JP2023156186A - パーキングブレーキ構造 - Google Patents

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友裕 鈴木
Tomohiro Suzuki
耕志 中村
Koji Nakamura
英樹 桑野
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【課題】簡単な構成により部品点数や重量を低減できるパーキングブレーキ構造を提供する。【解決手段】後輪ブレーキディスク(15)と後輪ブレーキキャリパ(14)とからなる後輪ブレーキ(BR)を有する車両(1)に適用されるパーキングブレーキ構造において、後輪ブレーキディスク(15)の軸方向外側に配設される押圧部材(31)と、該押圧部材(31)を収納するケース部材(30)とを備える。くさび形状をなす押圧部材(31)を移動させることで押圧部材(31)が後輪ブレーキディスク(15)を押圧する。押圧部材(31)に押圧部材側テーパ面(34)が設けられ、ケース部材(30)にケース部材側テーパ面(35)が設けられる。押圧部材(31)は、押圧部材側テーパ面(34)とケース部材側テーパ面(35)とが摺動可能に接触した状態でケース部材(30)に収納される。【選択図】図4

Description

本発明は、パーキングブレーキ構造に係り、特に、車両の停車時に車輪の回転を禁止するパーキングブレーキに適用されるパーキングブレーキ構造に関する。
従来から、車両の停車時に車輪の回転を禁止するためのパーキングブレーキが知られている。
特許文献1には、自動二輪車の後輪に取り付けられるディスク式の後輪ブレーキにおいて、通常走行時に使用するブレーキキャリパに加え、停車時に後輪の回転を禁止するためのパーキングブレーキキャリパを備えた構成が開示されている。
特許第3848525号公報
しかし、特許文献1のパーキングブレーキキャリパは、ケーブルの牽引力をブレーキパッド部材の押圧力に変換するためのカム機構を備える構成とされており、部品点数や重量が大きくなりやすいという課題があった。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、簡単な構成により部品点数や重量を低減できるパーキングブレーキ構造を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は、後輪ブレーキディスク(15)と後輪ブレーキキャリパ(14)とからなる後輪ブレーキ(BR)を有する車両(1)に適用されるパーキングブレーキ構造において、前記後輪ブレーキディスク(15)の軸方向外側に配設される押圧部材(31)と、該押圧部材(31)を収納するケース部材(30,52)とを備え、前記押圧部材(31)がくさび形状をなしており、前記押圧部材(31)を移動させることで、前記押圧部材(31)が前記後輪ブレーキディスク(15)を押圧するように構成されている点に第1の特徴がある。
また、前記押圧部材(31)に、押圧部材側テーパ面(34)が設けられ、前記ケース部材(30,52)に、ケース部材側テーパ面(35)が設けられ、前記押圧部材(31)は、前記押圧部材側テーパ面(34)と前記ケース部材側テーパ面(35)とが摺動可能に接触した状態で前記ケース部材(30)に収納されている点に第2の特徴がある。
また、前記押圧部材(31)が、前記後輪ブレーキディスク(15)の両面に対向して2つ設けられており、前記押圧部材(31)を移動させることで、前記押圧部材(31)によって前記後輪ブレーキディスク(15)の両面が押圧されるように構成されている点に第3の特徴がある。
また、前記押圧部材(31)は、前記後輪ブレーキディスク(15)の片面に対向して1つ設けられており、前記ケース部材(52)が、車体側に支持されるブラケット(60)に対して弾性部材(61)を介してフローティングマウントされており、前記押圧部材(31)を移動させることで、前記押圧部材(31)および前記ケース部材(50)によって前記後輪ブレーキディスク(15)の両面が押圧される点に第4の特徴がある。
さらに、前記押圧部材(31)は、前記後輪ブレーキディスク(15)の径方向外側に向かって移動することで前記後輪ブレーキディスク(15)を押圧するように構成されている点に第5の特徴がある。
第1の特徴によれば、後輪ブレーキディスク(15)と後輪ブレーキキャリパ(14)とからなる後輪ブレーキ(BR)を有する車両(1)に適用されるパーキングブレーキ構造において、前記後輪ブレーキディスク(15)の軸方向外側に配設される押圧部材(31)と、該押圧部材(31)を収納するケース部材(30,52)とを備え、前記押圧部材(31)がくさび形状をなしており、前記押圧部材(31)を移動させることで、前記押圧部材(31)が前記後輪ブレーキディスク(15)を押圧するように構成されているので、カム機構等を用いることなく、くさびの原理によって軸方向の押圧力を得て後輪ブレーキディスクの回転を禁止することが可能となる。これにより、簡単な構成で部品点数や重量の増加を抑制したパーキングブレーキを得ることができる。
第2の特徴によれば、前記押圧部材(31)に、押圧部材側テーパ面(34)が設けられ、前記ケース部材(30,52)に、ケース部材側テーパ面(35)が設けられ、前記押圧部材(31)は、前記押圧部材側テーパ面(34)と前記ケース部材側テーパ面(35)とが摺動可能に接触した状態で前記ケース部材(30)に収納されているので、押圧部材の移動をスムーズに行うことができる。
第3の特徴によれば、前記押圧部材(31)が、前記後輪ブレーキディスク(15)の両面に対向して2つ設けられており、前記押圧部材(31)を移動させることで、前記押圧部材(31)によって前記後輪ブレーキディスク(15)の両面が押圧されるので、後輪ブレーキディスクの両面を押圧部材で均等に押圧することが容易となる。
第4の特徴によれば、前記押圧部材(31)は、前記後輪ブレーキディスク(15)の片面に対向して1つ設けられており、前記ケース部材(52)が、車体側に支持されるブラケット(60)に対して弾性部材(61)を介してフローティングマウントされており、前記押圧部材(31)を移動させることで、前記押圧部材(31)および前記ケース部材(50)によって前記後輪ブレーキディスク(15)の両面が押圧されるので、押圧部材および押圧部材を移動させるケーブル等が1つのみで済み、部品点数や重量を低減することができる。
第5の特徴によれば、前記押圧部材(31)は、前記後輪ブレーキディスク(15)の径方向外側に向かって移動することで前記後輪ブレーキディスク(15)を押圧するので、例えば、押圧部材が後輪ブレーキディスクの周方向に沿って移動する構成とは異なり、車両を前方または後方に動かそうとしても押圧力が弱まることがなく、信頼性の高いパーキングブレーキを得ることができる。
本実施形態に係るパーキングブレーキ構造を適用した自動二輪車の右側面図である。 図1の一部拡大図である。 パーキングブレーキの構成を示す正面図である。 上側インナケーブルが牽引されてパーキングブレーキが作動した状態を示す正面図である。 下側インナケーブルが牽引されてパーキングブレーキが解除された状態を示す正面図である。 本発明の第2実施形態に係るパーキングブレーキの構成を示す正面図である。 上側インナケーブルが牽引されてパーキングブレーキが作動した状態を示す正面図である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るパーキングブレーキ構造を適用した自動二輪車1の右側面図である。自動二輪車1は、操向ハンドル2とシート20との間に、跨ぎ部21および運転者が足を置く低床フロア22が設けられたスクータ型の鞍乗型車両である。車体フレームFの前端部には、不図示のステアリングステムを回動自在に軸支するヘッドパイプF1が設けられている。ステアリングステムの上部には操向ハンドル2が固定され、ステアリングステムの下部にはボトムブリッジ6が固定されている。ボトムブリッジ6によって支持される左右一対のフロントフォーク8には、前輪WFが回転自在に軸支されている。
前輪WFと同期回転する前輪ブレーキディスク10と、フロントフォーク8に固定される前輪ブレーキキャリパ9は、前輪WFに制動力を与える前輪ブレーキBFを構成する。フロントフォーク8には、前輪WFの上方を覆うフロントフェンダ7が取り付けられている。
ヘッドパイプF1の後部には、緩やかな傾斜で後方下方に伸びるメインフレームF2と、急傾斜で後方下方に伸びるアンダフレームF3とが連結されている。車体フレームFの後部には、エンジンと変速機とを一体に構成したパワーユニットPが支持されている。後輪WRを回転自在に軸支するスイングアーム13は、ピボット12によってパワーユニットPに揺動可能に軸支されている。スイングアーム13の後端部は、リヤクッション17によって車体フレームFに吊り下げられている。
操向ハンドル2の前方には、防風スクリーン3およびヘッドライト5を支持するフロントカウル4が配設されている。低床フロア22の車幅方向外側には、アンダフレームF3の側方を覆う左右一対のアンダカウル11が連結されている。跨ぎ部21の後方上方には、シート20が配設されており、シート20の下方には、尾灯装置18およびリヤフェンダ16を支持する左右一対のリヤカウル19が配設されている。
後輪WRと同期回転する後輪ブレーキディスク15と、スイングアーム13に支持される後輪ブレーキキャリパ14は、後輪WRに制動力を与える後輪ブレーキBRを構成する。本実施形態に係るパーキングブレーキ40は、後輪ブレーキディスク15に重なる位置でスイングアーム13の上部に配設されている。
図2は、図1の一部拡大図である。前記と同一符号は、同一または同等部分を示す。油圧式の後輪ブレーキキャリパ14は、ブラケット23を介してスイングアーム13に支持されている。一方、パーキングブレーキ40は、後輪WRの車軸25の上方の位置で、ブラケット24を介してスイングアーム13に支持されている。
パーキングブレーキ40は、ブラケット24に固定されるケース部材30と、該ケース部材30に収納される押圧部材31とを含んで構成される。押圧部材31の上部には、上側アウタケーブル32を挿通する上側インナケーブル32aが接続され、押圧部材31の下部には、下側アウタケーブル33を挿通する下側インナケーブル33aが接続されている。上側アウタケーブル32および下側アウタケーブル33は、不図示のステー部材を介してスイングアーム13に支持される。
図3は、パーキングブレーキ40の構成を示す正面図である。この図では、図1のA方向から見た状態を示している。また、図4は上側インナケーブル32aが牽引されてパーキングブレーキ40が作動した状態を示す正面図である。ケース部材30に収納される押圧部材31には、後輪ブレーキディスク15に押圧されて摩擦力を発生するパッド部材36が取り付けられている。押圧部材31は、車体側面視で方形をなすと共に、車体正面視で直角三角形をなす三角柱形状を有する、すなわち、押圧部材31は、くさび形状をなしている。
押圧部材31には、押圧部材側テーパ面34が設けられ、ケース部材30には、ケース部材側テーパ面35が設けられる。そして、押圧部材31は、押圧部材側テーパ面34とケース部材側テーパ面35とが摺動可能に接触した状態で、ケース部材30に収納される。これにより、上側インナケーブル32aを牽引して押圧部材31が上方に移動すると、パッド部材36が後輪ブレーキディスク15に接近することとなる。そして、パッド部材36が後輪ブレーキディスク15に当接した状態からさらに上側インナケーブル32aに牽引力を与えることで、くさびの原理によりパッド部材36が後輪ブレーキディスク15に押し付けられて、後輪WRの回転が禁止されることとなる。
押圧部材31は、後輪ブレーキディスク15の径方向外側に向かって移動することで後輪ブレーキディスク15を押圧するように構成されている。これにより、例えば、押圧部材が後輪ブレーキディスクの周方向に沿って移動する構成とは異なり、車両を前方または後方に動かそうとしても押圧力が弱まることがなく、信頼性の高いパーキングブレーキを得ることができる。
上記したように、本実施形態に係るパーキングブレーキ構造によれば、押圧部材31がくさび形状をなしており、押圧部材31を移動させることで押圧部材31が後輪ブレーキディスク15を押圧するように構成されているので、カム機構等を用いることなく、くさびの原理によって軸方向の押圧力を得て後輪ブレーキディスク15の回転を禁止することが可能となる。これにより、簡単な構成で部品点数や重量の増加を抑制したパーキングブレーキを得ることができる。
図5は、下側インナケーブル33aが牽引されてパーキングブレーキ40が解除された状態を示す正面図である。本実施形態では、押圧部材31の下部に接続される下側インナケーブル33aを牽引することで、押圧部材31を初期位置に戻してパーキングブレーキを解除するように構成されている。なお、押圧部材31を初期位置に戻す方向の付勢力を与えるリターンスプリングを設け、上側インナケーブル32aの牽引力が弱められるとリターンスプリングの付勢力でパーキングブレーキが解除されるように構成してもよい。
図6は、本発明の第2実施形態に係るパーキングブレーキ50の構成を示す正面図である。また、図7は上側インナケーブル32aが牽引されてパーキングブレーキ50が作動した状態を示す正面図である。前記と同一符号は、同一または同等部分を示す。本実施形態では、押圧部材31が1つとされ、この押圧部材31とケース部材52の内壁面によって後輪ブレーキディスク15を押圧する点に特徴がある。
より詳しくは、押圧部材31は、後輪ブレーキディスク15の片面に対向して1つ設けられており、ケース部材52が、車体側に支持されるブラケット60に対して弾性部材61を介してフローティングマウントされている。そして、押圧部材31に接続された上側インナケーブル32aを牽引することで、押圧部材31のパッド部材36およびケース部材52のパッド部材51によって後輪ブレーキディスク15の両面が押圧されることとなる。この構成によれば、押圧部材31および押圧部材31を移動させるケーブルが1つのみで済み、部品点数や重量を低減することができる。本実施形態でも、押圧部材31の下部に接続された下側インナケーブル33aを牽引することで、パーキングブレーキが解除される。
なお、自動二輪車の形態、後輪ブレーキの形態、ケース部材および押圧部材の形状や構造、パッド部材の厚さ、インナケーブルの取り付け位置等は、上記実施形態に限られず、種々の変更が可能である。例えば、パーキングブレーキは、自動二輪車の操向ハンドル等に設けられたレバーによって作動するほか、サイドスタンドやセンタスタンドの展開操作に連動して作動するように構成することができる。また、押圧部材の全体をパッド素材で形成してもよい。本発明に係るパーキングブレーキ構造は、自動二輪車に限られず、三輪車や四輪車等の種々の車両に適用することが可能である。
1…自動二輪車(車両)、14…後輪ブレーキキャリパ、15…後輪ブレーキディスク、31…押圧部材、30,52…ケース部材、34…押圧部材側テーパ面、35…ケース部材側テーパ面、40,50…パーキングブレーキ、60…ブラケット、61…弾性部材、BR…後輪ブレーキ

Claims (5)

  1. 後輪ブレーキディスク(15)と後輪ブレーキキャリパ(14)とからなる後輪ブレーキ(BR)を有する車両(1)に適用されるパーキングブレーキ構造において、
    前記後輪ブレーキディスク(15)の軸方向外側に配設される押圧部材(31)と、該押圧部材(31)を収納するケース部材(30,52)とを備え、
    前記押圧部材(31)がくさび形状をなしており、
    前記押圧部材(31)を移動させることで、前記押圧部材(31)が前記後輪ブレーキディスク(15)を押圧するように構成されていることを特徴とするパーキングブレーキ構造。
  2. 前記押圧部材(31)に、押圧部材側テーパ面(34)が設けられ、
    前記ケース部材(30,52)に、ケース部材側テーパ面(35)が設けられ、
    前記押圧部材(31)は、前記押圧部材側テーパ面(34)と前記ケース部材側テーパ面(35)とが摺動可能に接触した状態で前記ケース部材(30)に収納されていることを特徴とする請求項1に記載のパーキングブレーキ構造。
  3. 前記押圧部材(31)が、前記後輪ブレーキディスク(15)の両面に対向して2つ設けられており、
    前記押圧部材(31)を移動させることで、前記押圧部材(31)によって前記後輪ブレーキディスク(15)の両面が押圧されるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のパーキングブレーキ構造。
  4. 前記押圧部材(31)は、前記後輪ブレーキディスク(15)の片面に対向して1つ設けられており、
    前記ケース部材(52)が、車体側に支持されるブラケット(60)に対して弾性部材(61)を介してフローティングマウントされており、
    前記押圧部材(31)を移動させることで、前記押圧部材(31)および前記ケース部材(50)によって前記後輪ブレーキディスク(15)の両面が押圧されることを特徴とする請求項1または2に記載のパーキングブレーキ構造。
  5. 前記押圧部材(31)は、前記後輪ブレーキディスク(15)の径方向外側に向かって移動することで前記後輪ブレーキディスク(15)を押圧するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のパーキングブレーキ構造。
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