JP2023151295A - 電子部品の製造方法 - Google Patents

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拓人 風間
Takuto Kazama
龍司 吉田
Ryuji Yoshida
一重 遠田
Kazushige Toda
信太朗 小池
Shintaro Koike
真史 後藤
Masashi Goto
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Abstract

【課題】導電ワイヤの端部において絶縁被膜が容易に除去され得る電子部品の製造方法を提供する。【解決手段】電子部品の製造方法は、導体と絶縁被膜とを含んでいる導電ワイヤを準備する工程と、絶縁被膜を除去する工程と、端子電極を形成する工程と、を有している。絶縁被膜は、導体を覆っている。絶縁被膜を除去する工程において、導電ワイヤの端部に位置する絶縁被膜へのプラズマの照射によって、端部に位置する絶縁被膜が除去される。端子電極を形成する工程において、絶縁被膜が除去された端部を用いて端子電極が形成される。【選択図】図4

Description

本開示は、電子部品の製造方法に関する。
導電ワイヤを備えている電子部品が知られている(たとえば、特許文献1)。特許文献1において、端子電極は、導電ワイヤの端部を用いて形成されている。
特開2000-164431号公報
電子部品において、絶縁性を確保するために、絶縁被膜によって覆われた導電ワイヤが用いられ得る。この場合、導電ワイヤの端部においては、絶縁被膜を除去することが考えられる。機械加工では、導電ワイヤの端部の絶縁被膜が除去され難く、導電ワイヤの端部が損傷するおそれもある。レーザー加工によって導電ワイヤの絶縁被膜が除去される場合に、急激な温度上昇によって、導電ワイヤにダメージが生じるおそれがある。
本開示の一つの態様は、導電ワイヤの端部において絶縁被膜が容易に除去され得る電子部品の製造方法を提供する。
本開示の一つの態様における電子部品の製造方法は、導体と絶縁被膜とを含んでいる導電ワイヤを準備する工程と、絶縁被膜を除去する工程と、端子電極を形成する工程と、を有している。絶縁被膜は、導体を覆っている。絶縁被膜を除去する工程において、導電ワイヤの端部に位置する絶縁被膜へのプラズマの照射によって、端部に位置する絶縁被膜が除去される。端子電極を形成する工程において、絶縁被膜が除去された端部を用いて端子電極が形成される。
この電子部品の製造方法における絶縁被膜を除去する工程において、導電ワイヤの端部に位置する絶縁被膜へのプラズマの照射によって、端部に位置する絶縁被膜が除去される。この場合、導電ワイヤへのダメージが抑制されながら、絶縁被膜が導電ワイヤから選択的に除去され得る。したがって、導電ワイヤの端部において絶縁被膜が容易に除去され得る。
上記一つの態様において、導電ワイヤの端部に位置する絶縁被膜に欠陥部を形成する工程をさらに有していてもよい。絶縁被膜を除去する工程において、欠陥部が形成されている絶縁被膜にプラズマが照射されてもよい。この場合、プラズマ処理によって、欠陥部を起点として、絶縁被膜が容易に除去され得る。導電ワイヤへのダメージは、さらに抑制され得る。
上記一つの態様において、欠陥部を形成する工程において、導電ワイヤの端部の押圧によって、端部に位置する導体が変形されてもよい。この場合、導体の変形によって、絶縁被膜に欠陥部が容易に形成され得る。
上記一つの態様において、欠陥部を形成する工程において、導電ワイヤの端部の押圧によって、薄肉部が端部に形成されてもよい。薄肉部は、導電ワイヤの最大幅よりも小さい厚さを有していてもよい。この場合、導体の変形によって、絶縁被膜に欠陥部がさらに容易に形成され得る。
上記一つの態様において、導電ワイヤのうち薄肉部以外の部分における最大幅がr1であり、薄肉部の幅方向の最大長さがr2である場合に、1.00≦r2/r1≦1000が満たされていてもよい。この場合、導体の変形によって、絶縁被膜に欠陥部がさらに容易に形成され得る。
上記一つの態様において、薄肉部は、互いに対向する一対の主面を有していてもよい。導体の変形によって、絶縁被膜に欠陥部がさらに容易に形成され得る。
上記一つの態様において、導電ワイヤを折り曲げる工程をさらに有していてもよい。導電ワイヤの一部は、樹脂成形部によって覆われていてもよい。一対の主面は、第一主面と第二主面とを含んでいてもよい。折り曲げられた導電ワイヤの第一主面は、樹脂成形部の外表面に接してもよい。この場合、導電ワイヤの端部によって、端子電極が樹脂成形部の外表面上に容易に形成され得る。
上記一つの態様において、絶縁被膜を除去する工程において、一対の主面のうち、第二主面にプラズマが照射されてもよい。この場合、電子部品の実装によって他の電子部品に電気的に接続される端子電極が、容易に形成され得る。
上記一つの態様において、樹脂成形部を形成する工程をさらに有していてもよい。樹脂成形部は、導電ワイヤを折り曲げる工程よりも前に形成されてもよい。導電ワイヤが折り曲げられる前に樹脂成形部が形成される場合、樹脂成形部を形成する工程において導電ワイヤの取り回しが容易である。
上記一つの態様において、欠陥部を形成する工程において、端部の周囲の雰囲気温度は、50℃以上250℃以下であってもよい。この場合、導体がさらに容易に変形され得る。導電ワイヤの端部において、欠陥部が適切に形成され得る。
上記一つの態様において、プラズマは、水蒸気プラズマであってもよい。この場合、導電ワイヤの端部を絶縁被膜から露出させる速度が向上する。端部における導体の表面において、酸化物が還元される。導電ワイヤの表面において酸化膜の形成が抑制され得る。したがって、製造スループットが向上すると共に、導電ワイヤの端部におい所望の電気抵抗値が確保され得る。
上記一つの態様において、導電ワイヤは、樹脂成形部の内部においてコイルを形成していてもよい。この場合、絶縁被膜によってコイルにおけるショートが防止されていると共に、コイルにおいて所望の抵抗値が確保され得る。
上記一つの態様において、上記導電ワイヤの断面積は、7.85×10-11以上1×10-8以下であってもよい。このような構成であっても、プラズマの照射によって、導電ワイヤの端部における絶縁被膜が容易に除去され得る。電子部品の小型化が図られると共に、電子部品の特性も確保され得る。たとえば、導電ワイヤがコイルを形成する場合、コイルにおいて所望のインダクタンスが確保され得る。
本開示の一つの態様は、導電ワイヤの端部において絶縁被膜が容易に除去され得る電子部品の製造方法を提供する。
本実施形態における電子部品の斜視図である。 電子部品の斜視図である。 (a)から(c)は、導電コイルの断面形状を説明するための図である。 本実施形態における電子部品の製造方法の一例を示すフローチャートである。 (a)から(c)は、電子部品の製造方法の一例における製造工程の一部を示す図である。 (a)から(c)は、折り曲げられた導電ワイヤを説明するための図である。 電子部品の製造方法の一例における製造工程の一部を示す図である。 電子部品の製造方法の一例における製造工程の一部を示す図である。 電子部品の製造方法の一例における製造工程の一部を示す図である。 (a)及び(b)は、電子部品の製造方法の一例における製造工程の一部を示す図である。 (a)は電子部品の特性を示す図であり、(b)は電子部品における導電ワイヤの状態を示す図である。 (a)及び(b)は、電子部品における導電ワイヤの状態を示す図である。 電子部品における導電ワイヤの状態を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本開示の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。また、本開示の図面に表された各種要素の形状等は、実際の各種要素の形状等とは必ずしも一致しない。説明のために改変している場合があるためである。本開示において、「直交」、「垂直」、「平行」、「平面」、「同一」、及び、「等しい」は、それぞれ、「実質的に直交な構成」、「実質的に垂直な構成」、「実質的に平行な構成」、「実質的な平面」、「実質的に同一な構成」、及び「実質的に等しい」を意味しており、所定の誤差の範囲でずれた構成も含んでいる。所定の誤差の範囲は、たとえば、製造公差の範囲、又は、製造公差以上の範囲を含んでいる。
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態の一例における電子部品の概要を説明する。図1及び図2は、本実施形態における電子部品の斜視図である。本実施形態で示す一例において、電子部品1は、コイルを形成するコイル部品である。
電子部品1は、外装体2と、一対の端子電極6,7と、導電ワイヤ9と、を備えている。導電ワイヤ9の少なくとも一部は、外装体2の内部に配置されている。
外装体2は、外表面10を有している。外装体2は、その外表面10として、一対の端面10aと、一対の側面10bと、一対の側面10cとを有している。一対の端面10aは、Y軸方向において互いに対向している。一対の側面10bは、Z軸方向において互いに対向している。一対の側面10cは、X軸方向において互いに対向している。一対の端面10a及び一対の側面10bは、X軸方向に沿っている。外装体2の外表面10は、少なくとも1つの平面を含んでいる。たとえば、一対の端面10a、一対の側面10b、及び、一対の側面10cのそれぞれは、平面である。X軸方向、Y軸方向、及び、Z軸方向は、互いに直交している。
本実施形態で示す一例において、外装体2は、Y軸方向の長さに比してZ軸方向の長さが小さく、かつ、Z軸方向の長さに比してX軸方向の長さが小さい直方体形状を呈している。直方体形状には、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状が含まれる。外装体2は、たとえば、樹脂によって形成されている。本実施形態の変形例として、外装体2は、Y軸方向の長さに比してZ軸方向の長さが小さく、かつ、Z軸方向の長さに比してX軸方向の長さが小さい直方体形状を呈していてもよい。
一対の端子電極6,7は、同一平面に配置されている。たとえば、一対の端子電極6,7は、同一の側面10bに配置されている。一対の端子電極6,7は、それぞれ、薄肉部20を含んでいる。薄肉部20は、導電ワイヤ9の最大幅よりも小さい厚さを有している。
薄肉部20は、たとえば、板形状を呈している。薄肉部20は、たとえば、平面視で矩形状を呈している。
端子電極6は、主面6a,6bを有している。主面6a,6bは、Z軸方向において互いに対向する一対の平面である。端子電極6の薄肉部20は、たとえば、互いに対向する一対の主面6a,6bを有している。端子電極7は、主面7a,7bを有している。主面7a,7bは、Z軸方向において互いに対向する一対の平面である。端子電極7の薄肉部20は、互いに対向する一対の主面7a,7bを有している。一対の主面6a,6b及び一対の主面7a,7bは、たとえば、平面である。薄肉部20は、表面に凹凸を有していてもよく、反っていてもよい。薄肉部20の厚さは、不均一であってもよい。薄肉部20は、たとえば、平面視で長円形を呈していてもよい。
主面6a,6b及び主面7a,7bは、たとえば、Z軸方向に直交している。主面6a及び主面7aは、同一の側面10bに接している。一対の端子電極6,7は、たとえば、Y軸方向において外装体2の側面10bの両端に配置されている。一対の端子電極6,7は、互いに離間しており、Y軸方向に配列されている。各端子電極6,7は、たとえば、平面視で矩形状を呈している。各端子電極6,7は、X軸方向に延在している。各端子電極6,7の長手方向はX軸方向に沿っており、各端子電極6,7の短手方向はY軸方向に沿っている。各端子電極6,7の短手方向は、各端子電極6,7の幅方向、すなわち、薄肉部20の幅方向に相当する。
導電ワイヤ9は、本体部11と一対の接続部12,13とを含んでいる。本体部11は、外装体2の内部に位置している。一対の接続部12,13は、それぞれ、本体部11に連結されている。本実施形態に示す一例において、一対の接続部12,13は、外装体2の内部に位置している。本実施形態の変形例として、一対の接続部12,13の少なくとも一部は、外装体2の外部に位置していてもよい。本開示において、「接続」は、物理的に接続されている状態の意味、及び、物理的に離間しているが電気的に接続されている状態の意味を含んでいる。「物理的に接続されている」は、互いに分離した別体の部材が接している状態の意味、及び、一体になっている状態の意味を含んでいる。「電気的に接続されている」は、電気的に導通していることを意味する。「連結」は、同一材料又は異なる材料によって一体になっていることを意味する。換言すれば、「連結」は、連続的に形成されていることを意味する。
本実施形態で示す一例において、本体部11は、コイル15を含んでいる。換言すれば、導電ワイヤ9は、外装体2の内部においてコイル15を形成している。コイル15は、たとえば、X軸方向に沿っているコイル軸を形成している。換言すれば、コイル15のコイル軸は、X軸方向に延在している。
一対の接続部12,13は、互いに離間している。各接続部12,13の少なくとも一部は、それぞれ、外装体2から露出している。一対の接続部12,13は、それぞれ、互いに異なる端子電極6,7に連結されている。一対の接続部12,13は、たとえば、それぞれ、互いに異なるコイル15の先端に連結されている。各接続部12,13は、導電ワイヤ9の一対の先端を形成している。たとえば、接続部12は、端子電極6の主面6aに連結されている。接続部13は、端子電極7の主面7aに連結されている。
各接続部12,13は、延在部21と湾曲部22とを含んでいる。延在部21は、側面10bと交差する方向に延在している。たとえば、延在部21は、それぞれ、側面10bと直交する方向に延在している。
湾曲部22は、湾曲している。各接続部12,13において、湾曲部22は延在部21に連結されている。接続部12において、湾曲部22の少なくとも一部は、側面10bから露出しており、端子電極6に接続されている。接続部13において、湾曲部22の少なくとも一部は、側面10bから露出しており、端子電極7に接続されている。湾曲部22は、たとえば、側面10bに交差する方向から側面10bに沿った方向へ湾曲している。本開示において、「湾曲」は、「実質的な湾曲」を意味し、全体に亘って曲面で形成された構造だけでなく、複数の平面が連結されて全体として湾曲している構造等を意味する。
たとえば、端子電極6は、接続部12を通してコイル15に電気的に接続されている。端子電極7は、接続部13を通してコイル15に電気的に接続されている。たとえば、端子電極6と端子電極7とは、一対の接続部12,13及び本体部11を通して互いに電気的に接続されている。
次に、図1から図3を参照して、電子部品1の詳細な構成について説明する。外装体2は、コア部31と樹脂成形部32とを含んでいる。コア部31と樹脂成形部32とは、たとえば、同一材料で一体に成形されている。本実施形態の変形例として、コア部31と樹脂成形部32とは、同一材料又は異なる材料によって別体で成形されていてもよい。コア部31と樹脂成形部32とが別体で成形される場合においても、コア部31と樹脂成形部32とは、コア部31と樹脂成形部32との境界が視認できないように形成されていてもよい。
コア部31は、コイル15の内部に位置している。コア部31は、コイル15のコイル軸に沿って延在している。コア部31は、コイル15に接している。たとえば、コイル15は、X軸方向に延在する柱形状を呈している。たとえば、コア部31には、導電ワイヤ9の本体部11が巻かれている。コイル15は、コア部31に対してコア部31の周方向に巻き付けられている。コイル15は、コア部31を軸として、コア部31にらせん状に巻き付けられている。
樹脂成形部32は、外装体2の外表面10の全体を形成している。樹脂成形部32は、一対の端面10aと、一対の側面10bと、一対の側面10cとを形成している。樹脂成形部32は、導電ワイヤ9の本体部11を覆っている。本開示において、「覆う」とは、覆う対象物を目視できないように囲うことを意味する。「覆う」は、対象物と直接的に接している場合だけでなく、対象物と離間している場合も含んでいる。たとえば、樹脂成形部32は、他の部材の上から対象物を覆っていてもよく、対象物と樹脂成形部32とが接していない部分を有していてもよい。たとえば、コア部31は、コア部31に巻かれた導電ワイヤ9の上から樹脂成形部32に覆われ、コア部31と樹脂成形部32とが直接的に接していない部分を有していてもよい。本実施形態に示す一例において、樹脂成形部32は、導電ワイヤ9に接するように形成されている。
コア部31及び樹脂成形部32は、たとえば樹脂のみから形成されていてもよい。コア部31及び樹脂成形部32の材料は、たとえば、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂の少なくとも一方を含んでいる。コア部31及び樹脂成形部32の材料は、熱硬化性樹脂として、たとえば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、及び、不飽和ポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいる。ポリイミド樹脂は、たとえば、ビスマレイミド樹脂である。コア部31及び樹脂成形部32の材料は、熱可塑性樹脂として、たとえば、結晶性ポリスチレン、フッ素樹脂、液晶ポリマー及びポリフェニレンサルファイド(PPS)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいる。フッ素樹脂は、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂である。
導電ワイヤ9は、導体23と、絶縁被膜24とを含んでいる。導体23は、導電ワイヤ9の芯線に相当する。絶縁被膜24は、導体23の側面を覆っている。導電ワイヤ9において、各接続部12,13における導体23の少なくとも一部は、絶縁被膜24から露出している。各接続部12,13の導体23が、それぞれ端子電極6,7に連結されている。
本実施形態に示す一例として、端子電極6,7は、導電ワイヤ9の導体23と一体に形成された導体26を含んでいる。たとえば、薄肉部20は、導体26によって形成されている。端子電極6の導体26は主面6a,6bを形成しており、端子電極7の導体26は主面7a,7bを形成している。
導体23及び導体26の材料は、たとえば、無酸素銅、タフピッチ銅、りん脱酸銅、及び、銅銀合金からなる群より選択された少なくとも1種を含んでいる。絶縁被膜24の材料は、たとえば、ポリウレタン、ポリビニルホルマール、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリアミドイミド、及び、ポリイミドからなる群より選択された少なくとも1種を含んでいる。
本実施形態の変形例として、端子電極6,7は、導体26に接する絶縁被膜を含んでいてもよい。この場合、導体26に接する絶縁被膜は、たとえば、主面6a,7aの少なくとも一部を形成している。この場合も、主面6b,7bは、導体26によって形成されている。たとえば、主面6b,7bは、絶縁被膜を含まず導体のみから構成される。端子電極6,7のうち導体26に接する絶縁被膜の材料は、たとえば、絶縁被膜24の材料と同一である。
導電ワイヤ9の断面積は、たとえば、7.85×10-11以上1×10-8以下である。たとえば、本体部11の断面積は、7.85×10-11以上1×10-8以下である。本明細書において、「断面積」とは、断面の面積である。本明細書において、「断面」とは、対象部分が延在する方向と直交する方向における断面を意味する。
導電ワイヤ9の延在方向と直交する方向において、導電ワイヤ9の導体23の最大幅は、たとえば、10μm以上100μm以下である。導電ワイヤ9のうち薄肉部20以外の部分における最大幅がr1であり、薄肉部20の幅方向の最大長さがr2である場合に、1.00≦r2/r1≦1000が満たされる。導電ワイヤ9のうち薄肉部20以外の部分における最大幅は、たとえば、コイル15における導電ワイヤ9の最大幅に相当する。導電ワイヤ9のうち薄肉部20以外の部分における最大幅は、たとえば、導電ワイヤ9のうち外装体2に覆われている部分の最大幅に相当する。薄肉部20の幅方向は、薄肉部20の延在方向と直交する方向に相当する。
たとえば、導電ワイヤ9の断面は、図3(a)に示されているように、円形形状を呈している。導電ワイヤ9の導体23の径は、たとえば、10μm以上100μm以下である。本実施形態の変形例として、導電ワイヤ9の断面は、図3(b)、及び、図3(c)に示されているように、多角形形状を呈していてもよい。たとえば、導電ワイヤ9の断面は、図3(b)に示されているように、八角形形状を呈していてもよい。たとえば、導電ワイヤ9の断面は、図3(c)に示されているように、三角形形状を呈していてもよい。導電ワイヤ9の形状は、上述した形状に限定されない。たとえば、導電ワイヤ9の径は、コイル15のサイズ及び要求特性によって決定される。
Z軸方向から見て、接続部12,13とは、一対の側面10cに交差する方向に沿って配列されている。たとえば、Z軸方向から見て、接続部12は一対の側面10cのうち一方に寄っており、接続部13は一対の側面10cのうち他方に寄っている。Z軸方向から見て、接続部12は一対の端面10aのうち一方に寄っており、接続部13は一対の端面10aのうち他方に寄っている。
次に、図4から図10(b)を参照して、上述した実施形態における電子部品の製造方法の一例について説明する。図4は、電子部品1の製造方法の一例を示すフローチャートである。図5(a)から図10(b)は、電子部品1の製造方法の一例における製造工程の一部を示す図である。
まず、導電ワイヤ41が準備される(工程S1)。導電ワイヤ41の一部は、導電ワイヤ9に相当する。導電ワイヤ41は、導体23と、絶縁被膜24とを含んでいる。絶縁被膜24は、導体23の側面を覆っている。導電ワイヤ41の断面積は、たとえば、7.85×10-11以上1×10-8以下である。導電ワイヤ41の延在方向と直交する方向において、導電ワイヤ41の最大幅は、たとえば、10μm以上100μm以下である。導電ワイヤ41の導体23の断面積は、たとえば、7.85×10-11以上1×10-8以下である。導電ワイヤ41の延在方向と直交する方向において、導電ワイヤ41の導体23の最大幅は、たとえば、10μm以上100μm以下である。導電ワイヤ41の形状は、上述した形状に限定されない。たとえば、導電ワイヤ41の径は、形成されるコイルのサイズ及び要求特性によって決定される。
次に、コイル50が形成される(工程S2)。図5(a)は、導電ワイヤ41によってコイル50が形成された状態を示している。導電ワイヤ41の一部は、コイル50を形成する。コイル50の一部は、コイル15に相当する。導電ワイヤ41が巻軸43に巻かれ、コイル50が形成される。工程S2において、導電ワイヤ41が巻軸43に巻かれた後、導電ワイヤ41の両端に位置する不要部分45が除去される。工程S2によって形成される導電ワイヤ41は、コイル50と、コイル50の両端にそれぞれ連結されている一対の端部51とを含んでいる。一対の端部51は、不要部分45が除去された導電ワイヤ41の両端にそれぞれ位置しており、不要部分45が除去された導電ワイヤ41の先端を形成している。
工程S2において、たとえば、導電ワイヤ41は、フライヤー巻き工法によって巻軸43に巻かれる。たとえば、導電ワイヤ41は、ヒーターによって加熱されながら巻軸43に巻かれる。巻軸43は、たとえば、超硬合金によって形成されている。導電ワイヤ41の導体23を覆う絶縁被膜24の一部が、ヒーターの熱によって溶け、巻軸43に巻かれた形状で融着される。絶縁被膜24の融着によって、巻軸43に巻かれた導電ワイヤ41の巻崩れが抑制される。導電ワイヤ41が巻軸43に巻かれた後、不要部分45が除去され、コイル50から巻軸43が取り外される。この結果、コイル50を含む空芯コイルが、導電ワイヤ41によって形成される。本実施形態の変形例として、不要部分45は、コイル50から巻軸43が取り外された後に除去されてもよい。
次に、欠陥部53が形成される(工程S3)。工程S3において、欠陥部53が、導電ワイヤ41の各端部51に形成される。欠陥部53は、たとえば、絶縁被膜24に形成された、亀裂、裂け目、孔、及び、キズなどに相当する。欠陥部53は、導電ワイヤ41の端部51に位置する絶縁被膜24に形成される。
たとえば、各端部51が、図5(b)に示されているように、プレス機PLによって挟まれ、押圧される。各端部51は、たとえば、1MPa以上10MPa以下の圧力で押圧される。たとえば、各端部51が押圧される際に、端部51が加熱される。たとえば、各端部51の周囲の雰囲気温度が50℃以上250℃以下になるように、各端部51が加熱される。250℃以下であれば、導電ワイヤが損傷し難い。より好ましくは、各端部51の周囲の雰囲気温度が50℃以上200℃以下になるように各端部51が加熱される。200℃以下であれば、導電ワイヤに融着層が設けられている場合に、融着層がより適切に形成され得る。
端部51が押圧されると、端部51の導体23の展性によって導体23が変形する。図5(c)に示されているように、導体23の変形によって、複数の欠陥部53が導体23を覆っている絶縁被膜24に形成される。
端部51の押圧によって、薄肉部55が端部51に形成される。薄肉部55は、導体23の一部が変形した導体26と絶縁被膜24とを含んでいる。押圧によって変形された端部51の一部が、薄肉部55を形成している。薄肉部55は、導電ワイヤ41の最大幅よりも小さい厚さを有している。薄肉部55は、たとえば、板形状を呈している。薄肉部55は、たとえば、平面視で矩形状を呈している。薄肉部55は、たとえば、互いに対向する一対の主面58,59を含んでいる。一対の主面58,59は、たとえば、平面である。薄肉部55は、表面に凹凸を有していてもよく、反っていてもよい。薄肉部55の厚さは、不均一であってもよい。薄肉部55は、たとえば、平面視で長円形を呈していてもよい。主面58が第一主面である場合、主面59が第二主面に相当する。
たとえば、薄肉部55は、複数の欠陥部53を含んでいる。薄肉部55は、一対の縁55a,55bを含んでいる。一対の縁55a,55bは、薄肉部55の長手方向において互いに対向している。接続部56は、一対の縁55a,55bのうち縁55bに連結されている。工程S3において欠陥部53が形成された端部51は、薄肉部55と薄肉部55に連結された接続部56とを含んでいる。接続部56は、接続部12,13に相当する。
たとえば、導電ワイヤ41のうち薄肉部55以外の部分における最大幅がr1であり、薄肉部55の幅方向の最大長さがr2である場合に、1.00≦r2/r1≦1000が満たされる。導電ワイヤ41のうち薄肉部55以外の部分における最大幅は、たとえば、コイル50における導電ワイヤ41の最大幅に相当する。導電ワイヤ41のうち薄肉部55以外の部分における最大幅は、たとえば、導電ワイヤ41のうち、後述する工程S5において樹脂成形部62に覆われている部分の最大幅に相当する。薄肉部55の幅方向は、薄肉部55の延在方向と直交する方向に相当する。
次に、端部51が折り曲げられる(工程S4)。たとえば、図6(a)から図6(c)に示されているように、接続部56において、端部51が折り曲げられる。たとえば、端部51は、90°折り曲げられる。端部51の折り曲げによって、接続部56において延在部21に連結された湾曲部22が形成される。図6(a)は、薄肉部55及び接続部56の部分拡大図である。図6(b)は、コイル50のコイル軸の延在方向から見た、導電ワイヤ41を示している。図6(c)は、コイル50のコイル軸に直交し、かつ、薄肉部55の主面58,59に直交する方向から見た、導電ワイヤ41を示している。
次に、成形物61が形成される(工程S5)。たとえば、図7に示されているように、各々がコイル50を含んでいる複数の導電ワイヤ41が金型70に配列される。続いて、図8に示されているように、金型70へ樹脂が充填される。樹脂が充填された金型70は、オーブンへ投入される。金型70に充填された樹脂は、オーブンによって加熱した状態において乾燥され、その後さらなる加熱によって硬化される。この結果、複数のコイル50が樹脂によって封止された成形物61が形成される。
成形物61は、樹脂によって成形された樹脂成形部62と複数の導電ワイヤ41とを含んでいる。成形物61において、各導電ワイヤ41の薄肉部55が樹脂成形部62から露出している。導電ワイヤ41の一部は、樹脂成形部62によって覆われている。少なくともコイル50は、樹脂成形部62によって覆われている。樹脂成形部62は、外装体2に相当する。導電ワイヤ41の一部は、外装体2によって覆われている。
折り曲げられた導電ワイヤ41の主面58は、樹脂成形部62の外表面に接している。折り曲げられた導電ワイヤ41の主面59は、樹脂成形部62から露出している。成形物61は、成形面61aを含んでいる。成形面61aは、薄肉部55の主面59と樹脂成形部62とによって形成される。成形面61aにおいて、複数の薄肉部55の主面59が配列されている。
次に、プラズマ処理が実行される(工程S6)。工程S6においてプラズマが、導電ワイヤ41の端部51に位置する絶縁被膜24へ照射される。導電ワイヤ41の端部51に位置する絶縁被膜24へのプラズマの照射によって、端部51に位置する絶縁被膜24が除去される。プラズマは、欠陥部53が形成されている絶縁被膜24に照射される。
たとえば、図9に示されているように、成形面61aに配列された薄肉部55にプラズマが照射される。プラズマは、薄肉部55の主面59に照射される。たとえば、図10(a)に示されているように、複数の薄肉部55の主面59が、成形面61aにおいて配列されている。プラズマの照射によって、図10(b)に示されているように、各薄肉部55の主面59における絶縁被膜24が除去される。
絶縁被膜24が除去された端部51を用いて、端子電極6,7が形成される。たとえば、端子電極6,7は、各薄肉部55の主面59から絶縁被膜24が除去された薄肉部55によって形成される。工程S4、工程S5、工程S6の順によって絶縁被膜24が除去された薄肉部55の主面58には、絶縁被膜24が残存する。端子電極6,7のうち少なくとも主面6b,7bは、導体26によって形成される。たとえば、端子電極6,7の主面6a,7aは、絶縁被膜24によって形成されている。
プラズマの照射には、たとえば、図9に示されているようにマスク75が用いられる。マスク75は、成形物61におけるプラズマの被照射領域を画定する。マスク75は、複数の開口76を有している。複数の開口76は、薄肉部55の主面59の位置に対応する位置に配置されている。
たとえば、工程S5によって形成された成形物61が、一対の電極の間に配置される。たとえば、成形物61は、一対の電極の一方の側に配置される。一方の電極の他方と成形物61との間には、マスク75が配置される。
複数の開口76は、マスク75が成形物61に対して固定された状態において、Z軸方向から見て各開口76と薄肉部55の主面59とが重なるように配置されている。換言すれば、マスク75は、各開口76を通ったプラズマが薄肉部55の主面59に照射されるように位置決めされる。工程S6において実行されるプラズマ処理は、たとえば、水蒸気プラズマ処理である。この場合、水蒸気プラズマが、成形物61に向けて照射される。
次に、ダイシングが実行される(工程S7)。工程S7において、複数の端子電極6,7が形成された成形物61が切断され、複数のチップ部品が形成される。各チップ部品が電子部品1に相当する。各チップ部品における一対の端子電極6,7にめっきが施されてもよい。このめっき処理は、電解めっきであってもよし、無電解めっきであってもよい。端子電極6,7のうち少なくとも主面6b,7bには、めっき処理によって形成されためっき層だけでなく、防錆層が設けられてもよく、フラックスが塗布されてもよい。
以上のように、たとえば上記工程S1から工程S7によって、電子部品1が形成される。電子部品1の製造方法は、上記工程S1から工程S7の一部が省略されてもよいし、上記工程S1から工程S7の一部が異なる工程に置き換わってもよいし、工程の順序は上記説明における順序に限定されない。特に、工程S4から工程S6は、いずれの順番で行われてもよい。工程S3は、工程6の前に行われれば、工程S4の後に行われてもよいし、工程S5の後に行われてもよい。工程4よりも前に、工程5が行われてもよい。
工程S6が工程S4又は工程S5の前に行われる場合、薄肉部55の主面58と主面59との双方にプラズマが照射されてもよい。この場合、主面58及び主面59における絶縁被膜24が除去される。
次に、本実施形態及び変形例における電子部品1の製造方法による作用効果について説明する。
電子部品1の製造方法における絶縁被膜24を除去する工程において、導電ワイヤ41の端部51に位置する絶縁被膜24へのプラズマの照射によって、端部51に位置する絶縁被膜24が除去される。この場合、導電ワイヤ41へのダメージが抑制されながら、絶縁被膜24が導電ワイヤ41から選択的に除去され得る。したがって、導電ワイヤ41の端部51において絶縁被膜24が容易に除去され得る。
導電ワイヤ41において、樹脂成形部62及び絶縁被膜24が除去されたとしても、酸化膜が形成されれば特性が低下する。プラズマが端部51に照射されれば、酸化膜が除去されると共に酸化膜の形成も抑制され得る。
上述した製造方法は、たとえば、導電ワイヤ41の端部51に位置する絶縁被膜24に欠陥部53を形成する工程をさらに有している。絶縁被膜24を除去する工程において、欠陥部53が形成されている絶縁被膜24にプラズマが照射される。この場合、プラズマ処理によって、欠陥部53を起点として絶縁被膜24が容易に除去され得る。導電ワイヤ41へのダメージは、さらに抑制され得る。
上述した製造方法における欠陥部53を形成する工程において、導電ワイヤ41の端部51の押圧によって、端部51に位置する導体23が変形される。この場合、導体23の変形によって、絶縁被膜24に欠陥部53が容易に形成され得る。
上述した製造方法における欠陥部53を形成する工程において、導電ワイヤ41の端部51の押圧によって、薄肉部55が端部51に形成される。薄肉部55は、互いに対向する一対の主面58,59を有している。この場合、導体23の変形によって、絶縁被膜24に欠陥部53がさらに容易に形成され得る。
上述した製造方法において、導電ワイヤ41のうち薄肉部55以外の部分における最大幅がr1であり、薄肉部55の幅方向の最大長さがr2である場合に、1.00≦r2/r1≦1000が満たされている。この場合、導体23の変形によって、絶縁被膜24に欠陥部53がさらに容易に形成され得る。
上述した製造方法は、導電ワイヤ41を折り曲げる工程をさらに有している。導電ワイヤ41の一部は、樹脂成形部62によって覆われている。一対の主面58,59は、主面58と主面59とを含んでいる。折り曲げられた導電ワイヤ41の主面58は、樹脂成形部62の外表面に接している。この場合、導電ワイヤ41の端部51によって、端子電極6,7が樹脂成形部62の外表面上に容易に形成され得る。
上述した製造方法における絶縁被膜24を除去する工程において、一対の主面58,59のうち、主面59にプラズマが照射されている。この場合、電子部品1の実装によって他の電子部品に電気的に接続される端子電極が、容易に形成され得る。
上述した製造方法は、樹脂成形部62を形成する工程をさらに有している。樹脂成形部62は、導電ワイヤ41を折り曲げる工程よりも前に形成される。導電ワイヤ41が折り曲げられる前に樹脂成形部62が形成される場合、樹脂成形部62を形成する工程において導電ワイヤ41の取り回しが容易である。
上述した製造方法における欠陥部53を形成する工程において、端部51の周囲の雰囲気温度は、50℃以上250℃以下である。この場合、導体23がさらに容易に変形され得る。導電ワイヤ41の端部51において、欠陥部53が適切に形成され得る。
上述した製造方法において、プラズマは、水蒸気プラズマであってもよい。水蒸気プラズマでは、有機物の洗浄が水素プラズマよりも五倍速い。このため、水素プラズマ処理などの他のプラズマ処理が用いられる場合よりも、導電ワイヤ41の端部51を絶縁被膜24から露出させる速度が向上する。端部51における導体23の表面において、酸化物が還元される。導体23の表面において、酸化膜の形成も抑制され得る。したがって、製造スループットが向上すると共に、導電ワイヤ9において所望の電気抵抗値が確保され得る。
水蒸気プラズマ処理によれば、導体23は、表面改質され、親水化される。たとえば、端子電極6,7がめっき又は銀ペーストによって形成される金属層を含む場合、導体23の親水性が向上すれば、金属層と導体23との密着性が向上し得る。
上述した製造方法において、導電ワイヤ41は、樹脂成形部62の内部においてコイル50を形成している。この場合、絶縁被膜24によってコイル15におけるショートが防止されていると共に、コイル15において所望の電気抵抗値が確保され得る。
上述した製造方法において、上記導電ワイヤ41の断面積は、7.85×10-11以上1×10-8以下である。このような構成であっても、プラズマの照射によって、導電ワイヤ41の端部51における絶縁被膜24が容易に除去され得る。電子部品1の小型化が図られると共に、電子部品1の特性も確保され得る。たとえば、導電ワイヤ9がコイル15を形成する場合、コイル15において所望のインダクタンスが確保され得る。
上述した製造方法におけるプラズマを照射する工程において、開口76を有するマスク75が位置決めされ、開口76を通ったプラズマが成形物61に照射される。上記開口76は、薄肉部55の主面59の位置に対応する位置に配置されている。この場合、成形物61へのプラズマの照射位置が高度に調整され得る。このため、成形物61において、プラズマの照射によって除去される部分が選択的に調整され得る。したがって、成形物61の構成に対して、汎用性が向上している。
ここで、上記効果を説明すべく、図11(a)、図11(b)、図12(a)、図12(b)、及び、図13を参照して、本開示の実施例及び比較例を説明する。なお、本開示は、以下の実施例に限定されるものではない。ここでは、電子部品1と同様の構成を備える電子部品と、比較例としての電子部品とを作製し、電気抵抗値を確認した。
実施例1~6の電子部品は、上述した工程S1から工程S6によって製造された。比較例1及び比較例2の電子部品は、工程S5が省略され、上述した工程S1から工程S4の後に工程S6を実行することによって製造された。
実施例1~6及び比較例1,2において、コイル50を形成する導電ワイヤ41の断面は、円形形状を呈している。コイル50を形成する導電ワイヤ41の外径は34μmであり、コイル50を形成する導電ワイヤ41の導体の径は25μmである。工程S2において、各端部51は1MPa以上10MPa以下の圧力で押圧され、薄肉部55が形成された。
図11に示されているように、実施例1及び実施例4、並びに、比較例1において、各端部51は1MPaの圧力で押圧された。実施例2及び実施例5において、各端部51は5MPaの圧力で押圧された。実施例3及び実施例6、並びに、比較例2において、各端部51は10MPaの圧力で押圧された。実施例1~3及び比較例1,2において、端部51が押圧される際における端部51の周囲の雰囲気温度は23℃であった。実施例4~7において、端部51が押圧される際における端部51の周囲の雰囲気温度は50℃であった。
実施例1~6の電子部品の作製において、薄肉部55の最大幅は互いに異なり、コイル50における導電ワイヤ41の最大幅は互いに同等である。比較例1,2の電子部品において、薄肉部55の最大幅は互いに異なり、コイル50における導電ワイヤ41の最大幅は互いに同等である。図11(a)における表において、導電ワイヤ41のうち薄肉部55以外の部分における最大幅はr1であり、薄肉部55の幅方向の最大長さはr2である。したがって、“r2/r1”の値が大きいほど、薄肉部55に形成される欠陥部53が大きくなると考えられる。
実施例1~6の電子部品では、工程S5において、水蒸気プラズマ処理が実行された。この水蒸気プラズマ処理は、出力800W、流量20sccm、圧力10Paの条件下で行われた。比較例1,2において工程S5は省略されているため、比較例1,2の電子部品にはプラズマ処理が施されていない。
以上によって形成された実施例1~6及び比較例1,2の電子部品において、一対の端子電極間の電気抵抗値が測定された。各端子電極6,7は、外表面上に配置されていると共に導電ワイヤ9に接続されていた。一対の端子電極6,7は、それぞれ導電ワイヤ9の互いに異なる端部に接続されていた。
測定の結果、図11(a)における表に示されているように、比較例1,2において電気抵抗値は測定限界を上回った。実施例1~6における電気抵抗値は0.301~0.332Ωであった。このように、実施例1~6における電気抵抗値は、比較例1,2における電気抵抗値に対して大幅に低減されることが確認された。したがって、プラズマ処理によって絶縁被膜24が除去されたことが確認された。比較例2の“r2/r1”の値は、実施例2の“r2/r1”の値と同等であったが、比較例2において電気抵抗値は測定限界を上回っていた。
図11(b)における表は、工程S2において形成された薄肉部55の幅と厚さとを示している。図12(a)におけるグラフは、工程S2において形成された薄肉部55の幅と、端部51が押圧される圧力との関係を示している。図12(b)におけるグラフは、工程S2において形成された薄肉部55の厚さと、端部51が押圧される圧力との関係を示している。薄肉部55の幅は、薄肉部55の幅方向の最大長さに相当する。
端部51が1MPaで押圧された実施例1と実施例4とにおいて、実施例4における薄肉部55の幅は、実施例1における薄肉部55の幅よりも大きい。端部51が5MPaで押圧された実施例2と実施例5とにおいて、実施例5における薄肉部55の幅は、実施例2における薄肉部55の幅よりも大きい。端部51が10MPaで押圧された実施例3と実施例6とにおいて、実施例6における薄肉部55の幅は、実施例3における薄肉部55の幅よりも大きい。したがって、端部51が押圧される際における雰囲気温度が加熱されれば、薄肉部55の幅が大きくなり易くなることが確認された。少なくとも端部51の周囲の雰囲気温度が50℃以上であれば、薄肉部55の幅も大きくなり易くなることが確認された。
図13における表は、互いに最大幅が異なる導電ワイヤ41のそれぞれにおいて、端部51の押圧による最大幅の変化を示している。押圧する前の導電ワイヤ41の最大幅がL1であり、押圧した後の導電ワイヤ41の最大幅がL2である。図13に示されているように、押圧する前の導電ワイヤ41の最大幅が0.01mmの場合、押圧によって導電ワイヤ41の最大幅は0.011mm以上10mm以下に変形され得ることが確認された。押圧する前の導電ワイヤ41の最大幅が0.1mmの場合、押圧によって導電ワイヤ41の最大幅は0.101mm以上10mm以下に変形され得ることが確認された。したがって、1.00≦L2/L1≦1000となる条件が導き出される。ゆえに、導電ワイヤ41のうち薄肉部55以外の部分における最大幅がr1であり、薄肉部55の幅方向の最大長さがr2である場合に、1.00≦r2/r1≦1000が満たされる得ることが確認された。
以上、本開示の実施形態及び変形例について説明してきたが、本開示は必ずしも上述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
たとえば、上述した実施形態及び変形例において、電子部品1がコイル部品であり、端子電極6,7がそれぞれコイル15の両端に接続されている場合について説明した。しかし、電子部品1は、コイル以外の回路要素を含んでいてもよい。この場合、コイル15の端部が他の回路要素に接続されていてもよい。導電ワイヤ9は、コイル15を形成するものでなく電子部品内部の回路素子に接続されるリード線であってもよい。
上述した実施形態及び変形例において、電子部品1は、コイル15の内部に配置されたコア部31を含んでいる。しかし、電子部品1は、コア部31を含んでいなくてもよい。コイル15の内部は、空洞であってもよい。
上述した実施形態及び変形例において、コア部31は、Y軸方向よりも短いX軸方向に延在している。しかし、コア部31は、Z軸方向及びX軸方向よりも長いY軸方向に延在していてもよい。
端子電極6,7は、導電ワイヤ9の導体23と別体で形成されていると共に、導体23に電気的に接続されている金属層を含んでいてもよい。たとえば、端子電極6,7は、導電ワイヤ41と別に形成された金属層と、絶縁被膜24が除去された導電ワイヤ41の端部51とによって形成されてもよい。
たとえば、端子電極6,7は、絶縁被膜24が除去された薄肉部55に金属層を配置することによって形成されてもよい。この場合、薄肉部55の主面59に金属層が配置される。たとえば、上記金属層は、主面59を覆う。
導電ワイヤ41によって、薄肉部55が形成されなくてもよい。この場合も、端子電極6,7は、金属層と、絶縁被膜24が除去された導電ワイヤ41の端部51とによって形成されてもよいし、上記金属層のみによって形成されてもよい。薄肉部20は、金属層と、導電ワイヤ9とによって形成されてもよいし、上記金属層のみによって形成されてもよい。
端子電極6,7の上記金属層は、たとえば、スパッタリングによって形成されてもよい。この場合、金属層を構成する金属が原子レベルで緻密に上記端部51の表面に成膜され得る。端部51の表面が空気に触れることが抑制されるため、端部51の表面における酸化膜の形成も抑制され得る。したがって、金属層と導電ワイヤ9との電気的な接続の信頼性がさらに向上し得る。プラズマ処理によって導電ワイヤ41の端部51が空気に触れずに形成された後に、形成された端部51の表面が空気に触れることなく金属層が形成され得る。この場合、端部51の表面における酸化膜の形成がさらに抑制され得る。導電ワイヤ41における絶縁被膜24がプラズマ処理によって空気に触れずに除去された後に、導電ワイヤ41の端部の表面を空気に触れさせずに、スパッタリングが行われてもよい。
上記金属層は、めっき処理によって形成されてもよい。たとえば、上記金属層は、無電解めっき処理を行った後に電解めっき処理を行うことによって形成されてもよい。この場合、無電解めっき処理によって電解めっき処理よりも緻密に端部51の表面に金属が成膜された後に、無電解めっき処理によって形成された膜を電解めっき処理によって厚くすることができる。金属層の形成の速度もさらに向上され得る。したがって、製造スループットが向上されると共に、導電ワイヤ9と金属層との電気的な接続の信頼性が確保され得る。無電解めっき処理は、端部51の表面の酸処理を含んでいてもよい。上記無電解めっき処理は、導電ワイヤ41の端部の表面の酸処理を含んでいてもよい。
上記金属層は、電極ペーストが樹脂成形部32に付与された後に乾燥されることによって形成されてもよい。電極ペーストは、たとえば、スクリーン印刷法によって樹脂成形部32に付与される。電極ペーストは、たとえば、銀ペーストである。上記金属層は、はんだ付けによって形成されてもよい。上記工程によって端子電極6,7が形成された後に、端子電極6,7に対して更にめっき処理が施されてもよい。
工程S2において、導電ワイヤ41は、樹脂からなる巻軸に巻かれ、コイル50を形成してもよい。導電ワイヤ41が巻軸に巻かれた後、コイル50から巻軸が取り外されなくてもよい。この場合、たとえば、巻軸は、ダイシングによって切断され、外装体2の一部を構成する。
上述した実施形態及び変形例において、欠陥部53は、端部51の押圧によって形成される例を示した。しかし、欠陥部53を形成する方法はこれに限定されない。たとえば、絶縁被膜24の一部が削られてもよい。この場合、欠陥部53は、絶縁被膜24において削られた部分に相当する。
プラズマ処理は、水蒸気プラズマ処理に限定されない。プラズマ処理は、たとえば、酸素プラズマ処理又は水素プラズマ処理であってもよい。
1…電子部品、6,7…端子電極、41…導電ワイヤ、10…外表面、50…コイル、55…薄肉部、23,26…導体、24…絶縁被膜、62…樹脂成形部、51…端部、53…欠陥部、58,59…主面。

Claims (13)

  1. 導体と前記導体を覆う絶縁被膜とを含んでいる導電ワイヤを準備する工程と、
    前記導電ワイヤの端部に位置する前記絶縁被膜へのプラズマの照射によって、前記端部に位置する前記絶縁被膜を除去する工程と、
    前記絶縁被膜が除去された前記端部を用いて端子電極を形成する工程と、を有している、電子部品の製造方法。
  2. 前記導電ワイヤの端部に位置する前記絶縁被膜に欠陥部を形成する工程をさらに有しており、
    前記絶縁被膜を除去する工程において、前記欠陥部が形成されている前記絶縁被膜に前記プラズマが照射される、請求項1に記載の電子部品の製造方法。
  3. 前記欠陥部を形成する工程において、前記導電ワイヤの前記端部の押圧によって、前記端部に位置する前記導体が変形される、請求項2に記載の電子部品の製造方法。
  4. 前記欠陥部を形成する工程において、前記導電ワイヤの前記端部の押圧によって、前記導電ワイヤの最大幅よりも小さい厚さを有している薄肉部が前記端部に形成される、請求項3に記載の電子部品の製造方法。
  5. 前記導電ワイヤのうち前記薄肉部以外の部分における最大幅がr1であり、前記薄肉部の幅方向の最大長さがr2である場合に、
    1.00≦r2/r1≦1000
    が満たされている、請求項4に記載の電子部品の製造方法。
  6. 前記薄肉部は、互いに対向する一対の主面を有している、請求項4又は5に記載の電子部品の製造方法。
  7. 前記導電ワイヤを折り曲げる工程をさらに有しており、
    前記導電ワイヤの一部は、樹脂によって成形された樹脂成形部によって覆われており、
    前記一対の主面は、第一主面と第二主面とを含んでおり、
    折り曲げられた前記導電ワイヤの前記第一主面は、前記樹脂成形部の外表面に接している、請求項6に記載の電子部品の製造方法。
  8. 前記絶縁被膜を除去する工程において、前記一対の主面のうち、前記第二主面に前記プラズマが照射される、請求項7に記載の電子部品の製造方法。
  9. 前記樹脂成形部を形成する工程をさらに有しており、
    前記樹脂成形部は、前記導電ワイヤを折り曲げる工程よりも前に形成される、請求項7又は8に記載の電子部品の製造方法。
  10. 前記欠陥部を形成する工程において、前記端部の周囲の雰囲気温度は、50℃以上250℃以下である、請求項2から9のいずれか一項に記載の電子部品の製造方法。
  11. 前記プラズマは、水蒸気プラズマである、請求項1から10のいずれか一項に記載の電子部品の製造方法。
  12. 前記導電ワイヤの一部は、コイルを形成している、請求項1から11のいずれか一項に記載の電子部品の製造方法。
  13. 前記導電ワイヤの断面積は、7.85×10-11以上1×10-8以下である、請求項1から12のいずれか一項に記載の電子部品の製造方法。
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