JP2023158324A - 吸収性物品の収容体 - Google Patents
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Abstract
【課題】収容体内に収容した吸収性物品の変形を抑制できる吸収性物品の収容体を提供する。【解決手段】吸収性物品の収容体は、吸収コアを有する吸収性物品(20)を、収容シート(10)によって収容している。収容体は、収容シートが第1方向(D1)の内側に向かって谷折りに折り畳まれた折り畳み状態において、谷折りに折り畳まれた収容シートの外面同士を接合する接合部を有する。接合部は、第1接合部(80)と、第1接合部(80)よりも第1方向の外側に位置する第2接合部(90)と、を有する。第2接合部の接合強度は、第1接合部の接合強度よりも低い。【選択図】図4
Description
本発明は、複数の吸収性物品を収容シートによって収容した吸収性物品の収容体に関する。
複数の吸収性物品を、収容シートによって収容した収容体が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の収容体は、収容シート同士が接合された接合部が設けられている。また、収容シートは、一般的に、ガセットチューブ袋と称され、筒形状の袋の一面が開口した状態で吸収性物品を収容する。筒形状の袋の両側面の中央に形成された折り目に沿って内側に折り込まれることによりガセットが形成され、折り畳まれる。接合部は、このような包装袋に物品を充填した後、開口部を封止している(例えば、特許文献2参照)。
収容体は、複数の吸収性物品を収容した状態で、販売過程において流通し、更に使用者によって持ち運ばれる。収容体は、搬送時に出し入れされたり、販売時に陳列されたり、購入後に持ち運ばれたりする過程で、外力を受ける。収容体が受ける外力は、取り扱い方によって異なるものである。大きな外力が収容体に加わると、収容体内の吸収性物品にも外力がかかり、使用前に吸収性物品が変形することがあった。使用前に吸収性物品が変形すると、着用時に吸収性物品がよれることで漏れが発生したり、装着時の違和感が生じたりする不具合が発生することがあった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、収容体内に収容した吸収性物品の変形を抑制できる吸収性物品の収容体を提供することを目的とする。
吸収性物品の収容体は、吸収コアを有する吸収性物品を、収容シートによって収容している。前記収容体は、前記収容シートが第1方向の内側に向かって谷折りに折り畳まれた折り畳み状態において、前記谷折りに折り畳まれた前記収容シートの外面同士を接合する接合部を有する。前記接合部は、第1接合部と、前記第1接合部よりも前記第1方向の外側に位置する第2接合部と、を有する。前記第2接合部の接合強度は、前記第1接合部の接合強度よりも低い。
(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
態様1に係る吸収性物品の収容体は、吸収コアを有する吸収性物品を、収容シートによって収容している。前記収容体は、前記収容シートが第1方向の内側に向かって谷折りに折り畳まれた折り畳み状態において、前記谷折りに折り畳まれた前記収容シートの外面同士を接合する接合部を有する。前記接合部は、第1接合部と、前記第1接合部よりも前記第1方向の外側に位置する第2接合部と、を有する。前記第2接合部の接合強度は、前記第1接合部の接合強度よりも低い。本態様によれば、第1接合部よりも第2接合部の接合強度が低いため、第2接合部の接合が解除し易い。収容体に外力が加わった際に、第2接合部の接合が解除することで収容体の変形を吸収し、内部の吸収性物品の変形を抑制できる。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
態様1に係る吸収性物品の収容体は、吸収コアを有する吸収性物品を、収容シートによって収容している。前記収容体は、前記収容シートが第1方向の内側に向かって谷折りに折り畳まれた折り畳み状態において、前記谷折りに折り畳まれた前記収容シートの外面同士を接合する接合部を有する。前記接合部は、第1接合部と、前記第1接合部よりも前記第1方向の外側に位置する第2接合部と、を有する。前記第2接合部の接合強度は、前記第1接合部の接合強度よりも低い。本態様によれば、第1接合部よりも第2接合部の接合強度が低いため、第2接合部の接合が解除し易い。収容体に外力が加わった際に、第2接合部の接合が解除することで収容体の変形を吸収し、内部の吸収性物品の変形を抑制できる。
好ましい態様によれば、態様2に係る発明は、態様1に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記収容シートは、前記収容シートの外面にインクが配置されたインク存在領域と、前記収容シートの外面にインクが配置されていないインク非存在領域と、を有する。前記第1接合部は、前記インク非存在領域同士を接合する。前記第2接合部の少なくとも一部は、前記インク存在領域を接合している。第1接合部は、インク非存在領域同士を接合しており、インクの溶解が発生せず、接合強度を確保し易い。一方、第2接合部の少なくとも一部は、インクの溶解が発生し、接合強度を確保し難い。よって、第2接合部の接合強度を第1接合部の接合強度よりも低くすることができる。第2接合部は、第1接合部よりも第1方向の外側に位置し、使用者の目に留まりやすい。当該第2接合部の少なくとも一部がインク存在領域を接合しているため、使用者が見える領域の美観を印刷によって高めることができる。
好ましい態様によれば、態様3に係る発明は、態様2に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記第2接合部は、前記インク存在領域同士を接合している。本態様によっても、第2接合部の接合強度を第1接合部の接合強度よりも低くすることができる。また、第1接合部がインク非存在領域同士を接合し、第2接合部がインク存在領域同士を接合しているため、第1接合部と第2接合部の接合強度差を設け易い。
好ましい態様によれば、態様4に係る発明は、態様2に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記第2接合部は、前記インク存在領域と前記インク存在領域を接合している。本態様によっても、第2接合部の接合強度を第1接合部の接合強度よりも低くすることができる。また、一対の対向面の一方の面に、インク非存在領域を連続して設け、他方の面に、インク非存在領域とインク存在領域を設けることができる。インク非存在領域が連続して設けられた面は、インクの溶解が発生せず、その美観を向上できる。
好ましい態様によれば、態様5に係る発明は、態様1又は2に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記第2接合部は、第2内接合部と、前記第2内接合部よりも前記第1方向の外側に位置する第2外接合部と、を有する。前記第2外接合部の接合強度は、前記第2内接合部の接合強度よりも低い。本態様によれば、第2内接合部よりも第2外接合部の接合強度が低いため、収容体に外力が加わった際に、第2外接合部の接合が解除することで収容体の変形を吸収し、内部の吸収性物品の変形を抑制できる。
好ましい態様によれば、態様6に係る発明は、態様5に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記第2内接合部は、前記インク存在領域と前記インク非存在領域を接合している。前記第2外接合部は、前記インク存在領域同士を接合している。第2内接合部は、インク非存在領域とインク存在領域を接合しており、第2外接合部よりもインクの溶解の発生が少なく、接合強度を確保し易い。一方、第2外接合部は、第2内接合部よりもインクの溶解が多く、接合強度を低くできる。第2外接合部は、第2内接合部よりも第1方向の外側に位置し、使用者の目に留まりやすい。当該第2外接合部の少なくとも一部がインク存在領域を接合しているため、使用者が見える領域の美観を印刷によって高めることができる。
好ましい態様によれば、態様7に係る発明は、態様5に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記第2内接合部及び前記第2外接合部は、前記インク存在領域と前記インク非存在領域を接合している。前記第2外接合部の単位面積当たりにおけるインク存在領域の面積率であるインク面積率は、前記第2内接合部における前記インク面積率よりも高い。本態様によれば、第2内接合部は、第2外接合部よりもインクの溶解の発生が少なく、接合強度を確保し易い。一方、第2外接合部は、第2内接合部よりも第1方向の外側に位置し、使用者の目に留まりやすい。当該第2外接合部のインク存在領域の面積率が高いため、使用者が見える領域の美観を印刷によって高めることができる。
好ましい態様によれば、態様8に係る発明は、態様1に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記収容シートは、前記収容シートの外面にインクが配置されたインク存在領域と、前記収容シートの外面にインクが配置されていないインク非存在領域と、を有する。前記第1接合部は、前記インク非存在領域と前記インク存在領域を接合し、前記第2接合部は、前記インク存在領域を接合している。本態様においても、第2接合部の接合強度を第1接合部の接合強度よりも低くすることができる。また、一対の対向面のうち、一方の面にインク非存在領域を設けないため、インク存在領域のデザイン等によって収容体の美観をより向上できる。
好ましい態様によれば、態様9に係る発明は、態様1から8のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記第2接合部の単位面積当たりにおける接合部分の面積である接合面積率は、前記第1接合部の接合面積率よりも小さい。本態様によっても、第2接合部の接合強度を第1接合部の接合強度よりも低くすることができる。第2接合部は、第1接合部よりも第1方向の外側に位置し、使用者の目に留まりやすい。第2接合部の接合面積率が小さいため、接合時の変形によるシートの反り返りやシートの融解を抑制でき、美観を維持できる。
好ましい態様によれば、態様10に係る発明は、態様1から9のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記第2接合部が設けられた領域の曲げ剛性は、前記第1接合部が設けられた領域の曲げ剛性よりも低い。仮に、第2接合部が設けられた領域の曲げ剛性が高いと、収容体の第1方向の外側から力を受けた際に、第2接合部が設けられた領域が変形することで力を吸収せずに、当該力が収容体の内側に伝わって吸収性物品が変形するおそれがある。しかし、第2接合部の曲げ剛性が低いため、第2接合部が設けられた領域が変形することが外力を吸収し、内部の吸収性物品の変形を抑制できる。
好ましい態様によれば、態様11に係る発明は、態様1から10のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記収容シートは、谷折り部分の前記第1方向の内側に位置する頂点と、前記頂点から前記第1方向の外側にそれぞれ延びる一対の対向面と、を有する。前記第1接合部及び前記第2接合部は、前記対向面同士を接合している。前記第2接合部は、前記対向面の前記第1方向の外端と離間して設けられている。本態様によれば、前記対向面の前記第1方向の外端に外力がかかった際に、第2接合部と前記対向面の前記第1方向の外端との間の非接合領域が緩衝領域となり、第2接合部にかかる力を低減できる。
好ましい態様によれば、態様12に係る発明は、態様1から11のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記収容シートは、谷折り部分の前記第1方向の内側に位置する頂点と、前記頂点から前記第1方向の外側にそれぞれ延びる一対の対向面と、を有する。前記第1接合部及び前記第2接合部は、前記対向面同士を接合する。前記収容シートには、前記対向面の前記第1方向の外端から前記第1方向の内側に向かって延びるミシン目が形成されている。前記ミシン目と前記第2接合部は、前記第1方向と直交する第2方向において離間している。本態様によれば、使用者が収容体を持ち運ぶ際に、第2接合部近傍に指等をかけることがある。このとき、ミシン目と第2接合部が第2方向において離間しているため、ミシン目にかかる力を低減でき,ミシン目が意図せずに開封する不具合を抑制できる。
好ましい態様によれば、態様13に係る発明は、態様1から12のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記収容シートは、谷折り部分の前記第1方向の内側に位置する頂点と、前記頂点から前記第1方向の外側にそれぞれ延びる一対の対向面と、を有する。前記一対の対向面は、互いに対向する第1対向面及び第2対向面を有している。前記第1対向面の前記第1方向の外端の曲げ剛性は、前記第2対向面の前記第1方向の外端の曲げ剛性よりも高い。本態様によれば、1対向面の第1方向の外端の曲げ剛性が比較的高いことにより、第1対向面と第2対向面が接合する部分が第2対向面側に傾く。そのため、第1対向面と第2対向面の両方に同等に力がかかり難くなり、力を分散できる。よって、第1対向面と第2対向面が互いに剥離するような変形を抑制できる。
好ましい態様によれば、態様14に係る発明は、態様1から13のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記収容シートは、谷折り部分の前記第1方向の内側に位置する頂点と、前記頂点から前記第1方向の外側にそれぞれ延びる一対の対向面と、を有している。前記一対の対向面は、互いに対向する第1対向面及び第2対向面を有している。前記収容シートは、前記収容シートの外面にインクが配置されたインク存在領域と、前記収容シートの外面にインクが配置されていないインク非存在領域と、を有する。前記第1対向面の前記第1方向の外端には、前記インク非存在領域が設けられている。前記第2対向面の前記第1方向の外端には、前記インク存在領域が設けられている。本態様によれば、インク存在領域とインク非存在領域の別によって、第1対向面と第2対向面の境界、及び接合部の位置を把握し易い。
好ましい態様によれば、態様15に係る発明は、態様1から14のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記収容シートは、谷折り部分の前記第1方向の内側に位置する頂点と、前記頂点から前記第1方向の外側にそれぞれ延びる一対の対向面と、を有している。前記一対の対向面は、互いに向き合う第1対向面と第2対向面を有している。前記第1方向において、前記第1対向面の外側縁は、前記第2対向面の外側縁よりも外側に位置する。本態様によれば、収容体の第1方向の外端に外力がかかった際に、第1対向面が第2対向面よりも飛び出した部分が緩衝領域となり、第2接合部にかかる力を低減できる。よって、第2接合部の意図しない分離を抑制し、吸収性物品を保護でき、かつ収容体の美観を維持できる。
好ましい態様によれば、態様16に係る発明は、態様1から15のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記収容体は、互いに対向する上面及び下面を有する。前記接合部は、前記上面に設けられた上接合部と、前記下面に設けられた下接合部と、を有している。前記上接合部の前記第1接合部及び前記下接合部の前記第1接合部は、前記第1方向に離間してそれぞれ設けられている。前記上接合部における前記第1接合部間の前記第1方向の距離は、前記下接合部における前記第1接合部間の前記第1方向の距離と異なる。本態様によれば、第1接合部間の領域は、第1接合部が設けられてなく、その剛性が低く緩衝領域となり易い。また、第1接合部間の領域には、谷折り部分の頂点間の領域であって、谷折り部分よりもシート数が少ない領域があり、緩衝領域として機能する。当該緩衝領域の第1方向の長さが上面と下面で異なるため、収容体の第1方向の外側から力が掛かった際に、上面と下面の両方が同じように変形せず、一方側の変形によって他方側の変形を抑制できる。
好ましい態様によれば、態様17に係る発明は、態様1から16のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記収容体は、互いに対向する上面及び下面を有する。前記接合部は、前記上面に設けられた上接合部と、前記下面に設けられた下接合部と、を有している。前記上接合部における前記第1接合部の面積は、前記下接合部における前記第1接合部の面積よりも大きい。使用者等が収容体を掴む際は、下面側よりも上面側を保持し易い。上面における第1接合部の面積が比較的大きいため、上面に外力が加わっても、第1接合部の接合状態を維持しやすい。一方、下面は、収容体を置く際の底となる面であり、当該第1接合部の面積が大きすぎると、第1接合部の箇所だけ局所的に剛性が高くあり、収容体を安定して載置できないおそれがある。しかし、下面における第1接合部の面積が比較的小さいため、収容体を安定して置くことができる。
好ましい態様によれば、態様18に係る発明は、態様1から17のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記収容シートは、熱可塑性樹脂を有するベース層と、前記ベース層よりも外面側においてインクが付されたインク層と、を有する。前記インクの融点は、前記ベース層の融点よりも高い。本態様によれば、ベース層が融解する温度で溶着した際に、インクが融解しにくく、インクの変色を抑制でき、美観を維持できる。
(2)吸収性物品の収容体の構成
以下、図面を参照して、実施形態に係る吸収性物品の収容体1(以下、収容体1とする)について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
以下、図面を参照して、実施形態に係る吸収性物品の収容体1(以下、収容体1とする)について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
図1は、実施形態に係る収容体1の斜視図である。収容体1は、吸収性物品20を収容シート10によって収容している。収容体1は、収容シート10が折り畳まれ、かつ収容シート10が接合部を介して接合されることにより、その内部に吸収性物品20を収容した収容空間5を有する。収容空間5には、吸収性物品20が収容されている。収容空間5に収容される吸収性物品は、1個であってもよいし、複数であってもよい。吸収性物品20としては、例えば、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、パンティライナーを例示できる。吸収性物品20は、収容体1内において吸収性物品20の厚み方向に積層されてよい。吸収性物品20は、使用時に用いられる物品(生理用ナプキン、使い捨ておむつ)のみの状態で収容空間5に収容されていてもよいし、個包装シート(図示せず)によって個別に包装された状態で収容空間5に収容されていてもよい。
収容体1は、互いに直交する第1方向D1、第2方向D2及び第3方向D3を有する。第1方向は、収容シート10が谷折りに折り畳まれる方向であり、収容シート10は、第1方向D1の内側に向かって谷折りに折り畳まれている。第2方向D2は、後述するミシン目18と接合部が離間する方向であり、ミシン目18と接合部は、第2方向D2において離間している。図1に示す収容体1の起立状態において、第1方向D1は、左右に延びる横方向であり、第2方向D2は、奥行方向であり、第3方向D3は、上下方向である。起立状態は、収容体1に示された文字15やデザイン16の上下方向が、起立状態での上下方向に合うように置いた状態であり、収容体1の文字等の配列から正面に相当する面が前側に向けて配置した状態である。なお、他の形態において、第1方向が横方向であり、第2方向が上下方向であり、第3方向が奥行方向であってもよいし、第1方向が奥行方向であり、第2方向が横方向であり、第3方向が上下方向であってもよいし、第1方向が奥行方向であり、第2方向が上下方向であり、第3方向が横方向であってもよいし、第1方向が上下方向であり、第2方向が奥行方向であり、第3方向が横方向であってもよいし、第1方向が上下方向であり、第2方向が横方向であり、第3方向が奥行横方向であってもよい。
吸収性物品20は、周知の吸収性物品20を適宜用いることができる。しかし、好適には、吸収コアが比較的柔らかい吸収性物品20を好適に用いることができる。後述のように、本実施の形態の収容体1は、吸収コアが局所的に硬くなることを抑制するように構成されているためである。具体的には、吸収性物品20は、吸収コアを含む領域が、長手方向及び幅方向において、5.0~50.0mN・mの曲げ剛性値であってよい。当該曲げ剛性は、例えば、以下の手順に従って測定される。(1)恒温恒湿室(20℃の65%RH)に、イマダ製トルク試験機、EX-0762を準備する。ロードセルは、引張・圧縮の50Nにセットし、トルクは1Nにセットする。(2)サンプルを、表1に示すとおりに切り出す。(3)サンプルの測定方向両端に、治具間隔が表1に示すとおりとなるように、50mm×20mmのサイズの布テープを、その長手方向が測定方向と直交するように貼付し、サンプルの測定方向両端につかみ部を形成する。(4)サンプルを治具に取付け、表1に示す条件にて、その最大トルク値(mN・m)を測定する。(5)測定は、異なるサンプルにて5回実施し、それらの平均値を曲げ剛性値として採用する。
図1に示すように、収容体1は、矩形に成形された状態で、第1面101から第6面106を有してよい。第1面101から第6面106は、矩形の面であってもよく、互いに交わる境界において垂直に交わらずに、曲線状に交わっていてもよい。第1面101と第2面102とは、第2方向D2に間隔を空けて、互いに対向して配置され、第3面103と第4面104とは、第1方向D1に間隔を空けて、互いに対向して配置され、第5面105と第6面106は、第3方向D3に間隔を空けて、互いに対向して配置されている。第1面101と第2面102は、少なくとも第1方向D1及び第3方向D3に延びる面を有してよい。第1面101は、図1に示す収容体1の起立状態における正面を構成し、第2面102は、背面を構成する。第3面103及び第4面104は、少なくとも第2方向D2及び第3方向D3に延びる面を有してよい。第3面103及び第4面104は、収容体1の起立状態における側面を構成する。第5面105及び第6面106は、少なくとも第1方向D1及び第2方向D2に延びる面を有してよい。第5面105は、本発明の「上面」を構成し、第6面106は、本発明の「下面」を構成する。収容シート10の接合部は、少なくとも上面としての第5面、及び下面としての第6面に設けられていてもよい。
本実施の形態に係る収容体1は、収容体1内に収容した吸収性物品20の変形を抑制できるように構成されている。次いで、収容体1内に収容した吸収性物品20の変形を抑制するための構成について、詳細に説明する。収容体1内に収容した吸収性物品20の変形を抑制するための構成は、大別して第1形態から第4形態を有する。図2は、収容シート10の接合部が形成される前の収容シート10の折り畳み状態を模式的に示した図である。図3は、収容シート10を展開した状態の折り畳み面11の平面図である。なお、図2及び図3においては、後述するインク存在領域とインク非存在領域を示し、収容体1に設けられた文字15やデザイン16を省略して示している。図1から図3は、第1形態から第4形態において共通に適用可能な収容体を示している。図4(a)は、第1形態に係る収容体の上接合部95の第1方向D1に沿った模式断面図であり、図4(b)は、下接合部96の第1方向D1に沿った模式断面図である。図5は、他の形態に係る上接合部95の第1方向D1に沿った一部断面図である。
収容体1は、いわゆるガセットチューブ袋によって形成される。収容シート10は、図2に示す筒状の状態で、一対の折り畳み面11と、一対の非折り畳み面12と、を有する。折り畳み面11と非折り畳み面12は、筒状の状態で、交互に配置され、互いに連なっている。折り畳み面11の一方の面は、第3面103と、第3面103に連なる第5面105の一部及び第6面106の一部を構成する。折り畳み面11の他方の面は、第4面104と、第4面104に連なる第5面105の一部及び第6面106の一部を構成する。また、非折り畳み面12の一方の面は、第1面101と、第1面101に連なる第5面105の一部及び第6面106の一部を構成する。非折り畳み面12の他方の面は、第2面102と、第2面102に連なる第5面105の一部及び第6面106の一部を構成する。
収容シート10は、樹脂製のフィルム等のシート材からなり、その外面同士を接合部によって接合されて袋状に成形され、図1に示す状態となる。一対の折り畳み面11は、第1方向D1の内側に向かって谷折りされている。すなわち、折り畳み面11は、谷折り部分が形成された面であり、非折り畳み面12は、谷折り部分が形成されていない面である。接合部は、折り畳み面11が谷折りに折り畳まれた折り畳み状態において、折り畳み面11を構成する収容シート10の外面同士を接合する。なお、収容体1は、折り畳まれた状態で、収容シート10の内面同士を接合した内接合部(図示せず)を有している。内接合部は、図4に示す中央領域1C(第1方向D1において谷折り部分の頂点によって挟まれた領域)において、非折り畳み面12の内面同士を接合し、側領域1S(谷折り部分が形成された領域)において、折り畳み面11の内面と非折り畳み面12の内面を接合している。
接合部は、第1接合部80と、第1接合部80よりも第1方向D1の外側に位置する第2接合部90と、を有する。第1接合部80は、谷折り部分の頂点53側に位置する。第2接合部90の接合強度は、第1接合部80の接合強度よりも低い。収容体1に対して外力がかかると、収容体1が変形し、収容体1の変形に伴って内部の吸収性物品20が変形するおそれがある。当該外力は、収容体1の外側から掛かるため、第1接合部80よりも第1方向D1の外側に位置する第2接合部90にかかり易い。本構成によれば、第1接合部80よりも第2接合部90の接合強度が低いため、第2接合部90の接合が解除し易い。収容体1に外力が加わった際に、第2接合部90の接合が解除することで収容体1の変形を吸収し、内部の吸収性物品の変形を抑制できる。
なお、接合強度の測定は、以下の方法によって測定できる。(1)測定サンプルを、測定対象の接合部が中央になるように、長さ100mm×幅15mmで採取する。(2)測定サンプルの長さ方向の両端に、治具間隔が50mmになるように、50mm×25mmサイズのアルミテープを貼付け、測定サンプルの測定方向の両端につかみ部を形成する。(3)測定サンプルを治具に取付け、500mm/minの引張速度で、その最大トルク値を測定する。(4)測定は、異なるサンプルにて5回実施し、それらの平均値を接合強度として採用する。単位は、N/25mmである。なお、非接合領域における接合強度は、0N/25mmである。
第1接合部80と第2接合部90は、第1方向D1に隣接していてもよいし、離間していてもよい。第1接合部80及び第2接合部90は、第1方向D1の長さが長い横長形状であってもよい。また、第1接合部80の接合強度と第2接合部90の接合強度が異なる構成は、熱溶着等の溶着の強度(温度、押圧する強さ)が異なっていてもよいし、単位面積当たりの接着面積が異なっていてもよいし、接合する資材の構成(第1接合部によって接合するシートの構成と第2接合部90によって接合するシートの構成)が異なっていてもよい。
図2及び3に示すように、収容シート10は、収容シート10の外面にインクが配置されたインク存在領域R2と、収容シート10の外面にインクが配置されていないインク非存在領域R1と、を有してよい。インク存在領域R2は、図2及び3において、ハッチングを付した領域であり、インク非存在領域R1は、白抜きで示した領域である。なお、インク存在領域R2は、収容シート10の外面にインクが配置されている領域であり、インク非存在領域R1は、収容シート10の外面にインクが配置されていない領域であり、例えば、収容シート10の内面側の層にインクが配置され、そのインクの層の外面側にインク以外の層(ラミネート層)が配置された領域も含む。
図4に示すように、第1形態において、第1接合部80は、インク非存在領域R1同士を接合し、第2接合部90の少なくとも一部は、インク存在領域R2を接合してよい。第2接合部90は、少なくとも一部がインク存在領域R2を接合していればよい。第1形態の第2接合部90は、インク非存在領域R1とインク存在領域R2を接合する部分を有していてもよい。第1接合部80は、インク非存在領域R1同士を接合しており、インクの溶解が発生せず、接合強度を確保し易い。一方、第2接合部90は、インク非存在領域R1とインク存在領域R2を接合しており、インクの溶解が発生し、接合強度を確保し難い。よって、第2接合部90の接合強度を第1接合部80の接合強度よりも低くし、内部の吸収性物品の変形を抑制できる。また、後述する一対の対向面の一方の面に、インク非存在領域R1を連続して設け、他方の面に、インク非存在領域R1とインク存在領域R2を設けることができる。インク非存在領域R1が連続して設けられた面は、インクの溶解が発生せず、その美観を向上できる。第1形態の第2接合部90は、インク存在領域R2同士を接合する部分を有してよい。第1接合部80は、インク非存在領域R1同士を接合しており、インクの溶解が発生せず、接合強度を確保し易い。一方、第2接合部90は、インク存在領域R2同士を接合しており、インクの溶解が発生し、接合強度を確保し難い。よって、第2接合部90の接合強度を第1接合部80の接合強度よりも低くし、内部の吸収性物品の変形を抑制できる。また、第1接合部80がインク非存在領域R1同士を接合し、第2接合部90がインク存在領域R2同士を接合しているため、第1接合部80と第2接合部90の接合強度差を設け易い。加えて、第2接合部90は、第1接合部80よりも第1方向D1の外側に位置し、使用者の目に留まりやすい。当該第2接合部90の少なくとも一部がインク存在領域R2を接合しているため、使用者が見える領域の美観を印刷によって高めることができる。
また、図4に示す形態では、第2接合部は、インク非存在領域R1とインク存在領域R2を接合する部分と、インク存在領域R2同士を接合する部分と、の両方を備えているが、当該構成に限られない。図5(a)に示すように、第1接合部80は、インク非存在領域R1同士を接合し、第2接合部90は、全体に亘って、インク存在領域R2同士を接合してよい。または、図5(b)に示すように、第1接合部80は、インク非存在領域R1同士を接合し、第2接合部90は、全体に亘って、インク存在領域R2とインク非存在領域R1を接合してよい。
図5(c)に示すように、第2形態において、第2接合部90の単位面積当たりにおける接合部分の面積である接合面積率は、第1接合部80の接合面積率よりも小さくてもよい。単位面積当たりの接合面積率は、各接合部(例えば、第1接合部)が配置された領域の外縁(第1方向の外縁と第1方向と直交する方向の外縁)を囲む面積に占める接合した部分の面積の比率である。例えば、間欠的に接合された接合部の接合面積率は、全面で接合された接合部の接合面積率よりも低い。第2形態によっても、第2接合部90の接合強度を第1接合部80の接合強度よりも低くすることができる。また、第2接合部90は、第1接合部80よりも第1方向D1の外側に位置し、使用者の目に留まりやすい。第2接合部90の接合面積率が小さいため、接合時の変形によるシートの反り返りやシートの融解を抑制でき、美観を維持できる。第2形態においては、第1接合部80及び第2接合部90が共にインク存在領域R2同士を接合してもよいし、インク非存在領域R1同士を接合してもよい。図5(a)に示す形態では、第1接合部80及び第2接合部90共にインク非存在領域R1同士を接合し、第2接合部90は、第1方向D1に間欠的に配置され、第1接合部80は、第1方向D1に連続している。第1接合部80と第2接合部90の第1方向D1と直交する方向の長さは同じである。よって、第2接合部90の接合面積率は、第1接合部80の接合面積率よりも低い。また、第1形態と第2形態の両方の構成を備えてもよく、すなわち、第2接合部90がインク存在領域R2同士を接合し、かつ第1接合部80の接合面積率が第2接合部90の接合面積率よりも高く構成されていてもよい。
図5(d)に示すように、第3形態において、第1接合部80及び第2接合部90は、いずれもインク非存在領域R1とインク存在領域R2を接合し、第2接合部90の単位面積当たりにおけるインク存在領域R2の面積率であるインク面積率は、第1接合部80のインク面積率よりも高くてもよい。第3形態においても、第2接合部90の接合強度を第1接合部80の接合強度よりも低くすることができる。第2接合部90は、第1接合部80よりも第1方向D1の外側に位置し、使用者の目に留まりやすい。当該第2接合部90のインク面積率が高いため、使用者が見える領域の美観を印刷によって高めることができる。
図5(e)に示すように、第4形態において、第1接合部80がインク非存在領域R1とインク存在領域R2を接合し、第2接合部90がインク存在領域R2同士を接合してもよい。例えば、後述する一対の対向面のうち一方の面(例えば、第1対向面51)にインク存在領域R2を設け(インク非存在領域R1を設けず)、他方の面(例えば、第2対向面52)にインク非存在領域R1とインク存在領域R2を設けてもよい。第4形態においても、第2接合部90の接合強度を第1接合部80の接合強度よりも低くすることができる。また、一対の対向面のうち、一方の面にインク存在領域R2のみを設ける(インク非存在領域R1を設けない)ことにより、インク存在領域R2のデザイン等によって収容体1の美観をより向上できる。また、一方の面にインク非存在領域R1を設けないため、使用者がインク非存在領域R1の有無によって第1対向面51と第2対向面52を見分け易くなる。
なお、第1形態から第4形態において、第1接合部80よりも第1方向D1の内側であって頂点53よりも第1方向D1の外側の領域は、インク存在領域R2同士が向き合っていてもよいし、インク非存在領域R1同士が向き合っていてもよいし、インク存在領域R2とインク非存在領域R1が向き合っていてもよい。第1接合部80よりも第1方向D1の内側であって頂点53よりも第1方向D1の外側の領域は、対向面同士が向き合っているが、接合されてなく、接合に影響しない領域である。よって、当該領域の構成は特に制限されない。
図4に示すように、第2接合部90は、第2内接合部91と、第2内接合部91よりも第1方向D1の外側に位置する第2外接合部92と、を有してよい。第2外接合部92の接合強度は、第2内接合部91の接合強度よりも低くてよい。収容体にかかる外力は、第2内接合部91よりも第1方向D1の外側に位置する第2外接合部92にかかり易い。本構成によれば、第2内接合部91よりも第2外接合部92の接合強度が低いため、収容体に外力が加わった際に、第2外接合部92の接合が解除することで収容体の変形を吸収し、内部の吸収性物品の変形を抑制できる。
第1形態において、第2内接合部91は、インク存在領域R2とインク非存在領域R1を接合しており、第2外接合部92は、インク存在領域R2同士を接合してよい。第2内接合部91は、インク非存在領域R1とインク存在領域R2を接合しており、第2外接合部92よりもインクの溶解の発生が少なく、接合強度を確保し易い。一方、第2外接合部92は、第2内接合部91よりもインクの溶解が多く、接合強度を低くできる。また、第2外接合部92は、第2内接合部91よりも第1方向D1の外側に位置し、使用者の目に留まりやすい。当該第2外接合部92の少なくとも一部がインク存在領域R2を接合しているため、使用者が見える領域の美観を印刷によって高めることができる。
第2接合部90が設けられた領域の曲げ剛性は、第1接合部80が設けられた領域の曲げ剛性よりも低くてよい。仮に、第2接合部90が設けられた領域の曲げ剛性が高いと、収容体の第1方向D1の外側から力を受けた際に、第2接合部90が設けられた領域が変形することで力を吸収せずに、当該力が収容体の内側に伝わることで吸収性物品が変形するおそれがある。しかし、第2接合部90が設けられた領域の曲げ剛性が低いため、第2接合部90が設けられた領域が変形することが外力を吸収し、内部の吸収性物品の変形を抑制できる。また、第2外接合部92が設けられた領域の曲げ剛性は、第2内接合部91が設けられた領域の曲げ剛性よりも低くてよい。当該構成によれば、第2外接合部92が設けられた領域が変形することが外力を吸収し、内部の吸収性物品の変形をより抑制できる。好適には、第2外接合部92が設けられた領域の曲げ剛性<第2内接合部91が設けられた領域の曲げ剛性<第1接合部80が設けられた領域の曲げ剛性を満たしてよい。収容体の第1方向D1の外端側に位置する接合部の曲げ剛性が比較的低く、第1方向の内側に向かって段階的に高くなっているため、外端側に位置する接合部の接合の解除によって外力を吸収しつつ、収容体の封止状態を維持でき、吸収性物品の変形を抑制しつつ衛生的に吸収性物品を保護できる。
当該曲げ剛性の測定は、ガーレー剛軟度の試験方法によって測定できる。剛軟度は、以下の通り測定される。なお、記載されていない事項は、JISL1913:2010「一般不織布試験方法」の「6.7.4 ガーレー法」に従う。
(1)安田精機製作所社製のNo.311ガーレー式柔軟度試験機を20℃の65%RHの恒温恒湿室に準備する。
(2)試料を、38mm×12.5mm(長手方向×幅方向)のサイズにカットし、測定試料を準備する。
(3)試料を、ガーレー式柔軟度試験機にセットし、剛軟度を測定する(1回目)。次いで、試料の表裏を反対にして、ガーレー式柔軟度試験機にセットし、剛軟度を測定する(2回目)。
上記2回の剛軟度の測定値の平均値を算出する。
(4)異なる試料で、上述の測定を計5回繰り返し、上記平均値の平均を剛軟度として採用する。
また、当該曲げ剛性は、第1接合部80によって接合した収容シート10の構成(枚数、資材)と、第2接合部90によって接合した収容シート10の構成と、が同じ状態で比較する。
(1)安田精機製作所社製のNo.311ガーレー式柔軟度試験機を20℃の65%RHの恒温恒湿室に準備する。
(2)試料を、38mm×12.5mm(長手方向×幅方向)のサイズにカットし、測定試料を準備する。
(3)試料を、ガーレー式柔軟度試験機にセットし、剛軟度を測定する(1回目)。次いで、試料の表裏を反対にして、ガーレー式柔軟度試験機にセットし、剛軟度を測定する(2回目)。
上記2回の剛軟度の測定値の平均値を算出する。
(4)異なる試料で、上述の測定を計5回繰り返し、上記平均値の平均を剛軟度として採用する。
また、当該曲げ剛性は、第1接合部80によって接合した収容シート10の構成(枚数、資材)と、第2接合部90によって接合した収容シート10の構成と、が同じ状態で比較する。
収容シート10は、谷折り部分の第1方向D1の内側に位置する頂点53と、頂点53から第1方向D1の外側にそれぞれ延びる一対の対向面50と、を有してよい。当該頂点53及び一対の対向面50は、折り畳み面11に設けられている。一対の対向面50は、互いに向き合う第1対向面51と第2対向面52を有する。第1対向面51と第2対向面52は、頂点53を挟んでいる。頂点53は、谷折り部分の折り目となる。第1接合部80及び第2接合部90は、対向面50同士を接合している。第2接合部90は、対向面50の第1方向D1の外端と離間して設けられてよい。すなわち、第2接合部90と対向面50の第1方向D1の外端との間には、対向面50同士が接合されていない非接合領域NRが設けられてよい。本構成によれば、対向面50の第1方向D1の外端に外力がかかった際に、第2接合部90と対向面の第1方向D1の外端との間の非接合領域が緩衝領域となり、第2接合部90にかかる力を低減できる。
第1接合部80の第1方向D1の内縁は、頂点53に到達していてもよいし、頂点53と離間していてもよい。例えば、第1方向D1において第1接合部80の内縁と頂点53が離間していることにより、頂点53から第1方向D1の外側に延びる一定範囲で、対向面同士が接合されていない非接合領域が設けられる。当該非接合領域が緩衝領域となり、収容体に外力が加わった際に、当該外力が吸収性物品に伝播することを抑制できる。
収容シート10には、対向面50の第1方向D1の外端から第1方向D1の内側に向かって延びるミシン目18が形成されてよい。ミシン目18と第2接合部90は、第1方向D1と直交する第2方向D2において離間してよい。使用者が収容体1を持ち運ぶ際に、第2接合部90近傍に指等をかけることがある。このとき、ミシン目18と第2接合部90が第2方向D2において離間しているため、ミシン目18にかかる力を低減でき,ミシン目18が意図せずに開封する不具合を抑制できる。なお、ミシン目18は、対向面50の第1方向D1の外端から第1方向D1に延びていればよく、本実施の形態のように、第5面の第1方向D1の両端縁間に亘って形成されていてもよいし、第5面105の第1方向D1における一部に形成されていてもよい。また、ミシン目18は、接合部(第1接合部80,第2接合部90)を挟んだ第2方向D2の両側にそれぞれ設けられていてもよいし、接合部に対する第2方向の一方側のみに設けられていてもよい。
第1対向面51の第1方向D1の外端の曲げ剛性と第2対向面52の第1方向D1の外端の曲げ剛性は、異なっていてもよい。なお、一対の対向面(第3面側の対向面と第4面側の対向面)の少なくともいずれか一方において、第1対向面51の第1方向D1の外端の曲げ剛性と第2対向面の第2方向の外端の曲げ剛性が異なっていればよい。本実施の形態においては、第1対向面51の第1方向D1の端縁には、収容シート10同士が溶着された溶着部55が形成されており、第2対向面52の第1方向D1の端縁には、溶着部55が形成されてない。第1対向面51の第1方向D1の外端の曲げ剛性と、第2対向面52の第1方向D1の外端の曲げ剛性と、が同じ構成にあっては、第1対向面51と第2対向面52が接合する部分の角度が一方側に傾き難く、第1対向面51と第2対向面52における第1方向D1の外端に力がかかった際に、第1対向面51と第2対向面52の両方に同等に力がかかり、第1対向面51と第2対向面52が互いに剥離するように変形する恐れおそれがある。しかし、第1対向面51の第1方向D1の外端の曲げ剛性が比較的高いことにより、第1対向面51と第2対向面52が接合する部分が第2対向面52側に傾く。そのため、第1対向面51と第2対向面52の両方に同等に力がかかり難くなり、力を分散できる。よって、第1対向面51と第2対向面52が互いに剥離するような変形を抑制できる。なお、溶着部55は、折り畳み面11と非折り畳み面12の境界において、当該境界に沿って連続して延びている。よって、溶着部55は、第1面101、第3面103、第5面105及び第6面106に連続して形成されてよい。
図2から図4に示すように、第1対向面51の第1方向D1の外端には、インク非存在領域R1が設けられてよい。第2対向面52の第1方向D1の外端には、インク存在領域R2が設けられてよい。本構成によれば、インク存在領域R2とインク非存在領域R1の別によって、第1対向面51と第2対向面52の境界、及び接合部の位置を把握し易い。よって、意図せずに接合部に指などがあたり、接合部の接合状態が解除することを抑制できる。インク非存在領域R1は、折り畳み面11と非折り畳み面の境界に沿って設けられており、折り畳み面11と非折り畳み面12に跨がって設けられている。折り畳み面11及び非折り畳み面12には、境界から一定幅(10mm以下、好ましくは、5mm以下)でインク非存在領域R1が設けられ、当該インク非存在領域R1に隣接してインク存在領域R2が設けられている。なお、インク非存在領域R1が設けられた第1対向面51は、溶着部55(曲げ剛性が高い部分)が設けられた第1対向面51と同じであってもよい。当該構成によれば、当該第1対向面51の外端がより目立ち易くなり、第2対向面52と区別され易くなる。
図4(a)に示すように、第1方向D1において、第1対向面51の外側縁は、第2対向面52の外側縁よりも外側に位置してよい。そのため、第1対向面51が第2対向面52よりも外側に延出している。よって、収容体の第1方向D1の外端に外力がかかった際に、第1対向面51が第2対向面52よりも飛び出した部分が緩衝領域となり、第2接合部90にかかる力を低減できる。よって、第2接合部90の意図しない分離を抑制し、吸収性物品を保護でき、かつ収容体の美観を維持できる。
図4に示すように、接合部は、上面(第5面105)に設けられた上接合部95と、下面(第6面106)に設けられた下接合部96と、を有してよい。上接合部95の第1接合部80及び下接合部96の第1接合部80は、第1方向D1に離間してそれぞれ設けられている。上接合部95における第1接合部80間の第1方向D1の距離(G95)は、下接合部96における第1接合部80間の第1方向D1の距離(G96)と異なってよい。第1接合部80間の領域は、第1接合部80が設けられてなく、その剛性が低く緩衝領域となり易い。当該緩衝領域の第1方向D1の長さが上面と下面で異なるため、収容体1の第1方向D1の外側から力が掛かった際に、上面と下面の両方が同じように変形せず、一方側の変形によって他方側の変形を抑制できる。また、谷折り部分(図4に示す側領域1S)は、収容シート10が4枚積層されており、谷折り部分よりも第1方向D1の内側の領域(図4に示す中央領域1C)は、収容シート10が2枚積層されている。第1接合部80は、収容シート10が4枚積層された部分に設けられ、頂点53の近くに(例えば、頂点53に隣接して)設けられている。そのため、第1方向D1における第1接合部80間の領域は、収容シート10の枚数が少なく、その剛性が低く緩衝領域となり易い。当該緩衝領域の第1方向D1の長さが上面と下面で異なるため、収容体の第1方向D1の外側から力が掛かった際に、上面と下面の両方が同じように変形せず、一方側の変形によって他方側の変形を抑制できる。
上接合部95における第1接合部80の面積は、下接合部96における第1接合部80の面積よりも大きくてよい。例えば、上接合部95における第1接合部80の第1方向D1(横方向)の長さが、下接合部96における第1接合部80の第1方向D1の長さよりも長くてもよいし、上接合部95における第1接合部80の第3方向(図3に示す第3方向)の長さが、下接合部96における第1接合部80の第3方向の長さよりも長くてもよい。使用者等が収容体を掴む際は、下面側よりも上面側を保持し易い。上面における第1接合部80の面積が比較的大きいため、上面に外力が加わっても、第1接合部80の接合状態を維持しやすい。一方、下面は、収容体を置く際の底となる面であり、当該第1接合部80の面積が大きすぎると、第1接合部80の箇所だけ局所的に剛性が高くあり、収容体を安定して載置できないおそれがある。しかし、下面における第1接合部80の面積が比較的小さいため、収容体を安定して置くことができる。また、上接合部の第2接合部の面積と下接合部96の面積が異なっていてもよい。上接合部95の接合部の面積と下接合部96の接合部の面積が異なる形態にあっては、上接合部に対応するインク非存在領域R1の面積と、下接合部96に対応するインク非存在領域R1の面積と、が異なっていてもよい。
収容シート10は、熱可塑性樹脂を有するベース層と、ベース層よりも外面側においてインクが付されたインク層と、を有してよい。インクの融点は、ベース層の融点よりも高くてよい。本構成によれば、ベース層が融解する温度で溶着した際に、インクが融解しにくく、インクの変色を抑制でき、美観を維持できる。なお、ベース層の融点よりも高い融点のインクを有するインク層は、収容シート10の外面を構成してよく、当該インク層とベース層の間に、ベース層の融点よりも低い融点のインクを有する第2インク層を備えていてもよい。本構成によっても、ベース層が融解する温度で溶着した際に、収容シート10の外面を構成するインクが融解しにくく、インクの変色を抑制でき、美観を維持できる。
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
1 :吸収性物品の収容体
5 :収容空間
10 :収容シート
11 :折り畳み面
12 :非折り畳み面
15 :文字
16 :デザイン
18 :ミシン目
20 :吸収性物品
50 :対向面
51 :第1対向面
52 :第2対向面
53 :頂点
55 :溶着部
80 :第1接合部
90 :第2接合部
91 :第2内接合部
92 :第2外接合部
95 :上接合部
96 :下接合部
101 :第1面
102 :第2面
103 :第3面
104 :第4面
105 :第5面
106 :第6面
D1 :第1方向
D2 :第2方向
D3 :第3方向
NR :非接合領域
R1 :インク非存在領域
R2 :インク存在領域
5 :収容空間
10 :収容シート
11 :折り畳み面
12 :非折り畳み面
15 :文字
16 :デザイン
18 :ミシン目
20 :吸収性物品
50 :対向面
51 :第1対向面
52 :第2対向面
53 :頂点
55 :溶着部
80 :第1接合部
90 :第2接合部
91 :第2内接合部
92 :第2外接合部
95 :上接合部
96 :下接合部
101 :第1面
102 :第2面
103 :第3面
104 :第4面
105 :第5面
106 :第6面
D1 :第1方向
D2 :第2方向
D3 :第3方向
NR :非接合領域
R1 :インク非存在領域
R2 :インク存在領域
Claims (18)
- 吸収コアを有する吸収性物品を、収容シートによって収容した吸収性物品の収容体であって、
前記収容体は、前記収容シートが第1方向の内側に向かって谷折りに折り畳まれた折り畳み状態において、前記谷折りに折り畳まれた前記収容シートの外面同士を接合する接合部を有しており、
前記接合部は、第1接合部と、前記第1接合部よりも前記第1方向の外側に位置する第2接合部と、を有し、
前記第2接合部の接合強度は、前記第1接合部の接合強度よりも低い、吸収性物品の収容体。 - 前記収容シートは、前記収容シートの外面にインクが配置されたインク存在領域と、前記収容シートの外面にインクが配置されていないインク非存在領域と、を有し、
前記第1接合部は、前記インク非存在領域同士を接合し、
前記第2接合部の少なくとも一部は、前記インク存在領域を接合している、請求項1に記載の吸収性物品の収容体。 - 前記第2接合部は、前記インク存在領域同士を接合している、請求項2に記載の吸収性物品の収容体。
- 前記第2接合部は、前記インク存在領域と前記インク非存在領域を接合している、請求項2に記載の吸収性物品の収容体。
- 前記第2接合部は、第2内接合部と、前記第2内接合部よりも前記第1方向の外側に位置する第2外接合部と、を有し、
前記第2外接合部の接合強度は、前記第2内接合部の接合強度よりも低い、請求項2に記載の吸収性物品の収容体。 - 前記第2内接合部は、前記インク存在領域と前記インク非存在領域を接合しており、
前記第2外接合部は、前記インク存在領域同士を接合している、請求項5に記載の吸収性物品の収容体。 - 前記第2内接合部及び前記第2外接合部は、前記インク存在領域と前記インク非存在領域を接合しており、
前記第2外接合部の単位面積当たりにおける前記インク存在領域の面積率であるインク面積率は、前記第2内接合部における前記インク面積率よりも高い、請求項5に記載の吸収性物品の収容体。 - 前記収容シートは、前記収容シートの外面にインクが配置されたインク存在領域と、前記収容シートの外面にインクが配置されていないインク非存在領域と、を有し、
前記第1接合部は、前記インク非存在領域と前記インク存在領域を接合し、
前記第2接合部は、前記インク存在領域を接合している、請求項1に記載の吸収性物品の収容体。 - 前記第2接合部の単位面積当たりにおける接合部分の面積である接合面積率は、前記第1接合部の接合面積率よりも小さい、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の吸収性物品の収容体。
- 前記第2接合部が設けられた領域の曲げ剛性は、前記第1接合部が設けられた領域の曲げ剛性よりも低い、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の吸収性物品の収容体。
- 前記収容シートは、谷折り部分の前記第1方向の内側に位置する頂点と、前記頂点から前記第1方向の外側にそれぞれ延びる一対の対向面と、を有しており、
前記第1接合部及び前記第2接合部は、前記対向面同士を接合しており、
前記第2接合部は、前記対向面の前記第1方向の外端と離間して設けられている、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の吸収性物品の収容体。 - 前記収容シートは、谷折り部分の前記第1方向の内側に位置する頂点と、前記頂点から前記第1方向の外側にそれぞれ延びる一対の対向面と、を有しており、
前記第1接合部及び前記第2接合部は、前記対向面同士を接合しており、
前記収容シートには、前記対向面の前記第1方向の外端から前記第1方向の内側に向かって延びるミシン目が形成されており、
前記ミシン目と前記第2接合部は、前記第1方向と直交する第2方向において離間している、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の吸収性物品の収容体。 - 前記収容シートは、谷折り部分の前記第1方向の内側に位置する頂点と、前記頂点から前記第1方向の外側にそれぞれ延びる一対の対向面と、を有しており、
前記一対の対向面は、互いに対向する第1対向面及び第2対向面を有しており、
前記第1対向面の前記第1方向の外端の曲げ剛性は、前記第2対向面の前記第1方向の外端の曲げ剛性よりも高い、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の吸収性物品の収容体。 - 前記収容シートは、谷折り部分の前記第1方向の内側に位置する頂点と、前記頂点から前記第1方向の外側にそれぞれ延びる一対の対向面と、を有しており、
前記一対の対向面は、互いに対向する第1対向面及び第2対向面を有しており、
前記収容シートは、前記収容シートの外面にインクが配置されたインク存在領域と、前記収容シートの外面にインクが配置されていないインク非存在領域と、を有し、
前記第1対向面の前記第1方向の外端には、前記インク非存在領域が設けられており、
前記第2対向面の前記第1方向の外端には、前記インク存在領域が設けられている請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の吸収性物品の収容体。 - 前記収容シートは、谷折り部分の前記第1方向の内側に位置する頂点と、前記頂点から前記第1方向の外側にそれぞれ延びる一対の対向面と、を有しており、
前記一対の対向面は、互いに向き合う第1対向面と第2対向面を有しており、
前記第1方向において、前記第1対向面の外側縁は、前記第2対向面の外側縁よりも外側に位置する、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の吸収性物品の収容体。 - 前記収容体は、互いに対向する上面及び下面を有し、
前記接合部は、前記上面に設けられた上接合部と、前記下面に設けられた下接合部と、を有しており、
前記上接合部の前記第1接合部及び前記下接合部の前記第1接合部は、前記第1方向に離間してそれぞれ設けられており、
前記上接合部における前記第1接合部間の前記第1方向の距離は、前記下接合部における前記第1接合部間の前記第1方向の距離と異なる、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の吸収性物品の収容体。 - 前記収容体は、互いに対向する上面及び下面を有し、
前記接合部は、前記上面に設けられた上接合部と、前記下面に設けられた下接合部と、を有しており、
前記上接合部における前記第1接合部の面積は、前記下接合部における前記第1接合部の面積よりも大きい、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の吸収性物品の収容体。 - 前記収容シートは、熱可塑性樹脂を有するベース層と、前記ベース層よりも外面側においてインクが付されたインク層と、を有し、
前記インクの融点は、前記ベース層の融点よりも高い、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の吸収性物品の収容体。
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JP2022068091A JP2023158324A (ja) | 2022-04-18 | 2022-04-18 | 吸収性物品の収容体 |
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JP2022068091A JP2023158324A (ja) | 2022-04-18 | 2022-04-18 | 吸収性物品の収容体 |
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JP2023158324A true JP2023158324A (ja) | 2023-10-30 |
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JP2022068091A Pending JP2023158324A (ja) | 2022-04-18 | 2022-04-18 | 吸収性物品の収容体 |
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2022
- 2022-04-18 JP JP2022068091A patent/JP2023158324A/ja active Pending
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