JPH0735297A - オープンラック型液化低温ガス気化装置 - Google Patents

オープンラック型液化低温ガス気化装置

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JPH0735297A
JPH0735297A JP17930993A JP17930993A JPH0735297A JP H0735297 A JPH0735297 A JP H0735297A JP 17930993 A JP17930993 A JP 17930993A JP 17930993 A JP17930993 A JP 17930993A JP H0735297 A JPH0735297 A JP H0735297A
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JP
Japan
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tube
heat transfer
heat
pipe
temperature gas
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Withdrawn
Application number
JP17930993A
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English (en)
Inventor
Ichiro Sakuraba
一郎 櫻場
Keizo Konishi
惠三 小西
Koichi Ueno
孝一 上野
Akio Tsukamoto
彰夫 塚本
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)
  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱源側である伝熱管外に着氷を生じさせず、
且つ、伝熱管内に断熱材の設置が必要なく、伝熱管の熱
応力を大幅に軽減できるオープンラック型液化低温ガス
気化装置を提供する。 【構成】 熱交換パネル4を構成する伝熱管12を3重管
構造に形成し、内管13と中管14の環状空間部19および中
管14と外管15の環状空間部20を流路とすると共に、内管
13と中管14の流路上部および中管14と外管15の流路下部
にそれぞれ折り返し部16, 17を設けてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海水等の液体を熱源と
して液化天然ガス(以下LNGと称する)のような液化
低温ガスを気化するためのオープンラック型液化低温ガ
ス気化装置(以下ORVと称する)に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図8は、火力発電や都市ガス用に大容量
の気化が要求される場合に使用されるORVの概略図で
ある。このORVにおいては、気化される液化低温ガス
は、液化低温ガス入口1より流入し、マニホールド2で
液ヘッダー3に分配され、液ヘッダー3で更に熱交換パ
ネル(以下パネルと称する)4を構成する多数の伝熱管
に分配される。一方、熱源となる海水等の液体Hは,ポ
ンプ(図示せず)により供給管5を経由してトラフ6に
汲み上げられ、ここからオーバーフローさせることによ
りパネル4に流下液膜として供給される。これにより、
パネル4内を流れる液化低温ガスは、外部を流下する海
水等の液体Hにより加温され、蒸発、昇温され、常温の
ガスとなる。この常温のガスは、ガスヘッダー7で集め
られると共にガス出口8より外部に供給される。
【0003】上記ORVで用いられるパネル4を構成す
る伝熱管は、図9に示す様に、外部に拡大伝熱面効果を
持たせるためにフィン9を設けた単管10であって、その
内部には通常伝熱促進体11が挿入されている。
【0004】上記単管10を伝熱管とするパネル4を用い
たORVでは、熱源Hである海水等(通常8℃〜25℃)
と液化低温ガス(LNGの場合で約−160 ℃)を単管10
を介して直接熱交換させるため、伝熱管外部で海水等熱
源Hが凍結し着氷が生じる。氷は熱伝導率が低く伝熱抵
抗となる上に、この着氷が擬似的な保冷材となるため、
伝熱管温度は降下する。
【0005】このため、パネル4内で熱応力が発生する
上、もしパネル4間での着氷に差異が生じた場合には、
各パネル4の伝熱管熱収縮量が異なることとなり、マニ
ホールド2とパネル4間で熱応力が生じる。また、伝熱
管の大部分に着氷が生じた場合、マニホールド2、ヘッ
ダー3,7、液化低温ガス入口配管、出口配管に大きな
熱応力が発生する。この熱応力を設計値以下にするため
には着氷を回避するか、あるいは着氷がある場合、全て
の伝熱管の着氷による温度降下ΔTと伝熱管長さLから
求められる収縮量ΔL(ΔL=β・L・ΔT,ここにβ
は線膨張係数)が構造設計の要因となることから、伝熱
管長さを短くする必要がある。この様に着氷が構造設計
上大きな制約となっている。
【0006】この為、伝熱管を改良し管内外の伝熱係数
を向上させても、この着氷のために伝熱管1本当たりの
気化量を増大させるには限界があった。これを解決する
ために特開平 4−254096号公報のような2重管式伝熱管
が提案されている。これによれば、熱源である流下液と
伝熱管を介して直接熱交換するのは、気化した低温ガス
であり、この方法を採用すれば管外の着氷を大幅に低減
でき、また、温度が非常に低下する内管と、常温近傍を
維持する外管が、それぞれほぼ独立に設置されているた
め、熱応力を大幅に軽減できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平 4−25
4096号公報の実施例1で示されている様に、低温液化ガ
スを内管内で流下、気化させた場合、気化過程が不安定
となり圧力脈動が発生し易く、圧力脈動が発生した場合
には流体関連振動と呼ばれる現象が発生し易い。流体関
連振動は装置の安全を著しく損なう現象である。更に、
液ヘッダーから各伝熱管への下降流では、上昇流の場合
の分配に効果を発揮した各伝熱管内の液ヘッドによる均
一分配効果を利用できないため、不均一分配の不安があ
る。
【0008】また、液化低温ガスヘッダーを伝熱管下部
に設け、内管内を上昇流とした場合でも伝熱管出口ガス
温度を常温近傍に保つためには、特開平 4−254096号公
報でも示されている様に、伝熱管内部に断熱材を設置す
る必要がある。しかし、特開平 4−254096号公報で示さ
れているような伝熱管は一体構造であり、使用開始後に
断熱材に何らかの不具合が発生しても、伝熱管を交換す
る以外に対処法がない。更に通常ORVは伝熱管75〜 1
00本で1パネルを構成し、パネル内は溶接で各伝熱管を
拘束しているので、1本の伝熱管を交換するためには1
パネルごと交換せざるを得ない。これに掛かる時間、費
用は無視できるものではない。
【0009】然るに特開平 4−254096号公報で提案され
ている断熱方法を考えると、内管外部にベークライトや
ステンレスを接合した場合は、断熱材は常温のガス温度
近傍となり、内管は液化低温ガス温度近傍となるため無
視できない熱応力が発生する。ベークライトやステンレ
スを接合せずに内管の外部にリブを設けて上記断熱材を
支える方法を採用しようとしても、リブを後から溶接し
なければならない。しかも、内管が熱収縮することか
ら、断熱材をこのリブで支える必要があり、ある程度大
きなリブを接合しなければならないことから、接合部に
前記と同じ熱応力が発生する可能性がある。
【0010】更に、特開平 4−254096号公報の図7で示
される方法では、運転開始直後には、特開平 4−254096
号公報で指摘された通りの効果を発揮するが、徐々にカ
バー内に滞留したガスが低温の内管により冷やされて再
液化する。特に液化低温ガスがLNGの場合には、LN
Gはメタンを主成分とした混合物であり沸点と凝縮点が
異なるために特に再液化し易い。再液化が発生すると、
最終的にはカバー内は内管側で凝縮し、カバー側で沸騰
する一種のヒートパイプとなり断熱効果を失う。カバー
板両端を内管に接合した場合には断熱効果は保たれる
が、カバーは常温のガス温度近傍となり、内管は液化低
温ガス温度近傍となるため無視できない熱応力が発生す
る上、両端を完全に密閉した場合には製作時と運転時の
圧力差による応力が発生し、製作時にカバー内空間に空
気が混入する可能性がある。製作時にカバー内に空気が
混入すると、液化低温ガスがLNGの場合、万が一カバ
ーが破損したら大事故につながる可能性がある。
【0011】カバー両端の開口度を変える方法を採用し
ても、充分な断熱効果を持たせるためには、滞留時間を
大きくしなければならず、上記の再液化の問題は解決さ
れない。このため、カバー設計には細心の配慮を必要と
し伝熱管の伝熱設計に大きな制約が生じる。以上の様
に、この様な断熱材には熟慮を要する。
【0012】本発明は、上記問題点に鑑みてなしたもの
であって、その目的は、熱源側である伝熱管外に着氷を
生じさせず、且つ、伝熱管内に断熱材の設置が必要な
く、伝熱管の熱応力を大幅に軽減できるオープンラック
型液化低温ガス気化装置を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のオープンラック型液化低温ガス気化装置
は、多数の伝熱管を連立させて熱交換パネルを構成し、
この熱交換パネルの下端側に液化低温ガスの供給管を、
上端側に液化低温ガスの気化ガスの導出管を設けて前記
伝熱管の外部を流下する液体と熱交換するオープンラッ
ク型液化低温ガス気化装置において、前記伝熱管を3重
管構造に形成し、内管と中管の環状空間部および中管と
外管の環状空間部を流路とすると共に、内管と中管の流
路上部および中管と外管の流路下部にそれぞれ折り返し
部を設けたものである。
【0014】そして、上記3重管構造の伝熱管の内管内
部には伝熱促進体が設けられてあってもよい。
【0015】また、上記3重管構造の伝熱管の、内管外
部、中管内部、中管外部、あるいは外管内部のいずれか
1つにリブまたは溝が設けられてあってもよい。
【0016】
【作用】請求項1記載のORVによれば、伝熱管が3重
管構造で且つ内管と中管の流路上部および中管と外管の
流路下部はそれぞれ折り返し部となっているので、液化
低温ガスの供給管より内管内に導かれた液化低温ガス
は、内管と中管との環状流路に流れる気化した低温ガス
から熱を供給され気化しながら上昇する。そして上部折
り返し部で折り返し、内管と中管の環状流路を、内管内
の液化低温ガスに熱を供給しながら、また中管と外管の
環状流路を流れるガスからは熱を供給され流下する。そ
の後、再度下部折り返し部で折り返し、中管と外管の環
状流路を外管の外部を流下する熱源から熱を供給されな
がら、また内管と中管の環状流路を流下する低温ガスに
は熱を供給して上昇する。従って、最も熱負荷の大きい
気化部(内管内部)が熱源(外管外部流下流体)と直接
接触しないために、従来のORVで生じていた着氷は解
消もしくは大幅に軽減されることとなる。
【0017】更に、本発明によるORVは、液化低温ガ
スの供給管を熱交換パネルの下端側に設け、液化低温ガ
スの気化を内管内の上昇流で気化させているため、特開
平 4−254096号公報の様な圧力脈動に伴う流体関連振
動、分配の不均一化に対する心配が低く、ガス出口温度
を常温にしようとした時に断熱材を設置する必要がな
く、大きな温度差が生じる部分は何ら接合されていない
ので、伝熱管内部で熱応力が発生する心配がない。
【0018】次に、請求項2および3の構成並びに作用
について詳述する。内管内部流体温度、内管と中管の環
状空間部流体温度、中管と外管の環状空間部流体温度お
よび各管の温度を設計値に保とうとした場合に、伝熱量
が不足した場合には環状空間部流路を狭くする必要が生
じる。
【0019】通常、伝熱量Qは次式で表される。
【数1】Q=h×A×ΔT ----------------- ここで、Qは伝熱量(W)、hは伝熱係数(W/m
2K)、Aは伝熱面積(m2)、ΔTは温度差(K)であ
る。上記式において伝熱係数hは一般に次式で表され
る。
【数2】h=Nu×λ/l ----------------- ここで、Nuはヌッセルト数、λは熱伝導度(W/m
2K)、lは代表寸法(m)であり、代表寸法lは通常
円管では直径、その他管内流では次式で定義される相当
直径deを用いる。
【数3】de=4As/le --------------- ここで、Asは流路断面積(m2)、leは濡れ長さ
(m)。上記式においてヌッセルト数Nuは一般に次
式で定義される。
【数4】Nu=a×Ren ×Prm ---------- ここで、a,n,mは定数であり、一般に1より小さ
い。Reはレイノルズ数、Prはプラントル数である。
プラントル数Prは流体の温度、圧力によって定まる無
次元の物性値であり、レイノルズ数Reは次式で定義さ
れる。
【数5】Re=u×l/ν ------------------ ここで、uは流速(m/sec)、νは動粘性係数(m2
/sec)である。
【0020】よって、上記〜式より明らかな様に、
流路を狭めれば、流路断面積Asの縮小となり、同一流
量では流速uの増大、延いてはレイノルズ数Re、ヌッ
セルト数Nuの増大となり大きな伝熱係数hの向上が図
れる。また、同一流速でも、流路を狭めれば伝熱係数h
を定義する代表寸法lが小となり、式で定義されるレ
イノルズ数Reが小となっても、式でレイノルズ数R
eの指数nが1より小さなことと併せて、伝熱係数hの
向上が図れる。すなわち、流路を狭めれば伝熱係数hの
向上が図れ、これにより伝熱量Qを増大させることがで
きる。
【0021】この様に、求める伝熱量を確保するには流
路を狭めればよいが、環状空間部流路が非常に狭くな
り、装置製作上精度確保が困難であったり、装置安全上
過大な流速になる場合には、伝熱管を加工するのが効果
的である。この場合、伝熱量は、式で示した通り、伝
熱係数、伝熱面積、温度差の積で表されるが、温度は設
計値となるので改善できるのは伝熱係数もしくは伝熱面
積である。
【0022】すなわち、内管と中管との環状空間部から
内管内への伝熱量が不足した場合には、内管内に伝熱促
進体を挿入するのが効果的である。伝熱促進体としては
一般に知られている種々の伝熱促進体が利用可能であ
る。例えば、ツイストテープが内管内に挿入された場
合、遠心力によって液滴の伝熱面である内管への接触が
増え、ガス層の温冷置換が起こり、大きな伝熱係数の向
上が図れる。更に、ツイストテープが内管に抽伸等で固
定されていれば拡大伝熱面の効果もある。設計熱量の必
要に応じてねじりピッチを変えたり、必要箇所にのみ設
けることが効果的なのは言うまでもない。
【0023】また、内管と中管の環状空間部、中管と外
管の環状空間部の伝熱量が不足した場合には、リブ、も
しくは溝を設けるのが効果的である。リブは管中心を出
し易くし、伝熱面積を拡大するためのリブである。リブ
は伝熱係数の向上は計れないが拡大伝熱面となると共
に、管の同心化が計れ、流路の均一化が可能となり、装
置の信頼性向上に大きく寄与できる効果も伴う。設計条
件により伝熱管長さ方向でリブ高さ、幅を変える、もし
くは必要箇所のみにリブを設ける事が効果的なのは言う
までもない。リブを螺旋状にすればツイストテープ同様
遠心力の効果が期待できる。この場合も設計値に応じて
伝熱管長さ方向でリブの高さ、幅、ひねり角等形状を変
える、もしくは必要箇所のみに設けることが効果的であ
る。
【0024】一方、溝はリブ以上の拡大伝熱面が容易と
なり、直線溝を螺旋溝に置き換えれば更に大きな効果が
得られる。この場合も設計値に応じて、伝熱管長さ方向
で溝の高さ、ひねり角等形状を変えることが効果的であ
る。
【0025】更に、外管外部を流下する熱源から、外管
と中管の環状空間部流路の流体への伝熱量が不足する場
合には、外管外部にリブを設けるのが効果的である。リ
ブは拡大伝熱面となると共に、リブが無かった場合に伝
熱に余り寄与できずにいた液膜外部(伝熱管の反対側)
を流下する熱源の流れを有効に使う事ができる。
【0026】逆に伝熱量が大きすぎ設計値に保つために
削減したいときには、〜式で明らかな様に、隙間部
流路を拡げることにより、伝熱面積の拡大以上に伝熱係
数の低下が図れ、なんら大きな工夫を要しない。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。なお、以下の実施例においてORV全体の構成
は、パネルを構成する伝熱管を除いて基本的には図8に
示したORVと同構成となるためその説明を省略し、ま
た以下の説明では、同一構成部分には同一符号を付して
説明するが、本発明は、この構成のORVに限定される
ものではなく、構成の異なる種々のORVに適用し得る
ものである。
【0028】(実施例1)図1は、本発明に係わるOR
Vの構成の上部を省略して示す説明図であって、aは縦
断面図、bはaのX−X断面図である。図において、12
は3重管構造の伝熱管であって、この伝熱管12は、3種
類の管径の異なる円管、すなわち、液化低温ガスを各伝
熱管に分配するための液ヘッダー3により分配された液
化低温ガスが気化する内管13、気化した低温ガスを下部
に導く中管14、低温ガスを上部に導く外管15、と2箇所
の片方が閉じた空間、すなわち、気化した低温ガスを下
部に折り返させる上部折り返し部16、低温ガスを上部に
折り返させる下部折り返し部17により基本的に形成され
ている。そして、この例では、中管14を、その上部閉端
部に設けられた十字状リブ18を内管13の上管端に取付け
て設け、これにより、上部折り返し部16、および中管14
の内外に形成される流路となる環状空間部19,20等を確
保している。なお、中管14の取付け構造は、この例に限
定されるものではなく、要は中管14が、内管13、外管15
等と接合されず、且つ、上部折り返し部16、環状空間部
19, 20等が確保できればどのような構造でも良い。
【0029】このような装置によれば、非常に熱負荷の
大きい気化部(内管13内部)の熱源を気化した低温ガス
に委ねることができ、よって、熱源Hと直接熱交換する
のは、ある程度昇温された低温ガスであり、外管15外部
の着氷を解消、もしくは大幅に軽減できることになる。
しかも、この例では内管13、中管14、外管15共製作容易
な円管を用いた単純な構造ながら、前記の優れた効果を
得ることができる。
【0030】更に、上記実施例から明らかな様に、上述
した特開平 4−254096号公報のようなガス出口温度を常
温にしようとしたときに必要な断熱材を設置する必要が
なく、大きな温度差が生じる部分は何ら拘束されていな
いので、伝熱管12内部で熱応力が発生する心配がなく、
ORVの信頼性が著しく向上する。
【0031】次に説明する実施例2乃至7では、本発明
に係わるORVにおいて、内管13内部流体温度、内管13
と中管14の環状空間部19流体温度、中管と外管の環状空
間部20流体温度および各管13, 14, 15の温度を設計値に
保とうとした場合の対応例について、伝熱管12を図示し
て説明する。
【0032】(実施例2)図2乃至図3は、本発明に係
わるORVの伝熱管の一部断面示説明図である。この例
では、図2で示す様に、伝熱管12の内管13内部に液化低
温ガスの気化を容易ならしめる伝熱促進体としてツイス
トテープ21が挿入されている。このツイストテープ21が
内管13内に挿入された場合、遠心力によって液滴の伝熱
面である内管13への接触が増え、ガス層の温冷置換が起
こる。またツイストテープ21が内管13に抽心等で固定さ
れていれば拡大伝熱面の効果も得られる。
【0033】また、さらなる伝熱量の拡大を図りたいと
きには、図3で示す様に、上記ツイストテープ21の替わ
りに十字ツイストテープ22を内管13内に挿入するのが効
果的である。十字ツイストテープ22は、ツイストテープ
21で仕切られた各流路を更に細分化でき、更に大きな遠
心力が期待できると共に、前述した式で表される相当
直径deを更に小さくできるので、更なる伝熱係数の向
上が図れる。また、拡大伝熱面の効果も更に大きくな
る。なお、上記ツイストテープや十字ツイストテープは
好ましい例として挙げたもので、本発明に係わる伝熱促
進体をこれらに限定するものではない。
【0034】(実施例3)図4は、本発明に係わるOR
Vの伝熱管の横断面示説明図である。この例では、伝熱
管12の中管14内部にリブ23が設けてある。この様なリブ
23は、伝熱係数の向上は計れるないが拡大伝熱面となる
効果を有すると共に、管の同心化が計れ流路の均一化が
可能となり、装置の信頼性向上に大きく寄与する効果も
ある。またこの様なリブ23を、外管15内部に設けても、
内管13の外部もしくは中管14の外部に設けても同様な効
果が得られ、中管14および外管15双方の内部、もしくは
内管13および中管14双方の外部に設ければ一層の効果が
得られる。また、伝熱管長さ方向でリブ23の高さ、幅を
変える、もしくは必要箇所のみにリブ23を設けることが
効果的なのは言うまでもない。
【0035】また、伝熱管12では、内側の管ほど低温に
なることから各管の隙間は広がることとなり、内管13や
中管14に長さ方向で熱収縮が発生しても、各管が滑りリ
ブ23を設けたことによる熱応力の発生は無い。なお、リ
ブ23の形状としては、図5で示す様に螺旋リブ24であっ
てもよく、この螺旋リブ24にすることにより、伝熱管12
の環状空間部19, 20の流路において更なる伝熱量の拡大
が必要な場合に有効である。
【0036】(実施例4)図6は、本発明に係わるOR
Vの伝熱管の横断面示説明図である。この例では、伝熱
管12の中管14内部に直線溝25が設けてある。この様な直
線溝25は、上記実施例3の場合のリブ23以上の拡大伝熱
面が容易に得られる。また、本実施例でも直線溝25を螺
旋溝(図示せず)に置き換えれば更に大きな効果が得ら
れ、またさらに、この様な直線溝25や螺旋溝を、外管15
内部に設けても、中管14および外管15双方の内部に設け
ても同様の効果が得られる。また、伝熱管長さ方向で直
線溝25や螺旋溝の高さ、ひねり角等形状を変えることが
効果的なことは言うまでもない。
【0037】(実施例5)図7は、本発明に係わるOR
Vの伝熱管の横断面示説明図である。この例では、伝熱
管12の外管15外部に直線リブ26を設けてある。この直線
リブ26は拡大伝熱面となると共に、外管15外部を流下す
る熱源Hの流れを有効に使うことができる。
【0038】なお、上記実施例2乃至5では、伝熱促進
体、リブおよび溝について、それぞれ個々に設けた例を
説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、
伝熱促進体とリブもしくは溝とが組み合わされて設けら
れてあってもよく、このように組み合わせてもそれぞれ
の効果を享受し得ることは言うまでもない。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わるO
RVは、伝熱管の液化低温ガスの気化部において3重管
構造とすると共に、内管と中管の環状空間流路上部、お
よび中管と外管の環状空間流路下部にそれぞれ折り返し
部を設けてあるため、熱負荷の大きい気化部での液化低
温ガスと伝熱管外部を流下する熱源の直接熱交換が確実
に回避され、熱源の凍結を解消もしくは大幅に軽減でき
ると同時に、熱源の凍結によって発生する伝熱管の低温
化による熱応力を大幅に軽減できる効果がある。
【0040】また、本発明に係わるORVでは、内管内
部に伝熱促進体を、また内管外部や中管内部等にリブま
たは溝を設けることにより、3重管半径方向各部位の伝
熱量が調整でき、上記本発明の効果を得ながら更に伝熱
管伝熱性能設計範囲が大いに拡大できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるORVの構成の上部を省略して
示す説明図であって、aは縦断面図、bはaのX−X断
面図である。
【図2】本発明に係わるORVの伝熱管の一部断面示説
明図である。
【図3】本発明に係わるORVの伝熱管の一部断面示説
明図である。
【図4】本発明に係わるORVの伝熱管の横断面示説明
図である。
【図5】本発明に係わるORVの伝熱管の一部断面示説
明図である。
【図6】本発明に係わるORVの伝熱管の横断面示説明
図である。
【図7】本発明に係わるORVの伝熱管の横断面示説明
図である。
【図8】オープンラック式液化低温ガス気化装置の概略
図である。
【図9】従来のオープンラック式液化低温ガス気化装置
に用いられる伝熱管の一部断面示説明図である。
【符号の説明】 2:マニホールド 3:液ヘッダー
4:熱交換パネル 5:熱源供給管 6:トラフ
7:ガスヘッダー 8:ガス出口 12:3重管構造の伝熱管 1
3:内管 14:中管 15:外管 1
6:上部折り返し部 17:下部折り返し部 18:十字状リブ 1
9, 20:環状空間部 21:ツイストテープ 22:十字ツイストテープ 2
3:リブ 24:螺旋リブ 25:直線溝
H:海水等の熱源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚本 彰夫 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の伝熱管を連立させて熱交換パネル
    を構成し、この熱交換パネルの下端側に液化低温ガスの
    供給管を、上端側に液化低温ガスの気化ガスの導出管を
    設けて前記伝熱管の外部を流下する液体と熱交換するオ
    ープンラック型液化低温ガス気化装置において、前記伝
    熱管を3重管構造に形成し、内管と中管の環状空間部お
    よび中管と外管の環状空間部を流路とすると共に、内管
    と中管の流路上部および中管と外管の流路下部にそれぞ
    れ折り返し部を設けたことを特徴とするオープンラック
    型液化低温ガス気化装置。
  2. 【請求項2】 伝熱管の内管内部に伝熱促進体が設けら
    れた請求項1記載のオープンラック型液化低温ガス気化
    装置。
  3. 【請求項3】 伝熱管の、内管外部、中管内部、中管外
    部、あるいは外管内部のいずれか1つにリブまたは溝が
    設けられた請求項1記載のオープンラック型液化低温ガ
    ス気化装置。
JP17930993A 1993-07-20 1993-07-20 オープンラック型液化低温ガス気化装置 Withdrawn JPH0735297A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006046888A (ja) * 2004-07-02 2006-02-16 Kobelco & Materials Copper Tube Inc 複合伝熱管
JP2008128306A (ja) * 2006-11-17 2008-06-05 Kobe Steel Ltd 空温式液化ガス気化器及び液化ガスの気化方法
JP2013524153A (ja) * 2010-04-07 2013-06-17 ベストロング・インターナショナル・リミテッド 熱交換のための手段、方法及びシステム
RU2594833C1 (ru) * 2015-09-08 2016-08-20 Владислав Юрьевич Климов Испаритель сжиженного углеводородного газа
KR102245478B1 (ko) * 2020-10-16 2021-04-28 주식회사 태진중공업 해수식 lng 기화기의 전열관

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