JP2023162621A - 車両の制動制御装置 - Google Patents

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Jun Shinozaki
崇史 飯田
Takeshi Iida
政行 内藤
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Abstract

【課題】制動制御装置において、電気モータと流体ポンプを接続する連結部の異常を検出すること。【解決手段】制動制御装置は、一方向のみに回転可能な流体ポンプと、正転方向に回転することで、連結部を介して、流体ポンプを一方向に駆動する電気モータと、流体ポンプの吐出部と吸入部とを接続する流体路に設けられ、流体ポンプが吐出する制動液を出力圧に増加することで、ホイールシリンダのホイール圧を増加する差圧弁と、電気モータ、及び、差圧弁を駆動するコントローラと、を備える。コントローラは、電気モータを正転方向とは反対の逆転方向に駆動する場合に、電気モータの回転角に基づいて連結部が正常であるか異常であるかの適否判定を行う。例えば、コントローラは、回転角が所定角よりも大きい場合に連結部が異常であることを判定する。【選択図】図3

Description

本開示は、車両の制動制御装置に関する。
出願人は、電気モータと流体ポンプを接続するカップリング装置において、特許文献1に記載されるように、寿命が長く回転力を円滑且つ静粛に伝達可能なものを開発している。ところで、カップリング装置(「連結部」ともいう)が制動制御装置に適用される場合には、制動制御装置では、連結部の異常が検出されることが望まれている。
特開2011-080530号公報
本発明の目的は、制動制御装置において、電気モータと流体ポンプを接続する連結部に異常が発生した場合に、この異常が検出され得るものを提供することである。
本発明に係る車両の制動制御装置(SC)は、一方向のみに回転可能な流体ポンプ(QA)と、正転方向(Da)に回転することで、連結部(CA)を介して、前記流体ポンプ(QA)を前記一方向に駆動する電気モータ(MA)と、前記流体ポンプ(QA)の吐出部(Qo)と前記流体ポンプ(QA)の吸入部(Qi)とを接続する流体路(HK)に設けられ、前記流体ポンプ(QA)が吐出する制動液(BF)を出力圧(Pq、Pu)に増加することで、ホイールシリンダ(CW)のホイール圧(Pw)を増加する差圧弁(UA)と、前記電気モータ(MA)、及び、前記差圧弁(UA)を駆動するコントローラ(ECU)と、を備える。
本発明に係る車両の制動制御装置(SC)では、前記コントローラ(ECU)は、前記電気モータ(MA)を前記正転方向(Da)とは反対の逆転方向(Db)に駆動する場合に、前記電気モータ(MA)の回転角(Ka)に基づいて前記連結部(CA)が正常であるか異常であるかの適否判定を行う。例えば、前記コントローラ(ECU)は、前記回転角(Ka)が所定角(kx)よりも大きい場合に前記連結部(CA)が異常であることを判定する。
本発明に係る車両の制動制御装置(SC)は、一方向のみに回転可能な流体ポンプ(QA)と、正転方向(Da)に回転することで、連結部(CA)を介して、前記流体ポンプ(QA)を前記一方向に駆動する電気モータ(MA)と、前記流体ポンプ(QA)の吐出部(Qo)と前記流体ポンプ(QA)の吸入部(Qi)とを接続する流体路(HK)に設けられ、前記流体ポンプ(QA)が吐出する制動液(BF)を出力圧(Pq、Pu)に増加することで、ホイールシリンダ(CW)のホイール圧(Pw)を増加する差圧弁(UA)と、前記出力圧(Pq、Pu)から前記ホイール圧(Pw)に至るまでの液圧伝達経路(HW)に設けられるインレット弁(VI)と、前記電気モータ(MA)、前記差圧弁(UA)、及び、前記インレット弁(VI)を駆動するコントローラ(ECU)と、を備える。
本発明に係る車両の制動制御装置(SC)では、前記コントローラ(ECU)は、前記調圧弁(UA)、及び、前記インレット弁(VI)を閉弁し、前記電気モータ(MA)を前記正転方向(Da)に駆動し、前記電気モータ(MA)の回転が停止する場合の前記回転角(Ka)を第1回転角(K1)として決定し、前記電気モータ(MA)を前記正転方向(Da)とは反対の逆転方向(Db)に駆動し、前記電気モータ(MA)の回転が停止する場合の前記回転角(Ka)を第2回転角(K2)として決定し、前記第1回転角(K1)と前記第2回転角(K2)との偏差(hK)に基づいて前記連結部(CA)が正常であるか異常であるかの適否判定を行う。例えば、前記コントローラ(ECU)は、前記偏差(hK)が所定偏差(hx)よりも大きい場合に、前記連結部(CA)が異常であることを判定する。
本発明に係る車両の制動制御装置(SC)では、前記コントローラ(ECU)は、前記電気モータ(MA)を前記正転方向(Da)とは反対の逆転方向(Db)に駆動する場合に、前記電気モータ(MA)の回転数(Na)に基づいて前記連結部(CA)が正常であるか異常であるかの適否判定を行ってもよい。例えば、前記コントローラ(ECU)は、前記回転数(Na)が所定回転数(nx)よりも大きい場合に前記連結部(CA)が異常であることを判定する。
制動制御装置SCの第1の実施形態を説明するための概略図である。 連結部CAの適否判定の処理を説明するためのフロー図である。 連結部CAの適否判定の動作を説明するための時系列線図である。 制動制御装置SCの第2の実施形態を説明するための概略図である。 制動制御装置SCの第3の実施形態を説明するための概略図である。
<構成部材等の記号、及び、記号末尾の添字>
以下の説明において、「CW」等の如く、同一記号を付された構成部材、演算処理、信号、特性、及び、値は、同一機能のものである。また、制動液BFの循環流KNにおいて、流体ポンプQAの吐出部Qoに近い側(吸入部Qiから離れた側)が「上流側」と称呼され、流体ポンプQAの吸入部Qiに近い側(吐出部Qoから離れた側)が「下流側」と称呼される。
シリンダCM、CS、流体ポンプQA、差圧弁UA、インレット弁VI、ホイールシリンダCW、リザーバRV、RA等は、流体路によって接続される。ここで、「流体路」は、液圧を伝達するよう制動液BFを移動するための経路であり、配管、流体ユニットHU内の流路、ホース等が該当する。以下の説明で、マスタ路HM、ホイール路HW、還流路HK、リザーバ路HR、減圧路HG、サーボ路HV等は流体路である。
<制動制御装置SCの第1実施形態>
図1の概略図を参照して、制動制御装置SCの第1の実施形態について説明する。図1には、制動制御装置SCを構成する流体ユニットHUとして、特開2018-069923号公報のアクチュエータ5(特に、ホイールシリンダCWの一輪分)が模式的に表されている。
第1の実施形態に係る制動制御装置SCは、アンチロックブレーキ制御(「ABS制御」ともいう)、横滑り防止制御(ESC:Electronic Stability Control)、及び、トラクション制御を実行するための汎用の装置である。更に、制動制御装置SCでは、これらの制御に加え、自動制動制御が実行される。自動制動制御は、運転支援装置からの要求減速度に基づいて、障害物との衝突を回避する、或いは、衝突時の被害を軽減するように、自動的に車両を減速するものである。
制動制御装置SCが備えられる車両には、制動操作部材BPが備えられる。制動操作部材(例えば、ブレーキペダル)BPは、運転者が車両を減速するために操作する部材である。また、車両には、制動装置が備えられる。制動装置は、ブレーキキャリパ、摩擦部材(例えば、ブレーキパッド)、及び、回転部材(例えば、ブレーキディスク)にて構成される。ブレーキキャリパには、ホイールシリンダCWが設けられる。ホイールシリンダCWに、ホイール圧Pwが制動制御装置SCから供給されることで、摩擦部材が、車輪WHに固定された回転部材に押し付けられる。これにより、車輪WHには制動力が発生される。詳細には、ホイール圧Pwによって車輪WHに制動トルクが加えられ、この制動トルクによって、車輪WHの制動力が発生する。
車両には、アンチロックブレーキ制御、横滑り防止制御、トラクション制御等を実行するために、各種センサが備えられる。具体的には、車輪WHの回転速度Vw(車輪速度)を検出するよう、車輪速度センサVWが設けられる。また、操舵操作部材の操作量Sa(操舵操作量であって、例えば、操舵角)を検出するよう、操舵操作量センサSAが設けられる。更に、車両(特に、車体)について、ヨーレイトYrを検出するヨーレイトセンサYR、前後加速度Gxを検出する前後加速度センサGX、及び、横加速度Gyを検出する横加速度センサGYが設けられる。これらのセンサ信号は、コントローラECUに入力される。そして、コントローラECUによって、アンチロックブレーキ制御、横滑り防止制御、トラクション制御等が実行される。
車両には、制動操作部材BPの操作に応じて、マスタ圧Pmを発生するマスタシリンダCMが備えられる。マスタシリンダCMには、マスタピストンNMが挿入され、液圧室Rm(「マスタ室」という)が形成される。マスタピストンNMには、制動操作部材BPが接続され、制動操作部材BPの操作に連動して、マスタピストンNMが移動される。マスタシリンダCM(特に、マスタ室Rm)とホイールシリンダCWとは、マスタ路HM、還流路HK、ホイール路HW等の流体路によって接続される。マスタピストンNMの移動によって、マスタシリンダCMからホイールシリンダCWに、マスタ圧Pmが、ホイール圧Pwとして供給される。マスタシリンダCMとホイールシリンダCWとの間に、制動制御装置SCが設けられる。制動制御装置SCは、流体ユニットHU、及び、コントローラECUにて構成される。
≪流体ユニットHU≫
制動制御装置SCの流体ユニットHUによって、マスタ圧Pmが、各ホイールシリンダCWで個別に調整(増減)され、ホイール圧Pwとして、ホイールシリンダCWに供給される。流体ユニットHUは、流体ポンプQA、電気モータMA、差圧弁UA、調圧リザーバRA、インレット弁VI、及び、アウトレット弁VOにて構成される。
流体ポンプQAは、一方向のみに回転可能である(即ち、流体ポンプQAは、他方向には回転できない)。流体ポンプQAにおいて、吸入部Qiと吐出部Qoとは、還流路HK(流体路)によって接続される。還流路HKの吐出部Qoの近傍には、逆止弁GAが設けられる。逆止弁GAによって、流体ポンプQAは、一方向に限って回転することが可能である。逆止弁GAでは、一方側の方向の流れは許容されるが、他方側の方向の流れは阻止される。逆止弁GAは、流体ポンプQAの内部に設けられてもよい。また、流体ポンプQAの回転軸受部にワンウェイクラッチが採用され、流体ポンプQAの回転方向が制限されてもよい。
電気モータMAと流体ポンプQAとは、連結部CAによって接続される。従って、流体ポンプQAは、連結部CAを介して、電気モータMAによって駆動される。ここで、流体ポンプQAの一方向への回転が、電気モータMAの正転方向Daに対応し、流体ポンプQAの他方向の回転が、電気モータMAの逆転方向Dbに対応している。連結部CAが正常である場合には、電気モータMAが正転方向Daに駆動されると、その回転動力が、流体ポンプQAに伝達され、流体ポンプQAが一方向に駆動される。この場合、流体ポンプQAは他方向には回転され得ないので、電気モータMAは逆転方向Dbの運動は、流体ポンプQAによって拘束される。
連結部CAでは、吹き出し部XCAに示すように、電気モータMAの軸部材JMの端部に、モータ回転軸線Jmに平行な平面Mm(「モータ端部平面」という)が形成される。また、流体ポンプQAの軸部材JQの端部に、ポンプ回転軸線Jqに平行な平面Mq(「ポンプ端部平面」という)が形成される。そして、モータ端部平面Mmとポンプ端部平面Mqとの接触によって、動力が伝達される。或いは、モータ端部平面Mmとポンプ端部平面Mqとの間に緩衝部材が設けられ、この緩衝部材を介した接触によって、動力伝達が行われてもよい。例えば、緩衝部材としては、ゴム等の弾性体、若しくは、樹脂が採用される。なお、平面Mm、Mqは、「動力伝達面」と総称される。
連結部CAは、「カップリング」、或いは、「軸継手」とも称呼される。連結部CAによって、2つの軸部材(即ち、モータ軸部材JM、及び、ポンプ軸部材JQ)が連結され、動力が伝達される。例えば、連結部CAとして、オルダム軸継手、たわみ軸継手等が採用される。また、モータ軸部材JM、及び、ポンプ軸部材JQのうちの一方の端部に凸部が形成され、それらのうちの他方の端部に凹部が形成され、凸部が凹部に挿入(例えば、圧入)されることで、連結部CAが構成されてもよい。
電気モータMAには、回転子(ロータ)の回転角Ka(「モータ回転角」ともいう)を検出するよう、回転角センサKAが設けられる。検出されたモータ回転角Kaは、コントローラECUに入力される。そして、コントローラECUでは、モータ回転角Kaに基づいて、モータ回転数Naが演算される。具体的には、モータ回転角Kaが時間微分されて、モータ回転数Naが決定される。
還流路HK(吸入部Qiと吐出部Qoとを接続する流体路)には、常開型の差圧弁UAが設けられる。差圧弁UAは、通電状態(例えば、供給電流Ia)に基づいて開弁量が連続的に制御されるリニア型の電磁弁である。更に、還流路HKには、流体ポンプQAに対して下流側に、調圧リザーバRAが設けられる。詳細には、差圧弁UAと流体ポンプQAの吸入部Qiとの間に調圧リザーバRAが配置される。
還流路HKは、差圧弁UAと調圧リザーバRAとの間の部位Bmにて、マスタ路HM(流体路)を介して、マスタシリンダCMのマスタ室Rmに接続される。また、還流路HKは、逆止弁GAと差圧弁UAとの間の部位Bwにて、ホイール路HW(流体路)を介して、ホイールシリンダCWに接続される。ホイール路HW(「出力圧Pqからホイール圧Pwに至る液圧伝達経路」に相当)には、常開型のインレット弁VIが設けられる。ホイール路HWは、インレット弁VIとホイールシリンダCWとの間の部位Bgにて、減圧路HG(流体路)を介して、流体ポンプQAの吸入部Qi、及び、調圧リザーバRAに接続される。詳細には、還流路HKの調圧リザーバRAと吸入部Qiとの間の部位Biとホイール路HWの部位Bgとは、減圧路HGによって接続される。そして、減圧路HGには、常閉型のアウトレット弁VOが設けられる。インレット弁VI、及び、アウトレット弁VOとして、オン・オフ型の電磁弁が採用される。インレット弁VI、及び、アウトレット弁VOは、各ホイール圧Pwを個別に調節できるよう、ホイールシリンダCW毎に設けられる。
流体ユニットHUが駆動されていない場合(即ち、差圧弁UA、電気モータMA、及び、インレット弁VIに電力が供給されていない場合)には、マスタ室Rmで発生されたマスタ圧Pmは、液圧伝達経路である、マスタ路HM、還流路HK、及び、ホイール路HWを介して、ホイールシリンダCWに供給される。電気モータMAに給電が行われ、電気モータMAが駆動されると、還流路HKには、破線矢印で示すように、「Qo→GA→UA→RA→Qi」の循環流KNが発生する。差圧弁UAに給電が行われず、全開状態にある場合には、還流路HKにおいて、差圧弁UAに対して、上流側の液圧Pq(「調整圧」と称呼し、「出力圧」に相当)と下流側の液圧Pm(マスタ圧)とは等しい(即ち、「Pq=Pm」)。
差圧弁UAへの通電量Ia(供給電流)が増加されると、差圧弁UAの開弁量が減少される。これにより、差圧弁UAによって循環流KN(還流路HK内で循環する制動液BFの流れ)が絞られ、循環流KNの流れが阻害される。換言すれば、差圧弁UAによって、還流路HKの流路が狭められて、差圧弁UAによるオリフィス効果が発揮される。これにより、差圧弁UAの上流側の液圧Pq(調整圧)が下流側の液圧Pm(マスタ圧)から増加される。つまり、循環流KNにおいて、差圧弁UAに対して、調整圧Pqとマスタ圧Pmとの液圧差(差圧)が発生される。この差圧は、差圧弁UAへの供給電流Iaによって調節される。差圧弁UAによって発生された差圧(即ち、調整圧Pq)は、自動制動制御、トラクション制御、及び、横滑り防止制御の実行に利用される。
制動制御装置SCでは、インレット弁VI、及び、アウトレット弁VOが制御されて、ホイール圧Pwの減少、増加、保持が、ホイールシリンダCW毎に個別で行われる。ホイール圧Pwの個別調節は、アンチロックブレーキ制御、トラクション制御、及び、横滑り防止制御の実行に利用される。インレット弁VI、及び、アウトレット弁VOに給電が行われず、それらの作動が停止している場合には、インレット弁VIは開弁され、アウトレット弁VOは閉弁される。この状態では、ホイール圧Pwは、調整圧Pqに等しい。ホイール圧Pwを減少するためには、インレット弁VIが閉弁され、アウトレット弁VOが開弁される。ホイールシリンダCWへの制動液BFの流入が阻止されるとともに、ホイールシリンダCW内の制動液BFが調圧リザーバRAに流出するので、ホイール圧Pwは減少される。ホイール圧Pwを増加するためには、インレット弁VIが開弁され、アウトレット弁VOが閉弁される。但し、ホイール圧Pwの増加の上限は調整圧Pqまでである。制動液BFの調圧リザーバRAへの流出が阻止され、調整圧PqがホイールシリンダCWに供給されるので、ホイール圧Pwが増加される。ホイール圧Pwを保持するためには、インレット弁VI、及び、アウトレット弁VOが共に閉弁される。ホイールシリンダCWは流体的に封止されるので、ホイール圧Pwが一定に維持される。
≪コントローラECU≫
コントローラECU(「電子制御ユニット」ともいう)によって、流体ユニットHUが制御される。コントローラECUは、マイクロプロセッサMP、及び、駆動回路DRにて構成される。
コントローラECU(特に、マイクロプロセッサMP)には、車輪速度Vw、操舵操作量Sa、ヨーレイトYr、横加速度Gy、及び、モータ回転角Kaが入力される。コントローラECUにて、車輪速度Vwに基づいて、車体速度Vxが演算される。そして、車体速度Vx、車輪速度Vw、操舵操作量Sa、ヨーレイトYr、及び、横加速度Gyの信号に基づいて、自動制動制御、アンチロックブレーキ制御、トラクション制御、及び、横滑り防止制御が実行される。具体的には、コントローラECUによって、流体ユニットHUを構成する電気モータMA、及び、各種電磁弁(UA等)が駆動される。コントローラECUの駆動回路DRには、モータ回転角Kaに基づいて、電気モータMAを駆動するよう、スイッチング素子(例えば、MOS-FET)にてHブリッジ回路が構成される。また、駆動回路DRには、各種電磁弁(UA等)を駆動するよう、スイッチング素子が備えられる。マイクロプロセッサMPにプログラムされた制御アルゴリズムに基づいて、差圧弁UAへの供給電流Ia(「差圧弁電流」ともいう)、インレット弁VIへの供給電流Ii(「インレット弁電流」ともいう)、アウトレット弁VOへの供給電流Io、電気モータMAへの供給電流Im(「モータ電流」ともいう)が制御される。駆動回路DRには、差圧弁UAへの供給電流Iaを検出する差圧弁電流センサIA、インレット弁VIへの供給電流Iiを検出するインレット弁電流センサII(非図示)、及び、電気モータMAへの供給電流Imを検出するモータ電流センサIMが設けられる。
更に、コントローラECU(特に、マイクロプロセッサMP)には、「連結部CAが正常であるか、異常であるか」を判定するために、判定ブロックBHが含まれる。該判定が、「適否判定」と称呼される。適否判定ブロックBHには、適否判定用のアルゴリズムがプログラムされている。適否判定は、車両が停止している場合に実行される。例えば、適否判定は、イグニッションスイッチがオンされた場合に、制動制御装置の初期チェックとして実行される。或いは、運転者が乗車するため、車両のドアが開かれた場合(例えば、カーテシスイッチがオンされた場合)に実行されてもよい。
適否判定ブロックBHには、モータ回転角センサKAによって検出されたモータ回転角Kaが入力される。そして、モータ回転角Kaに基づいて、連結部CAが正常であるか、否かの連結部CAについての適否が判定される。具体的には、適否判定ブロックBHでは、適否判定を実行するために、電気モータMA等が駆動される。適否判定における電気モータMA等の駆動が、「判定モード駆動」と称呼される。そして、判定モード駆動が実行される場合のモータ回転角Kaに基づいて、連結部CAの適否(正常であるか、否か)が判定される。
適否判定ブロックBHにて、連結部CAの異常が判定されると、該異常が、報知装置WGによって、運転者に報知される。例えば、コントローラECUの適否判定ブロックBHから、報知信号Wgが報知装置WGに出力される。これにより、報知装置WGでは、音、光等によって、連結部CAの異常状態が、運転者に知らされる。
<連結部CAの適否判定の処理>
図2のフロー図を参照して、適否判定ブロックBHによって実行される適否判定について説明する。適否判定ブロックBHの処理は、コントローラECUにプログラムされている。
≪大小関係の表現≫
電気モータMAに係る状態量(Im、Ka、Na等)において、正転方向Daに対応するものが正符号(+)で表され、逆転方向Dbに対応するものが負符号(-)で表される。これらの大小関係について、正負の符号を考慮して表現すると、説明が煩雑となる。このため、以下の説明では、特に記載がない場合には、大小関係の表現(増減、大小、等)は、それらの絶対値(大きさ)に基づいている。例えば、「Ka>kx」は、モータ回転角Kaの絶対値が、所定角kx(正の値)よりも大きいことを表している。
≪適否判定の第1の処理例≫
適否判定について、第1の判定処理例について説明する。ステップS110にて、電気モータMAが判定モードで駆動される。判定モード駆動では、電気モータMAが逆転方向Db(循環流KNを発生するための正転方向Daとは反対の方向)に駆動される。なお、判定モード駆動は、車両の停止状態(即ち、「Vx=0」の状態)で実行される。
ステップS120にて、電気モータMAが判定モード駆動されている状態で、モータ回転角Kaの信号が取得される。例えば、モータ回転角Kaは、電気モータMAに設けられる回転角センサKAから取得される。ステップS130にて、モータ回転角Kaに基づいて、連結部CAが正常か異常かの適否判定処理が実行される。具体的には、モータ回転角Kaが所定角kx以下である場合(即ち、「Ka≦kx」の場合)には、連結部CAが正常であることが判定される。これに対し、モータ回転角Kaが所定角kxよりも大きい場合(即ち、「Ka>kx」の場合)には、連結部CAが異常であることが判定される。ここで、所定角kxは、予め設定された所定値(定数)である。ステップS130にて、連結部CAの異常が判定される場合には、報知装置WGに対して、報知信号Wgが出力される。報知装置WGによって、連結部CAの異常状態が、運転者に報知される。
連結部CAを介して、電気モータMAと流体ポンプQAとは一体となって回転する。流体ポンプQAは、一方向に限って回転可能であるため、連結部CAが正常であれば、そのガタ分を除いては、電気モータMAは逆転方向Dbには回転できない。換言すれば、電気モータMAが、逆転方向Dbに駆動される状態でのモータ回転角Kaは、連結部CAのガタ(機械的な隙間)に相当する。従って、「Ka≦kx」である場合には、連結部CAのガタは小さく、適正状態であるため、連結部CAは正常であると判定される。これに対し、「Ka>kx」である場合には、連結部CAのガタが増大しているので、連結部CAの異常が判定される。
≪適否判定の第2の処理例≫
適否判定について、第2の判定処理例について説明する。第1の判定処理例の判定モード駆動では、電気モータMAが駆動されるだけで、差圧弁UA、及び、インレット弁VIは駆動されなかった。第2の判定処理例では、電気モータMAの駆動に加え、差圧弁UA、及び、インレット弁VIが共に駆動される。
第2の処理例に係る判定モード駆動では、ステップS110にて、差圧弁UA、及び、インレット弁VIが共に閉弁され、流体ポンプQAの吐出部Qoが封止される。この状態で、電気モータMAが正転方向Daに駆動される。電気モータMAの回転が停止すると、ステップS120にて、モータ回転角Kaが取得され、第1回転角K1として記憶される。そして、処理はステップS110に戻される。
第1回転角K1の設定後、ステップS110にて、電気モータMAが逆転方向Db(正転方向Daとは逆方向)に駆動される。このとき、差圧弁UA、及び、インレット弁VIでは、閉弁状態が維持される。或いは、差圧弁UA、及び、インレット弁VIへの給電が停止され、開弁されてもよい。電気モータMAの回転が停止すると、ステップS120にて、モータ回転角Kaが第2回転角K2として記憶される。そして、処理はステップS130に進められる。
ステップS130にて、第1回転角K1、及び、第2回転角K2に基づいて適否判定の処理が行われる。具体的には、先ず、ステップS130では、第1回転角K1と第2回転角K2との偏差hK(「回転角偏差」という)が演算される(即ち、「hK=K1-K2」)。適否判定開始時のモータ回転角Kaを「0(基準)」にすれば、第1回転角K1は正符号であり、第2回転角K2は負符号であるので、回転角偏差hKは、第1回転角K1の絶対値と第2回転角K2の絶対値との和として決定される。
ステップS130では、回転角偏差hKが所定偏差hx以下である場合(即ち、「hK≦hx」の場合)には、連結部CAが正常であることが判定される。これに対し、回転角偏差hKが所定偏差hxよりも大きい場合(即ち、「hK>hx」の場合)には、連結部CAが異常であることが判定される。ここで、所定偏差hxは、予め設定された所定値(定数)である。上記同様に、連結部CAの異常が判定される場合には、報知装置WGに対して、報知信号Wgが出力される。
連結部CAには、機械的な隙間であるガタが存在する。上記の第1の処理例における判定モード駆動の開始時に、連結部CAの動力伝達面(例えば、モータ端部平面Mm、ポンプ端部平面Mq)の接触状態がどのようになっているかは不明である。つまり、判定モード駆動の開始時点(又は、その直前)の状態において、電気モータMAの正転方向Daに対応する動力伝達面が当接していれば、判定モード駆動により取得されるモータ回転角Kaは、実際のガタと等しい。しかしながら、該状態において、動力伝達面Mm、Mqの間に隙間があると、判定モード駆動でのモータ回転角Kaは、実際のガタよりも小さくなる。第2の処理例では、このことが解消され、より正確に動力伝達面Mm、Mqのガタが検出される。
第2の処理例の判定モード駆動では、先ず、差圧弁UA、及び、インレット弁VIが完全に閉弁される。この場合には、流体ポンプQAの吐出部Qoは流体的に封止されるので、流体ポンプQAは、回転できない状態であるか、若しくは、流体路の剛性により、僅かに回転する程度である。差圧弁UA、及び、インレット弁VIが閉弁された後に、電気モータMAは正転方向Daに駆動される。これにより、電気モータMAの正転方向Daに対応する動力伝達面Mm、Mqが接触し、それらの間の隙間が「0」にされる。電気モータMAの正転方向Daの回転が停止した場合のモータ回転角Kaが、第1回転角K1として決定される。
次に、電気モータMAは、逆転方向Dbに駆動される。そして、電気モータMAの逆転方向Dbの回転が停止した場合のモータ回転角Kaが第2回転角K2として決定される。第1回転角K1と第2回転角K2との偏差である回転角偏差hKが演算される。回転角偏差hKは、正転方向Daの変位と逆転方向Dbの変位との差であるため、第2の処理例では、連結部CAのガタが精度良く検出される。そして、回転角偏差hK(即ち、ガタ)が所定偏差hxよりも拡大している場合には、連結部CAの異常が判定される。なお、電気モータMAが逆転方向Dbに駆動される場合には、電磁弁UA、VIは、閉弁されていてもよいし、開弁されていてもよい。これは、電気モータMAの逆転方向Dbへの回転(即ち、流体ポンプQAの他方向に対応)は、流体ポンプQAによって阻止されるためである。
≪適否判定の第3の処理例≫
適否判定について、第3の判定処理例について説明する。第1、第2の判定処理例では、適否判定がモータ回転角Kaに基づいて実行された。これに代えて、第3の判定処理例では、電気モータMAの回転数Naに基づいて、適否判定が行われる。
ステップS110にて、電気モータMAが判定モードで駆動される。第3処理例の判定モード駆動では、電気モータMAが逆転方向Dbに駆動される。ステップS120にて、電気モータMAが判定モード駆動されている状態で、モータ回転数Naの信号が取得される。例えば、モータ回転数Naは、モータ回転角Kaに基づいて、モータ回転角Kaが時間微分されて演算される。
ステップS130にて、モータ回転数Naに基づいて、連結部CAが正常か異常かの適否判定処理が実行される。具体的には、モータ回転数Naが所定回転数nx以下である場合(即ち、「Na≦nx」の場合)には、連結部CAが正常であることが判定される。これに対し、モータ回転数Naが所定回転数nxよりも大きい場合(即ち、「Na>nx」の場合)には、連結部CAが異常であることが判定される。ここで、所定回転数nxは、予め設定された所定値(定数)であり、例えば、「0」に設定される。ステップS130にて、連結部CAの異常が判定される場合には、報知装置WGに対して、報知信号Wgが出力される。
流体ポンプQAは一方向のみに回転できるので、連結部CAが正常であれば、電気モータMAの回転数Naは、逆転方向Dbには発生しないはずである。しかし、連結部CAが破損した場合には、モータ回転数Naは、逆転方向Dbにも発生する。第3の処理例では、モータ回転数Naが逆転方向Dbに発生する場合(例えば、逆転方向Dbのモータ回転数Naが「0」よりも大きい場合)に、連結部CAの異常が判定される。
<連結部の適否判定の動作>
図3の時系列線図(時間Tの経過に伴う各種状態量の遷移を表す線図)を参照して、適否判定ブロックBHにおける連結部CAの適否判定の動作について説明する。図3(a)は第1処理例に、図3(b)は第2処理例に、図3(c)は第3処理例に、夫々、対応している。図3では、特性線ZTa、ZTb、ZTc(破線で示す)が連結部CAの正常時を示し、特性線ZJa、ZJb、ZJc(実線で示す)が連結部CAの異常時を示している。また、モータ電流Im、モータ回転角Ka、及び、モータ回転数Naにおいて、正符号(+)が電気モータMAの正転方向Da(即ち、流体ポンプQAの一方向)に対応し、負符号(-)が電気モータMAの逆転方向Db(即ち、流体ポンプQAの他方向)に対応している。なお、図3では、判定モード駆動の開始時点のモータ回転角Kaが、「0(基準)」とされて、モータ回転角Kaの正負符号が表現されている。
図3(a)を参照して、第1の処理例について説明する。時点t1にて、判定モード駆動が開始される。時点t1から、逆転方向Dbにモータ回転角Kaが発生するよう、電気モータMAへの供給電流Imの大きさ(絶対値)が「0(非通電)」から増加される(符号を考慮すれば、モータ電流Imは「0」から減少される)。これに対応して、モータ回転角Kaの大きさ(絶対値)が、逆転方向Dbに増加し、電気モータMAが停止し、モータ回転角Kaが一定となる。連結部CAのガタが小さい場合(連結部CAの正常時)には、電気モータMAの回転は、流体ポンプQAによって拘束されるので、逆転方向Dbへのモータ回転角Kaは僅かである(特性線ZTaを参照)。一方、連結部CAのガタが増加している場合(連結部CAの異常時)には、逆転方向Dbへのモータ回転角Kaの大きさ(絶対値)は大きくなる(特性線ZJaを参照)。従って、判定モード駆動における、モータ回転角Ka(例えば、電気モータMAの回転が停止された状態でのモータ回転角Ka)に基づいて、適否判定が実行される。具体的には、モータ回転角Kaが所定角kx以下である場合には、連結部CAのガタは然程増加していないので、その正常状態が判定される。これに対し、モータ回転角Kaが所定角kxよりも大きい場合には、連結部CAのガタが増加しているので、その異常状態が判定される。ここで、所定角kxは、適否判定用のしきい値であり、予め設定された所定の定数である。
図3(b)を参照して、第2の処理例について説明する。時点t2にて、判定モード駆動が開始される。時点t2にて、インレット弁VIへの供給電流Ii(インレット弁電流)が増加され、インレット弁VIが完全に閉弁される。また、差圧弁UAへの供給電流Ia(差圧弁電流)が増加され、差圧弁UAも完全に閉弁される。ここで、差圧弁UAは、開弁量が連続的に調節可能であるため、差圧弁電流Iaは閉弁電流icよりも大きくなるように増加される。ここで、閉弁電流icは、差圧弁UAを完全に閉弁するための電流値であり、予め設定された所定値(定数)である。電磁弁VI、UAの閉弁により、流体ポンプQAは流体的にロックされるので、流体ポンプQAは、一方向のみならず、他方向にも回転できなくなる。
また、時点t2にて、正転方向Daにモータ回転角Kaが発生するよう、電気モータMAへの供給電流Imが「0(非通電)」から増加される。これに対応して、モータ回転角Kaの大きさ(絶対値)が正転方向Daに増加し、動力伝達面Mm、Mqの隙間が減少される。電気モータMAの正転方向Daの回転が停止され、モータ回転角Kaが一定となる。このとき、正転方向Daに対応する動力伝達面Mm、Mqでは、隙間が「0」となるので、第1回転角K1が取得され、記憶される。例えば、連結部CAのガタが小さい場合(連結部CAの正常状態)には、第1回転角K1は値ka(正の値)として決定される(特性線ZTbを参照)。一方、連結部CAのガタが大きい場合(連結部CAの異常状態)には、第1回転角K1は値kc(正の値)として決定される(特性線ZJbを参照)。第1回転角K1が決定された後、電気モータMAは、逆転方向Dbに駆動される。
時点t4から、逆転方向Dbにモータ回転角Kaが増加するよう、電気モータMAへの供給電流Imの大きさ(絶対値)が「0(非通電)」から増加される(符号を考慮すれば、Imは「0」から減少される)。これに対応して、モータ回転角Kaの大きさ(絶対値)が、逆転方向Dbに増加する。電気モータMAの逆転方向Dbの回転が停止され、モータ回転角Kaが一定となる。このとき、逆転方向Dbに対応する動力伝達面Mm、Mqでは、隙間が「0」となるので、第2回転角K2が取得され、記憶される。例えば、連結部CAのガタが小さい場合には、第2回転角K2は値kb(負の値)として決定され、連結部CAのガタが大きい場合には、第2回転角K2は値kd(負の値)として決定される(特性線ZTb、ZJbを参照)。
第2回転角K2が決定された後に、第1回転角K1、及び、第2回転角K2に基づいて、第1回転角K1と第2回転角K2との差である回転角偏差hKが演算される。例えば、第1回転角K1から第2回転角K2が減算されて、回転角偏差hKが決定される。例えば、連結部CAのガタが小さい場合には、回転角偏差hKは値haとして決定され、連結部CAのガタが大きい場合には、回転角偏差hKは値hbとして決定される(特性線ZTb、ZJbを参照)。そして、回転角偏差hKに基づいて、適否判定が行われる。具体的には、回転角偏差hKが所定偏差hx以下である場合には、連結部CAのガタは然程増加していないので、その正常状態が判定される。これに対し、回転角偏差hKが所定偏差hxよりも大きい場合には、連結部CAのガタが増加しているので、その異常状態が判定される。ここで、所定偏差hxは、適否判定用のしきい値であり、予め設定された所定の定数である。
第2の適否判定例では、駆動モード処理において、電磁弁UA、VIが閉弁され、流体ポンプQAが流体的に封止された状態で、電気モータMAが、一旦、正転方向Daに駆動される。これにより、連結部CAの動力伝達面Mm、Mqとの間に存在する隙間が詰められるので、第1の適否判定例に比較して、連結部CAのガタがより高精度で取得され得る。
上述した例では、先に、電気モータMAが正転方向Daに駆動され、その後、電気モータMAが逆転方向Dbに駆動された。第2の適否判定例では、先に、電気モータMAが逆転方向Dbに駆動され、その後、電気モータMAが正転方向Daに駆動されてもよい。また、判定モード駆動の開始時点のモータ回転角Kaが基準点(ゼロ点)として、第1、第2回転角K1、K2が決定された。これに代えて、第1、第2回転角K1、K2の一方が基準点に決定され、第1、第2回転角K1、K2の他方の値が回転角偏差hKとして決定されてもよい。何れにしても、差圧弁UA、及び、インレット弁VIが閉弁され、且つ、電気モータMAが正転方向Daに駆動され、その回転が停止される状態のモータ回転角Kaが第1回転角K1として設定される。また、電気モータMAが逆転方向Dbに駆動され、その回転が停止される状態のモータ回転角Kaが第2回転角K2として設定される。そして、第1回転角K1と第2回転角K2とから算出される回転角偏差hKに基づいて、適否判定が実行される。
図3(c)を参照して、第3の処理例について説明する。時点t5にて、判定モード駆動が開始される。時点t5から、電気モータMAが逆転方向Dbに回転するよう、電気モータMAへの供給電流Imの大きさ(絶対値)が「0(非通電)」から増加される(符号を考慮すれば、モータ電流Imは「0」から減少される)。これに対応して、モータ回転数Naの大きさ(絶対値)が、逆転方向Dbに増加する。連結部CAが正常である場合には、電気モータMAの回転は、流体ポンプQAによって拘束されるので、逆転方向Dbへのモータ回転数Naは発生せず、「0」のままである(特性線ZTcを参照)。一方、連結部CAが異常である場合(例えば、破損している状態)には、逆転方向Dbへのモータ回転数Naが発生する(特性線ZJcを参照)。従って、判定モード駆動において、モータ回転数Naが所定回転数nx以下である場合には、連結部CAの正常状態が判定され、モータ回転数Naが所定回転数nxよりも大きくなる場合には、連結部CAの異常状態が判定される。ここで、所定回転数nxは、適否判定用のしきい値であり、予め設定された所定の定数である。例えば、所定回転数nxは「0」に設定される。また、モータ回転数Naは、モータ回転角Kaに基づいて演算される。
<制動制御装置SCの第2実施形態>
図4の概略図を参照して、制動制御装置SCの第2の実施形態について説明する。図4には、制動制御装置SCを構成する流体ユニットHUとして、特開2019-059294号公報に記載される構成(特に、上部流体ユニットYUの調圧ユニットYC、及び、マスタシリンダCMから前輪ホイールシリンダCWiの一輪分)を模式化したものである。
制動制御装置SCの第2の実施形態が適用される車両には、制動操作部材BPの操作量Ba(「制動操作量」という)を検出する制動操作量センサBAが設けられる。例えば、制動操作量センサBAとして、制動操作部材BPの操作変位Spを検出する操作変位センサSPが設けられる。加えて、ストロークシミュレータSSの液圧Pz(「シミュレータ圧」という)を検出するシミュレータ圧センサPZが採用される。制動制御装置SCにおいては、制動操作量Baは、運転者の制動意志を表す信号の総称であり、制動操作量センサBAは、制動操作量Baを検出するセンサの総称である。制動操作量Baは、コントローラECUに入力される。
制動制御装置SCには、ストロークシミュレータSS(単に、「シミュレータ」ともいう)が設けられる。シミュレータSSによって、制動操作部材BPの操作力Fpが発生される。制動制御装置SCは、ブレーキバイワイヤ型であるため、制動操作部材BPの操作特性(操作変位Spと操作力Fpとの関係)は、シミュレータSSによって発生される。シミュレータ圧Pzを検出するよう、シミュレータ圧センサPZが設けられる。なお、シミュレータ圧Pzは、制動操作部材BPの操作力Fpを表す状態量である。
第1の実施形態に係る流体ユニットHUは、横滑り防止制御等を実行するための汎用ユニットであった。これに対し、制動制御装置SCの第2の実施形態は、ブレーキバイワイヤ型のサービスブレーキ用装置である。制動制御装置SCは、流体ユニットHU、及び、コントローラECUにて構成される。
第2実施形態に係る流体ユニットHUは、サービスブレーキ(「常用ブレーキ」ともいう)のためのユニットである。流体ユニットHUによって、制動操作量Baに応じて、ホイールシリンダCWのホイール圧Pwが調整される。具体的には、ホイール圧Pwは、制動操作量Baが大きいほど、大きくなるように制御される。第1実施形態と同様に、第2実施形態でも、流体ユニットHUには、電気モータMA、流体ポンプQA、差圧弁UA、及び、インレット弁VIが含まれている。
第1実施形態に対する相違点は、第2実施形態では、「流体ポンプQAがマスタリザーバRV(「大気圧リザーバ」ともいう)から制動液BFを吸引できること」、及び、「差圧弁UAによって調整された液圧Pu(「サーボ圧」という)が、制御シリンダCSと制御ピストンNSとを介して、ホイールシリンダCWに、ホイール圧Pwとして伝達されること」である。具体的には、第2実施形態において、液圧は、「Pu→Ps→Pw」の順で伝達される。上述したように、第1実施形態と同一の符号が付された構成要素は、同一機能であるため、主として、相違点について説明する。
電気モータMAと流体ポンプQAとは、連結部CAを介して接続される。電気モータMAの動力は、連結部CAを介して流体ポンプQAに伝達される。電気モータMAには、回転子(ロータ)の回転角Kaを検出するよう、回転角センサKAが設けられる。コントローラECUでは、モータ回転角Kaに基づいて、モータ回転数Naが演算される。
流体ポンプQAにおいて、吸入部Qiと吐出部Qoとは、還流路HKによって接続される。還流路HKには、常開型のリニア型電磁弁である差圧弁UAが設けられる。還流路HKの吐出部Qoの近傍には、逆止弁GAが設けられる。還流路HKは、差圧弁UAの下流側で、吸入部Qiの上流側の部位Br(差圧弁UAと吸入部Qiとの間の部位)にて、リザーバ路HR(流体路)を介して、マスタリザーバRVに接続される。また、還流路HKは、逆止弁GAの下流側で、差圧弁UAの上流側の部位Bs(流体ポンプQAと差圧弁UAとの間の部位)にて、サーボ路HV(流体路)を介して、制御シリンダCSのサーボ室Ruに接続される。
制御シリンダCSには、制御ピストンNSが挿入される。制御シリンダCSの内部は、制御ピストンNSによって、2つの液圧室(「サーボ室Ru」及び「制御室Rs」という)に仕切られている。サーボ室Ruは、サーボ路HVに接続される。また、制御室Rsは、ホイール路HWを介して、ホイールシリンダCWに接続される。ホイール路HW(「出力圧Puからホイール圧Pwに至る液圧伝達経路」に相当)には、常開型のオン・オフ電磁弁であるインレット弁VIが設けられる。
制動操作量Baが「0(ゼロ)」である場合(即ち、非制動時)には、流体ユニットHUは駆動されない。従って、差圧弁UA、電気モータMA、及び、インレット弁VIに電力が供給されない。制動時には、電気モータMAが駆動され、還流路HKには、破線矢印で示すように、「Qo→GA→UA→Qi」の循環流KNが発生される。差圧弁UAに給電が行われず、全開状態にある場合には、還流路HKにおいて、差圧弁UAに対して、上流側の液圧Pu(サーボ圧であり、「出力圧」に相当)と下流側の液圧(大気圧)とは等しい(即ち、「Pu=0」)。
制動操作量Baの増加に応じて、差圧弁UAへの通電量Ia(供給電流)が増加されると、差圧弁UAの開弁量が減少される。これにより、差圧弁UAによって循環流KN(還流路HK内で循環する制動液BFの流れ)が絞られ、循環流KNの流れが阻害される。これにより、差圧弁UAの上流側の液圧Pu(サーボ圧)が大気圧から増加される。
サーボ圧Puは、サーボ路HVを介して、サーボ室Ruに供給される。サーボ圧Puの増加によって、制御ピストンNSが前進方向(サーボ室Ruの体積が増加し、制御室Rsの体積が減少する方向)に押圧される。これにより、制御室Rs内の液圧Ps(「制御圧」という)が増加される。制御室Rsは、ホイール路HWを介して、ホイールシリンダCWに接続されているので、制御室Rsが、ホイール圧Pwとして、ホイールシリンダCWに供給される。なお、制動時(アンチロックブレーキ制御等の非実行時のサービスブレーキの場合)には、インレット弁VIへの給電は行われず、インレット弁VIは全開状態である。
第2の実施形態に係る流体ユニットHUでは、流体ポンプQAが吐出する制動液BFの循環流KNが、差圧弁UAによって絞られることで、サーボ圧Puが発生される。サーボ圧Puは、制御シリンダCS内のサーボ室Ruに供給される。サーボ圧Puは、制御ピストンNSを介して、制御圧Psとして伝達される。そして、制御圧Psは、ホイール路HWを介して、ホイール圧PwとしてホイールシリンダCWに供給される。
コントローラECUによって、流体ユニットHUが制御される。コントローラECUには、制動操作量Ba(Sp、Pz等)、及び、モータ回転角Kaが入力される。コントローラECUにて、制動操作量Baの信号に基づいて、サービスブレーキ制御が実行される。「サービスブレーキ制御」は、サービスブレーキの機能を実現するために、制動操作量Baに応じたホイール圧Pwの制御である。具体的には、コントローラECUによって、電気モータMAが駆動され、還流路HKに循環流KNが発生される。そして、差圧弁電流Iaは、制動操作量Baが大きいほど、大きくなるように調整される。これにより、サービスブレーキ制御では、制動操作量Baが大きいほど、サーボ圧Pu(結果、ホイール圧Pw)が大きくなるように制御される。
上記同様に、コントローラECUでは、連結部CAの適否判定が実行される。適否判定では、電気モータMA等が判定モードで駆動される。判定モード駆動時のモータ回転角Kaに基づいて、連結部CAの適否が判定される(上記の第1、第2の処理例を参照)。或いは、判定モード駆動時のモータ回転数Naに基づいて、連結部CAの適否が判定される(上記の第3の処理例を参照)。
<制動制御装置SCの第3実施形態>
図5の概略図を参照して、制動制御装置SCの第3の実施形態について説明する。図5には、制動制御装置SCを構成する流体ユニットHUとして、特開2019-059294号公報に記載される構成(特に、上部流体ユニットYUの調圧ユニットYCから後輪ホイールシリンダCWkの一輪分)を模式化したものである。
第2の実施形態と同様に、第3の実施形態に係る制動制御装置SCは、サービスブレーキのためのブレーキバイワイヤ型ユニットである。それらの相違点は、第2実施形態では、サーボ圧Puが制御シリンダCS、及び、制御ピストンNSを介してホイールシリンダCWに伝達されるのに対し、第3実施形態では、サーボ圧Puが直接ホイールシリンダCWに伝達される。具体的には、第3の実施形態では、還流路HKが、逆止弁GAの下流側で、差圧弁UAの上流側の部位Bs(流体ポンプQAと差圧弁UAとの間の部位)にて、ホイール路HWを介して、ホイールシリンダCWに接続される。これにより、サーボ圧Puが、ホイール圧Pwとして、ホイールシリンダCWに対して、直接供給される。
第3の実施形態でも、上記同様に、コントローラECUでは、連結部CAの適否判定が実行される。判定モード駆動時のモータ回転角Kaに基づいて、連結部CAの適否が判定される(上記の第1、第2の処理例を参照)。或いは、判定モード駆動時のモータ回転数Naに基づいて、連結部CAの適否が判定される(上記の第3の処理例を参照)。
<実施形態のまとめ>
制動制御装置SCの実施形態についてまとめる。制動制御装置SCは、流体ポンプQA、電気モータMA、差圧弁UA、インレット弁VI、及び、コントローラECUにて構成される。流体ポンプQAは、一方向のみに回転が可能である。電気モータMA、及び、流体ポンプQAは、連結部CAによって連結(接合)される。電気モータMAの動力が、連結部CAを介して、流体ポンプQAに伝達されることで、流体ポンプQAが駆動される。電気モータMAは、正転方向Daに回転することで、連結部CAを介して、流体ポンプQAを一方向に駆動する。流体路HK(還流路)が、流体ポンプAの吐出部Qoと流体ポンプQAの吸入部Qiとを接続するように設けられる。例えば、流体ポンプQAの回転方向の制限は、還流路HK(特に、吐出部Qoの付近)に逆止弁GAが設けられることで実現される。
更に、流体路HKには、差圧弁UAが設けられる。差圧弁UAによって、流体ポンプQAが吐出する制動液BFが出力圧Pq、Puに増加される。具体的には、第1実施形態では、調整圧Pqが出力圧に該当し、マスタ圧Pmが調整圧Pqにまで増加される。第2、第3実施形態では、サーボ圧Puが出力圧に該当し、大気圧がサーボ圧Puにまで増加される。そして、出力圧Pq、Puによって、ホイールシリンダCWのホイール圧Pwが増加される。電気モータMA、及び、差圧弁UAは、コントローラECUによって駆動される。
コントローラECUには、連結部CAが正常であるか異常であるかの適否判定を行うよう、適否判定ブロックBHが含まれる。コントローラECU(即ち、適否判定ブロックBH)での適否判定は、車両の停止時(即ち、「Vx=0」の場合)に実行される。例えば、適否判定は、イグニッションスイッチがオンされた場合に、制動制御装置SCの初期チェックとして実行される。或いは、車両のドアが開かれ、運転者が乗車する場合(例えば、カーテシスイッチがオンされた場合)に実行されてもよい。
コントローラECU(特に、第1の判定処理例)では、電気モータMAが、正転方向Daとは反対の逆転方向Dbに駆動される場合に、電気モータMAの回転角Kaに基づいて適否判定(連結部CAが正常であるか異常であるかの判定)が行われる。適否判定では、回転角Kaが所定角kx以下である場合には、連結部CAが正常であることが判定され、回転角Kaが所定角kxよりも大きい場合には、連結部CAが異常であることが判定される。例えば、判定用のモータ回転角Kaとして、電気モータMAの逆転方向Dbの回転運動が停止された時点のモータ回転角Kaが採用される。また、所定角kxは、判定用しきい値であり、予め設定された所定値(定数)である。
流体ポンプQAは、逆止弁GA、ワンウェイクラッチ等によって、一方向には回転することができるが、一方向とは反対の他方向には回転することができない。電気モータMAが正転方向Daに駆動されると、流体ポンプQAは一方向に回転され、制動液BFの循環流KNが発生される。しかしながら、電気モータMAの逆転方向Dbの回転は、流体ポンプQAの回転方向の制限によって拘束される。このため、逆転方向Dbのモータ回転角Kaは、連結部CAのガタに起因して発生する。例えば、電気モータMAが逆転方向Dbに駆動され、電気モータMAの回転が停止する場合に、この状態でのモータ回転角Kaが取得される。そして、「Ka≦kx」であれば連結部CAは正常であることが判定され、「Ka>kx」であれば連結部CAは異常であることが判定される。或いは、時間Tの経過に伴い、モータ回転角Kaが所定角kx以下である状態が継続する場合に連結部CAの正常状態が判定され、モータ回転角Kaが所定角kxを超えた時点で連結部CAの異常状態が判定されてもよい。何れにしても、電気モータMAが逆転方向Dbに駆動される場合に、「Ka≦kx」の場合には、連結部CAが正常であることが判定され、「Ka>kx」の場合には、連結部CAが異常であることが判定される。
制動制御装置SCには、更に、インレット弁VI(例えば、常開型のオン・オフ電磁弁)が、出力圧Pq、Puからホイール圧Pwに至るまでの液圧伝達経路(HW等)に設けられる。具体的には、第1実施形態では、上記の液圧伝達経路は、差圧弁UAと流体ポンプQAとの間の部位BwとホイールシリンダCWとを接続するホイール路HWが該当する。第2実施形態では、上記の液圧伝達経路は、制御シリンダCSの制御室RsとホイールシリンダCWとを接続するホイール路HWが該当する。第3実施形態では、上記の液圧伝達経路は、差圧弁UAと流体ポンプQAとの間の部位BsとホイールシリンダCWとを接続するホイール路HWが該当する。つまり、上記の液圧伝達経路は、ホイールシリンダCWに接続されるホイール路HWが該当する。インレット弁VIも、電気モータMA、及び、差圧弁UAと同様に、コントローラECUによって駆動される。
コントローラECU(特に、第2の判定処理例)では、差圧弁UA、及び、インレット弁VJが閉弁され、且つ、電気モータMAが正転方向Daに駆動される状態で、電気モータMAの回転が停止される場合の回転角Kaが第1回転角K1として決定される。また、電気モータMAが逆転方向Db(正転方向Daとは反対方向)に駆動される状態で、電気モータMAの回転が停止される場合の回転角Kaが第2回転角K2として決定される。そして、第1回転角K1と第2回転角K2との偏差hK(回転角偏差)に基づいて適否判定が実行される。適否判定では、偏差hKが所定偏差hx以下である場合には、連結部CAが正常であることが判定され、偏差hKが所定偏差hxよりも大きい場合には、連結部CAが異常であることが判定される。ここで、所定偏差hxは、判定用しきい値であり、予め設定された所定値(定数)である。
第2の判定処理例では、電気モータMAが逆転方向Dbに駆動されることに加え、差圧弁UA、及び、インレット弁VIが閉弁された状態で、電気モータMAが正転方向Daに駆動される。電気モータMAの回転は、正転方向Daにおいては差圧弁UA、及び、インレット弁VIの閉弁によって、逆転方向Dbにおいては流体ポンプQAによって、夫々拘束される。従って、第2の判定処理例では、第1の判定処理例に比べ、より正確に連結部CAのガタが把握され得る。
コントローラECU(特に、第3の判定処理例)では、モータ回転数Naが取得され、電気モータMAが逆転方向Dbに駆動される場合に、電気モータMAの回転数Naに基づいて適否判定が行われる。適否判定では、モータ回転数Naが所定回転数nx以下である場合には、連結部CAが正常であることが判定され、モータ回転数Naが所定回転数nxよりも大きい場合には、連結部CAが異常であることが判定される。ここで、所定回転数nxは、判定用しきい値であり、予め設定された所定値(定数)である。例えば、所定回転数nxは「0(停止状態)」として設定される。逆転方向Dbに電気モータMAが回転し続けることは、連結部CAが破損して、電気モータMAが空回りしている場合である。従って、逆転方向Dbにモータ回転数Naが発生しない場合には連結部CAの正常が判定され、逆転方向Dbにモータ回転数Naが発生する場合には連結部CAの異常が判定される。
コントローラECUにて、連結部CAの異常が判定されると、報知装置WGに対して、報知信号Wgが出力される。これにより、報知装置WGによって、運転者への報知が行われる。
SC…制動制御装置、WG…報知装置、BP…制動操作部材(ブレーキペダル)、CM…マスタシリンダ、NM…マスタピストン、CW…ホイールシリンダ、CS…制御シリンダ、NS…制御ピストン、SS…ストロークシミュレータ、HU…流体ユニット、ECU…コントローラ(電子制御ユニット)、MA…電気モータ、QA…流体ポンプ、Qi…流体ポンプの吸入部、Qo…流体ポンプの吐出部、CA…連結部(カップリング)、GA…逆止弁、UA…差圧弁、HK…還流路、HM…マスタ路、HW…ホイール路、HV…サーボ路、HR…リザーバ路、VI…インレット弁、VO…アウトレット弁、Pm…マスタ圧、Pq…調整圧(出力圧の一例)、Pw…ホイール圧、Pu…サーボ圧(出力圧の一例)、Ps…制御圧、Ba…制動操作量、Rm…マスタ室、Ru…サーボ室、Rs…制御室、Ka…モータ回転角、K1、K2…第1、第2回転角、hK…回転角偏差(K1とK2との差)、Na…モータ回転数、kx…所定角(適否判定用のしきい値)、hx…所定偏差(適否判定用のしきい値)、nx…所定回転数(適否判定用のしきい値)、Da…MAの正転方向(QAの一方向に対応)、Db…MAの逆転方向(QAの他方向に対応)。


Claims (6)

  1. 一方向のみに回転可能な流体ポンプと、
    正転方向に回転することで、連結部を介して、前記流体ポンプを前記一方向に駆動する電気モータと、
    前記流体ポンプの吐出部と前記流体ポンプの吸入部とを接続する流体路に設けられ、前記流体ポンプが吐出する制動液を出力圧に増加することで、ホイールシリンダのホイール圧を増加する差圧弁と、
    前記電気モータ、及び、前記差圧弁を駆動するコントローラと、
    を備える車両の制動制御装置において、
    前記コントローラは、前記電気モータを前記正転方向とは反対の逆転方向に駆動する場合に、前記電気モータの回転角に基づいて前記連結部が正常であるか異常であるかの適否判定を行う、車両の制動制御装置。
  2. 請求項1に記載される車両の制動制御装置において、
    前記コントローラは、前記回転角が所定角よりも大きい場合に前記連結部が異常であることを判定する、車両の制動制御装置。
  3. 一方向のみに回転可能な流体ポンプと、
    正転方向に回転することで、連結部を介して、前記流体ポンプを前記一方向に駆動する電気モータと、
    前記流体ポンプの吐出部と前記流体ポンプの吸入部とを接続する流体路に設けられ、前記流体ポンプが吐出する制動液を出力圧に増加することで、ホイールシリンダのホイール圧を増加する差圧弁と、
    前記出力圧から前記ホイール圧に至るまでの液圧伝達経路に設けられるインレット弁と、
    前記電気モータ、前記差圧弁、及び、前記インレット弁を駆動するコントローラと、
    を備える車両の制動制御装置において、
    前記コントローラは、
    前記調圧弁、及び、前記インレット弁を閉弁し、前記電気モータを前記正転方向に駆動し、前記電気モータの回転が停止する場合の前記回転角を第1回転角として決定し、
    前記電気モータを前記正転方向とは反対の逆転方向に駆動し、前記電気モータの回転が停止する場合の前記回転角を第2回転角として決定し、
    前記第1回転角と前記第2回転角との偏差に基づいて前記連結部が正常であるか異常であるかの適否判定を行う、車両の制動制御装置。
  4. 請求項3に記載される車両の制動制御装置において、
    前記コントローラは、前記偏差が所定偏差よりも大きい場合に、前記連結部が異常であることを判定する、車両の制動制御装置。
  5. 一方向のみに回転可能な流体ポンプと、
    正転方向に回転することで、連結部を介して、前記流体ポンプを前記一方向に駆動する電気モータと、
    前記流体ポンプの吐出部と前記流体ポンプの吸入部とを接続する流体路に設けられ、前記流体ポンプが吐出する制動液を出力圧に増加することで、ホイールシリンダのホイール圧を増加する差圧弁と、
    前記電気モータ、及び、前記差圧弁を駆動するコントローラと、
    を備える車両の制動制御装置において、
    前記コントローラは、前記電気モータを前記正転方向とは反対の逆転方向に駆動する場合に、前記電気モータの回転数に基づいて前記連結部が正常であるか異常であるかの適否判定を行う、車両の制動制御装置。
  6. 請求項5に記載される車両の制動制御装置において、
    前記コントローラは、前記回転数が所定回転数よりも大きい場合に前記連結部が異常であることを判定する、車両の制動制御装置。
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