JP2023150907A - 浸出方法、コバルトおよびニッケルの分離方法 - Google Patents

浸出方法、コバルトおよびニッケルの分離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池に含まれる電極材料を、過剰な量の還元剤を用いることなく、低コストで効率的に酸浸出することが可能な浸出方法、およびこの浸出方法を含むコバルトおよびニッケルの分離方法を提供する。【解決手段】リチウムイオン二次電池の電極材料を酸浸出させる浸出工程を有し、前記浸出工程は、前記電極材料に硫酸を加える硫酸添加過程と、鉄粉を添加する鉄粉添加過程と、前記鉄粉の添加後から酸化還元電位を測定し、該酸化還元電位の上昇が見られなくなった時点での酸化還元電位である安定酸化還元電位を特定するORP測定過程と、を有し、前記安定酸化還元電位が所定値以下になるまで、前記鉄粉添加過程と前記ORP測定過程とを繰り返すことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の電極材料を浸出する浸出方法、およびこれを用いたコバルトおよびニッケルの分離方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、各種電子機器等の小型の物から電気自動車等の大型の物まで、幅広い分野の電源として利用されている。こうしたリチウムイオン二次電池が廃棄された際には、有用な金属を回収して再利用することが求められている。
リチウムイオン二次電池は、負極材と正極材とを、多孔質のポリプロピレン等のセパレータで分画し層状に重ね、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)等の電解質および電解液と共にアルミニウムやステンレス等のケースに封入して形成されている。
リチウムイオン二次電池の負極材は銅箔などからなる負極集電体にバインダーが混合された黒鉛などの負極活物質を塗布して形成されている。また、正極材はアルミニウム箔などからなる正極集電体にバインダーが混合されたマンガン酸リチウム、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウムなどの正極活物質を塗布して形成されている。
このようにリチウムイオン二次電池の正極活物質にはコバルトおよびニッケルが多く含まれているが、リサイクル過程で予め粉砕分離された正極活物質には、コバルト、ニッケル以外にも、マンガン、銅、アルミニウム、リチウムなどが含まれている。このため、リチウムイオン二次電池からコバルトおよびニッケルを高い収率で分離、回収するためには、これら以外の金属を正確に取り除く必要がある。
例えば、特許文献1には、リチウムイオン二次電池の電極材料を、硫酸を用いて酸浸出を行って浸出液を生成し、この浸出液に硫化物を加えて硫化銅を沈殿させ、更に、水酸化アルミニウムおよびマンガン酸化物を沈殿させた後の溶液からコバルトおよびニッケルを回収するコバルトおよびニッケルの回収方法が開示されている。
こうしたコバルトおよびニッケルの回収方法うち、電極材料の酸浸出を行う浸出工程では、硫酸に溶解しにくい3価,4価の状態のコバルトやニッケルを、より硫酸に溶解しやすい2価の状態のコバルトやニッケルにするために、過酸化水素を還元剤として添加することが行われている。
しかしながら、上述した特許文献1の回収方法では、浸出工程において、過酸化水素の添加による還元反応の終点を検出することができない。このため、浸出工程おいて還元反応を確実に完了させるために、過酸化水素を過剰に添加するなどによって、処理コストが増加するという課題が生じていた。
こうした課題に対応するために、例えば、特許文献2では、3価,4価の状態のコバルトやニッケルを還元し、かつ酸化還元電位(ORP)による還元状態の測定が可能な、硫酸ナトリウムや硫酸水素ナトリウムを、浸出工程の還元剤として用いること開示されている。
特開2015-183292号公報 特開2014-019909号公報
しかしながら、特許文献2に開示された金属の浸出方法では、浸出工程で還元剤として用いる硫酸ナトリウムや硫酸水素ナトリウムは、薬剤として過酸化水素よりもコストが高く、大量の廃棄が予想されるリチウムイオン二次電池の電極材料の浸出に適用することは、処理コストの面から困難である。
また、これら硫酸ナトリウムや硫酸水素ナトリウムは、同時に添加される硫酸と反応して二酸化硫黄ガスが発生するため、別途、ガス処理設備を設ける必要があるなど、処理設備が複雑になり、コストが高くなるという課題もある。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、リチウムイオン二次電池に含まれる電極材料を、過剰な量の還元剤を用いることなく、低コストで効率的に酸浸出することが可能な浸出方法、およびこの浸出方法を含むコバルトおよびニッケルの分離方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の浸出方法は、リチウムイオン二次電池の電極材料を酸浸出させる浸出工程を有し、前記浸出工程は、前記電極材料に硫酸を加える硫酸添加過程と、鉄粉を添加する鉄粉添加過程と、前記鉄粉の添加後から酸化還元電位を測定し、該酸化還元電位の上昇が見られなくなった時点での酸化還元電位である安定酸化還元電位を特定するORP測定過程と、を有し、前記安定酸化還元電位が所定値以下になるまで、前記鉄粉添加過程と前記ORP測定過程とを繰り返すことを特徴とする。
本発明によれば、浸出工程で還元剤としてコストの低い鉄粉を用いることによって、従来の硫酸ナトリウムや硫酸水素ナトリウムを還元剤として用いた場合と比較して、低コストで、電極材料に含まれる高価数の電極活物質を2価のイオンにして硫酸浸出することが可能になる。また、硫酸ナトリウムや硫酸水素ナトリウムを還元剤として用いた場合のように、硫酸と反応して有毒な二酸化硫黄ガスが発生することが無く、簡易な設備で浸出処理を行うことができる。
また、本発明では、前記安定酸化還元電位の所定値は400mVであってもよい。
また、本発明では、前記鉄粉添加過程および前記ORP測定過程は、液温が50℃以上、70℃以下の範囲で行ってもよい。
液温が50℃以下であると、鉄の酸化還元反応速度が低下し、浸出に時間がかかる。一方、液温が高いほど鉄の酸化還元反応速度は早くなるが、液温が70℃以上では液温の昇温のために加える熱が酸化還元反応速度の増加に寄与せず、処理コストが嵩む虞がある。
また、本発明では、前記鉄粉添加過程で添加する鉄粉は、平均粒径値(D50)が1mm以下の鉄粉であってもよい。
また、本発明は、前記硫酸添加過程では、pHを1.5以上、2.0以下の範囲にしてもよい。
pHが1.5以下であると、反応に寄与しない過剰な硫酸が存在することになり、後工程の中和工程で中和剤が余分に必要になる。一方、pHが2.0を超えると、鉄粉の酸化還元で生じた硫酸鉄が水酸化鉄に変化して沈殿し、浸出速度が低下する虞がある。
本発明のコバルトおよびニッケルの分離方法は、リチウムイオン二次電池からコバルトおよびニッケルを分離する、コバルトおよびニッケルの分離方法であって、前記リチウムイオン二次電池を粉砕および分級し、少なくともコバルト、ニッケル、銅、およびリチウムを含む電極材料を得る粉砕選別工程、請求項1から5のいずれか一項に記載の浸出方法によって浸出液を生成する浸出工程、前記浸出液に硫化水素化合物を加えて撹拌し、硫化銅として銅を沈殿させる銅沈殿工程、前記銅沈殿工程で得られた沈殿を含む混合液にアルカリ金属水酸化物を加えてpH調整を行い、第1中和液を得る第1中和過程と、前記第1中和液の固液分離を行い、コバルトおよびニッケルを含む第1溶出液と硫化銅を含む残渣を得る第1濾過過程と、を順に含む第1処理工程、または、前記銅沈殿工程で得られた沈殿を含む混合液の固液分離を行い、コバルトおよびニッケルを含む第2溶出液と硫化銅を含む残渣を得る第2濾過過程と、前記第2溶出液にアルカリ金属水酸化物を加えてpH調整を行い、第2中和液を得る第2中和過程と、を順に含む第2処理工程、のうちいずれか一方、前記第1処理工程で得た前記第1溶出液、または第2処理工程で得た前記第2中和液に硫化水素化合物を加えて撹拌、固液分離を行い、硫化コバルトおよび硫化ニッケルを含む沈殿物と、リチウムを含む残液とを得るコバルト・ニッケル分離工程、を備え、前記第1処理工程で得られた前記第1溶出液、前記第2処理工程で得られた前記第2中和液、前記コバルト・ニッケル分離工程で得られた前記沈殿物を溶解した再溶解液のうちいずれか1つと、次亜塩素酸化合物を添加し、鉄を含む澱物を分離する鉄分離工程を更に備えることを特徴とする。
また、本発明では、前記銅沈殿工程の後工程として、前記第1処理工程を行ってもよい。
また、本発明では、前記鉄分離工程では、前記再溶解液から鉄を含む澱物を分離してもよい。
また、本発明は、前記鉄分離工程では、前記再溶解液に前記次亜塩素酸化合物を添加する際に、酸化還元電位(ORP)およびpHの関係を示す式1によって、前記次亜塩素酸化合物の添加終点を決定してもよい。
ORP=-153.18×pH+1577.2±30(mV)・・・(1)
また、本発明では、前記粉砕選別工程の前工程として、前記リチウムイオン二次電池を加熱して熱処理を行う熱処理工程を備えていてもよい。
本発明によれば、リチウムイオン二次電池に含まれる電極材料を、過剰な量の還元剤を用いることなく、低コストで効率的に酸浸出することが可能な浸出方法、およびこの浸出方法を含むコバルトおよびニッケルの分離方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態の浸出方法を含むコバルトおよびニッケルの分離方法を段階的に示したフローチャートである。 本発明の第2実施形態の浸出方法を含むコバルトおよびニッケルの分離方法を段階的に示したフローチャートである。 液温60℃、50℃、40℃における、鉄粉の添加によるORPの変化を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態の浸出方法、およびこれを含むコバルトおよびニッケルの分離方法について説明する。なお、以下に示す各実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の浸出方法を含むコバルトおよびニッケルの分離方法を段階的に示したフローチャートである。
(熱処理工程S1)
廃棄されたリチウムイオン二次電池(以下、廃LIBと称することがある)を構成する電極材料を分離する前処理工程として、加熱炉を用いて、廃LIBを過熱水蒸気によって例えば約500℃程度まで加熱して熱処理を行う。
熱処理は、真空でも常圧でもよいが、酸素を含まない不活性雰囲気中の加熱が好ましい。廃LIBは、バインダー及び電解液の存在により正極活物質や負極活物質と、集電体であるアルミニウム箔や銅箔との付着力が大きい。このため、400℃以上の熱処理工程を行うことによって、これら活物質と集電体との分離を容易にする。廃LIBの加熱温度を650℃以下にすることにより、アルミニウムが溶融して活物質を巻き込んで冷却固化して、活物質だけを取り出すことが困難になることを防止できる。
(粉砕選別工程S2)
次に、熱処理後の廃LIBを粉砕した後、篩分けによって電極材料を選別分離する。廃LIBの粉砕は、例えば、二軸剪断破砕機やハンマーミルを用いて行う。
そして、粉砕した廃LIBを、適切な目開きの篩を用いて分級し,電池容器,アルミニウム箔,銅箔,ニッケル端子を篩の上産物として、正極活物質(LiCoOなど)および負極活物質(グラファイト)を含む電極材料を篩の下産物として回収する。こうした電極材料は、例えば、目開きが0.5mm程度の篩を通過したものであればよい。
分離された電極材料は、主に正極活物質の構成材料および不純物であるコバルト、ニッケル、マンガン、銅、鉄、アルミニウム、リチウム、カルシウム等、および負極活物質の構成材料である炭素等を含んでいる。
(浸出工程S3:浸出方法)
次に、本実施形態の浸出方法を構成する浸出工程S3として、粉砕選別工程S2で分離された電極材料を硫酸を含む処理液によって酸浸出を行って浸出液を得る。
浸出工程S3は、電極材料に硫酸を加える硫酸添加過程S3-1と、鉄粉を添加する鉄粉添加過程S3-2と、鉄粉の添加後から酸化還元電位(ORP)を測定し、この酸化還元電位の上昇が見られなくなった時点での酸化還元電位である安定酸化還元電位を特定するORP測定過程S3-3と、を有し、安定酸化還元電位が所定値以下になるまで、鉄粉添加過程S3-2とORP測定過程S3-3とを繰り返す工程である。
まず、硫酸添加過程S3-1では、粉砕選別工程S2で分離された電極活物質を含む電極材料に対して、例えば、濃度が45~47質量%程度の硫酸を加えて撹拌する。この時、電極材料に硫酸を加えた溶液のpHが1.5以上、2.0以下になるようにする。また、この溶液の液温を50℃以上、70℃以下の範囲になるように、溶液を加熱する。なお、電極材料と硫酸との正の反応熱によって、液温が上述した範囲になれば、特に外部から加熱しなくてもよい。
電極材料には、例えば、3価,4価の状態のコバルトやニッケルなど、硫酸に溶解しにくい金属も含まれており、硫酸添加過程S3-1では、これらの金属は硫酸に浸出されない。
次に、鉄粉添加過程S3-2では、電極材料に硫酸を加えた溶液に対して、還元剤として鉄粉を加えて撹拌する。添加する鉄粉は、例えば、平均粒径値(D50)が54μm以上、1mm下のものを用いることが好ましい。平均粒径値(D50)が54μm以上にすることにより、微細粉塵による取り扱い上の危険性を低減できる。また、1mm以下にすることにより、還元剤としての反応性を適切な範囲で高めることができる。
鉄粉添加過程S3-2で電極材料に硫酸を加えた溶液に対して鉄粉を加えると、硫酸添加過程S3-1においてわずかに溶解した銅や、高価数の電極活物質が起点となり、例えば溶解した銅と鉄粉であれば下記の式(2)の反応が生じて、添加した鉄粉が溶解される。
CuSO+Fe→Cu+FeSO・・・(2)
上述した式(2)等によって溶解したFe2+が高価数の電極活物質(例えば、LiNi0.6Mn0.2Co0.2)との間で酸化還元反応を起こし、下記の式(3)の反応が生じる。
10FeSO+20HSO+10LiNi0.6Mn0.2Co0.2→5Fe(SO+5LiSO+6NiSO+2MnSO+2CoSO+20HO・・・(3)
こうした式(3)の反応によって、電極活物質のうち、3価以上の高価数のMn,Co,Niイオンが、Feによって2価のイオンとなり、硫酸に溶解される。
そして、式(2)の反応によって生じた3価の鉄化合物であるFe(SO(硫酸第2鉄)は、添加した鉄粉や電極材料中の銅によって以下の式(4)や式(5)の反応が生じ、2価の鉄化合物になる。
Fe(SO+Fe→3FeSO・・・(4)
Fe(SO+Cu→2FeSO+CuSO・・・(5)
ORP測定過程S3-3では、鉄粉添加過程S3-2において電極材料に硫酸を加えた溶液に対して鉄粉を加えて撹拌した後、この撹拌液の酸化還元電位(ORP)を連続して測定する。ORPは溶液の酸化性、あるいは還元性を示す指標であり、mV測定機能を有するpH計と貴金属電極(白金電極または金電極)および比較電極を用いて測定することができる。
鉄粉を加えた直後のORPは、一時的に大きく低下するが、時間経過とともに徐々に上昇して安定する。この時のORPを安定酸化還元電位とする。そして、この安定酸化還元電位が所定の値、本実施形態では400mV以上(液温50℃時)である場合には、上述した式(4)での硫酸第2鉄と反応する鉄(鉄粉)が不足し、式(3)の反応、即ち高価数のMn,Co,Niイオンが全て2価のイオンになっていない状態である。
よって、ORP測定過程S3-3において、安定酸化還元電位が400mV以上である場合、鉄粉添加過程S3-2とORP測定過程S3-3とを、安定酸化還元電位が400mV以下になるまで繰り返し行う。
安定酸化還元電位が400mV以下になれば、高価数の電極活物質、例えば3価以上のMn,Co,Niイオンが全て2価のイオンに置き換わって硫酸に溶解し(式(3))、かつ、溶解した鉄が2価のイオンに置き換わった状態(式(4)、式(5))となる。このように、ORP測定過程S3-3で安定酸化還元電位が400mV以下になった状態を、浸出工程S3における反応終点(鉄粉が反応に必要な量だけ添加された時点)と判断する。
鉄粉添加過程S3-2、ORP測定過程S3-3における溶液の液温は、40℃以上100℃以下とすることが好ましい。液温が高いほど、安定酸化還元電位に達するまでの時間を短くすることができる。液温が40℃以上であれば、効率的にORP測定過程S3-3を実施することができる。一方で、あまり液温を上げ過ぎても、それ以上、反応終点に至るまで時間の短縮効果は向上しない。このため、液温は100℃以下とすることが好ましい。なお、液温は、50℃以上70℃以下とすることがより好ましく、50℃以上60℃以下とすることがさらに好ましい。
なお、浸出工程S3では、硫酸添加過程S3-1において、硫酸とともに、更に、炭素原子数が8以下の直鎖状飽和アルコールを含む消泡剤を添加することもできる。電極材料が硫酸によって溶解する際にはガスが生じて溶液が発泡するが、アルコールとして、例えば1-ブタノールを含む消泡剤を添加することによって、発生した泡が速やかに低減される。これにより、電極材料の主成分、例えば電極活物質と硫酸との反応で発生するガスによって、電極材料の一部が硬い泡状物となって浮き上がるが、こうした硬い泡状物を消泡剤によって除去することにより、電極材料と硫酸との反応が緩慢になることを防止して、反応等量以上の過剰の硫酸を添加しなくても、速やかに電極材料と硫酸との反応を進行させることができる。
また、浸出工程S3における硫酸添加過程S3-1は、電極材料を少量の硫酸(処理液)と混錬して浸出ペーストを形成する混練過程と、得られた浸出ペーストを水で希釈して浸出液を形成する希釈過程の、2段階の過程で行うこともできる。
浸出工程S3では、ペースト状態で混錬することにより、従来の液状での撹拌よりも電極材料と硫酸との接触が容易になる。また、浸出による気泡が混錬で砕かれて、電極材料と硫酸との親和性を高めることができる。これにより、電極材料を短時間で効率的に酸浸出することが可能になる。
以上のような浸出工程S3によって、過剰な鉄粉を用いることなく容易に反応終点を判断して、電極材料の活物質を浸出させた浸出液を短時間で効率的に生成することができる。なお、電極材料に含まれる炭素は浸出されないので、炭素残渣として固体状態で残留させている。
以上のように、本実施形態の浸出方法によれば、浸出工程S3で還元剤として、コストの低い鉄粉を用いることによって、従来の硫酸ナトリウムや硫酸水素ナトリウムを還元剤として用いた場合と比較して、低コストで、電極材料に含まれる高価数の電極活物質を2価のイオンにして硫酸浸出することが可能になる。
また、従来の硫酸ナトリウムや硫酸水素ナトリウムのように、硫酸と反応して有毒な二酸化硫黄ガスが発生することが無く、簡易な設備で浸出処理を行うことができる。
そして、安定酸化還元電位が所定値、例えば400mV以下になるまで鉄粉添加過程S3-2とORP測定過程S3-3とを繰り返すことによって、高価数の電極活物質が2価のイオンに転換されて硫酸に溶解した反応終点を判断することができ、反応等量以上の過剰な鉄粉を添加することなく、低コストで浸出工程S3を行うことができる。また、反応等量以上の過剰な鉄粉を添加することが無いため、後工程での鉄の分離が容易になる。
(銅沈殿工程S4)
次に、浸出工程S3で得られた浸出液に、硫化水素化合物を加えて撹拌し、コバルトおよびニッケルを含む溶出液と、硫化銅(CuS)を含む沈殿が混合した混合液を得る。
本実施形態において硫化水素化合物とは、硫黄分を含み、水に溶解させたときにその硫黄分がHS、HSまたはS2-の形態をとる化合物を意味する。
銅沈殿工程S4で用いる硫化水素化合物としては、水溶性のアルカリ金属硫化水素化物、本実施形態では硫化水素ナトリウム(NaSH)の水溶液を用いている。銅沈殿工程S4の具体例としては、浸出液をイオン交換水で希釈した後、硫化水素ナトリウムの水溶液を、この希釈した浸出液に添加して攪拌する。
硫化水素ナトリウムの水溶液の添加は、例えば、酸化・還元電位(vs Ag/AgCl)が0mV以下になるまで行う。酸化・還元電位が0mV以下になるまで硫化水素ナトリウムを添加することで、浸出液に含まれる銅をほぼ全量沈殿させることができる。
硫化水素化合物の添加開始から終了に至るまでの浸出液のpHを2.0以下に維持することが好ましい。浸出液のpHが2.0を超えると、コバルト、ニッケルの硫化物が生じて、これらの溶出液への回収率が低下するおそれがある。
なお、硫化水素化合物としては、硫化水素ナトリウム以外にも、例えば、硫化ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、または亜ジチオン酸ナトリウムであってもよい。
浸出液に硫化水素化合物を加えることにより、浸出液に溶解している金属成分のうち、銅と硫黄とが反応し、硫化銅(CuS)が生成して沈殿する。一方、銅を除いた金属成分(コバルト、ニッケル、マンガン、鉄、アルミニウム、リチウム、カルシウム等)は、液相に残留し、コバルトおよびニッケルを含む溶出液が得られる。
(第1処理工程S5A)
次に、第1処理工程S5Aとして、第1中和過程S5A-1と、第1濾過過程S5A-2と、を順に行う。
第1中和過程S5A-1は、銅沈殿工程S4で得られた沈殿を含む混合液に対してアルカリ金属水酸化物を加えてpH調整を行い、第1中和液を得る。
前工程である銅沈殿工程S4では、硫化水素化合物の添加開始から終了に至るまでの浸出液のpHを2.0以下に維持しているため、このままでは、後工程のコバルト・ニッケル分離工程S6において、硫化水素化合物とコバルト、ニッケルが反応しにくくなる虞があるが、硫化水素化合物の添加に伴って、溶出液のpHは低下していく。pH調整後、硫化水素化合物の添加開始時のpHが3.0未満であると、硫化水素化合物の添加終了に至る前に過度のpH低下が生じ、再度のpH調整が必要になる。このため、コバルト・ニッケル分離工程S6の前工程においてpHを3.0以上にした方が効率的である。
また、pH調整時にpHを4.0を超える値にすると、pH調整に時間がかかるが、硫化水素化合物を添加するとすぐにpH4.0以下となるため、非効率である。そのため、pH調整範囲としては3.0~4.0の範囲が望ましい。
また、この第1中和過程S5A-1では、水酸化ナトリウム(NaOH)を用いて、銅沈殿工程S5で得られた沈殿を含む混合液のpHを3.0~4.0程度にすることで、この混合液に含まれるアルミニウムを水酸化アルミニウム(Al(OH))にして沈殿させることができる。
こうしたコバルト・ニッケル分離工程S6の前処理のpH調整である第1中和過程S6A-1においては、pH調整液として、水酸化ナトリウム(NaOH)以外にも、水酸化カリウム(KOH)、pH4.0越えであれば更に酸、例えば、硫酸を用いることができる。本実施形態では、溶出液のpHを3.0~4.0の範囲内、例えば3.5に調整した。
次に、第1濾過過程S5A-2では、第1中和過程S5A-1で得られた第1中和液の固液分離を行い、コバルトおよびニッケルを含む第1溶出液と硫化銅(CuS)を含む残渣とを分離する。これにより、浸出工程S3で生じた炭素残渣、銅沈殿工程S4で生じた硫化銅(CuS)を含む沈殿残渣、および第1中和過程S5A-1において生じた水酸化アルミニウム(Al(OH))を含む固相と、第1溶出液(液相)とが分離される。
なお、本実施形態では、第1濾過過程S5A-2での固液分離によって、浸出工程S3で生成した炭素残渣も濾別しているが、浸出工程S3においても固液分離を行うことで、第1濾過過程S5A-2を行う前に、予め炭素残渣を分離しておくこともできる。
第1濾過過程S5A-2で分離された固相は、リパルプ(固相に水を加えて再懸濁させた後、脱水することにより精製)、またはケーキ洗浄してから廃棄物として処理されればよい。
(コバルト・ニッケル分離工程S6)
次に、第1処理工程S5Aで得られた第1溶出液に硫化水素化合物を加えて撹拌、固液分離を行い、硫化コバルトおよび硫化ニッケルを含む沈殿物と、リチウムを含む残液とを得る。
第1溶出液に水溶性の硫化水素化合物を添加することによって、第1溶出液に含まれるコバルトおよびニッケルは、それぞれ水に不溶性の硫化コバルト(CoS)および硫化ニッケル(NiS)になり沈殿する。
コバルト・ニッケルを硫化するための硫化水素化合物としては、例えば、水溶性のアルカリ金属硫化水素化物が挙げられる。硫化水素化合物は、銅沈殿工程S4で用いるものと同じであってもよく、異なっていてもよい。本実施形態では、濃度が200g/Lの硫化水素ナトリウムの水溶液を用いた。
硫化水素ナトリウムの水溶液の添加は、例えば、酸化・還元電位(vs Ag/AgCl)が-400mV以下になるまで行う。酸化・還元電位が-400mV以下になるまで硫化水素ナトリウムを添加することで、溶出液に含まれるコバルト、ニッケルをほぼ全量沈殿させることができる。
硫化水素化合物の添加開始から終了に至るまでの間の浸出液のpHは2.0~5.0、好ましくは2.0~3.5の範囲内に維持することが好ましい。浸出液のpHが2.0未満となった場合、硫化水素ナトリウムと硫酸との反応(NaSH+HSO→HS+NaSO)が生じ、硫化水素ナトリウムが消費されてコバルト、ニッケルの硫化が進みにくくなる。一方、浸出液のpHが5.0を超えると、他の金属の水酸化物が生じて沈殿物の純度が低下するおそれがある。また、高い領域でpHをコントロールすることは困難である。
なお、ここでいう硫化コバルトには、硫化コバルト(II)、二硫化コバルト(CoS)、八硫化九コバルト(Co)など、各種組成の硫化コバルト化合物が含まれていてもよい。同様に、硫化ニッケル(NiS)には、硫化ニッケル(II)、二硫化ニッケル(NiS)、四硫化三ニッケル(Ni)、二硫化三ニッケル(Ni)など、各種組成の硫化ニッケル化合物が含まれていてもよい。
一方、硫化水素化合物を添加後の液相(残液)には、コバルトおよびニッケルを除いた金属成分(マンガン、鉄、アルミニウム、リチウム、カルシウム等)が残留する。ここで得られた液相は、その後、pH調整による溶媒抽出等によって、含有するマンガン、鉄、アルミニウム、リチウム、カルシウム等をそれぞれ分離、回収することができる。
(再溶解工程S7)
次に、コバルト・ニッケル分離工程S5で得られた沈殿物に硫酸を含む再溶解液を加えて攪拌した後、固液分離を行い、コバルトおよびニッケルを含むコバルト・ニッケル溶液を得る。
再溶解液としては、例えば、硫酸と酸化剤として過酸化水素とを混合したものを用いる。再溶解液の一例としては、濃度が1.5mol/Lの希硫酸100mlに対し、濃度が30質量%の過酸化水素水を20mlの比率で混合したものが挙げられる。
再溶解工程S7の具体例としては、例えば60℃以上に加熱した再溶解液に、沈殿物を加え、4時間以上浸漬する。この時、更に攪拌することが好ましい。また、再溶解液に過酸化水素水を入れずに、沈殿物を浸漬する際にエアバブリングを行うこともできる。
この時、処理液温度を60℃以上、浸出時間を1時間以上とすることで、コバルトおよびニッケルの溶解率を高めることができる。特に制限はないが、それ以上にしても溶解率のさらなる向上は望めないため、処理液温度の上限は90℃、浸出時間の上限は15時間である。
こうした再溶解液を用いた沈殿物の処理によって、コバルトおよびニッケルが再溶解液に溶解する。また、再溶解液に溶解しない不純物、コバルト・ニッケル分離工程S5で生成する単体硫黄などが固相として残る。この後、濾材などを用いて固液分離を行うことにより、コバルトおよびニッケルを含むコバルト・ニッケル溶液が得られる。
こうして得られた、コバルト・ニッケル溶液は、コバルトおよびニッケル以外の電極材料の他の成分としては、浸出工程S3の鉄粉添加過程S3-2で添加された鉄と、少量のマンガンとを含んでいる。
なお、再溶解工程S7の前工程として、沈殿物をリパルプすることにより、コバルト硫化物、ニッケル硫化物以外の不純物を取り除いておくことも好ましい。
銅沈殿工程S4において、固液分離を行う前にアルミニウムを除去する手順について上述したが、そのような手順を実施していない場合、沈殿物にはアルミニウム化合物が含まれている場合がある。この場合、沈殿物をリパルプすることにより、アルミニウム化合物を除去することができる。
(鉄分離工程S8)
鉄分離工程S8では、再溶解工程S7で得られたコバルト・ニッケル溶液のpHを3以上、5以下の範囲に調整する。調整には、必要に応じて、アルカリ金属水酸化物等、本実施形態では水酸化ナトリウムを用いる。そして、pH調整を行った後のコバルト・ニッケル溶液に対して、次亜塩素酸化合物、例えば次亜塩素酸ナトリウムを添加することによって、コバルト・ニッケル溶液に含まれる2価の鉄を次亜塩素酸ナトリウムと反応させて、水に不溶性の3価の水酸化鉄(FeOH)として沈殿させる。また、コバルト・ニッケル溶液に含まれるマンガンも、水に不溶性の二酸化マンガン(MnO)として沈殿させる。この後、沈殿物を濾別することによって、コバルト・ニッケル精製液が得られる。
以上のように、鉄分離工程S8によって、再溶解工程S7で得られたコバルト・ニッケル溶液に含まれる、浸出工程S3で添加された鉄と、少量のマンガンを分離することができる。
鉄分離工程S8では、再溶解液に次亜塩素酸化合物を添加する際に、酸化還元電位(ORP)およびpHの関係を示す式1によって、前記次亜塩素酸化合物の添加終点を決定する。
ORP=-153.18×pH+1577.2±30(mV)・・・(1)
再溶解液のORPが式1の範囲内になるよう次亜塩素酸化合物を添加すれば、鉄、マンガンが沈殿し切って、これらを適切に除去することができる。
なお、こうした鉄分離工程S8は、本実施形態では再溶解工程S7の後工程としているが、これ以外にも、例えば、銅沈殿工程S4の後工程として実施することも可能である。
但し、この場合、液中に多量に含まれる鉄やマンガンを除去しつつpHを3以上5以下に調整するために、多量の次亜塩素酸ナトリウムや水酸化ナトリウムが必要になる。
(溶媒抽出工程S9)
次に、鉄分離工程S8で得られたコバルト・ニッケル精製液に抽出剤溶液を添加して、コバルト抽出液と、ニッケル抽出液とを得る。
抽出剤溶液としては、金属抽出剤と希釈剤を混合した混合溶液を用いることができる。例えば、2-エチルヘキシル2-エチルヘキシルホスホネート(PC88A:大八化学株式会社製)を20容量%、ケロシン(希釈剤)を80容量%の割合で混合した混合溶液を用いることができる。
上述した抽出剤溶液を用いて、ミキサーセトラーによりコバルト・ニッケル精製液から硫酸コバルト(CoSO)溶液と、硫酸ニッケル(NiSO)溶液として分離回収する。
以上の工程により、廃LIBからコバルトとニッケルとを高収率で回収することができる。例えば、廃LIBから取り出した電極材料中のコバルト、ニッケルの量をそれぞれ100質量%とした時、本実施形態のコバルトおよびニッケルの分離方法によって、コバルトとニッケルをそれぞれ90質量%以上の高収率で回収することができる。
(第2実施形態)
図2は、本発明の第2実施形態のコバルトおよびニッケルの分離方法を段階的に示したフローチャートである。
なお、以下に説明する第2実施形態では、第1実施形態と同様の工程については説明を省略する。
第2実施形態では、銅沈殿工程S4と、コバルト・ニッケル分離工程S6との間に、第1処理工程に代えて、第2処理工程S5Bを行う。
第2処理工程S5Bとしては、第2濾過過程S5B-1と、第2中和過程S5B-2と、を順に行う。
第2濾過過程S5B-1では、銅沈殿工程S4で得られた沈殿を含む混合液の固液分離を行い、コバルトおよびニッケルを含む第1溶出液と硫化銅(CuS)を含む残渣とを分離する。これにより、浸出工程S3で生じた炭素残渣、銅沈殿工程S4で生じた硫化銅(CuS)を含む沈殿残渣を含む固相と、第2溶出液(液相)とが分離される。
第2濾過過程S5B-1で分離された固相は、リパルプ(固相に水を加えて再懸濁させた後、脱水することにより精製)、またはケーキ洗浄してから廃棄物として処理されればよい。
第2中和過程S5B-2は、第2濾過過程S5B-1で得られた第2溶出液に対して、アルカリ金属水酸化物を加えてpH調整を行い、第2中和液を得る。
前工程である銅沈殿工程S4では、硫化水素化合物の添加開始から終了に至るまでの浸出液のpHを2.0以下に維持しているため、このままでは、後工程のコバルト・ニッケル分離工程S6において、硫化水素化合物とコバルト、ニッケルが反応しにくくなる虞があるが、硫化水素化合物の添加に伴って、溶出液のpHは低下していく。pH調整後、硫化水素化合物の添加開始時のpHが3.0未満であると、硫化水素化合物の添加終了に至る前に過度のpH低下が生じ、再度のpH調整が必要になる。このため、コバルト・ニッケル分離工程S6の前工程においてpHを3.0以上にした方が効率的である。
また、pH調整時にpHを4.0を超える値にすると、pH調整に時間がかかるが、硫化水素化合物を添加するとすぐにpH4.0以下となるため、非効率である。そのため、pH調整範囲としては3.0~4.0の範囲が望ましい。
また、この第2中和過程S5B-2では、水酸化ナトリウム(NaOH)を用いて、第2濾過過程S5B-1で得られた第2溶出液のpHを3.0~4.0程度にすることで、この第2溶出液に含まれるアルミニウムを水酸化アルミニウム(Al(OH))にして沈殿させることができる。
こうしたコバルト・ニッケル分離工程S6の前処理のpH調整である第2中和過程S5B-2において、pHが1.0程度の溶出液をpH3.0~4.0にするためのpH調整液としては、水酸化ナトリウム(NaOH)以外にも、水酸化カリウム(KOH)、pH4.0越えであれば更に酸、例えば、硫酸を用いることができる。本実施形態では、濃度が25wt%の水酸化ナトリウム水溶液を用いて、第2溶出液のpHを3.0~4.0の範囲内、例えば3.5に調整した。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
本発明の浸出方法を備えたコバルトおよびニッケルの分離方法の効果を検証した。
(検証例1)
表1に浸出工程から銅分離工程までの試験結果を纏めて示す。
表1における時間(min)は、鉄粉を添加開始時からの経過時間を示している。また、pH、温度、ORPは各工程での値、累積添加量(硫酸、鉄、NaSH、NaOH)は各時点での合計添加量、濃度は各時点での金属濃度の値を示している。
各工程の手順は、廃LIBから取り出した電極材料(電極活物質)72.5gに濃度47質量%の硫酸85mLを含む硫酸溶液500mLを加えて撹拌を行った(硫酸添加過程、実験例A1)。そして、液温を60℃付近に安定させた後、pHが2以下になるまで濃度47質量%の硫酸を加えた(実験例A2)。鉄粉を添加開始時からの経時変化を確認し、ORPが400mV以下で安定となるまで適宜鉄粉を添加した(鉄粉添加過程並びにORP測定過程、実験例A3~A6)。ORPが400mV以下で安定となった時点で加温を止め、200g/L水硫化ナトリウム溶液をORPが0mV以下となるまで添加した(銅分離工程、実験例A7)。濃度25質量%の水酸化ナトリウム溶液を浸出液に加え、pH3.0~4.0に安定させた後(実験例A8)、硫酸浸出時に不溶である廃LIBの負極材のカーボンおよび、生成した残渣(硫化銅)を濾過により固液分離を行い、浸出液490mLを得た。残渣(硫化銅)33.06gの組成を表2に示す。廃LIBから取り出した電極材料中のコバルト、ニッケルを100質量%とした時の浸出率を計算すると、コバルト、ニッケルそれぞれ95質量%以上浸出されているため、従来の方法と比較して、活物質からコバルト、ニッケルは十分に浸出されていることが確認された。
Figure 2023150907000002
Figure 2023150907000003
(検証例2)
表3にコバルト・ニッケル分離工程の試験結果を示す。表3における時間(min)は水硫化ナトリウム溶液を添加開始時からの経過時間を示す。また、表3におけるpH、温度、ORPは各工程での値、累積添加量(NaSH、NaOH)は各時点での合計添加量を示す。
得られた浸出液(実験例B1)に、濃度25質量%の水酸化ナトリウム溶液と濃度200g/Lの水硫化ナトリウム溶液を撹拌しながら添加を行い、ORPが-400mV以下になるまで水酸化ナトリウム溶液と水硫化ナトリウム溶液を加えた(実験例B2~B8)。ORPが-400mV以下になったことを確認した後、固液分離を行い、黒色の沈殿物(硫化コバルト、硫化ニッケル)を142.52g(乾燥前重量)回収した(コバルト・ニッケル分離工程)。残液500mLの組成を表4に示す。なお、検証例2では、金属含有廃液として処理を行った。
Figure 2023150907000004
Figure 2023150907000005
(検証例3)
沈殿物を濃度47質量%の硫酸2mLを含む硫酸溶液500mLでリパルプした後、ろ過により固液分離を行い、沈殿物118.73g(乾燥前重量)を得た。リパルプ残液500mLの組成を表5に示す。検証例3では、金属含有廃液として処理をした。なお、リパルプ残液は浸出工程に用いる液として戻しても良い。
Figure 2023150907000006
(検証例4)
表6に再溶解工程の試験結果を示す。表6における時間(min)は、過酸化水素添加開始時からの経過時間を示す。また、表6におけるpH、温度、ORPは、各時点での値、累積添加量(HSO、NaSH、NaOH)は各時点での合計添加量を示す。沈殿物に蒸留水500mLを加え撹拌した(実験例C1)。pH1.5~2.0になるように濃度47質量%の硫酸を適宜加えつつ、濃度30質量%の過酸化水素水を加えコバルト、ニッケルを溶解した(再溶解工程、実験例C2~C4)。溶解後に、濃度25質量%の水酸化ナトリウム溶液を加えpH3.0~5.0にした後(試験例C5)。未溶解分および前工程での反応で生成した単体硫黄をろ過により固液分離を行い、コバルト・ニッケル液650mLを得た。なお、単体硫黄は浸出工程に戻しても良い。
Figure 2023150907000007
(検証例5)
表7に鉄分離工程の試験結果を示す。コバルト・ニッケル含有液(実験例D1)に残留している鉄、マンガンを除去するため、pH3.0~5.0を保ちつつ濃度12質量%の次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いて鉄、マンガンの沈殿除去した(試験例D2~D4)。この時、試験例D2、D3では、ORPが-153.18×pH+1577.2(mV)より100mV以上小さく、マンガン除去ができていない。鉄、マンガンが沈殿し切ると式1に近似した値にORPが定まる(試験例D4)。
ORP=-153.18×pH+1577.2±30(mV)・・・(1)
反応で生成した水酸化鉄(III)、二酸化マンガン沈殿物をろ過により固液分離を行い、コバルト・ニッケル精製液650mLを得た。なお、水酸化鉄(III)、二酸化マンガン沈殿物にコバルトが含まれる可能性があるが、この沈殿物は浸出工程に戻して溶解させてもよい。
Figure 2023150907000008
このようにして得られたコバルト・ニッケル精製液から、金属抽出剤であるPC88A(大八化学株式会社製)が20容量%、ケロシンが80容量%の割合で混合された抽出剤溶液を用いて、ミキサーセトラーにより硫酸コバルト溶液と、硫酸ニッケル溶液として分離回収した(溶媒抽出工程)。
以上の本発明例の手順では、廃LIBから取り出した電極材料中のコバルト、ニッケルを100質量%とした時に、溶媒抽出で逆抽出液中に得られたコバルトは89質量%、ニッケルは93質量%であった。また、鉄の含有量は10ppm以下となった。よって、本実施形態の浸出方法を備えたコバルトおよびニッケルの分離方法によれば、廃LIBから高い歩留まりでコバルト、ニッケルを回収できることが確認された。
なお、金属濃度はICP-AES、pHはpH計、ORPはORP計によって測定した。%の数値は質量基準である。
(検証例6)
液温による浸出工程への影響を検証した。
表8に40℃での浸出工程の試験結果を示す。表8における時間(min)は鉄粉を添加開始時からの経過時間を示す。また、表8におけるpH、温度、ORPは各時点での値、累積添加量(硫酸、鉄)は各時点での合計添加量を示す。電極材料(活物質)29.0gを濃度47質量%の硫酸を34mL含む硫酸溶液200mLに加えた(実験例E1)。40℃に安定させた後、pH<2.0となるようさらに濃度47質量%の硫酸を加えた(実験例E2)。Feを添加し、添加開始からのORPの経時変化を検証した(実験例E3~E10)。
Figure 2023150907000009
表9に50℃での浸出工程の試験結果を示す。表9における時間(min)は鉄粉を添加開始時からの経過時間を示す。また、表9におけるpH、温度、ORPは各時点での値、累積添加量(HSO、鉄)は各時点での合計添加量を示す。電極材料(活物質)29.0gを濃度47質量%の硫酸を34mL含む硫酸溶液200mLに加えた(実験例F1)。50℃に安定させた後、pH<2.0となるようさらに濃度47質量%の硫酸を加えた(実験例F2)。鉄を添加し、添加開始からのORPの経時変化を検証した(実験例F3~F10)。
Figure 2023150907000010
表10に60℃での浸出工程の試験結果を示す。表10における時間(min)は鉄粉を添加開始時からの経過時間を示す。また、表10におけるpH、温度、ORPは各時点での値、累積添加量(HSO、鉄)は各時点での合計添加量を示す。電極材料(活物質)29.0gを濃度47質量%の硫酸を34mL含む硫酸溶液200mLに加えた(実験例G1)。60℃に安定させた後、pH<2.0となるようさらに濃度質量47%の硫酸を加えた(実験例G2)。鉄を添加し、添加開始からのORPの経時変化を検証した(実験例G3~G10)。
Figure 2023150907000011
表8~10に示す検証例6の結果によれば、液温が高い程、鉄粉の各添加段階で安定ORP値に達する時間が短くなることが確認できた。液温が60℃の溶液では、液温が40℃の溶液と比較して、反応終点に至るまで時間が1/5程度まで短縮可能である。一方で、あまり液温を上げ過ぎても、それ以上、反応終点に至るまで時間の短縮効果は向上しない。こうした検証例6での液温60℃、50℃、40℃における、鉄粉の添加によるORPの変化を図3にグラフで示す。
(検証例7:従来例)
廃LIBから取り出した電極材料(電極活物質)14.5gに濃度47質量%の硫酸31mLを含む硫酸溶液100mLを加えて撹拌を行った。そして、液温を60℃、濃度30質量%の過酸化水素を10mL加え、4時間浸出を行った後、ろ過により固液分離を行い、浸出液を得た。浸出率はコバルト、ニッケルともに98質量%以上であり、鉄は10ppm以下であった。
(検証例8)
検証例8として、出発原料として用いたCoNi含有液の組成を表11に示す。また、pH3、pH4、pH5付近にそれぞれ調整した脱マンガン試験の結果をそれぞれ表12、表13、表14に示す。表12~14において、時間(min)は次亜塩素酸ナトリウム溶液添加開始時からの経過時間を示す。また、表中のpH、温度、ORPは各時点での値、累積添加量(NaClO、NaOH、HSO)は各時点での合計添加量、濃度は各時点での金属濃度の値を示す。CoNi含有液を元にpHを調節し、pH3、pH4、pH5付近のCoNi含有液300mLをそれぞれ作製(pH3:比較例aa1、pH4:比較例ab1、pH3:比較例ac1)し、濃度12質量%の次亜塩素酸ナトリウム溶液を添加してマンガン除去を行った。
次亜塩素酸ナトリウム溶液を添加し始めてマンガンが残留している状態(比較例aa2、aa3、ab2、ab2)と、マンガンを沈殿除去できた状態(比較例aa4、ab3、ac3)はそれぞれ線形近似が可能であり、このうちマンガンが沈殿しきった状態(比較例aa4、ab3、ac3)の近似式は、「ORP=-153.18×pH+1577.2」となる。この近似式のORPに±30mV程度、鉄はマンガンより酸化沈殿されやすいため、マンガンが沈殿しきった状態のORPであれば鉄も同時に沈殿除去可能である。
Figure 2023150907000012
Figure 2023150907000013
Figure 2023150907000014
Figure 2023150907000015
本発明の浸出方法を備えたコバルトおよびニッケルの分離方法は、使用済みのリチウムウムイオン二次電池に含まれる有価金属のうち、特にコバルトおよびニッケルを、他の金属から正確に分離、回収することを可能にし、これにより、リチウムウムイオン二次電池から純度の高いリサイクル資源を効率的に得ることができる。従って、産業上の利用可能性を有する。

Claims (10)

  1. リチウムイオン二次電池の電極材料を酸浸出させる浸出工程を有し、
    前記浸出工程は、前記電極材料に硫酸を加える硫酸添加過程と、鉄粉を添加する鉄粉添加過程と、前記鉄粉の添加後から酸化還元電位を測定し、該酸化還元電位の上昇が見られなくなった時点での酸化還元電位である安定酸化還元電位を特定するORP測定過程と、を有し、
    前記安定酸化還元電位が所定値以下になるまで、前記鉄粉添加過程と前記ORP測定過程とを繰り返すことを特徴とする浸出方法。
  2. 前記安定酸化還元電位の所定値は400mVであることを特徴とする請求項1に記載の浸出方法。
  3. 前記鉄粉添加過程および前記ORP測定過程は、液温が50℃以上、70℃以下の範囲で行うことを特徴とする請求項1または2に記載の浸出方法。
  4. 前記鉄粉添加過程で添加する鉄粉は、平均粒径値(D50)が1mm以下の鉄粉であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の浸出方法。
  5. 前記硫酸添加過程では、pHを1.5以上、2.0以下の範囲にすることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の浸出方法。
  6. リチウムイオン二次電池からコバルトおよびニッケルを分離する、コバルトおよびニッケルの分離方法であって、
    前記リチウムイオン二次電池を粉砕および分級し、少なくともコバルト、ニッケル、銅、およびリチウムを含む電極材料を得る粉砕選別工程、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の浸出方法によって浸出液を生成する浸出工程、
    前記浸出液に硫化水素化合物を加えて撹拌し、硫化銅として銅を沈殿させる銅沈殿工程、
    前記銅沈殿工程で得られた沈殿を含む混合液にアルカリ金属水酸化物を加えてpH調整を行い、第1中和液を得る第1中和過程と、前記第1中和液の固液分離を行い、コバルトおよびニッケルを含む第1溶出液と硫化銅を含む残渣を得る第1濾過過程と、を順に含む第1処理工程、または、
    前記銅沈殿工程で得られた沈殿を含む混合液の固液分離を行い、コバルトおよびニッケルを含む第2溶出液と硫化銅を含む残渣を得る第2濾過過程と、前記第2溶出液にアルカリ金属水酸化物を加えてpH調整を行い、第2中和液を得る第2中和過程と、を順に含む第2処理工程、のうちいずれか一方、
    前記第1処理工程で得た前記第1溶出液、または第2処理工程で得た前記第2中和液に硫化水素化合物を加えて撹拌、固液分離を行い、硫化コバルトおよび硫化ニッケルを含む沈殿物と、リチウムを含む残液とを得るコバルト・ニッケル分離工程、を備え、
    前記第1処理工程で得られた前記第1溶出液、前記第2処理工程で得られた前記第2中和液、前記コバルト・ニッケル分離工程で得られた前記沈殿物を溶解した再溶解液のうちいずれか1つと、次亜塩素酸化合物を添加し、鉄を含む澱物を分離する鉄分離工程を更に備えることを特徴とするコバルトおよびニッケルの分離方法。
  7. 前記銅沈殿工程の後工程として、前記第1処理工程を行うことを特徴とする請求項6に記載のコバルトおよびニッケルの分離方法。
  8. 前記鉄分離工程では、前記再溶解液から鉄を含む澱物を分離することを特徴とする請求項6または7に記載のコバルトおよびニッケルの分離方法。
  9. 前記鉄分離工程では、前記再溶解液に前記次亜塩素酸化合物を添加する際に、酸化還元電位(ORP)およびpHの関係を示す式1によって、前記次亜塩素酸化合物の添加終点を決定することを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載のコバルトおよびニッケルの分離方法。
    ORP=-153.18×pH+1577.2±30(mV)・・・(1)
  10. 前記粉砕選別工程の前工程として、前記リチウムイオン二次電池を加熱して熱処理を行う熱処理工程を備えることを特徴とする請求項6から9のいずれか一項に記載のコバルトおよびニッケルの分離方法。
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