JP2023157731A - 半導体装置、発光装置、表示装置、光電変換装置、電子機器、照明装置、および、移動体 - Google Patents

半導体装置、発光装置、表示装置、光電変換装置、電子機器、照明装置、および、移動体 Download PDF

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Abstract

Figure 2023157731000001
【課題】半導体装置の小型化や信頼性向上のために、高精度なアライメントを実現するのに有利な技術を提供する。
【解決手段】複数の画素が配された画素領域と、アライメントマークおよび複数の端子が配された周辺領域と、が設けられた主面を有する素子基板を含む半導体装置であって、前記アライメントマークを覆い、かつ、前記複数の端子および前記複数の端子のそれぞれの端子の間を覆わない透明絶縁層を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置、発光装置、表示装置、光電変換装置、電子機器、照明装置、および、移動体に関する。
複数の画素と外部接続用の端子とが配された素子基板を備え、撮像や表示を行う半導体装置において、半導体装置の小型化に伴い、素子基板に配される外部接続用の端子のピッチを小さくなる。小さなピッチで配された外部接続用の端子を配線基板などの被接合体に設けられた端子などに接合するために、素子基板と被接合体との間のアライメントの精度を高くする必要がある。特許文献1には、突起状電極およびアライメントマークを被覆する封止樹脂層を有する半導体チップを、被接合体に高精度に接合させることが示されている。
特開2013-058548号公報
本発明は、半導体装置の小型化や信頼性向上のために、より高精度なアライメントを実現するのに有利な技術を提供することを目的とする。
上記課題に鑑みて、本発明の実施形態に係る半導体装置は、複数の画素が配された画素領域と、アライメントマークおよび複数の端子が配された周辺領域と、が設けられた主面を有する素子基板を含む半導体装置であって、前記アライメントマークを覆い、かつ、前記複数の端子および前記複数の端子のそれぞれの端子の間を覆わない透明絶縁層を備えることを特徴とする。
本発明によれば、半導体装置の小型化や信頼性向上のために、高精度なアライメントを実現するのに有利な技術を提供することができる。
本実施形態にかかる半導体装置の構成例を示す図。 図1の半導体装置の製造方法を示す図。 図1の半導体装置の変形例を示す図。 図3の半導体装置の変形例を示す図。 本実施形態の半導体装置を用いた表示装置の一例を示す図。 本実施形態の半導体装置を用いた光電変換装置の一例を示す図。 本実施形態の半導体装置を用いた電子機器の一例を示す図。 本実施形態の半導体装置を用いた表示装置の一例を示す図。 本実施形態の半導体装置を用いた照明装置の一例を示す図。 本実施形態の半導体装置を用いた移動体の一例を示す図。 本実施形態の半導体装置を用いたウェアラブルデバイスの一例を示す図。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
図1(a)、1(b)~図11(a)、11(b)を参照して、本開示の実施形態による半導体装置について説明する。図1(a)は、本実施形態における半導体装置800の構成例を示す平面図および平面図に示されるA-A’間の断面図である。図1(b)は、図1(a)の平面図に示されるY-Y’間の断面図である。半導体装置800は、複数の画素70が配された画素領域AAと、アライメントマーク50および複数の端子40が配された周辺領域PAと、が設けられた主面MSを有する素子基板100を含む。
図1(a)に示される構成において、画素領域AAは矩形状を有する。画素領域AAの対角長は、例えば、5~50mmであってもよい。周辺領域PAには、画素領域AAに配された画素を動作させるための回路が配されうる。例えば、複数の画素70のそれぞれが発光素子を含み、半導体装置800が発光装置として機能する場合、周辺領域PAには、画素70を駆動するための駆動回路や、画素70に入力する輝度信号を処理するDAC(デジタルアナログ変換回路)などの処理回路が配されうる。また、例えば、例えば、複数の画素70のそれぞれが光電変換素子を含み、半導体装置800が光電変換装置として機能する場合、周辺領域PAには、画素70を駆動するための駆動回路や、画素70から出力される信号を処理するDAC(デジタルアナログ変換回路)などの処理回路が配されうる。
以下、画素70のそれぞれが、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子などの発光素子を含み、半導体装置800が発光装置として機能する例を用いて説明する。しかしながら、これに限られることはなく発光素子には、例えば、無機EL素子、LED素子、半導体レーザ素子など、素子を流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子が用いられてもよい。また、半導体装置800が発光装置として機能する場合、上述のような自発光素子ではなく、半導体装置800が照明装置を含み、照明装置から出射される光を制御するLCD(液晶ディスプレイ)における液晶素子やDMD(デジタルミラーデバイス)における反射素子が、画素70として画素領域AAに配されていてもよい。また、上述のように、画素70のそれぞれが光電変換素子を含み、半導体装置800が光電変換装置として機能してもよい。
周辺領域PAは、画素領域AAの外側に位置し、非有効画素が設けられた領域を含んでいてもよい。非有効画素とは、例えば、ダミー画素でありうる。画素70に発光素子が含まれる場合、ダミー画素は発光しない、例えば、ダミー画素を流れる電流を測定する画素でありうる。また、例えば、画素70に光電変換素子が含まれる場合、ダミー画素は遮光されうる。このため、非有効画素は、基準素子、テスト素子、モニタ素子などとも呼ばれうる。
半導体装置800は、図1(b)に示されるように、複数の端子40のそれぞれに接続された複数の電極210を含む配線部材200と、複数の端子40と複数の電極210との間に配された接合部材300と、を含む。周辺領域PAに配されるアライメントマーク50は、複数の端子40と複数の電極210とを接続する際のアライメントに使用される。図1(a)ではアライメントマーク50を十字パターンで記載しているが、四角形パターンや丸パターンなど任意のパターンを用いることができる。素子基板100が、配線部材200を介して外部の電源や制御装置に接続されることによって、半導体装置800が動作しうる。
ここで、アライメントマーク50の上には、透明絶縁層80が配されている。透明絶縁層80は、アライメントマーク50を覆い、かつ、複数の端子40および複数の端子40のそれぞれの端子の間を覆わない。透明絶縁層80の詳細については後述する。
素子基板100の画素領域AAには、半導体素子20、配線パターン30、層間絶縁層60、画素70が配される。素子基板100の周辺領域PAには、端子40やアライメントマーク50、周辺回路(不図示)などが配される。素子基板100の基板10は、単結晶シリコンなどの半導体基板でありうる。半導体素子20は、トランジスタやダイオードであり、その少なくとも一部は基板10の中に配されうる。配線パターン30は、アルミニウムや銅などの導電体を用いた1層または多層の配線層に配されるパターンと、配線層間や配線層に配された配線パターンと半導体素子20とを接続するビアプラグやコンタクトプラグと、を含みうる。端子40は、何れかの配線層に配された配線パターン30を形成する際に、同時に形成されてもよい。端子40と配線パターン30のうち少なくとも一部とは、同じ配線層に配されているともいえる。層間絶縁層60は、酸化シリコンや窒化シリコン、炭化シリコンなどを含みうる。ここで、酸窒化シリコンや炭窒化シリコンは、窒素とシリコンを主たる元素とすることから、窒化シリコンの一種とみなす。
素子基板100の画素領域AAには、複数の画素70が配されている。図1(a)では、画素70は一体的に描かれているが、それぞれ発光素子を含み、任意の輝度で発光する。画素70は、各々が層間絶縁層60に設けられたビアを介して配線パターン30に接続され、配線パターン30を介して半導体素子20と電気的に接続している。図1(a)には図示されていないが、画素70の上には、水分や酸素などの浸入を抑制するためのパッシベーション膜やカラーフィルタ層、レンズ構造などを、適宜、設けることもできる。さらに、少なくとも画素領域AAを覆うように、ガラスやアクリルなどを用いた光透過性の対向基板を素子基板100の上に、適宜、配してもよい。
次いで、図1(b)を用いて、透明絶縁層80、アライメントマーク50、端子40の詳細について説明する。ここで、周辺領域PAのうちアライメントマーク50および端子40が配されている領域を端子領域と呼ぶ場合がある。素子基板100の端子領域には、端子40、層間絶縁層60、アライメントマーク50が設けられ、アライメントマーク50上には透明絶縁層80が設けられる。透明絶縁層80は、端子40の上や端子40間には配されない。後述するように、透明絶縁層80を端子40上や端子40間には配さないことでアライメントエラーを低減することができる。透明絶縁層80は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの透明な無機材料によって構成されていてもよい。また、透明絶縁層80は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの透明な樹脂材料によって構成されていてもよい。
配線部材200の素子基板100と対向する面側に設けられた電極210が、接合部材300を介して端子40に電気的に接合される。配線部材200は、リジット基板やフレキシブル基板などの配線基板であってもよい。例えば、配線部材200は、配線パターンが設けられたガラスエポキシ基板やポリイミドフィルムなどのフレキシブル回路基板であり、フレキシブル回路基板の主面には銅などを用いた電極210が配されている。また、配線部材200に、画素領域AAを動作させるための駆動回路チップなどが配されていてもよい。接合部材300は、半田やACF(異方性導電性フィルム)などの導電部材でありうる。図1(b)に示される構成では、接合部材300としてACFが用いられる例が示されている。また、素子基板100の端子40と上述の駆動回路チップなどの端子とを、金などのワイヤを用いて電気的に接合する場合、配線部材200および接合部材300は、このワイヤに含まれる。
本実施形態において、図1(b)に示されるように、透明絶縁層80をアライメントマーク50の上およびアライメントマーク50の周辺にのみ配し、端子40の上およびそれぞれの端子40の間を覆わない。また、端子40の表面は、層間絶縁層60の表面よりも突出している。つまり、素子基板100における配線部材200の電極210と対向する端子領域では、端子40の表面が最も突出した状態になっている。例えば、ACF接合において、樹脂バインダ中の導電粒子が、端子40と、配線部材200の電極210と、の間に挟み込まれ圧着されることで電気的な接合がなされる。
このとき、特許文献1に示されるように、端子40間に透明絶縁層80が配された場合、透明絶縁層80によって端子領域の全体に均一に圧力が掛かりやすくなる。つまり、素子基板100の端子40と配線部材200の電極210との間の圧力が、掛かり難くなってしまう。また、配線部材200の電極210が、端子40間を覆う透明絶縁層80に乗り上げる(接触する)ことで接合不良が発生しやすくなる。例えば、電極210と電極210が接した透明絶縁層80との間に働く応力によって、配線部材200の電極210を、対応する端子40に対して正確にアライメントできなくなってしまう可能性がある。一方、本実施形態において、端子40および端子40間を透明絶縁層80が覆わない。このため、端子40の表面が突出し、端子40によって局所的に接合部材300に圧力を加えることができ、端子40と電極210との間の電気的な接合の確実性が高くなる。また、電極210が透明絶縁層80に接触することに起因するアライメントずれも抑制される。結果として、素子基板100の端子40と配線部材200の電極210との間の電気的な接合不良が発生することが抑制できる。
また、透明絶縁層80は、アライメントマーク50を覆っている。半導体装置800の製造工程において、アライメントマーク50は、現像工程やフォトレジストの剥離工程などで薬液に曝露される可能性がある。また、ドライエッチング工程やアッシング工程では、アライメントマーク50は、プラズマ中で反応性ガスに曝露される可能性がある。そこで、アライメントマーク50上を透明絶縁層80によって覆い、半導体装置800の製造工程におけるアライメントマーク50の変質や損傷を抑制することができる。つまり、素子基板100と配線部材200とを接続する際などのアライメント工程において、アライメントマーク50が変質してしまい認識されないなどアライメントエラーが起きることが抑制される。また、アライメントマーク50が損傷してしまわないため、アライメントマーク50の形状が保たれ、高精度にアライメントを実施することが可能になる。
このように、透明絶縁層80が、アライメントマーク50を覆い、かつ、複数の端子40および複数の端子40のそれぞれの端子の間を覆わない。これによって、半導体装置800を製造する際の素子基板100と配線部材200との間のアライメントの高精度化や接合不良の抑制が実現できる。結果として、半導体装置800の信頼性を向上させることができる。
次に、図2(a)~2(c)を用いて、半導体装置800の製造方法について説明する。ここでは、一例として、画素70にそれぞれ有機EL素子が配された発光装置として機能する半導体装置800の製造方法を説明する。図2(a)~2(c)には、それぞれ画素領域AAと周辺領域PAのうち端子領域との断面図が示されている。
図2(a)は、素子基板100の画素70の発光素子を形成する工程が完了した時点の断面を示している。まず、シリコンなどの半導体を用いた基板10に、トランジスタなどの半導体素子20が形成される。ここで、素子基板100の主面MSとは、基板10の半導体素子20や画素70が形成される面と定義する。素子基板100は、基板10の主面(主面MS)の上にそれぞれの構成要素が配され、基板10の主面(主面MS)が、それぞれの構成要素を配する際の基準となりうるためである。半導体素子20は、少なくとも画素領域AAに形成される。次いで、基板10および半導体素子20の上に、層間絶縁層60が形成される。層間絶縁層60には、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコンなどが用いられる。層間絶縁層60は、画素領域AAだけでなく周辺領域PAにも設けられる。層間絶縁層60には、半導体素子20に電気的に接続されたコンタクトプラグが配されている。コンタクトプラグには、タングステンなどの導電部材が用いられうる。層間絶縁層60には、コンタクトプラグを介して半導体素子20に電気的に接続される配線パターン30が設けられている。配線パターン30には、例えば、アルミニウム、銅などの金属が用いられる。この場合、層間絶縁層60への金属拡散を抑制するために、層間絶縁層60と配線パターン30との界面にチタン、タンタル、窒化チタン、窒化タンタルなどを用いたバリア層が設けられてもよい。
素子基板100の周辺領域PAには、配線パターン30が配される配線層のうち何れかの層と同層で端子40およびアライメントマーク50が形成されうる。図2(a)に示される段階において、端子40およびアライメントマーク50の上を覆う層間絶縁層60は取り除かれ、端子40およびアライメントマーク50は、露出した状態になっている。アライメントマーク50を配線パターン30と同時に形成する場合、アライメントマーク50の最表面にバリア層として用いる窒化チタンなどの低反射性の材料が残存し、アライメントマーク50の視認性が低下してしまう可能性がある。そこで、アライメントマーク50の視認性を向上させるために、アライメントマーク50を配線パターン30と同時に形成した後に、アライメントマーク50を覆う層間絶縁層60をエッチングする。次いで、アライメントマーク50上の窒化チタンなどのバリア層を除去してもよい。
画素領域AAにおいて、層間絶縁層60の上には、有機EL素子を含む画素70が設けられる。画素70は、配線パターン30に電気的に接続されうる。また、画素70は、半導体素子20に電気的に接続されうる。画素70が備える有機EL素子は、画素電極、対向電極、画素電極と対向電極との間に配される有機発光層を含みうる。有機発光層は、例えば、白色発光してもよい。互いに隣接する画素70の間には、画素電極の段差による有機EL素子間のショートを抑制するために画素分離層110が配されていてもよい。画素電極から正孔を注入、輸送しやすくするために正孔注入層、正孔輸送層を有機発光層と画素電極との間に形成してもよい。また対向電極から電子を注入、輸送しやすくするために電子輸送層、電子注入層を有機発光層と対向電極との間に形成してもよい。
図2(b)は、素子基板100と配線部材200とを電気的に接続するアライメント工程の前の素子基板100の断面を示している。画素70の上には、水分が有機EL素子まで浸透することを抑制するための封止層120が形成される。本実施形態において、周辺領域PAに配されたアライメントマーク50の上に画素70の上に配される封止層120を設けることによって、封止層120が透明絶縁層80として用いられる。透明絶縁層80が、アライメントマーク50だけでなく、複数の画素70をさらに覆うともいえる。透明絶縁層80と封止層120とを同時に形成することによって、工程を追加することなく、アライメントマーク50を覆う透明絶縁層80を形成することができる。
封止層120および透明絶縁層80として、透明な無機絶縁膜であれば任意の材料を用いることができる。本実施形態において、封止層120および透明絶縁層80に窒化シリコンが用いられ、膜厚は1.5μmとした。封止層120および透明絶縁層80の透過率は、可視光波長範囲(400~650nm)において、例えば、80%以上であってもよく、さらに、アライメントマーク50の視認性を向上させるために、90%以上であってもよい。
封止層120の膜厚が厚い場合、アライメントマーク50の視認性が低下してしまう可能性がある。この場合、アライメントマーク50上の封止層120をエッチングし、薄化することによって透明絶縁層80としてもよい。また、例えば、複数の画素70を覆うように複数の封止層120が配されている場合、複数の封止層120のうちアライメントマーク50に当接する一層のみを残して上層をエッチングし、透明絶縁層80としてもよい。透明絶縁層80が、複数の封止層120のうち1つの層を構成するともいえる。これによって、透明絶縁層80の可視光波長領域の透過率の低下が抑制できる。
次いで、封止層120の上に樹脂平坦化層130が形成される。図2(b)では、封止層120の上面は、平坦に描かれているが、それぞれの画素70間には有機EL素子や画素分離層110の凹凸がある。後述するカラーフィルタ層の形成工程におけるパターニング精度を上げるために、樹脂平坦化層130を形成し、封止層120の上面の凹凸を平坦化する。樹脂平坦化層130として、透明であれば任意の樹脂材料を用いることができる。本実施形態において、樹脂平坦化層130は、UV硬化型のアクリル樹脂を用い、画素領域AAと、端子領域を除く周辺領域PAに形成する。樹脂平坦化層130の膜厚は、例えば、0.5μm程度であってもよい。
樹脂平坦化層130の上には、複数の画素70を覆うカラーフィルタ層140(着色層とも呼ばれうる)が配される。上述のように、封止層120と透明絶縁層80とに同時に形成した絶縁膜を用いる工程を採用した場合、透明絶縁層80は、複数の画素70とカラーフィルタ層140との間に配されるともいえる。カラーフィルタ層140は、複数の色のカラーフィルタを含む。例えば、赤色の光を透過する赤色カラーフィルタ140R、緑色の光を透過する緑色カラーフィルタ140G、青色の光を透過する青色カラーフィルタ140Bを含んでいてもよい。本実施形態において、画素70に配される有機EL素子は白色の光を放ち、画素70毎にRGBのカラーフィルタ層140を配することによってカラー表示をすることができる。カラーフィルタ層140の上に、光取り出し効率を高めるためのレンズ構造などを別途、設けてもよい。
図2(c)は、素子基板100と配線部材200とを接合部材300を介して接合した際の断面を示している。図2(c)に示されるように、素子基板100の周辺領域PAの端子領域において、素子基板100の端子40と配線部材200の電極210が接合部材300を介して電気的に接合される。本実施形態において、配線部材200としてフレキシブル配線基板を用い、接合部材300として異方導電性フィルム(ACF)テープを用いた。配線部材200の電極210が形成された面を素子基板100に対向させ、素子基板100に配されたアライメントマーク50と配線部材200に配されたアライメントマーク220とを用いて位置合わせを行った後に、配線部材200の電極210と素子基板100の端子40とを接合部材300を介して熱圧着する。このとき、画素70に配された有機EL素子が熱で劣化しないように熱圧着温度は100℃にしてもよい。接合部材300は、エポキシ樹脂バインダ中に導電粒子CPを含有しており、配線部材200の電極210と素子基板100の端子40との間に導電粒子CPが挟み込まれることで電気的に接合される。以上の工程を含み、本実施形態の発光装置として機能する半導体装置800が完成する。
本実施形態において、素子基板100の周辺領域PAに配される端子領域において、透明絶縁層80は、アライメントマーク50の上を覆い、端子40の上およびそれぞれの端子40の間を覆わない。そのため、素子基板100の端子40と配線部材200の電極210との間の圧着による電気的な接合をより確実に実現できる。また、配線部材200の電極210が端子40間に配された透明絶縁層80に乗り上げることによる接合不良が抑制できる。
また、図2(c)に示されるように、素子基板100の主面MSに対する正射影において、透明絶縁層80と接合部材300とは重ならないように配されていてもよい。接合部材300が、透明絶縁層80に重畳しないように形成されることで、熱圧着時にACF中に含有される導電粒子CPによって透明絶縁層80にクラックが発生することを抑制できる。さらに、ACFの樹脂バインダは、熱圧着中に軟化し外周方向(図2(c)の左右方向)にはみ出そうとする。しかしながら、透明絶縁層80によってACFの樹脂バインダは堰き止められ、樹脂バインダの不要なはみ出しを抑制することができる。
上述したように、本実施形態では、封止層120をアライメントマーク50上にも形成し、透明絶縁層80として用いることを説明した。しかしながら、これに限られることはない。例えば、樹脂平坦化層130が、アライメントマーク50上に形成され、透明絶縁層80として用いられてもよい。この場合、透明絶縁層80は、樹脂材料によって構成される。
以上のように、本実施形態によると、アライメントマーク50を透明絶縁層80で覆うことによって、製造工程におけるアライメントマーク50の変質や損傷を抑制し、アライメントマーク50が認識されずにアライメントエラーが発生することを抑制する。さらに、端子40およびそれぞれの端子40の間に、透明絶縁層80を配さないことによって、素子基板100と配線部材200との接合を高精度かつ高品質に行うことが可能となる。それによって、半導体装置800の小型化に伴う端子40間隔の狭ピッチ化に対応しつつ、半導体装置800の信頼性を向上させることができる。
次に図3(a)、3(b)を用いて、半導体装置800の素子基板100の変形例について説明する。図3(a)は、半導体装置800’の平面図、図3(b)は、図3(a)のY-Y’間の断面図である。半導体装置800’は、素子基板100の主面MSに対する正射影において、アライメントマーク50の外縁を取り囲むように遮光部材90を備えている。また、アライメントマーク50が、透明絶縁層80によって覆われていない点が、上述の半導体装置800と異なる。これ以外の半導体装置800’の構成は、半導体装置800と同様であってもよいため、以下、異なる点を中心に説明する。
上述において、素子基板100(半導体装置800)を製造する工程中に、素子基板100に配されたアライメントマーク50が薬液や反応性ガスに曝されないように、透明絶縁層80がアライメントマーク50を覆うことを説明した。しかしながら、素子基板100(半導体装置800)の製造工程に依存して、必ずしもアライメントマーク50が薬液や反応性ガスに曝されるとは限らない。例えば、アライメントマーク50を形成した後に、アライメントマーク50が薬液や反応性ガスに曝される工程を設けない場合が考えられる。また、例えば、アライメントマーク50の形成後の工程において用いられる薬液や反応性ガスが、アライメントマーク50を変質させない場合がある。さらに、例えば、透明絶縁層80を素子基板100と配線部材200との接合前に除去する工程が含まれる場合がある。このような場合、図3(b)に示されるように、アライメントマーク50は、露出していてもよい。また、図4(a)~4(c)を用いて後述するが、アライメントマーク50が透明絶縁層80によって覆われ、さらに、遮光部材90が配されていてもよい。
図3(a)、3(b)に示されるように、周辺領域PAの端子領域において、層間絶縁層60の上に、端子40およびアライメントマーク50が設けられ、アライメントマーク50の外周を取り囲むように遮光部材90が設けられる。遮光部材90は、複数の端子40および複数の端子40のそれぞれの端子の間を覆わない。
素子基板100と配線部材200とを接合する際のアライメント工程において、素子基板100に設けられたアライメントマーク50に白色光などの照明光が当てられる。次いで、CCDカメラなどを用いて、アライメントマーク50とアライメントマーク50の周囲との反射光の差(コントラスト)からアライメントマーク50が認識される。アライメントマーク50とアライメントマーク50の周囲との反射光の差が小さい場合、アライメントマーク50の端を正確に検出できず、アライメントずれやアライメントエラーの要因になりうる。
層間絶縁層60は、光透過性の無機材料でありうる。そのため、アライメントマーク50の周囲において基板10(例えば、シリコン基板)からの反射光によってアライメントマーク50の視認性が低下してしまう可能性がある。
また、周辺領域PAにおいて、素子基板100の主面MSとアライメントマーク50との間の層に、複数の配線パターン30が配される場合がある。より具体的には、ダマシンプロセスを用いて銅の配線パターン30を形成する場合、基板面内で配線パターン30の密度の差が大きくなると、CMP(Chemical Mechanical Polishing)工程でディッシングやエロ―ジョンなどの不良が発生する可能性がある。ディッシングやエロージョンを抑制するために、図3(b)に示されるように、周辺領域PAの端子領域などにも、層間絶縁層60内に配線パターン30が配される場合がある。周辺領域PAの端子領域に配される配線パターン30は、ディッシングやエロ―ジョンを抑制するためのダミーパターンであってもよい。周辺領域PAの端子領域に配される配線パターン30によって、アライメントマーク50の周囲は、基板10からの反射光に加えて、配線パターン30からの反射光があり、アライメントマーク50の視認性が低下する要因になる。
本実施形態において、アライメントマーク50の周辺を取り囲むように遮光性の遮光部材90が配される。それによって、基板10からの反射光や配線パターン30からの反射光を抑制することができる。その結果、アライメントマーク50の視認性が向上し、アライメントエラーを抑制し、かつ、配線部材200とのアライメント精度を向上させることができる。結果として、半導体装置800’の信頼性を向上させることができる。
図4(a)~4(c)は、素子基板100の周辺領域PAの端子領域の断面図の変形例を示している。図4(a)に示されるように、アライメントマーク50を覆い、かつ、複数の端子40および複数の端子40のそれぞれの端子の間を覆わない、上述の透明絶縁層80が配されていてもよい。この場合、図4(a)に示されるように、遮光部材90が、透明絶縁層80によって覆われていてもよい。半導体装置800’の製造工程において、アライメントマーク50が薬液や反応性ガスに曝されることによって変質や損傷する場合に、有効な構造である。また、図4(a)に示される構成によって、遮光部材90の変質や損傷による遮光性の低下も抑制することができる。
また、半導体装置800’の製造工程において、遮光部材90の変質や損傷などが抑制された工程を用いることができる場合など、図4(b)に示されるように、遮光部材90を透明絶縁層80の上に形成してもよい。換言すると、アライメントマーク50と遮光部材90との間の層に透明絶縁層80が配されていてもよい。図4(b)に示される構成において、例えば、アライメントマーク50を形成した直後にアライメントマーク50を透明絶縁層80で被覆してもよい。この場合、製造工程におけるアライメントマーク50の変質や損傷を最小限に抑えることが可能となる。また、後述するように、遮光部材90としてカラーフィルタ層140を用い、透明絶縁層80として樹脂平坦化層130を用いる場合、樹脂平坦化層130とカラーフィルタ層140とを順次、形成することによって工程を追加することなく図4(b)に示される構造を得ることができる。
さらに、図4(c)に示されるように、遮光部材90は、素子基板100の主面MSとアライメントマーク50との間の層に配されていてもよい。層間絶縁層60の内部に遮光部材90を設けるため、遮光部材90として使用できる材料は限定されるが、例えば、上述のバリア層に用いられる窒化チタンなどの低反射性の材料を遮光部材90に用いることができる。
また、遮光部材90は、低反射性で遮光性のある任意の材料を用いることができる。例えば、遮光部材90が、カーボンブラックなどを含有した黒色の樹脂や、カラーフィルタ層140、バリア層に用いる窒化チタンを含んでいてもよい。図3(a)、3(b)および図4(a)~4(c)に示される各構成の製造工程に適した材料が、適宜、選択されてもよい。また、それぞれが組み合わされて使用されてもよい。例えば、図4(a)に示される位置に黒色の樹脂が配され、図4(b)に示される位置にカラーフィルタ層140に使用される何れかのカラーフィルタがさらに配され、図4(c)に示される位置にバリア層に用いる窒化チタンが追加して配されていてもよい。
ここで、カラーフィルタ層140を遮光部材90として用いる場合について説明する。上述のようにカラーフィルタ層140は、複数の色のカラーフィルタを含む。このとき、複数の色のカラーフィルタのうち1色以上のカラーフィルタが、遮光部材90として機能してもよい。例えば、カラーフィルタ層140のうち最も視認しにくいカラーフィルタは、青色カラーフィルタ140Bである。したがって、遮光部材90が、複数の色のカラーフィルタのうち青色の光を透過する青色カラーフィルタ140Bを含んでいてもよい。また、複数色のカラーフィルタを積層させ、より黒色に近くしてもよい。例えば、青色カラーフィルタ140Bと赤色カラーフィルタ140Rを積層することによって、黒色に近い遮光部材90を形成することができる。さらに、RGB3色のカラーフィルタを積層してもよい。
このように、アライメントマーク50の周辺を取り囲むように遮光部材90を設けることで、アライメントマーク50の視認性が向上する。また、透明絶縁層80と遮光部材90とを組み合わせることによって、アライメントマーク50が製造中に変質や損傷によって認識し難くなることが抑制できる。それによって、半導体装置800を製造する際の素子基板100と配線部材200との間のアライメントの高精度化や接合不良の抑制が実現できる。結果として、半導体装置800の信頼性を向上させることができる。
ここで、画素70に発光素子として有機EL素子が配され、発光装置として機能する本実施形態の半導体装置800、800’を表示装置、光電変換装置、電子機器、照明装置、移動体、および、ウェアラブルデバイスに適用した応用例について図5~図11(a)、11(b)を用いて説明する。まず、上述の発光装置として機能する半導体装置800、800’の各構成の詳細や変形例を示した後に、応用例を説明する。
有機発光素子の構成
有機発光素子は、基板の上に、絶縁層、第一電極、有機化合物層、第二電極を形成して設けられる。陰極の上には、保護層、カラーフィルタ、マイクロレンズ等を設けてよい。カラーフィルタを設ける場合は、保護層との間に平坦化層を設けてよい。平坦化層はアクリル樹脂等で構成することができる。カラーフィルタとマイクロレンズとの間において、平坦化層を設ける場合も同様である。
基板
基板は、石英、ガラス、シリコンウエハ、樹脂、金属等が挙げられる。また、基板上には、トランジスタなどのスイッチング素子や配線を備え、その上に絶縁層を備えてもよい。絶縁層としては、第一電極との間に配線が形成可能なように、コンタクトホールを形成可能で、かつ接続しない配線との絶縁を確保できれば、材料は問わない。例えば、ポリイミド等の樹脂、酸化シリコン、窒化シリコンなどを用いることができる。
電極
電極は、一対の電極を用いることができる。一対の電極は、陽極と陰極であってよい。有機発光素子が発光する方向に電界を印加する場合に、電位が高い電極が陽極であり、他方が陰極である。また、発光層にホールを供給する電極が陽極であり、電子を供給する電極が陰極であるということもできる。
陽極の構成材料としては仕事関数がなるべく大きいものが良い。例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム、タングステン、等の金属単体やこれらを含む混合物、あるいはこれらを組み合わせた合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が使用できる。またポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマーも使用できる。
これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また、陽極は一層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。
反射電極として用いる場合には、例えばクロム、アルミニウム、銀、チタン、タングステン、モリブデン、又はこれらの合金、積層したものなどを用いることができる。上記の材料にて、電極としての役割を有さない、反射膜として機能することも可能である。また、透明電極として用いる場合には、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛などの酸化物透明導電層などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。電極の形成には、フォトリソグラフィ技術を用いることができる。
一方、陰極の構成材料としては仕事関数の小さなものがよい。例えばリチウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、チタニウム、マンガン、銀、鉛、クロム等の金属単体またはこれらを含む混合物が挙げられる。あるいはこれら金属単体を組み合わせた合金も使用することができる。例えばマグネシウム-銀、アルミニウム-リチウム、アルミニウム-マグネシウム、銀-銅、亜鉛-銀等が使用できる。酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化物の利用も可能である。これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また陰極は一層構成でもよく、多層構成でもよい。中でも銀を用いることが好ましく、銀の凝集を低減するため、銀合金とすることがさらに好ましい。銀の凝集が低減できれば、合金の比率は問わない。例えば、銀:他の金属が、1:1、3:1等であってよい。
陰極は、ITOなどの酸化物導電層を使用してトップエミッション素子としてもよいし、アルミニウム(Al)などの反射電極を使用してボトムエミッション素子としてもよいし、特に限定されない。陰極の形成方法としては、特に限定されないが、直流及び交流スパッタリング法などを用いると、膜のカバレッジがよく、抵抗を下げやすいためより好ましい。
有機化合物層
有機化合物層は、単層で形成されても、複数層で形成されてもよい。複数層を有する場合には、その機能によって、ホール注入層、ホール輸送層、電子ブロッキング層、発光層、ホールブロッキング層、電子輸送層、電子注入層、と呼ばれてよい。有機化合物層は、主に有機化合物で構成されるが、無機原子、無機化合物を含んでいてもよい。例えば、銅、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、イリジウム、白金、モリブデン、亜鉛等を有してよい。有機化合物層は、第一電極と第二電極との間に配置されてよく、第一電極及び第二電極に接して配されてよい。
保護層
陰極の上に、保護層を設けてもよい。例えば、陰極上に吸湿剤を設けたガラスを接着することで、有機化合物層に対する水等の浸入を低減し、表示不良の発生を低減することができる。また、別の実施形態としては、陰極上に窒化ケイ素等のパッシベーション膜を設け、有機化合物層に対する水等の浸入を低減してもよい。例えば、陰極を形成後に真空を破らずに別のチャンバーに搬送し、CVD法で厚さ2μmの窒化ケイ素膜を形成することで、保護層としてもよい。CVD法の成膜の後で原子堆積法(ALD法)を用いた保護層を設けてもよい。ALD法による膜の材料は限定されないが、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等であってよい。ALD法で形成した膜の上に、さらにCVD法で窒化ケイ素を形成してよい。ALD法による膜は、CVD法で形成した膜よりも小さい膜厚であってよい。具体的には、50%以下、さらには、10%以下であってよい。
カラーフィルタ
保護層の上にカラーフィルタを設けてもよい。例えば、有機発光素子のサイズを考慮したカラーフィルタを別の基板上に設け、それと有機発光素子を設けた基板と貼り合わせてもよいし、上記で示した保護層上にフォトリソグラフィ技術を用いて、カラーフィルタをパターニングしてもよい。カラーフィルタは、高分子で構成されてよい。
平坦化層
カラーフィルタと保護層との間に平坦化層を有してもよい。平坦化層は、下の層の凹凸を低減する目的で設けられる。目的を制限せずに、材質樹脂層と呼ばれる場合もある。平坦化層は有機化合物で構成されてよく、低分子であっても、高分子であってもよいが、高分子であることが好ましい。
平坦化層は、カラーフィルタの上下に設けられてもよく、その構成材料は同じであっても異なってもよい。具体的には、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂等があげられる。
マイクロレンズ
有機発光装置は、その光出射側にマイクロレンズ等の光学部材を有してよい。マイクロレンズは、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等で構成されうる。マイクロレンズは、有機発光装置から取り出す光量の増加、取り出す光の方向の制御を目的としてよい。マイクロレンズは、半球の形状を有してよい。半球の形状を有する場合、当該半球に接する接線のうち、絶縁層と平行になる接線があり、その接線と半球との接点がマイクロレンズの頂点である。マイクロレンズの頂点は、任意の断面図においても同様に決定することができる。つまり、断面図におけるマイクロレンズの半円に接する接線のうち、絶縁層と平行になる接線があり、その接線と半円との接点がマイクロレンズの頂点である。
また、マイクロレンズの中点を定義することもできる。マイクロレンズの断面において、円弧の形状が終了する点から別の円弧の形状が終了する点までの線分を仮想し、当該線分の中点がマイクロレンズの中点と呼ぶことができる。頂点、中点を判別する断面は、絶縁層に垂直な断面であってよい。
対向基板
平坦化層の上には、対向基板を有してよい。対向基板は、前述の基板と対応する位置に設けられるため、対向基板と呼ばれる。対向基板の構成材料は、前述の基板と同じであってよい。対向基板は、前述の基板を第一基板とした場合、第二基板であってよい。
有機層
本発明の一実施形態に係る有機発光素子を構成する有機化合物層(正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層等)は、以下に示す方法により形成される。
本発明の一実施形態に係る有機発光素子を構成する有機化合物層は、真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマ等のドライプロセスを用いることができる。またドライプロセスに代えて、適当な溶媒に溶解させて公知の塗布法(例えば、スピンコーティング、ディッピング、キャスト法、LB法、インクジェット法等)により層を形成するウェットプロセスを用いることもできる。
ここで真空蒸着法や溶液塗布法等によって層を形成すると、結晶化等が起こりにくく経時安定性に優れる。また塗布法で成膜する場合は、適当なバインダ樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
上記バインダ樹脂としては、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらバインダ樹脂は、ホモポリマー又は共重合体として一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用してもよい。
画素回路
発光装置は、発光素子に接続されている画素回路を有してよい。画素回路は、第一の発光素子、第二の発光素子をそれぞれ独立に発光制御するアクティブマトリックス型であってよい。アクティブマトリックス型の回路は電圧プログラミングであっても、電流プログラミングであってもよい。駆動回路は、画素毎に画素回路を有する。画素回路は、発光素子、発光素子の発光輝度を制御するトランジスタ、発光タイミングを制御するトランジスタ、発光輝度を制御するトランジスタのゲート電圧を保持する容量、発光素子を介さずにGNDに接続するためのトランジスタを有してよい。
発光装置は、表示領域と、表示領域の周囲に配されている周辺領域とを有する。表示領域には画素回路を有し、周辺領域には表示制御回路を有する。画素回路を構成するトランジスタの移動度は、表示制御回路を構成するトランジスタの移動度よりも小さくてよい。
画素回路を構成するトランジスタの電流電圧特性の傾きは、表示制御回路を構成するトランジスタの電流電圧特性の傾きよりも小さくてよい。電流電圧特性の傾きは、いわゆるVg-Ig特性により測定できる。
画素回路を構成するトランジスタは、第一の発光素子など、発光素子に接続されているトランジスタである。
画素
有機発光装置は、複数の画素を有する。画素は互いに他と異なる色を発光する副画素を有する。副画素は、例えば、それぞれRGBの発光色を有してよい。
画素は、画素開口とも呼ばれる領域が、発光する。この領域は第一領域と同じである。画素開口は15μm以下であってよく、5μm以上であってよい。より具体的には、11μm、9.5μm、7.4μm、6.4μm等であってよい。
副画素間は、10μm以下であってよく、具体的には、8μm、7.4μm、6.4μmであってよい。
画素は、平面図において、公知の配置形態をとりうる。例えば、ストライプ配置、デルタ配置、ペンタイル配置、ベイヤー配置であってよい。副画素の平面図における形状は、公知のいずれの形状をとってもよい。例えば、長方形、ひし形等の四角形、六角形、等である。もちろん、正確な図形ではなく、長方形に近い形をしていれば、長方形に含まれる。副画素の形状と、画素配列と、を組み合わせて用いることができる。
本発明の一実施形態に係る有機発光素子の用途
本発明の一実施形態に係る有機発光素子は、表示装置や照明装置の構成部材として用いることができる。他にも、電子写真方式の画像形成装置の露光光源や液晶表示装置のバックライト、白色光源にカラーフィルタを有する発光装置等の用途がある。
表示装置は、エリアCCD、リニアCCD、メモリーカード等からの画像情報を入力する画像入力部を有し、入力された情報を処理する情報処理部を有し、入力された画像を表示部に表示する画像情報処理装置でもよい。
また、撮像装置やインクジェットプリンタが有する表示部は、タッチパネル機能を有していてもよい。このタッチパネル機能の駆動方式は、赤外線方式でも、静電容量方式でも、抵抗膜方式であっても、電磁誘導方式であってもよく、特に限定されない。また表示装置はマルチファンクションプリンタの表示部に用いられてもよい。
以下、図5~図11(a)、11(b)を用いて詳細に説明する。
図5は、本実施形態の発光装置として機能する半導体装置800、800’を用いた表示装置の一例を表す模式図である。表示装置1000は、上部カバー1001と、下部カバー1009と、の間に、タッチパネル1003、表示パネル1005、フレーム1006、回路基板1007、バッテリー1008を有していてもよい。タッチパネル1003および表示パネル1005は、フレキシブルプリント回路FPC1002、1004が接続されている。回路基板1007には、トランジスタなどの能動素子が配される。バッテリー1008は、表示装置1000が携帯機器でなければ、設けなくてもよいし、携帯機器であっても、この位置に設ける必要はない。表示パネル1005に、半導体装置800、800’が適用できる。表示パネル1005として機能する半導体装置800、800’の画素領域AAは、回路基板1007に配されたトランジスタなどの能動素子と接続され動作する。
図5に示される表示装置1000は、複数のレンズを有する光学部と、当該光学部を通過した光を受光し電気信号に光電変換する撮像素子とを有する光電変換装置(撮像装置)の表示部に用いられてもよい。光電変換装置は、撮像素子が取得した情報を表示する表示部を有してもよい。また、表示部は、光電変換装置の外部に露出した表示部であっても、ファインダ内に配置された表示部であってもよい。光電変換装置は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラであってもよい。
図6は、本実施形態の発光装置として機能する半導体装置800、800’を用いた光電変換装置の一例を表す模式図である。光電変換装置1100は、ビューファインダ1101、背面ディスプレイ1102、操作部1103、筐体1104を有してよい。光電変換装置1100は、撮像装置とも呼ばれうる。表示部であるビューファインダ1101や背面ディスプレイ1102に、本実施形態の半導体装置800、800’が適用できる。この場合、半導体装置800、800’の画素領域AAは、撮像する画像のみならず、環境情報、撮像指示などを表示してもよい。環境情報には、外光の強度、外光の向き、被写体の動く速度、被写体が遮蔽物に遮蔽される可能性などであってよい。
撮像に適するタイミングはわずかな時間である場合が多いため、少しでも早く情報を表示した方がよい。したがって、有機EL素子などの有機発光材料が画素70に配された発光装置として機能する半導体装置800、800’がビューファインダ1101や背面ディスプレイ1102に用いられてもよい。有機発光材料は応答速度が速いためである。有機発光材料を用いた発光装置として機能する半導体装置800、800’は、表示速度が求められる、これらの装置に、液晶表示装置よりも適している。
光電変換装置1100は、不図示の光学部を有する。光学部は複数のレンズを有し、光学部を通過した光を受光する筐体1104内に収容されている光電変換素子(不図示)に結像する。複数のレンズは、その相対位置を調整することで、焦点を調整することができる。この操作を自動で行うこともできる。
発光装置として機能する半導体装置800、800’、は、電子機器の表示部に適用されてもよい。その際には、表示機能と操作機能との双方を有してもよい。携帯端末としては、スマートフォンなどの携帯電話、タブレット、ヘッドマウントディスプレイなどが挙げられる。
図7は、本実施形態の発光装置として機能する半導体装置800、800’を用いた電子機器の一例を表す模式図である。電子機器1200は、表示部1201と、操作部1202と、筐体1203を有する。筐体1203には、回路、当該回路を有するプリント基板、バッテリー、通信部を有してよい。操作部1202は、ボタンであってもよいし、タッチパネル方式の反応部であってもよい。操作部1202は、指紋を認識してロックの解除等を行う、生体認識部であってもよい。通信部を有する携帯機器は通信機器ということもできる。表示部1201に、本実施形態の半導体装置800、800’が適用できる。
図8(a)、8(b)は、本実施形態の発光装置として機能する半導体装置800、800’を用いた表示装置の一例を表す模式図である。図8(a)は、テレビモニタやPCモニタなどの表示装置である。表示装置1300は、額縁1301を有し表示部1302を有する。表示部1302に、本実施形態の半導体装置800、800’が適用できる。表示装置1300は、額縁1301と表示部1302とを支える土台1303を有していてもよい。土台1303は、図8(a)の形態に限られない。例えば、額縁1301の下辺が土台1303を兼ねていてもよい。また、額縁1301および表示部1302は、曲がっていてもよい。その曲率半径は、5000mm以上6000mm以下であってよい。
図8(b)は、本実施形態の発光装置として機能する半導体装置800、800’を用いた表示装置の他の一例を表す模式図である。図8(b)の表示装置1310は、折り曲げ可能に構成されており、いわゆるフォルダブルな表示装置である。表示装置1310は、第1表示部1311、第2表示部1312、筐体1313、屈曲点1314を有する。第1表示部1311と第2表示部1312とに、本実施形態の半導体装置800、800’が適用できる。第1表示部1311と第2表示部1312とは、つなぎ目のない1枚の表示装置であってよい。第1表示部1311と第2表示部1312とは、屈曲点で分けることができる。第1表示部1311と第2表示部1312とは、それぞれ異なる画像を表示してもよいし、第1表示部と第2表示部とで1つの画像を表示してもよい。
図9は、本実施形態の発光装置として機能する半導体装置800、800’を用いた照明装置の一例を表す模式図である。照明装置1400は、筐体1401と、光源1402と、回路基板1403と、光学フィルム1404と、光拡散部1405と、を有していてもよい。光源1402に、本実施形態の半導体装置800、800’が適用できる。光学フィルム1404は光源の演色性を向上させるフィルタであってよい。光拡散部1405は、ライトアップなど、光源の光を効果的に拡散し、広い範囲に光を届けることができる。必要に応じて、最外部にカバーを設けてもよい。照明装置1400は、光学フィルム1404と光拡散部1405との両方を有していてもよいし、何れか一方のみを有していてもよい。
照明装置1400は例えば室内を照明する装置である。照明装置1400は白色、昼白色、その他青から赤のいずれの色を発光するものであってよい。それらを調光する調光回路を有してよい。照明装置1400は、光源1402として機能する半導体装置800、800’の画素領域AAに接続される電源回路を有していてもよい。電源回路は、交流電圧を直流電圧に変換する回路である。また、白とは色温度が4200Kで昼白色とは色温度が5000Kである。また、照明装置1400は、カラーフィルタを有してもよい。また、照明装置1400は、放熱部を有していてもよい。放熱部は装置内の熱を装置外へ放出するものであり、比熱の高い金属、液体シリコンなどが挙げられる。
図10は、本実施形態の発光装置として機能する半導体装置800、800’を用いた車両用の灯具の一例であるテールランプを有する自動車の模式図である。自動車1500は、テールランプ1501を有し、ブレーキ操作などを行った際に、テールランプ1501を点灯する形態であってもよい。本実施形態の半導体装置800、800’は、車両用の灯具としてヘッドランプに用いられてもよい。自動車は移動体の一例であり、移動体は船舶やドローン、航空機、鉄道車両、産業用ロボットなどであってもよい。移動体は、機体とそれに設けられた灯具を有してよい。灯具は機体の現在位置を知らせるものであってもよい。
テールランプ1501に、本実施形態の発光装置として機能する半導体装置800、800’が適用できる。テールランプ1501は、テールランプ1501として機能する半導体装置800、800’の画素領域AAを保護する保護部材を有してよい。保護部材は、ある程度高い強度を有し、透明であれば材料は問わないが、ポリカーボネートなどで構成されてもよい。また、保護部材は、ポリカーボネートにフランジカルボン酸誘導体、アクリロニトリル誘導体などを混ぜてよい。
自動車1500は、車体1503、それに取り付けられている窓1502を有してもよい。窓は、自動車の前後を確認するための窓であってもよいし、透明なディスプレイであってもよい。当該透明なディスプレイに、本実施形態の発光装置として機能する半導体装置800、800’が用いられてもよい。この場合、半導体装置800、800’が有する電極などの構成材料は透明な部材で構成される。
図11(a)、11(b)を参照して、本実施形態の発光装置として機能する半導体装置800、800’のさらなる適用例について説明する。発光装置として機能する半導体装置800、800’は、例えば、スマートグラス、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、スマートコンタクトのようなウェアラブルデバイスとして装着可能なシステムに適用できる。このような適用例に使用される撮像表示装置は、可視光を光電変換可能な撮像装置と、可視光を発光可能な発光装置とを有する。
図11(a)は、1つの適用例に係る眼鏡1600(スマートグラス)を説明する。眼鏡1600のレンズ1601の表面側に、CMOSセンサやSPADのような撮像装置1602が設けられている。また、レンズ1601の裏面側には、本実施形態の発光装置として機能する半導体装置800、800’が設けられている。
眼鏡1600は、制御装置1603をさらに備える。制御装置1603は、撮像装置1602と各実施形態に係る半導体装置800、800’に電力を供給する電源として機能する。また、制御装置1603は、撮像装置1602と半導体装置800、800’の動作を制御する。レンズ1601には、撮像装置1602に光を集光するための光学系が形成されている。
図11(b)は、1つの適用例に係る眼鏡1610(スマートグラス)を説明する。眼鏡1610は、制御装置1612を有しており、制御装置1612に、撮像装置1602に相当する撮像装置と、発光装置として機能する半導体装置800、800’が搭載される。レンズ1611には、制御装置1612内の撮像装置と、半導体装置800、800’からの発光を投影するための光学系が形成されており、レンズ1611には画像が投影される。制御装置1612は、撮像装置および半導体装置800、800’に電力を供給する電源として機能するとともに、撮像装置および半導体装置800、800’の動作を制御する。制御装置1612は、装着者の視線を検知する視線検知部を有してもよい。視線の検知は赤外線を用いてよい。赤外発光部は、表示画像を注視しているユーザーの眼球に対して、赤外光を発する。発せられた赤外光の眼球からの反射光を、受光素子を有する撮像部が検出することで眼球の撮像画像が得られる。平面視における赤外発光部から表示部への光を低減する低減手段を有することで、画像品位の低下を低減する。
赤外光の撮像により得られた眼球の撮像画像から表示画像に対するユーザーの視線を検出する。眼球の撮像画像を用いた視線検出には任意の公知の手法が適用できる。一例として、角膜での照射光の反射によるプルキニエ像に基づく視線検出方法を用いることができる。
より具体的には、瞳孔角膜反射法に基づく視線検出処理が行われる。瞳孔角膜反射法を用いて、眼球の撮像画像に含まれる瞳孔の像とプルキニエ像とに基づいて、眼球の向き(回転角度)を表す視線ベクトルが算出されることにより、ユーザーの視線が検出される。
本発明の一実施形態に係る発光装置として機能する半導体装置800、800’は、受光素子を有する撮像装置を有し、撮像装置からのユーザーの視線情報に基づいて表示画像を制御してよい。
具体的には、半導体装置800、800’は、視線情報に基づいて、ユーザーが注視する第1視界領域と、第1視界領域以外の第2視界領域とを決定する。第1視界領域、第2視界領域は、半導体装置800、800’の制御装置が決定してもよいし、外部の制御装置が決定したものを受信してもよい。半導体装置800、800’の表示領域において、第1視界領域の表示解像度を第2視界領域の表示解像度よりも高く制御してもよい。つまり、第2視界領域の解像度を第1視界領域よりも低くしてよい。
また、表示領域は、第1表示領域、第1表示領域とは異なる第2表示領域とを有し、視線情報に基づいて、第1表示領域および第2表示領域から優先度が高い領域が決定される。第1表示領域、第2表示領域は、半導体装置800、800’の制御装置が決定してもよいし、外部の制御装置が決定したものを受信してもよい。優先度の高い領域の解像度を、優先度が高い領域以外の領域の解像度よりも高く制御してよい。つまり優先度が相対的に低い領域の解像度を低くしてよい。
なお、第1視界領域や優先度が高い領域の決定には、AIを用いてもよい。AIは、眼球の画像と当該画像の眼球が実際に視ていた方向とを教師データとして、眼球の画像から視線の角度、視線の先の目的物までの距離を推定するよう構成されたモデルであってよい。AIプログラムは、半導体装置800、800’が有しても、撮像装置が有しても、外部装置が有してもよい。外部装置が有する場合は、通信を介して、半導体装置800、800’に伝えられる。
視認検知に基づいて表示制御する場合、外部を撮像する撮像装置を更に有するスマートグラスに好ましく適用できる。スマートグラスは、撮像した外部情報をリアルタイムで表示することができる。
本明細書の開示は、以下の半導体装置、発光装置、表示装置、光電変換装置、電子機器、照明装置、および、移動体を含む。
(項目1)
複数の画素が配された画素領域と、アライメントマークおよび複数の端子が配された周辺領域と、が設けられた主面を有する素子基板を含む半導体装置であって、
前記アライメントマークを覆い、かつ、前記複数の端子および前記複数の端子のそれぞれの端子の間を覆わない透明絶縁層を備えることを特徴とする半導体装置。
(項目2)
前記透明絶縁層が、前記複数の画素をさらに覆うことを特徴とする項目1に記載の半導体装置。
(項目3)
前記複数の画素を覆うように複数の封止層をさらに備え、
前記透明絶縁層が、前記複数の封止層のうち1つの層を構成することを特徴とする項目1に記載の半導体装置。
(項目4)
前記透明絶縁層が、無機材料によって構成されていることを特徴とする項目2または3に記載の半導体装置。
(項目5)
前記複数の画素を覆うカラーフィルタ層をさらに備え、
前記透明絶縁層は、前記複数の画素と前記カラーフィルタ層との間に配されることを特徴とする項目2乃至4の何れか1項目に記載の半導体装置。
(項目6)
前記複数の画素を覆うカラーフィルタ層をさらに備え、
前記透明絶縁層は、前記複数の画素と前記カラーフィルタ層との間に配され
前記透明絶縁層が、樹脂材料によって構成されていることを特徴とする項目2または3に記載の半導体装置。
(項目7)
前記複数の端子のそれぞれに接続された複数の電極を含む配線部材と、前記複数の端子と前記複数の電極との間に配された接合部材と、をさらに備え、
前記主面に対する正射影において、前記透明絶縁層と前記接合部材とは重ならないことを特徴とする項目1乃至6の何れか1項目に記載の半導体装置。
(項目8)
複数の画素が配された画素領域と、アライメントマークおよび複数の端子が配された周辺領域と、が設けられた主面を有する素子基板を含む半導体装置であって、
前記主面に対する正射影において、前記アライメントマークの外縁を取り囲むように遮光部材を備えることを特徴とする半導体装置。
(項目9)
前記アライメントマークを覆い、かつ、前記複数の端子および前記複数の端子のそれぞれの端子の間を覆わない透明絶縁層をさらに備えることを特徴とする項目8に記載の半導体装置。
(項目10)
前記遮光部材が、前記透明絶縁層によって覆われていることを特徴とする項目9に記載の半導体装置。
(項目11)
前記アライメントマークと前記遮光部材との間の層に前記透明絶縁層が配されていることを特徴とする項目9に記載の半導体装置。
(項目12)
前記主面と前記アライメントマークとの間の層に前記遮光部材が配されていることを特徴とする項目8に記載の半導体装置。
(項目13)
前記周辺領域において、前記主面と前記アライメントマークとの間の層に、複数の配線パターンが配されていることを特徴とする項目8乃至12の何れか1項目に記載の半導体装置。
(項目14)
前記複数の画素を覆うカラーフィルタ層をさらに備え、
前記カラーフィルタ層は、複数の色のカラーフィルタを含み、
前記複数の色のカラーフィルタのうち1色以上のカラーフィルタが、前記遮光部材として機能することを特徴と項目8乃至13の何れか1項目に記載の半導体装置。
(項目15)
前記遮光部材が、前記複数の色のカラーフィルタのうち青色の光を透過するカラーフィルタを含むことを特徴とする項目14に記載の半導体装置。
(項目16)
前記遮光部材が、黒色の樹脂を含むことを特徴とする項目8乃至15の何れか1項目に記載の半導体装置。
(項目17)
前記遮光部材が、窒化チタンを含むことを特徴とする項目8乃至16の何れか1項目に記載の半導体装置。
(項目18)
項目1乃至17の何れか1項目に記載の半導体装置を含み、
前記複数の画素のそれぞれが、発光素子を含むことを特徴とする発光装置。
(項目19)
項目18に記載の発光装置と、前記発光装置に接続されている能動素子と、を有することを特徴とする表示装置。
(項目20)
複数のレンズを有する光学部と、前記光学部を通過した光を受光する撮像素子と、画像を表示する表示部と、を有し、
前記表示部は、前記撮像素子が撮像した画像を表示する表示部であり、かつ、項目18に記載の発光装置を有することを特徴とする光電変換装置。
(項目21)
表示部が設けられた筐体と、前記筐体に設けられ、外部と通信する通信部と、を有し、
前記表示部は、項目18に記載の発光装置を有することを特徴とする電子機器。
(項目22)
光源と、光拡散部および光学フィルムの少なくとも一方と、を有する照明装置であって、
前記光源は、項目18に記載の発光装置を有することを特徴とする照明装置。
(項目23)
機体と、前記機体に設けられている灯具と、を有する移動体であって、
前記灯具は、項目18に記載の発光装置を有することを特徴とする移動体。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神および範囲から離脱することなく、様々な変更および変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
40:端子、50:アライメントマーク、70:画素、80:透明絶縁層、100:素子基板、800:半導体装置、AA:画素領域、PA:周辺領域

Claims (23)

  1. 複数の画素が配された画素領域と、アライメントマークおよび複数の端子が配された周辺領域と、が設けられた主面を有する素子基板を含む半導体装置であって、
    前記アライメントマークを覆い、かつ、前記複数の端子および前記複数の端子のそれぞれの端子の間を覆わない透明絶縁層を備えることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記透明絶縁層が、前記複数の画素をさらに覆うことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記複数の画素を覆うように複数の封止層をさらに備え、
    前記透明絶縁層が、前記複数の封止層のうち1つの層を構成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  4. 前記透明絶縁層が、無機材料によって構成されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  5. 前記複数の画素を覆うカラーフィルタ層をさらに備え、
    前記透明絶縁層は、前記複数の画素と前記カラーフィルタ層との間に配されることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  6. 前記透明絶縁層が、樹脂材料によって構成されていることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
  7. 前記複数の端子のそれぞれに接続された複数の電極を含む配線部材と、前記複数の端子と前記複数の電極との間に配された接合部材と、をさらに備え、
    前記主面に対する正射影において、前記透明絶縁層と前記接合部材とは重ならないことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  8. 複数の画素が配された画素領域と、アライメントマークおよび複数の端子が配された周辺領域と、が設けられた主面を有する素子基板を含む半導体装置であって、
    前記主面に対する正射影において、前記アライメントマークの外縁を取り囲むように遮光部材を備えることを特徴とする半導体装置。
  9. 前記アライメントマークを覆い、かつ、前記複数の端子および前記複数の端子のそれぞれの端子の間を覆わない透明絶縁層をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  10. 前記遮光部材が、前記透明絶縁層によって覆われていることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
  11. 前記アライメントマークと前記遮光部材との間の層に前記透明絶縁層が配されていることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
  12. 前記主面と前記アライメントマークとの間の層に前記遮光部材が配されていることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  13. 前記周辺領域において、前記主面と前記アライメントマークとの間の層に、複数の配線パターンが配されていることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  14. 前記複数の画素を覆うカラーフィルタ層をさらに備え、
    前記カラーフィルタ層は、複数の色のカラーフィルタを含み、
    前記複数の色のカラーフィルタのうち1色以上のカラーフィルタが、前記遮光部材として機能することを特徴と請求項8に記載の半導体装置。
  15. 前記遮光部材が、前記複数の色のカラーフィルタのうち青色の光を透過するカラーフィルタを含むことを特徴とする請求項14に記載の半導体装置。
  16. 前記遮光部材が、黒色の樹脂を含むことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  17. 前記遮光部材が、窒化チタンを含むことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  18. 請求項1乃至17の何れか1項に記載の半導体装置を含み、
    前記複数の画素のそれぞれが、発光素子を含むことを特徴とする発光装置。
  19. 請求項18に記載の発光装置と、前記発光装置に接続されている能動素子と、を有することを特徴とする表示装置。
  20. 複数のレンズを有する光学部と、前記光学部を通過した光を受光する撮像素子と、画像を表示する表示部と、を有し、
    前記表示部は、前記撮像素子が撮像した画像を表示する表示部であり、かつ、請求項18に記載の発光装置を有することを特徴とする光電変換装置。
  21. 表示部が設けられた筐体と、前記筐体に設けられ、外部と通信する通信部と、を有し、
    前記表示部は、請求項18に記載の発光装置を有することを特徴とする電子機器。
  22. 光源と、光拡散部および光学フィルムの少なくとも一方と、を有する照明装置であって、
    前記光源は、請求項18に記載の発光装置を有することを特徴とする照明装置。
  23. 機体と、前記機体に設けられている灯具と、を有する移動体であって、
    前記灯具は、請求項18に記載の発光装置を有することを特徴とする移動体。
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