JP2023162941A - Euvマスクブランク用ガラス部材、その製造方法およびeuvマスクブランク用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

Euvマスクブランク用ガラス部材、その製造方法およびeuvマスクブランク用ガラス基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラス基板の生産性を向上する、技術を提供すること。【解決手段】EUVマスクブランク用ガラス部材は、第1主面と、前記第1主面とは反対向きの第2主面を有する。少なくとも前記第1主面の所定領域は、算術平均粗さRaが最大となる方向の粗さ曲線において、算術平均粗さRaが1.5μm以上5.0μm以下である。【選択図】図10

Description

本開示は、EUVマスクブランク用ガラス部材、その製造方法およびEUVマスクブランク用ガラス基板の製造方法に関する。
近年、半導体デバイスの微細化に伴い、極端紫外線(Extreme Ultra-Violet:EUV)を用いた露光技術であるEUVリソグラフィー(EUVL)が開発されている。EUVとは、軟X線および真空紫外線を含み、具体的には波長が0.2nm~100nm程度の光のことである。現時点では、13.5nm程度の波長のEUVが主に検討されている。
EUVマスクは、ガラス基板と、EUVを反射する多層反射膜と、EUVを吸収する吸収膜と、をこの順で有する。吸収膜には、開口パターンが形成される。EUVLでは、吸収膜の開口パターンを半導体基板などの対象基板に転写する。転写することは、縮小して転写することを含む。
EUVマスクブランク用ガラス基板の製造方法は、ワイヤーソーでガラスブロックをスライスすることでガラス部材を得ることと、ガラス部材を研削することでガラス基板を得ることと、を有する。
特許文献1には、ガラスブロックをワイヤーソーでスライスすることでガラス板を得ることと、スライス直後のガラス板の表面粗さが低いことが望ましいことと、が記載されている。特許文献2には、スライス直後の磁気ディスク用ガラス板の表面粗さが0.3μmであることが記載されている。
特開2009-535224号公報 特開平9-141650号公報
EUVマスクブランク用ガラス基板の製造方法は、ワイヤーソーでガラスブロックをスライスすることでガラス部材を得ることと、ガラス部材を研削することでガラス基板を得ることと、を有する。
ガラス部材の研削は、砥粒が固定された研削パッドを用いて行う。目潰れ(砥粒が磨り減ること)又は目詰まり(研削屑が砥粒間のポケットに詰まること)が生じると、研削レートが低下する。
そこで、定期的に研削パッドの目直し(ドレッシング)が行われる。ドレッシングは、磨り減った砥粒を除去して新しい砥粒を露出させること、又は砥粒間のポケットに詰まった研削屑を除去することを含む。これにより、研削レートを回復できる。
研削パッドのドレッシングは、ガラス基板の生産を中断して行われるので、ガラス基板の生産性を低下させてしまう。
本開示の一態様は、ガラス基板の生産性を向上する、技術を提供する。
本開示の一態様に係るEUVマスクブランク用ガラス部材は、第1主面と、前記第1主面とは反対向きの第2主面を有する。少なくとも前記第1主面の所定領域は、算術平均粗さRaが最大となる方向の粗さ曲線において、算術平均粗さRaが1.5μm以上5.0μm以下である。
本開示の一態様によれば、所定領域の算術平均粗さRaが1.5μm以上5.0μm以下である。所定領域が適度な表面粗さを有するので、所定領域の研削開始時にドレッシング効果が得られ、ガラス基板の生産時にドレッシング効果が得られる。よって、ドレッシングのためにガラス基板の生産を中断することを抑制でき、ガラス基板の生産性を向上できる。
図1は、一実施形態に係るEUVマスクブランクの製造方法を示すフローチャートである。 図2は、EUVマスクブランク用ガラス基板の一例を示す断面図である。 図3は、図2のEUVマスクブランク用ガラス基板の平面図である。 図4は、EUVマスクブランクの一例を示す断面図である。 図5は、EUVマスクの一例を示す断面図である。 図6は、ワイヤーソーの一例を示す正面図である。 図7は、EUVマスクブランク用ガラス部材の一例を示す平面図である。 図8は、研削機の一例を示す斜視図である。 図9(A)は例1に係るガラス板の表面プロファイルを示す図であり、図9(B)は例2に係るガラス板の表面プロファイルを示す図であり、図9(C)は例3に係るガラス板の表面プロファイルを示す図であり、図9(D)は例4に係るガラス板の表面プロファイルを示す図である。 図10(A)は例4と同様の表面粗さを有するガラス板を研削する処理を繰り返し行う途中で例1に係るガラス板を研削したときの研削レートの経時変化を示す図であり、図10(B)は例4と同様の表面粗さを有するガラス板を研削する処理を繰り返し行う途中で例2に係るガラス板を研削したときの研削レートの経時変化を示す図であり、図10(C)は例4と同様の表面粗さを有するガラス板を研削する処理を繰り返し行う途中で例3に係るガラス板を研削したときの研削レートの経時変化を示す図である。
以下、本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。各図面において同一の又は対応する構成には同一の符号を付し、説明を省略することがある。明細書中、数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
図1を参照して、一実施形態に係るEUVマスクブランクの製造方法について説明する。図1に示すように、EUVマスクブランクの製造方法は、例えばステップS101~S109を有する。ステップS101は、ガラス部材の製造方法に含まれる。ステップS102~S106は、ガラス基板の製造方法に含まれる。
ガラス基板210は、図2及び図3に示すように、第1主面211と、第1主面211とは反対向きの第2主面212とを含む。第1主面211は、矩形状である。本明細書において、矩形状とは、角に面取加工を施した形状を含む。また、矩形は、正方形を含む。第2主面212は、第1主面211とは反対向きである。第2主面212も、第1主面211と同様に、矩形状である。
また、ガラス基板210は、4つの端面213と、4つの第1面取面214と、4つの第2面取面215とを含む。端面213は、第1主面211及び第2主面212に対して垂直である。第1面取面214は、第1主面211と端面213の境界に形成される。第2面取面215は、第2主面212と端面213の境界に形成される。第1面取面214及び第2面取面215は、本実施形態では、いわゆるC面取面であるが、R面取面であってもよい。
ガラス基板210のガラスは、TiOを含有する石英ガラスが好ましい。石英ガラスは、一般的なソーダライムガラスに比べて、線膨張係数が小さく、温度変化による寸法変化が小さい。石英ガラスは、SiOを80質量%~95質量%、TiOを4質量%~17質量%含んでもよい。TiO含有量が4質量%~17質量%であると、室温付近での線膨張係数が略ゼロであり、室温付近での寸法変化がほとんど生じない。石英ガラスは、SiOおよびTiO以外の第三成分又は不純物を含んでもよい。
平面視にてガラス基板210のサイズは、例えば縦152mm、横152mmである。縦寸法及び横寸法は、152mm以上であってもよい。
ガラス基板210は、第1主面211に中央領域211Aと周縁領域211Bとを有する。中央領域211Aは、その中央領域211Aを取り囲む矩形枠状の周縁領域211Bを除く、正方形の領域であり、ステップS102~S106によって所望の平坦度に加工される領域であり、品質保証領域である。品質保証領域は、例えば縦142mm、横142mmのサイズを有する。縦寸法及び横寸法は、142mm以上であってもよい。中央領域211Aの4つの辺は、4つの端面213に平行である。中央領域211Aの中心は、第1主面211の中心に一致する。
なお、図示しないが、ガラス基板210の第2主面212も、第1主面211と同様に、中央領域と、周縁領域とを有する。第2主面212の中央領域は、第1主面211の中央領域と同様に、正方形の領域であって、図1のステップS102~S106によって所望の平坦度に加工される領域であり、品質保証領域である。品質保証領域は、例えば縦142mm、横142mmのサイズを有する。縦寸法及び横寸法は、142mm以上であってもよい。
ステップS101は、図6に示すように、ガラスブロック10をワイヤーソー20でスライスすることで、板状のガラス部材110を得ることを含む。ワイヤーソー20は、図6に示すように、例えば、供給リール21と、回収リール22と、一対のガイドローラ23、24と、ワイヤー25と、を有する。
ワイヤーソー20は、供給リール21からワイヤー25を引き出し、引き出したワイヤー25を一対のガイドローラ23、24に巻き付けて往復させ、最終的に回収リール22に巻き取る。ワイヤー25には、砥粒が固定されていてもよいし、砥粒が供給されてもよい。砥粒は、例えばダイヤモンド砥粒である。
一対のガイドローラ23、24は、それぞれの外周に、回転軸方向に等ピッチで並ぶ複数のガイド溝を有する。複数のガイド溝が、ワイヤー25を等ピッチで配列させる。ワイヤー25のピッチは、ガラス部材110の目標厚みに応じて決められる。ガラスブロック10を複数のガラス部材110に一括で切断できる。
ワイヤーソー20は、供給リール21から回収リール22に向けてワイヤー25を送ることと、回収リール22から供給リール21に向けてワイヤー25を戻すことと、を複数回繰り返し行う。各回で、ワイヤー25を送る量Aは、ワイヤー25を戻す量Bよりも多い。従って、ワイヤー25は、供給リール21から回収リール22に徐々に移行する。
ガラス部材110は、図7に示すように、第1主面111に、ストライプパターンの凹凸を有する。図7において、凹凸の縞と平行な方向がX軸方向であり、凹凸の縞と直交する方向がY軸方向である。Y軸方向が、第1主面111の算術平均粗さRaが最大となる方向である。X軸方向が、第1主面111の算術平均粗さRaが最小となる方向である。
第1主面111は、ワイヤー25で切断された切断面である。X軸方向は、ワイヤーソー20でガラスブロック10をスライスする際にワイヤー25を走行させる方向(図6において左右方向)である。Y軸方向は、ワイヤーソー20でガラスブロック10をスライスする際に、ガラスブロック10を移動させる方向(図6において上下方向)である。
凹凸の高低差と、凹凸の縞のピッチは、主に、ワイヤー25の直径と、ワイヤー25を送る量Aとワイヤー25を戻す量Bとの差分(A-B)と、で調節可能である。ワイヤー25の直径が大きいほど、凹凸の高低差と凹凸の縞のピッチが大きくなる。また、差分(A-B)が大きいほど、凹凸の高低差と凹凸の縞のピッチが大きくなる。
ガラス部材110は、第1主面111とは反対向きの第2主面112を有する。第2主面112は、第1主面111と同様にワイヤー25で切断された切断面である。それゆえ、第2主面112も、第1主面111と同様に、ストライプパターンの凹凸を有する。第2主面112の表面粗さは、第1主面111の表面粗さと同様である。
ステップS102は、図8に示すように、ガラス部材110を研削機90で研削することで、ガラス基板210を得ることを含む。研削機90は、両面研削機であって、ガラス部材110の第1主面111と第2主面112を同時に研削する。なお、研削機90は、片面研削機であってもよく、第1主面111と第2主面112を順番に研削してもよい。
研削機90は、下定盤91と、上定盤92と、キャリア93と、サンギヤ94と、インターナルギヤ95とを有する。下定盤91は水平に配置され、下定盤91の上面には下研削パッド96が貼付される。上定盤92は水平に配置され、上定盤92の下面には上研削パッド97が貼付される。下研削パッド96と上研削パッド97には、それぞれ、砥粒が固定されている。砥粒は、特に限定されないが、例えばダイヤモンド砥粒である。
キャリア93は、下定盤91と上定盤92との間に、ガラス部材110を水平に保持する。各キャリア93は、ガラス部材110を一枚ずつ保持するが、複数枚ずつ保持してもよい。キャリア93は、サンギヤ94の径方向外側に配置され、且つ、インターナルギヤ95の径方向内側に配置される。キャリア93は、サンギヤ94の周りに間隔をおいて複数配置される。サンギヤ94とインターナルギヤ95とは、同心円状に配置され、キャリア93の外周ギヤ93aと噛み合う。
研削機90は例えば4Way方式であり、下定盤91と上定盤92とサンギヤ94とインターナルギヤ95とは、同一の鉛直な回転中心線を中心に回転する。下定盤91と上定盤92とは、反対方向に回転すると共に、下研削パッド96をガラス部材110の下面に押し付け、且つ上研削パッド97をガラス部材110の上面に押し付ける。下定盤91および上定盤92のうちの少なくとも1つは、ガラス部材110に対して研削液を供給する。研削液は、ガラス部材110と下研削パッド96との間に供給される。また、研削液は、ガラス部材110と上研削パッド97との間に供給される。
例えば、下定盤91と、サンギヤ94と、インターナルギヤ95とは、平面視で同じ方向に回転する。これらの回転方向は、上定盤92の回転方向とは逆方向である。キャリア93は、公転しながら、自転する。キャリア93の公転方向は、サンギヤ94とインターナルギヤ95の回転方向と同じ方向である。一方、キャリア93の自転方向は、サンギヤ94の回転数とピッチ円直径の積と、インターナルギヤ95の回転数とピッチ円直径の積との大小で決まる。インターナルギヤ95の回転数とピッチ円直径の積がサンギヤ94の回転数とピッチ円直径の積がよりも大きいと、キャリア93の自転方向とキャリア93の公転方向とは同じ方向になる。一方、インターナルギヤ95の回転数とピッチ円直径の積がサンギヤ94の回転数とピッチ円直径の積よりも小さいと、キャリア93の自転方向とキャリア93の公転方向とは逆方向になる。
上記の通り、ガラス部材110の研削は、砥粒が固定された研削パッドを用いて行う。研削パッドは、例えば下研削パッド96と上研削パッド97を含む。下研削パッド96がガラス部材110の第1主面111と第2主面112の一方を研削し、上研削パッド97がガラス部材110の第1主面111と第2主面112の他方を研削する。なお、下研削パッド96が、第1主面111と第2主面112を順番に研削してもよい。
ガラス部材110の少なくとも第1主面111の所定領域は、算術平均粗さRaが最大となる方向(Y軸方向)の粗さ曲線において、算術平均粗さRaが1.5μm以上5.0μm以下である。算術平均粗さRaは、JIS B0601:2013に準拠して測定する。算術平均粗さRaは、凸の高さと凹の深さの平均値を表す。
所定領域の算術平均粗さRaが1.5μm以上5.0μm以下であれば、所定領域が適度な表面粗さを有するので、所定領域の研削開始時にドレッシング効果が得られ、ガラス基板の生産時にドレッシング効果が得られる。よって、ドレッシングのためにガラス基板の生産を中断することを抑制でき、ガラス基板の生産性を向上できる。所定領域の算術平均粗さRaは、好ましくは2.5μm以上であり、より好ましくは3.0μm以上である。また、所定領域の算術平均粗さRaは、好ましくは4.0μm以下である。
前記所定領域は、算術平均粗さRaが最大となる方向(Y軸方向)の粗さ曲線において、スキューネスRskが0.0よりも大きいことが好ましい。スキューネスRskは、JIS B0601:2013に準拠して測定する。スキューネスRskは、高さ分布の偏りの度合い(歪度)を表す。スキューネスRskが0.0よりも大きければ、凸が凹よりも多く、研削パッドを効率良く削ることができる。スキューネスRskは、より好ましくは0.1以上である。また、スキューネスRskは、より好ましくは1.0以下である。
前記所定領域は、算術平均粗さRaが最大となる方向(Y軸方向)の粗さ曲線において、クルトシスRkuが3.0未満であることが好ましい。クルトシスRkuは、JIS B0601:2013に準拠して測定する。クルトシスRkuは、高さ分布の鋭さ(尖度)を表す。高さ分布が正規分布である場合、クルトシスRkuが3.0になる。クルトシスRkuが3.0未満であれば、凸の先端が適度に丸まっており、凸の耐久性が高く、研磨パッドをしっかり削ることができる。クルトシスRkuは、より好ましくは2.5以下である。クルトシスRkuは、より好ましくは1.0以上である。
前記所定領域は、算術平均粗さRaが最大となる方向(Y軸方向)の粗さ曲線において、平均要素長RSmが200μm~500μmであることが好ましい。平均要素長RSmは、JIS B0601:に準拠して測定する。平均要素長RSmは、凸の平均ピッチを表す。平均要素長RSmが200μm~500μmであれば、凸の密度が適度に多く、研磨パッドを効率良く削ることができる。平均要素長RSmは、より好ましくは400μm~500μmである。
前記所定領域は、第1主面111の外周部であることが好ましい。第1主面111の外周部とは、第1主面111の外周から10mm以内の領域のことである。第1主面111の外周部は、第1主面111の中央部に比べて、研削パッドに強く当たりやすく、研削パッドのドレッシング効果を発現しやすい。
前記所定領域は、第1主面111の4辺のうち、Y軸方向に平行な2辺から10mm以内の領域X1、X2(図7参照)の少なくとも一方であることがより好ましい。領域X1、X2は、その中央の領域X3(図7参照)よりも算術平均粗さRaが大きくなりやすく、研削パッドのドレッシング効果を発現しやすい。
次に、図9、図10及び表1を参照して、ガラス板の表面粗さと研削レートの関係の一例について説明する。図9に、例1~例4に係るガラス板の表面プロファイルを示す。また、表1に、例1~例4に係るガラス板の表面粗さを示す。
Figure 2023162941000002
表1に示す表面粗さは、図7に示す領域X1で測定したデータである。なお、図7に示す領域X2で測定した表面粗さのデータは、領域X1で測定した表面粗さのデータと同様であった。また、領域X3で測定した算術平均粗さRaは、領域X1、X2で測定した算術平均粗さRaよりも小さかった。
例1に係るガラス板は、ワイヤーソー20でガラスブロック10をスライスすることで得た。例2に係るガラス板は、ワイヤーソー20によるスライス後に、研削機90で15秒間研削することで得た。例3に係るガラス板は、ワイヤーソー20によるスライス後に、研削機90で30秒間研削することで得た。例4に係るガラス板は、ワイヤーソー20によるスライス後に、研削機90で900秒間研削することで得た。
例4と同様の表面粗さを有するガラス板を研削する処理を繰り返し行う途中で、例1~例3に係るガラス板を研削したときの研削レートの変化を図10に示す。図10において、横軸はバッチ数を示し、縦軸は研削レートを示す。
例1及び例2に係るガラス板は、領域X1において1.5μm以上5.0μm以下の算術平均粗さRaを有していたので、図10(A)及び図10(B)に示すように研削レートを回復できた。一方、例3に係るガラス板は、領域X1において1.5μm未満の算術平均粗さRaを有していたので、図10(C)に示すように研削レートを回復できなかった。
研削機90は、バッチごとに毎回、所定領域の算術平均粗さRaが1.5μm以上5.0μm以下であるガラス部材110を研削することが好ましい。毎回バッチ処理開始時に研削パッドを目直しでき、研削レートの低下を抑制できる。研削機90は、1つのバッチで、所定領域の算術平均粗さRaが1.5μm以上5.0μm以下であるガラス部材110と、所定領域の算術平均粗さRaが1.5μm未満であるガラス部材とを同時に研削してもよい。
なお、図示しないが、ガラス基板の製造方法は、ガラス部材110の第1主面111を第1研削機で研削することと、第1研削機で研削した第1主面111を第2研削機で研削することと、を有してもよい。この場合、ガラス基板の製造方法は、所望のタイミングで、ガラス部材110の第1主面111を第1研削機で研削することなく第2研削機で研削することを有してもよい。
第1研削機と第2研削機は異なるものである。例えば、第1研削機は1次研削機であって第2研削機は2次研削機である。1次研削していないガラス部材110を2次研削機で研削することにより、第2研削機の研削パッドを目直しできる。なお、2次研削機は、1つのバッチで、1次研削済みのガラス部材110と、1次研削していないガラス部材110とを同時に研削してもよい。
ステップS103は、ガラス基板210の第1主面211及び第2主面212を研磨することを含む。第1主面211及び第2主面212は、本実施形態では不図示の両面研磨機で同時に研磨されるが、不図示の片面研磨機で順番に研磨されてもよい。ステップS103では、研磨パッドとガラス基板210の間に研磨スラリーを供給しながら、ガラス基板210を研磨する。
研磨パッドとしては、例えばウレタン系研磨パッド、不織布系研磨パッド、又はスウェード系研磨パッドなどが用いられる。研磨スラリーは、研磨剤と分散媒とを含む。研磨剤は、例えば酸化セリウム粒子である。分散媒は、例えば水又は有機溶剤である。第1主面211及び第2主面212は、異なる材質又は粒度の研磨剤で、複数回研磨されてもよい。
なお、ステップS103で用いられる研磨剤は、酸化セリウム粒子には限定されず、例えば、酸化シリコン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化チタン粒子、ダイヤモンド粒子、又は炭化珪素粒子などであってもよい。
ステップS104は、ガラス基板210の第1主面211及び第2主面212の表面形状を測定することを含む。表面形状の測定には、例えば、表面が傷付かないように、非接触式の測定機が用いられる。測定機は、第1主面211の中央領域211A、及び第2主面212の中央領域の表面形状を測定する。
ステップS105は、ステップS104の測定結果を参照し、平坦度を向上すべく、ガラス基板210の第1主面211及び第2主面212を局所加工することを含む。第1主面211と第2主面212は、順番に局所加工される。その順番は、どちらが先でもよく、特に限定されない。
局所加工には、例えば、GCIB(Gas Cluster Ion Beam)法、PCVM(Plasma Chemical Vaporization Machining)法、磁性流体による研磨法、及び回転研磨工具による研磨から選ばれる少なくとも1つが用いられる。
ステップS106は、ガラス基板210の第1主面211及び第2主面212の仕上げ研磨を行うことを含む。第1主面211及び第2主面212は、本実施形態では不図示の両面研磨機で同時に研磨されるが、不図示の片面研磨機で順番に研磨されてもよい。ステップS106では、研磨パッドとガラス基板210の間に研磨スラリーを供給しながら、ガラス基板210を研磨する。研磨スラリーは、研磨剤を含む。研磨剤は、例えばコロイダルシリカ粒子である。
ステップS107は、ガラス基板210の第2主面212の中央領域に、図4に示す導電膜240を形成することを含む。導電膜240は、後述するEUVマスク201(図5参照)を露光装置の静電チャックに吸着するのに用いられる。導電膜240は、例えば窒化クロム(CrN)などで形成される。導電膜240の成膜方法としては、例えばスパッタリング法が用いられる。
ステップS108は、ガラス基板210の第1主面211の中央領域211Aに、図4に示す多層反射膜220を形成することを含む。多層反射膜220は、EUVを反射する。多層反射膜220は、例えば高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層したものである。高屈折率層は例えばシリコン(Si)で形成され、低屈折率層は例えばモリブデン(Mo)で形成される。多層反射膜220の成膜方法としては、例えばイオンビームスパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法などのスパッタリング法が用いられる。
ステップS109は、ステップS108で形成された多層反射膜220の上に、図4に示す吸収膜230を形成することを含む。吸収膜230は、EUVを吸収する。吸収膜230は、位相シフト膜であってもよく、EUVの位相をシフトさせてもよい。吸収膜230は、例えばタンタル(Ta)、クロム(Cr)、パラジウム(Pd)から選ばれる少なくとも1つの元素を含む単金属、合金、窒化物、酸化物、酸窒化物などで形成される。吸収膜230の成膜方法としては、例えばスパッタリング法が用いられる。
なお、ステップS108~S109は、本実施形態ではステップS107の後に実施されるが、ステップS107の前に実施されてもよい。
上記ステップS101~S109により、図4に示すEUVマスクブランク200が得られる。EUVマスクブランク200は、導電膜240と、ガラス基板210と、多層反射膜220と、吸収膜230とをこの順番で有する。なお、EUVマスクブランク200は、導電膜240と、ガラス基板210と、多層反射膜220と、吸収膜230とに加えて、別の膜を含んでもよい。
例えば、EUVマスクブランク200は、更に、低反射膜を含んでもよい。低反射膜は、吸収膜230上に形成される。その後、低反射膜と吸収膜230の両方に、開口パターン231が形成される。低反射膜は、開口パターン231の検査に用いられ、検査光に対して吸収膜230よりも低反射特性を有する。低反射膜は、例えばTaONまたはTaOなどで形成される。低反射膜の成膜方法としては、例えばスパッタリング法が用いられる。
また、EUVマスクブランク200は、更に、保護膜を含んでもよい。保護膜は、多層反射膜220と吸収膜230との間に形成される。保護膜は、吸収膜230に開口パターン231を形成すべく吸収膜230をエッチングする際に、多層反射膜220がエッチングされないように、多層反射膜220を保護する。保護膜は、例えばRu、Si、またはTiOなどで形成される。保護膜の成膜方法としては、例えばスパッタリング法が用いられる。
図5に示すEUVマスク201は、吸収膜230に開口パターン231を形成することで得られる。開口パターン231の形成には、フォトリソグラフィ法およびエッチング法が用いられる。従って、開口パターン231の形成に用いられるレジスト膜が、EUVマスクブランク200に含まれてもよい。
以上、本開示に係るEUVマスクブランク用ガラス部材、その製造方法およびEUVマスクブランク用ガラス基板の製造方法について説明したが、本開示は上記実施形態などに限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、及び組み合わせが可能である。それらについても当然に本開示の技術的範囲に属する。
110 ガラス部材
111 第1主面
112 第2主面

Claims (8)

  1. 第1主面と、前記第1主面とは反対向きの第2主面を有する、EUVマスクブランク用ガラス部材であって、
    少なくとも前記第1主面の所定領域は、算術平均粗さRaが最大となる方向の粗さ曲線において、算術平均粗さRaが1.5μm以上5.0μm以下である、EUVマスクブランク用ガラス部材。
  2. 前記所定領域は、算術平均粗さRaが最大となる方向の粗さ曲線において、スキューネスRskが0.0よりも大きい、請求項1に記載のEUVマスクブランク用ガラス部材。
  3. 前記所定領域は、算術平均粗さRaが最大となる方向の粗さ曲線において、クルトシスRkuが3.0未満である、請求項1に記載のEUVマスクブランク用ガラス部材。
  4. 前記所定領域は、算術平均粗さRaが最大となる方向の粗さ曲線において、平均要素長RSmが200μm~500μmである、請求項1に記載のEUVマスクブランク用ガラス部材。
  5. 前記所定領域は、前記第1主面の外周部である、請求項1に記載のEUVマスクブランク用ガラス部材。
  6. ガラスブロックをワイヤーソーでスライスすることで、請求項1~5のいずれか1項に記載のEUVマスクブランク用ガラス部材を得ることを有する、EUVマスクブランク用ガラス部材の製造方法。
  7. 請求項1~5のいずれか1項に記載のEUVマスクブランク用ガラス部材の前記第1主面を研削することで、EUVマスクブランク用ガラス基板を得ることを有する、EUVマスクブランク用ガラス基板の製造方法。
  8. 請求項1~5のいずれか1項に記載のEUVマスクブランク用ガラス部材の前記第1主面を第1研削機で研削することと、前記第1研削機で研削した前記第1主面を第2研削機で研削することと、を有し、
    さらに請求項1~5のいずれか1項に記載のEUVマスクブランク用ガラス部材の前記第1主面を前記第1研削機で研削することなく前記第2研削機で研削することを有する、EUVマスクブランク用ガラス基板の製造方法。
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