JP2023150529A - 報知装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、車体を左右に傾けて旋回する揺動車両には、二輪車だけでなく、揺動三輪車等も存在する。揺動三輪車においても、舵力の方向に旋回するものと推定すると、揺動三輪車が旋回する方向と異なる場合がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、適切な進路に合わせて警告等の情報を報知可能な揺動車両の報知装置を提供することを目的とする。
図1は、本発明の報知装置の実施形態に係る運転支援装置の構成を示す図である。
この運転支援装置10は、車両1に搭載される装置であり、ライダーの重心移動情報DCに基づいて警告等の所定情報を報知する機能を有している。本実施形態において、車両1は、自動二輪車である。なお、車両1は、揺動車両であればよく、自動二輪車以外の二輪車でもよいし、揺動する三輪以上の車輪を有する車両であってもよい。
第1報知部51は、進路推定部42の推定結果から左右に進路変更(例えば、右左折や旋回)することが推定される場合、進路変更前に、車両1の前方左右、左右、後方左右、又は前後方向の少なくともいずれかにフラッシュ光を出射させることで、周囲車両の運転者や、歩行者に対し、進路変更する旨の警告を報知する。
なお、第1報知部51は、フラッシュ光に限定されず、ウインカ等の他の灯火器や、灯火器以外の表示デバイスや音声デバイス等を利用して周囲やライダーに対し、警告等の通知情報を報知するようにしてもよい。例えば、進路変更時の警告を報知する態様に限定されず、表示や音声等によって進路変更しない旨の通知情報を報知するようにしてもよい。
送信先の他の車両等は、例えば、車両1の後方を走行する車両や、車両1が旋回しようとする方向近辺に存在する車両や、車両1の周辺に存在する歩行者が携帯する携帯端末であるが、これらの車両や携帯端末に限定しなくてもよい。
第1報知部51の情報を受信した他の車両等では、他の車両の乗員や歩行者に対し、車両1の進路に関わる情報(例えば、進路変更を知らせる警告)を、表示や音声等によって報知する。
第2報知部52の報知内容は、第1報知部51が他の車両に報知する報知内容と同じでもよいし、異なってもよい。第1報知部51及び第2報知部52の構成、及び報知内容は、適宜に変更可能である。
また、出力部15から第1報知部51及び第2報知部52のいずれかを省略してもよいし、出力部15の構成は適宜に変更してもよい。
まず、運転支援装置10は、車両センサ12で検知された車両情報DMの取得を開始する(ステップS1)。次に、運転支援装置10は、重心移動情報推定部41により、車両情報DMに基づき、ライダーの重心移動情報DC(重心移動量と重心移動方向を含む)を推定する(ステップS2;重心移動推定処理)。
続いて、運転支援装置10は、出力部15により、車両1の進路に基づく報知処理を行う(ステップS4)。
重心移動情報推定部41は、デジタル処理回路(例えばDSP(Digital Signal Processor))で構成され、図3には機能構成を示している。この機能構成によって重心移動量推定処理が実現される。
説明の便宜上、図3には,車両1の車体を、符号1Sを付して示している。車体1Sには、車両1の進路に関わる事象P1として、舵力P1A、走行風や路面等による外乱P1B、ライダーの重心移動P1Cが作用する。これら事象P1の作用の結果は、車体挙動(=舵角、車速、加速度及び角速度からなる車両情報DM)に影響する。
第1挙動情報D1は、ローパスフィルタ62に入力される。ローパルフィルタ62は、高周波成分を除去するデジタルフィルタであり、第1挙動情報D1の高周波成分、つまり、外乱P1Bの影響による車体挙動を除去する。
したがって、ローパスフィルタ62から、ライダーの重心移動P1Cの影響を含む車体1Sの重心移動の挙動を示す車体挙動情報D2(以下、第2挙動情報D2と言う)が出力される。
1計算サイクル前の車両情報DMとは、重心移動情報推定部41を構成するデジタル処理回路の一回分の演算を「計算サイクル」と呼ぶ場合に、一つ前の計算サイクルのときの車両情報DMである。
なお、オブザーバー63の計算に用いる舵力P1Aを、車両センサ12が検知する今の舵力P1Aにする場合を説明したが、1計算サイクル前の舵力P1Aが望ましい。但し、十分に計算サイクルが早い場合において、人間の入力は相対的にゆっくりしていることから舵力P1Aに関しては1計算サイクル前か否かで大きな変化がないので、現在(最新とも言う)の舵力P1Aを用いても十分な算出精度が得られる。また、車両センサ12が検知する現在の舵力P1Aを使用する場合、1計算サイクル前の舵力P1Aを使用する場合と比べて構成を簡易化(処理を簡易化)でき、コスト低減に有利である。
なお、第3挙動情報D3に対応する車体挙動を理論的に求める手法は、公知の技術を広く適用可能である。
進路推定部42は、重心移動情報DCと舵力P1Aを取得し(ステップS11)、重心移動情報DCと舵力P1Aに基づきライダーの重心移動方向に操舵入力があるか否かを判定する(ステップS12)。
ステップS12,S14及びS15は、ライダーの重心移動に基づき車両1が進路変更しようとしているか否かを判定するための処理である。
一方、ライダーの重心移動方向に操舵入力がない場合(ステップS12;NO)、進路推定部42は、ライダーの重心移動量の変化が、車両1の進路変更がないものとみなせる程度に小さいか否かを判定する(ステップS14)。このステップS14において、進路推定部42は、ライダーの重心移動量の変化の程度を示す情報X1と、車両1の進路変更がないことを判別するための判定用の閾値Y1との比較に基づき、車両1の進路変更がないか否かを判定する。上記情報X1は、例えば、重心移動量の変化率(所定時間当たりの変化量)が採用され、閾値Y1は、情報X1から車両1の進路変更を判定可能な適宜な閾値が採用される。
つまり、ステップS14の処理は、ライダーの重心移動量の変化に基づいて車両1の進路変更の有無を判定する処理となっている。なお、上記情報X1及び閾値Y1は、ライダーの重心移動量から車両1の進路変更を判定可能な範囲で適宜な情報や値を採用すればよい。
つまり、ステップS15の処理は、舵力の入力の変化に基づいて車両1の進路変更を判定する処理となっている。なお、上記情報X2及び閾値Y2は、舵力から車両1の進路変更を判定可能な範囲で適宜な情報や値を採用すればよい。
このようにして、ライダーの重心移動方向と同方向に操舵された場合や、ライダーが重心移動を殆どしない状態で、舵力の変化が小さい場合、車両1の進路は維持される旨を報知する報知処理が実施される。
進路変更方向は、例えば、進路変更前の車体を基準とした進路変更後の方向であり、左右いずれかの方向である。より具体的には、ステップS16の処理では、進路変更方向については、重心移動方向への進路変更、又は、舵力と逆方向への進路変更と判定する。
ステップS16の処理においては、推定した進路変更方向、進路変更量、及び進路変更速度等の情報に基づき、車両1の進路を高精度に特定することが可能になる。なお、ステップS16の処理においては、報知に必要な程度に車両1の進路を特定できればよく、必ずしも進路変更方向、進路変更量、及び進路変更速度の全てを特定する必要はない。
例えば、車両1の進路が変更される場合として、ライダーに旋回開始の意思がある場合、ライダーが左右いずれかに重心移動しているときはハンドルが逆操舵される。この場合、ライダーが車体の傾斜方向に重心移動し、車体の傾斜方向と逆方向に舵力の入力が行われ、ライダーの重心移動量、及び/又は舵力の変化が大きくなる。したがって、ステップS12→ステップS14→ステップS16→ステップS17へと処理が進み、進路変更する旨の警告、及び車両1の進路といった所定情報が報知される。
例えば、二輪車からなる車両1においては、図5に示すように、旋回開始の直前において、車両1が直進を継続している状態でライダーUが旋回の準備をしている状態(旋回予備動作と言う)の場合がある。旋回予備動作は、ライダーUが旋回側(進行方向の左側)に大きく重心移動しているものの、重心移動方向に相補する量の舵力を入力している為、車両1は傾斜を始めず直進する。
ライダーの重心移動情報DCを含む情報に基づいて車両1の進路を推定するので、舵力の方向と進路が異なることがある二輪車において、適切な進路を推定できる。この進路に基づいて警告等の所定情報を報知するので、適切な進路に合わせて適切な情報を報知できる。また、ライダーの意思に合わせて警告等の情報を報知できる。
しかも、閾値Y1,Y2を車速に応じて変化する値にすることで、車速に応じてライダーによる重心移動量の変化や舵力の変化が変わっても、進路変更の有無をより適切に推定できる。
重心移動情報DCに基づいて警告等の所定情報を報知するようにすれば、重心移動情報DCから特定可能なライダーの重心移動量、及びライダーの重心移動方向の少なくともいずれかに合わせて適切な情報を報知できる。
例えば、ライダーの重心移動量が左右一方に所定の閾値以上であった場合、ライダーが左右一方に進路変更しようとしているものとみなすことができ、適切な情報を報知できる。
また、重心移動情報推定部41が、外部からライダーの重心移動情報DCを取得するものであってもよい。
この運転支援装置10は、ライダー転倒検知部43を有する点が上記運転支援装置10と異なる。以下、異なる部分を説明し、重複説明は省略する。
ライダー転倒検知部43は、重心移動情報推定部41と進路推定部42との間に設けられ、重心移動情報推定部41の推定結果を利用してライダーの転倒を検知する。ライダー転倒検知部43がライダーの転倒を検知する処理を行った後に、進路推定部42が、車両1における正確な将来の進路を推定する。
運転支援装置10は、車両センサ12で検知された車両情報DMの取得を開始し(ステップS1)、重心移動情報推定部41により重心移動量推定処理を行う(ステップS2)。
これに対し、ライダーの重心移動量が第2閾値Z1を超える場合(ステップS21;NO)、運転支援装置10は、ライダー転倒検知部43により、センサ異常が否かを判定し(ステップS22)、センサ異常と判定した場合(ステップS22;YES)、出力部15により、システムエラーを報知する処理を行う(ステップS23)。
ここで、車両センサ12の各値を読み取り、いずれかの値に異常がある場合にセンサ異常と判定される。この場合は車両センサ12のいずれかが正常に機能していないため、システムエラーとして報知される。システムエラーの報知は、例えば、第2報知部52を利用することによって、ライダーを含む車両1の乗員に対しシステムエラーを報知する。
続いて、運転支援装置10は、出力部15により、ライダーの転倒を報知する報知処理を行うと共に、不図示のエンジン制御により、エンジンを停止させる(ステップS24)。
ここで、ライダーの転倒を報知する報知処理は、例えば、第1報知部51を利用することによって、灯火器53、表示デバイス、音声デバイス及び通信デバイス等を介して、周囲車両の運転者や、歩行者に対し、ライダーの転倒を報知する。
また、ライダー転倒検知部43は、重心移動情報DCから特定されるライダーの重心移動量と、転倒判定用の閾値からなる第2閾値Z1との比較に基づき、ライダーの転倒を検知するので、ライダーの転倒を簡易に検知でき、転倒検知に要する演算負荷を低減できる。
例えば、車両1が、周囲を撮影する撮影カメラや、周囲の物体を検知する周囲物体検知センサを有し、車両1の走行に影響する対象物を検知した場合に警告を報知する構成の場合に、車両1における正確な将来の進路に基づいて、その進路上の対象物の有無を高精度に検知し、適宜にライダーなどに警告を行ったり、自動ブレーキ制御を行ったりしてもよい。
また、ライダー転倒検知部43は、重心移動情報推定部41と進路推定部42との間に限定しなくてもよい。
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
重心移動情報を含む情報に基づいて自車両の進路を推定するので、舵力の方向と進路が異なることがある揺動車両において、適切な進路を推定できる。この進路に基づいて所定情報を報知するので、適切な進路に合わせて適切な情報を報知できる。
これにより、進路変更の有無をより適切に推定でき、より適切な進路に合わせて適切な情報を報知できる。
これにより、進路変更の有無をより適切に推定でき、より適切な進路に合わせて適切な情報を報知できる。
ライダー転倒検知部は、重心移動情報推定部と進路推定部との間に設けられるので、転倒の検知を車両の各センサが情報を検知する毎に毎回判断するのではなく、重心移動情報推定部の推定結果を利用して転倒を検知でき、転倒検知に要する演算負荷を低減できる。また、進路推定部の推定結果を待たずにライダーの転倒を検知でき、ライダーの転倒を速やかに報知し易くなる。
重心移動情報から特定される重心移動量と所定の第2閾値との比較に基づき、ライダーの転倒を検知するので、ライダーの転倒を簡易に検知でき、転倒検知に要する演算負荷を低減できる。
第1閾値は車速に応じて変化するので、車速に応じてライダーによる重心移動量の変化や舵力の変化が変わっても、進路変更の有無をより適切に推定できる。
第2閾値は車速に応じて変化するので、車速に応じてライダーによる重心移動量の変化等が変わっても、進路変更の有無をより適切に検知できる。
この構成によれば、既存部品となる灯火器を活用して警告等を報知でき、安価なシステムで警告等を報知できる。
10 運転支援装置(報知装置)
12 車両センサ
13 演算部
14 記憶部
15 出力部
31 車速センサ
32 舵角センサ
33 舵力センサ
34 慣性センサ
41 重心移動情報推定部
42 進路推定部
43 ライダー転倒検知部
53 灯火器
Claims (8)
- 所定情報を報知する揺動車両の報知装置において、
ライダーの重心移動情報を推定する重心移動情報推定部(41)と、
前記重心移動情報を含む情報に基づいて自車両(1)の進路を推定する進路推定部(42)とを備え、
前記進路に基づいて所定情報を報知することを特徴とする報知装置。 - 前記進路推定部(42)は、前記自車両(1)の舵力の方向が、前記重心移動情報から特定される重心移動方向の逆方向の場合に、前記自車両の進路が、前記重心移動方向へ変更されると推定することを特徴とする請求項1に記載の報知装置。
- 前記進路推定部(42)は、所定の第1閾値よりも、前記重心移動情報から特定される重心移動量の変化、又は、前記自車両(1)に作用する舵力の変化が大きい場合に、前記自車両の進路が、重心移動の方向へ変更されると推定することを特徴とする請求項1又は2に記載の報知装置。
- 前記ライダーの転倒を検知するライダー転倒検知部(43)を備え、
前記ライダー転倒検知部(43)は、前記重心移動情報推定部(41)と、前記進路推定部(42)との間に設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の報知装置。 - 前記ライダー転倒検知部(43)は、前記重心移動情報から特定される重心移動量と所定の第2閾値との比較に基づき、前記ライダーの転倒を検知することを特徴とする請求項4に記載の報知装置。
- 前記第1閾値は、車速に応じて変化することを特徴とする請求項3に記載の報知装置。
- 前記第2閾値は、車速に応じて変化することを特徴とする請求項5に記載の報知装置。
- 前記自車両(1)は、フラッシュ光を出射可能な灯火器(53)を備え、
前記所定情報を報知する処理として、前記灯火器(53)からフラッシュ光を出射させることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の報知装置。
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