JP2023153080A - ロータ、モータ、圧縮機、冷凍装置 - Google Patents

ロータ、モータ、圧縮機、冷凍装置 Download PDF

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裕 付
Yu Fu
裕介 入野
Yusuke Irino
辰也 戸成
Tatsuya Tonari
拓也 桜木
Takuya Sakuragi
真紹 竹本
Masatsugu Takemoto
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Abstract

【課題】ロータコアの回転中の空洞部の周方向端部における応力集中を緩和する。【解決手段】ロータコア(11)は、空洞部(21)の空洞と、その空洞と周方向で隣り合う空洞との間に、空洞部(21)の径方向内側から空洞部(21)の径方向外側まで延びる第1リブ(61)を有する。第1リブ(61)は、ロータコア(11)の回転中心(Q)と空洞部(21)の複数の空洞の集合の周方向両端のそれぞれと結んだ2線が成す角を二等分する第1基準線(L1)上を避けて設けられ、ロータコア(11)の回転中に第1リブ(61)に作用する力の方向に沿うように空洞部(21)の径方向内側から空洞部(21)の径方向外側まで延びる直線部を含む。【選択図】図4

Description

本開示は、ロータ、モータ、圧縮機、冷凍装置に関する。
特許文献1には、シンクロナスリラクタンスモータが開示されている。このモータのロータコアは、ロータコアの磁極毎に、複数のスリットを有する。このスリットは、ロータコアの円筒中心に向かって凸となり、頂点がq軸上に位置する円弧状の開口部からなる。
国際公開第2019/082518号
特許文献1のモータでは、ロータコアが回転してロータコアに遠心力が作用する際に、スリット(空洞部)の周方向端部に応力が集中しやすい。
本開示の第1の態様は、ロータに関し、このロータは、磁極毎に複数の空洞を有する空洞部(21)が形成されたロータコア(11)を備え、前記ロータコア(11)は、前記空洞部(21)の前記空洞と、当該空洞と周方向で隣り合う前記空洞との間に、前記空洞部(21)の径方向内側から前記空洞部(21)の径方向外側まで延びる第1リブ(61)を有し、前記第1リブ(61)は、前記ロータコア(11)の回転中心(Q)と前記空洞部(21)の複数の空洞の集合の周方向両端のそれぞれと結んだ2線が成す角を二等分する第1基準線(L1)上を避けて設けられ、前記ロータコア(11)の回転中に前記第1リブ(61)に作用する力の方向に沿うように前記空洞部(21)の径方向内側から前記空洞部(21)の径方向外側まで延びる直線部を含む。
第1の態様では、第1リブ(61)を設けることにより、ロータコア(11)が回転しているときの空洞部(21)の周方向端部における応力集中を緩和することができる。
本開示の第2の態様は、第1の態様のロータにおいて、前記第1リブ(61)は、前記第1リブ(61)の中心線が前記ロータコア(11)の回転中に前記第1リブ(61)に作用する力の方向に沿うように形成されるロータである。
第2の態様では、第1リブ(61)の中心線がロータコア(11)の回転中に第1リブ(61)に作用する力の方向に沿うように第1リブ(61)が形成されていない場合よりも、第1リブ(61)を細くすることができる。これにより、第1リブ(61)を通過する漏れ磁束を低減することができる。
本開示の第3の態様は、第1または第2の態様のロータにおいて、前記ロータコア(11)は、前記空洞部(21)の前記空洞と、当該空洞と周方向で隣り合う前記空洞との間に、前記第1基準線(L1)に沿うように前記空洞部(21)の径方向内側から前記空洞部(21)の径方向外側まで延びるセンタリブ(50)を有するロータである。
第3の態様では、センタリブ(50)を設けることにより、ロータコア(11)が回転しているときの空洞部(21)の周方向端部における応力集中を緩和することができる。
本開示の第4の態様は、第1~第3の態様のいずれか1つのロータにおいて、前記ロータコア(11)は、前記空洞部(21)の前記空洞と、当該空洞と周方向で隣り合う前記空洞との間に、前記空洞部(21)の径方向内側から前記空洞部(21)の径方向外側まで延びる第2リブ(62)を有し、前記第2リブ(62)は、前記第1基準線(L1)上を避けて設けられ、前記ロータコア(11)の回転中に前記第2リブ(62)に作用する力の方向に沿うように前記空洞部(21)の径方向内側から前記空洞部(21)の径方向外側まで延びる直線部を含むロータである。
第4の態様では、第1リブ(61)に加えて第2リブ(62)を設けることにより、ロータコア(11)が回転しているときの空洞部(21)の周方向端部における応力集中をさらに緩和することができる。
本開示の第5の態様は、第4の態様のロータにおいて、前記第2リブ(62)は、前記第1基準線(L1)を軸として第1リブ(61)と線対称となるように設けられるロータである。
第5の態様では、ロータコア(11)が回転しているときの空洞部(21)の周方向両端部における応力集中をバランスよく緩和することができる。
本開示の第6の態様は、第1~第5の態様のいずれか1つのロータにおいて、前記ロータコア(11)には、前記磁極毎に、径方向に並ぶ複数の空洞部(20)が形成され、前記第1リブ(61)が設けられる前記空洞部(21)は、前記複数の空洞部(20)のうち最も径方向内側に位置する空洞部であるロータである。
第6の態様では、径方向に並ぶ複数の空洞部(20)のうち最も径方向内側に位置する空洞部(21)は、ロータコア(11)が回転しているときの空洞部(21)の周方向端部における応力集中が発生しやすい。したがって、径方向に並ぶ複数の空洞部(20)のうち最も径方向内側に位置する空洞部(21)に第1リブ(61)を設けることにより、ロータコア(11)が回転しているときの空洞部(21)の周方向端部における応力集中を効果的に緩和することができる。
本開示の第7の態様は、第1~第6の態様のいずれか1つのロータにおいて、前記ロータコア(11)の回転中に前記第1リブ(61)に作用する力は、前記ロータコア(11)に作用する遠心力と電磁力とトルクのうち少なくとも前記遠心力に応じた力であるロータである。
本開示の第8の態様は、第7の態様のロータにおいて、前記第1リブ(61)と前記空洞部(21)の径方向内側の壁面(30)との交点である第1交点(A)から前記ロータコア(11)の回転中に前記第1リブ(61)に作用する力の方向に沿うように延びる作用線(F)は、前記第1交点(A)から前記第1基準線(L1)と平行となる方向に延びる線であり前記空洞部(21)の径方向内側の壁面(30)よりも径方向外側に延びる第1仮想線(L3)と、前記第1交点(A)から前記第1基準線(L1)と前記ロータコア(11)の外周縁との交点である第2交点(B)を通過して延びる第2仮想線(L4)との間の範囲である第1範囲よりも内側にある第2範囲内に位置するロータである。
本開示の第9の態様は、第8の態様のロータにおいて、前記第2範囲は、前記第1交点(A)から延びる線であり前記第1範囲において前記第1仮想線(L3)よりも内側に位置する第3仮想線(La)と、前記第1交点(A)から延びる線であり前記第1範囲において前記第2仮想線(L4)よりも内側に位置する第4仮想線(Lb)との間の範囲であり、前記第1仮想線(L3)と前記第3仮想線(La)との間の角度は、1.9°×4/nであり、前記第2仮想線(L4)と前記第4仮想線(Lb)との間の角度は、3.2°×4/nであり、前記nは、前記ロータコア(11)の極数であるロータである。
本開示の第10の態様は、第1~第9の態様のいずれか1つのロータを備えるモータに関する。
本開示の第11の態様は、第10の態様のモータを備える圧縮機に関する。
本開示の第12の態様は、第11の態様の圧縮機を備える冷凍装置に関する。
図1は、実施形態のモータの構成を例示する横断面図である。 図2は、実施形態のロータの構成を例示する横断面図である。 図3は、実施形態のロータの要部の構成を例示する横断面図である。 図4は、実施形態のロータの細部の構成を例示する横断面図である。 図5は、比較例1のロータの構成を例示する横断面図である。 図6は、実施形態のロータにおける磁束の分布を示す磁束線図である。 図7は、比較例1のロータにおける磁束の分布を示す磁束線図である。 図8は、比較例2のロータにおける応力分布を例示する応力分布図である。 図9は、実施形態のロータにおける応力分布を例示する応力分布図である。 図10は、実施形態の変形例1のロータの要部の構成を例示する横断面図である。 図11は、実施形態の変形例2のロータの要部の構成を例示する横断面図である。 図12は、実施形態の変形例3のロータの要部の構成を例示する横断面図である。 図13は、実施形態の変形例4のロータの要部の構成を例示する横断面図である。 図14は、圧縮機の構成を例示する縦断面図である。 図15は、冷凍装置の構成を例示する配管系統図である。 図16は、ロータコアの回転中に補強リブに作用する力の方向を例示する横断面図である。 図17は、「ロータコアに作用する電磁力」と「作用線と第1仮想線との間の角度(α)」との関係を例示するグラフである。 図18は、「ロータコアに作用するトルク」と「作用線と第2仮想線との間の角度(β)」との関係を例示するグラフである。
以下、図面を参照して実施の形態を詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
(モータ)
図1は、実施形態のモータ(1)の構成を例示する。モータ(1)は、ロータ(10)と、ステータ(2)とを備える。ロータ(10)は、シャフト(5)に固定される。この例では、モータ(1)は、シンクロナスリラクタンスモータを構成する。ロータ(10)には、永久磁石が設けられない。
以下の説明では、ロータ(10)の回転軸線の方向を「軸方向」と記載し、ロータ(10)の回転軸線の方向と直交する方向を「径方向」と記載し、ロータ(10)の回転軸線回りの方向を「周方向」と記載する。また、軸方向に沿う断面を「縦断面」と記載し、軸方向と直交する断面を「横断面」と記載する。
〔ステータ〕
ステータ(2)は、ロータ(10)と所定のギャップを隔てて対向する。ステータ(2)は、ステータコア(3)と、複数の巻線(4)とを有する。ステータコア(3)は、バックヨーク(3a)と、複数のティース(3b)とを有する。バックヨーク(3a)は、略円筒状に形成される。複数のティース(3b)の各々は、バックヨーク(3a)の内周面から径方向内側へ向けて延びる。複数の巻線(4)は、複数のティース(3b)に巻回される。なお、図1では、ステータコア(3)および後述するロータコア(11)のハッチングを省略している。
〔ロータ〕
図2~図4は、ロータ(10)の構成を例示する。ロータ(10)は、ロータコア(11)を有する。ロータコア(11)の横断面形状は、軸方向の全長にわたって同一である。この例では、ロータコア(11)の横断面の外形状は、円形状である。
また、この例では、ロータコア(11)は、積層コアにより構成される。具体的には、ロータコア(11)は、それぞれが電磁鋼板で構成されて円盤状に形成された複数の部材を軸方向に積層することにより構成される。なお、図2~図4では、ロータコア(11)のハッチングを省略している。
〔基準線〕
ロータコア(11)には、第1基準線(L1)と第2基準線(L2)とが定められる。
第1基準線(L1)は、ロータコア(11)の回転中心(Q)から径方向に延びる基準線であり、ロータコア(11)の磁極毎に定められた基準線である。第1基準線(L1)の数は、ロータコア(11)の極数と同一である。第1基準線(L1)は、周方向において等間隔に配置される。第1基準線(L1)は、ロータコア(11)の磁極の中心線となる。ロータコア(11)の1つの磁極は、1つの第1基準線(L1)を軸として線対称となるように形成されたロータコア(11)の部分である。また、第1基準線(L1)は、ロータコア(11)の回転中心(Q)と空洞部(21)の周方向両端のそれぞれとを結んだ2線がなす角を二等分する線である。
第2基準線(L2)は、ロータコア(11)の回転中心(Q)から径方向に延びる基準線であり、第1基準線(L1)との間の角度が180°をロータコア(11)の極数で除算して得られる角度となる基準線である。第2基準線(L2)の数は、ロータコア(11)の極数を同一である。第2基準線(L2)は、ロータコア(11)の磁極間の境界線となる。第2基準線(L2)は、周方向において等間隔に配置される。ロータコア(11)の1つの磁極は、周方向において隣り合う2つの第2基準線(L2)の間に位置するロータコア(11)の部分である。
この例では、ロータコア(11)の極数は「4」である。ロータコア(11)には、ロータコア(11)の4つの磁極に一対一で対応する4つの第1基準線(L1)と、ロータコア(11)の4つの磁極の境界に一対一で対応する4つの第2基準線(L2)とが定められる。第1基準線(L1)と第2基準線(L2)は、周方向において交互に等間隔に配置される。第1基準線(L1)とその第1基準線(L1)と周方向において隣り合う第2基準線(L2)との間の角度は、45°(=180°/4)である。
なお、ロータコア(11)に後述する空洞部(20)が形成されることにより、第1基準線(L1)は、磁束を通しにくい方向の軸であるq軸となり、第2基準線(L2)は、磁束を通しやすい方向の軸であるd軸となる。d軸は、磁気抵抗が最小となる方向の軸である。q軸は、d軸との電気角での位相差が90°となる軸である。q軸は、d軸と磁気的に直交する軸である。
〔リラクタンストルクおよび力率〕
この例では、ロータ(10)は、突極方向(d軸)と非突極方向(q軸)とのインダクタンスの差に応じたリラクタンストルクにより回転する。d軸インダクタンスからq軸インダクタンスを減算して得られる差が大きくなるほど、リラクタンストルクが大きくなる。したがって、q軸インダクタンスを低下させることで、ロータ(10)に作用するリラクタンストルクを増加させることができる。
また、d軸インダクタンスをq軸インダクタンスで除算して得られる突極比が大きくなるほど、モータ(1)における力率が大きくなる。したがって、q軸インダクタンスを低下させることで、モータ(1)における力率を増加させることができる。
〔軸孔〕
ロータコア(11)には、軸孔(15)が形成される。軸孔(15)は、ロータコア(11)の中心部に設けられ、ロータコア(11)を軸方向に貫通する。軸孔(15)の横断面形状は、ロータコア(11)の回転中心(Q)を中心とする円形状であり、ロータコア(11)の軸方向の全長にわたって同一である。軸孔(15)の壁面は、ロータコア(11)の回転中心(Q)を中心とする円筒面である。
〔空洞部〕
ロータコア(11)には、ロータコア(11)の磁極毎に、径方向に並ぶ複数の空洞部(20)が形成される。この例では、ロータコア(11)の磁極毎に、5つの空洞部(20)が径方向に並ぶ。空洞部(20)は、1つまたは複数の空洞を有する。
複数の空洞部(20)の各々は、軸孔(15)の径方向外側に設けられ、ロータコア(11)を軸方向に貫通する。複数の空洞部(20)の各々は、第1基準線(L1)と交差するように延びる。複数の空洞部(20)の各々は、第1基準線(L1)を軸として線対称となるように形成される。なお、複数の空洞部(20)の各々は、第2基準線(L2)と交差しない。
この例では、ロータコア(11)の磁極毎に設けられた複数の空洞部(20)のうち最も径方向内側に位置する空洞部(20)を除く残りの空洞部(20)は、ロータコア(11)の回転中心(Q)へ向けて凸となる円弧状に形成される。
具体的には、径方向内側から数えて第2番目の空洞部(20)の径方向内側の壁面は、ロータコア(11)の回転中心(Q)へ向けて凸となる円弧状に形成される。第2番目の空洞部(20)の径方向外側の壁面も、ロータコア(11)の回転中心(Q)へ向けて凸となる円弧状に形成される。第2番目の空洞部(20)の径方向内側の壁面と第2番目の空洞部(20)の径方向外側の壁面との間の距離である空洞幅は、第2番目の空洞部(20)の周方向の全長にわたって同一である。
径方向内側から数えて第3番目および第4番目の空洞部(20)の構成は、第2番目の空洞部(20)の構成と同様である。第3番目の空洞部(20)の径方向内側の壁面と第2番目の空洞部(20)の径方向外側の壁面との間の距離(後述する第2番目の隔壁部(112)の幅)は、第3番目の空洞部(20)の周方向の全長にわたって同一である。第4番目の空洞部(20)の径方向内側の壁面と第3番目の空洞部(20)の径方向外側の壁面との間の距離(後述する第3番目の隔壁部(112)の幅)は、第4番目の空洞部(20)の周方向の全長にわたって同一である。
径方向内側から数えて第5番目の空洞部(20)は、径方向に並ぶ複数の空洞部(20)のうち最も径方向外側に位置する空洞部(20)である。第5番目の空洞部(20)の径方向内側の壁面は、ロータコア(11)の回転中心(Q)へ向けて凸となる円弧状に形成される。第5番目の空洞部(20)の径方向外側の壁面は、ロータコア(11)の回転中心(Q)に対して凹となる円弧状に形成される。第5番目の空洞部(20)の径方向内側の壁面と第4番目の空洞部(20)の径方向外側の壁面との間の距離(後述する第4番目の隔壁部(112)の幅)は、第5番目の空洞部(20)の周方向の全長にわたって同一である。
〔最も径方向内側に位置する空洞部〕
次に、ロータコア(11)の磁極毎に設けられた複数の空洞部(20)のうち最も径方向内側の空洞部(20)について説明する。最も径方向内側の空洞部(20)は、径方向内側から数えて第1番目の空洞部(20)である。以下では、最も径方向内側の空洞部(20)を「空洞部(21)」と記載する。また、空洞部(21)の径方向内側の壁面(30)を「内側壁面(30)」と記載し、空洞部(21)の径方向外側の壁面(40)を「外側壁面(40)」と記載する。
〔内側壁面〕
空洞部(21)の内側壁面(30)は、第1基準線(L1)の近傍部分を含む中央面部(31)と、それぞれが中央面部(31)から空洞部(21)の周方向端まで延びる2つの側面部(32)とを有する。2つの側面部(32)の一方は、中央面部(31)の周方向における一端から空洞部(21)の周方向における一端まで延び、2つの側面部(32)の他方は、中央面部(31)の周方向における他端から空洞部(21)の周方向における他端まで延びる。
なお、空洞部(21)の内側壁面(30)の「第1基準線(L1)の近傍部分」には、空洞部(21)の内側壁面(30)のうち「空洞部(21)の内側壁面(30)と第1基準線(L1)との交点(Z)を含む部分」が含まれる。この例では、第1基準線(L1)に沿うセンタリブ(50)が空洞部(21)に設けられているので、上記の「空洞部(21)の内側壁面(30)と第1基準線(L1)との交点(Z)」は、空洞部(21)の内側壁面(30)の円弧状の仮想面部分(図4において破線で示した部分)と第1基準線(L1)との交点となる。また、空洞部(21)の内側壁面(30)の「第1基準線(L1)の近傍部分」には、空洞部(21)の内側壁面(30)のうち第1基準線(L1)に最も近接する部分が含まれる。
〈中央面部〉
空洞部(21)の内側壁面(30)の中央面部(31)は、ロータコア(11)の回転中心(Q)に対して凹となるように形成される。空洞部(21)の内側壁面(30)の中央面部(31)は、曲率中心が空洞部(21)の内側壁面(30)よりも径方向内側に位置する部分を含む。
この例では、中央面部(31)は、軸孔(15)の壁面に沿うように湾曲する。中央面部(31)と軸孔(15)の壁面との間の距離は、中央面部(31)の周方向の全長にわたって同一である。
〈側面部〉
空洞部(21)の内側壁面(30)の側面部(32)は、第2基準線(L2)と軸孔(15)の壁面との交点(X)へ向けて凸となるように形成される。空洞部(21)の内側壁面(30)の側面部(32)は、曲率中心が空洞部(21)の内側壁面(30)よりも径方向外側に位置する部分を含む。
この例では、側面部(32)は、円弧面部分(32a)と、平面部分(32b)と、接続面部分(32c)とを有する。円弧面部分(32a)は、側面部(32)のうち中央面部(31)に繋がる部分である。平面部分(32b)は、側面部(32)のうち空洞部(21)の周方向端に繋がる部分である。接続面部分(32c)は、側面部(32)のうち円弧面部分(32a)と平面部分(32b)とを繋ぐ部分である。
円弧面部分(32a)は、軸孔(15)の壁面に沿うように湾曲する。この例では、円弧面部分(32a)と軸孔(15)の壁面との間の距離は、円弧面部分(32a)の周方向の全長にわたって同一である。また、円弧面部分(32a)と軸孔(15)の壁面との間の距離は、中央面部(31)と軸孔(15)の壁面との間の距離と同一である。
平面部分(32b)は、第2基準線(L2)に沿うように延びる。この例では、平面部分(32b)と第2基準線(L2)との間の距離は、径方向外側へ向かうに連れて次第に短くなる。言い換えると、平面部分(32b)は、径方向外側へ向かうに連れて第2基準線(L2)に次第に近づくように、第2基準線(L2)に対して傾斜する。
接続面部分(32c)は、第2基準線(L2)と軸孔(15)の壁面との交点(X)へ向けて凸となるように湾曲する。接続面部分(32c)の曲率中心は、内側壁面(30)よりも径方向外側に位置する。
〔外側壁面〕
空洞部(21)の外側壁面(40)は、ロータコア(11)の回転中心(Q)へ向けて凸となる円弧状に形成される。空洞部(21)の外側壁面(40)と第2番目の空洞部(20)の径方向内側の壁面との間の距離(後述する第1番目の隔壁部(112)の幅)は、第2番目の空洞部(20)の周方向の全長にわたって同一である。
〔空洞幅〕
空洞部(21)の内側壁面(30)は、空洞部(21)の内側壁面(30)と外側壁面(40)との間の距離である空洞幅(W1)が空洞部(21)の内側壁面(30)のうち第1基準線(L1)の近傍部分における空洞幅(W1)よりも長い部分を含む。
なお、空洞部(21)の空洞幅(W1)は、空洞部(21)の外側壁面(40)を基準とする距離である。具体的には、空洞部(21)の空洞幅(W1)は、空洞部(21)の外側壁面(40)の垂線方向における距離(空洞部(21)の内側壁面(30)と外側壁面(40)との間の距離)である。
この例では、空洞部(21)の内側壁面(30)のうち「空洞幅(W1)が空洞部(21)の内側壁面(30)のうち第1基準線(L1)の近傍部分における空洞幅(W1)よりも長い部分」は、空洞部(21)の内側壁面(30)の接続面部分(32c)である。例えば、空洞部(21)の内側壁面(30)のうち「空洞幅(W1)が空洞部(21)の内側壁面(30)のうち第1基準線(L1)の近傍部分における空洞幅(W1)よりも長い部分」における空洞幅(W1)は、空洞部(21)の内側壁面(30)のうち第1基準線(L1)の近傍部分における空洞幅(W1)の1.5~5倍である。
なお、この例では、空洞部(21)の内側壁面(30)のうち第1基準線(L1)の近傍部分における空洞幅(W1)は、空洞部(21)の内側壁面(30)のうち空洞部(21)の内側壁面(30)と第1基準線(L1)との交点(Z)における空洞幅(W1)である。
〔ロータコアの構成〕
ロータコア(11)は、基部(110)と、複数の突極部(111)とを有する。突極部(111)の数は、ロータコア(11)に定められた第2基準線(L2)の数と同一である。この例では、突極部(111)の数は、4つである。
また、ロータコア(11)は、ロータコア(11)の磁極毎に、複数の隔壁部(112)と、複数のサイドブリッジ(113)と、センタブリッジ(114)とを有する。この例では、ロータコア(11)の磁極毎に、4つの隔壁部(112)と、8つのサイドブリッジ(113)と、1つのセンタブリッジ(114)が設けられる。
〔基部〕
基部(110)は、円筒状に形成される。この例では、基部(110)の幅(径方向における長さ)は、基部(110)の全周にわたって同一である。基部(110)の内周面は、軸孔(15)の壁面を構成する。
〔突極部〕
複数の突極部(111)は、周方向において等間隔に配置される。この例では、複数の突極部(111)の各々は、その突極部(111)の中心線が第2基準線(L2)に沿うように、基部(110)から径方向に延びる。また、突極部(111)の幅(延伸方向と直交する方向における長さ)は、突極部(111)の先端へ向かうに連れて次第に短くなる。突極部(111)の基端部(突極部(111)と基部(110)との接続部)は、丸み付けされる。
〔隔壁部〕
ロータコア(11)の磁極毎に設けられた複数の隔壁部(112)は、径方向に並ぶ。これらの複数の隔壁部(112)の各々は、第1基準線(L1)と交差するように延び、第1基準線(L1)を軸として線対称となるように形成される。この例では、4つの隔壁部(112)の各々は、同様の構成を有する。隔壁部(112)は、ロータコア(11)の回転中心(Q)へ向けて凸となる円弧状に形成される。隔壁部(112)の幅(周方向と直交する方向における長さ)は、隔壁部(112)の周方向の全長にわたって同一である。
径方向内側から数えて第1番目の隔壁部(112)と第2番目の隔壁部(112)との間の距離(第2番目の空洞部(20)の空洞幅)は、第2番目の隔壁部(112)の周方向の全長にわたって同一である。径方向内側から数えて第2番目の隔壁部(112)と第3番目の隔壁部(112)との間の距離(第3番目の空洞部(20)の空洞幅)、径方向内側から数えて第3番目の隔壁部(112)と第4番目の隔壁部(112)との間の距離(第4番目の空洞部(20)の空洞幅)についても同様である。
〔サイドブリッジ〕
ロータコア(11)の磁極毎に設けられた複数のサイドブリッジ(113)には、2種類のサイドブリッジ(113)が含まれる。以下では、一方の種類のサイドブリッジ(113)を「第1サイドブリッジ(113)」と記載し、他方の種類のサイドブリッジ(113)を「第2サイドブリッジ(113)」と記載する。
第1サイドブリッジ(113)は、第1番目の隔壁部(112)の周方向端と突極部(111)の先端とを繋ぐ。この例では、ロータコア(11)の磁極毎に、2つの第1サイドブリッジ(113)が設けられる。1つの第1サイドブリッジ(113)は、第1番目の隔壁部(112)の周方向における一端と、その第1番目の隔壁部(112)の周方向における一端と周方向において隣り合う突極部(111)の先端との間に配置される。もう1つのサイドブリッジ(113)は、第1番目の隔壁部(112)の周方向における他端と、その第1番目の隔壁部(112)の周方向における他端と周方向において隣り合う突極部(111)の先端との間に配置される。
第2サイドブリッジ(113)は、径方向において隣り合う2つの隔壁部(112)の周方向端を繋ぐ。この例では、ロータコア(11)の磁極毎に、6つの第2サイドブリッジ(113)が設けられる。3つの第2サイドブリッジ(113)は、径方向に並ぶ4つの隔壁部(112)の周方向における一端の間に配置され、残りの3つの第2サイドブリッジ(113)は、径方向に並ぶ4つの隔壁部(112)の周方向における他端の間に配置される。
〔センタブリッジ〕
ロータコア(11)の磁極毎に設けられたセンタブリッジ(114)は、ロータコア(11)の回転中心(Q)に対して凹となる円弧状に湾曲し、複数の隔壁部(112)のうち最も径方向外側に位置する隔壁部(112)の周方向両端を繋ぐ。
〔ロータコアの構造と空洞部との関係〕
第1番目の空洞部(20)である空洞部(21)は、基部(110)と、周方向において隣り合う2つの突極部(111)と、2つの突極部(111)の間に位置する第1番目の隔壁部(112)と、2つの突極部(111)の先端と第1番目の隔壁部(112)の周方向における両端とを繋ぐ2つのサイドブリッジ(113)とにより構成される。
空洞部(21)の内側壁面(30)は、「周方向において隣り合う2つの突極部(111)の壁面」と「基部(110)の外周面のうち2つの突極部(111)の壁面の間に位置する円弧面部分」とにより構成される。
具体的には、空洞部(21)の内側壁面(30)の中央面部(31)は、「基部(110)の外周面のうち2つの突極部(111)の壁面の間に位置する円弧面部分」の一部により構成される。空洞部(21)の内側壁面(30)の側面部(32)のうち円弧面部分(32a)は、「基部(110)の外周面のうち2つの突極部(111)の壁面の間に位置する円弧面部分」の残部により構成され、平面部分(32b)は、「突極部(111)の壁面」のうち「突極部(111)の基端部の壁面の部分」を除く残りの部分により構成され、接続面部分(32c)は、「突極部(111)の基端部の壁面の部分」により構成される。
空洞部(21)の外側壁面(40)は、第1番目の隔壁部(112)の径方向内側の壁面により構成される。空洞部(21)の周方向における端面は、第1サイドブリッジ(113)の径方向内側の壁面により構成される。
〔センタリブ〕
ロータコア(11)は、ロータコア(11)の磁極毎に、センタリブ(50)を有する。この例では、ロータコア(11)の磁極毎に設けられた複数の空洞部(20)のうち最も径方向外側に位置する第5番目の空洞部(20)を除く残りの空洞部(20)の各々に、センタリブ(50)が設けられる。
第1番目の空洞部(20)である空洞部(21)に設けられるセンタリブ(50)は、第1基準線(L1)に沿うように、空洞部(21)の内側壁面(30)から空洞部(21)の外側壁面(40)まで延びる。具体的には、空洞部(21)に設けられるセンタリブ(50)は、第1基準線(L1)に沿うように空洞部(21)の内側壁面(30)から空洞部(21)の外側壁面(40)まで延びる直線部を含む。
この例では、センタリブ(50)は、センタリブ(50)の中心線が第1基準線(L1)に沿うように形成される。センタリブ(50)の基端部の幅(延伸方向と直交する方向における長さ)は、空洞部(21)の内側壁面(30)から遠ざかるに連れて次第に短くなる。センタリブ(50)の先端部の幅は、空洞部(21)の外側壁面(40)に近づくに連れて次第に長くなる。センタリブ(50)の基端部および先端部を除く残りの部分の幅は、同幅(一定)である。
第2番目~第4番目の空洞部(20)の各々に設けられるセンタリブ(50)の構成は、空洞部(21)に設けられるセンタリブ(50)の構成と同様である。
〔補強リブ〕
また、ロータコア(11)は、ロータコア(11)の磁極毎に、補強リブ(60)を有する。この例では、ロータコア(11)の磁極毎に設けられた複数の空洞部(20)のうち第1番目~第3番目の空洞部(20)の各々に、補強リブ(60)が設けられる。
第1番目の空洞部(20)である空洞部(21)に設けられる補強リブ(60)は、空洞部(21)の内側壁面(30)から空洞部(21)の外側壁面(40)まで延びる。具体的には、補強リブ(60)は、第1基準線(L1)上を避けて設けられ、ロータコア(11)の回転中に補強リブ(60)に作用する力の方向に沿うように空洞部(21)の内側壁面(30)から空洞部(21)の外側壁面(40)まで直線部を含む。なお、ロータコア(11)の回転中に補強リブ(60)に作用する力の方向は、補強リブ(60)と空洞部(21)の外側壁面(40)との交点(Y)に作用する力の方向(図4に示した白抜き矢印の方向)である。
この例では、補強リブ(60)は、補強リブ(60)の中心線(図中の一点鎖線で示された直線)がロータコア(11)の回転中に補強リブ(60)に作用する力の方向に沿うように形成される。補強リブ(60)の基端部の幅(延伸方向と直交する方向における長さ)は、空洞部(21)の内側壁面(30)から遠ざかるに連れて次第に短くなる。補強リブ(60)の先端部の幅は、空洞部(21)の外側壁面(40)に近づくに連れて次第に長くなる。補強リブ(60)の基端部および先端部を除く残りの部分の幅は、同幅(一定)である。
なお、この例では、空洞部(21)は、2つの補強リブ(60)が設けられる。以下では、2つの補強リブ(60)の一方を「第1リブ(61)」と記載し、2つの補強リブ(60)の他方を「第2リブ(62)」と記載する。第2リブ(62)は、第1基準線(L1)を軸として第1リブ(61)と線対称となるように設けられる。
第2番目および第3番目の空洞部(20)に設けられる補強リブ(60)の構成は、空洞部(21)に設けられる補強リブ(60)の構成と同様である。
以上のように、この例では、空洞部(21)にセンタリブ(50)と補強リブ(60)とが設けられることで、空洞部(21)の空洞が複数の空洞に分割されている。したがって、第1基準線(L1)は、ロータコア(11)の回転中心(Q)と空洞部(21)の複数の空洞の集合の周方向両端のそれぞれとを結んだ2線が成す角を二等分する線であるといえる。
〔実施形態と比較例1との対比〕
次に、図2と図5とを参照して、実施形態と比較例1とを対比する。
図5は、比較例1のロータ(80)の構成を例示する。比較例1のロータ(80)は、ロータコア(81)を備える。ロータコア(81)は、最も径方向内側に位置する空洞部(20)の構成が実施形態のロータ(10)と異なる。ロータコア(81)のその他の構成は、実施形態のロータ(10)の構成と同様である。
比較例1のロータコア(81)の磁極毎に設けられた複数の空洞部(20)のうち最も径方向内側に位置する空洞部(20)である空洞部(85)は、残りの空洞部(20)の構成と同様である。空洞部(85)は、ロータコア(81)の回転中心(Q)へ向けて凸となる円弧状に形成される。
図5に示すように、比較例1のロータ(80)では、空洞部(85)がロータコア(11)の回転中心(Q)へ向けて凸となる円弧状に形成されているので、空洞部(85)よりも径方向内側にあるロータコア(81)の部分を削減することが困難である。
比較例1のロータ(80)では、空洞部(85)よりも径方向内側にあるロータコア(81)の部分においてq軸磁束が通りやすいので、q軸インダクタンスを低下させることが困難である。そのため、ロータ(80)に作用するリラクタンストルクを増加させることが困難である。
一方、図2に示すように、実施形態のロータ(10)では、空洞部(21)の内側壁面(30)の中央面部(31)は、ロータコア(11)の回転中心(Q)に対して凹となるように形成される。空洞部(21)の内側壁面(30)の側面部(32)は、第2基準線(L2)と軸孔(15)の壁面との交点(X)へ向けて凸となるように形成される。
実施形態のロータ(10)では、上記のような構成により、空洞部(21)の内側壁面(30)がロータコア(11)の回転中心(Q)へ向けて凸となる円弧状に形成される場合(比較例1のロータ(80))よりも、空洞部(21)の内側壁面(30)を軸孔(15)の壁面および第2基準線(L2)に近づけることができる。例えば、空洞部(21)の内側壁面(30)が「ロータコア(11)の回転中心(Q)へ向けて凸となり、且つ、頂点が図4に示した交点(Z)を通過する円弧状」に形成される場合よりも、空洞部(21)の内側壁面(30)を軸孔(15)の壁面および第2基準線(L2)に近づけることができる。
このように、空洞部(21)の内側壁面(30)を軸孔(15)の壁面および第2基準線(L2)に近づけることができるので、空洞部(21)よりも径方向内側にあるロータコア(11)の部分を削減することができる。これにより、空洞部(21)よりも径方向内側にあるロータコア(11)の部分においてq軸磁束を通りにくくすることができるので、q軸インダクタンスを低下させることができる。その結果、リラクタンストルクを増加させることができる。
図6は、実施形態のロータ(10)における磁束の分布を例示し、図7は、比較例1のロータ(80)における磁束の分布を例示する。図6に示した実施形態のロータ(10)のロータコア(11)の空洞部(21)における漏れ磁束の量は、図7に示した比較例1のロータ(80)のロータコア(81)の空洞部(85)における漏れ磁束の量よりも少なくなっている。
〔実施形態と比較例2との対比〕
次に、図8と図9とを参照して、実施形態と比較例2とを対比する。
図8に示すように、比較例2のロータ(90)は、ロータコア(91)を備える。ロータコア(91)は、空洞部(20)の内部構造が実施形態のロータコア(11)と異なる。ロータコア(91)のその他の構成は、実施形態のロータコア(11)の構成と同様である。
比較例2のロータコア(91)の空洞部(20)には、補強リブ(60)が設けられない。比較例2のロータコア(91)は、補強リブ(60)を有さない。
図8は、比較例2のロータ(90)が回転しているときのロータコア(91)における応力分布を例示する。図8に示すように、比較例2のロータ(90)では、ロータ(90)が回転してロータコア(91)に遠心力が作用する際に、空洞部(20)の周方向端部(サイドブリッジ(113))に応力が集中しやすい。
図9は、実施形態のロータ(10)が回転しているときのロータコア(11)における応力分布を例示する。図9に示すように、実施形態のロータ(10)では、補強リブ(60)が設けられているので、空洞部(20)の周方向端部(サイドブリッジ(113))における応力集中が緩和されている。また、補強リブ(60)における応力分布は、補強リブ(60)の全体において均一な分布(ばらつきが少ない分布)となっている。
〔実施形態の効果〕
以上のように、実施形態では、空洞部(21)の内側壁面(30)の中央面部(31)は、ロータコア(11)の回転中心(Q)に対して凹となるように形成される。空洞部(21)の内側壁面(30)の側面部(32)は、第2基準線(L2)と軸孔(15)の壁面との交点(X)へ向けて凸となるように形成される。
上記の構成では、空洞部(21)の内側壁面(30)がロータコア(11)の回転中心(Q)へ向けて凸となる円弧状に形成される場合よりも、空洞部(21)の内側壁面(30)を軸孔(15)の壁面および第2基準線(L2)に近づけることができるので、空洞部(21)よりも径方向内側にあるロータコア(11)の部分を削減することができる。これにより、空洞部(21)よりも径方向内側にあるロータコア(11)の部分においてq軸磁束を通りにくくすることができるので、q軸インダクタンスを低下させることができる。その結果、リラクタンストルクを増加させることができる。
また、上記の構成では、q軸インダクタンスを低下させることができるので、突極比(d軸インダクタンスをq軸インダクタンスで除算して得られる比)を大きくすることができる。これにより、モータ(1)における力率を増加させることができる。
また、上記の構成では、リラクタンストルクを増加させることができるので、ロータ(10)の回転駆動に必要となるモータ電流(ステータ(2)の巻線(4)に流れる電流)を低減することができる。これにより、モータ(1)の銅損を低減することができるので、モータ(1)の効率を向上させることができる。
また、実施形態では、空洞部(21)の外側壁面(40)は、ロータコア(11)の回転中心(Q)へ向けて凸となる円弧状に形成される。空洞部(21)の内側壁面(30)は、空洞部(21)の内側壁面(30)と空洞部(21)の外側壁面(40)との間の距離である空洞幅(W1)が空洞部(21)の内側壁面(30)のうち第1基準線(L1)の近傍部分における空洞幅(W1)よりも長い部分を含む。
上記の構成では、空洞部(21)の外側壁面(40)をロータコア(11)の回転中心(Q)へ向けて凸となる円弧状に形成することにより、空洞部(21)の径方向外側にあるロータコア(11)の部分においてd軸磁束の磁路を容易に確保することができる。これにより、d軸インダクタンスの低下を抑制することができるので、リラクタンストルクの低下を抑制することができる。
また、実施形態では、空洞部(21)の内側壁面(30)のうち中央面部(31)は、曲率中心が空洞部(21)の内側壁面(30)よりも径方向内側に位置する部分を含む。空洞部(21)の内側壁面(30)のうち側面部(32)は、曲率中心が空洞部(21)の内側壁面(30)よりも径方向外側に位置する部分を含む。
上記の構成では、空洞部(21)の内側壁面(30)の中央面部(31)を、ロータコア(11)の回転中心(Q)に対して凹となるように形成することができる。また、空洞部(21)の内側壁面(30)の側面部(32)を、第2基準線(L2)と軸孔(15)の壁面との交点(X)へ向けて凸となるように形成することができる。
また、実施形態では、空洞部(21)の内側壁面(30)のうち側面部(32)は、第2基準線(L2)に沿うように延びる平面部分(32b)を含む。
上記の構成では、空洞部(21)の内側壁面(30)の側面部(32)を第2基準線(L2)に近づけることができるので、空洞部(21)の内側壁面(30)の側面部(32)よりも径方向内側にあるロータコア(11)の部分を削減することができる。これにより、空洞部(21)よりも径方向内側にあるロータコア(11)の部分においてq軸磁束を通りにくくすることができるので、q軸インダクタンスを低下させることができ、リラクタンストルクを増加させることができる。
また、実施形態では、空洞部(21)の内側壁面(30)のうち中央面部(31)は、軸孔(15)の壁面に沿うように湾曲する。
上記の構成では、空洞部(21)の内側壁面(30)の中央面部(31)を軸孔(15)の壁面に近づけることができるので、空洞部(21)の内側壁面(30)の中央面部(31)よりも径方向内側にあるロータコア(11)の部分を削減することができる。これにより、空洞部(21)よりも径方向内側にあるロータコア(11)の部分においてq軸磁束を通りにくくすることができるので、q軸インダクタンスを低下させることができ、リラクタンストルクを増加させることができる。
また、実施形態では、空洞部(21)は、第1基準線(L1)を軸として線対称となるように形成される。ロータコア(11)は、空洞部(21)の内側壁面(30)から空洞部(21)の外側壁面(40)まで延びる補強リブ(60)(第1リブ(61))を有する。補強リブ(60)は、第1基準線(L1)上を避けて設けられ、ロータコア(11)の回転中に補強リブ(60)に作用する力の方向に沿うように空洞部(21)の内側壁面(30)から空洞部(21)の外側壁面(40)まで延びる直線部を含む。
言い換えると、ロータコア(11)は、空洞部(21)の空洞と、その空洞と周方向で隣り合う別の空洞との間に、空洞部(21)の径方向内側から空洞部(21)の径方向外側まで延びる補強リブ(60)(第1リブ(61))を有する。補強リブ(60)は、ロータコア(11)の回転中心(Q)と空洞部(21)の複数の空洞の集合の周方向両端のそれぞれと結んだ2線が成す角を二等分する第1基準線(L1)上を避けて設けられ、ロータコア(11)の回転中に第1リブ(61)に作用する力の方向に沿うように空洞部(21)の径方向内側から空洞部(21)の径方向外側まで延びる直線部を含む。
上記の構成では、補強リブ(60)を設けることにより、ロータコア(11)が回転しているときの空洞部(21)の周方向端部における応力集中を緩和することができる。
また、実施形態では、補強リブ(60)(第1リブ(61))は、補強リブ(60)の中心線がロータコア(11)の回転中に補強リブ(60)に作用する力の方向に沿うように形成される。
上記の構成では、補強リブ(60)の中心線がロータコア(11)の回転中に補強リブ(60)に作用する力の方向に沿うように補強リブ(60)が形成されていない場合よりも、補強リブ(60)を細くすることができる。これにより、補強リブ(60)を通過する漏れ磁束を低減することができる。
また、実施形態では、ロータコア(11)は、第1基準線(L1)に沿うように空洞部(21)の内側壁面(30)から空洞部(21)の外側壁面(40)まで延びるセンタリブ(50)を有する。言い換えると、ロータコア(11)は、空洞部(21)の空洞と、その空洞と周方向で隣り合う別の空洞との間に、第1基準線(L1)に沿うように空洞部(21)の径方向内側から空洞部(21)の径方向外側まで延びるセンタリブ(50)を有する。
上記の構成では、センタリブ(50)を設けることにより、ロータコア(11)が回転しているときの空洞部(21)の周方向端部における応力集中を緩和することができる。
また、実施形態では、ロータコア(11)は、空洞部(21)の内側壁面(30)から空洞部(21)の外側壁面(40)まで延びるもう1つの補強リブ(60)(第2リブ(62))を有する。第2リブ(62)は、第1基準線(L1)上を避けて設けられ、ロータコア(11)の回転中に第2リブ(62)に作用する力の方向に沿うように空洞部(21)の内側壁面(30)から空洞部(21)の外側壁面(40)まで延びる直線部を含む。
言い換えると、ロータコア(11)は、空洞部(21)の空洞と、その空洞と周方向で隣り合う別の空洞との間に、空洞部(21)の径方向内側から空洞部(21)の径方向外側まで延びる第2リブ(62)を有する。第2リブ(62)は、第1基準線(L1)上を避けて設けられ、ロータコア(11)の回転中に第2リブ(62)に作用する力の方向に沿うように空洞部(21)の径方向内側から空洞部(21)の径方向外側まで延びる直線部を含む。
上記の構成では、第1リブ(61)に加えて第2リブ(62)を設けることにより、ロータコア(11)が回転しているときの空洞部(21)の周方向端部における応力集中をさらに緩和することができる。
また、実施形態では、第2リブ(62)は、第1基準線(L1)を軸として第1リブ(61)と線対称となるように設けられる。
上記の構成では、ロータコア(11)が回転しているときの空洞部(21)の周方向の両端部における応力集中をバランスよく緩和することができる。
また、実施形態では、ロータコア(11)には、ロータコア(11)の磁極毎に、径方向に並ぶ複数の空洞部(20)が形成される。補強リブ(60)(第1リブ(61))が設けられる空洞部(21)は、複数の空洞部(20)のうち最も径方向内側に位置する空洞部である。
上記の構成では、径方向に並ぶ複数の空洞部(20)のうち最も径方向内側に位置する空洞部(21)は、ロータコア(11)が回転しているときの空洞部(21)の周方向端部における応力集中が発生しやすい。したがって、径方向に並ぶ複数の空洞部(20)のうち最も径方向内側に位置する空洞部(21)に第1リブ(61)を設けることにより、ロータコア(11)が回転しているときの空洞部(21)の周方向端部における応力集中を効果的に緩和することができる。
(実施形態の変形例1)
図10は、実施形態の変形例1のロータ(10)の要部の構成を例示する。実施形態の変形例1のロータ(10)では、径方向内側から数えて第5番目の空洞部(20)が省略されている。実施形態の変形例1のロータ(10)のその他の構成は、実施形態のロータ(10)の構成と同様である。
実施形態の変形例1では、センタブリッジ(114)が省略されている。径方向内側から数えて第4番目の隔壁部(112)(最も径方向外側に位置する隔壁部(112))の径方向外側の壁面は、ロータコア(11)の回転中心(Q)に対して凹となる円弧状に形成される。
(実施形態の変形例2)
図11は、実施形態の変形例2のロータ(10)の要部の構成を例示する。実施形態の変形例2のロータ(10)は、空洞部(21)の内側壁面(30)の構成が実施形態のロータ(10)と異なる。また、実施形態の変形例2のロータ(10)では、径方向内側から数えて第5番目の空洞部(20)が省略されている。実施形態の変形例2のロータ(10)のその他の構成は、実施形態のロータ(10)の構成と同様である。なお、図11では、補強リブ(60)の図示を省略している。
実施形態の変形例2では、空洞部(21)の内側壁面(30)の側面部(32)は、複数の平面部分(32b)を有する。図11の例では、側面部(32)に2つの平面部分(32b)が設けられる。空洞部(21)の内側壁面(30)の側面部(32)のその他の構成は、実施形態の空洞部(21)の内側壁面(30)の側面部(32)の構成と同様である。
実施形態の変形例2では、センタブリッジ(114)が省略されている。最も径方向外側に位置する隔壁部(112)の径方向外側の壁面は、ロータコア(11)の外周面の一部となる。したがって、ロータコア(11)の外周面の一部は、ロータコア(11)の回転中心(Q)へ向けて凸となる円弧状に凹んでいる。
(実施形態の変形例3)
図12は、実施形態の変形例3のロータ(10)の要部の構成を例示する。実施形態の変形例3のロータ(10)は、ロータコア(11)の極数が実施形態のロータ(10)と異なる。実施形態の変形例3のロータ(10)のその他の構成は、実施形態のロータ(10)の構成と同様である。
実施形態の変形例3では、ロータコア(11)の極数は「6」である。ロータコア(11)には、ロータコア(11)の6つの磁極に一対一で対応する6つの第1基準線(L1)と、ロータコア(11)の6つの磁極の境界に一対一で対応する6つの第2基準線(L2)とが定められる。第1基準線(L1)とその第1基準線(L1)と周方向において隣り合う第2基準線(L2)との間の角度は、30°(=180°/6)である。
(実施形態の変形例4)
図13は、実施形態の変形例4のロータ(10)の要部の構成を例示する。実施形態の変形例4のロータ(10)は、ロータコア(11)の磁極毎に設けられた空洞部(20)の数と空洞部(21)の内部構造が実施形態の変形例3のロータ(10)と異なる。実施形態の変形例4のロータ(10)のその他の構成は、実施形態の変形例3のロータ(10)の構成と同様である。
実施形態の変形例4では、ロータコア(11)の磁極毎に、径方向に並ぶ4つの空洞部(20)が設けられる。具体的には、ロータコア(11)の磁極毎に、径方向に並ぶ3つの隔壁部(112)が設けられる。第1番目の隔壁部(112)の径方向内側に、第1番目の空洞部(20)である空洞部(21)が形成され、第1番目~第3番目の隔壁部(112)の間に、第2番目および第3番目の空洞部(20)が形成され、第3番目の隔壁部(112)とセンタブリッジ(114)との間に、第4番目の空洞部(20)が形成される。
また、実施形態の変形例4では、空洞部(21)に4つの補強リブ(60)が設けられる。以下では、4つの補強リブ(60)のうち第1リブ(61)および第2リブ(62)を除く残りの2つの補強リブ(60)の1つを「第3リブ(63)」と記載し、残りの1つの補強リブ(60)を「第4リブ(64)」と記載する。
第3リブ(63)は、第1リブ(61)と空洞部(21)の周方向における一端部との間に設けられる。第4リブ(64)は、第2リブ(62)と空洞部(21)の周方向における他端部との間に設けられる。第4リブ(64)は、第1基準線(L1)を軸として第3リブ(63)と線対称となるように設けられる。
(圧縮機)
図14は、圧縮機(CC)の構成を例示する。圧縮機(CC)は、モータ(1)と、ケーシング(CC1)と、圧縮機構(CC2)とを備える。
ケーシング(CC1)は、圧縮機構(CC2)とモータ(1)とを収容する。この例では、ケーシング(CC1)は、上下方向に延びて両端が閉塞された円筒状に形成される。ケーシング(CC1)には、吸入管(CC11)と吐出管(CC12)とが設けられる。吸入管(CC11)は、ケーシング(CC1)の胴部を貫通して圧縮機構(CC2)に接続される。吐出管(CC12)は、ケーシング(CC1)の上部を貫通してケーシング(CC1)の内部空間と連通する。
圧縮機構(CC2)は、流体を圧縮する。この例では、圧縮機構(CC2)は、モータ(1)の下方に配置される。圧縮機構(CC2)は、吸入管(CC11)を通じて吸入した流体を圧縮し、その圧縮された流体をケーシング(CC1)の内部空間に吐出する。ケーシング(CC1)の内部空間に吐出された流体は、吐出管(CC12)を通じて吐出される。この例では、圧縮機構(CC2)は、ロータリ式の圧縮機構である。
シャフト(5)は、モータ(1)と圧縮機構(CC2)とを連結する。この例では、シャフト(5)は、上下方向に延びる。モータ(1)は、シャフト(5)を回転駆動する。シャフト(5)の回転駆動により、圧縮機構(CC2)が駆動する。
なお、圧縮機(CC)は、ロータリ式の圧縮機に限定されない。圧縮機(CC)は、スイング式、スクロール式、スクリュー式、ターボ式、その他の方式の圧縮機であってもよい。
(冷凍装置)
図15は、冷凍装置(RR)の構成を例示する。冷凍装置(RR)は、冷媒が循環する冷媒回路(RR1)を備える。具体的には、冷媒回路(RR1)は、モータ(1)を有する圧縮機(CC)と、第1熱交換器(RR5)と、第2熱交換器(RR6)と、減圧機構(RR7)と、四方切換弁(RR8)とを有する。この例では、膨張機構(RR7)は、電子膨張弁である。冷媒回路(RR1)は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。例えば、第1熱交換器(RR5)は、熱源熱交換器であり、室外に設けられる。第2熱交換器(RR6)は、利用熱交換器であり、室内に設けられる。
圧縮機(CC)の吐出側は、四方切換弁(RR8)の第1ポート(P1)に接続される。圧縮機(CC)の吸入側は、四方切換弁(RR8)の第2ポート(P2)に接続される。第1熱交換器(RR5)のガス端は、四方切換弁(RR8)の第3ポート(P3)に接続される。第1熱交換器(RR5)の液端は、膨張機構(RR7)を経由して第2熱交換器(RR6)の液端に接続される。第2熱交換器(RR6)のガス端は、四方切換弁(RR8)の第4ポート(P4)に接続される。
四方切換弁(RR8)は、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)とが連通し且つ第2ポート(P2)と第4ポート(P4)とが連通する第1状態(図15の実線で示す状態)と、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とが連通し且つ第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが連通する第2状態(図15の破線で示す状態)とに切り換え可能である。
四方切換弁(RR8)が第1状態である場合、圧縮機(CC)から吐出された冷媒は、第1熱交換器(RR5)において放熱し、膨張機構(RR7)において減圧された後に、第2熱交換器(RR6)において吸熱する。第2熱交換器(RR6)から流出した冷媒は、圧縮機(CC)に吸入される。
四方切換弁(RR8)が第2状態である場合、圧縮機(CC)から吐出された冷媒は、第2熱交換器(RR6)において放熱し、膨張機構(RR7)において減圧された後に、第1熱交換器(RR5)において吸熱する。第1熱交換器(RR5)から流出した冷媒は、圧縮機(CC)に吸入される。
例えば、冷凍装置(RR)は、冷房と暖房とを切り換える空気調和機である。なお、冷凍装置(RR)は、冷房専用機であってもよいし、暖房専用機であってもよい。この場合、冷凍装置(RR)において、四方切換弁(RR8)が省略されてもよい。また、冷凍装置(RR)は、給湯器、チラーユニット、庫内の空気を冷却する冷却装置などであってもよい。冷却装置は、冷蔵庫、冷凍庫、コンテナなどの内部の空気を冷却する。
(補強リブに作用する力)
次に、図16を参照して、ロータコア(11)の回転中に補強リブ(60)に作用する力について説明する。図16の例では、補強リブ(60)として、第1リブ(61)と第2リブ(62)とが設けられている。
ロータコア(11)の回転中に補強リブ(60)に作用する力は、ロータコア(11)に作用する遠心力と電磁力とトルクのうち少なくとも1つに応じて変化する。なお、本実施形態では、ロータコア(11)に作用する遠心力と電磁力とトルクのうち「遠心力」が支配的である。以上より、ロータコア(11)の回転中に補強リブ(60)に作用する力は、「ロータコア(11)に作用する遠心力と電磁力とトルクのうち少なくとも遠心力に応じた力」であるといえる。なお、補強リブ(60)に作用する力の方向は、ロータコア(11)に作用する力(例えば遠心力と電磁力とトルクの合力)の方向と必ずしも一致しない。
(補強リブに作用する力の方向)
次に、図16,図17,図18を参照して、ロータコア(11)の回転中に補強リブ(60)に作用する力の方向について説明する。
以下の説明では、補強リブ(60)と空洞部(21)の径方向内側の壁面(30)との交点を「第1交点(A)」と記載し、第1交点(A)からロータコア(11)の回転中に第1リブ(61)に作用する力の方向に沿うように延びる線を「作用線(F)」と記載する。
また、以下の説明では、第1交点(A)から第1基準線(L1)と平行となる方向に延びる線であり、空洞部(21)の径方向内側の壁面(30)よりも径方向外側に延びる線を「第1仮想線(L3)」と記載する。また、第1基準線(L1)とロータコア(11)の外周縁との交点を「第2交点(B)」と記載し、第1交点(A)から第2交点(B)を通過して延びる線を「第2仮想線(L4)」と記載する。
作用線(F)は、第1交点(A)からロータコア(11)の回転中に第1リブ(61)に作用する力の方向を示す線である。補強リブ(60)に含まれる直線部は、作用線(F)に沿うように空洞部(21)の径方向内側から空洞部(21)の径方向外側まで延びる。
作用線(F)は、ロータコア(11)に作用する電磁力が大きくなるに連れて、ロータコア(11)の回転方向の逆方向(図16の例では反時計回りの方向)に傾いていく傾向にある。この傾向は、ロータコア(11)に作用する遠心力が小さくなるほど顕著に現れる。
図17に示すように、ロータコア(11)に作用する電磁力が大きくなるほど、第1仮想線(L3)から作用線(F)までの角度(α)が次第に小さくなり、作用線(F)が第1仮想線(L3)に次第に近づいていく。また、ロータコア(11)が磁気飽和の状態であるときにロータコア(11)に作用する電磁力が最大値となり、そのときの角度(α)は「1.9°」となる。
なお、図17の例は、ロータ(10)の回転速度が最大値の10%であるときの角度(α)と電磁力との関係を示している。また、ロータコア(11)に作用する電磁力が最大値であるときの角度(α)は、ロータコア(11)の極数に応じて変化する。具体的には、ロータコア(11)の極数を“n”とすると、ロータコア(11)に作用する電磁力が最大値であるときの角度(α)は、「1.9°×4/n」となる。
また、作用線(F)は、ロータコア(11)に作用するトルクが大きくなるに連れて、ロータコア(11)の回転方向(図16の例では時計回りの方向)に傾いていく傾向にある。この傾向は、ロータコア(11)に作用する遠心力が小さくなるほど顕著に現れる。
図18に示すように、ロータコア(11)に作用するトルクが大きくなるほど、第2仮想線(L4)から作用線(F)までの角度(β)が次第に小さくなり、作用線(F)が第2仮想線(L4)に次第に近づいていく。また、ロータコア(11)が磁気飽和の状態であるときにロータコア(11)に作用するトルクが最大値となり、そのときの角度(β)は「3.2°」となる。
なお、図18の例は、ロータ(10)の回転速度が最大値の10%であるときの角度(β)とトルクとの関係を示している。また、ロータコア(11)に作用するトルクが最大値であるときの角度(β)は、ロータコア(11)の極数に応じて変化する。具体的には、ロータコア(11)の極数を“n”とすると、ロータコア(11)に作用するトルクが最大値であるときの角度(β)は、「3.2°×4/n」となる。
以上より、作用線(F)は、「第1仮想線(L3)と第2仮想線(L4)との間の範囲である第1範囲よりも内側にある第2範囲内に位置する線」であるといえる。
なお、第2範囲は、第3仮想線(La)と第4仮想線(Lb)との間の範囲である。第3仮想線(La)は、第1交点(A)から延びる線であり、第1範囲において第1仮想線(L3)よりも内側に位置する。第4仮想線(Lb)は、第1交点(A)から延びる線であり、第1範囲において第2仮想線(L4)よりも内側に位置する線である。具体的には、第1仮想線(L3)と第3仮想線(La)との間の角度(a1)は、1.9°×4/nであり、第2仮想線(L4)と第4仮想線(Lb)との間の角度(b1)は、3.2°×4/nである。nは、ロータコア(11)の極数である。
(その他の実施形態)
以上の説明では、モータ(1)がシンクロナスリラクタンスモータである場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、モータ(1)は、永久磁石を有するロータ(10)を備える永久磁石モータであってもよい。具体的には、ロータ(10)の空洞部(20)に永久磁石が挿入されてもよい。
なお、空洞部(21)の形状は、以上の説明に記載された形状に限定されない。具体的には、空洞部(21)の内側壁面(30)の形状および外側壁面(40)の形状は、以上の説明に記載された形状に限定されない。径方向に並ぶ複数の空洞部(20)のうち空洞部(21)を除く残りの空洞部(20)についても、同様である。
例えば、空洞部(21)の内側壁面(30)の側面部(32)は、接続面部分(32c)を有さなくてもよい。言い換えると、平面部分(32b)は、接続面部分(32c)を経由せずに円弧面部分(32a)と繋がってもよい。また、空洞部(21)の内側壁面(30)の側面部(32)は、平面部分(32b)の代わりに、径方向外側へ向かうに連れて第2基準線(L2)に次第に近づくように湾曲する湾曲面部分を有してもよい。また、空洞部(21)の内側壁面(30)の中央面部(31)は、ロータコア(11)の回転中心(Q)に対して凹となるV字状に形成されてもよい。空洞部(21)の外側壁面(40)は、ロータコア(11)の回転中心(Q)へ向けて凸となるV字状に形成されてもよいし、その他の形状であってもよい。
また、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態、変形例、その他の実施形態に係る要素を適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上説明したように、本開示は、ロータ、モータ、圧縮機、冷凍装置などとして有用である。
1 モータ
10 ロータ
11 ロータコア
20 空洞部
21 空洞部
30 内側壁面(空洞部の径方向内側の壁面)
31 中央面部
32 側面部
32a 円弧面部分
32b 平面部分
32c 接続面部分
40 外側壁面(空洞部の径方向外側の壁面)
50 センタリブ
60 補強リブ
61 第1リブ
62 第2リブ
63 第3リブ
64 第4リブ
110 基部
111 突極部
112 隔壁部
113 サイドブリッジ
114 センタブリッジ
CC 圧縮機
RR 冷凍装置

Claims (12)

  1. 磁極毎に複数の空洞を有する空洞部(21)が形成されたロータコア(11)を備え、
    前記ロータコア(11)は、前記空洞部(21)の前記空洞と、当該空洞と周方向で隣り合う前記空洞との間に、前記空洞部(21)の径方向内側から前記空洞部(21)の径方向外側まで延びる第1リブ(61)を有し、
    前記第1リブ(61)は、前記ロータコア(11)の回転中心(Q)と前記空洞部(21)の複数の空洞の集合の周方向両端のそれぞれと結んだ2線が成す角を二等分する第1基準線(L1)上を避けて設けられ、前記ロータコア(11)の回転中に前記第1リブ(61)に作用する力の方向に沿うように前記空洞部(21)の径方向内側から前記空洞部(21)の径方向外側まで延びる直線部を含む
    ロータ。
  2. 請求項1のロータにおいて、
    前記第1リブ(61)は、前記第1リブ(61)の中心線が前記ロータコア(11)の回転中に前記第1リブ(61)に作用する力の方向に沿うように形成される
    ロータ。
  3. 請求項1のロータにおいて、
    前記ロータコア(11)は、前記空洞部(21)の前記空洞と、当該空洞と周方向で隣り合う前記空洞との間に、前記第1基準線(L1)に沿うように前記空洞部(21)の径方向内側から前記空洞部(21)の径方向外側まで延びるセンタリブ(50)を有する
    ロータ。
  4. 請求項1のロータにおいて、
    前記ロータコア(11)は、前記空洞部(21)の前記空洞と、当該空洞と周方向で隣り合う前記空洞との間に、前記空洞部(21)の径方向内側から前記空洞部(21)の径方向外側まで延びる第2リブ(62)を有し、
    前記第2リブ(62)は、前記第1基準線(L1)上を避けて設けられ、前記ロータコア(11)の回転中に前記第2リブ(62)に作用する力の方向に沿うように前記空洞部(21)の径方向内側から前記空洞部(21)の径方向外側まで延びる直線部を含む
    ロータ。
  5. 請求項4のロータにおいて、
    前記第2リブ(62)は、前記第1基準線(L1)を軸として第1リブ(61)と線対称となるように設けられる
    ロータ。
  6. 請求項1のロータにおいて、
    前記ロータコア(11)には、前記磁極毎に、径方向に並ぶ複数の空洞部(20)が形成され、
    前記第1リブ(61)が設けられる前記空洞部(21)は、前記複数の空洞部(20)のうち最も径方向内側に位置する空洞部である
    ロータ。
  7. 請求項1のロータにおいて、
    前記ロータコア(11)の回転中に前記第1リブ(61)に作用する力は、前記ロータコア(11)に作用する遠心力と電磁力とトルクのうち少なくとも前記遠心力に応じた力である
    ロータ。
  8. 請求項7のロータにおいて、
    前記第1リブ(61)と前記空洞部(21)の径方向内側の壁面(30)との交点である第1交点(A)から前記ロータコア(11)の回転中に前記第1リブ(61)に作用する力の方向に沿うように延びる作用線(F)は、前記第1交点(A)から前記第1基準線(L1)と平行となる方向に延びる線であり前記空洞部(21)の径方向内側の壁面(30)よりも径方向外側に延びる第1仮想線(L3)と、前記第1交点(A)から前記第1基準線(L1)と前記ロータコア(11)の外周縁との交点である第2交点(B)を通過して延びる第2仮想線(L4)との間の範囲である第1範囲よりも内側にある第2範囲内に位置する
    ロータ。
  9. 請求項8のロータにおいて、
    前記第2範囲は、前記第1交点(A)から延びる線であり前記第1範囲において前記第1仮想線(L3)よりも内側に位置する第3仮想線(La)と、前記第1交点(A)から延びる線であり前記第1範囲において前記第2仮想線(L4)よりも内側に位置する第4仮想線(Lb)との間の範囲であり、
    前記第1仮想線(L3)と前記第3仮想線(La)との間の角度は、1.9°×4/nであり、
    前記第2仮想線(L4)と前記第4仮想線(Lb)との間の角度は、3.2°×4/nであり、
    前記nは、前記ロータコア(11)の極数である
    ロータ。
  10. 請求項1~9のいずれか1つのロータを備えるモータ。
  11. 請求項10のモータを備える圧縮機。
  12. 請求項11の圧縮機を備える冷凍装置。
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