JP2023151681A - 電気絶縁油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】流動点が-40℃以下であり、初期透明性に優れ、非腐食性であり、しかもICE60296で規定される酸化安定性に関する品質を満足する電気絶縁油組成物を提供する。【解決手段】電気絶縁油組成物は、下記要件(1)~(4)を満たす鉱油系基油(X)を含有する。・要件(1):流動点が-40.0℃以下である。・要件(2):アニリン点が68.5℃以上77.0℃以下である。・要件(3):環分析(n-d-M法)による%CAが、3.5以上6.8以下である。・要件(4):セイボルト色が+20以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、電気絶縁油組成物に関する。
電気絶縁油組成物は、油入コンデンサ、油入ケーブル、油入変圧器、及び油入遮断器等の油入電気機器の絶縁材料として使用される。例えば、特許文献1では、電気絶縁油組成物が絶縁材料として使用されることを踏まえ、電気絶縁性により優れる電気絶縁油組成物が提案されている(例えば、特許文献1等を参照)。
特開2014-196391号公報
近年、寒冷地等においても使用が制限されることのない、汎用性が高い電気絶縁油組成物を提供する観点から、電気絶縁油組成物には、流動点が-40℃以下であることが要求されている。
また、油入電気機器におけるトラブルの発生を防止すべく、電気絶縁油組成物には徹底した保守管理が求められる。電気絶縁油組成物の保守管理において、電気絶縁油組成物の外観、特に色相によって、電気絶縁油組成物の劣化を判断することは有効な方法の一つである。一般に、電気絶縁油組成物は、劣化が進行すると色相が褐色になる。したがって、電気絶縁油組成物には、劣化の度合いが判断しやすいように、未使用状態及び使用初期の状態で無色透明に近い性能(以下、「初期透明性」ともいう)も要求される。
さらに、電気絶縁油組成物には、油入電気機器に使用される金属(例えば、銅等)を腐食しない性能も要求される。以下、当該性能のことを「非腐食性」ともいう。
加えて、海外向けの電気絶縁油組成物には、ICE(International Electronical Commission)60296で規定される酸化安定性に関する品質を満足することも要求される。
しかしながら、本発明者が鋭意検討した結果、上記の要求をすべて満たす電気絶縁油組成物を調製することは困難であることがわかった。
本発明は、かかる状況の下でなされたものであって、流動点が-40℃以下であり、初期透明性に優れ、非腐食性であり、しかもICE60296で規定される酸化安定性に関する品質を満足する、電気絶縁油組成物を提供することを課題とする。
本発明によれば、下記[1]~[2]が提供される。
[1] 下記要件(1)~(4)を満たす鉱油系基油(X)を含有する、電気絶縁油組成物。
・要件(1):流動点が-40.0℃以下である。
・要件(2):アニリン点が68.5℃以上77.0℃以下である。
・要件(3):環分析(n-d-M法)による%Cが、3.5以上6.8以下である。
・要件(4):セイボルト色が+20以上である。
[2] 上記[1]に記載の電気絶縁油組成物を含む、油入電気機器の絶縁材料。
本発明によれば、かかる状況の下でなされたものであって、流動点が-40℃以下であり、初期透明性に優れ、非腐食性であり、しかもICE60296で規定される酸化安定性に関する品質を満足する、電気絶縁油組成物を提供することが可能となる。
本明細書に記載された数値範囲の上限値および下限値は任意に組み合わせることができる。例えば、数値範囲として「A~B」及び「C~D」が記載されている場合、「A~D」及び「C~B」の数値範囲も、本発明の範囲に含まれる。
また、本明細書に記載された数値範囲「下限値~上限値」は、特に断りのない限り、下限値以上、上限値以下であることを意味する。
また、本明細書において、実施例の数値は、上限値又は下限値として用いられ得る数値である。
[電気絶縁油組成物の態様]
本実施形態の電気絶縁油組成物は、下記要件(1)~(4)を満たす鉱油系基油(X)を含有する。
・要件(1):流動点が-40.0℃以下である。
・要件(2):アニリン点が68.5℃以上77.0℃以下である。
・要件(3):環分析(n-d-M法)による%Cが、3.5以上6.8以下である。
・要件(4):セイボルト色が+20以上である。
本発明者は、上記課題を解決すべく、電気絶縁油組成物を構成する鉱油系基油について、鋭意検討を行った。その結果、要件(1)に規定するように、流動点が-40℃以下であっても、要件(2)及び(3)を満たすことで、要件(4)に規定するように初期透明性に優れ(セイボルト色が+20以上)、非腐食性であり、しかもICE60296で規定される酸化安定性に関する品質を満足する、鉱油系基油(X)を提供することが可能であることを見出すに至り、更に種々検討を重ねて、本発明を完成するに至った。
本実施形態の電気絶縁油組成物において、鉱油系基油(X)の含有量は、例えば、電気絶縁油の国際規格であるIEC60296により規定される。
IEC60296では、電気絶縁油の酸化防止剤の添加量に応じて、無添加油、微量添加油、添加油の区分に分けられている。具体的には、酸化防止剤の添加量は、「無添加油」では組成物全量基準で0質量%、「微量添加油」では組成物全量基準で0質量%超0.08質量%未満、「添加油」では0.08質量%以上0.4質量%以下と定められている。
したがって、本実施形態の電気絶縁油組成物が「無添加油」である場合、電気絶縁油組成物中の鉱油系基油(X)の含有量は、電気絶縁油組成物の全量基準で、100質量%である。
本実施形態の電気絶縁油組成物が「微量添加油」である場合、電気絶縁油組成物中の鉱油系基油(X)の含有量は、電気絶縁油組成物の全量基準で、99.92質量%超100質量%未満である。
本実施形態の電気絶縁油組成物が「添加油」である場合、電気絶縁油組成物中の鉱油系基油(X)の含有量は、電気絶縁油組成物の全量基準で、99.6質量%以上99.92質量%以下である。
以下、本実施形態の電気絶縁油組成物を構成する鉱油系基油(X)について、詳細に説明する。
[鉱油系基油(X):要件(1)~(4)]
本実施形態の電気絶縁油組成物を構成する鉱油系基油(X)は、以下に説明する要件(1)~(4)をすべて満たす。
<要件(1):流動点>
要件(1)では、鉱油系基油(X)の流動点が、-40.0℃以下であることを規定している。
鉱油系基油(X)の流動点が-40.0℃以下であることによって、寒冷地等においても使用が制限されることのない、汎用性が高い電気絶縁油組成物を提供することが可能となる。
なお、鉱油系基油(X)の流動点が-40.0℃よりも高温である場合、寒冷地等における使用が制限されるとともに、IEC60296で規定される流動点の要件(-40.0℃以下)も満たさず、IEC60296で規定される電気絶縁油の品質を満たすことができない。
なお、鉱油系基油の流動点を-40.0℃以下とする場合、初期透明性に優れ、非腐食性であり、しかもICE60296で規定される酸化安定性に関する品質を満足する鉱油系基油を調製することが非常に難しくなるが、本実施形態では、要件(2)及び(3)を満たすことで、これらを満足する鉱油系基油を調製可能としている。
ここで、本実施形態において、寒冷地での汎用性により優れる電気絶縁油組成物を提供しやすくする観点から、鉱油系基油(X)の流動点は、好ましくは-42.5℃以下、より好ましくは-45.0℃以下、更に好ましくは-47.5℃以下、より更に好ましくは-50.0℃以下である。
但し、本実施形態において、初期透明性に優れ、非腐食性であり、しかもICE60296で規定される酸化安定性に関する品質を満足する電気絶縁油組成物を提供可能な鉱油系基油(X)の調製のしやすさの観点から、鉱油系基油(X)の流動点は、好ましくは-80.0℃以上、より好ましくは-75.0℃以上、更に好ましくは-70℃以上である。
なお、本明細書において、鉱油系基油(X)の流動点は、JIS K 2269:1987(原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法)に準拠して測定した値を意味する。
<要件(2):アニリン点>
要件(2)では、鉱油系基油(X)のアニリン点が、68.5℃以上77.0℃以下であることを規定している。
鉱油系基油(X)のアニリン点が68.5℃未満であると、鉱油系基油(X)の腐食性が悪化しやすくなる。
また、鉱油系基油(X)のアニリン点が77.0℃超であると、鉱油系基油(X)の流動点が高くなりやすく、要件(1)を満たす鉱油系基油(X)を得ることが困難になる。
ここで、本実施形態において、鉱油系基油(X)をより非腐食性にしやすくする観点から、鉱油系基油(X)のアニリン点は、好ましくは69.0℃以上、より好ましくは69.5℃以上、更に好ましくは70.0℃以上である。
また、本実施形態において、要件(1)に規定する流動点を満たしやすくする観点から、鉱油系基油(X)のアニリン点は、好ましくは76.5℃以下、より好ましくは76.0℃以下、更に好ましくは75.5℃以下である。
これらの数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。具体的には、好ましくは69.0℃以上76.5℃以下、より好ましくは69.5℃以上76.0℃以下、更に好ましくは70.0℃以上75.5℃以下である。
なお、本明細書において、鉱油系基油(X)のアニリン点は、JIS K 2256:2013に準拠して測定した値を意味する。
<要件(3):%C
要件(3)では、鉱油系基油(X)の環分析(n-d-M法)による%Cが、3.5以上6.8以下であることを規定している。
鉱油系基油(X)は、要件(3)で規定するように、芳香族分が少ない基油である。
但し、鉱油系基油(X)の%Cが3.5未満であると、流動点が上昇しやすくなり、要件(1)に規定する流動点を満足する鉱油系基油(X)を得ることが困難になる。
また、鉱油系基油(X)の%Cが6.8超であると、酸化安定性が悪化しやすくなる。
ここで、本実施形態において、鉱油系基油(X)の酸化安定性をより向上させやすくする観点から、鉱油系基油(X)の%Cは、好ましくは4.0以上、より好ましくは4.3以上、更に好ましくは4.5以上である。
また、本実施形態において、鉱油系基油(X)をより非腐食性にしやすくする観点から、鉱油系基油(X)の%Cは、好ましくは6.5以下、より好ましくは6.2以下、更に好ましくは6.0以下である。
これらの数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。具体的には、4.0以上6.5以下、より好ましくは4.3以上6.2以下、更に好ましくは4.5以上6.0以下である。
なお、本明細書において、環分析(n-d-M法)は、ASTM D3238-95に準拠して実施される。
<要件(4):セイボルト色>
要件(4)では、鉱油系基油(X)のセイボルト色が、+20以上であることを規定している。
本実施形態では、鉱油系基油(X)が要件(2)及び要件(3)を満たすため、セイボルト色の高い(例えば+10以上である)鉱油系基油が得られやすく、例えば、活性炭、アルミナ、シリカゲル、モレキュラーシーブ、白土等による処理等を施すことで、セイボルト色が+20以上であり、要件(4)を満たす鉱油系基油(X)を容易に調製しやすい。
なお、鉱油系基油(X)のセイボルト色が+20未満であると、初期透明性に優れる電気絶縁油組成物を提供することが困難となり、電気絶縁油組成物の保守管理において、外観観察による電気絶縁油組成物の劣化評価が困難となる。
ここで、本実施形態において、鉱油系基油(X)の初期透明性をより向上させる観点から、鉱油系基油(X)のセイボルト色は、好ましくは+22以上、より好ましくは+24以上、更に好ましくは+25以上である。
なお、本明細書において、鉱油系基油(X)のセイボルト色は、JIS K2580:2003に準拠して測定した値を意味する。
<その他要件>
本実施形態において、鉱油系基油(X)は、本発明の効果の向上の観点及び電気絶縁油組成物として求められる性状をより満たしやすくする観点等から、さらに、下記要件から選択される1以上の要件を満たすことが好ましい。
(要件(5):%C
鉱油系基油(X)は、環分析(n-d-M法)による%Cが、48.0超であることが好ましい。
鉱油系基油(X)の%Cが48.0超であることで、鉱油系基油(X)の流動点を、要件(1)を満たす-40℃以下にしやすい。
ここで、本実施形態において、要件(1)に規定する流動点をより満たしやすくする観点から、鉱油系基油(X)の%Cは、より好ましくは48.5以上、更に好ましくは49.0以上、より更に好ましくは49.5以上、更になお好ましくは50.0以上である。
また、本実施形態において、鉱油系基油(X)の酸化安定性をより向上させやすくする観点から、鉱油系基油(X)の%Cは、より好ましくは56.0以下、更に好ましくは55.5以下、より更に好ましくは55.0以下、更になお好ましくは54.5以下である。
これらの数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。具体的には、より好ましくは48.5以上56.0以下、更に好ましくは49.0以上55.5以下、より更に好ましくは49.5以上55.0以下、更になお好ましくは50.0以上54.5以下である。
(要件(6):密度(15℃))
鉱油系基油(X)は、密度が、0.880g/cm以上であることが好ましい。
鉱油系基油(X)の密度が0.880g/cm以上であることで、鉱油系基油(X)の流動点を、要件(1)を満たす-40℃以下にしやすい。
ここで、本実施形態において、要件(1)に規定する流動点をより満たしやすくする観点から、鉱油系基油(X)の密度は、より好ましくは0.882g/cm以上、更に好ましくは0.884g/cm以上、より更に好ましくは、0.885g/cm以上である。
また、本実施形態において、鉱油系基油(X)をより非腐食性にしやすくする観点から、鉱油系基油(X)の密度は、より好ましくは0.898g/cm以下、更に好ましくは0.896g/cm以下、より更に好ましくは0.894g/cm以下である。
これらの数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。具体的には、より好ましくは0.882g/cm以上0.898g/cm以下、更に好ましくは0.884g/cm以上0.896g/cm以下、より更に好ましくは、0.885g/cm以上0.894g/cm以下である。
なお、本明細書において、鉱油系基油(X)の密度(15℃)は、JIS K2249-1:2011(原油及び石油製品-密度の求め方- 第1部:振動法)に準拠して測定した値を意味する。
(要件(7):硫黄分)
鉱油系基油(X)は、硫黄分が、鉱油系基油(X)の全量基準で、150質量ppm以上300質量ppm以下であることが好ましい。
鉱油系基油(X)の硫黄分が150質量ppm以上であると、酸化安定性に優れ、ICE60296で規定される酸化安定性に関する品質を満足する鉱油系基油(X)を得やすくなる。
鉱油系基油(X)の硫黄分が300質量ppm以下であると、鉱油系基油(X)を非腐食性にしやすい。
ここで、本実施形態において、鉱油系基油(X)の酸化安定性をより向上させやすくする観点から、鉱油系基油(X)の硫黄分は、より好ましくは160質量ppm以上、更に好ましくは170質量ppm以上、より更に好ましくは180質量ppm以上、更になお好ましくは190質量ppm以上である。
また、本実施形態において、鉱油系基油(X)をより非腐食性にしやすくする観点から、鉱油系基油(X)の硫黄分は、より好ましくは290質量ppm以下、更に好ましくは280質量ppm以下、より更に好ましくは270質量ppm以下である。
これらの数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。具体的には、より好ましくは160質量ppm以上290質量ppm以下、更に好ましくは170質量ppm以上280質量ppm以下、より更に好ましくは180質量ppm以上270質量ppm以下、更になお好ましくは190質量ppm以上270質量ppm以下である。
なお、本明細書において、鉱油系基油(X)の硫黄分は、JIS K2541:2013に準拠し、硫黄分に応じて、微量電量滴定式酸化法、燃焼管式空気法、放射線式励起法、ボンベ式質量法、紫外蛍光法、及び波長分散蛍光X線法から選択して測定した値を意味する。
(要件(8):フルフラール含有量)
本実施形態において、鉱油系基油(X)のフルフラール含有量は、電気絶縁油組成物としての使用に適したものとする観点から、鉱油系基油(X)の全量基準で、好ましくは0.10質量ppm以下、より好ましくは0.05質量ppm以下、更に好ましくは0.01質量ppm未満である。
なお、本明細書において、鉱油系基油(X)のフルフラール含有量は、石油学会規格JPI-5S-58-99 電気絶縁油-フルフラール定量試験法により測定される値を意味する。
(要件(9):40℃動粘度)
本実施形態において、鉱油系基油(X)の40℃動粘度は、電気絶縁油組成物としての使用に適した動粘度とする観点から、好ましくは8.00mm/s以上、より好ましくは8.10mm/s以上、更に好ましくは8.20mm/s以上である。また、好ましくは9.00mm/s以下、より好ましくは8.80mm/s以下、更に好ましくは8.70mm/s以下である。
これらの数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。具体的には、好ましくは8.00mm/s~9.00mm/s、より好ましくは8.10mm/s~8.80mm/s、更に好ましくは8.20mm/s~8.70mm/sである。
なお、本明細書において、鉱油系基油(X)の40℃動粘度は、JIS K2283:2000に準拠して測定した値を意味する。
(要件(10):100℃動粘度)
本実施形態において、鉱油系基油(X)の100℃動粘度は、電気絶縁油組成物としての使用に適した動粘度とする観点から、好ましくは2.00mm/s以上、より好ましくは2.10mm/s以上、更に好ましくは2.20mm/s以上である。また、好ましくは2.50mm/s以下、より好ましくは2.40mm/s以下、更に好ましくは2.30mm/s以下である。
これらの数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。具体的には、好ましくは2.00mm/s~2.50mm/s、より好ましくは2.10mm/s~2.40mm/s、更に好ましくは2.20mm/s~2.30mm/sである。
なお、本明細書において、100℃動粘度は、JIS K2283:2000に準拠して測定した値を意味する。
(要件(11):粘度指数)
本実施形態において、鉱油系基油(X)の粘度指数は、電気絶縁油組成物としての使用に適した粘度指数とする観点から、好ましくは40以上、より好ましくは42以上、更に好ましくは44以上である。また、好ましくは64以下、より好ましくは62以下、更に好ましくは60以下である。
これらの数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。具体的には、好ましくは40以上64以下、より好ましくは42以上62以下、更に好ましくは44以上60以下である。
なお、本明細書において、粘度指数は、JIS K2283:2000に準拠し、40℃動粘度及び100℃動粘度の測定値から算出した値を意味する。
(要件(12):%C
本実施形態において、鉱油系基油(X)の環分析(n-d-M法)による%Cは、本発明の効果の向上の観点から、好ましくは39.0以上、より好ましくは39.5以上、更に好ましくは40.0以上である。また、好ましくは47.0以下、より好ましくは46.5以下、更に好ましくは46.0以下である。
これらの数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。具体的には、好ましくは39.0以上47.0以下、より好ましくは39.5以上46.5以下、更に好ましくは40.0以上46.0以下である。
(要件(13):酸価)
本実施形態において、鉱油系基油(X)の酸価は、電気絶縁油組成物としての使用に適したものとする観点から、好ましくは0.05mgKOH/g以下、より好ましくは0.03mgKOH/g以下、更に好ましくは0.01mgKOH/g以下である。
なお、本明細書において、鉱油系基油(X)の酸価は、JIS K 2501-7:2003に準拠して測定した値を意味する。
(要件(14):引火点)
本実施形態において、鉱油系基油(X)のペルスキーマルテンス密閉法による引火点は、電気絶縁油組成物の安全性の確保の観点から、好ましくは135℃以上、より好ましくは138℃以上、更に好ましくは140℃以上である。また、好ましくは160℃以下、より好ましくは157℃以下、更に好ましくは155℃以下である。
これらの数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。具体的には、好ましくは135℃以上160℃以下、より好ましくは138℃以上157℃以下、更に好ましくは140℃以上155℃以下である。
なお、本明細書において、ペルスキーマルテンス密閉法による引火点は、JIS K 2265-3:2007に準拠して測定した値を意味する。
(要件(15):誘電正接(90℃))
本実施形態において、鉱油系基油(X)の誘電正接(90℃)は、好ましくは0.010%以下、より好ましくは0.009%以下、更に好ましくは0.008%以下である。
なお、本明細書において、鉱油系基油(X)の誘電正接は、JIS C2101:2010に準拠して測定した値を意味する。
(要件(16):銅板腐食試験評点)
銅板腐食試験評点は、耐腐食性の指標となる値であり、小さいほど耐腐食性に優れる。
本実施形態において、鉱油系基油(X)の銅板腐食試験評点は、鉱油系基油(X)を非腐食性とする観点から、「1a、1b、2a、2b、2c、2d、3a、3b」のいずれかであることが好ましい。
なお、本明細書において、鉱油系基油(X)の銅板腐食試験評点は、腐食性硫黄試験(ASTM D1275 B法)を実施し、JIS K2513:2000に準拠して測定される値を意味する。
[鉱油系基油(X)の調製方法]
本実施形態において、鉱油系基油(X)は、上記要件を満たす限り、組成は特に限定されないが、上記要件を満たす鉱油系基油(X)を調製しやすくする観点から、鉱油系基油(X)は、下記要件(α1)~(α3)を満たす低硫黄型鉱油(α)と、下記要件(β1)~(β3)を満たす高硫黄型鉱油(β)とを含むことが好ましい。
・要件(α1):環分析(n-d-M法)による%Cが、3.5以上である。
・要件(α2):環分析(n-d-M法)による%Cが、45.0以上である。
・要件(α3):硫黄分が、前記低硫黄型鉱油(α)の全量基準で、30質量ppm以下である。
・要件(β1):環分析(n-d-M法)による%Cが、3.5以上である。
・要件(β2):環分析(n-d-M法)による%Cが、50.0以上である。
・要件(β3):硫黄分が、前記高硫黄型鉱油(β)の全量基準で、200質量ppm以上400質量ppm以下である。
また、本実施形態において、低硫黄型鉱油(α)及び高硫黄型鉱油(β)の合計含有量[(α)+(β)]は、鉱油系基油(X)の全量基準で、好ましくは90質量%~100質量%、より好ましくは95質量%~100質量%、更に好ましくは98質量%~100質量%、より更に好ましくは99質量%~100質量%である。
以下、低硫黄型鉱油(α)及び高硫黄型鉱油(β)について、鉱油系基油(X)の調製方法を踏まえつつ、詳細に説明する。
<低硫黄型鉱油(α)>
本実施形態において、鉱油系基油(X)は、下記要件(α1)~(α3)を満たす低硫黄型鉱油(α)を含むことが好ましい。
・要件(α1):環分析(n-d-M法)による%Cが、3.5以上である。
・要件(α2):環分析(n-d-M法)による%Cが、45.0以上である。
・要件(α3):硫黄分が、前記低硫黄型鉱油(α)の全量基準で、30質量ppm以下である。
鉱油系基油(X)が、要件(α1)~(α3)を満たす低硫黄型鉱油(α)を含むことで、高硫黄型鉱油(β)との組み合わせにより、要件(1)~(4)、更には要件(5)~(16)を満たす鉱油系基油(X)を調製しやすい。
ここで、低硫黄型鉱油(α)の流動点を低く調整しやすくする観点から、低硫黄型鉱油(α)は、硫黄分が3質量ppm未満である超低硫黄鉱油(αVL)を含むことが好ましい。
なお、超低硫黄鉱油(αVL)は、環分析(n-d-M法)による%Cが、好ましくは3.4~6.4、より好ましくは3.8~5.9、更に好ましくは4.0~5.4である。
本実施形態において、超低硫黄鉱油(αVL)の含有量は、特に要件(1)及び要件(3)を満たしやすくする観点から、低硫黄型鉱油(α)の全量基準で、好ましくは30質量%~70質量%、より好ましくは35質量%~65質量%、更に好ましくは40質量%~60質量%である。
ここで、低硫黄型鉱油(α)は、要件(α1)~(α3)を満たしやすくする観点から、超低硫黄鉱油(αVL)以外の他の低硫黄鉱油を含むことが好ましい。他の低硫黄鉱油としては、例えば、硫黄分が3質量ppm超20質量ppm以下(好ましくは3質量ppm超15質量ppm以下、より好ましくは3質量ppm超10質量ppm以下)である低硫黄鉱油(αL)が挙げられる。
なお、低硫黄鉱油(αL)は、環分析(n-d-M法)による%Cが、好ましくは6.0~9.0、より好ましくは6.0~8.5、更に好ましくは6.0~8.0である。
本実施形態において、低硫黄鉱油(αL)の含有量は、超低硫黄鉱油(αVL)との組み合わせにより、特に要件(1)及び要件(3)を満たしやすくする観点から、低硫黄型鉱油(α)の全量基準で、好ましくは30質量%~70質量%、より好ましくは35質量%~65質量%、更に好ましくは40質量%~60質量%である。
また、超低硫黄鉱油(αVL)及び低硫黄鉱油(αL)の合計含有量は、低硫黄型鉱油(α)の全量基準で、好ましくは90質量%~100質量%、より好ましくは95質量%~100質量%、更に好ましくは98質量%~100質量%、より更に好ましくは99質量%~100質量%である。
以下、超低硫黄鉱油(αVL)及び低硫黄鉱油(αL)の調製方法について説明する。
(超低硫黄鉱油(αVL))
超低硫黄鉱油(αVL)は、例えば、パラフィン系原油又は中間基原油等の原油の常圧蒸留残油を減圧蒸留して得られる減圧留出油に対し、水素化分解処理及び水素化改質処理等から選択される1種以上の処理を行い、次いで水素化異性化脱蝋処理を行うことで得られる。
超低硫黄鉱油(αVL)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
超低硫黄鉱油(αVL)は、水素化分解処理及び水素化改質処理等から選択される1種以上の処理により、上記減圧留出油に由来する硫黄化合物(さらには窒素化合物)などの不純物が高度に除去される。また、ナフテン分の開環、芳香族分の水素化及び開環が進行する。そのため、硫黄分が極めて少なく、芳香族分も少ないが、低硫黄鉱油(αL)と組み合わせることによって、硫黄分の少なさと芳香族分の少なさが補完される。
そして、超低硫黄鉱油(αVL)は、水素化異性化脱蝋処理により、直鎖パラフィンが分岐鎖状のイソパラフィンに異性化されている。そのため、流動点が低く、要件(1)を満たすように鉱油系基油(X)の流動点を低温に調整しやすくできる。
ここで、超低硫黄鉱油(αVL)は、以下の物性値を有することが好ましい。
・流動点
好ましくは-50℃未満である。
・アニリン点
好ましくは75.0℃~95.0℃、より好ましくは78.0℃~90.0℃、更に好ましくは80.0℃~88.0℃である。
・%C
好ましくは3.4~6.4、より好ましくは3.8~5.9、更に好ましくは4.0~5.4である。
・%C
好ましくは35.0~50.0、より好ましくは38.0~48.0、更に好ましくは40.0~46.0である。
・%C
好ましくは43.6~61.6、より好ましくは46.0~58.0、更に好ましくは48.0~56.0である。
・40℃動粘度
好ましくは7.80mm/s~9.10mm/s、より好ましくは7.90mm/s~8.60mm/s、更に好ましくは8.00mm/s~8.40mm/sである。
・100℃動粘度
好ましくは2.10mm/s~2.60mm/s、より好ましくは2.15mm/s~2.50mm/s、更に好ましくは2.20mm/s~2.40mm/sである。
・粘度指数
好ましくは60~85、より好ましくは65~82、更に好ましくは70~80である。
・密度(15℃)
好ましくは0.8600g/cm~0.8720g/cm、より好ましくは0.8610g/cm~0.8710g/cm、更に好ましくは0.8620g/cm~0.8700g/cmである。
・引火点
好ましくは130℃~160℃、より好ましくは135℃~155℃、更に好ましくは140℃~150℃である。
・フルフラール含有量
好ましくは0.01質量ppm未満である。
(低硫黄鉱油(αL))
低硫黄鉱油(αL)は、例えば、パラフィン系原油又は中間基原油等の原油の常圧蒸留残油を減圧蒸留して得られる減圧留出油に対し、水素化分解処理及び水素化改質処理から選択される1種以上の処理を行い、次いで溶剤脱蝋処理を行うことで得られる。
低硫黄鉱油(αL)は、水素化分解処理及び水素化改質処理から選択される1種以上の処理が行われた後、溶剤脱蝋処理により、低温環境下で直鎖パラフィンを析出させ分離除去している。低硫黄鉱油(αL)の流動点は、溶剤脱蝋処理の際の直鎖パラフィンの析出温度に依存し、析出温度を低温に設定する程、流動点は低下する一方、処理にかかるコストが上昇する。なお、本実施形態では、低硫黄鉱油(αL)の流動点が-25℃程度であっても、超低硫黄鉱油(αVL)及び高硫黄型鉱油(β)との組み合わせにより、鉱油系基油(X)の流動点を-40.0℃以下に調整し得る。したがって、低硫黄鉱油(αL)の流動点を-25℃程度に設定して低硫黄鉱油(αL)の製造コストを低減することで、低硫黄型鉱油(α)にかかるコストを全体的に低減することができる。
ここで、低硫黄鉱油(αL)は、以下の物性値を有することが好ましい。
・流動点
好ましくは-30℃~-20℃である。
・アニリン点
好ましくは68.0℃~90.0℃、より好ましくは73.0℃~88.0℃、更に好ましくは75.0℃~86.0℃である。
・%C
好ましくは6.0~9.0、より好ましくは6.5~8.5、更に好ましくは7.0~8.0である。
・%C
好ましくは30.0~45.0、より好ましくは35.0~44.0、更に好ましくは37.0~43.0である。
・%C
好ましくは46.0~64.0、より好ましくは48.0~60.0、更に好ましくは48.0~55.0である。
・40℃動粘度
好ましくは7.90mm/s~8.90mm/s、より好ましくは8.00mm/s~8.80mm/s、更に好ましくは8.10mm/s~8.70mm/sである。
・100℃動粘度
好ましくは2.00mm/s~2.50mm/s、より好ましくは2.05mm/s~2.45mm/s、更に好ましくは2.10mm/s~2.40mm/sである。
・粘度指数
好ましくは60~90、より好ましくは65~85、更に好ましくは65~80である。
・密度(15℃)
好ましくは0.8600g/cm~0.8760g/cm、より好ましくは0.8640g/cm~0.8750g/cm、更に好ましくは0.8660g/cm~0.8740g/cmである。
・引火点
好ましくは140℃~175℃、より好ましくは145℃~170℃、更に好ましくは145℃~165℃である。
・フルフラール含有量
好ましくは0.01質量ppm未満である。
(高硫黄型鉱油(β))
本実施形態において、鉱油系基油(X)は、下記要件(β1)~(β3)を満たす高硫黄型鉱油(β)を含むことが好ましい。
・要件(β1):環分析(n-d-M法)による%Cが、3.5以上である。
・要件(β2):環分析(n-d-M法)による%Cが、50.0以上である。
・要件(β3):硫黄分が、前記高硫黄型鉱油(β)の全量基準で、200質量ppm以上400質量ppm以下である。
鉱油系基油(X)が、要件(β1)~(β3)を満たす高硫黄型鉱油(β)を含むことで、低硫黄型鉱油(α)との組み合わせにより、要件(1)~(4)、更には上記要件(5)~(16)を満たす鉱油系基油(X)を調製しやすい。
高硫黄型鉱油(β)は、例えば、ナフテン基系原油を常減圧蒸留して得られる留出油に対し、溶剤抽出処理することで得られる。また、高硫黄型鉱油(β)は、溶剤抽出処理の他に、脱蝋処理、脱れき処理、水素化仕上げ、アルカリ処理、白土処理等の従来公知の精製プロセスを適宜組み合わせて製造してもよい。
高硫黄型鉱油(β)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
高硫黄型鉱油(β)は、溶剤抽出処理により、上記留出油に由来する過剰の芳香族分及び硫黄化合物(さらには窒素化合物)等を除去しつつも、酸化防止剤として機能し得る硫黄化合物は適度に残留させることができる。そのため、適切な量の硫黄分が残留し、要件(7)を満たすように電気絶縁油組成物の硫黄分を所定の範囲に調整しやすくできる。
また、溶剤抽出処理を行う際の、フルフラール(S)とラフィネート(R、原料基油)との投入比率[(S)/(R)]は、過剰な硫黄分等を除去しやすくする観点から、体積比で、好ましくは1.00以上、より好ましくは1.50以上、更に好ましくは1.75以上である。また、硫黄分及び芳香族分を過剰に除去しすぎないようにする観点から、好ましくは2.50未満、より好ましくは2.30以下、更に好ましくは2.25以下である。
これらの数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。具体的には、好ましくは1.00以上2.50未満、より好ましくは1.50以上2.30以下、更に好ましくは1.70以上2.25以下である。
ここで、高硫黄型鉱油(β)は、以下の物性値を有することが好ましい。
・流動点
好ましくは-50℃未満、より好ましくは-55℃未満、更に好ましくは-60℃未満である。
・アニリン点
好ましくは65.0℃~71.0℃、より好ましくは65.5℃~70.5℃、更に好ましくは66.0℃~70.0℃である。
・%C
好ましくは4.0~7.5、より好ましくは4.5~7.0、更に好ましくは4.7~6.8である。
・%C
好ましくは52.0~62.0、より好ましくは54.0~61.0、更に好ましくは55.0~60.0である。
・%C
好ましくは30.0~45.0、より好ましくは31.0~42.0、更に好ましくは32.0~40.0である。
・40℃動粘度
好ましくは8.40mm/s~9.00mm/s、より好ましくは8.45mm/s~8.95mm/s、更に好ましくは8.50mm/s~8.90mm/sである。
・100℃動粘度
好ましくは2.00mm/s~2.40mm/s、より好ましくは2.05mm/s~2.35mm/s、更に好ましくは2.10mm/s~2.30mm/sである。
・粘度指数
好ましくは31~37、より好ましくは32~36、更に好ましくは33~35である。
・密度(15℃)
好ましくは0.8960g/cm~0.9020g/cm、より好ましくは0.8970g/cm~0.9010g/cmである。
・引火点
好ましくは140℃~160℃、より好ましくは143℃~155℃、更に好ましくは145℃~150℃である。
・フルフラール含有量
好ましくは0.30質量ppm以下、より好ましくは0.20質量ppm以下、更に好ましくは0.10質量ppm以下、より更に好ましくは0.05質量ppm以下、更になお好ましくは0.03質量ppm以下である。
(低硫黄型鉱油(α)と高硫黄型鉱油(β)の配合比率の調整)
本実施形態において、鉱油系基油(X)が、低硫黄型鉱油(α)及び高硫黄型鉱油(β)を含有する場合、低硫黄型鉱油(α)及び高硫黄型鉱油(β)の配合比率(含有比率)[(α)/(β)]は、上記要件を満たす鉱油系基油(X)を調製しやすくする観点から、好ましくは20/80以上60/40未満、より好ましくは25/75~55/45、更に好ましくは30/70~50/50である。
(他の処理)
なお、低硫黄型鉱油(α)、超低硫黄鉱油(αVL)、低硫黄鉱油(αL)、及び高硫黄鉱油(β)には、上記以外の他の処理、例えば、活性炭、アルミナ、シリカゲル、モレキュラーシーブ、白土等による処理が施されていてもよい。
なお、これらの処理は、低硫黄型鉱油(α)、超低硫黄鉱油(αVL)、低硫黄鉱油(αL)、及び高硫黄鉱油(β)のそれぞれに対して施されてもよいし、これらを混合した後に施されてもよい。
<添加剤>
本実施形態の電気絶縁油組成物は、電気絶縁油の規格に応じて、酸化防止剤を含有していてもよい。具体的には、フェノール系酸化防止剤(例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール等)、アミン系酸化防止剤、モリブデンアミン系酸化防止剤、及び硫黄系酸化防止剤からなる群から選択される1種以上の酸化防止剤を含んでいてもよい。
また、電気絶縁油の規格に応じて、他の添加剤として、金属不活性化剤、流動点降下剤、並びに、防錆剤及び流動帯電防止剤(例えば、防錆剤と流動帯電防止剤とを兼ねるベンゾトリアゾール系化合物)等から選択される1種以上を更に含んでいてもよい。
[電気絶縁油組成物の調製]
本実施形態の電気絶縁油組成物は、鉱油系基油(X)のみからなる場合には、鉱油系基油(X)を調製することによって、電気絶縁油組成物(電気絶縁油)が得られる。
また、本実施形態の電気絶縁油組成物が、上記添加剤を含む場合には、鉱油系基油(X)と当該添加剤とを混合することによって、電気絶縁油組成物が得られる。
添加剤の含有量は、上述した電気絶縁油組成物の区分(微量添加油、添加油)に応じて設定される。
[電気絶縁油組成物の性状]
<酸化安定性試験後の酸価>
本実施形態の電気絶縁油組成物が、IEC60296により規定される無添加油である場合、IEC61125:2018に基づく酸化安定性試験(164時間)を実施した後の酸価が、好ましくは1.2mgKOH/g以下、より好ましくは1.0mgKOH/g以下、更に好ましくは0.80mgKOH/g以下、より更に好ましくは0.70mgKOH/g以下、更になお好ましくは0.60mgKOH/g以下である。
また、本実施形態の電気絶縁油組成物が、IEC60296により規定される微量添加油である場合、IEC61125:2018に基づく酸化安定性試験(332時間)を実施した後の酸価が、好ましくは1.2mgKOH/g以下、より好ましくは1.0mgKOH/g以下、更に好ましくは0.80mgKOH/g以下、より更に好ましくは0.70mgKOH/g以下、更になお好ましくは0.60mgKOH/g以下である。
さらに、本実施形態の電気絶縁油組成物が、IEC60296により規定される添加油である場合、IEC61125:2018に基づく酸化安定性試験(500時間)を実施した後の酸価が、好ましくは1.2mgKOH/g以下、より好ましくは1.0mgKOH/g以下、更に好ましくは0.80mgKOH/g以下、より更に好ましくは0.70mgKOH/g以下、更になお好ましくは0.60mgKOH/g以下である。
<酸化安定性試験後のスラッジ量>
本実施形態の電気絶縁油組成物が、IEC60296により規定される無添加油である場合、IEC61125:2018に基づく酸化安定性試験(164時間)を実施した後のスラッジ量が、好ましくは0.80%以下、より好ましくは0.70%以下、更に好ましくは0.60%以下、より更に好ましくは0.50%以下、更になお好ましく0.45%以下、一層好ましくは0.40%以下である。
また、本実施形態の電気絶縁油組成物が、IEC60296により規定される微量添加油である場合、IEC61125:2018に基づく酸化安定性試験(332時間)を実施した後のスラッジ量が、好ましくは0.80%以下、より好ましくは0.70%以下、更に好ましくは0.60%以下、より更に好ましくは0.50%以下、更になお好ましく0.45%以下、一層好ましくは0.40%以下である。
さらに、本実施形態の電気絶縁油組成物が、IEC60296により規定される添加油である場合、IEC61125:2018に基づく酸化安定性試験(500時間)を実施した後のスラッジ量が、好ましくは0.80%以下、より好ましくは0.70%以下、更に好ましくは0.60%以下、より更に好ましくは0.50%以下、更になお好ましく0.45%以下、一層好ましくは0.40%以下である。
<酸化安定性試験後の誘電正接>
本実施形態の電気絶縁油組成物が、IEC60296により規定される無添加油である場合、IEC61125:2018に基づく酸化安定性試験(164時間)を実施した後の誘電正接(90℃)が、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、更に好ましくは30%以下、より更に好ましくは20%以下である。
また、本実施形態の電気絶縁油組成物が、IEC60296により規定される微量添加油である場合、IEC61125:2018に基づく酸化安定性試験(332時間)を実施した後の誘電正接(90℃)が、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、更に好ましくは30%以下、より更に好ましくは20%以下である。
さらに、本実施形態の電気絶縁油組成物が、IEC60296により規定される添加油である場合、IEC61125:2018に基づく酸化安定性試験(500時間)を実施した後の誘電正接(90℃)が、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、更に好ましくは30%以下、より更に好ましくは20%以下である。
[電気絶縁油組成物の用途]
本実施形態の電気絶縁油組成物は、油入コンデンサ、油入ケーブル、油入変圧器、及び油入遮断器等の油入電気機器の絶縁材料として使用することができる。
したがって、本発明によれば、本実施形態の電気絶縁油組成物を、油入コンデンサ、油入ケーブル、油入変圧器、及び油入遮断器等の油入電気機器の絶縁材料として使用する方法が提供される。
また、本発明によれば、本実施形態の電気絶縁油組成物を含む、油入コンデンサ、油入ケーブル、油入変圧器、及び油入遮断器等の油入電気機器の絶縁材料が提供される。
[提供される本発明の一態様]
本発明の一態様によれば、下記[1]~[10]が提供される。
[1] 下記要件(1)~(4)を満たす鉱油系基油(X)を含有する、電気絶縁油組成物。
・要件(1):流動点が-40.0℃以下である。
・要件(2):アニリン点が68.5℃以上77.0℃以下である。
・要件(3):環分析(n-d-M法)による%Cが、3.5以上6.8以下である。
・要件(4):セイボルト色が+20以上である。
[2] 前記鉱油系基油(X)が、さらに下記要件(5)を満たす、上記[1]に記載の電気絶縁油組成物。
・要件(5):環分析(n-d-M法)による%Cが、48.0超である。
[3] 前記鉱油系基油(X)が、さらに下記要件(6)を満たす、上記[1]又は[2]に記載の電気絶縁油組成物。
・要件(6):密度(15℃)が、0.880g/cm以上である。
[4] 前記鉱油系基油(X)が、さらに下記要件(7)を満たす、上記[1]~[3]のいずれかに記載の電気絶縁油組成物。
・要件(7):硫黄分が、前記鉱油系基油(X)の全量基準で、150質量ppm以上300質量ppm以下である。
[5] 前記鉱油系基油(X)が、さらに下記要件(8)を満たす、上記[1]~[4]のいずれかに記載の電気絶縁油組成物。
・要件(8):フルフラール量が0.10質量ppm以下である。
[6] 前記鉱油系基油(X)は、下記要件(α1)~(α3)を満たす低硫黄型鉱油(α)と、下記要件(β1)~(β3)を満たす高硫黄型鉱油(β)とを含む、上記[1]~[5]のいずれかに記載の電気絶縁油組成物。
・要件(α1):環分析(n-d-M法)による%Cが、3.5以上である。
・要件(α2):環分析(n-d-M法)による%Cが、45.0以上である。
・要件(α3):硫黄分が、前記低硫黄型鉱油(α)の全量基準で、30質量ppm以下である。
・要件(β1):環分析(n-d-M法)による%Cが、3.5以上である。
・要件(β2):環分析(n-d-M法)による%Cが、50.0以上である。
・要件(β3):硫黄分が、前記高硫黄型鉱油(β)の全量基準で、200質量ppm以上400質量ppm以下である。
[7] 前記低硫黄型鉱油(α)及び前記高硫黄型鉱油(β)の含有比率[(α)/(β)]が、質量比で、20/80以上60/40未満である、上記[6]に記載の電気絶縁油組成物。
[8] さらに、酸化防止剤を含有する、上記[1]~[7]のいずれかに記載の電気絶縁油組成物。
[9] IEC61125:2018に基づく酸化安定性試験(164時間)を実施した後の酸価が、0.80mgKOH/g以下である、上記[1]~[7]のいずれかに記載の電気絶縁油組成物。
[10] IEC61125:2018に基づく酸化安定性試験(500時間)を実施した後の酸価が、0.80mgKOH/g以下である、上記[8]に記載の電気絶縁油組成物。
[11] 上記[1]~[10]のいずれかにのいずれか1項に記載の電気絶縁油組成物を含む、油入電気機器の絶縁材料。
本発明について、以下の実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[各種物性値の測定方法]
各実施例及び各比較例で用いた基油及び電気絶縁油組成物の各種物性値の測定は、以下に示す要領に従って行ったものである。
(1)動粘度及び粘度指数
40℃動粘度、100℃動粘度、及び粘度指数は、JIS K2283:2000に準拠して測定及び算出した。
(2)密度(15℃)
JIS K 2249-1:2011(原油及び石油製品-密度の求め方- 第1部:振動法)に準拠して測定した。
(3)硫黄分
JIS K 2541-2:2013の「原油及び石油製品-硫黄分試験方法-微量電量滴定式酸化法」に準拠して測定した。
(4)酸価
JIS K 2501-7:2003に準拠して測定した。
(5)芳香族分(%C)、ナフテン分(%C)、及びパラフィン分(%C)、分子量
ASTM D3238:1995に準拠し、環分析(n-d-M法)により算出した。
(6)セイボルト色
JIS K2580:2003に準拠して測定した。
(7)アニリン点
JIS K 2256:2013に準拠して測定した。
(8)引火点
JIS K2265-3:2007に準拠し、ペンスキーマルテンス密閉法(PM)法により測定した。
(9)流動点
JIS K 2269:1987(原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法)に準拠して測定した。
(10)誘電正接
IEC60247に準拠して測定した。
(11)塩基性窒素分
UOP試験法269-70に準拠して測定した。
(12)フルフラール含有量
石油学会規格JPI-5S-58-99 電気絶縁油-フルフラール定量試験法に基づき測定した。
(13)腐食性
ASTM D1275Bに準拠して、硫黄腐食試験を実施し、銅に対する腐食性を評価した。銅板腐食試験評点は、JIS K2513:2000に準拠して測定した。
本実施例では、銅板腐食試験評点が3以下のものを合格とした。
[鉱油系基油(X)の準備]
まず、表1に示す鉱油を準備した。
表1に示す鉱油の製造方法を以下に示す。
<製造例1:低硫黄型鉱油(α)-1の製造>
中間基原油の常圧蒸留残油を減圧蒸留して得られる減圧留出油に対し、水素化改質処理を行い、次いで水素化異性化脱蝋を行うことにより、超低硫黄鉱油(αVL)を得た。
また、中間基原油の常圧蒸留残油を減圧蒸留して得られる減圧留出油に対し、水素化改質処理を行い、次いで溶剤脱蝋を行うことにより低硫黄鉱油(αL)を得た。
そして、超低硫黄鉱油(αVL)と低硫黄鉱油(αL)とを、質量比で、50:50の割合で混合し、低硫黄型鉱油(α)-1を得た。
<製造例2:高硫黄型鉱油(β)-1の製造>
ナフテン基原油を常減圧蒸留して得られる留出油に対し、溶剤抽出処理し、更にアルカリ処理することで、高硫黄型鉱油(β)-1を得た。
溶剤抽出工程において、留出油(R)に対するフルフラール(S)の投入比率[(S)/(R)]は、体積比で、2.0とした。
<製造例3:高硫黄型鉱油(β)-2の製造>
高硫黄型鉱油(β)-1に対し、前工程で混入したフルフラールを除去するための吸着処理を行って、高硫黄型鉱油(β)-2を得た。
<製造例4:高硫黄型鉱油(β)-3の製造>
高硫黄型鉱油(β)-1に対し、前工程で混入したフルフラールを除去するための吸着処理を行って、高硫黄型鉱油(β)-3を得た。
<比較製造例1:高硫黄型鉱油(β’)-1の製造>
[(S)/(R)]を0.8に調整し、製造例2と同様の方法で、高硫黄型鉱油(β’)-1を得た。
[実施例1~7及び比較例1~7]
<鉱油系基油(X)の調製及び測定>
表2及び表3に示す配合で、各種鉱油を混合した後、表2及び表3に示す白土量にて白土処理を行って、鉱油系基油(X)を調製した。そして、当該鉱油系基油(X)について、上記(1)~(12)の測定を実施した。
<電気絶縁油組成物の調製>
実施例1~4及び比較例1~6では、電気絶縁油組成物がIEC60296の無添加油である場合について検討した。
実施例5~7及び比較例7では、酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤である2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾールを、電気絶縁油組成物の全量基準で0.35質量%配合し、電気絶縁油組成物がIEC60296の添加油である場合について検討した。
<評価方法>
実施例1~4及び比較例1~6の電気絶縁油組成物(無添加油)は、IEC61125:2018に基づく酸化安定性試験(164時間)を実施し、酸価、スラッジ量、及び誘電正接(90℃)を測定した。
実施例5~7及び比較例7の電気絶縁油組成物(添加油)は、IEC61125:2018に基づく酸化安定性試験(500時間)を実施し、酸価、スラッジ量、及び誘電正接(90℃)を測定した。
酸化安定性試験後の酸価は、IEC62021-1に準拠して測定した。
酸化安定性試験後の酸価が小さいほど、酸化安定性に優れる電気絶縁油組成物であるといえる。
本実施例では、酸化安定性試験後の酸価が1.2mgKOH/g以下である電気絶縁油組成物を合格とした。
酸化安定性試験後のスラッジ量は、JIS C2101:2010に準拠して測定した。
酸化安定性試験後のスラッジ量が少ないほど、酸化安定性に優れる電気絶縁油組成物であるといえる。
本実施例では、酸化安定性試験後のスラッジ量が0.60%以下である電気絶縁油組成物を合格とした。
酸化安定性試験後の誘電正接(90℃)は、IEC60247に準拠して測定した。
酸化安定性試験後の誘電正接(90℃)が小さいほど、電気特性に優れる電気絶縁油組成物であるといえる。
本実施例では、酸化安定性試験後の誘電正接(90℃)が40%以下である電気絶縁油組成物を合格とした。
結果を表2及び表3に示す。
表2及び表3に示す結果から、以下のことがわかる。
実施例1~7の電気絶縁油組成物は、流動点が-40℃以下であり、初期透明性に優れ、非腐食性であり、しかもICE規格で規定される酸化安定性に関する品質を満足することがわかる。
これに対し、比較例1~7の電気絶縁油組成物は、流動点、初期透明性、非腐食性、及びICE規格で規定される酸化安定性の少なくともいずれかを満たさないことがわかる。
なお、比較例6と実施例4とを比較すると、白土処理を行うことで、電気絶縁油組成物のフルフラール含有量を低減できていることがわかる。また、実施例1~3及び実施例5~7のいずれの電気絶縁油組成物についても、白土処理を行うことで、電気絶縁油組成物のフルフラール含有量を低減できていることがわかる。

Claims (11)

  1. 下記要件(1)~(4)を満たす鉱油系基油(X)を含有する、電気絶縁油組成物。
    ・要件(1):流動点が-40.0℃以下である。
    ・要件(2):アニリン点が68.5℃以上77.0℃以下である。
    ・要件(3):環分析(n-d-M法)による%Cが、3.5以上6.8以下である。
    ・要件(4):セイボルト色が+20以上である。
  2. 前記鉱油系基油(X)が、さらに下記要件(5)を満たす、請求項1に記載の電気絶縁油組成物。
    ・要件(5):環分析(n-d-M法)による%Cが、48.0超である。
  3. 前記鉱油系基油(X)が、さらに下記要件(6)を満たす、請求項1又は2に記載の電気絶縁油組成物。
    ・要件(6):密度(15℃)が、0.880g/cm以上である。
  4. 前記鉱油系基油(X)が、さらに下記要件(7)を満たす、請求項1~3のいずれか1項に記載の電気絶縁油組成物。
    ・要件(7):硫黄分が、前記鉱油系基油(X)の全量基準で、150質量ppm以上300質量ppm以下である。
  5. 前記鉱油系基油(X)が、さらに下記要件(8)を満たす、請求項1~4のいずれか1項に記載の電気絶縁油組成物。
    ・要件(8):フルフラール量が0.10質量ppm以下である。
  6. 前記鉱油系基油(X)は、下記要件(α1)~(α3)を満たす低硫黄型鉱油(α)と、下記要件(β1)~(β3)を満たす高硫黄型鉱油(β)とを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の電気絶縁油組成物。
    ・要件(α1):環分析(n-d-M法)による%Cが、3.5以上である。
    ・要件(α2):環分析(n-d-M法)による%Cが、45.0以上である。
    ・要件(α3):硫黄分が、前記低硫黄型鉱油(α)の全量基準で、30質量ppm以下である。
    ・要件(β1):環分析(n-d-M法)による%Cが、3.5以上である。
    ・要件(β2):環分析(n-d-M法)による%Cが、50.0以上である。
    ・要件(β3):硫黄分が、前記高硫黄型鉱油(β)の全量基準で、200質量ppm以上400質量ppm以下である。
  7. 前記低硫黄型鉱油(α)及び前記高硫黄型鉱油(β)の含有比率[(α)/(β)]が、質量比で、20/80以上60/40未満である、請求項6に記載の電気絶縁油組成物。
  8. さらに、酸化防止剤を含有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の電気絶縁油組成物。
  9. IEC61125:2018に基づく酸化安定性試験(164時間)を実施した後の酸価が、1.2mgKOH/g以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の電気絶縁油組成物。
  10. IEC61125:2018に基づく酸化安定性試験(500時間)を実施した後の酸価が、1.2mgKOH/g以下である、請求項8に記載の電気絶縁油組成物。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載の電気絶縁油組成物を含む、油入電気機器の絶縁材料。
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