JP2023153514A - 車両用アンダーカバーとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プレス成形される原反の材料の歩留まりを改善できる、車両用アンダーカバーとその製造方法を提供する。【解決手段】車体の下面を覆う車両用アンダーカバー1は、面形状のプレス成形体で構成される本体部2を有する。車両用アンダーカバー1は、本体部2の一部の領域が厚さ方向に貫通した開口であって、車両装備品にアクセス可能なサービスホール3と、サービスホール3の周縁を境界とした内側の領域の分離部分であって、サービスホール3の少なくとも一部を覆う蓋部4を有する。車両用アンダーカバー1は、蓋部4をサービスホール3に対して面方向に相対移動させることでサービスホール3の内周側の一部と蓋部4の外周側の一部とが重なるラップ部5と、ラップ部5において蓋部4が本体部2に対して重なった状態で固定される固定部6とを有している。【選択図】図3

Description

本発明は、車両用アンダーカバーとその製造方法に関する。
従来、車両用のエンジンアンダーカバーにおいて、オイル交換、装備品の点検等のためにサービスホールが設けられている。車両使用状態では、サービスホールは蓋により塞がれている。エンジンアンダーカバーは、プレス成形、射出成形等、種々の方法で製造される。例えば特許文献1には、射出成形により製造されるエンジンアンダーカバーが開示されている。このエンジンアンダーカバーは、点検口が設けられたエンジンアンダーカバーの本体と、点検口を塞ぐ蓋部が、一体に連なって成形されている。
特開2020-82778号公報
ところで近年、車外騒音規制の強化により、エンジンアンダーカバーの本体とサービスホールを覆う蓋は、吸音性能を持つ繊維素材の材料で作られることが多くなっている。繊維素材を用いたエンジンアンダーカバーは、一枚の原反と呼ばれる材料をプレス成形することにより製造される。本体のサービスホールを塞ぐ蓋は、その外周部分を本体と重なるようにして固定するため、サービスホールより面積を大きくして成形される。この場合、原反の平面上において本体とは別の領域で蓋が成形される。そのため、エンジンアンダーカバーを成形するために必要な原反のサイズが大きくなり、材料の歩留まりが悪化する傾向にあった。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、プレス成形される原反の材料の歩留まりを改善できる、車両用アンダーカバーとその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決する車両用アンダーカバーの一つの特徴は、車体の下面を覆う構成であって、面形状のプレス成形体で構成される本体部と、前記本体部の一部の領域が厚さ方向に貫通した開口であって、車両装備品にアクセス可能なサービスホールと、前記サービスホールの周縁を境界とした内側の領域の分離部分であって、前記サービスホールの少なくとも一部を覆う蓋部と、前記蓋部を前記サービスホールに対して面方向に相対移動させることで前記サービスホールの内周側の一部と前記蓋部の外周側の一部とが重なるラップ部と、前記ラップ部において前記蓋部が前記本体部に対して重なった状態で固定される固定部とを有する。
上記構成の一つの特徴及び利点は、プレス成形された車両用アンダーカバーの本体部が、厚さ方向に貫通した開口であるサービスホールを有している。このサービスホールより内側の領域の分離部分である成形体は、サービスホールの少なくとも一部を覆う蓋部として使用されている。蓋部は、その外周側の一部が、本体部のサービスホールの内周側と重なるように配置されており、蓋部と本体部とが重なるラップ部において本体部に固定されている。ラップ部により、サービスホールの内周側と蓋部の間にすき間が生じるのを防ぐことができる。また、サービスホールのうち蓋部に覆われない残りの開口部は面積が狭く、原反の面積が限られた領域を使用した部材で、開口部を塞ぐことができる。そのため、原反の平面上において、本体部の領域外でサービスホールより大きな面積を有する蓋部を成形する必要がない。よって、本体部のサービスホールを覆う蓋部の機能を確保しながら、材料の歩留まりの改善を図ることができる。
上記車両用アンダーカバーについて、前記サービスホール及び前記蓋部は、互いに対向する長辺と短辺を有する略四角形状を呈しており、前記蓋部は、前記本体部の平面に沿って前記サービスホールの長辺から短辺に向かう方向に移動した位置で前記サービスホールの少なくとも一部が覆われた構成であっても良い。
上記構成の一つの特徴及び利点は、サービスホールと蓋部が、互いに対向する長辺と短辺を有する略四角形状を呈している。すなわち、サービスホールと蓋部は短辺に向かうにつれて幅が狭くなる形状となっている。蓋部はサービスホールの長辺から短辺に向かう方向に移動した位置に配置されており、サービスホール及び蓋部の短辺とその隣り合う二辺においてラップ部が構成されている。すなわち、本体部から分離した蓋部をサービスホールの位置から面方向にずらすことによって、サービスホール及び蓋部の三辺において効率よくラップ部を構成できる。
上記車両用アンダーカバーについて、前記本体部は、前記ラップ部における前記サービスホールの内周側に前記本体部の面に対して高低差が設けられた第1段差部を有しており、前記蓋部は、前記ラップ部における前記蓋部の外周側に前記蓋部の面に対して高低差が設けられた第2段差部を有しており、前記蓋部が前記サービスホールの少なくとも一部を覆ったときに、前記蓋部の面の高さ位置と前記本体部の面の高さ位置が揃った構成であっても良い。
上記構成の一つの特徴及び利点は、本体部はサービスホールの内周側に第1段差部を有しており、蓋部はその外周側に第2段差部を有している。ラップ部においては第1段差部と第2段差部が厚さ方向に重なっている。このように本体部と蓋部のラップ部にかかる部位にそれぞれ高低差を設けることにより、本体部の面と蓋部の面の高さが揃った状態でサービスホールを覆うことができる。すなわち、車両用アンダーカバーの面の凹凸をより小さく又は減らした構成とすることができる。
上記車両用アンダーカバーについて、前記蓋部は、前記蓋部の外周側における一辺に設けられ前記サービスホールの内周側の一部と係合する凸状の差込み部を有する構成であっても良い。
上記構成の一つの特徴及び利点は、蓋部の外周側に設けられた差込み部が、サービスホールの内周側と係合する。これにより、蓋部を本体部に仮組みした状態にすることができる。よって、蓋部を固定部において本体部に固定する際に、蓋部の位置が安定し、作業効率の向上を図ることができる。
車両用アンダーカバーの製造方法の一つの特徴は、車体の下面を覆い、車両装備品にアクセス可能なサービスホールと、前記サービスホールの少なくとも一部を覆う蓋部を有する車両用アンダーカバーの製造方法であって、面形状のプレス成形体で構成される前記車両用アンダーカバーの本体部と、前記本体部の一部の領域に設けられる前記サービスホールの周縁を境界とした内側の領域において前記蓋部を成形する、プレス成形工程と、前記本体部から前記蓋部を分離し、前記サービスホールの周縁を境界とした内側の領域を前記本体部の厚さ方向に貫通させて開口させる、分離工程と、前記蓋部を前記サービスホールに対して面方向に相対移動させることにより、前記サービスホールの内周側の一部と前記蓋部の外周側の一部とが重なるラップ部を構成する、蓋部配置工程と、前記ラップ部において前記蓋部を前記本体部に固定する、蓋部固定工程とを含む。
上記工程の一つの特徴及び利点は、車両用アンダーカバーの本体部は、プレス成形により成形される。本体部には、厚さ方向に貫通した開口であるサービスホールが設けられる。このサービスホールより内側の領域は、サービスホールの少なくとも一部を覆う蓋部として成形され、本体部から分離される。蓋部は、その外周側の一部が、本体部のサービスホールの内周側と重なるように配置されて、本体部に固定される。サービスホールの内周側には、蓋部と本体部とが重なるラップ部が構成される。これにより、サービスホールの内周側と蓋部の間にすき間が生じるのを防ぐことができる。また、サービスホールのうち蓋部に覆われない残りの開口部は面積が狭く、原反の面積が限られた領域でも、開口部を塞ぐ部材を成形することができる。そのため、原反の平面上において、本体部の領域外でサービスホールより大きな面積を有する蓋部を成形する必要がない。よって、本体部のサービスホールを覆う蓋部の機能を確保しながら、材料の歩留まりの改善を図ることができる。
上記車両用アンダーカバーの製造方法について、前記サービスホール及び前記蓋部は、互いに対向する長辺と短辺を有する略四角形状に成形され、前記蓋部は、前記本体部の平面に沿って前記サービスホールの長辺から短辺に向かう方向に移動した位置で前記サービスホールの少なくとも一部を覆うように配置されても良い。
上記工程の一つの特徴及び利点は、サービスホールと蓋部が、互いに対向する長辺と短辺を有する略四角形状に成形される。すなわち、サービスホールと蓋部は、短辺に向かうにつれて幅が狭くなる形状に成形される。蓋部はサービスホールの長辺から短辺に向かう方向に移動した位置に配置され、サービスホール及び蓋部の短辺とその隣り合う二辺においてラップ部が構成される。すなわち、本体部から分離した蓋部をサービスホールの位置から面方向にずらすことによって、サービスホール及び蓋部の三辺において効率よくラップ部を構成できる。
上記車両用アンダーカバーの製造方法について、前記本体部は、前記ラップ部における前記サービスホールの内周側に前記本体部の面に対する第1段差部が成形され、前記蓋部は、前記ラップ部における前記蓋部の外周側に、前記蓋部の面に対する第2段差部が成形され、前記サービスホールの少なくとも一部を覆ったときに前記蓋部の面の高さ位置と前記本体部の面の高さ位置が揃うように配置されても良い。
上記工程の一つの特徴及び利点は、本体部はサービスホールの内周側に第1段差部が成形され、蓋部はその外周側に第2段差部が成形される。これにより、蓋部をサービスホールの少なくとも一部を覆うように配置すると、第1段差部と第2段差部が厚さ方向に重なってラップ部が構成される。このように本体部と蓋部のラップ部にかかる部位にそれぞれ高低差を設けることにより、本体部の面と蓋部の面の高さが揃った状態でサービスホールを覆うことができる。すなわち、車両用アンダーカバーの面の凹凸をより小さく又は減らした構成とすることができる。
上記車両用アンダーカバーの製造方法について、前記蓋部は、その周縁における一辺に凸状の差込み部が成形され、前記蓋部配置工程において、前記差込み部を前記サービスホールの内周側の一部と係合させることにより、前記蓋部が前記本体部に仮組みされても良い。
上記工程の一つの特徴及び利点は、蓋部の外周側に差込み部が設けられる。差込み部は、サービスホールの内周側と係合させることができる。これにより、蓋部を本体部に仮組みした状態にすることができる。よって、蓋部を固定部において本体部に固定する際に、蓋部の位置が安定し、作業効率の向上を図ることができる。
本発明は、上記の各発明の構成または工程により、プレス成形される原反の材料の歩留まりを改善できる、車両用アンダーカバーとその製造方法を提供することができる。
実施形態に係る車両用アンダーカバーの平面概略図である。 車両用アンダーカバーの本体部のプレス成形時におけるサービスホールと蓋部を示す図である。 蓋部をサービスホールに対して相対移動させた状態を示す図である。 図2のサービスホールと蓋部の斜辺におけるIV方向矢視断面図である。 図3のサービスホールと蓋部の斜辺におけるV方向矢視断面図である。 図2の固定部におけるVI方向矢視断面図である。 図3の固定部におけるVII方向矢視断面図である。 他の実施形態に係る固定部についてプレス成形時の断面を示す図である。 他の実施形態に係る固定部について蓋部を相対移動した状態の断面を示す図である。 図2の差込み部におけるX方向矢視断面図である。 図3の差込み部におけるXI方向矢視断面図である。 図2のサービスホールと蓋部の長辺におけるXII方向矢視断面図である。 図3のサービスホールと蓋部の長辺におけるXIII方向矢視断面図である。 図13の開口部を補助部材で塞いだ状態を示す図である。 他の実施形態に係るサービスホールと蓋部の平面概略図である。
<車両用アンダーカバーの構成>
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。本実施形態の車両用アンダーカバーとして、エンジンアンダーカバー1を例示して説明する。エンジンアンダーカバー1は、車体の下面を覆うようにエンジンの下側に装着され、エンジンを保護するものである。エンジンアンダーカバー1は、図1に示すように、本体部2と、本体部2に設けられ車両装備品にアクセス可能なサービスホール3と、サービスホール3の少なくとも一部を覆った蓋部4を備えている。
エンジンアンダーカバー1の本体部2は、繊維基材からなる原反がプレス成形された、三次元の面形状の繊維成形体で構成されている。繊維基材としては、例えば熱可塑性合成樹脂と繊維補強材を含んだものが挙げられる。熱可塑性合成樹脂は、ポリプロピレンなどのオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミドなどが選択され得る。繊維補強材は、ガラス繊維、バサルト繊維、カーボン繊維のほか、ケナフ(洋麻)、竹等の天然繊維が適宜選択され得る。
繊維基材は、ニードルパンチによる乾式法、または湿式抄紙法など、公知の製造方法により製造できる。繊維基材の例としては、バインダー繊維として熱可塑性合成樹脂であるポリプロピレン繊維を用い、繊維補強材にガラス繊維を用いた繊維基材(LWRT=Low Weight Reinforced Thermoplastics)が挙げられる。また、繊維補強材を含まない繊維基材の例として、ポリエチレンテレフタレート繊維と、低融点ポリエステル繊維などのバインダー繊維を用いたニードルパンチ不織布基材(成形不織布)が挙げられる。さらに、これらの繊維基材は、飛石耐久性や平滑性などのため、別途不織布やフィルムを貼り合わせた複層体とすることができる。
エンジンアンダーカバー1は、サービスホール3と蓋部4を備えている。サービスホール3は、本体部2の一部の領域が厚さ方向に貫通した開口であって、車両装備品にアクセス可能な構成とされる。サービスホール3は、その周囲が本体部2に囲まれた閉じられた領域である。蓋部4は、本体部2におけるサービスホール3の周縁を境界とした内側の領域の分離部分であり、本体部2と同じ繊維基材からなる成形体である。
サービスホール3と蓋部4は、互いに対向する長辺3a,4aと短辺3b,4bを有する略四角形状を呈している。この形状は、図2に示すように、長辺3a,4a及び短辺3b,4bと隣り合う斜辺3c,4cを有する略台形状としても良い。図3に示すように、蓋部4は、サービスホール3の少なくとも一部が覆われるように配置されている。サービスホール3及び蓋部4の長辺3a,4aに沿った方向をx方向、x方向と交差する方向をy方向とすると、本体部2から分離した蓋部4が、本体部2の平面に沿ってサービスホール3の長辺3aから短辺3bに向かう方向、すなわちy方向に移動した位置に配置されている。サービスホール3と蓋部4は短辺3b,4bに向かうにつれて幅が狭くなる形状であるため、サービスホール3及び蓋部4の短辺3b,4bとその隣り合う斜辺3c,4cにおいてラップ部5が構成されている。ラップ部5は、蓋部4をサービスホール3に対して面方向に相対移動させることでサービスホール3の内周側の一部と蓋部4の外周側の一部とが重なる部位である。
サービスホール3及び蓋部4の斜辺3c,4cの傾斜角度θは、任意に設定されている。傾斜角度θが小さい場合は、ラップ部5の幅(ラップ量w)を確保するためにy方向へのスライド量sを増やす必要がある。一方、傾斜角度θが大きい場合はラップ量wを確保し易いが、傾斜角度θが大きくなりすぎると、サービスホール3の形状が制限されてしまう。そこで、ラップ量wとスライド量sのバランスを考慮して、斜辺3c,4cの傾斜角度θが設定されている。そして、本体部2から分離した蓋部4を、プレス成形時の位置から面方向にスライドさせた位置に配置することにより、サービスホール3及び蓋部4の三辺において効率よくラップ部5を構成できる。
なお、2本の斜辺3c,4cの傾斜角度θは同じでも良く、それぞれ異なる角度であっても良い。また、長辺3a,4a及び短辺3b,4bと隣り合う二辺のうち、一方の辺のみ傾斜し、他方の辺は傾斜しない構成としても良い。この場合、蓋部4をy方向だけでなくx方向に沿って相対移動させることでラップ部5を構成できる。
図3,5に示すように、本体部2は、ラップ部5におけるサービスホール3の内周側に本体段差部23(第1段差部)を有している。本体段差部23は、本体部2の面21の高さ位置に対して高低差が設けられている。蓋部4は、ラップ部5における蓋部4の外周側に蓋段差部24(第2段差部)を有している。蓋段差部24は、蓋部4の面22の高さ位置に対して高低差が設けられている。例えば図2,4に示すように、サービスホール3と蓋部4の斜辺3c,4cにおいては、ラップ部5が本体部2と蓋部4の面21,22より車体側Aに凹んだ形状となるように、本体段差部23と蓋段差部24が設けられている。
ここで、本体部2の面21と本体段差部23の高低差を本体部2の段差量h1、蓋部4の面22と蓋段差部24の高低差を蓋部4の段差量h2とすると、本体部2の段差量h1と蓋部4の段差量h2は、蓋部4の厚さ分異なるように設定されている。図4に示すプレス成形時のサービスホール3及び蓋部4の斜辺3c,4cにおいては、本体段差部23と蓋段差部24が同じ高さ位置にあり、本体部2の面21と蓋部4の面22は、蓋部4の厚さ分異なる高さ位置にある。
プレス成形時の位置(図2、図4参照)から相対移動した位置(図3、図5参照)では、蓋部4がサービスホール3の少なくとも一部を覆った状態になっており、本体段差部23と蓋段差部24が厚さ方向に重なってラップ部5が構成されている。蓋部4の面22と本体部2の面21は、高さ位置が揃っている。本体部2と蓋部4の面21,22は必ずしも同じ位置でなくても良いが、揃った構成であればより好ましい。サービスホール3及び蓋部4の斜辺3c,4cにおけるラップ部5は、本体段差部23が車体側A、蓋段差部24が路面側Bに位置している。
図3,7に示すように、ラップ部5は、蓋部4が本体部2に対して重なった状態で固定される固定部6を有している。蓋部4の固定部6は、蓋部4の四隅に設けられている。固定部6においては、本体段差部23が車体側A、蓋段差部24が路面側Bに位置している。本体段差部23は、サービスホール3の斜辺3cにおけるラップ部5及び固定部6において同じ段差量h1に設定されている。蓋段差部24も、蓋部4の斜辺4cにおけるラップ部5及び固定部6において同じ段差量h2に設定されている。
固定部6は、本体段差部23と蓋段差部24を厚さ方向に貫通した取付穴25,26が設けられており、締結部材31によって固定されている。締結部材31として、例えばボルト及びナットを選択できる。本体部2の取付穴25は、蓋部4の固定部6がy方向にスライド移動した位置に対応して設けられている。また、固定部6における取付穴25,26や締結部材31の形状等に応じて、蓋部4のスライド量sが適宜設定され、ラップ量wが確保されている。図6に示すように、プレス成形時の固定部6は、本体段差部23と蓋段差部24が同じ高さ位置にある。このように、プレス成形時の本体段差部23と蓋段差部24を同じ高さ位置に設定すれば、プレス成形時に本体部2と蓋部3の境界において材料が無駄に伸ばされ、低密度な部分が発生するのを防ぐことができる。また、本体段差部23と蓋段差部24を互いに接するように配置して、捨て領域を設けずにトリムラインtを1本としても良い。これにより、一回のトリムで本体部2と蓋部4を分割できる。また、捨て領域を設けないことにより、蓋部3の面積を最大にすることができ、ラップ量wも最大にすることができる。
図9に示すように、固定部41をボルト42とクリップ43を用いて締結した構成としても良い。クリップ43は、本体段差部45に取り付けられており、本体段差部45と蓋段差部46の間にクリップ43の一片が位置している。この場合、固定部41における本体部2の段差量h3を、サービスホール3の斜辺3cにおける本体部2の段差量h1より大きく設定することで、本体部2の面21と蓋部4の面22の高さ位置が揃えられている。また、プレス成形時の固定部41は、図8に示すように、本体段差部45と蓋段差部46の間に捨て領域47が設けられている。すなわち固定部41の本体段差部45と蓋段差部46は、捨て領域47を挟んで、異なった高さ位置で成形されている。
図3に示すように、蓋部4は、その外周側における一辺に、サービスホール3の内周側の一部と係合する差込み部7を有している。差込み部7は、蓋部4の短辺4bの中央に設けられており、平面視で凸状を呈している。サービスホール3の短辺3bの中央には、差込み部7の形状に対応した係合部8が設けられている。図11に示すように、差込み部7と係合部8が重なるラップ部5は、本体段差部27が路面側B、蓋段差部28が車体側Aに位置している。この構成により、蓋部4でサービスホール3を覆うときに、蓋部4を仮組みしてから本体部2に固定することができる。
差込み部7は、蓋段差部28が本体段差部27より車体側Aに位置するため、差込み部7における蓋部4の段差量h4が蓋部4の斜辺4cにおける段差量h2より大きく設定されている。また、図10に示すように、プレス成形時の差込み部7と係合部8は、本体段差部27と蓋段差部28の間に捨て領域34が設けられている。すなわち係合部8の本体段差部27と差込み部7の蓋段差部28は、捨て領域34を挟んで、異なった高さ位置で成形されている。蓋部4の短辺4bは、プレス成形後に本体部2から分離されると共に、差込み部7の周辺の捨て領域34がトリムされた形状となっている。差込み部7と係合部8においては、蓋段差部28の段差量h4を大きくする構成に代えて、本体段差部27の段差量h1を小さくして、差込み部7が係合部8に係合する構成としても良い。
図3,13に示すように、サービスホール3の長辺3aと蓋部4の長辺4aの間に、スライド量sの分だけ開口部35が生じている。開口部35は、蓋部4とは別に成形された補助部材36で塞がれる(図14参照)。開口部35は、サービスホール3の全体の面積と比べて狭く、x方向に細長い形状である。そのため、補助部材36は、本体部2が成形された同じ原反の比較的狭い領域、例えば原反の端など、本体部2の外側の領域を利用して成形できる。このように、本体部2の内側の領域と外側の限られた領域で、サービスホール3を覆うための蓋部4と補助部材36をそれぞれ成形しても良い。
開口部35を挟んで対向する本体段差部23と蓋段差部24は、プレス成形時には同じ高さ位置で成形されている。そして蓋部4がスライド移動した位置では、本体段差部23と蓋段差部24は蓋部4の厚さ分だけ高さ位置が異なっている。このため、図14に示す補助部材36は、本体段差部23と蓋段差部24の位置のずれに合わせて厚さ方向に段差が設けられている。補助部材36は、本体部2又は蓋部4のいずれか一方に、リベット、溶着、又は接着剤等で取付けられる。補助部材36と蓋部4が一体となった構成であれば、蓋部4を取り外したときにサービスホール3をより広く開口することができ、車両装備品へのアクセスの観点から好ましい。また、開口部35は、蓋部4に覆われずに残った範囲の面積が小さい場合に、補助部材36等で塞がずに通風口としても良い。
サービスホール及び蓋部の形状は、互いに隣り合う長辺と短辺を有する略四角形状を呈した構成としても良い。例えば図15に示すように、サービスホール53と蓋部54は、略長方形状に成形されている。蓋部54は、本体部52の平面に沿って回転した向きでサービスホール53の少なくとも一部が覆われた構成である。蓋部54は、蓋部54の一方の長辺54aとサービスホール53の短辺53bが重なり、蓋部54の短辺54bとサービスホール53の長辺53aの一部がそれぞれ重なるように、プレス成形時の位置から約90°回転した向きで配置されている。これにより、蓋部54の三辺と、これらと重なるサービスホール53の三辺にラップ部55が構成されている。
蓋部54の外周側には、サービスホール53の内周側と係合する差込み部57を有している。差込み部57は、蓋部54の一方の長辺54aの中央に設けられている。蓋部54の長辺54aと重なっているサービスホール53の短辺53bには、差込み部57の形状に応じて係合部58が設けられている。また、サービスホール53の残りの開口部61は、補助部材62で塞がれている。補助部材62は、本体部52又は蓋部54に取付けられている。例えば補助部材62が蓋部54に取付けられた場合、一体となった蓋部54と補助部材62の四隅に固定部56が設けられて、本体部52に固定された構成としても良い。
<車両用アンダーカバーの製造工程>
次に、本実施形態に係るエンジンアンダーカバー1(車両用アンダーカバー)の製造方法について説明する。上述のとおり、車体の下面を覆うエンジンアンダーカバー1は、車両装備品にアクセス可能なサービスホール3と、サービスホール3の少なくとも一部を覆う蓋部4を有する。エンジンアンダーカバー1の製造工程には、プレス成形工程、分離工程、蓋部配置工程、蓋部固定工程が含まれる。
プレス成形工程では、図1,2を参照として、エンジンアンダーカバー1の本体部2が成形される。具体的には、繊維基材からなる原反を加熱軟化処理した後、プレス型により両面から挟んで冷却しながら加圧することにより、車体下面に沿った三次元の面形状の繊維成形体が成形される。この繊維成形体で構成される本体部2の一部の領域には、サービスホール3が設定されており、サービスホール3の周縁を境界とした内側の領域において蓋部4が成形される。分離工程では、プレス成形された本体部2から、蓋部4を分離する。すなわち、本体部2の分離部分が厚さ方向に貫通して、サービスホール3の領域が開口する。
サービスホール3と蓋部4は、略四角形状に成形される。具体的には、図2に示すように、互いに対向する長辺3a,4aと短辺3b,4b、これらと隣り合う斜辺3c,4cを有する略台形状に成形される。サービスホール3及び蓋部4の斜辺3c,4cの傾斜角度θは、蓋部4のスライド量sとラップ量wのバランスを考慮して、任意に設定されている。本体部2におけるサービスホール3の内周側には、本体段差部23が成形される。図4に示すように、例えばサービスホール3の斜辺3cにおける本体段差部23は、本体部2の面21の高さ位置に対して高低差が設けられており、本体部2の面21より車体側Aに位置している。また、蓋部4の外周側には、蓋段差部24が成形される。蓋部4の斜辺4cにおける蓋段差部24は、蓋部4の面22の高さ位置に対して高低差が設けられており、本体部2の面21より車体側Aに位置している。
本体部2の面21と本体段差部23の高低差(本体部2の段差量h1)と、蓋部4の面22と蓋段差部24の高低差(蓋部4の段差量h2)は、蓋部4の厚さ分異なるように設定されている。図4に示すように、サービスホール3及び蓋部4の斜辺3c,4cにおいては、プレス成形時に本体段差部23と蓋段差部24が同じ高さ位置にあり、本体部2の面21と蓋部4の面22は、蓋部4の厚さ分異なる高さ位置にある。
図2,3を参照として、蓋部4の四隅には、ラップ部5において本体部2と固定するための固定部6が設けられる。固定部6は、蓋部4の斜辺4cよりラップ部5の幅が広く設定されている。図6に示すように、プレス成形時には、固定部6における本体段差部23と蓋段差部24は、隣接して成形される。また、本体段差部23は、サービスホール3の斜辺3cにおけるラップ部5及び固定部6において同じ段差量h1に設定に設定されている。蓋段差部24は、蓋部4の斜辺4cにおけるラップ部5及び固定部6において同じ段差量h2に設定されている。固定部6の蓋段差部24には、蓋部4を本体部2に固定するために厚さ方向に貫通させた取付穴26が設けられる。また、本体部2においても、蓋部4の固定部6がy方向に移動した位置に対応して、本体段差部23を厚さ方向に貫通させた取付穴25が設けられる。
図2,3を参照として、蓋部4の外周側における短辺4bには、サービスホール3の内周側の短辺3bと係合する差込み部7が設けられる。差込み部7は、短辺4bの中央において蓋部4の外周縁からy方向に延出した凸状に成形される。サービスホール3の短辺3bの中央には、差込み部7の形状に対応した係合部8が設けられる。サービスホール3及び蓋部4の短辺3b,4bにおいては、形状に合わせて、本体段差部27と蓋段差部28の間に捨て領域34が設定される。
また、差込み部7は本体部2より車体側Aに入るため、蓋部4の段差量h4が、斜辺4c及び固定部6における蓋部4の段差量h2より大きくなる(図11参照)。そのため、蓋段差部28が本体段差部27よりも車体側Aに位置するように、差込み部7の周縁において捨て領域34が階段状に屈曲した形状でプレス成形される(図10参照)。このようにプレス成形時において本体段差部27と蓋段差部28の高さ位置が異なる場合は、捨て領域34が設定される。
蓋部4の外周側とサービスホール3の内周側との境界には、トリムラインtが設定されている。本体部2を成形後、トリムラインtで切断することにより、蓋部4が分離され、サービスホール3が開口する。捨て領域を設ける部位は、捨て領域を挟んで2本のトリムラインtが設けられる。捨て領域を設けなくても成形可能な部位は、トリムラインtを1本としても良い。例えば、図4に示すサービスホール3及び蓋部4の斜辺3c,4cにおいては、トリムラインtを1本にすることができる。このように捨て領域を省略することにより、その分、蓋部3の面積を大きくすることができ、ラップ量wも大きくすることができる。
蓋部配置工程では、本体部2から分離した蓋部4を、サービスホール3に対して面方向に相対移動させる。図3を参照として、蓋部4は、本体部2の平面に沿ってサービスホール3の長辺3aから短辺3bに向かう方向、すなわちy方向にスライド移動した位置に配置される。そして、蓋部4によってサービスホール3の一部が覆われると共に、サービスホール3の内周側の一部と蓋部4の外周側の一部とが重なるラップ部5が構成される。蓋部4の面22の高さ位置と本体部2の面21の高さ位置は、揃った状態になる。蓋部4のスライド量sは、ラップ量wの確保と固定部6における取付穴25,26や締結部材の形状等に応じて適宜設定されている。
ラップ部5は、本体段差部23と蓋段差部24が厚さ方向に重なって構成される。サービスホール3及び蓋部4の斜辺3c,4cと固定部6においては、本体段差部23が車体側A、蓋段差部24が路面側Bに位置する(図5,7参照)。差込み部7は、サービスホール3の係合部8と係合する。差込み部7の本体段差部27は路面側B、係合部8の蓋段差部28は車体側Aに位置する(図11参照)。差込み部7が本体部2より車体側Aに入ることにより、蓋部4が本体部2に仮組みされる。
蓋部固定工程では、図7に示すように、取付穴25,26が設けられた固定部6において、ボルト及びナットの締結部材31で本体部2と蓋部4を固定する。締結部材は、ボルト及びナットに限られず、適宜選択できる。例えば図9に示すように、ボルト42とクリップ43を締結部材として用いても良い。
図3,13に示すように、サービスホール3の長辺3aと蓋部4の長辺4aの間には、蓋部4のスライド量sの分だけ残りの開口部35が生じる。開口部35は、サービスホール3の全体の面積と比べて狭く、x方向に細長い形状である。図14に示すように、開口部35を補助部材36で塞ぐことにより、サービスホール3の全体を覆うことができる。補助部材36は、本体部2を成形する同じ原反において、本体部2の外側の領域を利用してプレス成形しても良い。補助部材36は、分離工程で分離した本体部2又は蓋部4のいずれか一方に、リベット、溶着、又は接着剤等で取付けられる。補助部材36と蓋部4が一体となった構成とすれば、蓋部4を取り外したときにサービスホール3をより広く開口することができる。
図15に示すように、サービスホール53及び蓋部54は、互いに隣り合う長辺53a,54aと短辺53b,54bを有する略四角形状としても良い。略四角形状の蓋部54は、本体部52の平面に沿って回転した向きでサービスホール53の少なくとも一部を覆うように配置される。例えば、サービスホール53と蓋部54は、略長方形状に成形される。蓋部54は、蓋部54の一方の長辺54aとサービスホール53の短辺53bが重なり、蓋部54の短辺54bとサービスホール53の長辺53aの一部がそれぞれ重なるように、プレス成形時の位置から約90°回転した向きで配置される。これにより、蓋部54の三辺と、これらと重なるサービスホール53の三辺にラップ部55が構成される。
蓋部54の外周側には、サービスホール53の内周側と係合する差込み部57が成形される。差込み部57は、蓋部54の一方の長辺54aの中央に設けられる。蓋部54の長辺54aと重なっているサービスホール53の短辺53bには、差込み部57の形状に応じて係合部58が設けられる。また、サービスホール53の残りの開口部61は、補助部材62で塞がれる。補助部材62は、本体部52と同じ原反で成形しても良い。開口部61はサービスホール53の全体と比べて小さいため、原反の比較的狭い領域においても成形することができる。補助部材62は、本体部52又は蓋部54に取付けられる。例えば蓋部54に補助部材62を取り付けて一体として、その四隅に固定部56を設けても良い。
上記実施形態に係るエンジンアンダーカバー1(車両用アンダーカバー)は、プレス成形された本体部2と、本体部2の厚さ方向に貫通した開口であるサービスホール3を有している。このサービスホール3より内側の領域の分離部分である成形体は、サービスホール3の少なくとも一部を覆う蓋部4として使用されている。蓋部4は、その外周側の一部が、本体部2のサービスホール3の内周側と重なるように配置されており、蓋部4と本体部2とが重なるラップ部5において本体部2に固定されている。ラップ部5により、サービスホール3の内周側と蓋部4の間にすき間が生じるのを防ぐことができる。また、サービスホール3のうち蓋部4に覆われない残りの開口部35は面積が狭く、原反の面積が限られた領域を使用した部材で、開口部35を塞ぐことができる。そのため、原反の平面上において、本体部2の領域外でサービスホール3より大きな面積を有する蓋部4を成形する必要がない。よって、本体部2のサービスホール3を覆う蓋部4の機能を確保しながら、材料の歩留まりの改善を図ることができる。
上記実施形態に係るエンジンアンダーカバー1のサービスホール3と蓋部4は、互いに対向する長辺3a,4aと短辺3b,4bを有する略四角形状を呈している。すなわち、サービスホール3と蓋部4は短辺3b,4bに向かうにつれて幅が狭くなる形状となっている。蓋部4はサービスホール3の長辺3aから短辺3bに向かう方向に移動した位置に配置されており、サービスホール3及び蓋部4の短辺3b,4bとその隣り合う斜辺3c,4cにおいてラップ部5が構成されている。すなわち、本体部2から分離した蓋部4をサービスホール3の位置から面方向にずらすことによって、サービスホール3及び蓋部4の三辺において効率よくラップ部5を構成できる。
略台形状のサービスホール3と蓋部4において、斜辺3c、4cの傾斜角度θを適切な範囲に設定することにより、ラップ部5のラップ量wを確保すると共に、スライド量sが大きくなりすぎず、残りの開口部35を小さく抑えることができる。また、サービスホール3は、車両装備品にアクセスし易く、作業性が維持された形状と大きさに成形される。
蓋部4の外周側には差込み部7が設けられている。差込み部7は、サービスホール3の内周側と係合する。これにより、蓋部4を本体部2に仮組みした状態にすることができる。よって、蓋部4を固定部6において本体部2に固定する際に、蓋部4の位置が安定し、作業効率の向上を図ることができる。また、エンジンアンダーカバー1が車体の下面に取付けられた状態で蓋部4の取り付け又は取り外しをする際に、蓋部4が落下し難く、作業性が維持される。
本体部2は、サービスホール3の内周側に本体段差部23,27(第1段差部)を有しており、蓋部4は、その外周側に蓋段差部24,28(第2段差部)を有している。ラップ部5においては本体段差部23,27と蓋段差部24,28が厚さ方向に重なっている。このように本体部2と蓋部4のラップ部5にかかる部位にそれぞれ高低差を設けることにより、本体部2の面21と蓋部4の面22の高さが揃った状態でサービスホール3を覆うことができる。すなわち、エンジンアンダーカバー1の路面側Bの面の凹凸をより小さく又は減らした構成とすることができる。
図15に示すサービスホール53と蓋部54は、互いに隣り合う長辺53a,54aと短辺53b,54bを有する略四角形状を呈している。蓋部54は面方向に回転して、サービスホール53に対する向きが変更された状態で配置されている。これにより、蓋部54の長辺54aとサービスホール53の短辺53bとでラップ部55が構成されている。すなわち、本体部52から分離した蓋部54を、向きを変えて配置することによって、サービスホール53及び蓋部54の三辺において効率よくラップ部55を構成できる。
上記実施形態に係るエンジンアンダーカバー1(車両用アンダーカバー)の製造工程では、本体部2がプレス成形により成形される。本体部2には、厚さ方向に貫通した開口であるサービスホール3が設けられる。このサービスホール3より内側の領域は、サービスホール3の少なくとも一部を覆う蓋部4として成形され、本体部2から分離される。蓋部4は、その外周側の一部が、本体部2のサービスホール3の内周側と重なるように配置されて、本体部2に固定される。サービスホール3の内周側には、蓋部4と本体部2とが重なるラップ部5が構成される。これにより、サービスホール3の内周側と蓋部4の間にすき間が生じるのを防ぐことができる。また、サービスホール3のうち蓋部4に覆われない残りの開口部35は面積が狭く、原反の面積が限られた領域でも、開口部35を塞ぐための部材を成形することができる。そのため、原反の平面上において、本体部2の領域外でサービスホール3より大きな面積を有する蓋部4を成形する必要がない。よって、本体部2のサービスホール3を覆う蓋部4の機能を確保しながら、材料の歩留まりの改善を図ることができる。
プレス成形工程では、サービスホール3と蓋部4が、互いに対向する長辺3a,4aと短辺3b,4bを有する略四角形状に成形される。すなわち、サービスホール3と蓋部4は、短辺3b,4bに向かうにつれて幅が狭くなる形状に成形される。蓋部4はサービスホール3の長辺3aから短辺3bに向かう方向に移動した位置に配置され、サービスホール3及び蓋部4の短辺3b,4bとその隣り合う二辺においてラップ部5が構成される。すなわち、本体部2から分離した蓋部4をサービスホール3の位置から面方向にずらすことによって、サービスホール3及び蓋部4の三辺において効率よくラップ部5を構成できる。
また、蓋部4の外周側に差込み部7が設けられる。差込み部7は、サービスホール3の内周側と係合させることができる。これにより、蓋部4を本体部2に仮組みした状態にすることができる。よって、蓋部4を固定部6において本体部2に固定する際に、蓋部4の位置が安定し、作業効率の向上を図ることができる。
また、本体部2はサービスホール3の内周側に本体段差部23,27(第1段差部)が成形され、蓋部4はその外周側に蓋段差部24,28(第2段差部)が成形される。これにより、蓋部4をサービスホール3の少なくとも一部を覆うように配置すると、本体段差部23,27と蓋段差部24,28が厚さ方向に重なってラップ部5が構成される。このように本体部2と蓋部4のラップ部5にかかる部位にそれぞれ高低差を設けることにより、本体部2の面21と蓋部4の面22の高さが揃った状態でサービスホール3を覆うことができる。すなわち、エンジンアンダーカバー1の路面側Bの面の凹凸をより小さく又は減らした構成とすることができる。
図15に示すように、サービスホール53と蓋部54を、互いに隣り合う長辺53a,54aと短辺53b,54bを有する略四角形状に成形しても良い。蓋部54は面方向に回転して、サービスホール53に対する向きが変更された状態で配置される。これにより、蓋部54の長辺54aとサービスホール53の短辺53bとでラップ部55が構成される。すなわち、本体部52から分離した蓋部54を、向きを変えて配置することによって、サービスホール53及び蓋部54の三辺において効率よくラップ部55を構成できる。
上述したように、エンジンアンダーカバー1は、本体部2,52におけるサービスホール3,53の内部領域を用いて蓋部4,54が成形された構成であるため、サービスホール3,53の配置、形状等を設定した場合に、これに伴い蓋部4,54のプレス成形時の配置や形状も設定される。よって、サービスホール3,53の配置や形状が異なる場合にも効率よく設計変更できる。これにより、サービスホール3,53と蓋部4,54の構成は、様々なエンジンアンダーカバー(車両用アンダーカバー)に適用できる。すなわち、様々な車種の車両用アンダーカバーについて、材料の廃棄分を減らし、歩留まりの改善を図ることができる。
本発明に係る車両用アンダーカバーとその製造方法は、上記実施形態において説明した外観、構成に限られず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除、構成の組み合わせにより、その他各種の形態で実施できるものである。
車両用アンダーカバーは、エンジンアンダーカバーに限られず、車両用床下の他のアンダーカバーも含まれる。例えば、フロアアンダーカバー等に適用し得る。
エンジンアンダーカバー1を含む車両用アンダーカバーは、繊維素材の材料に限られず、樹脂系材料からなるプレス成形体としても良い。
1 エンジンアンダーカバー(車両用アンダーカバー)
2 本体部
3 サービスホール
3a サービスホールの長辺
3b サービスホールの短辺
3c サービスホールの斜辺
4 蓋部
4a 蓋部の長辺
4b 蓋部の短辺
4c 蓋部の斜辺
5 ラップ部
6 固定部
7 差込み部
21 本体部の面
22 蓋部の面
23,27 本体段差部(第1段差部)
24,28 蓋段差部(第2段差部)

Claims (10)

  1. 車体の下面を覆う車両用アンダーカバーであって、
    面形状のプレス成形体で構成される前記車両用アンダーカバーの本体部と、
    前記本体部の一部の領域が厚さ方向に貫通した開口であって、車両装備品にアクセス可能なサービスホールと、
    前記サービスホールの周縁を境界とした内側の領域の分離部分であって、前記サービスホールの少なくとも一部を覆う蓋部と、
    前記蓋部を前記サービスホールに対して面方向に相対移動させることで前記サービスホールの内周側の一部と前記蓋部の外周側の一部とが重なるラップ部と、
    前記ラップ部において前記蓋部が前記本体部に対して重なった状態で固定される固定部と、を有する車両用アンダーカバー。
  2. 請求項1に記載の車両用アンダーカバーであって、
    前記サービスホール及び前記蓋部は、互いに対向する長辺と短辺を有する略四角形状を呈しており、
    前記蓋部は、前記本体部の平面に沿って前記サービスホールの長辺から短辺に向かう方向に移動した位置で前記サービスホールの少なくとも一部が覆われた構成である、車両用アンダーカバー。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用アンダーカバーであって、
    前記本体部は、前記ラップ部における前記サービスホールの内周側に前記本体部の面に対して設けられた第1段差部を有しており、
    前記蓋部は、前記ラップ部における前記蓋部の外周側に前記蓋部の面に対して設けられた第2段差部を有しており、
    前記蓋部が前記サービスホールの少なくとも一部を覆ったときに、前記蓋部の面の高さ位置と前記本体部の面の高さ位置が揃った構成である、車両用アンダーカバー。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の車両用アンダーカバーであって、
    前記蓋部は、前記蓋部の外周側における一辺に設けられ前記サービスホールの内周側の一部と係合する凸状の差込み部を有する、車両用アンダーカバー。
  5. 請求項3に記載の車両用アンダーカバーであって、
    前記蓋部は、前記蓋部の外周側における一辺に設けられ前記サービスホールの内周側の一部と係合する凸状の差込み部を有する、車両用アンダーカバー。
  6. 車体の下面を覆い、車両装備品にアクセス可能なサービスホールと、前記サービスホールの少なくとも一部を覆う蓋部を有する車両用アンダーカバーの製造方法であって、
    面形状のプレス成形体で構成される前記車両用アンダーカバーの本体部と、前記本体部の一部の領域に設けられる前記サービスホールの周縁を境界とした内側の領域において前記蓋部を成形する、プレス成形工程と、
    前記本体部から前記蓋部を分離し、前記サービスホールの周縁を境界とした内側の領域を前記本体部の厚さ方向に貫通させて開口させる、分離工程と、
    前記蓋部を、前記サービスホールに対して面方向に相対移動させることにより、前記サービスホールの内周側の一部と前記蓋部の外周側の一部とが重なるラップ部を構成する、蓋部配置工程と、
    前記ラップ部において前記蓋部を前記本体部に固定する、蓋部固定工程と、を含む、車両用アンダーカバーの製造方法。
  7. 請求項6に記載の車両用アンダーカバーの製造方法であって、
    前記サービスホール及び前記蓋部は、互いに対向する長辺と短辺を有する略四角形状に成形され、
    前記蓋部は、前記本体部の平面に沿って前記サービスホールの長辺から短辺に向かう方向に移動した位置で前記サービスホールの少なくとも一部を覆うように配置される、車両用アンダーカバーの製造方法。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の車両用アンダーカバーの製造方法であって、
    前記本体部は、前記ラップ部における前記サービスホールの内周側に前記本体部の面に対する第1段差部が成形され、
    前記蓋部は、前記ラップ部における前記蓋部の外周側に、前記蓋部の面に対する第2段差部が成形され、前記サービスホールの少なくとも一部を覆ったときに前記蓋部の面の高さ位置と前記本体部の面の高さ位置が揃うように配置される、車両用アンダーカバーの製造方法。
  9. 請求項6又は請求項7に記載の車両用アンダーカバーの製造方法であって、
    前記蓋部は、その周縁における一辺に凸状の差込み部が成形され、
    前記蓋部配置工程において、前記差込み部を前記サービスホールの内周側の一部と係合させることにより、前記蓋部が前記本体部に仮組みされる、車両用アンダーカバーの製造方法。
  10. 請求項8に記載の車両用アンダーカバーの製造方法であって、
    前記蓋部は、その周縁における一辺に凸状の差込み部が成形され、
    前記蓋部配置工程において、前記差込み部を前記サービスホールの内周側の一部と係合させることにより、前記蓋部が前記本体部に仮組みされる、車両用アンダーカバーの製造方法。
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