JP2007211340A - 軟磁性材料、圧粉磁心、軟磁性材料の製造方法、および圧粉磁心の製造方法 - Google Patents

軟磁性材料、圧粉磁心、軟磁性材料の製造方法、および圧粉磁心の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気特性を向上することのできる軟磁性材料、圧粉磁心、軟磁性材料の製造方法、および圧粉磁心の製造方法を提供する。
【解決手段】軟磁性材料は、鉄基粉末1とグリセリン重合体の脂肪酸エステル30を含む潤滑剤とを有する混合粉末である。鉄基粉末1は、鉄基粒子10と、その表面に形成された絶縁被膜20とからなっている。グリセリン重合体の脂肪酸エステル30は、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30の水酸基価が0.5mgKOH/g以上200mgKOH/g以下である。絶縁被膜20は、リン酸塩からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、軟磁性材料、圧粉磁心、軟磁性材料の製造方法、および圧粉磁心の製造方法に関する。
従来、軟磁性材料を圧粉成形して圧粉磁心を作製する際において、金型と被成形物との焼付きを抑制するためには、常時固体である樹脂を利用して、金型と被成形物との境界面の摩擦抵抗を下げる方法が用いられてきた。この樹脂の利用態様には、樹脂を軟磁性材料に添加する場合と、樹脂を金型に直接吹き付ける場合とがある。樹脂を軟磁性材料に添加する場合には、被成形物の表面近傍の樹脂が金型との摩擦抵抗低減に寄与するため、添加樹脂の量を0.6質量%以上にする必要がある。そのため、圧粉磁心の密度低下を引起こす。また、樹脂を金型に吹き付ける場合は、金型、特に複雑形状の金型に均質に吹き付けるのが難しく、ムラができやすいという課題がある。
これらの課題を解決するために、ワックスのような高分子油を軟磁性材料に添加する方法が提案されている。従来のワックスとして、たとえば特表2003−509582号公報(特許文献1)には、ポリカルボン酸アミドワックスが示されている。また、特表2005−504863号公報(特許文献2)にはポリエチレンエーテルとオリゴマーアミドとの組合せの潤滑剤が示されている。さらに、特開2002−212142号公報(特許文献3)には、エステルワックスが示されている。
特表2003−509582号公報 特表2005−504863号公報 特開2002−212142号公報
従来においては、上記のようなワックスを固体の状態で鉄基粉末と混合することによって軟磁性材料に添加していた。しかしながら、この方法では軟磁性材料中においてワックス粒子の偏りが生じやすく、その結果、圧粉磁心の磁気特性が低下するという問題があった。軟磁性材料中においてワックス粒子が偏って存在すると、軟磁性材料の圧粉成形の際に、ワックスが欠乏している箇所において鉄基粉末同士の摩擦が大きくなったり、鉄基粉末と金型との摩擦が大きくなったりする。その結果、得られる圧粉磁心の密度が低くなり、圧粉磁心の磁気特性が低下する。また、軟磁性材料中においてワックス粒子が偏って存在すると、軟磁性材料の圧粉成形の際に鉄基粉末に対して局所的に大きな力が加わりやすくなるので、鉄基粉末の表面を被覆している絶縁被膜が破壊されやすくなる。絶縁被膜が破壊されると鉄基粉末同士の絶縁が保たれなくなり、圧粉磁心の渦電流損の増大を招き、圧粉磁心の磁気特性が低下する。
それゆえ本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、磁気特性を向上することのできる軟磁性材料、圧粉磁心、軟磁性材料の製造方法、および圧粉磁心の製造方法を提供することである。
本発明にしたがった軟磁性材料は、表面に絶縁被膜を有する鉄基粉末と、グリセリン重合体の脂肪酸エステルを含む潤滑剤とを備えている。
本発明の軟磁性材料によれば、潤滑剤として脂肪酸アルキル基とエーテル基とを有するグリセリン重合体の脂肪酸エステルを用いている。脂肪酸アルキル基は親油性であるので、潤滑性を発現する。エーテル基は親水性であるので、鉄基粉末への付着性を発現する。すなわち、グリセリン重合体の脂肪酸エステルは、潤滑剤としての性能を維持するとともに、鉄基粉末への付着性も良好である。そのため、グリセリン重合体の脂肪酸エステルを含む潤滑剤を用いることにより、グリセリン重合体の脂肪酸エステルが鉄基粉末へ付着した後に、経時変化等によってもグリセリン重合体の脂肪酸エステルが容易に遊離しないので、グリセリン重合体の脂肪酸エステルが偏析しにくくなる。よって、軟磁性材料を用いて加圧成形する際に、鉄基粉末同士の摩擦を小さくすることができ、鉄基粉末と金型との摩擦が局所的に大きくなる箇所をなくすことができるので、成形体の密度を向上することができる。また、軟磁性材料の加圧成形の際に、鉄基粉末に対して局所的に大きな力が加わる箇所がなくなるので、絶縁被膜の破壊を防止することができる。以上より、磁気特性を向上することができる。
本発明の軟磁性材料において好ましくは、グリセリン重合体の脂肪酸エステルの水酸基価が0.5mgKOH/g以上200mgKOH/g以下である。
水酸基価を200mgKOH/g以下とすることにより、潤滑剤の流動性が向上して、潤滑性能がより向上するからである。一方、水酸基価を0.5mgKOH/g以上とすることにより、親水性のOH基がグリセリン重合体の脂肪酸エステル中に適度に残るため、鉄基粉末への付着性がより向上するからである。
なお、上記「水酸基価」とは、試料1gをアセチル化するとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウム(KOH)のmg数であり、測定はJIS K0070による。
本発明の軟磁性材料において好ましくは、絶縁被膜は、リン酸塩からなる。これにより、化学結合してリン酸エステル化することも考えられる。絶縁被膜とグリセリン重合体の脂肪酸エステルとが化学結合すると、グリセリン重合体の脂肪酸エステルが鉄基粉末から非常に遊離しにくくなり、付着がより確実になる。そのため、グリセリン重合体の脂肪酸エステルの分散性がより向上し、グリセリン重合体の脂肪酸エステルがより偏析しにくくなる。よって、磁気特性をより向上することができる。
本発明の軟磁性材料において好ましくは、グリセリン重合体の脂肪酸エステルが鉄基粉末の表面を被覆している。
これにより、グリセリン重合体の脂肪酸エステルの鉄基粉末への付着量が多くなる。そのため、グリセリン重合体の脂肪酸エステルの分散性がより向上し、グリセリン重合体の脂肪酸エステルがより偏析しにくくなる。また、鉄基粉末の表面に存在する凹みをグリセリン重合体の脂肪酸エステルを含む潤滑剤で埋めることができる。そのため、鉄基粉末の流動性や高密度充填性を阻害しにくくなる。よって、磁気特性をより向上することができる。
なお、上記「鉄基粉末の表面を被覆している」とは、鉄基粉末の表面積のうち、グリセリン重合体の脂肪酸エステルに覆われている表面積が60%以上の割合であることを意味する。
本発明の軟磁性材料において好ましくは、グリセリン重合体の脂肪酸エステルの平均粒径は、鉄基粉末の平均粒径の1/5以下である。
これにより、グリセリン重合体の脂肪酸エステルの鉄基粉末への付着がより確実となる。そのため、より微量の添加で、グリセリン重合体の脂肪酸エステルの分散性がより向上し、グリセリン重合体の脂肪酸エステルがより偏析しにくくなる。また、鉄基粉末の表面に存在する凹みをグリセリン重合体の脂肪酸エステルで埋めることができる。そのため、金型に充填する際の鉄基粉末の流動性や高密度充填性を阻害しにくくなる。よって、磁気特性をより向上することができる。なお、グリセリン重合体の脂肪酸エステルの平均粒径は、加工できる限り細かい程、上記の効果を得ることができるので、好ましい。
本発明の軟磁性材料において好ましくは、グリセリン重合体の脂肪酸エステルは、鉄基粉末に対して、0.01質量%以上1.0質量%以下含まれる。
0.01質量%以上とすることによって、グリセリン重合体の脂肪酸エステルから絶縁被膜の損傷を抑える潤滑性および鉄基粉末への付着性の効果をより得ることができる。一方、0.1質量%以下とすることによって、軟磁性材料において磁束密度および強度の低下をより防止でき、磁気特性をより向上することができる。
本発明にしたがった圧粉磁心は、上述のいずれかに記載の軟磁性材料を用いて作製される。このように構成された圧粉磁心によれば、軟磁性材料の加圧成形の際に、圧粉磁心の密度を向上することができるとともに、絶縁被膜の破壊を防止することができる。よって、磁気特性を向上する圧粉磁心とすることができる。なお、圧粉磁心とする場合、強度上他の有機物を添加することもある。このような有機物が存在する下であっても、本発明による効果は得られる。
本発明にしたがった軟磁性材料の製造方法によれば、表面に絶縁被膜を有する鉄基粉末を準備する準備工程と、グリセリン重合体の脂肪酸エステルを含む潤滑剤を添加する添加工程とを備えている。
本発明にしたがった軟磁性材料の製造方法によれば、親油性の脂肪酸アルキル基と親水性のエーテル基とを有するグリセリン重合体の脂肪酸エステルを添加するので、潤滑性と鉄基粉末への付着性に優れた潤滑剤を添加することができる。すなわち、グリセリン重合体の脂肪酸エステルを含む潤滑剤を添加することにより、グリセリン重合体が鉄基粉末へ付着した後に、経時変化等によりグリセリン重合体の脂肪酸エステルが容易に遊離しないので、グリセリン重合体の脂肪酸エステルが偏析しにくくなる。そのため、軟磁性材料を用いて加圧成形する場合には、鉄基粉末同士の摩擦を小さくすることができ、鉄基粉末と金型との摩擦が局所的に大きくなる箇所をなくすことができるので、成形体の密度を向上することができる。また、軟磁性材料の加圧成形の際に、鉄基粉末に対して局所的に大きな力が加わる箇所がなくなるので、絶縁被膜の破壊を防止することができる。よって、磁気特性を向上することができる軟磁性材料を製造することができる。
本発明の軟磁性材料の製造方法において好ましくは、添加工程は、グリセリン重合体の脂肪酸エステルが鉄基粉末の表面を被覆する被覆工程を含んでいる。
これにより、グリセリン重合体の脂肪酸エステルの鉄基粉末への付着をより確実とすることができ、グリセリン重合体の脂肪酸エステルがより偏析しにくくなる。また、金型に充填する際の鉄基粉末の流動性や高密度充填性を阻害しにくくなる。よって、磁気特性をより向上することができる軟磁性材料を製造することができる。
本発明の軟磁性材料の製造方法において好ましくは、準備工程は、リン酸塩からなる絶縁被膜を準備する工程を含み、添加工程は、グリセリン重合体の脂肪酸エステルがリン酸塩とエステル結合する工程を含む。
これにより、グリセリン重合体の脂肪酸エステルと絶縁被膜とが化学結合して、リン酸エステル化することが可能となる。そのため、グリセリン重合体の脂肪酸エステルが非常に遊離しにくくなり、付着がより確実になる。よって、グリセリン重合体の脂肪酸エステルがより偏析しにくくなり、磁気特性をより向上することができる軟磁性材料を製造することができる。
本発明の圧粉磁心の製造方法は、上記軟磁性材料の製造方法により得られる軟磁性材料を準備する工程と、金型を用いて軟磁性材料を加圧成形する加圧成形工程と、加圧成形することによって得られた成形体を熱処理する工程とを備えている。
このように製造された圧粉磁心によれば、軟磁性材料の加圧成形の際に、圧粉磁心の密度を向上することができるとともに、絶縁被膜の破壊を防止することができる。よって、磁気特性を向上する圧粉磁心を製造することができる。
本発明の軟磁性材料によれば、潤滑剤として親油性の脂肪酸アルキル基と親水性のエーテル基とを有するグリセリン重合体の脂肪酸エステルを用いている。グリセリン重合体の脂肪酸エステルは、潤滑剤としての性能を維持するとともに、鉄基粉末への付着性も良好である。よって、磁気特性を向上することができる。
また、本発明の軟磁性材料の製造方法によれば、潤滑剤として親油性の脂肪酸アルキル基と親水性のエーテル基とを有するグリセリン重合体の脂肪酸エステルを添加する。グリセリン重合体の脂肪酸エステルは、潤滑剤としての性能を維持するとともに、鉄基粉末への付着性も良好である。よって、磁気特性を向上することができる軟磁性材料を製造することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には、同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
図1は、本発明の実施の形態における軟磁性材料を模式的に示す図である。図1に示すように、本実施の形態における軟磁性材料は、たとえば鉄基粉末1とグリセリン重合体の脂肪酸エステル30を含む潤滑剤とを有する混合粉末である。鉄基粉末1は、鉄基粒子10と、その表面に形成された絶縁被膜20とからなっている。実施の形態では、潤滑剤は、たとえばグリセリン重合体の脂肪酸エステル30からなる。
なお、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30は、下記の化学式1で代表的に表わされる。化学式1では一級炭素のOH同士でエーテル化している構造を代表的に示しているが、一級炭素のOHと二級炭素のOHでエーテル化する場合や、二級炭素のOH同士でエーテル化する場合も含まれる。化学式1中、Xは脂肪酸残基または水素を表す。ただし、化学式1中のXのうち少なくとも1つ以上のXは脂肪酸残基を有しており、全てが脂肪酸残基であってもよい。また、lは2以上の整数を表わす。
Figure 2007211340
鉄基粒子10は、たとえば、鉄(Fe)、鉄(Fe)−シリコン(Si)系合金、鉄(Fe)−アルミニウム(Al)系合金、鉄(Fe)−窒素(N)系合金、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)系合金、鉄(Fe)−炭素(C)系合金、鉄(Fe)−ホウ素(B)系合金、鉄(Fe)−コバルト(Co)系合金、鉄(Fe)−リン(P)系合金、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)系合金および鉄(Fe)−アルミニウム(Al)−シリコン(Si)系合金などから形成されている。鉄基粒子10は、金属単体でも合金でもよい。
鉄基粒子10の平均粒径は、30μm以上500μm以下であることが好ましい。鉄基粒子10の平均粒径を30μm以上とすることにより、保磁力を低減することができる。平均粒径を500μm以下とすることにより、渦電流損を低減することができる。また、加圧成形時において混合粉末の圧縮性が低下することを抑止できる。これにより、加圧成形によって得られた成形体の密度が低下せず、取り扱いが困難になることを防ぐことができる。
なお、鉄基粒子10の平均粒径とは、粒径のヒストグラム中、粒径の小さいほうからの質量の和が総質量の50%に達する粒子の粒径、つまり50%粒径をいう。
絶縁被膜20は、鉄基粒子10間の絶縁層として機能する。鉄基粒子10を絶縁被膜20で覆うことによって、この軟磁性材料を加圧成形して得られる圧粉磁心の電気抵抗率ρを大きくすることができる。これにより、鉄基粒子10間に渦電流が流れるのを抑制して、圧粉磁心の渦電流損を低減させることができる。
絶縁被膜20は、たとえばリン酸塩からなる。また好ましくは、絶縁被膜20は酸化物を含有する。この酸化物を含有する絶縁被膜20としては、リンと鉄とを含むリン酸鉄の他、リン酸マンガン、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、酸化シリコン、酸化チタン、酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムなどの酸化物絶縁体を使用することができる。絶縁被膜20は、図中に示すように1層に形成されていても良いし、多層(図示せず)に形成されていても良い。
絶縁被膜20がリン酸塩からなることにより、絶縁被膜20のリン酸とグリセリン重合体の脂肪酸エステル30が有するOH基とが化学結合して、リン酸エステルとなり、たとえば、下記の化学式2のようなリン酸エステルとなる。なお、化学式2中、Xは脂肪酸残基または水素を、Mは金属を、mは任意の整数を表わす。ただし、化学式2中のXのうち少なくとも1つ以上のXは脂肪酸残基を有しており、全てが脂肪酸残基であってもよい。絶縁被膜20とグリセリン重合体の脂肪酸エステル30とが化学結合すると、潤滑剤としてのグリセリン重合体の脂肪酸エステル30が非常に遊離しにくくなり、鉄基粉末1との付着がより確実になる。そのため、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30の分散性がより向上し、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30がより偏析しにくくなる。
Figure 2007211340
絶縁被膜20の平均膜厚は、10nm以上1μm以下であることが好ましい。さらに好ましくは、絶縁被膜20の平均膜厚は、20nm以上100nm以下である。絶縁被膜20の平均膜厚を10nm以上とすることによって、トンネル効果による通電を抑制することができる。20nm以上とすることによって、トンネル効果による通電を効果的に抑制することができる。一方、絶縁被膜20の平均膜厚を1μm以下とすることによって、加圧成形時に絶縁被膜20がせん断破壊することを防止できる。また、軟磁性材料に占める絶縁被膜20の割合が大きくなりすぎないので、軟磁性材料を加圧成形して得られる圧粉磁心の磁束密度が著しく低下することを防止できる。絶縁被膜20の平均膜厚を100nm以下とすることによって、磁束密度の低下をさらに防止できる。
なお、平均膜厚とは、組成分析(TEM−EDX:transmission electron microscope energy dispersive X-ray spectroscopy)によって得られる膜組成と、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS:inductively coupled plasma-mass spectrometry)によって得られる元素量とを鑑みて相当厚さを導出し、さらに、TEM写真により直接、被膜を観察し、先に導出された相当厚さのオーダーが適正な値であることを確認して決定されるものをいう。
潤滑剤としてのグリセリン重合体の脂肪酸エステル30は、グリセリン(グリセロール:C35(OH)3)と脂肪酸(たとえば飽和脂肪酸はCx2x:xは任意の整数)とがエステル結合し、グリセリンを重合させてなるもので、上記の化学式1で代表的に表わすことができる。なお、脂肪酸は、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸に特に限定されない。また、潤滑剤は、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30が少なくとも1種含まれていれば特に限定されず、たとえば2種以上のグリセリン重合体の脂肪酸エステルが含まれていてもよい。また、後述するように、他の潤滑剤が含まれていてもよい。
グリセリン重合体の脂肪酸エステル30は、脂肪酸アルキル基部分と、エーテル(C−O−C)部分とを有する。脂肪酸アルキル基部分は親油性であるので潤滑性を発現し、エーテル部分は親水性であるので鉄基粉末1への付着性を発現する。すなわち、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30は、潤滑剤としての性能を維持するとともに、図1に示すように鉄基粉末1への付着性も良好である。そのため、潤滑剤としてグリセリン重合体の脂肪酸エステル30を用いると、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30が鉄基粉末1へ付着した後に、経時変化等によってもグリセリン重合体の脂肪酸エステル30が容易に遊離しないので、グリセリン重合体の脂肪酸エステルが偏析しにくくなる。
そのため、上記化学式1中のXの脂肪酸残基は炭素数が12〜22のものを用いることが好ましい。炭素数を12以上とすることによって、潤滑性能を向上することができるからである。炭素数を22以下とすることによって、鉄基粉末1への付着性を向上することができるからである。炭素数が12〜22の脂肪酸としては、たとえばラウリン酸(C1123COOH)、ミリスチン酸(C1327COOH)、パルミチン酸(C1531COOH)、ステアリン酸(C1735COOH)、オレイン酸(C1733COOH)、リノール酸(C1731COOH)、リノレン酸(C1729COOH)、あるいはリシノール酸(C1732(OH)COOH)が挙げられる。
また、上記化学式1においてl(グリセリンの重合度)は、2以上であれば特に限定されないが、5以上とすることが好ましい。lを5以上とすることによって、エーテル部分が増えるので、鉄基粉末1への付着性をより向上することができるからである。
また、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30の水酸基価は、0.5mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であることが好ましく、2.6mgKOH/g以上188mgKOH/g以下であることがより好ましい。すなわち、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30は、部分エステルである。グリセリン重合体の脂肪酸エステル30の一例として、下記の化学式3で表わすことができる。なお、化学式3中、Rは脂肪酸アルキル基を、nは任意の整数を表わす。水酸基価を200mgKOH/g以下とすることにより、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30の流動性が向上して、潤滑性能がより向上するからである。188mgKOH/g以下とすることにより、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30の潤滑性能がより一層向上するからである。一方、水酸基価を0.5mgKOH/g以上とすることにより、親水性のOH基がグリセリン重合体の脂肪酸エステル30中に適度に残るため、鉄基粉末1への付着性がより向上する。2.6mgKOH/g以上とすることにより、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30の鉄基粉末1への付着性がより一層向上する。
Figure 2007211340
また、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30の平均粒径は、たとえば鉄基粉末1の平均粒径の1/5以下とすることが好ましく、1/10以下とすることがより好ましい。1/5以下とすることにより、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30の鉄基粉末1への付着がより確実となるため、より微量の添加で、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30の分散性がより向上し、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30がより偏析しにくくなる。また、鉄基粉末1の表面に存在する凹凸をグリセリン重合体の脂肪酸エステル30で埋めることができる。そのため、金型に充填する際の鉄基粉末1の流動性や高密度充填性を阻害しにくくなる。なお、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30の平均粒径は、加工できる限り細かい程、当該効果を得ることができるので、好ましく、たとえば1/10以下とすることが好ましい。
なお、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30の平均粒径とは、レーザー散乱回折法によって測定した粒径のヒストグラム中、粒径の小さいほうからの質量の和が総質量の50%に達する粒子の粒径、つまり50%粒径Dをいう。
また、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30は、鉄基粉末1に対して、0.01質量%以上1.0質量%以下含まれていることが好ましく、0.1質量%以上0.6質量%以下含まれていることがより好ましく、0.2質量%以上0.3質量%以下含まれていることがより一層好ましい。0.01質量%以下とすることにより、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30から絶縁被膜の損傷を抑える潤滑性をより得ることができる。0.1質量%以上とすることにより、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30の潤滑性をさらに向上できる。0.2質量%以上とすることにより、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30の潤滑性をさらに一層向上できる。一方、1.0質量%以下とすることにより、軟磁性材料において磁束密度および強度の低下をより防止でき、磁気特性を向上することができる。0.6質量%以下とすることにより、磁気特性をより向上することができる。0.3質量%以下とすることにより、磁気特性をより一層向上することができる。
図2は、本発明の実施の形態における軟磁性材料の他の例を模式的に示す図である。図2に示すように、軟磁性材料は、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30が鉄基粉末1の表面を被覆している。すなわち、鉄基粉末1の表面積のうち、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30に覆われている表面積は60%以上の割合である。これにより、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30の鉄基粉末1への付着量が多くなる。そのため、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30がより偏析しにくくなる。よって、磁気特性をより向上することができる。
なお、上記鉄基粉末1の表面積のうち、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30に覆われている表面積および覆われていない表面積は、以下のように画像処理を用いて測定される。グリセリン重合体の脂肪酸エステル30を付着させた鉄基粒子10に照射した光の反射光をCCDカメラの撮像素子が受け、光強度を電気信号化する。この原画像をノイズ除去処理等すると、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30を付着させた鉄基粒子10において、鉄基粒子10は光を反射しやすいことから白くなり、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30は光を吸収・散乱しやすいことから黒くなる。このように白黒2値化して、鉄基粒子10およびグリセリン重合体の脂肪酸エステル30を区別して顕在化させ、各々の面積を求める。これらを500個以上の粒子について求め、各々平均値をとり表面積とする。
他の例における軟磁性材料では、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30の鉄基粉末1への付着がより確実となる。そのため、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30がより偏析しにくくなる。よって、磁気特性をより向上することができる。
図3は、本発明の実施の形態における軟磁性材料のさらに他の例を模式的に示す図である。図3に示すように、軟磁性材料は鉄基粉末1およびグリセリン重合体の脂肪酸エステル30以外に、他の潤滑剤40を含んでいる。すなわち、さらに他の例における軟磁性材料の潤滑剤は、少なくとも1種のグリセリン重合体の脂肪酸エステル30と、少なくとも1種の他の潤滑剤40とを含んでいる。この場合には、潤滑剤全体のうち、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30が50質量%以上99.9質量%以下含まれていることが好ましい。また、他の潤滑剤40を含んでいる場合には、他の潤滑剤40は、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30の鉄基粉末1への良好な付着性を有していないので、図3に示すように鉄基粉末1同士の間に存在している。
他の潤滑剤40は、潤滑性能を有していれば特に限定されないが、たとえば脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩(金属石鹸)、または炭化水素などを用いることができる。脂肪酸としては、たとえばパルチミン酸、ステアリン酸、またはオレイン酸などを用いることができる。脂肪酸アミドとしては、たとえばステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、またはエチレンビスステアリン酸アミドなどを用いることができる。脂肪酸エステルとしては、たとえばステアリン酸ステアリル、ペンタエリスリトールテトラステアレートなどを用いることができる。脂肪酸金属塩としては、たとえばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、またはオレイン酸カルシウムなどを用いることができる。炭化水素としては、たとえばポリエチレンまたはパラフィンなどを用いることができる。
また、他の潤滑剤40は、鉄基粉末1に対して、0.001質量%以上0.1質量%以下の割合で含まれており、他の潤滑剤40の平均粒径は、0.01μm以上3.0μm以下であることが好ましい。この範囲内とすることにより、他の潤滑剤40の分散性を改善して、より微量の添加で、粉末の流れ性、および粒子間の潤滑性の向上を図ることができる。なお、他の潤滑剤40の平均粒径とは、レーザー散乱回折法によって測定した粒径のヒストグラム中、粒径の小さいほうからの質量の和が総質量の50%に達する粒子の粒径、つまり50%粒径Dをいう。
なお、図1〜図3に示す本発明の実施の形態における軟磁性材料は、強度上他の有機物(図示せず)を添加してもよい。
本発明の実施の形態における圧粉磁心は、これらの軟磁性材料を用いて作製される。本実施の形態における圧粉磁心は、軟磁性材料を加圧成形する際に、鉄基粉末1同士の摩擦を小さくすることができ、鉄基粉末1と金型との摩擦が局所的に大きくなる箇所をなくすことができるので、その密度を向上することができる。また、軟磁性材料の加圧成形の際に、鉄基粉末1に対して局所的に大きな力が加わる箇所がなくなるので、絶縁被膜20の破壊を防止することができる。以上より、本発明の実施の形態における圧粉磁心は、磁気特性を向上することができる。
次に、本実施の形態の軟磁性材料を用いた圧粉磁心の製造方法について図1〜図12を参照して説明する。図4は、本発明の実施の形態における圧粉磁心の製造方法を工程順に示す図である。図5は、鉄基粉末と固体のグリセリン重合体の脂肪酸エステルとの状態を模式的に示す図である。図6は、鉄基粉末と溶融したワックスとの状態を模式的に示す図である。図7は、軟磁性材料を加圧成形する第1段階を模式的に示す断面図である。図8は、軟磁性材料を加圧成形する第2段階を模式的に示す断面図である。図9は、本発明の実施の形態における軟磁性材料を用いて形成された成形体の表面付近を模式的に示す断面図である。図10は、本発明の実施の形態における軟磁性材料を用いて形成された成形体の他の例(他の潤滑剤を添加した例)の表面付近を模式的に示す断面図である。図11は、本発明の実施の形態における軟磁性材料を用いて形成された熱処理後の成形体の表面付近を模式的に示す断面図である。図12は、本発明の実施の形態における軟磁性材料を用いて成形された熱処理後の成形体の他の例(他の潤滑剤を添加した例)の表面付近を模式的に示す断面図である。
図4に示すように、始めに、表面に絶縁被膜20を有する鉄基粉末1を準備する準備工程(S1)を実施する。準備工程(S1)は、リン酸塩からなる絶縁被膜20を準備する工程を含むことが好ましい。また、準備工程(S1)では、表面積S[m2]、体積V[m3]、BET比表面積B[m2/g]、真密度ρ[g/m3]とした場合に、F=(B×V×ρ)/Sで表わされるFの平均値が2以上20以下である鉄基粒子10を準備する工程を含むことが好ましい。
具体的には、鉄基粒子10にたとえばリン酸処理を施すことによって鉄基粒子10の表面にリン酸塩からなる絶縁被膜20を形成する。リン酸成処理によって、たとえばリンと鉄とを含むリン酸鉄の他、リン酸アルミニウム、リン酸シリコン、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸イットリウム、リン酸ジルコニウムなどよりなる絶縁被膜20が形成される。これらのリン酸塩からなる絶縁被膜20の形成には、溶剤吹きつけや前駆体を用いたゾルゲル処理を利用することができる。
次に、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30を含む潤滑剤を添加する添加工程(S2)を実施する。添加工程(S2)では、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30として、部分エステルであって、水酸基価が0.5mgKOH/g以上200mgKOH/g以下のものを用いることが好ましい。
また、添加工程(S2)は、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30が絶縁被膜20のリン酸塩とエステル結合する工程を含むことが好ましい。エステル結合する工程を実施するために、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30が絶縁被膜20のリン酸塩とエステル化する温度まで上げる。なお、エステル化する温度とは、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30と絶縁被膜20のリン酸塩とを化学結合させてリン酸エステルとするときの温度を意味し、通常90℃〜200℃である。
また、添加工程(S2)は、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30が鉄基粉末1の表面を被覆する被覆工程を含むことが好ましい。
具体的には、混合容器内を加熱できるような攪拌混合機を用いて、鉄基粉末1とグリセリン重合体の脂肪酸エステル30とを混合する。また、必要に応じて他の潤滑剤40も鉄基粉末1およびグリセリン重合体の脂肪酸エステル30とともに混合する。これにより、図5に示すように鉄基粉末1同士の間に固体のグリセリン重合体の脂肪酸エステル30が均一に分布するようになる。そして、混合しながら混合容器内の温度を上昇し、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30を溶融させる。これにより、溶融した状態のグリセリン重合体の脂肪酸エステル30と鉄基粉末1とが混合され、鉄基粉末1同士の間に液体のグリセリン重合体の脂肪酸エステル30が染み出す。その結果、図6に示すように鉄基粉末1全体がグリセリン重合体の脂肪酸エステル30によって被覆され、鉄基粉末1の表面に存在する凹凸がグリセリン重合体の脂肪酸エステル30によって埋められる。そして一定時間経過後、混合容器内の温度を下げ、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30が凝固するまでグリセリン重合体の脂肪酸エステル30と鉄基粉末1とを混合し続ける。これにより、溶融した状態のグリセリン重合体の脂肪酸エステル30が鉄基粉末1の表面からほぼ流れ出さず、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30で被覆された鉄基粉末1同士がほぼくっつかずに、絶縁被膜20のリン酸塩とエステル結合して鉄基粉末1の表面を被覆した状態のままグリセリン重合体の脂肪酸エステル30が凝固する。
なお、上記のように鉄基粉末1とグリセリン重合体の脂肪酸エステル30との混合を開始してから混合容器の温度を上昇する場合の他、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30が溶融する温度まで混合容器内の温度を予め上昇しておいてから鉄基粉末1とグリセリン重合体の脂肪酸エステル30とを混合容器内に添加して混合を開始してもよい。すなわち、準備工程(S1)では、表面積S[m2]、体積V[m3]、BET比表面積B[m2/g]、真密度ρ[g/m3]とした場合に、F=(B×V×ρ)/Sで表わされるFの平均値が2以上20以下である鉄基粒子10を準備する工程を含むことが好ましい。
また、他の潤滑剤40を添加する場合には、鉄基粉末1の表面をグリセリン重合体の脂肪酸エステル30で被覆した後で、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30とは別に他の潤滑剤40と鉄基粉末1とを混合してもよい。
また、鉄基粉末1とグリセリン重合体の脂肪酸エステル30とを混合する際には、混合粉末に占めるグリセリン重合体の脂肪酸エステル30の割合が0.01質量%以上1.0質量%以下となるように混合する割合を調整することが好ましい。また、混合粉末に占める他の潤滑剤40の割合が0.001質量%以上0.1質量%以下となるように混合する割合を調整することが好ましい。
さらに、混合方法に特に制限はなく、たとえばメカニカルアロイング法、振動ボールミル、遊星ボールミル、メカノフュージョン、共沈法、化学気相蒸着法(CVD法)、物理気相蒸着法(PVD法)、めっき法、スパッタリング法、蒸着法またはゾル−ゲル法などのいずれを使用することも可能である。
以上の工程(S1,S2)により、図1〜図3に示す本実施の形態の軟磁性材料が得られる。圧粉磁心を製造する場合にはさらに以下の工程が行なわれる。
次に、図4に示すように、加圧成形工程(S3)を実施する。加圧成形工程(S3)では、得られた軟磁性材料を加圧成形(圧縮成形)して成形体を得る。
具体的には、図7に示すように、まず金型装置のバンドヒータ77に通電し、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30がダイ72の内壁73と混合粉末との界面に液状で存在する温度以上にダイ72を加熱する。また軟磁性材料の温度をグリセリン重合体の脂肪酸エステル30の融点以下の温度に設定する。そして、内壁73に囲まれた空間74の上方にシュー(図示せず)を位置決めし、シューから空間74に向けて、先の工程で得られた軟磁性材料15を供給する。
図8に示すように、空間74の上方に上パンチ80を位置決めする。上パンチ80を下方に移動させ、たとえば、700MPaから1500MPaまでの圧力で混合粉末15を加圧成形する。この際、加圧成形する雰囲気は、不活性ガス雰囲気または減圧雰囲気とすることが好ましい。この場合、大気中の酸素によって混合粉末が酸化されるのを抑制できる。
加圧成形工程(S3)を実施する際、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30および他の潤滑剤40は、ダイ72の内壁73と軟磁性材料15との界面に液状として染み出すことにより内壁73と軟磁性材料15との焼付きを抑制する。また、摩擦抵抗を下げる働きを有するため、軟磁性材料15に良好な潤滑性を発現させ、成形体の密度向上、強度向上、磁気特性向上に寄与する。またグリセリン重合体の脂肪酸エステル30および他の潤滑剤40は、鉄基粉末1間の潤滑剤として機能し、加圧成形時に鉄基粒子10に歪みが導入されたり、絶縁被膜20同士が強く擦れ合って破壊されたりすることを抑制する。なお、有機物(図示せず)を添加した場合には、有機物は鉄基粉末1間の潤滑剤として機能し、加圧成形時に鉄基粒子10に歪みが導入されたり、絶縁被膜20同士が強く擦れ合って破壊されたりすることを抑制する。
ここで、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30の融点が100℃以下であると、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30の溶解・染み出しが発現しやすくなるため好ましい。また、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30を使用することにより潤滑性を維持できるため、成形時における金型と被成形物との焼付きを抑制することができる。また、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30の含有量を0.01質量%以上とすることにより、金型との潤滑性を十分に確保することができ、潤滑性の不足によって成形体表面に筋が入ることを抑止することができる。また、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30の含有量を1.0質量%以下とすることにより、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30の割合の増加に伴う成形体密度の低下を抑止し、良好な磁気特性を得ることができる。
また、他の潤滑剤40の添加量を0.001質量%以上0.1質量%以下にすることで、さらに良好な潤滑性を発現させることができる。また他の潤滑剤40の粒径40が3.0μm以下の場合、ごく少量の他の潤滑剤40を添加しただけでも、流動性を著しく改善することができる。さらに他の潤滑剤40として金属石鹸を用いることで、良好な流動性を示し、品質安定性の向上、密度安定性、強度向上、磁気特性向上の効果が得られる。更に好ましくは、0.02質量%以上0.1質量%以下で、高密度の圧粉磁心が得られる。
その後、加圧成形により得られた成形体16を空間74から抜き出す。このようにして得られた成形体16は、図9に示すように、鉄基粒子10と、鉄基粒子10の表面を取り囲む絶縁被膜20とから構成された複数の鉄基粉末1を備える。鉄基粉末1同士の間には、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30(有機物が添加されている場合には有機物も)が介在している。複数の鉄基粉末1の各々は、鉄基粉末1が有する凹凸の噛み合わせによって接合されている。有機物が添加されている場合には、複数の鉄基粉末1の各々は、有機物によっても接合されている。グリセリン重合体の脂肪酸エステル30は成形体16の表面に染み出して固化している。
また他の潤滑剤40を添加した場合には、図10に示すように複数の鉄基粉末1の間には、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30以外に、他の潤滑剤40も(有機物が添加されている場合には有機物も)介在しているが、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30および他の潤滑剤40は成形時に染み出すため、鉄基粉末1間に存在するグリセリン重合体の脂肪酸エステル30および他の潤滑剤40の量は低減している。
なお、本実施の形態における加圧成形工程(S3)では、ダイ72を加熱して軟磁性材料を加圧成形(熱間加工)する場合について示したが、特にこれに限定されない。たとえば、ダイを加熱せずに軟磁性材料を加圧成形(冷間加工)してもよい。この場合には、ダイの温度(最高温度)は約50℃まで上昇する。
次に、図4に示すように、熱処理工程(S4)を実施する。熱処理工程(S4)では、成形体16に、大気雰囲気中にてグリセリン重合体の脂肪酸エステル30および他の潤滑剤40の分解温度以上で熱処理を行なう。これにより、圧縮成形時に成形体16の表面に染み出し、その後固化したグリセリン重合体の脂肪酸エステル30を含む潤滑剤および他の潤滑剤40の成分が熱分解され、成形体16の良好な表面状態が得られる。この熱処理が施された成形体17の表面は、図11に示すように、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30が熱分解により除去されている。グリセリン重合体の脂肪酸エステル30を用いた場合には、比較的低温での熱処理により容易に分解可能であるため、熱処理後に残渣が生じにくくなる。
また他の潤滑剤40を添加した場合には、図12に示すように複数の鉄基粉末1の間には、他の潤滑剤40も介在している場合もあるが、上記の熱処理によって他の潤滑剤40も熱分解される場合には図11に示すように他の潤滑剤40も除去されている。
また、熱処理工程(S4)の実施により、加圧成形時に成形体16の内部に発生した歪みや転位を取り除くことができる。
最後に、成形体17に押出し加工や切削加工などの適当な加工を施すことによって圧粉磁心が完成する。なお、このように作製した圧粉磁心を、たとえば、チョークコイル、スイッチング電源素子および磁気ヘッドなどの電子部品、各種モーター部品、ソレノイド、各種磁気センサならびに各種電磁弁などの製品として利用することができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態における軟磁性材料、圧粉磁心、軟磁性材料の製造方法、および圧粉磁心の製造方法によれば、潤滑剤の少なくとも1種がグリセリン重合体の脂肪酸エステル30を含む潤滑剤であるので、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30の親油性のアルキル基部分が潤滑性を発現し、親水性のエーテル部分が鉄基粉末1への付着性を発現する。そのため、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30が鉄基粉末1に付着した後に、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30が容易に遊離しないので、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30が偏析しにくくなる。よって、軟磁性材料を用いて加圧成形工程(S3)を実施する際に、鉄基粉末1同士の摩擦を小さくすることができ、鉄基粉末1と金型との摩擦が局所的に大きくなる箇所をなくすことができるので、圧粉磁心の密度を向上することができる。また、加圧成形工程(S3)の際に、鉄基粉末1に対して局所的に大きな力が加わる箇所がなくなるので、絶縁被膜20の破壊を防止することができる。以上より、磁気特性を向上することができる。
したがって、特に長期間保存をする場合には、本発明の実施の形態における軟磁性材料、圧粉磁心、軟磁性材料の製造方法、および圧粉磁心の製造方法によれば、有利となる。
なお、本発明実施の形態における軟磁性材料の製造方法において好ましくは、準備工程(S1)で、表面積S[m2]、体積V[m3]、BET比表面積B[m2/g]、真密度ρ[g/m3]とした場合に、F=(B×V×ρ)/Sで表わされるFの平均値が2以上20以下である鉄基粒子10を準備し、添加工程(S2)では、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30の融点以上の温度で加熱して鉄基粉末1とグリセリン重合体の脂肪酸エステル30とを付着させる。これにより、準備工程(S1)で準備する鉄基粒子10のFの平均値を2以上20以下としているので、表面に適度な凹みがあり、かつ高密度に充填可能な鉄基粉末1を準備できる。また、鉄基粉末1とグリセリン重合体の脂肪酸エステル30とを混合した後に付着させることにより、鉄基粉末1の凸閉包の外部に存在するグリセリン重合体の脂肪酸エステル30の割合の平均値が低くなるように、グリセリン重合体の脂肪酸エステル30を鉄基粉末1に付着させることができる。そのため、鉄基粉末1の凹部にグリセリン重合体の脂肪酸エステル30が付着されるとともに、鉄基粉末1の凸閉包の外部にグリセリン重合体の脂肪酸エステル30があまり存在しないので、鉄基粉末1中においてグリセリン重合体の脂肪酸エステル30の分散性が良好で、かつグリセリン重合体の脂肪酸エステル30が結合して粒子が凝集してしまう2次粒子化を抑制できる。よって、良好な流動性を有し、高密度に充填可能であり、かつ圧粉成形すると高密度な成形体となる軟磁性材料を製造できる。
なお、上記「凸閉包」とは、任意の鉄基粉末1において、その外周を囲む最小の凸図形を意味する。また、上記Fの平均値は、任意に選択した500以上の鉄基粒子10についての平均の値である。
[実施例]
本実施例では、グリセリン重合体の脂肪酸エステルを含む潤滑剤を備えることの効果を調べた。始めに、実施例1〜13および比較例1の各々の圧粉磁心を以下の方法により製造した。
(実施例1〜13)
図4に示す実施の形態の製造方法により、圧粉磁心を作製した。具体的には、準備工程(S1)では、鉄基粉末として、リン酸塩からなる絶縁被膜(平均膜厚は25nm)が鉄基粒子の表面に被覆されている形態を有する、ヘガネスAB社製somaloy500(平均粒径100μm)を準備した。なお、鉄基粒子は、鉄を99%以上含有し、残部がリン酸塩からなる絶縁被膜および不可避的不純物からなっていた。
次に、添加工程(S2)では、まず、実施例1のグリセリン重合体の脂肪酸エステルとして、グリセリンオリゴマー(6量体)のステアリン酸エステル(平均粒径は10μm)を準備した。このグリセリン重合体の脂肪酸エステルは、重合度nが6であり、ステアリン酸(C1735COOH)のエステルである。また、実施例2〜13のグリセリン重合体の脂肪酸エステルとして、グリセリンオリゴマー(6量体)のベヘニン酸エステル(実施例2のグリセリン重合体の脂肪酸エステルの平均粒径は54μm、実施例3〜13のグリセリン重合体の脂肪酸エステルの平均粒径は10μm)を準備した。このグリセリン重合体の脂肪酸エステルは、重合度nが6であり、ベヘニン酸(C2143COOH)のエステルである。また、それぞれのグリセリン重合体の脂肪酸エステルの水酸基価および融点は、表1に記載の通りである。そして、鉄基粉末に対して、表1に記載の配合量となるように、グリセリン重合体の脂肪酸エステルを添加した。
次に、鉄基粉末とグリセリン重合体の脂肪酸エステルの粉末とを混合容器内が加熱できる撹拌混合機に投入し、混合した。そしてこれらの粉末を混合しながら、表1に記載の含浸温度を混合容器の目標温度として昇温した。混合容器の昇温速度は5℃/分とした。そして、目標温度で1時間保持し、その後混合容器を融点以下まで冷却しながら混合を続けた。これにより実施例1〜13の軟磁性材粉末を得た。
次に、得られた軟磁性材料を油圧プレスに取付けた成形金型に充填し、冷間加工によって1000MPaの圧力で加圧成形することにより成形体を得た。成形体の形状は図13に示すようなリング片とした。リング片の外径d1を34mmとし、リング片の内径d2を20mmとした。作製した成形体を400℃の炉内にて1時間熱処理し、実施例1〜13の圧粉磁心を得た。
Figure 2007211340
(比較例1)
基本的には実施例1と同様であるが、比較例1は、潤滑剤としてオレイン酸アミドを用いた点、および含浸温度を84℃とした点においてのみ異なる。なお、オレイン酸アミドの融点は74℃である。
(評価方法)
得られた圧粉磁心について、それぞれ外観を観察した。また、密度(成形体密度)をそれぞれ測定した。さらに、得られた圧粉磁心と同様の製造プロセスで、実施例1〜13および比較例1の軟磁性材料を用いて作製した、外径34mm、内径20mm、厚み5mmのリング状のテストピース成形体に関し、鉄損を以下の方法でそれぞれ測定した。リング状のテストピース成形体に関し、一次300巻、二次20巻の巻き線を施し、磁気特性測定用試料とした。これらの試料にて、BHカーブトレーサ(理研電子株式会社製の商品名「BHS−40S10K」)を用いて磁気特性を測定した。具体的には、励起磁束密度を10kG(=1.0T(テスラ))、測定周波数を1kHzにて、フルループ(BH曲線)を描いた時の鉄損を測定した。測定結果は、各圧粉磁心の1kg当たりの鉄損値(W/kg)とした。これらの結果を下記の表2に示す。
Figure 2007211340
(評価結果)
表2に示すように、グリセリン重合体の脂肪酸エステルを含む実施例1〜13は、引きずり痕や焼き付きがなく、潤滑剤染み出しにより離型性が良好であり、外観上の不具合点がなかった。また、実施例1〜13の圧粉磁心の成形体密度は、比較例1よりも高かった。また、実施例1〜13の圧粉磁心の鉄損値は比較例1よりも大幅に低減でき、良好な磁気特性を得ることができた。
一方、潤滑剤にグリセリン重合体の脂肪酸エステルを含まない比較例1では、潤滑剤の偏析により、引きずり痕や焼き付きが生じ、外観上の不具合が生じた。また、比較例1の圧粉磁心の成形体密度は実施例1〜13よりも低かった。また、比較例1では、潤滑剤の偏析により加圧成形時に潤滑不足の箇所が生じてしまい、絶縁被膜の損傷が生じたため、鉄損値が高くなった。
以上説明したように、本実施例によれば、グリセリン重合体の脂肪酸エステルを含む潤滑剤を備えることにより、潤滑剤の偏析を防止して、磁気特性を向上することがわかった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の軟磁性材料および圧粉磁心は、たとえば、モーターコア、電磁弁、リアクトルもしくは電磁部品一般に利用される。
本発明の実施の形態における軟磁性材料を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態における軟磁性材料の他の例を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態における軟磁性材料のさらに他の例を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態における圧粉磁心の製造方法を工程順に示す図である。 鉄基粉末と固体のグリセリン重合体の脂肪酸エステルとの状態を模式的に示す図である。 鉄基粉末と溶融したワックスとの状態を模式的に示す図である。 軟磁性材料を加圧成形する第1段階を模式的に示す断面図である。 軟磁性材料を加圧成形する第2段階を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態における軟磁性材料を用いて形成された成形体の表面付近を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態における軟磁性材料を用いて形成された成形体の他の例(他の潤滑剤を添加した例)の表面付近を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態における軟磁性材料を用いて形成された熱処理後の成形体の表面付近を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態における軟磁性材料を用いて成形された熱処理後の成形体の他の例(他の潤滑剤を添加した例)の表面付近を模式的に示す断面図である。 本発明の実施例における成形体の形状を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のXIII(b)−XIII(b)線に沿う断面図である。
符号の説明
1 鉄基粉末、10 鉄基粒子、15 軟磁性材料(混合粉末)、16,17 成形体、20 絶縁被膜、30 グリセリン重合体の脂肪酸エステル、40 他の潤滑剤、72 ダイ、73 内壁、74 空間、77 バンドヒータ、80 上パンチ。

Claims (11)

  1. 表面に絶縁被膜を有する鉄基粉末と、
    グリセリン重合体の脂肪酸エステルを含む潤滑剤とを備えることを特徴とする、軟磁性材料。
  2. 前記グリセリン重合体の脂肪酸エステルの水酸基価が0.5mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であることを特徴とする、請求項1に記載の軟磁性材料。
  3. 前記絶縁被膜は、リン酸塩からなることを特徴とする、請求項1または2に記載の軟磁性材料。
  4. 前記グリセリン重合体の脂肪酸エステルが前記鉄基粉末の表面を被覆していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の軟磁性材料。
  5. 前記グリセリン重合体の脂肪酸エステルの平均粒径は、前記鉄基粉末の平均粒径の1/5以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の軟磁性材料。
  6. 前記グリセリン重合体の脂肪酸エステルは、前記鉄基粉末に対して、0.01質量%以上1.0質量%以下含まれる、請求項1〜5のいずれかに記載の軟磁性材料。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の軟磁性材料を用いて作製された、圧粉磁心。
  8. 表面に絶縁被膜を有する鉄基粉末を準備する準備工程と、
    グリセリン重合体の脂肪酸エステルを含む潤滑剤を添加する添加工程とを備える、軟磁性材料の製造方法。
  9. 前記添加工程は、前記グリセリン重合体の脂肪酸エステルが前記鉄基粉末の表面を被覆する被覆工程を含む、請求項8に記載の軟磁性材料の製造方法。
  10. 前記準備工程は、リン酸塩からなる前記絶縁被膜を準備する工程を含み、
    前記添加工程は、前記グリセリン重合体の脂肪酸エステルが前記リン酸塩とエステル結合する工程を含む、請求項8または9に記載の軟磁性材料の製造方法。
  11. 請求項8〜10のいずれかに記載の軟磁性材料の製造方法によって得られる軟磁性材料を準備する工程と、
    金型を用いて前記軟磁性材料を加圧成形する加圧成形工程と、
    前記加圧成形することによって得られた成形体を熱処理する工程とを備える、圧粉磁心の製造方法。
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