JP2022179998A - 回転加工ツール、基板の加工方法、及び反射型マスクブランクの製造方法 - Google Patents

回転加工ツール、基板の加工方法、及び反射型マスクブランクの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加工精度を向上する、技術を提供すること。【解決手段】回転加工ツールは、研磨パッドが貼付される貼付部と、前記貼付部を保持する保持部と、前記保持部を回転させる回転軸と、を備える。前記貼付部は、前記研磨パッドが貼付される貼付面を有し、前記貼付面は、その全体が球面の一部を切り欠いた形状である。前記回転軸の回転中心線と前記貼付面の交点における前記貼付面の曲率中心を平坦面の基準点を通る法線上に配置し、且つ前記回転中心線を前記法線に対して15°傾けた状態で前記回転軸を360°回転させたときに、下記Dが0mm~0.15mmであり、且つ下記ΔRaveが0mm~0.15mmである。Dは、前記貼付面と前記平坦面との接触点の振れ幅である。ΔRaveは、前記接触点と前記曲率中心の距離Rと、前記交点と前記曲率中心の距離R0との差ΔR(ΔR=|R-R0|)の平均値である。【選択図】図8

Description

本開示は、回転加工ツール、基板の加工方法、及び反射型マスクブランクの製造方法に関する。
近年、半導体デバイスの微細化に伴い、極端紫外線(Extreme Ultra-Violet:EUV)を用いた露光技術であるEUVリソグラフィー(EUVL)が開発されている。EUVとは、軟X線および真空紫外線を含み、具体的には波長が0.2nm~100nm程度の光のことである。現時点では、13.5nm程度の波長のEUVが主に検討されている。
EUVLでは、反射型マスクが用いられる。反射型マスクは、ガラス基板などの基板と、基板の上に形成される多層反射膜と、多層反射膜の上に形成される吸収膜と、を含む。吸収膜には、開口パターンが形成される。EUVLでは、吸収膜の開口パターンを半導体基板に転写する。
反射型マスクの製造においては、開口パターンの転写精度を向上すべく、基板の表面を平坦化することが重要である。基板の表面は、回転加工ツールなどで研磨され、平坦化される。
特許文献1には、石英ガラス基板の加工方法が開示されている。この加工方法は、回転加工ツールの研磨加工部を石英ガラス基板表面に1mm~500mmの接触面積で接触させ、研磨加工部を回転させながら移動させて、基板表面を研磨する。
特開2010-194705号公報
従来から、回転加工ツールを用いて基板を加工することが検討されている。回転加工ツールは、研磨パッドが貼付される貼付部を備える。研磨パッドは、消耗品であるので、交換可能に貼付部に貼付される。
貼付部は、研磨パッドが貼付される貼付面の全体が球面の一部を切り欠いた形状であることがある。それゆえ、研磨パッドは、物体を研磨する研磨面の全体が球面の一部を切り欠いた形状であることがある。
貼付部の貼付面、又は研磨パッドの研磨面の真球度が悪いと、回転軸の回転中に研磨レートが変動してしまい、加工精度が低下してしまう。
本開示の一態様は、回転加工ツールの加工精度を向上する、技術を提供する。
本開示の第1態様に係る回転加工ツールは、研磨パッドが貼付される貼付部と、前記貼付部を保持する保持部と、前記保持部を回転させる回転軸と、を備える。前記貼付部は、前記研磨パッドが貼付される貼付面を有し、前記貼付面は、その全体が球面の一部を切り欠いた形状である。前記回転軸の回転中心線と前記貼付面の交点における前記貼付面の曲率中心を平坦面の基準点を通る法線上に配置し、且つ前記回転中心線を前記法線に対して15°傾けた状態で前記回転軸を360°回転させたときに、下記Dが0mm~0.15mmであり、且つ下記ΔRaveが0mm~0.15mmである。Dは、前記貼付面と前記平坦面との接触点の振れ幅である。ΔRaveは、前記接触点と前記曲率中心の距離Rと、前記交点と前記曲率中心の距離R0との差ΔR(ΔR=|R-R0|)の平均値である。
本開示の第2態様に係る回転加工ツールは、研磨パッドと、前記研磨パッドが貼付される貼付部と、前記貼付部を保持する保持部と、前記保持部を回転させる回転軸と、を備える。前記貼付部は、前記研磨パッドが貼付される貼付面を有し、前記貼付面は、その全体が球面の一部を切り欠いた形状である。前記研磨パッドは、物体を研磨する研磨面を有し、前記研磨面は、その全体が球面の一部を切り欠いた形状である。前記回転軸の回転中心線と前記研磨面の交点における前記研磨面の曲率中心を平坦面の基準点を通る法線上に配置し、且つ前記回転中心線を前記法線に対して15°傾けた状態で前記回転軸を360°回転させたときに、下記dが0mm~0.15mmであり、且つ下記Δraveが0mm~0.15mmである。dは、前記研磨面と前記平坦面との接触点の振れ幅である。Δraveは、前記接触点と前記曲率中心の距離rと、前記交点と前記曲率中心の距離r0との差Δr(Δr=|r-r0|)の平均値である。
本開示の第1態様によれば、貼付面の真球度を所定のパラメータで管理することで、回転軸の回転中に研磨レートが変動するのを抑制でき、加工精度を向上できる。
本開示の第2態様によれば、研磨面の真球度を所定のパラメータで管理することで、回転軸の回転中に研磨レートが変動するのを抑制でき、加工精度を向上できる。
図1は、一実施形態に係る反射型マスクブランクの製造方法を示すフローチャートである。 図2は、基板の一例を示す断面図である。 図3は、図2の基板の平面図である。 図4は、反射型マスクブランクの一例を示す断面図である。 図5は、反射型マスクの一例を示す断面図である。 図6は、一実施形態に係る回転加工ツールを示す断面図である。 図7は、図6の一部を拡大して示す断面図である。 図8は、貼付面の真球度の測定方法の一例を示す図である。 図9は、図8の接触点の軌道の一例を示す図である。 図10は、図9の接触点の振れ幅Dの一例を示す図である。 図11は、研磨面の真球度の測定方法の一例を示す図である。 図12は、図11の接触点の軌道の一例を示す図である。 図13は、図12の接触点の振れ幅dの一例を示す図である。 図14は、例7で使用した回転加工ツールを示す断面図である。
以下、本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。各図面において同一の又は対応する構成には同一の符号を付し、説明を省略することがある。明細書中、数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
図1に示すように、反射型マスクブランクの製造方法は、ステップS1~S7を有する。反射型マスクブランクの製造には、例えば図2及び図3に示す基板2を用いる。基板2は、第1主表面21と、第1主表面21とは反対向きの第2主表面22とを含む。第1主表面21は、矩形状である。本明細書において、矩形状とは、角に面取加工を施した形状を含む。また、矩形は、正方形を含む。第2主表面22は、第1主表面21とは反対向きである。第2主表面22も、第1主表面21と同様に、矩形状である。
また、基板2は、4つの端面23と、4つの第1面取面24と、4つの第2面取面25とを含む。端面23は、第1主表面21及び第2主表面22に対して垂直である。第1面取面24は、第1主表面21と端面23の境界に形成される。第2面取面25は、第2主表面22と端面23の境界に形成される。第1面取面24及び第2面取面25は、本実施形態では、いわゆるC面取面であるが、R面取面であってもよい。
基板2は、例えばガラス基板である。基板2のガラスは、TiOを含有する石英ガラスが好ましい。石英ガラスは、一般的なソーダライムガラスに比べて、線膨張係数が小さく、温度変化による寸法変化が小さい。石英ガラスは、SiOを80質量%~95質量%、TiOを4質量%~17質量%含んでよい。TiO含有量が4質量%~17質量%であると、室温付近での線膨張係数が略ゼロであり、室温付近での寸法変化がほとんど生じない。石英ガラスは、SiOおよびTiO以外の第三成分又は不純物を含んでもよい。
平面視にて基板2のサイズは、例えば縦152mm、横152mmである。縦寸法及び横寸法は、152mm以上であってもよい。
基板2は、第1主表面21に中央領域27と周縁領域28とを有する。中央領域27は、その中央領域27を取り囲む矩形枠状の周縁領域28を除く、縦142mm、横142mmの正方形の領域であり、ステップS1~S4によって所望の平坦度に加工される領域であり、品質保証領域である。中央領域27の4つの辺は、4つの端面23に平行である。中央領域27の中心は、第1主表面21の中心に一致する。
なお、図示しないが、基板2の第2主表面22も、第1主表面21と同様に、中央領域と、周縁領域とを有する。第2主表面22の中央領域は、第1主表面21の中央領域と同様に、縦142mm、横142mmの正方形の領域であって、図1のステップS1~S4によって所望の平坦度に加工される領域であり、品質保証領域である。
先ず、ステップS1では、基板2の第1主表面21及び第2主表面22を研磨する。第1主表面21及び第2主表面22は、本実施形態では不図示の両面研磨機で同時に研磨されるが、不図示の片面研磨機で順番に研磨されてもよい。ステップS1では、研磨パッドと基板2の間に研磨スラリーを供給しながら、基板2を研磨する。
研磨パッドとしては、例えばウレタン系研磨パッド、不織布系研磨パッド、又はスウェード系研磨パッドなどが用いられる。研磨スラリーは、研磨剤と分散媒とを含む。研磨剤は、例えば酸化セリウム粒子である。分散媒は、例えば水又は有機溶剤である。第1主表面21及び第2主表面22は、異なる材質又は粒度の研磨剤で、複数回研磨されてもよい。
なお、ステップS1で用いられる研磨剤は、酸化セリウム粒子には限定されない。例えば、ステップS1で用いられる研磨剤は、酸化シリコン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化チタン粒子、ダイヤモンド粒子、又は炭化珪素粒子などであってもよい。
次に、ステップS2では、基板2の第1主表面21及び第2主表面22の表面形状を測定する。表面形状の測定には、例えば、表面が傷付かないように、レーザー干渉式などの非接触式の測定機が用いられる。測定機は、第1主表面21の中央領域27、及び第2主表面22の中央領域の表面形状を測定する。
次に、ステップS3では、ステップS2の測定結果を参照し、平坦度を向上すべく、基板2の第1主表面21及び第2主表面22を局所加工する。第1主表面21と第2主表面22は、順番に局所加工される。その順番は、どちらが先でもよく、特に限定されない。
局所加工の方法は、後述する回転加工ツール100を用いた研磨法などである。なお、局所加工の方法として、GCIB(Gas Cluster Ion Beam)法、PCVM(Plasma Chemical Vaporization Machining)法、又は磁性流体による研磨法が併用されてもよい。
次に、ステップS4では、基板2の第1主表面21及び第2主表面22の仕上げ研磨を行う。第1主表面21及び第2主表面22は、本実施形態では不図示の両面研磨機で同時に研磨されるが、不図示の片面研磨機で順番に研磨されてもよい。ステップS4では、研磨パッドと基板2の間に研磨スラリーを供給しながら、基板2を研磨する。研磨スラリーは、研磨剤を含む。研磨剤は、例えばコロイダルシリカ粒子である。
次に、ステップS5では、基板2の第1主表面21の中央領域27に、図4に示す導電膜5を形成する。導電膜5は、反射型マスクを露光装置の静電チャックに吸着するのに用いられる。導電膜5は、例えば窒化クロム(CrN)などで形成される。導電膜5の成膜方法としては、例えばスパッタリング法が用いられる。
次に、ステップS6では、基板2の第2主表面22の中央領域に、図4に示す多層反射膜3を形成する。多層反射膜3は、EUVを反射する。多層反射膜3は、例えば高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層したものである。高屈折率層は例えばシリコン(Si)で形成され、低屈折率層は例えばモリブデン(Mo)で形成される。多層反射膜3の成膜方法としては、例えばイオンビームスパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法などのスパッタリング法が用いられる。
最後に、ステップS7では、ステップS6で形成された多層反射膜3の上に、図4に示す吸収膜4を形成する。吸収膜4は、EUVを吸収する。吸収膜4は、例えばタンタル(Ta)、クロム(Cr)、パラジウム(Pd)から選ばれる少なくとも1つの元素を含む単金属、合金、窒化物、酸化物、酸窒化物などで形成される。吸収膜4の成膜方法としては、例えばスパッタリング法が用いられる。
なお、ステップS6~S7は、本実施形態ではステップS5の後に実施されるが、ステップS5の前に実施されてもよい。
上記ステップS1~S7により、図4に示す反射型マスクブランク1が得られる。反射型マスクブランク1は、第1主表面11と、第1主表面11とは反対向きの第2主表面12とを有し、第1主表面11の側から第2主表面12の側に、導電膜5と、基板2と、多層反射膜3と、吸収膜4とをこの順番で有する。
反射型マスクブランク1は、図示しないが、基板2と同様に、第1主表面11に中央領域と周縁領域とを有する。中央領域は、その中央領域を取り囲む矩形枠状の周縁領域を除く、縦142mm、横142mmの正方形の領域であり、品質保証領域である。また、反射型マスクブランク1は、基板2と同様に、第2主表面12にも中央領域と周縁領域とを有する。中央領域は、その中央領域を取り囲む矩形枠状の周縁領域を除く、縦142mm、横142mmの正方形の領域であり、品質保証領域である。
なお、反射型マスクブランク1は、導電膜5と、基板2と、多層反射膜3と、吸収膜4とに加えて、別の膜を含んでもよい。
例えば、反射型マスクブランク1は、更に、低反射膜を含んでもよい。低反射膜は、吸収膜4上に形成される。その後、低反射膜と吸収膜4の両方に、開口パターン41が形成される。低反射膜は、開口パターン41の検査に用いられ、検査光に対して吸収膜4よりも低反射特性を有する。低反射膜は、例えばTaONまたはTaOなどで形成される。低反射膜の成膜方法としては、例えばスパッタリング法が用いられる。
また、反射型マスクブランク1は、更に、保護膜を含んでもよい。保護膜は、多層反射膜3と吸収膜4との間に形成される。保護膜は、吸収膜4に開口パターン41を形成すべく吸収膜4をエッチングする際に、多層反射膜3がエッチングされないように、多層反射膜3を保護する。保護膜は、例えばRu、Si、またはTiOなどで形成される。保護膜の成膜方法としては、例えばスパッタリング法が用いられる。
図5に示すように、反射型マスクは、吸収膜4に開口パターン41を形成して得られる。開口パターン41の形成には、フォトリソグラフィ法およびエッチング法が用いられる。従って、開口パターン41の形成に用いられるレジスト膜が、反射型マスクブランク1に含まれてもよい。
次に、図6~図7を参照して、回転加工ツール100について説明する。回転加工ツール100は、図1のステップS3で用いられ、基板2を平坦化するのに用いられる。回転加工ツール100は、研磨パッド101を回転させながら基板2の加工面に接触させ、加工面を研磨する。
基板2の加工面には、研磨剤を含むスラリーが供給されてもよい。研磨剤としては、酸化セリア粒子、酸化シリコン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化チタン粒子、ダイヤモンド粒子、又は炭化珪素粒子などが用いられる。研磨剤の平均粒径は、例えば10nm~10μmである。研磨剤の分散媒は、水でも有機溶剤でもよい。
基板2の加工面は、図6では第2主表面22であるが、第1主表面21であってもよい。基板2は、加工面が略垂直に立つように保持される。不図示の制御装置が、回転加工ツール100と基板2を相対的に移動させ、研磨パッド101を加工面の全体に当てる。制御装置は、コンピュータなどである。
基板2の加工面は、凹凸を有する。凸部の研磨量が凹部の研磨量よりも多くなるように、制御装置が回転加工ツール100と基板2の相対的な移動速度を制御する。具体的には、制御装置は、凸部における移動速度を、凹部における移動速度よりも遅く制御する。移動速度は、例えば1mm/s~3000mm/sの範囲で設定される。
制御装置は、回転加工ツール100と基板2の相対的な移動速度の他に、回転加工ツール100の回転数、及び研磨パッド101を基板2に押し付ける研磨圧などを制御する。
回転加工ツール100の回転数は、例えば100rpm~10000rpmである。回転数が100rpm以上であれば、研磨レートが速い。一方、回転数が10000rpm以下であれば、傷が発生しにくい。回転数は、好ましくは500rpm~7000rpmであり、より好ましくは1000rpm~5000rpmである。
研磨パッド101を基板2に押し付ける研磨圧は、例えば10kPa~5MPaである。研磨圧が10kPa以上であれば、研磨レートが速い。一方、研磨圧が5MPa以下であれば、傷が発生しにくい。研磨圧は、好ましくは100kPa~4MPaである。
回転加工ツール100は、基板2の加工面の法線N1に対して、回転加工ツール100の回転中心線130Rを傾斜させた状態で、研磨パッド101を基板2の加工面に接触させる。
法線N1に対する回転中心線130Rの傾斜角θは、例えば5°~85°であり、好ましくは10°~80°であり、より好ましくは15°~60°である。本実施形態の傾斜角θは、15°である。
回転加工ツール100は、図6に示すように、例えば、研磨パッド101が貼付される貼付部110と、貼付部110を保持する保持部120と、保持部120を回転させる回転軸130と、を備える。研磨パッド101は、消耗品であるので、交換可能に貼付部110に貼付される。回転加工ツール100は、研磨パッド101とは別に流通してもよいし、研磨パッド101とセットで流通してもよい。
貼付部110は、特に限定されないが、図7に示すように、例えば、研磨パッド101が貼付される貼付面111を形成する球欠部112と、球欠部112の平面113に設けられる円柱部114と、を含む。円柱部114は、球欠部112の平面113の中央に設けられ、平面113から垂直に突き出している。貼付部110の材質は、例えばゴムである。
貼付部110の材質であるゴムは、アスカーゴム硬度計A型で測定した硬度が例えばA50~A75である。硬度がA50以上であれば、貼付部110の過度な変形を抑制できる。一方、硬度がA75以下であれば、後述する真球度のばらつきを吸収し、加工精度を向上できる。硬度は、好ましくはA65~A70である。
保持部120は、図7に示すように、例えば、貼付部110の円柱部114を取り囲み、球欠部112の平面113に接触する円筒部121を含む。保持部120は、円筒部121の一端にフランジ部122を更に含んでもよい。フランジ部122は、回転軸130の先端に設けた円盤部131(図6参照)に対して、不図示のボルトなどで取付けられる。保持部120の材質は、例えばアルミニウムなどの金属である。
貼付部110は、インサート成形などによって保持部120と一体化されてもよいし、保持部120とは別に成形された後、保持部120に圧入され固定されてもよい。
ところで、貼付部110は、図7に示すように、研磨パッド101が貼付される貼付面111を有する。貼付面111は、その全体が球面の一部を切り欠いた形状である。研磨パッド101は、物体を研磨する研磨面102を有する。研磨面102は、その全体が球面の一部を切り欠いた形状である。
本発明者は、貼付部110の貼付面111、又は研磨パッド101の研磨面102の真球度を所定のパラメータで管理すれば、回転軸130の回転中に研磨レートが変動してしまうのを抑制でき、加工精度を向上できることを見出した。
次に、図8~図10を参照して、貼付部110の貼付面111の真球度について説明する。図8において、P1は回転軸130の回転中心線130Rと貼付面111の交点であり、CR1は交点P1における貼付面111の曲率中心であり、P0は平坦面150の基準点であり、N2は平坦面150の基準点P0を通る法線である。
曲率中心CR1は、回転中心線130Rを中心に放射状に配置される10個の断面の各々で測定し、その測定値の平均値を採用する。10個の断面は、回転中心線130Rの周りに等ピッチ(18°ピッチ)で配置される。平坦面150は、例えばガラス板を研磨したものである。平坦面150のPV(Peak to Valley)値は、50nm以下である。
本実施形態によれば、曲率中心CR1を法線N2上に配置し、且つ回転中心線130Rを法線N2に対して15°傾けた状態で回転軸130を360°回転させたときに、下記Dが0mm~0.15mmであり、且つ下記ΔRaveが0mm~0.15mmである。D及びΔRaveは、いずれも、貼付面111の真球度を表す物性値である。D及びΔRaveは、いずれも、貼付面111を平坦面150に押し付ける荷重を一定(約1N)に制御した状態で計測する。
Dは、図10に示すように、貼付面111と平坦面150との接触点P2の振れ幅である。貼付面111が完全な球面ではない場合、回転軸130を回転させると、接触点P2は図8に示すX軸上で基準点P0の左右に振れる。図8は、接触点P2と基準点P0とが一致した状態を示す。接触点P2の位置は、回転中心線130Rを中心に回転軸130を18°回転させる度に計測し、合計20回計測する(図9参照)。20回の計測データの振れ幅をDとして採用する。Dが小さいほど、貼付面111の真球度が高い。
ΔRaveは、接触点P2と曲率中心CR1の距離Rと、交点P1と曲率中心CR1の距離R0との差ΔR(ΔR=|R-R0|)の平均値である。ΔRは、回転中心線130Rを中心に回転軸130を18°回転させる度に計測し、20個の接触点P2で計測する。ΔRaveが小さいほど、貼付面111の真球度が高い。
Dが0mm~0.15mmであり、且つΔRaveが0mm~0.15mmであれば、貼付面111の真球度が十分に高い。それゆえ、回転軸130の回転中に研磨レートが変動してしまうのを抑制でき、加工精度を向上できる。Dは、好ましくは0.10mm以下であり、より好ましくは0.05mm以下である。ΔRaveは、好ましくは0.10mm以下であり、より好ましくは0.05mm以下である。
次に、図11~図13を参照して、研磨パッド101の研磨面102の真球度について説明する。図11において、P3は回転軸130の回転中心線130Rと研磨面102の交点であり、CR2は交点P3における研磨面102の曲率中心であり、P0は平坦面150の基準点であり、N2は平坦面150の基準点P0を通る法線である。
曲率中心CR2は、回転中心線130Rを中心に放射状に配置される10個の断面の各々で測定し、その測定値の平均値を採用する。10個の断面は、回転中心線130Rの周りに等ピッチ(18°ピッチ)で配置される。
本実施形態によれば、曲率中心CR2を法線N2上に配置し、且つ回転中心線130Rを法線N2に対して15°傾けた状態で回転軸130を360°回転させたときに、下記dが0mm~0.15mmであり、且つ下記Δraveが0mm~0.15mmである。d及びΔraveは、いずれも、研磨面102の真球度を表す物性値である。d及びΔraveは、いずれも、研磨面102を平坦面150に押し付ける荷重を一定(約1N)に制御した状態で計測する。
dは、図13に示すように、研磨面102と平坦面150との接触点P4の振れ幅である。研磨面102が完全な球面ではない場合、回転軸130を回転させると、接触点P4は図11に示すX軸上で基準点P0の左右に振れる。図11は、接触点P4と基準点P0とが一致した状態を示す。接触点P4の位置は、回転中心線130Rを中心に回転軸130を18°回転させる度に計測し、合計20回計測する(図12参照)。20回の計測データの振れ幅をdとして採用する。dが小さいほど、研磨面102の真球度が高い。
Δraveは、接触点P4と曲率中心CR2の距離rと、交点P3と曲率中心CR2の距離r0との差Δr(Δr=|r-r0|)の平均値である。Δrは、回転中心線130Rを中心に回転軸130を18°回転させる度に計測し、20個の接触点P4で計測する。Δraveが小さいほど、研磨面102の真球度が高い。
dが0mm~0.15mmであり、且つΔraveが0mm~0.15mmであれば、研磨面102の真球度が十分に高い。それゆえ、回転軸130の回転中に研磨レートが変動してしまうのを抑制でき、加工精度を向上できる。dは、好ましくは0.10mm以下であり、より好ましくは0.05mm以下である。Δraveは、好ましくは0.10mm以下であり、より好ましくは0.05mm以下である。
次に、実験データについて説明する。例1~例7では、表1に示す回転加工ツールを用いて、ガラス板の局所加工を実施した。局所加工の条件は、表1に示す条件以外、同一に設定した。表1に、条件と結果を示す。例1~例5が実施例であり、例6~例7が比較例である。
Figure 2022179998000002
表1において、局所加工前のPV値と、局所加工後の形状誤差は、Corning Tropel社製の平坦度測定装置(商品名:Ultra Flat 200Mask)を用いて測定した。また、局所加工前のPV値と、局所加工後の形状誤差は、図3に示す中央領域27で測定した。局所加工後の形状誤差は、局所加工における目標の面形状と、局所加工で得られた実際の面形状との最大誤差である。
表1から明らかなように、例1~例5では、Dが0mm~0.15mmであり、且つΔRaveが0mm~0.15mmであったので、貼付面111の真球度が十分に高く、例6~例7に比べて高い加工精度が得られた。また、例1~例5では、dが0mm~0.15mmであり、且つΔraveが0mm~0.15mmであったので、研磨面102の真球度が十分に高く、例6~例7に比べて高い加工精度が得られた。
例7では、図14に示すように、貼付部110が、湾曲板状であり、ガラス板に押し当てたときに変形しやかった。それゆえ、Dが0.15mmよりも大きく、また、Δraveが0.15mmよりも大きく、加工精度が低かった。
以上、本開示に係る回転加工ツール、基板の加工方法、及び反射型マスクブランクの製造方法について説明したが、本開示は上記実施形態などに限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、及び組み合わせが可能である。それらについても当然に本開示の技術的範囲に属する。
100 回転加工ツール
101 研磨パッド
102 研磨面
110 貼付部
111 貼付面
120 保持部
130 回転軸
130R 回転中心線
N2 法線
P0 基準点
P1 交点
P2 接触点
CR1 曲率中心

Claims (7)

  1. 研磨パッドが貼付される貼付部と、前記貼付部を保持する保持部と、前記保持部を回転させる回転軸と、を備える、回転加工ツールであって、
    前記貼付部は、前記研磨パッドが貼付される貼付面を有し、前記貼付面は、その全体が球面の一部を切り欠いた形状であり、
    前記回転軸の回転中心線と前記貼付面の交点における前記貼付面の曲率中心を平坦面の基準点を通る法線上に配置し、且つ前記回転中心線を前記法線に対して15°傾けた状態で前記回転軸を360°回転させたときに、前記貼付面と前記平坦面との接触点の振れ幅Dが0mm~0.15mmであり、且つ前記接触点と前記曲率中心の距離Rと、前記交点と前記曲率中心の距離R0との差ΔR(ΔR=|R-R0|)の平均値ΔRaveが0mm~0.15mmである、回転加工ツール。
  2. 研磨パッドと、前記研磨パッドが貼付される貼付部と、前記貼付部を保持する保持部と、前記保持部を回転させる回転軸と、を備える、回転加工ツールであって、
    前記貼付部は、前記研磨パッドが貼付される貼付面を有し、前記貼付面は、その全体が球面の一部を切り欠いた形状であり、
    前記研磨パッドは、物体を研磨する研磨面を有し、前記研磨面は、その全体が球面の一部を切り欠いた形状であり、
    前記回転軸の回転中心線と前記研磨面の交点における前記研磨面の曲率中心を平坦面の基準点を通る法線上に配置し、且つ前記回転中心線を前記法線に対して15°傾けた状態で前記回転軸を360°回転させたときに、前記研磨面と前記平坦面との接触点の振れ幅dが0mm~0.15mmであり、且つ前記接触点と前記曲率中心の距離rと、前記交点と前記曲率中心の距離r0との差Δr(Δr=|r-r0|)の平均値Δraveが0mm~0.15mmである、回転加工ツール。
  3. 前記貼付部は、前記貼付面を形成する球欠部と、前記球欠部の平面に設けられる円柱部と、を含み、
    前記保持部は、前記円柱部を取り囲み、前記球欠部の前記平面に接触する円筒部を含む、請求項1又は2に記載の回転加工ツール。
  4. 前記貼付部は、ゴムである、請求項1~3のいずれか1項に記載の回転加工ツール。
  5. 前記ゴムは、アスカーゴム硬度計A型で測定した硬度がA50~A75である、請求項4に記載の回転加工ツール。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の回転加工ツールを用いて基板を平坦化することを含む、基板の加工方法。
  7. 請求項1~5のいずれか1項に記載の回転加工ツールを用いて基板を平坦化することと、
    前記平坦化した前記基板の主表面に、多層反射膜を形成することと、
    前記多層反射膜の上に、吸収膜を形成することと、
    を含む、反射型マスクブランクの製造方法。
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