JP2023150270A - ポリウレタンフォームとその製造方法及びシール材 - Google Patents

ポリウレタンフォームとその製造方法及びシール材 Download PDF

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Abstract

Figure 2023150270000001
【課題】シリコーン系整泡剤に起因する低分子シロキサンの染み出しがなく、シリコーン汚染による電子装置の接点障害等を生じるおそれがないポリウレタンフォームの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】カルダノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドが付加されたカルダノール系界面活性剤を整泡剤として含むポリウレタンフォーム形成用組成物から形成されたポリウレタンフォーム。カルダノール系界面活性剤は、ポリウレタンフォーム形成用組成物中のポリオール100重量部に対して1~12重量部含まれている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ポリウレタンフォームとその製造方法及びシール材に関する。
ポリウレタンフォーム形成用組成物から形成されるポリウレタンフォームは、シール材やクッション材等として使用されている。
ポリウレタンフォームには、ポリウレタンフォーム形成用組成物に整泡剤としてシリコーン系整泡剤が配合されたものがある(特許文献1)。
特開2000-313730号公報
しかし、シリコーン系整泡剤が配合されたポリウレタンフォーム形成用組成物から形成されたポリウレタンフォームは、使用中に低分子シロキサンが染み出してシリコーン汚染を生じ、電子装置の接点障害等を生じさせるため、電子機器に関係する用途、例えば電子機器のシール材等には使用できない問題がある。
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、シリコーン系整泡剤に起因するシリコーン汚染のおそれが少ないポリウレタンフォーム及びシール材の提供を目的とする。
第1の発明は、カルダノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドが付加されたカルダノール系界面活性剤を整泡剤として含むポリウレタンフォーム形成用組成物から形成されたポリウレタンフォームである。
第2の発明は、第1の発明において、前記カルダノール系界面活性剤は、前記ポリウレタンフォーム形成用組成物中のポリオール100重量部に対して1~12重量部含まれていることを特徴とする。
第3の発明は、カルダノール系界面活性剤を整泡剤として含むポリウレタンフォーム形成用組成物を混合して反応硬化させることを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法である。
第4の発明は、第3の発明において、前記カルダノール系界面活性剤は、前記ポリウレタンフォーム形成用組成物中のポリオール100重量部に対して1~12重量部含まれていることを特徴とする。
第5の発明は、第1又は2の発明に記載のポリウレタンフォームで形成されたシール材である。
本発明によれば、ポリウレタンフォームが、カルダノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドが付加されたカルダノール系界面活性剤を整泡剤として含むポリウレタンフォーム形成用組成物から形成されていることにより、シリコーン系整泡剤に起因する低分子シロキサンの染み出しを防ぐことができ、シリコーン汚染のおそれが少ないポリウレタンフォーム及びシール材が得られる。
カルダノールとカルダノール系界面活性剤の化学式を示す。 実施例と比較例について、配合と物性を示す第1の表である。 実施例と比較例について、配合と物性を示す第2の表である。
本発明の実施形態について説明する。
本発明のポリウレタンフォームは、ポリウレタンフォーム形成用組成物を混合して反応硬化させることにより得られる。
ポリウレタンフォームの製造は、モールド発泡、スラブ発泡、メカニカルフロス発泡等の何れでもよい。
モールド発泡は、ポリウレタンフォーム形成用組成物を発泡剤と共に混合して発泡成形型(モールド)内に注入し、反応させて発泡成形型の内面形状に発泡させ、硬化させる発泡方法である。
スラブ発泡は、ポリウレタンフォーム形成用組成物を発泡剤と共に混合してコンベアベルト上に連続的に吐出し、反応させて発泡させ、硬化させる方法である。
メカニカルフロス発泡は、ポリウレタンフォーム形成用組成物に起泡剤(発泡剤)としての造泡用気体を圧縮して混入させた原料を、オークスミキサーまたは先端を絞ったノズルに供給してオークスミキサーまたはノズルから吐出し、起泡(発泡)させて反応、硬化させる方法である。メカニカルフロス発泡には、起泡剤(発泡剤)を混入させた原料を離型紙上に連続的に吐出する連続成形法、あるいは成形型内に吐出するモールド成形法があり、何れでもよい。
ポリウレタンフォーム形成用組成物は、ポリオール、触媒、整泡剤、ポリイソシアネート、適宜の助剤が含まれる。なお、本発明において、「ポリウレタンフォーム形成用組成物」とは、発泡剤を含まないものである。
ポリオールは、一つの分子内に水酸基を二以上持つ物質であり、ポリウレタンフォーム用のポリオールを使用することができ、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、植物由来のポリオール等が挙げられ、それらの一種類あるいは複数種類を使用してもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコールにエチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)等のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールを挙げることができる。
ポリエーテルポリオールの水酸基価(OHV)は15~2500mgKOH/gが好ましく、20~2000mgKOH/gがより好ましく、22~1800mgKOH/gがさらに好ましい。官能基数は2~4が好ましく、2~3がさらに好ましい。分子量は50~8000が好ましく、80~6000がより好ましく、110~4000がさらに好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等の脂肪族カルボン酸やフタル酸等の芳香族カルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の脂肪族グリコール等とから重縮合して得られた石油由来のポリエステルポリオールを挙げることできる。
ポリエステルポリオールの水酸基価(OHV)は15~1000mgKOH/gが好ましく、25~700mgKOH/gがより好ましく、35~400mgKOH/gがさらに好ましい。官能基数は2~4が好ましく、2~3がさらに好ましい。分子量は200~4000が好ましく、300~3000がより好ましく、400~2000がさらに好ましい。
ポリマーポリオールとしては、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールにアクリロニトリル、スチレン等をグラフト重合させたものが挙げられる。ポリマーポリオールの水酸基価(OHV)は15~80mgKOH/gが好ましく、20~70mgKOH/gがより好ましく、25~60mgKOH/gがさらに好ましい。官能基数は2~4が好ましく、2~3がさらに好ましい。分子量は1000~6000が好ましく、2000~5000がより好ましく、2500~4000がさらに好ましい。ポリマーポリオールは、ポリウレタンフォームの歪特性を良好にできる。
ポリエーテルエステルポリオールとしては、ポリエーテルポリオールと多塩基酸を反応させてポリエステル化したもの、あるいは1分子内にポリエーテルとポリエステルの両セグメントを有するものを挙げることができる。
植物由来ポリオールとしては、ヒマシ油、大豆油、菜種油、綿実油等から得られるポリオールが挙げることができる。
触媒としては、ポリウレタンフォーム用のアミン系触媒、金属触媒等が単独または併用される。アミン系触媒としては、モノアミン化合物、ジアミン化合物、トリアミン化合物、ポリアミン化合物、環状アミン化合物、アルコールアミン化合物、エーテルアミン化合物等が挙げられ、これらの1種類でもよく、2種類以上併用してもよい。金属触媒としては、有機錫化合物、有機鉄化合物、有機ビスマス化合物、有機鉛化合物、有機亜鉛化合物等を挙げることができ、これらの1種類でもよく、あるいは2種類以上用いてもよい。触媒の量は、適宜決定されるが、例としてポリオール成分100重量部当たり0.1~8重量部を挙げる。
整泡剤としては、カルダノール系界面活性剤が含まれる。好ましくは、整泡剤として、カルダノール系界面活性剤が含まれ、シリコーン系の整泡剤がカルダノール系界面活性剤の添加量よりも少なく含まれてもよい。さらに、シリコーン系の整泡剤が含まれないことがより好ましい。
図1に示すように、カルダノール系界面活性剤(2)は、カルダノール(1)にエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドが付加された界面活性剤である。カルダノールは、カシューナッツ殻液の主成分であり、フェノール性水酸基を1つ有する。
カルダノール系界面活性剤の配合量は、ポリオール100重量部に対して0.5~12重量部が好ましく、1~11重量部がより好ましく、2~10重量部がさらに好ましい。カルダノール系秋面活性剤は、複数種類を配合してもよい。
ポリイソシアネートは、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであり、芳香族系、脂環式、脂肪族系の何れのポリイソシアネートでもよく、また、1分子中に2個のイソシアネート基を有する2官能のイソシアネートであっても、あるいは1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する3官能以上のイソシアネートであってもよく、それらを単独であるいは複数組み合わせて使用してもよい。
2官能のポリイソシアネートとしては、2,4-トルエンジイソシアネート(TDI)、2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)、m-フェニレンジイソシネート、p-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネートなどの芳香族系のもの、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環式のもの、ブタン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、リジンイソシアネートなどの脂肪族系のものを挙げることができる。
2官能以上のポリイソシアネートとしては、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(ポリメリックMDI)を挙げることができる。
3官能以上のポリイソシアネートとしては、1-メチルベンゾール-2,4,6-トリイソシアネート、1,3,5-トリメチルベンゾール-2,4,6-トリイソシアネート、ビフェニル-2,4,4’-トリイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4,4’-トリイソシアネート、メチルジフェニルメタン-4,6,4’-トリイソシアネート、4,4’-ジメチルジフェニルメタン-2,2’,5,5’テトライソシアネート、トリフェニルメタン-4,4’,4”-トリイソシアネート、等を挙げることができる。
イソシアネートインデックスは80~130が好ましく、90~120がより好ましい。なお、イソシアネートインデックスは、[(ポリウレタンフォーム形成用組成物中のイソシアネート当量/ポリウレタンフォーム形成用組成物中の活性水素の当量)×100]で計算される。
ポリウレタンフォーム形成用組成物に含まれる適宜の助剤としては、充填剤、架橋剤、酸化防止剤、水分吸収剤、着色剤等を挙げることができる。
充填剤としては、水酸化アルミニウム、タルク、炭酸カルシウム、粘土等を挙げることができる。
架橋剤としては、グリセリン、ブタンテトラオール、ポリオキシプロピレングリコール等の多価アルコール、ジエタノールアミン、ポリアミン等を挙げることができる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等を挙げることができる。
水分吸収剤としては、合成ゼオライト、シリカ粉末、アルミナ粉末、水酸化リチウム粉末、水酸化バリウム粉末等を挙げることができる。
ポリウレタンフォーム形成用組成物は、発泡剤が配合されて発泡が行われる。
発泡剤には、化学発泡剤、物理発泡剤、造泡用気体等を挙げることができる。化学発泡剤及び物理発泡剤は、主にモールド発泡やスラブ発泡に用いられ、造泡用気体は、主にメカニカルフロス発泡に用いられる。
化学発泡剤は、加熱や反応によって発泡ガスを発生する物質であり、ポリイソシアネートと反応して炭酸ガスを発生させる水が挙げられる。
物理発泡剤は、減圧や加熱等で溶解度を低下させ、または常温付近で液状等の物質を反応熱によって気化膨張させて、気泡を生じる物質であり、メチレンクロライド類、クロロフルオロカーボン類、炭化水素類、炭酸ガス等が挙げられる。
造泡用気体は、ポリウレタンフォーム形成用組成物を混合時に気泡(発泡)させる気体であり、乾燥空気、窒素等が挙げられる。
ポリウレタンフォームの成型密度(JIS K7222:2005)は、30~500kg/mが好ましく、40~400kg/mがより好ましく、50~300kg/mがさらに好ましい。ポリウレタンフォームの成型密度が低すぎるたり高すぎたりすると、シール材として使用される場合に2物体間で圧縮された際、両物体への密着性が低くなってシール性が低下するようになる。
本発明のポリウレタンフォームは、シール材として用いられる場合、打ち抜き等で例えば紐状あるいは枠状(環状を含む)に形成され、例えば電子機器の筐体(ケース)における本体と蓋体の嵌合部に装着され、本体と蓋体間で圧縮使用される。
以下の原料を用い、図2及び図3に示す各実施例及び各比較例の配合を有するポリウレタンフォーム形成用組成物からメカニカルフロス発泡法でポリウレタンフォームを形成した。使用したポリウレタンフォーム形成用組成物におけるイソシアネートインデックスは103である。
具体的には、起泡剤(発泡剤)としての造泡用気体(空気)を、ポリウレタンフォーム形成用組成物に対する混合割合が35体積%になるように混入し、ハンドミキサーで2分間混合して起泡(発泡)させた後、容量220cm3のプラスチックカップに充填し、プラスチックカップの上端で擦り切ってカップ重量(カップごとの重量)を測定し、その状態で硬化させてポリウレタンフォームをプラスチックカップ内に形成した。
各実施例及び各比較例について、[カップ重量/プラスチックカップの容量(220cm)]の式を用いて泡密度(kg/m)を算出した。
各実施例及び各比較例における起泡性(発泡性)を判定した。起泡性は、造泡用気体を混入したポリウレタンフォーム形成用組成物の混合直後の泡含有性(発泡性)であり、泡密度が低いと起泡性(発泡性)が高く、その逆に泡密度が高いと起泡性(発泡性)が低いことを示し、整泡剤によって影響を受ける。
起泡性の判定は、泡密度が500kg/m未満の場合に「〇」、500~700kg/m未満の場合に「△」、700kg/m以上の場合に「×」とした。
各実施例及び各比較例について、硬化後のポリウレタンフォームをプラスチックカップから取り出して、成型密度(kg/m)をJIS K7222:2005に基づいて測定し、[成型密度÷泡密度]の値を算出した。
[成型密度÷泡密度]の値が1より大の場合は、混合によって発生した気泡が硬化までの間に減少してポリウレタンフォームの密度が増大したことを示す。その逆に[成型密度÷泡密度]の値が1以下の場合は、混合によって発生した気泡が硬化までの間に減少せず、あるいは増大してポリウレタンフォームの密度が変化せず又は減少したことを示す。
また、各実施例及び各比較例について、ポリウレタンフォームのセルサイズ(μm)をJIS K6400-1(附属書)に基づいて測定した。
ポリウレタンフォーム形成用組成物の混合により形成された気泡の状態(セル構造)が保持された状態で、ポリウレタンフォームが形成されたかを示す保持性(気泡状態の保持性)について、[成型密度÷泡密度]の値とセルサイズの値を用いて、次の基準で判断した。[成型密度÷泡密度]の値が1.0以下及びセルサイズの値が300μm未満(「<300μm」と表記)の場合に保持良好「〇」、他の場合に保持不良「×」とした。なお、図3において「2000<」とあるのは、2000μmより大きいの意味である。
保持性が「〇」の場合、ポリウレタンフォーム形成用組成物の混合により形成された気泡の状態(セル構造)が、ポリウレタンフォーム形成用組成物の硬化まで充分に保持されて、緻密な気泡構造(セル構造)のポリウレタンフォームが形成されたことを示す。一方、保持性が「×」の場合、ポリウレタンフォーム形成用組成物の混合により形成された気泡が、ポリウレタンフォーム形成用組成物の硬化までの間の合体、合一や放出、破泡等によって気泡が減少し、緻密な気泡構造(セル構造)のポリウレタンフォームが得られなくなったことを示す。
また、各実施例と各比較例のポリウレタンフォームについてシリコーン成分量(ppm)を測定した。測定方法は、各実施例と各比較例のポリウレタンフォームについて、ソックスレー抽出物(アセトン)をガラスチューブに入れ、熱脱着装置にかけ、発生したガスをガスクロマトグラフィー(GC)測定した。
使用した原料は以下のとおりである。
・ポリエーテルポリオール1:分子量3000、官能基数2、水酸基価(OHV)38mgKOH/g、製品名;アクトコールED-37B、三井化学SKCポリウレタン社製
・ポリエーテルポリオール2:分子量600、官能基数3、水酸基価(OHV)281mgKOH/g、製品名;GP-600、三洋化成工業社製
・ポリエーテルポリオール3:ジプロピレングリコール、水酸基価(OHV)837mgKOH/g、AGC社製
・ポリエステルポリオール1:ポリカプロラクトンジオール、分子量530、官能基数2、水酸基価(OHV)212mgKOH/g、製品名;プラクセル205、ダイセル化学社製
・ポリエステルポリオール2:ポリカーボネートジオール、分子量500、官能基数2、水酸基価(OHV)224mgKOH/g、製品名;PH-50、宇部興産社製
・シリコーン系整泡剤:ジメチルシロキサンとポリエーテルのブロック共重合体、製品名;SZ-1952、ダウ・東レ社製
・カルダノール系界面活性剤1:エチレンオキサイド7モル付加、製品名;GX-5166、カードライト社製
・カルダノール系界面活性剤2:エチレンオキサイド9モル付加、製品名;GX-5167、カードライト社製
・カルダノール系界面活性剤3:エチレンオキサイド12モル付加、製品名;GX-5170、カードライト社製
・触媒:有機酸塩系、製品名;FIN-P1、日本化学産業社製
・充填剤:水酸化アルミニウム、製品名;CW-325LV、住友化学社製
・ポリイソシアネート:ポリメリックイソシアネート系プレポリマ―、NCO%;25%、製品名;フォームライト3700B、BASF INOAC ポリウレタン社製
以下、各実施例と各比較例について説明する。
<ポリエーテルポリオールを用いた例>
・比較例1
比較例1は、ポリオールにポリエーテルポリオールを用い、シリコーン系整泡剤及びカルダノール系界面活性剤の何れも含まない例である。
比較例1の結果は、起泡(発泡)せず、起泡性「×」、保持性「×」、シリコーン成分量「検出せず」であり、起泡(発泡)状態が良好なポリウレタンフォームを得られなかった。
・実施例1~実施例3
実施例1~実施例3は、ポリオールにポリエーテルポリオールを用い、整泡剤として用いるカルダノール系界面活性剤の種類を変え、その配合量をポリオール100重量部に対して3.0重量部とし、シリコーン系整泡剤を含まない例である。
実施例1~実施例3の結果は、起泡性「〇」、保持性「〇」、シリコーン成分量「検出せず」であり、良好な発泡状態を有し、かつシリコーン汚染の問題がない。
・比較例2
比較例2は、ポリオールにポリエーテルポリオールを用い、シリコーン系整泡剤の配合量をポリオール100重量部に対して3.0重量部とし、カルダノール系界面活性剤を含まない例である。
比較例2の結果は、起泡性「〇」、保持性「〇」、シリコーン成分量「206ppm」であり、良好な発泡状態を有しているが、シリコーン汚染の問題がある。
・実施例4~実施例6
実施例4~実施例6は、ポリオールにポリエーテルポリオールを用い、整泡剤として用いるカルダノール系界面活性剤の種類を変え、その配合量をポリオール100重量部に対して6.0重量部とし、シリコーン系整泡剤を含まない例である。
実施例4~実施例6の結果は、起泡性「〇」、保持性「〇」、シリコーン成分量「検出せず」であり、良好な発泡状態を有し、かつシリコーン汚染の問題がない。
・比較例3
比較例3は、ポリオールにポリエーテルポリオールを用い、シリコーン系整泡剤の配合量をポリオール100重量部に対して6.0重量部とし、カルダノール系界面活性剤を含まない例である。
比較例3の結果は、起泡性「〇」、保持性「〇」、シリコーン成分量「423ppm」であり、良好な発泡状態を有しているが、シリコーン汚染の問題がある。
・実施例7~実施例9
実施例7~実施例9は、ポリオールにポリエーテルポリオールを用い、整泡剤として用いるカルダノール系界面活性剤の種類を変え、その配合量をポリオール100重量部に対して9.0重量部とし、シリコーン系整泡剤を含まない例である。
実施例7~実施例9の結果は、起泡性「〇」、保持性「〇」、シリコーン成分量「検出せず」であり、良好な発泡状態を有し、かつシリコーン汚染の問題がない。
・比較例4
比較例4は、ポリオールにポリエーテルポリオールを用い、シリコーン系整泡剤の配合量をポリオール100重量部に対して9.0重量部とし、カルダノール系界面活性剤を含まない例である。
比較例4の結果は、起泡性「〇」、保持性「〇」、シリコーン成分量「588ppm」であり、良好な発泡状態を有しているが、シリコーン汚染の問題がある。
<ポリエーテルポリオ-ルとポリエステルポリオールの混合使用例>
・実施例10~実施例12
実施例10~実施例12は、ポリオールにポリエーテルポリオール1、2、3とポリエステルポリオール1をその混合割合を変えて使用し、整泡剤としてカルダノール系界面活性剤1の配合量をポリオール100重量部に対して6.0重量部とし、シリコーン系整泡剤を含まない例である。
実施例10~実施例12の結果は、起泡性「〇」、保持性「〇」、シリコーン成分量「検出せず」であり、良好な発泡状態を有し、かつシリコーン汚染の問題がない。
・比較例5
比較例5は、ポリオールにポリエーテルポリオール1、2、3とポリエステルポリオール1を混合使用し、シリコーン系整泡剤及びカルダノール系界面活性剤の何れも含まない例である。
比較例5の結果は、起泡性「〇」、保持性「×」、シリコーン成分量「検出せず」であり、良好なポリウレタンフォームを得られなかった。
・実施例13~実施例15
実施例13~実施例15は、ポリオールにポリエーテルポリオール1、2、3とポリエステルポリオール2をその混合割合を変えて使用し、整泡剤としてカルダノール系界面活性剤1の配合量をポリオール100重量部に対して6.0重量部とし、シリコーン系整泡剤を含まない例である。
実施例13~実施例15の結果は、起泡性「〇」、保持性「〇」、シリコーン成分量「検出せず」であり、良好な発泡状態を有し、かつシリコーン汚染の問題がない。
・比較例6
比較例6は、ポリオールにポリエーテルポリオール1、2、3とポリエステルポリオール2を混合使用し、シリコーン系整泡剤及びカルダノール系界面活性剤の何れも含まない例である。
比較例6の結果は、起泡性「△」、保持性「×」、シリコーン成分量「検出せず」であり、良好なポリウレタンフォームを得られなかった。
このように、本発明のポリウレタンフォームは、整泡剤としてカルダノール系界面活性剤を用い、シリコーン系整泡剤を用いる必要がないため、シリコーン成分が検出されず、シリコーン汚染のおそれがなく、電子機器のシール材等として好適である。
なお、本発明は実施例に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、整泡剤として、カルダノール系界面活性剤を用い、さらに、シリコーン系の整泡剤を少量、具体的には、カルダノール系界面活性剤より少量用いても、シリコーン汚染性の少ないポリウレタンフォームとすることが可能である。

Claims (5)

  1. カルダノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドが付加されたカルダノール系界面活性剤を整泡剤として含むポリウレタンフォーム形成用組成物から形成されたポリウレタンフォーム。
  2. 前記カルダノール系界面活性剤は、前記ポリウレタンフォーム形成用組成物中のポリオール100重量部に対して1~12重量部含まれていることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンフォーム。
  3. カルダノール系界面活性剤を整泡剤として含むポリウレタンフォーム形成用組成物を混合して反応硬化させることを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法。
  4. 前記カルダノール系界面活性剤は、前記ポリウレタンフォーム形成用組成物中のポリオール100重量部に対して1~12重量部含まれていることを特徴とする請求項3に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載のポリウレタンフォームで形成されたシール材。
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