JP2023159510A - 車両の前側部構造 - Google Patents

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Tomohiro Sakurai
裕莉香 澤田
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Abstract

【課題】フロントフェンダパネルに給油モジュールまたは給電モジュールを取り付ける際に、当該モジュールとカウルトップサイドメンバとの干渉を回避可能としつつ、衝突荷重の伝達時におけるカウルトップサイドメンバの座屈変形を抑制可能とする。【解決手段】カウルトップサイドメンバ30は、筒状部40及び張出部45を備える。筒状部40は、稜線が車両前後方向に沿って直線状に延設される。張出部45は、車幅方向に向けられた側板形状であって、筒状部40の車幅方向内側から下方に張り出すように形成され、その下方への張り出し幅が車両後方ほど拡げられてフロントピラー10に後端が接続される。さらに筒状部40は、フロントフェンダパネル50の開口55よりも上方に配置される。また筒状部40の下方かつ張出部45の車幅方向外側の空間70に、給電モジュール60または給油モジュールが収容される。【選択図】図10

Description

本明細書では、車両の前側部構造が開示される。
車両の前側部には、フロントタイヤの上方を囲むようにしてフロントフェンダパネルが設けられる。フロントフェンダパネルは、車両の骨格部材に締結支持される。
例えば特許文献1では、フロントフェンダパネルを支持する骨格部材として、カウルトップサイドメンバとエプロンサイドメンバが開示される。図12を参照して、エプロンサイドメンバ120は、図示しないフェンダエプロンに沿って車両前後方向に延設される。エプロンサイドメンバ120の前端は図示しないラジエータサポートに固定される。
エプロンサイドメンバ120の後端はカウルトップサイドメンバ130に接続される。カウルトップサイドメンバ130は、カウルトップ108の車幅方向両端(両サイド)に設けられる。なおカウルトップ108は、図示しないウインドシールドガラス(フロントガラス)下端に設けられ車幅方向に延設される。
カウルトップサイドメンバ130の後端はフロントピラー100に接続される。フロントピラー100は、車高方向に延設される縦柱であるピラーロア104を備える。このピラーロア104にカウルトップサイドメンバ130の後端が固定される。
エプロンサイドメンバ120及びカウルトップサイドメンバ130は、車両の前面衝突(以下適宜、前突と記載される)時に衝突荷重を車両後方に伝達する。車両前方から入力された衝突荷重はエプロンサイドメンバ120及びカウルトップサイドメンバ130に伝達され、さらにフロントピラー100に伝達される。そしてフロントピラー100からさらに後方の骨格部材であるロッカ106等に衝突荷重が伝達される。
カウルトップサイドメンバ130から、車高方向に延設される(つまり縦柱である)ピラーロア104に衝突荷重が伝達される過程で、ピラーロア104が突っ張ってカウルトップサイドメンバ130が潰れ変形するか上下方向に座屈変形するおそれがある。そこで従来構造におけるカウルトップサイドメンバ130は、車両後方ほど車高方向寸法が広がる、側面視で扇状となるように形成される。このような形状とすることで、衝突荷重の伝達経路であるロードパスを、車両前後方向から車両上下方向に円滑に変更可能となる。
特開2018-70006号公報
ところで、図13のリッド156に例示されるように、車両の前側部構造において、フロントフェンダパネル150に給油モジュールまたは給電モジュールを設ける場合がある。例えばフロントフェンダパネル150のうち、設置面積が十分に確保可能な後方部分に、給油モジュールまたは給電モジュールを設けることが考えられる。
ここで、図13に示されるように、フロントフェンダパネル150と、当該パネルを支持するカウルトップサイドメンバ130が近接して、カウルトップサイドメンバ130の扇形状の側板134と、リッド156から車幅方向内側に設けられる給油モジュールまたは給電モジュールとが干渉するおそれがある。
そこで本明細書では、フロントフェンダパネルに給油モジュールまたは給電モジュールを取り付ける際に、当該モジュールとカウルトップサイドメンバとの干渉を回避可能としつつ、衝突荷重の伝達時におけるカウルトップサイドメンバの座屈変形を抑制可能な、車両の前側部構造が開示される。
本明細書では、カウルトップサイドメンバとフロントフェンダパネルを備える、車両の前側部構造が開示される。カウルトップサイドメンバは、エプロンサイドメンバに前端が接続されるとともに、フロントピラーに後端が接続され、車両前後方向に延設される。フロントフェンダパネルは、エプロンサイドメンバ及びカウルトップサイドメンバに支持される。フロントフェンダパネルの、カウルトップサイドメンバと車両前後方向位置が重複する位置に、給電モジュールまたは給油モジュールが挿入固定される開口が穿孔される。カウルトップサイドメンバは、筒状部及び張出部を備える。筒状部は、エプロンサイドメンバからフロントピラーまで車両前後方向に延設される筒形状であって、稜線が車両前後方向に沿って直線状に延設される。張出部は、車幅方向に向けられた側板形状であって、筒状部の車幅方向内側から下方に張り出すように形成され、その下方への張り出し幅が車両後方ほど拡げられてフロントピラーに後端が接続される。さらに筒状部は、フロントフェンダパネルの開口よりも上方に配置される。また筒状部の下方かつ張出部の車幅方向外側の空間に、給電モジュールまたは給油モジュールが収容される。
上記構成によれば、カウルトップサイドメンバが、フロントフェンダパネルの開口よりも上方に配置される筒状部と、筒状部の内側から下方に張り出される張出部を備える。このような構造を備えることで、筒状部の下方かつ張出部の車幅方向外側に、給電モジュールまたは給油モジュールの収容空間が確保できる。また、衝突荷重を伝達する際には、張出部による傾斜状のロードパス(稜線)により、カウルトップサイドメンバの座屈変形が抑制可能となる。
また上記構成において、フロントピラーには、筒状部及び張出部との溶接点が設けられる補強プレートが固定されてよい。
衝突荷重伝達時に、カウルトップサイドメンバから荷重が伝達されるフロントピラーが座屈変形するおそれがある。この変形によってカウルトップサイドメンバとフロントピラーが相対移動して、両者を接合する溶接点が破断するおそれがある。上記構成によれば、カウルトップサイドメンバとフロントピラーとを、補強プレートを介して溶接することで、フロントピラーの座屈変形が抑制される。
本明細書で開示される、車両の前側部構造によれば、フロントフェンダパネルに給油モジュールまたは給電モジュールを取り付ける際に、当該モジュールとカウルトップサイドメンバとの干渉が回避可能としつつ、衝突荷重の伝達時におけるカウルトップサイドメンバの座屈変形が抑制可能となる。
本実施形態に係る車両の前側部構造を例示する斜視図である。 車両前側部における骨格部材を例示する斜視図である。 カウルトップサイドパネルの構造(特に筒状部と張出部)を説明する斜視図である。 カウルトップサイドメンバの詳細構造を説明する斜視図(1/6)である。 カウルトップサイドメンバの詳細構造を説明する斜視図(2/6)である。 カウルトップサイドメンバの詳細構造を説明する斜視図(3/6)である。 カウルトップサイドメンバの詳細構造を説明する斜視図(4/6)である。 カウルトップサイドメンバの詳細構造を説明する斜視図(5/6)である。 カウルトップサイドメンバの詳細構造を説明する斜視図(6/6)である。 給電モジュールの収容空間を例示する斜視図である。 上記収容空間に給電モジュールが収容された例を示す斜視図である。 従来構造に係る車両前側部の骨格構造を例示する斜視図である。 従来構造に係る車両の前側部構造を例示する斜視図である。
以下に、実施形態に係る、車両の前側部構造が図面を用いて説明される。以下で説明する形状、材料、個数、及び数値は、説明のための例示であって、車両の前側部構造の仕様に応じて適宜変更することができる。また以下ではすべての図面において同等の要素には同一の符号が付される。
また図1-図13では、各構成の位置や方向を表すために、FR軸、RW軸、及びUP軸からなる直交座標系が用いられる。FR軸は車両前方を正方向とする車両前後方向軸である。RW軸は車両右側を正方向とする車幅方向軸である。UP軸は上方を正方向とする車両上下方向軸である。
<全体構成>
図1を参照して、本実施形態に係る、車両の前側部構造は、例えばフロントピラー10、カウルトップサイドメンバ30、フロントフェンダパネル50、及び給電モジュール60を含んで構成される。
フロントフェンダパネル50は、少なくともその一部が、フロントピラー10、カウルトップサイドメンバ30、及びエプロンサイドメンバ20と、車両前後方向位置が重複するように配置される。また、フロントフェンダパネル50には開口55が穿孔される。開口55には給電モジュール60が挿入固定される。
図1、図2を参照して、給電モジュール60の収容スペースを確保するために、カウルトップサイドメンバ30は、車両前後方向に直線状に延設される筒状部40と、筒状部40の車幅方向内側から下方に張り出す張出部45を備える。また筒状部40は開口55よりも上方に配置される。
このような構造を備えることで、筒状部40の下方かつ張出部45の車幅方向内側に、収容空間70(図10参照)が生じる。図11に例示されるように、この収容空間70に給電モジュール60が収容される。以上の構造の詳細は以下に説明される。
<フロントフェンダパネル>
図1を参照して、フロントフェンダパネル50は、車両の前方かつ側方(つまり前側部)に設けられる外板パネル部材であって、図示しないフロントタイヤの上方を覆うように設置される。またフロントフェンダパネル50の下端部はフロントタイヤの形状に基づいて円弧状に形成される。この下端部には、例えば泥除け部材であるフロントフェンダモールディング(図示せず)を取り付けるためのフランジ57が設けられる。
フロントフェンダパネル50は曲面形状を備えるように成形される。例えばフロントフェンダパネル50は上方を向く上面52と、上面52から屈曲されて車幅方向を向く側面54とを備える。なお「~方向を向く面」とは、当該方向軸に対して垂直である場合に限定されず、当該方向軸に対して所定の傾きを有していてもよい。
またフロントフェンダパネル50の側面54には、開口55がその厚さ方向に穿孔される。開口55には給電モジュール60が車幅方向内側に挿入固定される。さらに開口55は、給電モジュール60のリッド62により開閉される。
フロントフェンダパネル50は側面視で前方から後方に向かって車高方向寸法が広がる略三角形状となっている。このような構造に基づき、例えば開口55が、相対的に寸法に余裕のある、フロントフェンダパネル50の後方部分に設けられる。例えば開口55は、カウルトップサイドメンバ30と車両前後方向位置(FR軸上位置)が重複する箇所に設けられる。また例えば開口55の前方かつ下方部分は、フランジ57の形状に沿って円弧状に切り取られたような形状となる。
フロントフェンダパネル50は、車両の骨格部材に締結支持される。例えばフロントフェンダパネル50の上面52の車幅方向内側端部には、図示しないフランジが車両前後方向に延設される。このフランジを介して、フロントフェンダパネル50がカウルトップサイドメンバ30及びエプロンサイドメンバ20に締結支持される。さらにフロントフェンダパネル50の後端部にも、図示しないフランジが上下方向に延設される。このフランジを介して、フロントフェンダパネル50がフロントピラー10に締結支持される。
<給電モジュール>
図1、図11を参照して、給電モジュール60は車載バッテリ(図示せず)への外部充電を可能とするための充電口機能を備える組立体であって、例えば工具等を用いてフロントフェンダパネル50に対して着脱が可能となっている。
給電モジュール60はボックス64、充電インレット66、及びリッド62(図1参照)を備える。ボックス64はフロントフェンダパネル50に穿孔された開口55に嵌め込まれる。例えばクリップやボルト・ナット締結等の締結手段によって、ボックス64が開口55の枠体に締結される。
ボックス64は開口55に沿った形状であって、車幅方向外側に開口される。ボックス64は、フロントフェンダパネル50の側面54に対して車幅方向内側に引き込まれた底板64Aと、底板64Aを取り囲む側板とを備える。さらに側板のうち、例えば車両前方方向の側板64Bには、ヒンジ固定部64Cが設けられる。例えばヒンジ固定部64Cは、上下方向にピン開口が穿孔される。
さらにボックス64の底板64Aにはその厚さ方向にインレット開口64Dが穿孔される。インレット開口64Dには充電インレット66が挿入固定される。充電インレット66は外部充電機器であるコネクタと接続可能となっている。また充電インレット66は、図示しない高電圧ケーブルに接続される。例えば高電圧ケーブルは、リレー回路やインバータ等の高電圧機器を経て車載バッテリ(図示せず)に接続される。
充電インレット66は例えば円柱形状の部材であって、インレット開口64Dに挿入固定されたときに、車幅方向内側に延設される。充電インレット66とカウルトップサイドメンバ30の張出部45との当接を避けるために、例えばカウルトップサイドメンバ30の筒状部40の車幅方向寸法は、充電インレット66の車幅方向寸法を超過するように定められる。
図1、図11を参照して、リッド62はボックス64及び開口55を覆う蓋体である。リッド62はヒンジ固定部64Cと軸合わせされるヒンジ可動部(図示せず)を備える。
図10、図11を参照して、給電モジュール60は、カウルトップサイドメンバ30の筒状部40の下方、かつ、張出部45の車幅方向外側に設けられた、収容空間70に収容される。このような収容構造を可能とするため、図1を参照して、フロントフェンダパネル50の開口55は、フロントフェンダパネル50の側面54のうち、収容空間70と車両前後方向位置及び上下方向位置が一致した箇所に設けられる。
<車両前側部の骨格構造>
図2を参照して、車両は前側部の骨格構造として、フロントピラー10、エプロンサイドメンバ20、及びカウルトップサイドメンバ30を備える。これらの骨格部材は、例えばホットスタンプ材や高張力鋼板から構成される。
なお、図1-図11では、各骨格部材の概形が示される。例えばこれらの骨格部材には、面剛性向上のための凹凸部である面ビードや、軽量化のための開口部等を備える場合があるが、簡略化のため、これら機能部の図示が省略される。
また後述されるように、カウルトップサイドメンバ30は図9に例示されるように複数の部材から構成されその構造も複雑であるが、図示の煩雑化を避けるために、例えば図2、図10、図11等ではカウルトップサイドメンバ30の主要部材のみが示される。
図2を参照して、フロントピラー10はAピラーとも呼ばれ、上部部材のルーフサイドレール12と下部部材のピラーロア14を備える。ルーフサイドレール12はウインドシールドガラス(フロントガラス)の車幅方向両端に設けられ、当該ガラスを支持する。ピラーロア14はルーフサイドレール12の下端に接続され、上下方向に延設される。さらにピラーロアの下端部は車両後方に屈折され骨格部材のロッカ16に接続される。
例えばフロントピラー10は閉断面構造となっており、断面矩形となっている。また後述されるように、ピラーロア14の前面にはカウルトップサイドメンバ30の後端が接続固定されるが、両者の固定は補強プレート32を介して行われる。
車両の前突時に、衝突荷重がエプロンサイドメンバ20からカウルトップサイドメンバ30を経由して、ピラーロア14に伝達される。カウルトップサイドメンバ30の筒状部40は、車両前後方向に直線状に延設される、言い換えると筒内中空部の断面形状が延設方向に沿って一定に維持される形状であって、その稜線は車両前後方向に直線的に延設される。
衝突荷重の伝達経路であるロードパスは主として稜線に形成されることが知られている。これを踏まえて、筒状部40の車両前後方向に延設する稜線が、上下方向に延設されるピラーロア14と交わる(例えば直交する)構造を備えることにより、ピラーロア14が座屈変形(潰れ変形)するおそれがある。仮にピラーロア14とカウルトップサイドメンバ30が直接溶接されている場合、ピラーロア14の座屈変形により両者が相対移動して、溶接点の破断に繋がるおそれがある。
そこで本実施形態に係る、車両の前側部構造では、フロントピラー10の前面に補強プレート32が固定される。補強プレート32には、カウルトップサイドメンバ30の筒状部40及び張出部45との溶接点が設けられる。つまりフロントピラー10、カウルトップサイドメンバ30、及び補強プレート32とは三枚重ね溶接される。このような構造を備えることで、カウルトップサイドメンバ30とフロントピラー10との接続点が補強され、衝突荷重伝達時のフロントピラー10の座屈変形が抑制される。
エプロンサイドメンバ20は、図示しないフェンダエプロンの形状に沿って、例えば車両前後方向に屈曲しながら延設される。エプロンサイドメンバ20の前端は図示しないラジエータサポートに接続される。エプロンサイドメンバ20の後端はカウルトップサイドメンバ30に接続される。エプロンサイドメンバ20は例えばエプロンサイドメンバアッパ22及びエプロンサイドメンバロア24が接合された閉断面構造を備える。
<カウルトップサイドメンバ>
カウルトップサイドメンバ30は、エプロンサイドメンバ20に前端が接続されるとともに、フロントピラー10に後端が接続され、車両前後方向に延設される。図3を参照して、カウルトップサイドメンバ30は、筒状部40及び張出部45を備える。
図10を参照して、筒状部40は、フロントフェンダパネル50の開口55よりも上方に設けられる。例えば筒状部40の底板であるロアプレート46は開口55の上縁よりも上方に配置される。また張出部45は、開口55と車幅方向に離隔されるようにして対向する。以上の構造により、筒状部40の下方かつ張出部45の車幅方向外側に収容空間70が生じる。この収容空間70に給電モジュール60が収容される。
筒状部40は例えば角筒形状であって、その稜線が車両前後方向に直線状に延設される。言い換えると、筒状部40の筒内の中空部の断面形状は、延設方向に沿って一定に維持される。車両の前突時には、この筒状部40の稜線がロードパスとなってピラーロア14に衝突荷重が伝達される。
また、張出部45はその面が車幅方向に向けられた側板形状を備える。張出部45は、筒状部40の車幅方向内側から下方に張り出すように形成される。張出部45の下方への張り出し幅は、車両後方ほど拡げられてピラーロア14に後端が接続される。
図3、図4を参照して、張出部45の稜線44Cは、エプロンサイドメンバ20の車両前後方向に延設された稜線(ロードパス)と、ピラーロア14の、上下方向に延設された稜線(ロードパス)との間に設けられる。稜線44Cが下方に傾斜された形状を備えることで、エプロンサイドメンバ20からピラーロア14までのロードパスにおいて衝突荷重の伝達方向の急変(水平方向→鉛直方向)が避けられる。
図4乃至図9には、カウルトップサイドメンバ30と、フロントピラー10及びエプロンサイドメンバ20との接続構造が例示される。なおこれらの図に示されたX印は溶接点を示す。
これらの図(特に図9)に例示されるように、カウルトップサイドメンバ30は、主要部材としてアッパプレート42、ガセットプレート44、ロアプレート46、及びサイドプレート48を備える。さらにカウルトップサイドメンバ30は、補強部材としてブラケット34(図4参照)及びジョイントプレート36,38を備える。
下記に詳細に説明されるように、カウルトップサイドメンバ30、フロントピラー10及びエプロンサイドメンバ20の三者は、直接溶接される箇所が設けられる。さらにこれに加えて上記三者は、ブラケット34(図4参照)及びジョイントプレート36,38を介して溶接される箇所も設けられる。ブラケット34及びジョイントプレート36,38の介在により溶接部分が補強される。
なお図4乃至図9は、組立順を示すものではない。つまり図4から図9までの図順にてカウルトップサイドメンバ30、フロントピラー10及びエプロンサイドメンバ20の三者が組み立てられるものではない。これらの図では、上記三者の構造を明確にするために、適宜構成部品が図示されたり省略されたりしている。
図4を参照して、ガセットプレート44は車幅方向を向く側板44Aと、側板44Aの前端及び下端に設けられるリブ44Bを備える。例えばロアプレート46(図5参照)のフランジ46Bよりも下方にリブ44Bの上端が設けられる。
ガセットプレート44の後端部は、例えばフロントピラー10の車幅方向内側から延出されるピラーフランジ15と重ねられ、溶接点(X印)により両者は溶接される(図4参照)。またガセットプレート44の下方はL字型のブラケット34を介して、補強プレート32及びピラーロア14に溶接される。
図5を参照して、ロアプレート46は筒状部40の底板部である。なおガセットプレート44については、上方部分が筒状部40の車幅方向内側板となり、下方部分が張出部45となる。
ロアプレート46はその面が上下方向を向く底板46Aを備える。またロアプレート46は、底板46Aの車幅方向内側端に設けられ底板46Aに対して下方に屈曲されたフランジ46Bと、底板46Aの後端に設けられ底板46Aに対して下方に屈曲されたフランジ46Cを備える。側方のフランジ46Bはガセットプレート44と溶接される。後端のフランジ46Cは補強プレート32及びピラーロア14と溶接される。
図6を参照して、ロアプレート46及びガセットプレート44の前端に、エプロンサイドメンバロア24が接続固定される。エプロンサイドメンバロア24は断面クランク形状であって、上下方向を向く底板24A、車幅方向を向く側板24B、及び側板24Bの上端から屈曲されるフランジ24Cを備える。
エプロンサイドメンバロア24の底板24A及び側板24Bの各後端は、ガセットプレート44及びロアプレート46の前端と重ね合わせられる。さらにロアプレート46及びエプロンサイドメンバロア24を跨いでジョイントプレート36が重ねられる。さらにジョイントプレート36とロアプレート46が重なる二層箇所と、ロアプレート46、エプロンサイドメンバロア24、及びジョイントプレート36が重なる三層箇所とに溶接点が設けられる。
図7、図8を参照して、エプロンサイドメンバアッパ22はジョイントプレート38を介してアッパプレート42に溶接される。図7を参照して、ジョイントプレート38は上方を向く上片38A、車幅方向外側を向く側片38B及び側片38Bの下端から屈曲されたフランジ38Cを備える。
フランジ38Cはジョイントプレート36の底片36A及びエプロンサイドメンバロア24の底板24Aを跨いでこれらの部材に重ねられる。上片38Aはエプロンサイドメンバアッパ22の上板22A上に重ねられる。
図8を参照して、間にジョイントプレート38の上片38Aを挟む形で、エプロンサイドメンバアッパ22の上板22Aとアッパプレート42の上板42Aとが溶接結合される。
またアッパプレート42の上板42Aの車幅方向内側端には、下方に屈曲されたフランジ42Cが形成され、外側端には上方に屈曲されたフランジ42Bが形成される。さらに上板42Aの後端にはフランジ42Dが設けられる。フランジ42Cはガセットプレート44に溶接され、フランジ42Dは補強プレート32及びピラーロア14に溶接される。
図9を参照して、サイドプレート48は車幅方向外側を向く側板48Aと、その下端に設けられたフランジ48Bと、さらに後端に設けられたフランジ48Cを備える。
後端のフランジ48Cは補強プレート32のフランジ32B及びピラーロア14の側壁に溶接される。側端のフランジ48Bは、ロアプレート46、ジョイントプレート36,38、及びエプロンサイドメンバアッパ22に当接され、これらの部材及びそれに加えてエプロンサイドメンバロア24と溶接される。
このように、フロントピラー10,カウルトップサイドメンバ30,及びエプロンサイドメンバ20の三者は、補強部材である補強プレート32、ブラケット34(図4参照)及びジョイントプレート36,38を介して互いに溶接結合される。これにより結合箇所が補強され、衝突荷重を部材間で伝達する際の変形や破断が抑制される。
また図3を参照して、本実施形態に係るカウルトップサイドメンバ30は、特にガセットプレート44と筒状部40の形状に着目すると、従来構造のカウルトップサイドメンバ130(図12参照)のように、上下に両開きする扇形形状とは異なり、下方のみ半開きする半扇形状となっている。
このような構造(半扇形状)を備えることで、従来構造と比較してより上方に筒状部40が配置可能となる。例えば給電モジュール60(図11参照)に対して筒状部40を上方配置することが出来る。
さらに図10、図11を参照して、張出部45を筒状部40の車幅方向内側から下方に張り出す構造とすることで、筒状部40の下方には、筒状部40の車幅方向寸法分の収容空間70が生じる。この収容空間70を給電モジュール60の収容スペースとすることで、カウルトップサイドメンバ30と給電モジュール60との干渉が抑制可能となる。
また図2を参照して、例えば筒状部40の後端は、ピラーロア14の上端部分、言い換えるとルーフサイドレール12の下端に近接した位置に接続される。ルーフサイドレール12は、ピラーロア14と比較して水平方向に寝かされた傾斜配置を採る。例えば、ルーフサイドレール12の、水平面に対する傾斜角度は、ガセットプレート44の稜線44C(図4参照)の、水平面に対する傾斜角度以下となるように、フロントピラー10が成形される。
このように、本実施形態に係る車両の前側部構造では、筒状部40の後端が、ルーフサイドレール12の下端に近接した、ピラーロア14の上端部分に接続され、さらにルーフサイドレール12が上記の様な傾斜配置を採る。これにより、カウルトップサイドメンバ30の上方から傾斜構造を省略しても、筒状部40からルーフサイドレール12に衝突荷重が伝達される。
<その他の実施形態>
上述した実施形態では、車両の前側部構造の一部として、給電モジュール60が例示されていたが、本実施形態に係る車両の前側部構造は、この形態に限定されない。例えば車両の前側部構造は、給電モジュール60に代えて、給油モジュールを備えてもよい。例えば給油モジュールは、充電インレット66の代わりにフューエルインレットを備える。
この場合においても、カウルトップサイドメンバ30の筒状部40はフロントフェンダパネル50(図1参照)の開口55よりも上方に設けられる。また筒状部40の下方かつ張出部45の車幅方向外側の収容空間70に、給油モジュールが収容される。
10 フロントピラー、12 ルーフサイドレール、14 ピラーロア、20 エプロンサイドメンバ、30 カウルトップサイドメンバ、32 補強プレート、40 筒状部、45 張出部、50 フロントフェンダパネル、55 開口、60 給電モジュール、62 リッド、64 ボックス、66 充電インレット、70 収容空間。

Claims (2)

  1. エプロンサイドメンバに前端が接続されるとともに、フロントピラーに後端が接続され、車両前後方向に延設される、カウルトップサイドメンバと、
    前記エプロンサイドメンバ及び前記カウルトップサイドメンバに支持されるフロントフェンダパネルと、
    を備える、車両の前側部構造であって、
    前記フロントフェンダパネルの、前記カウルトップサイドメンバと車両前後方向位置が重複する位置に、給電モジュールまたは給油モジュールが挿入固定される開口が穿孔され、
    前記カウルトップサイドメンバは、
    前記エプロンサイドメンバから前記フロントピラーまで車両前後方向に延設される筒形状であって、稜線が車両前後方向に沿って直線状に延設される、筒状部と、
    車幅方向に向けられた側板形状であって、前記筒状部の車幅方向内側から下方に張り出すように形成され、その下方への張り出し幅が車両後方ほど拡げられて前記フロントピラーに後端が接続される、張出部と、
    を備え、
    前記筒状部は、前記フロントフェンダパネルの前記開口よりも上方に配置され、
    前記筒状部の下方かつ前記張出部の車幅方向外側の空間に、前記給電モジュールまたは前記給油モジュールが収容される、
    車両の前側部構造。
  2. 請求項1に記載の、車両の前側部構造であって、
    前記フロントピラーには、前記筒状部及び前記張出部との溶接点が設けられる補強プレートが固定される、
    車両の前側部構造。





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