JP2023161406A - 同期機制御装置、同期機制御方法、および電気車 - Google Patents

同期機制御装置、同期機制御方法、および電気車 Download PDF

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Abstract

Figure 2023161406000001
【課題】電圧制限の近傍で安定した電流制御を行うことができない。
【解決手段】同期機を駆動制御する同期機制御装置において、前記同期機に対する電流指令値と前記同期機に流れる実電流との差分を演算して比例積分制御によって電流指令値を生成する電流指令演算部と、前記電流指令演算部で生成された電流指令値に基づいて同軸電圧指令値および直交軸電圧指令値より成る電圧指令値を生成する電圧ベクトル演算部と、前記電圧指令値が所定の電圧制限値を超過しないように前記直交軸電圧指令値に優先して前記同軸電圧指令値を制限する電圧制限部と、前記電圧制限部による電圧制限に基づいて、前記電流指令値を補正するための電流指令値補正量を算出する補正量算出部とを備え、前記電流指令演算部は、前記電流指令値補正量に基づいて前記比例積分制御による前記電流指令値を補正する同期機制御装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、同期機制御装置、同期機制御方法、および電気車に関する。
同期機、例えば同期モータの小型化等のために、同期モータの高速回転化および電圧利用率の向上が進んでいる。特に、電気自動車等の電気車においては、同期モータの重量が消費電力量に影響を与えるため、その傾向は顕著である。電圧利用率の向上を実現するために、同期モータを制御する同期機制御装置は、インバータの電圧制限値近傍までの高い電圧を用いるように制御しているが、電圧指令値が電圧制限値を超過しないように電圧を制限する必要がある。
従来行われている電圧の制限について、図1、図2を参照して説明する。図1は、電圧ベクトルをdq軸座標で示す図である。電圧ベクトルは同軸に作用する同軸電圧ベクトル215(d軸電流指令からd軸電圧に作用する成分223とq軸電流指令からq軸電圧に作用する成分224の合成成分)と直交軸に作用する直交軸電圧ベクトル213(d軸電流指令からq軸電圧に作用する成分222とq軸電流指令からd軸電圧に作用する成分221との合成成分)に分けられる。同軸電圧ベクトル215と直交軸電圧ベクトル213の合成である電圧ベクトル211に対して、振幅が電圧制限値217に収まるように、電圧ベクトル211の方向(電圧位相角)は変更せずに振幅を制限して電圧ベクトル219とする。直交軸に作用する直交軸電圧ベクトル213はdq軸間の干渉を抑制するが、直交軸電圧ベクトル213が制限されると、dq軸間の干渉成分によって、図2に示す、d軸電流およびq軸電流の基本波のグラフのように、d軸電流201およびq軸電流203に基本波周波数f0の振動が発生する。
特許文献1には、電流検出値と電流指令値が一致するように第二の電流指令値を生成し、制御も含めたモータモデルの逆モデルによって電流制御を行う方式が提案されている。特許文献2には、磁束推定値と磁束指令値が一致するように第二の磁束指令値を生成し、制御も含めたモータモデルの逆モデルによって電流制御を行う方式が提案されている。非特許文献1には、トルク過渡応答を高めるアルゴリズムが提案されている。
特開2008-1730064号公報 特開2021-151003号公報
「A dynamic decoupling control scheme for high-speed operation ofinduction motors」IEEE Transactions on IndustrialElectronics, Vol. 46, Iss. 1 (1999)
従来の制御では、電圧制限の近傍で安定した電流制御を行うことができない課題があった。
本発明による同期機制御装置は、同期機を駆動制御する同期機制御装置において、前記同期機に対する電流指令値と前記同期機に流れる実電流との差分を演算して比例積分制御によって電流指令値を生成する電流指令演算部と、前記電流指令演算部で生成された電流指令値に基づいて同軸電圧指令値および直交軸電圧指令値より成る電圧指令値を生成する電圧ベクトル演算部と、前記電圧指令値が所定の電圧制限値を超過しないように前記直交軸電圧指令値に優先して前記同軸電圧指令値を制限する電圧制限部と、前記電圧制限部による電圧制限に基づいて、前記電流指令値を補正するための電流指令値補正量を算出する補正量算出部とを備え、前記電流指令演算部は、前記電流指令値補正量に基づいて前記比例積分制御による前記電流指令値を補正する。
本発明による同期機制御装置は、同期機を駆動制御する同期機制御装置において、前記同期機に対する電流指令値から第一磁束指令値を生成する第一磁束指令演算部と、前記同期機に流れる実電流から磁束推定値を求める磁束推定部と、前記第一磁束指令値と前記磁束推定値との差分を演算して比例積分制御によって第二磁束指令値を生成する第二磁束指令演算部と、前記第二磁束指令値に基づいて同軸電圧指令値および直交軸電圧指令値より成る電圧指令値を生成する電圧ベクトル演算部と、前記電圧指令値が所定の電圧制限値を超過しないように前記直交軸電圧指令値に優先して前記同軸電圧指令値を制限する電圧制限部と、前記電圧制限部による電圧制限に基づいて、前記第二磁束指令値を補正するための磁束指令値補正量を算出する補正量算出部とを備え、前記第二磁束指令演算部は、前記磁束指令値補正量に基づいて前記比例積分制御による前記第二磁束指令値を補正する。
本発明による同期機制御方法は、同期機を駆動制御する同期機制御方法において、前記同期機に対する電流指令値と前記同期機に流れる実電流との差分を演算して比例積分制御によって電流指令値を生成し、前記生成された電流指令値に基づいて同軸電圧指令値および直交軸電圧指令値より成る電圧指令値を生成し、前記電圧指令値が所定の電圧制限値を超過しないように前記直交軸電圧指令値に優先して前記同軸電圧指令値を制限し、前記制限に基づいて、前記電流指令値を補正するための電流指令値補正量を算出し、前記制限により前記電圧制限値を超過した電圧超過分のうち、同軸成分の超過分に相当する電流指令値補正量に基づいて前記比例積分制御の同軸に掛かる積分器を補正する。
本発明によれば、電圧制限の近傍であっても安定した電流制御を実現できる。
背景技術における電圧ベクトルをdq軸座標で示す図である。 背景技術におけるd軸電流およびq軸電流の基本波を示すグラフである。 第1の実施形態における同期機制御装置のブロック構成図である。 第1の実施形態における第二dq軸電流指令演算部の構成図である。 第1の実施形態における電圧ベクトル演算部の構成図である。 第1の実施形態における直交軸電圧ベクトルが電圧制限値以下の場合の電圧ベクトルをdq軸座標で示す図である。 第1の実施形態における直交軸電圧ベクトルが電圧制限値より大きい場合の電圧ベクトルをdq軸座標で示す図である。 第1の実施形態における例1に係る電圧制限部の構成図である。 第1の実施形態における例2に係る電圧制限部の構成図である。 第2の実施形態における補正量算出部の構成図である。 第2の実施形態における第2の実施形態における同期機制御装置のブロック構成図である。 第2の実施形態における第二dq軸磁束指令演算部の構成図である。 第2の実施形態における電圧ベクトル演算部の構成図である。 第2の実施形態における補正量算出部の構成図である。 第3の実施形態における電気車の構成図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
以下の説明では同期機として、永久磁石同期モータ(Permanent Magnet
Synchronous Motor;PMSM)を例に説明するが、本発明の効果は永久磁石同期モータに限定されるものではなく、シンクロリラクタンスモータや永久磁石同期発電機、巻線型同期機といった同期機であれば同様の効果が得られる。以下、同期機をモータと称する。
また、以下の説明では、同期機制御装置100、100’を複数のブロック構成で説明するが、少なくとも一つ以上のブロック構成を、プログラムとプログラムを処理するプロセッサ(例えばCPU、GPU)とにより実現してもよい。プログラムは、プロセッサ(例えばCPU、GPU)によって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶資源(例えばメモリ)および/またはインターフェースデバイス(例えば通信ポート)等を用いながら行うため、処理の主体がプロセッサとされてもよい。同様に、プログラムを実行して行う処理の主体が、プロセッサを有するコントローラ、装置、システム、計算機、ノードであってもよい。プログラムを実行して行う処理の主体は、演算部であれば良く、特定の処理を行う専用回路(例えばFPGAやASIC)を含んでいてもよい。
プログラムは、プログラムソースから計算機のような装置にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバまたは計算機が読み取り可能な記憶メディアであってもよい。プログラムソースがプログラム配布サーバの場合、プログラム配布サーバはプロセッサと配布対象のプログラムを記憶する記憶資源を含み、プログラム配布サーバのプロセッサが配布対象のプログラムを他の計算機に配布してもよい。また、以下の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
[第1の実施形態]
図3は、本発明の第1の実施形態における同期機制御装置100のブロック構成図である。
同期機制御装置100は、電力変換器2を制御することによりモータ1を駆動する。電力変換器2にはバッテリなどの直流電圧源9から直流電力が供給される。同期機制御装置100は、相電流検出器3、磁極位置検出器4、周波数演算部5、電流座標変換部7、第二dq軸電流指令演算部24、補正量算出部26、電圧制限部28を備える。
電力変換器2は、インバータを構成し、バッテリなどの直流電圧源9からの直流電力を後述のゲート信号に従って交流電力に変換してモータ1を駆動する。インバータを構成する半導体スイッチング素子はIGBT、MOSFET、その他の電力用半導体素子である。
相電流検出器3は、ホールCT(Current Transformer)等から成り、電力変換器2からモータ1に流れるU相、V相、W相の3相の電流Iuc、Ivc、Iwcを検出する。
磁極位置検出器4は、レゾルバ等から成り、モータ1の磁極位置を検出して磁極位置情報θ*を出力する。
周波数演算部5は、磁極位置検出器4で検出された磁極位置情報θ*から、例えば微分演算によって速度情報ω1*を出力する。
電流座標変換部7は、相電流検出器3で検出した電流Iuc、Ivc、Iwcを磁極位置検出器4で検出した磁極位置情報θ*で座標変換してd軸電流検出値Idc、q軸電流検出値Iqcとして出力する。
第二dq軸電流指令演算部24は、d軸電流指令値Id*とd軸電流検出値Idcが一致するように、またq軸電流指令値Iq*とq軸電流検出値Iqcが一致するように、比例積分制御により第二d軸電流指令値Id**、第二q軸電流指令値Iq**を出力する。すなわち、第二dq軸電流指令演算部24は、モータ1に対する電流指令値とモータ1に流れる実電流との差分を演算して比例積分制御によって電流指令値を生成する。ただし、詳細は後述するが、補正量算出部26による電流指令値補正量dId、dIq、dId2、dIq2によって、比例積分制御の積分項を補正する。
電圧ベクトル演算部18は、第二d軸電流指令値Id**、第二q軸電流指令値Iq**、速度情報ω1*に基づいて、d軸電圧指令値Vd*、q軸電圧指令値Vq*、d軸同軸電圧指令値Vds*、q軸同軸電圧指令値Vqs*、d軸直交軸電圧指令値Vdx*、q軸直交軸電圧指令値Vqx*を電圧制限部28へ出力する。また、d軸同軸電圧指令値Vds*、q軸同軸電圧指令値Vqs*、d軸直交軸電圧指令値Vdx*、q軸直交軸電圧指令値Vqx*を補正量算出部26へ出力する。すなわち、電圧ベクトル演算部18は、第二dq軸電流指令演算部24で生成された電流指令値に基づいて同軸電圧指令値および直交軸電圧指令値を生成する。詳細は後述する。
電圧制限部28は、d軸電圧指令値Vd*、q軸電圧指令値Vq*、d軸同軸電圧指令値Vds*、q軸同軸電圧指令値Vqs*、d軸直交軸電圧指令値Vdx*、q軸直交軸電圧指令値Vqx*、直流電圧検出器6からの直流電圧情報Vdcが入力され、d軸電圧指令値Vd*、q軸電圧指令値Vq*を電圧制限する。そして、d軸電圧指令値Vdl*、q軸電圧指令値Vql*を座標変換部11へ出力する。電圧制限後のd軸同軸電圧Vdsl*、電圧制限後のq軸同軸電圧Vqsl*、d軸直交軸電圧Vdxl*、q軸直交軸電圧Vqxl*は、補正量算出部26へ出力する。電圧制限部28は、電圧指令値が所定の電圧制限値を超過しないように直交軸電圧指令値に優先して同軸電圧指令値を制限する。電圧制限部28の詳細については後述する。
補正量算出部26は、電圧ベクトル演算部18より、d軸同軸電圧指令値Vds*、q軸同軸電圧指令値Vqs*、d軸直交軸電圧指令値Vdx*、q軸直交軸電圧指令値Vqx*が入力され、電圧制限部28より、d軸同軸電圧Vdsl*、q軸同軸電圧Vqsl*、d軸直交軸電圧Vdxl*、q軸直交軸電圧Vqxl*が入力される。そして、第二dq軸電流指令演算部24がアンチワインドアップ制御を実現するための電流指令値補正量dId、dIq、dId2、dIq2を演算する。すなわち、補正量算出部26は、電圧制限部28による制限に基づいて、電流指令値を補正するための電流指令値補正量を算出する。詳細は後述する。
座標変換部11は、電圧制限部28で出力したd軸電圧指令値Vdl*、q軸電圧指令値Vql*を磁極位置検出器4で検出された磁極位置情報θ*で座標変換して三相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を出力する。PWM制御器12は、三相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*と直流電圧検出器6により検出された直流電圧源9の直流電圧情報Vdcとを用いて、例えば三角波比較を行ってゲート信号を電力変換器2へ出力する。
図4は、第二dq軸電流指令演算部24の構成図である。
第二dq軸電流指令演算部24は、d軸電流指令値Id*が入力される比例積分制御部50とq軸電流指令値Iq*が入力される比例積分制御部60とを備える。
第二dq軸電流指令演算部24の比例積分制御部50は、電流指令値補正量dId、dId2に基づいて比例積分制御によるd軸電流指令値Id*を補正して、第二d軸電流指令値Id**を出力する。具体的には、減算器51は、d軸電流指令値Id*からd軸電流検出値Idcを減算する。その結果は、比例制御ゲイン57を介して加算器59の一方へ入力される。また、減算器51による減算結果は、積分制御ゲイン55の出力から減算器52で電流指令値補正量dIdを減算し、積分器53へ入力される。積分器53は、電流指令値補正量dId2を積分器53から減算して、加算器59の他方へ入力する。加算器59の加算結果は第二d軸電流指令値Id**として出力される。
第二dq軸電流指令演算部24の比例積分制御部60は、電流指令値補正量dIq、dIq2に基づいて比例積分制御によるq軸電流指令値Iq*を補正して、第二d軸電流指令値Iq**を出力する。具体的には、減算器61は、q軸電流指令値Iq*からq軸電流検出値Iqcを減算する。その結果は、比例制御ゲイン67を介して加算器69の一方へ入力される。また、減算器61による減算結果は、積分制御ゲイン65の出力から減算器62で電流指令値補正量dIqを減算し、積分器63へ入力される。積分器63は、電流指令値補正量dIq2を積分器63から減算して、加算器59の他方へ入力する。加算器59の出力結果は第二d軸電流指令値Iq**として出力される。
図5は、電圧ベクトル演算部18の構成図である。
電圧ベクトル演算部18は、式(1)に示したモータモデルの逆モデルに基づいて構成される。
Figure 2023161406000002
ここで、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンス、Rは巻線抵抗、sは微分演算子、Keは速度起電力係数である。
電圧ベクトル演算部18は、図5に示すように、第二d軸電流指令値Id**、第二q軸電流指令値Iq**、速度情報ω1*が入力され、d軸電圧指令値Vd*、q軸電圧指令値Vq*、d軸同軸電圧指令値Vds*、q軸同軸電圧指令値Vqs*、d軸直交軸電圧指令値Vdx*、q軸直交軸電圧指令値Vqx*を出力する。
図5に示すように、第二d軸電流指令値Id**と巻線抵抗46の乗算結果は加算器47の一方へ入力される。第二d軸電流指令値Id**と微分演算子s×d軸インダクタンスLdの乗算結果45は加算器47の他方へ入力される。加算器47に入力された両者の加算結果はd軸同軸電圧指令値Vds*として出力されるとともに、加算器49の一方に入力される。
第二q軸電流指令値Iq**と巻線抵抗36の乗算結果は加算器37の一方へ入力される。第二q軸電流指令値Iq**と(微分演算子s)×(q軸インダクタンスLq)との乗算結果35は加算器37の他方へ入力される。加算器37に入力された両者の加算結果はq軸同軸電圧指令値Vqs*として出力されるとともに、加算器39の一方に入力される。
さらに、第二d軸電流指令値Id**とd軸インダクタンスLdの乗算結果44は乗算器38の一方へ入力され、他方に入力された速度情報ω1*と乗算される。この乗算結果は、速度情報ω1*×速度起電力係数Keと加算器33で加算され、q軸直交軸電圧指令値Vqx*として出力される。このq軸直交軸電圧指令値Vqx*は、q軸同軸電圧指令値Vqs*と加算器39で加算され、q軸電圧指令値Vq*として出力される。
第二q軸電流指令値Iq**と負のq軸インダクタンスLqの乗算結果34は乗算器48の一方へ入力され、他方に入力された速度情報ω1*と乗算される。この乗算結果は、d軸直交軸電圧指令値Vdx*として出力される。このd軸直交軸電圧指令値Vdx*は、d軸同軸電圧指令値Vds*と加算器49で加算され、d軸電圧指令値Vd*として出力される。
図6は、本実施形態における電圧ベクトルをdq軸座標で示す図である。直交軸電圧ベクトル(直交成分)が電圧制限値以下の場合を示す。電圧ベクトルは同軸に作用する同軸電圧ベクトル(同軸成分)215と直交軸に作用する直交軸電圧ベクトル(直交成分)213に分けられる。
図6に示すように、電圧制限部28は、同軸電圧ベクトル215と直交軸電圧ベクトル213の合成である電圧ベクトル211に対して、振幅が電圧制限値217に収まるように、直交軸電圧ベクトル(直交成分)213を優先して、同軸電圧ベクトル(同軸成分)215を制限する。この結果、同軸電圧ベクトル(同軸成分)215は、同軸電圧ベクトル(同軸成分)215Aに制限される。これにより、電圧ベクトル211は電圧ベクトル211Aとなり、電圧制限値217内に収まる。直交成分は非干渉項に相当するため、直交成分を維持することでモータ1の軸間干渉による基本波周波数の振動を抑制することができる。
図7は、本実施形態における電圧ベクトルをdq軸座標で示す図である。直交軸電圧ベクトル(直交成分)が電圧制限値より大きい場合を示す。
図7に示すように、直交成分213が電圧制限値217よりも大きい場合には直交成分213の方向を維持したまま振幅を下げて、直交成分213Bとする。そして、電圧ベクトル211に対して、振幅が電圧制限値217に収まるように、直交軸電圧ベクトル(直交成分)213Bを優先して、同軸電圧ベクトル(同軸成分)215を同軸電圧ベクトル(同軸成分)215Bに制限する。これにより、非干渉成分を小さくすることができる。
図8は、例1に係る電圧制限部28の構成図である。例1は、図6に示した直交軸電圧ベクトル(直交成分)が電圧制限値以下である条件下で適用される。モータ1がこの条件を常に満たす場合は例1に示す構成を採用することができる。
図6において、電圧制限後の電圧ベクトル211Aの振幅をVlimとすると、以下の式(2)が成り立つ。
Figure 2023161406000003
なお、Vdx*はd軸直交軸電圧指令値221、Vqx*はq軸直交軸電圧指令値222を表す。また、Vdsl*は、電圧制限後のd軸同軸電圧指令値225、Vqsl*は、電圧制限後のq軸同軸電圧指令値226を表す。
ここで、直交軸電圧ベクトル213の振幅Vx、位相角θxおよび電圧制限後の同軸電圧ベクトル215Aの振幅Vsl、位相角θs(ただし、同軸電圧ベクトル215の位相角θsと同軸電圧ベクトル215Aの位相角θslは同等であるためθslではなくθsと表す)を用いると、式(2)は式(3)となる。
Figure 2023161406000004
式(3)を変形すると式(4)となる。
Figure 2023161406000005
この式(4)より、同軸電圧ベクトル215Aの振幅Vslを求めると式(5)となる。
Figure 2023161406000006
図8に示す電圧制限部28は、式(5)を基に図6に示す電圧制限を行う。
まず、振幅・位相角演算部75により、直交軸電圧ベクトル213の振幅Vx、位相角θxを演算する。さらに、振幅・位相角演算部76を用いて、同軸電圧ベクトル215の位相角θsを演算する。
振幅・位相角演算部75は、入力されたd軸直交軸電圧指令値Vdx*、q軸直交軸電圧指令値Vqx*を基に、直交軸電圧ベクトル213の振幅Vxを式(6)により演算する。
Figure 2023161406000007
振幅・位相角演算部75は、入力されたd軸直交軸電圧指令値Vdx*、q軸直交軸電圧指令値Vqx*を基に、直交軸電圧ベクトル213の位相角θxを式(7)により演算する。
Figure 2023161406000008
振幅・位相角演算部76は、入力されたd軸同軸電圧指令値Vds*、q軸同軸電圧指令値Vqs*を基に、同軸電圧ベクトル215の位相角θsを式(8)により演算する。
Figure 2023161406000009
制限値演算部82は、インバータ直流電圧Vdcを基に電圧制限値Vlimを式(9)により演算する。
Figure 2023161406000010
なお、電圧制限値Vlimは式(9)によらず、例えば、式(9)の値に数パーセントのマージンを持たせたり、過変調領域を用いるために、数パーセント増加させる等、制限したい電圧に設定する。
式(6)~式(9)で演算したVx、θx、θs、Vlimを基に、式(5)を実現する以下の回路により同軸電圧ベクトル215Aの振幅Vslを求める。
式(5)を実現する回路は、図8に示す、減算器83、正弦波生成部91、余弦波生成部92、乗算器95、96、二乗差平方根演算部85、減算器87である。減算器83は、θx-θsを演算し、正弦波生成部91および余弦波生成部92へ出力する。乗算器95は、正弦波生成部91の出力とVxを乗算して、二乗差平方根演算部85へ出力する。二乗差平方根演算部85は、二乗差平方根を演算して減算器87へ出力する。乗算器96は、余弦波生成部92の出力とVxを乗算して、減算器87へ出力する。減算器87は、二乗差平方根演算部85の演算結果から減算器87の演算結果を減算して式(5)に示すVslを求める。
さらに、乗算器88は、Vslと余弦波生成部93の演算結果とを乗算して電圧制限後のd軸同軸電圧Vdsl*を演算する。乗算器89は、Vslと正弦波生成部94の演算結果とを乗算して電圧制限後のq軸同軸電圧Vqsl*を演算する。
加算器97は、Vdsl*にVdx*を加算して電圧制限後のd軸電圧指令値Vdl0*を演算する。加算器98は、Vqsl*にVqx*を加算して電圧制限後のq軸電圧指令値Vql0*を演算する。
最後に、電圧選択部99は、電圧振幅が電圧制限値Vlim以下の場合には、Vd*、Vq*をそのままd軸電圧指令値Vdl*、q軸電圧指令値Vql*として出力し、電圧振幅が電圧制限値Vlimよりも大きい場合には、リミット後の値Vdl0、Vql0をd軸電圧指令値Vdl*、q軸電圧指令値Vql*として出力する。なお、電圧制限後のd軸同軸電圧Vdsl*、電圧制限後のq軸同軸電圧Vqsl*は、補正量算出部26へ出力される。
図9は、例2に係る電圧制限部28の構成図である。例2は、図7に示した直交軸電圧ベクトル(直交成分)が電圧制限より大きい条件下でも適用可能な構成である。図8に示した例1と同一の箇所には同一の符号を附して説明を簡略に行う。
図7に示すように、電圧制限後の合成ベクトル213Bは直交軸電圧ベクトル213と同じ方向(同じ電圧位相角)で振幅のみ制限されている。そこで、制限部77は、VxをVlimに制限してVxlを出力する。二乗差平方根演算部85は、式(5)でVxの代わりにVxlを用いてVslを演算して減算器87へ出力する。式(5)でVxの代わりにVxlを用いてVslを演算すると、Vslは常に0になる。
また、余弦波生成部78には、直交軸電圧ベクトル213の位相角θxが入力される。乗算器80は、余弦波生成部78の出力と制限後のVxlを乗算して、d軸直交軸電圧Vdxl*として出力する。正弦波生成部79には、直交軸電圧ベクトル213の位相角θxが入力される。乗算器81は、正弦波生成部79の出力と制限後のVxlを乗算して、q軸直交軸電圧Vqxl*として出力する。
また、加算器97は、Vdsl*にVdxl*を加算して電圧制限後のd軸電圧指令値Vdl0*を演算する。加算器98は、Vqsl*にVqxl*を加算して電圧制限後のq軸電圧指令値Vql0*を演算する。
最後に、電圧選択部99は、電圧振幅が電圧制限値Vlim以下の場合には、Vd*、Vq*をそのままd軸電圧指令値Vdl*、q軸電圧指令値Vql*として出力し、電圧振幅が電圧制限値Vlimよりも大きい場合には、リミット後の値Vdl0*、Vql0*をd軸電圧指令値Vdl*、q軸電圧指令値Vql*として出力する。なお、電圧制限後のd軸同軸電圧Vdsl*、電圧制限後のq軸同軸電圧Vqsl*、d軸直交軸電圧Vdxl*、q軸直交軸電圧Vqxl*は、補正量算出部26へ出力される。これにより、図9に示す例2の電圧制限部28は、図7に示した直交軸電圧ベクトル(直交成分)が電圧制限より大きい条件、および図6に示した直交軸電圧ベクトル(直交成分)が電圧制限値Vlim以下である条件でも適用可能になる。
図10は、補正量算出部26の構成図である。この補正量算出部26は、図9に示した例2の電圧制限部28に接続される。
図10に示すように、減算器251は、電圧ベクトル演算部18より出力されたd軸同軸電圧指令値Vds*から電圧制限部28より出力されたd軸同軸電圧Vdsl*を減算する。これは、電圧制限値Vlimを超過した電圧超過分である。この減算結果は、ゲイン261によりd軸インダクタンスLdで除算され、電流指令値補正量dIdとして、第二dq軸電流指令演算部24へ出力される。また、減算器253は、電圧ベクトル演算部18より出力されたq軸同軸電圧指令値Vqs*から電圧制限部28より出力されたq軸同軸電圧Vqsl*を減算する。この減算結果は、ゲイン263によりq軸インダクタンスLqで除算され、電流指令値補正量dIqとして、第二dq軸電流指令演算部24へ出力される。電流指令値補正量dId、dIqは、電圧制限によりdq軸同軸電圧が制限されて電圧制限値を超過した電圧超過分を表している。
この補正量算出部26が、図8に示した例1の電圧制限部28と接続される場合は、補正量算出部26は、以上説明した電流指令値補正量dId、dIqを出力する構成であればよい。以下、この場合について説明する。
電圧ベクトルの同軸成分は主に電流を変化させるための電圧であり、それが制限されると電流が変化しないことになる。図4に示す第二dq軸電流指令演算部24の比例積分制御部50、60における積分器53、63は、電流が積分ゲインKIで変化することを想定して動作しているので、電圧が制限された場合、第二の電流指令値と電流に差が生じてしまう。これを防ぐために、電圧が制限されて変化したことによって電流が変化しない分を、すなわち電流指令値補正量dId、dIqを減算器52、62で減算する。具体的には、第二dq軸電流指令演算部24は、電圧制限により電圧制限値Vlimを超過した電圧超過分のうち、同軸成分の超過分に相当する電流指令値補正量dIdに基づいて比例積分制御の同軸に掛かる積分器53を補正する。さらに、第二dq軸電流指令演算部24は、電圧制限により電圧制限値Vlimを超過した電圧超過分のうち、直交軸成分の超過分に相当する電流指令値補正量dIqに基づいて比例積分制御の直交軸に掛かる積分器63を補正する。これによって、電圧制限値Vlimによって第二の電流指令値と電流に差が生じることを防ぐことができる。
図10の説明に戻る。減算器255は、電圧ベクトル演算部18より出力されたd軸直交軸電圧指令値Vdx*から電圧制限部28より出力されたd軸直交軸電圧Vdxl*を減算する。この減算結果は、加算器259の一方へ入力される。加算器259の他方にはd軸同軸電圧指令値Vds*からd軸同軸電圧Vdsl*が減算された減算結果が入力される。そして、両者は加算器259で加算される。この加算結果は、ゲイン265によりq軸インダクタンスLqで除算され、速度情報ω1*を用いて除算器271で除算してゲイン275で符号を反転して電流指令値補正量dIq2として出力する。dIq2は符号が逆になるのでゲイン275で符号を反転している。これにより、電圧制限値を超過した電圧超過分のうち、d軸の同軸方向の電圧超過分に相当する電流指令値補正量dIq2が求められる。
さらに、減算器257は、電圧ベクトル演算部18より出力されたq軸直交軸電圧指令値Vqx*から電圧制限部28より出力されたq軸直交軸電圧Vqxl*を減算する。この減算結果は、ゲイン267によりd軸インダクタンスLdで除算され、速度情報ω1*を用いて除算器273で除算され、その結果は電流指令値補正量dId2として出力される。
図9に示した例2の電圧制限部28と接続される補正量算出部26は、図7に示すように、直交軸成分が電圧制限値を超えた場合に、直交軸成分を小さくする必要がある。ただし、直交軸成分の方向を維持したまま振幅を絞るだけでは、電流制御が効かなくなる。直交軸成分が電圧制限値に掛かった場合には弱め磁束電流を流して電圧ベクトルを小さくする必要があるため、d軸側の比例積分制御を維持する必要がある。減算器251により、d軸同軸電圧指令値Vds*からd軸同軸電圧Vdsl*を減算された値は、d軸の同軸方向の電圧制限値を超過した電圧超過分である。すなわち、電流指令値補正量dId2は、このd軸の同軸成分の超過分を含む。図4に示す第二dq軸電流指令演算部24の比例積分制御部60は、電流指令値補正量dIq2を積分器63から減算する。すなわち、第二dq軸電流指令演算部24は、電圧超過分のうち、d軸の同軸方向の電圧超過分に相当する電流指令値補正量に基づいてq軸に掛かる積分器63を補正する。
これにより、第二dq軸電流指令演算部24は、d軸側の同軸成分を考慮してd軸電流制御が維持できる余裕を与える。図7に示すように、直交軸成分が電圧制限値を超えるのは、モータ1の速度が急激に上昇した場合や直流電圧源9の電圧が急激に下がった場合であり、具体的には、電気自動車などの電気車のように空転で速度が急上昇する場合である。このように、直交軸成分が電圧制限値を超えた場合でも弱め磁束制御が働いて電流制御が効かなくなるのを防ぐことができる。
本実施形態によれば、電流指令値に基づく電圧指令値を制限した場合に、電圧制限の近傍であっても安定した電流制御を実現できる。
[第2の実施形態]
図11は、本発明の第2の実施形態における同期機制御装置100’のブロック構成図である。第1の実施形態では、電流指令値に基づく電圧指令値を制限した場合の例を説明したが、第2の実施形態では、磁束指令値に基づく電圧指令値を制限した場合の例を説明する。図3に示した第1の実施形態における同期機制御装置100と同一の個所には同一の符号を付してその説明を簡略に行う。
図11に示すように、同期機制御装置100’は、電力変換器2、相電流検出器3、磁極位置検出器4、周波数演算部5、電流座標変換部7、第一dq軸磁束指令演算部21、dq軸磁束推定部23、第二dq軸磁束指令演算部25、補正量算出部27、電圧制限部28、を備える。
dq軸磁束推定部23は、電流座標変換部7から出力されたd軸検出値Idc、q軸検出値Iqcを用いて、例えばルックアップテーブルを参照してd軸磁束推定値φd、q軸磁束推定値φqを推定する。第一dq軸磁束指令演算部21は、d軸電流指令値Id*、q軸電流指令値Iq*を用いて、例えばルックアップテーブルを参照して第一d軸磁束指令値φd*、第一q軸磁束指令値φq*を出力する。
第二dq軸磁束指令演算部25は、第一d軸磁束指令値φd*、第一q軸磁束指令値φq*とd軸磁束推定値φd、q軸磁束推定値φqが一致するように、比例積分制御により、第二d軸磁束指令値φd**、第二q軸磁束指令値φq**を出力する。さらに、第二dq軸磁束指令演算部25には、補正量算出部27より磁束指令値補正量dφd、dφq、dφd2、dφq2が入力され、アンチワインドアップ制御に用いられる。詳細は後述する。
電圧ベクトル演算部19は、第二d軸磁束指令値φd**、第二q軸磁束指令値φq**、速度情報ω1*に基づいて、d軸電圧指令値Vd*、q軸電圧指令値Vq*、d軸同軸電圧指令値Vds*、q軸同軸電圧指令値Vqs*、d軸直交軸電圧指令値Vdx*、q軸直交軸電圧指令値Vqx*を電圧制限部28へ出力する。また、d軸同軸電圧指令値Vds*、q軸同軸電圧指令値Vqs*、d軸直交軸電圧指令値Vdx*、q軸直交軸電圧指令値Vqx*を補正量算出部27へ出力する。すなわち、電圧ベクトル演算部19は、第二dq軸磁束指令演算部25で生成された第二磁束指令値に基づいて同軸電圧指令値および直交軸電圧指令値を生成する。
電圧制限部28は、q軸電圧指令値Vd*、q軸電圧指令値Vq*、d軸同軸電圧指令値Vds*、q軸同軸電圧指令値Vqs*、d軸直交軸電圧指令値Vdx*、q軸直交軸電圧指令値Vqx*、直流電圧検出器6からの直流電圧情報Vdcが入力され、q軸電圧指令値Vd*、q軸電圧指令値Vq*を電圧制限する。そして、d軸電圧指令値Vdl*、q軸電圧指令値Vql*を座標変換部11へ出力する。電圧制限後のd軸同軸電圧Vdsl*、電圧制限後のq軸同軸電圧Vqsl*、d軸直交軸電圧Vdxl*、q軸直交軸電圧Vqxl*は、補正量算出部27へ出力する。電圧制限部28は、電圧指令値が所定の電圧制限値を超過しないように直交軸電圧指令値に優先して同軸電圧指令値を制限する。この電圧制限部28の詳細な構成は、図9、図10に示した構成と同様であるのでその図示を省略する。
補正量算出部27は、電圧ベクトル演算部19より、d軸同軸電圧指令値Vds*、q軸同軸電圧指令値Vqs*、d軸直交軸電圧指令値Vdx*、q軸直交軸電圧指令値Vqx*が入力され、電圧制限部28より、d軸同軸電圧Vdsl*、q軸同軸電圧Vqsl*、d軸直交軸電圧Vdxl*、q軸直交軸電圧Vqxl*が入力される。そして、第二dq軸磁束指令演算部25がアンチワインドアップ制御を実現するための磁束指令値補正量dφd、dφq、dφd2、dφq2を演算する。すなわち、補正量算出部27は、電圧制限部28による制限に基づいて、磁束指令値を補正するための磁束指令値補正量を算出する。詳細は後述する。
座標変換部11は、電圧制限部28で出力したd軸電圧指令値Vdl*、q軸電圧指令値Vql*を磁極位置検出器4で検出された磁極位置情報θ*で座標変換して三相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を出力する。PWM制御器12は、三相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*と直流電圧検出器6で検出された直流電圧源9の直流電圧情報Vdcとを用いて、例えば三角波比較を行ってゲート信号を電力変換器2へ出力する。
図12は、第二dq軸磁束指令演算部25の構成図である。
第二dq軸磁束指令演算部25は、第一d軸磁束指令値φd*が入力される比例積分制御部50’と第一q軸磁束指令値φq*が入力される比例積分制御部60’とを備える。
第二dq軸磁束指令演算部25の比例積分制御部50’は、磁束指令値補正量dφd、dφd2に基づいて比例積分制御による第一d軸磁束指令値φd*を補正して、第二d軸磁束指令値φd**を出力する。具体的には、減算器151は、第一d軸磁束指令値φd*からd軸磁束推定値φdを減算する。その結果は、比例制御ゲイン157を介して加算器159の一方へ入力される。また、減算器151による減算結果は、積分制御ゲイン155の出力から減算器152で磁束指令値補正量dφdを減算し、積分器153へ入力される。積分器153は、磁束指令値補正量dφd2を積分器153から減算して、加算器159の他方へ入力する。加算器159の加算結果は第二d軸磁束指令値φd**として出力される。
第二dq軸磁束指令演算部25の比例積分制御部60’は、磁束指令値補正量dφq、dφq2に基づいて比例積分制御による第一q軸磁束指令値φq*を補正して、第二q軸磁束指令値φq**を出力する。具体的には、減算器161は、第一q軸磁束指令値φq*からq軸磁束推定値φqを減算する。その結果は、比例制御ゲイン167を介して加算器169の一方へ入力される。また、減算器161による減算結果は、積分制御ゲイン165の出力から減算器162で磁束指令値補正量dφqを減算し、積分器163へ入力される。積分器163は、磁束指令値補正量dφq2を積分器163から減算して、加算器169の他方へ入力する。加算器169の加算結果は第二q軸磁束指令値φq**として出力される。
図13は、電圧ベクトル演算部19の構成図である。
電圧ベクトル演算部19は、式(10)に示したモータモデルの逆モデルに基づいて構成される。
Figure 2023161406000011
ここで、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンス、Rは巻線抵抗、sは微分演算子、Keは速度起電力係数である。
電圧ベクトル演算部19は、図13に示すように、第二d軸磁束指令値φd**、第二q軸磁束指令値φq**、速度情報ω1*を入力し、d軸電圧指令値Vd*、q軸電圧指令値Vq*、d軸同軸電圧指令値Vds*、q軸同軸電圧指令値Vqs*、d軸直交軸電圧指令値Vdx*、q軸直交軸電圧指令値Vqx*を出力する。
図13に示すように、第二d軸磁束指令値φd**は、微分演算子sと乗算されて加算器147の一方へ入力される。また、第二d軸磁束指令値φd**は、減算器144で速度起電力係数Keが減算され、その結果は、巻線抵抗Rをd軸インダクタンスLdで除算した値と乗算されて加算器147の他方へ入力される。加算器147による加算結果は、d軸同軸電圧指令値Vds*として出力される。さらに、第二d軸磁束指令値φd**は、乗算器138で速度情報ω1*と乗算され、その結果はq軸直交軸電圧指令値Vqx*として出力される。
第二q軸磁束指令値φq**は、微分演算子sと乗算されて加算器137の一方へ入力される。また、第二q軸磁束指令値φq**は、巻線抵抗Rをq軸インダクタンスLqで除算した値と乗算されて加算器137の他方へ入力される。加算器137による加算結果は、q軸同軸電圧指令値Vqs*として出力される。さらに、第二q軸磁束指令値φq**は、乗算器148で速度情報ω1*と乗算され、その結果はd軸直交軸電圧指令値Vdx*として出力される。
d軸同軸電圧指令値Vds*は、減算器149でd軸直交軸電圧指令値Vdx*と減算され、d軸電圧指令値Vd*として出力される。q軸同軸電圧指令値Vqs*は、加算器139でq軸直交軸電圧指令値Vqx*と加算され、q軸電圧指令値Vq*として出力される。
図14は、補正量算出部27の構成図である。この補正量算出部27は、図9に示した例2の電圧制限部28に接続される。
図14に示すように、減算器251は、電圧ベクトル演算部19より出力されたd軸同軸電圧指令値Vds*から電圧制限部28より出力されたd軸同軸電圧Vdsl*を減算する。これは、電圧制限値Vlimを超過した電圧超過分である。この減算結果は磁束指令値補正量dφdとして、第二dq軸磁束指令演算部25へ出力される。また、減算器253は、電圧ベクトル演算部19より出力されたq軸同軸電圧指令値Vqs*から電圧制限部28より出力されたq軸同軸電圧Vqsl*を減算する。この減算結果は、磁束指令値補正量dφqとして、第二dq軸磁束指令演算部25へ出力される。磁束指令値補正量dφd、dφqは、電圧制限によりdq軸同軸電圧が制限されて電圧制限値を超過した電圧超過分を表している。
この補正量算出部27が、図8に示した例1の電圧制限部28と接続される場合は、補正量算出部27は、以上説明した磁束指令値補正量dφd、dφqを出力する構成であればよい。以下、この場合について説明する。
電圧ベクトルの同軸成分は主に磁束を変化させるための電圧であり、それが制限されると磁束が変化しないことになる。図12に示す第二dq軸磁束指令演算部25の比例積分制御部50’、60’における積分器153、163は、磁束が積分ゲインKIで変化することを想定して動作しているので、電圧が制限された場合、第二の磁束指令値と磁束に差が生じてしまう。これを防ぐために、電圧が制限されて変化したことによって磁束が変化しない分を、すなわち磁束指令値補正量dφd、dφqを減算器152、162で減算する。これによって、電圧制限値Vlimによって第二の磁束指令値と磁束に差が生じることを防ぐことができる。換言すれば、第二dq軸磁束指令演算部25は、電圧制限により電圧制限値を超過した電圧超過分のうち、同軸成分の超過分に相当する磁束指令値補正量dφdに基づいて比例積分制御の同軸に掛かる積分器152を補正する。さらに、第二dq軸磁束指令演算部25は、電圧制限により電圧制限値を超過した電圧超過分のうち、直交軸成分の超過分に相当する磁束指令値補正量dφqに基づいて比例積分制御の直交軸に掛かる積分器162を補正する。これによって、電圧制限値Vlimによって第二の磁束指令値と磁束に差が生じることを防ぐことができる。
図14の説明に戻る。減算器255は、電圧ベクトル演算部19より出力されたd軸直交軸電圧指令値Vdx*から電圧制限部28より出力されたd軸直交軸電圧Vdxl*を減算する。この減算結果は、加算器259の一方へ入力される。加算器259の他方にはd軸同軸電圧指令値Vds*からd軸同軸電圧Vdsl*が減算された減算結果が入力される。そして、両者は加算器259で加算される。この加算結果は、速度情報ω1*を用いて除算器271で除算してゲイン275で符号を反転して磁束指令値補正量dφq2として出力する。dφq2は符号が逆になるのでゲイン275で符号を反転している。これにより、電圧制限値を超過した電圧超過分のうち、d軸の同軸方向の電圧超過分に相当する磁束指令値補正量dφq2が求められる。
さらに、減算器257は、電圧ベクトル演算部19より出力されたq軸直交軸電圧指令値Vqx*から電圧制限部28より出力されたq軸直交軸電圧Vqxl*を減算する。この減算結果は、速度情報ω1*を用いて除算器273で除算され、その結果は磁束指令値補正量dφq2として出力される。磁束指令値補正量dφd2、dφq2は直交軸成分が制限されたことによる影響を表している。
図9に示した例2の電圧制限部28と接続される補正量算出部27は、図7に示すように、直交軸成分が電圧制限値を超えた場合に、直交軸成分を小さくする必要がある。ただし、直交軸成分の方向を維持したまま振幅を絞るだけでは、磁束制御が効かなくなる。直交軸成分が電圧制限値に掛かった場合には弱め磁束電流を流して電圧ベクトルを小さくする必要があるため、d軸側の比例積分制御を維持する必要がある。そのため、磁束指令値補正量dφq2の演算では、図14に示した加算器259でd軸側の同軸成分を考慮してd軸電圧にd軸磁束制御が維持できる余裕を与える。すなわち、図14に示すようにd軸直交軸電圧指令値Vdx*、q軸直交軸電圧指令値Vqx*から電圧制限後のd軸直交軸電圧指令値Vdxl*、q軸直交軸電圧指令値Vqxl*を減算器255、257で減算し、d軸のみ同軸電圧指令値の電圧制限値量を加算している。これにより、図7に示した、直交軸成分が電圧制限値を超えた場合でも弱め磁束制御が働いて磁束制御が効かなくなるのを防ぐことができる。図12に示す第二dq軸磁束指令演算部25の比例積分制御部60’は、磁束指令値補正量dφq2を積分器163から減算する。すなわち、第二dq軸磁束指令演算部25は、電圧超過分のうち、d軸の同軸方向の電圧超過分に相当する磁束指令値補正量dφq2に基づいてq軸に掛かる積分器163を補正する。
これにより、第二dq軸磁束指令演算部25は、d軸側の同軸成分を考慮してd軸磁束制御が維持できる余裕を与える。図7に示すように、直交軸成分が電圧制限値を超えるのは、モータ1の速度が急激に上昇した場合や直流電圧源9の電圧が急激に下がった場合であり、具体的には、電気自動車などの電気車のように空転で速度が急上昇する場合である。このように、直交軸成分が電圧制限値を超えた場合でも弱め磁束制御が働いて電流制御が効かなくなるのを防ぐことができる。
本実施形態によれば、磁束指令値に基づく電圧指令値を制限した場合に、電圧制限の近傍であっても安定した電流制御を実現できる。
[第3の実施形態]
図15は、本発明の第3の実施形態における電気車1000の構成図である。この電気車1000は、第1の実施形態で説明した同期機制御装置100、または第2の実施形態で説明した同期機制御装置100’により制御されるモータ1を駆動源とする車両である。
図15に示すように、同期機制御装置100、100’は、電力変換器2からモータ1に供給する電力を制御する。バッテリなどの直流電圧源9は電力変換器2に電力を供給する。モータ1はトランスミッション101に接続される。トランスミッション101はディファレンシャルギア103を介してドライブシャフト105に接続され、車輪107に動力を供給する。なお、トランスミッション101が無く直接ディファレンシャルギア103に接続される構成や、前輪、後輪それぞれにモータ1および電力変換器2が適用される構成でもよい。
電気自動車やハイブリッド自動車などの電気車1000においては、モータ1を小型化するために、モータ1の高速回転化および電圧利用率の向上が進んでいる。電圧利用率の向上を実現するために、同期機制御装置100、100’はインバータの電圧制限値近傍までの高い電圧を用いるように制御しているが、本実施形態によれば、電圧制限の近傍であっても安定した電流制御を実現できる。特に、電気車1000は、例えばエレベータ等、他の製品に比較して電圧制限の近傍で安定した動作が要求されるが、本実施形態によれば、電圧制限の近傍で安定した動作が可能になり、電圧利用率の向上ひいては消費電力量の低減につながる。
以上説明した実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)同期機1を駆動制御する同期機制御装置100において、同期機制御装置100は、同期機1に対する電流指令値と同期機1に流れる実電流との差分を演算して比例積分制御によって電流指令値を生成する電流指令演算部24と、電流指令演算部24で生成された電流指令値に基づいて同軸電圧指令値および直交軸電圧指令値を生成する電圧ベクトル演算部19と、電圧指令値が所定の電圧制限値を超過しないように直交軸電圧指令値に優先して同軸電圧指令値を制限する電圧制限部28と、電圧制限部28による制限に基づいて、電流指令値を補正するための電流指令値補正量を算出する補正量算出部26とを備え、電流指令演算部24は、電流指令値補正量に基づいて比例積分制御による電流指令値を補正する。これにより、電圧制限の近傍であっても安定した電流制御を実現できる。
(2)同期機1を駆動制御する同期機制御装置100’において、同期機制御装置100’は、同期機1に対する電流指令値から第一磁束指令値を生成する第一磁束指令演算部21と、同期機1に流れる実電流から磁束推定値を求める磁束推定部23と、第一磁束指令値と磁束推定値との差分を演算して比例積分制御によって第二磁束指令値を生成する第二磁束指令演算部25と、第二磁束指令値に基づいて同軸電圧指令値および直交軸電圧指令値より成る電圧指令値を生成する電圧ベクトル演算部19と、電圧指令値が所定の電圧制限値を超過しないように直交軸電圧指令値に優先して同軸電圧指令値を制限する電圧制限部28と、電圧制限部28による電圧制限に基づいて、第二磁束指令値を補正するための磁束指令値補正量を算出する補正量算出部27とを備え、第二磁束指令演算部25は、磁束指令値補正量に基づいて比例積分制御による第二磁束指令値を補正する。これにより、電圧制限の近傍であっても安定した電流制御を実現できる。
(3)同期機1を駆動制御する同期機制御方法において、同期機1に対する電流指令値と同期機1に流れる実電流との差分を演算して比例積分制御によって電流指令値を生成し、生成された電流指令値に基づいて同軸電圧指令値および直交軸電圧指令値より成る電圧指令値を生成し、電圧指令値が所定の電圧制限値を超過しないように直交軸電圧指令値に優先して同軸電圧指令値を制限し、制限に基づいて、電流指令値を補正するための電流指令値補正量を算出し、制限により電圧制限値を超過した電圧超過分のうち、同軸成分の超過分に相当する電流指令値補正量に基づいて比例積分制御の同軸に掛かる積分器を補正する。これにより、電圧制限の近傍であっても安定した電流制御を実現できる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限り、本発明の技術思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。また、上述の実施形態を組み合わせた構成としてもよい。
1・・・モータ、2・・・電力変換器、3・・・相電流検出器、4・・・磁極位置検出器、5・・・周波数演算部、6・・・直流電圧検出器、7・・・電流座標変換部、9・・・直流電圧源、11・・・座標変換部、12・・・PWM制御器、18、19・・・電圧ベクトル演算部、21・・・第一dq軸磁束指令演算部、23・・・dq軸磁束推定部、24・・・第二dq軸電流指令演算部、25・・・第二dq軸磁束指令演算部、26、27・・・補正量算出部、28、29・・・電圧制限部、75・・・振幅・位相角演算部、76・・・振幅・位相角演算部、77・・・制限部、78、91、93・・・余弦波生成部、79、92、94・・・正弦波生成部、80、81、88、89・・・乗算器、82・・・制限値演算部、83、87・・・減算器、85・・・二乗差平方根演算部、99・・・電圧選択部、99A・・・磁束指令値補正量演算部、100、100’・・・同期機制御装置、101・・・トランスミッション、103・・・ディファレンシャルギア、105・・・ドライブシャフト、107・・・車輪。

Claims (10)

  1. 同期機を駆動制御する同期機制御装置において、
    前記同期機に対する電流指令値と前記同期機に流れる実電流との差分を演算して比例積分制御によって電流指令値を生成する電流指令演算部と、
    前記電流指令演算部で生成された電流指令値に基づいて同軸電圧指令値および直交軸電圧指令値より成る電圧指令値を生成する電圧ベクトル演算部と、
    前記電圧指令値が所定の電圧制限値を超過しないように前記直交軸電圧指令値に優先して前記同軸電圧指令値を制限する電圧制限部と、
    前記電圧制限部による電圧制限に基づいて、前記電流指令値を補正するための電流指令値補正量を算出する補正量算出部とを備え、
    前記電流指令演算部は、前記電流指令値補正量に基づいて前記比例積分制御による前記電流指令値を補正する同期機制御装置。
  2. 同期機を駆動制御する同期機制御装置において、
    前記同期機に対する電流指令値から第一磁束指令値を生成する第一磁束指令演算部と、
    前記同期機に流れる実電流から磁束推定値を求める磁束推定部と、
    前記第一磁束指令値と前記磁束推定値との差分を演算して比例積分制御によって第二磁束指令値を生成する第二磁束指令演算部と、
    前記第二磁束指令値に基づいて同軸電圧指令値および直交軸電圧指令値より成る電圧指令値を生成する電圧ベクトル演算部と、
    前記電圧指令値が所定の電圧制限値を超過しないように前記直交軸電圧指令値に優先して前記同軸電圧指令値を制限する電圧制限部と、
    前記電圧制限部による電圧制限に基づいて、前記第二磁束指令値を補正するための磁束指令値補正量を算出する補正量算出部とを備え、
    前記第二磁束指令演算部は、前記磁束指令値補正量に基づいて前記比例積分制御による前記第二磁束指令値を補正する同期機制御装置。
  3. 請求項1に記載の同期機制御装置において、
    前記電流指令演算部は、前記電圧制限により前記電圧制限値を超過した電圧超過分のうち、同軸成分の超過分に相当する前記電流指令値補正量に基づいて前記比例積分制御の同軸に掛かる積分器を補正する同期機制御装置。
  4. 請求項1に記載の同期機制御装置において、
    前記電流指令演算部は、前記電圧制限により前記電圧制限値を超過した電圧超過分のうち、直交軸成分の超過分に相当する前記電流指令値補正量に基づいて前記比例積分制御の直交軸に掛かる積分器を補正する同期機制御装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載の同期機制御装置において、
    前記電流指令演算部は、前記電圧超過分のうち、d軸の同軸方向の電圧超過分に相当する前記電流指令値補正量に基づいてq軸に掛かる積分器を補正する同期機制御装置。
  6. 請求項2に記載の同期機制御装置において、
    前記第二磁束指令演算部は、前記電圧制限により前記電圧制限値を超過した電圧超過分のうち、同軸成分の超過分に相当する前記磁束指令値補正量に基づいて前記比例積分制御の同軸に掛かる積分器を補正する同期機制御装置。
  7. 請求項2に記載の同期機制御装置において、
    前記第二磁束指令演算部は、前記電圧制限により前記電圧制限値を超過した電圧超過分のうち、直交軸成分の超過分に相当する前記磁束指令値補正量に基づいて前記比例積分制御の直交軸に掛かる積分器を補正する同期機制御装置。
  8. 請求項6または請求項7に記載の同期機制御装置において、
    前記第二磁束指令演算部は、前記電圧超過分のうち、d軸の同軸方向の電圧超過分に相当する前記磁束指令値補正量に基づいてq軸に掛かる積分器を補正する同期機制御装置。
  9. 請求項1または請求項2に記載の同期機制御装置と、
    前記同期機制御装置により駆動制御される同期機とを備える電気車。
  10. 同期機を駆動制御する同期機制御方法において、
    前記同期機に対する電流指令値と前記同期機に流れる実電流との差分を演算して比例積分制御によって電流指令値を生成し、
    前記生成された電流指令値に基づいて同軸電圧指令値および直交軸電圧指令値より成る電圧指令値を生成し、
    前記電圧指令値が所定の電圧制限値を超過しないように前記直交軸電圧指令値に優先して前記同軸電圧指令値を制限し、
    前記制限に基づいて、前記電流指令値を補正するための電流指令値補正量を算出し、
    前記制限により前記電圧制限値を超過した電圧超過分のうち、同軸成分の超過分に相当する電流指令値補正量に基づいて前記比例積分制御の同軸に掛かる積分器を補正する同期機制御方法。
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