JP2023152942A - 画像表示装置 - Google Patents

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Ryutaro Kamada
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Abstract

【課題】画像表示面後ろの撮像素子において正常な画像情報を取得可能な画像表示装置を提供する。【解決手段】本発明の画像表示装置は、画像を表示する側(視認側)から、画像表示用発光素子がある方向に向かう順に、少なくとも偏光板、画像表示用発光素子、バックプレート、撮像素子が、この順に搭載された画像表示装置であり、前記バックプレートのリタデーションが3000nm以上30000nm以下である。【選択図】 図1

Description

本発明は、画像表示装置に関し、特には、撮像素子が画像表示部の背面、すなわち視認者側からみて反対の側、に配置された画像表示装置に関する。
表示端末の発展に伴い、画像表示装置では、小型であること、薄型であること、軽量であること等が求められている。
有機発光表示装置に代表される電界発光表示装置は、自体が発光する表示装置であって、液晶表示装置とは異なり別途の光源が不要であり、薄型軽量化が容易であり、色相具現、応答速度、視野角、コントラスト比にも優れており、表示装置へ応用されている。
一方で、表示装置が小型化されるにつれ、表示装置は大きな画面である(表示領域が広い)ことが望まれ、表示装置における表示領域以外の面積の縮小化も求められ、表示端末における全画面表示が注目されている。
また、撮像素子付きの端末も普及が広まっており、画像表示面側の画像情報を取得するための撮像素子を配置する場合は、ほとんどはスロット又は開口部が設けられた方式である。撮像機能を実現する時に、外部光線は画像表示面におけるスロット又は開口部を通過して画像表示面の下方のカメラに入射され、それにより撮影を実現する。スロット又は開口部の領域は、非表示領域であることから、スロット又は開口部のない全画面表示の開発が進められている(例えば、特許文献1)。
また、表示領域の外郭部である非表示領域に該当するベゼル領域の縮小や、複数の画像表示装置を折りたたみ式で開閉できるように構成するフォルダブル表示装置の開発によって、大画面の実現と小型化及び軽量化の向上が検討されている。これらの開発において、反っても表示性能を維持できる薄膜のフレキシブル基板が主に用いられているが、フレキシブル基板が用いられた表示装置は薄すぎることがあることから、表示部が屈曲によって損傷しないようにするためバックプレートをフレキシブル基板の下部に配置させて用いている(例えば、特許文献2)。
特表2021-511649号公報 特開2021-521034号公報
特許文献2では、バックプレートとして、ポリイミドが適用されている。ポリイミドは一般的に高価格で量産性が低いことから安価で性能にも優れたものが求められている。このため、ポリイミドに代わるものとして、ハンドリング性と機械物性のよいポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と称することがある)に代表されるポリエステルの利用が検討されているが、こうした汎用性の樹脂を用いると、画像表示面の背面側にカメラを備えた全画面画像表示装置にあっては、取得された画像に虹状の色むらが生じるという新たな課題が存在することを発見した。
すなわち、本発明の課題は、上記した問題点を解消することにあり、画像表示面の背面側に撮像素子を配置したとしても撮像素子において取得された画像に虹状の色むらが極めて抑制されている画像表示装置を提供することである。
上記課題を解決すべく検討を行った結果、本発明の本旨とするところは、次のとおりである。
すなわち、
(1)偏光板と、画像表示用発光素子と、バックプレートと、撮像素子とが、この順に配置された画像表示装置であって、該バックプレートのリタデーションが3000~30000nmである画像表示装置。
(2)前記撮像素子における対角画角が60°~140°であり、かつ、前記バックプレートは進相軸を傾斜中心軸として入射角40°で光を入射したときに観測されるリタデーション(R40)が5000nm以上20000nm以下のものである前記(1)に記載の画像表示装置。
(3)前記バックプレートは、遅相軸方向の屈折率が1.670~1.900、進相軸方向の屈折率が1.590~1.650のものである(1)または(2)に記載の画像表示装置。
(4)前記バックプレートは、遅相軸方向の曲げ剛性と進相軸方向の曲げ剛性との平均値が1.0~800mN以下のものである、(1)または(2)に記載の画像表示装置。
(5)前記バックプレートが、ポリエステルフィルムである、(1)または(2)に記載の画像表示装置。
(6)前記画像表示装置は。フォルダブルな画像表示装置であり、かつ、屈曲半径1~10mmに折り曲げ可能である(1)または(2)に記載の画像表示装置。
(7)前記バックプレートの遅相軸方向と、フォルダブルな画像表示装置における屈曲方向とが直交している(6)に記載の画像表示装置。
(8)前記バックプレートは、のフィルダブルな画像表示装置における屈曲方向の曲げ剛性が0.2~500mNのものである、(6)に記載の画像表示装置。
(9)前記撮像素子はアスペクト比が1.05以上であり、該撮像素子長辺方向と前記バックプレートの遅相軸方向との成す角度が45°以上90°以下である(1)または(2)に記載の画像表示装置。
(10)前記画像表示用発光素子と、前記バックプレートとの間に、粘着層が配置されている、(1)または(2)に記載の画像表示装置。
(11)さらに屈折率が1.45以上1.55以下である易接着層を有し、前記粘着層が前記易接着層を介して前記バックプレートと接している(10)に記載の画像表示装置。
本発明によれば、画像表示面の背面側に撮像素子を配置したとしても撮像素子において取得された画像に虹状の色むらが極めて抑制されている画像表示装置を提供できる。
視認性テストについて説明するための概略図である。 屈曲試験について説明するための概略図である。 本発明の画像表示装置の一例を示す正面概略図である。 本発明の画像表示装置画像表示装置の撮像素子が画像表示面の裏側に配置されている画面領域部分の分解図。
本発明の画像表示装置は、偏光子、画像表示用発光素子、バックプレート、および、撮像素子を少なくとも有し、これらが、画像が表示される側(視認側)からみて、偏光子、画像表示用発光素子、バックプレート、撮像素子の順に配置された画像表示装置である。
画像表示装置は、外部から表示装置の内部に入射する光による視認性の低下及びコントラスト比の低下等を防止するためにカバー部材の下部に偏光子が配置される。
本発明の画像表示装置に用いられる偏光子は、光学フィルム(λ/4位相差フィルム)とともに用いる円偏光板として、有機電界発光表示装置等に適用することにより、可視光の全波長において、有機電界発光素子の金属電極などの鏡面反射を遮蔽する効果を発現し、観察時の映り込みを防止することができるとともに、黒色表現を向上させることができる。円偏光板は、透過することで直線偏光へ変換する偏光子と、直線偏光が透過することで円偏光へ変換する位相差板とで構成される。
偏光子は当該技術分野において使用される任意の偏光子またはコーティングされた偏光フィルムを適宜選択して使用することができる。代表的な偏光子としては、ポリビニルアルコールフィルム等にヨウ素等の二色性材料を染着させたものを挙げることができるが、これに限定されるものではなく、公知及び今後開発され得る偏光子を適宜選択して用いることができる。
位相差板は当該技術分野において使用される任意の位相差板を適宜選択して使用することができる。位相差板としてはプラスチックフィルムを特定方向に延伸処理されたものを用いることができ、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなどを挙げることができる。なお、位相差板は、一層の複屈折フィルムで形成することも可能であるが、位相差の波長依存性を小さくし、全可視光波長領域にわたって機能するように複数の複屈折フィルムを積層して形成してもよい。
また、偏光子と位相差板の貼り合わせは、光学的異方性のないアクリル系透明粘着剤や接着剤を用いて行うことができる。
なお、外光反射防止効果を向上するため、円偏光板の表面に反射防止フィルムを設けることができる。例えば、円偏光板の表面に多層膜を直接形成することの他、反射防止フィルムを貼着することも可能である。また、モスアイ構造のような微細構造のものを設けても良いし、さらに適切なアンチグレア処理を施しても良い。
本発明に用いられる画像表示用発光素子(自発光式の画像表示モジュールともいう)は、当該技術分野において使用される任意の画像表示用発光素子を適宜選択して使用することができる。代表的な画像表示用発光素子としては、有機電界発光素子や無機電界発光素子、有機発光ダイオード及びマイクロ発光ダイオードなどを挙げることができるが、これに限定されるものではなく、公知及び今後開発され得る画像表示用発光素子を適宜選択して用いることができる。
画像表示用発光素子として、有機電界発光素子を例とした構成は、特に限定されないが、発光素子基板、薄膜トランジスタ、有機電界発光素子及び封止層を含み、有機電界発光素子は、陽極、発光層及び陰極を含む。例えば、下記(i)~(vi)の層構造を有していてもよい。また、下記の発光層は、青色発光層、緑色発光層及び赤色発光層からなるものでもよい。なお、前記発光素子基板は、後述するバックプレートと同一であってもよい。
以下に、有機電界発光素子の画素の構成の代表例を示す。
(i)陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子注入輸送層/陰極
(ii)陽極/正孔注入輸送層/発光層/正孔阻止層/電子注入輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔注入輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子注入輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(v)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(vi)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極 。
発光素子基板は、画像表示用発光素子の多様なエレメントを支持するための基材であり、絶縁物質で形成することができる。例えば、発光素子基板は、ガラス基板またはプラスチック基板であってよい。例えば、プラスチック基板は、ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルスルホン及びポリカーボネートの中から選択され得るが、これに限定されない。
本発明の画像表示装置は、画像表示用発光素子の背面側、すなわち視認者側とは反対の側、にバックプレートを配置する。このバックプレートは画像表示用発光素子を支持する役割を持つ。画像表示用発光素子に用いられるガラス基板またはプラスチック基板は、薄く、剛性が弱くて、多様なエレメントが配置されると垂れが発生し得る。バックプレートは、画像表示用発光素子が垂れないように支持し、湿気、熱、衝撃等から画像表示用発光素子を保護する。
なお、本発明の目的を損なわない範囲でバックプレートに用いる材料は単一の材料でも2種以上の複数の材料を組み合わせて用いてもよく、ガラスのような無機物の材料でもよく、ポリエステル、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコールのようなプラスチックの材料であってよい。中でも、あとで説明するリタデーションを効果的に制御できる観点からポリエステルフィルムを用いることが好ましい。
バックプレートは、少なくとも片面に硬化性樹脂を含有する層を有することもできる。少なくとも片面に硬化性樹脂を含有する層を有することで、該硬化性樹脂層側からの衝撃に対する傷付き抑制効果を高めることが可能である。ここで、硬化性樹脂とは、熱や光を照射することで架橋構造を形成し、硬化する樹脂を指す。硬化性樹脂としては特に限定されないが、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂であることが好ましく、具体的には、有機シリコーン系、ポリオール系、メラミン系、エポキシ系、多官能アクリレート系、ウレタン系、イソシアネート系、有機材料と無機材料の複合材料である有機無機ハイブリット系および硬化性のある官能基を有するシルセスキオキサン系などの樹脂が挙げられる。硬化性樹脂を含有する層には、1種類以上の粒子を含むことができる。ここで、粒子とは無機粒子と有機粒子のどちらでもよいが、表面硬度向上には無機粒子を含有させる方が好ましい。無機粒子は特に限定されないが、金属や半金属の酸化物、珪素化物、窒化物、ホウ素化物、塩化物、炭酸塩などが挙げられる。具体的には、シリカ(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化チタン(TiO)、酸化アンチモン(Sb)及びインジウムスズ酸化物(In)からなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子が好ましい。また、表面硬度を向上させる目的で粒子を導入する場合、その粒子径は1nm以上300nm以下であることが好ましい。表面硬度と耐折り曲げ性がより高いレベルで両立する点で、粒子径は、より好ましくは50nm以上200nm以下であり、更に好ましくは100nm以上150nm以下である。
画像表示用発光素子とバックプレートとを合着するために、画像表示用発光素子とバックプレートとの間に接着層または粘着層を配置できる。接着層は、光透明接着剤または減圧接着剤であってよいが、これに限定されない。また、粘着層は粘着性樹脂を主たる成分とし、粘着性樹脂としては、例えば、アクリル系粘着剤またはシリコーン系粘着剤が挙げられる。特に、耐熱性および透明性の観点からシリコーン系粘着剤を用いることが好ましい。画像表示用発光素子とバックプレートとが粘着性樹脂を介して合着されていることで、画像表示用発光素子とバックプレート間に空気の層を排除できることで界面での反射を抑制できるため、撮像素子で得られる情報の精度をより向上できる。
本発明の画像表示装置に用いるバックプレートはプレート面に対して光を垂直に入射させて測定したとき3000~30000nmのリタデーションを有する。リタデーションが上記範囲にあれば、撮像素子で得られる情報の精度が高く、例えばカメラで撮影される画像の虹ムラが低減でき、またセンサーの認識精度が向上する。好ましいリタデーションの下限値は4000nm、より好ましい下限値は5000nm、更に好ましい下限値は8000nmである。上限は30000nmであり、これ以上のリタデーションを有するフィルムでは厚みが相当大きくなり、工業材料としての取り扱い性が低下する傾向にある。本明細書において、リタデーションとは、別段の表示をした場合を除き、面内リタデーションを意味する。
なお、リタデーションは、2軸方向の屈折率と厚みを測定して求めることもできるし、KOBRA-WPR(王子計測機器株式会社)といった市販の自動複屈折測定装置を用いて求めることもできる。なお、屈折率は、アッベの屈折率計(測定波長589nm)によって求めることができる。
また、本発明に用いるバックプレートは、進相軸を傾斜中心軸として入射角40°で光を入射したときに観測されるリタデーション(R40)が5000~20000nmであることが好ましい。R40が上記範囲であることで、より広視野角の範囲において撮像素子で採集される情報の精度が向上でき、撮影される画像の虹ムラ発生を抑制でき、またセンサーの認識精度が向上できる。好ましいR40の下限値は6000nm、より好ましい下限値は8000nm、更に好ましい下限値は9000nmである。上限は20000nmであり、これ以上のR40を有するフィルムでは厚みが相当大きくなり、工業材料としての取り扱い性が低下する傾向にある。
なお、R40は、王子計測機器(株)製 位相差測定装置(KOBRA-WPR)を用いて測定できる。進相軸を傾斜中心軸として入射角40°で光を入射したときに観測されるリタデーションとは、王子計測機器(株)製 位相差測定装置(KOBRA-WPR)において定義される角度を指しており、具体的には、光束がフィルムに垂直に入射する状態の測定試料のステージの角度を0°とした場合に、40°ステージを傾斜回転させた角度を指す。
本発明の画像表示装置は、好ましくフォルダブルな画像表示装置である。ここで、フォルダブルな画像表示装置とは、一枚の連続した画面が、蝶番のように、表示画面中のある線(折りたたみ部)で折り曲げ可能に構成された画像表示装置をいう。また、屈曲方向とは、折りたたみ部の線と直交する方向をいう。
なお、本明細書において、「直交」とは、直線同士が垂直に交わる場合のほか、その方向に平行な直線が垂直に交わる関係にある場合を含む意味である。
本発明に用いるバックプレートは、遅相軸方向の屈折率(nXD)が1.670~1.900であることが好ましく、下限として更に好ましくは1.700以上である。また、進相軸方向の屈折率(nYD)は1.590~1.650であることが好ましい。そして、バックプレートの屈曲方向の屈折率が1.590~1.650であることが好ましく、さらに好ましくは1.600~1.640である。バックプレートの屈曲方向の屈折率が1.590~1.650であると、繰り返し折りたたんだ際の応力集中が少なく、応力集中による折りたたみ部のシワや浮き上がりといった変形、クラック等を抑制でき、フォルダブルディスプレイの画質を低下させるおそれがなく好ましい。1.590以上であると後述の屈曲試験後に折りたたみ部方向にクラックが入るおそれがなく、もちろん破断も起こらないため、ディスプレイの視認性を良好に保つことができる。
本発明の画像表示装置においては、画像表示装置がフォルダブルな画像表示装置である場合に、遅相軸を屈曲方向に直交させてバックプレートを配置することが好ましい。本発明における遅相軸を屈曲方向に直交させてバックプレートを配置するとは、遅相軸と屈曲方向のなす角度が90±10°(すなわち、バックプレートの遅相軸と屈曲方向が直交した状態から10°以内のずれ)になるように配置されることである。
本発明の画像表示装置は、偏光板の偏光子の吸収軸方向とバックプレートの遅相軸方向とがなす角度は0±10°(すなわち、偏光子の吸収軸とバックプレートの遅相軸が一致した状態から10°以内のずれ)または90±10°になるように配置されることで、撮像素子で採集される情報の精度が向上できるため好ましい。特に耐屈曲性の観点から前記の角度としては0±10°となるように配置されることが好ましい。
バックプレートの長手方向(機械流れ方向)及び幅方向の少なくともいずれか一方向の屈折率を上記範囲で制御すること、より好ましくは、屈曲方向の屈折率を上記範囲で制御することで、折りたたみ時に折りたたみの内側にかかる圧縮応力による疲労を低減することができる。圧縮応力による疲労は主に結晶部において起こると考えられており、屈曲方向に結晶が少ないほうが疲労しにくい。したがって、屈折率を下げることにより屈曲方向の配向結晶量が低減され、圧縮疲労を抑制されていると考えられる。また、折りたたみ時に折りたたみの外側にかかる引張応力によって生じるクリープ現象を屈折率の低減で抑えることができる。引張応力による疲労は主に非晶部において起こると考えられており、繰り返しかかる応力による分子鎖の引き揃えが発生し変形が生じる。屈曲方向に並んでいる分子鎖が少ないほうが引き揃えによる変形が少ないと推測できる。また、非晶部が少ない方が引張による疲労は抑制できるため、結晶化度すなわち密度が高い方が好ましい。
バックプレートの遅相軸方向の曲げ剛性と進相軸の曲げ剛性の平均値(平均曲げ剛性)として好ましい範囲は、1mN以上800mN以下である。好ましい範囲の下限としては1mN以上であり、より好ましくは2mN以上であり、さらに好ましくは10mN以上であり、特に好ましくは20mN以上である。上限としては800mN以下であることが好ましく、より好ましくは500mN以下であり、さらに好ましくは300mN以下であり、特に好ましくは200mN以下である。平均曲げ剛性が前記範囲であることで、画像表示用発光素子を垂れないように支持できる。また、屈曲方向の曲げ剛性が500mN以下であることで、画像表示装置を数回折ったり開いたりを繰り返しても、バックプレートのシワの発生や浮き上がり現象が発生せず、フレキシブルディスプレイ装置や、フォルダブルディスプレイ装置の折り畳みおよび展開動作において制限されない特徴を有するため好ましい。屈曲方向の曲げ剛性の上限として500mN以下が好ましく、100mN以下がより好ましく、20mN以下がさらに好ましい。屈曲方向の曲げ剛性の下限は、特に設けないが、上記の平均の曲げ剛性の範囲となるように調製できる。なお、曲げ剛性はループスティフネス試験方法により求められる。
本発明に用いられるバックプレートにおいて、曲げ剛性を上記範囲とする方法は特に限定されないが、樹脂の主たる構成成分のガラス転移温度や、フィルム厚みやヤング率を調整する方法が挙げられる。具体的には、ガラス転移温度が70℃以上である樹脂を主たる構成成分とする層を有することが好ましく、さらに好ましくは75℃以上であり、特に好ましくは85℃以上である。また、取扱性や経済性を両立する観点から、フィルム厚みは30μm以上70μm以下であれば好ましく、35μm以上60μm以下であればより好ましい。また、ヤング率にも比例するため、ポリエステル系樹脂などのヤング率の高い樹脂を用いることでも大きくすることができる。また、その延伸倍率、延伸温度、熱処理温度、熱収縮処理等によっても制御でき、例えば延伸倍率を高くすることでヤング率を高めることができ、一方で延伸倍率を低くすることでヤング率を低くできる。取扱性の観点より、ヤング率は、2.0GPa以上5.5GPa以下であれば好ましく、下限として2.0GPa以上が好ましく、2.2GPa以上がより好ましく、2.4GPa以上がさらに好ましく、上限として5.5GPa以下が好ましく、5.0GPa以下がより好ましく、4.6GPa以下がさらに好ましい。ここで、主たる構成成分とするとは、層全体を100質量%としたときに、80質量%以上を占めることをいう。
本発明の画像表示装置は、屈曲半径1~10mmの折り曲げ可能なフォルダブルディスプレイであることが好ましい。屈曲半径のより好ましい範囲は上限として8mm以下であり、さらに好ましくは6mm以下、さらにより好ましくは5mm以下である。屈曲半径が10mm以下であれば、折りたたんだ状態での薄型化が可能となる。屈曲半径は小さいほど良いと言えるが、屈曲半径が小さいほど折り跡がつきやすくなる。屈曲半径は0.1mm以上が好ましいが、1mm以上であってもよい。屈曲半径が1mmであっても、携帯時には実用的に十分な薄型化を達成することができる。
また、フォルダブルディスプレイは3つ折り、4つ折りであってもよく、さらに、ローラブルといわれる巻き取り型であってもよく、これらいずれも本発明でいうフォルダブルディスプレイの範囲に入るものとする。
前記バックプレートは、好ましくポリエステルフィルムである。ポリエステル樹脂としては、ジカルボン酸とジオールとが重縮合された単一重合体樹脂または共重合体樹脂が代表的である。また、前記ポリエステル樹脂は、前記単一重合体樹脂または共重合体樹脂が混合されたブレンド樹脂であっても構わない。また、バックプレートには、後述する易接着樹脂層を設けることができ、先述の接着層や粘着層との接合性を高めることができる。
前記ジカルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルスルホンカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3-ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2-ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2-メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカジカルボン酸などがある。
また、前記ジオールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ポリエチレングリコールなどがある。
好ましくは、前記ポリエステル樹脂は、結晶性に優れた芳香族ポリエステル樹脂であり得、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、またはポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂を主成分とするものが挙げられる。
一例として、前記ポリエステルフィルムは、具体的にPET樹脂を約85質量%以上含み、より具体的に、90質量%以上、95質量%以上、または99質量%以上含むことができる。なお、具体的にPET樹脂として、ジカルボン酸成分として、ナフタレンジカルボン酸を5mol%以上、30モル%以下で共重合されることが好ましく、下限として10mol%以上がより好ましく、上限として25mol%以下がより好ましく、20mol%以下が更に好ましい。ナフタレンジカルボン酸の共重合量として、上記範囲であることで位相差の制御が容易になる。別の例として、前記ポリエステルフィルムは、具体的にPEN樹脂を約85質量%以上含み、より具体的に、90質量%以上、95質量%以上、または99質量%以上含むことができる。なお、具体的にPEN樹脂として、数平均分子量100~1000g/モルのポリエチレングリコールがPEN樹脂のナフタレンジカルボン酸残基100モル%に対して2~8モル%共重合されることが好ましい。別の例とし、他のポリエステル樹脂をさらに含むことができる。前記組成により、ポリエステルフィルムの熱寸法安定性や、引張強度などの機械的物性が向上することができ、位相差を効果的に制御可能となる。特に、ポリエステルフィルムとして前記組成のPEN樹脂を用いた場合、耐屈曲性の向上と位相差制御を両立することが容易となり特に好ましい。
前記ポリエステルフィルムは、機械的物性の向上や、耐屈曲性の向上と位相差の制御を両立する観点から、1軸方向または2軸以上の方向に延伸して製造される。1軸方向にのみ延伸することで、位相差を効率的に発現できる。また、2軸以上の方向に延伸する場合においても、いずれか1方向の延伸倍率を他方向より大きな延伸倍率とすることで、効率的に位相差を高めることができ、厚さを薄くしても高い位相差を維持できるため、耐屈曲性を向上できるため好ましい。以下にポリエステルフィルムの製造方法について、ポリエチレンテレフタレート樹脂の場合を例示するが、本発明はかかる例に限定して解釈されるものではない。
まず、フィルムに用いられる樹脂として、ポリエチレンテレフタレート樹脂を乾燥、予備結晶化させた後、単軸押出機に供給し、溶融押出する。この際、樹脂温度は265~310℃に制御することが好ましい。積層フィルムを製造する場合は、2台以上の押出機を用いて共押出しすることで積層ポリエステルフィルムとすることができる。積層構成は、例えば2種の層、層Aと層B、を1層ずつ積層したA/B積層構成、さらに層Bを積層したB/A/B積層構成、層Aと層Bを交互に複数層を積層した多層積層構成、3種類以上の層を積層した積層構成など、必要に応じて設定することができる。101層以上の積層ポリエステルフィルムとする場合は、スタティックミキサーやフィードブロックを適用し、層Aと層Bが交互に積層するよう合流させることができる。
次いで、フィルターやギヤポンプを通じて、異物の除去、押出量の均整化を各々行い、Tダイより冷却ドラム上にシート状に吐出する。その際、高電圧を掛けた電極を使用して静電気で冷却ドラムと樹脂を密着させる静電印加法、キャスティングドラムと押出したポリマーシート間に水膜を設けるキャスト法、キャスティングドラム温度をポリエステル樹脂のガラス転移点温度~(ガラス転移点温度-20℃)にして押出したポリマーを粘着させる方法、もしくは、これらの方法を複数組み合わせた方法により、シート状ポリマーをキャスティングドラムに密着させ、冷却固化し、未延伸フィルムを得る。これらのキャスト法の中でも、ポリエステルを使用する場合は、生産性や平面性の観点から、静電印加する方法が好ましく使用される。
キャスト工程で得られた未延伸フィルムを長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する、あるいは、幅方向に延伸した後、長手方向に延伸する逐次二軸延伸方法により、または、フィルムの長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方法などにより延伸を行うことで得ることができる。
屈折率が大きい方向である遅相軸が幅方向になるようにフィルムを配向させるには、長手方向延伸倍率は1.0~3.5倍が好ましく、特に好ましくは1.2倍~2.0倍である。また、幅方向延伸倍率は2.5~6.0倍が好ましく、特に好ましくは3.0~5.5倍である。遅相軸が長手方向となるようにフィルムを配向させるには、長手方向延伸倍率は2.5倍~6.0倍が好ましく、特に好ましくは3.0~5.5倍である。また、幅方向延伸倍率は1.0倍~3.5倍が好ましく、特に好ましくは1.2倍~2.0倍である。リタデーションを上記範囲に制御するためには、長手方向延伸倍率と幅方向延伸倍率の比率を制御することが好ましい。長手方向と幅方向の延伸倍率の差が小さすぎると、フィルムのリタデーション高くすることが難しくなるため、好ましくない。
また延伸温度は、延伸ムラが生じない程度とすることが好ましく、延伸温度を低く設定することは、リタデーションを高くする上では好ましい対応である。例えば、長手方向に延伸した後に、幅方向に延伸する逐次二軸延伸方法を採用する場合は、長手方向の予熱温度は樹脂のガラス転移温度-20℃以上、樹脂のガラス転移温度以下、延伸温度は樹脂のガラス転移温度以上、樹脂のガラス転移温度+20℃以下とすることが好ましく、幅方向の予熱温度は樹脂のガラス転移温度以上、樹脂のガラス転移温度+20℃以下、延伸温度は樹脂のガラス転移温度+10℃以上、樹脂のガラス転移温度+60℃以下とすることが好ましい。また、延伸は各方向に対して複数回行ってもよい。
また、幅方向に延伸後に、フィルムの熱処理を行うことが好ましい。熱処理はオーブン中、加熱したロール上など従来公知の任意の方法により行うことができる。熱処理は、160℃~240℃とすることが好ましく、最も高温の熱処理ゾーンの温度としては220℃以上240℃以下とすることが好ましい。また、熱処理は複数のゾーンに分けて段階的に昇温・降温する方法や、熱処理工程で幅方向に1.01倍~1.2倍程度に微延伸する方法も用いることができる。また、熱処理時間は特性を悪化させない範囲において任意とすることができ、好ましくは10~60秒間、より好ましくは15~30秒間行うのがよい。さらに、熱処理はフィルムを長手方向および/または幅方向に弛緩させて行ってもよい。
前述のように、ポリエステルフィルムのリタデーションを特定範囲に制御する為には、延伸倍率や延伸温度、フィルムの厚みを適宜設定することにより行なうことができる。例えば、延伸倍率が高いほど、延伸温度が低いほど、フィルムの厚みが厚いほど高いリタデーションを得やすくなる。逆に、延伸倍率が低いほど、延伸温度が高いほど、フィルムの厚みが薄いほど低いリタデーションを得やすくなる。また、リタデーションの制御に加えて、耐屈曲性や加工に必要な物性等を勘案して最終的な製膜条件を設定することが好ましい。
また、前述ポリエステルフィルムは、硬化性樹脂を含有する層、粘着性樹脂を含有する層または接着層との密着性の観点から、少なくとも片面に10nm以上500nm以下であり、表面自由エネルギーが38mN/m以上である易接着樹脂層を積層することが好ましいが、該易接着樹脂層の形成方法としては、易接着樹脂をフィルム表面に被覆(複合溶融押出法、ホットメルトコート法、水以外の溶媒、水溶性および/または水分散性樹脂からのインライン、オフラインコート法など)する方法や、同様組成あるいはそのブレンド品の表面積層法などが挙げられる。なかでも、配向結晶化が完了する前のフィルムの一方の面に被膜塗剤を塗布し、少なくとも一方向に延伸し、熱処理して、配向結晶化を完了させるインラインコーティング法が均一な被膜形成や工業上好ましい。また、コーティングにより易接着樹脂層を設ける場合、易接着樹脂層を付与する樹脂としては、特に限定されるものではないが、たとえば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ビニル系樹脂、塩素系樹脂、スチレン系樹脂、各種グラフト系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂などを使用することができ、これらの樹脂の混合物を使用することもできる。密着性の観点からポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、またはウレタン系樹脂を用いるのが好ましい。ポリエステル樹脂を水系塗液として用いる場合には、水溶性あるいは水分散性のポリエステル樹脂が用いられるが、このような水溶性化あるいは水分散化のためには、スルホン酸塩基を含む化合物や、カルボン酸塩基を含む化合物を共重合させることが好ましい。またアクリル樹脂を水性塗液として用いる場合には、水に溶解あるいは分散された状態にする必要があり、乳化剤として界面活性剤(例えば、ポリエーテル系化合物などが挙げられるが、限定されるものではない。)を使用する場合がある。
また、易接着樹脂層には、さらに接着性を向上させるために、樹脂に各種の架橋剤を併用することができる。架橋剤樹脂としては、メラミン系、エポキシ系、オキサゾリン系樹脂が一般に用いられる。本発明の樹脂層に含有される粒子としては、無機系粒子や有機系粒子を挙げることができるが、易滑性や耐ブロッキング性が向上するので、無機粒子がより好ましい。この無機粒子としては、シリカ、アルミナ、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、チタンなどを用いることができる。
また、易接着樹脂層の屈折率は、撮像素子で得られる情報の精度を向上させるために、屈折率が1.45以上、1.55以下とすることが好ましい。易接着樹脂層の屈折率を上記範囲とするためには、用いる樹脂の組成を変更することで可能であり、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、またはウレタン系樹脂を用いるのが好ましく、特にアクリル系樹脂を用いることが屈折率の制御の観点で好ましい。屈折率の上限としては、1.53以下がより好ましく、さらに好ましくは1.52以下である。易接着樹脂層の厚みは、10nm以上500nm以下であることが好ましく、下限として20nm以上がより好ましく、50nm以上がさらに好ましく、90nm以上が特に好ましく、上限として300nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、130nm以下が特に好ましい。易接着樹脂層の厚みが上記範囲であることで、接着力が良好で添加粒子の脱落等の不具合が抑制でき、撮像素子で得られる情報の精度を向上できる。
本発明の画像表示装置に用いられる撮像素子としては、光電変換作用を有する素子をいい、通常、その画素数は複数であり、面状に配列されている。波長としては300nm~1500nm程度の近紫外から可視光、近赤外における光の情報を取得するカメラなどのイメージセンサー等が挙げられる。イメージセンサーは、CMOSセンサー、CCDセンサー等が挙げられる。CMOSセンサーとしては、背面照射CMOSセンサー、正面照射CMOSセンサーが挙げられるが、光センサーを裏面側に配置することにより、光の散乱や反射を減らして感度を向上させることができる点で、背面照射CMOSセンサーが好ましい。撮像素子としては、カメラおよびセンサーの中の少なくとも一方であってもよい。また、撮像素子は画像表示装置に複数配置されても構わない。 本発明に用いられる撮像素子(イメージセンサーともいう)は、一般的には、直交する二軸で各軸について等間隔に光電変換素子が配列された矩形の面で形成され得る。一例として、矩形の撮像素子の矩形のアスペクト比は1.05以上であることができる。一般的な画像表示装置の画面の形状は長方形であるので、例えば撮像素子がカメラである場合、その画面領域を有効に利用して情報を表示するため、撮像素子も画面領域のアスペクト比と一致させることで、撮像素子の小型化や低コスト化でき、好ましい。
本発明の画像表示装置は、ディスプレイパネルを透過した光がディスプレイパネルの下部に配置される撮像素子に提供されるが、そのディスプレイを光が透過する形態としては、本発明の性能を損なわない手法であればよい。例えば、特表2021-529411に記載の方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。
図3は本発明の画像表示装置を説明する概略図であり、図3に示すようにディスプレイjにおいて、撮像素子が画像表示面の裏側に配置されている画面領域kと、余剰画面領域l、および撮像素子mが含まれる。撮像素子が画像表示面の裏側に配置されている画面領域kには、陰極や陽極、発光素子基板にそれぞれ透明材料を採用した、透明性の高い画像表示用発光素子に従って配列されてもよく、余剰画面領域lにおいて、透明性の低い画像表示用発光素子を配列されてもよいし、透明性の高い画像表示用発光素子が配列されてもよい。
この画面領域kは高い透明性を有するので、当該撮像素子は画面領域を透過して画面外の情報を採集することができ、当該ディスプレイは全画面表示を実現できる。撮像素子mとして、カメラに加えて、上記のディスプレイにおける画面領域kの下方には、光線を採集する必要がある例えば、視野角の異なる複数のカメラ、指紋認証センサー、光線センサー、距離センサーなどの他の撮像素子がさらに配置されてもよい。
本発明者らは鋭意検討した結果、上述した透光領域の下方に撮像素子を設置した画像表示装置において、バックプレートとして用いるフィルムのリタデーションが3000~30000nmの範囲にあれば、有意に虹ムラ抑制やセンサー精度向上できることを見出した。上記態様により虹ムラの発生が抑制される機構は、次のように考えられる。
本発明の画像表示装置は、画像を表示する側(視認側)から、画像表示用発光素子がある方向に向かう順に、少なくとも偏光子、画像表示用発光素子、画像表示用発光素子のバックプレート、撮像素子が搭載された画像表示装置である。複屈折を持つフィルムを、方向によって偏光の透過率が異なる光学素子(例えば偏光子など、以下では偏光光学素子と呼称する。)2枚で挟むと、色ムラが見られることは広く知られている。一方で、今回示した偏光子、画面表示装置用発光素子、バックプレート、撮像素子の順で配置した構成では、偏光板以外に偏光光学素子は含まれていないため、上述したような虹ムラは観察されないと考えられる。しかし、斜めから入射する外部、または、円偏光板から出射した円偏光は、バックプレート表面においてその入射面に平行な振幅を持つ光と、垂直な振幅を持つ光の透過率が異なる。つまりバックプレート表面に光が斜め方向から入射した場合には、バックプレート表面は擬似的な偏光光学素子として働く。その結果、斜め方向から入射する光、つまりカメラで撮影される写真の端部だけ、擬似的に2枚の偏光光学素子に挟まれた構成となると考えられる。これによりカメラの虹ムラやセンサー精度低下が発生する要因の一つとなっていると考えられる。バックプレートとして用いるフィルムが上述位相差範囲にあることで、バックプレートを通過した光の偏光状態を解消できるため、虹ムラ抑制やセンサー精度向上できると考えられる。
図4は本発明の画像表示装置の例について、撮像素子が画像表示面の裏側に配置されている画面領域における各構成要素の配列状態を説明するための分解図である。図4に示すように画像表示装置nにおいて、画像が表示される側(視認側)からみて、偏光子u、画像表示用発光素子v、バックプレートa、撮像素子qの順に配置されている。本発明の画像表示装置にあっては、バックプレートの遅相軸方向pと、撮像素子の長辺の方向rとがなす角度が45°以上90°以下となるようにバックプレートと撮像素子が配置されることが好ましい。このような配置とすることで、撮像素子から得られる情報の精度を向上できるため好ましい。すなわち、バックプレートの遅相軸と撮像素子の長辺とがなす角度を上記範囲で配置することで、バックプレートの遅相軸方向かつ、レンズ等を通った光が焦点面上につくる円形の領域であるイメージサークルsの端部において発生する虹ムラtが撮像素子へ映り込むことを抑制できる。
本発明の撮像素子は、画像表示装置に照射される外部光の内、採集、識別することができる最大の角度である対角画角が60~140°であることが好ましく、下限としてより好ましくは70°以上、さらに好ましくは75°以上であり、対角画角が高くなりすぎると生産性が低下する可能性があることから上限としては140°以下が好ましく、より好ましくは130°以下、さらに好ましくは120°以下である。上述の虹ムラの発生が抑制される機構から、特に対角画角が大きな撮像素子を画像表示装置に用いることができ、より広い範囲の画像情報を正確に採集、識別することができる。対角角度は、適切なレンズ群で集光することで制御できる。レンズ群としては、広い視野角で光学的な歪みや画像の歪みを補正するため、複数のレンズを使用することができる。レンズ群は、バックプレートと撮像素子との間に配置され、バックプレートを通った光線を撮像素子へと集光する。
本発明の画像表示装置は、偏光板、画像表示用発光素子、バックプレート、撮像素子部以外に他の構成、例えばカラーフィルター、レンズフィルム、拡散シート、反射防止フィルムなどを適宜有しても構わない。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、物性の測定方法、効果の評価方法は次の方法に従って行った。
(1)フィルムを構成する樹脂の組成
フィルムをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解し、H-NMRおよび13C-NMRを用いて各モノマー残基について含有量を定量する。
(2)ガラス転移温度
測定するサンプルを約10mg秤量し、アルミニウム製パン、パンカバーを用いて封入し、示差走査熱量計によって測定した。測定においては窒素雰囲気中で300℃まで昇温、5分間保持した後、急冷、再び窒素雰囲気中で20℃から16℃/分の速度で300℃まで昇温したときの中間点ガラス転移温度(各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と,ガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点の温度)を測定した。
・測定装置:セイコーインスツルメント製 “EXSTAR DSC6220”。
(3)フィルム厚み
フィルムの全体厚みを測定する際は、ダイヤルゲージを用いて、フィルムから切り出した試料の任意の場所5ヶ所の厚みを測定し、平均値を求めた。
(4)易接着樹脂層の厚み
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて断面を観察することにより、フィルム上の易接着樹脂層の厚みを測定した。易接着樹脂層の厚みは、TEMにより10万倍の倍率で撮影した画像から読み取った。合計で10点の易接着樹脂層の厚みを測定し、平均値を用いた。尚、観察倍率は厚みが測定可能であれば10万倍以外でもよい。
(5)フィルム遅相軸
フィルム主配向軸はフィルムの任意の点において100mm×100mmの寸法でサンプルを切り出し、KSシステムズ製(現王子計測機器社)のマイクロ波分子配向計MOA-2001A(周波数4GHz)を用い、フィルム面内の遅相軸を求めた。ここで遅相軸とは、複屈折を起こす結晶内を光が伝播するとき、位相が遅れ光の進行速度が最も遅くなる軸である。
(6)フィルムリタデーション
王子計測機器(株)製 位相差測定装置(KOBRA-WPR)を用いて測定する。30mm×50mm(長手方向×幅方向)のフィルムサンプルを切り出し、位相差測定装置に設置し、プレート面に対して光を垂直に入射させて波長589nmのリタデーションを測定した。
(8)フィルム面に対して角度40°方向からのリタデーション(R40)
王子計測機器(株)製 位相差測定装置(KOBRA-WPR)を用いて測定する。30mm×50mm(長手方向×幅方向)のフィルムサンプルを切り出し、位相差測定装置に設置する。遅相軸の方向に傾斜させて入射角40°の時の位相差値をR40とした。なお、測定波長は589nmである。
(9)フィルム複屈折率
SAIRON TECHNOLOGY,INC.製 PRISM COUPLER & LOSS MEASUREMENT(SPA-4000)を用いて測定する。100mm×100mmの寸法でフィルムサンプルを切り出し、遅相軸方向の面内屈折率nXD、フィルム面に平行で遅相軸に直交する方向(進相軸方向)の屈折率nYD、厚み方向の屈折率nZDとして測定する。なお、測定波長は589nmである。
(10)フィルムヤング率
遅相軸方向および、該方向に直交する方向の2方向について、150mm×10mmの矩形にフィルムを切り出し、サンプルとする。得られたサンプルについて、25℃、63%RHの条件下で、引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT-100)を用いてクロスヘッドスピード300mm/分、幅10mm、試料長(チャック間距離)50mmとして引張試験を行い、伸度-応力曲線を得る。得られた曲線において、伸度1%以内の最大傾斜の接線の1次式よりヤング率を求める。測定はそれぞれの方向において5回行い、平均値を各方向のヤング率(GPa)とする。
(11)フィルム曲げ剛性
ループスティフネステスター(東洋精機製)を用いて、遅相軸方向および、該方向に直交する方向の2方向について、100mm×5mmである矩形のフィルムサンプルを切り出し、サンプルを円環とし、変位速度約3.5mm/秒で変位10mmを与えるのに要する荷重を測定する。遅相軸方向の曲げ剛性、該方向に直交する方向の曲げ剛性をそれぞれ5回ずつ測定し、各方向の曲げ剛性(mN)とする。また、これらの全ての計10回の値の平均値を平均曲げ剛性(mN)とする。
(12)支持性
遅相軸方向および、該方向に直交する方向の2方向について、長さ100mm×幅20mmに切り出したフィルムサンプルを、サンプルの長さ50mm分をはみ出させて地表に水平な台の上にサンプルを置く。サンプルのはみ出した部分は垂れ下がり、その弛み量を測定する。弛み量は、サンプルの台の上に載っている部分の上面から、サンプルの垂れ下がった先端までの、地表に垂直な長さで定義され、本測定を5回繰り返し、遅相軸方向の曲げ剛性、該方向に直交する方向の計10回の値の平均値を算出する。下記基準で支持性を評価した。なお、支持性はA、B、Cを画像表示装置においても十分使用可能な合格レベルとして判定した。
A:弛み量が10mm未満であり、非常に良好な支持性を示した。
B:弛み量が10mm以上15mm未満であり、良好な支持性を示した。
C:弛み量が15mm以上20mm未満であり、支持性は実用上問題ないレベルであった。
D:弛み量が20mm以上で、支持性が不十分であった。
(13)視認性
画像表示面下方に撮像素子を配置した画像表示装置のモデル装置構成における視認性テストの概要図を図1に示す。
50mm×50mmに切り出したフィルムaを、偏光板b(ケニス(株)製、偏光フィルム薄手Sサイズ、透過率0.43、偏光率0.9999、商品コード1-115-0820)と重ねて測定サンプルとした。フィルムaと偏光板bの貼り合わせは、下記材料を混合し、得られた粘着層用組成物を、乾燥後の塗布厚みが20μmになるようにフィルムaの一方の面にグラビヤロールで塗布し、100℃で3分間乾燥させて形成した粘着層を介して偏光板bと貼り合わせた。
「SD4580PSA」(東レ・ダウコーニング株式会社製、ヒドロシリル化反応硬化剤) 100質量部
トルエン 50質量部
「NC-25」(東レ・ダウコーニング株式会社製、白金系触媒) 0.9質量部。
サンプルの偏光板b側を下になるように面光源f((株)トライテック製、トレビューアーA4-100)の上に水平に設置し、カメラ内蔵装置c(Samsung Galaxy S10(登録商標))の超広角レンズd(対角画角122°)を用いて、フィルムaに対して水平に設置して撮影し、画角全体がバックライトfとなるよう撮影したときの画像を観察し、視認性を以下の通り判断した。このとき、カメラ内蔵装置cの撮像素子であるイメージセンサーはアスペクト比が1.33であり、該撮像素子の長辺方向は、カメラ内蔵装置cの長辺方向と平行である。なお、視認性はA、B、Cを画像表示装置においても十分使用可能な合格レベルとした。
A:干渉色は全体にほとんど見られない。
B:干渉色が画角の隅で若干見られるものの実用に問題ない。
C:干渉色が全体に見られるが、実用できる。
D:干渉色がはっきりみられるため、実用には適さない。
(14)耐屈曲性
図2は耐屈曲性試験における屈曲方向および回復角を説明した概略図である。
U字伸縮試験器(ユアサシステム機器製DLDMLH-FS)を用いて、フィルムの長手方向、すなわち配向軸に沿った方向、を屈曲方向gとして、長さ60mm×幅25mmに切り出したフィルムサンプルaを、チルトクランプが水平状態にてチルトクランプ端部に貼り付け、面間距離3mmにてフィルムの中央hが屈曲させた状態で、24時間静置する。24時間経過後、屈曲状態を開放して装置から取り出し、屈曲した外側が下にくるように静置し、フィルムサンプルの成す角度iを測定する。本測定を5回繰り返し、その平均値を算出し回復角とした。完全に折りたたまれた状態を0°、フィルムが折りたたむ前の元の折れの無い状態まで回復する状態を180°として角度を読み取った。下記基準で耐屈曲性を評価した。なお、耐屈曲性A、B、Cはフォルダブルディスプレイとして好適に用いることができるレベルである。
A:回復角が170°以上で、非常に良好な耐屈曲性を示した。
B:回復角が160°以上170°未満で、フォルダブルディスプレイとしての実用に問題ない。
C:回復角が150°以上160°未満であり、フォルダブルディスプレイとして実用できる。
D:回復角が150°未満であり、画像表示装置としては実用可能であるが、フォルダブルディスプレイの実用には適さない。
(15)易接着樹脂層の屈折率
用いる樹脂を乾燥固化または活性線で硬化させた厚み100μm程度の膜について、SAIRON TECHNOLOGY,INC.製 PRISM COUPLER & LOSS MEASUREMENT(SPA-4000)を用いて測定した。膜面に平行で直交する2つの方向の屈折率を測定して、その平均値を屈折率とした。なお、測定波長は589nmとした。
なお、前記の測定方法を採れない場合は、樹脂を組成分析し、分析結果に基づいて複製した樹脂を用いて測定し、その結果で代用できるものとする。
(製造例1)ポリエステルA
第一工程として、テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール64.5重量部、酢酸マグネシウム0.06重量部、三酸化アンチモン0.03重量部を反応容器に仕込み150℃で溶解した後、エステル交換反応を開始した。攪拌しながら230℃まで3時間かけて昇温し、メタノールを留出させ、エステル交換反応を終了した。第二工程として、エステル交換反応終了後、リン酸0.022重量部とリン酸二水素ナトリウム2水和物0.026重量部を添加した。第三工程として、240℃から昇温しながら、133Pa以下まで減圧し、余剰のエチレングリコールを留去させながら290℃まで昇温した。所定の固有粘度0.65相当の溶融粘度になったところで、水槽に吐出し、ストランドカッターにてチップ化し、ポリエステルAを得た。
ポリエステルAのガラス転移温度は79℃であった。
(製造例2)ポリエステルB
第一工程として、ナフタレンジカルボン酸ジメチル87.9重量部、エチレングリコール44.4重量部、ポリエチレングリコール(数平均分子量400)6.5重量部を反応容器に仕込み180℃で溶解した後、攪拌しながら酢酸マンガン4水和物0.055重量部、三酸化アンチモン0.020重量部を添加し、エステル交換反応を開始した。攪拌しながら230℃まで3時間かけて昇温し、メタノールを留出させ、エステル交換反応を終了した。第二工程として、エステル交換反応終了後、リン酸0.022重量部とリン酸二水素ナトリウム2水和物0.026重量部を添加した。第三工程として、IRGANOX1010を0.1重量部添加後、240℃から昇温しながら、133Pa以下まで減圧し、余剰のエチレングリコールを留去させながら290℃まで昇温した。所定の固有粘度0.62相当の溶融粘度になったところで、水槽に吐出し、ストランドカッターにてチップ化し、ポリエステルBを得た。
ポリエステルBのガラス転移温度は89℃であった。
(製造例3)ポリエステルC
第一工程として、テレフタル酸ジメチル100重量部、ナフタレンジカルボン酸ジメチル22重量部、エチレングリコール64.5重量部、酢酸マグネシウム0.06重量部、三酸化アンチモン0.03重量部を反応容器に仕込み150℃で溶解した後、エステル交換反応を開始した。攪拌しながら230℃まで3時間かけて昇温し、メタノールを留出させ、エステル交換反応を終了した。第二工程として、エステル交換反応終了後、リン酸0.022重量部とリン酸二水素ナトリウム2水和物0.026重量部を添加した。第三工程として、240℃から昇温しながら、133Pa以下まで減圧し、余剰のエチレングリコールを留去させながら290℃まで昇温した。所定の固有粘度0.62相当の溶融粘度になったところで、水槽に吐出し、ストランドカッターにてチップ化し、ポリエステルCを得た。
ポリエステルCのガラス転移温度は85℃であった。
(製造例4)ポリエステル系樹脂D
樹脂溶液(a):酸成分であるテレフタル酸(88mol%)、5-ナトリウムスルホイソフタル酸(12mol%)、ジオール成分であるエチレングリコール(100mol%)の酸成分とジオール成分からなるポリエステル樹脂の水溶液を70重量部と、酸成分であるテレフタル酸(50mol%)、イソフタル酸(49mol%)、5-ナトリウムスルホイソフタル酸(1mol%)とジオール成分であるエチレングリコール(55mol%)、ネオペンチルグリコール(44mol%)、ポリエチレングリコール(分子量:4000)(1mol%)の酸性分とジオール成分からなるポリエステル樹脂の水分散体30重量部を混合した溶液。
架橋剤(b):メチロール化メラミン
架橋剤(c):日本触媒(株)製“エポクロス”(登録商標)WS500
粒子(d):一次粒子径100nmのコロダイルシリカ粒子の水分散体
フッ素系界面活性剤(e):DIC(株)製“メガファック”(登録商標)F-444。
これらを固形分質量比で樹脂溶液(a)/架橋剤(b)/架橋剤(c)/粒子(d)/フッ素系界面活性剤(e)=47重量部/19重量部/20重量部/4.9重量部/1重量部/0.1重量部で混合した。乾燥後のポリエステル系樹脂Dの屈折率は1.57であった。
(製造例5)アクリル系樹脂E
樹脂溶液(a):メタクリル酸メチル(62mol%)、アクリル酸エチル(30mol%)、アクリル酸(2mol%)、N-メチロールアクリルアミド(1mol%)、エチレンオキシドの繰り返し単位が16のポリエチレングリコールモノメタクリレート(3mol%)2-スルホエチルアクリレート(2mol%)からなるアクリル樹脂溶液
架橋剤(b): メチロール化メラミン
粒子(c):一次粒子径80nmのコロイダルシリカ粒子。
これらを固形分質量比で樹脂溶液(a)/架橋剤(b)/粒子(c)=30質量部/8重量部/2重量部で混合した。乾燥後のアクリル系樹脂Eの屈折率は1.50であった。
(製造例7)バックプレート1
ペレット状のポリエステルAを、180℃で3時間真空乾燥し、押出機に投入し、290℃で溶融押出し、フィルターを経て口金に移送した。次に口金から押出されたシート状の溶融物を静電印加により、表面温度25℃の冷却ドラム上に冷却固化させたシート状の未延伸フィルムを得た。得られた未延伸フィルムを延伸ロールにて、95℃で長手方向に1.5倍延伸し、一軸延伸フィルムを得た。
この一軸延伸フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、基材フィルムの濡れ張力を55mN/mとし、その処理面にポリエステル系樹脂Dを塗布し、透明であり易滑性を有している易接着層を形成した。
さらにこの一軸延伸フィルムを100℃の熱風雰囲気下で幅方向に4.0倍延伸して、二軸延伸フィルムを作製した。次いで、テンター内にて熱処理温度230℃にて熱処理弛緩して、バックプレート1を得た。
得られたバックプレート1の物性を表1に示す。
(製造例8~9)バックプレート2~3
ラインスピードを変更して未延伸フィルムの厚み変えた以外は製造例7と同様にして、リタデーションを変更したバックプレートを作製した。
得られたバックプレート2~3の物性を表1に示す。
(製造例10~12)バックプレート4~6
ラインスピードを変更して未延伸フィルムの厚み変え、表1に示した製膜条件へ変更した以外は製造例7と同様にして、リタデーションを変更したバックプレートを作製した。
得られたバックプレート4~6の物性を表1に示す。
(製造例13)バックプレート7
用いる樹脂をポリエステルBに変更し、延伸条件を表1に示した通りに変更した以外は製造例7と同様にして、バックプレートを作製した。
得られたバックプレート7の物性を表1に示す。
(製造例14~15)バックプレート8~9
延伸条件を表1に示した通りに変更した以外は製造例13と同様にして、バックプレートを作製した。
得られたバックプレート8~9の物性を表1に示す。
(製造例16)バックプレート10
ラインスピードを変更して未延伸フィルムの厚み変えた以外は製造例12(バックプレート6)と同様にして、リタデーションを変更したバックプレートを作製した。
得られたバックプレート10の物性を表2に示す。
(製造例16)バックプレート11
ポリエステル系樹脂Dの代わりにアクリル系樹脂Eを用いた以外は製造例8(バックプレート2)と同様にして、バックプレートを作製した。
得られたバックプレート11の物性を表2に示す。
(製造例17)バックプレート12
樹脂成分としてポリエステルBを用いて、延伸条件を表2に示した通りに変更した以外は、製造例16と同様にして、バックプレートを作製した。
得られたバックプレート12の物性を表2に示す。
(製造例18)バックプレート13
樹脂成分としてポリエステルCを用いて、延伸条件を表2に示した通りに変更した以外は、製造例16と同様にして、バックプレートを作製した。
得られたバックプレート13の物性を表2に示す。
(実施例1)
バックプレート1を用いて、支持性、および、遅相軸方向と撮像素子の長辺方向のなす角度を90°として視認性を評価し、また、遅相軸に垂直な方向(進相軸方向)を屈曲方向として耐屈曲性を評価した。評価の結果を表3に示す。支持性、視認性、耐屈曲性は、いずれも良好な結果であり、画像表示装置として良好な結果であった。また、耐屈曲性も良好であることからフォルダブルディスプレイとしても良好な結果であった。
(実施例2~8、比較例1~2)
実施例1と同様に支持性、視認性、耐屈曲性を評価した。結果を表3に示す。
実施例2~7は支持性、視認性、耐屈曲性が良好であり、画像表示装置として良好な結果であり、フォルダブルディスプレイとしても良好な結果であった。
実施例8は支持性、視認性が良好であり、画像表示装置として良好な結果であった。一方で、耐屈曲性は回復角が150°未満であり、屈曲部の変形が大きい結果であり、フォルダブルディスプレイとしては使用が困難であった。
比較例1および2は、リタデーションが3000nmに満たないため、視認性が悪化する結果であった。
(実施例9)
バックプレート1を用いて、支持性、および、遅相軸方向と撮像素子の長辺方向のなす角度を0°として視認性を評価し、また、遅相軸方向を屈曲方向として耐屈曲性を評価した。評価結果を表3に示す。支持性、視認性、耐屈曲性が良好であり、画像表示装置として良好な結果であり、フォルダブルディスプレイとしても良好な結果であった。
(実施例10~15)
表3に示すバックプレートを用いて、実施例9と同様にして、支持性、視認性、耐屈曲性を評価した。評価結果を表3に示す。
実施例10は支持性、視認性が良好であり、画像表示装置として良好な結果であった。一方で、耐屈曲性は回復角が150°未満であり、屈曲部の変形が大きい結果であり、フォルダブルディスプレイとしては使用が困難であった。
実施例11~12は支持性、視認性、耐屈曲性が良好であり、画像表示装置として良好な結果であり、フォルダブルディスプレイとしても良好な結果であった。
実施例13は支持性、耐屈曲性が良好であり、視認性は実施例2と比較すると全体的に虹ムラが観察されるものの実用可能であり、画像表示装置として良好な結果であった。また、フォルダブルディスプレイとしても良好な結果であった。
実施例14は支持性が良好であり、視認性は実施例8と比較すると全体的に虹ムラが観察されるものの実用可能であり、画像表示装置として良好な結果であった。一方で、耐屈曲性は回復角が150°未満であり、屈曲部の変形が大きい結果であり、フォルダブルディスプレイとしては使用が困難であった。
実施例15は支持性、耐屈曲性が良好であり、視認性は実施例13と比較すると虹ムラは全体には観察されず、干渉色が画角の隅で若干見られ実用に問題なく、画像表示装置として良好な結果であった。また、フォルダブルディスプレイとしても良好な結果であった。
(実施例16~17)
表3に示すバックプレートを用いて、実施例1と同様に支持性、視認性、耐屈曲性を評価した。結果を表3に示す。
実施例16~17は支持性、視認性、耐屈曲性が良好であり、画像表示装置として良好な結果であり、フォルダブルディスプレイとしても良好な結果であった。
Figure 2023152942000002
Figure 2023152942000003
Figure 2023152942000004
本発明の画像表示装置は、画像表示面下方に設置された撮像素子において正常な画像情報を採集、認識することができ、産業上の利用可能性は極めて高い。
a フィルム(バックプレート)
b 偏光板
c カメラ内蔵装置
d カメラ
e 撮影画角
f 面光源
g 屈曲方向
h フィルム中央部(屈曲部)
i フィルムサンプルがなす角度(回復角)
j ディスプレイ
k 撮像素子が画像表示面の裏側に配置されている画面領域
l 余剰画面領域
m 撮像素子
n 画像表示装置
p 遅相軸方向
q 撮像素子
r 撮像素子の長辺方向
s イメージサークル
t 虹ムラ
u 偏光子
v 画像表示用発光素子

Claims (11)

  1. 偏光板と、画像表示用発光素子と、バックプレートと、撮像素子とが、この順に配置された画像表示装置であって、該バックプレートのリタデーションが3000~30000nmである画像表示装置。
  2. 前記撮像素子における対角画角が60°~140°であり、かつ、前記バックプレートは進相軸を傾斜中心軸として入射角40°で光を入射したときに観測されるリタデーション(R40)が5000nm以上20000nm以下のものである請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記バックプレートは、遅相軸方向の屈折率が1.670~1.900、進相軸方向の屈折率が1.590~1.650のものである請求項1または2に記載の画像表示装置。
  4. 前記バックプレートは、遅相軸方向の曲げ剛性と進相軸方向の曲げ剛性の平均値が1.0~800mN以下のものである、請求項1または2に記載の画像表示装置。
  5. 前記バックプレートがポリエステルフィルムである、請求項1または2に記載の画像表示装置。
  6. 前記画像表示装置は、フォルダブルな画像表示装置であり、かつ、屈曲半径1~10mmに折り曲げ可能なものである請求項1または2に記載の画像表示装置。
  7. 前記バックプレートの遅相軸方向と、フォルダブルな画像表示装置における屈曲方向とが直交している請求項6に記載の画像表示装置。
  8. 前記バックプレートは、フォルダブルな画像表示装置における屈曲方向の曲げ剛性が0.2~500mNのものである、請求項6に記載の画像表示装置。
  9. 前記撮像素子はアスペクト比が1.05以上であり、該撮像素子長辺方向と前記バックプレートの遅相軸方向との成す角度が45°以上90°以下である請求項1または2に記載の画像表示装置。
  10. 前記画像表示用発光素子と、前記バックプレートとの間に、粘着層が配置されている、請求項1または2に記載の画像表示装置。
  11. さらに屈折率が1.45以上1.55以下である易接着樹脂層を有し、前記粘着層が前記易接着樹脂層を介して前記バックプレートと接している請求項10に記載の画像表示装置。
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