JP2023161220A - 液体吐出ヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】制御部品の実装後に再分極処理が可能な液体吐出ヘッドを提供する。【解決手段】一実施形態にかかる液体吐出ヘッドは、アクチュエータと、振動板と、電子部品と、を備える。アクチュエータは交互に積層される圧電体層及び電極を有する。振動板はアクチュエータに対向配置される。電子部品はアクチュエータに接続される。アクチュエータの圧電体層の1層の厚さをA[mm]、電子部品の上限電圧をB[V]、電子部品の耐熱温度の条件下における圧電体層を構成する圧電体の分極電界をC[V/mm]とすると、B/A≧Cを満たす。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、液体吐出ヘッドに関する。
インクジェットヘッドの方式の一つとしてPZTなどの圧電体の変形を用いて、インクを吐出させる方式が用いられている。印字品質に影響を与える圧電部材の圧電特性をばらつかせる要因として、製造段階においては原料ロットの圧電特性のばらつきや加工時の劣化などがあり、実機搭載・市場流通後の運用段階では、経年劣化などがある。圧電特性のばらつきの対策として、圧電体の再分極処理が提案されている。また、分極量の調整として、各圧電素子の分極を一旦消去した後、再分極処理して行うことで、製品の歩留まりを向上させることも提案されている。しかしながら、基板や電子部品などの制御部品の実装後は印加可能な電圧の方向及び大きさが制限されるため、再分極処理によるメンテナンスが困難である。
本発明が解決しようとする課題は、制御部品の実装後に再分極処理が可能な液体吐出ヘッドを提供することである。
一実施形態にかかる液体吐出ヘッドは、アクチュエータと、振動板と、電子部品と、を備える。アクチュエータは交互に積層される圧電体層及び電極を有する。振動板はアクチュエータに対向配置される。電子部品はアクチュエータに接続される。アクチュエータの圧電体層の1層の厚さをA[mm]、電子部品の上限電圧をB[V]、電子部品の耐熱温度の条件下における圧電体層を構成する圧電体の分極電界をC[V/mm]とすると、B/A≧Cを満たす。
以下に、第1実施形態に係る液体吐出ヘッドであるインクジェットヘッド1及び液体吐出装置であるインクジェット記録装置100について、図1乃至図3を参照して説明する。図1及び図2は、インクジェットヘッド1の概略構成を示す断面図であり、図3は、インクジェット記録装置100の概略構成を示す説明図である。図中矢印X、Y、Zは互いに直交する3方向をそれぞれ示す。各図において説明のため、適宜構成を拡大、縮小または省略して示す。
図1及び図2に示すように、インクジェットヘッド1は、ベース10と、複数のアクチュエータ部20と、流路部材40と、複数のノズル51を有するノズルプレート50と、構造部としてのフレーム部60と、駆動回路70と、を備える。一例として、インクジェットヘッド1は、アクチュエータ部20を2つ備え、複数のノズル51が列方向(X方向)に並ぶノズル列、複数の圧力室31が列方向に並ぶ圧力室列、及び複数の圧電素子21、22、が列方向に並ぶ素子列をそれぞれ2列ずつ有する。本実施形態において、圧電体層211の積層方向、圧電素子21の振動方向、振動板30の振動方向、がそれぞれZ方向に沿う例を示す。
ベース10は、例えば、矩形板状に形成される。
アクチュエータ部20は、ベース10の一方側に、接合される。アクチュエータ部20は、例えばベース10上に複数並列して設けられる。
各アクチュエータ部20は、例えば、圧電部材で構成され、列方向に沿って交互に配列されるアクチュエータとしての複数の駆動圧電素子21、及び複数の非駆動圧電素子22と、これら複数の圧電素子21、22をベース10側で一体に連結する圧電構造部26と、を備える。
各アクチュエータ部20において、複数の駆動圧電素子21及び複数の非駆動圧電素子22とは、一定の間隔で一方向に並ぶ。
一例として、複数の駆動圧電素子21及び複数の非駆動圧電素子22とは、いずれも外形が同形状の直方体の柱状に構成される。アクチュエータ部20は、複数の溝23により、複数に分割され、複数の駆動圧電素子21、非駆動圧電素子22は、全て、同じ幅の溝23によって、同ピッチで列方向に並んでいる。
例えば、積層圧電部材のZ方向の一方側から溝23を形成する際に、溝23の深さを積層圧電部材のZ方向の全長よりも短く設定して圧電構造部26を残すことで、一端側が複数に分割され、他端側が連結する形状とすることが可能である。
例えば複数の駆動圧電素子21及び複数の非駆動圧電素子22とは、それぞれ、Z方向から見た平面視において、短手方向が素子列の列方向に沿うとともに、長手方向が列方向及びZ方向に対して直交する延出方向に沿う、矩形状に構成される。
駆動圧電素子21は、Z方向において、流路部材40に形成された複数の圧力室31にそれぞれ対向する位置に配列される。一例として、駆動圧電素子21の列方向及び延出方向の中心位置と、圧力室31の列方向及び延出方向の中心位置とが、Z方向に並んで配列される。
非駆動圧電素子22は、Z方向において、流路部材40に形成された複数の隔壁部42にそれぞれ対向する位置に配列される。一例として、駆動圧電素子21の列方向及び延出方向の中心位置と、隔壁部42の列方向及び延出方向の中心位置とが、Z方向に並んで配列される。
例えばアクチュエータ部20は、予めベース10に接合された積層型圧電部材を、ベース10側とは反対側の端面からダイシング加工して溝23を形成することで、矩形の柱状に形成された複数の圧電素子を所定の間隔で形成する。そして、形成された複数の柱状の素子に、電極等が設けられ、交互に配置された複数の駆動圧電素子21及び複数の非駆動圧電素子22とが形成される。複数の駆動圧電素子21及び複数の非駆動圧電素子22は、列方向において、溝23を挟んで交互に並列配置される。
例えば、アクチュエータ部20を構成する積層型圧電部材は、シート状の圧電材料を積層して焼結することで形成される。
駆動圧電素子21、非駆動圧電素子22を構成する圧電部材は、例えば積層圧電体である。駆動圧電素子21、非駆動圧電素子22は、積層された複数の圧電体層211と、各圧電体層211の主面に形成される内部電極221、222と、を備える。なお、一例として、駆動圧電素子21、非駆動圧電素子22は同じ積層構造である。そして、駆動圧電素子21及び非駆動圧電素子22は、表面に形成された外部電極223、224を備える。
圧電体層211は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系、または無鉛のKNN(ニオブ酸ナトリウムカリウム)系等の圧電材料から薄板状に構成される。複数の圧電体層211は厚さ方向が積層方向に沿って積層され、互いに接着されている。例えば本実施形態において圧電体層211の厚さ方向及び積層方向が、振動方向(Z方向)に沿って配置される。
内部電極221、222は、銀パラジウムなどの焼成可能な導電性材料で所定形状に構成される導電膜である。内部電極221、222は各圧電体層211の主面の所定領域に形成される。内部電極221、222は、互いに異なる極である。例えば、一方の内部電極221は、複数の駆動圧電素子21及び複数の非駆動圧電素子22の並び方向である列方向(X方向)、振動方向(Z方向)の双方と直交する方向である延出方向(Y方向)において、圧電体層211の一方の端部に至り、圧電体層211の他方の端部には至らない領域に形成される。他方の内部電極222は、延出方向において、圧電体層211の一方の端部には至らず、圧電体層211の他方の端部に至る領域に形成される。内部電極221、222は圧電素子21、22の側面に形成される外部電極223、224にそれぞれ接続される。
また駆動圧電素子21、非駆動圧電素子22を構成する積層圧電部材は、ベース10側とノズルプレート50側の端部のいずれかまたは両方に、ダミー層212をさらに備える。ダミー層212は例えば圧電体層211と同材料で構成され、電極を片側にしか有さず、電界がかからないので変形しない。例えばダミー層212は圧電体としては機能せず、アクチュエータ部20をベース10に固定するベースとなり、あるいは組立中や組立後の精度を出すために研磨する研磨代となる。
外部電極223、224は、複数の駆動圧電素子21及び複数の非駆動圧電素子22の表面に形成され、内部電極221、222の端部を集めて構成される。例えば外部電極223、224は、圧電体層211の延出方向における一方の端面と他方の端面とに、それぞれ形成される。外部電極223、224はメッキ法やスパッタ法など既知の方法で、Ni、Cr、Auなどにより成膜される。外部電極223と外部電極224は、異なる極である。外部電極223と外部電極224とは、複数の駆動圧電素子21及び複数の非駆動圧電素子22の異なる側面部にそれぞれ配置されている。なお、外部電極223と224とは、複数の駆動圧電素子21及び複数の非駆動圧電素子22の同じ側面部のうち、異なる領域に取り回されていてもよい。
本実施形態において一例として外部電極223を個別電極、外部電極224を共通電極とする。複数の駆動圧電素子21及び複数の非駆動圧電素子22の個別電極となる外部電極223は、電極層が溝23によって分割され、互いに独立して配置される。共通電極となる外部電極224は、電極層が例えば圧電構造部26の側面において互いに連結され、例えば接地される。外部電極223、224は、例えば配線フィルム71を介して駆動回路70に接続される。例えば、個々の外部電極223、224は、配線フィルム71により駆動回路70の駆動IC72を介して、駆動部としての制御部116に接続され、制御回路1161による制御によって駆動制御可能に構成される。なお、共通電極と個別電極の配置は逆であってもよい。
また、各圧電素子21、22の振動方向は積層方向に沿っており、電界を印加することで、d33方向に変位する。
各圧電素子21、22は、圧電体層211及び内部電極221,222の積層数が3層以上である。一例として、各圧電素子21、22は、3層以上、50層以下、各層の厚さを10μm以上、40μm以下とし、厚さと総積層数の積を1000μm未満とする。
各圧電素子21、22は、個々の圧電体層211の積層方向の寸法である厚さをA[mm]、電子部品の上限電圧をB[V]、電子部品の耐熱温度において圧電体層211を構成する圧電体を分極するのに必要な分極電界をC[V/mm]とした場合に、B/A≧Cが成り立つ構成である。個々の圧電体層211の積層方向の寸法である厚さA[mm]は言い換えると、圧電体層211の1層の厚さである。
ここで上限電圧(最大入力許容電圧)は、吐出制御に用いられる各種電子部品のうち、再分極処理の際に電圧が印加される部品に印加可能な最大電圧であり、一例として、駆動IC72の上限電圧を用いる。
例えば圧電体層211がPZTで構成され、搭載されている電子部品の上限電圧を駆動IC72により規定される60Vとし、当該電子部品の耐熱温度が80℃であるとした場合、圧電体層211に使用している圧電体を80℃条件下で分極処理をする際に必要な電界が3.5kV/mmとなり、圧電体層211の1層あたりの厚みは17.1μm以下となる。
インクジェットヘッド1は、このような構造により、組立後に制御系を利用して再分極処理を行うことができる。すなわち、吐出制御用の制御回路を用いて、再分極処理とそれによる圧電定数を制御することで、製造段階において歩留りの向上・運用段階において印字品質を改善するメンテナンスをすることができる。
駆動圧電素子21は、外部電極223、224を介して内部電極221、222に電圧が印加されることで、振動する。本実施形態において、駆動圧電素子21は、圧電体層211の積層方向に沿って縦振動する。ここで言う縦振動とは、例えば「圧電定数d33で定義される厚み方向の振動」である。駆動圧電素子21は、縦振動により、振動板30を変位させ、圧力室31を変形させる。
流路部材40は、変形方向においてアクチュエータ部20の一方側に対向配置される振動板30と、振動板30の一方側に積層されるマニホールド405と、を備える。
振動板30は振動方向においてマニホールド405とアクチュエータ部20との間に設けられる。振動板30は、マニホールド405とともに、流路部材40を構成する。
振動板30は振動方向であるZ方向と直交する面に沿って延び、複数の圧電素子21、22の圧電体層211の振動方向の一方側、即ち、ノズルプレート50側の面に接合される。振動板30は、例えば変形可能に構成される。振動板30は、アクチュエータ部20の駆動圧電素子21及び非駆動圧電素子22と、フレーム部60と、に接合される。例えば振動板30は、圧電素子21、22に対向する振動領域301と、フレーム部60に対向する支持領域302と、を有する。
振動領域301は、例えば厚さ方向が圧電体層211の振動方向となるように配された平板状である。振動板30は、複数の駆動圧電素子21及び複数の非駆動圧電素子22の並び方向に面方向が延びる。振動板30は、例えば金属板である。振動板30は、各圧力室31に対向するとともに個別に変位可能な複数の振動部位を有する。振動板30は、複数の振動部位が一体に連なって形成される。
一例として、振動板30はSUS板で構成され、振動方向に沿う厚さ寸法は5μm~15μm程度に構成される。なお、振動領域301は、複数の振動部位が、変位しやすいように、振動部位と隣接する部位あるいは互いに隣接する振動部位間に、折り目や段差が形成されていてもよい。振動領域301は、駆動圧電素子21の伸長と圧縮によって、当該駆動圧電素子21に対向配置された部位が変位することで、変形する。例えば、振動板30は非常に薄く複雑な形状が必要なため、電鋳法等により、形成される。振動板30アクチュエータ部20の上端面に接着などで接合される。
支持領域302は、フレーム部60とマニホールド405との間に配置される板状部材である。支持領域302は、共通室32に連通する貫通孔を有する連通部33を有する。
例えば連通部33は貫通孔として液体が通過可能な多数の細孔を有するフィルタ部材を備える。
マニホールド405は、振動方向においてノズルプレート50と振動板30の間に配置される。マニホールドは振動板30の振動方向の一方側に接合される。
マニホールド405は、振動板30の外縁部に接合される周壁部41と、複数のインク流路35を隔てる複数の隔壁部42と、ガイド流路34を形成するガイド壁43と、を備える。マニホールド405は、隔壁部42によって隔てられる複数の圧力室31と、複数の圧力室31から連通部33に向けて第2方向に延びるとともに隔壁部42によって隔てられるガイド流路34と、を有する所定のインク流路35が形成される。
マニホールド405内において、第3方向に並列する複数の圧力室31は、隔壁部42によって隔てられる。すなわち、圧力室31の第3方向の両側は隔壁部42によって構成される。各圧力室31は、一方側に配されるノズルプレート50に形成されたノズル51に連通する。また、圧力室31は、ノズルプレート50の反対側が振動板30によって塞がれる。
複数の圧力室31は、振動板30の振動領域301の一方側に形成される空間であり、ガイド流路34及び連通部33を介して共通室32に連通する。複数の圧力室31は、ノズルプレート50に形成されたノズル51に連通する。また、圧力室31は、ノズルプレート50の反対側が振動板30によって塞がれる。
複数の圧力室31は共通室32からガイド流路34を経て供給される液体を保有し、圧力室31の一部を形成する振動板30の振動によって変形することで、ノズル51から液体を吐出する。
隔壁部42は、並列方向に並ぶ複数の圧力室31間を隔てるとともに、並列方向に並ぶ複数のガイド流路34間を隔て、圧力室31及びガイド流路34の両側部を構成する壁部材である。隔壁部42は振動板30を介して、非駆動圧電素子22に対向配置され、非駆動圧電素子22によって支持される。隔壁部42は、複数の圧力室31が並ぶピッチと同ピッチで複数設けられる。
ノズルプレート50は、例えばSUS・Niなどの金属やポリイミドなどの樹脂材料からなる厚さ10μm~100μm程度の方形の板状に構成される。ノズルプレート50は圧力室31の一方側の開口を覆うように、マニホールド405の一方側に配置されている。
ノズル51は圧力室31の並び方向と同じ第1方向に複数並び、ノズル列が形成される。例えばノズル51は、2列設けられ、各ノズル51が、2列に配列された複数の圧力室31に対応する位置にそれぞれ設けられている。本実施形態において、ノズル51は、圧力室31の、延出方向における端部の位置に、それぞれ設けられている。
フレーム部60は圧電素子21、22とともに振動板30に接合される構造体である。フレーム部60は圧電素子21、22の、振動板30の、マニホールド405とは反対側に設けられ、例えば本実施形態においてはアクチュエータ部20に隣接して配置される。フレーム部60は、インクジェットヘッド1の外郭を構成する。またフレーム部60は、内部に液体の流路を形成していてもよい。本実施形態において、フレーム部60は、振動板30の他方側に接合されるとともに、振動板30との間に共通室32を形成する。
共通室32は、フレーム部60の内側に形成され、振動板30に設けられた連通部33、及びガイド流路34を通じて、圧力室31に連通する。
駆動回路70は、一端が外部電極223、224に接続される配線フィルム71と、配線フィルム71に搭載された駆動IC72と、配線フィルム71の他端に実装されたプリント配線基板73と、を備える。
駆動回路70は、駆動IC72により駆動電圧を外部電極223、224に印加することで、駆動圧電素子21を駆動し、圧力室31の容積を増減させて、ノズル51から液滴を吐出させる。
配線フィルム71は、複数の外部電極223、224に接続される。例えば、配線フィルム71は、外部電極223、224の接続部に熱圧着等により固定されるACF(異方導電性フィルム)である。配線フィルム71は、例えば、電子部品として駆動IC72が実装されたCOF(Chip on Film)である。
駆動IC72は、配線フィルム71を介して外部電極223、224に接続される。駆動IC72は、吐出制御に用いられる電子部品である。なお、駆動IC72は、配線フィルム71ではなく、ACP(異方導電ペースト)、NCF(非導電性フィルム)、及びNCP(非導電性ペースト)のような他の手段によって、外部電極223、224に接続されても良い。
駆動IC72は、各駆動圧電素子21を動作させるための制御信号及び駆動信号を生成する。駆動IC72は、インクジェットヘッド1が搭載されるインクジェット記録装置100の制御部116から入力された画像信号に従い、インクを吐出させるタイミング及びインクを吐出させる駆動圧電素子21を選択するなどの制御のための制御信号を生成する。また、駆動IC72は、制御部116からの制御信号に従って駆動圧電素子21に印加する電圧、すなわち駆動信号(電気信号)を生成する。駆動IC72が駆動圧電素子21に駆動信号を印加すると、駆動圧電素子21は、振動板30を変位させて圧力室31の容積を変化させるように駆動する。これにより、圧力室31に充填されたインクは、圧力振動を生じる。圧力振動により、圧力室31に設けられたノズル51からインクが吐出する。なお、インクジェットヘッド1は、1画素に着弾するインク滴の量を変更することで階調表現を実現できるようにしてもよい。また、インクジェットヘッド1は、インクの吐出回数を変えることで、1画素に着弾するインク滴の量を変更できるようにしてもよい。このように、駆動IC72は、駆動信号を駆動圧電素子21に印加する印加部の一例である。
例えば、駆動IC72は、データバッファ、デコーダ、ドライバを備えている。データバッファは、印字データを駆動圧電素子21毎に時系列に保存する。デコーダは、駆動圧電素子21毎に、データバッファに保存された印字データに基づいて、ドライバを制御する。ドライバは、デコーダの制御に基づき、各駆動圧電素子21を動作させる駆動信号を出力する。駆動信号は、例えば各駆動圧電素子21に印加する電圧である。
プリント配線基板73は、各種電子部品やコネクタが搭載されたPWA(Printing Wiring Assembly)であり、ヘッド制御回路731を有する。プリント配線基板73は、インクジェット記録装置100の制御部116に接続される。
以上のように構成されたインクジェットヘッド1において、ノズルプレート50と、フレーム部60と、マニホールド405と、振動板30とによって、ノズル51に連通する複数の圧力室31と、複数の圧力室31にそれぞれ連通する複数のガイド流路34と、複数のガイド流路34に連通する共通室32と、を有するインク流路が形成される。例えば共通室32はカートリッジに連通し、インクが共通室32を通じて各圧力室31へ供給される。全ての駆動圧電素子21は配線により電圧が印加可能に接続されている。インクジェットヘッド1は、例えばインクジェット記録装置100の制御部116が、駆動IC72により電極221、222に駆動電圧を印加すると、駆動対象の駆動圧電素子21が例えば積層方向、すなわち各圧電体層211の厚さ方向に振動する。つまり、駆動圧電素子21は縦振動する。
具体的には、制御部116は、駆動対象の駆動圧電素子21の内部電極221、222に駆動電圧を印加して、駆動対象の駆動圧電素子21を選択的に駆動する。そして、駆動対象の駆動圧電素子21による、引張方向の変形と圧縮方向の変形を組み合わせて、振動板30を変形させ、圧力室31の容積を変化させることで、共通室32から液体を導き、ノズル51から吐出させる。
本実施形態にかかるインクジェットヘッド1の製造方法の一例について説明する。まず、シート状に形成された圧電材料に、内部電極221、222を印刷処理により形成する。そして内部電極221、222を有する複数枚の圧電体層211を積層し、焼成処理、及び分極処理を行い、積層圧電部材を構成する。このとき、圧電体層211の積層数は3層以上とし、各圧電体層211の厚さは、個々の圧電体層211の厚さをA[mm]、駆動IC72等の電子部品の上限電圧をB[V]、電子部品の耐熱温度である80℃時に必要な分極電界をC[V/mm]とした場合に、B/A≧Cが成り立つ厚さとするとともに、10μm以上とする。例えば圧電体層211をPZTで構成し、ヘッドに搭載されている電子部品の上限電圧が駆動IC72により規定される60Vであり、耐熱温度が80℃、使用している圧電体を80℃条件下で分極処理をする際に必要な電界が3.5kV/mmである場合には、圧電体層211の1層あたりの厚みは17.1μm以下とする。
そして、ベース10上に、あらかじめ内部電極221、222を形成した積層圧電部材を、配置する。例えば2つのアクチュエータ部20を構成する積層圧電部材は一体としてベース10に接合した後、溝加工などにより2つに分割してもよく、あるいは2つのアクチュエータ部20を構成する2つの積層圧電部材を別々に用意してもよい。
続いて、2つの積層圧電部材に、印刷処理により外部電極224を形成する。さらに、ダイシング加工等により、複数の溝23を、所定のピッチで同時に形成し、積層圧電部材を複数に分割することで、同ピッチで並ぶ複数の圧電素子21、22となる複数の柱状素子を形成する。以上により、同ピッチで並ぶ複数の駆動圧電素子21と、非駆動圧電素子22とが、形成される。
外部電極223,224に、制御部品としての、駆動IC72等の電子部品が実装された配線フィルム71を、例えばハンダ実装等により接続する。さらに配線フィルム71に、ヘッド制御回路731を有する配線基板73を、接続する。
そして、アクチュエータ部20に、振動板30、マニホールド405、及びノズルプレート50を、間に接合材を介して積層して位置決めを行い、アクチュエータ部20の外周にフレーム部60を配置し、これら複数の部材を接合する。
このように構成されたインクジェットヘッド1においては、組立後に再分極処理が必要になった場合には、電子部品が実装された状態で、吐出制御に用いられる駆動用の制御回路を利用して圧電素子21,22の内部電極221,222を介して、各圧電体層211に電圧を印加することで、再分極処理を行う。例えば、外部端末から、配線基板73のヘッド制御回路731及び駆動IC72を介して、再分極処理の条件を調整することができる。例えば、再分極処理において、外部電源を利用して、分極処理の条件として、対象電極への電圧印加の有無や印加電圧の大きさを制御し、それによって圧電定数を制御する。
以下、インクジェットヘッド1を備えるインクジェット記録装置100の一例について、図3を参照して説明する。インクジェット記録装置100は、筐体111と、媒体供給部112と、画像形成部113と、媒体排出部114と、搬送装置115と、制御部116と、を備える。
インクジェット記録装置100は、媒体供給部112から画像形成部113を通って媒体排出部114に至る所定の搬送路Rに沿って、吐出対象物である印刷媒体として例えば用紙Pを搬送しながらインク等の液体を吐出することで、用紙Pに画像形成処理を行う液体吐出装置である。
筐体111は、インクジェット記録装置100の外郭を構成する。筐体111の所定箇所に、用紙Pを外部に排出する排出口を備える。
媒体供給部112は複数の給紙カセットを備え、各種サイズの用紙Pを複数枚積層して保持可能に構成される。
媒体排出部114は、排出口から排出される用紙Pを保持可能に構成された排紙トレイを備える。
画像形成部113は、用紙Pを支持する支持部117と、支持部117の上方に対向配置された複数のヘッドユニット130と、を備える。
支持部117は、画像形成を行う所定領域にループ状に備えられる搬送ベルト118と、搬送ベルト118を裏側から支持する支持プレート119と、搬送ベルト118の裏側に備えられた複数のベルトローラ120と、を備える。
支持部117は、画像形成の際に、搬送ベルト118の上面である保持面に用紙Pを支持するとともに、ベルトローラ120の回転によって所定のタイミングで搬送ベルト118を送ることにより、用紙Pを下流側へ搬送する。
ヘッドユニット130は、複数(4色)のインクジェットヘッド1と、各インクジェットヘッド1上にそれぞれ搭載された液体タンクとしてのインクタンク132と、インクジェットヘッド1とインクタンク132とを接続する接続流路133と、供給ポンプ134と、を備える。
本実施形態において、シアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの4色のインクジェットヘッド1と、これらの各色のインクをそれぞれ収容するインクタンク132を備える。インクタンク132は接続流路133によってインクジェットヘッド1に接続される。
また、インクタンク132には、図示しないポンプなどの負圧制御装置が連結される。そして、インクジェットヘッド1とインクタンク132との水頭値に対応して、負圧制御装置によりインクタンク132内を負圧制御することで、インクジェットヘッド1の各ノズル51に供給されたインクを所定形状のメニスカスに形成させている。
供給ポンプ134は、例えば圧電ポンプで構成される送液ポンプである。供給ポンプ134は、供給流路に設けられている。供給ポンプ134は、配線により制御部116の制御回路1161に接続され、制御部116により制御可能に構成される。供給ポンプ134は、インクジェットヘッド1に液体を供給する。
搬送装置115は、媒体供給部112から画像形成部113を通って媒体排出部114に至る搬送路Rに沿って、用紙Pを搬送する。搬送装置115は、搬送路Rに沿って配置される複数のガイドプレート対121と、複数の搬送用ローラ122と、を備えている。
複数のガイドプレート対121は、それぞれ、搬送される用紙Pを挟んで対向配置される一対のプレート部材を備え、用紙Pを搬送路Rに沿って案内する。
搬送用ローラ122は、制御部116の制御によって駆動されて回転することで、用紙Pを搬送路Rに沿って下流側に送る。なお、搬送路Rには用紙の搬送状況を検出するセンサが各所に配置される。
制御部116は、コントローラであるCPU(Central Processing Unit)等の制御回路1161と、各種のプログラムなどを記憶するROM(Read Only Memory)と、各種の可変データや画像データなどを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、外部からのデータの入力及び外部へのデータの出力をするインターフェイス部と、を備える。
以上のように構成されたインクジェット記録装置100において、制御部116は、例えばインターフェイスにおいてユーザが操作入力部の操作による印刷指示を検出すると、搬送装置115を駆動して用紙Pを搬送するとともに、所定のタイミングでヘッドユニット130に対して印字信号を出力することで、インクジェットヘッド1を駆動する。インクジェットヘッド1は吐出動作として、画像データに応じた画像信号により、駆動IC72に駆動信号を送り、内部電極221、222に駆動電圧を印加して吐出対象の駆動圧電素子21を選択的に駆動して例えば積層方向に縦振動させ、圧力室31の容積を変化させることでノズル51からインクを吐出し、搬送ベルト118上に保持された用紙Pに画像を形成する。また、液体吐出動作として、制御部116は、供給ポンプ134を駆動することで、インクタンク132からインクジェットヘッド1の共通室32にインクを供給する。
ここで、インクジェットヘッド1を駆動する駆動動作について、説明する。本実施形態に係るインクジェットヘッド1は、圧力室31に対向配置される駆動圧電素子21を備え、これらの駆動圧電素子21は配線により電圧が印加可能に接続されている。制御部116は、画像データに応じた画像信号により、駆動IC72に駆動信号を送り、駆動対象の駆動圧電素子21の内部電極221、222に駆動電圧を印加して、駆動対象の駆動圧電素子21を選択的に変形させる。そして、振動板30の引張方向の変形と圧縮方向の変形を組み合わせて、圧力室31の容積を変化させることで、液体を吐出させる。
例えば制御部116は、引っ張り動作と、圧縮動作とを交互に行う。インクジェットヘッド1において、対象の圧力室31の内容積を増加させる引張時には、駆動対象の駆動圧電素子21を収縮し、駆動対象外の駆動圧電素子21は変形させない。また、インクジェットヘッド1において対象の圧力室31の内容積を減少させる圧縮時には、対象の駆動圧電素子21を伸長する。なお、非駆動圧電素子22は変形させない。
上述した実施形態に係るインクジェットヘッド1及びインクジェット記録装置100によれば、積層型の駆動圧電素子21において、1層の厚さをA[mm]、駆動IC72等の電子部品の上限電圧をB[V]、電子部品の耐熱温度である80℃時に必要な分極電界をC[V/mm]とすると、B/A≧Cが成り立つ構造とし、積層部の各圧電体層211の厚みを、再分極処理が可能となる厚さとすることで、印加電圧に対して大きな電界をかけることが可能となる。
すなわち、上記実施形態のように、アクチュエータとなる駆動圧電素子21が個々に圧力室31を加圧することによってインクを吐出するため、駆動圧電素子21間の変位のバラつきは印字品質と直結することになる。一般的には、基板や電子部品などの制御部品を実装する前の段階であれば、逆電圧を印加することによる脱分極・再分極の処理も行うことができるが、制御部品を実装した後では印加可能な電圧の方向及び大きさは制限される。そのため、通常の電気回路では再分極処理を行うことができず、特殊な回路設計を別途用意する必要がある。
これに対し、上記実施形態にかかるインクジェットヘッド1は、再分極処理の際に電圧がかかる電子部品の、耐熱温度や上限電圧に基づき、圧電体層211の厚さを規定することで、通常の電気回路でも印加可能な比較的小さな電圧でも大きな電界を得ることができ、基板や電子部品などの制御部品の組立後に駆動用の制御回路を用いて分極処理が可能となる。したがって、組立後に、インクジェットヘッド1の配線基板73のヘッド制御回路731や駆動IC72、及び外部電源として例えばインクジェット記録装置100の制御部116の制御回路1161を用いて、再分極のために十分な電界をかけることが可能であり、例えばヘッド制御回路731や駆動IC72、制御回路1161を用いて、再分極処理と、それによる圧電定数を制御することで、製造段階において歩留りの向上・運用段階において印字品質の改善メンテナンスをすることができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
上記実施形態の圧電素子21、22の具体的な材料や構成は上記に限られるものではない。また、電子部品の耐熱温度や上限電圧も材料や部品の性能に応じて、適宜変更されるものである。
また、上記実施形態においては、複数層の圧電体層を積層し、積層方向の縦振動(d33)を用いて駆動圧電素子21を駆動する構成としたが、これに限られるものではない。例えば駆動圧電素子21が単層の圧電部材で構成される形態にも適用可能であるし、図4に示すように、d31方向に変位する横振動により駆動する形態にも適用可能である。
例えば他の実施形態として図4に示すインクジェットヘッド1001は、圧電部材において、複数の圧電体層の積層方向、すなわち各圧電体層の厚み方向が、Z方向と直交する方向、例えば延出方向(Y方向)に沿っている。本インクジェットヘッド1001は各圧電素子21が圧電定数d31で規定される方向に変位して横振動することにより、溝23の深さ方向である振動方向に変位し、振動板30は上記実施形態と同様に振動方向(Z方向)に変位する。
例えば他の実施形態として図4に示すインクジェットヘッド1001は、アクチュエータ部20において、各圧電体層211の積層方向が振動板30の厚さ方向と直交する方向に沿い、振動板30の厚さ方向と直交する横方向の振動である横振動を用いて駆動する構成である。インクジェットヘッド1001は、インクジェットヘッド1と同様に、ベース10と、複数の圧電素子21,22を有するアクチュエータ部20と、アクチュエータ部20に対向配置される振動板30と、複数の圧力室31及びガイド流路34を構成するマニホールド405と、複数のノズル51を有するノズルプレート50と、フレーム部60と、を備える。インクジェットヘッド1001において、複数の圧電素子21、22を構成する圧電体層211は、振動板30の厚さ方向である振動方向(Z方向)及び、圧力室31やノズル51の配列方向(X方向)に対して直交する、延出方向(Y方向)に、複数層積層される。
インクジェットヘッド1001において、アクチュエータ部20の、振動方向における一方側と他方側の両端面に、内部電極221,222にそれぞれ接続される外部電極223,224が形成される。両側の外部電極223,224は、延出方向における一方側の側面に引き回され、配線フィルム71に接続される。
圧電体層211の積層数は3層以上とし、各圧電体層211の厚さは、個々の圧電体層211の厚さをA[mm]、駆動IC72等の電子部品の上限電圧をB[V]、電子部品の耐熱温度である80℃時に必要な分極電界をC[V/mm]とした場合に、B/A≧Cが成り立つ厚さとするとともに、10μm以上とする。例えば圧電体層211をPZTで構成し、ヘッドに搭載されている電子部品の上限電圧が駆動IC72により規定される60Vであり、耐熱温度が80℃、使用している圧電体を80℃条件下で分極処理をする際に必要な電界が3.5kV/mmである場合には、圧電体層211の1層あたりの厚みは17.1μm以下とする。この形態においても、圧電体層211の厚さをB/A≧Cとなる厚さに規定することで、実装後の再分極処理が可能となる。
圧電体層211の積層数は3層以上とし、各圧電体層211の厚さは、個々の圧電体層211の厚さをA[mm]、駆動IC72等の電子部品の上限電圧をB[V]、電子部品の耐熱温度である80℃時に必要な分極電界をC[V/mm]とした場合に、B/A≧Cが成り立つ厚さとするとともに、10μm以上とする。例えば圧電体層211をPZTで構成し、ヘッドに搭載されている電子部品の上限電圧が駆動IC72により規定される60Vであり、耐熱温度が80℃、使用している圧電体を80℃条件下で分極処理をする際に必要な電界が3.5kV/mmである場合には、圧電体層211の1層あたりの厚みは17.1μm以下とする。この形態においても、圧電体層211の厚さをB/A≧Cとなる厚さに規定することで、実装後の再分極処理が可能となる。
ノズル51や圧力室31の配列も上記実施形態に限られるものではない。たとえばノズル51を2列以上配列してもよい。また複数の圧力室31の間に、ダミー室となる空気室を形成してもよい。循環式に限らず非循環タイプのインクジェットヘッドであってもよく、あるいはエンドシュータに限らずサイドシュータ型のインクジェットヘッドにも適用可能である。
また、圧電素子21、22が積層方向の両端にダミー層212を有する例を示したがこれに限られるものではなく、圧電素子21、22の一方側のみにダミー層212を有していてもよく、あるいは圧電素子21、22がダミー層212を備えない構成であってもよい。この他、流路部材40、ノズルプレート50、フレーム部60を含む各種部品の構成や位置関係は上述した例に限られるものではなく、適宜変更可能である。
また、吐出する液体は印字用のインクに限られるものではなく、例えばプリント配線基板の配線パターンを形成するための導電性粒子を含む液体を吐出する装置等であっても良い。
また、上記実施形態において、インクジェットヘッド1は、インクジェット記録装置等の液体吐出装置に用いられる例を示したが、これに限られるものではなく、例えば3Dプリンタ、産業用の製造機械、医療用途にも用いることが可能であり、小型軽量化及び低コスト化が可能である。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、所望の流路形状を容易に設定できる。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…インクジェットヘッド、10…ベース、20…アクチュエータ部、21…駆動圧電素子、22…非駆動圧電素子、23…溝、26…圧電構造部、30…振動板、31…圧力室、32…共通室、33…連通部、34…ガイド流路、35…インク流路、40…流路部材、41…周壁部、42…隔壁部、43…ガイド壁、50…ノズルプレート、51…ノズル、60…フレーム部、70…駆動回路、71…配線フィルム、72…駆動IC、73…プリント配線基板、731…ヘッド制御回路、100…インクジェット記録装置、111…筐体、112…媒体供給部、113…画像形成部、114…媒体排出部、115…搬送装置、117…支持部、118…搬送ベルト、119…支持プレート、120…ベルトローラ、121…ガイドプレート対、122…搬送用ローラ、130…ヘッドユニット、132…インクタンク、133…接続流路、134…供給ポンプ、116…制御部、1161…制御回路、211…圧電体層、212…ダミー層、221…内部電極、222…内部電極、223…外部電極、224…外部電極、301…振動領域、302…支持領域、405…マニホールド。
Claims (5)
- 交互に積層される圧電体層及び電極を有するアクチュエータと、
前記アクチュエータに対向配置される振動板と、
前記アクチュエータに接続される電子部品と、を備え、
前記アクチュエータの前記圧電体層の1層の厚さをA[mm]、前記電子部品の上限電圧をB[V]、前記電子部品の耐熱温度の条件下における前記圧電体層を構成する圧電体の分極電界をC[V/mm]とすると、B/A≧Cを満たす、液体吐出ヘッド。 - 前記アクチュエータは、前記圧電体層を3層以上備える、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記圧電体層の1層の厚さが10μm以上である、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記圧電体層の積層方向は、前記振動板の振動方向に沿う、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記アクチュエータの振動により容積が変化する圧力室を有する流路部材と
前記圧力室に連通するノズルを有するノズルプレートと、
を備え、
前記電子部品は、前記アクチュエータの駆動制御に用いられる駆動ICである、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
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