JP2023154205A - 光導波路の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造後の露光による物性変化を抑制できる光導波路の製造方法を提供する。【解決手段】(A)ラジカル反応性基を含有する樹脂、(B)前記ラジカル反応性基と反応して結合可能な化合物、及び、(C)光ラジカル発生剤を含む樹脂組成物を用いて、光導波路を製造する製造方法であって;前記製造方法が、樹脂組成物を含む第一樹脂組成物層を形成する工程(I-1)と、第一樹脂組成物層の第一部分に露光して、(A)成分と(B)成分とを反応させる工程(I-2)と、第一樹脂組成物層と、(B)成分を溶解できる除去液とを接触させて、(B)成分を除去する工程(I-3)と、をこの順で含み;光導波路の第一樹脂組成物層の第一部分の屈折率が、第一樹脂組成物層の露光されていない第二部分の屈折率よりも高い、光導波路の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、光導波路の製造方法に関する。
5G通信、自動運転、IoT、人工知能、ビッグデータ等の技術進歩により通信の超高速化及び大容量化の要求が高まっている。その根幹を支える半導体パッケージは、従来、高周波電流を流すことにより高速通信に対応をしてきた。しかし、近年では、高速通信によるノイズの発生、通信の損失、及び発熱の課題が顕在化している。そこで、電気配線基板に光回路を実装し、省エネルギーと低遅延かつ高速通信を実現する取り組みが盛んに行われている。
例えば、シリコンフォトニクスによれば、細線導波路によってチップに光集積回路を形成することが期待される。このチップを搭載した光電気混載基板を製造する場合、チップ内の細線導波路から信号光をチップ外に取り出してチップ間の配線へと接続するために、光電気混載基板に光導波路を設けることが求められる。微細な光導波路を効率よく形成する観点から、光導波路を樹脂組成物の硬化物によって形成することが検討されている(特許文献1~8)。
特開2002-14241号公報 特開2009-210704号公報 特開2010-266806号公報 特許第4146277号公報 特開2019-28115号公報 特許第4748229号公報 特許第6156673号公報 特許第3886115号公報
従来の光導波路の製造方法の一例として、コアを形状加工によって形成する方法がある。しかし、この方法では、形状加工時に、コアの表面に凹凸が形成されることがある。また、この方法では、形成加工後に前記表面に異物が付着することがある。さらに、コアの後で形成されるクラッドとコアとの界面において、密着不良が生じる可能性がある。よって、これらの界面における構造不整を原因として、光導波路の伝送損失が大きくなりやすい傾向がある。
そこで、コアを、形状加工することなく形成する方法が注目されている。例えば、樹脂組成物層を形成し、その樹脂組成物層の一部分に露光することで、当該一部分とそれ以外の部分との間に屈折率差を生じさせる方法により、コアを形成する方法が検討されている。しかし、従来の方法で得られた光導波路は、製造後に光に暴露されることで屈折率等の物性が変化するので、長期信頼性に劣る傾向があった。
具体的には、従来の一般的な方法では、樹脂組成物層の一部分を露光し、その露光部分において特定の原子団に構造変化を誘起させていた。構造変化により露光部分の屈折率は低下するので、当該露光部分をクラッド、それ以外の非露光部分をコアとして得ることができた。前記の原子団としては、例えば、ジアリールシリル基等の露光によって脱離する原子団、ポリシラン等の露光によって別の化学構造に変化する原子団、が挙げられる。
ところが、前記の従来の方法では、上記の露光によって構造変化を誘起される原子団が、製造後の光導波路に失活せずに残存する。特に、非露光部分では、原理的には前記原子団の全量(100%)がそのまま残りうる。よって、屈折率をはじめとする光導波路の諸物性が製造後に露光によって変化する可能性があった。屈折率等の物性が変化すると、光導波路の伝送損失が増大する可能性があるので、従来の光導波路は、長期信頼性に劣る傾向があった。
本発明は、前記の課題に鑑みて創案されたもので、製造後の露光による物性変化を抑制できる光導波路の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、前記の課題を解決するべく鋭意検討した。その結果、本発明者は、(A)ラジカル反応性基を含有する樹脂、(B)前記ラジカル反応性基と反応して結合可能な化合物、及び、(C)光ラジカル発生剤を含む樹脂組成物を用いて光導波路を製造する製造方法により、前記の課題を解決できることを見い出した。より詳細には、樹脂組成物を含む第一樹脂組成物層を形成する工程(I-1)と;第一樹脂組成物層の第一部分に露光して、(A)成分と(B)成分とを反応させる工程(I-2)と;、第一樹脂組成物層と、(B)成分を溶解できる除去液とを接触させて、(B)成分を除去する工程(I-3)と;をこの順で含む製造方法により、前記の課題を解決できることを見い出した。
すなわち、本発明は、下記のものを含む。
[1] (A)ラジカル反応性基を含有する樹脂、(B)前記ラジカル反応性基と反応して結合可能な化合物、及び、(C)光ラジカル発生剤を含む樹脂組成物を用いて、光導波路を製造する製造方法であって;
前記製造方法が、
樹脂組成物を含む第一樹脂組成物層を形成する工程(I-1)と、
第一樹脂組成物層の第一部分に露光して、(A)成分と(B)成分とを反応させる工程(I-2)と、
第一樹脂組成物層と、(B)成分を溶解できる除去液とを接触させて、(B)成分を除去する工程(I-3)と、
をこの順で含み;
光導波路の第一樹脂組成物層の第一部分の屈折率が、第一樹脂組成物層の露光されていない第二部分の屈折率よりも高い、光導波路の製造方法。
[2] (B)成分が、原子屈折4以上の原子を1種類以上含有する、[1]に記載の光導波路の製造方法。
[3] (B)成分が、非芳香族性の炭素-炭素不飽和結合を含有する、[1]又は[2]に記載の光導波路の製造方法。
[4] (B)成分が、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基及びマレイミド基からなる群より選ばれる1以上を含有する、[1]~[3]のいずれか一項に記載の光導波路の製造方法。
[5] (B)成分の25℃における水溶液中での酸解離定数が、11以下である、[1]~[4]のいずれか一項に記載の光導波路の製造方法。
[6] (B)成分が、チオール基、フェノール性水酸基、及びカルボキシ基からなる群より選ばれる1以上を含有する、[1]~[5]のいずれか一項に記載の光導波路。
[7] 樹脂組成物が、除去液と混和可能な(D)溶剤を含む、[1]~[6]のずれか一項に記載の光導波路の製造方法。
[8] 除去液が、アルカリ水溶液である、[1]~[7]のいずれか一項に記載の光導波路の製造方法。
[9] 工程(I-3)の後に、第一樹脂組成物層に熱処理を施す工程(I-4)を含む、[1]~[8]のいずれか一項に記載の光導波路の製造方法。
[10] 前記製造方法が、工程(I-1)よりも前に、アンダークラッド層を形成する工程(II)を含み;
工程(II)が、
樹脂組成物を含む第二樹脂組成物層を形成する工程(II-1)と、
第二樹脂組成物層と除去液とを接触させて(B)成分を除去する工程(II-2)と、
をこの順で含み;
工程(I-1)が、アンダークラッド層上に第一樹脂組成物層を形成する、[1]~[9]のいずれか一項に記載の光導波路の製造方法。
[11] 前記製造方法が、工程(I-3)よりも後に、オーバークラッド層を形成する工程(III)を含み;
工程(III)が、
第一樹脂組成物層上に、樹脂組成物を含む第三樹脂組成物層を形成する工程(III-1)と、
第三樹脂組成物層と除去液とを接触させて(B)成分を除去する工程(III-2)と、
をこの順で含む、[1]~[10]のいずれか一項に記載の光導波路の製造方法。
[12] 測定波長653nmにおける第一部分の前記屈折率と第二部分の前記屈折率との差が、0.005以上である、[1]~[11]のいずれか一項に記載の光導波路の製造方法。
[13] (A)ラジカル反応性基を含有する樹脂、(B)前記ラジカル反応性基と反応して結合可能な化合物、及び、(C)光ラジカル発生剤を含む樹脂組成物であって、
(B)成分が、原子屈折4以上の原子を1種類以上含有し、
(B)成分の25℃における水溶液中での酸解離定数が、11以下である、樹脂組成物。
[14] (B)成分が、チオール基、フェノール性水酸基、及びカルボキシ基からなる群より選ばれる1以上を含有する、[13]に記載の樹脂組成物。
本発明によれば、製造後の露光による物性変化を抑制できる光導波路の製造方法を提供できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る製造方法の工程(II-1)を説明するための模式的な断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る製造方法の工程(II-2)を説明するための模式的な断面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る製造方法の工程(I-1)を説明するための模式的な断面図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る製造方法の工程(I-2)を説明するための模式的な断面図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る製造方法の工程(I-3)を説明するための模式的な断面図である。 図6は、本発明の一実施形態に係る製造方法の工程(III-1)を説明するための模式的な断面図である。 図7は、本発明の一実施形態に係る製造方法の工程(III-2)を説明するための模式的な断面図である。
以下、実施形態及び例示物を示して、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に挙げる実施形態及び例示物に限定されるものでは無く、特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、別に断らない限り、用語「(メタ)アクリル酸」はアクリル酸、メタクリル酸及びその組み合わせを包含し、用語「(メタ)アクリレート」はアクリレート、メタクリレート及びその組み合わせを包含する。
[光導波路の製造方法の概要]
本発明の一実施形態に係る光導波路の製造方法は、(A)ラジカル反応性基を含有する樹脂、(B)ラジカル反応性基と反応して結合可能な化合物、及び、(C)光ラジカル発生剤、を含む樹脂組成物を用いて、光導波路を製造する製造方法である。以下の説明では、「(A)ラジカル反応性基を含有する樹脂」を「(A)ベース樹脂」と呼ぶことがあり、「(B)ラジカル反応性基と反応して結合可能な化合物」を「(B)ペンダント化合物」と呼ぶことがある。
この光導波路の製造方法は、
樹脂組成物を含む第一樹脂組成物層を形成する工程(I-1)と;
第一樹脂組成物層の第一部分に露光して、(A)ベース樹脂と(B)ペンダント化合物とを反応させる工程(I-2)と;
第一樹脂組成物層と、(B)ペンダント化合物を溶解できる除去液とを接触させて、(B)ペンダント化合物を除去する工程(I-3)と;
をこの順で含む。
以下の説明では、工程(I-2)において露光される第一部分を「露光部分」、露光されていない第二部分を「非露光部分」ということがある。
工程(I-2)では、露光部分においては(A)ベース樹脂と(B)ペンダント化合物とが反応して、結合する。よって、(B)ペンダント化合物は、露光部分に不可逆的に固定される。しかし、非露光部分では、(B)ペンダント化合物は(A)ベース樹脂と反応しない。よって、非露光部分では、(B)ペンダント化合物は固定されず、遊離した状態を有する。工程(I-3)では、第一樹脂組成物層と除去液とを接触させて、(A)ベース樹脂と結合していない遊離の(B)ペンダント化合物を除去する。この工程(I-3)において遊離の(B)ペンダント化合物を除去された第一樹脂組成物層の露光部分には、(B)ペンダント化合物が(A)ベース樹脂と結合した状態で含まれる。しかし、非露光部分には、通常、(B)ペンダント化合物が含まれない。
前記の製造方法においては、(B)ペンダント化合物を含む第一部分としての露光部分の屈折率が、(B)ペンダント化合物を含まない非露光部分の屈折率よりも高くなるように、樹脂組成物の組成が調整されている。例えば、(B)ペンダント化合物として、除去液には溶解しない樹脂組成物中の成分の一部又は全部(例えば、(A)ベース樹脂)よりも高い屈折率を有する化合物を選択している。
したがって、光導波路に含まれる第一樹脂組成物層において、(B)ペンダント化合物を含む露光部分は相対的に高い屈折率を有するコアとして機能でき、(B)ペンダント化合物を含まない非露光部分は相対的に低い屈折率を有するクラッドとして機能できる。そして、コアに含まれる(B)ペンダント化合物は、(A)ベース樹脂と安定して結合しているので、光導波路の製造後に露光を受けても、コアに物性変化を生じさせない。また、クラッドは(B)ペンダント化合物を含まないので、当該クラッドには、(B)ペンダント化合物の反応による物性変化は生じない。よって、屈折率をはじめとする光導波路の諸物性が製造後に露光によって変化することを抑制できるので、高い信頼性を有する光導波路の製造が達成される。
なお、工程(I-3)では、遊離の(B)ペンダント化合物の全てが除去されない場合がありうる。この場合でも、光導波路の第一樹脂組成物層の露光部分は、非露光部分よりも多くの(B)ペンダント化合物を含むので、非露光部分よりも高い屈折率を有することができ、よってコアとして機能できる。また、工程(I-3)によって少なくとも一部の遊離の(B)ペンダント化合物が除去されるので、その遊離の(B)ペンダント化合物に起因した物性変化を低減することができるから、光導波路の諸物性が製造後に露光によって変化することを抑制することは可能である。
通常は、第一樹脂組成物層からは、コア及びサイドクラッド層を形成する。したがって、光導波路の製造方法は、アンダークラッド層を形成する工程(II)、及び、オーバークラッド層を形成する工程(III)を含んでいてもよい。アンダークラッド層を形成する工程(II)は、通常、工程(I-1)よりも前に行われる。また、オーバークラッド層を形成する工程(III)は、通常、工程(I-3)よりも後に行われる。
[(A)ベース樹脂]
本発明の一実施形態に係る光導波路の製造方法で用いる樹脂組成物は、(A)成分としての(A)ベース樹脂を含む。(A)ベース樹脂は、1分子中に通常1個以上、好ましくは2個以上のラジカル反応性基を含有する樹脂である。
ラジカル反応性基は、ラジカル反応性を有する基であり、通常は、非芳香族性の炭素-炭素不飽和結合を含有する。非芳香族性の炭素-炭素不飽和結合は、炭素-炭素二重結合でもよく、炭素-炭素三重結合でもよいが、炭素-炭素二重結合(即ち、エチレン性二重結合)が好ましい。ラジカル反応性基の好ましい例としては、ビニル基、アリル基、3-シクロヘキセニル基、3-シクロペンテニル基、p-ビニルフェニル基、m-ビニルフェニル基、o-ビニルフェニル基などの不飽和炭化水素基;アクリロイル基、メタクリロイル基、マレイミド基(2,5-ジヒドロ-2,5-ジオキソ-1H-ピロール-1-イル基)などの、α,β-不飽和カルボニル基;などが挙げられる。中でも、高いラジカル反応性を有することから、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基及びマレイミド基からなる群より選ばれるラジカル反応性基が好ましい。(A)ベース樹脂が含有するラジカル反応性基は、1種類でもよく、2種類以上でもよい。
(A)ベース樹脂をラジカル反応性基の種類で分類した場合、(A)ベース樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アリル系樹脂、マレイミド系樹脂などが挙げられる。中でも、マレイミド系樹脂が好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂は、通常1個以上、好ましくは2個以上のアクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を有する樹脂でありうる。(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、シクロヘキサン-1,4-ジメタノールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサン-1,3-ジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの低分子量(分子量1000未満)の脂肪族(メタ)アクリル酸エステル化合物;ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、3,6-ジオキサ-1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、3,6,9-トリオキサウンデカン-1,11-ジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、9,9-ビス[4-(2-アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートなどの低分子量(分子量1000未満)のエーテル含有(メタ)アクリル酸エステル化合物;トリス(3-ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレートなどの低分子量(分子量1000未満)のイソシアヌレート含有(メタ)アクリル酸エステル化合物;(メタ)アクリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂などの高分子量(分子量1000以上)のアクリル酸エステル化合物などが挙げられる。(メタ)アクリル系樹脂の市販品としては、例えば、新中村化学工業社製の「A-DOG」(ジオキサングリコールジアクリレート)、共栄社化学社製の「DCP-A」(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)、「DCP」(トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート)、日本化薬株式会社の「KAYARAD R-684」(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)、「KAYARAD R-604」(ジオキサングリコールジアクリレート)、SABICイノベーティブプラスチックス社製の「SA9000」、「SA9000-111」(メタクリル変性ポリフェニレンエーテル)などが挙げられる。
スチレン系樹脂は、芳香族炭素原子に直接結合した通常1個以上、好ましくは2個以上のビニル基を有する樹脂でありうる。スチレン系樹脂としては、例えば、ジビニルベンゼン、2,4-ジビニルトルエン、2,6-ジビニルナフタレン、1,4-ジビニルナフタレン、4,4’-ジビニルビフェニル、1,2-ビス(4-ビニルフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ビニルフェニル)プロパン、ビス(4-ビニルフェニル)エーテルなどの低分子量(分子量1000未満)のスチレン系化合物;ビニルベンジル変性ポリフェニレンエーテル樹脂、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体などの高分子量(分子量1000以上)のスチレン系化合物などが挙げられる。スチレン系樹脂の市販品としては、例えば、日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ODV-XET(X03)」、「ODV-XET(X04)」、「ODV-XET(X05)」(スチレン-ジビニルベンゼン共重合体)、三菱ガス化学社製の「OPE-2St 1200」、「OPE-2St 2200」(ビニルベンジル変性ポリフェニレンエーテル樹脂)が挙げられる。
アリル系樹脂は、通常1個以上、好ましくは2個以上のアリル基を有する樹脂でありうる。アリル系樹脂としては、例えば、ジフェン酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジアリル、2,3-ナフタレンカルボン酸ジアリルなどの芳香族カルボン酸アリルエステル化合物;1,3,5-トリアリルイソシアヌレート、1,3-ジアリル-5-グリシジルイソシアヌレートなどのイソシアヌル酸アリルエステル化合物;2,2-ビス[3-アリル-4-(グリシジルオキシ)フェニル]プロパンなどのエポキシ含有芳香族アリル化合物;ビス[3-アリル-4-(3,4-ジヒドロ-2H-1,3-ベンゾオキサジン-3-イル)フェニル]メタンなどのベンゾオキサジン含有芳香族アリル化合物;1,3,5-トリアリルエーテルベンゼンなどのエーテル含有芳香族アリル化合物;ジアリルジフェニルシランなどのアリルシラン化合物などが挙げられる。アリル系樹脂の市販品としては、例えば、日本化成社製の「TAIC」(1,3,5-トリアリルイソシアヌレート)、日触テクノファインケミカル社製の「DAD」(ジフェン酸ジアリル)、和光純薬工業社製の「TRIAM-705」(トリメリット酸トリアリル)、日本蒸留工業社製の商品名「DAND」(2,3-ナフタレンカルボン酸ジアリル)、四国化成工業社製「ALP-d」(ビス[3-アリル-4-(3,4-ジヒドロ-2H-1,3-ベンゾオキサジン-3-イル)フェニル]メタン)、日本化薬社製の「RE-810NM」(2,2-ビス[3-アリル-4-(グリシジルオキシ)フェニル]プロパン)、四国化成社製の「DA-MGIC」(1,3-ジアリル-5-グリシジルイソシアヌレート)などが挙げられる。
マレイミド系樹脂は、通常1個以上、好ましくは2個以上のマレイミド基を有する樹脂でありうる。マレイミド系樹脂は、脂肪族アミン骨格を含む脂肪族マレイミド化合物であってもよく、芳香族アミン骨格を含む芳香族マレイミド化合物であってもよい。マレイミド系樹脂の市販品としては、例えば、信越化学工業社製の「SLK-2600」、デザイナーモレキュールズ社製の「BMI-1500」、「BMI-1700」、「BMI-3000J」、「BMI-689」、「BMI-2500」(ダイマージアミン構造含有マレイミド化合物)、デザイナーモレキュールズ社製の「BMI-6100」(芳香族マレイミド化合物)、日本化薬社製の「MIR-5000-60T」、「MIR-3000-70MT」(ビフェニルアラルキル型マレイミド化合物)、ケイ・アイ化成社製の「BMI-70」、「BMI-80」、大和化成工業社製「BMI-2300」、「BMI-TMH」などが挙げられる。また、マレイミド系樹脂として、発明協会公開技報公技番号2020-500211号に開示されているマレイミド樹脂(インダン環骨格含有マレイミド化合物)を用いてもよい。
また、(A)ベース樹脂をその主骨格の種類で分類した場合、(A)ベース樹脂としては、例えば、アラルキル系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられる。
アラルキル系樹脂は、アリーレン-アルキレン基を含有する繰り返し単位を含む主骨格と、当該主骨格に結合した1又は2以上のラジカル反応性基とを含有する樹脂でありうる。アラルキル系樹脂としては、例えば、ビフェニルアラルキル型マレイミド樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、等が挙げられる。アラルキル系樹脂としては、例えば、特許第5854915号公報に記載の樹脂を用いてもよい。
ノルボルネン系樹脂は、ノルボルネン等の環状オレフィンが重合して形成される構造を有する繰り返し単位を含む主骨格と、当該主骨格に結合した1又は2以上のラジカル反応性基とを含有する樹脂でありうる。ノルボルネン系樹脂としては、例えば、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-n-プロピリデン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、5-エチリデン-6-メチル-2-ノルボルネン、8-エチリデン-9-メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン、5-ビニル-2-ノルボルネン、及び8-ビニル-9-メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセンからなる群より選ばれる1種類の環状オレフィンの単独重合体;前記群より選ばれる2種類以上の環状オレフィンの共重合体;並びに、前記群より選ばれる1種類以上の環状オレフィンと任意の単量体との共重合体;などが挙げられる。ノルボルネン系樹脂としては、例えば、特開2018-37525号公報に記載の樹脂を用いてもよい。
ポリイミド系樹脂は、ポリイミド骨格を含む主骨格と、その主骨格に結合した1又は2以上のラジカル反応性基とを含有する樹脂でありうる。ポリイミド系樹脂としては、例えば、ジアミン化合物と芳香族四塩基酸無水物とを反応させて得られたポリアミド酸をイミド化して得られたポリイミド骨格含有樹脂に、エチレン性二重結合を有する化合物を反応させた樹脂を用いうる。通常、ポリイミド骨格含有樹脂は水酸基を含有し、またジアミン化合物が過剰に用いられた場合には分子末端にアミノ基を含有しうる。よって、例えば、イソシアネート基を含有する(メタ)アクリレート化合物をポリイミド骨格含有樹脂に反応させることにより、ラジカル反応性基としてアクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を含有するポリイミド系樹脂が得られる。ポリイミド系樹脂としては、例えば、国際公開第2006/064867号に記載の樹脂を用いてもよい。
シリコーン系樹脂は、ポリシロキサン骨格を含む主骨格と、その主骨格に結合した1又は2以上のラジカル反応性基とを含有する樹脂でありうる。シリコーン系樹脂としては、例えば、エチレン性二重結合を含有する有機基としてのラジカル反応性基がシロキサン骨格に結合した構造を有するポリオルガノシロキサン樹脂が挙げられる。シリコーン系樹脂としては、例えば、特許第3993373号公報に記載の樹脂を用いてもよい。
(A)ベース樹脂は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
耐熱性に優れる光導波路を得る観点から、(A)ベース樹脂は、当該(A)ベース樹脂を硬化して得られる硬化樹脂のガラス転移温度が高いものが好ましい。一例においては、(A)ベース樹脂を200℃1時間の条件で硬化させて得られる硬化樹脂のガラス転移温度が高いものが好ましい。硬化樹脂のガラス転移温度は、好ましくは100℃以上、より好ましくは150℃以上、特に好ましくは200℃以上である。ガラス転移温度の上限は、特段の制限はないが、例えば、450℃以下などでありうる。ガラス転移温度は、DSC(示差走査熱量測定)により昇温速度10℃/分で測定しうる。
除去液による(B)ペンダント化合物の選択的な除去を円滑に行う観点では、反応前の(A)ベース樹脂が、工程(I-3)で用いる除去液に対する溶解性が低いことが好ましい。よって、(A)ベース樹脂は、除去液に対する溶解性が低い種類のものを選択して使用することが好ましい。例えば、(A)ベース樹脂として、25℃での除去液に対する溶解度等の溶解性指標値が、(B)ペンダント化合物より小さいものを用いることが好ましい。
(A)ベース樹脂の除去液に対する溶解速度は、(B)ペンダント化合物の除去液に対する溶解速度よりも遅いことが好ましい。例えば、除去液として2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液等のアルカリ水溶液を用いる場合、(A)ベース樹脂は、そのアルカリ水溶液に対するアルカリ溶解速度(ADR)が遅いことが好ましい。一例において、25℃における除去液(例えば、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)に対する(A)ベース樹脂の溶解速度の範囲は、好ましくは200Å/秒以下、より好ましくは100Å/秒以下、特に好ましくは50Å/秒以下である。下限は、特段の制限はなく、例えば、10Å/秒以上などでありうる。
除去液に対する(A)ベース樹脂の溶解速度は、下記の方法により測定できる。(A)ベース樹脂のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を調製し、シリコンウェハ上に2μm以上50μmm以下の範囲の3水準の膜厚でスピンコートし、110℃で60秒間乾燥して、樹脂膜を形成する。得られた樹脂膜に、シリコンウェハとの界面に達する傷を形成する。この傷が消えるまで2.38%水酸化テトラアルキルアンモニウム溶液に樹脂膜を浸漬し、浸漬を開始してから傷が消えるまでの秒数を記録する。縦軸に膜厚、横軸に秒数をとって結果をプロットする。前記のプロットに基づき、最小二乗法によって近似直線を計算する。この近似直線の傾きを、(A)ベース樹脂のアルカリ溶解速度(ADR)として得る。(A)ベース樹脂のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液の濃度は、25質量%以上70質量%に設定する。また、2.38%水酸化テトラアルキルアンモニウム溶液の温度は、22℃~24℃にする。
(A)ベース樹脂のラジカル反応性基当量は、好ましくは20g/eq.以上、より好ましくは50g/eq.以上、更に好ましくは70g/eq.以上、特に好ましくは90g/eq.以上であり、好ましくは3,000g/eq.以下、より好ましくは2,500g/eq.以下、更に好ましくは2,000g/eq.以下、特に好ましくは1,500g/eq.以下である。ラジカル反応性基当量は、ラジカル反応性基1当量あたりの樹脂の質量を表す。
(A)ベース樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは500以上、より好ましくは1,000以上、特に好ましくは2,000以上であり、好ましくは50,000以下、より好ましくは30,000以下、特に好ましくは20,000以下である。重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、ポリスチレン換算の値で測定できる。
樹脂組成物中の(A)ベース樹脂の量は、樹脂組成物100質量%に対して、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、特に好ましくは20質量%以上であり、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下、特に好ましくは50質量%以下である。
樹脂組成物中の(A)ベース樹脂の量は、樹脂組成物の不揮発成分100質量%に対して、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、特に好ましくは40質量%以上であり、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、特に好ましくは70質量%以下である。
[(B)ペンダント化合物]
本発明の一実施形態に係る光導波路の製造方法で用いる樹脂組成物は、(B)成分としての(B)ペンダント化合物を含む。(B)ペンダント化合物は、ラジカル反応性基と反応して結合可能な化合物である。(B)ペンダント化合物は、通常、(A)ベース樹脂が含有するラジカル反応性基とラジカル反応を生じて共有結合を形成することができる。
(B)ペンダント化合物は、(A)ベース樹脂が含有するラジカル反応性基との反応を達成する観点から、ラジカル反応性基を含有することが好ましい。通常、ラジカル反応性基は非芳香族性の炭素-炭素不飽和結合を含有するので、(B)ペンダント化合物は、非芳香族性の炭素-炭素不飽和結合を含有することが好ましい。非芳香族性の炭素-炭素不飽和結合は、炭素-炭素二重結合でもよく、炭素-炭素三重結合でもよいが、炭素-炭素二重結合(即ち、エチレン性二重結合)が好ましい。ラジカル反応性基の好ましい例としては、(A)ベース樹脂が含有しうるラジカル反応性基と同じ例が挙げられる。中でも、高いラジカル反応性を有することから、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基及びマレイミド基からなる群より選ばれるラジカル反応性基が好ましい。(B)ペンダント化合物が含有するラジカル反応性基は、1種類でもよく、2種類以上でもよい。
(B)ペンダント化合物は、光導波路の第一樹脂組成物層の露光部分の屈折率を非露光部分の屈折率よりも高くする観点から、高い屈折率を有することが好ましい。例えば、(B)ペンダント化合物は、(A)ベース樹脂よりも高い屈折率を有することが好ましい。
このように高い屈折率を得る観点から、(B)ペンダント化合物は、原子屈折4以上の原子を1種類以上含有することが好ましい。以下、「原子屈折4以上の原子」を「高屈折原子」ということがある。高屈折原子は、1種類を単独でもいてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。一般に、樹脂組成物に含まれる各成分は炭化水素基を含みうるところ、前記の高屈折原子は一般的な炭化水素基よりも高い屈折率を有する傾向がある。よって、高屈折原子を1種類以上含む(B)ペンダント化合物を採用する場合、第一樹脂組成物層の露光部分の屈折率を非露光部分の屈折率よりも効果的に高くできる。原子屈折は、化学便覧に記載の値を採用しうる。
高屈折原子としては、例えば、Cl(5.844)、Br(8.741)、I(13.954)、N(芳香族、4.243)、S(硫化物、7.921)、などが挙げられる。ここで、カッコ内の数字は、原子屈折又は分子屈折を表す。
(B)ペンダント化合物は、除去液に溶解できることが求められる。よって、(B)ペンダント化合物は、除去液の種類に応じて、当該除去液への溶解性を高める構造を含むことが好ましい。例えば、除去液としてアルカリ水溶液を用いる場合、(B)ペンダント化合物は、アルカリ水溶液への(B)ペンダント化合物の溶解性を高められる構造を含有することが好ましい。そのような構造としては、例えば、チオール基、フェノール性水酸基、及びカルボキシ基が挙げられる。よって、一例において、(B)ペンダント化合物は、チオール基、フェノール性水酸基、及びカルボキシ基からなる群より選ばれる1以上を含有することが好ましい。これらの基は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、フェノール性水酸基とは、芳香環に結合した水酸基を表す。
(B)ペンダント化合物としては、例えば、2,2’-ジアリル-4,4’-スルホニルジフェノール、トリス-[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトール テトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトール テトラキス(3-メルカプトブチレート)等が挙げられる。(B)ペンダント化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
例えば、除去液として2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液等のアルカリ水溶液を用いる場合、(B)ペンダント化合物の除去液への溶解性を高める観点から、(B)ペンダント化合物の25℃における水溶液中での酸解離定数は、特定の範囲にあることが好ましい。具体的には、(B)ペンダント化合物の25℃における水溶液中での酸解離定数は、好ましくは11以下、より好ましくは10以下、特に好ましくは9以下以上である。下限は、特段の制限はないが、4以上などでありうる。(B)ペンダント化合物が前記範囲の酸解離定数を有する場合、アルカリ水溶液に対する溶解性を高くできるので、アルカリ水溶液を除去液に用いて光導波路を円滑に製造できる。(B)ペンダント化合物の水溶液中での酸解離定数は、25℃における中和滴定により測定できる。
(B)ペンダント化合物のラジカル反応性基当量は、好ましくは20g/eq.以上、より好ましくは50g/eq.以上、更に好ましくは70g/eq.以上、特に好ましくは90g/eq.以上であり、好ましくは5,000g/eq.以下、より好ましくは4,000g/eq.以下、更に好ましくは3,000g/eq.以下、特に好ましくは2,000g/eq.以下である。
(B)ペンダント化合物の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは100以上、より好ましくは150以上、特に好ましくは200以上であり、好ましくは5,000以下、より好ましくは3,000以下、更に好ましくは2,000以下、特に好ましくは1,000以下である。
樹脂組成物中の(B)ペンダント化合物の量は、樹脂組成物100質量%に対して、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、特に好ましくは7質量%以上であり、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、特に好ましくは20質量%以下である。
樹脂組成物中の(B)ペンダント化合物の量は、樹脂組成物の不揮発成分100質量%に対して、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、特に好ましくは15質量%以上であり、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、特に好ましくは40質量%以下である。
樹脂組成物中の(B)ペンダント化合物の量は、樹脂組成物中の(A)ベース樹脂100質量%に対して、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、特に好ましくは15質量%以上であり、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、特に好ましくは40質量%以下である。
[(C)光ラジカル発生剤]
本発明の一実施形態に係る光導波路の製造方法で用いる樹脂組成物は、(C)成分としての(C)光ラジカル発生剤を含む。(C)光ラジカル発生剤は、活性光線の照射を受けてラジカルを生じることができる。
(C)光ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン等のベンゾフェノン系化合物;2,2’-ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン系化合物;チオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル-β-メトキシエチルアセタール等のベンジル系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン系化合物;1-フェニル-1,2-ブタンジオン-2-(o-メトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-メトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-ベンゾイル)オキシム、1,3-ジフェニルプロパントリオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-3-エトキシプロパントリオン-2-(o-ベンゾイル)オキシム等のオキシム系化合物;N-フェニルグリシン等のN-アリールグリシン系化合物;ベンゾイルパークロライド等の過酸化物系化合物;芳香族ビイミダゾール系化合物;チタノセン系化合物;α-(n-オクタンスルフォニルオキシイミノ)-4-メトキシベンジルシアニド;等が挙げられる。中でも、光感度の観点で、オキシム系化合物が好ましい。(C)光ラジカル発生剤としては、市販品を用いてもよい。市販の(C)光ラジカル発生剤としては、例えば、BASF社製の「Irgacure-OXE02」、「Irgacure-OXE04」等が挙げられる。
(C)光ラジカル発生剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物中の(C)光ラジカル発生剤の量は、樹脂組成物100質量%に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、特に好ましくは1質量%以上であり、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。
樹脂組成物中の(C)光ラジカル発生剤の量は、樹脂組成物の不揮発成分100質量%に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、特に好ましくは1質量%以上であり、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。
樹脂組成物中の(C)光ラジカル発生剤の量は、樹脂組成物中の(A)ベース樹脂100質量%に対して、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、特に好ましくは3質量%以上であり、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、特に好ましくは6質量%以下である。
[(D)混和性溶剤]
本発明の一実施形態に係る光導波路の製造方法で用いる樹脂組成物は、任意の成分として、除去液と混和可能な(D)溶剤を含むことが好ましい。この(D)成分としての(D)溶剤を、以下「(D)混和性溶剤」ということがある。(D)混和性溶剤を含む樹脂組成物によって樹脂組成物層を形成した場合、その樹脂組成物層は、(D)混和性溶剤を含みうる。樹脂組成物層を乾燥させた場合であっても、通常は(D)混和性溶剤の一部は樹脂組成物層に残留するので、乾燥後の樹脂組成物層であっても(D)混和性溶剤を含みうる。このように(D)混和性溶剤を含む樹脂組成物層には、(D)混和性溶剤との混和によって除去液が容易に浸透できる。よって、第一樹脂組成物層、並びに、後述する第二樹脂組成物層及び第三樹脂組成物層等の樹脂組成物層と除去液とが接触した場合に、除去液が樹脂組成物層の内部に円滑に浸透できるので、当該樹脂組成物中の(B)ペンダント化合物を効果的に除去できる。
(D)混和性溶剤の種類は、除去液の種類に応じて選択しうる。例えば、除去液としてアルカリ水溶液等の水溶液を用いる場合、(D)混和性溶剤としては、親水性溶剤が好ましい。親水性溶剤は、20℃において、水に対して、通常10%以上、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上の溶解度を有する。好ましい親水性溶剤の例としては、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、γ-ブチロラクトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。(D)混和性溶剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物中の(D)混和性溶剤の量は、樹脂組成物100質量%に対して、0質量%でもよく、0質量%より多くてもよく、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、特に好ましくは25質量%以上であり、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、特に好ましくは40質量%以下である。
[(E)熱硬化性樹脂]
本発明の一実施形態に係る光導波路の製造方法で用いる樹脂組成物は、任意の成分として、(E)熱硬化性樹脂を含んでいてもよい。(E)熱硬化性樹脂には、(A)~(D)成分に該当する化合物は含めない。よって、(E)熱硬化性樹脂は、ラジカル反応性基を含有しない。(E)成分としての(E)熱硬化性樹脂は、熱によって反応して結合を生じ、樹脂組成物を硬化させることができる。通常、(A)ベース樹脂は熱によって反応して樹脂組成物を硬化させうるが、(A)ベース樹脂に組み合わせて(E)熱硬化性樹脂を用いる場合、樹脂組成物の硬化を更に進行させて、耐熱性及び機械的強度に優れる光導波路を得ることができる。
(E)熱硬化性樹脂としては、(A)ベース樹脂と反応して結合を形成できる樹脂を用いてもよく、(E)熱硬化性樹脂同士で反応して結合を形成できる樹脂を用いてもよい。(E)熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール系樹脂、活性エステル系樹脂、アミン系樹脂、酸無水物系樹脂、ベンゾオキサジン系樹脂、シアネートエステル系樹脂、カルボジイミド系樹脂などが挙げられる。(B)熱硬化性樹脂は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(E)熱硬化性樹脂は、工程(I-3)で用いる除去液に対する溶解性が低いことが好ましい。よって、(E)熱硬化性樹脂は、除去液に対する溶解性が低い種類のものを選択して使用することが好ましい。例えば、(E)熱硬化性樹脂として、25℃での除去液に対する溶解度等の溶解性指標値が、(B)ペンダント化合物より小さいものを用いることが好ましい。したがって、例えば、除去液として2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液等のアルカリ水溶液を用いる場合、(E)熱硬化性樹脂は、そのアルカリ水溶液に対するアルカリ溶解速度(ADR)が小さいことが好ましい。一例において、25℃における除去液(例えば、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)に対する(E)熱硬化性樹脂の溶解速度の範囲は、25℃における除去液(例えば、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)に対する(A)ベース樹脂の溶解速度の範囲と同じでありうる。(E)熱硬化性樹脂の溶解速度は、(A)ベース樹脂の溶解速度と同じ方法で測定できる。
(E)熱硬化性樹脂の活性基当量は、好ましくは50g/eq.~5000g/eq.、より好ましくは50g/eq.~3000g/eq.、さらに好ましくは80g/eq.~2000g/eq.、さらにより好ましくは110g/eq.~1000g/eq.である。活性基とは、熱によって反応しうる基を表し、(E)熱硬化性樹脂の種類によって異なりうる。また、活性基当量とは、1当量の活性基を含む樹脂の質量を表す。
(E)熱硬化性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは100~5000、より好ましくは250~3000、さらに好ましくは400~1500である。
樹脂組成物中の(E)熱硬化性樹脂の量は、樹脂組成物100質量%に対して、0質量%でもよく、0質量%より多くてもよく、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、特に好ましくは5質量%以上であり、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、特に好ましくは10質量%以下である。
樹脂組成物中の(E)熱硬化性樹脂の量は、樹脂組成物の不揮発成分100質量%に対して、0質量%でもよく、0質量%より多くてもよく、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、特に好ましくは10質量%以上であり、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、特に好ましくは20質量%以下である。
樹脂組成物中の(E)熱硬化性樹脂の量は、樹脂組成物中の(A)ベース樹脂100質量%に対して、0質量%でもよく、0質量%より多くてもよく、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、特に好ましくは20質量%以上であり、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下、特に好ましくは40質量%以下である。
[(F)熱硬化促進剤]
本発明の一実施形態に係る光導波路の製造方法で用いる樹脂組成物は、任意の成分として、(F)熱硬化促進剤を含んでいてもよい。(F)熱硬化促進剤には、(A)~(E)成分に該当する化合物は含めない。(A)ベース樹脂及び(E)熱硬化性樹脂は、熱によって反応して結合を生じ、樹脂組成物を硬化させることがありうる。(F)熱硬化促進剤は、例えば触媒又は熱ラジカル発生剤として機能することにより、前記の(A)ベース樹脂及び(E)熱硬化性樹脂の反応を促進して、樹脂組成物の熱硬化を促進させることができる。
(F)熱硬化促進剤としては、例えば、リン系熱硬化促進剤、ウレア系熱硬化促進剤、グアニジン系熱硬化促進剤、イミダゾール系熱硬化促進剤、金属系熱硬化促進剤、アミン系熱硬化促進剤などが挙げられる。中でも、イミダゾール系熱硬化促進剤が好ましい。また、(F)熱硬化促進剤として、熱ラジカル発生剤を用いてもよい。(F)熱硬化促進剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
リン系熱硬化促進剤としては、例えば、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムデカノエート、テトラブチルホスホニウムラウレート、ビス(テトラブチルホスホニウム)ピロメリテート、テトラブチルホスホニウムハイドロジェンヘキサヒドロフタレート、テトラブチルホスホニウム2,6-ビス[(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)メチル]-4-メチルフェノラート、ジ-tert-ブチルジメチルホスホニウムテトラフェニルボレートなどの脂肪族ホスホニウム塩;メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、プロピルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、p-トリルトリフェニルホスホニウムテトラ-p-トリルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラp-トリルボレート、トリフェニルエチルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリス(3-メチルフェニル)エチルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリス(2-メトキシフェニル)エチルホスホニウムテトラフェニルボレート、(4-メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネートなどの芳香族ホスホニウム塩;トリフェニルホスフィン・トリフェニルボランなどの芳香族ホスフィン・ボラン複合体;トリフェニルホスフィン・p-ベンゾキノン付加反応物などの芳香族ホスフィン・キノン付加反応物;トリブチルホスフィン、トリ-tert-ブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、ジ-tert-ブチル(2-ブテニル)ホスフィン、ジ-tert-ブチル(3-メチル-2-ブテニル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンなどの脂肪族ホスフィン;ジブチルフェニルホスフィン、ジ-tert-ブチルフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ-o-トリルホスフィン、トリ-m-トリルホスフィン、トリ-p-トリルホスフィン、トリス(4-エチルフェニル)ホスフィン、トリス(4-プロピルフェニル)ホスフィン、トリス(4-イソプロピルフェニル)ホスフィン、トリス(4-ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(4-tert-ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,5-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,6-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6-トリメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,6-ジメチル-4-エトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2-メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-エトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-tert-ブトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニル-2-ピリジルホスフィン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)アセチレン、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)ジフェニルエーテルなどの芳香族ホスフィンなどが挙げられる。
ウレア系熱硬化促進剤としては、例えば、1,1-ジメチル尿素;1,1,3-トリメチル尿素、3-エチル-1,1-ジメチル尿素、3-シクロヘキシル-1,1-ジメチル尿素、3-シクロオクチル-1,1-ジメチル尿素などの脂肪族ジメチルウレア;3-フェニル-1,1-ジメチル尿素、3-(4-クロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(2-メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(3,4-ジメチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-イソプロピルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-メトキシフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-ニトロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-[4-(4-メトキシフェノキシ)フェニル]-1,1-ジメチル尿素、3-[4-(4-クロロフェノキシ)フェニル]-1,1-ジメチル尿素、3-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,1-ジメチル尿素、N,N-(1,4-フェニレン)ビス(N’,N’-ジメチル尿素)、N,N-(4-メチル-1,3-フェニレン)ビス(N’,N’-ジメチル尿素)〔トルエンビスジメチルウレア〕などの芳香族ジメチルウレアなどが挙げられる。
グアニジン系熱硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、1-メチルグアニジン、1-エチルグアニジン、1-シクロヘキシルグアニジン、1-フェニルグアニジン、1-(o-トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、1-メチルビグアニド、1-エチルビグアニド、1-n-ブチルビグアニド、1-n-オクタデシルビグアニド、1,1-ジメチルビグアニド、1,1-ジエチルビグアニド、1-シクロヘキシルビグアニド、1-アリルビグアニド、1-フェニルビグアニド、1-(o-トリル)ビグアニドなどが挙げられる。
イミダゾール系熱硬化促進剤としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリンなどのイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられる。イミダゾール系熱硬化促進剤の市販品としては、例えば、四国化成工業社製の「1B2PZ」、「2E4MZ」、「2MZA-PW」、「2MZ-OK」、「2MA-OK」、「2MA-OK-PW」、「2PHZ」、「2PHZ-PW」、「Cl1Z」、「Cl1Z-CN」、「Cl1Z-CNS」、「C11Z-A」;三菱ケミカル社製の「P200-H50」などが挙げられる。
金属系熱硬化促進剤としては、例えば、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズなどの金属の、有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナートなどの有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナートなどの有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナートなどの有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナートなどの有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナートなどの有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナートなどの有機マンガン錯体などが挙げられる。有機金属塩としては、例えば、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。
アミン系熱硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのトリアルキルアミン、4-ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセンなどが挙げられる。アミン系熱硬化促進剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、味の素ファインテクノ社製の「MY-25」などが挙げられる。
熱ラジカル発生剤としては、例えば、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t-へキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート等のジアルキルパーオキサイド類;ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルトルイルパーオキサイド、トルイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;過酢酸t-ブチル、t-ブチルパーオキシオクトエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート等の過酸エステル類;ケトンパーオキサイド類;パーオキシカーボネート類;1,1-ジ(t-アミルパーオキシ)シクロヘキサン等のパーオキシケタール類;2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾニトリル化合物;2,2’-アゾビス{2-メチル-N-[1,1-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}等のアゾアミド化合物;2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩等のアゾアミジン化合物;2,2’-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)、4,4’-アゾビス(4-シアノペンタン酸)等のアゾアルカン化合物;2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミドオキシム)等のオキシム骨格を有するアゾ化合物;2,2’-アゾビス(イソ酪酸)ジメチル等のアゾ系化合物、等が挙げられる。
(F)熱硬化促進剤は、工程(I-3)で用いる除去液に対する溶解性が低いことが好ましい。よって、(F)熱硬化促進剤は、除去液に対する溶解性が低い種類のものを選択して使用することが好ましい。例えば、(F)熱硬化促進剤として、25℃での除去液に対する溶解度等の溶解性指標値が、(B)ペンダント化合物より小さいものを用いることが好ましい。したがって、例えば、除去液として2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液等のアルカリ水溶液を用いる場合、(F)熱硬化促進剤は、そのアルカリ水溶液に対するアルカリ溶解速度(ADR)が小さいことが好ましい。一例において、25℃における除去液(例えば、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)に対する(F)熱硬化促進剤の溶解速度の範囲は、25℃における除去液(例えば、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)に対する(A)ベース樹脂の溶解速度の範囲と同じでありうる。(F)熱硬化促進剤の溶解速度は、(A)ベース樹脂の溶解速度と同じ方法で測定できる。
樹脂組成物中の(F)熱硬化促進剤の量は、樹脂組成物100質量%に対して、0質量%でもよく、0質量%より多くてもよく、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、特に好ましくは0.02質量%以上であり、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下である。
樹脂組成物中の(F)熱硬化促進剤の量は、樹脂組成物の不揮発成分100質量%に対して、0質量%でもよく、0質量%より多くてもよく、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、特に好ましくは0.03質量%以上であり、好ましくは4質量%以下、より好ましくは2質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。
樹脂組成物中の(F)熱硬化促進剤の量は、樹脂組成物中の(A)ベース樹脂100質量%に対して、0質量%でもよく、0質量%より多くてもよく、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、特に好ましくは0.1質量%以上であり、好ましくは6質量%以下、より好ましくは4質量%以下、特に好ましくは2質量%以下である。
[(G)熱可塑性樹脂]
本発明の一実施形態に係る光導波路の製造方法で用いる樹脂組成物は、任意の成分として、(G)熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。(G)熱可塑性樹脂には、(A)~(F)成分に該当する化合物は含めない。(G)熱可塑性樹脂を用いる場合、樹脂組成物の成膜性を高めることができる。
(G)熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、及びトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される1種類以上の骨格を有するフェノキシ樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂の末端は、フェノール性水酸基、エポキシ基などのいずれの官能基でもよい。
フェノキシ樹脂の具体例としては、三菱ケミカル社製の「1256」及び「4250」(いずれもビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「FX280」及び「FX293」;三菱ケミカル社製の「YL7500BH30」、「YX6954BH30」、「YX7553」、「YX7553BH30」、「YL7769BH30」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」、「YL7482」及び「YL7891BH30」;などが挙げられる。
ポリイミド樹脂の具体例としては、信越化学工業社製「SLK-6100」、新日本理化社製の「リカコートSN20」及び「リカコートPN20」などが挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂としては、例えば、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が挙げられ、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、電気化学工業社製の「電化ブチラール4000-2」、「電化ブチラール5000-A」、「電化ブチラール6000-C」、「電化ブチラール6000-EP」;積水化学工業社製のエスレックBHシリーズ、BXシリーズ(例えばBX-5Z)、KSシリーズ(例えばKS-1)、BLシリーズ、BMシリーズ;などが挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸メチル共重合体などのエチレン系共重合樹脂;ポリプロピレン、エチレン-プロピレンブロック共重合体などのポリオレフィン系重合体などが挙げられる。
ポリブタジエン樹脂としては、例えば、水素化ポリブタジエン骨格含有樹脂、ヒドロキシ基含有ポリブタジエン樹脂、フェノール性水酸基含有ポリブタジエン樹脂、カルボキシ基含有ポリブタジエン樹脂、酸無水物基含有ポリブタジエン樹脂、エポキシ基含有ポリブタジエン樹脂、イソシアネート基含有ポリブタジエン樹脂、ウレタン基含有ポリブタジエン樹脂、ポリフェニレンエーテル-ポリブタジエン樹脂などが挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂の具体例としては、東洋紡社製の「バイロマックスHR11NN」及び「バイロマックスHR16NN」が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂の具体例としてはまた、日立化成社製の「KS9100」、「KS9300」(ポリシロキサン骨格含有ポリアミドイミド)などの変性ポリアミドイミドが挙げられる。
ポリエーテルスルホン樹脂の具体例としては、住友化学社製の「PES5003P」などが挙げられる。
ポリスルホン樹脂の具体例としては、ソルベイアドバンストポリマーズ社製のポリスルホン「P1700」、「P3500」などが挙げられる。
ポリフェニレンエーテル樹脂の具体例としては、SABIC製「NORYL SA90」などが挙げられる。ポリエーテルイミド樹脂の具体例としては、GE社製の「ウルテム」などが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂としては、例えば、ヒドロキシ基含有カーボネート樹脂、フェノール性水酸基含有カーボネート樹脂、カルボキシ基含有カーボネート樹脂、酸無水物基含有カーボネート樹脂、イソシアネート基含有カーボネート樹脂、ウレタン基含有カーボネート樹脂などが挙げられる。ポリカーボネート樹脂の具体例としては、三菱瓦斯化学社製の「FPC0220」、旭化成ケミカルズ社製の「T6002」、「T6001」(ポリカーボネートジオール)、クラレ社製の「C-1090」、「C-2090」、「C-3090」(ポリカーボネートジオール)などが挙げられる。ポリエーテルエーテルケトン樹脂の具体例としては、住友化学社製の「スミプロイK」などが挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンナフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンジメチルテレフタレート樹脂などが挙げられる。
(G)熱可塑性樹脂は、1種類単独で用いてもよく、又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(G)熱可塑性樹脂は、工程(I-3)で用いる除去液に対する溶解性が低いことが好ましい。よって、(G)熱可塑性樹脂は、除去液に対する溶解性が低い種類のものを選択して使用することが好ましい。例えば、(G)熱可塑性樹脂として、25℃での除去液に対する溶解度等の溶解性指標値が、(B)ペンダント化合物より小さいものを用いることが好ましい。したがって、例えば、除去液として2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液等のアルカリ水溶液を用いる場合、(G)熱可塑性樹脂は、そのアルカリ水溶液に対するアルカリ溶解速度(ADR)が小さいことが好ましい。一例において、25℃における除去液(例えば、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)に対する(G)熱可塑性樹脂の溶解速度の範囲は、25℃における除去液(例えば、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)に対する(A)ベース樹脂の溶解速度の範囲と同じでありうる。(G)熱可塑性樹脂の溶解速度は、(A)ベース樹脂の溶解速度と同じ方法で測定できる。
(G)熱可塑性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5,000より大きく、より好ましくは8,000以上、さらに好ましくは10,000以上、特に好ましくは20,000以上であり、好ましくは100,000以下、より好ましくは70,000以下、さらに好ましくは60,000以下、特に好ましくは50,000以下である。
樹脂組成物中の(G)熱可塑性樹脂の量は、樹脂組成物100質量%に対して、0質量%でもよく、0質量%より多くてもよく、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。
樹脂組成物中の(G)熱可塑性樹脂の量は、樹脂組成物の不揮発成分100質量%に対して、0質量%でもよく、0質量%より多くてもよく、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは2質量%以下である。
樹脂組成物中の(G)熱可塑性樹脂の量は、樹脂組成物中の(A)ベース樹脂100質量%に対して、0質量%でもよく、0質量%より多くてもよく、好ましくは20量%以下、より好ましくは10質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。
[(H)任意の添加剤]
樹脂組成物は、上述した(A)~(G)成分に組み合わせて、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、更に任意の成分として(H)任意の添加剤を含んでいてもよい。この(H)任意の添加剤には、上述した(A)成分~(G)成分に該当するものは含めない。
(H)任意の添加剤の例としては、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、老化防止剤、抗菌剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、密着性付与剤、チキソ性付与剤、離型剤、表面処理剤、分散剤、表面改質剤、安定剤、などが挙げられる。(H)任意の添加剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(H)任意の添加剤は、無機粒子を含んでいてもよい。例えば、金属酸化物のナノ粒子を含む場合、樹脂組成物の屈折率を高めることができる。ただし、光導波路の伝送損失を効果的に抑制する観点では、樹脂組成物が含む無機粒子の量は少ないことが好ましい。具体的には、樹脂組成物の不揮発成分100質量%に対して、無機粒子の量の範囲は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下であり、理想的には0質量%である。よって、樹脂組成物は、無機粒子を含まないことが好ましい。
[硬化した樹脂組成物の物性]
光導波路は、上述した樹脂組成物によって形成される。光導波路において、樹脂組成物は、通常、流動性の無い硬化状態となっている。以下、硬化状態の樹脂組成物を「硬化物」ということがある。樹脂組成物は、例えば、乾燥によって液体成分を失って硬化物となることがありえるが、樹脂組成物中の一部又は全部の成分が反応して硬化物となることもありえる。通常は、樹脂組成物に含まれる成分のうち、(D)混和性溶剤等の溶剤は、揮発成分であるので、硬化時の熱によって揮発しうるが、それ以外の不揮発成分は、硬化時の熱によっては揮発しない。よって、樹脂組成物の硬化物は、樹脂組成物の不揮発成分又はその反応生成物を含みうる。
樹脂組成物に露光して(A)ベース樹脂と(B)ペンダント化合物とを反応させた後で除去液と接触させることを経て得られる硬化物を、以下「露光硬化物」ということがある。この露光硬化物は、(B)ペンダント化合物が(A)ベース樹脂に結合して当該露光硬化物中に相対的に多い量で残ることができるので、相対的に高い屈折率を有しうる。他方、(A)ベース樹脂と(B)ペンダント化合物とを反応させることなく樹脂組成物と除去液と接触させることを経て得られる硬化物を、以下「非露光硬化物」ということがある。この非露光硬化物は、通常は(B)ペンダント化合物を含まない。また、非露光硬化物は、仮に(B)ペンダント化合物を含む場合でも、(B)ペンダント化合物の含有量は少ない。よって、非露光硬化物は、相対的に低い屈折率を有しうる。したがって、露光硬化物は、光導波路のコアの材料として用いることができ、非露光硬化物は、光導波路のクラッドの材料として用いることができる。
樹脂組成物の露光硬化物の屈折率は、通常、当該樹脂組成物の非露光硬化物の屈折率よりも、高い。一例において、露光硬化物の屈折率と非露光硬化物の屈折率との差の範囲は、測定波長653nmにおいて、好ましくは0.0001以上、より好ましくは0.001以上、特に好ましくは0.01以上である。上限は、特段の制限はなく、例えば、0.2以下、0.1以下、0.08以下、などでありうる。
一例において、露光硬化物の具体的な屈折率は、測定波長653nmにおいて、好ましくは1.40以上、より好ましくは1.5以上、特に好ましくは1.6以上である。上限は、特段の制限はないが、例えば、1.8以下、1.7以下などでありうる。
屈折率は、後述する実施例の(屈折率の測定)に記載の方法によって、測定波長653nmで測定できる。また、樹脂組成物から測定サンプルとしての露光硬化物を製造する場合、後述する実施例の(露光サンプルの製造)に記載の方法で露光硬化物を製造しうる。さらに、樹脂組成物から測定サンプルとしての非露光硬化物を製造する場合、後述する実施例の(非露光サンプルの製造)に記載の方法で非露光硬化物を製造しうる。
露光硬化物及び非露光硬化物といった樹脂組成物の硬化物が露光を受けた場合、好ましくは当該硬化物の屈折率の変化は小さく、より好ましくは当該硬化物の屈折率は変化しない。また、露光硬化物及び非露光硬化物といった樹脂組成物の硬化物が加熱された場合、好ましくは当該硬化物の屈折率の変化は小さく、より好ましくは当該硬化物の屈折率は変化しない。通常、硬化物中には未反応の(B)ペンダント化合物が含まれないので、露光又は熱によっては(A)ベース樹脂と(B)ペンダント化合物との反応が生じないので、当該反応による屈折率変化は生じない。また、仮に硬化物中に未反応の(B)ペンダント化合物が含まれた場合であっても、除去液と接触により、(B)ペンダント化合物の量は少なくなっているから、(A)ベース樹脂と(B)ペンダント化合物との反応による屈折率変化は十分に小さい。したがって、樹脂組成物の硬化物は、通常、光を照射させる露光試験による屈折率の変化は抑制される。また、樹脂組成物の硬化物は、通常、リフロー試験等の加熱試験による屈折率の変化は抑制される。よって、露光硬化物と非露光硬化物との間の屈折率差の露光及び熱による変化を抑制できるから、長期信頼性に優れる光導波路の実現が可能である。
[樹脂シート]
上述した樹脂組成物は、樹脂シートとして用いてもよい。樹脂シートは、樹脂組成物を含む樹脂組成物層を備える。樹脂シートによれば、第一樹脂組成物層、並びに、後述する第二樹脂組成物層及び第三樹脂組成物層を円滑に形成できる。
樹脂シートの樹脂組成物層は、通常は樹脂組成物を含み、好ましくは樹脂組成物のみを含む。樹脂シートの樹脂組成物層の厚みは、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは3μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、特に好ましくは20μm以下である。
樹脂シートは、支持体を備えていてもよい。支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、トリアセチルアセテートフィルム等が挙げられ、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。市販の支持体としては、例えば、王子製紙社製の製品名「アルファンMA-410」、「E-200C」、信越フィルム社製等のポリプロピレンフィルム、帝人社製の製品名「PS-25」等のPSシリーズなどのポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられる。ラミネート後の支持体の剥離を容易にするため、支持体の表面には、アルキッド系離型剤、シリコーンコート剤等の剥離剤が塗布されていてもよい。支持体の厚さは、5μm~100μmの範囲であることが好ましく、10μm~50μmの範囲であることがより好ましい。
樹脂シートは、樹脂組成物層を保護する保護フィルムを備えていてもよい。通常、保護フィルムは、樹脂組成物層の支持体とは反対側に設けられる。保護フィルムとしては、例えば、支持体と同様の材料により形成されたフィルムを用いうる。保護フィルムと樹脂組成物層との接着力は、支持体と樹脂組成物層との接着力よりも小さいことが好ましい。通常、樹脂シートは、保護フィルムを剥離した後で使用される。
樹脂シートは、例えば、樹脂組成物を支持体上に塗布して製造できる。塗布を円滑に行う観点から、溶剤を含むワニス状の樹脂組成物を用意し、そのワニス状の樹脂組成物を塗布してもよい。溶剤を含む樹脂組成物を塗布した場合、必要に応じて、塗布の後に乾燥を行ってよい。樹脂組成物層は、溶剤を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。一例において、樹脂組成物層に含まれる溶剤の量の範囲は、樹脂組成物層の総量100質量%に対して、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましい。
[工程(II):アンダークラッド層の形成]
本発明の一実施形態に係る光導波路の製造方法は、アンダークラッド層を形成する工程(II)を含みうる。アンダークラッド層の形成方法に制限はない。例えば、工程(II)は、(B)ペンダント化合物を含まないこと以外は上述した樹脂組成物と同じ組成を有するアンダークラッド層用の材料組成物の層を形成し、硬化させて、アンダークラッド層を形成することを含んでいてもよい。
アンダークラッド層の屈折率等の物性と、第一樹脂組成物層に形成されるサイドクラッド層の屈折率等の物性との差を特に小さくする観点では、工程(II)は、
上述した樹脂組成物を含む第二樹脂組成物層を形成する工程(II-1)と、
第二樹脂組成物層を除去液と接触させて(B)ペンダント化合物を除去する工程(II-2)と、
をこの順で含むことが好ましい。この工程(II)によれば、(B)ペンダント化合物を含まない第二樹脂組成物層によってアンダークラッド層を形成できる。以下、この方法について、図面を示して説明する。
-工程(II-1)-
図1は、本発明の一実施形態に係る製造方法の工程(II-1)を説明するための模式的な断面図である。図1に示すように、アンダークラッド層を形成する工程(II)は、第二樹脂組成物層20を形成する工程(II-1)を含みうる。この工程(II-1)では、通常、基材10上に第二樹脂組成物層20を形成する。形成される第二樹脂組成物層20は、通常は樹脂組成物を含み、好ましくは樹脂組成物のみを含む。
基材10としては、例えば、ガラス基板、金属基板、セラミックス基板、ウエハ、回路基板等の硬質の基板を用いうる。ウエハとしては、例えば、シリコンウエハ、ガリウムヒ素(GaAs)ウエハ、インジウムリン(InP)ウエハ、ガリウムリン(GaP)ウエハ、ガリウムナイトライド(GaN)ウエハ、ガリウムテルル(GaTe)ウエハ、亜鉛セレン(ZnSe)ウエハ、シリコンカーバイド(SiC)ウエハ等の半導体ウエハを用いてもよく、疑似ウエハを用いてもよい。疑似ウエハとしては、例えば、モールド樹脂と、そのモールド樹脂に埋め込まれた電子部品とを備える板状部材を用いうる。回路基板としては、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等が挙げられる。なお、ここで回路基板とは、上記のような基板の片面又は両面にパターン加工された導体層(回路)が形成された基板をいう。さらに、基材10としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエステル等のプラスチック材料で形成されたフィルムを用いてもよい。さらに、フレキシブル回路基板を基材10として採用してもよい。
第二樹脂組成物層20の形成方法に特に制限は無い。例えば、樹脂組成物を基材10上に塗布することにより、第二樹脂組成物層20を形成してもよい。塗布を円滑に行う観点から、ワニス状の樹脂組成物を用いることが好ましく、例えば、(D)混和性溶剤等の溶剤を含むワニス状の樹脂組成物を用いることが好ましい。
塗布方式としては、例えば、グラビアコート方式、マイクログラビアコート方式、リバースコート方式、キスリバースコート方式、ダイコート方式、スロットダイ方式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレードコート方式、ロールコート方式、ナイフコート方式、カーテンコート方式、チャンバーグラビアコート方式、スロットオリフィス方式、スピンコート方式、スリットコート方式、スプレーコート方式、ディップコート方式、ホットメルトコート方式、バーコート方式、アプリケーター方式、エアナイフコート方式、カーテンフローコート方式、オフセット印刷方式、刷毛塗り方式、スクリーン印刷方式などが挙げられる。
樹脂組成物は、1回で塗布してもよく、複数回に分けて塗布してもよい。また、異なる塗布方式を組み合わせて実施してもよい。異物混入を避けるために、塗布は、クリーンルーム等の異物発生の少ない環境で実施することが好ましい。
樹脂組成物の塗布の後、必要に応じて、第二樹脂組成物層20の乾燥を行ってもよい。乾燥は、熱風炉、遠赤外線炉、ホットプレート等の乾燥装置によって行いうる。乾燥条件は、樹脂組成物の組成に応じて適切に設定することが好ましい。具体例を挙げると、乾燥温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは70℃以上、特に好ましくは80℃以上であり、好ましくは150℃以下、より好ましくは130℃以下、特に好ましくは120℃以下である。また、乾燥時間は、好ましくは30秒以上、より好ましくは60秒以上、特に好ましくは120秒以上であり、好ましくは60分以下、より好ましくは20分以下、特に好ましくは5分以下である。
第二樹脂組成物層20の形成は、例えば、樹脂シートを用いて行ってもよい。具体例を挙げると、樹脂シートの樹脂組成物層を基材10にラミネートすることにより、基材10上に第二樹脂組成物層20を形成できる。ラミネートは、通常、樹脂シートの樹脂組成物層を加熱しながら基材10に圧着することによって行われる。このラミネートは、真空ラミネート法により、減圧下で行うことが好ましい。また、ラミネートの前に、必要に応じて、樹脂シート及び基材を加熱するプレヒート処理を行ってもよい。
ラミネートの条件は、例えば、圧着温度(ラミネート温度)70℃~140℃、圧着圧力1kgf/cm~11kgf/cm(9.8×10N/m~107.9×10N/m)、圧着時間5秒間~300秒間の条件で行うことができる。また、ラミネートは、空気圧を20mmHg(26.7hPa)以下とした減圧下で行うことが好ましい。ラミネートは、バッチ式で行ってもよく、ロールを用いて連続式で行ってもよい。
真空ラミネート法は、市販の真空ラミネーターを使用して行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、ニッコー・マテリアルズ社製バキュームアップリケーター、名機製作所社製真空加圧式ラミネーター、日立インダストリイズ社製ロール式ドライコータ、日立エーアイーシー社製真空ラミネーター等を挙げることができる。
支持体を備える樹脂シートを用いて第二樹脂組成物層20を形成した場合、通常は、工程(I-1)より前の適切な時期に支持体を剥離する。
-工程(II-2)-
工程(II)は、工程(II-1)で第二樹脂組成物層20を形成した後で、第二樹脂組成物層20と除去液とを接触させる工程(II-2)を含む。第二樹脂組成物層20と除去液とを接触させることにより、第二樹脂組成物層20から(B)ペンダント化合物を除去できる。通常は、工程(II-2)により、第二樹脂組成物層20の全体から遊離の(B)ペンダント化合物が除去される。
図2は、本発明の一実施形態に係る製造方法の工程(II-2)を説明するための模式的な断面図である。工程(II-2)で(B)ペンダント化合物を除去されたことにより、(B)ペンダント化合物を除去された第二樹脂組成物層21を得ることができる。この(B)ペンダント化合物を除去された第二樹脂組成物層21は、通常は(B)ペンダント化合物を含まないので、相対的に屈折率が低いクラッドの一部として機能できる。よって、以下、(B)ペンダント化合物を除去された第二樹脂組成物層21を「アンダークラッド層」21ということがある。
除去液としては、(A)ベース樹脂と反応していない遊離の(B)ペンダント化合物を溶解できる液体を用いる。除去液の種類は、(B)ペンダント化合物の種類に応じて選択しうる。
特に、樹脂組成物が(D)混和性溶剤を含む場合、除去液としては、20℃において(D)混和性溶剤に対して特定範囲の溶解度を有する液体を用いることが好ましい。具体的には、20℃における除去液の(D)混和性溶剤に対する溶解度の範囲は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、特に好ましくは30質量%以上である。上限は、特段の制限はなく、例えば、80質量%以下、70質量%以下、60質量%以下などでありうる。
フォトリソグラフィー法において使用されている現像液を除去液として使用することにより既存設備を活用する観点では、除去液として、アルカリ水溶液を用いてもよい。アルカリ水溶液としては、例えば、アルカリ金属化合物の水溶液が挙げられる。アルカリ金属化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の、アルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等の、アルカリ金属の炭酸塩又は重炭酸塩;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等の、アルカリ金属リン酸塩;ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等の、アルカリ金属ピロリン酸塩、などが挙げられる。また、アルカリ水溶液としては、例えば、水酸化テトラアルキルアンモニウム(TMAH)等の、金属イオンを含有しない有機塩基の水溶液が挙げられる。金属イオンを含有しない点で、有機塩基の水溶液が好ましく、水酸化テトラアルキルアンモニウム水溶液がより好ましい。一例において、アルカリ水溶液のpHの範囲は、好ましくは8以上、より好ましくは9以上であり、好ましくは14以下、より好ましくは12以下、特に好ましくは11以下である。また、上記アルカリ水溶液の塩基濃度は、0.1質量%~10質量%であることが好ましい。
除去液は、必要に応じて、除去作用の向上のために、界面活性剤、消泡剤等の添加剤を含んでいてもよい。また、除去液は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
第二樹脂組成物層20と除去液との接触条件は、(B)ペンダント化合物を効率よく除去できるように設定することが好ましい。一例において、第二樹脂組成物層20と除去液との接触時間の範囲は、好ましくは10秒以上、より好ましくは30秒以上、特に好ましくは1分以上であり、好ましくは60分以下、より好ましくは30分以下、特に好ましくは10分以下である。また、除去液の温度の範囲は、好ましくは20℃以上であり、好ましくは80℃以下、より好ましくは60℃以下である。
第二樹脂組成物層20と除去液との接触方式としては、フォトリソグラフィー法において使用されている現像方式を採用してもよく、例えば、パドル法、スプレー法、浸漬法、ブラッシング法、スラッピング法、超音波法等が挙げられる。中でも、スプレー法が好適である。スプレー法を採用する場合のスプレー圧としては、0.05MPa~0.3MPaが好ましい。
通常は、第二樹脂組成物層20と除去液との接触後、除去液を除去する。除去液の除去方法は、例えば、洗浄用の溶剤による洗浄、エアブロー等の除去方法を採用してもよい。洗浄用の溶剤としては、例えば、水、(D)混和性溶剤、などを用いうる。
-工程(II-3)-
工程(II)は、工程(II-2)で(B)ペンダント化合物を除去した後で、(C)光ラジカル発生剤を失活させる工程(II-3)を含んでいてもよい。(C)光ラジカル発生剤を失活させる方法に制限はない。例えば、アンダークラッド層21に露光することと、当該アンダークラッド層21を大気下で静置することを組み合わせて行って、(C)光ラジカル発生剤を失活させてもよい。
工程(II-3)でアンダークラッド層21に露光する光としては、(C)光ラジカル発生剤の種類に応じた適切な活性光線を用いることが好ましい。活性光線の波長の範囲は、通常190nm~1000nm、好ましくは240nm~550nmであるが、これ以外の範囲の波長の光線を用いてもよい。活性光源の具体例としては、紫外線、可視光線、電子線、X線等が挙げられ、特にi線等の紫外線が好ましい。
光の露光量は、(C)光ラジカル発生剤の失活ができるように設定することが望ましい。一例において、具体的な露光量の範囲は、好ましくは100mJ/cm以上、より好ましくは200mJ/cm以上、特に好ましくは500mJ/cm以上であり、好ましくは10,000mJ/cm以下、より好ましくは8,000mJ/cm以下、特に好ましくは5,000mJ/cm以下である。
露光後にアンダークラッド層21を大気下で静置するときの温度は、特に制限はなく、例えば10℃~40℃でありうる。また、静置時間は、好ましくは1分以上、より好ましくは5分以上、特に好ましくは10分以上であり、好ましくは120分以下、より好ましくは60分以下、特に好ましくは30分以下である。
-工程(II-4)-
工程(II)は、工程(II-2)で(B)ペンダント化合物を除去した後で、アンダークラッド層21に熱処理を施す工程(II-4)を含むことが好ましい。アンダークラッド層21に熱処理を施すことにより、アンダークラッド層21の硬化を進行させることができる。具体的には、(A)ベース樹脂同士の反応、(E)熱硬化性樹脂同士の反応、並びに、(A)ベース樹脂と(E)熱硬化性樹脂との反応等の反応が生じ、アンダークラッド層21中に結合が形成される。この結合により、好ましくは、アンダークラッド層21中に三次元的な架橋構造を形成できるので、樹脂組成物の硬化を進行させて、耐熱性及び機械的強度を高めることができる。工程(II)が工程(II-3)を含む場合、工程(II-4)は、工程(II-3)より後に行うことが好ましい。
工程(II-4)において、熱処理の条件は、樹脂脂組成物中の成分の種類及び量に応じて選択しうる。一例において、熱処理の温度範囲は、好ましくは150℃~250℃、より好ましくは160℃~230℃である。また、熱処理を施す時間の範囲は、好ましくは20分間~180分間、より好ましくは30分間~120分間である。熱処理は、大気中で行ってもよく、窒素雰囲気等の不活性雰囲気で行ってもよい。
[工程(I-1):第一樹脂組成物層の形成]
図3は、本発明の一実施形態に係る製造方法の工程(I-1)を説明するための模式的な断面図である。図3に示すように、本発明の一実施形態に係る光導波路の製造方法は、第一樹脂組成物層30を形成する工程(I-1)を含む。工程(II)を行ってアンダークラッド層21を形成した場合、工程(I-1)は、アンダークラッド層21上に第一樹脂組成物層30を形成することが好ましい。この場合、第一樹脂組成物層30は、アンダークラッド層21上に直に形成することが好ましい。ある層上に別の層を「直に」形成するとは、それらの層の間に他の層が無いことをいう。形成される第一樹脂組成物層30は、通常は樹脂組成物を含み、好ましくは樹脂組成物のみを含む。
第一樹脂組成物層30の形成方法に特に制限は無い。例えば、樹脂組成物をアンダークラッド層21上に塗布し、必要に応じて乾燥する方法により、第一樹脂組成物層30を形成してもよい。また、樹脂シートの樹脂組成物層をアンダークラッド層21にラミネートする方法により、第一樹脂組成物層30を形成してもよい。具体的な形成方法は、基材10上ではなくアンダークラッド層21上に形成すること以外、第二樹脂組成物層20の形成方法と同じで方法を採用しうる。
[工程(I-2):第一樹脂組成物層の露光]
図4は、本発明の一実施形態に係る製造方法の工程(I-2)を説明するための模式的な断面図である。図4に示すように、本発明の一実施形態に係る光導波路の製造方法は、工程(I-1)で第一樹脂組成物層30を形成した後で、その第一樹脂組成物層30の第一部分32に露光して、(A)ベース樹脂と(B)ペンダント化合物とを反応させる工程(I-2)を含む。
具体的には、工程(I-2)では、コアを形成するべき部分としての第一部分32に選択的に光Pを照射する。以下、この第一部分32を「露光部分」32と呼ぶことがある。他方、第一樹脂組成物層30の第一部分32以外の部分としての第二部分31には、光Pを照射しない。以下、この第二部分31を「非露光部分」31と呼ぶことがある。よって、工程(I-2)での露光により、第一樹脂組成物層30には、光Pを照射された露光部分32と、光Pを照射されていない非露光部分31とが設けられる。
露光部分32では、光Pが照射されると、樹脂組成物中の(A)ベース樹脂と(B)ペンダント化合物とが反応して、結合する。他方、非露光部分31では、(A)ベース樹脂と(B)ペンダント化合物とは反応しないので、樹脂組成物中に未反応の(B)ペンダント化合物の分子が遊離した状態で含まれうる。したがって、工程(I-2)での露光によれば、露光部分32によってコアに対応する潜像を形成できる。
選択的な露光を行う観点から、工程(I-2)での露光は、通常、マスク40を用いて行われる。具体的には、工程(I-2)での露光では、透光部42及び遮光部41を備えるマスク40を介して、光Pを第一樹脂組成物層30に照射する。光Pは、透光部42を透過して露光部分32へ入射するが、遮光部41を透過できないので非露光部分31へは入射できない。よって、透光部42及び遮光部41に対応した露光部分32及び非露光部分31を第一樹脂組成物層30に設けることができる。マスク40は、図4に示すように第一樹脂組成物層30に密着させてもよく(接触露光法)、密着させずに平行光線を使用して露光を行ってもよい(非接触露光法)。
一般に、マスク40の透光部42は、光導波路のコアに対応した平面形状を有するように形成される。他方、マスク40の遮光部41は、光導波路のサイドクラッド層に対応した平面形状を有するように形成される。「平面形状」とは、別に断らない限り、厚み方向から見た形状を表す。
工程(I-2)における露光に用いる光Pとしては、樹脂組成物の組成に応じた適切な活性光線を用いることが好ましい。活性光線の波長の範囲は、工程(II-3)での露光に用いた光の波長の範囲と同じでありうるが、これ以外の範囲の波長の光線を用いてもよい。活性光源の具体例としては、紫外線、可視光線、電子線、X線等が挙げられ、特にi線等の紫外線が好ましい。
光Pの露光量は、(A)ベース樹脂と(B)ペンダント化合物との反応を進行できるように設定することが望ましい。一例において、具体的な露光量の範囲は、好ましくは50mJ/cm以上、より好ましくは100mJ/cm以上、特に好ましくは200mJ/cm以上であり、好ましくは5,000mJ/cm以下、より好ましくは3,000mJ/cm以下、更に好ましくは2,000mJ/cm以下、特に好ましくは1,000mJ/cm以下である。
支持体を備える樹脂シートを用いて第一樹脂組成物層30を形成した場合、工程(I-2)において、第一樹脂組成物層30上に支持体(図示せず。)が存在していることがありうる。第一樹脂組成物層30上に支持体が存在している場合、その支持体を通して露光を行ってもよく、支持体を剥離した後で露光を行ってもよい。
[工程(I-5):(A)ベース樹脂と(B)ペンダント化合物との反応の促進]
本発明の一実施形態に係る製造方法は、工程(I-2)よりも後、工程(I-3)よりも前に、第一樹脂組成物層30を加熱して、(A)ベース樹脂と(B)ペンダント化合物との反応を促進する工程(I-5)を含んでいてもよい。工程(I-5)による加熱によれば、(A)ベース樹脂と(B)ペンダント化合物との反応を促進できる。よって、露光部分32において(A)ベース樹脂と(B)ペンダント化合物とを速やかに反応させることができるので、光導波路の製造時間を短縮できる。工程(I-5)での加熱は、ホットプレートで行ってもよいし、オーブンで行ってもよい。
加熱温度は、露光部分32で(A)ベース樹脂と(B)ペンダント化合物との反応を促進でき、且つ、非露光部分31で(A)ベース樹脂と(B)ペンダント化合物とを反応させない適切な範囲を設定することが好ましい。具体的な加熱温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは80℃以上、特に好ましくは100℃以上であり、好ましくは160℃以下、より好ましくは150℃以下、特に好ましくは140℃以下である。また、加熱時間は、例えば、30秒以上60分以下でありうる。
[工程(I-3):(B)ペンダント化合物の除去]
本発明の一実施形態に係る製造方法は、工程(I-2)で第一樹脂組成物層30の露光を行った後で、第一樹脂組成物層30と除去液とを接触させる工程(I-3)を含む。除去液との接触により、(A)ベース樹脂と反応していない遊離の(B)ペンダント化合物を除去できる。詳細には、非露光部分31に含まれる遊離の(B)ペンダント化合物が、除去液との接触により除去される。また、露光部分32には(A)ベース樹脂と反応していない遊離の(B)ペンダント化合物が含まれることがありうるが、その遊離の(B)ペンダント化合物は、除去液との接触により除去される。
図5は、本発明の一実施形態に係る製造方法の工程(I-3)を説明するための模式的な断面図である。工程(I-3)で除去液と接触した非露光部分31から(B)ペンダント化合物が除去されたことにより、(B)ペンダント化合物を除去された非露光部分31を得ることができる。この(B)ペンダント化合物を除去された非露光部分31は、通常は(B)ペンダント化合物を含まないので、相対的に屈折率が低いクラッドの一部として機能できる。よって、以下、(B)ペンダント化合物を除去された非露光部分31を「サイドクラッド層」31ということがある。また、露光部分32からは、除去液との接触によって、(A)ベース樹脂と反応していない遊離の(B)ペンダント化合物が除去されうるが、その露光部分32には、(A)ベース樹脂と反応した(B)ペンダント化合物が残っている。よって、露光部分32は、相対的に屈折率が高いコアとして機能できるので、以下、「コア」32ということがある。
除去液としては、(A)ベース樹脂と反応していない遊離の(B)ペンダント化合物を溶解できる液体を用いる。除去液の種類は、(B)ペンダント化合物の種類に応じて選択しうる。除去液としては、工程(II-2)で説明した除去液と同じものを用いてもよい。中でも、フォトリソグラフィー法において使用されている現像液を除去液として使用することにより既存設備を活用する観点では、アルカリ水溶液が好ましく、有機塩基の水溶液がより好ましく、水酸化テトラアルキルアンモニウム水溶液が特に好ましい。また、除去液は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
第一樹脂組成物層30と除去液との接触は、工程(II-2)で説明した第二樹脂組成物層20と除去液との接触と同じ接触条件及び接触方式で行いうる。
通常は、第一樹脂組成物層30と除去液との接触後、除去液を除去する。除去液の除去方法は、例えば、工程(II-2)で説明した除去液の除去方法と同じ方法を採用してもよい。
[工程(I-6):(C)光ラジカル発生剤の失活]
本発明の一実施形態に係る製造方法は、工程(I-3)よりも後に、(C)光ラジカル発生剤を失活させる工程(I-6)を含んでいてもよい。この工程(I-6)では、コア32及びサイドクラッド層31に含まれる(C)光ラジカル発生剤を失活させることが好ましい。
(C)光ラジカル発生剤を失活させる方法に制限はない。例えば、第一樹脂組成物層30に露光することと、当該第一樹脂組成物層30を大気下で静置することを組み合わせて行って、(C)光ラジカル発生剤を失活させてもよい。露光の条件、及び、大気下に静置する条件は、工程(II-3)で説明した条件と同じ条件を採用してもよい。
[工程(I-4):第一樹脂組成物層の熱処理]
本発明の一実施形態に係る製造方法は、工程(I-3)で(B)ペンダント化合物を除去した後で、第一樹脂組成物層30に熱処理を施す工程(I-4)を含むことが好ましい。第一樹脂組成物層30に熱処理を施すことにより、第一樹脂組成物層30の硬化を進行させることができる。具体的には、(A)ベース樹脂同士の反応、(E)熱硬化性樹脂同士の反応、並びに、(A)ベース樹脂と(E)熱硬化性樹脂との反応等の反応が生じ、第一樹脂組成物層30中に結合が形成される。この結合により、好ましくは、第一樹脂組成物層30中に三次元的な架橋構造を形成できるので、樹脂組成物の硬化を進行させて、耐熱性及び機械的強度を高めることができる。光導波路の製造方法が工程(I-6)を含む場合、工程(I-4)は、工程(I-6)より後に行うことが好ましい。
工程(I-4)において、熱処理の条件は、樹脂脂組成物中の成分の種類及び量に応じて選択しうる。一例において、工程(I-4)における熱処理の条件は、工程(II-4)で説明した条件と同じ条件を採用してもよい。
[工程(III):オーバークラッド層の形成]
本発明の一実施形態に係る光導波路の製造方法は、オーバークラッド層を形成する工程(III)を含みうる。オーバークラッド層の形成方法に制限はない。例えば、工程(III)は、(B)ペンダント化合物を含まないこと以外は上述した樹脂組成物と同じ組成を有するオーバークラッド層用の材料組成物の層を形成し、硬化させて、オーバークラッド層を形成することを含んでいてもよい。
オーバークラッド層の屈折率等の物性と、第一樹脂組成物層30に形成されるサイドクラッド層31の屈折率等の物性との差を特に小さくする観点では、工程(III)は、
第一樹脂組成物層30上に、上述した樹脂組成物を含む第三樹脂組成物層を形成する工程(III-1)と、
第三樹脂組成物層を除去液と接触させて(B)ペンダント化合物を除去する工程(III-2)と、
をこの順で含むことが好ましい。この工程(III)によれば、(B)ペンダント化合物を含まない第三樹脂組成物層によってオーバークラッド層を形成できる。以下、この方法について、図面を示して説明する。
-工程(III-1)-
図6は、本発明の一実施形態に係る製造方法の工程(III-1)を説明するための模式的な断面図である。図6に示すように、オーバークラッド層を形成する工程(III)は、第三樹脂組成物層50を形成する工程(III-1)を含みうる。この工程(III-1)では、通常、コア32上に第三樹脂組成物層50を形成するために、第一樹脂組成物層30上に第三樹脂組成物層50を形成する。この場合、第三樹脂組成物層50は、コア32上に直に第三樹脂組成物層50を形成するために、第一樹脂組成物層30上に直に形成することが好ましい。形成される第三樹脂組成物層50は、通常は樹脂組成物を含み、好ましくは樹脂組成物のみを含む。
第三樹脂組成物層50の形成方法に特に制限は無い。例えば、樹脂組成物を第一樹脂組成物層30上に塗布し、必要に応じて乾燥する方法により、第三樹脂組成物層50を形成してもよい。また、樹脂シートの樹脂組成物層を第一樹脂組成物層30にラミネートする方法により、第三樹脂組成物層50を形成してもよい。具体的な形成方法は、基材10上ではなく第一樹脂組成物層30上に形成すること以外、第二樹脂組成物層20の形成方法と同じ方法を採用しうる。
-工程(III-2)-
工程(III)は、工程(III-1)で第三樹脂組成物層50を形成した後で、第三樹脂組成物層50と除去液とを接触させる工程(III-2)を含む。第三樹脂組成物層50と除去液とを接触させることにより、第三樹脂組成物層50から(B)ペンダント化合物を除去できる。通常は、工程(III-2)により、第三樹脂組成物層50の全体から遊離の(B)ペンダント化合物が除去される。
図7は、本発明の一実施形態に係る製造方法の工程(III-2)を説明するための模式的な断面図である。工程(III-2)で(B)ペンダント化合物を除去されたことにより、(B)ペンダント化合物を除去された第三樹脂組成物層51を得ることができる。この(B)ペンダント化合物を除去された第三樹脂組成物層51は、通常は(B)ペンダント化合物を含まないので、相対的に屈折率が低いクラッドの一部として機能できる。よって、以下、(B)ペンダント化合物を除去された第三樹脂組成物層51を「オーバークラッド層」51ということがある。そして、コア32と、アンダークラッド層21、サイドクラッド層31及びオーバークラッド層51を備えるクラッド60と、を備える光導波路1を得ることができる。
除去液としては、(A)ベース樹脂と反応していない遊離の(B)ペンダント化合物を溶解できる液体を用いる。除去液の種類は、(B)ペンダント化合物の種類に応じて選択しうる。除去液としては、工程(II-2)で説明した除去液と同じものを用いてもよい。中でも、フォトリソグラフィー法において使用されている現像液を除去液として使用することにより既存設備を活用する観点では、アルカリ水溶液が好ましく、有機塩基の水溶液がより好ましく、水酸化テトラアルキルアンモニウム水溶液が特に好ましい。また、除去液は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
第三樹脂組成物層50と除去液との接触は、工程(II-2)で説明した第二樹脂組成物層20と除去液との接触と同じ接触条件及び接触方式で行いうる。
通常は、第三樹脂組成物層50と除去液との接触後、除去液を除去する。除去液の除去方法は、例えば、工程(II-2)で説明した除去液の除去方法と同じ方法を採用してもよい。
-工程(III-3)-
工程(III)は、工程(III-2)で(B)ペンダント化合物を除去した後で、(C)光ラジカル発生剤を失活させる工程(III-3)を含んでいてもよい。(C)光ラジカル発生剤を失活させる方法に制限はない。例えば、オーバークラッド層51に露光することと、当該オーバークラッド層51を大気下で静置することを組み合わせて行って、(C)光ラジカル発生剤を失活させてもよい。露光の条件、及び、大気下に静置する条件は、工程(II-3)で説明した条件と同じ条件を採用してもよい。
-工程(III-4)-
工程(III)は、工程(III-2)で(B)ペンダント化合物を除去した後で、オーバークラッド層51に熱処理を施す工程(III-4)を含むことが好ましい。オーバークラッド層51に熱処理を施すことにより、オーバークラッド層51の硬化を進行させることができる。具体的には、(A)ベース樹脂同士の反応、(E)熱硬化性樹脂同士の反応、並びに、(A)ベース樹脂と(E)熱硬化性樹脂との反応等の反応が生じ、オーバークラッド層51中に結合が形成される。この結合により、好ましくは、オーバークラッド層51中に三次元的な架橋構造を形成できるので、樹脂組成物の硬化を進行させて、耐熱性及び機械的強度を高めることができる。工程(III)が工程(III-3)を含む場合、工程(III-4)は、工程(III-3)より後に行うことが好ましい。
工程(III-4)において、熱処理の条件は、樹脂脂組成物中の成分の種類及び量に応じて選択しうる。一例において、工程(III-4)における熱処理の条件は、工程(II-4)で説明した条件と同じ条件を採用してもよい。
[任意の工程]
本発明の一実施形態に係る光導波路1の製造方法は、上述した工程に組み合わせて、更に任意の工程を含んでいてもよい。
光導波路1の製造方法は、例えば、クラッド60を保護する保護層(図示せず。)を形成する工程を含んでいてもよい。また、光導波路1の製造方法は、例えば、製造した光導波路1をダイシングする工程を含んでいてもよい。
光導波路1の製造方法は、上述した工程を繰り返し行ってもよい。例えば、工程(II)、(I-1)~(I-6)及び(III)を繰り返し行って、基材10上に、厚み方向においてコアとクラッドとを交互に備える多層構造の光導波路1を製造してもよい。
[光導波路]
本発明の一実施形態に係る製造方法によれば、図7に示すように、光導波路1を製造できる。光導波路1は、コア32及びクラッド60を備える。クラッド60は、第二樹脂組成物層20から形成されたアンダークラッド層21と、第一樹脂組成物層30の一部から形成されたサイドクラッド層31と、第三樹脂組成物層50から形成されたオーバークラッド層51と、を含む。そして、コア32は、前記のクラッド60内に、第一樹脂組成物層30の別の一部から形成されている。したがって、コア32は、クラッド60に覆われている。通常は、コア32の全周面が、クラッド60に覆われる。このとき、コア32とクラッド60とは、間に他の層を介することなく、直接に接しうる。
ここで、第一樹脂組成物層30に相当するコア32とサイドクラッド層31とに着目する。第一樹脂組成物層30の第一部分に相当するコア32は、(A)ベース樹脂と結合した(B)ペンダント化合物を含む。よって、コア32は、相対的に高い屈折率を有することができる。他方、第一樹脂組成物層30の第二部分に相当するサイドクラッド層31は、(B)ペンダント化合物が除去されているので、(B)ペンダント化合物の量が少なく、好ましくは(B)ペンダント化合物を含まない。よって、サイドクラッド層31は、相対的に低い屈折率を有することができる。したがって、コア32の屈折率は、サイドクラッド層31の屈折率よりも、高いものであることができる。また同様に、コア32の屈折率は、アンダークラッド層21及びオーバークラッド層51の屈折率よりも高いものであることができる。したがって、コア32がクラッド60よりも高い屈折率を有することができるので、コア32及びクラッド60を備える光導波路1は、光を伝送することが可能である。
この光導波路1において、コア32に含まれる(B)ペンダント化合物は、(A)ベース樹脂と安定して結合しているので、光導波路1の製造後に露光を受けても、コア32に物性変化を生じさせない。また、コア32及びクラッド60は、通常は遊離の(B)ペンダント化合物を含まないので、当該遊離の(B)ペンダント化合物が反応することによる物性変化は抑制される。よって、屈折率等の光導波路1の諸物性が製造後に露光によって変化することを抑制できるので、光導波路1は、高い信頼性を有することができる。コア32及びクラッド60に遊離の(B)ペンダント化合物が含まれることはありうるが、少なくとも除去液との接触によって(B)ペンダント化合物が除去された分だけ、光導波路1の諸物性の変化の抑制は達成される。
また、前記の製造方法で製造された光導波路1においては、コア32は、露光及び除去液との接触によって形成できるから、当該コア32単独で形成加工する必要が無い。したがって、コア32とサイドクラッド層31と界面での凹凸の形成、コア32とサイドクラッド層31との間への異物の浸入を抑制できる。また、コア32とサイドクラッド層31との間の密着を良好にできる。したがって、構造不整を原因とした伝送損失を抑制することができる。
第一樹脂組成物層30の第一部分に相当するコア32の屈折率と、第一樹脂組成物層30の第二部分に相当するサイドクラッド層31の屈折率との差は、特定の範囲にあることが好ましい。具体的には、前記の屈折率の差は、測定波長653nmにおいて、好ましくは0.005以上であり、好ましくは0.01以下である。屈折率差が前記下限値以上である場合、伝送損失の効果的な抑制が可能である。また、屈折率差が前記の範囲にある場合、技術的に実現可能なコアサイズ(例えば、幅及び高さが5μm~10μm程度)の光導波路1を用いて波長1310nm帯(Oバンド)あるいは波長1550nm帯(Cバンド)の通信波長帯の光をシングルモードで伝送することが可能になり、高周波数の光信号を高品質のまま長距離伝送することが可能になる。
一例において、コア32とクラッド60との間の屈折率分布は、不連続であってもよく、連続的であってもよい。コア32とクラッド60との間の屈折率分布が不連続である場合、ステップインデックス型(SI型)の光導波路を得ることができる。また、コア32とクラッド60との間の屈折率分布が連続的である場合、グレーデッドインデックス型(GI型)の光導波路を得ることができる。例えば、工程(I-2)における露光条件を適切に設定した場合、回折によって非露光部分31の端部が露光されうるが、当該端部は露光部分32に近いほど露光量が多い諧調的な露光を受けることができるので、コア32とサイドクラッド層31との間で連続的な屈折率分布を得ることできる。また、例えば、工程(I-5)における第一樹脂組成物層30の加熱を適切な条件で行った場合、露光部分32に生じた(C)光ラジカル発生剤の活性化体の非露光部分31への拡散が促進されうる。よって、(B)ペンダント化合物の固定密度に連続的な分布が生じうるので、コア32とサイドクラッド層31との間で連続的な屈折率分布を得ることできる。
コア32の幅は、光導波路1による光の伝送が可能な範囲で適切に設定することが望ましい。具体的なコア32の幅の範囲は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、特に好ましくは2μm以上であり、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下、特に好ましくは20μm以下であり、10μm以下又は5μm以下であってもよい。コア32の幅は、厚み方向から見た場合のコア32の線幅(ライン)に相当する。
コア32の間隔は、光導波路1による光の伝送が可能な範囲で適切に設定することが望ましい。具体的なコア32の間隔の範囲は、好ましくは50μm以上、より好ましくは70μm以上、特に好ましくは100μm以上であり、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下、特に好ましくは300μm以下である。コア32の間隔は、厚み方向から見たコア32の間隔(スペース)に相当する。
コア32の厚みは、光導波路1による光の伝送が可能な範囲で適切に設定することが望ましい。具体的なコア32の厚みの範囲は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、特に好ましくは2μm以上であり、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下、特に好ましくは20μm以下であり、10μm以下であってもよい。
クラッド60の厚みは、通常、コア32の厚みよりも大きい。クラッド60の具体的な厚みは、好ましくは5μm以上、より好ましくは7μm以上、特に好ましくは10μm以上であり、好ましくは40μm以下、より好ましくは30μm以下、特に好ましくは20μm以下である。
光導波路1は、必要に応じて、コア32及びクラッド60以外の任意の要素を備えていてもよい。例えば、光導波路1は、基材10を備えていてもよい。
光導波路1が伝送可能な光の波長は、さまざまに選択しうる。例を挙げると、伝送される光の好ましい波長の範囲は、840nm~860nm(例えば、850nm)、1300nm~1320nm(例えば、1310nm)、1540nm~1560nm(例えば、1550nm)などでありうる。中でも、光導波路1を伝送される光の波長の範囲は、1300nm~1320nmが好ましい。
光導波路1は、シングルモードの光導波路であってもよく、マルチモードの光導波路であってもよいが、シングルモードの光導波路であることが好ましい。中でも、光導波路1は、前記の好ましい波長の範囲の光に対するシングルモードの光導波路であることが好ましい。例えば、光導波路1は、1310nmの光に対するシングルモードの光導波路であることが好ましい。
前記の光導波路1は、例えば、光電気混載基板に設けて用いうる。通常、光電気混載基板は、光導波路と、電気回路基板とを備える。電気回路基板は、電子部品と、当該電子部品に接続された配線とを備えうる。電子部品としては、例えば、コンデンサ、インダクタ、抵抗等の受動部品;半導体チップ等の能動部品;等が挙げられる。そして、光導波路と電気回路基板の配線とは、光電変換素子を介して接続されうる。光電変換素子は、電気を光に変換可能な発光素子(例えば、面発光型発光ダイオード)、及び、光を電気に変換可能な受光素子(例えば、フォトダイオード)を組み合わせて含みうる。さらに、光電気混載基板は、光路調整のためにミラー等の光学素子を備えていてもよい。
好ましい光電気混載基板の例としては、シリコンウエハに光集積回路を形成したチップを備えるものが挙げられる。このチップは、シリコンフォトニクスを用いた早期の実用化が期待されており、例えば半導体パッケージへの実装が予想される。このチップを備える光電気混載基板は、例えば、電気回路基板と、当該電気回路基板に実装されたチップと、光導波路とを備える。光導波路は、電気回路基板の配線とチップとを接続したり、複数のチップ間を接続したりするために用いうる。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載において、量を表す「部」及び「%」は、別途明示のない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。また、以下に説明する操作は、別途明示の無い限り、常温常圧(23℃1気圧)大気中で行った。
[実施例1]
(樹脂組成物の製造)
フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7553BH30」、固形分30質量%のメチルエチルケトンとシクロヘキサノンの1:1溶液)40部、ビフェニルアラルキルノボラック型マレイミド樹脂(日本化薬社製「MIR-3000-70MT」、固形分70%のメチルエチルケトン/トルエン混合溶液、下記式(X1)の化合物、ラジカル反応性基当量393g/eq.)140部、含硫アリルフェノール(2,2’-ジアリル-4,4’-スルホニルジフェノール、日本化薬社製「ARM-019」)50部、光ラジカル発生剤(BASF社製「Irgacure-OXE02」)4部、イミダゾール系熱硬化促進剤(四国化成工業社製「1B2PZ」、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、固形分5質量%のメチルエチルケトン溶液)2部、シクロヘキサノン60部、及び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)45部を混合して、液状の樹脂組成物(ワニス)を得た。
Figure 2023154205000002
(露光サンプルの製造)
前記の樹脂組成物を、シリコンウェハ基板上に、1500rpm及び40秒の条件でスピンコートし、110℃のホットプレートで3分間乾燥して、樹脂組成物層を形成した。この樹脂組成物層に、投影露光機(ウシオ社製「UX-2240」)を用いてi線(365nm)を露光量1000mJ/cm照射する第一露光処理を行った。この樹脂組成物層に、130℃のホットプレートで5分間加熱する反応促進処理を行って、マレイミド樹脂と含硫アリルフェノールとを共有結合させた。その後、現像装置(ミカサ社製「AD-1200」)を用いて、40℃の除去液(2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を樹脂組成物層に10秒間スプレーし140秒パドルする工程を2度繰り返した。さらに、60秒間のスプレー水洗及びエアブローによって除去液を除いて、樹脂組成物層中の遊離の含硫アリルフェノールを除去した。さらに、投影露光機(ウシオ社製「UX-2240」)を用いて樹脂組成物層にi線(365nm)を露光量3000mJ/cm照射する第二露光処理を行い、空気中で15分間静置して、樹脂組成物層中の光ラジカル発生剤を失活させた。この樹脂組成物層を、200℃のオーブンで1.5時間熱硬化させて、露光サンプルを得た。
(非露光サンプルの製造)
第一露光処理を行わなかったこと以外は前記の工程(露光サンプルの製造)と同じ方法により、非露光サンプルを製造した。
(屈折率の測定)
露光サンプル及び非露光サンプルそれぞれの屈折率を、プリズムカプラ(メトリコン社製)を用いて、波長653nm、Single Filmモードの条件で測定した。測定は、サンプル中のランダムにサンプリングした5箇所で行い、平均値を算出した。
[実施例2]
シクロヘキサノン60部及びPGMEA45部の代わりに、メチルアミルケトン105部を用いたこと以外は実施例1と同じ方法によって、樹脂組成物、露光サンプル及び非露光サンプルの製造及び評価を行った。
[実施例3]
反応促進処理における加熱温度を140℃に変更したこと、及び、除去液の温度を30℃に変更したこと以外は実施例1と同じ方法によって、樹脂組成物、露光サンプル及び非露光サンプルの製造及び評価を行った。
[実施例4]
含硫アリルフェノールの量を20部に変更したこと、反応促進処理における加熱温度を140℃に変更したこと、及び、除去液の温度を30℃に変更したこと以外は実施例1と同じ方法によって、樹脂組成物、露光サンプル及び非露光サンプルの製造及び評価を行った。
[結果]
前記の実施例の結果を、下記の表に示す。
Figure 2023154205000003
樹脂組成物の調製に用いた試薬の属性は、下記の通りであった。
含硫アリルフェノール(2,2’-ジアリル-4,4’-スルホニルジフェノール、日本化薬社製「ARM-019」)は、25℃における水溶液中での酸解離定数は9.5~10であった。
シクロヘキサンは、20℃における水に対する溶解度は0.6%であった。
PGMEAは、20℃における水に対する溶解度は18.5%であった。
メチルアミルケトンは、20℃における水に対する溶解度は0.43%であった。
メチルエチルケトンは、20℃における水に対する溶解度は21.1%であった。
シクロヘキサノンは、20℃における水に対する溶解度は8.7%であった。
トルエンは、20℃における水に対する溶解度は0.045%であった。
[検討]
前記の実施例によれば、露光を行うか否かによって、相対的に高い屈折率を有する露光硬化物と相対的に低い屈折率を有する非露光硬化物とを作り分けられることが確認された。よって、単一の樹脂組成物層にコアとサイドクラッド層とを形成できるので、光導波路を製造できることが理解できる。また、前記の実施例の結果によれば、除去液との接触によって樹脂組成物層から遊離の(B)ペンダント化合物を除去できることが確認されたので、その(B)ペンダント化合物の反応による屈折率等の物性の変化を抑制できることも理解できる。
1 光導波路
10 基材
20 第二樹脂組成物層
21 第二樹脂組成物層(アンダークラッド層)
30 第一樹脂組成物層
31 第二部分(非露光部分、サイドクラッド層)
32 第一部分(露光部分、コア)
40 マスク
41 遮光部
42 透光部
50 第三樹脂組成物層
51 第三樹脂組成物層(オーバークラッド層)
P 光

Claims (14)

  1. (A)ラジカル反応性基を含有する樹脂、(B)前記ラジカル反応性基と反応して結合可能な化合物、及び、(C)光ラジカル発生剤を含む樹脂組成物を用いて、光導波路を製造する製造方法であって;
    前記製造方法が、
    樹脂組成物を含む第一樹脂組成物層を形成する工程(I-1)と、
    第一樹脂組成物層の第一部分に露光して、(A)成分と(B)成分とを反応させる工程(I-2)と、
    第一樹脂組成物層と、(B)成分を溶解できる除去液とを接触させて、(B)成分を除去する工程(I-3)と、
    をこの順で含み;
    光導波路の第一樹脂組成物層の第一部分の屈折率が、第一樹脂組成物層の露光されていない第二部分の屈折率よりも高い、光導波路の製造方法。
  2. (B)成分が、原子屈折4以上の原子を1種類以上含有する、請求項1に記載の光導波路の製造方法。
  3. (B)成分が、非芳香族性の炭素-炭素不飽和結合を含有する、請求項1に記載の光導波路の製造方法。
  4. (B)成分が、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基及びマレイミド基からなる群より選ばれる1以上を含有する、請求項1に記載の光導波路の製造方法。
  5. (B)成分の25℃における水溶液中での酸解離定数が、11以下である、請求項1に記載の光導波路の製造方法。
  6. (B)成分が、チオール基、フェノール性水酸基、及びカルボキシ基からなる群より選ばれる1以上を含有する、請求項1に記載の光導波路。
  7. 樹脂組成物が、除去液と混和可能な(D)溶剤を含む、請求項1に記載の光導波路の製造方法。
  8. 除去液が、アルカリ水溶液である、請求項1に記載の光導波路の製造方法。
  9. 工程(I-3)の後に、第一樹脂組成物層に熱処理を施す工程(I-4)を含む、請求項1に記載の光導波路の製造方法。
  10. 前記製造方法が、工程(I-1)よりも前に、アンダークラッド層を形成する工程(II)を含み;
    工程(II)が、
    樹脂組成物を含む第二樹脂組成物層を形成する工程(II-1)と、
    第二樹脂組成物層と除去液とを接触させて(B)成分を除去する工程(II-2)と、
    をこの順で含み;
    工程(I-1)が、アンダークラッド層上に第一樹脂組成物層を形成する、請求項1に記載の光導波路の製造方法。
  11. 前記製造方法が、工程(I-3)よりも後に、オーバークラッド層を形成する工程(III)を含み;
    工程(III)が、
    第一樹脂組成物層上に、樹脂組成物を含む第三樹脂組成物層を形成する工程(III-1)と、
    第三樹脂組成物層と除去液とを接触させて(B)成分を除去する工程(III-2)と、
    をこの順で含む、請求項1に記載の光導波路の製造方法。
  12. 測定波長653nmにおける第一部分の前記屈折率と第二部分の前記屈折率との差が、0.005以上である、請求項1に記載の光導波路の製造方法。
  13. (A)ラジカル反応性基を含有する樹脂、(B)前記ラジカル反応性基と反応して結合可能な化合物、及び、(C)光ラジカル発生剤を含む樹脂組成物であって、
    (B)成分が、原子屈折4以上の原子を1種類以上含有し、
    (B)成分の25℃における水溶液中での酸解離定数が、11以下である、樹脂組成物。
  14. (B)成分が、チオール基、フェノール性水酸基、及びカルボキシ基からなる群より選ばれる1以上を含有する、請求項13に記載の樹脂組成物。
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