JP2023156784A - 仮固定用、マスキング用又は成型用熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

仮固定用、マスキング用又は成型用熱硬化性樹脂組成物 Download PDF

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智史 青野
Tomohito Aono
一輝 小酒井
Kazuki Kosakai
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Abstract

【課題】熱によって硬化し、かつ、水、エタノール、アセトン及びメチルシクロヘキサンの少なくとも一種への高い溶解性を持つ、仮固定用、マスキング用又は成型用の熱硬化性樹脂組成物を提供する。【解決手段】本発明は、ラジカル重合反応性成分(A)、連鎖移動剤(B)及び熱重合開始剤(C)を含む熱硬化性樹脂組成物であって、成分(A)は、(メタ)アクリルアミド基を有するモノマー(A1-1)、メタクリレートモノマー(A1-2)及び環状構造を有するアクリレートモノマー(A1-3)からなる群より選択される1種以上の1官能のラジカル重合反応性成分(A1)を含有し、成分(A)中、成分(A1)の含有量が50重量%以上であり、熱硬化性樹脂組成物中、2官能以上のラジカル重合反応性成分(A2)の含有量が0重量%以上15重量%未満であることを特徴とする、仮固定用、マスキング用又は成型用の熱硬化性樹脂組成物に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、仮固定用、マスキング用又は成型用熱硬化性樹脂組成物に関する。
紫外線(UV)硬化後に、その硬化物が水や有機溶剤に溶解する組成物は、部材加工時の仮固定やマスキング剤、3Dプリンター印刷時の台座(サポート材)といった成型用途など、様々な分野への応用が期待される。特許文献1には、水に溶解する硬化物を与える、光硬化性樹脂組成物が開示されている。
特開2020-122120号公報
しかし、UVが透過できない部材で硬化性組成物を挟み込むような態様で使用する場合、特許文献1に開示されたような光硬化性樹脂組成物を、UVで硬化させることができない。そため、特許文献1に開示されたような光硬化性樹脂組成物を、UVを透過しない部材で挟み込むような態様を含む場合は、仮固定、マスキング又は成型の各用途への適用が困難である場合が多い。
本発明は、熱によって硬化し、かつ、水、エタノール、アセトン及びメチルシクロヘキサンの少なくとも一種への高い溶解性を持つ、仮固定用、マスキング用又は成型用の熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、以下に関する。
[1]ラジカル重合反応性成分(A)、連鎖移動剤(B)及び熱重合開始剤(C)を含む熱硬化性樹脂組成物であって、成分(A)は、(メタ)アクリルアミド基を有するモノマー(A1-1)、メタクリレートモノマー(A1-2)及び環状構造を有するアクリレートモノマー(A1-3)からなる群より選択される1種以上の1官能のラジカル重合反応性成分(A1)を含有し、成分(A)中、成分(A1)の含有量が50重量%以上であり、熱硬化性樹脂組成物中、2官能以上のラジカル重合反応性成分(A2)の含有量が0重量%以上15重量%未満であることを特徴とする、仮固定用、マスキング用又は成型用の熱硬化性樹脂組成物。
[2]成分(B)が、α-メチルスチレン構造を持つ化合物及びチオール基を持つ化合物からなる群より選択される1種以上である、[1]の熱硬化性樹脂組成物。
[3]熱硬化性樹脂組成物中、成分(B)の含有量が0.5~10重量%である、[1]又は[2]の熱硬化性樹脂組成物。
[4]さらに、ポリマー成分(D)を含む、[1]~[3]のいずれかの熱硬化性樹脂組成物。
[5]成分(D)が水溶性ポリマーである、[4]の熱硬化性樹脂組成物。
[6]成分(D)が水添ジエン系ポリマーである、[4]の熱硬化性樹脂組成物。
本発明によれば、熱によって硬化し、かつ、水、エタノール、アセトン及びメチルシクロヘキサンの少なくとも一種への高い溶解性を持つ、仮固定用、マスキング用又は成型用の熱硬化性樹脂組成物を提供できる。
[用語の定義]
「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの少なくとも一方の意味を有する。
「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基及びメタクリロイル基の少なくとも一方の意味を有する。
「ラジカル重合反応性成分(A)」を「成分(A)」ともいう。「連鎖移動剤(B)」等についても同様である。
数値範囲に関して「~」は、その両端の値を含むことを意味する。また、「以下」は「同じ又は未満」を意味し、「以上」は「同じ又は超える」を意味する。即ち、「0.5重量%~10重量%」は、「0.5重量%以上10重量%以下」を意味し、「0.5重量%超10重量%以下」、「0.5重量%以上10重量%未満」、「0.5重量%超10重量%未満」の意味を包含する。
[仮固定用、マスキング用又は成型用の熱硬化性樹脂組成物]
仮固定用、マスキング用又は成型用の熱硬化性樹脂組成物(以下、単に「熱硬化性樹脂組成物」ともいう)は、ラジカル重合反応性成分(A)、連鎖移動剤(B)及び熱重合開始剤(C)を含み、成分(A)は、(メタ)アクリルアミド基を有するモノマー(A1-1)、メタクリレートモノマー(A1-2)及び環状構造を有するアクリレートモノマー(A1-3)からなる群より選択される1種以上の1官能のラジカル重合反応性成分(A1)を含有し、成分(A)中、成分(A1)の含有量が50重量%以上であり、熱硬化性樹脂組成物中、2官能以上のラジカル重合反応性成分(A2)の含有量が0重量%以上15重量%未満である。
熱硬化性樹脂組成物は、水、エタノール、アセトン及びメチルシクロヘキサンの少なくとも一種の溶剤で溶解する。よって、熱硬化性樹脂組成物は、水、エタノール、アセトン及びメチルシクロヘキサンの少なくとも一種の溶剤で溶解させるための組成物であり得る。ここで、熱硬化性樹脂組成物は、水、エタノール、アセトン及びメチルシクロヘキサンからなる群より選択される一種~三種の溶剤に溶解するが、残りの溶剤に溶解しないものであってもよい。例えば、熱硬化性樹脂組成物は、アセトン及びメチルシクロヘキサンの両方に溶解するに溶解するが、水及びエタノールの両方に溶解しないものであってもよい。なお、本明細書において、「水、エタノール、アセトン及びメチルシクロヘキサンの少なくとも一種の溶剤」を「特定の溶剤」という場合がある。
<ラジカル重合反応性成分(A)>
ラジカル重合反応性成分(A)は、ラジカル重合反応性の官能基を有するものであれば特に限定されず、ラジカル重合反応性オリゴマー、ラジカル重合反応性モノマーが挙げられる。ラジカル重合反応性の官能基は、不飽和二重結合含有基であれば特に限定されないが、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、(メタ)アクリルアミド基、又は(メタ)アクリロイル基が挙げられる。成分(A)は、前記成分(A1)のみからなってもよく、前記成分(A1)以外に、所定量のラジカル重合反応性オリゴマー及び/又はラジカル重合反応性モノマーを含んでいてもよい。また、成分(A)は、ラジカル重合反応性モノマーのみからなってもよく、ラジカル重合反応性モノマー及びラジカル重合反応性オリゴマーの混合物であってもよい。
成分(A)において、ラジカル重合反応性オリゴマーの重量平均分子量は、1,500以上であることが好ましく、1,500~50,000であることが特に好ましい。重量平均分子量の測定方法としては、オリゴマーやポリマー等の分子量が比較的高い成分については、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定結果を、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算する手法が一般に知られている。また、モノマーは分子量分布を有さないため、構造式から求めることができる。
<<1官能のラジカル重合反応性成分(A1)>>
成分(A1)は、(メタ)アクリルアミド基を有するモノマー(A1-1)、メタクリレートモノマー(A1-2)及び環状構造を有するアクリレートモノマー(A1-3)からなる群より選択される1種以上の1官能のラジカル重合反応性成分である。成分(A1-1)は、ラジカル重合反応性の官能基として分子内に1つの(メタ)アクリルアミド基を持つ。よって、成分(A1-1)は、更に(メタ)アクリロイル基を有さない。また、成分(A1-2)は、ラジカル重合反応性の官能基として分子内に1つのメタクリロイル基を持つ。成分(A1-3)は、ラジカル重合反応性の官能基として分子内に1つのアクリロイル基を持つ。よって、成分(A1-2)及び成分(A1-3)は、更に(メタ)アクリルアミド基を有さない。
<1>(メタ)アクリルアミド基を有するモノマー(A1-1)
(メタ)アクリルアミド基を有するモノマー(A1-1)は、分子内に1つ(メタ)アクリルアミド基を持つ化合物であれば特に限定されない。成分(A1-1)は、下記式(1)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 2023156784000001
〔式中、
は、水素原子又はメチル基であり、
及びRは、互いに独立して、水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、又は、非置換もしくはヒドロキシル基及びアルキル基からなる群より選択される1種以上で置換されているアリール基であるか、あるいは、
及びRは、これらが結合するN原子と一緒になって、酸素原子を含むことができる脂環式基(好ましくは、モルホリノ基)を形成する〕
式(1)において、アルキル基及びヒドロキシアルキル基のアルキル部分の炭素原子数は、1~18であることが好ましく、1~6であることが特に好ましい。アリール基の炭素原子数は6~20であることが好ましい。また、アリール基は、フェニル基であることが好ましい。また、モルホリノ基は、モルホリンの第二級アミンの部分の水素原子が除去された一価の基をいう。
成分(A1-1)としては、(メタ)アクリルアミド;N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド等の炭素数1~4のアルキル基を有するN-アルキル(メタ)アクリルアミド;N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド等の炭素数1~4のアルキル基を有するN,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド;N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-(3-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(4-ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド等の炭素数2~4のアルキル基を有するN-ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド;N-フェニル(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシフェニル)(メタ)アクリルアミド、N-(3-ヒドロキシフェニル)(メタ)アクリルアミド、N-(4-ヒドロキシフェニル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-メチルフェニル)(メタ)アクリルアミド等の非置換又は置換されたアリール基を有する(メタ)アクリルアミド;4-(メタ)アクリロイルモルホリン等の環状構造を有する(メタ)アクリルアミド(好ましくは、酸素原子を含むことができる脂環式基を有する(メタ)アクリルアミド)が挙げられ、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、4-(メタ)アクリロイルモルホリンが好ましい。熱硬化性樹脂組成物の硬化物の水への溶解性(水溶性)がより高まる観点から、成分(A1-1)は、炭素数2~4のアルキル基を有するN-ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドであることが特に好ましい。
<2>メタクリレートモノマー(A1-2)
メタクリレートモノマー(A1-2)は、分子内に1つのメタクリロイル基を持つモノマーである。成分(A1-2)は、ラジカル重合反応性基としてメタクリロイル基を持つ化合物である。成分(A1-2)は、後述する環状構造を有していてもよく、有さなくてもよい。
成分(A1-2)としては、公知のメタクリレートモノマーから適宜選択することができる。成分(A1-2)は、O及び/又はNを含むヘテロ環構造を持つメタクリレートモノマー、水酸基含有メタクリレートモノマー、脂環式メタクリレートモノマー、芳香族メタクリレートモノマー、アルキルメタクリレートモノマー、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルのメタクリレートであることが好ましい。なお、O及び/又はNを含むヘテロ環構造については、成分(A1-3)において後述するとおりである。
・O及び/又はNを含むヘテロ環構造を持つメタクリレートモノマー
O及び/又はNを含むヘテロ環構造を持つメタクリレートモノマーの具体例としては、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、アルコキシ化テトラヒドロフルフリルアクリレートカプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ペンタメチルピペリジニルメタクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールメタクリレート等が挙げられる。
・水酸基含有メタクリレートモノマー
水酸基含有メタクリレートモノマーが有するOH基の数は、1~3であることが好ましく、1であることが特に好ましい。水酸基含有メタクリレートモノマーとしては、ヒドロキシエチルメタクリレート(例えば、2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(例えば、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート)、ヒドロキシブチルメタクリレート(例えば、2-ヒドロキシブチルメタアクリレート)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルメタクリレート等のヒドロキシアルキルメタクリレートが挙げられる。
・脂環式メタクリレートモノマー
脂環式メタクリレートモノマーとしては、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ノルボルネンメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ナフタレニルメタクリレート、フェニルフェノールエチルオキシメタクリレート等が挙げられる。
・芳香族メタクリレートモノマー
芳香族メタクリレートモノマーとしては、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、エトキシ化o-フェニルフェノールアクリレート、フェノキシベンジルメタクリレート、ナフタレンメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、変性ビスフェノールAジメタクリレート等が挙げられる。
・アルキルメタクリレートモノマー
アルキルメタクリレートモノマーとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、イソミリスチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート等が挙げられる。
・(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルのメタクリレートモノマー
(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルのメタクリレートモノマーとしては、アルコキシエチルメタクリレート、アルコキシプロピルメタクリレート、アルコキシブチルメタクリレート、それらアルキレングリコールの多量体(例えば、メトキシトリエチレンオキシエチルメタクリレート)等が挙げられる。ここで、アルキル基、アルコキシ基及びアルキレン基の炭素原子数は、1~6であることが好ましい。
成分(A1-2)は、1種又は2種以上の組合せであってもよい。
<3>環状構造を有するアクリレートモノマー(A1-3)
環状構造は、単環又は多環であってもよい。また、環状構造は、脂環構造であっても、芳香環構造であっても、ヘテロ環構造(即ち、O及び/又はNを含むヘテロ環構造)であってもよい。
1つの脂環構造を構成する原子の総数は、特に限定されないが、3~20であることが好ましい。1つの芳香環構造を構成する原子の総数は、特に限定されないが、6~20であることが好ましい。
ヘテロ環構造は、O及び/又はNを含むヘテロ環構造である。ヘテロ環構造が酸素原子を含む場合、当該環ヘテロ構造が有する酸素原子の数は、1~3であることが好ましく、1~2であることが特に好ましい。ヘテロ環構造が窒素原子を含む場合、当該ヘテロ環構造が有する窒素原子の数は、1~2であることが好ましく、1であることが特に好ましい。ヘテロ環構造が酸素原子及び窒素原子の両方を含む場合、当該ヘテロ環構造が有する酸素原子及び窒素原子の合計の数は、2~4であることが好ましく、2~3であることが特に好ましい。ヘテロ環構造は、単環又は多環であってもよい。1つのヘテロ環構造を構成する原子の総数は、特に限定されないが、3~20であることが好ましい。ヘテロ環構造は、5員環又は6員環の単環のヘテロ環構造であることが好ましい。ヘテロ環構造の例として、モルホリン、フラン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリドン、マレイミド等が挙げられる。ヘテロ環構造を持つメタクリレートモノマーが有するヘテロ環構造の総数は、1~3であることが好ましく、1~2であることが特に好ましい。ここで、ヘテロ環構造が多環構造である場合は、当該多環構造を1とする。
成分(A1-3)は、脂環式アクリレートモノマー、ヘテロ環構造を持つアクリレートモノマー、芳香族アクリレートモノマーであることが好ましい。
・脂環式アクリレートモノマー
脂環式アクリレートモノマーとしては、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ノルボルネンアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ナフタレニルアクリレート、フェニルフェノールエチルオキシアクリレート等が挙げられる。
・O及び/又はNを含むヘテロ環構造を持つアクリレートモノマー
O及び/又はNを含むヘテロ環構造を持つアクリレートモノマーの具体例としては、テトラヒドロフルフリルアクリレート、アルコキシ化テトラヒドロフルフリルアクリレートカプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、ペンタメチルピペリジニルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート等が挙げられる。
・芳香族アクリレートモノマー
芳香族アクリレートモノマーとしては、ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、エトキシ化o-フェニルフェノールアクリレート、フェノキシベンジルアクリレート、ナフタレンアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、変性ビスフェノールAジアクリレート等が挙げられる。
成分(A1-3)は、1種又は2種以上の組合せであってもよい。
<<<成分(A1)以外の1官能のラジカル重合反応性成分(A1’)>>>
成分(A)は、成分(A1)以外の1官能のラジカル重合反応性成分(以下、「成分(A1’)」という場合がある。)を含んでいてもよい。成分(A1’)は、分子内にラジカル重合反応性基を1つ有するオリゴマー及びモノマーであれば特に限定されない。成分(A1’)としては、アクリレートモノマー(但し、環状構造を有するアクリレートモノマーを除く)が挙げられる。アクリレートモノマー(但し、環状構造を有するアクリレートモノマーを除く)は、水酸基含有アクリレートモノマー、アルキルアクリレートモノマー、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルのアクリレートモノマーであることが好ましい。前記アクリレートモノマー(但し、環状構造を有するアクリレートモノマーを除く)は、ラジカル重合反応性の官能基として分子内に1つのアクリロイル基を持つ。
・水酸基含有アクリレートモノマー
水酸基含有アクリレートモノマーが有するOH基の数は、1~3であることが好ましく、1であることが特に好ましい。水酸基含有アクリレートモノマーとしては、ヒドロキシエチルアクリレート(例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレート)、ヒドロキシプロピルアクリレート(例えば、2-ヒドロキシプロピルアクリレート)、ヒドロキシブチルアクリレート(例えば、4-ヒドロキシブチルアクリレート)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート等のヒドロキシアルキルアクリレートが挙げられる。
・アルキルアクリレートモノマー
アルキルアクリレートモノマーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、ラウリルアクリレート等が挙げられる。
・(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルのアクリレートモノマー
(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルのアクリレートモノマーとしては、アルコキシエチルアクリレート、アルコキシプロピルアクリレート、アルコキシブチルアクリレート、それらアルキレングリコールの多量体(例えば、メトキシトリエチレンオキシエチルアクリレート)等が挙げられる。ここで、アルキル基、アルコキシ基及びアルキレン基の炭素原子数は、1~6であることが好ましい。
成分(A1’)は、1種又は2種以上の組合せであってもよい。
<<2官能以上のラジカル重合反応性成分(A2)>>
2官能以上のラジカル重合反応性成分は、分子内にラジカル重合反応性基を2つ以上有するオリゴマー及びモノマーである。
分子内にラジカル重合反応性基を2つ以上有するオリゴマーとしては、分子中に2以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられ、(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー等が好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、芳香族系、脂肪族系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系、ポリエステル系又はこれらの組合せのポリウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの市販品としては、実施例に記載のものの他に、EBECRYL4858(ダイセル・オルネクス社製)、UN-2301(根上化学社製)、EBECRYL4859(ダイセル・オルネクス社製)、EBECRYL4738(ダイセル・オルネクス社製)等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーは、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基が(メタ)アクリル酸と反応しているオリゴマーである。エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーは、エポキシ樹脂中の一部のエポキシ基が(メタ)アクリル酸と反応しているオリゴマー、すなわち、樹脂中にエポキシ基と(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーを含んでいてもよい。ここで、エポキシ樹脂として、芳香族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂及びその他のエポキシ樹脂を挙げることができる。エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーの市販品としては、EB3700(ダイセル・オルネクス製)、EB3708(ダイセル・オルネクス製)等が挙げられる。
(メタ)アクリレートオリゴマーが有する(メタ)アクリロイル基の数は、2~6であってもよく、2~4であってもよい。
分子内にラジカル重合反応性基を2つ以上有するモノマーは、公知の成分から適宜選択できる。
<連鎖移動剤(B)>
連鎖移動剤(B)は、連鎖移動反応を起こす成分である。ここで、連鎖移動反応とは、ラジカル重合において、成長ラジカルが重合系中の他の化学種と反応し、成長の停止、ラジカルの移動及び成長の再開始を伴う反応をいう。成分(B)としては、α-メチルスチレン、α-メチルスチレンダイマー等のα-メチルスチレン構造を持つ化合物;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール;アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類;四塩化炭素、クロロホルム等のハロゲン類;及び、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、ノルマルメルカプタン、チオグリコール酸、チオグリコール酸オクチル、チオグリセロール等のチオール基を持つ化合物からなる群から選ばれる一種以上が挙げられ、α-メチルスチレン構造を持つ化合物又はチオール基を持つ化合物が好ましい。
成分(B)は、1種又は2種以上の組合せであってもよい。
<熱合開始剤(C)>
熱重合開始剤(C)は、加熱によりラジカルを発生する熱ラジカル重合開始剤であることが好ましい。熱重合開始剤(C)としては、有機過酸化物及びアゾ化合物等が挙げられる。
有機過酸化物は、パーオキシ基(-O-O-)を含む化合物である。有機過酸化物は、ラジカル源である。有機過酸化物としては、ジアシルパーオキシド類、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、パーオキシケタール類、パーオキシエステル類、パーオキシカーボネート類等が挙げられる。
有機過酸化物の具体例としては、ジラウロイルパーオキシド、ジベンゾイルパーオキシド、ビス-3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキシドのようなジアシルパーオキシド類;1,1,3,3-テトラメチルブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド(例えば、化薬アグゾ社製のカヤクメンH)、t-ブチルヒドロパーオキシドのようなヒドロパーオキシド類;ジクミルパーオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシソプロピル)ベンゼン、t-ブチルクミルパーオキシド、ジ-t-ブチルパーオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3のようなジアルキルパーオキシド類;2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2-ジ-t-ブチルペルオキブタンのようなパーオキシケタール類;1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、α-クミルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t-ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-アミルパーオキシ2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート、ジ-t-ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t-アミルパーオキシ3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、t-アミルパーオキシベンゾエートのようなパーオキシエステル類;ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシソプロピルカーボネート、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルカーボネート、1,6-ビス(t-ブチルパーオキシカルボニルオキシ)ヘキサンのようなパーオキシカーボネート類等が挙げられる。
アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルイソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル-2,2’-アゾビス(イソブチレート)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。
熱重合開始剤は、市販品を用いることができる。熱重合開始剤は、安定性や有害性の観点から有機過酸化物が好ましく、ペルオキシエステル類が特に好ましい。また、有機過酸化物は、組成物の安定性と硬化温度とのバランスの観点から、有機過酸化物の失活の指標となる1時間半減期の温度が50~110℃であることが好ましい。
(C)成分は、1種又は2種以上の組み合わせであってよい。
<更なる成分>
熱硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、更なる成分を含むことができる。更なる成分として、ポリマー成分(D)、無機物を含むチキソ付与剤、シランカップリング剤、界面活性剤、スリップ剤、重合禁止剤、酸化防止剤、安定剤、着色剤、溶剤、充填剤等が挙げられる。
更なる成分は、それぞれ、1種の成分又は2種以上の組合せの成分であってもよい。
ポリマー成分(D)は、熱硬化性樹脂組成物の粘度を調整する(例えば、熱硬化性樹脂組成物の粘度を高める)成分である。成分(D)は、ラジカル重合反応性の官能基を有さず、熱硬化性樹脂組成物に溶解する性質を有する高分子であれば特に限定されない。このような成分(D)としては、アクリル系ポリマー、(水添)ジエン系ポリマー及び水溶性ポリマー等が挙げられる。
アクリル系ポリマーとしては、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、又はそれらの共重合体等が挙げられる。
(水添)ジエン系ポリマーとしては、ポリイソプレンン、水添ポリイソプレンン、ポリブタジエン、又は水添ポリブタジエン等が挙げられる。(水添)ジエン系ポリマーは、1,3-ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン系モノマーの単独共重合体であってもよく、共役ジエン系モノマーと、スチレン等の芳香族ビニルモノマーとの共重合体であってもよい。
水溶性ポリマーとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体等のポリオキシアルキレン、ポリビニルアルコール;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;澱粉分解物、ヒドロキシプロピルエーテル化澱粉、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、キサンタンガム等の多糖類;等が挙げられる。
成分(D)が水溶性ポリマー以外である場合は、当該成分(D)は、25℃で100,000mPa・s以上の高粘度液体又は固体であることが好ましく、固体であることが特に好ましい。また、水溶性ポリマー以外である成分(D)は、25℃で100,000mPa・s以上の高粘度液体又は固体であるような重量平均分子量を有することが好ましい。ここで、粘度は、E型粘度計を用い、大気圧下、25℃で、適切なコーンプレートと回転速度を選定して測定した値である。
水溶性ポリマーの重量平均分子量は、300~100,000であることが好ましく、500~50,000であることがより好ましく、500~20000であることが特に好ましい。水溶性ポリマーの重量平均分子量が前記範囲であると、熱硬化性樹脂組成物の粘度を効率的に増加させることができ、且つ熱硬化後の熱硬化性樹脂組成物の水溶性を高めることができる。重量平均分子量の測定方法としては、オリゴマーやポリマー等の分子量が比較的高い成分については、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定結果を、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算する手法が一般に知られている。
成分(D)を選択することにより、熱硬化性樹脂組成物を溶解できる溶剤に対する選択性を付与することができる。アセトンへの溶解性の観点から、成分(D)は、ポリ(メタ)アクリル酸エステルの共重合体等のアクリル系ポリマーであることが好ましい。また、水への溶解性の観点から、成分(D)は、水溶性ポリマーであることが好ましく、セルロース誘導体であることが特に好ましい。また、メチルシクロヘキサンへの溶解性の観点から、成分(D)は、(水添)ジエン系ポリマーであることが好ましく、水添ジエン系ポリマーであることが特に好ましい。
無機物を含むチキソ付与剤は、少量の添加で増粘又はチキソ化効果の高いものであれば特に限定されない。チキソ付与剤に含まれる無機物としては、フュームドシリカ、炭酸カルシウム、カーボンブラック、カオリン、クレー、活性白土、ケイ砂、ケイ石、ケイ藻土、無水ケイ酸アルミニウム、含水ケイ酸マグネシウム、タルク、パーライト、ホワイトカーボン、マイカ微粉末、ベントナイト等のなどが挙げられる。また、チキソ付与剤は、無機物のみからなっていてもよく、脂肪酸及び/又は樹脂酸で表面処理された無機物であってもよい。
上記した成分以外の更なる成分は、熱硬化性樹脂組成物で通常用いられている成分であれば特に制限されず、目的に応じて適宜選択できる。
(各成分の含有量)
熱硬化性樹脂組成物において、各成分の含有量は以下である。
成分(A)中、成分(A1)の含有量は50重量%以上である。熱硬化性の観点から、成分(A)中、成分(A1)の含有量は60重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましく、80重量%以上であることが更に好ましく、90重量%以上であることが特に好ましい。また、成分(A)中、成分(A1)の含有量は100重量%であってもよい。
熱硬化性樹脂組成物中、成分(A2)の含有量は0重量%以上15重量%未満である。特定の溶剤への溶解性の観点から、熱硬化性樹脂組成物中、成分(A2)の含有量は、0重量%以上10重量%以下であることが好ましく、0重量%以上4重量%以下であることが特に好ましい。
成分(A)の含有量は、熱硬化性樹脂組成物の主剤として、熱硬化性樹脂組成物中、55重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましく、80重量%以上であることが特に好ましい。なお、成分(A)中、成分(A1)及び成分(A2)以外の成分は、成分(A1’)である。
成分(B)の含有量は、熱硬化性の観点、及び熱硬化後の特定の溶剤への溶解性等の観点から、熱硬化性樹脂組成物中、0.5~10重量%であることが好ましく、0.8~10重量%であることがより好ましく、1.0~7.0重量%であることが特に好ましい。
成分(C)の含有量は、熱硬化性の観点、及び熱硬化後の特定の溶剤への溶解性等の観点から、熱硬化性樹脂組成物中、0.1~10重量%であることが好ましく、0.5~8.0重量%であることがより好ましく、1.0~7.0重量%であることが特に好ましい。
成分(D)の含有量は、熱硬化性の観点、及び熱硬化後の特定の溶剤への溶解性等の観点から、成分(A)の100重量部に対して、50重量部未満であることが好ましく、0~40重量部であることがより好ましく、1~20重量部であることが特に好ましい。
成分(D)以外の更なる成分の含有量は、熱硬化性樹脂組成物中、20重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることが特に好ましく、5.0重量%以下であることが特に好ましい。
(熱硬化性樹脂組成物の更なる態様)
熱硬化性樹脂組成物における更なる態様は以下のとおりである。なお、以下の態様においても、上記した各成分の含有量の記載を適用することができる。
熱硬化性樹脂組成物において、(メタ)アクリルアミド基を有するモノマー等の含有量が多くなる場合は、極性がより高くなり水に溶解しやすくなる傾向がある。前記の場合は、成分(A)中、(メタ)アクリルアミド基を有するモノマー(A1-1)の含有量が90重量%以上であってもよい。さらに、熱硬化性樹脂組成物は、さらに、成分(D)として水溶性ポリマーを含んでいてもよいが、水溶性ポリマー以外のポリマー成分(D)を含まないものであってもよい。そして、前記の場合は、熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも水に溶解する熱硬化性樹脂組成物であることが好ましい。
熱硬化性樹脂組成物において、水酸基含有(メタ)アクリレートモノマー等(但し、(メタ)アクリルアミド基を有するモノマーを除く)の含有量が多くなる場合は、極性が高くなりエタノールに溶解しやすくなる傾向がある。前記場合は、成分(A1)が、メタクリレートモノマー(A1-2)及び環状構造を有するアクリレートモノマー(A1-3)からなる群より選択される1種以上であり、かつ、成分(A)中、水酸基含有(メタ)アクリレートモノマーの含有量が20重量%以上であってもよい。また、前記場合は、成分(A1)が、メタクリレートモノマー(A1-2)及びイソボルニルメタクリレートからなる群より選択される1種以上であり、成分(A)中、水酸基含有(メタ)アクリレートモノマーの含有量が10重量%以上であり、かつ、熱硬化性樹脂組成物中、成分(B)の含有量が、3重量%~10重量%であってもよい。なお、水酸基含有(メタ)アクリレートモノマーは、成分(A1-2)に含まれ得る水酸基含有メタクリレートモノマーであってもよく、及び、成分(A1-3)又は成分(A1’)に含まれ得る水酸基含有アクリレートモノマーであってもよい。そして、前記の場合は、熱硬化性樹脂組成物は、少なくともエタノールに溶解する熱硬化性樹脂組成物であることが好ましい。
熱硬化性樹脂組成物において、炭化水素の構造が多くなる場合、極性が低くなりメチルシクロヘキサンに溶解しやすくなる傾向がある。前記の場合は、成分(A)中、イソボルニルアクリレートの含有量が90重量%以上であり、かつ、成分(B)が、α-メチルスチレン構造を持つ化合物又は1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタンであってもよい。前記の場合は、成分(A)中、成分(A1-3)の含有量が80重量%以上であり、成分(A1’)を含まず、かつ、成分(B)が、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)であってもよい。また、前記の場合は、成分(A)中、ジシクロペンタニルアクリレートの含有量が90重量%以上であり、かつ、成分(B)が、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)であってもよい。そして、前記の場合は、熱硬化性樹脂組成物は、少なくともメチルシクロヘキサンに溶解する熱硬化性樹脂組成物であることが好ましい。
熱硬化性組成物が、N-ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、(水添)ジエン系ポリマー及び水溶性ポリマーから選ばれる一種以上を含まない場合、アセトンに溶けやすくなる傾向がある。前記の場合は、成分(A1)が、N-ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド以外の(メタ)アクリルアミド基を有するモノマー(A1-1)、メタクリレートモノマー(A1-2)及び環状構造を有するアクリレートモノマー(A1-3)からなる群より選択される1種以上であり、熱硬化性樹脂組成物は、更に、成分(D)としてアクリル系ポリマーを含んでいてもよいが、アクリル系ポリマー以外のポリマー成分(D)を含まないものであってもよい。そして、前記の場合は、熱硬化性樹脂組成物は、少なくともアセトンに溶解する熱硬化性樹脂組成物であることが好ましい。
(熱硬化性樹脂組成物の製造方法)
熱硬化性樹脂組成物は、成分(A)、成分(B)、成分(C)及び任意成分である更なる成分(成分(D)等)を混合する工程を含む製造方法により得られる。
(熱硬化性樹脂組成物の硬化方法)
熱硬化性樹脂組成物は、加熱することにより、硬化させることができる。加熱温度及び加熱時間は、熱硬化性樹脂組成物が熱硬化する温度及び時間であれば特に限定されない。加熱温度は、70~120℃であることが好ましく、80~110℃であることが特に好ましい。加熱時間は、10分~2時間であることが好ましく、20分~100分であることが特に好ましい。
[用途]
熱硬化性樹脂組成物は、仮固定用の熱硬化性樹脂組成物(仮固定材)、マスキング用の熱硬化性樹脂組成物(マスキング材)、又は成型用の熱硬化性樹脂組成物(成型材)として用いることができる。ここで、熱硬化性樹脂組成物は、前記用途において、水、エタノール、アセトン及びメチルシクロヘキサンの少なくとも一種に溶解させる。よって、熱硬化性樹脂組成物は、前記用途において、水、エタノール、アセトン及びメチルシクロヘキサンの少なくとも一種に溶解させるために用いられる。熱硬化性樹脂組成物は、水晶振動子、ガラスレンズ、プラスチックレンズ及び光ディスクの加工における仮固定に適用可能である。また、熱硬化性樹脂組成物は、プリント配線板、電子部品、自動車部品等のマスキングに適用可能である。また、熱硬化性樹脂組成物は、3Dプリンター印刷用の台座等の成型材に適用可能である。
(仮固定材)
仮固定とは、一方の部材をもう一方の部材に、熱硬化性樹脂組成物の硬化物を介して、一時的に接着させることをいう。熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、後に、水、エタノール、アセトン及びメチルシクロヘキサンの少なくとも一種に溶解することで除去されて、これにより、一方の部材ともう一方の部材との熱硬化性樹脂組成物の硬化物による接着性が失われ、仮固定の目的を達成する。
<仮固定方法>
仮固定用の熱硬化性樹脂組成物を用いた部材の仮固定方法は、仮固定用の熱硬化性樹脂組成物を用いて基材を貼り合わせる、又は2つの部材を重ねてその外周部に熱硬化性樹脂組成物を塗布する工程と、仮固定用の熱硬化性樹脂組成物を硬化させて基材を接着して、仮固定する工程と、仮固定した基材を加工する工程と、加工した基材を洗浄剤と接触させて、硬化した仮固定用の熱硬化性樹脂組成物を除去する工程とを含む。ここで、前記洗浄剤は、水、エタノール、アセトン及びメチルシクロヘキサンの少なくとも一種である。
また、仮固定用の熱硬化性樹脂組成物を用いた加工体の製造方法としては、下記工程(A)又は(B)と、(C)~(E)とを含む方法が挙げられる。
(A)(a1)一方の基材に、熱硬化性樹脂組成物を適用して、熱硬化性樹脂組成物層を形成する工程と、(a2)熱硬化性樹脂組成物層の上にもう一方の基材を貼り合わせて、積層体を得る工程と、又は
(B)一方の基材の上にもう一方の基材を重ね合わせた後に、その外周周辺端部又は重ね合わせ部に熱硬化性樹脂組成物を適用して、積層体を得る工程と、
(C)工程(A)又は工程(B)で得られる積層体を加熱して、接着体を得る工程と、
(D)接着体を加工して、粗加工体を得る工程と、
(E)粗加工体から、熱硬化性樹脂組成物の硬化物を除去して、加工体を得る方法を含む。
工程(A)は、工程(a1)及び工程(b1)である。工程(a1)は、一方の基材に、熱硬化性樹脂組成物を適用して、熱硬化性樹脂組成物層を形成する工程である。基材の材質は、特に制限はないが、熱変形せず、酸素を透過しにくい材料からなる基材が好ましい。
熱硬化性樹脂組成物を基材に適用する方法は、特に限定されず、インクジェット印刷法(インクジェット3Dプリンターを用いたインクジェット印刷法)、刷毛塗り法、スクリーン印刷法、グラビア印刷、スプレー法、ディップ法、バーコーター、ロールコーター、スピンコーター、ダイコーター、ディスペンサー、その他の公知の塗布手段が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物を適用して形成される硬化性樹脂組成物層の厚みは、特に限定されないが、10~500μmであることが好ましく、30~350μmであることが特に好ましい。
工程(a2)は、熱硬化性樹脂組成物層の上にもう一方の基材を貼り合わせて、積層体を得る工程である。熱硬化性樹脂組成物層を形成した基材の上に、硬化樹脂層に接するようにもう一方の基材を載置して、基材同士を貼り合わせることにより積層体が得られる。工程(a2)において、積層体を加圧処理する工程を含んでいてもよい。
工程(B)は、一方の基材の上にもう一方の基材を重ね合わせた後に、その外周周辺端部又は重ね合わせ部に熱硬化性樹脂組成物を適用して、積層体を得る工程である。工程(B)では、一方の基材の上に、もう一方の基材を載置し、その外周部周辺端部又は重ね合わせ部において、一方の基材ともう一方の基材とが熱硬化性樹脂組成物によって固定されるように、熱硬化性樹脂組成物が適用される条件であれば任意である。熱硬化性樹脂組成物の適用方法は、工程(a1)で前記した方法が挙げられる。
工程(C)は、工程(A)又は工程(B)で得られる積層体を加熱して、接着体を得る工程である。積層体に加熱することにより、一方の基材及びもう一方の基材の間の熱硬化性樹脂組成物が硬化し、基材同士が接着する。
加熱温度及び加熱時間は、熱硬化性樹脂組成物が熱硬化し、基材同士が接着する温度及び時間であれば特に限定されない。加熱温度及び加熱時間は、熱硬化性樹脂組成物の硬化方法において前記した条件が挙げられる。
工程(D)は、接着体を加工して、粗加工体を得る工程である。加工としては、例えば、仮固定された接着体を所望の形状に切断、研削、研磨、孔開けを施すこと、塗装すること等が挙げられ、得られる加工体に応じて適宜設定される。
工程(E)は、粗加工体から、熱硬化性樹脂組成物の硬化物を除去して、加工体を得る方法である。熱硬化性樹脂組成物の硬化物を除去する方法は、粗加工体と洗浄剤とを接触させる方法が挙げられ、例えば、洗浄剤を熱硬化性樹脂組成物の硬化物にスプレー塗布する方法、洗浄剤中に粗加工体を浸漬する方法等が挙げられる。粗加工体と洗浄剤とを接触させる方法により、粗加工体から熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、基材から剥離するか、溶解することにより除去される。
洗浄剤は、水、エタノール、アセトン及びメチルシクロヘキサンの少なくとも一種から、熱硬化性樹脂組成物の種類に応じて適宜選択することができる。
洗浄剤は、更なる成分として、界面活性剤等の有機溶剤系洗浄剤に通常添加される成分を含んでいてもよい。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、及び陽イオン性界面活性剤が挙げられる。界面活性剤は、1種又は2種以上の組合せであってもよい。
工程(E)における洗浄剤の温度は、特に限定されず、25~70℃であることが好ましい。また、工程(E)における粗加工体と洗浄剤との接触時間は、粗加工体から、熱硬化性樹脂組成物の硬化物を除去できる条件であれば特に限定されず、当業者によって適宜設定できる。熱硬化性樹脂組成物の硬化物の洗浄剤への溶解を加速させる観点から、超音波等により洗浄剤を振動させることが好ましい。工程(E)により、仮固定の目的は達成される。
仮固定用の熱硬化性樹脂組成物を用いた加工体の製造方法により得られる加工体としては、水晶振動子、ガラスレンズ、プラスチックレンズ及び光ディスクが挙げられる。
(マスキング材)
マスキングとは、基材等を熱硬化性樹脂組成物の硬化物で一時的に保護することにより、当該基材の傷つき、汚れの付着、変質等を防止すること、又は成膜工程での配線上の成膜を防止すること等をいう。熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、後に除去されて、熱硬化性樹脂組成物の硬化物によるマスキングの目的を達成する。熱硬化性樹脂組成物は、被マスキング用の基材等(例えば、プリント配線板、電子部品)を一時的にマスキングするために用いることができる。
<マスキング方法>
基材のマスキング方法としては、例えば、基材の表面の一部又は全部を、熱硬化性樹脂組成物の硬化物で一時的に覆う方法が挙げられる。基材のマスキング方法によって、基材が取り扱われる場合や複数の基材が積み重ねられる場合などに、基材間に硬化膜が介在することで、基材が直接接触しなくなり、基材にキズ等の破損が生じること、異物が付着すること等を、抑制できる。また、自動車部品等を塗装する際、塗装されない領域をマスキング材の硬化膜で一時的に覆うことによって、塗装されない領域への塗料の飛び散りを抑制することができる。
また、マスキング用の熱硬化性樹脂組成物を用いた加工体の製造方法としては、下記工程(F)~(I)を含む方法が挙げられる。
(F)基材に、熱硬化性樹脂組成物を適用して、熱硬化性樹脂組成物層を形成する工程、
(G)熱硬化性樹脂組成物層を加熱して、熱硬化性樹脂組成物の硬化物でマスキングされた基材を得る工程、
(H)熱硬化性樹脂組成物の硬化物でマスキングされた基材を加工して、粗加工体を得る工程、及び
(I)粗加工体から、熱硬化性樹脂組成物の硬化物を除去して、加工体を得る工程。
基材への熱硬化性樹脂組成物の塗布方法、熱硬化性樹脂組成物の硬化方法、基材の加工方法、熱硬化性樹脂組成物の硬化物の除去方法としては、仮固定用の熱硬化性樹脂組成物を用いた加工体の製造方法において前記した方法が挙げられる。
マスキング用の熱硬化性樹脂組成物を用いた加工体の製造方法により得られる加工体としては、プリント配線板、ディスプレイ等の電子部品、自動車部品等が挙げられる。
(成型材)
熱硬化性樹脂組成物は、3Dプリンター印刷用の台座等の成型材(サポート材)として用いることができる。3Dプリンター印刷法を用いた成形品の製造方法としては、3Dプリンターのインクジェットノズルから吐出した3Dプリンター用インクを硬化させて、積層して光造形する方法が挙げられる。ここで、3Dプリンター用インクは、UV等の光硬化により成型体を構成するモデル材と、当該モデル材を立体的に積み上げる際の支持材として使用されるサポート材を含む。成型材の上にモデル材を積層することで、オーバーハング構造、中空構造等の構造を有する成形品を製造することが可能となる。
成型用の熱硬化性樹脂組成物を用いた、成形品の製造方法としては、下記工程(J)~(L)を含む方法が挙げられる。ここで、工程(J)及び工程(K)は、成形品の形状に応じて、順不同で行うことができ、同時に行うこともできる。
(J)成型材を形成する工程、
(K)モデル材を形成する工程、
(L)成型材を除去して、成形品を得る工程。
成型材を形成する工程では、成型用の熱硬化性樹脂組成物を3Dプリンター(インクジェット3Dプリンター)のノズルから噴射、印刷等にて造形した後、熱硬化させることにより、成型材を形成する。熱硬化性樹脂組成物の硬化方法としては、仮固定用の熱硬化性樹脂組成物を用いた加工体の製造方法において前記した方法が挙げられる。
モデル材を形成する工程では、モデル材用組成物を、3Dプリンターを用いて造形した後、熱硬化させて、成形品を構成するモデル材を形成する。モデル材用組成物は、公知の成分から適宜設定することができるが、但し、成型材を溶解する溶剤では溶解しない組成物である。モデル材の硬化方法は、公知の光硬化条件から適宜設定することができる。
成型材の除去工程では、仮固定用の熱硬化性樹脂組成物を用いた加工体の製造方法において前記した熱硬化性樹脂組成物の硬化物の除去方法が挙げられる。ここで、成型材の除去工程で用いられる洗浄剤の種類は、水、エタノール、アセトン及びメチルシクロヘキサンの少なくとも一種であり、成形用の熱硬化性樹脂組成物の種類に応じて、適宜選択することができる。
本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。表における値は、特に断らない限り重量部である。
(使用成分)
<成分(A):ラジカル重合反応性成分>
・成分(A1-1):(メタ)アクリルアミド基を有するモノマー
HEAA:ヒドロキシエチルアクリルアミド(KJケミカル製)
ACMO:4-アクリロイルモルホリン(KJケミカル製)
・成分(A1-2):メタクリレートモノマー
THF-M:テトラヒドロフルフリルメタクリレート(昭和電工マテリアル製)
HOB:2-ヒドロキシブチルメタクリレート(共栄社化学製)
・成分(A1-3):環状構造を有するアクリレートモノマー
IBOA:イソボルニルアクリレート(日本触媒製)
FA-513AS:ジシクロペンタニルアクリレート(昭和電工マテリアル製)
・成分(A’):成分(A1)以外の1官能のラジカル重合反応性成分
4HBA:4-ヒドロキシブチルアクリレート(大阪有機化学製)
L-A:ラウリルアクリレート(共栄社化学製)
・成分(A2):2官能以上のラジカル重合反応性成分
UN-7700:2官能ウレタンアクリレート(根上工業製)
<成分(B):連鎖移動剤>
カレンズMT PE1:ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)(昭和電工製)
カレンズMT BD1:1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン(昭和電工製)
MSD-100:α-メチルスチレンダイマー(三井化学製)
<成分(C):熱重合開始剤>
パーオクタO:1,1,3,3,-テトラメチルブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート(日本油脂製)
<成分(D):ポリマー成分>
LA1892:アクリルポリマー(クラレ製)(25℃で固体)
SEP2002(水添ジエン系 ポリマー):スチレン水添イソプレン共重合ポリマー(クラレ製)(25℃で固体)
HPC SSL(水溶性ポリマー):ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達製)
〔評価条件〕
(1)熱硬化性
10mm×5mm×1mmとなるよう熱硬化性樹脂組成物を型に流し込んでPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(パナック社製、品名ルミラー100T60、厚さ100μm)で貼り合わせ、さらにスライドガラスで挟み込んだ後、オーブン(espec社製LC-114)にて100℃30分加熱して、熱硬化性樹脂組成物を硬化させた。PETフィルムを剥がしてから、熱硬化性樹脂組成物が指触にて硬化しているかどうかを確認した。
○:硬化している(手に液(熱硬化性樹脂組成物)がつかない)
×:硬化していない(手に液がつく)
(2)溶剤溶解性
上記の「(1)硬化性」にて、熱硬化性が「○」であった試験片を1Lビーカーに入れ、水を100g程度注いだ。そのビーカーを超音波洗浄器(エスエヌディー製、US-20PS)に入れて最も弱いレベルの超音波を5分間かけた。その後、試験片を取り出し、目視で熱硬化性樹脂組成物の硬化物が残っているかどうかを確認した。水を、エタノール、アセトン、メチルシクロヘキサンにそれぞれ変えて、同様の試験を行なった。また、表には、溶解した試験の番号を記載した。例えば、エタノール及びアセトンの試験にて、熱硬化性樹脂組成物が溶解し、水及びメチルシクロヘキサンの試験にて、熱硬化性樹脂組成物が溶解しない場合は、「〇2,3」とした。
○1:水での試験にて熱硬化性樹脂組成物が溶解した
〇2:エタノールでの試験にて熱硬化性樹脂組成物が溶解した
〇3:アセトンでの試験にて熱硬化性樹脂組成物が溶解した
〇4:メチルシクロヘキサンでの試験にて熱硬化性樹脂組成物が溶解した
×:どの溶剤にも熱硬化性樹脂組成物が溶解しない
(4)密着性
スライドガラス基板上に50μm厚となるようにスペーサーを置いて熱硬化性樹脂組成物を0.05g程度塗布し、上からPETフィルムを貼った。オーブン(espec社製LC-114)にて100℃30分加熱して熱硬化性樹脂組成物を硬化させた後、PETフィルムを剥がしてから24時間放置してから目視で観察し、スライドガラス基板から剥がれていないかどうかを確認した。
○:剥がれなし
×:剥がれあり
〔熱硬化性樹脂組成物の製造〕
表に記載の配合比に従い、成分(A)~成分(C)及びその他の成分をかくはん機付きフラスコで均一になるまで30分~1時間攪拌混合した。このうち、実施例16~18に関しては成分(A)及び成分(D)を80℃で加熱しながら撹拌して、固体成分を溶解させた後、常温(25℃)にて、成分(B)及び成分(C)を添加することにより、実施例及び比較例の液状の熱硬化性樹脂組成物を得た。
結果を以下の表に示す。各成分の配合量の値は全て重量部である。
Figure 2023156784000002
Figure 2023156784000003
Figure 2023156784000004
各表から、実施例の熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性に優れており、密着性に優れていた。また、実施例の熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化後の、水、エタノール、アセトン及びメチルシクロヘキサンの少なくとも一種への溶解性を有していた。よって、熱硬化性樹脂組成物は、仮固定用、マスキング用又は成型用の熱硬化性樹脂組成物として用いることができる。
実施例1~3の結果より、成分(B)の含有量が増加する場合は、アセトンのみならず、エタノールへの溶解性も有していた。
実施例8~10の結果より、成分(A)中、環状構造を有するアクリレートモノマーの含有量が増加する場合に、溶解性を有する溶剤の種類が多くなった。
実施例11及び12並びに比較例3の結果より、成分(A)中の成分(A2)の合計の含有量が15重量%未満である場合に、特定の溶剤に対する溶解性を有していた。
実施例17と実施例18の結果により、成分(D)が水添ジエン系ポリマーである場合に、メチルシクロヘキサンに溶解し、成分(D)が水溶性ポリマーである場合に、水に溶解した。
実施例1~16と実施例17~19の結果より、熱硬化性樹脂組成物が、(水添)ジエン系ポリマー、水溶性ポリマー及びN-ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドのいずれも含まない場合、アセトンに溶解した。
一方、比較例1の組成物は、成分(B)を含まない。そして、比較例3の組成物は、成分(A)中の成分(A2)の合計の含有量が約19重量%である。そのため、比較例1及び3の熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、水、エタノール、アセトン及びメチルシクロヘキサンへの溶解性が劣っていた。
また、比較例2の組成物は、成分(A1)を含まない。そして、比較例4の組成物は、成分(A)中の成分(A1)の合計の含有量が40重量%である。そのため、比較例2及び4の硬化性樹脂組成物は、熱硬化性が劣っていた。

Claims (7)

  1. ラジカル重合反応性成分(A)、連鎖移動剤(B)及び熱重合開始剤(C)を含む熱硬化性樹脂組成物であって、成分(A)は、(メタ)アクリルアミド基を有するモノマー(A1-1)、メタクリレートモノマー(A1-2)及び環状構造を有する(メタ)アクリレートモノマー(A1-3)からなる群より選択される1種以上の1官能のラジカル重合反応性成分(A1)を含有し、成分(A)中、成分(A1)の含有量が50重量%以上であり、熱硬化性樹脂組成物中、2官能以上のラジカル重合反応性成分(A2)の含有量が0重量%以上15重量%未満であることを特徴とする、仮固定用、マスキング用又は成型用の熱硬化性樹脂組成物。
  2. 成分(B)が、α-メチルスチレン構造を持つ化合物及びチオール基を持つ化合物からなる群より選択される1種以上である、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 熱硬化性樹脂組成物中、成分(B)の含有量が0.5~10重量%である、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 熱硬化性樹脂組成物中、成分(B)の含有量が0.5~10重量%である、請求項2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. さらに、ポリマー成分(D)を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 成分(D)が水溶性ポリマーである、請求項5に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 成分(D)が水添ジエン系ポリマーである、請求項5に記載の熱硬化性樹脂組成物。
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