JP2023159377A - 標的ポリヌクレオチドを検出するための方法 - Google Patents

標的ポリヌクレオチドを検出するための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】線状ポリヌクレオチド中の1~60ヌクレオチド長である単位配列のタンデムリピートの回数を増加させるための熱サイクル法を提供する。【解決手段】以下の工程を含む。i)1~60ヌクレオチド長である単位配列の2回以上のタンデムリピートを含む一本鎖プライマーポリヌクレオチドが固定化された固体基板を用意する工程、ii)前記固定化されたプライマーポリヌクレオチドを、単位配列に相補的な2回以上のタンデムリピートを含む一本鎖テンプレートポリヌクレオチドと、ミスマッチ二重鎖形成を許すハイブリダイゼーション条件下で、前記テンプレートポリヌクレオチドの5’オーバーハングを生成し、そのオーバーハングが前記プライマーポリヌクレオチドの単位配列に相補的である1回以上のタンデムリピートを含むように接触させる工程、iii)前記ミスマッチ二重鎖を耐熱性ポリメラーゼで、ポリヌクレオチド伸長条件下で接触させる工程。【選択図】なし

Description

本発明は、線状ポリヌクレオチド中の1~60ヌクレオチド長である単位配列のタンデ
ムリピートの回数を増加させるための熱サイクル法を提供する。本発明は、少なくとも1
つの線状プローブポリヌクレオチドが固定化されている表面を持つ固体基板であって、前
記少なくとも1つの線状プローブポリヌクレオチドが、1~60ヌクレオチド長である単
位配列の少なくとも2回のタンデムリピートを含む固体基板も提供する。上述の固体基板
を使って被検試料中の線状標的ポリヌクレオチド配列の存在を決定する方法も提供される
被検試料中の標的ポリヌクレオチド配列の存在を決定するための方法は、基礎研究にお
いて日常的に使われていると共に、診断法および治療法においても大いに有用である。配
列が明確なポリヌクレオチドのライブラリーは、セキュリティー用途で、識別子(DNA
バーコード)としても使用しうる。
被検試料中の標的ポリヌクレオチド配列(例えばDNAまたはRNA)の有無は、当技
術分野において知られるいくつかの方法を使って、容易に決定することができる。そのよ
うな方法の非限定的な例には、インサイチューハイブリダイゼーション、マイクロアレイ
解析、PCRおよび次世代シーケンシングなどがある。そのような方法は、例えば疾患の
バイオマーカーまたは治療標的の同定またはモニタリングなどに有用であることが判明し
ている。
インサイチューハイブリダイゼーション(ISH)は、標識されたDNAプローブまた
はRNAプローブと、無傷の染色体、細胞または組織切片中の正常ポリヌクレオチド配列
または異常ポリヌクレオチド配列との相補的ペアリングに基づいている。ISHは免疫組
織化学と類似しているので、解剖病理学に応用することができる他の分子生物学的技法と
比べて、組織病理学者との相性がよい。これには、主にホモジナイズされた組織試料から
抽出されたポリヌクレオチドとのプローブハイブリダイゼーションに基づく他の分子生物
学的技法との対比で、形態学的に同定可能な細胞または細胞構造内での標的ポリヌクレオ
チド配列の局在化および可視化を可能にするというユニークな利点がある。
ポリヌクレオチドアレイまたは単にDNAアレイとは、特異的DNA配列が、ある表面
において、2次元(また時には3次元)アレイ状に、DNAが共有結合的または非共有結
合的に表面に取り付けられるような形で付着または合成される、一群の技術である。典型
的な使用では、DNAアレイは標識されたポリヌクレオチドの混合物の溶液をプローブす
るために使用され、アレイ上の「プローブ」への、それら「標的」の(ハイブリダイゼー
ションによる)結合は、溶液中のポリヌクレオチド種の相対濃度を測定するために使用さ
れる。極めて多数のDNAスポットへと一般化することにより、アレイは、溶液中のいく
らでも大きな数の異なるポリヌクレオチド配列を定量するために使用することができる。
代替的標識戦略の一つは、ハイブリダイズした化学種が形成されてから、その化学種を標
識することである。この技法の2つの利点は、標的プローブが標識化を必要としないこと
、および標的の非存在下ではシグナルが生成しないことである。欠点は、表面に結合され
ているプローブあたり1つのハイブリダイゼーションイベント、したがって1つのシグナ
リングイベントしかなく、それが全体として、この技法の感度を制限することである。
疾患状態DNAまたは疾患状態RNAの最も一般的な解析方法は、ポリマー連鎖反応(
Polymer Chain Reaction:PCR)に基づくアッセイの使用であ
る。生物学的試料はDNAを含有するだろうが、通常は濃度レベルが非常に低いので、検
出することは困難である。PCRは、DNAを、または関心対象の配列を内包するDNA
のより特異的な領域を増幅するために使用される。PCR産物は多種多様な方法による解
析に供されるが、そのような方法としては、例えば、フラグメントをアガロースゲルでサ
イズに基づいて分離し、フラグメントのバンドを臭化エチジウム染色およびUV光によっ
て可視化するための、電気泳動を挙げることができる。あるいは、リアルタイム(rea
l-time)ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain react
ion)(リアルタイムPCR)は、定量(quantitative)ポリメラーゼ連
鎖反応(qPCR)としても知られており、標的DNA分子の増幅を、従来のPCRの場
合のようにその終点においてではなく、PCR中に、すなわちリアルタイムでモニターす
る。
サンガーシーケンシングは、鎖終結法としても知られており、インビトロDNA複製中
のDNAポリメラーゼによる非天然鎖終結ジデオキシヌクレオチド(ddNTP)の選択
的取込みに基づくDNAシーケンシングの技法である。NGSはサンガーシーケンシング
であるが、いくつかの試料について同時に並行して実行される。
ISH、PCRおよびNGSは、DNAおよびRNAの機能を解明するための強力な技
法であり、したがって優れた診断ツールである。しかしこれらの技法は、綿密な試料調製
、多段階プロセスおよび専門的な機器使用を必要とする。対照的に、マイクロアレイは、
疾患状態を示すDNA/RNAを同定するための、より簡易化されたアプローチを提供し
、それゆえに、迅速な結果を与え、患者の治療法の決定に関して情報を提供するための、
優れた「ポイントオブケア」診断ツールである。しかしマイクロアレイは、通例、感度の
レベルに制約がある。典型的には、表面に結合されているプローブあたり1つのハイブリ
ダイゼーションイベントしか起こらず、それがハイブリダイゼーション反応あたり1つの
シグナリングイベントをもたらすからである。
被検試料中の標的ポリヌクレオチド配列の存在を決定するための改良された方法が必要
とされている。
本発明者らは、タンデムリピートを含む固定化されたポリヌクレオチド配列の酵素的伸
長のための新規方法を開発した。本方法は、1つ以上の固定化されたポリヌクレオチド配
列を持ち、固定化されたポリヌクレオチド配列のそれぞれが複数のタンデムリピートを含
む、マイクロアレイなどの固体基板を生成させるために使用することができる。有利なこ
とに、これらの固体基板は、固定化されたポリヌクレオチド(本明細書では表面に結合さ
れた「プローブポリヌクレオチド」とも記載する)のそれぞれが標的配列に対して複数の
結合部位を提供するので、前記リピート配列に相補的な標的ポリヌクレオチド配列の存在
を、当技術分野で知られている他の基板よりも高い感度レベルで検出するために使用する
ことができる。
本発明は、DNAハイブリダイゼーションに基づく検出系で生じるノイズ対シグナル比
の根本的課題を解消する。というのも、シグナルは本発明ではもはや制限因子ではない表
面被覆率に依存するからである。言い換えると、本発明は、背景ノイズに対するシグナル
の検出を改良するので、先行技術の感度の問題を克服する。有利なことに、これは、検出
の正確度を増加させることができ、かつ/またはデータ収集が増強されるので、検出方法
において、感度の低い(例えば安価な)検出器を使用することを可能にしうる。
本発明は応用範囲が広く、いくつかの異なる標的ポリヌクレオチド検出技術において役
立ちうる。例えば本発明は、一塩基ミスマッチ検出、SNP検出、遺伝子シーケンシング
技術および医学的診断(例えばBAT25リピート配列DNAプローブを用いるリンチ症
候群などの結腸直腸がんの迅速診断)に関連して使用しうる。また本発明は、分子診断、
例えばバイオマーカーの検出、治療応答、疾患層別化、およびポイントオブケア応用との
関連においても使用しうる。
線状ポリヌクレオチド中の1~60ヌクレオチド長である単位配列のタンデムリピート
の回数を増加させるための熱サイクル法であって、以下の工程を含む方法が提供される:
i)1~60ヌクレオチド長である単位配列の少なくとも2回のタンデムリピートを含
む一本鎖プライマーポリヌクレオチドが固定化されている表面を持つ固体基板を用意する
工程、
ii)前記固定化されたプライマーポリヌクレオチドを、前記プライマーポリヌクレオ
チドの単位配列に相補的である少なくとも2回のタンデムリピートを含む一本鎖テンプレ
ートポリヌクレオチドと、単位配列とその相補鎖との間のミスマッチ二重鎖形成を許すハ
イブリダイゼーション条件下で、前記テンプレートポリヌクレオチドの5’オーバーハン
グが生成し、その5’オーバーハングが前記プライマーポリヌクレオチドの単位配列に相
補的である少なくとも1回のタンデムリピートを含むように、接触させる工程、および
iii)前記ミスマッチ二重鎖を、耐熱性5’→3’ポリメラーゼおよびヌクレオチド
と、5’→3’方向のポリヌクレオチド伸長を許す伸長条件下で接触させる工程。
好適には、1~60ヌクレオチド長である単位配列の少なくとも2回のタンデムリピー
トを含む一本鎖線状プライマーポリヌクレオチドが固定化されている表面を持つ前記固体
基板は、1~60ヌクレオチド長である単位配列の少なくとも2回のタンデムリピートを
含む二本鎖線状プライマーポリヌクレオチドを、前記固体基板の表面に固定化すること、
および前記二本鎖線状プライマーポリヌクレオチドを変性させることで前記一本鎖線状プ
ライマーポリヌクレオチドを得ることによって用意される。
好適には、本方法は以下の工程をさらに含む:
iv)iii)の二重鎖を、変性条件下で変性させることで、固定化された一本鎖ポリ
ヌクレオチドを生成させる工程、および
v)工程ii)~工程iii)を少なくとも1回繰り返すことで、前記固定化されたポ
リヌクレオチド中のタンデムリピートの回数を増加させる工程。
好適には、前記固定化されたプライマーポリヌクレオチドは、前記単位配列の少なくと
も2回、少なくとも5回、少なくとも10回、または少なくとも15回のタンデムリピー
トを含む。
少なくとも1つの線状プローブポリヌクレオチドが固定化されている表面を持つ固体基
板であって、前記少なくとも1つの線状プローブポリヌクレオチドが、1~60ヌクレオ
チド長である単位配列の少なくとも2回のタンデムリピートを含む固体基板が提供される
好適には、前記表面は以下の要素を含む:
i)線状プローブポリヌクレオチドが固定化されている、複数の離間した不連続な領域
、および
ii)前記離間した不連続な領域の間にあって、線状プローブポリヌクレオチドを実質
的に含まない、領域間区域。
好適には、前記線状プローブポリヌクレオチドが固定化されている前記離間した不連続
な領域は、アレイを形成する。
好適には、単一の離間した不連続な領域内に、複数の同一線状プローブポリヌクレオチ
ドが固定化される。
好適には、複数の離間した不連続な領域がそれぞれ、相異なる線状プローブポリヌクレ
オチドを含有する。
好適には、前記線状プローブポリヌクレオチドは、単位配列の少なくとも3回のタンデ
ムリピートを含む。
好適には、前記単位配列は2~9個のヌクレオチドを有するマイクロサテライト配列で
ある。
好適には、前記単位配列は10~60個のヌクレオチドを有するミニサテライト配列で
ある。
好適には、前記線状ポリヌクレオチドは一本鎖DNAまたは二本鎖DNAである。
好適には、前記表面は、ガラス、シリカ、金、グラフェンもしくは酸化グラフェン、エ
ポキシ、プラスチック、金属、ゲルマトリックス、テンプレートストリッピングによって
作製された金属、またはそれらの複合材料を含む。
好適には、前記線状ポリヌクレオチドは共有結合または非共有結合によって前記表面に
固定化される。随意に、線状ポリヌクレオチドは前記表面の化学修飾された領域に非共有
結合的に固定化される。
好適には、前記ポリヌクレオチドは前記表面にリンカーによって固定化される。
好適には、前記リンカーは、シランリンカー分子、ビオチン-ストレプトアビジン複合
体、チオール-Auリンカー、シリコンへのSi-C共有結合、シリコンへのSi-O共
有結合、シリコンへのSi-N共有結合、ナノ粒子リンカー、または動的共有結合を含む
被検試料中の線状標的ポリヌクレオチド配列の存在を決定するための方法であって、以
下の工程を含む方法が提供される:
i)固定化された線状プローブポリヌクレオチドの単位配列が、関心対象の線状標的ポ
リヌクレオチド配列の配列に相補的である核酸配列を含む、本明細書記載の固体基板を用
意する工程、
ii)被検試料を、前記固定化された線状プローブポリヌクレオチドと、前記線状標的
ポリヌクレオチド配列と前記固定化された線状プローブポリヌクレオチドの単位配列の相
補的部分との間の二重鎖形成を許す条件下で接触させる工程、および
iii)前記被検試料内に前記標的ポリヌクレオチド配列が存在することを示す二重鎖
形成を検出する工程。
好適には、被検試料は、血液、唾液、脳脊髄液、胸水、乳汁、リンパ液、喀痰、精液ま
たは針吸引物試料である。
好適には、二重鎖形成は、蛍光インターカレーター、蛍光タグ付きDNA、フルオレセ
イン、酸化還元タグ付きDNA、フェロセン、ナノ粒子または磁気的にタグ付けされたD
NAを使って検出される。
本願の明細書および特許請求の範囲を通して、「comprise(含む)」および「
contain(含有する)」という単語ならびにそれらのバリエーションは、「inc
luding but not limited to(含むが、それらに限定されない
こと)」を意味し、それらは、他の部分、付加物、構成要素、整数または工程を除外する
こと(および除外しないこと)を意図していない。
本願の明細書および特許請求の範囲を通して、単数形は、文脈上別段の必要がある場合
を除き、複数形を包含する。特に、不定冠詞が使用される場合、文脈上別段の必要がある
場合を除き、その明細は単数であることだけでなく複数であることも想定していると理解
されるべきである。
本発明の特定態様、特定実施形態または特定実施例と共に記載される特徴、整数、特性
、化合物、化学部分または化学基は、本明細書に記載する他のどの態様、実施形態または
実施例にも、それとは不適合である場合を除き、適用することができると理解すべきであ
る。
本明細書において言及される特許文献、科学文献および技術文献は、出願時点において
当業者が入手することのできた知識を証明している。本明細書において言及する発行され
た特許、公開された特許出願および係属中の特許出願ならびに他の刊行物の全開示は、こ
こに、それぞれが参照により組み込まれることを明確かつ個別に示されているかのように
、参照により組み込まれる。矛盾が生じる場合は本開示が優先されることになる。
本明細書において別段の定義がある場合を除き、本明細書において使用される技術用語
および科学用語はすべて、本発明が関係する技術分野における通常の技能を有する者によ
って一般に理解される意味と同じ意味を有する。例えば、Singleton and
Sainsbury,Dictionary of Microbiology and
Molecular Biology,2d Ed.,John Wiley and
Sons,NY(1994)およびHale and Marham,The Har
per Collins Dictionary of Biology,Harper
Perennial,NY(1991)は、本発明において使用される用語の多くの一
般的辞書を当業者に提供する。本明細書に記載するものと類似するまたは等価な方法およ
び材料はいずれも、本発明の実施において有用であるが、好ましい方法および材料を本明
細書に記載する。したがって、すぐ下に定義される用語は、明細書全体を参照することに
よって、より完全に説明される。また、本明細書において使用される場合、単数形「a」
、「an」および「the」は、文脈上そうでないことが明らかである場合を除き、複数
の指示対象を包含する。別段の表示がある場合を除き、それぞれ、ポリヌクレオチドは左
から右に5’から3’に向かって記述され、アミノ酸配列は左から右にアミノからカルボ
キシに向かって記述される。本発明は、記載する特定の方法、プロトコールおよび試薬類
に限定されないと理解すべきである。というのも、それらは、当業者がどのような状況で
それらを使用するかに応じて、さまざまでありうるからである。
本発明のさまざまな態様を以下にさらに詳しく説明する。
以下に、本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、さらに説明する。
表面限局的なPCRベースの反応によって多重リピート配列DNAを生産するために必要となる表面機能化工程を図解した概略図である。i)二官能性リンカーの固定化、ii)5’-アミノ修飾オリゴシードの取付け、iii)オリゴシード相補鎖のハイブリダイゼーション、iv)長いDNAブラシを得るための、固定化されたdsDNAのPCRベースの伸長。センシング用途には、複数の標的配列を持つ長い反復単一鎖DNAを得るために、extDNA表面を変性させる必要がある。 A)標準的なPCRエッペンドルフチューブに適合するように切断された、オリゴシードで機能化されたシリコンウェーハと、B)表面に固定化されたオリゴシードの酵素的伸長機序の概略とを示している。 Picogreenが適用されたa)dsDNAおよびb)extDNAを持つ表面の蛍光像。c)前記2つの表面間の蛍光強度の差異を浮き彫りにする棒グラフ。d)伸長されたdsDNAが円形の島に限局されている、パターン形成されたDNA表面の蛍光像。上記のデータは、a)、b)およびc)でのガラス/シロキサン/アミドリンカー表面での[GATC]n配列の形成に関するデータ、およびガラス/シロキサン/ストレプトアビジン-ビオチンリンカーでの、フォトリソグラフィーでパターン形成された[G:C]配列の形成に関するデータである。 A)伸長された[GATC]の、水中で90℃における脱ハイブリダイゼーションによってガラス表面から取り除かれたssDNAのAFM像である。DNA試料を、劈開したばかりのマイカ基板上にコーミングし、タッピングモードで撮像した。B)ssDNAに予想される寸法が確認される単一DNA鎖の高さプロファイル。 CFTR変異時にフェニルアラニンアミノ酸の欠失によって起こる遺伝子形状の変化を表す14 Tgo-Pol Z3 exo-および[GCATCTTTCG(配列番号1)]/[CGTAGAAAGC(配列番号:2)]による20サイクルの加熱-冷却サイクル伸長を表す。A)アガロースゲル:レーン1は20サイクル後の伸長産物;B)UV-Visプロット;およびC)バンドの強度をラダーと比較した最高強度のパーセンテージとして表す伸長産物のImageJ解析。L=DNAラダー。 A)CFTR配列に関して長いextDNAとの比較で短いオリゴマーで修飾された表面の差異を浮き彫りにする蛍光強度の棒グラフ、およびB)異なる表面のそれぞれの蛍光像。 Tgo-Pol Z3 exo-および[GAAAAAAAAAAC(配列番号3)]/[CTTTTTTTTTTG(配列番号4)]による20サイクルの加熱-冷却サイクル伸長;A)アガロースゲル:レーン1は20サイクル後の伸長産物;B)UV-Visプロット;C)バンドの強度をラダーと比較した最高強度のパーセンテージとして表す伸長産物のImageJ解析。L=DNAラダー;およびD)サンガーシーケンシング結果。 溶液伸長されたDNAのAFM像、ならびにdsDNAに予想される寸法が確認されるDNA鎖の平均高および平均長。 A)BAT25配列に関して長いextDNAとの比較で短いオリゴシードで修飾された表面の差異を浮き彫りにする蛍光強度の棒グラフ、およびB)異なる表面のそれぞれの蛍光像。 BAT25配列用の表面から脱ハイブリダイズさせた長い一本鎖extDNAのAFM像、ならびにssDNAに予想される寸法が確認される単一DNA鎖の平均高および平均長。 A)1)GATC、2)CFTRおよび3)BAT25に関するアガロースゲル長比較と、B)短いオリゴシードとextDNAとの間の差異を浮き彫りにする、各配列で修飾された表面に関する蛍光強度の比較。 DAPIで染色した表面とPGで染色した表面の蛍光強度の比較。 A)TE緩衝液中およびHO中のextDNAおよびPGの蛍光強度;B)PG/TE溶液中のexDNAの蛍光像;およびC)PG/HO溶液中のextDNAの蛍光像。 さまざまなPG結合時間に関する蛍光強度。 二酸化ケイ素表面で成長させたextDNAの蛍光強度。 ガラス表面上でBAT25配列を伸長した場合の接触角の変化。BAT25配列については、表3を参照されたい。 ミスマッチの数が異なる標的による、伸長されたBAT25表面の蛍光の変化。これはVNTR配列中の少数のミスマッチを検出するための方法の感度を実証している。BAT25プローブと再ハイブリダイズさせるミスマッチ配列については、表5を参照されたい。
本発明者らは、表面に固定化されたリポートオリゴヌクレオチド配列(オリゴシード)
を酵素的に伸長させるための方法をつきとめた。本発明者らは、意外にも、固定化された
オリゴシードは、オリゴシードが固体支持体に固定化されている場合には、典型的な加熱
-冷却サイクルによるPCRを使って伸長させうることを明らかにした。本方法は、リン
カー分子を介して表面に直接固定化された長いDNAブラシをもたらす(概要については
図1を参照されたい)。続いてssDNAへの変性と標的相補的DNAとの再ハイブリダ
イゼーションとを行うことにより、表面上の短いdsDNAと比較して、蛍光強度の増加
がもたらされる。伸長は、プローブ分子あたりの標的結合部位の数を増加させ、したがっ
て標的検出を増加させる。
本発明者らは、本方法の汎用性が極めて高いことを明らかにした。前記表面、リンカー
およびDNA配列は所望の用途に合わせてそれぞれ変更することができるからである。本
明細書の実施例の項で実証するように、2つの異なるリンカーおよび2つの異なる固体支
持基板を使って、3つの異なるオリゴシードを本方法で伸長させることに成功した。本明
細書に提示するデータは、伸長されたdsDNA試料における蛍光シグナルが、それより
短いdsDNA鎖と比較して増加していることを、明瞭に実証している。また、これらの
データは、記載の方法が光学(ガラス)デバイスへの組込みにも電子(シリコン)デバイ
スへの組込みにも適していることを、明瞭に例証している。
熱サイクル法
本発明者らは、60ヌクレオチド長までの単位配列のタンデムリピートを含む固定化さ
れた線状ポリヌクレオチドを、熱サイクル法を使って生成させることができる方法を、こ
こにつきとめた。この発見は、標的ポリヌクレオチド配列に対していくつかの結合部位を
有する固定化されたポリヌクレオチドプローブを生成させるための新しい方法をもたらし
、よって例えばアレイフォーマットでのそのような方法の感度を改良する大きな可能性を
秘めている。
「熱サイクル法」とは、多数の反復サイクルを伴い、各サイクルが第1温度から第2(
またはさらなる)温度への温度変化を含む方法をいう。熱サイクル法の周知の例にはポリ
メラーゼ連鎖反応(PCR)がある。
本明細書にいう「核酸配列」、「オリゴヌクレオチド」、「ポリヌクレオチド」、「核
酸分子」およびそれらのバリエーションは、規則的な配列または不規則な配列の複数のヌ
クレオチドを指すために、相互可換的に使用される。ポリヌクレオチドは、典型的には、
一本鎖または二本鎖(二重鎖)であるが、三本(三重)鎖または四本(四重/i-モチー
フ)鎖を含有する高次構造をとる場合や、適切な条件下で異なる遺伝子座にこれらのコン
フィギュレーションの組合せを含有する場合もある。ポリヌクレオチドは短くても長くて
もよい。ポリヌクレオチドは少なくとも2つの隣接ヌクレオチドを有する。
ヌクレオチド配列は、ゲノム起源、合成起源または組換え起源であることができ、二本
鎖または一本鎖(センス鎖またはアンチセンス鎖に相当するもの)であることができる。
「ヌクレオチド配列」という用語は、ゲノムDNA、cDNA、合成DNA、およびRN
A(例えばmRNA)、ならびに例えばヌクレオチド類似体を使用するなどして生成させ
たDNAまたはRNAの類似体を包含する。言い換えると、修飾DNA塩基または修飾R
NA塩基も包含される。それゆえ、ポリヌクレオチドは1つまたは複数の修飾DNA塩基
または修飾RNA塩基を含みうる。特定部位に複数の修飾を保持するポリヌクレオチドは
合成生物学、ナノ材料の製作、生物分析用途および配列決定用途に応用される。例えばD
NAは、その3つの構成部分-リン酸結合、糖環および核酸塩基のいずれかまたはすべて
を化学修飾することができる。さまざまな修飾ヌクレオチドがデオキシヌクレオチド三リ
ン酸(dNTP)またはホスホラミダイト誘導体として市販されている。これらの修飾ヌ
クレオチドおよび他の修飾ヌクレオチドは、dNTPとして合成し、DNAまたはRNA
に酵素的に挿入するか、ホスホラミダイトとして合成し、DNAまたはRNAに自動DN
A合成によって挿入することができる。
ヌクレオチド残基は通常、天然に存在するプリン塩基、すなわちアデニン(A)、グア
ニン(G)、ヒポキサンチン(I)およびキサンチン(X)、ならびにピリミジン塩基、
すなわちシトシン(C)、チミン(T)およびウラシル(U)から誘導される。ヌクレオ
チド類似体は、ポリヌクレオチド配列内の位置の1つ以上に使用することができ、そのよ
うなヌクレオチド類似体は、例えば塩基部分および/または糖部分および/またはリン酸
結合部分で修飾されている。ヌクレオチド類似体は、それがポリヌクレオチドのハイブリ
ダイゼーションを妨げず、テンプレートとしても基質としてもポリメラーゼによって許容
されるのであれば、どれでも使用することができる。
本明細書に提示する核酸配列は、従来どおり、5’から3’に向かって(左から右へ)
記述される。「線状ポリヌクレオチド」とは、分岐もしていないし、環化もしていない(
すなわち3’端は5’端と環化していない)ポリヌクレオチドをいう。
一例において、ポリヌクレオチドはDNAである。別の一例において、ポリヌクレオチ
ドはRNAである。DNAまたはDNAは、天然塩基または修飾塩基を、それらの組合せ
を含めて、含みうる。当技術分野では修飾塩基がいくつか知られているので、当業者は適
切な修飾塩基を容易に同定することができる。
線状ポリヌクレオチド中の1~60ヌクレオチド長である単位配列のタンデムリピート
の回数を増加させる熱サイクル法が提供される。
熱サイクル法の開始時点において、線状プライマーポリヌクレオチドは単位配列の少な
くとも2つのコピーを含む。単位配列は1~60ヌクレオチド長である。線状ポリペプチ
ドは、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個
以上、10個以上、11個以上、12個以上、13個以上、14個以上、15個以上など
同じ単位配列を含みうる(すなわち、線状ポリペプチドは同じ単位配列のリピートを複
数回含みうる)。これは、少なくとも20コピー、少なくとも25コピー、少なくとも3
0コピー、少なくとも35コピー、少なくとも40コピー、少なくとも45コピー、少な
くとも50コピー、少なくとも55コピー、少なくとも60コピー、少なくとも65コピ
ー、少なくとも70コピー、少なくとも75コピー、少なくとも80コピー、少なくとも
85コピー、少なくとも90コピー、少なくとも95コピーまたは少なくとも100コピ
ーの単位配列を含みうる。反復される単位配列はタンデムでありうる(すなわち、それら
を「タンデムリピート」ということができる)。タンデムリピートは、あるヌクレオチド
のパターン(この場合は単位配列)が繰り返され、それらの繰返しが互いに直接隣接して
いる場合に、ポリヌクレオチド配列中に生じる。一例として、単位配列がATTCGであ
るとすると、単位配列の2回のタンデムリピートをポリヌクレオチドは、配列ATTCG
ATTCG(配列番号5)を含み、単位配列の3回のタンデムリピートを含むポリヌクレ
オチドは配列ATTCGATTCGATTCG(配列番号6)を含み、単位配列の4回の
タンデムリピートを含むポリヌクレオチドは配列ATTCGATTCGATTCGATT
CG(配列番号7)を含むなどということになる。タンデムリピートの回数は単位配列の
「コピー数」ということもできる。
単位配列は塩基の任意の順列を有しうる。線状ポリヌクレオチド中でタンデムに反復さ
れうる一般的な単位配列の非限定的な例としては、以下の配列が挙げられる:(AT)n
、(GC)n、(GGC)n、(CAG)n、(GCAT)n、(GATC)n、(AA
AG)n、(AAAAAAAAG)n(配列番号8)、(ACTGATCAGC)n(配
列番号9)、ここで(xxxx)は単位配列を表し、nはタンデムリピートの回数を表し
(すなわちn=単位配列コピー数)。
単位配列は1~60ヌクレオチド長である。それゆえに単位配列は、少なくとも1、2
、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、1
8、19、20、21、22,23、24、25、26、27、28、29、30、31
、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、
45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57もし
くは58個、または少なくとも59個のヌクレオチドを含みうる(いずれの場合も上限は
60個のヌクレオチドである)。
一例において、単位配列は2~9個のヌクレオチドを有するマイクロサテライト配列で
ある。あるいは、単位配列は10~60個のヌクレオチドを有するミニサテライト配列で
ありうる。
本方法は、ポリヌクレオチド中の単位配列のタンデムリピートの回数を増加させる。言
い換えると、出発ポリヌクレオチド(すなわち、最初の固定化プライマーポリヌクレオチ
ド)が(ATTCGという)単位配列をタンデムに2つ(すなわちATTCGATTCG
(配列番号5)を)有するとすると、本方法は、これをタンデムに少なくとも3つ(すな
わちATTCGATTCGATTCG(配列番号6))に増加させることになる。同様に
、出発ポリヌクレオチドが前記単位配列の3つのタンデムリピート(すなわちATTCG
ATTCGATTCG(配列番号6))を有するとすると、本方法はこれを少なくとも4
回のタンデムなリピート(すなわちATTCGATTCGATTCGATTCG(配列番
号7))に増加させるなどということになる。
タンデムリピートはゲノムDNA中に自然に存在する。それらは、10~60ヌクレオ
チド長である単位配列のリピートについては「ミニサテライト」と称され、2~9ヌクレ
オチド長である単位配列のリピートについては「マイクロサテライト」と称される。タン
デムリピートの回数はコピー数と称される。可変数タンデムリピート(VNTR)は、個
体間でコピー数が変動するタンデムリピートである。DNAフィンガープリント法におけ
るVNTR解析は、現代の科学捜査および身元照合、ならびに病原体、真菌および植物の
種タイピングにおいて、非常に貴重である。トリヌクレオチドリピートの異常は、ハンチ
ントン病(CAG)、フリードライヒ運動失調症(GAA)、筋緊張性ジストロフィー(
CTG)および脆弱X症候群(CGG)を含む遺伝子疾患と関連する。
本方法は以下の工程を含む:
i)1~60ヌクレオチド長である単位配列の少なくとも2回のタンデムリピートを含
む一本鎖プライマーポリヌクレオチドが固定化されている表面を持つ固体基板を用意する
工程。
「固体基板」とは、1つ以上の剛性表面または半剛性表面を有する材料または材料群を
指す。多くの態様において、固体基板の少なくとも1つの表面は実質的に平坦(または平
面的)であるだろう。別の態様では、異なるポリヌクレオチドが固定化されている領域を
、例えばウェル、隆起した領域、エッチングされた溝、またはそれらの組合せを使うなど
して、物理的に分離することが望ましいかもしれない。別の態様によれば、固体基板は、
ビーズ、樹脂、ゲル、マイクロスフェアまたは他の幾何学的コンフィギュレーションの形
態をとりうる。それゆえに基板は、半固体基板(例えばゲルまたは他のマトリックス)お
よび/または多孔性基板(例えばナイロンメンブレンまたは他のメンブレン)を含みうる
一本鎖プライマーポリヌクレオチドが固定化される固体基板の表面は、任意の適切な材
料、例えば限定するわけではないが、ガラス、ポリアクリルアミド被覆ガラス、エポキシ
、セラミックス、溶融シリカ、シリコン、石英、さまざまなプラスチック、金または銀な
どの金属(例えばテンプレートストリッピングによって作製された金または銀などの金属
)、ナイロン、ゲルマトリックス、グラフェンまたは酸化グラフェンから構成されうる。
これらの材料の組合せまたは複合材料も考えられる。
固体基板の表面には、1~60ヌクレオチド長である単位配列の少なくとも2回のタン
デムリピートを含む一本鎖プライマーポリヌクレオチドが固定化されている。「プライマ
ーポリヌクレオチド」とは、ポリメラーゼ連鎖反応のプライマーとしての、熱サイクル法
におけるポリヌクレオチドの機能を指す。「プライマーポリヌクレオチド」は一本鎖であ
る。したがってこれは、少なくとも部分的に相補的なポリヌクレオチド配列とハイブリダ
イズし、よって、固定化されたプライマーポリヌクレオチド配列の伸長を開始させて、固
定化された配列中のタンデムリピートの回数を増加させることができる。
一本鎖プライマーポリヌクレオチドは、任意の適切な固定化手段を使って、固体基板の
表面に固定化される。ポリヌクレオチドを表面に固定化するには、リンカー(または他の
任意の手段)を使用しうる。適切な表面化学を使ってポリヌクレオチドを表面に固定化し
てもよい(例えばインクジェットプリンティング技法またはインクジェットスポッティン
グ技法のいずれかに適合する表面化学)。
一例において、線状ポリヌクレオチドは共有結合または非共有結合によって表面に固定
化される。線状ポリヌクレオチドは、表面の化学修飾された領域に、非共有結合的に固定
化されうる。
適切なリンカー/表面(または表面化学)の組合せは当技術分野では周知である。例え
ば線状ポリヌクレオチドは、固体基板の表面へのポリヌクレオチドの固定化に使用しうる
官能基で修飾された1つ以上のヌクレオチド類似体を含んでよく、その官能基はフレキシ
ブルなリンカーまたはリジッドなリンカーによってヌクレオチドに取り付けうる。例示的
官能基として、スクシンイミジルエステル修飾ラベルと共有結合的に反応するアミン、ア
ルキン修飾ラベルと共有結合的に反応するアジド、アジド修飾ラベルと共有結合的に反応
するアルキン、抗ジゴキシゲニン抗体と強い非共有結合的相互作用を形成するジゴキシゲ
ニン、または蛍光色素などのレポーター基で、ビオチンコンジュゲートラベルによって非
共有結合的に、もしくはタンパク質上に共有結合的に、標識されたアビジンもしくはスト
レプトアビジンと強い非共有結合的相互作用を形成するビオチンが挙げられるが、それら
に限定されるわけではない。具体例として、5-(3-アミノアリル)-ウラシル、5-
アミノアリルシトシン、5-アミノアリルウラシル、7-デアザ-7-プロパルギルアミ
ノアデニン、7-デアザ-7-プロパルギルアミノグアニン、5-プロパルギルアミノシ
トシン、5-プロパルギルアミノウラシル、8-[(6-アミノ)ヘキシル-ビオチン]
-アミノアデノシン、γ-[N-(ビオチン-6-アミノ-ヘキサノイル)]-7-プロ
パルギルアミノ-7-デアザアデニン、γ-[N-(ビオチン-6-アミノヘキサノイル
)]-5-アミノアリル-ウラシル、γ-[N-(ビオチン-6-アミノ-ヘキサノイル
-6-アミノヘキサノイル)]-5-(3-アミノアリル)-ウラシル、ジゴキシゲニン
-X-5-アミノアリル-ウラシル、5-(3-アジドプロピル)-ウラシル、5-アジ
ド-PEG4-ウラシル、5-アジド-PEG4-シトシン、5-(オクタ-1,7-ジ
インイル)-ウラシル、5-(オクタ-1,7-ジインイル)-シトシン(5-C8-ア
ルキン-C)、5-ジベンジルシクロオクチル-PEG4-ウラシル、5-ジベンジルシ
クロオクチル-PEG4-シトシン、5-trans-シクロオクテン-PEG4-ウラ
シル、またはこれらの任意の組合せが挙げられるが、それらに限定されるわけではない。
適切なリンカーとして、シランリンカー分子、ビオチン-ストレプトアビジン複合体、チ
オール-Auリンカー、シリコンへのSi-C共有結合、シリコンへのSi-O共有結合
、シリコンへのSi-N共有結合、ナノ粒子リンカー、または動的共有結合が挙げられる
官能基/リンカーは、典型的には、一本鎖線状ポリヌクレオチドの5’端に取り付けら
れる(または少なくとも、固体基板の表面への線状ポリヌクレオチドの5’端の固定化を
可能にするような形で、線状ポリヌクレオチドに取り付けられる)。
タンデムリピートは、典型的には、固定化された一本鎖プライマーポリヌクレオチドの
3’末端に位置する。いくつかの例では、タンデムリピートが、線状ポリヌクレオチドの
(5’→3’方向に)最後のヌクレオチドを構成しうる。
本方法は以下の工程をさらに含む:
i)前記固定化されたプライマーポリヌクレオチドを、前記プライマーポリヌクレオチ
ドの単位配列に相補的である少なくとも2回のタンデムリピートを含む一本鎖テンプレー
トポリヌクレオチドと、単位配列とその相補鎖との間のミスマッチ二重鎖形成を許すハイ
ブリダイゼーション条件下で、前記テンプレートポリヌクレオチドの5’オーバーハング
が生成し、その5’オーバーハングが前記プライマーポリヌクレオチドの単位配列に相補
的である少なくとも1回のタンデムリピートを含むように、接触させる工程。
この工程を、本明細書では、「アニーリング工程」、「ハイブリダイゼーション工程」
、またはそのバリエーションともいう。
この文脈において、「プライマーポリヌクレオチドの単位配列に相補的である少なくと
も2回のタンデムリピートを含む一本鎖テンプレートポリヌクレオチド」とは、「テンプ
レートポリヌクレオチド」(または「テンプレート」)と記載することもできる。
テンプレートポリヌクレオチドは、プライマーポリヌクレオチドの単位配列に相補的で
ある少なくとも2回のタンデムリピートを含む。「相補的」という用語は、当技術分野に
おけるその通常の文脈において使用される。一例として、プライマーポリヌクレオチドの
単位配列が5’ ATCG 3’であるとすると、テンプレートポリヌクレオチドのタン
デムリピートは5’ CGAT 3’となる(すなわち、テンプレートポリヌクレオチド
は少なくとも2回のタンデムリピートを含むことになるので、配列5’ CGATCGA
T 3’を含むことになる)。言い換えると、この例では、テンプレートおよびプライマ
ー中のタンデムリピートは100%相補的である。
テンプレートポリヌクレオチドが3回以上のタンデムリピートを持つ場合、本発明は、
少なくとも3’端の2回のタンデムリピートがプライマーポリヌクレオチド中の対応する
タンデムリピートに100%相補的である(そしてさらなるタンデムリピートはプライマ
ーポリヌクレオチド中の対応するタンデムリピートに100%または100%未満相補的
である)テンプレートポリヌクレオチド配列を包含する。言い換えると、固定化されたプ
ライマー鎖の3’端が、テンプレート鎖に相補的である少なくとも2回のリピートを有す
るのであれば、テンプレート鎖の残りの部分は100%相補的である必要はない。
固定化されたプライマーポリヌクレオチドを、単位配列とその相補鎖との間のミスマッ
チ二重鎖形成を許すハイブリダイゼーション条件下で、テンプレートポリヌクレオチドと
接触させる。この文脈において、「接触させる」とは、プライマーポリヌクレオチドとテ
ンプレートポリヌクレオチドとの間の、例えば本方法の後続の熱サイクル工程のための適
当な緩衝液および容器における、直接的な接触を指す。適切な緩衝液および容器は周知で
あり、例えばPCR緩衝液およびPCRエッペンドルフチューブが挙げられる。
プライマーポリヌクレオチドをテンプレートポリヌクレオチドと適当なハイブリダイゼ
ーション条件下で接触させると、相補的配列(すなわち、プライマーポリヌクレオチドの
(1つまたは複数の)単位配列とテンプレートヌクレオチドの相補的タンデムリピートと
)がハイブリダイズして二重鎖を形成することになる。プライマーポリヌクレオチドとテ
ンプレートポリヌクレオチドはそれぞれ少なくとも2回のタンデムリピートを有し、プラ
イマーリピートとテンプレートリピートとは互いに相補的であるから、テンプレートポリ
ヌクレオチドとプライマーポリヌクレオチドとの間のハイブリダイゼーションは、反応の
うちのあるパーセンテージにおいて、結果として生じるポリヌクレオチド二重鎖が相補的
配列のすべてで位置合わせできているわけではない位置ずれしたアラインメントをもたら
す(図2参照)。言い換えると、ミスマッチ二重鎖形成が起こる(ここで「ミスマッチ」
とは、それぞれプライマーポリヌクレオチドおよびテンプレートポリヌクレオチドにおけ
る単位配列およびタンデムリピートの相補的配列のすべての間で完全なわけではないアラ
インメントを指す)。図2に示すように、テンプレートポリヌクレオチドの5’オーバー
ハングであって、プライマーポリヌクレオチドの単位配列に相補的である少なくとも1回
のタンデムリピートを含む5’オーバーハングが生成しうる。その場合、これは、固定化
されたプライマーポリヌクレオチドを伸長させ、よって、固定化された線状ポリヌクレオ
チド中のタンデムリピートの回数を増加させるための、熱サイクル法におけるテンプレー
トとして役立ちうる。
本明細書にいう「ハイブリダイゼーション条件」とは、使用される試薬および反応条件
(例えば温度、時間など)を指す。これはハイブリダイゼーションおよび洗浄に関する条
件を記述する。通例、ハイブリダイゼーション条件は、ストリンジェントまたは中等度で
ありうる。本明細書記載の方法との関連において使用されるハイブリダイゼーション条件
は、ミスマッチ二重鎖形成を許し、それゆえに中等度またはストリンジェントでありうる
。好ましくは、固定化されたポリヌクレオチドの単位配列とテンプレートオリゴヌクレオ
チドの相補的配列との間のハイブリダイゼーションは、65℃以下において安定な二重鎖
を形成するだろう。65℃までの温度、例えば55℃~65℃の温度において、随意に1
~30秒の期間にわたって、ミスマッチ二重鎖が形成されうることが好ましい。
中等度の条件およびストリンジェントな条件は当業者には知られており、入手可能な参
考文献(例えばCurrent Protocols in Molecular Bi
ology,John Wiley&Sons,N.Y.,1989,6.3.1-6.
3.6)に見出すことができる。上記の文献には水性の方法および非水性の方法が記載さ
れており、それらはどちらも使用することができる。ストリンジェントなハイブリダイゼ
ーション条件の好ましい一例は、約45℃の6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(
SSC)におけるハイブリダイゼーションと、それに続く、50℃の0.2×SSC、0
.1%(w/v)SDSにおける1回以上の洗浄である。ストリンジェントなハイブリダ
イゼーション条件のもう一つの好ましい例は、約45℃の6×SSCにおけるハイブリダ
イゼーションと、それに続く、55℃の0.2×SSC、0.1%(w/v)SDSにお
ける1回以上の洗浄である。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件のさらにも
う一つの好ましい例は、約45℃の6×SSCにおけるハイブリダイゼーションと、それ
に続く、60℃の0.2×SSC、0.1%(w/v)SDSにおける1回以上の洗浄で
ある。好ましくは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、約45℃の6×
SSCにおけるハイブリダイゼーションと、それに続く、65℃の0.2×SSC、0.
1%(w/v)SDSにおける1回以上の洗浄である。特に好ましいストリンジェンシー
条件(およびある分子が本発明のハイブリダイゼーション制限内にあるかどうかを決定す
るためにどんな条件を適用すべきかについて実施者が確信を持てない場合に使用すべき条
件)は、65℃で0.5モル濃度のリン酸ナトリウム、7%(w/v)SDSと、それに
続く、65℃の0.2×SSC、1%(w/v)SDSでの1回以上の洗浄である。
本方法は以下の工程をさらに含む:
iii)前記ミスマッチ二重鎖を、耐熱性5’→3’ポリメラーゼおよびヌクレオチド
と、5’→3’方向のポリヌクレオチド伸長を許す伸長条件下で接触させる工程。
この工程を、本明細書では、「伸長工程」またはそのバリエーションともいう。
「接触させる」という用語は上に定義したが、この文脈でも同様に適用される。それゆ
えに、これは、ミスマッチ二重鎖と耐熱性5’→3’ポリメラーゼ(およびヌクレオチド
)との間の、例えば本方法の後続の熱サイクル工程のための適当な緩衝液および容器にお
ける、直接的な接触を指す。適切な緩衝液および容器は周知であり、例えばPCR緩衝液
およびPCRエッペンドルフチューブが挙げられる。
入手可能な周知の耐熱性5’→3’ポリメラーゼはいくつかあり、本明細書記載の方法
ではそれらを使用しうる。ポリメラーゼは、伸長反応に必要な長時間にわたるインキュベ
ーション中もその活性が実質的に保たれるように、耐熱性であり安定性が高いことが好ま
しい。ポリメラーゼは好ましくは高い処理能力を有する。ポリメラーゼは非特異的ヌクレ
アーゼ活性を呈さないことが好ましい。ポリメラーゼは、好ましくは、良好な忠実度を有
するが、テンプレートとしても基質としても、ある範囲のヌクレオチド類似体を許容する
こともできる。
それゆえに、効率の良い校正活性を持つ高忠実度ポリメラーゼは不適切である。好まし
くは、ポリメラーゼは3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を欠き[3’→5’エキソ(-
)]、そのため、校正機能がないので低い忠実度を有する。当業者であれば、ある特定ポ
リメラーゼが上に定義した必要な性質を有するかどうかを決定することができる。例示的
ポリメラーゼとしては、Tgo-Pol Z3 exo(-)[Jozwiakowsk
i et al.,2011 Chembiochem 12:35-37]、Deep
Vent exo(-)(New England Biolabs)、Vent e
xo(-)(New England Biolabs)、Pfu exo(-)(Ag
ilent Technologies)およびTaqポリメラーゼ(多くの供給業者)
が挙げられるが、それらに限定されるわけではない。一例において、選り抜きのポリメラ
ーゼは、サーモコッカス・ゴルゴナリウス(Thermococcus gorgona
rius)ファミリーBポリメラーゼ(Tgo-Pol)酵素変異体Z3である。
熱サイクル反応のための適当なヌクレオチドは当技術分野では周知である。
ミスマッチ二重鎖、ポリメラーゼおよびヌクレオチド間の接触は、5’→3’方向のポ
リヌクレオチド伸長を許す伸長条件下で行われる。本明細書にいう「伸長条件」とは、使
用される試薬および反応条件(例えば温度、時間など)を指す。これはプライマーポリヌ
クレオチドを伸長させるための条件を記述する。適当な伸長条件は当技術分野では周知で
ある。好ましくは、伸長は約65℃~75℃の温度で、随意に30~120秒の期間にわ
たって、行われる。適当な条件は、例えばWhitfield CJ,Turley A
T,Tuite EM,Connolly BA,Pike AR.「Enzymati
c Method for the Synthesis of Long DNA S
equences with Multiple Repeat Units」Ange
wandte Chemie International Edition 2015
,54(31),8971-8974に見出しうる。
本方法の工程i)~iii)は少なくとも1回繰り返しうる。これらの工程を繰り返す
ために、工程iii)によって生成した伸長された二重鎖を変性させて、一本鎖の伸長さ
れた固定化ポリヌクレオチドを生成させる。そうすれば、一本鎖ポリヌクレオチドは、工
程i)~iii)の反復サイクルにおいて、プライマーポリヌクレオチドとして働きうる
。反復サイクルの数を変動させることで、異なる長さのポリヌクレオチドを得ることがで
きる。平均ポリヌクレオチド長は、温度、1工程あたりの時間の長さ、およびサイクル数
によって制御される。
それゆえに、工程iii)によって生成する伸長された二重鎖は、その二重鎖の一本鎖
ポリヌクレオチドへの解離を可能にする変性条件に供しうる。これを、本明細書では、「
融解工程」ともいう。適当な変性条件は当技術分野では周知であり、これには、伸長され
た二重鎖を約75~100℃の温度、好ましくは約90~98℃の温度に、随意に約15
~30秒にわたって、供することが含まれる。
それゆえに、本方法は、以下の工程をさらに含みうる:
iv)iii)の二重鎖を、変性条件下で変性させることで、固定化された一本鎖ポリ
ヌクレオチドを生成させる工程、および
v)工程ii)~工程iii)を少なくとも1回繰り返すことで、前記固定化されたポ
リヌクレオチド中のタンデムリピートの回数を増加させる工程。
ここまでに記載した方法は、出発材料として、1~60ヌクレオチド長である単位配列
の少なくとも2回のタンデムリピートを含む一本鎖線状プライマーポリヌクレオチドが固
定化されている表面を持つ固体基板を提供する。この出発材料は、1~60ヌクレオチド
長である単位配列の少なくとも2回のタンデムリピートを含む二本鎖線状プライマーポリ
ヌクレオチドが固定化されている表面を持つ固体基板から誘導することができ、その二本
鎖線状プライマーポリヌクレオチドを変性させると、本方法のための固定化された一本鎖
線状プライマーポリヌクレオチド出発材料が生成する。
適切な変性条件は本明細書の他の項に記載する。
それゆえに、1~60ヌクレオチド長である単位配列の少なくとも2回のタンデムリピ
ートを含む一本鎖線状プライマーポリヌクレオチドが固定化されている表面を持つ固体基
板は、以下の工程によって提供されうる:
a)1~60ヌクレオチド長である単位配列の少なくとも2回のタンデムリピートを含
む二本鎖線状プライマーポリヌクレオチドを固体基板の表面に固定化する工程、および
b)前記二本鎖線状プライマーポリヌクレオチドを変性させて、前記一本鎖線状プライ
マーポリヌクレオチドを得る工程。
1~60ヌクレオチド長である単位配列の少なくとも2回のタンデムリピートを含む二
本鎖線状プライマーポリヌクレオチドを、本明細書では、「オリゴシード」ともいう。
工程i)の固定化されたプライマーポリヌクレオチドは、単位配列の少なくとも2回の
タンデムリピートを含む。上で述べたように、ポリヌクレオチドは、単位配列の少なくと
も2回から少なくとも100回までのタンデムリピートを有しうる。一例において、固定
化されたプライマーポリヌクレオチドは、単位配列の少なくとも2回、少なくとも5回、
少なくとも10回、または少なくとも15回のタンデムリピートを含む。
固体基板
少なくとも1つの線状プローブポリヌクレオチドが固定化されている表面を持つ固体基
板も提供される(ここで、前記少なくとも1つの線状プローブポリヌクレオチドは、1~
60ヌクレオチド長である単位配列の少なくとも2回のタンデムリピートを含む)。
前記固体基板は上述の熱サイクル法によって生成させることができ、ここでは、最初の
固定化線状プライマーポリヌクレオチドが、その単位配列のタンデムリピートの回数が増
加するように伸長され、伸長された線状ポリヌクレオチドが固体基板上に固定化された線
状プローブポリヌクレオチドに対応する(伸長された線状ポリヌクレオチドを本明細書で
は固体基板上に固定化された線状プローブポリヌクレオチドという)。あるいは、線状プ
ローブポリヌクレオチドを(例えば溶液中で)生成させた後、その線状プローブポリヌク
レオチドを固体基板の表面に固定化することによって、固体基板を得てもよい。
線状プライマーポリヌクレオチドに関して提供した定義は、文脈上特に別段の言明があ
る場合を除き、線状プローブポリヌクレオチドにも等しく適用される。同様に、固体基板
(またはその表面)に関して提供した定義も、文脈上特に別段の言明がある場合を除き、
(固体基板の存在を必要とする)本明細書記載の方法に適用される。
線状プローブポリヌクレオチドは、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以
上、7個以上、8個以上、9個以上、10個以上、11個以上、12個以上、13個以上
、14個以上、15個以上などの同じ単位配列を含みうる(すなわち、線状ポリヌクレオ
チドは同じ単位配列のリピートを何回か含みうる)。これは、少なくとも20コピー、少
なくとも25コピー、少なくとも30コピー、少なくとも35コピー、少なくとも40コ
ピー、少なくとも45コピー、少なくとも50コピー、少なくとも55コピー、少なくと
も60コピー、少なくとも65コピー、少なくとも70コピー、少なくとも75コピー、
少なくとも80コピー、少なくとも85コピー、少なくとも90コピー、少なくとも95
コピー、少なくとも100コピー、少なくとも110コピー、少なくとも120コピー、
少なくとも140コピー、少なくとも150コピー、少なくとも160コピー、少なくと
も170コピー、少なくとも180コピー、少なくとも190コピー、少なくとも200
コピー、または少なくとも250コピーなどの単位配列を含みうる。
本発明の固体基板の表面は、以下の要素を含みうる:
i)線状プローブ(またはプライマー)ポリヌクレオチドが固定化されている、複数の
離間した不連続な領域、および
ii)前記離間した不連続な領域の間にあって、線状プローブ(またはプライマー)ポ
リヌクレオチドを実質的に含まない、領域間区域。
線状(プローブまたはプライマー)ポリヌクレオチドは、基板の表面の、本明細書にお
いて「離間した不連続な領域」と呼ばれる領域に、固定化されうる。この術語は、表面の
領域であって、異なるポリヌクレオチド(または同じポリヌクレオチドのコピー)が固定
化されていてもよい前記表面の空間的に離れた他の領域とは異なる領域を指すために使用
される。それゆえに、表面は複数の離間した不連続な領域を含むことができ、そのそれぞ
れは、離間した各領域が隣接する「離間した不連続な領域」から光学的に分離されうる(
すなわち光学的に解像可能である)ように(ある領域から生じた任意の光学的シグナルが
、その隣接領域とは光学的に区別可能または識別可能であるように)空間的に離れている
。離間した不連続な領域は、離間した不連続な領域の間に、線状プローブポリヌクレオチ
ドを実質的に含まない領域間区域を設けることによって、空間的に離される。そのような
「領域間区域」は、典型的には、本明細書記載の線状ポリヌクレオチド(または他の高分
子構造)がそのような領域には結合しないというという意味で、不活性である。いくつか
の例において、そのような領域間区域は、ブロッキング剤、例えば他のポリマー、酸化物
、「化学的に非反応性/非適合性の部位」などで処理しうる。
「離間した不連続な領域」と「領域間区域」との区別は、これらの区域における表面化
学によって決定されうる(離間した不連続な領域では表面化学が適切な線状ポリヌクレオ
チドの固定化を可能にするのに対し、領域間区域の表面化学はそうではない)。あるいは
、表面化学は離間した不連続な領域と領域間区域の両者について同じであって、それらの
間の区別は、表面の一定の領域に線状ポリヌクレオチドを配置(固定化)すること(これ
により離間した不連続な領域が生成する)によって決定されてもよく、その場合は、線状
ポリヌクレオチドが配置(固定化)されていない領域が、「領域間区域」になる。
離間した不連続な領域のそれぞれは、固体基板の表面上で所定の位置を有しうる。離間
した不連続な領域のそれぞれの間に要求される間隔は、固定化されたポリヌクレオチドか
ら生成する任意の(直接的または間接的)シグナルを光学的に解像または測定するために
使用される方法および装置に依存するだろう。これは、本明細書記載の線状ポリヌクレオ
チドを1つだけ固定化できるサイズを有しうる。あるいは、複数の(例えば少なくとも2
個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも20個の)同一線状プローブ(また
はプライマー)ポリヌクレオチドを、単一の離間した不連続な領域内に固定化してもよい
そのような領域の適切な空間的分離を決定し、そのような領域のサイズを決定するため
の方法は、当技術分野では周知である。
離間した不連続な領域は、領域が所定の場所を有する事実上任意のパターンで、すなわ
ちシグナル収集機能およびデータ解析機能の効率を向上させる任意の規則的アレイで、表
面に配列されうる。そのようなパターンとして、同心円状の領域、らせん状パターン、直
線構成パターン、六角形パターンなどが挙げられるが、それらに限定されるわけではない
。好ましくは、領域は直線構成パターンまたは六角形パターンで配列される。
それゆえに、線状プローブポリヌクレオチドが固定化されている離間した不連続な領域
は、アレイ、例えばマイクロアレイを形成しうる。
固体基板の表面は、離間した不連続な領域のそれぞれが相異なる線状プローブポリヌク
レオチドを含有する複数の離間した不連続な領域を含みうる。言い換えると、固体基板の
表面には、少なくとも2つの相異なる線状プローブポリヌクレオチド(異なる離間した不
連続な領域に固定されたもの)が存在しうる。
本明細書にいう「複数」とは、1より多いこと、すなわち2以上、3以上、4以上、5
以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、11以上、12以上、13以上、1
4以上、15以上などを指す。これは、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも3
0、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも5
5、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも8
0、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95または少なくとも100、少なく
とも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも10
00などを包含する。
線状ポリヌクレオチド(例えば線状プローブポリヌクレオチドまたは線状プライマーポ
リヌクレオチド)中のタンデムリピートの回数(および「単位配列」のサイズと配列)は
、本明細書の他の項で、詳しく議論した。本明細書の他の項でも述べたとおり、本明細書
記載の線状ポリヌクレオチドは一本鎖DNAまたは二本鎖DNAでありうる。あるいは、
それらはRNAまたはcDNAであってもよい。
本明細書記載の線状ポリヌクレオチド(プライマーポリヌクレオチドであるかプローブ
ポリヌクレオチドであるかを問わない)の単位配列は、所望する任意の配列、例えば診断
に関連する任意のヌクレオチド配列を含みうる。
関連する非限定的な例として、疾患の診断に役立つ配列、例えばBAT25などのマイ
クロサテライト不安定性(MSI)、例えば嚢胞性線維症においてCFTR遺伝子に生じ
る一塩基変異または多塩基変異が挙げられる。したがって、関連する単位配列は5’ G
CATCTTTCG 3’(配列番号1)(嚢胞性線維症におけるCFTR遺伝子に由来
する;CFTR遺伝子の3塩基フレームシフト変異から生成する)、5’ AGA TA
C ATT GAC CTT’3(配列番号10)(ワルファリンの代謝に影響を及ぼす
CYP450肝臓酵素CYP29C2/3に由来する;一塩基変異に相当する)、ま
たは5’ GAG GAC CGT GTT CAA’3(配列番号11)、またはその
他多くの配列(上に具陳した配列の相補鎖である配列を含む)でありうる。当業者は関心
対象の配列を容易に同定することができ、関心対象の遺伝子(変異)(またはその相補鎖
)はその配列内に含まれる。ワルファリン遺伝子解析に関する適当な配列の例は、Joh
nson J,Caudle K,Gong L,Whirl-Carrillo M,
Stein C,Scott S,et al.「Clinical Pharmaco
genetics Implementation Consortium(CPIC)
Guideline for Pharmacogenetics-Guided Wa
rfarin Dosing:2017 Update」Clin Pharmacol
Ther.2017 Sep 1;102(3):397-404;Stubbins
MJ,Harries LW,Smith G,Tarbit MH,Wolf CR
.「Genetic analysis of the human cytochro
me P450 CYP2C9 locus」Pharmacogenetics.19
96;6(5):429-39;Rettie AE,Wienkers LC,Gon
zalez FJ,Trager WF,Korzekwa KR.「Impaired
(S)-warfarin metabolism catalysed by the
R144C allelic variant of CYP2C9」Pharmac
ogenetics.1994 Feb;4(1):39-42;Steward DJ
,Haining RL,Henne KR,Davis G,Rushmore TH
,Trager WF,et al.「Genetic association be
tween sensitivity to warfarin and expres
sion of CYP2C93」Vol.7,Pharmacogenetics.
1997.p.361-7;およびLee CR,Goldstein JA,Piep
er JA.「Cytochrome P450 2C9 polymorphisms
:a comprehensive review of the in-vitro
and human data」Pharmacogenetics.2002 Apr
;12(3):251-63に見出すことができる。
被検試料中の線状標的配列の存在を決定するための方法
本明細書記載の固体基板は、関心対象の線状標的配列が被検試料内に存在するか(否か
)を決定するために使用しうる。固体基板は(1つまたは複数の)線状プローブポリヌク
レオチドが固定化されている表面を有する。線状プローブポリヌクレオチドは単位配列の
少なくとも2回のタンデムリピートを含む。各単位配列は、各単位配列の少なくとも一部
分が関心対象の線状標的配列に相補的な核酸配列を含む場合には、関心対象の相補的線状
標的配列のためのプローブとして(言い換えると結合部位として)作用しうる。それゆえ
に本明細書記載の固体基板は、固定化されたプローブポリヌクレオチドのそれぞれがいく
つかの標的結合部位を含むので、被検試料中の標的ポリヌクレオチド配列の検出感度が改
良された検出技術を提供する。
それゆえに、被検試料中の線状標的ポリヌクレオチド配列の存在を決定するための方法
であって、以下の工程を含む方法が提供される:
i)固定化された線状プローブポリヌクレオチドの単位配列が、関心対象の線状標的ポ
リヌクレオチド配列の配列に相補的である核酸配列を含む、本明細書の他の項に記載する
固体基板を用意する工程、
ii)被検試料を、前記固定化された線状プローブポリヌクレオチドと、前記線状標的
ポリヌクレオチド配列と前記固定化された線状プローブポリヌクレオチドの単位配列の相
補的部分との間の二重鎖形成を許す条件下で接触させる工程、および
iii)前記被検試料内に前記標的ポリヌクレオチド配列が存在することを示す二重鎖
形成を検出する工程。
線状標的ポリヌクレオチドは任意の関心対象のポリヌクレオチド配列でありうる。線状
標的ポリヌクレオチド配列は、線状プローブポリヌクレオチドの単位配列の相補的部分と
ハイブリダイズする能力を有しなければならず、それゆえに、適当な線状プローブポリヌ
クレオチドが固体基板上に固定化されなければならない。例えば、線状標的ポリヌクレオ
チドが配列5’ ATCGAA 3’を有するのであれば、線状プローブポリヌクレオチ
ドの単位配列は配列5’ TTCGAT 3’を含むべきである。当業者は、線状標的ポ
リヌクレオチドにとって適当な単位配列を容易に同定することができる。
固定化された線状プローブポリヌクレオチドの単位配列は、それゆえに、関心対象の線
状標的ポリヌクレオチド配列の配列に相補的である核酸配列を含む。この例において、単
位配列は、関心対象の線状標的ポリヌクレオチドの配列に相補的ではない他の(追加)核
酸も含むことができる。この例において、単位配列中の追加核酸は、固定化された線状プ
ローブポリヌクレオチド中の標的結合部位間の「スペーサー」として作用しうる。
もう一つの例において、単位配列は、関心対象の線状標的ポリヌクレオチド配列の配列
に相補的な核酸配列からなる(すなわち単位配列は、上記の例とは対照的に、「追加核酸
」を含まない)。
線状標的ポリヌクレオチドは、被検試料中の、より長いポリヌクレオチド分子の一部で
ありうる。それゆえ、本明細書にいう「線状標的ポリヌクレオチド」は、固定化された線
状プローブポリヌクレオチドと共に二重鎖を形成するポリヌクレオチドの全長(または配
列)を限定するものではなく、固定化された線状プローブポリヌクレオチドの単位配列中
の対応する配列にハイブリダイズする能力を有する配列(したがって、関心対象であるお
よび/または情報を与える(例えば診断/予後に役立つ)被検試料中の配列)を指すにす
ぎない。それゆえにこれは、被検試料中の、より長い配列の一部でありうる。
被検試料は、関心対象の線状標的ポリヌクレオチドを含有しうる任意の適当な試料であ
りうる。「被検試料」とは通常、生物源、環境源、医療源または患者源からの材料の分量
であって、その中での関心対象の線状標的ポリヌクレオチドの検出または測定が求められ
るものを意味する。一方において、これは、標本または培養物(例えば微生物培養物)を
包含するものとする。他方において、これは、生物学的試料および環境試料をどちらも包
含するものとする。試料は合成起源の標本を含みうる。生物学的試料は、ヒトを含む動物
の体液、固形物(例えば糞便)または組織、ならびに液状および固形の食品および飼料の
製品および原材料、例えば乳製品、野菜、食肉および食肉副産物、ならびに廃棄物であり
うる。生物学的試料は、患者から採取された材料を、例えば限定するわけではないが、培
養物、血液、唾液、脳脊髄液、胸水、乳汁、リンパ液、喀痰、精液、針吸引物などを包含
しうる。生物学的試料は、さまざまな科の家畜、ならびに野生化した動物または野生動物
、例えば限定するわけではないが、有蹄類、熊、魚、齧歯類などの動物から得ることがで
きる。環境試料には、表層物(suraface matter)、土壌、水および産業
試料などの環境材料、ならびに食品および乳製品を加工する機器、装置、設備、道具、使
い捨ての物品および使い捨てではない物品から得られる試料が含まれる。これらの例を、
本発明に適用することができる試料タイプの限定とみなしてはならない。
二重鎖形成を検出するための標準的方法はいくつか知られている。それらには、Pic
ogreen、DAPIまたはsybergreenなどの蛍光インターカレーター、蛍
光タグ付きDNA、フルオレセイン、酸化還元タグ付きDNA、フェロセン、ナノ粒子ま
たは磁気的にタグ付けされたDNAの使用が含まれる。そのような標準的方法は、例えば
「Comparison of DNA detection methods usi
ng nanoparticles and silver enhancement」
B.Foultier;L.Moreno-Hagelsieb;D.Flandre;
J.Remacle Volume 152,Issue 1,IEE Proceed
ings-Nanobiotechnology;February 2005,p.3
-12;およびKavita V,による総説「DNA Biosensors」J B
ioengineer&Biomedical Sci 2017,7:2;またはMi
kkelsen,S.R.(1996)「Electrochecmical bios
ensors for DNA sequence detection」Electr
oanalysis,8:15-19において議論されている。
二重鎖形成の検出は、被検試料内に標的ポリヌクレオチド配列が存在することを示す。
被検試料中の標的ヌクレオチド結合分子の存在を決定するための方法
本明細書記載の固体基板は、関心対象の標的ヌクレオチド結合分子が被検試料内に存在
するか(否か)を決定するためにも使用しうる。固体基板は(1つまたは複数の)線状プ
ローブポリヌクレオチドが固定化されている表面を有する。線状プローブポリヌクレオチ
ドは単位配列の少なくとも2回のタンデムリピートを含む。各単位配列は、各単位配列の
少なくとも一部分が関心対象の標的ヌクレオチド結合分子に対する結合配列として作用す
る核酸配列を含む場合には、関心対象の標的ヌクレオチド結合分子のためのプローブとし
て(言い換えると結合部位として)作用しうる。関心対象の標的ヌクレオチド結合分子は
、特異的ヌクレオチド配列(本明細書記載の単位配列によって表されうるもの)に結合す
る任意の分子(例えばタンパク質)でありうる。それゆえに本明細書記載の固体基板は、
固定化されたプローブポリヌクレオチドのそれぞれがいくつかの標的結合部位を含むので
、被検試料中の関心対象のヌクレオチド結合分子の検出感度が改良された検出技術を提供
する。
それゆえに、被検試料中のヌクレオチド結合分子の存在を決定するための方法であって
、以下の工程を含む方法が提供される:
i)固定化された線状プローブポリヌクレオチドの単位配列が、関心対象のヌクレオチ
ド結合分子に対する結合部位である核酸配列を含む、本明細書の他の項に記載する固体基
板を用意する工程、
ii)被検試料を、前記固定化された線状プローブポリヌクレオチドと、前記ヌクレオ
チド結合分子と、固定化された線状プローブポリヌクレオチドの単位配列のうち、その結
合部位として作用する部分との間の結合を許す条件下で接触させる工程、および
iii)固定化された線状プローブポリヌクレオチドとヌクレオチド結合分子との間の
結合を検出する工程であって、結合が、被検試料内に前記ヌクレオチド結合分子が存在す
ることを示す工程。
ヌクレオチド結合分子は、線状プローブポリヌクレオチドの単位配列の適当な部分に結
合する能力を有する、任意の関心対象分子でありうる。非限定的な例として、転写因子、
DNA修復タンパク質またはヒストンが挙げられる。適当な線状プローブポリヌクレオチ
ドを固体基板上に固定化しなければならない。例えば前記ヌクレオチド結合分子が配列5
’ ATCGAA 3’に結合するのであれば、線状プローブポリヌクレオチドの単位配
列は5’ ATCGAA 3’を含むべきである。適当な単位配列は当業者であれば容易
に同定することができる。
被検試料は、関心対象のヌクレオチド結合分子を含有しうる任意の適当な試料でありう
る。「被検試料」とは通常、生物源、環境源、医療源または患者源からの材料の分量であ
って、その中での関心対象のヌクレオチド結合分子の検出または測定が求められるものを
意味する。一方において、これは、標本または培養物(例えば微生物培養物)を包含する
ものとする。他方において、これは、生物学的試料および環境試料をどちらも包含するも
のとする。試料は合成起源の標本を含みうる。生物学的試料は、ヒトを含む動物の体液、
固形物(例えば糞便)または組織、ならびに液状および固形の食品および飼料の製品およ
び原材料、例えば乳製品、野菜、食肉および食肉副産物、ならびに廃棄物でありうる。生
物学的試料は、患者から採取された材料を、例えば限定するわけではないが、培養物、血
液、唾液、脳脊髄液、胸水、乳汁、リンパ液、喀痰、精液、針吸引物などを包含しうる。
生物学的試料は、さまざまな科の家畜、ならびに野生化した動物または野生動物、例えば
限定するわけではないが、有蹄類、熊、魚、齧歯類などの動物から得ることができる。環
境試料には、表層物、土壌、水および産業試料などの環境材料、ならびに食品および乳製
品を加工する機器、装置、設備、道具、使い捨ての物品および使い捨てではない物品から
得られる試料が含まれる。これらの例を、本発明に適用することができる試料タイプの限
定とみなしてはならない。
ヌクレオチド結合分子と線状プローブポリヌクレオチドとの間の結合を検出するための
当技術分野で知られている標準的方法はいずれも、本発明との関連において使用しうる[
例えば「Crystal structure of Δ-[Ru(bpy)2dppz
2+bound to mismatched DNA reveals side-
by-side metalloinsertion and intercalati
on」Nature Chemistry,2012 Volume 4,No 8,6
15-620;Hang Song,Jens T.Kaiser&Jacquelin
e K.Barton;または「Label-free detection of D
NA-binding proteins based on microfluidi
c solid-state molecular beacon sensor」
Anal Chem.2011,83(9),3528-32.Wang J,Ono
shima D,Aki M,Okamoto Y,Kaji N,Tokeshi M
,Baba Y.;またはAnnu Rev Anal Chem,2011,4(1)
,105-128.「Metal Ion Sensors Based on DNA
zymes and Related DNA Molecules」Xiao-Bin
g Zhang,Rong-Mei Kong,and Yi Lu]。
2つの配列間の配列の比較および同一性パーセントまたは類似性パーセントの決定は、
数学的アルゴリズムを使って達成することができる。好ましい一実施形態において、2つ
のヌクレオチド配列間の同一性パーセントは,GCGソフトウェアパッケージ(http
://www.gcg.comで入手することができる)中のGAPプログラムを使用し
、NWSgapdna.CMPマトリックスならびに40、50、60、70または80
のギャップウェイト(gap weight)および1、2、3、4、5または6の長さ
ウェイト(length weight)を使って決定される。特に好ましいパラメータ
セット(および、ある分子が本発明の配列同一性または相同性制限内にあるかどうかを決
定するためにどんなパラメータを適用すべきかについて実施者が確信を持てない場合に使
用すべきもの)は、BLOSUM62スコアリングマトリックスとギャップペナルティ(
gap penalty)12、ギャップ伸長ペナルティ(gap extend pe
nalty)4およびフレームシフトギャップペナルティ(frameshift ga
p penalty)5である。
あるいは、2つのヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、ALIGNプログラム(
バージョン2.0)に組み入れられているMeyers et al.(1989)CA
BIOS 4:11-17)のアルゴリズムを使用し、PAM120ウェイト残基テーブ
ル(weight residue table)、ギャップ長ペナルティ(gap l
ength penalty)12およびギャップペナルティ4を使って決定することも
できる。
本明細書に記載する核酸配列およびタンパク質配列は、例えば他のファミリーメンバー
または関連配列を同定するなどの目的で、公共データベースに対して検索を実行するため
の「クエリー配列」として使用することができる。そのような検索は、Altschul
,et al.(1990)J.Mol.Biol.215:403-410)のNBL
ASTプログラムおよびXBLASTプログラム(バージョン2.0)を使って行うこと
ができる。本発明の核酸分子と相同なヌクレオチド配列を得るには、NBLASTプログ
ラム、スコア(score)=100、ワード長(wordlength)=12で、B
LASTヌクレオチド検索を行うことができる。本発明のタンパク質分子に相同なアミノ
酸配列を得るには、XBLASTプログラム、スコア=50、ワード長=3で、BLAS
Tタンパク質検索を行うことができる。比較のためのギャップ付きアラインメントを得る
には、Altschul et al.(1997,Nucl.Acids Res.2
5:3389-3402)に記載のgapped BLASTを利用することができる。
BLASTプログラムおよびgapped BLASTプログラムを使用する場合は、そ
れぞれのプログラム(例えばXBLASTおよびNBLAST)のデフォルトパラメータ
を使用することができる。<htttp://www.ncbi.nlm.nih.go
v>を参照されたい。
本発明の態様は以下の非限定的な実施例によって実証される。
1.APEGDMESリンカーによる固体ガラス表面へのssDNAの共有結合的固定化
顕微鏡ガラススライドをまずアセトン、IPAおよびnanopure水で浄化し、次
にOプラズマで処理することにより、残留有機夾雑物をすべて除去し、OH基を持つ表
面を活性化した 次に、その表面を、トルエン中、80℃で一晩加熱することにより、
アセタール保護アルデヒドを末端に持つシロキサンリンカーAPEGDMES(配列番号
12)(アセタールポリエチレングリコールジメチルエトキシシラン)で修飾した。AP
EGDMES修飾により、末端アセタール保護アルデヒド表面が得られる。これは、10
%酢酸水溶液中で簡単に除去されて、リンカーの上端にアルデヒド官能性を提示した。そ
のアルデヒドリンカーとDNA鎖上のアミノ官能性との間の還元的アミノ化反応を容易に
するためにシアノ水素化ホウ素ナトリウムを使って、アミノ修飾オリゴシード5’-NH
-[GATC]-3’を、アルデヒド表面に共有結合的にカップリングした。次に、
オリゴシードで機能化された表面をnanopure水で30分間洗浄し、0.5×PB
S緩衝液で洗浄することで、物理的に吸着しているDNA鎖をすべて除去した。その結果
、短いssDNAが表面に共有結合で係留された。
2.固定化されたオリゴシードの生成およびそのPCR伸長
実施例1において生成させた共有結合的に係留された短いssDNAを、次に、その相
補的鎖5’-[CTAG]-3’とハイブリダイズさせることにより、PCRベースの
酵素的伸長反応に必要な20塩基の出発オリゴシード二重鎖を形成させた。dsDNA表
面をさらにnanopure水および0.5×PBS緩衝液中ですすいだ。次に、既報(
Pike et al,Angew 2015)のようにサーモコッカス・ゴルゴナリウ
ス・ファミリーBポリメラーゼ(Tgo-Pol)酵素変異体Z3を使って、DNA鎖に
対してPCRベースの加熱-冷却伸長サイクルを行った。手順は報告された溶液ベースの
加熱-冷却法と同様に行ったが、ここでは、加熱-冷却ブロックを使った熱サイクリング
用の標準的PCRエッペンドルフチューブに収まるように、オリゴシード修飾シリコンチ
ップを0.5cmに切断した(図2A参照)。試薬類、Z3酵素、dNTPおよび緩衝
液の総体積は、シリコンの表面が常時浸されていることを保証するのに十分な180μL
であった。まず、95℃に加熱することによって短いdsDNAを脱ハイブリダイズさせ
た後、再ハイブリダイゼーションのために55℃に冷却した。しかし、リピートCATG
/GTAC配列によって常に完全に対応した二重鎖が形成されるわけではなく、表面から
DNAを伸長させるには、このミスマッチを利用する。再ハイブリダイズすると、相補的
鎖は1、2または3単位分シフトすることができ(安定な二本鎖を形成するには、8塩基
2単位リピートの二重鎖が最低限必要だと仮定)、これにより、DNAポリメラーゼ伸長
に適した5’-オーバーハングが生じる。次に、72℃でDNA伸長を行う。ここでは、
表面に結合されている配列に酵素が対応するNTPを付加することにより、DNA二重鎖
の長さを、位置ずれしたリピート単位の数だけ増加させる。固定化されたDNAの長さの
増加は表面から離れるz方向に起こり、短いオリゴシードの表面充填密度は維持される。
700塩基長前後のDNAブラシを得るために、この加熱-冷却法は、20サイクルまで
繰り返される(図2)。
3.伸長されたポリヌクレオチド配列の可視化
同じ表面積内に充填されたDNA塩基数の増加の可視化は、dsDNAにインターカレ
ートする蛍光色素Picogreen(PG)の添加によって実証された。PGはdsD
NAに結合すると>1000倍の蛍光増加を呈する。保存液の200倍希釈液中で30分
間インキュベートした後に、酵素処理した表面は、図3a)および図3b)に示すとおり
、20サイクルの加熱-冷却後に、表面上の無処理出発オリゴシード鎖と比較して、蛍光
強度の増加を示した。
蛍光の変化は、肉眼でもわかるものの(図3aおよび図3b)、2つのPicogre
en標識表面でImageJソフトウェアを使って積分密度解析を行えば、より明白であ
る(図3c)。伸長反応は、表面付着点あたりのPicogreen結合部位の数を劇的
に増加させるので、蛍光強度が増加する。短いオリゴシード表面とextDNA表面との
間には、プローブ分子あたりのPG結合部位の数が増加したことに起因する明確な差異が
あった。
蛍光強度の増加は、DNAが表面から伸長されたことの優れた指標である。DNA長の
増加をさらに確認するために、表面のextDNAを脱ハイブリダイズさせ、表面に共有
結合されていない長い相補的鎖を表面から取り除き、収集した。脱ハイブリダイゼーショ
ンのために、95℃に加熱したnanopure水にextDNA表面を2回浸漬した。
5μLの試料を採取し、それを劈開したばかりのマイカ上に、フレキシブルなDNA鎖を
引き伸ばすことが知られている分子コーミングによってのせることにより、AFMを使っ
て長いDNAを可視化した10。ssDNAのAFM像は図4aに見ることができる。s
sDNA鎖の多くは表面上で凝集しており、これはssDNAにはよく見られることであ
るが11、一部の単一鎖では0.5nmの平均高が見られ(図4b参照)、これはssD
NAの既報の寸法に匹敵する12。ssDNA鎖の平均長の解析は160~300bpの
範囲を与え、表面からのオリゴシードの伸長の成功が確認された。表面から得られる鎖の
長さは、溶液ベースの伸長からアガロースゲルで観察されるものよりも短かった。いかな
る特定理論にも束縛されることは望まないが、これは、表面の立体障害性が酵素の十分な
移動を制限し、それが反応速度の低減につながるからかもしれない。
4.CTFR遺伝子配列検出
リピート配列を持つ長いDNAブラシは、疾患における一塩基ミスマッチを区別するこ
とができ、DNAバイオセンシングにとって理想的である。多くの疾患はDNA配列の差
異の原因となる遺伝子中の変異の結果である14。特定配列同士を弁別するためのプラッ
トフォームは、疾患の早期検出または欠陥タイプの決定を可能にする。
このタイプのデバイスがとりわけ有益であるだろう非限定的な例の一つは、CFTR遺
伝子として知られる嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子である。CFTR遺伝子はタ
ンパク質をコードし、それは、細胞を出入りする塩化物イオンの輸送を制御するためのチ
ャネルとして働くことで、粘膜生産のための含水量を管理する。このタンパク質は肺およ
び膵臓におけるナトリウム制御にも必要である。CFTRにみられる最も一般的なフレー
ムシフト変異は、デルタF508として知られている塩基CTTの3塩基欠失であり、こ
れは、アミノ酸フェニルアラニンの除去による遺伝子コーディングの変化をもたらす(図
5参照)。アミノ酸の欠失は、遺伝子形状の完全なゆがみをもたらし、それがイオンチャ
ネルの破綻を引き起こす。機能するイオンチャネルがない場合、膵臓、肺および他の臓器
を裏打ちする細胞は、濃厚な粘液を生成し、それが気道および腺の封鎖をもたらす。この
変化を早期に検出すれば即時の処置が可能になり、疾患の影響が低減して生活の質が改善
されるだろう。そこで、表面からの伸長法で試す次の配列として、CFTRデルタF50
8変異に関するDNA配列を選んだ。
この具体的配列をこの方法を使って伸長させうることを保証するために、まず、CFT
R配列を本明細書で述べるように溶液中で伸長させた。表1に記載のアミノ修飾プローブ
および標的DNA配列から二重鎖を形成させた。
DNA産物をアガロースゲル電気泳動によって解析し(図6a)、ImageJ解析ソ
フトウェアを使って300bpのモーダル長(modal length)が決定された
。このDNA配列の長さはGATC配列の場合よりも短く、濃度も低かった。しかし、こ
れは1プローブ鎖あたり30リピート配列を与える長さには伸長しているので、引き続き
表面からの伸長を試みた。
表面に固定化されたオリゴシードの伸長が可能であることと、伸長された配列が増大し
た蛍光シグナルを呈することがどちらも確証されたので、変異後に3塩基ミスマッチフレ
ームシフト(太字)5’ GCATTCGAGC 3’(配列番号15)をもたらすCT
FR遺伝子である配列5’ GCATCTTTCG 3’(配列番号1)のオリゴシード
でガラススライドを調製した。嚢胞性線維症の早期検出を助けるために塩基配列中のこの
シフトを迅速に解析することができるかどうかは、明らかに、診断上重要だろう。
CFTRオリゴシード配列をガラス表面に固定化し、20サイクルにわたる酵素的伸長
のための反応条件に供した。表面にPGを添加した後、蛍光像を得たところ、extDN
A試料では蛍光強度の増加が観察された(図7参照)。extDNAは短いオリゴシード
と比較して増加した蛍光強度を呈したが、その差異はGATC配列の場合ほど大きくはな
かった。いかなる特定理論にも束縛されることは望まないが、これは、溶液中のCFTR
配列がGATC配列ほどにはうまく伸長せず、それゆえに、PGが結合するためのDNA
bpが少なく、それが結果として、GATC表面と比べて蛍光強度の減少をもたらした
という事実の結果であるだろう。
異なる表面修飾の疎水性を調べるために、ssDNA表面、dsDNA表面およびex
tDNA表面のそれぞれの接触角を決定した(表2参照)。dsDNAの場合、接触角は
32.33°であった。表面からの伸長後は、接触角が73.11°まで劇的に増加した
。いかなる特定理論にも束縛されることは望まないが、疎水性の大幅な増加は、DNA塩
基の疎水性に起因すると考えられる。短いオリゴマーの二重鎖コンフォメーションでは、
塩基がどの水分子からも遮蔽されているが、長いDNAでは、構造の剛性が下がるため、
より多くの塩基が水滴と接触でき、疎水性末端単層と接触角の増加をもたらすのだろう
本明細書記載のアプローチは、標的遺伝子の細長く密に充填されたアレイを提供するこ
とによって蛍光応答を増強することができ、一塩基ミスマッチおよび少数塩基ミスマッチ
の早期検出が期待できる。
5.シリコン表面でのssDNAの共有結合による固定化および伸長
シリコン表面、25mmのn型Si<111>ウェーハを、上述のガラススライドの
場合と同様に浄化し、修飾した。長く一続きになった10個のT塩基からなる診断上重要
なもう一つのオリゴシード配列5’-[GTTTTTTTTTTC]-3’(配列番号
16)を、類似するシロキサン化学によって固定化した後、酵素的に伸長することで、多
重リピートを得た。この場合は、連続するTが転写ミスで延長されまたは短縮された時に
起こる一塩基の誤取込みゆえに、標的配列が重要である。これは、結腸直腸がんの発症に
関与する潜在的MSI標的の一例である[例えばArq Bras Cir Dig.2
012 Oct-Dec;25(4):240-4「Microsatellite i
nstability--MSI markers(BAT26,BAT25,D2S1
23,D5S346,D17S250)in rectal cancer」Losso
GM1,Moraes Rda S,Gentili AC,Messias-Rea
son IT参照]。
この伸長された表面の蛍光データは、ガラス表面と同じく増幅された応答を呈した。
6.配列[G 10 :C 10 ]の共有結合的固定化およびガラス表面からの伸長
ビオチン/ストレプトアビジン基板界面を使って、標的ssDNAが基板表面の小さな
島に限局されるようにガラス基板にパターン形成した[例えばNakamura S,M
itomo H,Aizawa M,Tani T,Matsuo Y,Niikura
K,Pike AR,Naya N,Shishido A,Ijiro K.「DN
A Brush-Directed Vertical Alignment of E
xtensive Gold Nanorod Arrays with Contro
lled Density」ACS Omega,2017,2(5),2208-22
13を参照されたい]。これは、Z3酵素の処理能力が、基板のタイプ、またはリンカー
層内にタンパク質ストレプトアビジンを伴う、より複雑な機能化アプローチによって妨害
されないことを実証する。ハイブリダイゼーションおよび伸長を既述のように行った後、
その表面にSYBR green色素を適用した。図3dの蛍光像は、DNAの区域が蛍
光を呈するのに対し、その間の剥き出しのトラックは非応答性であることを示している。
これは、すべてのDNAスポットが異なる配列であるアプローチのマルチプレックス化が
可能であることの直接的証拠である。DNAが表面に係留されたまま長さを増やしている
ことを確認するために、表面を水中(1mL×2)で95℃に加熱することにより、表面
上の最終dsDNAを脱ハイブリダイズさせた。それゆえに、表面に結合していないこの
相補的鎖が、2つの加熱洗浄液中に表面から取り出される。合わせた洗浄液から5μLの
試料をとり、劈開したばかりのマイカ上に、フレキシブルな分子を引き伸ばす試みとして
分子コーミングによってスポッティングすることにより、AFMを使って長いssDNA
の存在を確認した。ssDNA鎖は互いに凝集しているようである。これはマイカ表面の
ssDNAにはよく見られることであるが、一部の単一鎖では0.5nmの平均高が観察
され、これはssDNAについて報告された以前の寸法と類似している。長さ解析を単一
鎖で行ったところ、160~300bpの範囲を与えたことから、表面からの伸長の成功
が確認された。溶液における[GATC]/[CTAG]の伸長は、アガロースゲル
電気泳動およびAFMで観察したところ、平均750bpの平均長をもたらした。
興味深いことに、接触角測定は、最初のオリゴシードdsDNA表面の25.6°から
、酵素的に伸長されたdsDNA表面の74.8°への増加を呈した。
7.Bat25配列の伸長
マイクロサテライト不安定性MSIは、遺伝性結腸直腸がんを持つ患者における腫瘍の
大半およびいくつかの散発性結腸直腸がんに見出される遺伝的不安定性のマーカーである
16。MSIは、同じ患者からの正常なDNAアレルと比較して腫瘍細胞では欠失または
挿入ゆえにアレル長に差異を呈するノンコーディングモノヌクレオチドリピート配列であ
る。MSI同定に使用されるモノヌクレオチドリピートマーカーのなかで最もよく使用さ
れるものの一つは、ポリTリピート単位であるBAT25配列である。BAT25配列は
正常DNAとの比較なしで使用することができ、MSIを呈する事実上すべての腫瘍にお
いて著しい塩基欠失を伴う16。MSIのタイプを理解することによって腫瘍タイプの同
定が可能になり、患者の化学療法応答を予想することができる。迅速な診断および処置を
可能にするために、迅速、高感度かつ再現性の高いMSI同定方法が必要とされている。
MSI認識のための現在の方法では、モノヌクレオチドリピートマーカーBAT25お
よびBAT26ならびにジヌクレオチドリピートマーカーD2S123、D5S346お
よびD17S250という5つのマイクロサテライトマーカーがスクリーニングされる特
別に設計されたパネル、すなわちベセスダパネルが使用される。これらのマーカーのうち
の2~5つが変異していると、それらの患者は高いマイクロサテライト不安定性MSI-
Hを有するとみなされる。しかし、このパネルの一貫した特異性および感度には食い違い
があり、それが、この試験の信頼性を制限している17
それゆえに、本明細書記載の伸長法によるMSIの同定は、診断時間を減少させ、感度
を増加させるだろう。アレイで使用すれば、一つのDNA試料から複数のMSIマーカー
を同時にスクリーニングすることができるだろう。
BAT25モノヌクレオチドリピート配列を使って、このマイクロサテライト不安定性
検出方法の効率を試験した。BAT25オリゴシードを形成させるために使用したプロー
ブおよび標的鎖を表3に示す。表面からの伸長を試みる前に、溶液中でアミノ修飾二重鎖
の伸長を試した。
BAT25伸長産物をゲル電気泳動によって解析したところ(図8a参照)、2000
bpのモーダル長を有した。DNAサンガーシーケンシングは、GATC-biotec
hにより、BAT25配列の5-サイクル伸長産物で実行された(図8d参照)。シーケ
ンシング結果から、DNAポリメラーゼによる各塩基の正確な取込みが確認された。GA
TC配列およびCFTR配列についてはDNAシーケンシングを達成できなかった。いか
なる特定理論にも束縛されることは望まないが、これはおそらく、GCリッチなDNA配
列に付随する課題によるものだろう。GATC配列とCFTR配列はどちらも50%のG
C含量を含む。
BAT25配列のDNA長は、GATC配列およびCFTR配列と比べて長く、618
ng/μLの高濃度では改良された伸長を示した。bp長は約750bp~3000bp
に及び、これは、dsDNA伸長産物のAFM解析でも確認された(図9)。dsDNA
の平均高は0.87nmと算出され、DNA長は130~1500の範囲にあり、ゲル解
析と合致した。
アミノ修飾オリゴシードの取付け後に、BAT25配列を表面から伸長させた。PGを
添加すると、extDNAでは短い固定化オリゴシードと比較して蛍光の増加が明らかに
なった(図10参照)。
CFTR配列の場合と同じ接触角測定値の増加がBAT25 extDNA配列でも観
察された。
二本鎖の伸長されたDNA(dsextDNA)鎖を下記8.5で述べるように脱ハイ
ブリダイズさせ、AFM解析のために劈開したばかりのマイカにコーミングした(図11
参照)。一本鎖ATリッチDNAはフォールディングおよびスタッキングを起こしやすい
ので18,19、多くの鎖が凝集しているようだったが、いくつかの鎖は細長く、高さお
よび長さ解析に利用することができた。平均した単一鎖の高さは0.5nm、平均長は7
0nmで、200bpに対応した。
BAT25配列では、増強された蛍光強度が、GATC配列とCFTR配列のどちらで
観測されたものよりも大きかった。GATC配列、CFTR配列およびBAT25配列に
ついてゲル電気泳動および蛍光強度を比較することにより(図12参照)、溶液中でも、
表面からでも、より長い伸長が確認された。
BAT25配列の伸長は、研究した他の配列と比べて最も強い蛍光強度の増加を呈し、
医学的にも重要なので、本デバイスのセンシング用途のさらなる検討には、BAT25配
列を使用した。
8.パラメータの最適化
短いオリゴシードと比べてextDNAでは蛍光強度の差異が区別されたものの、感度
および信頼性を改良するために、いくつかのパラメータを実行した。
PGは塩基対とは無関係なdsDNAインターカレーターであることが確立されている
。配列特異的である他の蛍光色素候補は、extDNA試料の蛍光強度変化をさらに増強
するだろう。BAT25配列はATリッチなので、蛍光着色剤DAPIをその適合性につ
いて解析した。DAPIはdsDNA中のAT領域への結合時に蛍光が20倍増加するの
で、よく使われる着色剤である20。DAPI溶液を表面に20分間のせ、励起波長36
0nmで蛍光像を得て、蛍光強度の相違を観察した(図13)。extDNA試料の蛍光
強度(FI)は短いdsDNAより低かった。PGを使った場合のdsDNAとextD
NAとの差異は、一貫して、より大きく観察されたので、PGの使用を続けた。
PGは、従来、Tris-EDTA緩衝液TE中で使用されているが21、PG-TE
溶液を表面にのせるといくつかの塩スポットが見られ、PGをnanopure H
中で沈着させると、これらの塩スポットは見られなかった(図14b参照)。また、H
O中ではPGのFIが、PGがTE中にある場合よりも有意に高かったこともあり、その
後の研究では、PGをHOに溶解した。
多くの論文が、PGの結合時間はDNAと相互作用すればほとんど即時であると述べて
いるが21、表面に局在化したDNAの場合、DNAへのPGのインターカレーションが
起こるには、それよりは長い時間を要するだろう。PGをさまざまな時間にわたってex
tDNA表面にのせて、蛍光強度を比較した(図15参照)。5分増加するごとにFIが
連続して増加した後、20分を超えるとFIが減少した。そこで、以降の検討では、PG
を20分間にわたって表面にのせてから、洗浄した。
表面からの伸長はすべて、まず、切断されたガラス顕微鏡スライド上で行った。同じ現
象が異なる表面でも観察されるかどうかを知るために、伸長プロトコールをシリコンウェ
ーハ上で行った。伸長法を0.5cmに切断したp型(100)シリコンウェーハで実
行し、蛍光イメージングのためにその表面にPGを適用した(図16参照)。短いdsD
NAからextDNAへと蛍光の増加が観察されたが、その差異はガラス表面で見られた
ものよりは小さかった。それでもなお、extDNAでは依然として明瞭な増強があり、
本伸長法の汎用性が浮き彫りになった。配列だけでなく表面も所望の用途に合わせること
ができる。
9.結果の考察
本明細書記載の方法は、標的検出を増強するために、表面での複数のプローブDNA配
列の合成を可能にする。本発明は、リピート単位を持つDNAの溶液中での迅速な合成を
可能にするDNAの酵素的合成方法を利用する(特許番号GB17000531.5)。
リピート単位は、関心対象の分子、例えば疾患状態を示すDNAフラグメントの結合領域
と適合するように調整することができる。変性(二本鎖DNAの巻戻し)後は、各単一鎖
DNAが垂直軸に複数の結合部位を有するので、表面に結合されているプローブ鎖あたり
の結合機会を最大化する。相補的な標的フラグメントとの結合は、表面上の短いdsDN
Aと比較して、蛍光強度の増加をもたらす。伸長はプローブ分子あたりの標的結合部位の
数を、したがって標的検出感度および診断感度を増加させる。
本発明者らは、本発明が優れた感度を有することを実証し、よって分子診断学における
重要な課題の一つ、すなわち背景ノイズに対するシグナルの検出に対処する。シグナル生
成が増強されるので、本発明の感度は、数の少ない標的DNA分子の検出に活用する道が
あり、その結果として、PCRなどの高価で時間のかかる試料調製技術を長時間使用する
必要がなくなる。あるいは、本発明の真のコスト-ベネフィットはデータ収集の増強にあ
りうる。これは、その結果として、必要とされる検出器の感度およびシグナル処理が少な
くてすむことを意味し、診断デバイスの可搬性の改良を促す。この技術を組み込んだポイ
ントオブケアデバイスは、より安価なパーツ、ソフトウェアおよび設計要素を使って経済
的に製造することができ、最終的には総合的経済支出を低減することができるだろう。ポ
イントオブケアデバイスは、ここに提示されるような実現技術の恩恵を受けて、安価に製
造できるようになり、ポータブルな実現に適したものになるだろう。
実験材料および実験方法
化学試薬
化学試薬はすべてSigma Aldrichから購入し、受け取ったときの状態のま
ま、それ以上精製することなく使用した。ガラススライドはHenso Labware
Manufacturing Co.,Ltd(中国杭州)から購入した。APEGD
MESはNewChem Technologies Limitedから購入した。D
NAはEurofins Genomics(ドイツ・エーバースベルク)から購入した
。Tgo-Pol Z3 exo-は、自社で調製し、精製した。(Jozwiakow
ski,S.K.&Connolly,B.A.「A modified family
-B archaeal DNA polymerase with reverse
transcriptase activity」ChemBioChem 12,35
-37(2011)、Evans,S.J.et al.「Improving did
eoxynucleotide-triphosphate utilisation
by the hyperthermophilic DNA polymerase
from the archaeon Pyrococcus furiosis」Nu
cleic Acids Res 28,1059-1066(2000))。
プライマーテンプレートアニーリング
伸長用のプライマー二重鎖を調製した:DNAアニーリング緩衝液(10mM Hep
es pH7.5、100mM NaClおよび1mM EDTA)をオリゴマーに加え
、95℃に10分間加熱した。二重鎖溶液を室温まで徐冷し、-20℃で保存した。
DNAポリメラーゼ
伸長にはTgo-Pol Z3 exo-DNA ポリメラーゼを使用した。この酵素
は、古細菌ファミリーBポリメラーゼの低忠実度変異体に属し、3’→5’エキソヌクレ
アーゼ活性が除去されてフィンガードメインに変更されている。
溶液中でのDNA伸長
0.5μM DNA二重鎖、200nM Tgo-Pol Z3 exo-DNAポリ
メラーゼ、DNAポリメラーゼ反応緩衝液(200mM Tris-HCl(pH8.8
,25℃)、100mM(NHSO、100mM KCl、1%Triton
X-100、1mg/mLウシ血清アルブミン(BSA)および20mM MgSO
、および0.5mMデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)(dCTP、dATP、
dTTPおよびdGTTP)を混合した。加熱-冷却熱サイクルは、Applied B
ioscience Veritt 96ウェルサーマルサイクラーで、以下のサイクル
にわたって行った:
サイクル数(20)×95℃で30秒、55℃で30秒および72℃で2分。
反応後は溶液を4℃に冷却した。QIAquick PCR精製キット(25)(QI
AGEN、英国マンチェスター)を製造者のプロトコールに従って使用することで、DN
A伸長産物を精製した。
アガロースゲル電気泳動
DNA伸長産物をTBE緩衝液(Tris、ホウ酸およびNaEDTA.2HO)
におけるゲル電気泳動によって解析した。1%アガロース(Melford、英国イプス
ウィッチ)を1%TBE緩衝液に加え、完全に溶解するまで加熱した。そのゲル混合物を
50℃に冷却し、ゲル化セットに注ぎ込んで固化させた。DNAラダー1kbおよび1k
b+(Thermo Scientific)にローディング色素(2.5%Ficol
l-400、11mM EDTA、3.3mM Tris-HCl(pH8.0、25℃
)、0.017%SDSおよび0.015%ブロモフェノールブルー)を添加した。2μ
Lのゲルローディング色素をDNA試料(20ng/μL)に加え、ゲルのウェルにロー
ディングした。ゲルを100V、100mA、10Wで約1時間泳動した。ゲルを臭化エ
チジウムの5μg/mL溶液で後染色し、UVトランスイルミネーターを使って可視化し
た。
UV
UV-Vis分光法はNanodropを使って行った。分光計はnanopure
Oをブランク試料とした。
表面の前処理
ガラススライドまたはn型Si<111>ウェーハをダイシングすることで0.5cm
チップにした。それらのチップをアセトン、IPAおよびNP-HOで拭い、アセト
ン、IPAおよびNP-HO中で逐次的に15分間超音波処理し、Nで乾燥させた。
それらのチップを15分間のOプラズマ処理に付した。
APEGDMESリンカーを介したオリゴシードDNAの取付け
浄化済みチップを65℃に予熱したAPEGDMES/トルエン溶液(233μM、3
mL)に16時間浸漬した。それらのチップをトルエン、エタノールおよびNP-H
で逐次的に3回洗浄してから、120℃の真空乾燥機に40分間入れた。10%酢酸溶液
中のアミノタグ付きDNAプローブ溶液(40μL、100μM)を、湿潤環境において
1時間、チップ上にドロップキャストした。50%MeOH溶液中のNaCNBH(4
0μL、16μM)を、湿潤環境においてさらに2時間、プローブ溶液の上にのせた。そ
れらのチップをリン酸緩衝食塩水(0.5×)および過剰の水で洗浄することで、過剰の
DNA分子をすべて除去した。チップを窒素の気流で乾燥させた。
DNAハイブリダイゼーション
PBS緩衝液(0.5×)中の相補的DNA標的溶液(40μL、200nM)を、湿
潤環境において15分間、シリコンチップ上にドロップキャストした。チップをPBS緩
衝液(0.5×)で30分間洗浄し、NP-HOで30分間洗浄した後、窒素気流下で
乾燥させた。
表面からのDNA伸長
加熱-冷却サイクルのために、チップを、以下の必要な溶液と共にエッペンドルフに入
れた:200nM DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼ反応緩衝液(200mM
Tris-HCl(pH8.8,25℃)、100mM(NHSO、100mM
KCl、1%Triton X-100、1mg/mLウシ血清アルブミン(BSA)
および20mM MgSO)、および0.5mMデオキシヌクレオチド三リン酸(dN
TP)(dCTP、dATP、dTTPおよびdGTTP)。加熱-冷却熱サイクルは、
Applied Bioscience Veritt 96ウェルサーマルサイクラー
で、以下のサイクルにわたって行った:
サイクル数(20)×95℃で30秒、55℃で30秒および72℃で2分。
反応後は溶液を4℃に冷却した。チップを溶液から取り出し、NP-HO中で30分
間洗浄し、窒素気流下で乾燥させた。
ビオチン-ストレプトアビジン-ビオチンリンカーを介したオリゴシードDNAの取付け
ガラス表面をピラニア溶液で浄化した後、HOで洗浄し、乾燥させた。湿度<25%
で、乾燥トルエン中の2-カルボメトキシエチルトリクロロシランの溶液を加えた。1時
間後に、そのガラスをアセトン、エタノール、次にHOで洗浄し、次にHClで満たし
て、一晩放置した。そのガラスをHOで十分に洗浄し、10mM Hepes中の50
mM 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドおよび1mMア
ミン-PEG-ビオチンで覆った。1時間後に、ガラスを洗浄し、次に、10mM T
ris、pH7.9中の0.1mg/mLストレプトアビジン50μLを表面にピペッテ
ィングした。1時間後に、ガラスを洗浄した後、UVフォトマスクおよびUV照射を使っ
てパターン形成した。次に、表面を10mM Tris、pH7.9で洗浄し、10mM
Tris、pH7.9および200mM NaCl中の1μM C15-ビオチン50
μLを同じスポットに加えた。1時間後に、表面を10mM Tris-HClで洗浄し
、50μLの1μM G15 10mM Tris-HCl、pH7.9および200m
M NaClを加えた。1時間後に、ガラス表面を洗浄し、重合溶液、15mM Tri
s HCl pH7.6中の0.5mM dCTPおよびdGTP、200nM Tgo
-Pol Z3 exo-、200mM NaCl、0.5mM MgClで満たし、
反応溶液の除去および10mM Tris、pH7.9および200mM NaClによ
る洗浄で、反応を停止させた。SYBR Greenを使って表面を染色した。
蛍光顕微鏡イメージング
試料を、フィルター44に設定し、Plan-NEOFLUAR 10×/0.3対物
レンズ(Zeiss)を装着したAxioshop 2 plus(Zeiss、ドイツ
)イメージプラットフォームにのせた。試料をebq100水銀ランプ(LEJ、ドイツ
)からの490nmで励起し、AxioCam HRm(Zeiss)を使って撮像した
AFM
粘着テープを使ってマイカ表面の最上層を劈開した。5μLのDNA試料(2ng/μ
Lまたは4ng/μL)を、DNAがマイカ表面を横切って流れることが可能になるよう
に、25°の角度で保持されたマイカ表面にのせた。5分後に、5μLのnanopur
e HOをDNA試料の上に、ここでも25°の角度で滴下した。表面の上に穏やかな
気流を通してから、層流下で1時間、さらに乾燥させた。AFM像は、干渉を低減す
るためにアイソレーションテーブル(Veeco Inc.、Metrology Gr
oup)上で、Dimension Vとnanoscopeコントローラー(Vecc
o Instrments Inc.、Metrology Group、カリフォルニ
ア州サンタバーバラ)を使って得た。ソフトウェアNanoScope Analysi
s 1.8を使ってデータを得た。
接触角
接触角の測定はKSV Cam 101(KSV Instruments Ltd.
、フィンランド)で内蔵のCAM 2008ソフトウェアを使って行った。NP-H
の液滴1μLを表面に滴下した。前記ソフトウェアを使って表面上の水滴の角度を見積も
った。各試料について10回の測定値を得た。液滴の左側の角度と右側の角度の差異が2
°を超える場合は、収集した測定値を破棄した。平均値から2標準偏差を超えて離れてい
る測定値も破棄した。
読者は、本願に関連して本明細書と同時にまたは本明細書以前に提出され、本明細書と
共に公開されているすべての書類および文書に留意されたい。そのような書類および文書
のすべての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面をいずれも含む)に開示される特
徴はすべて、かつ/またはそうして開示された任意の方法またはプロセスの工程はすべて
、そのような特徴および/または工程の少なくとも一部が相互に排他的である組み合わせ
を除き、任意の組み合わせで組み合わせうる。
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面をいずれも含む)に開示される各
特徴は、別段の明記がある場合を除き、同じ目的、等価な目的または類似する目的に役立
つ代替的特徴で置き換えうる。したがって、別段の明記がある場合を除き、開示される各
特徴は、一般的な一連の等価な特徴または類似する特徴の一例にすぎない。
本発明は上述したどの実施形態の詳細にも限定されない。本発明は、本明細書(添付の
特許請求の範囲、要約書および図面をいずれも含む)に開示される特徴の任意の新規な1
つもしくは任意の新規な組合せ、またはそうして開示された任意の方法もしくはプロセス
の任意の新規な1つもしくは任意の新規な組合せに及ぶ。
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and DNA Transistor: Interfacing Graphene Derivatives with Nanoscale and Microsc
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Claims (20)

  1. 線状ポリヌクレオチド中の1~60ヌクレオチド長である単位配列のタンデムリピート
    の回数を増加させるための熱サイクル法であって、以下の工程を含む方法:
    i)1~60ヌクレオチド長である単位配列の少なくとも2回のタンデムリピートを含
    む一本鎖プライマーポリヌクレオチドが固定化されている表面を持つ固体基板を用意する
    工程、
    ii)前記固定化されたプライマーポリヌクレオチドを、前記プライマーポリヌクレオ
    チドの単位配列に相補的である少なくとも2回のタンデムリピートを含む一本鎖テンプレ
    ートポリヌクレオチドと、単位配列とその相補鎖との間のミスマッチ二重鎖形成を許すハ
    イブリダイゼーション条件下で、前記テンプレートポリヌクレオチドの5’オーバーハン
    グが生成し、その5’オーバーハングが前記プライマーポリヌクレオチドの単位配列に相
    補的である少なくとも1回のタンデムリピートを含むように、接触させる工程、および
    iii)前記ミスマッチ二重鎖を耐熱性5’→3’ポリメラーゼおよびヌクレオチドと
    、5’→3’方向のポリヌクレオチド伸長を許す伸長条件下で接触させる工程。
  2. 1~60ヌクレオチド長である単位配列の少なくとも2回のタンデムリピートを含む一
    本鎖線状プライマーポリヌクレオチドが固定化されている表面を持つ前記固体基板は、1
    ~60ヌクレオチド長である単位配列の少なくとも2回のタンデムリピートを含む二本鎖
    線状プライマーポリヌクレオチドを、前記固体基板の表面に固定化すること、および前記
    二本鎖線状プライマーポリヌクレオチドを変性させることで前記一本鎖線状プライマーポ
    リヌクレオチドを得ることによって用意される、上記請求項のいずれか一項に記載の方法
  3. 以下の工程をさらに含む、上記請求項のいずれか一項に記載の方法:
    iv)iii)の二重鎖を、変性条件下で変性させることで、固定化された一本鎖ポリ
    ヌクレオチドを生成させる工程、および
    v)工程ii)~工程iii)を少なくとも1回繰り返すことで、前記固定化されたポ
    リヌクレオチド中のタンデムリピートの回数を増加させる工程。
  4. 前記固定化されたプライマーポリヌクレオチドは、前記単位配列の少なくとも2回、少
    なくとも5回、少なくとも10回、または少なくとも15回のタンデムリピートを含む、
    上記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  5. 少なくとも1つの線状プローブポリヌクレオチドが固定化されている表面を持つ固体基
    板であって、前記少なくとも1つの線状プローブポリヌクレオチドが、1~60ヌクレオ
    チド長である単位配列の少なくとも2回のタンデムリピートを含む固体基板。
  6. 前記線状ポリヌクレオチドは前記表面に共有結合または非共有結合によって固定化され
    、随意に、前記線状ポリヌクレオチドは、前記表面の化学修飾された領域に非共有結合的
    に固定化される、上記請求項のいずれか一項に記載の方法または固体基板。
  7. 前記ポリヌクレオチドはリンカーによって前記表面に固定化される、上記請求項のいず
    れか一項に記載の方法または固体基板。
  8. 前記表面は、
    i)線状プローブポリヌクレオチドが固定化されている、複数の離間した不連続な領域
    、および
    ii)前記離間した不連続な領域の間にあって、線状プローブポリヌクレオチドを実質
    的に含まない、領域間区域
    を含む、請求項5~7のいずれか一項に記載の固体基板。
  9. 前記線状プローブポリヌクレオチドが固定化されている前記離間した不連続な領域はア
    レイを形成する、請求項5~8のいずれか一項に記載の固体基板。
  10. 複数の同一線状プローブポリヌクレオチドが単一の離間した不連続な領域内に固定化さ
    れている、請求項5~9のいずれか一項に記載の固体基板。
  11. 複数の離間した不連続な領域のそれぞれが相異なる線状プローブポリヌクレオチドを含
    有する、請求項5~10のいずれか一項に記載の固体基板。
  12. 前記線状プローブポリヌクレオチドが前記単位配列の少なくとも3回のタンデムリピー
    トを含む、請求項5~11のいずれか一項に記載の固体基板。
  13. 前記単位配列は2~9個のヌクレオチドを有するマイクロサテライト配列である、上記
    請求項のいずれか一項に記載の方法または固体基板。
  14. 前記単位配列は10~60個のヌクレオチドを有するミニサテライト配列である、上記
    請求項のいずれか一項に記載の方法または固体基板。
  15. 前記線状ポリヌクレオチドは一本鎖DNAまたは二本鎖DNAである、上記請求項のい
    ずれか一項に記載の方法または固体基板。
  16. 前記表面は、ガラス、シリカ、金、グラフェンもしくは酸化グラフェン、エポキシ、プ
    ラスチック、金属、ゲルマトリックス、テンプレートストリッピングによって作製された
    金属、またはそれらの複合材料を含む、上記請求項のいずれか一項に記載の方法または固
    体基板。
  17. 前記リンカーは、シランリンカー分子、ビオチン-ストレプトアビジン複合体、チオー
    ル-Auリンカー、シリコンへのSi-C共有結合、シリコンへのSi-O共有結合、シ
    リコンへのSi-N共有結合、ナノ粒子リンカー、または動的共有結合を含む、請求項1
    6に記載の方法または固体基板。
  18. 被検試料中の線状標的ポリヌクレオチド配列の存在を決定するための方法であって、以
    下の工程を含む方法:
    i)請求項5~17のいずれか一項に記載の固体基板であって、前記固定化された線状
    プローブポリヌクレオチドの単位配列が、関心対象の線状標的ポリヌクレオチド配列の配
    列に相補的な核酸配列を含む、固体基板を用意する工程、
    ii)被検試料を、前記固定化された線状プローブポリヌクレオチドと、前記線状標的
    ポリヌクレオチド配列と前記固定化された線状プローブポリヌクレオチドの単位配列の相
    補的部分との間の二重鎖形成を許す条件下で接触させる工程、および
    iii)前記被検試料内に前記標的ポリヌクレオチド配列が存在することを示す二重鎖
    形成を検出する工程。
  19. 前記被検試料は、血液、唾液、脳脊髄液、胸水、乳汁、リンパ液、喀痰、精液または針
    吸引物試料である、請求項18に記載の方法。
  20. 二重鎖形成は、蛍光インターカレーター、蛍光タグ付きDNA、フルオレセイン、酸化
    還元タグ付きDNA、フェロセン、ナノ粒子または磁気的にタグ付けされたDNAを使っ
    て検出される、請求項18または請求項19に記載の方法。
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