JP2023034998A - 液体注入装置及びそれを用いて液体が注入される密閉容器 - Google Patents

液体注入装置及びそれを用いて液体が注入される密閉容器 Download PDF

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Abstract

【課題】液体を簡単に充填することができ、しかも従来の装置に比べて密閉容器の耐久性の向上を図ることができる液体注入装置を提供する。【解決手段】空気抜部30は、その内部が注入針10の内部と連通しないように構成され、注入針10の長手方向に沿って注入針10の内側面において注入針10と一体化されている。この一体化された注入針10及び空気抜部30の断面の外形は円形である。注入針10及び空気抜部30の所定箇所には、空気抜部30の内部と注入針10の外部との間で空気の流通を可能にする上部連通部50及び下部連通部60が形成されている。注入針10を使って密閉容器内に液体を注入するときに、密閉容器内の空気は、下部連通部60、空気抜部30、上部連通部50を介して外部に排出される。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、内部に保持した消毒用アルコール(液体)をノズルから噴出して、手指などを消毒するための密閉容器及びその密閉容器に消毒用アルコールを注入するための液体注入装置に関するものである。
コロナ禍において、現在、各種のアルコール消毒を行うための携帯型の密閉容器が市販されている。この密閉容器は、予め消毒用アルコール(液体)を入れた状態で販売されている。使用するときには、プッシュ部を押すことにより、内部に保持された消毒用アルコールをノズルから噴出し、手指や、ドアノブ、テーブルなどの身の回りものを消毒する。
しかしながら、従来のアルコール消毒用の密閉容器は、ほとんどのものが使い捨てタイプのものである。消毒用アルコールを詰め替えることができるタイプのものもあるが、使い勝手が悪い。例えば、既存の詰替え可能なアルコール消毒用のカード型容器では、ノズル部を、ペンチ等を用いて外してから、消毒用アルコールを注入し、注入を終えた後、再びペンチ等を用いてノズル部を元の位置に嵌めなければならない。したがって、外出先等において、簡単に消毒用アルコールの詰め替えを行うことが難しいという問題がある。
ところで、一般的に容器内に液体を注入する装置として、特開昭61-44314号公報(特許文献1)に開示されている液注入装置がある。この液注入装置は、昇降シリンダー2に連結されて昇降自在に支持され、先端に蓋押込凸部6が形成された注入ヘッド案内筒5と、該案内筒内に支持された注入ヘッドシタンダー7に連結されて前記案内筒内に昇降自在に収納された注入ヘッド8と、該注入ヘッドに設けられて、前記案内筒先端から出没可能な液注入用長針10及び排気用短針11とからなるものである。本液注入装置は、二本の針を用いて、一方の液注入用長針で液体を補充し、他方の排気用短針で内部の空気を外部に排出する構成である。
特開昭61-44314号公報
しかしながら、上記の液注入装置では、液体を注入するたびに、容器に二箇所の孔が開けられることとなる。したがって、消毒用アルコールを噴霧するための密閉容器に対して、液を注入するたびに二つの孔が開くこととなり、密閉容器の耐久性の点で問題がある。
本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、詰替え用の消毒用アルコール等の液体を簡単に充填することができ、しかも従来の装置に比べて密閉容器の耐久性の向上を図ることができる液体注入装置を提供することを目的とするものである。
また、本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、例えば詰替え用の消毒用アルコール等の液体を簡単に充填することができる密閉容器を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するための本発明は、液体を密閉して保持する密閉容器に液体を注入する際に用いられる液体注入装置であって、液体を密閉容器内に注入するための注入針と、注入針の長手方向に沿って注入針の内側面又は外側面に注入針と一体的に設けられた、注入針を使って密閉容器内に液体を注入するときに密閉容器内の空気を外部に排出するための空気抜部と、を具備し、注入針及び空気抜部を注入針の長手方向に垂直な平面で切ったときの注入針及び空気抜部の断面の外形が凸閉曲線の形状であることを特徴とするものである。
このように、本発明に係る液体注入装置は、注入針の長手方向に沿って注入針の内側面又は外側面に注入針と一体的に設けられた、注入針を使って密閉容器内に液体を注入するときに密閉容器内の空気を外部に排出するための空気抜部を備えることにより、密閉容器内への液体の注入と密閉容器内の空気の外部への排出とを同時に行うことができる。また、注入針及び空気抜部を注入針の長手方向に垂直な平面で切ったときの注入針及び空気抜部の断面の外形が凸閉曲線の形状であることにより、例えば密閉容器において弾性部材で作製された液体注入部に注入針及び空気抜部を差し込むときに、注入針及び空気抜部の外表面全体がその弾性部材でしっかりと覆われるので、注入針及び空気抜部と弾性部材との間に、液体が漏れ出てしまうような隙間は生じない。したがって、本発明に係る液体注入装置を用いると、密閉容器に液体を注入する作業を簡単に且つスムースに行うことができる。
また、本発明に係る液体注入装置は、空気抜部に設けられた、密閉容器内の空気を空気抜部内に取り込むための空気取込口と、先端が閉口している注入針の側面に設けられた、液体を密閉容器内に排出するための液体排出口と、を更に具備していてもよい。ここで、注入針の先端から液体排出口までの距離が、注入針の先端から空気取込口までの距離よりも長くなるように、液体排出口を注入針に形成する。これにより、注入針を密閉容器にその真上から差し込んで液体を注入する作業を行っている間、注入針の液体排出口は空気取込口より高いところに位置しているので、液体の注入が完了した後、使用者が、液体注入装置が取り付けられた保存容器へ加えている力を緩めても、注入針が密閉容器内に注入された液体を吸い戻してしまうことはない。しかも、液体の注入が完了した後、保存容器への圧力を解放することにより、密閉容器内の空気が保存容器内に吸い出され、密閉容器内は負圧になるので、この負圧を利用して、密閉容器が満水状態になった後に空気抜部を通ってその空気抜部内に残った液体を、密閉容器内に逆流させることができる。
本発明に係る液体注入装置において、空気抜部は、その内部が注入針の内部と連通しないように構成され、且つ、注入針の長手方向に沿って注入針の内側面において注入針と一体化されており、空気抜部の上部であって注入針と接する面及びその面に対応する注入針の側面には、空気抜部の内部と注入針の外部との間で空気の流通を可能にする上部連通部が形成され、空気抜部の下部であって注入針と接する面及びその面に対応する注入針の側面には、空気抜部の内部と注入針の外部との間で空気の流通を可能にする下部連通部が形成されていてもよい。この場合、注入針を使って密閉容器に液体を注入するときに密閉容器内の空気を下部連通部、空気抜部及び上部連通部を介して外部に確実に排出することができる。
また、本発明に係る液体注入装置において、空気抜部は、注入針の長手方向に沿って注入針の外側面において注入針と一体化されており、空気抜部の上部には、空気抜部の内部と外部との間で空気の流通を可能にする上部連通部が形成され、空気抜部の下部には、空気抜部の内部と外部との間で空気の流通を可能にする下部連通部が形成されていてもよい。この場合、注入針を使って密閉容器に液体を注入するときに密閉容器内の空気を下部連通部、空気抜部及び上部連通部を介して外部に額実に排出することができる。具体的に、空気抜部としては、注入針の外側面の一部を凹ませて形成された凹部とその凹部の上端部及び下端部を除いて凹部を覆う被覆部とにより構成されるもの、又は、注入針の外側面の一部との間に一定の隙間が形成されるように注入針を被覆する被覆部により構成されるものを用いることができる。
特に、本発明に係る液体注入装置が、注入針を支持する台座部を更に具備している場合、その台座部に、注入針を支持する部位から外側に向かう方向に沿って、空気が流通する空気流通路を形成し、上部連通部を、空気流通路に対応する位置に配置することが望ましい。これにより、注入針を使って密閉容器に液体を注入するときに密閉容器内の空気を下部連通部、空気抜部、上部連通部、及び、空気流通路を介して外部に排出することができる。また、液体が密閉容器内に補充されて下部連通部の位置に達すると、密閉容器内の空気が外部に放出されなくなり、今度は、液体が、下部連通部、空気抜部、上部連通部、及び、空気流通路を介して外部に排出されることになるので、使用者は、台座部の空気流通路から液体が排出されているかどうかを調べることにより、液体が密閉容器内に補充されたかどうかを容易に確認することができる。
上記の目的を達成するための本発明は、上記の液体注入装置を使って液体が注入される密閉容器であって、液体を保持するための容器本体と、容器本体に設けられた、容器本体内の液体を外部に排出するための排出装置と、容器本体の所定箇所に排出装置とは別個に設けられた孔部と、孔部に嵌合された弾性部材と、を具備し、弾性部材には、注入針を差し込んで容器本体内に案内するためのものであって注入針が差し込まれていないときに閉塞状態となる貫通孔が形成されていることを特徴とするものである。
このように、本発明に係る密閉容器では、弾性部材が孔部に嵌合され、その弾性部材には、注入針を差し込んで容器本体内に案内するためのものであって注入針が差し込まれていないときに閉塞状態となる貫通孔が形成されている。このため、上記液体注入装置の注入針を貫通孔に沿って差し込んでその注入針から液体を容器本体内に容易に補充することができ、しかも、液体の補充後に注入針を引き抜けば、貫通孔が閉塞状態となり、容器本体内の液体が外部に漏れることはない。
本発明に係る液体注入装置は、注入針の長手方向に沿って注入針の内側面又は外側面に注入針と一体的に設けられた、注入針を使って密閉容器内に液体を注入するときに密閉容器内の空気を外部に排出するための空気抜部を備えることにより、密閉容器内への液体の注入と密閉容器内の空気の外部への排出とを同時に行うことができる。また、注入針及び空気抜部を注入針の長手方向に垂直な平面で切ったときの注入針及び空気抜部の断面の外形が凸閉曲線の形状であることにより、例えば密閉容器において弾性部材で作製された液体注入部に注入針及び空気抜部を差し込むときに、注入針及び空気抜部の外表面全体がその弾性部材でしっかりと覆われるので、注入針及び空気抜部と弾性部材との間に、液体が漏れ出てしまうような隙間は生じない。したがって、本発明に係る液体注入装置を用いると、密閉容器に液体を注入する作業を簡単に且つスムースに行うことができる。
また、本発明に係る密閉容器では、弾性部材が孔部に嵌合され、その弾性部材には、注入針を差し込んで容器本体内に案内するためのものであって注入針が差し込まれていないときに閉塞状態となる貫通孔が形成されている。このため、上記液体注入装置の注入針を貫通孔に沿って差し込んでその注入針から液体を容器本体内に容易に補充することができ、しかも、液体の補充後に注入針を引き抜けば、貫通孔が閉塞状態となり、容器本体内の液体が外部に漏れることはない。したがって、本発明に係る密閉容器は、上記液体注入装置を用いて液体が注入される容器として用いるのに好適である。尚、本発明に係る密閉容器に対しては、二本の針を有する従来の液注入装置を使用して液体を注入するのではないので、耐久性の向上を図ることができる。
図1は本発明の第一実施形態である液体注入装置の概略図である。 図2は第一実施形態の液体注入装置における台座部の概略斜視図である。 図3は第一実施形態の液体注入装置における注入針及び空気抜部の構成を説明するための図である。 図4は保存容器に取り付けられた第一実施形態の液体注入装置の概略側面図である。 図5は第一実施形態の液体注入装置を使って液体が注入される密閉容器の概略図である。 図6は図5に示す密閉容器における弾性部材の概略図である。 図7は第一実施形態の液体注入装置を用いて液体を密閉容器に注入する際に注入針と弾性部材との位置関係を説明するための図である。 図8は第一実施形態の液体注入装置を用いて液体を密閉容器に注入するときの様子を示す図である。 図9は本発明の第二実施形態である液体注入装置における注入針及び空気抜部の概略図である。 図10は第二実施形態の変形例である液体注入装置における注入針及び空気抜部の概略拡大断面図である。 図11は本発明の第三実施形態である液体注入装置における注入針及び空気抜部の概略図である。 図12は本発明の第四実施形態である液体注入装置の概略図である。 図13は第四実施形態の液体注入装置を用いて液体を密閉容器に注入するときの様子を示す図である。
以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための形態について説明する。
[第一実施形態]
まず、本発明の第一実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第一実施形態である液体注入装置の概略図、図2はその液体注入装置における台座部の概略斜視図、図3はその液体注入装置における注入針及び空気抜部の構成を説明するための図である。ここで、図1(a)は第一実施形態の液体注入装置の概略平面図、図1(b)はその液体注入装置の概略正面図、図1(c)はその液体注入装置の概略右側面図、図1(d)はその液体注入装置のA-A矢視方向概略断面図である。また、図3(a)は第一実施形態の液体注入装置における注入針の概略側面図、図3(b)はその液体注入装置における空気抜部の概略側面図、図3(c)はその液体注入装置において一体化された注入針及び空気抜部の概略斜視図である。
第一実施形態の液体注入装置は、液体を密閉して保持する密閉容器にその液体を注入する際に用いられるものである。液体としては、例えば、消毒用アルコール等の揮発性液体が用いられる。この液体注入装置1は、図1に示すように、液体を密閉容器内に注入するための注入針10と、その注入針10を支持する台座部20と、注入針10の長手方向に沿って注入針10の内側面に注入針10と一体的に設けられた空気抜部30と、台座部20が固着された取付部40とを備えている。注入針10及び空気抜部30は、例えば金属やステンレス等で作製されている。特に、ステンレスは、腐食しにくく、加工しやすいという性質を有するので、注入針10及び空気抜部30の素材として用いるのに適している。また、台座部20及び取付部40は、例えば樹脂等で作製されている。
注入針10は、細長い筒状のものであり、液体を、後述する弾性部材を有する密閉容器内に注入するために使われる。注入針10の長手方向に垂直な平面で切ったときの注入針10の断面は円形状である。例えば、この注入針10の長さは約20~50mm、その内径は約1.5~10.0mmである。特に、第一実施形態では、長さが約40mmで内径が3.0mmである注入針10を用いている。また、注入針10の上端、下端は開口しており、この開口している注入針10の下端が、液体を外部(密閉容器内)に排出する液体排出口となる。尚、この注入針10の下端は液体を外部に排出する側に位置するので、注入針10の「下端」を「先端」とも称することにする。
台座部20は、図2に示すように、略円筒形状に形成されている。この台座部20にはその中心軸に沿って孔部21が形成されている。この孔部21の直径は注入針10の外径よりも若干小さくなっており、孔部21には、図1(d)に示すように、注入針10の先端部が貫入される。また、台座部20の下面側には、図1及び図2に示すように、溝部22が形成されている。この溝部22は、台座部20において、注入針10を支持する部位すなわち孔部21から外側に向かう方向に沿って形成されている。溝部22は、空気が流通する空気流通路としての役割を果たす。
取付部40は、液体を密閉容器に補充する際にその液体を収容する保存容器に第一実施形態の液体注入装置1を取り付けるためのものである。図1に示すように、取付部40の下面の中央部には、台座部20が固着されている。第一実施形態では、台座部20と取付部40とは一体的に形成されている。図4は保存容器に取り付けられた第一実施形態の液体注入装置1の概略側面図である。図4では、保存容器200として、自立し且つ力を加えると潰れる容器、例えばドレッシングボトルのような容器を用いている。保存容器200は例えば樹脂等で作製されている。特に、保存容器200の素材としては、ペットボトルと同じ素材を用いることも可能である。この保存容器200の口部210にはネジが切ってある。取付部40の内面にもネジが切ってあり、取付部40は保存容器200に対するボトルキャップの役割を果たすものであり、保存容器200の口部210に取り付けられる。図4に示すように第一実施形態の液体注入装置1を保存容器200に装着した後に、その液体注入装置1を使って保存容器200内の液体が密閉容器内に注入されることになる。
空気抜部30は、注入針10を使って密閉容器内に液体を注入するときに密閉容器内の空気を外部に排出する役割を果たすものである。このため、空気抜部30は、その内部が注入針10の内部と連通しないように構成されている。具体的に、第一実施形態では、空気抜部30は、図1に示すように、管状に形成されており、注入針10の長手方向に沿って注入針10の内側面において注入針10と一体化されている。この場合、一体化された注入針10及び空気抜部30を注入針10の長手方向に垂直な平面で切ったときの注入針10及び空気抜部30の断面の外形は、注入針10の断面形状、すなわち円形である。また、空気抜部30の長手方向に垂直な平面で切ったときの空気抜部30の断面は円形状である。ここで、空気抜部30の長さは、注入針10の長さよりも短く、約20~40mmである。そして、空気抜部30の外径は、注入針10の内径よりも小さく、約0.5~2.0mmである。特に、第一実施形態では、長さが約30mmで内径が1.0mmである空気抜部30を用いている。また、空気抜部30の上端部は台座部20の溝部22に対応する位置に配置されている。そして、空気抜部30の下端は、注入針10の外に出てしまうことはなく、注入針10の下端より高いところに位置している。
このように空気抜部30は中空の管状体であるが、その上端及び下端は閉口している。また、図3に示すように、空気抜部30の上部であって注入針10と接する面には第一の上開口部31が形成され、その第一の上開口部31に対応する注入針10の側面には第二の上開口部11が形成されている。また、空気抜部30の下部であって注入針10と接する面には第一の下開口部32が形成され、その第一の下開口部32に対応する注入針10の側面には第二の下開口部12が形成されている。空気抜部30は、第一の上開口部31が第二の上開口部11と対向するように、且つ第一の下開口部32が第二の下開口部12と対向するようにして、注入針10の内側面に接着剤等を用いて固定される。このとき、空気抜部30の第一の上開口部31と注入針10の第二の上開口部11とは、空気抜部30の内部と注入針10の外部との間で空気の流通を可能にする上部連通部50を構成し、一方、空気抜菅30の第一の下開口部32と注入針10の第二の下開口部12とは、空気抜部30の内部と注入針10の外部との間で空気の流通を可能にする下部連通部60を構成する。実際、下部連通部60は、密閉容器内の空気を空気抜部30内に取り込むための空気取込口となり、上部連通部50は、空気抜部30内の空気を液体注入装置1の外に放出する空気放出口となる。
また、空気抜部30と一体化された注入針10は、図1(d)に示すように、上部連通部50が台座部20の溝部22に対応する位置に配置されるように、台座部20に取り付けられる。したがって、注入針10を使って密閉容器に液体を注入する際に、密閉容器内の空気は、下部連通部60、空気抜部30、上部連通部50及び溝部22を介して外部に排出することができる。このように空気抜部30は、上部連通部50及び下部連通部60とともに、密閉容器内の空気を外部に放出するバイパス的な役割を果たす。
次に、第一実施形態の液体注入装置1を使って液体が注入される密閉容器について説明する。図5は第一実施形態の液体注入装置1を使って液体が注入される密閉容器の概略図、図6はその密閉容器における弾性部材の概略図である。ここで、図5(a)はその密閉容器の概略平面図、図5(b)はその密閉容器の概略正面図である。また、図6(a)はその密閉容器における弾性部材の概略平面図、図6(b)はその弾性部材の概略正面図である。
この密閉容器100は、消毒用アルコール等の液体を密閉して収容するものであり、携帯用のスプレー装置として使用される。特に、密閉容器100は、使用者がバッグ等に入れて携帯できるようにコンパクトに構成されている。具体的に、密閉容器100は、図5に示すように、液体を保持するための容器本体110と、その容器本体110に設けられた、容器本体110内の液体を外部に排出するための排出装置120と、容器本体110の所定箇所に排出装置120とは別個に設けられた孔部130と、その孔部130に嵌合された弾性部材140とを備えている。この密閉容器100は、薄いカード型のものであって、直方体形状に形成されている。具体的に、密閉容器100の高さが約86mm、その横幅が約55mm、そして、その厚みが約10mmである。
密閉容器100の上部中央には排出装置120が設けられている。この排出装置120は、ホース部121と、ポンプ部122と、ノズル部123とを有している。使用者がポンプ部122を押し下げると、その圧力が容器本体110内の液体にかかることにより液体がホース部121を介して引き上げられて、ノズル部123から排出される。このとき、ノズル部123は液体を霧状にして外部に放出することができる。また、容器本体110は透明又は半透明であることが望ましい。これにより、使用者は容器本体110内に残存している液体の量を自分の眼で容易に確認することができる。そして、液体の量が減ってきたときに、使用者は液体を容器本体110内に補充することになる。
また、容器本体110の右上部には、孔部130が形成されている。この孔部130は、直径約8mmの円形状に形成されている。そして、その孔部130に弾性部材140が嵌め込まれている。ここでは、弾性部材140の素材として、ゴムや熱可塑性エラストマー等の弾性体を用いることができる。具体的に、図6に示すように、弾性部材140の上部は略円筒形状に形成され、その下部は半球形状に形成されている。ここで、弾性部材140の上面の直径は約8mmである。また、弾性部材140の中央部には、周囲に突出した二つの突起部141,141が形成されている。図5に示すように、弾性部材140の上部を容器本体110の外側から孔部130に嵌め込むことにより、弾性部材140が容器本体110に密着して固定される。実際、孔部130に対応する容器本体110の側面には、弾性部材140の突起部141,141の形状に対応した溝が形成されており、その溝と突起部141,141とがしっかりと嵌り合う。また、上記溝は必ずしも形成する必要はない。弾性部材140を円筒状の孔部130に嵌め込めば、突起部141,141が孔部130に対応する容器本体110の側面にしっかりと密着するからである。尚、弾性部材140の二つの突起部141,141の間に孔部130の周囲における容器本体110の部分を挟み込むことにより、弾性部材140を容器本体110にしっかりと密着させるようにしてもよい。
弾性部材140は、容器本体110の密閉性を維持する役割と共に、注入針10を用いて液体を注入するときの液体注入部としての役割を果たす。この両方の役割の実現を図るために、弾性部材140の素材には、ゴム等の弾性体が用いられているのである。また、弾性部材140が後者の役割を実現できるようにするため、弾性部材140には、図6に示すように、第一実施形態の液体注入装置1の注入針10を差し込むための差込口142が形成されている。この差込口142は、弾性部材140の中央上部に形成された穴部1421と、その穴部1421の中心から弾性部材140の下端まで貫通するように形成された貫通孔1422とを有する。穴部1421は、貫通孔1422の位置を使用者に知らせる目印としての役割を果たす。また、貫通孔1422は、注入針10を差し込んで容器本体110内に案内する案内部としての役割を果たす。しかも、貫通孔1422の径はとても小さく、注入針10が貫通孔1422に差し込まれていないときに、貫通孔1422は閉塞状態となっている。したがって、通常は、容器本体110内の液体がこの貫通孔1422から外部に漏れ出ることはない。このように、使用者は、注入針10を穴部1421の位置に合わせた後、その注入針10を貫通孔1422に沿って容易に差し込むことができる。この状態で、注入針10から液体が容器本体110内に補充されることになる。第一実施形態では、注入針10の断面の外形は円形であるので、注入針10の外表面全体が弾性部材140でしっかりと覆われ、注入針10と弾性部材140との間に、液体が漏れ出てしまうような隙間等は生じない。液体の補充後に注入針10を引き抜けば、貫通孔1422が再び閉塞状態になり、容器本体110内の液体が外部に漏れることはない。
次に、第一実施形態の液体注入装置1を用いて液体を密閉容器100に注入する作業手順を説明する。図7は第一実施形態の液体注入装置1を用いて液体を密閉容器100に注入する際に注入針10と弾性部材140との位置関係を説明するための図、図8は第一実施形態の液体注入装置1を用いて液体を密閉容器100に注入するときの様子を示す図である。
使用者は、自己の密閉容器内に液体が少なくなると、液体が入った詰替え用の保存容器200を購入する。通常、この購入した保存容器200には、第一実施形態の液体注入装置1が付随している。そして、使用者は、まず、保存容器200から蓋を取り外し、その蓋の代わりに、液体注入装置1の取付部40を保存容器200の口部210に取り付ける。こうして、図4に示すように、液体注入装置1が取り付けられた保存容器200が完成する。
次に、使用者は、液体注入装置1の注入針10を、密閉容器100の弾性部材140の真上からその差込口142に差し込み、差込口142の貫通孔1422に沿って弾性部材140内に押し込む。このとき、使用者は、図7に示すように、液体注入装置1の台座部20の下面が弾性部材140の上面に接するまで、注入針10を押し込むようにする。このように注入針10を押し込んでも、弾性部材140の上面と台座部20の溝部22とによって空気抜部30内の空気を上部連通部50から外部に排出するための通路は確保されている。また、この状態では、下部連通部60は弾性部材140と被ってしまうことはなく、弾性部材140よりも下側に位置している。このため、容器本体110内の空気を下部連通部60から空気抜部30内に取り込むための通路は確保されている。更に、注入針10の断面は円形であるので、注入針10の外表面全体が弾性部材140でしっかりと覆われ、注入針10と弾性部材140との間に、液体が漏れ出てしまうような隙間は生じない。
次に、使用者は、保存容器200の腹を手で押して、保存容器200内の液体を、注入針10を介して密閉容器100の容器本体110内に送出する。このとき、密閉容器100内の空気は、図8に示すように、下部連通部60、空気抜部30、上部連通部50、及び溝部22を通じて、外部に排出されるので、液体の補充作業をスムースに行うことができる。すなわち、第一実施形態の液体注入装置1では、容器本体110内への液体の注入と容器本体110内の空気の外部への排出とは同時に行われる。
こうして、液体が容器本体110内にどんどん補充されていくが、その補充された液体が容器本体110内において下部連通部60の高さ位置に達すると、容器本体110内の空気が外部に放出されなくなるため、液体は、容器本体110内にさらに充填されずに、今度は、下部連通部60、空気抜部30、上部連通部50、及び溝部22を通じて、外部に排出されることになる。すなわち、液体注入装置1の注入針10を弾性部材140の差込口142に差し込んだときの、容器本体110内における下部連通部60の高さ位置が、液体を充填できる限界、いわゆる容器内部の溢れ面となる。したがって、使用者は、台座部20の溝部22から液体が排出されているかどうかを調べることにより、液体が密閉容器100内に補充されたかどうかを容易に確認することができる。
使用者は、台座部20の溝部22から液体が排出されると、液体が容器本体110内に十分に補充されたと判断する。その後、使用者は、注入針10を弾性部材140から引き抜く。ここで、液体の注入が完了してから注入針10を引き抜くまでの間に、使用者が保存容器200へ加えている力を緩めてしまうと、注入針10が容器本体110内に注入された液体を吸い戻してしまう。このため、使用者は、注入針10が弾性部材140から完全に引き抜かれるまで、保存容器110に加える力を緩めないように注意する必要がある。こうして、注入針10が弾性部材140から引き抜かれると、その弾性部材140における差込口142の貫通孔1422は閉塞状態に戻り、容器本体110内の液体が差込口142を介して外部に漏れ出てしまうことはない。最後に、使用者は、保存容器200から第一実施形態の液体注入装置1を取り外し、保存容器200の口部210に蓋をする。そして、液体注入装置1と保存容器200とを一緒に保管する。
第一実施形態の液体注入装置は、注入針の長手方向に沿って注入針の内側面に注入針と一体的に設けられた、注入針を使って密閉容器内に液体を注入するときに密閉容器内の空気を外部に排出するための空気抜部を備えることにより、密閉容器内への液体の注入と密閉容器内の空気の外部への排出とを同時に行うことができる。また、注入針を注入針の長手方向に垂直な平面で切ったときの注入針の断面の外形が円形であることにより、注入針を弾性部材の差込口に差し込み、差込口の貫通孔に沿って弾性部材内に押し込んだときに、注入針の外表面全体がその弾性部材でしっかりと覆われるので、注入針と弾性部材との間に、液体が漏れてしまうような隙間は生じない。したがって、第一実施形態の液体注入装置を用いると、密閉容器に液体を注入する作業を簡単に且つスムースに行うことができる。
また、第一実施形態の液体注入装置では、空気抜部は、その内部が注入針の内部と連通しないように構成され、且つ、注入針の長手方向に沿って注入針の内側面に注入針と一体化されている。空気抜部の上部であって注入針と接する面及びその面に対応する注入針の側面には、空気抜部の内部と注入針の外部との間で空気の流通を可能にする上部連通部が形成され、空気抜部の下部であって注入針と接する面及びその面に対応する注入針の側面には、空気抜部の内部と注入針の外部との間で空気の流通を可能にする下部連通部が形成されている。そして、台座部に、注入針を支持する部位から外側に向かう方向に沿って溝部を形成し、上部連通部を、溝部に対応する位置に配置している。これにより、注入針を使って密閉容器に液体を注入するときに密閉容器内の空気を下部連通部、空気抜部、上部連通部及び溝部を介して外部に確実に排出することができる。
更に、第一実施形態の液体注入装置を使って液体が注入される密閉容器として、特別な構成のものを用いることができる。すなわち、その密閉容器では、弾性部材が孔部に嵌合され、その弾性部材には、注入針を差し込んで容器本体内に案内するためのものであって注入針が差し込まれていないときに閉塞状態となる貫通孔が形成されている。このため、第一実施形態の液体注入装置の注入針を貫通孔に沿って差し込んでその注入針から液体を容器本体内に容易に補充することができ、しかも、液体の補充後に注入針を引き抜けば、貫通孔が閉塞状態となり、容器本体内の液体が外部に漏れることはない。したがって、上記の密閉容器は、第一実施形態の液体注入装置を用いて液体が注入される容器として用いるのに好適である。
尚、第一実施形態の液体注入装置では、空気抜部の下端、したがって下部連結部が注入針の下端より高いところに位置している場合について説明したが、下部連結部は注入針の下端とほぼ同じ高さに位置していてもよい。
また、第一実施形態では、空気抜部の長手方向に垂直な平面で切ったときの空気抜部の断面形状が円である場合について説明したが、例えば、空気抜部の長手方向に垂直な平面で切ったときの空気抜部の断面形状は扇形、三角形、四角形、半円、三日月形等であってもよい。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について図面を参照して説明する。図9は本発明の第二実施形態である液体注入装置における注入針及び空気抜部の概略図である。ここで、図9(a)は第二実施形態の液体注入装置における注入針及び空気抜部の概略平面図、図9(b)はその注入針及び空気抜部の概略正面図、図9(c)はその注入針及び空気抜部のB-B矢視方向概略断面図、図9(d)はその注入針及び空気抜部のC-C矢視方向概略拡大断面図である。尚、本第二実施形態において、上述した第一実施形態のものと同一の機能を有するものには、同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
第二実施形態の液体注入装置1aは、液体を密閉して保持する密閉容器にその液体を注入する際に用いられるものであり、図9に示すように、液体を密閉容器内に注入するための注入針10aと、その注入針10aを支持する台座部20と、注入針10aの長手方向に沿って注入針10aの外側面に注入針10aと一体的に設けられた空気抜部30aと、台座部20が固着された取付部40とを備えている。ここで、図9では、取付部40の図示を省略している。この第二実施形態の液体注入装置1aが第一実施形態の液体注入装置1と異なる主な点は、注入針10a及び空気抜部30aの構造である。第二実施形態の液体注入装置1aのその他の構成は、第一実施形態の液体注入装置1のものと同様である。
注入針10aは、細長い筒状のものであり、液体を密閉容器内に注入するために使われる。この注入針10aの長さ及び内径は第一実施形態における注入針10のものと同様である。しかし、注入針10aの外側面の一部が細長い凹部15aとなっている点で、注入針10aは第一実施形態における注入針10と異なる。例えば、この凹部15aは、注入針10aの外側面の一部をその注入針10aの長手方向に沿って凹ませることにより形成される。凹部15aは第二実施形態における空気抜部30aの構成要素の一つとなるものである。このため、凹部15aの上下方向の長さは、第一実施形態の空気抜部30の長さと略同じである。ここで、凹部15aの上端部は台座部20の溝部22に対応するところに位置している。また、凹部15aは、その上端部及び下端部を除いて被覆部16aにより覆われている。この被覆部16aの材質としては、注入針10aと同一の材質を用いており、被覆部16aは、その外形が注入針10aに対して滑らかになるように平滑処理が施されている。尚、被覆部16aは、注入針10aの外周を覆うようなものであってもよい。
空気抜部30aは、注入針10aを使って密閉容器内に液体を注入するときに密閉容器内の空気を外部に排出する役割を果たすものである。第二実施形態では、空気抜部30aは、図9に示すように、注入針10aの長手方向に沿って注入針10aの外側面において注入針10aと一体化されている。具体的に、この空気抜部30aは、注入針10aの外側面の一部を凹ませて形成された細長い凹部15aと、その凹部15aの上端部及び下端部を除いて凹部15aを覆う被覆部16aとにより構成される。ここでは、図9(d)に示すように、凹部15aの断面形状をV字形状としている。凹部15aと被覆部16aとにより囲まれた空間が空気抜部30aである。このように空気抜部30aと注入針10aとは一体化されている。第二実施形態では、一体化された注入針10a及び空気抜部30aを注入針10aの長手方向に垂直な平面で切ったときの空気抜部30aの断面は扇形であるが、そのときの注入針10a及び空気抜部30aの断面の外形は円形である。また、空気抜部30aの上端部及び下端部は被覆部16aに覆われておらず、開放状態となっている。
尚、第二実施形態では、注入針10aと一体化された空気抜部30aを、注入針10aの凹部15aを被覆部16aで覆うことにより作製しているが、例えば、注入針10aの凹部15aに、別途作製した空気抜部30aを嵌め込むことにより、注入針10aと空気抜部30aを一体化するようにしてもよい。
また、空気抜部30aの上部には、空気抜部30aの内部と外部との間で空気の流通を可能にする上部連通部50aが形成され、空気抜部30aの下部には、空気抜部30aの内部と外部との間で空気の流通を可能にする下部連通部60aが形成されている。実際には、開放状態となっている空気抜部30aの上端部が上部連結部50aとなり、開放状態となっている空気抜部30aの下端部が下部連通部60aとなっている。注入針10a及び空気抜部30aは、図9(c)に示すように、上部連通部50aが台座部20の溝部22に対応する位置に配置されるように、台座部20に設けられる。したがって、注入針10aを使って密閉容器に液体を注入する際に、密閉容器内の空気を、下部連通部60a、空気抜部30a、上部連通部50a及び溝部22を介して外部に排出することができる。
第二実施形態の液体注入装置1aを使って液体が注入される密閉容器としては、上記第一実施形態において説明した密閉容器が用いられる。また、第二実施形態の液体注入装置1aを用いて液体を密閉容器に注入する作業手順は、上記第一実施形態において説明した作業手順と同様である。このため、ここではそれらの詳しい説明を省略する。
第二実施形態の液体注入装置は、上記第一実施形態の液体注入装置と同様の効果を奏する。すなわち、第二実施形態の液体注入装置では、密閉容器内への液体の注入と密閉容器内の空気の外部への排出とを同時に行うことができる。また、一体化された注入針及び空気抜部を注入針の長手方向に垂直な平面で切ったときの注入針及び空気抜部の断面の外形が円形であることにより、注入針及び空気抜部を密閉容器の弾性部材に差し込むときに、注入針及び空気抜部の外表面全体がその弾性部材でしっかりと覆われるので、注入針及び空気抜部と弾性部材との間に、液体が漏れ出てしまうような隙間は生じない。したがって、第二実施形態の液体注入装置を用いると、密閉容器に液体を注入する作業を簡単に且つスムースに行うことができる。
尚、第二実施形態の液体注入装置では、注入針の外側面の一部に形成された凹部の断面形状がV字形状である場合について説明したが、凹部と被覆部とによって空気抜部を形成することができれば、凹部の断面形状はどのようなものであってもよい。図10に第二実施形態の変形例である液体注入装置における注入針及び空気抜部の概略拡大断面図を示す。例えば、凹部の断面形状は、図10(a)に示すように円弧形状でもよく、また、図10(b)に示すように直線状でもよい。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態について図面を参照して説明する。図11は本発明の第三実施形態である液体注入装置における注入針及び空気抜部の概略図である。ここで、図11(a)は第三実施形態の液体注入装置における注入針及び空気抜部の概略平面図、図11(b)はその注入針及び空気抜部の概略正面図、図11(c)はその注入針及び空気抜部のD-D矢視方向概略断面図、図11(d)はその注入針及び空気抜部のE-E矢視方向概略拡大断面図である。尚、本第三実施形態において、上述した第一実施形態のものと同一の機能を有するものには、同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
第三実施形態の液体注入装置1bは、液体を密閉して保持する密閉容器にその液体を注入する際に用いられるものであり、図11に示すように、液体を密閉容器内に注入するための注入針10bと、その注入針10bを支持する台座部20と、注入針10bの長手方向に沿って注入針10bの外側面に注入針10bと一体的に設けられた空気抜部30bと、台座部20が固着された取付部40とを備えている。ここで、図11では、取付部40の図示を省略している。この第三実施形態の液体注入装置1bが第一実施形態の液体注入装置1と異なる主な点は、注入針10b及び空気抜部30bの構造である。第三実施形態の液体注入装置1bのその他の構成は、第一実施形態の液体注入装置1のものと同様である。
注入針10bは、細長い筒状のものであり、液体を密閉容器内に注入するために使われる。この注入針10bの長さ及び内径は第一実施形態における注入針10のものと同様である。また、注入針10bには、第一の上開口部及び第一の下開口部が形成されていない点で、注入針10bは第一実施形態における注入針10と異なる。
空気抜部30bは、注入針10bを使って密閉容器内に液体を注入するときに密閉容器内の空気を外部に排出する役割を果たすものである。第三実施形態では、空気抜部30bは、図11に示すように、注入針10bの長手方向に沿って注入針10bの外側面において注入針10bと一体化されている。具体的に、この空気抜部30bは、注入針10bの外側面の一部との間に一定の隙間が形成されるように注入針10bを被覆する被覆部35bにより構成される。ここで、被覆部35bは注入針10bの外周を覆っている。すなわち、注入針10bの外側面と被覆部35bとにより囲まれる細長い空間が空気抜部30bである。こうして、空気抜部30bと注入針10bとは一体化されている。第三実施形態では、注入針10b及び空気抜部30bを注入針10bの長手方向に垂直な平面で切ったときの注入針10b及び空気抜部30bの断面の外形は雫形である。このように空気抜部30bは上下方向に延びる空間であるが、その空気抜部30b(被覆部35b)の上下方向の長さは、第一実施形態の空気抜部30の長さと略同じである。ここで、被覆部35bの上端部は台座部20の溝部22に対応する位置と略同じ位置に位置している。また、空気抜部30bの上端及び下端は開放状態となっている。
第三実施形態における空気抜部30bは、例えば次のようにして作製される。すなわち、まず、注入針10bの直径よりも小さい直径を有する小針を注入針10bと並べて配置し、小針及び注入針10bの外周を被覆部35bで覆う。そして、被覆部35bが注入針10bに対して動かないようにしっかりと固定する。例えば、被覆部35bは接着剤等を用いて注入針10bに接着される。その後、被覆部35bは、被覆部35bと注入針10bとの間の段差をなくすように平滑に仕上げられる。最後に、小針を被覆部35bから引き抜くことにより、空気抜部30bが作製される。尚、焼き嵌め等により、被覆部35bと注入針10bとを一体的に接合するようにしてもよい。また、上記小針及び注入針10bの外周を二つの被覆部で覆い、それらを圧着した後に、小針を引き抜くことにより、一体化された注入針10b及び空気抜部30bを作製することも可能である。
また、空気抜部30bの上部には、空気抜部30bの内部と外部との間で空気の流通を可能にする上部連通部50bが形成され、空気抜部30bの下部には、空気抜部30bの内部と外部との間で空気の流通を可能にする下部連通部60bが形成されている。実際には、開放状態となっている空気抜部30bの上端が上部連結部50bとなり、開放状態となっている空気抜部30bの下端が下部連通部60bとなっている。注入針10b及び空気抜部30bは、図11(c)に示すように、上部連通部50bが台座部20の溝部22に対応する位置と略同じ位置に配置されるように、台座部20に設けられる。したがって、注入針10bを使って密閉容器に液体を注入する際に、密閉容器内の空気を、下部連通部60b、空気抜部30b、上部連通部50b及び溝部22を介して外部に排出することができる。
第三実施形態の液体注入装置1bを使って液体が注入される密閉容器としては、上記第一実施形態において説明した密閉容器が用いられる。また、第三実施形態の液体注入装置1bを用いて液体を密閉容器に注入する作業手順は、上記第一実施形態において説明した作業手順と同様である。このため、ここではそれらの詳しい説明を省略する。
第三実施形態の液体注入装置は、上記第一実施形態の液体注入装置と同様の効果を奏する。すなわち、第三実施形態の液体注入装置では、密閉容器内への液体の注入と密閉容器内の空気の外部への排出とを同時に行うことができる。また、一体化された注入針及び空気抜部を注入針の長手方向に垂直な平面で切ったときの注入針及び空気抜部の断面の外形が雫形であることにより、注入針及び空気抜部を密閉容器の弾性部材に差し込むときに、注入針及び空気抜部の外表面全体がその弾性部材でしっかりと覆われるので、注入針及び空気抜部と弾性部材との間に、液体が漏れ出てしまうような隙間は生じない。したがって、第三実施形態の液体注入装置を用いると、密閉容器に液体を注入する作業を簡単に且つスムースに行うことができる。
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態について図面を参照して説明する。図12は本発明の第四実施形態である液体注入装置の概略図である。ここで、図12(a)は第四実施形態の液体注入装置の概略平面図、図12(b)はその液体注入装置の概略正面図、図12(c)はその液体注入装置の概略右側面図、図12(d)はその液体注入装置の注入針及び空気抜部のF-F矢視方向概略断面図である。尚、本第四実施形態において、上述した第一実施形態のものと同一の機能を有するものには、同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
第四実施形態の液体注入装置1cは、液体を密閉して保持する密閉容器にその液体を注入する際に用いられるものであり、図12に示すように、液体を密閉容器内に注入するための注入針10cと、その注入針10cを支持する台座部20と、注入針10cの長手方向に沿って注入針10bの外側面に注入針10bと一体的に設けられた空気抜部30と、台座部20が固着された取付部40とを備えている。また、空気抜部30の上部には、空気抜部30の内部と注入針10cの外部との間で空気の流通を可能にする上部連通部50が形成され、空気抜部30の下部には、空気抜部30の内部と注入針10cの外部との間で空気の流通を可能にする下部連通部60が形成されている。
この第四実施形態の液体注入装置1cが第一実施形態の液体注入装置1と異なる主な点は、注入針10cの構造である。第四実施形態の液体注入装置1cのその他の構成は、第一実施形態の液体注入装置1のものと同様である。
注入針10cは、細長い筒状のものであり、液体を密閉容器内に注入するために使われる。注入針10cの長手方向に垂直な平面で切ったときの注入針10の断面は円形状である。第四実施形態の注入針10cは、以下の点で第一実施形態の注入針10と異なる。すなわち、注入針10cの下端部は先細りの形状に形成されている。また、図12(d)に示すように、注入針10の下端(先端)は閉口しており、注入針10cの下部の側面に、液体を外部(密閉容器内)に排出する液体排出口13cが形成されている。ここで、注入針10cの下端(先端)から液体排出口13cまでの距離が、注入針10cの下端(先端)から下部連通部(空気取込口)60までの距離よりも長くなるように、液体排出口13cを注入針10cに形成している。すなわち、液体排出口13cは、図12(d)に示すように、下部連結部60より高いところに位置している。
次に、第四実施形態の液体注入装置1cを用いて液体を密閉容器に注入する作業手順を説明する。図13は第四実施形態の液体注入装置1cを用いて液体を密閉容器に注入するときの様子を示す図である。ここで、第四実施形態の液体注入装置1cを使って液体が注入される密閉容器としては、上記第一実施形態において説明した密閉容器100が用いられる。
使用者は、自己の密閉容器内に液体が少なくなると、液体が入った詰替え用の保存容器200を購入する。通常、この購入した保存容器200には、第四実施形態の液体注入装置1cが付随している。そして、使用者は、まず、保存容器200から蓋を取り外し、その蓋の代わりに、液体注入装置1cの取付部40を保存容器200の口部に取り付ける。
次に、使用者は、液体注入装置1cの注入針10cを、密閉容器100の弾性部材140の真上からその差込口に差し込み、弾性部材140内に押し込む。このとき、使用者は、図13に示すように、液体注入装置1cの台座部20の下面が弾性部材140の上面に接するまで、注入針10を押し込むようにする。この状態では、液体排出口13c及び下部連通部60はそれぞれ、弾性部材140よりも下側に位置している。そして、第四実施形態では、液体排出口13cは下部連通部60よりも高いところに位置している。また、注入針10cの断面は円形であるので、注入針10cの外表面全体が弾性部材140でしっかりと覆われ、注入針10cと弾性部材140との間に、液体が漏れ出てしまうような隙間は生じない。
次に、使用者は、保存容器200の腹を手で押して、保存容器200内の液体を、注入針10cの液体排出口13cから密閉容器100の容器本体110内に送出する。このとき、密閉容器100内の空気は、図13に示すように、下部連通部60、空気抜部30、上部連通部50、及び溝部22を通じて、外部に排出されるので、液体の補充作業をスムースに行うことができる。このように、容器本体110内への液体の注入と容器本体110内の空気の外部への排出とは同時に行われる。
こうして、液体が容器本体110内にどんどん補充されていくが、その補充された液体が容器本体110内において下部連通部60の高さ位置に達すると、容器本体110内の空気が外部に放出されなくなるため、液体は、容器本体110内にさらに充填されずに、今度は、下部連通部60、空気抜部30、上部連通部50、及び溝部22を通じて、外部に排出されることになる。使用者は、台座部20の溝部22から液体が排出されると、液体が容器本体110内に十分に補充されたと判断する。その後、使用者は、注入針10を弾性部材140から引き抜く。ここで、第四実施形態の液体注入装置1cでは、注入針10cの液体排出口13cが下部連結部60より高いところに位置している。このため、液体の注入が完了した後、使用者が保存容器200へ加えている力を緩めても、注入針10が容器本体110内に注入された液体を吸い戻してしまうことはない。また、液体の注入が完了した後、保存容器200への圧力を解放することにより、容器本体110内の空気が保存容器200内に吸い出され、容器本体110内は負圧になる。この負圧は、容器本体110が満水状態になった後に空気抜部30を通り、その空気抜部30内に残った液体を、容器本体110内に逆流させる力となる。
こうして、注入針10cが弾性部材140から引き抜かれると、第一実施形態において説明したように、その弾性部材140における差込口の貫通孔が閉塞状態に戻り、容器本体110内の液体が差込口を介して外部に漏れ出てしまうことはない。最後に、使用者は、保存容器200から第四実施形態の液体注入装置1cを取り外し、保存容器200の口部に蓋をする。そして、液体注入装置1cと保存容器200とを一緒に保管する。
第四実施形態の液体注入装置は、上記第一実施形態の液体注入装置と同様の効果を奏する。すなわち、第四実施形態の液体注入装置では、密閉容器内への液体の注入と密閉容器内の空気の外部への排出とを同時に行うことができる。また、一体化された注入針及び空気抜部を注入針の長手方向に垂直な平面で切ったときの注入針及び空気抜部の断面の外形が円形であることにより、注入針及び空気抜部を密閉容器の弾性部材に差し込むときに、注入針及び空気抜部の外表面全体がその弾性部材でしっかりと覆われるので、注入針及び空気抜部と弾性部材との間に、液体が漏れ出てしまうような隙間は生じない。したがって、第四実施形態の液体注入装置を用いると、密閉容器に液体を注入する作業を簡単に且つスムースに行うことができる。
特に、第四実施形態の液体注入装置では、注入針の下端(先端)から液体排出口までの距離が、注入針の下端(先端)から下部連通部(空気取込口)までの距離よりも長くなるように、液体排出口を注入針に形成したことにより、注入針を密閉容器にその真上から差し込んで液体を注入する作業を行っている間、注入針の液体排出口は下部連通部(空気取込口)より高いところに位置しているので、液体の注入が完了した後、使用者が、液体注入装置が取り付けられた保存容器へ加えている力を緩めても、注入針が密閉容器内に注入された液体を吸い戻してしまうことはない。したがって、使用者は、液体の注入作業を容易に行うことができる。また、液体の注入が完了した後、保存容器への圧力を解放することにより、密閉容器内の空気が保存容器内に吸い出され、密閉容器内は負圧になるので、この負圧を利用して、密閉容器が満水状態になった後に空気抜部を通ってその空気抜部内に残った液体を、密閉容器内に逆流させることができる。
[他の実施形態]
尚、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
上記の各実施形態では、液体注入装置における台座部に溝部を形成した場合について説明したが、台座部には、溝部の代わりに、孔部を形成するようにしてもよい。この孔部も、溝部と同様に、台座部において、注入針を支持する部位から外側に向かう方向に沿って形成され、空気が流通する空気流通路としての役割を果たす。
また、上記の各実施形態では、液体注入装置における台座部に溝部を形成した場合について説明したが、溝部を台座部に設けないようにしてもよい。この場合は、上部連通部が台座部の外側に位置するように、注入針及び空気抜部を台座部に取り付けなければならない。上部連通部が台座部によって覆い隠されないようにするためである。また、この液体注入装置を用いて液体を密閉容器に注入する際には、台座部の下面が密閉容器の弾性部材の上面に接するまで、注入針を弾性部材内に差し込むのではなく、上部連通部が弾性部材よりも上側に位置するように、注入針を弾性部材内に差し込むようにしなければならない。これにより、密閉容器の容器本体内の空気を外部に排出するための通路が確保される。
また、上記の各実施形態では、注入針の長手方向に垂直な平面で切ったときの注入針及び空気抜部の断面の外形が円形又は雫形である場合について説明したが、その注入針及び空気抜部の断面の外形は、例えば楕円形であってもよい。一般に、一体化された注入針及び空気抜部の断面の外形は、凸閉曲線の形状であればよい。ここで、凸閉曲線の形状には、円形、楕円形、雫形等が含まれる。一体化された注入針及び空気抜部の断面の外形が凸閉曲線の形状であれば、注入針及び空気抜部を弾性部材の差込口に差し込み、差込口の貫通孔に沿って弾性部材内に押し込んだときに、注入針及び空気抜部の外表面全体が弾性部材でしっかりと覆われるので、注入針及び空気抜部と弾性部材との間に、液体が漏れ出てしまうような隙間等が生じることはない。
更に、上記の各実施形態では、台座部と取付部とを樹脂等で一体的に形成した場合について説明したが、台座部と取付部とはそれぞれ個別に作製し、その後に接着剤等で接合するようにしてもよい。このとき、台座部の素材としては金属を用いてもよい。また、台座部と取付部と保存容器とを一体的に形成するようにしてもよい。
上記の各実施形態では、密閉容器がカード型のものである場合について説明したが、密閉容器は、これに限定されず、例えば円筒型のものであってもよい。また、上記の各実施形態では、密閉容器が携帯型のものである場合について説明したが、密閉容器は、携帯型のものに限られず、据置型のものであってもよい。例えば、本発明に係る液体注入装置を、足踏式の消毒液スタンドに設置された密閉容器に液体を注入する際に用いることにより、液体を密閉容器に衛生的に補充することができる。
また、上記の各実施形態では、密閉容器における容器本体の右上部に孔部を形成し、その孔部に弾性部材を嵌め込んだ場合について説明したが、孔部は、容器本体の側部又は底部に形成するようにしてもよい。
上記の各実施形態では、液体として消毒用アルコールを用いた場合について説明したが、液体は、消毒用アルコール以外の液体、例えば、香水や揮発性を有する化粧水等であってもよい。
また、上記の各実施形態では、液体として消毒用アルコール等の揮発性液体を用いた場合について説明したが、液体としては、揮発性のないものを用いてもよい。例えば、液体は、液体石鹸、多少粘性のあるもの、ジェル状の消毒剤、液体洗剤、シャンプー等であってもよい。この場合、密閉容器としては、液体の種類に応じた大きさ・形状等を有するものを用いることになる。そして、液体注入装置の注入針についても、液体の種類に応じた適切な大きさの径を有するものを用いることになる。ここで、注入針の径の上限は、密閉容器における弾性部材の性能、すなわち、注入針を弾性部材から引き抜いた後も弾性部材が密閉容器の密閉性を確保できるという性能に関係して定められると考えられる。したがって、本発明に係る液体注入装置を、例えば、密閉容器としてのシャンプーボトルにシャンプーを注入する際に用いることにより、そのシャンプーボトルのポンプ部を取り外すのが困難であったとしても、ポンプ部を取り外さすに、シャンプーをシャンプーボトルに容易に補充することができる。
上記の各実施形態では、密閉容器が、孔部に嵌合された弾性部材を備えており、その弾性部材には、注入針を差し込んで容器本体内に案内するためのものであって注入針が差し込まれていないときに閉塞状態となる貫通孔が形成されている場合について説明したが、密閉容器としては、孔部に嵌合された弾性部材と、その弾性部材を覆う蓋部とを備えているものを用いるようにしてもよい。この場合、弾性部材には、注入針を差し込んで容器本体内に案内するための貫通孔が形成されており、蓋部は、弾性部材が設けられた容器本体の部位における密閉性を確保する役割を果たす。このような密閉容器を用いることにより、注入針を弾性部材から引き抜いた後、蓋部により密閉容器の密閉性を確保することができる。
以上説明したように、本発明に係る液体注入装置は、注入針の長手方向に沿って注入針の内側面又は外側面に注入針と一体的に設けられた、注入針を使って密閉容器内に液体を注入するときに密閉容器内の空気を外部に排出するための空気抜部を備えることにより、密閉容器内への液体の注入と密閉容器内の空気の外部への排出とを同時に行うことができる。また、注入針及び空気抜部を注入針の長手方向に垂直な平面で切ったときの注入針及び空気抜部の断面の外形が凸閉曲線の形状であることにより、例えば密閉容器において弾性部材で作製された液体注入部に注入針及び空気抜部を差し込むときに、注入針及び空気抜部の外表面全体がその弾性部材でしっかりと覆われるので、注入針及び空気抜部と弾性部材との間に、液体が漏れ出てしまうような隙間は生じない。このため、本発明に係る液体注入装置を用いると、密閉容器に液体を注入する作業を簡単に且つスムースに行うことができる。特に、本発明に係る液体注入装置を、例えば足踏式の消毒液スタンドに設置された密閉容器に液体を注入する際に用いることにより、液体の詰替え時にポンプノズル部が外気に暴露しないので、液体を密閉容器に衛生的に補充することができる。したがって、本発明は、例えば消毒用アルコールをノズルから噴出して手指などを消毒するための携帯型又は据置型の密閉容器にその消毒用アルコールを注入するための液体注入装置として用いるのに好適である。尚、本発明に係る液体注入装置を用いて注入する液体としては、消毒用アルコール等の揮発性液体に限らず、揮発性のないものを用いることができる。
また、本発明に係る密閉容器では、弾性部材が孔部に嵌合され、その弾性部材には、注入針を差し込んで容器本体内に案内するためのものであって注入針が差し込まれていないときに閉塞状態となる貫通孔が形成されている。このため、上記液体注入装置の注入針を貫通孔に沿って差し込んでその注入針から液体を容器本体内に容易に補充することができ、しかも、液体の補充後に注入針を引き抜けば、貫通孔が閉塞状態となり、容器本体内の液体が外部に漏れることはない。したがって、本発明に係る密閉容器は、上記液体注入装置を用いて液体が注入される容器として用いるのに好適である。尚、本発明に係る密閉容器としては、上記液体注入装置を用いて注入される液体の種類に応じた大きさ・形状等を有するものを用いることができる。
1,1a,1b 液体注入装置
10,10a,10b 注入針
11 第二の上開口部
12 第二の下開口部
13c 液体排出口
15a 凹部
16a 被覆部
20 台座部
21 孔部
22 溝部(空気流通路)
30,30a,30b 空気抜部
31 第一の上開口部
32 第一の下開口部
35b 被覆部
40 取付部
50,50a,50b 上部連通部
60,60a,60b 下部連通部(空気取込口)
100 密閉容器
110 容器本体
120 排出装置
121 ホース部
122 ポンプ部
123 ノズル部
130 孔部
140 弾性部材
141 突起部
142 差込口
1421 穴部
1422 貫通孔
200 保存容器
210 口部

Claims (7)

  1. 液体を密閉して保持する密閉容器に前記液体を注入する際に用いられる液体注入装置であって、
    前記液体を前記密閉容器内に注入するための注入針と、
    前記注入針の長手方向に沿って前記注入針の内側面又は外側面に前記注入針と一体的に設けられた、前記注入針を使って前記密閉容器内に前記液体を注入するときに前記密閉容器内の空気を外部に排出するための空気抜部と、
    を具備し、
    前記注入針及び前記空気抜部を前記注入針の長手方向に垂直な平面で切ったときの前記注入針及び前記空気抜部の断面の外形が凸閉曲線の形状であることを特徴とする液体注入装置。
  2. 前記空気抜部に設けられた、前記密閉容器内の空気を前記空気抜部内に取り込むための空気取込口と、
    先端が閉口している前記注入針の側面に設けられた、前記液体を前記密閉容器内に排出するための液体排出口と、
    を更に具備し、
    前記注入針の先端から前記液体排出口までの距離が、前記注入針の先端から前記空気取込口までの距離よりも長くなるように、前記液体排出口を前記注入針に形成したことを特徴とする請求項1記載の液体注入装置。
  3. 前記空気抜部は、その内部が前記注入針の内部と連通しないように構成され、且つ、前記注入針の長手方向に沿って前記注入針の内側面において前記注入針と一体化されており、
    前記空気抜部の上部であって前記注入針と接する面及びその面に対応する前記注入針の側面には、前記空気抜部の内部と前記注入針の外部との間で空気の流通を可能にする上部連通部が形成され、前記空気抜部の下部であって前記注入針と接する面及びその面に対応する前記注入針の側面には、前記空気抜部の内部と前記注入針の外部との間で空気の流通を可能にする下部連通部が形成されており、
    前記注入針を使って前記密閉容器に前記液体を注入するときに前記密閉容器内の空気を前記下部連通部、前記空気抜部及び前記上部連通部を介して外部に排出することを特徴とする請求項1又は2記載の液体注入装置。
  4. 前記空気抜部は、前記注入針の長手方向に沿って前記注入針の外側面において前記注入針と一体化されており、
    前記空気抜部の上部には、前記空気抜部の内部と外部との間で空気の流通を可能にする上部連通部が形成され、前記空気抜部の下部には、前記空気抜部の内部と外部との間で空気の流通を可能にする下部連通部が形成されており、
    前記注入針を使って前記密閉容器に前記液体を注入するときに前記密閉容器内の空気を前記下部連通部、前記空気抜部及び前記上部連通部を介して外部に排出することを特徴とする請求項1又は2記載の液体注入装置。
  5. 前記空気抜部は、前記注入針の外側面の一部を凹ませて形成された凹部とその凹部の上端部及び下端部を除いて前記凹部を覆う被覆部とにより構成されるもの、又は、前記注入針の外側面の一部との間に一定の隙間が形成されるように前記注入針を被覆する被覆部により構成されるものであることを特徴とする請求項4記載の液体注入装置。
  6. 前記注入針を支持する台座部を更に具備しており、
    前記台座部には、前記注入針を支持する部位から外側に向かう方向に沿って、空気が流通する空気流通路が形成されており、
    前記上部連通部は、前記空気流通路に対応する位置に配置されていることを特徴とする請求項3、4又は5記載の液体注入装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項記載の液体注入装置を使って前記液体が注入される密閉容器であって、
    前記液体を保持するための容器本体と、
    前記容器本体に設けられた、前記容器本体内の前記液体を外部に排出するための排出装置と、
    前記容器本体の所定箇所に前記排出装置とは別個に設けられた孔部と、
    前記孔部に嵌合された弾性部材と、
    を具備し、
    前記弾性部材には、前記注入針を差し込んで前記容器本体内に案内するためのものであって前記注入針が差し込まれていないときに閉塞状態となる貫通孔が形成されていることを特徴とする密閉容器。

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