以外の他の火災警報器600に対して同様の処理を実行してもよい。つまり、制御部624は、通信可能な他の火災警報器600のそれぞれに対する受信の失敗回数をカウントする。ここで、失敗回数のカウント開始のトリガは、警報システム1000における通信がなされてからの任意のタイミングとされる。
図17(a)-(c)は、制御部624に保持されるテーブルのデータ構造を示す。図17(a)は、第1火災警報器600a、第3火災警報器600c、第4火災警報器600dのそれぞれに対する所定期間での受信の失敗回数の結果を示す。図17(b)-(c)は後述する。
制御部624は、前述の式(2)におけるCに受信の失敗回数を入力することによって、正式ルートコストを導出する。これは、受信の失敗回数に応じてリンク品質に、ペナルティコストKb×Cを付与することに相当する。ペナルティコストにより正式ルートコストが大きくなる。その結果、ルート品質とリンク品質が同程度の複数のルートが存在する場合に、ペナルティコストの大きいルートが選択されにくくなる。このように、過去の通信実績、つまり学習結果をもとにルートが選択される。
制御部624は、統計情報として、受信の失敗率を取得してもよい。例えば、第1火災警報器600aに対する受信の失敗率は、前述の第1火災警報器600aに対する受信の失敗回数を使用して次のように導出される。
第1火災警報器600aに対する受信の失敗率=第1火災警報器600aに対する受信の失敗回数/第1火災警報器600aに対する受信機会数・・・式(3)
第1火災警報器600aに対する受信機会数は、第1火災警報器600aからの定期信号を受信可能な下り通信用タイムスロットの出現回数である。
第1火災警報器600a以外の他の火災警報器600、例えば、第3火災警報器600c、第4火災警報器600dに対しても受信の失敗率が導出されてもよい。そのため、式(3)は次のように一般化される。
他の火災警報器600に対する受信の失敗率=他の火災警報器600に対する受信の失敗回数/他の火災警報器600に対する受信機会数・・・式(4)
図17(b)は、第1火災警報器600a、第3火災警報器600c、第4火災警報器600dのそれぞれに対する受信の失敗率の結果を示す。図17(c)は後述する。
制御部624は、前述の式(2)におけるCに受信の失敗率を入力することによって、正式ルートコストを導出する。これは、受信の失敗率に応じてリンク品質に、ペナルティコストKb×Cを付与することに相当する。これに続く処理はこれまでと同様である。
制御部624は、統計情報として、送信の失敗回数を取得してもよい。通信部620が他の火災警報器600に定期信号等の通信用信号を送信し、通信部620が当該他の火災警報器600からAck信号(例えば、応答信号)を受信した場合、制御部624は、当該他の火災警報器600に対する送信が成功したと判定する。一方、通信部620が他の火災警報器600に定期信号等の通信用信号を送信し、通信部620が当該他の火災警報器600からAck信号(例えば、応答信号)を受信しなかった場合、制御部624は、当該他の火災警報器600に対する送信が失敗したと判定する。制御部624は、送信が失敗したと判定した場合、当該他の火災警報器600に対する送信の失敗回数を「1」加算する。
例えば、制御部624は、第1火災警報器600aへの送信が失敗と判定した場合、第1火災警報器600aに対する送信の失敗回数を「1」加算する。制御部624は、第3火災警報器600cへの送信が失敗と判定した場合、第3火災警報器600cに対する送信の失敗回数を「1」加算する。制御部624は、第4火災警報器600dへの送信が失敗と判定した場合、第4火災警報器600dに対する送信の失敗回数を「1」加算する。ここでも、失敗回数のカウント開始のトリガは、警報システム1000における通信がなされてからの任意のタイミングとされる。
図17(a)は、第1火災警報器600a、第3火災警報器600c、第4火災警報器600dのそれぞれに対する所定期間での送信の失敗回数の結果を示す。制御部624は、前述の式(2)におけるCに送信の失敗回数を入力することによって、正式ルートコストを導出する。これは、送信の失敗回数に応じてリンク品質に、ペナルティコストKb×Cを付与することに相当する。これに続く処理はこれまでと同様である。
制御部624は、統計情報として、送信の失敗率を取得してもよい。例えば、第1火災警報器600aに対する送信の失敗率は、前述の第1火災警報器600aに対する送信の失敗回数を使用して次のように導出される。
第1火災警報器600aに対する送信の失敗率=第1火災警報器600aに対する送信の失敗回数/第1火災警報器600aに対する送信機会数・・・式(5)
第1火災警報器600aに対する送信機会数は、第1火災警報器600aに対して通信用信号を送信した回数である。
第1火災警報器600a以外の他の火災警報器600、例えば、第3火災警報器600c、第4火災警報器600dに対しても送信の失敗率が導出されてもよい。そのため、式(5)は次のように一般化される。
他の火災警報器600に対する送信の失敗率=他の火災警報器600に対する送信の失敗回数/他の火災警報器600に対する送信機会数・・・式(6)
図17(b)は、第1火災警報器600a、第3火災警報器600c、第4火災警報器600dのそれぞれに対する送信の失敗率の結果を示す。
制御部624は、前述の式(2)におけるCに送信の失敗率を入力することによって、正式ルートコストを導出する。これは、送信の失敗率に応じてリンク品質に、ペナルティコストKb×Cを付与することに相当する。これに続く処理はこれまでと同様である。
制御部624は、統計情報として、受信時のRSSIの統計値を取得してもよい。RSSIの統計値の一例は、RSSIの平均値である。RSSIの統計値は、リンク品質に使用される瞬時的なRSSIとは異なり、「安定度」、つまり弱電界発生率、バラつきを示す。通信部620は、第1火災警報器600aから受信した通信用信号のRSSIを測定する。制御部624は、第1火災警報器600aからの通信用信号のRSSIを一定期間にわたって収集することによって、第1火災警報器600aに対するRSSIの統計値を導出する。また、通信部620と制御部624は、第3火災警報器600c、第4火災警報器600dに対しても同様の処理を実行し、第3火災警報器600cに対するRSSIの統計値と、第4火災警報器600dに対するRSSIの統計値とを導出する。通信部620と制御部624はこれらの処理を繰り返し実行する。
制御部624は、RSSIの統計値に対するしきい値Aとしきい値Bとを予め保持する。例えば、しきい値Aは-50dBmであり、しきい値Bは-90dBmである。RSSIの統計値がしきい値A以下であり、かつしきい値Bより大きい場合が安定的電界を示し、RSSIの統計値がしきい値Bである場合が、弱電界を示す。
制御部624は、第1火災警報器600aに対するRSSIの統計値がしきい値B以下になる回数を数える。また、制御部624は、第3火災警報器600cに対するRSSIの統計値がしきい値B以下になる回数を数える。さらに、制御部624は、第4火災警報器600dに対するRSSIの統計値がしきい値B以下になる回数を数える。このように制御部624は、他の火災警報器600に対するRSSIの統計値がしきい値B以下になる回数を数える。RSSIの統計値がしきい値B以下になる回数のカウント開始のトリガは、警報システム1000における通信がなされてからの任意のタイミングとされる。
図17(c)は、第1火災警報器600a、第3火災警報器600c、第4火災警報器600dのそれぞれに対する所定期間でのRSSIの統計値がしきい値B以下になる回数を示す。制御部624は、前述の式(2)におけるCに、RSSIの統計値がしきい値B以下になる回数を入力することによって、正式ルートコストを導出する。これは、RSSIの統計値がしきい値B以下になる回数に応じてリンク品質に、ペナルティコストKb×Cを付与することに相当する。これに続く処理はこれまでと同様である。
前述のごとく、これまで説明した学習の結果は、ペナルティコストKb×Cとして正式ルートコストに反映される。以下では、ペナルティコストの反映のさせ方について説明する。1つ目は、「学習」反映で付与するペナルティコストは、リンク品質により付与するコストよりも小さくすることである。式(2)では、Ka≧KbまたはKa>Kbとされる。2つ目は、「学習」反映で付与するペナルティコストのみ、反映割合(重み)を、「学習」開始からの経過時間に応じて小さくすることである。式(2)では、Kb×C×(1-t)と示され、tは0から1に変化する。3つ目は、「学習」反映で付与するペナルティコストのみ、反映割合(重み)を、確率的に決定する。式(2)では、Kb×C×rと示され、rは、0から1の間でランダムに決定される。これらの1つ目から3つ目は任意に組み合わされてもよい。
(9-2)分散
分散を説明するための警報システム1000の構成も図16のように示される。ここでも、第5火災警報器600eに着目してルーティング処理を説明する。第5火災警報器600eは、図8の第n+3火災警報器600n+3と同様の処理を実行する。そのため、第5火災警報器600eの制御部624は、これまでと同様に、周囲の他の火災警報器600、例えば第1火災警報器600a、第3火災警報器600c、第4火災警報器600dのそれぞれに対するリンク品質とルート品質とを取得する。
これに続いて、制御部624は式(2)により正式ルートコストを導出する。その際、制御部624は、選択対象となる他の火災警報器600、例えば第1火災警報器600a、第3火災警報器600c、第4火災警報器600dのそれぞれにより提供された分散を促す情報を得ることによって分散処理を実行する。分散を促す情報は、例えば他の火災警報器600が配下として管理している火災警報器600の台数の情報(以下、「台数情報」という)であったり、他の火災警報器600の電池残量の情報(以下、「残量情報」という)であったりする。
第5火災警報器600eの周囲の他の火災警報器600、例えば、第1火災警報器600aは、第1火災警報器600aに接続された火災警報器600の台数、特に第1火災警報器600aの配下の火災警報器600の台数を台数情報として通信用信号に含めて送信する。通信用信号は、例えば、定期信号、HELLOメッセージである。第3火災警報器600c、第4火災警報器600dも同様の処理を実行する。
第5火災警報器600eの通信部620は、周囲の他の火災警報器600からの通信用信号を受信する。制御部624は、受信した通信用信号から台数情報を取得する。図18(a)-(b)は、制御部624に保持される別のテーブルのデータ構造を示す。図18(a)は、第1火災警報器600a、第3火災警報器600c、第4火災警報器600dのそれぞれに対する台数情報を示す。図18(b)は後述する。
制御部624は、前述の式(2)におけるCに台数情報を入力することによって、正式ルートコストを導出する。これは、台数情報に応じてリンク品質に、ペナルティコストKb×Cを付与することに相当する。ペナルティコストにより正式ルートコストが大きくなる。その結果、ルート品質とリンク品質が同程度の複数のルートが存在する場合に、ペナルティコストの大きいルートが選択されにくくなる。このように、配下の台数が多くなることによって消費電力が大きくなりやすい他の火災警報器600が選択されにくくなる。
第5火災警報器600eの周囲の他の火災警報器600、例えば、第1火災警報器600aは、第1火災警報器600aの電池残量の情報を残量情報として通信用信号に含めて送信する。通信用信号は、例えば、定期信号、HELLOメッセージである。第3火災警報器600c、第4火災警報器600dも同様の処理を実行する。
第5火災警報器600eの通信部620は、周囲の他の火災警報器600からの通信用信号を受信する。制御部624は、受信した通信用信号から残量情報を取得する。図18(b)は、第1火災警報器600a、第3火災警報器600c、第4火災警報器600dのそれぞれに対する残量情報を示す。
制御部624は、前述の式(2)におけるCに残量情報の逆数を入力することによって、正式ルートコストを導出する。これは、残量情報の逆数に応じてリンク品質に、ペナルティコストKb×Cを付与することに相当する。ペナルティコストにより正式ルートコストが大きくなる。その結果、ルート品質とリンク品質が同程度の複数のルートが存在する場合に、ペナルティコストの大きいルートがルート再選択時に選択されにくくなる。このように、電池残量が少ない他の火災警報器600が選択されにくくなる。
前述のごとく、これまで説明した分散の結果も、ペナルティコストKb×Cとして正式ルートコストに反映される。分散におけるペナルティコストの反映のさせ方は、学習におけるペナルティコストの反映のさせ方と同様になされる。そのため、学習における1つ目から3つ目の反映のさせ方が分散にも適用される。
(9-3)ルーティングのタイミング
前述のごとく、ルーティングは、中継ルートを最初に作成する場合だけではなく、通信障害時(緊急性:高)、定期見直し時(緊急性:低)にもなされる。通信障害時(緊急性:高)において(5)新たなルートにおける再送(その2)を実行する際に、「学習」または「分散」を反映したルーティングが実行される。前述のカウントは、ルートの切替がなされたときにリセットされる。
一方、定期見直し時(緊急性:低)では、一定間隔で「学習」または「分散」を反映したルーティングが実行される。特に、「分散」を反映したルーティングが実行される。その際、見直し候補ルートに任意の値の乗換コストを加算し、既存ルートには乗換コストとして「0」を加算してもよい。また、既存ルートと見直し候補の正式ルートコストが同程度であれば既存ルートが選択されてもよい。前述のカウントは、一定間隔でリセットされる。
本開示における装置、システム、または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
本実施例によれば、複数の警報器のそれぞれからの信号を受信可能であるので、複数の中継ルートを確保できる。また、複数の中継ルートが確保されるので、恒常的な通信障害時にも通信の信頼性を向上できる。また、複数の中継ルートが確保されるので、マルチホップネットワークにおいて中継ルートをスムーズに切りかえることができる。また、接続している火災警報器600からの信号を受信している場合、他の火災警報器600からの信号を受信しないので、消費電力の増加を抑制できる。また、接続している火災警報器600からの信号の受信に失敗した場合、他の火災警報器600からの信号を受信するので、マルチホップネットワークにおいて中継ルートをスムーズに切りかえることができる。
また、接続していない2台以上の他の火災警報器600からの信号を受信可能であるので、恒常的な通信障害時にも通信の信頼性をさらに向上できる。また、接続していない2台以上の他の火災警報器600からの信号を受信可能であるので、マルチホップネットワークにおいて中継ルートをスムーズに切りかえることができる。また、接続していない2台以上の他の火災警報器600からの信号を受信可能であり、接続している火災警報器600からの信号の受信に失敗した場合、リンク品質のよい方の他の火災警報器600からの信号を受信するので、マルチホップネットワークにおいて中継ルートをスムーズに切りかえることができる。また、接続していない2台以上の他の火災警報器600からの信号を受信可能であり、接続している火災警報器600からの信号の受信に失敗した場合、リンク品質のよい方の他の火災警報器600からの信号を受信するので、中継ルートの切替を効率的に実行できる。また、下り方向の信号を受信した火災警報器600に対して、上り方向の信号を送信するので、上りの通信の信頼性を向上できる。
また、中継ルートを切りかえた場合、中継ルートの切替を中継装置700に知らせるためのルート切替通知を送信するので、マルチホップネットワークにおいて中継ルートをスムーズに切りかえることができる。また、新たな火災警報器600に応答信号を送信した後、中継装置700からの定期信号の再送を受信しない場合、もとの火災警報器600に割り当てられた下り通信用タイムスロットにおける定期信号の受信を、前記第3新たな火災警報器600に割り当てられた下り通信用タイムスロットにおける定期信号の受信に切りかえるので、不要な受信処理を停止できる。また、不要な受信処理が停止されるので、消費電力の増加を抑制できる。
また、定期信号を火災警報器600に送信した後、当該火災警報器600に割り当てられた上り通信用タイムスロットにおいて応答信号を受信しない場合、中継装置700からの定期信号の再送を受信しなければ、当該火災警報器600に割り当てられた下り通信用タイムスロットと上り通信用タイムスロットでの通信を実行しないので、不要な通信処理を停止できる。また、不要な通信処理が停止されるので、消費電力の増加を抑制できる。また、応答信号を受信していない火災警報器600から応答信号を受信すると応答信号を送信し、中継装置700からの前記定期信号の再送を受信しなければ、定期信号を当該火災警報器600に送信するので、マルチホップネットワークにおいて中継ルートをスムーズに切りかえることができる。
また、中継装置700までのホップ数が小さい火災警報器600ほど前側の下り通信用タイムスロットが割り当てられるので、フレーム1020内で転送を完了できる。また、中継装置700までのホップ数が大きい火災警報器600ほど前側の上り通信用タイムスロットが割り当てられるので、フレーム1020内で転送を完了できる。また、ルート切替通知を受信した場合、下り通信用タイムスロットと上り通信用タイムスロットとに対する火災警報器600の割当が変更されるとスロット情報を送信するので、割当の変更を知らせることができる。
また、障害が発生したルートに対するペナルティコストを学習により増加させるので、当該ルートに対する正式ルートコストを増加できる。また、障害が発生しうるルートに対するペナルティコストを学習により増加させるので、当該ルートに対する正式ルートコストを増加できる。また、正式ルートコストが増加するので、信頼性の高いルートを選択できる。また、信頼性の高いルートが選択されるので、警報システム1000の安定性を向上できる。また、受信の失敗回数が多いルートに対するペナルティコストを増加させるので、当該ルートを選択しにくくできる。また、受信の失敗率が高いルートに対するペナルティコストを増加させるので、当該ルートを選択しにくくできる。また、送信の失敗回数が多いルートに対するペナルティコストを増加させるので、当該ルートを選択しにくくできる。また、送信の失敗率が高いルートに対するペナルティコストを増加させるので、当該ルートを選択しにくくできる。また、RSSIの統計値が弱電界で比重を置くルートに対するペナルティコストを増加させるので、当該ルートを選択しにくくできる。
また、リンク品質により付与するコストよりもペナルティコストを小さくするので、通信品質を主としてルートを選択できる。また、「学習」開始からの経過時間に応じてペナルティコストを小さくするので、時間経過とともにペナルティコストの影響を低減できる。また、ランダムにペナルティコストを変化させるので、ペナルティコストの影響を変化させることができる。また、配下の火災警報器600が多い他の火災警報器600に対するペナルティコストを分散により増加させるので、当該他の火災警報器600を含むルートに対する正式ルートコストを増加できる。また、電池残量の少ない他の火災警報器600に対するペナルティコストを分散により増加させるので、当該他の火災警報器600を含むルートに対する正式ルートコストを増加できる。また、定期的にルートを見直すので、最適なルートを使用できる。また、見直し候補ルートに任意の値の乗換コストを加算するので、当該他の火災警報器600を含むルートに対する正式ルートコストを増加できる。また、正式ルートコストが同程度であれば既存ルートを選択するので、頻繁なルート見直しを抑止することができる。
本開示の一態様の概要は、次の項目により示されてもよい。
(項目1-1)
中継装置(700)から広がるマルチホップネットワークを構成する複数の警報器(600)を備え、
前記複数の警報器(600)は、第1警報器(600e)、第2警報器(600c)、第3警報器(600a)を含み、
前記第1警報器(600e)は、前記第2警報器(600c)を介して前記中継装置(700)からの信号を受信し、
前記第1警報器(600e)は、前記第3警報器(600a)を介しても前記中継装置(700)からの信号を受信可能である、
警報システム(1000)。
(項目1-2)
前記第1警報器(600e)は、前記第2警報器(600c)を介して前記中継装置(700)からの信号を受信している場合に、前記第3警報器(600a)を介した前記中継装置(700)からの信号を受信せず、
前記第1警報器(600e)は、前記第2警報器(600c)を介した前記中継装置(700)からの信号の受信に失敗した場合、前記第3警報器(600a)を介して前記中継装置(700)からの信号を受信する(項目1-1)に記載の警報システム(1000)。
(項目1-3)
前記複数の警報器(600)は、第4警報器(600d)も含み、
前記第1警報器(600e)は、前記第4警報器(600d)を介しても前記中継装置(700)からの信号を受信可能であり、
前記第1警報器(600e)は、前記第2警報器(600c)を介して前記中継装置(700)からの信号を受信している場合に、前記第4警報器(600d)を介した前記中継装置(700)からの信号を受信せず、
前記第1警報器(600e)は、前記第2警報器(600c)を介した前記中継装置(700)からの信号の受信に失敗した場合、前記第3警報器(600a)を介して前記中継装置(700)からの信号を受信するとともに、前記第4警報器(600d)を介して前記中継装置(700)からの信号を受信する(項目1-2)に記載の警報システム(1000)。
(項目1-4)
前記複数の警報器(600)は、第4警報器(600d)も含み、
前記第1警報器(600e)は、前記第4警報器(600d)を介しても前記中継装置(700)からの信号を受信可能であり、
前記第1警報器(600e)は、前記第2警報器(600c)を介して前記中継装置(700)からの信号を受信している場合に、前記第4警報器(600d)を介した前記中継装置(700)からの信号を受信せず、
前記第1警報器(600e)は、前記第2警報器(600c)を介した前記中継装置(700)からの信号の受信に失敗した場合、前記第3警報器(600a)とのリンク品質が前記第4警報器(600d)とのリンク品質よりもよければ、前記第3警報器(600a)を介して前記中継装置(700)からの信号を受信し、前記第4警報器(600d)を介した前記中継装置(700)からの信号を受信しない(項目1-2)に記載の警報システム(1000)。
(項目1-5)
前記第1警報器(600e)は、前記第2警報器(600c)を介して前記中継装置(700)からの信号を受信している場合に、前記中継装置(700)への信号を前記第2警報器(600c)に送信し、
前記第1警報器(600e)は、前記第3警報器(600a)を介して前記中継装置(700)からの信号を受信している場合に、前記中継装置(700)への信号を前記第3警報器(600a)に送信する(項目1-1)から(項目1-3)のいずれか1項に記載の警報システム(1000)。
(項目1-6)
中継装置(700)から広がるマルチホップネットワークを構成する複数の警報器(600)のうちの警報器(600)であって、
本警報器(600)を第1警報器(600e)と呼ぶ場合、前記複数の警報器(600)には、第2警報器(600c)、第3警報器(600a)も含まれ、
前記第2警報器(600c)を介して前記中継装置(700)からの信号を受信するとともに、前記第3警報器(600a)を介しても前記中継装置(700)からの信号を受信可能である通信部(620)と、
前記通信部(620)を制御する制御部(624)と、
を備える警報器(600)。
(項目1-7)
中継装置(700)から広がるマルチホップネットワークを構成する複数の警報器(600)のうちの警報器(600)における通信方法であって、
本警報器(600)を第1警報器(600e)と呼ぶ場合、前記複数の警報器(600)には、第2警報器(600c)、第3警報器(600a)も含まれ、
前記第2警報器(600c)を介して前記中継装置(700)からの信号を受信するステップと、
前記第3警報器(600a)を介しても前記中継装置(700)からの信号を受信可能であるステップと、
を備える通信方法。
(項目1-8)
中継装置(700)から広がるマルチホップネットワークを構成する複数の警報器(600)のうちの警報器(600)に実行させるためのプログラムであって、
本警報器(600)を第1警報器(600e)と呼ぶ場合、前記複数の警報器(600)には、第2警報器(600c)、第3警報器(600a)も含まれ、
前記第2警報器(600c)を介して前記中継装置(700)からの信号を受信するステップと、
前記第3警報器(600a)を介しても前記中継装置(700)からの信号を受信可能であるステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
(項目2-1)
中継装置(700)から広がるマルチホップネットワークを構成する複数の警報器(600)を備え、
前記複数の警報器(600)は、第1警報器(600e)、第2警報器(600c)、第3警報器(600a)を含み、
前記第1警報器(600e)は、前記第2警報器(600c)を介して前記中継装置(700)からの信号を受信し、
前記第1警報器(600e)は、前記第2警報器(600c)を介した前記中継装置(700)からの信号の受信に失敗した場合、前記第3警報器(600a)を介して前記中継装置(700)からの信号を受信し、
前記第1警報器(600e)は、前記第2警報器(600c)を含む中継ルートを、前記第3警報器(600a)を含む中継ルートに切りかえた場合、中継ルートの切替を前記中継装置(700)に知らせるためのルート切替通知を前記第3警報器(600a)に送信する、
警報システム(1000)。
(項目2-2)
前記中継装置(700)からの信号を送信するために、前記複数の警報器(600)のそれぞれに割り当てられるべき複数の下り通信用タイムスロットが時間軸上に並べられ、
前記中継装置(700)への信号を送信するために、前記複数の警報器(600)のそれぞれに割り当てられるべき複数の上り通信用タイムスロットが時間軸上に並べられ、
前記中継装置(700)からの信号は、前記中継装置(700)から定期的に送信される定期信号であり、
前記中継装置(700)への信号は、前記複数の警報器(600)のそれぞれが前記定期信号を受信したときに送信すべき応答信号であり、
前記第1警報器(600e)は、前記第2警報器(600c)に割り当てられた前記下り通信用タイムスロットにおいて前記定期信号を受信した場合、前記第1警報器(600e)に割り当てられた前記上り通信用タイムスロットにおいて前記応答信号を前記第2警報器(600c)に送信し、
前記第1警報器(600e)は、前記第2警報器(600c)に割り当てられた前記下り通信用タイムスロットにおいて前記定期信号の受信に失敗した場合、前記第3警報器(600a)に割り当てられた前記下り通信用タイムスロットにおいて前記定期信号を受信し、
前記第1警報器(600e)は、前記第3警報器(600a)に割り当てられた前記下り通信用タイムスロットにおいて前記定期信号を受信した場合、前記第1警報器(600e)に割り当てられた前記上り通信用タイムスロットにおいて前記応答信号を前記第3警報器(600a)に送信し、
前記第1警報器(600e)は、前記第3警報器(600a)に前記応答信号を送信した後、前記中継装置(700)からの前記定期信号の再送を受信しない場合、前記第2警報器(600c)に割り当てられた前記下り通信用タイムスロットにおける前記定期信号の受信を、前記第3警報器(600a)に割り当てられた前記下り通信用タイムスロットにおける前記定期信号の受信に切りかえる(項目2-1)に記載の警報システム(1000)。
(項目2-3)
前記中継装置(700)からの信号を送信するために、前記複数の警報器(600)のそれぞれに割り当てられるべき複数の下り通信用タイムスロットが時間軸上に並べられ、
前記中継装置(700)への信号を送信するために、前記複数の警報器(600)のそれぞれに割り当てられるべき複数の上り通信用タイムスロットが時間軸上に並べられ、
前記中継装置(700)からの信号は、前記中継装置(700)から定期的に送信される定期信号であり、
前記中継装置(700)への信号は、前記複数の警報器(600)のそれぞれが前記定期信号を受信したときに送信すべき応答信号であり、
前記第2警報器(600c)は、前記第2警報器(600c)に割り当てられた前記下り通信用タイムスロットにおいて前記定期信号を前記第1警報器(600e)に送信し、
前記第2警報器(600c)は、前記定期信号を前記第1警報器(600e)に送信した後、前記第1警報器(600e)に割り当てられた前記上り通信用タイムスロットにおいて前記応答信号を前記第1警報器(600e)から受信すると、前記第2警報器(600e)に割り当てられた前記上り通信用タイムスロットにおいて前記応答信号を送信し、
前記第2警報器(600c)は、前記定期信号を前記第1警報器(600e)に送信した後、前記第1警報器(600e)に割り当てられた前記上り通信用タイムスロットにおいて前記応答信号を前記第1警報器(600e)から受信しない場合、前記中継装置(700)からの前記定期信号の再送を受信しなければ、前記第2警報器(600c)に割り当てられた前記下り通信用タイムスロットにおいて前記定期信号を前記第1警報器(600e)に送信せず、かつ前記第1警報器(600e)に割り当てられた前記上り通信用タイムスロットにおける前記応答信号の受信を実行しない(項目2-1)に記載の警報システム(1000)。
(項目2-4)
前記中継装置(700)からの信号を送信するために、前記複数の警報器(600)のそれぞれに割り当てられるべき複数の下り通信用タイムスロットが時間軸上に並べられ、
前記中継装置(700)への信号を送信するために、前記複数の警報器(600)のそれぞれに割り当てられるべき複数の上り通信用タイムスロットが時間軸上に並べられ、
前記中継装置(700)からの信号は、前記中継装置(700)から定期的に送信される定期信号であり、
前記中継装置(700)への信号は、前記複数の警報器(600)のそれぞれが前記定期信号を受信したときに送信すべき応答信号であり、
前記第3警報器(600a)は、前記第1警報器(600e)に割り当てられた前記上り通信用タイムスロットにおいて前記応答信号を前記第1警報器(600e)から受信していない状況において、前記第1警報器(600e)に割り当てられた前記上り通信用タイムスロットにおいて前記応答信号を前記第1警報器(600e)から受信すると、前記第3警報器(600a)に割り当てられた前記上り通信用タイムスロットにおいて前記応答信号を送信し、
前記第3警報器(600a)は、前記中継装置(700)からの前記定期信号の再送を受信しなければ、前記第3警報器(600a)に割り当てられた前記下り通信用タイムスロットにおいて前記定期信号を前記第1警報器(600e)に送信する(項目2-1)に記載の警報システム(1000)。
(項目2-5)
前記中継装置(700)までのホップ数が小さい警報器(600)ほど前側の前記下り通信用タイムスロットが割り当てられ、
前記中継装置(700)までのホップ数が大きい警報器(600)ほど前側の前記上り通信用タイムスロットが割り当てられ、
前記中継装置(700)は、前記ルート切替通知を受信した場合、前記下り通信用タイムスロットと前記上り通信用タイムスロットとに対する警報器(600)の割当が変更されると、変更された割当が示されたスロット情報を前記複数の警報器(600)のそれぞれに送信する(項目2-2)から(項目2-4)のいずれか1項に記載の警報システム(1000)。
(項目2-6)
前記中継装置は、前記ルート切替通知を受信した場合、切りかえられた中継ルートが示されたルート情報を前記複数の警報器のそれぞれに送信する(項目2-1)に記載の警報システム。
(項目2-7)
中継装置(700)から広がるマルチホップネットワークを構成する複数の警報器(600)のうちの警報器(600)であって、
本警報器(600)を第1警報器(600e)と呼ぶ場合、前記複数の警報器には、第2警報器(600c)、第3警報器(600a)も含まれ、
前記第2警報器(600c)を介して前記中継装置(700)からの信号を受信する通信部(620)と、
前記通信部(620)を制御する制御部(624)とを備え、
前記通信部(620)は、前記第2警報器(600c)を介した前記中継装置(700)からの信号の受信に失敗した場合、前記第3警報器(600a)を介して前記中継装置(700)からの信号を受信し、
前記通信部(620)は、前記第2警報器(600c)を含む中継ルートを、前記第3警報器(600a)を含む中継ルートに切りかえた場合、中継ルートの切替を前記中継装置(700)に知らせるためのルート切替通知を前記第3警報器(600a)に送信する、
警報器(600)。
(項目2-8)
中継装置(700)から広がるマルチホップネットワークを構成する複数の警報器(600)のうちの警報器(600)における通信方法であって、
本警報器(600)を第1警報器(600e)と呼ぶ場合、前記複数の警報器(600)には、第2警報器(600c)、第3警報器(600a)も含まれ、
前記第2警報器(600c)を介して前記中継装置(700)からの信号を受信するステップと、
前記第2警報器(600c)を介した前記中継装置(700)からの信号の受信に失敗した場合、前記第3警報器(600a)を介して前記中継装置(700)からの信号を受信するステップと、
前記第2警報器(600c)を含む中継ルートを、前記第3警報器(600a)を含む中継ルートに切りかえた場合、中継ルートの切替を前記中継装置(700)に知らせるためのルート切替通知を前記第3警報器(600a)に送信するステップと、
を備える通信方法。
(項目2-9)
中継装置(700)から広がるマルチホップネットワークを構成する複数の警報器(600)のうちの警報器(600)に実行させるためのプログラムであって、
本警報器(600)を第1警報器(600e)と呼ぶ場合、前記複数の警報器(600)には、第2警報器(600c)、第3警報器(600a)も含まれ、
前記第2警報器(600c)を介して前記中継装置(700)からの信号を受信するステップと、
前記第2警報器(600c)を介した前記中継装置(700)からの信号の受信に失敗した場合、前記第3警報器(600a)を介して前記中継装置(700)からの信号を受信するステップと、
前記第2警報器(600c)を含む中継ルートを、前記第3警報器(600a)を含む中継ルートに切りかえた場合、中継ルートの切替を前記中継装置(700)に知らせるためのルート切替通知を前記第3警報器(600a)に送信するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本実施例において、中継装置700は、火災の検知機能と警報音の発報機能とを兼ね備えた火災警報器600を接続する。しかしながらこれに限らず例えば、火災警報器600は、火災の検知機能のみを有していてもよい。また、火災警報器600の代わりに、火災に限定されず、水害、地震、ガス漏れ、不完全燃焼によるCO(一酸化炭素)の発生を検知するセンサであってもよい。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
本実施例において、火災警報器600から中継装置700にルート切替通知が送信され、中継装置700において中継ルートの更新がなされた場合、通信用タイムスロットの割当が変更されると、中継装置700から複数の火災警報器600に対してスロット情報が送信される。しかしながらこれに限らず例えば、中継装置700は、スロット情報だけではなく、更新された(切りかえられた)中継ルートが示されたルート情報を各火災警報器600に送信してもよい。各火災警報器600は、受信したルート情報をもとに、更新された中継ルートを認識する。例えば、中継ルートを更新しても各火災警報器600のホップ数が変化しなければ、前述のエイジングが実行される。一方、中継ルートを更新すると各火災警報器600のホップ数が変化すれば、ルート情報の送信がなされる。変形例によれば、中継ルートの切替を確実に実行できる。
600 火災警報器(警報器)、 620 通信部、 622 処理部、 624 制御部、 626 監視部、 630 火災検知センサ、 632 ブザー、 700 中継装置、 710 通信部、 712 出力部、 720 制御部、 722 割当部、 800 管理装置、 1000 警報システム、 1010 スーパーフレーム、 1020 フレーム、 1030 タイムスロット。

Claims (8)

  1. 中継装置から広がるマルチホップネットワークを構成する複数の警報器を備え、
    前記複数の警報器は、第1警報器、第2警報器、第3警報器を含み、
    前記第1警報器は、前記第2警報器を介して前記中継装置からの信号を受信し、
    前記第1警報器は、前記第3警報器を介しても前記中継装置からの信号を受信可能である、
    警報システム。
  2. 前記第1警報器は、前記第2警報器を介して前記中継装置からの信号を受信している場合に、前記第3警報器を介した前記中継装置からの信号を受信せず、
    前記第1警報器は、前記第2警報器を介した前記中継装置からの信号の受信に失敗した場合、前記第3警報器を介して前記中継装置からの信号を受信する請求項1に記載の警報システム。
  3. 前記複数の警報器は、第4警報器も含み、
    前記第1警報器は、前記第4警報器を介しても前記中継装置からの信号を受信可能であり、
    前記第1警報器は、前記第2警報器を介して前記中継装置からの信号を受信している場合に、前記第4警報器を介した前記中継装置からの信号を受信せず、
    前記第1警報器は、前記第2警報器を介した前記中継装置からの信号の受信に失敗した場合、前記第3警報器を介して前記中継装置からの信号を受信するとともに、前記第4警報器を介して前記中継装置からの信号を受信する請求項2に記載の警報システム。
  4. 前記複数の警報器は、第4警報器も含み、
    前記第1警報器は、前記第4警報器を介しても前記中継装置からの信号を受信可能であり、
    前記第1警報器は、前記第2警報器を介して前記中継装置からの信号を受信している場合に、前記第4警報器を介した前記中継装置からの信号を受信せず、
    前記第1警報器は、前記第2警報器を介した前記中継装置からの信号の受信に失敗した場合、前記第3警報器とのリンク品質が前記第4警報器とのリンク品質よりもよければ、前記第3警報器を介して前記中継装置からの信号を受信し、前記第4警報器を介した前記中継装置からの信号を受信しない請求項2に記載の警報システム。
  5. 前記第1警報器は、前記第2警報器を介して前記中継装置からの信号を受信している場合に、前記中継装置への信号を前記第2警報器に送信し、
    前記第1警報器は、前記第3警報器を介して前記中継装置からの信号を受信している場合に、前記中継装置への信号を前記第3警報器に送信する請求項1から3のいずれか1項に記載の警報システム。
  6. 中継装置から広がるマルチホップネットワークを構成する複数の警報器のうちの警報器であって、
    本警報器を第1警報器と呼ぶ場合、前記複数の警報器には、第2警報器、第3警報器も含まれ、
    前記第2警報器を介して前記中継装置からの信号を受信するとともに、前記第3警報器を介しても前記中継装置からの信号を受信可能である通信部と、
    前記通信部を制御する制御部と、
    を備える警報器。
  7. 中継装置から広がるマルチホップネットワークを構成する複数の警報器のうちの警報器における通信方法であって、
    本警報器を第1警報器と呼ぶ場合、前記複数の警報器には、第2警報器、第3警報器も含まれ、
    前記第2警報器を介して前記中継装置からの信号を受信するステップと、
    前記第3警報器を介しても前記中継装置からの信号を受信可能であるステップと、
    を備える通信方法。
  8. 中継装置から広がるマルチホップネットワークを構成する複数の警報器のうちの警報器に実行させるためのプログラムであって、
    本警報器を第1警報器と呼ぶ場合、前記複数の警報器には、第2警報器、第3警報器も含まれ、
    前記第2警報器を介して前記中継装置からの信号を受信するステップと、
    前記第3警報器を介しても前記中継装置からの信号を受信可能であるステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023105105A (ja) * 2020-05-29 2023-07-28 株式会社三洋物産 遊技機

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