JP2023161306A - 毛髪変形処理用第1剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】毛髪処理過程で生じる膨潤による毛髪損傷が少なく、ダメージ毛に対する毛髪形状の変形効果に優れ、さらには処理後の毛髪に硬さが残らない毛髪処理用第1剤を提供すること。【解決手段】(A)ケラチン繊維還元性物質を総モル濃度で0.25~1.14mol/L、(B)1種又は2種以上の酸性物質を0.1~10質量%、(C)水を含有し、pHが1.6~4.5、酸度が0.1~pH+0.5の範囲であり、(B)の酸性物質は、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、ピロリドンカルボン酸、酒石酸、コハク酸、レブリン酸、乳酸、マロン酸、グリコール酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸から選ばれる1種以上の特定酸性物質、又は、前記特定酸性物質以外の酸性物質である不特定酸性物質の少なくとも一方を含み、前記不特定酸性物質の配合量を1.0質量%以下としてある。【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、毛髪を所望の形状に変形させるために用いられる毛髪処理用第1剤に関する。
従来、還元剤を含む第1剤を毛髪に塗布し、毛髪内のジスルフィド結合を切断したのち、酸化剤を含む第2剤を毛髪に塗布し、ジスルフィド結合を酸化再形成することで、毛髪が所望の形状になるように固定する2剤式の毛髪処理剤(毛髪変形剤)が用いられている。
特許第4896414号公報 特許第6074866号公報 特許第6755601号公報 特開2019-6769号公報
第1剤には、毛髪を膨潤し還元剤の浸透及び作用を促進するために、アルカリ剤が使用されている。しかし、損傷が進んだ毛髪に、還元剤とアルカリ剤を含む第1剤で処理すると、毛髪は過膨潤による毛髪損傷を伴い、仕上がりの指通りが悪くなるだけでなく、損傷による毛髪のうねり(ビビり)と硬さ(ゴワつき)が発生する。この傾向は損傷が進んだ毛髪ほど顕著に現れる。
そこで、上記特許文献1の髪質改善剤には、毛髪に対するダメージを軽減し、艶やかで潤いのある落ち着いたまとまり感を付与する技術が、上記特許文献2には、アルカリ剤を無添加にすることで、パーマ施術時の毛髪損傷を制御する技術が、上記特許文献3の毛髪変形用処理剤及び毛髪変形用処理方法には、毛髪強度の低下を抑制しながら、毛髪変形を持続させ、手触りを良好とする技術が記載されている。しかしながら、これらの技術は、毛髪処理過程で生じる過膨潤を回避できず、そのため過膨潤による毛髪損傷を解決できていないという問題がある。
また、上記特許文献4の毛髪変形処理方法には、毛髪へのダメージが少なく、また毛髪のハリコシを損なうことなくあるいは向上させ、効率よく毛髪に対し半永久的ないし永久的な変形を行うことができる技術が記載されている。しかしながら、毛髪形状の変形効果が十分ではないという問題がある。
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、毛髪処理過程で生じる膨潤による毛髪損傷が少なく、ダメージ毛に対する毛髪形状の変形効果に優れ、さらには処理後の毛髪に硬さが残らない毛髪処理用第1剤を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る毛髪処理用第1剤は、(A)ケラチン繊維還元性物質を総モル濃度で0.25~1.14mol/L、(B)1種又は2種以上の酸性物質を0.1~10質量%、(C)水を含有し、pHが1.6~4.5、酸度が0.1~pH+0.5の範囲であり、(B)の酸性物質は、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、ピロリドンカルボン酸、酒石酸、コハク酸、レブリン酸、乳酸、マロン酸、グリコール酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸から選ばれる1種以上の特定酸性物質、又は、前記特定酸性物質以外の酸性物質である不特定酸性物質の少なくとも一方を含み、前記不特定酸性物質の配合量を1.0質量%以下としてあることを特徴とする(請求項1)。
本願発明では、毛髪処理過程で生じる膨潤による毛髪損傷が少なく、ダメージ毛(損傷のある毛髪)やハイダメージ毛(損傷の激しい毛髪)に対する毛髪形状の変形効果に優れ、さらには処理後の毛髪に硬さが残らない毛髪処理用第1剤が得られる。
本発明の実施の形態について以下に説明する。
本例の毛髪処理用第1剤は、上記2剤式の毛髪処理剤(毛髪変形剤)の第1剤として好適に使用することのできるものであり、(A)ケラチン繊維還元性物質、(B)1種又は2種以上の酸性物質、(C)水を含有する。
(A)ケラチン繊維還元性物質とは、毛髪の構造タンパク質であるケラチンに対し、還元作用を有する化合物であれば特に限定されず、通常のパーマネントウェーブ処理又はカーリング処理に用いることができる還元剤を挙げることができる。
(A)ケラチン繊維還元性物質の具体的な例としては、チオグリコール酸及びその塩類、システイン及びその塩類、アセチルシステイン、システアミン及びその塩類、チオグリセリン、チオグリコール酸グリセリル、チオ乳酸及びその塩類、ラクトンチオール(ブチロラクトンチオール)等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(A)ケラチン繊維還元性物質の総モル濃度は0.25~1.14mol/Lの範囲とするのが好ましい。これは、0.25mol/Lを下回ると、得られる毛髪処理用第1剤のダメージ毛に対する毛髪形状の変形効果が悪くなり、1.14mol/Lを上回ると、毛髪処理用第1剤の処理後の毛髪に硬さが残るためである。
(B)酸性物質の具体的な例としては、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、ピロリドンカルボン酸、酒石酸、コハク酸、レブリン酸、乳酸、マロン酸、グリコール酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(B)酸性物質の配合量は0.1~10質量%の範囲とするのが好ましい。これは、0.1質量%を下回ると、得られる毛髪処理用第1剤を用いた毛髪処理過程(塗布後の過程)で生じる毛髪の過膨潤を抑えることができず、それにより毛髪に損傷が生じ、10質量%を上回ると、得られる毛髪処理用第1剤のダメージ毛に対する毛髪形状の変形効果が悪くなるためである。
ここで、(B)酸性物質が、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、ピロリドンカルボン酸、酒石酸、コハク酸、レブリン酸、乳酸、マロン酸、グリコール酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸から選ばれる1種以上の特定酸性物質、又は、前記特定酸性物質以外の酸性物質である不特定酸性物質(例えば、リン酸、グリオキシル酸、塩酸、硫酸等)の少なくとも一方を含み、前記不特定酸性物質の配合量は1.0質量%以下とするのが好ましい。これは、不特定酸性物質(特定酸性物質以外の酸性物質)の配合量が1.0質量%を上回ると、得られる毛髪処理第1剤の還元剤としての効力((A)の還元作用)が弱まり、ダメージ毛~ハイダメージ毛に対する毛髪形状の変形効果が悪くなる懸念があるためである。
(C)水の具体的な例としては、水道水、イオン交換水、蒸留水、精製水および天然水が挙げられ、殺菌済みのものが好ましい。なお、(C)水の含有量は特に限定されず、使用する目的に応じて、適宜調整して用いることができ、毛髪処理用第1剤の剤型は、例えば、液状、クリーム状、ゲル状等とすることができる。
(A)~(C)を含有する毛髪処理用第1剤のpHは1.6~4.5の範囲とするのが好ましい。これは、pHが1.6を下回ると、毛髪処理第1剤の還元剤としての効力((A)の還元作用)が弱まり、ダメージ毛に対する毛髪形状の変形効果が悪くなり、pHが4.5を上回ると、毛髪の過膨潤を抑えることができず、それに伴い毛髪に損傷が生じるためである。なお、pHは、室温(25℃)における測定値が採用される。
(A)~(C)を含有する毛髪処理用第1剤の酸度は、0.1~pH+0.5(0.1以上であって、pH値に0.5を足した数値以下)の範囲とするのが好ましい。これは、0.1を下回ると、毛髪処理過程(第1剤の塗布後の過程)で生じる毛髪の過膨潤を抑えることができず、これに伴い毛髪に損傷が生じ、pH+0.5を上回ると、毛髪処理第1剤の還元剤としての効力((A)の還元作用)が弱まり、ダメージ毛に対する毛髪形状の変形効果が悪くなるためである。ここで、酸度とは、試料1gを中和するのに要する0.1mol/L-水酸化ナトリウム溶液のmL数をいう。
以上を総合すると、毛髪処理過程(第1剤の塗布)で生じる膨潤による毛髪損傷が少なく、ダメージ毛に対する毛髪形状の変形効果に優れ、処理後の毛髪に硬さが残らない毛髪処理用第1剤を調製するためには、(A)ケラチン繊維還元性物質を総モル濃度で0.25~1.14mol/L、(B)1種又は2種以上の酸性物質を0.1~10質量%、(C)水を含有し、pHが1.6~4.5、酸度が0.1~pH+0.5の範囲であり、(B)の酸性物質は、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、ピロリドンカルボン酸、酒石酸、コハク酸、レブリン酸、乳酸、マロン酸、グリコール酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸から選ばれる1種以上の特定酸性物質、又は、前記特定酸性物質以外の酸性物質である不特定酸性物質の少なくとも一方を含み、前記不特定酸性物質の配合量を1.0質量%以下としてある、という配合条件を満たす必要があるということになる。
そして、上記効果を奏する上で、(A)ケラチン繊維還元性物質のモル濃度は0.25~0.76mol/Lとするのが好ましく、0.6~0.76mol/Lとするのがより好ましい。同様に、(B)1種又は2種以上の酸性物質は0.3~2.5質量%とするのが好ましく、pHは1.8~4.5とするのが好ましい。また、酸度は0.1~4.3の範囲とするのが好ましく、0.3~1.5の範囲とするのがより好ましい。
(A)~(C)以外の成分として、毛髪処理用第1剤には、上記効果を損なわない程度に、動植物油、アミノ酸、高分子化合物、紫外線吸収剤、植物抽出物、ポリペプタイド類、タンパク質、保湿剤、有機溶剤、シリコーン類、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、香料、着色量など一般に化粧料に用いられるものを適宣配合しても良い。
(使用方法)
本例の毛髪処理用第1剤は、上記2剤式の毛髪処理剤(毛髪変形剤)の第1剤として使用されることが好ましい。具体的には、本例の毛髪処理用第1剤を毛髪に塗布した後、酸化剤を含む毛髪処理用第2剤を毛髪に塗布して、毛髪にウェーブデザイン又は/及びストレートデザインを形成する。上記使用方法においては、必要に応じてデザインを形成する工程(ロッドの巻き付け操作、ストレートアイロンによる毛髪を延伸する操作等)、洗浄工程、乾燥工程、放置工程が含まれる。すなわち、本例の毛髪処理用第1剤は、ヘアアイロンの熱処理による縮毛矯正やストレート処理、熱処理によるウェーブ形状の付与等の毛髪変形処理方法に用いることが考えられる。
ウェーブデザインの形成には、ホットパーマ処理及びコールドパーマ処理が含まれ、ストレートデザインの形成には、コテやストレートアイロンを用いた縮毛矯正及びそれらを用いないストレートパーマ処理が含まれる。
毛髪処理用第2剤に含まれる酸化剤としては、特に制限はないが、具体的には、臭素酸ナトリウム、過酸化水素、過ホウ酸塩、過炭酸塩などが挙げられる。
以下に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明は、これに何ら限定されるものではない。尚、配合量は特記しない限り質量%で表わす。
<実施例1~46>
上記配合条件を全て満たす本発明の毛髪処理用第1剤として、以下に実施例1~46を示す。
<比較例1~18>
また、上記配合条件の何れかを満たさない比較のための毛髪処理用第1剤として、以下に比較例1~18を示す。
<試験毛束の作成>
(1)膨潤による毛髪損傷評価用の試験毛束
タマリスパウダーブリーチ(玉理化学(株)製)とクリエイティブフェリエカラーオキサイド6%(玉理化学(株)製)を1:2(質量比)で混合したブリーチ剤を、毛束((株)スタッフス製「1g、10cm」)に塗布し、30℃で30分間放置後、水洗し、乾燥させた。この工程を1回行ったものを(i-1)ダメージ毛束、2回行ったものを(i-2)ハイダメージ毛束とした。
(2)毛髪形状の変形効果及び処理後の毛髪の硬さ確認用の試験毛束
伸長時の長さ28cm、重さ1.8gに調製した天然のクセ毛(インド人黒毛、(株)ジョージ・マタイ・ジャパン)毛束に、タマリスパウダーブリーチ(玉理化学(株)製)とクリエイティブフェリエカラーオキサイド6%(玉理化学(株)製)を1:2(質量比)で混合したブリーチ剤14gを塗布し、30℃で30分間放置後、ブリーチ剤を洗い流し、1時間水浴後、ドライヤーで乾燥する。この工程を1回行ったものを(i-3)ダメージ毛束、2回行ったものを(i-4)ハイダメージ毛束とした。
<処理過程で生じる膨潤による毛髪損傷評価>
調製した毛髪処理用第1剤30gに30℃で30分間浸漬させた(i-1)ダメージ毛束又は(i-2)ハイダメージ毛束の状態を官能評価により以下4つの段階で評価した。
◎:膨潤しておらず、毛髪に損傷は見られない。
〇:僅かに膨潤しているが、毛髪に損傷はほとんど見られない。
△:僅かな膨潤と毛髪損傷が見られる。
×:膨潤しており、毛髪が損傷している。
<毛髪形状の変形効果>
(i-3)ダメージ毛束又は(i-4)ハイダメージ毛束に調製した毛髪処理用第1剤5.2gを塗布し、30℃で30分間放置する。その後、毛髪処理用第1剤を洗い流す。タオルドライをしてから毛髪処理用第2剤のシスキュアデコルア2L-BR6%(玉理化学株式会社製)を5.2g塗布し、室温にて10分間放置し、毛髪処理用第2剤を洗い流す。タオルドライをしてからドライヤーで乾燥させ、毛束の状態を目視で確認することにより、以下4つの段階で評価した。
◎:クセが緩和している。
〇:クセがほとんど緩和している。
△:僅かにクセが緩和している。
×:毛髪形状に変化がない。
<処理後の毛髪の硬さ>
(i-3)ダメージ毛束又は(i-4)ハイダメージ毛束に調製した毛髪処理用第1剤5.2gを塗布し、30℃で30分間放置する。その後、毛髪処理用第1剤を洗い流す。タオルドライをしてから毛髪処理用第2剤のシスキュアデコルア2L-BR6%(玉理化学株式会社製)を5.2g塗布し、室温にて10分間放置し、毛髪処理用第2剤を洗い流す。タオルドライをしてからドライヤーで乾燥させ、毛束を官能評価により、以下4つの段階で評価した。
◎:柔らかく感じる
〇:柔らかさを少し感じる。
△:僅かに硬さを感じる。
×:硬く感じる。
なお、表1中の配合成分欄の(75%)、(59.2%)は各成分が水溶液で供給されていることから、その濃度を示している。この点は、表2~9も同様である。
実施例1~6に示されるように、含有している(A)成分(還元剤)の総モル濃度が0.25~1.14mol/Lである場合、毛髪処理過程で生じる膨潤による毛髪損傷が少なく、毛髪形状の変形効果に優れ、処理後の毛髪に硬さが生じない毛髪処理用第1剤が得られた。これに対し、比較例1は、含有している(A)成分の総モル濃度が0.25mol/L以下であるため、毛髪形状の変形効果が好ましくなく、比較例2は、含有している(A)成分のモル濃度が1.14mol/L以上であるため、膨潤による毛髪損傷と処理後の毛髪に硬さが残るといった問題が生じる。
実施例7~14に示されるように、(B)1種又は2種以上の酸性物質を0.1~10質量%含有している場合、毛髪処理過程で生じる膨潤による毛髪損傷が少なく、毛髪形状の変形効果に優れ、処理後の毛髪に硬さが生じない毛髪処理用第1剤が得られた。
これに対し比較例3及び4は、含有する(B)成分(酸性物質)が0.1質量%以下であるため、毛髪処理過程で生じる膨潤による毛髪損傷と処理後の毛髪に硬さが残るといった問題が生じ、比較例5及び6は、含有する(B)成分(酸性物質)が10質量%以上であるため、毛髪形状の変形効果が好ましくない。
実施例15~26に示されるように、pHが1.6~4.5且つ、酸度が0.1~pH+0.5の範囲である場合、毛髪処理過程で生じる膨潤による毛髪損傷が少なく、毛髪形状の変形効果に優れ、処理後の毛髪に硬さが生じない毛髪処理用第1剤が得られた。
比較例7、10、14に示されるように、pHが1.6未満の毛髪処理用第1剤は、毛髪形状の変形効果が好ましくない。比較例13に示されるように、pHが4.5超の毛髪処理用第1剤は、毛髪処理過程で生じる膨潤による毛髪損傷と処理後の毛髪に硬さが残るといった問題が生じる。比較例8、9、11、12、15、16に示されるように、酸度が0.1~pH+0.5の範囲外である毛髪処理用第1剤は、毛髪形状の変形効果が好ましくない。
実施例27~46に示されるように、(B)酸性物質がクエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、ピロリドンカルボン酸、酒石酸、コハク酸、レブリン酸、乳酸、マロン酸、グリコール酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸から選ばれる1種以上の特定酸性物質、又は、前記特定酸性物質以外の酸性物質である不特定酸性物質の少なくとも一方を含み、前記不特定酸性物質の配合量は1.0質量%以下である場合、毛髪処理過程で生じる膨潤による毛髪損傷が少なく、毛髪形状の変形効果に優れ、処理後の毛髪に硬さが生じない毛髪処理用第1剤が得られた。これに対し、比較例17、18は、不特定酸性物質の配合量が1.0質量%以上であるため、毛髪形状の変形効果が好ましくない。
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。例えば、以下のような変形例を挙げることができる。
上記実施の形態では、毛髪処理用第1剤が2剤式の毛髪処理剤(毛髪変形剤)の第1剤として使用される場合について説明したが、これに限らず、本発明の毛髪処理用第1剤は、例えば3剤式以上の多剤式の毛髪処理剤(毛髪変形剤)の第1剤として使用されてもよい。
本明細書で挙げた変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。
本発明は、例えば、毛髪を所望の形状に変形させるために用いられる毛髪変形処理用第1剤に関する。
従来、還元剤を含む第1剤を毛髪に塗布し、毛髪内のジスルフィド結合を切断したのち、酸化剤を含む第2剤を毛髪に塗布し、ジスルフィド結合を酸化再形成することで、毛髪が所望の形状になるように固定する2剤式の毛髪処理剤(毛髪変形剤)が用いられている。
特許第4896414号公報 特許第6074866号公報 特許第6755601号公報 特開2019-6769号公報
第1剤には、毛髪を膨潤し還元剤の浸透及び作用を促進するために、アルカリ剤が使用されている。しかし、損傷が進んだ毛髪に、還元剤とアルカリ剤を含む第1剤で処理すると、毛髪は過膨潤による毛髪損傷を伴い、仕上がりの指通りが悪くなるだけでなく、損傷による毛髪のうねり(ビビり)と硬さ(ゴワつき)が発生する。この傾向は損傷が進んだ毛髪ほど顕著に現れる。
そこで、上記特許文献1の髪質改善剤には、毛髪に対するダメージを軽減し、艶やかで潤いのある落ち着いたまとまり感を付与する技術が、上記特許文献2には、アルカリ剤を無添加にすることで、パーマ施術時の毛髪損傷を制御する技術が、上記特許文献3の毛髪変形用処理剤及び毛髪変形用処理方法には、毛髪強度の低下を抑制しながら、毛髪変形を持続させ、手触りを良好とする技術が記載されている。しかしながら、これらの技術は、毛髪処理過程で生じる過膨潤を回避できず、そのため過膨潤による毛髪損傷を解決できていないという問題がある。
また、上記特許文献4の毛髪変形処理方法には、毛髪へのダメージが少なく、また毛髪のハリコシを損なうことなくあるいは向上させ、効率よく毛髪に対し半永久的ないし永久的な変形を行うことができる技術が記載されている。しかしながら、毛髪形状の変形効果が十分ではないという問題がある。
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、毛髪処理過程で生じる膨潤による毛髪損傷が少なく、ダメージ毛に対する毛髪形状の変形効果に優れ、さらには処理後の毛髪に硬さが残らない毛髪変形処理用第1剤を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る毛髪変形処理用第1剤は、(A)ケラチン繊維還元性物質を総モル濃度で0.25~1.14mol/L、(B)1種又は2種以上の酸性物質を0.1~10質量%、(C)水を含有し、pHが1.6~4.5、酸度が0.1~pH+0.5の範囲であり、(B)の酸性物質は、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、ピロリドンカルボン酸、酒石酸、コハク酸、レブリン酸、乳酸、マロン酸、グリコール酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸から選ばれる1種以上の特定酸性物質、又は、前記特定酸性物質以外の酸性物質である不特定酸性物質の少なくとも一方を含み、前記不特定酸性物質はリン酸とグリオキシル酸の何れかであり、前記不特定酸性物質の配合量を1.0質量%以下としてあることを特徴とする(請求項1)。
本願発明では、毛髪処理過程で生じる膨潤による毛髪損傷が少なく、ダメージ毛(損傷のある毛髪)やハイダメージ毛(損傷の激しい毛髪)に対する毛髪形状の変形効果に優れ、さらには処理後の毛髪に硬さが残らない毛髪変形処理用第1剤が得られる。
本発明の実施の形態について以下に説明する。
本例の毛髪処理用第1剤は、上記2剤式の毛髪処理剤(毛髪変形剤)の第1剤として好適に使用することのできるものであり、(A)ケラチン繊維還元性物質、(B)1種又は2種以上の酸性物質、(C)水を含有する。
(A)ケラチン繊維還元性物質とは、毛髪の構造タンパク質であるケラチンに対し、還元作用を有する化合物であれば特に限定されず、通常のパーマネントウェーブ処理又はカーリング処理に用いることができる還元剤を挙げることができる。
(A)ケラチン繊維還元性物質の具体的な例としては、チオグリコール酸及びその塩類、システイン及びその塩類、アセチルシステイン、システアミン及びその塩類、チオグリセリン、チオグリコール酸グリセリル、チオ乳酸及びその塩類、ラクトンチオール(ブチロラクトンチオール)等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(A)ケラチン繊維還元性物質の総モル濃度は0.25~1.14mol/Lの範囲とするのが好ましい。これは、0.25mol/Lを下回ると、得られる毛髪処理用第1剤のダメージ毛に対する毛髪形状の変形効果が悪くなり、1.14mol/Lを上回ると、毛髪処理用第1剤の処理後の毛髪に硬さが残るためである。
(B)酸性物質の具体的な例としては、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、ピロリドンカルボン酸、酒石酸、コハク酸、レブリン酸、乳酸、マロン酸、グリコール酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(B)酸性物質の配合量は0.1~10質量%の範囲とするのが好ましい。これは、0.1質量%を下回ると、得られる毛髪処理用第1剤を用いた毛髪処理過程(塗布後の過程)で生じる毛髪の過膨潤を抑えることができず、それにより毛髪に損傷が生じ、10質量%を上回ると、得られる毛髪処理用第1剤のダメージ毛に対する毛髪形状の変形効果が悪くなるためである。
ここで、(B)酸性物質が、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、ピロリドンカルボン酸、酒石酸、コハク酸、レブリン酸、乳酸、マロン酸、グリコール酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸から選ばれる1種以上の特定酸性物質、又は、前記特定酸性物質以外の酸性物質である不特定酸性物質(リン酸、グリオキシル酸)の少なくとも一方を含み、前記不特定酸性物質の配合量は1.0質量%以下とするのが好ましい。これは、不特定酸性物質(特定酸性物質以外の酸性物質)の配合量が1.0質量%を上回ると、得られる毛髪処理第1剤の還元剤としての効力((A)の還元作用)が弱まり、ダメージ毛~ハイダメージ毛に対する毛髪形状の変形効果が悪くなる懸念があるためである。
(C)水の具体的な例としては、水道水、イオン交換水、蒸留水、精製水および天然水が挙げられ、殺菌済みのものが好ましい。なお、(C)水の含有量は特に限定されず、使用する目的に応じて、適宜調整して用いることができ、毛髪処理用第1剤の剤型は、例えば、液状、クリーム状、ゲル状等とすることができる。
(A)~(C)を含有する毛髪処理用第1剤のpHは1.6~4.5の範囲とするのが好ましい。これは、pHが1.6を下回ると、毛髪処理第1剤の還元剤としての効力((A)の還元作用)が弱まり、ダメージ毛に対する毛髪形状の変形効果が悪くなり、pHが4.5を上回ると、毛髪の過膨潤を抑えることができず、それに伴い毛髪に損傷が生じるためである。なお、pHは、室温(25℃)における測定値が採用される。
(A)~(C)を含有する毛髪処理用第1剤の酸度は、0.1~pH+0.5(0.1以上であって、pH値に0.5を足した数値以下)の範囲とするのが好ましい。これは、0.1を下回ると、毛髪処理過程(第1剤の塗布後の過程)で生じる毛髪の過膨潤を抑えることができず、これに伴い毛髪に損傷が生じ、pH+0.5を上回ると、毛髪処理第1剤の還元剤としての効力((A)の還元作用)が弱まり、ダメージ毛に対する毛髪形状の変形効果が悪くなるためである。ここで、酸度とは、試料1gを中和するのに要する0.1mol/L-水酸化ナトリウム溶液のmL数をいう。
以上を総合すると、毛髪処理過程(第1剤の塗布)で生じる膨潤による毛髪損傷が少なく、ダメージ毛に対する毛髪形状の変形効果に優れ、処理後の毛髪に硬さが残らない毛髪処理用第1剤を調製するためには、(A)ケラチン繊維還元性物質を総モル濃度で0.25~1.14mol/L、(B)1種又は2種以上の酸性物質を0.1~10質量%、(C)水を含有し、pHが1.6~4.5、酸度が0.1~pH+0.5の範囲であり、(B)の酸性物質は、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、ピロリドンカルボン酸、酒石酸、コハク酸、レブリン酸、乳酸、マロン酸、グリコール酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸から選ばれる1種以上の特定酸性物質、又は、前記特定酸性物質以外の酸性物質である不特定酸性物質の少なくとも一方を含み、前記不特定酸性物質の配合量を1.0質量%以下としてある、という配合条件を満たす必要があるということになる。
そして、上記効果を奏する上で、(A)ケラチン繊維還元性物質のモル濃度は0.25~0.76mol/Lとするのが好ましく、0.6~0.76mol/Lとするのがより好ましい。同様に、(B)1種又は2種以上の酸性物質は0.3~2.5質量%とするのが好ましく、pHは1.8~4.5とするのが好ましい。また、酸度は0.1~4.3の範囲とするのが好ましく、0.3~1.5の範囲とするのがより好ましい。
(A)~(C)以外の成分として、毛髪処理用第1剤には、上記効果を損なわない程度に、動植物油、アミノ酸、高分子化合物、紫外線吸収剤、植物抽出物、ポリペプタイド類、タンパク質、保湿剤、有機溶剤、シリコーン類、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、香料、着色量など一般に化粧料に用いられるものを適宣配合しても良い。
(使用方法)
本例の毛髪処理用第1剤は、上記2剤式の毛髪処理剤(毛髪変形剤)の第1剤として使用されることが好ましい。具体的には、本例の毛髪処理用第1剤を毛髪に塗布した後、酸化剤を含む毛髪処理用第2剤を毛髪に塗布して、毛髪にウェーブデザイン又は/及びストレートデザインを形成する。上記使用方法においては、必要に応じてデザインを形成する工程(ロッドの巻き付け操作、ストレートアイロンによる毛髪を延伸する操作等)、洗浄工程、乾燥工程、放置工程が含まれる。すなわち、本例の毛髪処理用第1剤は、ヘアアイロンの熱処理による縮毛矯正やストレート処理、熱処理によるウェーブ形状の付与等の毛髪変形処理方法に用いることが考えられる。
ウェーブデザインの形成には、ホットパーマ処理及びコールドパーマ処理が含まれ、ストレートデザインの形成には、コテやストレートアイロンを用いた縮毛矯正及びそれらを用いないストレートパーマ処理が含まれる。
毛髪処理用第2剤に含まれる酸化剤としては、特に制限はないが、具体的には、臭素酸ナトリウム、過酸化水素、過ホウ酸塩、過炭酸塩などが挙げられる。
以下に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明は、これに何ら限定されるものではない。尚、配合量は特記しない限り質量%で表わす。
<実施例1~46>
上記配合条件を全て満たす本発明の毛髪処理用第1剤として、以下に実施例1~46を示す。
<比較例1~18>
また、上記配合条件の何れかを満たさない比較のための毛髪処理用第1剤として、以下に比較例1~18を示す。
<試験毛束の作成>
(1)膨潤による毛髪損傷評価用の試験毛束
タマリスパウダーブリーチ(玉理化学(株)製)とクリエイティブフェリエカラーオキサイド6%(玉理化学(株)製)を1:2(質量比)で混合したブリーチ剤を、毛束((株)スタッフス製「1g、10cm」)に塗布し、30℃で30分間放置後、水洗し、乾燥させた。この工程を1回行ったものを(i-1)ダメージ毛束、2回行ったものを(i-2)ハイダメージ毛束とした。
(2)毛髪形状の変形効果及び処理後の毛髪の硬さ確認用の試験毛束
伸長時の長さ28cm、重さ1.8gに調製した天然のクセ毛(インド人黒毛、(株)ジョージ・マタイ・ジャパン)毛束に、タマリスパウダーブリーチ(玉理化学(株)製)とクリエイティブフェリエカラーオキサイド6%(玉理化学(株)製)を1:2(質量比)で混合したブリーチ剤14gを塗布し、30℃で30分間放置後、ブリーチ剤を洗い流し、1時間水浴後、ドライヤーで乾燥する。この工程を1回行ったものを(i-3)ダメージ毛束、2回行ったものを(i-4)ハイダメージ毛束とした。
<処理過程で生じる膨潤による毛髪損傷評価>
調製した毛髪処理用第1剤30gに30℃で30分間浸漬させた(i-1)ダメージ毛束又は(i-2)ハイダメージ毛束の状態を官能評価により以下4つの段階で評価した。
◎:膨潤しておらず、毛髪に損傷は見られない。
〇:僅かに膨潤しているが、毛髪に損傷はほとんど見られない。
△:僅かな膨潤と毛髪損傷が見られる。
×:膨潤しており、毛髪が損傷している。
<毛髪形状の変形効果>
(i-3)ダメージ毛束又は(i-4)ハイダメージ毛束に調製した毛髪処理用第1剤5.2gを塗布し、30℃で30分間放置する。その後、毛髪処理用第1剤を洗い流す。タオルドライをしてから毛髪処理用第2剤のシスキュアデコルア2L-BR6%(玉理化学株式会社製)を5.2g塗布し、室温にて10分間放置し、毛髪処理用第2剤を洗い流す。タオルドライをしてからドライヤーで乾燥させ、毛束の状態を目視で確認することにより、以下4つの段階で評価した。
◎:クセが緩和している。
〇:クセがほとんど緩和している。
△:僅かにクセが緩和している。
×:毛髪形状に変化がない。
<処理後の毛髪の硬さ>
(i-3)ダメージ毛束又は(i-4)ハイダメージ毛束に調製した毛髪処理用第1剤5.2gを塗布し、30℃で30分間放置する。その後、毛髪処理用第1剤を洗い流す。タオルドライをしてから毛髪処理用第2剤のシスキュアデコルア2L-BR6%(玉理化学株式会社製)を5.2g塗布し、室温にて10分間放置し、毛髪処理用第2剤を洗い流す。タオルドライをしてからドライヤーで乾燥させ、毛束を官能評価により、以下4つの段階で評価した。
◎:柔らかく感じる
〇:柔らかさを少し感じる。
△:僅かに硬さを感じる。
×:硬く感じる。
なお、表1中の配合成分欄の(75%)、(59.2%)は各成分が水溶液で供給されていることから、その濃度を示している。この点は、表2~9も同様である。
実施例1~6に示されるように、含有している(A)成分(還元剤)の総モル濃度が0.25~1.14mol/Lである場合、毛髪処理過程で生じる膨潤による毛髪損傷が少なく、毛髪形状の変形効果に優れ、処理後の毛髪に硬さが生じない毛髪処理用第1剤が得られた。これに対し、比較例1は、含有している(A)成分の総モル濃度が0.25mol/L以下であるため、毛髪形状の変形効果が好ましくなく、比較例2は、含有している(A)成分のモル濃度が1.14mol/L以上であるため、膨潤による毛髪損傷と処理後の毛髪に硬さが残るといった問題が生じる。
実施例7~14に示されるように、(B)1種又は2種以上の酸性物質を0.1~10質量%含有している場合、毛髪処理過程で生じる膨潤による毛髪損傷が少なく、毛髪形状の変形効果に優れ、処理後の毛髪に硬さが生じない毛髪処理用第1剤が得られた。
これに対し比較例3及び4は、含有する(B)成分(酸性物質)が0.1質量%以下であるため、毛髪処理過程で生じる膨潤による毛髪損傷と処理後の毛髪に硬さが残るといった問題が生じ、比較例5及び6は、含有する(B)成分(酸性物質)が10質量%以上であるため、毛髪形状の変形効果が好ましくない。
実施例15~26に示されるように、pHが1.6~4.5且つ、酸度が0.1~pH+0.5の範囲である場合、毛髪処理過程で生じる膨潤による毛髪損傷が少なく、毛髪形状の変形効果に優れ、処理後の毛髪に硬さが生じない毛髪処理用第1剤が得られた。
比較例7、10、14に示されるように、pHが1.6未満の毛髪処理用第1剤は、毛髪形状の変形効果が好ましくない。比較例13に示されるように、pHが4.5超の毛髪処理用第1剤は、毛髪処理過程で生じる膨潤による毛髪損傷と処理後の毛髪に硬さが残るといった問題が生じる。比較例8、9、11、12、15、16に示されるように、酸度が0.1~pH+0.5の範囲外である毛髪処理用第1剤は、毛髪形状の変形効果が好ましくない。
実施例27~46に示されるように、(B)酸性物質がクエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、ピロリドンカルボン酸、酒石酸、コハク酸、レブリン酸、乳酸、マロン酸、グリコール酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸から選ばれる1種以上の特定酸性物質、又は、前記特定酸性物質以外の酸性物質である不特定酸性物質の少なくとも一方を含み、前記不特定酸性物質の配合量は1.0質量%以下である場合、毛髪処理過程で生じる膨潤による毛髪損傷が少なく、毛髪形状の変形効果に優れ、処理後の毛髪に硬さが生じない毛髪処理用第1剤が得られた。これに対し、比較例17、18は、不特定酸性物質の配合量が1.0質量%以上であるため、毛髪形状の変形効果が好ましくない。
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。例えば、以下のような変形例を挙げることができる。
上記実施の形態では、毛髪処理用第1剤が2剤式の毛髪処理剤(毛髪変形剤)の第1剤として使用される場合について説明したが、これに限らず、本発明の毛髪処理用第1剤は、例えば3剤式以上の多剤式の毛髪処理剤(毛髪変形剤)の第1剤として使用されてもよい。
本明細書で挙げた変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。

Claims (1)

  1. (A)ケラチン繊維還元性物質を総モル濃度で0.25~1.14mol/L、
    (B)1種又は2種以上の酸性物質を0.1~10質量%、
    (C)水
    を含有し、
    pHが1.6~4.5、酸度が0.1~pH+0.5の範囲であり、
    (B)の酸性物質は、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、ピロリドンカルボン酸、酒石酸、コハク酸、レブリン酸、乳酸、マロン酸、グリコール酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸から選ばれる1種以上の特定酸性物質、又は、前記特定酸性物質以外の酸性物質である不特定酸性物質の少なくとも一方を含み、前記不特定酸性物質の配合量を1.0質量%以下としてあることを特徴とする毛髪処理用第1剤。
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