JP2023156828A - 接合型金属部品の製造方法 - Google Patents

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Kenji Sato
幹雄 大澤
Mikio Osawa
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【課題】超硬合金によって形成された超硬合金製部材に対して、超硬合金製部材を構成する超硬合金の金属結合相の母相よりもイオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材を接合して製造された接合型金属部品であっても、超硬合金の金属結合相の腐食を、意図したように行うことを可能とする接合型金属部品の製造方法を提供する。
【解決手段】超硬合金によって形成された超硬合金製部材3に対して、超硬合金製部材3を構成する超硬合金の金属結合相の母相よりもイオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材4を接合して製造された接合型金属部品に対して、接合部材4を非溶出性素材で被覆した上で、超硬合金製部材3を構成する超硬合金に含まれる硬質粒子相と金属結合相のうち、金属結合相のみを選択エッチングして表面処理を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、超硬合金によって形成された超硬合金製部材に対して、超硬合金製部材を構成する超硬合金の金属結合相の母相よりもイオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材を接合して製造する接合型金属部品の製造方法に関する。
切断工具として用いられる超硬工具の特性の向上に関して、近年、硬質粒子相と金属結合相からなる超硬合金のうち、金属結合相を工具表面から除去し、硬質粒子相のみをその表面に残して工具として使用することによって、耐摩耗性、耐凝着性等の特性が向上することが、特許文献1において報告されている。
この金属結合相の除去に際して、化学エッチングや物理エッチングがその手段として用いられる。例えば特許文献2では、王水や硝酸溶液での表面金属結合相の除去プロセスが開示されている。
WO2019/065677号公報 特開2019-206754号公報
特許文献1、特許文献2に記載されているプロセスを、超硬合金によって形成された超硬合金製部材に対して、超硬合金製部材を構成する超硬合金の金属結合相の母相よりもイオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材を接合して製造された接合型金属部品に適用しようとすると、イオン化傾向の差により、イオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材のみエッチングが進んで、超硬合金製部材を構成する超硬合金の金属結合相の腐食が進まないという事態が発生する。
例えば、金属線の線引きプロセスにおいて、外径保持リングとして用いられる鉄合金と、内径超硬合金製ダイスが篏合されている複合ダイスにおいて、内径の超硬合金をエッチングしようとすると、イオン化傾向の差により、外径の鉄合金製リングのみエッチングが進み、内径の超硬合金中の金属結合相の腐食が進まないこととなる。
このような状況下では、超硬合金の金属結合相の腐食を、意図したように行うことができず、超硬合金製部材を構成要素とする接合型金属部品について、耐摩耗性、耐凝着性等の特性の向上を実現することができない。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、超硬合金によって形成された超硬合金製部材に対して、超硬合金製部材を構成する超硬合金の金属結合相の母相よりもイオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材を接合して製造された接合型金属部品であっても、超硬合金の金属結合相の腐食を、意図したように行うことを可能として、耐摩耗性、耐凝着性等の特性の向上を実現することが可能な接合型金属部品の製造方法を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明は、超硬合金によって形成された超硬合金製部材に対して、超硬合金製部材を構成する超硬合金の金属結合相の母相よりもイオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材を接合して製造する接合型金属部品の製造方法であって、前記接合部材を非溶出性素材で被覆した上で、前記超硬合金製部材を構成する超硬合金に含まれる硬質粒子相と金属結合相のうち、金属結合相のみを選択エッチングして表面処理を行うことを特徴とする接合型金属部品の製造方法である。
超硬合金製部材を構成する超硬合金の金属結合相の母相よりもイオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材を、非溶出性素材で被覆した上で、超硬合金製部材を構成する超硬合金に含まれる硬質粒子相と金属結合相のうち、金属結合相のみを選択エッチングして表面処理を行うことにより、イオン化傾向の差により、イオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材のみエッチングが進んで、超硬合金製部材を構成する超硬合金の金属結合相の腐食が進まないという事態が発生することを防止できる。そのため、耐摩耗性、耐凝着性等の特性を向上させることができる。
本発明においては、前記超硬合金製部材に対する前記接合部材の接合方法は、材料的接合、化学的接合、または機械的接合によるものとすることができ、様々な接合形態のものに適用できる。そのため、様々な用途、形状の金型や工具等の接合型金属部品に対して適用できる。ここで材料的接合とは溶接、ろう接、摩擦撹拌接合等の金属材料の持つ特性を利用する接合である。化学的接合とは接着剤等を用いる接合である。機械的接合とはネジ、カシメ等による固定や圧入、焼嵌め等の嵌め合いによる接合である。
本発明においては、前記金属結合相のみを選択エッチングする際の金属結合相の欠乏深さは、超硬合金母体の組成と、その超硬合金母体を接合型金属部品に加工して金属結合相を選択腐食した後で上面から特性X線分析で計測した組成と、選択腐食された金属結合相の欠乏領域で硬質粒子間にわずかに残存する金属結合相の組成と、特性X線分析で特性X線が放出されることにより計測される分析深さの4つの情報から算出することができる。
これにより、選択エッチングがなされた後の欠乏層内において、硬質粒子間にわずかに金属結合相が残存することによって、界面でなだらかに変化する金属結合相量を効率的に算出できる。そのため、超硬合金製部材を構成する超硬合金の金属結合相の母相よりもイオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材を、非溶出性素材で被覆した上で、超硬合金製部材を構成する超硬合金に含まれる硬質粒子相と金属結合相のうち、金属結合相のみを選択エッチングして表面処理を行うにあたって、非破壊で腐食深さを正しく算出することが可能となる。なお、選択腐食の深さは、強度保持の観点から、硬質粒子の平均粒径と同程度の深さとすることを前提としている。
本発明によると、超硬合金によって形成された超硬合金製部材に対して、超硬合金製部材を構成する超硬合金の金属結合相の母相よりもイオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材を接合して製造された接合型金属部品であっても、超硬合金の金属結合相の腐食を、意図したように行うことを可能として、耐摩耗性、耐凝着性等の特性の向上を実現することが可能な接合型金属部品の製造方法を実現することができる。
焼嵌めされた粉末成形金型の概略図である。 粉末成形金型のエッチング前後の変化を示す図である。 ろう接された接合型金属部品の概略図である。 接合型金属部品のエッチング前後の変化を示す図である。 超硬合金製部材表面の金属結合相の選択腐食後の断面と、その際の金属結合相の主成分であるC量の変化を模式的に示した図である。 金属結合相の欠乏深さを定義するための図である。 超硬合金中の表面金属結合相の欠乏深さ測定方法のフローチャートである。
以下に、本発明の接合型金属部品の製造方法を、その実施形態に基づいて説明する。
図1に基づいて、接合型金属部品の製造方法の第一実施形態について説明する。
図1は、焼嵌めされた粉末成形金型の概略図である。
粉末成形金型は、超硬合金によって形成された超硬合金製部材3に対して、超硬合金製部材3を構成する超硬合金の金属結合相の母相よりもイオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材4を接合して製造された接合型金属部品の一例であり、超硬合金製部材3として、材種G3(使用分類記号VM-40)を用い、接合部材4として、SKD11を用いている。超硬合金では金属結合相にコバルトやニッケルを用いることが一般であり、超硬合金製部材3の材種G3の金属結合相の母相にはコバルトを選定している。
この構成を有する粉末成形金型に対して、接合部材4を非溶出性素材で被覆した上で、超硬合金製部材3を構成する超硬合金に含まれる硬質粒子相と金属結合相のうち、金属結合相のみを選択エッチングして表面処理を行った。また、これと対比するために、接合部材4を非溶出性素材で被覆しないでエッチング処理を実施した。エッチング処理後に、外観変化の観察と、SEM―EDSによる金属結合相の変化の分析を行った。
表1に、電子顕微鏡SU3800による超硬合金製部品のSEM―EDS分析結果を示す。
Figure 2023156828000002
表1に示す結果から、被覆なしエッチングでは、金属結合相であるコバルトの量がエッチング前と比較して変化はなく、反応していないことがわかる。これに対して、被覆ありエッチングでは、金属結合相であるコバルトの量がエッチング前と比較して、明らかに少なくなっており、金属結合相の腐食が進んでいることがわかる。
図2に、粉末成形金型のエッチング前後の変化を示す。図2(a)は、エッチング前の粉末成形金型であり、図2(b)は、非溶出性素材による被覆なしエッチング後の粉末成形金型であり、図2(c)は、非溶出性素材による被覆ありエッチング後の粉末成形金型である。
図2(a)と図2(b)を比較すると、図2(b)では、接合されている金属部品材料である外形部分が黒色に変色しており、エッチング液で腐食されたことがわかる。これに対して、図2(c)では、接合されている金属部品材料である外形部分に変色は見られず、エッチング液で腐食されていないことがわかる。
以上の結果から、超硬合金によって形成された超硬合金製部材3に対して、超硬合金製部材を構成する超硬合金の金属結合相の母相よりもイオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材4を接合して製造された接合型金属部品において、接合部材4の腐食を抑えて、超硬合金製部材3の超硬合金の金属結合相の腐食を、意図したように行うことが可能であることが実証されている。
図3に基づいて、接合型金属部品の製造方法の第二実施形態について説明する。
図3は、ろう接された接合型金属部品の概略図である。
このろう接された接合型金属部品は、超硬合金によって形成された超硬合金製部材3に対して、超硬合金製部材3を構成する超硬合金の金属結合相の母相よりもイオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材4を接合して製造された接合型金属部品の一例であり、超硬合金製部材3として、材種G5C(使用分類記号VM-50)を用い、接合部材4として、鋼材S45Cを用いている。
この構成を有する接合型金属部品に対して、接合部材4を非溶出性素材で被覆した上で、超硬合金製部材4を構成する超硬合金に含まれる硬質粒子相と金属結合相のうち、金属結合相のみを選択エッチングして表面処理を行った。また、これと対比するために、接合部材4を非溶出性素材で被覆しないでエッチング処理を実施した。エッチング処理後に、外観変化の観察と、SEM―EDSによる金属結合相の変化の分析を行った。
表2に、電子顕微鏡SU3800による超硬合金製部品のSEM―EDS分析結果を示す。
Figure 2023156828000003
表2に示す結果から、被覆なしエッチングでは、金属結合相であるコバルトの量がエッチング前と比較して変化はなく、反応していないことがわかる。これに対して、被覆ありエッチングでは、金属結合相であるコバルトの量がエッチング前と比較して、明らかに少なくなっており、金属結合相の腐食が進んでいることがわかる。
図4に、接合型金属部品のエッチング前後の変化を示す。図4(a)は、エッチング前の接合型金属部品であり、図4(b)は、非溶出性素材による被覆なしエッチング後の接合型金属部品であり、図4(c)は、非溶出性素材による被覆ありエッチング後の接合型金属部品である。
図4(a)と図4(b)を比較すると、図4(b)では、接合されている金属部品材料が黒色に変色しており、エッチング液で腐食されたことがわかる。これに対して、図4(c)では、接合されている金属部品材料に変色は見られず、エッチング液で腐食されていないことがわかる。
以上の結果から、超硬合金によって形成された超硬合金製部材3に対して、超硬合金製部材3を構成する超硬合金の金属結合相の母相よりもイオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材4を接合して製造された接合型金属部品において、接合部材4の腐食を抑えて、超硬合金製部材3の超硬合金の金属結合相の腐食を、意図したように行うことが可能であることが実証されている。
上述したように、超硬合金によって形成された超硬合金製部材3に対して、超硬合金製部材3を構成する超硬合金の金属結合相の母相よりもイオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材4を接合して製造された接合型金属部品において、接合方法と形状の異なる接合型金属部品においても、その有効性が実証されている。超硬合金製部材3に対する接合部材4の接合方法は、材料的接合、化学的接合、または機械的接合によるものとすることができ、様々な接合形態のものに適用できる。そのため、複合ダイス、複合ポンチ、複合金型等のように、接合方法と形状の異なる接合型金属部品に、広く適用できる。
以下に、本発明の接合型金属部品の製造方法において、超硬合金の金属結合相の腐食を行うにあたって、金属結合相の選択腐食の欠乏深さを算出する方法について説明する。
図5は、超硬合金製部材の表面の金属結合相の選択腐食後の断面と、その際の金属結合相の主成分であるC量の変化を模式的に示したものである。選択腐食がなされた後の欠乏層内では、硬質粒子1間にわずかに金属結合相2が残存するために、C量は完全にゼロとはならない値で変動を持って推移する。金属結合相2が腐食によって除去された領域から、未反応の領域ではなだらかなC量の遷移が起きており、この領域で欠乏深さを定義する必要がある。
そこで本発明者は、図6に示す直線的な成分変化を仮定し、金属結合相の欠乏深さを定義することとした。母体のC量をm1、硬質粒子間に残る少量のC量をm2とし、m2、m1はそれぞれ一定値、m2からm1への遷移は、図6に示すように、直線的な変化が起きるものと仮定する。
この直線的な変化が起きるC量の遷移位置を、金属結合相の欠乏深さdと定義する。これらの定義と、特性X線分析で照射するX線が計測する分析深さD、実際に特性X線分析で測定したCo量mxを用いて、Co量の質量保存で等式を作ると、以下の式(1)が得られる。
Figure 2023156828000004

式(1)を欠乏深さdで解けば、式(2)が得られる。
Figure 2023156828000005

ここで、硬質粒子間に残る金属結合相の濃度は、あらかじめ、走査型電子顕微鏡に付属する分析方法等でその残分を推定しておく必要がある。また分析深さは、使用する特性X線分析装置のX線強度と、分析される超硬合金の組成で定まる。
特性X線分析装置とは、エネルギー分散型特性X線分析装置(EDS)や、波長分散型特性X線分析装置(WDS)などを指す。いずれの装置も、試料表面から放出される特性X線を検出することにより、試料の化学組成を測定する装置であり、EDSは、特性X線のエネルギーを測定するものであり、WDSは特性X線の波長を測定するものである。
EDSは、特性X線の反応領域が、深さ方向に数μmと比較的浅い一方、WDSは10μmを超える分析深さを有している。本発明においては、被分析素材が数μm程度の硬質粒子径を持つことを考えると、複数粒子分の深さが測定できる波長分散型特性X線分析装置(WDS)の方が、より望ましい分析装置であると言える。
このような単純化された定義の欠乏深さではあるが、この欠乏深さは算術上、一義的に定まるものであり、またCo量の遷移領域と必ず交わるために、取り決めとして仕様書などにうたう場合に、大変扱いやすい定義となる。またこの測定方法は非破壊であるために、直接的に出荷検査に用いることが可能になり、同時に異常時の原因分析に用いることもできる。
上述したように、超硬合金母体の組成m1、これと同一の母体を接合型金属部品に加工し、金属結合相を選択腐食した後で上面から特性X線分析で計測した組成mx、選択腐食された金属結合相の欠乏領域で硬質粒子間にわずかに残存する金属結合相の組成m2、および特性X線分析で特性X線が放出されることにより計測する分析深さDの4つの情報から、金属結合相の欠乏深さdを算出することが可能となる。
図7に、以上説明した、超硬合金中の表面金属結合相の欠乏深さ測定方法のフローチャートを示す。この処理を行うことにより、超硬合金の金属結合相を表面からエッチングで除去していくと、金属結合相は、硬質粒子相を網の目状に残して、トンネル状に選択腐食が進んでいくという状況下であっても、計算された腐食深さは、実際には境界があいまいな腐食前面の深さを非破壊で一義的に定義できる。
上述した欠乏深さの計算値と実測値との対比試験を、粒子径が異なる3つの材種(細粒、中粒、粗粒)を対象として、細粒、中粒、粗粒のそれぞれについてサンプルを製作して実施した。それぞれの平均粒径は、細粒が0.6~1.0μm、中粒が2.0~4.0μm、粗粒が5.0μm以上である。実測値は、波長分散型特性X線分析装置(WDS)とエネルギー分散型特性X線分析装置(EDS)を用いて、数か所について実測を行い、その平均値とした。
試験の結果、欠乏深さの計算値と実測値との差は、細粒、中粒、粗粒のいずれの場合についても、硬質粒子の粒子径の半分よりも極めて小さい値となった。硬質粒子の粒子径の半分という数値は、硬質粒子が脱落するか否かを定める境界値であると認識でき、欠乏深さの計算値と実測値との差が硬質粒子の粒子径の半分を超えると、選択腐食を行うにあたって、超硬合金によって構成された部品の機能に悪影響を与えることになる。しかし、試験結果によると、欠乏深さの計算値が、実測値に対して硬質粒子の粒子径の半分よりも極めて小さい差しか生じないことから、本発明による欠乏深さの計算値の算出手法は極めて有効であることを確認できた。
この手法を用いることにより、超硬合金製部材を構成する超硬合金の金属結合相の母相よりもイオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材を、非溶出性素材で被覆した上で、超硬合金製部材を構成する超硬合金に含まれる硬質粒子相と金属結合相のうち、金属結合相のみを選択エッチングして表面処理を行うにあたって、非破壊で腐食深さを正しく算出することが可能となる。
本発明は、超硬合金によって形成された超硬合金製部材に対して、超硬合金製部材を構成する超硬合金の金属結合相の母相よりもイオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材を接合して製造された接合型金属部品であっても、超硬合金の金属結合相の腐食を、意図したように行うことが可能であるため、耐摩耗性、耐凝着性等の特性の向上を実現することが可能な接合型金属部品の製造方法として広く利用することができる。
1 硬質粒子
2 金属結合相
3 超硬合金製部材
4 接合部材

Claims (3)

  1. 超硬合金によって形成された超硬合金製部材に対して、超硬合金製部材を構成する超硬合金の金属結合相の母相よりもイオン化傾向が大きい金属を母相とする合金によって形成された接合部材を接合して製造する接合型金属部品の製造方法であって、前記接合部材を非溶出性素材で被覆した上で、前記超硬合金製部材を構成する超硬合金に含まれる硬質粒子相と金属結合相のうち、金属結合相のみを選択エッチングして表面処理を行うことを特徴とする接合型金属部品の製造方法。
  2. 前記超硬合金製部材に対する前記接合部材の接合方法は、材料的接合、化学的接合、または機械的接合によるものであることを特徴とする請求項1記載の接合型金属部品の製造方法。
  3. 前記金属結合相のみを選択エッチングする際の金属結合相の欠乏深さは、超硬合金母体の組成と、その超硬合金母体を接合型金属部品に加工して金属結合相を選択腐食した後で上面から特性X線分析で計測した組成と、選択腐食された金属結合相の欠乏領域で硬質粒子間にわずかに残存する金属結合相の組成と、特性X線分析で特性X線が放出されることにより計測される分析深さの4つの情報から算出することを特徴とする請求項1または2記載の接合型金属部品の製造方法。
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CN117483739A (zh) * 2023-11-06 2024-02-02 郑州机械研究所有限公司 一种出刃高度可控的硬质合金串珠及其制备方法和应用

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