本発明は、粉末冶金における粉末成形方法および焼結部品の製造方法に関し、より具体的には、粉末冶金の分野における圧粉成形時の潤滑方法の改良に関するものである。
従来、金型内で鉄基粉末を圧粉成形して成形体を得る場合に、圧粉成形時の金型と鉄基粉末との焼付きを抑制するためには、常時固体である樹脂を利用して、金型と鉄基粉末との境界面の摩擦抵抗を下げる方法が用いられてきた。この樹脂の利用態様には、樹脂を鉄基粉末に添加する場合と、樹脂を金型に直接吹き付ける場合とがある。樹脂を鉄基粉末に添加する場合には、鉄基粉末の表面近傍の樹脂が金型との摩擦抵抗低減に寄与するため、添加樹脂の量を0.6質量%以上にする必要がある。そのため、成形体の密度低下を引起こす。また、樹脂を金型に吹き付ける場合は、金型、特に複雑形状の金型に均質に吹き付けるのが難しく、ムラができやすいという課題がある。
これらの課題を解決するために、ワックスのような高分子油を鉄基粉末に添加する方法が提案されている。従来の潤滑剤として、たとえば特表2003−509582号公報(特許文献1)にはポリカルボン酸アミドワックスが示されている。また、特表平10−501270号公報(特許文献2)にはポリエチレンエーテルとオリゴマーアミドとの組合せの潤滑剤が示されている。さらに、特開2002−212142号公報(特許文献3)にはエステルワックスが示されている。
特表2003−509582号公報
特表平10−501270号公報
特開2002−212142号公報
従来においては、上記のようなワックスを固体の状態で鉄基粉末と単に混合することにより、ワックスを鉄基粉末に添加していた。しかし、この添加方法ではワックスの混ざり方が不十分であり、鉄基粉末中においてワックス粒子の偏りが生じやすい。このため、焼付きが発生するという問題や、成形体の密度が低下するという問題が発生していた。鉄基粉末中においてワックス粒子が偏って存在すると、圧粉成形の際にワックスが欠乏している箇所において鉄基粉末同士の摩擦が大きくなったり、鉄基粉末と金型との摩擦が大きくなったりする。その結果、焼付きが発生し、得られる成形体の密度が低くなる。
したがって、本発明の目的は、焼付きの発生を抑止することができ、高密度の成形体を得ることのできる粉末冶金における粉末成形方法および焼結部品の製造方法を提供することである。
本発明の粉末冶金における粉末成形方法は、粉末冶金用鉄基粉末の表面をワックスで被覆する被覆工程と、被覆工程の後、粉末冶金用鉄基粉末を圧粉成形する圧粉成形工程とを備えている。
本発明の粉末冶金における粉末成形方法によれば、粉末冶金用鉄基粉末の表面がワックスによって被覆されるので、粉末冶金用鉄基粉末中においてワックスを均一に分散させることができる。また、粉末冶金用鉄基粉末の表面に存在する凹部をワックスで埋めることができる。これにより、圧粉成形の際に粉末冶金用鉄基粉末同士の摩擦を小さくすることができ、粉末冶金用鉄基粉末と金型との摩擦が局所的に大きくなる箇所をなくすことができるので、焼付きの発生を抑止することができ、高密度の成形体を得ることができる。
なお、本願明細書中において「粉末冶金用鉄基粉末の表面をワックスで被覆する」とは、粉末冶金用鉄基粉末の表面全体をワックスで被覆する場合の他、粉末冶金用鉄基粉末の表面の一部のみをワックスで被覆する場合をも含む意味である。粉末冶金用鉄基粉末の表面の一部のみをワックスで被覆した場合も上記の効果を得ることができる。また「粉末冶金用鉄基粉末」は粉末冶金に用いられる粉末であって、鉄を含む粉末を意味している。
本発明の粉末冶金における粉末成形方法において好ましくは、被覆工程において、粉末冶金用鉄基粉末に対する割合が0.02質量%以上0.6質量%以下となるようにワックスを添加する。
粉末冶金用鉄基粉末に対する割合が0.02質量%以上となるようにワックスを添加することにより、金型との潤滑性を十分に確保することができ、潤滑性の不足によって成形体表面に筋が入ることを抑止することができる。また、粉末冶金用鉄基粉末に対する割合が0.6質量%以下となるようにワックスを添加することにより、ワックスの割合の増加に伴う成形体密度の低下を抑止することができる。
本発明の粉末冶金における粉末成形方法において好ましくは、圧粉成形工程において、(ワックスの融点+10℃)以上200℃以下の温度に設定された金型を用いて粉末冶金用鉄基粉末を圧粉成形する。
(ワックスの融点+10℃)以上に金型の温度を設定することにより、金型の熱によってワックスが溶融し、粉末冶金用鉄基粉末と金型との間にワックスを染み出させることができる。金型温度を上げると粉末同士の変形が促されるため高密度化が可能であるが、粉末の流動性が悪くなるため密度分布が悪くなる傾向にある。したがって、200℃以下の温度に金型の温度を設定することが好ましい。
本発明の粉末冶金における粉末成形方法において好ましくは、被覆工程は、粉末冶金用鉄基粉末の表面を第1ワックスで被覆する第1被覆工程と、第1ワックスの融点とは異なる融点を有する第2ワックスで第1ワックスの表面を被覆する第2被覆工程とを含んでいる。
これにより、融点に幅のあるワックスを容易に得ることができる。粉末冶金用鉄基粉末を特に冷間加工により圧粉成形する際には、粉末冶金用鉄基粉末同士の摩擦熱や粉末冶金用鉄基粉末と金型との間の摩擦熱により、加圧とともに粉末冶金用鉄基粉末および金型の温度が上昇する。このとき、ワックスの融点に幅があると、粉末冶金用鉄基粉末および金型の温度上昇に伴ってワックスが徐々に溶融し、粉末冶金用鉄基粉末との金型との間に染み出す。これにより、粉末冶金用鉄基粉末と金型との間の摩擦を緩和することができる。また、粉末冶金用鉄基粉末の表面に残っている固体のワックスにより粉末冶金用鉄基粉末同士の間の摩擦を緩和することができる。
なお、粉末冶金における圧粉成形工程において、摩擦には、圧粉体押し出しの初期段階(動き出すまでの段階)での静止摩擦力と、成形体が動き出してからの動摩擦力とがあり、静止摩擦力の低減には固体潤滑が適し、動摩擦力の低減には液体潤滑の方が優れ、さらに圧粉体の表面性状には動摩擦力の低減が効果的である。
本発明の粉末冶金における粉末成形方法において好ましくは、第1ワックスおよび第2ワックスのうちいずれか一方は圧粉成形工程における金型の温度以上の融点を有し、第1ワックスおよび第2ワックスのうちいずれか他方は上記温度未満の融点を有している。
これにより、圧粉成形の際に第2ワックスが溶融し、粉末冶金用鉄基粉末との金型との間に染み出すので、粉末冶金用鉄基粉末と金型との間の摩擦を緩和することができる。また、粉末冶金用鉄基粉末の表面に留まっている固体の第1ワックスにより、粉末冶金用鉄基粉末同士の間の摩擦を緩和することができる。
なお、圧粉成形工程がたとえば冷間加工で行なわれる場合には、圧粉成形の際発生する摩擦熱により金型の温度が上昇するので、この場合の「圧粉成形工程における金型の温度」とは、圧粉成形時の金型の温度のうち最も高い温度のことを意味している。
本発明の粉末冶金における粉末成形方法において好ましくは、第1ワックスは第2ワックスの融点よりも高い融点を有している。
これにより、2層のワックスにより粉末冶金用鉄基粉末の表面が被覆される。この粉末冶金用鉄基粉末によれば、加圧成形の際の摩擦熱によって第2ワックスが溶融しても、第1ワックスを鉄基粉末の表面に留まらせることができる。
なお、第2ワックスが第1ワックスの表面を被覆している場合には、第2ワックスの一部が粉末冶金用鉄基粉末の表面を直接被覆していてもよい。
本発明の粉末冶金における粉末成形方法において好ましくは、ワックスはエステルワックスを含んでいる。
これにより、ワックスが分解されやすくなり、残渣の発生を抑制することができる。また、潤滑性が向上する。
本発明の粉末冶金における粉末成形方法において好ましくは、被覆工程において、溶融した状態のワックスと粉末冶金用鉄基粉末とを混合する。
溶融した状態のワックスは、粉末冶金用鉄基粉末の表面で薄く延ばされ、粉末冶金用鉄基粉末の表面に存在する凹部を埋めるように粉末冶金用鉄基粉末の表面を被覆しやすい。したがって、粉末冶金用鉄基粉末の表面を容易にワックスで被覆することができる。
本発明の粉末冶金における粉末成形方法において好ましくは、上記被覆工程において、溶融した状態のワックスが凝固するまでワックスと粉末冶金用鉄基粉末とを混合し続ける。
これにより、粉末冶金用鉄基粉末の表面を被覆した状態でワックスが凝固するので、溶融した状態のワックスが粉末冶金用鉄基粉末の表面から流れ出すことを防止することができる。また、ワックスで被覆された粉末冶金用鉄基粉末同士がくっつきに難くなる。
本発明の粉末冶金における粉末成形方法において好ましくは、被覆工程と圧粉成形工程との間に、粉末冶金用鉄基粉末に対する割合が0.05質量%以上0.4質量%以下となるように固体潤滑剤を粉末冶金用鉄基粉末に添加する工程がさらに備えられている。
粉末冶金用鉄基粉末に対する割合が0.05質量%以上となるように固体潤滑剤を添加することにより、圧粉成形時に溶融しない潤滑剤が存在するようになり、静止摩擦力の低減を図ることができる。また、粉末冶金用鉄基粉末に対する割合が0.4質量%以下となるように固体潤滑剤を添加することにより、成形体の密度低下・強度低下を抑止することができる。
本発明の焼結部品の製造方法は、上記の粉末成形方法により成形された成形体を1000℃以上の温度で焼結する工程を備えている。
上記粉末冶金における粉末成形方法により成形された成形体は表面にワックスが固着した状態になっているため、1000℃以上の温度で焼結することが好ましい。1000℃以上で焼結することでワックスが完全に分解し、表面に残渣として残らず、良好な表面性状を得ることができる。
本発明の粉末冶金における粉末成形方法および焼結部品の製造方法によれば、焼付きの発生を抑止することができ、高密度の成形体を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1〜図8は、本発明の実施の形態1における粉末冶金における粉末成形方法を工程順に示す概略図である。
始めに、粉末冶金用鉄基粉末(以下、鉄基粉末と記すこともある)の表面をワックスで被覆する。ワックスはたとえば以下の方法で鉄基粉末の表面に形成される。混合容器内を加熱できるような攪拌混合機を用いて、鉄基粉末とワックスとを混合する。これにより、図1に示すように鉄基粉末10同士の間に固体のワックス20が均一に分布するようになる。
ワックス20は、鉄基粉末に占めるワックスの割合が0.02質量%以上0.6質量%以下となるように添加されることが好ましい。また、ワックス20としては、たとえばエステルワックスを含むものなどが用いられる。エステルワックスとは、エステル結合を有するワックスのことである。エステル結合とは、X−R(Xはオキソ酸からHを除いたもの、Rはアルキル基)で表される結合のことであり、酸や塩基の存在で加水分解し、オキソ酸とアルコールになるものである。
上記に記載されるエステルワックスの望ましい例としては、特開2002−212142号公報や特開2004−059744号公報に記載されているものが挙げられる。具体的には、a.炭素数14〜30の直鎖飽和モノカルボン酸と、b.炭素数14〜30の直鎖飽和1価アルコールあるいは炭素数2〜30の2〜6価の多価アルコールとの縮合反応より得られるものが挙げられる。これらのエステルワックスは、融点範囲が狭いシャープメルトタイプのワックスである。
通常のエステルワックスでは上記a成分として分岐脂肪酸や多価カルボン酸も使われるが、エステルの粘度が高くなるため、成形時に融解しても抜き出し時に金型と成形体の境界部に均質に広がらないため、焼き付き、成形体の筋等の外観不良の原因となる場合がある。
また、上記a成分として分岐脂肪酸や多価カルボン酸を用いたワックスでは、上記a成分として炭素数14〜30の直鎖飽和モノカルボン酸を用いたワックスに比べて、熱処理時に分解しにくくなるため、残渣が発生する場合がある。
したがって、上記a成分として炭素数14〜30の直鎖飽和モノカルボン酸を用いたワックスを用いることにより、安定して潤滑効果を得ることができ、また、熱処理後にも残渣のない良好な製品を得ることができる。
融点や粘性の低いワックスとしては、アミドワックスの他にも、炭化水素系ワックス(パラフィンワックス、ポリエチレンワックス)があるが、エステルワックスはこれらのワックスに比べて融点温度域を狭くしたものを合成することができる。これにより、短い時間でワックスを効率的に溶融することができ、金型と成形体の境界部を効果的に潤滑することができる。
次に、混合しながら混合容器内の温度を上昇し、ワックス20を溶融させる。これにより、溶融した状態のワックス20と鉄基粉末10とが混合され、鉄基粉末10同士の間に液体のワックス20が染み出す。その結果、図2に示すように鉄基粉末10の表面がワックス20によって被覆され、鉄基粉末10の表面に存在する凹部がワックス20によって埋められる。そして一定時間経過後、混合容器内の温度を下げ、ワックス20が凝固するまでワックス20と鉄基粉末10とを混合し続ける。これにより、溶融した状態のワックス20が鉄基粉末10の表面から流れ出したり、ワックスで被覆された鉄基粉末同士がくっついたりせずに、鉄基粉末10の表面全体を被覆した状態のままワックス20が凝固する。これにより、図3に示すように鉄基粉末10の表面がワックス20で被覆される。
なお、上記のように鉄基粉末10とワックス20との混合を開始してから混合容器の温度を上昇する場合の他、ワックス20が溶融する温度まで混合容器内の温度を予め上昇しておいてから鉄基粉末10とワックス20とを混合容器内に添加して混合を開始してもよい。
また、混合方法に特に制限はなく、たとえばメカニカルアロイング法、振動ボールミル、遊星ボールミル、メカノフュージョン、共沈法、化学気相蒸着法(CVD法)、物理気相蒸着法(PVD法)、めっき法、スパッタリング法、蒸着法またはゾル−ゲル法などのいずれを使用することも可能である。
ここでワックス20は、図3に示すように鉄基粉末10の表面全体を覆っている場合の他、図4に示すように鉄基粉末10の表面の一部のみを覆っていてもよい。通常、鉄基粉末10は球形状ではなくその表面に凹部11を有している。本実施の形態の粉末成形方法においては、凹部11がワックス20によって埋められている。
一方、従来のようにワックスを固体の状態で鉄基粉末と混合した場合には、図5に示すようにワックス20は鉄基粉末10の表面に球状で付着するのみであり、鉄基粉末10の凹部11がワックス20で埋められない。これは粉末冶金用鉄基粉末の製造時にワックス20が溶融されないので、凹部11に入り込みにくいためである。この点において本発明の粉末成形方法は従来の粉末成形方法と区別される。
次に、必要に応じて固体潤滑剤を鉄基粉末10に添加する。固体潤滑剤は、鉄基粉末に占める固体潤滑剤の割合が0.05質量%以上0.4質量%以下となるように添加されることが好ましい。固体潤滑剤としては、たとえばアミドワックス、ポリアミド樹脂、または金属石鹸などが用いられる。これにより、図6に示すようにワックス20で表面を被覆された鉄基粉末10の各々の間に固体潤滑剤30が均一に分布した形態の混合粉末が得られる。
図7を参照して、次に、混合粉末を圧粉成形(加圧成形)して成形体を得る。まず金型装置のバンドヒータ77に通電し、(ワックス20の融点+10℃)以上200℃以下の温度にダイ72を加熱する。また混合粉末の温度をワックス20の融点以下の温度に設定する。そして、内壁73に囲まれた空間74の上方にシュー(図示せず)を位置決めし、シューから空間74に向けて、先の工程で得られた混合粉末15を供給する。
図8(a)、(b)を参照して、次に、空間74の上方に上パンチ80を位置決めし、上パンチ80を下方に移動させ、たとえば、700MPaから1500MPaまでの圧力で混合粉末15を加圧成形する。この際、加圧成形する雰囲気は、不活性ガス雰囲気または減圧雰囲気とすることが好ましい。この場合、大気中の酸素によって混合粉末が酸化されるのを抑制できる。
この加圧成形の際、(ワックス20の融点+10℃)以上にダイ72の温度を設定することにより、ダイ72の熱もしくは鉄基粉末10同士の摩擦熱によりワックス20は溶解して溶融体21となり、鉄基粉末10とダイ72との間に溶融体21が染み出し、内壁73と鉄基粉末10との焼付きを抑制する。一方、金型温度を上げると粉末の流動性が悪くなるため成形体の密度分布が悪くなる傾向にあるので、ダイ72の温度を200℃以下に設定することが好ましい。ワックス20としてエステルワックスを使用することにより潤滑性が向上するため、成形時における金型と被成形物との焼付きを抑制することができる。
また、ワックス20の添加量を0.02質量%以上とすることにより、ダイ72との潤滑性を十分に確保することができ、潤滑性の不足によって成形体表面に筋が入ることを抑止することができる。一方、ワックス20の添加量を0.6質量%以下とすることにより、ワックスの割合の増加に伴う成形体密度の低下を抑止することができる。
さらに、固体潤滑剤30の添加量を0.05質量%以下とすることにより、圧粉成形時に溶融しない潤滑剤が鉄基粉末10同士の間に存在することになるので、静止摩擦力の低減を図ることができる。一方、固体潤滑剤30の添加量を0.4質量%以下とすることにより、成形体の密度低下・強度低下を抑止することができる。
なお、本実施の形態においては、ダイ72を加熱して混合粉末を圧粉成形(熱間加工)する場合について示したが、ダイを加熱せずに混合粉末を圧粉成形(冷間加工)してもよい。
その後、圧粉成形により得られた成形体を空間74から抜き出す。以上により成形体が得られる。得られた成形体の表面付近を示す断面模式図を図9に示す。図9を参照して、成形体16における鉄基粉末10同士の間にはワックス20が介在している。複数の鉄基粉末10の各々は、鉄基粉末10が有する凹凸の噛み合わせによって接合されている。ワックス20は成形体16の表面に染み出して固化している。また固体潤滑剤30を添加した場合には、図10に示すように鉄基粉末10同士の間には、ワックス20以外に固体潤滑剤30も介在しているが、ワックス20は成形時に染み出すため、鉄基粉末10同士の間に存在するワックス20の量は低減している。
次に、焼結部品を得る場合には、大気雰囲気中にてワックス20の分解温度以上(好ましくは1000℃以上)の温度で成形体16に熱処理を行なう。これにより、圧縮成形時に成形体16の表面に染み出し、その後固化したワックス20の成分が熱分解され、良好な表面状態が得られる。この熱処理が施された成形体17の表面は、図11に示すように、ワックスが熱分解により除去されている。ワックス20としてエステルワックスを用いた場合には、比較的低温での熱処理により容易に分解可能であるため、熱処理後に残渣が生じにくくなる。また固体潤滑剤30を添加した場合には、図12に示すように複数の鉄基粉末10同士の間には、固体潤滑剤30も介在している場合もあるが、上記の熱処理によって固体潤滑剤30も熱分解される場合には図11に示すように固体潤滑剤も除去されている。
その後、必要に応じて成形体17に塑性加工や切削加工などの適当な加工を施し、焼結部品が完成する。
本実施の形態の粉末冶金における粉末成形方法によれば、鉄基粉末10の表面がワックス20によって被覆されるので、鉄基粉末10中においてワックス20を均一に分散させることができる。また、鉄基粉末10の表面に存在する凹部11をワックス20で埋めることができる。これにより、圧粉成形の際に鉄基粉末10同士の摩擦を小さくすることができ、鉄基粉末10とダイ72との摩擦が局所的に大きくなる箇所をなくすことができるので、焼付きの発生を抑止することができ、高密度の成形体を得ることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態の粉末冶金における粉末成形方法は、鉄基粉末の表面を互いに融点の異なる2種類のワックスで被覆する点において実施の形態1の粉末冶金における粉末成形方法と異なっている。以下、本実施の形態の粉末冶金における粉末成形方法について、図13を用いて説明する。
図13を参照して、始めに、鉄基粉末10の表面を第1ワックス20aで被覆する。第1ワックス20aは、鉄基粉末10と第1ワックス20aとを混合しながら混合容器内の温度を上昇してワックス20aを溶融させ、一定時間経過後、混合容器内の温度を下げ、第1ワックス20aが凝固するまで第1ワックス20aと鉄基粉末10とを混合し続けることにより鉄基粉末10の表面に形成される。
次に、第1ワックス20aの表面を、第1のワックス20aの融点よりも低い融点を有する第2ワックス20bで被覆する。第2ワックス20bは、鉄基粉末10と第2ワックス20bとを混合しながら混合容器内の温度を上昇して第2ワックス20bを溶融させ、一定時間経過後、混合容器内の温度を下げ、第2ワックス20bが凝固するまで第2ワックス20bと鉄基粉末10とを混合し続けることにより鉄基粉末10の表面に形成される。ここで、第2ワックス20bを溶融する際には、第2ワックス20bの融点以上の温度であって第1ワックス20aの融点よりも低い温度(たとえば50℃)まで混合容器内を加熱する。これにより、第1ワックス20aを溶融させずに第2ワックス20bの層を第1ワックス20aの層の外側に形成することができる。
ここで、第1ワックス20aの融点は、後工程である圧粉成形の際のダイ72(図7)の温度(最高温度)以上であり、かつ第2ワックス20bの融点は、圧粉成形の際のダイ72の温度(最高温度)未満であることが好ましい。
なお図14を参照して、第1ワックス20aが鉄基粉末10の表面の一部のみを覆っている場合には、第2ワックス20bの一部が、鉄基粉末10の表面を直接覆っていてもよい。言い換えれば、第1ワックス20aが鉄基粉末10の表面の一部を覆っており、かつ第2ワックス20bが鉄基粉末10の表面および第1ワックス20aを覆っていてもよい。
以上により成形体が得られる。焼結部品を製造する場合には、実施の形態1と同様の方法で、得られた成形体に熱処理を施す。
本実施の形態の粉末冶金における粉末成形方法によれば、実施の形態1の効果に加えて、融点に幅のあるワックスを容易に得ることができる。鉄基粉末10を特に冷間加工により圧粉成形する際には、鉄基粉末10同士の摩擦熱や鉄基粉末とダイ72との間の摩擦熱により、加圧とともに鉄基粉末10およびダイ72の温度が上昇する。このとき、ワックスの融点に幅があると、鉄基粉末10およびダイ72の温度上昇に伴ってワックスが徐々に溶融し、鉄基粉末10とダイ72との間に染み出す。これにより、鉄基粉末10とダイ72との間の摩擦を緩和することができる。また、鉄基粉末10の表面に残っている固体のワックスにより鉄基粉末10同士の間の摩擦を緩和することができる。
また、第1ワックス20aが圧粉成形時におけるダイ72の温度以上の融点を有し、第2ワックス20bが圧粉成形時におけるダイ72の温度未満の融点を有しているので、圧粉成形時に第2ワックス20bが溶融し、鉄基粉末10とのダイ72との間に染み出すので、鉄基粉末10とダイ72との間の摩擦を緩和することができる。また、鉄基粉末10の表面に留まっている固体の第1ワックス20aにより、鉄基粉末10同士の間の摩擦を緩和することができる。
また、第1ワックス20aは第2ワックス20bの融点よりも高い融点を有していることで、加圧成形の際に外側に形成された第2ワックス20bから順番に溶融し始めるため、溶融したワックスが染み出しやすくなる。
本実施例では、ワックスで鉄基粉末の表面を被覆することの効果について調べた。始めに、本発明例と比較例との各々の成形体を以下の方法で製造した。
本発明例A1〜本発明例A7:鉄基粉末としてヘガネスAB社製ASC100.29を準備した。またワックスとして、45℃の融点を有するエステルワックス粉末(平均粒径10μm)を準備した。次に、ワックスの添加量を0.01質量%〜0.80質量%の間でそれぞれ変化させて、鉄基粉末とワックスの粉末とを混合容器内が加熱できる撹拌混合機に投入し、混合した。そしてこれらの粉末を混合しながら、ワックスの融点より10℃高い温度を混合容器の目標温度として昇温した。混合容器の昇温速度は5℃/分とした。そして、目標温度で3分間保持し、その後混合容器を融点以下まで冷却しながら混合を続けた。これにより混合粉末を得た。次に、油圧プレスに取付けた成形金型に混合粉末を充填し、冷間加工によって1000MPaの圧力で圧粉成形することにより成形体を得た。成形体は直径20mm、高さ20mmの円柱形状とした。
比較例A8〜比較例A14:原料粉末とワックス粉末とを加熱せずにV型混合機にて1時間混合し、混合粉末を得た。そして、この混合粉末を圧粉成形することにより成形体を得た。なお、これ以外の詳細な製造方法および材料の選択は、本発明例A1〜A7と同様にした。
本発明例A15〜本発明例A18:ワックスの添加量を0.03質量%として、鉄基粉末とワックスの粉末とを混合容器内が加熱できる撹拌混合機に投入し、混合した。そしてこれらの粉末を混合しながら、30℃〜210℃の間で混合容器の目標温度をそれぞれ変化させて昇温し、混合粉末を得た。そして、この混合粉末を圧粉成形することにより成形体を得た。なお、これ以外の詳細な製造方法および材料の選択は、本発明例A1〜A7と同様にした。
このようにして得られた成形体の各々について、密度(成形体密度)を測定した。また外観を観察した。この結果を表1に示す。また、本発明例A1〜本発明例A7および比較例A8〜比較例A14におけるワックス添加量と成形体密度との関係を図15に示す。
表1および図15を参照して、本発明例A1〜本発明例A7の成形体密度と、比較例A8〜比較例A14の成形体密度とを同じワックスの添加量のもの同士で比べると、本発明例の圧粉体密度の方が高くなっている。また、比較例ではワックス添加量が0.30質量%以下の場合には引きずり痕や焼付きが生じているのに対して、本発明例ではワックスの添加量が少ないものでも外観上の不具合点が少なくなっている。このことから、本発明の粉末冶金における粉末成形方法によれば、焼付きの発生を抑止することができ、高密度の成形体が得られることが分かる。
また、本発明例A15では成形体密度が低くなっており、外観上の不具合が生じている。これは、金型の温度が低いためにワックスが表面に染み出しにくくなっているためであると考えられる。さらに、本発明例A18では、粉末の流動性が劣化し、成形時の充填密度にムラが生じていた。これは、粉末表面のワックスが圧粉成形前に溶融し、ワックスの粘性が低下するためであると考えられる。このことから、200℃以下の温度に設定された金型を用いて鉄基粉末を圧粉成形するのが好ましいことが分かる。
本実施例では、ワックスの材質が成形体に及ぼす影響について調べた。始めに、本発明例B1〜本発明例B4の各々の成形体を以下の方法で製造した。
本発明例B1、本発明例B2、および本発明例B4:鉄基粉末としてヘガネスAB社製ASC100.29を準備した。またワックスとして、表2に示す2種類のエステルワックス粉末(平均粒径10μm)をそれぞれ準備した。次に、鉄基粉末と2種類のワックスの粉末とを混合容器内が加熱できる撹拌混合機に同時に投入し、混合した。そしてこれらの粉末を混合しながら、融点の高い方のワックスの融点より10℃高い温度を混合容器の目標温度として昇温した。混合容器の昇温速度は5℃/分とした。そして、目標温度で3分間保持し、その後混合容器を融点以下まで冷却しながら混合を続けた。これにより混合粉末を得た。次に、油圧プレスに取付けた成形金型に混合粉末を充填し、1000MPaの圧力で加圧成形することにより成形体を得た。成形体は直径20mm、高さ20mmの円柱形状とした。
本発明例B3:鉄基粉末としてヘガネスAB社製ASC100.29を準備した。またワックスとして、表2に示す2種類のエステルワックス粉末(平均粒径10μm)をそれぞれ準備した。次に、鉄基粉末とワックス2の粉末とを混合容器内が加熱できる撹拌混合機に投入し、混合した。そしてこれらの粉末を混合しながら、表2におけるワックス2の融点より10℃高い温度を混合容器の目標温度として昇温した。混合容器の昇温速度は5℃/分とした。そして、目標温度で3分間保持し、その後混合容器を融点以下まで冷却しながら混合を続けた。これにより、ワックス2の層を鉄基粉末の表面に形成した。次に、鉄基粉末とワックス1の粉末とを混合容器内が加熱できる撹拌混合機に投入し、混合した。そしてこれらの粉末を混合しながら、表2におけるワックス1の融点より10℃高い温度であってワックス2の融点未満の温度を混合容器の目標温度として昇温した。混合容器の昇温速度は5℃/分とした。そして、目標温度で3分間保持し、その後混合容器を融点以下まで冷却しながら混合を続けた。これにより、ワックス2の層の表面にワックス1の層を形成し、ワックスを2層構造とした。なお、これ以外の詳細な製造方法および材料の選択は、本発明例B1、本発明例B2、および本発明例B4と同様にした。
このようにして得られた成形体の各々について、圧粉成形時の抜き出し最大圧力と、密度(成形体密度)とを測定した。また外観を観察した。これらの結果を表3に示す。
なお表3では、比較のために本発明例A3(実施例1)の結果も示されている。表3を参照して、本発明例A3と本発明例B1〜本発明例B3とを比較すると、抜き出し最大圧力において本発明例B1〜本発明例B3の方が本発明例A3よりも良好な結果が得られており、また本発明例B1〜本発明例B3では外観の不具合もない。また、本発明例B2と本発明例B3とを比較すると、抜き出し最大圧力および成形体密度において本発明例B3の方が本発明例B2よりも良好な結果が得られている。この結果から、融点の高いワックス2を内側に形成し、融点の低いワックス1を外側に形成することにより、潤滑性および成形体密度が向上することが分かる。なお、本発明例B4のように、ワックス1およびワックス2がいずれも圧粉成形時の金型の温度(約50℃)以上の融点を有するワックスである場合には、圧粉成形時にワックスが溶融しにくくなるため、抜き出し最大圧力が大きくなり、外観上の不具合が生じている。
本実施例では、エステルワックスを含むワックスを用いることの効果について調べた。始めに、本発明例C1〜本発明例C3の各々の成形体を以下の方法で製造した。
本発明例C1〜本発明例C3:鉄基粉末としてヘガネスAB社製ASC100.29を準備した。またワックスとして、表4に示す2種類のワックス粉末(平均粒径10μm)をそれぞれ準備した。次に、鉄基粉末とワックス2の粉末とを混合容器内が加熱できる撹拌混合機に投入し、混合した。そしてこれらの粉末を混合しながら、表4におけるワックス2の融点より10℃高い温度を混合容器の目標温度として昇温した。混合容器の昇温速度は5℃/分とした。そして、目標温度で3分間保持し、その後混合容器を融点以下まで冷却しながら混合を続けた。これにより、ワックス2の層を鉄基粉末の表面に形成した。次に、鉄基粉末とワックス1の粉末とを混合容器内が加熱できる撹拌混合機に投入し、混合した。そしてこれらの粉末を混合しながら、表4におけるワックス1の融点より10℃高い温度であってワックス2の融点未満の温度を混合容器の目標温度として昇温した。混合容器の昇温速度は5℃/分とした。そして、目標温度で3分間保持し、その後混合容器を融点以下まで冷却しながら混合を続けた。これにより、ワックス2の層の表面にワックス1の層を形成し、ワックスを2層構造とした混合粉末を得た。次に、油圧プレスに取付けた成形金型に混合粉末を充填し、1000MPaの圧力で加圧成形することにより成形体を得た。成形体は直径20mm、高さ20mmの円柱形状とした。次に、得られた成形体を1100℃の真空炉中で1.5時間焼結し、焼結部品を得た。
このようにして得られた焼結体の各々について、密度を測定した。また外観を観察した。これらの結果を表4に示す。
表4を参照して、アミドワックスのみを用いた本発明例C3では、エステルワックスを含むワックスを用いた本発明例C1および本発明例C2よりも密度が高くなっている。また、アミドワックスのみを用いた本発明例C3では、熱処理後に黒斑が残り、外観上不具合が生じているのに対して、エステルワックスを含むワックスを用いた本発明例C1および本発明例C2では、良好な外観が得られている。これらの結果から、本発明のワックスとしてはエステルワックスを含むワックスが適していることが分かる。
本実施例では、固体潤滑剤を添加することの効果について調べた。始めに、本発明例D1〜本発明例D8の各々の成形体を以下の方法で製造した。
本発明例D1〜本発明例D8:鉄基粉末としてヘガネスAB社製ASC100.29を準備した。またワックスとして、45℃の融点を有するエステルワックス粉末(平均粒径10μm)を準備した。次に、ワックスの添加量を0.10質量として鉄基粉末とワックスの粉末とを混合容器内が加熱できる撹拌混合機に投入し、混合した。そしてこれらの粉末を混合しながら、ワックスの融点より10℃高い温度を混合容器の目標温度として昇温した。混合容器の昇温速度は5℃/分とした。そして、目標温度で3分間保持し、その後混合容器を融点以下まで冷却しながら混合を続けた。次に、固体潤滑剤としてエチレンビスステアリン酸アミドまたはステアリン酸亜鉛を表5に示す添加量で添加して、V型混合機で1時間混合した。これにより混合粉末を得た。次に、油圧プレスに取付けた成形金型に混合粉末を充填し、冷間加工によって1000MPaの圧力で圧粉成形することにより成形体を得た。成形体は直径20mm、高さ20mmの円柱形状とした。
このようにして得られた成形体の各々について、密度(成形体密度)を測定した。また外観を観察した。この結果を表5に示す。
なお表5では、比較のために本発明例A3(実施例1)の結果も示されている。表5を参照して、本発明例A3と本発明例D1〜本発明例D8とを比較すると、抜き出し最大圧力において本発明例D1〜本発明例D8の方が本発明例A3よりも良好な結果が得られており、また本発明例D1〜本発明例D8では外観の不具合もない。これらの結果より、固体潤滑剤を添加することにより成形体の表面状態が一層改善されることが見込まれる。
本実施例では、ワックスで鉄基粉末の表面を被覆する方法により作製された焼結体の強度について調べた。始めに、本発明例E1〜E4と比較例E5〜E8との各々の焼結体を以下の方法で製造した。
本発明例E1〜本発明例E4:鉄基粉末としてヘガネスAB社製ASC100.29を準備した。またワックスとして、45℃の融点を有するエステルワックス粉末(平均粒径10μm)を準備した。次に、鉄基粉末とワックスの粉末とを混合容器内が加熱できる撹拌混合機に投入し、混合した。そしてこれらの粉末を混合しながら、ワックスの融点より10℃高い温度を混合容器の目標温度として昇温した。混合容器の昇温速度は5℃/分とした。そして、目標温度で3分間保持し、その後混合容器を融点以下まで冷却しながら混合を続けた。次に、得られた粉末を98質量%と、Cu粉末を2質量%と、グラファイトカーボンを0.5質量%とをV型混合機で1時間混合し、混合粉末を得た。次に、油圧プレスに取付けた成形金型に混合粉末を充填し、600MPa〜1200MPaの範囲で圧力をそれぞれ変化させて冷間加工によって圧粉成形することにより成形体を得た。成形体は長さ55mm、高さおよび幅10mmの矩形状とした。続いて、得られた成形体の密度を測定した後、この成形体を1100℃の真空炉中で1.5時間焼結し、焼結体を得た。
比較例E5〜比較例E8:原料粉末とワックス粉末とCu粉末とグラファイトカーボンとを加熱せずにV型混合機にて1時間混合し、混合粉末を得た。そして、この混合粉末を圧粉成形することにより成形体を得て、成形体を焼結して焼結部品を得た。なお、これ以外の詳細な製造方法および材料の選択は、本発明例E1〜E4と同様にした。
このようにして得られた焼結部品の各々について、曲げ試験を行なった。曲げ試験は室温において、支持台のスパン40mm、クロスヘッド速度2mm/minの条件で行なわれた。これらの結果を表6および図16に示す。
表6および図16を参照して、本発明例E1〜本発明例E4の成形体密度および曲げ強さと、比較例E5〜比較例E8の成形体密度および曲げ強さとを同じ成形圧力のもの同士で比べると、本発明例の成形体密度の方が高くなっており、また本発明例の曲げ強さの方が高くなっている。このことから、本発明の焼結部品の製造方法によれば、高強度の焼結部品が得られることが分かる。
以上に開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態および実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものと意図される。
本発明は、複雑な形状を有し、良好な表面形状および高密度が求められる焼結部品の成形に特に有利に適用され得る。
本発明の実施の形態1における粉末冶金における粉末成形方法の第1工程を示す概略図である。
本発明の実施の形態1における粉末冶金における粉末成形方法の第2工程を示す概略図である。
本発明の実施の形態1における粉末冶金における粉末成形方法の第3工程を示す概略図である。
本発明の実施の形態1における粉末冶金における粉末成形方法の第3工程の他の例を示す概略図である。
従来のようにワックスを固体の状態で鉄基粉末と混合した場合の混合粉末の構造を模式的に示す図である。
本発明の実施の形態1における粉末冶金における粉末成形方法の第4工程を示す概略図である。
本発明の実施の形態1における粉末冶金における粉末成形方法の第5工程を示す概略図である。
(a)本発明の実施の形態1における粉末冶金における粉末成形方法の第6工程を示す概略図である。(b)(a)における混合粉末の拡大図である。
本発明の実施の形態1における粉末冶金における粉末成形方法を用いて形成された成形体の表面付近を模式的に示す断面図である。
本発明の実施の形態1における粉末冶金における粉末成形方法を用いて形成された成形体の他の例(固体潤滑剤を添加した例)の表面付近を模式的に示す断面図である。
本発明の実施の形態1において、熱処理が施された成形体の表面付近を模式的に示す断面図である。
本発明の実施の形態1において、熱処理が施された成形体の他の例(固体潤滑剤を添加した例)の表面付近を模式的に示す断面図である。
本発明の実施の形態2における粉末冶金における粉末成形方法を示す概略図である。
本発明の実施の形態2における粉末冶金における粉末成形方法の他の例を示す概略図である。
本発明の実施例1におけるワックス添加量と成形体密度との関係を示す図である。
本発明の実施例5における成形体密度と曲げ強さとの関係を示す図である。
符号の説明
10 鉄基粉末、11 凹部、15 混合粉末、16,17 成形体、20,20a,20b ワックス、21 溶融体、30 固体潤滑剤、72 ダイ、73 内壁、74 空間、77 バンドヒータ、80 上パンチ。