JP2023154285A - 液体注入装置及びそれを用いて液体が注入される密閉容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体を簡単に充填することができ、しかも従来の装置に比べて密閉容器の耐久性の向上を図ることができる液体注入装置を提供する。【解決手段】液体注入装置1は、液体を密閉容器に注入するための注入針10と、注入針10をその外側から覆うように配置された外側筒状体20と、注入針10及び外側筒状体20が装着される台座部30とを備え、台座部30には、外側筒状体20が装着される所定部位から台座部30の外側へ空気を流通させるための溝部37が形成され、外側筒状体20には、外側筒状体20と注入針10との間の隙間を通る空気を溝部37に流すための開口部21が形成され、注入針10を使って密閉容器内に液体を注入するときに、密閉容器内の空気は、外側筒状体20の下端、外側筒状体20と注入針10との間の隙間、開口部21及び溝部37を通じて外部に流出する。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、内部に保持した消毒用アルコール(液体)をノズルから噴出して、手指などを消毒するための密閉容器及びその密閉容器に消毒用アルコールを注入するための液体注入装置に関するものである。
コロナ禍において、現在、各種のアルコール消毒を行うための携帯型の密閉容器が市販されている。この密閉容器は、予め消毒用アルコール(液体)を入れた状態で販売されている。使用するときには、プッシュ部を押すことにより、内部に保持された消毒用アルコールをノズルから噴出し、手指や、ドアノブ、テーブルなどの身の回りものを消毒する。
しかしながら、従来のアルコール消毒用の密閉容器は、ほとんどのものが使い捨てタイプのものである。消毒用アルコールを詰め替えることができるタイプのものもあるが、使い勝手が悪い。例えば、既存の詰替え可能なアルコール消毒用のカード型容器では、ノズル部を、ペンチ等を用いて外してから、消毒用アルコールを注入し、注入を終えた後、再びペンチ等を用いてノズル部を元の位置に嵌めなければならない。したがって、外出先等において、簡単に消毒用アルコールの詰め替えを行うことが難しいという問題がある。また、近年、カード型容器として、開閉式の蓋を設け、その蓋を開けてそこから消毒用アルコールを注入するものが販売されている。しかし、このようなカード型容器では、蓋の気密性を十分確保することができず、また、そのカード型容器をカバン等に入れている際に蓋が不用意に外れてしまう恐れもある。
ところで、一般的に容器内に液体を注入する装置として、特開昭61-44314号公報(特許文献1)に開示されている液注入装置がある。この液注入装置は、昇降シリンダー2に連結されて昇降自在に支持され、先端に蓋押込凸部6が形成された注入ヘッド案内筒5と、該案内筒内に支持された注入ヘッドシタンダー7に連結されて前記案内筒内に昇降自在に収納された注入ヘッド8と、該注入ヘッドに設けられて、前記案内筒先端から出没可能な液注入用長針10及び排気用短針11とからなるものである。上記液注入装置は、二本の針を用いて、一方の液注入用長針で液体を補充し、他方の排気用短針で内部の空気を外部に排出する構成である。
特開昭61-44314号公報
しかしながら、上記の液注入装置では、液体を注入するたびに、容器に二箇所の孔が開けられることとなる。したがって、消毒用アルコールを噴霧するための密閉容器に対して、液を注入するたびに二つの孔が開くこととなり、密閉容器の耐久性の点で問題がある。
本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、詰替え用の消毒用アルコール等の液体を簡単に充填することができ、しかも従来の装置に比べて密閉容器の耐久性の向上を図ることができる液体注入装置を提供することを目的とするものである。
また、本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、例えば詰替え用の消毒用アルコール等の液体を簡単に充填することができる密閉容器を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するための本発明は、液体を密閉して保持する密閉容器に液体を注入する際に用いられる液体注入装置であって、中空の筒状体として形成された、液体を密閉容器に注入するための注入針と、内径が注入針の外径よりも大きい中空の筒状体として形成された、注入針をその外側から覆うように配置されることにより注入針との間に空気の流通を可能とする隙間を生じさせるための外側筒状体と、注入針及び外側筒状体が装着される台座部と、を具備し、台座部は、外側筒状体が装着される所定部位から台座部の外側へ空気を流通させるための空気流通部を有し、外側筒状体は、その外側筒状体を台座部に装着する際に空気流通部に対向する位置に配置された、外側筒状体と注入針との間の隙間を通る空気を空気流通部に流すための開口部を有することを特徴とするものである。
このように、本発明に係る液体注入装置は、液体を密閉容器に注入するための注入針と、注入針をその外側から覆うように配置された外側筒状体と、注入針及び外側筒状体が装着される台座部とを備えており、台座部には、外側筒状体が装着される所定部位から台座部の外側へ空気を流通させるための空気流通部が形成され、外側筒状体には、外側筒状体と注入針との間の隙間を通る空気を空気流通部に流すための開口部が形成されている。このため、注入針により液体を密閉容器に注入する際、密閉容器内の空気は、台座部と反対側における外側筒状体の先端、外側筒状体と注入針との間の隙間、外側筒状体に形成された開口部、及び、台座部に形成された空気流通部を通じて、外部に流出することができる。すなわち、密閉容器内への液体の注入と密閉容器内の空気の外部への排出とを同時に行うことができる。したがって、本発明に係る液体注入装置を用いると、密閉容器に液体を注入する作業を簡単に且つスムースに行うことができる。
また、本発明に係る液体注入装置において、台座部は、外側筒状体の先端部を差し込んで外側筒状体を台座部に装着するための穴部と、その穴部の中央部において台座部を貫通するように形成された、注入針の先端部を差し込んで注入針を台座部に装着するための貫通孔部とを有するものであってもよい。この場合、注入針の先端部の外側に例えば接着剤等を塗布し、その注入針の先端部を貫通孔部に差し込むと共に、外側筒状体の先端部の外側に例えば接着剤を塗布し、その外側筒状体の先端部を穴部に差し込むことにより、注入針及び外側筒状体を容易に台座部に固定することができる。また、注入針及び外側筒状体を台座部に装着すると、台座部の側における外側筒状体の先端は台座部により塞がれるので、密閉容器内の空気は、台座部と反対側における外側筒状体の先端、外側筒状体と注入針との間の隙間、外側筒状体に形成された開口部、及び、台座部に形成された空気流通部を通じて確実に外部に排出することができる。
また、本発明に係る液体注入装置において、台座部の側における外側筒状体の先端は、注入針に接合されていてもよい。これにより、注入針と外側筒状体とは別個独立ではなく、一体化しているので、注入針と外側筒状体とを台座部に装着する場合、外側筒状体と注入針の両方を例えば接着剤等で台座部に固定するのではなく、外側筒状体及び注入針のうちいずれか一方を例えば接着剤等で台座部に固定すればよく、したがって、外側筒状体及び注入針の装着作業がとても簡単になる。
また、本発明に係る液体注入装置において、注入針と外側筒状体とは、台座部と反対側における注入針の先端が外側筒状体によって覆われないように台座部に装着されていることが望ましい。これにより、液体を密閉容器に注入している際に、注入針の先端から飛び出る液体によって、密閉容器内の空気が、台座部と反対側における外側筒状体の先端から外側筒状体と注入針との間の隙間に入り込むのを妨げられることはないので、密閉容器内の空気を外側筒状体と注入針との間の隙間に確実に取り込むことができる。
また、本発明に係る液体注入装置において、台座部には、液体を収容する保存容器の口部に台座部を取り付けるための取付部が設けられていることが望ましい。これにより、使用者は、液体が入った詰替え用の保存容器を購入し、その保存容器の口部の蓋を取り外した後、本発明に係る液体注入装置を保存容器に簡単に取り付けることができる。
上記の目的を達成するための本発明は、上記の液体注入装置を使って液体が注入される密閉容器であって、液体を保持するための容器本体と、容器本体に設けられた、容器本体内の液体を外部に排出するための排出装置と、容器本体の所定箇所に排出装置とは別個に設けられた孔部と、孔部に嵌合された弾性部材と、を具備し、弾性部材には、外側筒状体及び注入針を差し込んで容器本体内に案内するためのものであって外側筒状体及び注入針が差し込まれていないときに閉塞状態となる貫通孔が形成されていることを特徴とするものである。
このように、本発明に係る密閉容器では、弾性部材が孔部に嵌合され、その弾性部材には、外側筒状体及び注入針を差し込んで容器本体内に案内するためのものであって外側筒状体及び注入針が差し込まれていないときに閉塞状態となる貫通孔が形成されている。このため、上記液体注入装置の外側筒状体及び注入針を貫通孔に沿って差し込んでその注入針から液体を容器本体内に容易に補充することができ、しかも、液体の補充後に外側筒状体及び注入針を引き抜けば、貫通孔が閉塞状態となり、容器本体内の液体が外部に漏れることはない。したがって、本発明に係る密閉容器は、上記液体注入装置を用いて液体が注入される容器として用いるのに好適である。
本発明に係る液体注入装置は、液体を密閉容器に注入するための注入針と、注入針をその外側から覆うように配置された外側筒状体と、注入針及び外側筒状体が装着される台座部とを備えており、台座部には、外側筒状体が装着される所定部位から台座部の外側へ空気を流通させるための空気流通部が形成され、外側筒状体には、外側筒状体と注入針との間の隙間を通る空気を空気流通部に流すための開口部が形成されている。このため、注入針により液体を密閉容器に注入する際、密閉容器内の空気は、台座部と反対側における外側筒状体の先端、外側筒状体と注入針との間の隙間、外側筒状体に形成された開口部、及び、台座部に形成された空気流通部を通じて、外部に流出することができる。すなわち、密閉容器内への液体の注入と密閉容器内の空気の外部への排出とを同時に行うことができる。したがって、本発明に係る液体注入装置を用いると、密閉容器に液体を注入する作業を簡単に且つスムースに行うことができる。また、本発明に係る液体注入装置では、外側筒状体が注入針を覆っていることにより、例えば密閉容器において弾性部材で作製された液体注入部に、外側筒状体及び注入針を差し込んだときに、その液体注入部には二つの孔ではなく一つの孔しか開かない。このため、本発明に係る液体注入装置を使用する場合は、上記特許文献1に記載された二本の針を有する従来の液注入装置を使用する場合に比べて、密閉容器の耐久性の向上を図ることができる。
また、本発明に係る密閉容器では、弾性部材が孔部に嵌合され、その弾性部材には、外側筒状体及び注入針を差し込んで容器本体内に案内するためのものであって外側筒状体及び注入針が差し込まれていないときに閉塞状態となる貫通孔が形成されている。このため、上記液体注入装置の外側筒状体及び注入針を貫通孔に沿って差し込んでその注入針から液体を容器本体内に容易に補充することができ、しかも、液体の補充後に外側筒状体及び注入針を引き抜けば、貫通孔が閉塞状態となり、容器本体内の液体が外部に漏れることはない。したがって、本発明に係る密閉容器は、上記液体注入装置を用いて液体が注入される容器として用いるのに好適である。
図1(a)は本発明の一実施形態である液体注入装置の概略平面図、図1(b)はその液体注入装置の概略底面図、図1(c)はその液体注入装置の概略正面図である。 図2(a)は本実施形態の液体注入装置の概略右側面図、図2(b)はその液体注入装置のA-A矢視方向概略断面図である。 図3(a)は本実施形態の液体注入装置における注入針の概略断面図、図3(b)はその液体注入装置における外側筒状体の概略断面図、図3(c)はその液体注入装置において注入針を外側筒状体で覆ったときの様子を示す概略斜視図である。 図4は本実施形態の液体注入装置における台座部の概略斜視図である。 図5(a)は本実施形態の液体注入装置における台座部の概略平面図、図5(b)はその台座部概略底面図、図5(c)はその台座部の概略正面図、図5(d)はその台座部の概略B-B矢視方向概略断面図である。 図6は保存容器に取り付けられた本実施形態の液体注入装置の概略側面図である。 図7(a)は本実施形態の液体注入装置を使って液体が注入される密閉容器の概略平面図、図7(b)はその密閉容器の概略正面図である。 図8(a)は図7に示す密閉容器における弾性部材の概略平面図、図8(b)はその弾性部材の概略正面図である。 図9は本実施形態の液体注入装置を用いて液体を密閉容器に注入する際の液体注入装置と弾性部材との位置関係を説明するための図である。 図10は本実施形態の液体注入装置を用いて液体を密閉容器に注入するときの様子を示す図である。 図11は外側筒状体に設けられた開口部の他の例を説明するための図である。 図12は一体化された外側筒状体と注入針の例を説明するための図である。 図13は台座部の他の例を説明するための図、具体的には上部に雌ネジが切られた台座部の概略断面図である。
以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための形態について説明する。
図1(a)は本発明の一実施形態である液体注入装置の概略平面図、図1(b)はその液体注入装置の概略底面図、図1(c)はその液体注入装置の概略正面図である。図2(a)は本実施形態の液体注入装置の概略右側面図、図2(b)はその液体注入装置のA-A矢視方向概略断面図である。図3(a)は本実施形態の液体注入装置における注入針の概略断面図、図3(b)はその液体注入装置における外側筒状体の概略断面図、図3(c)はその液体注入装置において注入針を外側筒状体で覆ったときの様子を示す概略斜視図である。また、図4は本実施形態の液体注入装置における台座部の概略斜視図である。図5(a)は本実施形態の液体注入装置における台座部の概略平面図、図5(b)はその台座部概略底面図、図5(c)はその台座部の概略正面図、図5(d)はその台座部の概略B-B矢視方向概略断面図である。
本実施形態の液体注入装置1は、液体を密閉して保持する密閉容器にその液体を注入する際に用いられるものである。液体としては、例えば、消毒用アルコール等の揮発性液体が用いられる。この液体注入装置1は、図1及び図2に示すように、液体を密閉容器内に注入するための注入針10と、その注入針10をその外側から覆うように配置される外側筒状体20と、注入針10及び外側筒状体20が装着される台座部30とを備えている。注入針10及び外側筒状体20は、例えば金属やステンレス等で作製されている。特に、ステンレスは、腐食しにくく、加工しやすいという性質を有するので、注入針10及び外側筒状体20の素材として用いるのに適している。また、台座部30は、例えば樹脂等で作製されている。ここでは、台座部30の素材として、ポリアセタール樹脂(POM)等の強化プラスチックを用いている。
注入針10は、図3(a)に示すように、細長い中空の筒状体として形成されたものであり、液体を、後述する弾性部材を有する密閉容器内に注入するために使われる。注入針10の長手方向に垂直な平面で切ったときの注入針10の断面は円形状である。例えば、この注入針10の長さは約20~50mm、その外径は約1.5~10.0mm、内径は約1.2~9.5mmである。特に、本実施形態では、長さが約40mmであって、外径が2.0mm、内径が1.7mmである注入針10を用いている。また、注入針10の上端、下端は開口している。ここで、注入針10の下端には先端絞り加工が施されている。そして、注入針10の表面仕上げは、バレル研磨により行われている。図1及び図2に示すように、注入針10の上端部は台座部30に装着される。このため、注入針10の下端、すなわち、台座部30と反対側における注入針10の先端が、液体を外部(密閉容器内)に排出する液体排出口となる。
外側筒状体20は、図3(b)に示すように、その内径が注入針10の外径よりも大きい中空の筒状体として形成されたものである。この外側筒状体20は、注入針10をその外側から覆うように配置され、これにより注入針10と外側筒状体20との間に空気の流通を可能とする隙間を生じさせるという役割を果たす。外側筒状体20の長手方向に垂直な平面で切ったときの外側筒状体20の断面は円形状である。例えば、この外側筒状体20の長さは約16~46mm、その外径は2.0~11.0mm、内径は約1.7~10.5mmである。特に、本実施形態では、長さが約36mmであって、外径が2.4mm、内径が2.1mmである外側筒状体20を用いている。このように、外側筒状体20の長さは注入針10の長さよりも短い。外側筒状体20の上端、下端は開口している。その開口端から注入針10を外側筒状体20の内部に通すことにより、外側筒状体20は、図3(c)に示すように、注入針10を覆うように配置される。そして、図1及び図2に示すように、外側筒状体20の上端部は、注入針10と同様に、台座部30に装着される。また、注入針10と外側筒状体20とは、注入針10の下端、すなわち台座部30と反対側における注入針10の先端が外側筒状体20によって覆われないように台座部30に装着されている。具体的に、外側筒状体20の下端は、注入針10の下端よりも約2.0mm程度高い位置に配置されている。このように、本実施形態では、外側筒状体20は注入針10の全体を完全に覆っているわけではない。尚、外側筒状体20の表面仕上げは、バレル研磨により行われている。
また、図3(b)及び(c)に示すように、外側筒状体20の上端部の側面には、開口部21が形成されている。本実施形態では、開口部21の形状を略四角形状としている。ここで、開口部21の横幅は約1.5mm、その縦幅は約1.0mmである。また、開口部21の上端と外側筒状体20の上端との距離は約5.0mmである。この開口部21は、外側筒状体20の下端から、注入針10と外側筒状体20との間の隙間に入り込んだ空気を外側筒状体20の外部に排出する役割を果たす。
台座部30は、図4及び図5に示すように、略逆円錐台形状に形成された下部31と、略円筒形状に形成された上部32とから構成される。ここで、下部31と上部32とは一体的に形成されている。本実施形態では、下部31の下底面の直径が約8.0mm、その上底面の直径が約10.0mm、その高さが約6.0mmである。一方、上部32の直径は約8.0mm、その高さは約6.0mmである。
台座部30の下部31にはその中心軸に沿って穴部35が形成されている。この穴部35の直径は約2.4mm、すなわち外側筒状体20の外径と略同じである。そして、穴部35の深さは約6.0mm、すなわち、下部31の高さと略同じである。穴部35は、図2(b)に示すように、外側筒状体20の上端部を差し込んでその外側筒状体20を台座部30に装着するために用いられる。ここで、外側筒状体20を台座部30に装着する際には、外側筒状体20の上端部の外側に、例えば接着剤等を塗布しておく。これにより、外側筒状体20は台座部30にしっかりと固定される。また、外側筒状体20の上端部を穴部35に差し込む際には、外側筒状体21の上端が穴部31の天井部分に当接するまで外側筒状体20を押し込むようにする。これにより、外側筒状体20に形成された開口部21の下端は、図2(b)に示すように、台座部30の下部31の下底面と同じ高さに位置することになる。
一方、台座部30の上部32にはその中心軸に沿って貫通孔部36が形成されている。この貫通孔部36は、穴部35の中央部において台座部30を貫通している。この貫通孔部26の直径は約2.0mm、すなわち注入針10の外径と略同じである。貫通孔部36は、図2(b)に示すように、注入針10の上端部を差し込んでその注入針10を台座部30に装着するために用いられる。ここで、注入針10を台座部30に装着する際には、注入針10の上端部の外側に、例えば接着剤等を塗布しておく。これにより、注入針10は台座部30にしっかりと固定される。
こうして、外側筒状体20及び注入針10が台座部30に装着されると、外側筒状体20の上端は注入針10の側面と台座部30の穴部35の天井部分とにより塞がれた状態となる。このため、外側筒状体20の上端部側においては、外側筒状体20と注入針10との間の隙間に存在する空気は開口部21からしか外部に流れ出ることができない。
尚、図面では、台座部30に装着された注入針10と外側筒状体20とが互いに全く接していないように描かれているが、実際には、注入針10と外側筒状体20とがその先端部や内部において部分的に接していたとしても何ら問題はない。その場合でも、注入針10と外側筒状体20との間には隙間が生じ、空気はその隙間を通ることができるからである。
また、台座部30の下部31の下底面には、図4及び図5に示すように、溝部37が形成されている。具体的に、この溝部37は、外側筒状体20が装着される台座部30の所定部位、すなわち台座部30の穴部35から、台座部30の外側に向かう方向(横方向)に沿って形成されている。溝部37は、穴部35から台座部30の外側へ空気を流通させるための空気流通部としての役割を果たす。本実施形態では、溝部37の深さは約1.0mm、その横幅は約1.0mmである。
外側筒状体20を台座部30に装着する際には、図2に示すように、外側筒状体20に形成された開口部21は、溝部37(空気流通部)に対向する位置に配置される。これにより、外側筒状体20と注入針10との間の隙間を通る空気は、その開口部21を介して、溝部37(空気流通部)に流れることができる。したがって、注入針10を使って密閉容器に液体を注入する際に、密閉容器内の空気は、外側筒状体20の下端から、外側筒状体20と注入針10との間の隙間、外側筒状体20の開口部21、及び台座部30の溝部37を介して外部に流通することができる。このように溝部37は、外側筒状体20と注入針10との間の隙間とともに、密閉容器内の空気を外部に放出するバイパス的な役割を果たす。
台座部30には、密閉容器に補充すべき液体を収容する保存容器の口部に台座部30を取り付けるための取付部が設けられている。この取付部の役割を果たすのが台座部30の上部32である。具体的に、台座部30の上部32の外側面には、ネジ(雄ネジ)が切られている。図6は保存容器に取り付けられた本実施形態の液体注入装置1の概略側面図である。図6では、保存容器200として、自立し且つ力を加えると潰れる容器、例えばドレッシングボトルのような容器を用いている。保存容器200は例えば樹脂等で作製されている。特に、保存容器200の素材としては、ペットボトルと同じ素材を用いることも可能である。この保存容器200の口部210の内側面にはネジ(雌ネジ)が切ってある。台座部30の上部32を保存容器200の口部210にねじ込むことにより、図6に示すように、台座部30が保存容器200に取り付けられる。こうして、本実施形態の液体注入装置1を保存容器200に装着した後に、その液体注入装置1を使って保存容器200内の液体が密閉容器内に注入されることになる。
次に、本実施形態の液体注入装置1を使って液体が注入される密閉容器について説明する。図7(a)はその密閉容器の概略平面図、図7(b)はその密閉容器の概略正面図である。また、図8(a)はその密閉容器における弾性部材の概略平面図、図8(b)はその弾性部材の概略正面図である。
この密閉容器100は、消毒用アルコール等の液体を密閉して収容するものであり、携帯用のスプレー装置として使用される。特に、密閉容器100は、使用者がバッグ等に入れて携帯できるようにコンパクトに構成されている。具体的に、密閉容器100は、図7に示すように、液体を保持するための容器本体110と、その容器本体110に設けられた、容器本体110内の液体を外部に排出するための排出装置120と、容器本体110の所定箇所に排出装置120とは別個に設けられた孔部130と、その孔部130に嵌合された弾性部材140とを備えている。この密閉容器100は、薄いカード型のものであり、直方体形状に形成されている。具体的に、密閉容器100の高さは約86mm、その横幅は約55mm、そして、その厚みが約10mmである。
密閉容器100の上部中央には排出装置120が設けられている。この排出装置120は、ホース部121と、ポンプ部122と、ノズル部123とを有している。使用者が排出装置120の上部を押し下げて、ポンプ部122に圧力を加えると、その圧力が容器本体110内の液体にかかることにより液体がホース部121を介して引き上げられて、ノズル部123から排出される。このとき、ノズル部123は液体を霧状にして外部に放出することができる。また、容器本体110は透明又は半透明であることが望ましい。これにより、使用者は容器本体110内に残存している液体の量を自分の眼で容易に確認することができる。そして、液体の量が減ってきたときに、使用者は液体を容器本体110内に補充することになる。
また、容器本体110の右上部には、孔部130が形成されている。この孔部130は、直径約8mmの円形状に形成されている。そして、その孔部130に弾性部材140が嵌め込まれている。ここでは、弾性部材140の素材として、ゴムや熱可塑性エラストマー等の弾性体を用いることができる。具体的に、図8に示すように、弾性部材140の上部は略円筒形状に形成され、その下部は半球形状に形成されている。ここで、弾性部材140の上面の直径は約8mmである。また、弾性部材140の中央部には、周囲に突出した二つの突起部141,141が形成されている。図7に示すように、弾性部材140の下部を孔部130に対向させた状態で弾性部材140を上から押圧して孔部130に嵌め込むことにより、弾性部材140が容器本体110に密着して固定される。実際、孔部130に対応する容器本体110の側面には、弾性部材140の突起部141,141の形状に対応した溝が形成されており、その溝と突起部141,141とがしっかりと嵌り合う。また、上記溝は必ずしも形成する必要はない。弾性部材140を円筒状の孔部130に嵌め込めば、突起部141,141が孔部130に対応する容器本体110の側面にしっかりと密着するからである。尚、孔部130の周囲における容器本体110の部分を弾性部材140の二つの突起部141,141の間に挟み込むことにより、弾性部材140を容器本体110にしっかりと密着させるようにしてもよい。
弾性部材140は、容器本体110の密閉性を維持する役割と共に、注入針10を用いて液体を注入するときの液体注入部としての役割を果たす。この両方の役割の実現を図るために、弾性部材140の素材には、ゴム等の弾性体が用いられているのである。また、弾性部材140が後者の役割を実現できるようにするため、弾性部材140には、図8に示すように、本実施形態の液体注入装置1の外側筒状体20及び注入針10を差し込むための差込口142が形成されている。この差込口142は、弾性部材140の中央上部に形成された穴部1421と、その穴部1421の中心から弾性部材140の下端まで貫通するように形成された貫通孔1422とを有する。穴部1421は、貫通孔1422の位置を使用者に知らせる目印としての役割を果たす。また、貫通孔1422は、外側筒状体20及び注入針10を差し込んで容器本体110内に案内する案内部としての役割を果たす。しかも、貫通孔1422の径はとても小さく、外側筒状体20及び注入針10が貫通孔1422に差し込まれていないときに、貫通孔1422は閉塞状態となっている。したがって、通常は、容器本体110内の液体がこの貫通孔1422から外部に漏れ出ることはない。このように、使用者は、外側筒状体20及び注入針10を穴部1421の位置に合わせた後、その外側筒状体20及び注入針10を貫通孔1422に沿って容易に差し込むことができる。この状態で、注入針10から液体が容器本体110内に補充されることになる。本実施形態では、外側筒状体20の断面の外形は円形であるので、外側筒状体20の外表面全体が弾性部材140でしっかりと覆われ、外側筒状体20と弾性部材140との間に、液体が漏れ出てしまうような隙間等は生じない。液体の補充後に外側筒状体20及び注入針10を引き抜けば、貫通孔1422が再び閉塞状態になり、容器本体110内の液体が外部に漏れることはない。
次に、本実施形態の液体注入装置1を用いて液体を密閉容器100に注入する作業手順を説明する。図9は本実施形態の液体注入装置1を用いて液体を密閉容器100に注入する際の液体注入装置1と弾性部材140との位置関係を説明するための図、図10は本実施形態の液体注入装置1を用いて液体を密閉容器100に注入するときの様子を示す図である。
使用者は、自己の密閉容器100内に液体が少なくなると、液体が入った詰替え用の保存容器200を購入する。通常、この購入した保存容器200には、本実施形態の液体注入装置1が付随している。そして、使用者は、まず、保存容器200から蓋を取り外し、その蓋の代わりに、液体注入装置1の台座部30の上部32を保存容器200の口部210に取り付ける。こうして、図6に示すように、液体注入装置1が取り付けられた保存容器200が完成する。
次に、使用者は、液体注入装置1の外側筒状体20及び注入針10を、密閉容器100の弾性部材140の真上からその差込口142に差し込み、差込口142の貫通孔1422に沿って弾性部材140内に押し込む。このとき、使用者は、図9に示すように、液体注入装置1の台座部30の下部31の下面が弾性部材140の上面に接するまで、外側筒状体20及び注入針10を押し込むようにする。これにより、台座部30の溝部37の下側が弾性部材140の上面によって塞がれ、その溝部37内の空間が、外側筒状体20と注入針10との間の空気を台座部30の外側に排出するための空気流通部となる。また、外側筒状体20の断面は円形であるので、外側筒状体20の外表面全体が弾性部材140でしっかりと覆われ、外側筒状体20と弾性部材140との間に、液体が漏れ出てしまうような隙間は生じない。
次に、使用者は、保存容器200の腹を手で押して、保存容器200内の液体を、注入針10を介して密閉容器100の容器本体110内に送出する。このとき、本実施形態の液体注入装置1では、外側筒状体20の下端が注入針10の下端よりも高い位置に位置しているので、液体を密閉容器100に注入している際に、注入針10の下端から飛び出る液体によって、密閉容器100内の空気が、外側筒状体20の下端からその外側筒状体20と注入針10との間の隙間に入り込むのを妨げられることはない。このため、密閉容器100内の空気は、図10に示すように、外側筒状体20の下端、外側筒状体20と注入針10との間の隙間、外側筒状体20の開口部21、及び、台座部30の溝部37を通じて、外部に流通することができるので、液体の補充作業をスムースに行うことができる。すなわち、本実施形態の液体注入装置1では、容器本体110内への液体の注入と容器本体110内の空気の外部への排出とは同時に行われる。
こうして、液体が容器本体110内にどんどん補充されていくが、その補充された液体が容器本体110内において外側筒状体20の下端の高さ位置に達すると、容器本体110内の空気が外部に放出されなくなるため、液体は、容器本体110内にさらに充填されずに、今度は、外側筒状体20の下端、外側筒状体20と注入針10との間の隙間、外側筒状体20の開口部21、及び、台座部30の溝部37を通じて、外部に排出されることになる。すなわち、液体注入装置1の外側筒状体20及び注入針10を弾性部材140の差込口142に差し込んだときの、容器本体110内における外側筒状体20の下端の高さ位置が、液体を充填できる限界、いわゆる容器内部の溢れ面となる。また、使用者は、台座部30の溝部37から液体が排出されているかどうかを調べることにより、液体が密閉容器100内に補充されたかどうかを容易に確認することができる。
使用者は、台座部30の溝部37から液体が排出されると、液体が容器本体110内に十分に補充されたと判断する。その後、使用者は、外側筒状体20及び注入針10を弾性部材140から引き抜く。ここで、液体の注入が完了してから注入針10が容器本体110内の液面を離れるまでの間に、使用者が保存容器200へ加えている力を緩めてしまうと、注入針10が容器本体110内に注入された液体を吸い戻してしまう。このため、使用者は、注入針10が容器本体110内の液面を離れるまで、保存容器110に加える力を緩めないように注意する必要がある。こうして、外側筒状体20及び注入針10が弾性部材140から引き抜かれると、その弾性部材140における差込口142の貫通孔1422は閉塞状態に戻り、容器本体110内の液体が差込口142を介して外部に漏れ出てしまうことはない。最後に、使用者は、保存容器200から本実施形態の液体注入装置1を取り外し、保存容器200の口部210に蓋をする。そして、液体注入装置1と保存容器200とを一緒に保管する。
尚、本実施形態では、保存容器200として、自立し且つ力を加えると潰れる容器、例えばドレッシングボトルのような容器を用いているが、パウチ状の容器を用いるようにしてもよい。パウチ状の保存容器を用いる場合は、液体の注入が完了してから注入針が容器本体内の液面を離れるまでの間に使用者が保存容器へ加えている力を緩めても、容器本体内の液体が保存容器に吸い戻されてしまうことはない。また、パウチ状の保存容器を用いることにより、ゴミの削減に寄与するという利点がある。
本実施形態の液体注入装置は、液体を密閉容器に注入するための注入針と、注入針をその外側から覆うように配置された外側筒状体と、注入針及び外側筒状体が装着される台座部とを備えており、台座部には、外側筒状体が装着される穴部から台座部の外側へ空気を流通させるための溝部が形成され、外側筒状体には、外側筒状体と注入針との間の隙間を通る空気を溝部に流すための開口部が形成されている。このため、注入針により液体を密閉容器に注入する際、密閉容器内の空気は、外側筒状体の下端、外側筒状体と注入針との間の隙間、外側筒状体に形成された開口部、及び、台座部に形成された溝部を通じて、外部に流出することができる。すなわち、密閉容器内への液体の注入と密閉容器内の空気の外部への排出とを同時に行うことができる。したがって、本実施形態の液体注入装置を用いると、密閉容器に液体を注入する作業を簡単に且つスムースに行うことができる。また、本実施形態の液体注入装置では、外側筒状体が注入針を覆っていることにより、密閉容器において弾性部材に、外側筒状体及び注入針を差し込んだときに、その弾性部材には二つの孔ではなく一つの孔しか開かない。このため、本実施形態の液体注入装置を使用する場合は、上記特許文献1に記載された二本の針を有する従来の液注入装置を使用する場合に比べて、密閉容器の耐久性の向上を図ることができる。
また、本実施形態の液体注入装置では、台座部として、外側筒状体の上端部を差し込んで外側筒状体を台座部に装着するための穴部と、その穴部の中央部において台座部を貫通するように形成された、注入針の上端部を差し込んで注入針を台座部に装着するための貫通孔部とを有するものを用いている。これにより、注入針の上端部の外側に例えば接着剤等を塗布し、その注入針の上端部を貫通孔部に差し込むと共に、外側筒状体の上端部の外側に例えば接着剤を塗布し、その外側筒状体の上端部を穴部に差し込むことにより、注入針及び外側筒状体を容易に台座部に固定することができる。また、注入針及び外側筒状体を台座部に装着すると、外側筒状体の上端は台座部により塞がれるので、密閉容器内の空気は、外側筒状体の下端、外側筒状体と注入針との間の隙間、外側筒状体に形成された開口部、及び、台座部に形成された空気流通部を通じて確実に外部に排出することができる。
また、本実施形態の液体注入装置では、注入針と外側筒状体とは、注入針の下端が外側筒状体によって覆われないように台座部に装着されている。これにより、液体を密閉容器に注入している際に、注入針の下端から飛び出る液体によって、密閉容器内の空気が、外側筒状体の下端から外側筒状体と注入針との間の隙間に入り込むのを妨げられることはないので、密閉容器内の空気を外側筒状体と注入針との間の隙間に確実に取り込むことができる。
また、本実施形態の液体注入装置では、台座部に、液体を収容する保存容器の口部に台座部を取り付けるための取付部が設けられている。このため、使用者は、液体が入った詰替え用の保存容器を購入し、その保存容器の口部の蓋を取り外した後、本実施形態の液体注入装置を保存容器に簡単に取り付けることができる。
更に、本実施形態の液体注入装置を使って液体が注入される密閉容器として、特別な構成のものを用いることができる。すなわち、その密閉容器では、弾性部材が孔部に嵌合され、その弾性部材には、外側筒状体及び注入針を差し込んで容器本体内に案内するためのものであって外側筒状体及び注入針が差し込まれていないときに閉塞状態となる貫通孔が形成されている。このため、本実施形態の液体注入装置の外側筒状体及び注入針を貫通孔に沿って差し込んでその注入針から液体を容器本体内に容易に補充することができ、しかも、液体の補充後に外側筒状体及び注入針を引き抜けば、貫通孔が閉塞状態となり、容器本体内の液体が外部に漏れることはない。したがって、上記の密閉容器は、本実施形態の液体注入装置を用いて液体が注入される容器として用いるのに好適である。
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
上記の実施形態では、注入針の長手方向に垂直な平面で切ったときの注入針の断面形状が円形である場合について説明したが、例えば、その注入針の断面形状は扇形、三角形、四角形、半円形、楕円形等であってもよい。
また、上記の実施形態では、外側筒状体の長手方向に垂直な平面で切ったときの外側筒状体の断面形状が円形である場合について説明したが、その外側筒状体の断面形状は、例えば楕円形であってもよい。一般に、外側筒状体の長手方向に垂直な平面で切ったときの外側筒状体の断面形状は、凸閉曲線の形状であればよい。ここで、凸閉曲線の形状には、円形、楕円形、雫形等が含まれる。その外側筒状体の断面形状が凸閉曲線の形状であれば、外側筒状体及び注入針を弾性部材の差込口に差し込み、差込口の貫通孔に沿って弾性部材内に押し込んだときに、外側筒状体の外表面全体が弾性部材でしっかりと覆われるので、外側筒状体と弾性部材との間に、液体が漏れ出てしまうような隙間等が生じることはない。
更に、上記の実施形態の液体注入装置では、注入針の下端が外側筒状体によって覆われていない場合、すなわち、外側筒状体の下端が注入針の下端より高いところに位置している場合について説明したが、外側筒状体の下端と注入針の下端とはほぼ同じ高さに位置していてもよい。
上記の実施形態では、外側筒状体に設けられた開口部の形状を略四角形状とした場合について説明したが、開口部の形状はこれに限られない。図11は外側筒状体に設けられた開口部の他の例を説明するための図である。例えば、図11(a)に示すように、外側筒状体20の上端部の側面に、その上端から下に向かって、横幅が約1.0mm、深さが約5.0mmの切り欠き部を形成し、この切り欠き部を開口部として用いてもよい。また、図11(b)に示すように、開口部の形状は略円形状であってもよい。この場合、この開口部の直径は例えば約2.0mmである。一般に、外側筒状体と注入針との間の隙間を通る空気が開口部を介して台座部の溝部に流出することができれば、開口部の形状は、どのようなものであってもよい。
上記の実施形態では、外側筒状体と注入針とを別個独立に構成した場合について説明したが、外側筒状体と注入針とを一体化させるようにしてもよい。図12は一体化された外側筒状体と注入針の例を説明するための図である。図12(a)の例では、外側筒状体20の上端を注入針10の上端部の側面に溶接している。このとき、外側筒状体20の上端は、外側筒状体20と注入針10との間に生じた隙間を塞ぐように注入針に接合することが望ましい。外側筒状体20と注入針10とをしっかりと固定するためである。このように、外側筒状体20と注入針10とを一体化させることにより、注入針10と外側筒状体20とを台座部に装着する場合、外側筒状体20と注入針10の両方を例えば接着剤等で台座部に固定するのではなく、外側筒状体20及び注入針10のうちいずれか一方を例えば接着剤等で台座部に固定すればよく、したがって、外側筒状体20及び注入針10の装着作業がとても簡単になる。一方、図12(b)の例では、外側筒状体20aとして上記の実施形態で用いたものよりも少し長いものを用い、外側筒状体20aの上端と注入針10の上端とを同じ高さに合わせて、それらを互いに溶接している。ここで、外側筒状体20aの上端において外側筒状体20aと注入針10との間の隙間が塞がれるようにする。これにより、外側筒状体20aの上端部側においては、外側筒状体20aと注入針10との間の隙間に存在する空気は開口部21aからしか外部に流れ出ることができなくなる。このように一体化された外側筒状体20a及び注入針10を用いる場合は、台座部として、上記の実施形態におけるものと異なり、外側筒状体20aの上端部を差し込んで外側筒状体20aを台座部に装着するための貫通孔部が形成されたものを用いる必要がある。そして、注入針10と外側筒状体20aとを台座部に装着する場合、外側筒状体20aだけを例えば接着剤等で台座部に固定すればよい。尚、外側筒状体と注入針とを溶接で一体化するのではなく、例えば3Dプリンタによって、同一の素材を用いて外側筒状体と注入針とを一体成形するようにしてもよい。また、外側筒状体と注入針と台座部とを一体化又は一体成形するようにしてもよい。
上記の実施形態では、注入針の下端に先端絞り加工を施し、外側筒状体の下端には先端絞り加工を施していない場合について説明したが、注入針及び外側筒状体のいずれについてもその下端に先端絞り加工を施すようにしてもよい。また、注入針の下端には先端絞り加工を施さず、外側筒状体の下端にのみ先端絞り加工を施すようにしてもよい。特に、外側筒状体の下端にのみ先端絞り加工を施す場合には、その先端絞り加工を施した下端部の一箇所又は数箇所に、切り欠き部を設けるようにしてもよい。これにより、空気を、外側筒状体の下端から外側筒状体と注入針との間の隙間内へ確実に取り込むことができる。
上記の実施形態では、注入針及び外側筒状体を金属やステンレス等で作製する場合について説明したが、注入針及び外側筒状体の両方、又は、注入針及び外側筒状体のうちいずれか一方を、樹脂で作製するようにしてもよい。特に、注入針及び外側筒状体の両方、又は、外側筒状体のみを、透明な樹脂で作製してもよい。これにより、容器本体内に補充された液体が外側筒状体の下端の高さ位置に達すると、使用者は、外側筒状体と注入針との間の隙間を液体が上昇する様子を目視することができるので、液体が台座部の溝部から外部に液体が排出される前に、適量の液体が密閉容器内に補充されたことを認識することができる。
上記の実施形態では、液体注入装置における台座部の下部に、空気流通部としての溝部を形成した場合について説明したが、台座部には、溝部の代わりに、孔部を形成するようにしてもよい。ここで、孔部は、例えば台座部の所定の高さ位置において台座部の外側に向かう方向に沿って形成される。この孔部も、溝部と同様に、当該孔部から台座部の外側へ空気を流通させる空気流通部としての役割を果たす。
また、上記の実施形態では、台座部が下部と上部とから構成され、下部と上部とが樹脂等で一体的に形成されている場合について説明したが、台座部の下部とその上部とはそれぞれ個別に作製し、その後に接着剤等で接合するようにしてもよい。このとき、台座部の素材としては金属を用いてもよい。また、台座部と保存容器とを一体的に形成するようにしてもよい。
更に、上記の実施形態では、台座部の上部がその台座部を保存容器に取り付けるための取付部の役割を果たすために、台座部の上部の外側面にネジ(雄ネジ)を切っている場合について説明したが、その雄ネジの代わりに、台座部の上部の内側面にネジ(雌ネジ)を切るようにしてもよい。もちろん、この場合には、保存容器の口部の外側面にネジ(雄ネジ)を切ることになる。図13は台座部の他の例を説明するための図、具体的には上部に雌ネジが切られた台座部の概略断面図である。この図13の例では、台座部30aの上部32aは、台座部30aを保存容器に取り付けるための取付部321と、注入針10を装着する注入針装着部322とから構成される。注入針装着部322には、上記の実施形態と同様に、貫通孔部36が形成されている。取付部321は注入針装着部322の上に位置しており、この取付部321の内側面に雌ネジが切ってある。
上記の実施形態では、密閉容器がカード型のものである場合について説明したが、密閉容器は、これに限定されず、例えば円筒型のものであってもよい。また、上記の実施形態では、密閉容器が携帯型のものである場合について説明したが、密閉容器は、携帯型のものに限られず、据置型のものであってもよい。例えば、本発明に係る液体注入装置を、足踏式の消毒液スタンドに設置された密閉容器に液体を注入する際に用いることにより、液体を密閉容器に衛生的に補充することができる。
上記の実施形態では、注入針を用いて密閉容器に注入される液体として消毒用アルコールを用いた場合について説明したが、液体は、消毒用アルコール以外の液体、例えば、香水や揮発性を有する化粧水等であってもよい。
また、上記の実施形態では、注入針を用いて密閉容器に注入される液体として消毒用アルコール等の揮発性液体を用いた場合について説明したが、液体としては、揮発性のないものを用いてもよい。例えば、液体は、液体石鹸、多少粘性のあるもの、ジェル状の消毒剤、液体洗剤、シャンプー等であってもよい。この場合、密閉容器としては、液体の種類に応じた大きさ・形状等を有するものを用いることになる。そして、液体注入装置の注入針についても、液体の種類に応じた適切な大きさの径を有するものを用いることになる。ここで、注入針の径の上限は、密閉容器における弾性部材の性能、すなわち、注入針を弾性部材から引き抜いた後も弾性部材が密閉容器の密閉性を確保できるという性能に関係して定められると考えられる。したがって、本発明に係る液体注入装置を、例えば、密閉容器としてのシャンプーボトルにシャンプーを注入する際に用いることにより、そのシャンプーボトルのポンプ部を取り外すのが困難であったとしても、ポンプ部を取り外さすに、シャンプーをシャンプーボトルに容易に補充することができる。
また、上記の実施形態では、密閉容器における容器本体の右上部に孔部を形成し、その孔部に弾性部材を嵌め込んだ場合について説明したが、孔部は、容器本体の側部又は底部に形成するようにしてもよい。
更に、上記の実施形態では、密閉容器が、孔部に嵌合された弾性部材を備えており、その弾性部材には、注入針を差し込んで容器本体内に案内するためのものであって注入針が差し込まれていないときに閉塞状態となる貫通孔が形成されている場合について説明したが、密閉容器としては、孔部に嵌合された弾性部材と、その弾性部材を覆う蓋部とを備えているものを用いるようにしてもよい。この場合、弾性部材には、注入針を差し込んで容器本体内に案内するための貫通孔が形成されており、蓋部は、弾性部材が設けられた容器本体の部位における密閉性を確保する役割を果たす。このような密閉容器を用いることにより、注入針を弾性部材から引き抜いた後、蓋部により密閉容器の密閉性を確保することができる。
以上説明したように、本発明に係る液体注入装置は、液体を密閉容器に注入するための注入針と、注入針をその外側から覆うように配置された外側筒状体と、注入針及び外側筒状体が装着される台座部とを備えており、台座部には、外側筒状体が装着される所定部位から台座部の外側へ空気を流通させるための空気流通部が形成され、外側筒状体には、外側筒状体と注入針との間の隙間を通る空気を空気流通部に流すための開口部が形成されている。このため、注入針により液体を密閉容器に注入する際、密閉容器内の空気は、台座部と反対側における外側筒状体の先端、外側筒状体と注入針との間の隙間、外側筒状体に形成された開口部、及び、台座部に形成された空気流通部を通じて、外部に流出することができる。すなわち、密閉容器内への液体の注入と密閉容器内の空気の外部への排出とを同時に行うことができる。したがって、本発明に係る液体注入装置を用いると、密閉容器に液体を注入する作業を簡単に且つスムースに行うことができる。また、本発明に係る液体注入装置では、外側筒状体が注入針を覆っていることにより、例えば密閉容器において弾性部材で作製された液体注入部に、外側筒状体及び注入針を差し込んだときに、その液体注入部には二つの孔ではなく一つの孔しか開かない。このため、本発明に係る液体注入装置を使用する場合は、上記特許文献1に記載された二本の針を有する従来の液注入装置を使用する場合に比べて、密閉容器の耐久性の向上を図ることができる。特に、本発明に係る液体注入装置を、例えば足踏式の消毒液スタンドに設置された密閉容器に液体を注入する際に用いることにより、液体の詰替え時にポンプノズル部が外気に暴露しないので、液体を密閉容器に衛生的に補充することができる。したがって、本発明は、例えば消毒用アルコールをノズルから噴出して手指などを消毒するための携帯型又は据置型の密閉容器にその消毒用アルコールを注入するための液体注入装置として用いるのに好適である。尚、本発明に係る液体注入装置を用いて注入する液体としては、消毒用アルコール等の揮発性液体に限らず、揮発性のないものを用いることができる。
また、本発明に係る密閉容器では、弾性部材が孔部に嵌合され、その弾性部材には、外側筒状体及び注入針を差し込んで容器本体内に案内するためのものであって外側筒状体及び注入針が差し込まれていないときに閉塞状態となる貫通孔が形成されている。このため、上記液体注入装置の外側筒状体及び注入針を貫通孔に沿って差し込んでその注入針から液体を容器本体内に容易に補充することができ、しかも、液体の補充後に外側筒状体及び注入針を引き抜けば、貫通孔が閉塞状態となり、容器本体内の液体が外部に漏れることはない。したがって、本発明に係る密閉容器は、上記液体注入装置を用いて液体が注入される容器として用いるのに好適である。尚、本発明に係る密閉容器としては、上記液体注入装置を用いて注入される液体の種類に応じた大きさ・形状等を有するものを用いることができる。
1 液体注入装置
10 注入針
20,20a 外側筒状体
21,21a 開口部
30,30a 台座部
31 下部
32,32a 上部(取付部)
321 取付部
322 注入針装着部
35 穴部
36 貫通孔部
37 溝部(空気流通部)
100 密閉容器
110 容器本体
120 排出装置
121 ホース部
122 ポンプ部
123 ノズル部
130 孔部
140 弾性部材(液体注入部)
141 突起部
142 差込口
1421 穴部
1422 貫通孔(案内部)
200 保存容器
210 口部


Claims (6)

  1. 液体を密閉して保持する密閉容器に前記液体を注入する際に用いられる液体注入装置であって、
    中空の筒状体として形成された、前記液体を前記密閉容器に注入するための注入針と、
    内径が前記注入針の外径よりも大きい中空の筒状体として形成された、前記注入針をその外側から覆うように配置されることにより前記注入針との間に空気の流通を可能とする隙間を生じさせるための外側筒状体と、
    前記注入針及び前記外側筒状体が装着される台座部と、
    を具備し、
    前記台座部は、前記外側筒状体が装着される所定部位から前記台座部の外側へ空気を流通させるための空気流通部を有し、
    前記外側筒状体は、その外側筒状体を前記台座部に装着する際に前記空気流通部に対向する位置に配置された、前記外側筒状体と前記注入針との間の前記隙間を通る空気を前記空気流通部に流すための開口部を有することを特徴とする液体注入装置。
  2. 前記台座部は、前記外側筒状体の先端部を差し込んで前記外側筒状体を前記台座部に装着するための穴部と、その穴部の中央部において前記台座部を貫通するように形成された、前記注入針の先端部を差し込んで前記注入針を前記台座部に装着するための貫通孔部とを有することを特徴とする請求項1記載の液体注入装置。
  3. 前記台座部の側における前記外側筒状体の先端は、前記注入針に接合されていることを特徴とする請求項1記載の液体注入装置。
  4. 前記注入針と前記外側筒状体とは、前記台座部と反対側における前記注入針の先端が前記外側筒状体によって覆われないように前記台座部に装着されていることを特徴とする請求項1記載の液体注入装置。
  5. 前記台座部には、前記液体を収容する保存容器の口部に前記台座部を取り付けるための取付部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の液体注入装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項記載の液体注入装置を使って前記液体が注入される密閉容器であって、
    前記液体を保持するための容器本体と、
    前記容器本体に設けられた、前記容器本体内の前記液体を外部に排出するための排出装置と、
    前記容器本体の所定箇所に前記排出装置とは別個に設けられた孔部と、
    前記孔部に嵌合された弾性部材と、
    を具備し、
    前記弾性部材には、前記外側筒状体及び前記注入針を差し込んで前記容器本体内に案内するためのものであって前記外側筒状体及び前記注入針が差し込まれていないときに閉塞状態となる貫通孔が形成されていることを特徴とする密閉容器。
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