JP2023150625A - インターホン機器 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、来訪者を撮像するためのカメラを備えたインターホン機器に関するものである。
従来、玄関等に設置されて来訪者が居住者を呼び出すためのインターホン子機等のインターホン機器には、来訪者を撮像するためのカメラを備えたものが普及している。そして、そのようなインターホン機器では、カメラをパン/チルト操作可能としたものがあり、たとえば特許文献1に記載のインターホン機器では、本体ケースの背面にカメラをパン/チルト操作する操作摘まみを配置して、設置環境に合わせてカメラの向きの調整を可能としている。
カメラのパン/チルト操作を可能とした従来のインターホン機器では、上述したように本体ケースの背面に操作摘まみが設けられているため、当然のことながら壁面等へ施工後にカメラの撮像角度を調整することはできなかった。しかしながら、調整して施工したにも関わらず、施工後にカメラの向きを変えたい要望がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、壁面等への施工後もカメラのパン/チルト操作が可能で、カメラの撮像角度を調整することができるインターホン機器を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、本体ケース内に、本体ケースの前方を撮像するカメラと、カメラのパン/チルト角度を操作する操作構造とが設けられたインターホン機器であって、操作構造として、カメラの後側でカメラと一体化される基台と、ジョイント部を介して基台の後面に連結されるレバーとが設けられており、レバーは、左右方向へ延びる回動軸部と、回動軸部の一端側から前方へ突出する操作摘まみと、回動軸部の他端側に設けられた連結部とを有し、ジョイント部は、基台と連結部との間に介在され、レバーの基台に対する上下方向を軸とした回動角度のみ変化可能に構成されており、さらに本体ケースの前面には、操作摘まみを露出させる操作窓が開設され、本体ケース内には、左右方向を軸として回動軸部を軸支するとともに、回動軸部の左右方向へのスライドを許容する軸支部が設けられており、操作摘まみを上下方向へ操作すると、回動軸部が回動して連結部が上下方向へ移動し、当該連結部の移動に伴い、レバーの基台に対する上下方向及び前後方向を軸とした回動角度は変化しないまま基台が左右方向を軸として傾き、ひいてはカメラのチルト角度が調整される一方、操作摘まみを左右方向へ操作すると、回動軸部がスライドして連結部が左右方向へ移動し、当該連結部の移動に伴い、レバーの基台に対する上下方向を軸とした回動角度が相対的に変化することにより基台が上下方向を軸として傾き、ひいてはカメラのパン角度が調整されることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明のうち請求項2に記載の発明は、本体ケース内に、本体ケースの前方を撮像するカメラと、カメラのパン/チルト角度を操作する操作構造とが設けられたインターホン機器であって、操作構造として、カメラの後側でカメラと一体化される基台と、ジョイント部を介して基台の後面に連結されるレバーとが設けられており、レバーは、上下方向へ延びる回動軸部と、回動軸部の一端側から前方へ突出する操作摘まみと、回動軸部の他端側に設けられた連結部とを有し、ジョイント部は、基台と連結部との間に介在され、レバーの基台に対する左右方向を軸とした回動角度のみ変化可能に構成されており、さらに本体ケースの前面には、操作摘まみを露出させる操作窓が開設され、本体ケース内には、上下方向を軸として回動軸部を軸支するとともに、回動軸部の上下方向へのスライドを許容する軸支部が設けられており、操作摘まみを左右方向へ操作すると、回動軸部が回動して連結部が左右方向へ移動し、当該連結部の移動に伴い、レバーの基台に対する左右方向及び前後方向を軸とした回動角度は変化しないまま基台が上下方向を軸として傾き、ひいてはカメラのパン角度が調整される一方、操作摘まみを上下方向へ操作すると、回動軸部がスライドして連結部が上下方向へ移動し、当該連結部の移動に伴い、レバーの基台に対する左右方向を軸とした回動角度が相対的に変化することにより基台が左右方向を軸として傾き、ひいてはカメラのチルト角度が調整されることを特徴とする。
本発明によれば、本体ケースの前面に露出する操作摘まみを上下方向(請求項1)若しくは左右方向(請求項2)へ操作すると、カメラのチルト角度が調整され、操作摘まみを左右方向(請求項1)若しくは上下方向(請求項2)へ操作すると、カメラのパン角度が調整されるようになっている。したがって、たとえ壁面等への施工後であっても、本体ケースの前面側からカメラのパン/チルト操作が可能で、カメラの撮像角度を調整可能なインターホン機器とすることができる。
以下、本発明の一実施形態となるインターホン子機について、図面にもとづき詳細に説明する。
図1は、インターホン子機1を正面から示した説明図である。図2は、化粧カバー4が取り外された状態にある本体ケースを正面から示した説明図である。図3は、インターホン子機1を背面から示した説明図である。図4は、前ケース2の後面側を示した斜視説明図である。図5は、後ケース3の前面側を示した斜視説明図である。図6は、組み立て状態にあるカメラ10及び操作構造を示した斜視説明図であり、(a)は前側から、(b)は後側から夫々示している。図7は、カメラ10と操作構造とを分解して前側から示した斜視説明図である。図8は、カメラ10と操作構造とを分解して後側から示した斜視説明図である。図9は、図1中のA-A線断面におけるカメラ10部分を拡大して示した説明図である。図10は、図1中のB-B線断面を示した説明図である。図11は、カメラ10が正面を向いている場合のカメラ10及び操作構造を示した説明図であり、(a)は正面、(b)は背面、(c)は上面を示している。図12は、カメラ10が上方を向いている場合のカメラ10及び操作構造を示した説明図であり、(a)は正面、(b)は背面、(c)は上面を示している。図13(a)は、図12中のC-C線断面を示した説明図であり、図13(b)は、図12中のD-D線断面を示した説明図である。図14は、カメラ10が右方を向いている場合のカメラ10及び操作構造を示した説明図であり、(a)は正面、(b)は背面、(c)は上面を示している。図15(a)は、図14中のE-E線断面を示した説明図であり、図15(b)は、図14中のF-F線断面を示した説明図である。
インターホン子機1は、前側に配置される前ケース2と、後側に配置される後ケース3とで構成される本体ケース、及び本体ケースの前面に組み付けられる化粧カバー4を有してなる。本体ケースの前面上部には、カメラ窓5が開設されており、カメラ窓5内にレンズ6が露出するように、カメラ10が本体ケース内に設置されている。また、カメラ窓5の右側には、通話のためのマイク部7が設けられている。さらに、カメラ窓5の下側には、通話のためのスピーカ部8と、来訪者が居住者を呼び出す際に操作する呼出ボタン9とが設けられている。そして、このようなインターホン子機1は、取付台50を介して住戸の玄関の壁面等に設置されており、来訪者によって呼出ボタン9が操作されると、住戸内に設置されているインターホン親機(図示しない)を呼び出すとともに、カメラ10を作動させて来訪者を撮像する。なお、カメラ10により撮像された映像は、インターホン親機のモニタに表示される。また、51は、カメラ窓5の前方を覆うように化粧カバー4に組み付けられるカメラカバーである。
ここで、本発明の要部となるカメラ10をパン/チルト操作するための構造について説明する。
カメラ10は、レンズ6と、レンズ6を保持するレンズ保持部材19と、レンズ保持部材19を収納するカメラホルダー11と、レンズ保持部材19にネジ止めされる種々の素子が搭載されたカメラ基板12とを有する。また、このようなカメラ10をパン/チルト操作する操作構造としては、カメラ基板12の後側に配される角度調整用基台20と、角度調整用基台20に組み付けられる角度調整用レバー30とが設けられている。
カメラ10は、レンズ6と、レンズ6を保持するレンズ保持部材19と、レンズ保持部材19を収納するカメラホルダー11と、レンズ保持部材19にネジ止めされる種々の素子が搭載されたカメラ基板12とを有する。また、このようなカメラ10をパン/チルト操作する操作構造としては、カメラ基板12の後側に配される角度調整用基台20と、角度調整用基台20に組み付けられる角度調整用レバー30とが設けられている。
カメラホルダー11は、レンズ保持部材19を収納可能な本体13を備えている。本体13は、前方へ膨出するとともに後面が開口したドーム状に成形されており、該本体13の表面には、球面状に成形された球面部13aが設けられている。また、本体13の前面部には、レンズ6を露出させるためのレンズ孔14が開設されている。そして、レンズ保持部材19は、弾性変形可能なパッキン18を介して、レンズ6をレンズ孔14内に露出させた状態で保持されている(図9及び図10に示す)。また、本体13後端の開口周縁でレンズ孔14の中心から直上となる箇所には、鉛直上方へ突出する上回動軸15aが設けられている一方、本体13後端の開口周縁でレンズ孔14の中心から直下となる箇所には、鉛直下方へ突出する下回動軸15bが設けられている。加えて、本体13の後端には、後方へ突出する3つの固定脚16、16・・が設けられており、カメラ基板12をレンズ保持部材19にネジ止めした際には、各固定脚16が、カメラ基板12に設けられた貫通孔17を介して、カメラ基板12よりも後方へ突出するようになっている。なお、球面部13aは、レンズ6の中心線(レンズ孔14の中心でもある)とカメラホルダー11のパン方向での回動軸線(上回動軸15a及び下回動軸15bの軸線と一致)とが交差する点を中心とした球面とされている。
角度調整用基台20は、略円板状の基台部21と、基台部21から前方へ突出する3本の脚部22、22・・と、基台部21の後面から後方へ突出する角度調整用ボス23とを備えた合成樹脂製の部材である。各脚部22の先端面には、カメラホルダー11の固定脚16を遊挿可能な遊挿孔24が開口している。各遊挿孔24の深さは、固定脚16におけるカメラ基板12から後方へ突出する突出長さよりも深く、カメラホルダー11と一体化した際、遊挿孔24の底部と固定脚16の先端との間には隙間が形成されるようになっている。また、遊挿孔24の径は、固定脚16の径よりも僅かに大きくなっている。さらに、角度調整用ボス23は、上面、下面、左右両側面、及び背面を有する正四角柱状に成形され、基台部21の中心(ひいては、カメラホルダー11との一体化に際して、レンズ6の中心線と基台部21とが交差する点)から後方へ突出している。そして、角度調整用ボス23の背面で、レンズ6の中心線と交差する箇所には、前方へ凹んだ角度調整用凹部25が設けられている。さらに、角度調整用ボス23の左右両側には、後述するようにカメラ10をパン操作した際、角度調整用レバー30側(詳しくは、連結部31の前面)に当接して、所定のパン角度を超えてカメラ10が左右方向へ傾くことを規制する規制突起28、29が夫々設けられている。なお、基台部21の前面には、前方へ突出する支持リブ26、26が設けられており、カメラホルダー11との一体化に際して、支持リブ26、26の先端がカメラ基板12の後面に近接して、角度調整用基台20の取付状態の安定化を図るようになっている。また、基台部21の左側縁には、角度調整用レバー30との干渉を防止するための切り欠き27が設けられている。さらに、角度調整用凹部25の内面は略半球面となっている。
角度調整用レバー30は、角度調整用基台20と連結される連結部31、連結部から左方へ突出した後に前方へ延びる腕部32、腕部32の前端から更に左方へ突出するレバー回動軸部33、レバー回動軸部33から前方へ突出する前操作摘まみ34、及び連結部31から後方へ突出する後操作摘まみ35を備えた合成樹脂製の部材である。レバー回動軸部33は、左右方向が軸方向となる円柱状に成形されていて、前操作摘まみ34は、該レバー回動軸部33の前部に設けられている。連結部31は、前後方向が厚み方向となる板状に形成され、特に連結部31の後面は、後方へ膨出するように湾曲する曲面とされていて、該曲面は、レバー回動軸部33の軸線と同じ軸線を中心線とした円周面となっている。そして、そのような連結部31の後面には、上記後操作摘まみ35が突設されているとともに、後操作摘まみ35の周囲には、複数の位置決め突起36、36・・が突設されている。また、連結部31の前面には、角度調整用凹部25に係合可能な角度調整用凸部37が前方へ突設されている。さらにまた、連結部31の前面で、角度調整用凸部37の上下には、角度調整用凸部37と角度調整用凹部25とを係合させた際に、角度調整用ボス23を上下から挟み込む挟持片38、38が前方へ突設されている。なお、角度調整用凸部37の表面は、略半球面となっている。
一方、前ケース2の後面には、カメラ10のパン/チルト操作を可能とする構造として、カメラホルダー11を保持する保持壁40が、カメラ窓5の周縁に沿って後方へ突設されている。そして、カメラ10の本体ケース内への設置に伴い、保持壁40の内面がカメラホルダー11の球面部13aに当接し、カメラ10のパン/チルト操作時も保持壁40と球面部13aとの当接状態が維持されるようになっている。また、前ケース2の後面におけるカメラ窓5の左側には、レバー回動軸部33の前側の周面が当接可能で、レバー回動軸部33の回転を軸支するとともに、角度調整用レバー30の左右方向へのスライドを案内するための前レバー軸受け41が設けられている。さらに、前ケース2における前レバー軸受け41の左側で、前ケース2に組み付けられる化粧カバー4によって被覆される箇所には、前操作摘まみ34を露出させるための前操作窓42が開設されている。なお、カメラ窓5の上下両側には、上回動軸15aや下回動軸15bを軸支するわけではないものの、カメラ10の組み立て時に上回動軸15aや下回動軸15bの左右両側に位置して、カメラ10の位置を大まかに位置決めするための一組の規制壁43、43が後方へ突設されている。
また、後ケース3で、前ケース2への組み付け時にカメラ窓5の後側となる箇所には、後操作摘まみ35を露出させるための後操作窓45が開設されている。また、後ケース3の前面における後操作窓45の周囲には、カメラ10のパン/チルト操作を可能とする構造として、前面が連結部31の後面に当接可能な円周面(左右方向を軸とした円周面)とされた後案内部46が設けられており、連結部31の後面を当接させた状態のまま、レバー回動軸部33の回転等に伴う連結部31の上下方向への回動、及びレバー回動軸部33の左右方向へのスライド等に伴う連結部31の左右方向へのスライドを案内するようになっている。また、後案内部46の前面には多数(位置決め突起36、36・・の数よりも多い)の位置決め凹部47、47・・が設けられており、位置決め突起36、36・・が係合可能となっている。さらに、後ケース3の前面における後案内部46の左側には、前方へ突出する軸支段部48が設けられている。軸支段部48の前面には、レバー回動軸部33の後側の周面が当接可能されており、そのような軸支段部48は、レバー回動軸部33の回転を軸支するとともに、レバー回動軸部33の左右方向へのスライドを案内するための後レバー軸受けとして機能するようになっている。
上述したようなカメラ10をパン/チルト操作可能に設置するにあたっては、予めカメラ基板12がネジ止めされたレンズ保持部材19に対し、その前方からカメラホルダー11を被せるようにして固定脚16、16・・を貫通孔17、17・・に貫通させて、本体13内にレンズ保持部材19を収納し、カメラ10を構成する。そして、まず前ケース2の後面側において、上回動軸15a及び下回動軸15bを規制壁43、43間に位置させながら、保持壁40にカメラホルダー11の球面部13aを当接させて、カメラ窓5内にレンズ6が露出するようにカメラ10を配置する。次に、カメラ基板12よりも後方へ突出する固定脚16、16・・を遊挿孔24、24・・へ遊挿することにより、カメラ基板12の後面上に角度調整用基台20を配して、カメラホルダー11と角度調整用基台20とを一体化する。さらに、前操作摘まみ34を前操作窓42から前方へ突出させつつ、角度調整用凹部25に角度調整用凸部37を係合させて、角度調整用基台20の後側に角度調整用レバー30を組み付ける。そして最後に、後操作窓45から後操作摘まみ35を後方へ突出させつつ、後ケース3を前ケース2に組み付ければ、前ケース2と後ケース3とにより前後から挟持された状態で、カメラ10がパン/チルト操作可能に設置される。また、当該設置状態において、角度調整用レバー30のレバー回動軸部33は、前レバー軸受け42と軸支段部48とにより前後から挟持され、左右方向を軸として回動可能、且つ、左右方向へスライド可能に保持されている。
なお、カメラ10の設置状態において、レバー回動軸部33の軸線は、カメラホルダー11の球面部13aの中心を通っており(すなわち、レンズ6の中心線と、上回動軸15a及び下回動軸15bの軸線と、レバー回動軸部33の軸線とが一点で交差しており)、レバー回動軸部33の軸線がカメラホルダー11のチルト方向での回動軸線となる。また、角度調整用レバー30の位置決め突起36、36・・が、後ケース3の位置決め凹部47、47・・のうちの何れかに夫々係合しており、カメラ10は、パッキン18の弾性力等によって所定のパン/チルト角度で保持された状態となっている。
そして、上記カメラ10をパン/チルト角度を調整する(すなわち、カメラ10をパン/チルト操作する)にあたっては、前操作摘まみ34を操作すればよい。すなわち、カメラ10をチルト方向に回動させるのであれば、前操作摘まみ34を上下方向へ移動させればよく、たとえばカメラ10を上方へ向けたいのであれば、図12に示すように前操作摘まみ34を上側へ操作すればよい。すると、前レバー軸受け41と軸支段部48とにより前後から挟持される格好で軸支されているレバー回動軸部33が、左右方向を軸として上側へ回動する。また、レバー回動軸部33の回動に伴い、後案内部46の前面に沿って連結部31が下方へ移動することになるが、このとき図13に示すように、挟持片38、38により角度調整用ボス23が上下から挟持されているため、角度調整用レバー30の角度調整用基台20に対する左右方向を軸とした回動角度の相対的な変化は規制され、角度調整用凸部37と角度調整用凹部25との係合が維持された状態のまま、角度調整用基台20も下方へ移動しようとする。結果として、球面部13aと保持壁40との当接状態が維持されたまま、カメラホルダー11がカメラ基板12及びレンズ保持部材19と共に上方を向くような姿勢へ姿勢変更し、カメラ10のチルト角度が調整される。
一方、カメラ10をパン方向に回動させるのであれば、前操作摘まみ34を左右方向へ移動させればよく、たとえばカメラ10を右方へ向けたいのであれば、図14に示すように前操作摘まみ34を左側へ操作すればよい。すると、レバー回動軸部33が上記軸支状態のまま左側へスライドする。また、レバー回動軸部33のスライドに伴い、後案内部46の前面に沿って連結部31が左方へ移動することになるが、角度調整用ボス23は左右方向に関しては連結部31側に規制されていないため、角度調整用レバー30の角度調整用基台20に対する上下方向を軸とした回動角度が相対的に変化する。つまり、図15に示すように、角度調整用凸部37と角度調整用凹部25との係合状態が変化して、角度調整用基台20が上下方向を軸として右方を向くように傾く。このとき、固定脚16、16・・が遊挿孔24、24・・に遊挿されていること、カメラホルダー11内でパッキン18が弾性変形すること、及び球面部13aと保持壁40とが当接していることにより、カメラホルダー11は、上回動軸15a及び下回動軸15bの軸線を回動軸として回動する。したがって、球面部13aと保持壁40との当接状態が維持されたまま、カメラホルダー11がカメラ基板12及びレンズ保持部材19と共に右方を向くような姿勢へ姿勢変更し、カメラ10のパン角度が調整される。
なお、カメラ10は、パン方向へのみ、若しくは、チルト方向へのみ角度調整されるわけではなく、上記パン方向への角度調整、及びチルト方向への角度調整を合わせて行う(斜め方向へ操作する)ことで、カメラ10を左斜め上方や右斜め下方へパンチルト操作することができる。この斜め方向への操作では、角度調整用基台20に前後方向を軸とした回転方向へ負荷がかかるが、挟持片38、38が四角柱状の角度調整用ボス23を上下から挟持していることによって、角度調整用基台20、ひいてはカメラ10が前後方向を軸として回転することはない。また、前操作摘まみ34ではなく後操作摘まみ35を操作しても、上記同様にカメラ10のパン角度及びチルト角度を調整することができる。さらに、カメラ10をパン/チルト操作すると、位置決め突起36、36・・は別の位置決め凹部47、47・・に係合して、調整後の角度のままカメラ10を保持することになる。加えて、カメラ10のパン/チルト操作後、化粧カバー4を取り付ければ、前操作摘まみ34及び前操作窓42を化粧カバー4により被覆することができる。
以上のような構成を有するインターホン子機1によれば、カメラ10をパン/チルト操作する操作構造として、カメラ基板12の後側で、カメラ基板12の前方に配されるカメラホルダー11と一体化される角度調整用基台20と、角度調整用基台20に対して上下方向を軸と回動角度のみ変化可能に連結される角度調整用レバー30とを設けている。また、角度調整用レバー30には、左右方向へ延びる腕部32及びレバー回動軸部33と、腕部32及びレバー回動軸部33の一端側であるレバー回動軸部33から前方へ突出する前操作摘まみ34と、腕部32及びレバー回動軸部33の他端側に設けられる連結部31とを備えている。さらに、角度調整用基台20の後面におけるレンズ6の中心線と交差する箇所に、後方へ突出する四角柱状の角度調整用ボス23を設けるとともに、当該角度調整用ボス23の先端面に、前方へ凹んだ角度調整用凹部25を設けている。一方、連結部31の前面に、前方へ突出する角度調整用凸部37と、角度調整用凸部37の上下から前方へ突出する挟持片38、38とを設けている。そして、角度調整用凹部25に角度調整用凸部37が係合し、且つ、角度調整用ボス23が挟持片38、38により上下から挟み込まれる状態で、角度調整用基台20と角度調整用レバー30とを連結している。加えて、前ケース2の前面に、前操作摘まみ34を露出させるための前操作窓42を開設するとともに、前ケース2の後面に前レバー軸受け41を、後ケース3に前方へ突出する軸支段部48を夫々設けることにより、本体ケース内に、左右方向を軸としてレバー回動軸部33を軸支するとともに、レバー回動軸部33の左右方向へのスライド許容する軸支部を設けている。そして、前操作摘まみ34を上下方向へ操作すると、レバー回動軸部33が回動して連結部31が上下方向へ移動し、当該連結部31の移動に伴い、角度調整用レバー30の角度調整用基台20に対する上下方向及び前後方向を軸とした回動角度は変化しないまま角度調整用基台20が左右方向を軸として傾き、ひいてはカメラ10のチルト角度が調整される一方、前操作摘まみ34を左右方向へ操作すると、レバー回動軸部33がスライドして連結部31が左右方向へ移動し、当該連結部31の移動に伴い、角度調整用レバー30の角度調整用基台20に対する上下方向を軸とした回動角度が相対的に変化することにより、角度調整用基台20が上下方向を軸として傾き、ひいてはカメラ10のパン角度が調整されるようにしている。したがって、たとえ壁面等への施工後であっても、本体ケースの前面側からカメラ10のパン/チルト操作が可能で、カメラ10の撮像角度を調整可能なインターホン子機1とすることができる。
また、角度調整用基台20と角度調整用レバー30との連結箇所を、上述したような角度調整用ボス23、角度調整用凹部25、角度調整用凸部37、及び挟持片38、38で構成している。したがって、たとえば金属片同士を軸着して構成する一般的なリンク部に採用されているジョイント部を設けることなく、角度調整用レバー30の角度調整用基台20に対する上下方向を軸とした回動角度のみ変化可能(すなわち、左右方向及び前後方向を軸とした回動角度については変化不能)に構成でき、ジョイント部に係るコストの低減を図ることができる。
なお、本発明に係るインターホン機器は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、インターホン機器の全体的な構成は勿論、カメラの構成やその撮像角度の調整に係る構成等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
たとえば、上記実施形態では、ジョイント部について、レバーの基台に対する上下方向を軸とした回動角度のみ変化可能に構成するとともに、レバーに左右方向に延びる回動軸部を、本体ケースに左右方向を軸として回動軸部を軸支するとともに、回動軸部の左右方向へのスライドを許容する軸支部を設け、パン方向での角度調整に際してはレバーの基台に対する回動角度が相対的に変化する一方、チルト方向での角度調整に際してはレバーの基台に対する回動角度が変化しないように構成しているが、この上下方向と左右方向との関係性を真逆に構成することも可能である。すなわち、ジョイント部について、レバーの基台に対する左右方向を軸とした回動角度のみ変化可能に構成するとともに、レバーに上下方向に延びる回動軸部を、本体ケースに上下方向を軸として回動軸部を軸支するとともに、回動軸部の上下方向へのスライドを許容する軸支部を設け、チルト方向での角度調整に際してはレバーの基台に対する回動角度が相対的に変化する一方、パン方向での角度調整に際してはレバーの基台に対する回動角度が変化しないように構成しても何ら問題はない。
また、上記実施形態では、本体ケースの後面側からもカメラのパン/チルト操作を可能に構成しているが、本体ケースの前面側からしかカメラのパン/チルト操作ができないように構成してもよい。
さらに、上記実施形態では、連結部の後面と後ケースの後案内部とを当接させ、レバーの操作時における動作の安定性向上を図っているが、回動軸部さえ軸支していれば、そのように構成しなくてもよい。
さらにまた、上記実施形態では、カメラを所望のパン/チルト角度で保持可能とするための構成要素として、連結部に位置決め突起を、後案内部に位置決め凹部を夫々設けているが、たとえばカメラを所定の姿勢のまま保持する部材を操作摘まみの近傍に別途設ける等してもよく、カメラを所望のパン/チルト角度で保持可能するための具体的な構成についても、適宜設計変更可能である。
さらに、上記実施形態では、連結部の後面と後ケースの後案内部とを当接させ、レバーの操作時における動作の安定性向上を図っているが、回動軸部さえ軸支していれば、そのように構成しなくてもよい。
さらにまた、上記実施形態では、カメラを所望のパン/チルト角度で保持可能とするための構成要素として、連結部に位置決め突起を、後案内部に位置決め凹部を夫々設けているが、たとえばカメラを所定の姿勢のまま保持する部材を操作摘まみの近傍に別途設ける等してもよく、カメラを所望のパン/チルト角度で保持可能するための具体的な構成についても、適宜設計変更可能である。
またさらに、上記実施形態では、角度調整用ボス、角度調整用凹部、角度調整用凸部、及び挟持片によりジョイント部を構成しているが、たとえば金属板同士を所定の軸周りでのみ回動可能に軸着したような一般的なリンク機構におけるジョイント部を採用することも当然可能である。
加えて、上記実施形態では、インターホン機器の一例であるインターホン子機について説明しているが、本発明は、カメラを備えてさえいれば、インターホン親機や集合住宅インターホンシステムの玄関子機等の他のインターホン機器についても好適に適用することができる。
加えて、上記実施形態では、インターホン機器の一例であるインターホン子機について説明しているが、本発明は、カメラを備えてさえいれば、インターホン親機や集合住宅インターホンシステムの玄関子機等の他のインターホン機器についても好適に適用することができる。
1・・インターホン子機(インターホン機器)、2・・前ケース(本体ケース)、3・・後ケース(本体ケース)、6・・レンズ、10・・カメラ、11・・カメラホルダー、12・・カメラ基板、20・・角度調整用基台(基台)、23・・角度調整用ボス(ジョイント部)、25・・・角度調整用凹部(ジョイント部)、30・・角度調整用レバー(レバー)、31・・連結部、32・・腕部(回動軸部)、レバー回動軸部(回動軸部)、34・・前操作摘まみ(操作摘まみ)、37・・角度調整用凸部(ジョイント部)、38・・挟持片(ジョイント部)、41・・前レバー軸受け(軸支部)、48・・軸支段部(軸支部)。
Claims (2)
- 本体ケース内に、前記本体ケースの前方を撮像するカメラと、前記カメラのパン/チルト角度を操作する操作構造とが設けられたインターホン機器であって、
前記操作構造として、前記カメラの後側で前記カメラと一体化される基台と、ジョイント部を介して前記基台の後面に連結されるレバーとが設けられており、
前記レバーは、左右方向へ延びる回動軸部と、前記回動軸部の一端側から前方へ突出する操作摘まみと、前記回動軸部の他端側に設けられた連結部とを有し、
前記ジョイント部は、前記基台と前記連結部との間に介在され、前記レバーの前記基台に対する上下方向を軸とした回動角度のみ変化可能に構成されており、
さらに前記本体ケースの前面には、前記操作摘まみを露出させる操作窓が開設され、前記本体ケース内には、左右方向を軸として前記回動軸部を軸支するとともに、前記回動軸部の左右方向へのスライドを許容する軸支部が設けられており、
前記操作摘まみを上下方向へ操作すると、前記回動軸部が回動して前記連結部が上下方向へ移動し、当該連結部の移動に伴い、前記レバーの前記基台に対する上下方向及び前後方向を軸とした回動角度は変化しないまま前記基台が左右方向を軸として傾き、ひいては前記カメラのチルト角度が調整される一方、
前記操作摘まみを左右方向へ操作すると、前記回動軸部がスライドして前記連結部が左右方向へ移動し、当該連結部の移動に伴い、前記レバーの前記基台に対する上下方向を軸とした回動角度が相対的に変化することにより前記基台が上下方向を軸として傾き、ひいては前記カメラのパン角度が調整されることを特徴とするインターホン機器。 - 本体ケース内に、前記本体ケースの前方を撮像するカメラと、前記カメラのパン/チルト角度を操作する操作構造とが設けられたインターホン機器であって、
前記操作構造として、前記カメラの後側で前記カメラと一体化される基台と、ジョイント部を介して前記基台の後面に連結されるレバーとが設けられており、
前記レバーは、上下方向へ延びる回動軸部と、前記回動軸部の一端側から前方へ突出する操作摘まみと、前記回動軸部の他端側に設けられた連結部とを有し、
前記ジョイント部は、前記基台と前記連結部との間に介在され、前記レバーの前記基台に対する左右方向を軸とした回動角度のみ変化可能に構成されており、
さらに前記本体ケースの前面には、前記操作摘まみを露出させる操作窓が開設され、前記本体ケース内には、上下方向を軸として前記回動軸部を軸支するとともに、前記回動軸部の上下方向へのスライドを許容する軸支部が設けられており、
前記操作摘まみを左右方向へ操作すると、前記回動軸部が回動して前記連結部が左右方向へ移動し、当該連結部の移動に伴い、前記レバーの前記基台に対する左右方向及び前後方向を軸とした回動角度は変化しないまま前記基台が上下方向を軸として傾き、ひいては前記カメラのパン角度が調整される一方、
前記操作摘まみを上下方向へ操作すると、前記回動軸部がスライドして前記連結部が上下方向へ移動し、当該連結部の移動に伴い、前記レバーの前記基台に対する左右方向を軸とした回動角度が相対的に変化することにより前記基台が左右方向を軸として傾き、ひいては前記カメラのチルト角度が調整されることを特徴とするインターホン機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022059833A JP2023150625A (ja) | 2022-03-31 | 2022-03-31 | インターホン機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022059833A JP2023150625A (ja) | 2022-03-31 | 2022-03-31 | インターホン機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023150625A true JP2023150625A (ja) | 2023-10-16 |
Family
ID=88326491
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022059833A Pending JP2023150625A (ja) | 2022-03-31 | 2022-03-31 | インターホン機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023150625A (ja) |
-
2022
- 2022-03-31 JP JP2022059833A patent/JP2023150625A/ja active Pending
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