JP2023150544A - 近赤外線カットフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】長波長域と短波長域の双方の光をより急峻に吸収して、可視光領域の光を選択的に透過させる近赤外線カットフィルタを提供することを目的とする。【解決手段】本発明の近赤外線カットフィルタ(1)は、少なくとも可視光域よりも長波長域の光を吸収する第1のガラス基材(2)と、少なくとも可視光域よりも短波長域の光を吸収する第2のガラス基材(4)と、第1のガラス基材と第2のガラス基材との間に介在し、特定の波長の光を吸収する樹脂層(3)と、を有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、近赤外線カットフィルタに関する。
従来において、透明基材の表面に誘電体としての無機膜を蒸着し、入射光のうち、紫外光および近赤外光を反射膜により選択的に反射して、可視光のみを透過させる近赤外線カットフィルタが知られている。
このように反射を利用した近赤外線カットフィルタにあっては、例えば、近赤外線カットフィルタを撮像装置に設置すると、反射光によるゴーストやフレア等が観測される問題が生じた。したがって、不要な光は、吸収により取り除くことが求められた。
特許文献1に記載の発明では、ガラスからなる透明基材の表面に、特定の波長を吸収する樹脂層が形成された近赤外線カットフィルタに関する発明が開示されている。
特開2021-15269号公報
特許文献1によれば、反射膜を用いることなく、可視光領域の光を透過するカットフィルタにできるが、より長波長域と短波長域の双方の光を急峻にカットし、可視光領域の光のみを取り出すことが可能なカットフィルタが求められた。
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、長波長域と短波長域の双方の光を急峻に吸収して、可視光領域の光を選択的に透過させる近赤外線カットフィルタを提供することを目的とする。
本発明における近赤外線カットフィルタは、少なくとも可視光域よりも長波長域の光を吸収する第1のガラス基材と、少なくとも可視光域よりも短波長域の光を吸収する第2のガラス基材と、前記第1のガラス基材と前記第2のガラス基材との間に介在し、特定の波長の光を吸収する樹脂層と、を有することを特徴とする。
本発明では、前記樹脂層は、前記近赤外線カットフィルタの透過率曲線の長波長側の半値波長を決定し、前記第2のガラス基材は、前記近赤外線カットフィルタの透過率曲線の短波長側の半値波長を決定することが好ましい。
本発明によれば、長波長域と短波長域の双方の光を急峻に吸収し、可視光領域の光を選択的に透過させることを可能とする。また、色素を含有した樹脂層の両面を、ガラス基材で挟むことにより、大気と遮断し耐候性を向上させることが可能である。
図1は、本実施の形態における近赤外線カットフィルタの断面模式図である。 図2は、本実施の形態の近赤外線カットフィルタに使用されるガラス基材、樹脂層、及び近赤外線カットフィルタの分光透過率曲線を示すグラフである。 図3は、別の実施の形態の近赤外線カットフィルタに使用されるガラス基材、樹脂層、及び近赤外線カットフィルタの分光透過率曲線を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
図1は、本実施の形態における近赤外線カットフィルタ1の断面模式図である。図1に示すように、近赤外線カットフィルタ1は、第1のガラス基材2と、樹脂層3と、第2のガラス基材4とを有して構成される。
図1に示すように、第1のガラス基材2は、樹脂層3の一方の主面に密着し、第2のガラス基材4は、樹脂層3の他方の主面に密着して形成される。第1のガラス基材2と樹脂層3との間、および第2のガラス基材4と樹脂層3との間に、樹脂層3とは別の光吸収層等を介在させることが可能であるが、特に、別の光吸収層を設けることなく、第1のガラス基材2と樹脂層3とを直接密着させ、第2のガラス基材4と樹脂層3とを直接密着させることができる。
図1に示す近赤外線カットフィルタ1は、例えば、矩形板状や円形状の外観を呈しているが特に形状を限定するものではない。
[第1のガラス基材2]
第1のガラス基材2は、少なくとも可視光域よりも長波長域の光を吸収する。「長波長域の光を吸収する」とは、可視光領域を超えた長波長側で、分光透過曲線が立ち下がる特性を有する。第1のガラス基材2における透過率曲線の長波長側の半値波長(NIR_λ50)が、650~800nmの範囲にあることが好ましく、670~770nmの範囲にあることがより好ましく、700nm~750nmの範囲内にあることがさらに好ましい。「長波長側の半値波長(NIR_λ50)」とは、透過率曲線の立ち下がりで透過率が50%となるときの波長をいう。
また、限定されるものではないが、第1のガラス基材2は、800nm以上の分光透過率が25%以下であり、850nm以上の分光透過率が15%以下であり、900nm以上の分光透過率が10%以下であることが好ましい。
また、第1のガラス基材2の分光透過率曲線の短波長側は特に規定するものではないが、紫外線(特に、長波長紫外線)を透過することが好ましく、例えば、短波長側の半値波長(UV_λ50)は、300~360nmの範囲にあることが好ましく、310~350nmの範囲にあることがより好ましく、320~340nmの範囲にあることがさらに好ましい。「短波長側の半値波長(UV_λ50)」とは、分光透過率曲線の立ち上がりで透過率が50%となるときの波長を指す。
例えば、第1のガラス基材2は、リン酸塩系ガラスからなる吸収ガラス基板である。
第1のガラス基材2の厚みは、特に限定されないが、0.01~3.00mmの範囲が好ましく、0.01~2.00mmのものがより好ましく、0.01~1.50mmのものがさらに好ましい。
リン酸塩系ガラスは、必須成分としてのP、Oと、他の任意成分とを含むガラスであり、Feを含むものが特に好ましい。リン酸塩系ガラスが、Feを含むことにより、近赤外光をより効果的に吸収することができる。リン酸塩系ガラスの他の任意成分としては例えば、Ca、Mg、Sr、Ba、Li、Na、K、Csなどが挙げられる。
リン酸塩系ガラスの具体的組成としては、P:0~80%、Al:0~40質量%、RO:0~40質量%(ここで、R=Mg,Ca,Sr,Ba,Znから選択される少なくともいずれか1種)、R'O:0~20質量%(ここで、R'=Li,Na,Kから選択される少なくともいずれか1種)、Fe:0~30質量%を含むものが好ましい。あるいは、リン酸塩系ガラスの具体的組成としては、P:30~75質量%、Al:1~20質量%、RO:1~10質量%、Fe:0.5~25質量%を含むものがより好ましい。
なお、第1のガラス基材2は、フツリン酸塩系ガラスであってもよい。
図2には、第1のガラス基材2としてのリン酸塩系ガラス(型番HA50:HOYA株式会社製)の分光透過率曲線が示されている。図2に示すように、赤外線(波長780nm以上)を吸収し、410nm~600nm程度の可視光域では高い透過率を有することがわかる。
図2に示すように、リン酸塩系ガラス(型番HA50)は、波長が600nm程度を超えると、徐々に透過率が下がり始め、約900nm程度になって透過率が10%を下回る。このように、波長が600nm~900nmの間で徐々に透過率が下がる傾向が見られる。一方、短波長側では、紫外線の波長も一部高い透過率を有することがわかる。
[第2のガラス基材4]
第2のガラス基材4は、少なくとも可視光域よりも短波長域の光を吸収する。「短波長域の光を吸収する」とは、可視光領域よりも短波長側で、分光透過曲線が立ち上がる特性を有する。第2のガラス基材4における透過率曲線の半値波長(UV_λ50)は、380~430nmの範囲にあることが好ましく、390~420nmの範囲にあることがより好ましく、400nm~420nmの範囲内にあることがさらに好ましい。「半値波長(UV_λ50)」とは、透過率曲線の立ち上がりで透過率が50%となるときの波長をいう。
また、分光透過率が72%の波長値と5%の波長値の間隔で規定される波長傾斜幅は、50nm以下であり、好ましくは、30nm以下であり、さらに好ましくは、20nm以下であり、さらにより好ましくは10nm以下である。このように、第2のガラス基材4の透過率曲線は、短波長側において急峻に立ち上がる曲線を描く。第2のガラス基材4の透過率曲線の立ち上がりは、第1のガラス基材2の透過率曲線の立ち下がりに比べて急峻に変化する。第2のガラス基材4は、シャープカットフィルタと呼ばれる。
第2のガラス基材4の厚みは、特に限定されないが、0.01~3.00mmの範囲が好ましく、0.01~2.00mmのものがより好ましく、0.01~1.50mmのものがさらに好ましい。
第2のガラス基材4は、例えば、SiO2、Al23、Li2O、Na2O、K2O、CeO2、TiO2等を含む。SiO2は、ガラスの基本成分であり、ガラスの熱的安定性、化学的耐久性のために重要な成分である。SiO2の含有量は、50~70%であることが好ましく、より好ましくは55~65%である。Al23は、ガラスの分相や失透を抑えるのに有効な成分であり、Al23の含有量は0~5%であることが好ましく、より好ましくは0~2%である。Li2Oはガラスの溶融性を向上させる成分であり、Li2Oの含有量は0~10%であることが好ましく、より好ましくは0~5%である。Na2Oは、ガラスの溶融性を向上させる成分であり、Na2Oの含有量は0~20%であることが好ましく、より好ましくは5~15%である。K2Oは、ガラスの溶融性を向上させる成分であり、K2Oの含有量は、0~20%であることが好ましく、より好ましくは5~15%である。Li2O+Na2O+K2Oの合計含有量は、10~30%であることが好ましく、より好ましくは15~25%である。RO(MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO)は、可視光域の透過率を確保しながらCeO2の吸収を補助し、さらにガラスの溶融成形性、耐失透性、化学的耐久性を向上させるのに有効な成分である。全ROの含有量は5~20%であることが好ましく、より好ましくは13~18%である。
CeO2は、紫外線を吸収するのに不可欠な成分である。CeOの含有量は1~5%であることが好ましく、より好ましくは1.0~3%である。TiO2は、CeO2と組み合わせることによって紫外線劣化防止に有効な成分である。TiO2の含有量は0~5%であることが好ましく、より好ましくは1.0~3%である。
図2には、第2のガラス基材4としてのシャープカットフィルタガラス(型番L42:HOYA株式会社製)の分光透過率曲線が示されている。図2に示すように、シャープカットフィルタガラス(型番L42)は、紫外線を吸収し、それより長波長の光を透過させることがわかる。
図2に示すように、シャープカットフィルタガラス(型番L42)は、波長が410nm~420nm程度で分光透過率が急峻に立ち上がることがわかる。このため、波長傾斜幅が極めて狭く、波長傾斜幅は、10nm程度以下である。
[樹脂層3]
樹脂層3は、第1のガラス基材2と第2のガラス基材4との間に介在し、特定の波長の光を吸収する。
樹脂層3は、特定の波長の光を吸収する色素と樹脂とによって構成された層である。樹脂層3は、例えば、近赤外吸収色素と、透明樹脂とを含むものであり、透明樹脂中に色素が均一に溶解または分散してなるものが好ましい。
樹脂層3の厚みは、特に限定されないが、数μm程度であり、第1のガラス基材2及び第2のガラス基材4に比べて十分に薄い膜厚である。
樹脂層3を構成する近赤外線吸収色素としては、例えば、シアニン系色素、ポリメチン系色素、スクアリリウム系色素、ポルフィリン系色素、金属ジチオール錯体系色素、フタロシアニン系色素、ジイモニウム系色素および無機酸化物粒子から選ばれる一種以上などを使用することができ、このうち、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、フタロシアニン系色素から選ばれる一種以上がより好ましい。
樹脂層3を構成する樹脂としては、ガラス基板接合用の接着剤を用いることができ、好ましくはUV硬化接着剤である。紫外線の照射により生じるラジカルやカチオンを開始種として、ビニル基、アクリロイル基やエポキシ基など重合能を有するオリゴマー、モノマー間の反応により架橋構造が形成される。
樹脂層3は、重合性オリゴマー、重合性モノマー、光重合開始剤及び各種添加剤を含む。光ラジカル重合あるいは光カチオン重合によって、重合性オリゴマー、重合性モノマー、及び光重合開始剤の材質がそれぞれ異なる。光ラジカル重合の場合、アクリル樹脂を用い、光カチオン重合の場合、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。光ラジカル重合では、例えば、重合性オリゴマーとして、ポリエステルアクリレートやウレタンアクリレート等を用い、重合性モノマーとして、アクリレートモノマー等を用い、光重合開始剤として、ベンゾフェノン系やアセトフェノン系等を用いることができる。あるいは、光カチオン重合では、重合性オリゴマーとして、脂環式エポキシやグリシジル型エポキシ等を用い、重合性モノマーとして、ビニルエーテルモノマー等を用い、光重合開始剤として、スルホニウム塩系やヨードニウム塩系等を用いることができる。添加剤として、上記の近赤外線吸収色素および透明樹脂以外に、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、色調補正色素、レベリング剤、帯電防止剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、分散剤、難燃剤、滑剤、可塑剤等の任意成分を含有してもよい。
本実施の形態では、第1のガラス基材2あるいは第2のガラス基材4の表面に樹脂層3としての接着剤を塗工した後、もう一方のガラス基材を貼り合わせ、紫外線を照射する。脱水縮合による熱硬化樹脂では、樹脂層3の両面に各ガラス基材2、4を挟んだ状態で熱硬化を施しても適切に脱水縮合が生じず、樹脂層3と各ガラス基材2、4とを効果的に接着できない。そこで本実施の形態では、樹脂層3としてUV硬化樹脂を用い樹脂層3の両面にガラス基材2、4を配置した状態で紫外線硬化を施す。第2のガラス基材4は、紫外線を吸収するため、紫外線は、第1のガラス基材2側から照射して、樹脂層3をUV硬化することが好ましい。
本実施の形態では、樹脂層3は、特定の波長の光を吸収するように構成された層であり、各ガラス基材2、4の分光透過率特性に応じて吸収波長を設定することにより、所望の可視光領域の光を抽出できる。
樹脂層3においては、650~760nmに極大吸収波長を有する近赤外吸収色素を含むものを採用することができる。また、樹脂層3は、800~1200nmに極大吸収波長を有する近赤外吸収色素をさらに含むことができる。
図2に示す樹脂層には、650~760nmに極大吸収波長を有する近赤外吸収色素が含まれており、波長が600nm程度を超えると、第1のガラス基材2より透過率が急峻に下がり始めることがわかる。
[本実施の形態の近赤外線カットフィルタ1の特徴及び効果]
図2からも明らかなように、本実施の形態では、第1のガラス基材2の分光透過率の立ち下りは、第2のガラス基材4の分光透過率の立ち上がりより緩やかである。したがって、近赤外線カットフィルタ1の透過率曲線の立ち上がりは、第2のガラス基材4における分光透過率曲線の短波長側の半値波長で決定できるが、近赤外線カットフィルタ1の分光透過率の立ち下りを、分光透過率の立ち上がりのように急峻にすべく、樹脂層3にて、近赤外線カットフィルタ1の透過率曲線の長波長側の半値波長を決定した。すなわち、樹脂層3には、少なくとも、近赤外吸収色素を含めて、近赤外線カットフィルタ1の透過率曲線の立ち下がりを、第1のガラス基材2の分光透過率の立ち下りより急峻となるように調整した。
例えば、一例であるが、樹脂層3に極大吸収波長が700nm程度の近赤外吸収色素を含めることで、600nm~700nm付近に、近赤外線カットフィルタ1の透過率曲線の長波長側の半値波長を持たせることができ、近赤外線カットフィルタ1における分光透過率の立ち下がりを、第1のガラス基材2の分光透過率の立ち下がりに比べて急峻にできる。樹脂層3に、どの程度の極大吸収波長を有する近赤外吸収色素を含めるかは、分光透過率の立ち下がりをどの波長域に設定するかで種々調整できる。
これにより、第2のガラス基材4/樹脂層3/第1のガラス基材2の積層構造からなる近赤外線カットフィルタ1において、分光透過率曲線は、透過率曲線の短波長側の半値波長(UV_λ50)が、380~430nm、長波長側の半値波長(NIR_λ50)が、600~700nmであり、可視光域(420nm~650nmの範囲内)を選択的に精度よく透過でき、人間の視感度に近い特性を有することが可能になる。
図2には、第2のガラス基材4(L42)/樹脂層3/第1のガラス基材2(HA50)の3層構造からなる近赤外線カットフィルタ1(L42/樹脂層/HA50)の分光透過率曲線が図示されている。図2に示すように可視光域(約420nm~600nmの範囲内)で優れた透過率を有し、該可視光域の両側の短波長域及び長波長域の双方で急峻な透過率の変化が見られる。図2から明らかなように第2のガラス基材4(L42)は、近赤外線カットフィルタ1における透過率曲線の短波長側の半値波長(UV_λ50)を決定し、樹脂層は、近赤外線カットフィルタ1の透過率曲線の長波長側の半値波長(NIR_λ50)を決定(制御)することがわかる。
また、本実施の形態では、耐候性が悪い色素を含有した樹脂層3の一方の主面のみならず、両方の主面をガラス基材で覆うことで、大気と遮断し樹脂層3の耐候性を向上させることができる効果もある。
[別の実施の形態の近赤外線カットフィルタの構成]
例えば、図2で示したL42/樹脂層/HA50の積層構造に対し、図3では、樹脂層とHA50との間に、フツリン酸塩系ガラス(型番CD700:HOYA株式会社製)のガラス基材を介在させた。これにより、L42/樹脂層/CD700/HA50の積層構造からなる近赤外線カットフィルタにおいて、波長700nm以上の透過率を約5%以下に十分小さくでき、可視光域を精度よく透過させることができる。
[用途]
本実施の形態の近赤外線カットフィルタ1の用途を限定するものではないが、例えば、撮像装置、自動車関連(ウインドシールドガラスなど)、建築用ガラス等に用いることができる。本実施の形態の近赤外線カットフィルタ1を用いた撮像装置は、ゴーストの発生が抑制されるため、色再現性に優れた画像を得ることができる。
本発明の近赤外線カットフィルタは、長波長域と短波長域の双方の光をより急峻に吸収して、可視光領域の光を選択的に透過させる近赤外線カットフィルタにできる。これにより、本実施の形態の近赤外線カットフィルタを撮像装置等に好ましく適用でき、人間の視感度に近い特性を発揮させることが可能になる。
1 近赤外線カットフィルタ
2 第1のガラス基材
3 樹脂層
4 第2のガラス基材

Claims (2)

  1. 少なくとも可視光域よりも長波長域の光を吸収する第1のガラス基材と、
    少なくとも可視光域よりも短波長域の光を吸収する第2のガラス基材と、
    前記第1のガラス基材と前記第2のガラス基材との間に介在し、特定の波長の光を吸収する樹脂層と、を有することを特徴とする近赤外線カットフィルタ。
  2. 前記樹脂層は、前記近赤外線カットフィルタの透過率曲線の長波長側の半値波長を決定し、前記第2のガラス基材は、前記近赤外線カットフィルタの透過率曲線の短波長側の半値波長を決定する、ことを特徴とする請求項1に記載の近赤外線カットフィルタ。

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