JP2023160335A - 液化ガス輸送容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】液化ガス輸送容器において、熱シールドの冷却管におけるガス溜まりの発生を抑制する。【解決手段】液化ガス輸送容器は、内槽と、冷媒タンクと、内槽を包囲するシールド板及び当該シールド板の表面に配置されてシールド板を冷却する冷媒が流れる冷却管ユニットとを有する熱シールドと、内槽及び熱シールドを収容する外槽とを備える。冷却管ユニットは、シールド板の横断面のプロファイルに沿って上下方向に延びる冷却管が軸方向に複数並んでなる複数の冷却管と、複数の冷却管の下端が接続されており軸方向に延びる冷媒液供給管と、複数の冷却管の上端が接続されており軸方向に延びる冷媒ガス払出管とを有する。冷媒液供給管は冷媒タンクと連通された連通口を有し当該連通口を通じて冷媒タンクから液相の冷媒の供給を受け、冷媒ガス払出管は気相の冷媒を外部へ放出する排出口を有する。【選択図】図2
Description
本開示は、液化ガスを輸送する際に用いられる液化ガス輸送容器に関する。
液化ガスを輸送する際には、保冷機能を備える液化ガス輸送容器が用いられる。液化ガス輸送容器は、液化ガスが収容される内槽と、内槽を包囲する外槽とを備える。内槽と外槽との間には、内槽を覆う熱シールドが配置される。熱シールドは例えば液体窒素などの極低温液体で冷却される。特許文献1では、この種の液化ガス輸送容器が開示されている。
特許文献1の輸送容器は、ヘリウムを収容する内側容器と、極低温液体である冷媒を収容する冷媒容器と、内側容器及び冷媒容器を収容する外側容器と、外側容器と内側容器の間に配置された熱シールドと、熱シールドと外側容器の間に配置された断熱要素とを備える。熱シールドは液相の冷媒が流れる第1冷却ラインを有し、断熱要素は気相の冷媒が流れる第2冷却ラインを有する。第1冷却ラインは、重力方向に延びる2つの垂直部分と、垂直部分どうしを接続する2つの傾斜部分とを含み、冷媒容器から冷媒が供給されるディストリビュータから、垂直部分と傾斜部分を順に経てマニホールドへ至る流路と、傾斜部分と垂直分を順に経てマニホールドへ至る流路とが形成されている。
特許文献1の輸送容器の冷却ラインでは、傾斜部分が水平線に対して僅かな勾配を有することによって、当該傾斜部分で生じた気泡は下流側へ向けて上昇することが可能である。しかし、傾斜部分は輸送容器の長手方向に延びており、この長い傾斜部分を気泡が移動するうちに輸送容器を載せた車両の走行中の傾きなどによって気泡が停滞するおそれがある。
本開示は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、内槽と、熱シールドと、内槽及び熱シールドを覆う外槽を備える液化ガス輸送容器であって、熱シールドを冷却管を流れる冷媒で冷却するものにおいて、冷却管におけるガス溜まりの発生を抑制できるものを提案することにある。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る液化ガス輸送容器は、
液化ガスが収容される内槽と、
冷媒を貯蔵する冷媒タンクと、
前記内槽を包囲する略水平な軸方向に延びる筒状の胴部を有するシールド板と、前記シールド板の表面に配置されて前記シールド板を冷却する前記冷媒が流れる冷却管ユニットとを有する熱シールドと、
前記内槽及び前記熱シールドを収容する外槽と、を備え、
前記冷却管ユニットは、
前記軸方向に間隔をあけて並ぶ複数の冷却管であって、各冷却管が前記シールド板の横断面のプロファイルに沿って上下方向に延びる前記複数の冷却管と、前記複数の冷却管の下端が接続されており前記軸方向に延びる冷媒液供給管と、前記複数の冷却管の上端が接続されており前記軸方向に延びる冷媒ガス払出管とを、有し、
前記冷媒液供給管は前記冷媒タンクと連通された連通口を有し当該連通口を通じて前記冷媒タンクから液相の前記冷媒の供給を受け、前記冷媒ガス払出管は気相の前記冷媒を外部へ放出する排出口を有するものである。
液化ガスが収容される内槽と、
冷媒を貯蔵する冷媒タンクと、
前記内槽を包囲する略水平な軸方向に延びる筒状の胴部を有するシールド板と、前記シールド板の表面に配置されて前記シールド板を冷却する前記冷媒が流れる冷却管ユニットとを有する熱シールドと、
前記内槽及び前記熱シールドを収容する外槽と、を備え、
前記冷却管ユニットは、
前記軸方向に間隔をあけて並ぶ複数の冷却管であって、各冷却管が前記シールド板の横断面のプロファイルに沿って上下方向に延びる前記複数の冷却管と、前記複数の冷却管の下端が接続されており前記軸方向に延びる冷媒液供給管と、前記複数の冷却管の上端が接続されており前記軸方向に延びる冷媒ガス払出管とを、有し、
前記冷媒液供給管は前記冷媒タンクと連通された連通口を有し当該連通口を通じて前記冷媒タンクから液相の前記冷媒の供給を受け、前記冷媒ガス払出管は気相の前記冷媒を外部へ放出する排出口を有するものである。
上記した本開示の一態様によれば、内槽と、熱シールドと、内槽及び熱シールドを覆う外槽を備える液化ガス輸送容器であって、熱シールドを冷却管を流れる冷媒で冷却するものにおいて、冷却管におけるガス溜まりの発生を抑制できる。
以下、本開示に係る液化ガス輸送容器1について図面を参照して説明する。図1は、本開示の一実施形態に係る液化ガス輸送容器1の概略構成を示す図であり、本図では外槽22内が透過して示されている。図1に示す液化ガス輸送容器1は、コンテナとも称されるものであり、液化ガスを船舶及び車両によって輸送する際に用いられる。液化ガスは、例えば、液化ヘリウム、液化水素、及び、液化天然ガスなどの極低温で液体である。以下では、液化ガス輸送容器1の構成について説明する。
〔液化ガス輸送容器1の概略構成〕
液化ガス輸送容器1は、タンク体11を備える。タンク体11には略水平な中心軸Cが規定されており、この中心軸Cの延伸方向を「軸方向X」と称する。タンク体11は、中心軸Cを軸心とする円筒状を呈し、タンク体11の長手方向は軸方向Xと略平行である。タンク体11は、例えば、枠体12に支持された状態で船舶や車両に搭載される。枠体12は、タンク体11の軸方向Xの両端部に配置された支持部を有する。枠体12によって、タンク体11の長手方向の両端部が支持されることによって、タンク体11は枠体12に対し相対移動不能に保持される。
液化ガス輸送容器1は、タンク体11を備える。タンク体11には略水平な中心軸Cが規定されており、この中心軸Cの延伸方向を「軸方向X」と称する。タンク体11は、中心軸Cを軸心とする円筒状を呈し、タンク体11の長手方向は軸方向Xと略平行である。タンク体11は、例えば、枠体12に支持された状態で船舶や車両に搭載される。枠体12は、タンク体11の軸方向Xの両端部に配置された支持部を有する。枠体12によって、タンク体11の長手方向の両端部が支持されることによって、タンク体11は枠体12に対し相対移動不能に保持される。
液化ガス輸送容器1は、輸送中の液化ガスの気化を抑制するために、貯蔵される液化ガスを極低温に保つように構成されている。タンク体11は、内槽21と、外槽22と、熱シールド24と、冷媒タンク46とを備える。
内槽21は、例えばSUS等の金属から成り、中心軸Cを軸心とする円筒状の胴部と、当該胴部の両端を閉塞する鏡板部とを有する。内槽21の中には、液化ガスが密閉した状態で貯蔵される。外槽22は、内槽21の全周囲を覆っている。外槽22は、例えばSUS等の金属から成り、中心軸Cを軸心とする円筒状の胴部と、当該胴部の両端を閉塞する鏡板部とを有する。外槽22は、その中に内槽21を収めるべく内槽21より大きく、内槽21の外壁と外槽22の内壁は離間している。
内槽21は、支持体30を介して外槽22に支持されている。支持体30は、中心軸Cと重複して配置された、軸方向Xに延びる管状、軸状、又はブロック状の部材である。支持体30は、内槽21と結合された第1結合部31と、外槽22と結合された第2結合部32とを有する。支持体30の一部は、内槽21の壁を貫いて内槽21内に配置されてもよい。
内槽21の軸方向Xの両端部は、複数の懸架ロッド33を介して外槽22に支持されている。各懸架ロッド33の基端部は内槽21の長手方向の端部と結合されており、各懸架ロッド33の先端部は外槽22と結合されている。複数の懸架ロッド33は中心軸Cを中心として放射状に延びるように配置されている。このように、支持体30及び複数の懸架ロッド33によって、内槽21は、外槽22の内部において、外槽22の内壁から離れた状態で、換言すれば、外槽22の内部に浮いた状態で外槽22に支持されている。
内槽21と外槽22との間には、空洞状の槽間25が形成されている。槽間25は、対流熱伝達を抑制するために真空状態であってよい。また、槽間25には断熱材が充填されてもよい。
内槽21と外槽22の槽間25には、熱シールド24が配置されている。熱シールド24は、外槽22からの輻射熱の一部を吸収し、内槽21への入熱を遮断する。熱シールド24は、内槽21を覆うシールド板23と、シールド板23の表面に配置されて冷媒44が流れる冷却管ユニット35とを有する。冷媒タンク46は内槽21の軸方向Xの端部と外槽22との間に配置されており、支持体30が冷媒タンク46を軸方向Xに貫いている。冷媒タンク46の中には冷媒44が貯留されている。冷媒44は、例えば、液体窒素などの低温の液体である。冷媒44の種類は、内槽21に収容される液化ガスの種類に応じて選択されてよい。冷却管ユニット35には冷媒タンク46から供給された冷媒44が流れ、冷媒44がシールド板23と熱交換することにより、シールド板23の表面温度が極低温に保持される。内槽21がこのように極低温に保持されたシールド板23に覆われることによって、内槽21への入熱が抑制される。
〔熱シールド24の構成〕
ここで、上記の液化ガス輸送容器1における熱シールド24の構成について詳細に説明する。図2は、内槽21及び熱シールド24の構成を示す図であり、図3は、内槽21及び熱シールド24の軸方向Xと直交する断面図である。
ここで、上記の液化ガス輸送容器1における熱シールド24の構成について詳細に説明する。図2は、内槽21及び熱シールド24の構成を示す図であり、図3は、内槽21及び熱シールド24の軸方向Xと直交する断面図である。
図2及び図3に示すように、熱シールド24は、シールド板23と、シールド板23の表面に沿って配置された冷却管ユニット35とを有する。シールド板23は、例えばアルミニウム等の金属製のパネル材から成り、中心軸Cを軸心とし軸方向Xに延びる円筒状を呈する。
冷却管ユニット35は、シールド板23の表面に沿って配置された複数の冷却管41を有する。より詳細には、冷却管ユニット35は、冷媒液供給管40、冷媒ガス払出管42、及び複数の冷却管41を有する。複数の冷却管41の数は、シールド板23の規模や、シールド板23の冷却の程度に応じたものであり、特に限定されない。複数の冷却管41の各々は、シールド板23の横断面のプロファイルに沿って上下方向に延びる円弧状を呈する。ここで、「上下方向に延びる」とは、冷却管41が下端と上端とを有し、下端と上端とが上下方向に離れていることを意味し、冷却管41が鉛直方向に直線状に延びることに限定されない。冷却管41は、下端から上端へ向かって連続的に上向きに延び、途中でU字状又はL字状に折れ曲がったり、下向きになったりしない。冷却管41の下端と上端の軸方向Xの位置は実質的に同じである。但し、冷却管41の下端と上端の軸方向Xの位置は若干離れていてもよい。
複数の冷却管41は、軸方向Xに間隔をあけて並んでいる。複数の冷却管41の下端は、冷媒液供給管40と接続されている。冷媒液供給管40は、シールド板23の下部において軸方向Xに延びる配管であって、冷却管41よりも大きな管径を有する。冷媒液供給管40は、複数の冷却管41を束ねるとともに各冷却管41へ冷媒44を分配する「ヘッダ管」である。冷媒液供給管40は、冷媒タンク46と連通された連通口45を有する。この連通口45を通じて冷媒タンク46から冷媒液供給管40へ冷媒44が流入する。
複数の冷却管41の上端は、冷媒ガス払出管42と接続されている。冷媒ガス払出管42は、シールド板23の上部において軸方向Xに延びる配管であって、冷却管41よりも大きな管径を有する。冷媒ガス払出管42は、複数の冷却管41を束ねるとともに複数の冷却管41から冷媒44を集める「ヘッダ管」である。冷媒ガス払出管42は、下流部に排出口48を有する。排出口48に排気管43が接続されており、冷媒ガス払出管42内の冷媒44は、排出口48から排気管43を通じて外部へ排気される。排気管43には流路絞り63が設けられている。通常、排気管43には冷媒ガス払出管42から気相の冷媒44が流入するが、液相の冷媒44が排気管43へ流入する可能性がある場合は、流路絞り63の上流側に気液分離器64が設けられていてもよい。気液分離器64は、排気管43へ流入した冷媒44から液相の冷媒44を除去して気相の冷媒を通過させるものであって、例えば、気液分離弁であってよい。
冷媒液供給管40と冷媒ガス払出管42は間に複数の冷却管41を挟んで上下方向に離間している。冷媒ガス払出管42は、内槽21に規定された最高液面高さより上方に配置されていることが望ましい。なお、最高液面高さは内槽21に与えられた設計値であり、内槽21に最高液面高さを超えて液化ガスを収容することは許されない。
各冷却管41の管長は、原則として、筒状のシールド板23の半周以下である。そして、上記構成の冷却管ユニット35は、シールド板23の中心軸Cを介して両側にそれぞれ配置されている。この場合、中心軸Cを通る鉛直面を介して面対称となるようにシールド板23の両側に冷却管ユニット35が配置されていてもよい。
冷却管ユニット35のうち冷媒液供給管40が冷媒タンク46と接続されており、冷媒タンク46から液相の冷媒44が冷媒液供給管40へ供給される。気相の冷媒44よりも液相の冷媒44のほうが冷却効率は高い。よって、冷却管ユニット35における冷媒44の液面は、冷却管41の上下高さ内であって冷却管41の上端により近い位置(図2、参照)、又は、冷媒ガス払出管42の上下高さ内であって冷媒ガス払出管42の上部に気層が形成される位置(図4、参照)であることが望ましい。そこで、冷媒ガス払出管42の複数の冷却管41の接続部よりも下流側に流路絞り(オリフィス)63が配置されるとともに、冷媒タンク46に接続された圧力管理装置47で冷媒タンク46内の圧力が調整されることによって、冷却管ユニット35の冷媒44の液面高さが所定の設定液面高さに制御されている。ここで「設定液面高さ」は、予め圧力管理装置47に設定されている。設定液面高さは、複数の冷却管41の上下範囲内又は冷媒ガス払出管42の上下範囲内の任意の高さであってよい。
図5は、熱シールド24の排気管43の流路絞り63付近を示す断面図である。図5に示すように、排気管43の内部には流路断面を閉塞するように絞り部材38が配置されている。絞り部材38は、絞り部材38を流路方向に貫通する貫通孔38aを有する。この貫通孔38aは、排気管43の他の部分と比較して流路断面積が小さく、流路絞り63として機能する。このように排気管43に配置された流路絞り63によって、冷媒ガス払出管42と比較して排気管43の流れ抵抗が大きくなる。これにより、排気管43を通じた冷媒44の排出が制限されて、冷媒44の消費速度が抑えられると共に、前述の通り冷却管ユニット35内の圧力が制御可能となる。その上、流路絞り63(又は、流路絞り63及び気液分離器64)の上流側での冷媒44の気化を促進できる。流路絞り63の孔径dは、液相の冷媒44の通過が阻止され、且つ、シールド板23を適切な冷却が維持されるように適量の気相の冷媒44の通過を許容するように、適宜設定されるとよい。
冷媒タンク46の上部(即ち、気層部分)の圧力を上部圧力P1とし、冷媒タンク46の底部(即ち、液層部分)の圧力を底部圧力P2したときに、底部圧力P2は上部圧力P1に冷媒タンク46に貯留されている液相の冷媒44のヘッド圧(水頭圧)を加えたものである。冷媒タンク46内の液相の冷媒44は冷却管ユニット35へ流出することによって刻々と減少するため、冷媒タンク46における冷媒44のヘッド圧は変化する。そこで、圧力管理装置47は、底部圧力P2が前述の冷却管ユニット35の設定液面高さと対応する所定の設定圧力となるように上部圧力P1を制御する。これにより、冷却管41の冷媒44の液面を設定液面高さに保持できる。設定液面高さに対応する設定圧力は、液化ガス輸送容器1ごとに異なり、シミュレーションや実験によって求めることができる。
図2に戻って、圧力管理装置47は、冷媒タンク46の気層部分に接続された背圧弁471を有する。背圧弁471は、底部圧力P2が前述の所定の設定圧力を超えると開放されて冷媒タンク46の気相の冷媒44を外部へ逃がし、底部圧力P2が前述の所定の設定圧力以下では閉止される。背圧弁471の開放により、冷媒タンク46の上部圧力P1が減少し、その結果、底部圧力P2が減少する。背圧弁471は、着火源となる電気関連部品を使用せずに構成されたものが望ましい。このような背圧弁471を備える圧力管理装置47は、例えば、特許第6009929号に開示された技術の適用により実現しうる。但し、圧力管理装置47の構造はこれに限定されない。
圧力管理装置47によって冷媒タンク46の底部圧力P2が一定に保持されることにより、液位の低下を補うように冷媒タンク46から冷媒液供給管40へ冷媒44が供給される。つまり、冷媒タンク46の圧力が調整されることで、冷却管ユニット35の冷媒44の液面が設定液面高さに維持される。その結果、冷却管41の冷媒44の圧力条件が略一定に保持されてシールド板23は良好に冷却され続け、内槽21への入熱が抑制される。
〔総括〕
以上に説明した通り、本開示の一態様に係る液化ガス輸送容器1は、
液化ガスが収容される内槽21と、
冷媒44を貯蔵する冷媒タンク46と、
内槽21を包囲する略水平な軸方向Xに延びる筒状の胴部を有するシールド板23と、シールド板23の表面に配置されてシールド板23を冷却する冷媒44が流れる冷却管ユニット35とを有する熱シールド24と、
内槽21及び熱シールド24を収容する外槽22と、を備える。
そして、冷却管ユニット35は、軸方向Xに間隔をあけて並べられた複数の冷却管41であって、各冷却管41がシールド板23の横断面のプロファイルに沿って上下方向に延びる複数の冷却管41と、複数の冷却管41の下端が接続されており軸方向Xに延びる冷媒液供給管40と、複数の冷却管41の上端が接続されており軸方向Xに延びる冷媒ガス払出管42とを、有し、
冷媒液供給管40は冷媒タンク46と連通された連通口45を有し当該連通口45を通じて冷媒タンク46から液相の冷媒44の供給を受け、冷媒ガス払出管42は気相の冷媒44を外部へ放出する排出口48を有する。
以上に説明した通り、本開示の一態様に係る液化ガス輸送容器1は、
液化ガスが収容される内槽21と、
冷媒44を貯蔵する冷媒タンク46と、
内槽21を包囲する略水平な軸方向Xに延びる筒状の胴部を有するシールド板23と、シールド板23の表面に配置されてシールド板23を冷却する冷媒44が流れる冷却管ユニット35とを有する熱シールド24と、
内槽21及び熱シールド24を収容する外槽22と、を備える。
そして、冷却管ユニット35は、軸方向Xに間隔をあけて並べられた複数の冷却管41であって、各冷却管41がシールド板23の横断面のプロファイルに沿って上下方向に延びる複数の冷却管41と、複数の冷却管41の下端が接続されており軸方向Xに延びる冷媒液供給管40と、複数の冷却管41の上端が接続されており軸方向Xに延びる冷媒ガス払出管42とを、有し、
冷媒液供給管40は冷媒タンク46と連通された連通口45を有し当該連通口45を通じて冷媒タンク46から液相の冷媒44の供給を受け、冷媒ガス払出管42は気相の冷媒44を外部へ放出する排出口48を有する。
上記構成の液化ガス輸送容器1では、冷媒液供給管40は液相の冷媒44で満たされ、複数の冷却管41には冷媒液供給管40から流入した液相の冷媒44と当該冷媒44がシールド板23と熱交換することにより温められて気化した気相の冷媒44とが存在する。冷媒液供給管40の冷媒44は単相流であるので圧力により滞ることなく流れる。また、冷却管41内では気泡が生じるが、冷却管41は上下方向に延びていることから冷却管41に生じた気泡は速やかに上昇して冷媒ガス払出管42へ流入する。このように、冷却管41におけるガス溜まりの発生が抑制される。よって、冷却管41のガス溜まりに起因する、シールド板23の冷却の不均一や、冷却管41内における冷媒44の流れの滞留などの不具合の発生が抑制される。
上記構成の液化ガス輸送容器1において、内槽21に最高液面高さが規定されており、冷却管ユニット35の冷媒ガス払出管42は、内槽21の最高液面高さより上方に配置されていてよい。
冷媒ガス払出管42が内槽21の最高液面高さより上方に配置されていることは、つまり、冷却管41の上端は内槽21の最高液面高さと同じ又はそれより上方に配置されている。従って、内槽21の液相の液化ガスは冷却管41によって冷却されている範囲に属し、十分に冷却され得る。
上記構成の液化ガス輸送容器1において、冷却管ユニット35は、冷媒ガス払出管42の複数の冷却管41との接続部よりも下流側部分と接続された排気管43と、排気管43に配置された流路絞り63とを有し、冷媒タンク46は、冷却管ユニット35の冷媒44の液面が所定の設定液面高さとなるように冷媒タンク46内の圧力を調整する圧力管理装置47を有していてよい。ここで、設定液面高さは、複数の冷却管41の上下範囲内又は冷媒ガス払出管42の上下範囲内であってよい。また、冷却管ユニット35は、排気管43の流路絞り63よりも上流に配置された気液分離器64を有していてよい。
図2に示すように、冷却管ユニット35の冷媒44の液面高さが複数の冷却管41の上下範囲内に維持されることで、冷媒ガス払出管42の全部に軸方向Xに連続する気層が形成される。この場合、液化ガス輸送容器1が軸方向Xに多少傾いても、冷却管ユニット35の冷媒44の液面高さは複数の冷却管41の上下範囲内に維持されるとともに、冷媒ガス払出管42の軸方向Xに連続する気層が維持されて、冷却管41にガス溜まりが生じない。
また、図4に示すように、冷却管ユニット35の冷媒44の液面高さが冷媒ガス払出管42の上下範囲内に維持されることで、冷媒ガス払出管42の上部に軸方向Xに連続する気層が形成される。この冷媒ガス払出管42の気層において、気相の冷媒44は滞ることなく排出口48へ流れる。ここで、例えば図6に示すように、液化ガス輸送容器1が一時的に軸方向Xへ大きく傾いた場合に、冷媒ガス払出管42の液相の冷媒44が冷媒ガス払出管42を一時的に塞いで冷却管41に一時的なガス溜まりが生じることがあるが、液化ガス輸送容器1が定常姿勢(即ち、図4に示す軸方向Xが略水平となる姿勢)に復帰すれば、冷媒ガス払出管42の液相の冷媒44は冷却管41へ流れ落ちて冷媒ガス払出管42の上部に軸方向Xに連続する気層が回復し、ガス溜まりは自動的に解消される。
以上の本開示の議論は、例示及び説明の目的で提示されたものであり、本開示を本明細書に開示される形態に限定することを意図するものではない。例えば、前述の詳細な説明では、本開示の様々な特徴は、本開示を合理化する目的で1つの実施形態に纏められている。但し、本開示に含まれる複数の特徴は、上記で論じたもの以外の代替の実施形態、構成、又は態様に組み合わせることができる。
1 :液化ガス輸送容器
21 :内槽
22 :外槽
23 :シールド板
24 :熱シールド
35 :冷却管ユニット
40 :冷媒液供給管
41 :冷却管
42 :冷媒ガス払出管
43 :排気管
44 :冷媒
45 :連通口
48 :排気口
46 :冷媒タンク
47 :圧力管理装置
63 :流路絞り
64 :気液分離器
X :軸方向
21 :内槽
22 :外槽
23 :シールド板
24 :熱シールド
35 :冷却管ユニット
40 :冷媒液供給管
41 :冷却管
42 :冷媒ガス払出管
43 :排気管
44 :冷媒
45 :連通口
48 :排気口
46 :冷媒タンク
47 :圧力管理装置
63 :流路絞り
64 :気液分離器
X :軸方向
Claims (4)
- 液化ガスが収容される内槽と、
冷媒を貯蔵する冷媒タンクと、
前記内槽を包囲する略水平な軸方向に延びる筒状の胴部を有するシールド板と、前記シールド板の表面に配置されて前記シールド板を冷却する前記冷媒が流れる冷却管ユニットとを有する熱シールドと、
前記内槽及び前記熱シールドを収容する外槽と、を備え、
前記冷却管ユニットは、
前記軸方向に間隔をあけて並ぶ複数の冷却管であって、各冷却管が前記シールド板の横断面のプロファイルに沿って上下方向に延びる前記複数の冷却管と、前記複数の冷却管の下端が接続されており前記軸方向に延びる冷媒液供給管と、前記複数の冷却管の上端が接続されており前記軸方向に延びる冷媒ガス払出管とを、有し、
前記冷媒液供給管は前記冷媒タンクと連通された連通口を有し当該連通口を通じて前記冷媒タンクから液相の前記冷媒の供給を受け、前記冷媒ガス払出管は気相の前記冷媒を外部へ放出する排出口を有する、
液化ガス輸送容器。 - 前記内槽に最高液面高さが規定されており、
前記冷却管ユニットの前記冷媒ガス払出管は、前記内槽の前記最高液面高さより上方に配置されている、
請求項1に記載の液化ガス輸送容器。 - 前記冷却管ユニットは、前記冷媒ガス払出管の前記複数の冷却管との接続部よりも下流側部分と接続された排気管と、当該排気管に配置された流路絞りとを有し、
前記冷媒タンクは、前記冷却管ユニットの前記冷媒の液面高さが所定の設定液面高さとなるように前記冷媒タンク内の圧力を調整する圧力管理装置を有し、
前記設定液面高さが前記複数の冷却管の上下範囲内又は前記冷媒ガス払出管の上下範囲内である、
請求項1又は2に記載の液化ガス輸送容器。 - 前記冷却管ユニットは、前記排気管の前記流路絞りよりも上流に配置された気液分離器を有する、
請求項3に記載の液化ガス輸送容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022070641A JP2023160335A (ja) | 2022-04-22 | 2022-04-22 | 液化ガス輸送容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022070641A JP2023160335A (ja) | 2022-04-22 | 2022-04-22 | 液化ガス輸送容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023160335A true JP2023160335A (ja) | 2023-11-02 |
Family
ID=88515898
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022070641A Pending JP2023160335A (ja) | 2022-04-22 | 2022-04-22 | 液化ガス輸送容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023160335A (ja) |
-
2022
- 2022-04-22 JP JP2022070641A patent/JP2023160335A/ja active Pending
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