JP2023150514A - 回転電機のコア部製造方法、コア部製造装置及びコア部 - Google Patents

回転電機のコア部製造方法、コア部製造装置及びコア部 Download PDF

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Abstract

【課題】 鉄心本体の塗装対象箇所以外への電着塗料の接触をマスク機構で防止して、鉄心本体への電着塗装を効率よく行うことができ、絶縁部形成に係る作業効率を向上させられる、回転電機のコア部製造方法を提供する。【解決手段】 鉄心本体11に対し、マスク機構30をなす端面マスク部と径方向マスク部の各弾性体を鉄心本体11に接触させ、スロット13の各方向の開口を塞ぐと共に、端面マスク部の弾性体と径方向マスク部の弾性体とを接触させて、各弾性体の間にスロット13に通じる隙間が生じない状態とし、鉄心本体11のスロット13に面する表面をスロット13と共に外部から隔離して、スロット13に導入される電着塗料をスロット13に保持して電着塗装を行うことから、塗装の必要のない箇所への塗料の付着を防止でき、電着塗料を無駄なく効率的に使用でき、電着塗料の使用に係るコストを抑えられる。【選択図】 図2

Description

本発明は、回転電機の固定子又は回転子におけるコア部の製造方法に関し、特に鉄心の一部表面に絶縁部を配設する製造方法に関する。
電動機や発電機といった回転電機の固定子又は回転子において、コイルを配設されるコアには、積層鉄心が一般に用いられる。このコアをなす積層鉄心は、通常、環状のヨーク部と、このヨーク部から突出して放射状に配置される複数のティース部とを有しており、コイルは積層鉄心の各ティース部に巻回状態で配設される。
積層鉄心では、防錆や、積層鉄心とコイルとの間の絶縁状態を確実にするなどの目的で、積層鉄心の表面に、絶縁膜を配設するのが一般的であった。
こうした従来のコア部をなす積層鉄心に絶縁膜を設ける具体的な方法としては、電着塗装が一つの例として挙げられる。この電着塗装により絶縁膜を設ける方法の例として、特開平5-268738号公報や特開平6-327199号公報に開示されるものがある。
特開平5-268738号公報 特開平6-327199号公報
従来の積層鉄心への電着塗装は、前記各特許文献に示される方法でなされており、積層鉄心の表面全体に電着塗装を行い、積層鉄心全体を覆う塗膜を形成するものとなっている。
積層鉄心のコイルに対する絶縁を確実にするために絶縁膜を設ける場合、積層鉄心において絶縁膜を設けるべき箇所は、積層鉄心表面のうち、コイルの通る箇所の周囲、すなわち、スロットに面するヨーク部の内周面及びティース部の側面であり、本来はこれらの部位にのみ絶縁膜を形成するための電着塗装を行えばほぼ事足りる。
しかしながら、従来の方法では、積層鉄心全体に電着塗装を行っていたことから、必要のない部位まで塗膜を付けることになり、電着塗料を無駄に消費してしまう他、場合によっては塗装後に一部の塗膜を除去する手間がかかるという課題を有していた。
これに対し、積層鉄心において絶縁膜の配設が必要な箇所にのみ、電着塗料を接触させて電着塗装で塗膜を形成することが考えられる。この場合、塗装を行わない部分をマスク用治具でマスキングする必要がある。ただし、こうしたマスク用治具の積層鉄心への装着は、手間がかかり、生産性を低下させるという新たな問題が生じる。
特に、積層鉄心のスロットに面する表面を塗装対象としてマスク用治具を取り付ける場合、スロットを複数方向からそれぞれ閉塞する複数のマスク用治具が必要となることから、それらをスロットからの塗料の漏れが生じない状態で適切に配置することは困難であった。
また、電着塗装に際しては、流動性の高い電着塗料に積層鉄心が接する状態で行われることから、積層鉄心をなす金属薄板間の微小隙間に電着塗料が浸透して、積層鉄心の積層方向寸法増大や、鉄心の平坦性、真直性の悪化などを招くおそれがあった。
一方、このような電着塗料の隙間への浸透を防ぐため、積層鉄心をその積層方向に加圧して薄板間の隙間をなくすような加圧用治具を積層鉄心に装着することも考えられる。しかし、その場合には、積層鉄心の周囲に加圧用治具が加わることで、マスク用治具の配置がさらに困難なものになるという問題が生じる。
加えて、電着塗装で得られた塗膜は、一般に加熱によって、硬化した完成状態に到ることから、塗装後の塗膜を安定的に保持するために加圧用治具やマスク用治具を積層鉄心に取り付けたままで加熱を行う場合、こうした加圧用治具やマスク用治具も高温にさらされる。このため、これらの治具には耐熱性が求められることとなり、使用できる材質が限られる分、高コストとなるおそれがある。
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、鉄心本体の塗装対象箇所以外への電着塗料の接触をマスク機構で防止して、鉄心本体への電着塗装を効率よく行うことができ、絶縁部形成に係る作業効率を向上させられる、回転電機のコア部製造方法、及び、このコア部製造方法を適用するコア部製造装置、並びに、このコア部製造方法により得られるコア部を提供することを目的とする。
本発明の開示に係る回転電機のコア部製造方法は、磁性金属材料製の薄板が複数積層されて形成される鉄心本体に対し、当該鉄心本体の少なくとも一部に絶縁部を配設して、回転電機の回転子又は固定子の一部をなすコア部を製造する、コア部製造方法において、前記鉄心本体における前記絶縁部の配設予定箇所を、所定のマスク機構で前記配設予定箇所以外の部分から隔離した上で、前記配設予定箇所に対し塗装を行う塗装工程を少なくとも含み、前記鉄心本体が、環状のヨーク部と、当該ヨーク部から突出して放射状に配置される複数のティース部とを備え、前記ヨーク部及び隣り合うティース部の間を、薄板積層方向に連続するスロットとされてなり、前記スロットに面する前記ヨーク部及びティース部の表面を、前記絶縁部の配設予定箇所とされ、前記マスク機構が、前記鉄心本体の薄板積層方向両端面にそれぞれ接して前記スロットの前記薄板積層方向の開口を閉塞可能とする二つの端面マスク部と、前記鉄心本体の径方向の一端面に接して前記スロットの前記径方向の開口を閉塞可能とする径方向マスク部とを少なくとも有し、前記端面マスク部における前記鉄心本体端面に接する部分、及び、前記径方向マスク部における前記鉄心本体の径方向の一端面に接する部分が、それぞれ弾性変形可能な弾性体とされ、前記塗装工程で、前記マスク機構の端面マスク部が前記スロットの前記薄板積層方向の開口を閉塞し、前記径方向マスク部が前記スロットの前記径方向の開口を閉塞し、さらに前記端面マスク部の弾性体と前記径方向マスク部の弾性体とが接して、前記スロットを外部から隔離した状態としてから、前記スロットに電着塗料を注入し、前記鉄心本体を通じた通電により電着塗装を実行し、前記配設予定箇所に前記絶縁部となる塗膜を形成するものである。
このように本発明の開示によれば、回転電機のコア部をなす鉄心本体に対し、マスク機構をなす端面マスク部と径方向マスク部の各弾性体を鉄心本体に接触させ、スロットの各方向の開口を塞ぐと共に、端面マスク部の弾性体と径方向マスク部の弾性体とを接触させて、各弾性体の間にスロットに通じる隙間が生じない状態として、スロットを完全に閉塞し、絶縁部の配設予定箇所となる鉄心本体のスロットに面する表面をスロットと共に外部から隔離して、スロットに導入される電着塗料を外に漏らすことなくスロットに保持して電着塗装が行えるようにすることにより、塗装の必要のない箇所への塗料の付着を防止でき、電着塗料を無駄なく効率的に使用でき、電着塗料の使用に係るコストを抑えられると共に、塗装対象箇所以外への塗料の付着に伴う後処理の手間やメンテナンスコストの増大を阻止できる。また、マスク機構により鉄心本体の塗装対象箇所の他からの隔離を容易且つ速やかに実行でき、マスキングの作業の自動化も問題なく行え、生産性向上を図りやすい上、マスク機構は繰り返し使用でき、ランニングコストや環境負荷を抑えられる。
本発明の第1の実施形態に係るコア部製造装置の概略構成図である。 本発明の第1の実施形態に係るコア部製造装置の概略断面説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るコア部製造装置の上端面マスク部及び加圧治具取り外し状態の概略平面図である。 本発明の第1の実施形態に係るコア部製造装置における径方向マスク部によるスロット閉止状態説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るコア部製造装置における上下端面マスク部の要部断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るコア部製造装置における上端面マスク部のマスク体による鉄心本体上端面の押圧状態拡大説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るコア部製造装置における径方向マスク部のマスク体による鉄心本体内周面の押圧状態拡大説明図である。 図8(a)は本発明の第1の実施形態に係るコア部製造方法で得られたコア部の平面図であり、図8(b)は図8(a)のA部拡大図である。 本発明の第2の実施形態に係るコア部製造装置における上端面マスク部のマスク体による鉄心本体上端面の押圧状態拡大説明図である。 本発明の第3の実施形態に係るコア部製造装置の概略断面説明図である。 本発明の第3の実施形態に係るコア部製造装置における径方向マスク部によるスロット閉止状態説明図である。
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る回転電機のコア部製造方法を図1~図8に基づいて説明する。本実施形態においては、回転電機としての電動機における固定子の一部をなすコア部を製造する方法の例について説明する。
各図において本実施形態に係るコア部製造方法は、鉄心本体11における絶縁部15の配設予定箇所を、所定のマスク機構30で配設予定箇所以外の部分から隔離した上で、配設予定箇所に対し塗装を行う塗装工程を少なくとも含み、この塗装工程で、マスク機構30により鉄心本体11のスロット13を外部から隔離した状態としてから、スロット13に電着塗料を注入し、鉄心本体11を通じた通電により電着塗装を実行し、スロット13に面する配設予定箇所に絶縁部15となる塗膜81を形成するものである。
本実施形態に係るコア部製造方法を適用するコア部製造装置1は、加圧治具20で加圧された状態にある鉄心本体11に対し、絶縁部15の配設予定箇所である鉄心本体11の各スロット13に面する表面への電着塗装を施す塗装工程を実行するものである。詳細には、コア部製造装置1は、加圧治具20を取り付けられて加圧された状態にある鉄心本体11における絶縁部15の配設予定箇所を他から隔離して、この箇所のみへ電着塗料80を導けるようにするマスク機構30と、電着塗装のために電着塗料80に通電する通電機構40を備える構成である。
本実施形態に係るコア部製造方法により製造されるコア部10は、磁性金属材料製の薄板11aを複数積層して形成される鉄心本体11と、この鉄心本体11の一部の表面に設けられる樹脂製の絶縁部15とを備える構成である(図8参照)。このコア部10は、コイルを巻回状態で配設されることで、回転電機(電動機や発電機)の固定子をなす、公知の構造を有するものであり、詳細な説明を省略する。
鉄心本体11は、磁性金属材料製の薄板11aを複数積層して形成される積層鉄心である。この鉄心本体11をなす薄板11aは、電磁鋼やアモルファス合金等からなる薄板材から打抜き形成されるものである。
鉄心本体11は、環状のヨーク部11bと、このヨーク部11bの内周側から突出して放射状に配置される複数のティース部11cとを備える構成である。鉄心本体11におけるヨーク部11b及び隣り合うティース部11cの間が、薄板積層方向に連続するスロット13とされる。そして、鉄心本体11の中央部には、薄板積層方向に貫通すると共にスロット13に通じる中心孔14が設けられる。
鉄心本体11のスロット13は、コイルを設けるための隙間であり、複数等間隔で設けられ、鉄心本体11中央の回転子の配設位置となる空間である中心孔14に通じている。なお、鉄心本体において、全てのスロットが等間隔で設けられる必要はなく、一部異なる間隔であってもかまわない。
こうした各スロット13に面する鉄心本体11の表面、すなわち、スロット13に面する、ヨーク部11bの内周面及びティース部11cの側面が、絶縁部15の配設予定箇所とされて、塗装工程等を経て絶縁部15を配設される。
絶縁部15は、電着塗料80の電着塗装により形成された塗膜81を加熱して硬化させた絶縁樹脂膜であり、鉄心本体11の各スロット13に面する表面に密着一体化させて配設されるものである。
電着塗料80は、電着塗装用の導電性のある塗料液であって、通電によって一方の電極をなす被塗装物表面に塗膜形成成分を析出させて不溶性の塗膜を形成可能な公知の組成を有するものであり、詳細な説明を省略する。
絶縁部15は、スロット13に面するヨーク部11b及びティース部11cの各表面で、鉄心本体11をなす薄板11a間にある凹状部分を全て埋め、薄板11a端部を覆うように配設される。これにより、絶縁部15は、スロット13に面する鉄心本体11の表面の絶縁状態を確保すると共に、積層されて隣り合う薄板11a同士の連結強化に寄与する。また、絶縁部15は、これで覆われる鉄心本体1の表面に対する防錆効果も有することとなる。
加圧治具20は、鉄心本体11の薄板積層方向両端面に接してこれを押圧する二つの治具プレート21と、これら治具プレート21を連結すると共に、治具プレート21同士を近付ける向きに付勢して、治具プレート21から鉄心本体11の端面への押圧力を生じさせる連結部22とを備えるものである。加圧治具20は、各治具プレート21を鉄心本体11の薄板積層方向両端面にそれぞれ当接させ、連結部22により付勢された二つの治具プレート21で鉄心本体11を挟持加圧することで、鉄心本体11をなす各薄板11a間から電着塗料80の浸入可能な隙間をなくすことができる。
この加圧治具20の治具プレート21には、鉄心本体11に対しマスク機構30による隔離が適切に行えるように、マスク機構30の一部を貫通させて、この一部を鉄心本体11の薄板積層方向の端面に接触可能とするための孔21aが設けられる。
コア部製造装置1のマスク機構30は、鉄心本体11における絶縁部15の配設予定箇所としての、鉄心本体11の各スロット13に面する表面を、これら以外の部分から隔離し、配設予定箇所に対してのみ塗装工程による塗装を行えるようにするものである。
マスク機構30は、具体的には、鉄心本体11の薄板積層方向の上端面に接してスロット13の薄板積層方向の上側開口を閉塞可能とする上端面マスク部31と、鉄心本体11の薄板積層方向の下端面に接してスロット13の薄板積層方向の下側開口を閉塞可能とする下端面マスク部32と、鉄心本体11における径方向の一端面に接してスロット13の径方向の開口を閉塞可能とする径方向マスク部33とを備える構成である。
マスク機構30をなす上端面マスク部31、下端面マスク部32、及び径方向マスク部33は、鉄心本体11を保持しつつ、各スロット13を外部に対し閉塞してこれらのスロット13に電着塗料80を注入可能とすることで、絶縁部15の配設予定箇所である鉄心本体11の各スロット13に面する表面のみが電着塗装の対象(被塗装物)となるようにするものである。これにより、通電機構40で電着塗料80に対し通電した際には、鉄心本体11の各スロット13に面する表面のみで電着塗装を進行させられることとなる。
上端面マスク部31及び下端面マスク部32は、鉄心本体11を、その薄板積層方向両側から挟持しつつ、鉄心本体11におけるスロット13の薄板積層方向の開口を閉塞するものである。
上端面マスク部31及び下端面マスク部32は、鉄心本体11を挟持する状態で鉄心本体11の中心孔14と重なる位置に、鉄心本体11の中心孔14と同じ径の孔を設けられ、この孔に径方向マスク部33を配置可能とされる。
これら上端面マスク部31及び下端面マスク部32による、鉄心本体11の挟持状態で、鉄心本体11の薄板積層方向の上下端面に加わる押圧力は、加圧治具20による加圧力より小さく、鉄心本体11各部を変形させない程度の適切な大きさ、例えば、後工程のティース部11cへのコイル巻回時に加わる圧力程度、となるようにするのが望ましい。
上端面マスク部31は、加圧治具20を取り付けられた状態で、上下の端面マスク部間に搬入された鉄心本体11の上方に位置して、下端面マスク部32と共に鉄心本体11を加圧治具20ごと挟持しつつ、鉄心本体11におけるスロット13の上側の開口を塞ぐものである。この上端面マスク部31は、鉄心本体11の薄板積層方向の上端面に当接する弾性材製のマスク体31aと、このマスク体31aを支える硬質の基板部31bとを備える構成である。また、上端面マスク部31は、鉄心本体11の各スロット13に連通して電着塗料80等を流通させられる液通路31cを設けられる構成である。
上端面マスク部31のマスク体31aは、シリコーン樹脂からなる弾性体である。ただし、マスク体31aに、微小な凹凸などへの形状追従性に優れ、且つ耐溶剤性や耐薬品性の高い他の弾性材、例えば、フッ素系樹脂やウレタン系樹脂等を用いる構成としてもかまわない。このマスク体31aには、加圧治具20の孔21aに対し上方から挿入可能な下向きの突出部31dが形成され、このマスク体31aにおける突出部31dが孔21aを通じて鉄心本体11の上端面に接触可能とされる。
マスク体31aの突出部31dは、スロット13より幅広形状とされ、スロット13周囲の鉄心本体11の上端面に接しつつ、スロット13の上側の開口を塞ぐことができる。
このマスク体31aは、下向きの突出部31dを含め、その内周部分が鉄心本体11の中心孔14に面する内周面と同じ径となる面とされる。
上端面マスク部31の液通路31cは、上端面マスク部31内で複数分岐する通路として設けられ、通路の一方の開口を上端面マスク部31の側面に一つ設けられると共に、他方の開口を上端面マスク部31における鉄心本体11の各スロット13に対応する箇所にそれぞれ設けられ、鉄心本体11の各スロット13に連通するようにされる構成である。
詳細には、上端面マスク部31と下端面マスク部32とで鉄心本体11が挟持された状態において、マスク体31aの各突出部31dにおけるスロット13に面する部位に、液通路31cの他方の開口が設けられる。上端面マスク部31の側面に設けられる液通路31cの一方の開口は、電着塗料80等のスロット13に流通させる液剤の供給口又は排出口とされる。
下端面マスク部32は、上下の端面マスク部間に搬入された鉄心本体11の下方に位置して上端面マスク部31と共に鉄心本体11を挟持しつつスロット13の下側の開口を塞ぐものである。この下端面マスク部32は、鉄心本体11の薄板積層方向の下端面に当接する弾性材製のマスク体32aと、このマスク体32aを支える硬質の基板部32bとを備える構成である。また、下端面マスク部32は、鉄心本体11の各スロット13に連通して電着塗料80等を流通させられる液通路32cを設けられる構成である。
下端面マスク部32のマスク体32aは、上側のマスク体31a同様、シリコーン樹脂からなる弾性体であるが、他の弾性材を用いる構成とすることもできる。マスク体32aには、加圧治具20の孔21aに対し下方から挿入可能な上向きの突出部32dが形成され、このマスク体32aにおける突出部32dが孔21aを通じて鉄心本体11の下端面に接触可能とされる。
マスク体32aの突出部32dは、スロット13より幅広形状とされ、スロット13周囲の鉄心本体11の下端面に接しつつ、スロット13の下側の開口を塞ぐことができる。
このマスク体32aは、上向きの突出部32dを含め、その内周部分が鉄心本体11の中心孔14に面する内周面と同じ径となる面とされる。
下端面マスク部32の液通路32cは、下端面マスク部32内で複数分岐する通路として設けられ、通路の一方の開口を下端面マスク部32の側面に一つ設けられると共に、他方の開口を下端面マスク部32における鉄心本体11の各スロット13に対応する箇所にそれぞれ設けられ、鉄心本体11の各スロット13に連通するようにされる構成である。
詳細には、上端面マスク部31と下端面マスク部32とで鉄心本体11が挟持された状態において、マスク体32aの各突出部32dにおけるスロット13に面する部位に、液通路32cの他方の開口が設けられる。下端面マスク部32の側面に設けられる液通路32cの一方の開口は、電着塗料80等のスロット13に流通させる液剤の排出口又は供給口とされる。
上下の端面マスク部には、必要に応じて、側面に設けられた凸部又は凹部とそれぞれ係合して、各端面マスク部における鉄心本体11の薄板積層方向以外の向きへの動きを拘束し、一方の端面マスク部の他方の端面マスク部に対する横方向へのずれなどの不要な動きを防止する位置決め体35が設けられる。
径方向マスク部33は、鉄心本体11が下端面マスク部32に接した状態で、鉄心本体11の中心孔14に挿入される配置とされ、スロット13の径方向の開口、すなわち、スロット13の中心孔側の開口を閉塞可能とするものである。
径方向マスク部33は、詳細には、テーパ面状の外周面を有して昇降可能に設けられる昇降ポスト部33aと、昇降ポスト部33aを中心としてその周囲に環状に並べて配設され、昇降ポスト部33aの外周面に接する斜面を有する複数の拡縮移動部33bと、各拡縮移動部33bにおける昇降ポスト部33aに接する側とは反対側に取り付けられて、鉄心本体11における径方向の一端面としての内周面に接触可能とされる弾性体としてのマスク体33cと、各拡縮移動部33bを昇降ポスト部33aに近付ける向きに付勢する環状の付勢手段33dとを備える構成である。
昇降ポスト部33aは、容易に変形しない硬質の材質、例えば金属製とされ、テーパ面状の外周面を有する形状として形成され、外周面の先細となる側を下向きとして昇降可能に配設される構成である。
拡縮移動部33bは、昇降ポスト部33aをなす材質に対する摺動性に優れる硬質の材質、例えば硬質プラスチック製とされ、昇降ポスト部33aの外周面と同じ勾配の平面又は曲面として形成される斜面を有し、この斜面を昇降ポスト部33aのテーパ面状の外周面に接するようにして昇降ポスト部33aの外側に環状に並べて配置され、この配置状態で外周側となる円筒面部分に複数のマスク体33cを取り付けられる構成である。
拡縮移動部33bは、図3に示すように、昇降ポスト部33aの外側に4つ設けるようにしているが、拡縮移動部33bの数はこれに限られるものではない。拡縮移動部33bの数を多くして、拡縮移動部33bごとに対向するスロット13の数を少なくするほど、拡縮移動部33bに取り付けられたマスク体33cを、スロット13を挟む鉄心本体11の内周面に対しより高精度に密着させられ、マスク体33cでスロット13をより適切に閉塞できる。逆に、拡縮移動部33bの数を少なくすると、径方向マスク部33の構成を簡略化することができる。例えば、こうしたマスク体33cの閉塞性能と径方向マスク部33の構成簡略化とのバランスを考慮し、1つの拡縮移動部33bあたり、1つ~5つのスロットに対応するような数として、拡縮移動部33bを設ける構成としてもよい。
なお、拡縮移動部33bは、昇降ポスト部33aに対する摺動し易さの点から、昇降ポスト部33aとは異なる材質としているが、適切な摺動性を確保できれば、昇降ポスト部33aと同じ材質を用いてもかまわない。
拡縮移動部33bは、鉄心本体11の薄板積層方向の寸法より大きくされ、塗装工程で径方向マスク部33によりスロット13の中心孔側の開口を閉塞する際に、鉄心本体11に対しその薄板積層方向の両側にはみ出した状態とされる仕組みである。
また、拡縮移動部33bは、昇降ポスト部33aの径方向のみに移動可能に拘束された状態とされ、環状の付勢手段33dにより昇降ポスト部33cに近付く向きに付勢されて、昇降ポスト部33cと接触する状態を維持している。これにより、拡縮移動部33bは、昇降ポスト部33aが上昇又は下降すると、昇降ポスト部33aの外周面に接する拡縮移動部33bの斜面が横にずれる分、昇降ポスト部33aの径方向のいずれかに移動可能とされる。
マスク体33cは、上下端面マスク部の各マスク体31a、32a同様、シリコーン樹脂からなる弾性体である。ただし、マスク体33cに他の弾性材、例えば、フッ素系樹脂やウレタン系樹脂等を用いる構成としてもかまわない。マスク体33cをなす弾性体は、上下の端面マスク部のマスク体31a、32aとは弾性変形し易さの度合いを異ならせたものとされる。例えば、マスク体33cは、マスク体31a、32aより弾性変形しやすい材質の弾性体とされる。この場合、マスク体33cとマスク体31a、32aとが接すると、マスク体33cに各マスク体31a、32aが相対的に食い込むようにそれぞれ弾性変形することとなる。なお、マスク体33cを、マスク体31a、32aと弾性変形し易さの度合いが同じとなるものにすることもできる。
マスク体33cは、拡縮移動部33bにおける斜面のある側とは反対側となる部位に係合して容易に外れない状態として取り付けられ、鉄心本体11の径方向の一端面に接触し、スロット13の径方向の開口を閉塞可能とされる構成である。具体的には、マスク体33は、鉄心本体11における中心孔14に面する内周面、すなわち、スロット13を挟むティース部11cの先端となる内周面、に接触し、スロット13の中心孔側の開口を閉塞可能とされる。マスク体33cの鉄心本体11の内周面に接触する部位は、拡縮移動部33bの外面から所定量の突出状態として配設される。
また、マスク体33cは、鉄心本体11の薄板積層方向の寸法より大きく形成され、塗装工程でスロット13の中心孔側の開口を閉塞する際に、鉄心本体11の内周面に接しつつ、鉄心本体11に対し拡縮移動部33bと共に薄板積層方向の両側にはみ出した状態とされる仕組みである。
こうして、マスク体33cを鉄心本体11の薄板積層方向にはみ出す状態となるように配設することで、仮に鉄心本体の積層厚さにばらつきがあり、通常より若干厚い鉄心本体がマスク機構30に導入された場合でも、鉄心本体の内周面に対しその薄板積層方向の全域にわたって問題なくマスク体33cを接触させて、スロット13の閉塞状態を確保できる。
付勢手段33dは、弾性材製の環状体であり、あらかじめ拡径状態とされて、環状に並べられた拡縮移動部33bの溝に係合させて配設され、その弾性復元力により拡縮移動部33bを昇降ポスト部33aに近付ける方向に付勢して、拡縮移動部33bの斜面を昇降ポスト部33aのテーパ面状の外周面に押し付け、これらの接触状態を維持する構成である。
径方向マスク部33は、塗装工程で、鉄心本体11の中心孔14に挿入された状態から、昇降ポスト部33aを外周面の先細となる側、すなわち下側に動かして、その外周面に接する各拡縮移動部33bを鉄心本体11の内周面に近付く向きに一斉にずらすことで、各拡縮移動部33bに取り付けられたマスク体33cを鉄心本体11の内周面に当接させ、スロット13の中心孔側の開口を閉塞する仕組みである。
鉄心本体11の薄板積層方向寸法より大きくされたマスク体33c及び拡縮移動部33bは、このスロット13の中心孔側の開口を閉塞する状態で、上端面マスク部31の内周と下端面マスク部32の内周にもそれぞれ面しており、このうちマスク体33cは上下端面マスク部31、32における各マスク体31a、32aの内周面に当接することとなる。
なお、これらマスク体33c及び拡縮移動部33bにおけるこの鉄心本体11の薄板積層方向にはみ出す部分に対し、加圧治具20の治具プレート21の最も内側となる部位は、鉄心本体11の中心孔14に面する内周面と同じ径とされるものの、これらマスク体33c及び拡縮移動部33bとは接触しない配置とされており、マスク体33cの上下端面マスク部31、32における各マスク体31a、32aへ接触しようとする動きを妨げることはない。
一方、閉塞状態から、径方向マスク部33の昇降ポスト部33aを逆の上側に動かすと、この昇降ポスト部33aの外周面に接する各拡縮移動部33bが昇降ポスト部33a寄りに動ける状態となり、付勢手段33dで付勢された各拡縮移動部33bは鉄心本体11の内周面に対し離れる向きに一斉にずれることとなり、マスク体33cを鉄心本体11の内周面及び上下端面マスク部31、32の各マスク体31a、32aから離隔させ、スロット13の中心孔側の開口を開放できる仕組みである。
この径方向マスク部33による、スロット13の中心孔側の開口を閉塞する状態で、鉄心本体11の内周面に加わる押圧力は、この内周面に接するマスク体33cを十分に弾性変形させて、内周面をなす各薄板11a端部の形状の不揃いにより生じている内周面の細かな凹凸を隙間なく埋められるようにする一方、鉄心本体11を拡径側に変形させず、且つ鉄心本体11内部に残留応力を生じさせない程度の大きさとなるように設定される。
このように、径方向マスク部33を、昇降ポスト部33aの上下移動のみで各拡縮移動部33bを一斉に動かす構造とすることで、各マスク体33cによるスロット13の同時閉塞状態を容易且つ確実に得ることができる。
また、径方向マスク部33のマスク体33cが拡縮移動部33bの外方に突出状態とされ、拡縮移動部33bが鉄心本体11の内周面に当接する位置に達するまでに、マスク体33cに十分な変形代が与えられることで、鉄心本体11の内周面における径寸法のばらつきや、内周面の真直度などの幾何公差に基づく形状のばらつきをマスク体33cの変形で吸収でき、マスク体33cを鉄心本体11の内周面に隙間なく密着させ、スロット13の中心孔側の開口を閉塞する状態を確実に得ることができる。
加えて、仮に昇降ポスト部33aと拡縮移動部33bとの間にガタ付きがあっても、それを外方に突出するマスク体33cの変形で吸収でき、拡縮移動部33bとマスク体33cを鉄心本体11の内周面にマスク体33cが密着するまで問題なく移動させられ、スロット13の閉塞状態を確保できる。
なお、径方向マスク部はこうした構成に限定されるものではなく、スロット13の中心孔側の開口に対する閉塞状態と開放状態を切替可能な他の構成としてもかまわない。
通電機構40は、上端面マスク部31及び下端面マスク部32で挟持された状態の鉄心本体11の側面に接して電気的に接続される接続端子部41と、下端面マスク部32の液通路32c内に配設され、液通路32cを流通する電着塗料80に接してこれに通電可能とする電極部42とを備える構成である。
通電機構40をなす接続端子部41と電極部42は、外部の電源とそれぞれ接続されて、接続端子部41と導通する鉄心本体11と電着塗料80内の電極部42との間での通電により、電着塗料80の接する塗装対象である、スロット13に面する鉄心本体表面への電着塗装を実行可能とするものである。
次に、本実施形態に係るコア部製造方法による塗装工程、及び得られたコア部について説明する。
前提として、あらかじめ、公知の製法により、薄板材から打抜いた複数の薄板11aを積層した鉄心本体11が得られているものとする。そして、鉄心本体11は、所定の移送機構によりコア部製造に係る各工程に移送されるものとする。
鉄心本体11は、まず、加圧治具装着工程として、所定の加圧治具装着機構(図示を省略)により加圧治具20を取り付けられる。鉄心本体11は、この加圧治具20における二つの治具プレート21により薄板積層方向の両端面に押圧力を受けることで、薄板積層方向の両側から加圧され、鉄心本体11をなす薄板11a同士が隙間なく密着した状態とされる。
この加圧治具20を取り付けられる際、鉄心本体11をなす各薄板11aについて周方向の位置決めがなされる。位置決めは、治具側の位置決め用のピン等の部材に対し、鉄心本体11をなす各薄板11aに設けられているボルト孔や切欠きなどの位置決め基準となる箇所を合わせるようにして行われる。薄板11a側の位置決め基準としては、スロットを用いるようにしてもよく、また、薄板同士の仮カシメを行う場合には、カシメが施されて後から除去される突出部、又はこの突出部を除去した後に生じる凹部など、を用いるようにしてもかまわない。
こうして加圧治具装着工程で加圧治具20を取り付けられた鉄心本体11は、加圧治具20ごと次の脱脂洗浄工程へ移送される。
脱脂洗浄工程では、鉄心本体11は各スロット13に液状の洗浄剤を注入されて、スロット13に面する表面を脱脂洗浄される。脱脂洗浄が十分進んだら、洗浄剤をスロット13から排出し、乾燥させる。洗浄剤の種類によっては、排出後、水洗を実行して洗浄剤を確実に除去し、さらに必要に応じて空気を送り込んで水分も除去する。
脱脂洗浄工程の後、下処理工程として、中和剤をスロット13に注入し、脱脂洗浄で用いられた洗浄剤による鉄心本体表面への影響を中和する。そして、中和剤のスロット13からの排出後、水洗を実行して、中和剤を除去すると共に、鉄心本体表面を電着塗装が適切に行える状態に整える。
これら脱脂洗浄工程、及び、下処理工程は、使用する洗浄剤や中和剤等を塗装対象箇所に面するスロット13に注入して各工程を進める点を除いて、公知の電着塗装における被塗装物表面に対しなされる各工程と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
こうして下処理工程を経た鉄心本体11に対し、塗装工程が実行される。
塗装工程では、まず、鉄心本体11を、マスク機構30の上端面マスク部31と下端面マスク部32との間に配置する。
マスク機構30の上下端面マスク間に加圧治具20ごと配置された鉄心本体11に対し、上端面マスク部31におけるマスク体31aの突出部31dを、加圧治具20の上側の治具プレート21の孔21aから挿入して、鉄心本体11の上端面におけるスロット13周りの露出部分に当接させる。また、下端面マスク部32におけるマスク体32aの突出部32dを、加圧治具20の下側の治具プレート21の孔21aから挿入して、鉄心本体11の下端面におけるスロット13周りの露出部分に当接させる。これにより、上端面マスク部31と下端面マスク部32とで鉄心本体11が挟持され、合わせて鉄心本体11のスロット13における薄板積層方向の開口を全て閉塞できる。
鉄心本体11が、この鉄心本体11を加圧する加圧治具20ごと、上端面マスク部31と下端面マスク部32の間に配置され、これら上下の端面マスク部で挟持されると、同時に鉄心本体11の中心孔14に径方向マスク部33が挿入された状態が得られる。
続いて、鉄心本体11の中心孔14に挿入されている径方向マスク部33の昇降ポスト部33aを下げて、拡縮移動部33bを鉄心本体11の中心孔14に面する内周面に近付く方向に動かし、径方向マスク部33の各マスク体33cを鉄心本体11の内周面に当接させ、スロット13の中心孔側の開口を閉塞する。
この時、径方向マスク部33の各マスク体33cのうち、鉄心本体11の薄板積層方向の両側にはみ出した部分も、上端面マスク部31のマスク体31a内周面と、下端面マスク部32のマスク体32a内周面とに接して、弾性変形を伴って隙間なく密着した状態となる。ここでは、径方向マスク部33のマスク体33cと、上端面マスク部31のマスク体31a及び下端面マスク部32のマスク体32aとの弾性変形し易さの度合いを異ならせていることで、マスク体33cに各マスク体31a、32aが相対的に食い込むようにそれぞれ弾性変形する状態が得られ、マスク体同士の密着状態を確保して、スロット13から外部に通じる隙間の発生を防止できる。
こうして、マスク機構の各マスク部が鉄心本体表面に接してスロット13を閉塞した状態では、上端面マスク部31のマスク体31a及び下端面マスク部32のマスク体32aにおいて、鉄心本体11の薄板積層方向の端面に接触する部分に隣接しつつ、端面に接触せずスロット13側にはみ出す配置とされる非接触部31fが生じている。弾性体であるマスク体31a、32aは、マスク体31a、32aから鉄心本体11端面に加わる押圧力の作用で弾性変形し、スロット13に面して鉄心本体11端面と接しないマスク体31a、32aの非接触部31fが、わずかにスロット13内に突出することとなる。
同様に、径方向マスク部33の各マスク体33cにおいて、鉄心本体11の内周面に接触する部分に隣接しつつ、内周面に接触せずスロット13側にはみ出す配置とされる非接触部33fが生じている。弾性体であるマスク体33cは、マスク体33cから鉄心本体11内周面に加わる押圧力の作用で弾性変形し、スロット13に面して鉄心本体11内周面と接しないマスク体33cの非接触部33fが、わずかにスロット13内に突出することとなる。
図4及び図5に示すように、塗装装置30で鉄心本体の各スロット13を閉塞状態とした後、塗装装置30の上端面マスク部31と下端面マスク部32と、径方向マスク部33とで閉じられた空間、すなわち、鉄心本体11のスロット13に、電着塗料80を注入する。
この電着塗料80の注入には、塗装装置30の外部に設けられ、液通路31cの上端面マスク部31側面の開口に接続された、電着塗料供給部(図示を省略)を用いる。電着塗料供給部に収容された電着塗料80を、この電着塗料供給部の塗料出口を開放状態とすることで、電着塗料供給部から上端面マスク部31の液通路31cを通じて、電着塗料80が鉄心本体11のスロット13に流入する。
この時、下端面マスク部32の液通路32cを通じてスロット13内の空気を吸引するなどして、スロット13への上端面マスク部31の液通路31cを通じた電着塗料80の流入、及び、電着塗料80の下端面マスク部32の液通路32cへの到達を促すようにしてもよい。
この電着塗料80の注入は、電着塗料80の自然流下に基づくものの他に、電着塗料供給部内に収容された電着塗料80を、強制的に外部へ向けて押出し、上端面マスク部31の液通路31cを通じて、鉄心本体11のスロット13に圧入するようにして行うこともできる。
電着塗料80の注入に際して、加圧治具20により、鉄心本体11に対しその薄板積層方向に所定荷重を加えていることで、鉄心本体11をなす各薄板11aの間に電着塗料80が漏れ出すことはない。
また、スロット13を閉塞する各マスク部のマスク体31a、32a、33cには、これらを弾性変形させつつ鉄心本体11表面に密着させる押圧力が付与されており、鉄心本体11と各マスク体31a、32a、33cとの間が開いて電着塗料80が漏れ出すこともない。
絶縁部15の配設予定箇所となる、鉄心本体11表面に面するスロット13は、注入される電着塗料80の流通において十分大きな空間となっており、電着塗料80の流動性が損なわれることはなく、スロット13全域に電着塗料80を無理なく均一に行き渡らせることができる。
スロット13が電着塗料80で満たされると共に、電着塗料80が電極部42のある下端面マスク部32の液通路32cに達して、電着塗料80の注入が完了した後、通電機構40の接続端子部41と電極部42に電圧を印加して、スロット13の電着塗料80に通電し、電着塗装を実行する。
電着塗装では、電着塗料80への通電により、一方の電極をなす鉄心本体11のスロット13に面する表面に、帯電した塗料粒子(顔料、樹脂成分)が析出し、不溶性の塗膜81が形成される。
鉄心本体11におけるスロット13に面する表面のうち、薄板積層方向の端部では、鉄心本体11の端面に接して弾性変形している各マスク体31a、32aの非接触部31fがわずかにスロット13内に突出していることで、電着塗装で生じる塗膜81の端部は、このマスク体31a、32aにおける非接触部31fの形状に倣った略面取り形状となる(図6参照)。
また、同様に、鉄心本体11におけるスロット13に面する表面のうち、中心孔14側の端部では、鉄心本体11の内周面に接して弾性変形しているマスク体33cの非接触部33fがわずかにスロット13内に突出していることで、電着塗装で生じる塗膜81の端部は、このマスク体33cにおける非接触部33fの形状に倣った略面取り形状となる(図7参照)。
こうした電着塗装で、絶縁部15となる塗膜81が十分に形成されたら、スロット13に残った電着塗料80を下端面マスク部32の液通路32aを通じて流出させる。電着塗料80を排出してから、スロット13に水を注入して水洗を行い、余分な塗料を落とす。スロット13から除去した電着塗料の残りについては、必要に応じて塗料成分や水の分離、回収等の後処理が施される。
なお、マスク機構30において、鉄心本体11の中心孔14に対し、径方向マスク部33が下から挿入される構成としているが、これに限られるものではなく、例えば、上端面マスク部31側に径方向マスク部を位置させ、鉄心本体11の中心孔14に対し、径方向マスク部を上から挿入する構成とすることもできる。また、電着塗料80の注入方向についても、上からの注入に限らず、鉄心本体11のスロット13に対し下側から電着塗料80を注入してもかまわない。
スロット13の水洗後、径方向マスク部33の昇降ポスト部33aを上げて拡縮移動部33bを鉄心本体の内周面から離れる方向に動かし、径方向マスク部33のマスク体33cを鉄心本体内周面から離し、スロット13を開放状態とする。さらに、上端面マスク部31を上昇させるか下端面マスク部32を下降させるかして、上端面マスク部31と下端面マスク部32による薄板積層方向における閉塞からもスロット13を開放状態とすると、塗装工程終了となる。塗膜81を設けた鉄心本体11は、下端面マスク部32から離すと共に径方向マスク部33が中心孔14から外れた状態とした上で、加圧治具20ごと上下の端面マスク部間から搬出され、次の加熱硬化工程に移送される。
加熱硬化工程では、鉄心本体11を加熱された炉内に所定時間保持して、塗膜81を硬化させる。
塗膜81が硬化して絶縁部15が得られたら、鉄心本体11の各スロット13に面する表面に絶縁部15を一体化したコア部10として完成状態となる。
加熱硬化工程の後、コア部10及び加圧治具20が、取り扱い可能な程度に温度を十分に低下させたら、コア部10から加圧治具20を外す。
加圧治具20を外されたコア部10は、コイルの配設等の後工程に供給される。
続いて、本実施形態に係るコア部製造方法により得られるコア部について説明する。
コア部10は、塗装工程における電着塗装で鉄心本体11のスロット13に面する表面に絶縁部15を形成されている。このコア部10を構成する鉄心本体11は、塗装工程で、加圧治具20により、鉄心本体11の薄板積層方向に加圧され、積層された薄板11a間に隙間のない状態とされることから、スロット13に電着塗料80を導入しても、鉄心本体11をなす各薄板11aの間に電着塗料80が漏れ出すことはなく、薄板11aの間に塗膜は形成されない。
このため、塗膜81を硬化させて絶縁部15を得た状態でも、薄板11aの間に塗膜の硬化したものは生じておらず、コア部10において薄板積層方向寸法の増大や、鉄心本体11の平坦性、真直性の悪化などを避けることができる。
また、塗装工程で、電着塗装で生じる塗膜81の薄板積層方向の端部が、上下の端面マスク部のマスク体31a、32aにおける非接触部31fの形状に倣った略面取り形状となることに加え、塗膜81の中心孔14側の端部が、径方向マスク部33のマスク体33cにおける非接触部33fの形状に倣った略面取り形状となっている。
これにより、塗膜81を硬化させて得られる絶縁部15の端部も、同様の略面取り形状となり、スロット13に面する角部が面取りされたような緩やかな角度となって、外力を受けてその一部が欠けて脱落するような事態は生じにくくなる。その結果、後工程で絶縁部15の角部が欠落して異物としてコア部10に付着し、コア部10が回転電機に組み込まれるまで離れずに残ったこのような異物が、回転電機における軸受の焼付やコイルの絶縁不良の原因となることを防止できる。
このように、本実施形態に係る回転電機のコア部製造方法は、鉄心本体11に対し、マスク機構30をなす上下の端面マスク部31、32と径方向マスク部33の各マスク体31a、32a、33cを鉄心本体11に接触させ、スロット13の各方向の開口を塞ぐと共に、上下の端面マスク部31、32の各マスク体31a、32aと径方向マスク部33のマスク体33cとを接触させて、各マスク体31a、32a、33cの間にスロット13に通じる隙間が生じない状態として、スロット13を完全に閉塞し、絶縁部15の配設予定箇所となる鉄心本体11のスロット13に面する表面をスロット13と共に外部から隔離して、スロット13に導入される電着塗料80を外に漏らすことなくスロット13に保持して電着塗装が行えるようにすることから、塗装の必要のない箇所への電着塗料80の付着を防止でき、電着塗料80を無駄なく効率的に使用でき、電着塗料80の使用に係るコストを抑えられると共に、塗装対象箇所以外への塗料の付着に伴う後処理の手間やメンテナンスコストの増大を阻止できる。また、マスク機構30により鉄心本体11の塗装対象箇所の他からの隔離を容易且つ速やかに実行でき、マスキングの作業の自動化も問題なく行え、生産性向上を図りやすい上、マスク機構30は繰り返し使用でき、ランニングコストや環境負荷を抑えられる。
なお、本実施形態に係る回転電機のコア部製造方法においては、マスク機構30を塗装工程におけるマスキングにのみ用いているが、これに限らず、塗装工程の前の脱脂洗浄工程や下処理工程等における液剤の所望箇所のみへの導入用にマスク機構を用いることもできる。この場合、脱脂洗浄、水洗浄、電着塗装、の各工程のそれぞれで別個のマスク機構を用いて塗装対象箇所にのみ工程に係る処理を実行するようにしてもよく、あるいは、一つのマスク機構で液剤を入れ替えて各工程を実行するようにしてもよい。
また、本実施形態に係る回転電機のコア部製造方法において、薄板材から打抜いた複数の薄板11aを積層して得られた鉄心本体11に対し、加圧治具装着工程で加圧治具20を取り付けるまでの、鉄心本体11の取り扱いについて特に示していないが、鉄心本体をなす各薄板同士を、薄板の鉄心本体をなす本体部分から突出させた複数の突出部においてカシメを行うことで連結する、いわゆる仮カシメにより連結し、鉄心本体として一体に取り扱える状態として、加圧治具装着工程に供給することもできる。
この場合、加圧治具装着工程で鉄心本体に加圧治具を取り付けられた後に、鉄心本体から各突出部を切り離して除去すればよく、鉄心本体にはカシメによる変形の影響が残ることはない。なお、こうした鉄心本体からの各突出部の除去は、塗装工程の後に行うこともできるが、仮カシメで連結される薄板の積層に係る精度を高くすることが難しいため、塗装工程を経て塗膜により薄板の積層状態が固定されると、望ましくない積層状態のまま固定された鉄心本体となるおそれがある。よって、鉄心本体からの各突出部の除去は、加圧治具装着工程で鉄心本体に加圧治具を取り付けた後に行うのが望ましい。
(本発明の第2の実施形態)
第1の実施形態に係るコア部製造方法においては、マスク機構30における上端面マスク部31の弾性体であるマスク体31a、及び、下端面マスク部32の弾性体であるマスク体32aを、塗装工程でそれぞれ鉄心本体11の薄板積層方向の端面に接触させる際の、マスク体31a、32aの鉄心本体11端面に接触する部分が、端面のスロット13に面する角部まで連続して接するように形成する構成としているが、これに限らず、第2の実施形態として、図9に示すように、上端面マスク部31の弾性体であるマスク体31a、及び、下端面マスク部32の弾性体であるマスク体32aが、鉄心本体11の薄板積層方向の端面に面する部位に、スロット13に対し遠位側に位置して端面に接する接触部31gを形成される一方、スロット13に対し近位側を端面に接しない非接触領域31hとされる構成とすることもできる。
この場合、塗装工程で、マスク体31a、32aの接触部31gが、鉄心本体11の薄板積層方向の端面に接触する一方、非接触領域31hでマスク体31a、32aは端面から離れた状態とされて、この非接触領域31hと重なる端面に電着塗料80を接触可能とし、電着塗装の塗膜81における薄板積層方向の端部が、非接触領域31hと重なる端面に沿って所定量はみ出した形状とされることとなる。
これにより、鉄心本体11の薄板積層方向の端面側からスロット13に面する表面に連続して塗膜81を形成することができ、塗膜81を硬化させて得られる絶縁膜もそのまま同様の形状となって、ティース部11cをなす薄板11a同士の積層方向の結合を絶縁膜でより強固にすることができ、後工程でのティース部11cにおける剥がれの発生を防止でき、コア部の品質安定と不良の発生頻度低減が図れる。
(本発明の第3の実施形態)
第1及び第2の実施形態に係るコア部製造方法において、製造されるコア部10は、鉄心本体11中央の中心孔14を回転子の配設位置とするインナーロータ構造における、固定子の一部とされる構成としているが、これに限られるものではなく、アウターロータ構造における固定子の一部とすることもできる。加えて、コア部は固定子だけでなく、巻線タイプのロータのコアを対象とする構成とすることもできる。
このうち、アウターロータ構造における固定子の一部とされるコア部を製造する場合を、第3の実施形態に係るコア部製造方法として、図10及び図11に基づいて説明する。
本実施形態に係るコア部製造方法は、コア部をなす鉄心本体12の、ティース部12cが外向きに突出し、鉄心本体12の径方向におけるスロット16の開口が鉄心本体12の径方向の外向きに設けられる構成に対応して、塗装工程においてマスク機構35の径方向マスク部38を、鉄心本体12における径方向の一端面としての外周面に接触させることで、スロット16を外部から隔離し、電着塗装を行えるようにするものである。
本実施形態に係るコア部製造方法を適用するコア部製造装置1は、第1の実施形態と同様に、上端面マスク部36と、下端面マスク部37と、径方向マスク部38とを有するマスク機構35を備える一方、異なる点として、マスク機構35の径方向マスク部38が、鉄心本体12に対しその径方向の外側に配置される構成を有するものである。
径方向マスク部38は、テーパ面状の内周面を有して昇降可能に設けられる環状の昇降ポスト部38aと、昇降ポスト部38aの内周に沿って環状に並べて配設され、昇降ポスト部38aの内周面に接する斜面を有する複数の拡縮移動部38bと、各拡縮移動部38bにおける昇降ポスト部38aに接する側とは反対側に取り付けられて、鉄心本体11の外周面に接触可能とされるマスク体38cと、各拡縮移動部38bを昇降ポスト部38aに近付ける向きに付勢する環状の付勢手段38dとを備えて、鉄心本体12におけるスロット16の径方向の開口を閉塞可能とする構成である。
径方向マスク部38の拡縮移動部38b及びマスク体38cは、鉄心本体12の薄板積層方向の寸法より大きくされ、塗装工程で径方向マスク部38によりスロット16の径方向の開口を閉塞する際に、鉄心本体12に対しその薄板積層方向の両側にはみ出した状態とされる。
塗装工程では、鉄心本体12を取り囲む径方向マスク部38の昇降ポスト部38aを下げて、拡縮移動部38bを鉄心本体12の外周面に近付く方向に動かし、各マスク体38cを鉄心本体12の外周面に当接させ、スロット16の径方向の開口を閉塞する。
この場合、マスク機構35の上端面マスク部36及び下端面マスク部37が、外周部分を鉄心本体12の外周面と同じ径とされていることで(図10参照)、径方向マスク部38の各マスク体38cのうち、鉄心本体12の薄板積層方向の両側にはみ出した部分は、上端面マスク部36の外周面と、下端面マスク部37の外周面とに接して、弾性変形を伴って隙間なく密着した状態となって、第1の実施形態と同様に、スロット16から外部に通じる隙間の発生を防止できる。
1 コア部製造装置
10 コア部
11、12 鉄心本体
11a 薄板
11b ヨーク部
11c、12c ティース部
13、16 スロット
14 中心孔
15 絶縁部
20 加圧治具
21 治具プレート
21a 孔
22 連結部
30、35 マスク機構
31、36 上端面マスク部
31a、32a マスク体
31b、32b 基板部
31c、32c 液通路
31d、32d 突出部
31f、33f 非接触部
31g 接触部
31h 非接触領域
32、37 下端面マスク部
33、38 径方向マスク部
33a、38a 昇降ポスト部
33b、38b 拡縮移動部
33c、38c マスク体
33d、38d 付勢手段
34 位置決め体
40 通電機構
41 接続端子部
42 電極部
80 電着塗料
81 塗膜

Claims (9)

  1. 磁性金属材料製の薄板が複数積層されて形成される鉄心本体に対し、当該鉄心本体の少なくとも一部に絶縁部を配設して、回転電機の回転子又は固定子の一部をなすコア部を製造する、コア部製造方法において、
    前記鉄心本体における前記絶縁部の配設予定箇所を、所定のマスク機構で前記配設予定箇所以外の部分から隔離した上で、前記配設予定箇所に対し塗装を行う塗装工程を少なくとも含み、
    前記鉄心本体が、環状のヨーク部と、当該ヨーク部から突出して放射状に配置される複数のティース部とを備え、前記ヨーク部及び隣り合うティース部の間を、薄板積層方向に連続するスロットとされてなり、
    前記スロットに面する前記ヨーク部及びティース部の表面を、前記絶縁部の配設予定箇所とされ、
    前記マスク機構が、前記鉄心本体の薄板積層方向両端面にそれぞれ接して前記スロットの前記薄板積層方向の開口を閉塞可能とする二つの端面マスク部と、前記鉄心本体の径方向の一端面に接して前記スロットの前記径方向の開口を閉塞可能とする径方向マスク部とを少なくとも有し、
    前記端面マスク部における前記鉄心本体端面に接する部分、及び、前記径方向マスク部における前記鉄心本体の径方向の一端面に接する部分が、それぞれ弾性変形可能な弾性体とされ、
    前記塗装工程で、前記マスク機構の端面マスク部が前記スロットの前記薄板積層方向の開口を閉塞し、前記径方向マスク部が前記スロットの前記径方向の開口を閉塞し、さらに前記端面マスク部の弾性体と前記径方向マスク部の弾性体とが接して、前記スロットを外部から隔離した状態としてから、前記スロットに電着塗料を注入し、前記鉄心本体を通じた通電により電着塗装を実行し、前記配設予定箇所に前記絶縁部となる塗膜を形成することを
    特徴とするコア部製造方法。
  2. 前記請求項1に記載の回転電機のコア部製造方法において、
    前記鉄心本体が、所定の加圧治具で前記薄板積層方向に加圧された状態で、前記塗装工程を経て塗装され、
    前記加圧治具が、前記鉄心本体の、少なくとも前記マスク機構の端面マスク部における前記弾性体の接触対象箇所を覆わず、且つ、前記径方向マスク部における前記弾性体と接触しない配置とされることを
    特徴とする回転電機のコア部製造方法。
  3. 前記請求項1又は2に記載の回転電機のコア部製造方法において、
    前記マスク機構における前記端面マスク部の弾性体と前記径方向マスク部の弾性体とが、互いに弾性変形し易さの度合いを異ならせた材質で形成され、
    前記塗装工程で前記端面マスク部の弾性体と前記径方向マスク部の弾性体とが接すると、各弾性体が、一方を他方に相対的に食い込ませるようにそれぞれ弾性変形することを
    特徴とする回転電機のコア部製造方法。
  4. 前記請求項1ないし3のいずれかに記載の回転電機のコア部製造方法において、
    前記マスク機構の径方向マスク部が、前記鉄心本体の薄板積層方向の寸法より大きく形成され、
    前記塗装工程で、前記マスク機構の径方向マスク部が前記スロットの前記径方向の開口を閉塞すると、前記径方向マスク部の弾性体が、前記鉄心本体の径方向の一端面に接しつつ、前記鉄心本体に対し薄板積層方向の両側にはみ出した状態とされることを
    特徴とする回転電機のコア部製造方法。
  5. 前記請求項1ないし4のいずれかに記載の回転電機のコア部製造方法において、
    前記マスク機構の径方向マスク部が、
    テーパ面状の外周面又は内周面を有して昇降可能に設けられる昇降ポスト部と、
    前記昇降ポスト部の外周面又は内周面に沿って環状に並べて配設され、前記外周面又は内周面に接する斜面を有する複数の拡縮移動部と、
    前記拡縮移動部における前記斜面のある側とは反対側に取り付けられ、前記鉄心本体の径方向の一端面に接触可能とされる前記弾性体としてのマスク体と、
    前記拡縮移動部を前記昇降ポスト部に近付ける向きに付勢する付勢手段とを有してなり、
    前記マスク体が、前記拡縮移動部における前記鉄心本体の径方向の一端面に面する部分に対し、それぞれ所定量突出状態として配設され、
    前記塗装工程で、前記径方向マスク部を前記鉄心本体の径方向の一端面に対向させ、前記昇降ポスト部を外周面又は内周面の先細側に動かして前記外周面又は内周面に接する前記拡縮移動部を前記鉄心本体の径方向の一端面に近付く向きに移動させ、前記マスク体を前記鉄心本体の径方向の一端面に当接させて前記スロットの前記径方向の開口を閉塞することを
    特徴とする回転電機のコア部製造方法。
  6. 前記請求項1ないし5のいずれかに記載の回転電機のコア部製造方法において、
    前記マスク機構の端面マスク部と径方向マスク部の少なくとも一方における弾性体が、前記鉄心本体の表面に接触する部分に隣接しつつ、鉄心本体表面に接触せずスロット側にはみ出す配置とされる非接触部を有し、
    前記塗装工程で、前記弾性体が前記鉄心本体の表面に接触すると、前記鉄心本体の表面の押圧に伴って弾性変形する前記弾性体のうち、前記非接触部がスロット内に突出して、電着塗装の塗膜における端部が、突出した前記非接触部の形状に倣った略面取り形状とされることを
    特徴とする回転電機のコア部製造方法。
  7. 前記請求項1ないし5のいずれかに記載の回転電機のコア部製造方法において、
    前記マスク機構の端面マスク部における弾性体が、前記鉄心本体の薄板積層方向の端面に面する部位に、前記スロットに対し遠位側に位置して前記端面に接する接触部を形成される一方、前記スロットに対する近位側を前記端面に接しない非接触領域とされ、
    前記塗装工程で、前記弾性体の接触部が前記鉄心本体の薄板積層方向の端面に接触する一方、前記非接触領域で前記弾性体は前記端面から離れた状態とされて、電着塗料を前記非接触領域と重なる前記端面に接触可能とし、電着塗装の塗膜における前記薄板積層方向の端部が、前記非接触領域と重なる前記端面に沿って所定量はみ出した形状とされることを
    特徴とする回転電機のコア部製造方法。
  8. 磁性金属材料製の薄板が複数積層されて形成される鉄心本体に対し、当該鉄心本体の少なくとも一部に絶縁部を配設して、回転電機の回転子又は固定子の一部をなすコア部を製造する、コア部製造装置において、
    前記鉄心本体における前記絶縁部の配設予定箇所を、当該配設予定箇所以外の部分から隔離するマスク機構を備え、
    前記鉄心本体が、環状のヨーク部と、当該ヨーク部から突出して放射状に配置される複数のティース部とを備え、前記ヨーク部及び隣り合うティース部の間を、前記鉄心本体の薄板積層方向に連続するスロットとされてなり、
    前記スロットに面する前記ヨーク部及びティース部の表面を、前記絶縁部の配設予定箇所とされ、
    前記マスク機構が、前記鉄心本体の薄板積層方向両端面にそれぞれ接して前記スロットの前記薄板積層方向の開口を閉塞可能とする二つの端面マスク部と、前記鉄心本体の径方向の一端面に接して前記スロットの前記径方向の開口を閉塞可能とする径方向マスク部とを少なくとも有し、
    前記端面マスク部における前記鉄心本体端面に接する部分、及び、前記径方向マスク部における前記鉄心本体の径方向の一端面に接する部分が、それぞれ弾性変形可能な弾性体とされ、
    前記マスク機構が、前記端面マスク部で前記スロットの前記薄板積層方向の開口を閉塞し、前記径方向マスク部で前記スロットの前記径方向の開口を閉塞し、且つ、前記端面マスク部の弾性体と前記径方向マスク部の弾性体とを接触させて、スロット及び当該スロットに面する前記配設予定箇所を外部から隔離することを
    特徴とする回転電機のコア部製造装置。
  9. 磁性金属材料製の薄板が複数積層されて形成される鉄心本体、及び当該鉄心本体の少なくとも一部に配設される絶縁部を少なくとも有して、回転電機の回転子又は固定子の一部をなす、コア部において、
    前記鉄心本体が、環状のヨーク部と、当該ヨーク部から突出して放射状に配置される複数のティース部とを備え、前記ヨーク部及び隣り合うティース部の間を、薄板積層方向に連続するスロットとされてなり、
    前記スロットに面する前記ヨーク部及びティース部の表面を、前記絶縁部の配設予定箇所とされ、
    前記絶縁部が、電着塗装により設けられる塗膜で形成され、
    前記絶縁部の端部が、略面取り形状として形成されることを
    特徴とする回転電機のコア部。
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