JP5304075B2 - 鉄基粉末の被覆率の測定方法 - Google Patents

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Description

この発明は、粉末冶金用の原料粉等として用いられる鉄基粉末の表層の分析方法に関し、炭素含有物で表層を被覆された鉄基粉末の被覆率の測定方法に関する。
粉末冶金用の原料粉として用いられる鉄粉または合金鋼粉等の鉄を主体とする粉末(以下、「鉄基粉末」と記載する。)は、製品成型体の強度を向上させるためのCu、黒鉛等の合金化成分を含有する粉末である副原料や、潤滑剤を添加して使用されている。このような混合粉に、さらに結合剤を添加して、鉄基粉末の表面に副原料を付着させて、混合粉の偏析を防止する場合もある。さらには、原料粉の流動性を向上させるために、鉄粉の表面に流動性改善粒子を結合剤を介して付着させる方法も開示されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の方法や、その他のいずれの方法においても、鉄基粉末の表面には結合剤、副原料、潤滑剤、流動性改善粒子等が付着し、操業条件の変動によって鉄基粉末の表層に対するこれら結合剤、副原料、潤滑剤、流動性改善粒子等の割合(被覆率)や、当該結合剤、副原料、潤滑剤および流動性改善粒子等に対する流動性改善粒子の割合(被覆率)は変動し、これが製品特性に大きな影響を与えると考えられる。
しかし、鉄基粉末表層に対する結合剤、副原料、潤滑剤、流動性改善粒子等の被覆率や、当該結合剤、副原料、潤滑剤および流動性改善粒子等に対する流動性改善粒子の被覆率は、製品特性に与える影響力にもかかわらず、その測定方法が開発されていなかったため、今まで定量的に測定することができなかった。
特開2007−332423号公報
本発明は、上記課題を解決し、特性に大きな影響を与える鉄基粉末の表層に付着する結合剤、副原料、潤滑剤や流動性改善粒子の被覆率、特に、結合剤、副原料および潤滑剤等(以下、結合剤等と称することもある)としてカーボンブラック以外の炭素含有物を用いる場合や、流動性改善粒子としてカーボンブラックを用いる場合に好適な、鉄基粉末の被覆率を定量的に測定する方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決する本発明の特徴は次の通りである。
(1)鉄基粉末の表層に、0.1〜5kVのなかから選ばれる加速電圧で加速された電子線を照射し、前記鉄基粉末の表層から放出される二次電子量を測定し、該二次電子量から前記鉄基粉末の表層における炭素含有物の被覆率を求めることを特徴とする、鉄基粉末の被覆率の測定方法。
(2)下記(a)〜(e)の工程を有することを特徴とする鉄基粉末の被覆率の測定方法。
(a)鉄基粉末の表層に0.1〜5kVのなかから選ばれる加速電圧で加速された電子線を照射し、前記鉄基粉末の表層から放出される二次電子量を測定し、該二次電子量を反映した二次電子像を得る工程。
(b)、(a)にて得られた二次電子像を、鉄の領域が白色、前記鉄以外の領域が黒色を示すように、二値化した画像として作成し、該二値化画像から、白色領域の面積率aFeを算出する工程。
(c)、上記(a)にて得られた二次電子像を、鉄および炭素含有物の領域が白色、前記鉄および炭素含有物の領域以外の領域が黒色を示すように、二値化した画像として作成し、該二値化画像から、白色領域の面積率aFeCを算出する工程。
(d)、上記(c)で算出した面積率aFeCから上記(b)で算出した面積率aFeを差し引いて、面積率aCを算出する工程。
(e)、上記(d)で算出した面積率aCを上記(c)で算出した面積率aFeCで除することで、前記鉄基粉末の表層に対する前記炭素含有物の被覆率を求める工程。
(3)鉄基粉末の表層に、0.1〜2kVのなかから選ばれる加速電圧で加速された電子線を照射し、前記鉄基粉末の表層から放出される二次電子量を測定し、該二次電子量から前記鉄基粉末の表層に被覆している炭素含有物に対するカーボンブラックの被覆率を求めることを特徴とする、鉄基粉末の被覆率の測定方法。
(4)下記(a)〜(f)の工程を有することを特徴とする鉄基粉末の被覆率の測定方法。
(a)、鉄基粉末の表層に0.1〜2kVのなかから選ばれる加速電圧で加速された電子線を照射し、前記鉄基粉末の表層から放出される二次電子量を測定し、該二次電子量を反映した二次電子像を得る工程。
(b)、(a)にて得られた二次電子像を、鉄及びカーボンブラックの領域が白色、カーボンブラック以外の炭素含有物の領域が黒色を示すように二値化した画像を作成し、該二値化画像から、白色領域の面積率aFeCBを算出する工程。
(c)、上記(a)にて得られた二次電子像を、鉄の領域が白色、カーボンブラック及びカーボンブラック以外の炭素含有物の領域が黒色を示すように二値化した画像を作成し、この二値化画像から、白色領域の面積率aFeを算出する工程。
(d)、(b)にて得られた面積率aFeCBから(c)にて得られた面積率aFeを差し引いて、面積率aCBを算出する工程。
(e)、1から(c)で算出した面積率aFeを差し引いて、面積率aCを算出する工程。
(f)、(d)で算出した面積率aCBを(e)で算出した面積率aCで除することで、前記鉄基粉末の表層に被覆している炭素含有物に対する前記カーボンブラックの被覆率を求める工程。
なお、本発明において、炭素含有物とは、結合剤、潤滑剤、副原料や流動性改善粒子等として使用される、炭素単体であるカーボンブラックや、有機化合物等、炭素を含有する物質全体を指し、カーボンブラックを含む概念である。
本発明によれば、鉄基粉末の被覆率を定量的に測定することが可能となる。これにより、鉄基粉末の流動性に大きな影響を与える被覆率を定量的に評価することが可能になり、製造条件最適化や操業安定化の指針として用いることができる。
以下、本発明について詳しく説明する。尚、本発明で被覆率の測定を行う鉄基粉末とは、粉末冶金の原料として用いるのに好適な鉄または鉄合金からなる粉末であり、通常、合金用粉末や、結合剤、流動性改善粒子等として働く炭素含有物と混合して用いることで、表面に炭素含有物が被覆されているものである。本発明の被覆率の測定方法は、鉄基粉末の表面が炭素含有物で被覆されているものについてであれば、鉄基粉末を粉末冶金の原料として用いる以外の場合であっても適用することができる。
本発明の特徴は、(i)電子線照射に対して、鉄基粉末の表層を覆う物質の2次電子放出率が異なることに着目し、(ii)被覆率を測定したい表層物質に対し調整した加速電圧を用いることにより、(iii)表層物質の違いを2次電子放出率の違いとして検出することにある。そして上記(i)〜(iii)を実現するのに最も適している分析装置として、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:以下SEMと略して記載する。)を挙げることができる。
本発明者らはSEM、特に低加速SEM技術を利用し、鉄基粉末の表層を調べるうち、通常の観察に汎用的に用いられる測定条件(具体的には加速電圧15kV程度)とは異なる条件、具体的には、電子線の加速電圧に0.1kV以上、5kV以下の低加速電圧を選択した場合、単なる形状のコントラスト像のみならず物質の違いにより生じる物質コントラスト像を得られることを見出した。
すなわち、通常加速電圧では、鉄基粉末(基体物質)が結合剤等や流動性改善粒子に覆われている部分、覆われていない部分(基体物質である鉄がそのまま剥き出しになっている部分でもある。)のいずれでも、基体物質からの二次電子放出が支配的である。そのため、結合剤等や流動性改善粒子に覆われている部分と覆われていない部分とで二次電子放出量の差は小さい。これに対して、入射電子の加速電圧を、入射後の電子の拡散が結合剤等や流動性改善粒子が被覆している表層内に収まるような低い条件に選択した場合、結合剤等や流動性改善粒子がある部分における二次電子放出は結合剤等や流動性改善粒子そのもので決定され、結合剤等や流動性改善粒子が無い部分における二次電子放出量は基体物質そのもので決定される。このように入射電子の加速電圧を通常より低くすることで、結合剤等や流動性改善粒子と基体物質との二次電子放出量に差が生じる。
ここで、基体物質である鉄に対し、結合剤等や流動性改善粒子である炭素含有物の二次電子放出量に差が生じることで、その差が物質コントラストとして得られることが期待できる。実際、炭素含有物が存在する部分は、二次電子量の少ない領域、すなわちより暗いコントラストとして表れる。
そして、さらに加速電圧を下げて1kV以下の極低加速電圧を選択した場合は、カーボンブラックとそれ以外の炭素含有物(ステアリン酸塩、ポリアミド、アミドワックスやポリエチレン等が考えられる。)との間の二次電位放出量の差がより明確になり、上記に記載した理由と同じ理由で、炭素含有物の中でカーボンブラックとそれ以外の炭素含有物と間に物質コントラストが生じることも期待できる。
本発明者らは、この現象を利用して、炭素含有物の被覆率、更にカーボンブラックの被覆率を評価できることを見出した。
以下、A)鉄基粉末表層に対する炭素含有物の被覆率、B)炭素含有物に対するカーボンブラックの被覆率、及びC)鉄基粉末表層に対するカーボンブラックの被覆率、のそれぞれの測定方法について詳細に説明する。
A)鉄基粉末表層に対する炭素含有物の被覆率の測定方法:
鉄基粉末の表層に対する炭素含有物の被覆率を求める場合の、照射する電子線の加速電圧は、0.1〜5kVの範囲から選択することが必要である。特に、1〜3kVの範囲で、基体の鉄と被覆している炭素含有物を識別するための物質コントラスト像が、最も明確に得られるので、より好ましい条件となる。
一方、用いる検出器は、通常SEMでの観察に用いられる二次電子検出器(試料の横に置かれたアウトレンズ式のもの)でも、物質コントラストがより強調されるIn-lens検出器でも構わないが、二次電子検出器を用いる方がより好ましい。これは、二次電子検出器を用いる方が炭素含有物相互のコントラストに差が生じにくくなり、鉄と炭素含有物の判別がより容易になるためである。
また、倍率は、平均情報を得るためと画像解析のしやすさから100〜1000倍程度とするのが好ましい。
以上説明した条件からSEMで、二次電子を収集するが、得られた二次電子は、位置情報を有した画像(以下「二次電子像」と記載する。)として出力する。この二次電子像において見られるコントラストが、発生した二次電子量の違いを示している。図1に、得られた二次電子像の一例(加速電圧3kV、倍率300倍)を示す。
ここで図1中の符号1が鉄、符号2が炭素含有物、符号3が背景である。コントラストに対するこれら物質の特定は、使用したSEMに取り付けられているエネルギー分散型X線分光器で、元素分析を行って決定することが可能である。例えば、Feのスペクトルを有すれば鉄、Cのスペクトルを有すれば炭素含有物、スペクトルが得られなかったりそれ以外のスペクトルを有する場合は背景、と判断する。
次に、得られた図1の二次電子像を、符号1の領域が白色、符号2及び符号3の領域が黒色を示すように、二値化した画像を作成する。二値化した画像の一例を図2に示す。この画像から、視野全体に対する白色領域の面積率aFeを算出する。これが、視野全体に対する鉄の面積率である。
それとは別に、得られた図1の二次電子像を、符号1及び符号2の領域が白色、符号3の領域が黒色を示すように、二値化した画像も作成する。二値化した画像の一例を図3に示す。この画像から、視野全体に対する白色領域の面積率aFeCを算出する。これが視野全体に対する、鉄と炭素含有物とを合計した面積率である。
そして、上記面積率aFeCから上記面積率aFeを差し引くことで、視野全体に対する炭素含有物の面積率aCを求めることができる(aFeC−aFe=aC)。
最後に、この面積率aCを上記面積率aFeCで除すれば、鉄基粉末の表層に対する炭素含有物の被覆率を求めることができる(aC/aFeC、各面積率をパーセンテージで求めた場合には(aC/aFeC)×100%)。
B)炭素含有物に対するカーボンブラックの被覆率の測定方法:
炭素含有物に対するカーボンブラックの被覆率を求める場合の加速電圧は、0.1〜2kVの範囲から選択することが必要である。特に、0.1〜1kVの範囲で、カーボンブラックとそれ以外の炭素含有物とを識別するためのコントラスト像が最も明瞭に得られるので、より好ましい条件となる。
一方、用いる検出器は、形状強調像が得られる二次電子検出器よりも物質強調像が得られるIn-lens検出器であることが、より好ましい。これは、結合剤等として使用されているカーボンブラック以外の炭素含有物と、カーボンブラックとのコントラストを、より明確にするためには両者の組成の違いを反映する物質強調像の方が好ましいためである。
また、倍率は、1000〜5000倍程度とするのが好ましい。
以上説明した条件からSEMで二次電子を収集するが、得られた二次電子は、上記A)と同様に位置情報を有した二次電子像として出力する。この二次電子像において見られるコントラストが、二次電子量の違いを示している。図4に、得られた二次電子像の一例(加速電圧0.5kV、倍率3000倍)を示す。
ここで図4中の符号1が鉄、符号4はカーボンブラック、符号5はカーボンブラック以外の炭素含有物である。コントラストに対するこれら物質の特定は、使用したSEMに取り付けられているエネルギー分散型X線分光器で、元素分析を行って決定することが可能である。例えば、Feのスペクトルを有すれば鉄、Cのスペクトルのみを有すればカーボンブラック、Cとその他元素のスペクトルを有する場合はカーボンブラック以外の炭素含有物、と判断する。
次に、得られた図4の二次電子像を、符号1及び4の領域が白色、符号5の領域が黒色を示すように、二値化した画像を作成する。二値化した画像の一例を図5に示す。この画像から、視野全体に対する白色領域の面積率aFeCBを算出する。これは、視野全体に対する、鉄とカーボンブラックとを合計した面積率である。
それとは別に、得られた図4の二次電子像を、符号1の領域が白色、符号4及び符号5の領域が黒色を示すように二値化した画像も作成する。二値化した画像の一例を図6に示す。この画像から、視野全体に対する白色領域の面積率aFeを算出する。これが、視野全体に対する鉄の面積率である。
そして、上記面積率aFeCBから上記面積率aFeを差し引くことで、視野全体に対するカーボンブラックの面積率aCBを求めることができる(aFeCB−aFe=aCB)。
次に、1(但し、上記面積率をパーセンテージで求めた場合は、100%)から上記面積率aFeを差し引く。これが、視野全体に対する、カーボンブラックとカーボンブラック以外の炭素含有物とを合計した面積率(即ち、炭素含有物全体の面積率)aCである(1−aFe=aC)。
上記面積率aCBを上記面積率aCで除すれば、炭素含有物に対するカーボンブラックの被覆率を求めることができる(aCB/aC、各面積率をパーセンテージで求めた場合には(aCB/aC)×100%)。
C)鉄基粉末表層に対するカーボンブラックの被覆率:
上記B)にて得られた、視野全体に対するカーボンブラックの面積率aCBを1で除すれば、鉄基粉末表層に対するカーボンブラックの被覆率を求めることができる(aCB、各面積率をパーセンテージで求めた場合にはaCB%)。
なお、図1および図4に例示した二次電子像は、画像データとしてデジタル化しコンピュータに取り込めば、上記の二値化と面積率の測定は、汎用のアプリケーションソフトを利用して容易に行うことができる。
なお本発明は、鉄基粉末表層に、カーボンブラック以外の炭素含有物を介してカーボンブラックが被覆されている、鉄基粉末表層に、カーボンブラック以外の炭素含有物が被覆され、さらにその上にカーボンブラックが被覆されている場合について適用するのが最も好適であり、このような鉄基粉末を試料とした場合に、最も好ましい測定結果を得ることができる。
鉄基粉末として純鉄粉を用い、炭素含有物であるステアリン酸アミド、ステアリン酸亜鉛およびカーボンブラックとを混合して製造した、炭素含有率の異なる粉末試料1Aと1Bを用いて、鉄基粉末の表層に対する炭素含有物の被覆率を求めた例を、実施例1として説明する。なお、試料1Aの炭素含有率は1.55mass%、試料1Bの炭素含有率は1.44mass%である。
二次電子収集条件として、加速電圧が3kV、ワーキングディスタンスが8mm、アパチャーサイズが60μm、倍率が300倍、検出器は二次電子検出器を選択した。そして、1試料につき無作為に10視野を選んで、低加速SEMで二次電子像を測定した。
得られた二次電子像をコンピュータに取り込んで、市販の画像ソフトにて画像処理を行った。その結果、鉄基粉末の表層に対する炭素含有物の被覆率は、試料1Aで、平均値51.7%、標準偏差8.1%、試料1Bで平均値44.7%、標準偏差4.3%という結果が得られた。ばらつきは大きいものの、両者の差を定量的に測定できた。
鉄基粉末として純鉄粉を用い、結合剤としてステアリン酸アミドとステアリン酸亜鉛と、流動性改善粒子としてカーボンブラックとを混合した、製造条件の異なる粉末試料2Cと2Dとを用いて、炭素含有物に対するカーボンブラックの被覆率を求めた例を、実施例2として説明する。
二次電子収集条件として、加速電圧が0.5kV、ワーキングディスタンスが5mm、アパチャーサイズが10μm、倍率が3000倍、検出器がIn-lens検出器を選択した。そして、1試料につき無作為に20視野を選んで、極低加速SEMで二次電子像を測定した。
得られた二次電子像をコンピュータに取り込んで、市販の画像ソフトにて画像処理を行った。その結果、鉄基粉末の表層における炭素含有物に対するカーボンブラックの被覆率は、試料2Cで平均値33.7%、標準偏差9.7%、試料2Dで平均値67.3%、標準偏差8.0%という結果が得られた。試料2Cでは明らかに表層カーボンブラック量が少ない状況が定量化できた。
走査電子顕微鏡により得られた、鉄基粉末表面の二次電子像の一例を示す図である。(倍率300倍) 図1において、鉄が白色となるように画像のコントラストを二値化した一例を示す図である。 図1において、鉄と炭素含有物が白色となるように画像のコントラストを二値化した一例を示す図である。 走査電子顕微鏡により得られた、鉄基粉末表面の二次電子像の一例を示す図である。(倍率3000倍) 図4において、鉄とカーボンブラックが白色となるように画像のコントラストを二値化した一例を示す図である。 図4において、鉄が白色となるように画像のコントラストを二値化した一例を示す図である。
符号の説明
1 鉄
2 炭素含有物
3 背景
4 カーボンブラック
5 カーボンブラック以外の炭素含有物

Claims (2)

  1. 鉄基粉末の表層に、0.1〜2kVのなかから選ばれる加速電圧で加速された電子線を照射し、前記鉄基粉末の表層から放出される二次電子量を測定し、該二次電子量から前記鉄基粉末の表層に被覆している炭素含有物に対するカーボンブラックの被覆率を求めることを特徴とする、鉄基粉末の被覆率の測定方法。
  2. 下記(a)〜(f)の工程を有することを特徴とする鉄基粉末の被覆率の測定方法。
    (a)、鉄基粉末の表層に0.1〜2kVのなかから選ばれる加速電圧で加速された電子線を照射し、前記鉄基粉末の表層から放出される二次電子量を測定し、該二次電子量を反映した二次電子像を得る工程。
    (b)、(a)にて得られた二次電子像を、鉄及びカーボンブラックの領域が白色、カーボンブラック以外の炭素含有物の領域が黒色を示すように二値化した画像を作成し、該二値化画像から、白色領域の面積率aFeCBを算出する工程。
    (c)、上記(a)にて得られた二次電子像を、鉄の領域が白色、カーボンブラック及びカーボンブラック以外の炭素含有物の領域が黒色を示すように二値化した画像を作成し、この二値化画像から、白色領域の面積率aFeを算出する工程。
    (d)、(b)にて得られた面積率aFeCBから(c)にて得られた面積率aFeを差し引いて、面積率aCBを算出する工程。
    (e)、1から(c)で算出した面積率aFeを差し引いて、面積率aCを算出する工程。
    (f)、(d)で算出した面積率aCBを(e)で算出した面積率aCで除することで、前記鉄基粉末の表層に被覆している炭素含有物に対する前記カーボンブラックの被覆率を求める工程。
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