JP2023149033A - 電動機 - Google Patents

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よし美 木津
Yoshimi Kizu
祥司郎 中
Shojiro Naka
正樹 平野
Masaki Hirano
峻介 清水
Shunsuke Shimizu
寛 日比野
Hiroshi Hibino
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Abstract

【課題】電動機において、磁気特性劣化及び鉄損の増大を抑制する。
【解決手段】
電動機(30)は、コア部(37)、コア部(37)と径方向に対向して設けられた環状の支持ヨーク部(50)、コア部(37)と支持ヨーク部(50)とを接続する支持部(51)、及び、支持ヨーク(50)をコア部(37)と反対側から固定する固定部(52)を有するモータコア(32)を備える。支持ヨーク部(50)は、固定部(52)から支持ヨーク(50)部向きに圧縮応力(60)が加わるように固定される。支持ヨーク部(50)は、圧縮応力(60)による変位でコア部(37)から遠ざかる部位、又は、変位が0となる部位にて支持部(51)と接続する。
【選択図】図3

Description

本開示は、電動機に関するものである。
空気調和装置等の様々な分野において、電動機が用いられている。電動機の固定子を筐体に焼嵌固定すると、固定子に圧縮応力が加わり、磁気特性が劣化して鉄損が増大する。これに対応する技術として、例えば特許文献1には、周方向に長く形成された応力緩和穴を備える固定子を用いることが開示されている。
特開2011-19398号公報
固定子における磁気特性劣化及び鉄損の増大ついて対策する技術は特許文献1のように種々存在するが、更に改善の余地がある。
本開示の目的は、電動機において、圧縮応力を掛けることなくコア部を固定して磁気特性劣化及び鉄損の増大を抑制することである。
本開示の第1の態様は、電動機(30)を対象とする。電動機(30)は、回転軸心周りに設けられたコア部(37,75,84,107)、コア部(37,75,84,107)と径方向に対向して設けられた環状の支持ヨーク部(50,70,80,100)、コア部(37,75,84,107)と支持ヨーク部(50,70,80,100)とを接続してコア部(37,75,84,107)を支持する複数の支持部(51,71,81,101)、及び、支持ヨーク(50,70,80,100)に対してコア部(37,75,84,107)と反対側に配置されて支持ヨーク部(50,70,80,100)を固定する複数の固定部(52,72,82,102)を有するモータコア(32,78,110)を備える。支持ヨーク部(50,70,80,100)は、固定部(52,72,82,102)から支持ヨーク(50)部に向かって圧縮応力(60)が加わる方法によって固定され、支持ヨーク部(50,70,80,100)は、固定部(52,72,82,102)から加わる圧縮応力(60)によりコア部(37,75,84,107)から遠ざかる方向に変位する部位、又は、固定部(52,72,82,102)から加わる圧縮応力(60)による変位が0となる部位において、支持部(51,71,81,101)と接続する。
第1の態様では、コア部(37,75,84,107)に圧縮応力が加わった場合に生じる磁気特性劣化及び鉄損の増大を抑制することができる。
本開示の第2の態様は、第1の態様において、コア部(37,107)が、環状のバックヨーク(34,104)及びバックヨーク(34,104)から径方向に伸びるティース(35,105)を備え、コア部(37,107)は、径方向について、バックヨーク(34,104)におけるティース(35,105)が設けられた位置の反対側において支持部(51)と接続するものである。
第2の態様では、バックヨーク(34,104)おける磁気飽和が抑制されて電動機(30)の効率低下が抑制される。
本開示の第3の態様は、第1又は第2の態様において、支持部(51,71,81,101)は、隣り合う2つの固定部(52,72,82,102)が支持ヨーク部(50,70,80,100)の中心に対して成す角において、一方の固定部(52,72,82,102)を基準に1/4の位置から3/4の位置までの範囲に設けられているものである。
第3の態様では、圧縮応力によりコア部(37,75,84,107)から遠ざかる方向に変位するか又は変位が0となる位置に支持部(51,71,81,101)を配置する方法を提供できる。
本開示の第4の態様は、第1又は第2の態様において、支持部(51,71,81,101)は、隣り合う2つの固定部(52,72,82,102)が支持ヨーク部(50,70,80,100)の中心に対して成す角を2等分する位置に設けられているものである。
第4の態様では、圧縮応力によりコア部(37,75,84,107)から遠ざかる方向の変位が最も大きい箇所に支持部(51,71,81,101)を配置する方法を提供できる。
本開示の第5の態様は、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、支持部(51,71,81,101)が、コア部(37,75,84,107)及び支持ヨーク部(50,75,84,107)の少なくとも一方とは別部材として設けられているものである。
第5の態様では、支持部(51,71,81,101)を別体とし、例えば絶縁体から成るものとすることもできる。
本開示の第6の態様は、第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、固定部(52,72,82,102)は、支持ヨーク部(50,70,80,100)とは別部材として設けられているものである。
第6の態様では、固定部(52,72,82,102)を別体とし、例えば絶縁体から成るものとすることもできる。
本開示の第7の態様は、第1~第6の態様のいずれか1つにおいて、パイプ状のケーシング(11)を更に備え、モータコア(32)は、ステータコアであり、且つ、固定部(52)を介してケーシング(11)に固定されるものである。
第7の態様では、ステータコアがケーシング(11)に固定された電動機(30)が実現される。
本開示の第8の態様は、第1~第7の態様のいずれか1つの電動機(30)を備える圧縮機(10)である。
第8の態様では、本開示の電動機(30)を備える圧縮機(10)が実現される。
本開示の第9の態様は、第1~第7の態様のいずれか1つの電動機(30)を備える送風機(95)である。
第9の態様では、本開示の電動機(30)を備える送風機(95)が実現される。
本開示の第10の態様は、第1~第7の態様のいずれか1つの電動機(30)を備える冷凍装置(1)である。
第10の態様では、本開示の電動機(30)を備える冷凍装置(1)が実現される。
図1は、実施形態に係る冷凍装置の概略構成図である。 図2は、実施形態に係る圧縮機における軸方向に平行な断面に相当する縦断面図である。 図3は、実施形態のインナーロータ形の電動機に用いるステータコアの構成に関して示す、軸方向に垂直な断面に相当する横断面図である。 図4は、圧縮応力による支持ヨーク部の変形について説明する図である。 図5は、実施形態のインナーロータ形の電動機に用いるステータコアの構成に関して示す、軸方向に垂直な断面に相当する横断面図である。 図6は、実施形態のインナーロータ形の電動機に用いるステータコアの構成に関して示す、軸方向に垂直な断面に相当する横断面図である。 図7は、実施形態のインナーロータ形の電動機に用いるステータコアの構成に関して示す、軸方向に垂直な断面に相当する横断面図である。 図8は、実施形態のインナーロータ形の電動機に用いるステータコアの構成に関して示す、軸方向に垂直な断面に相当する横断面図である。 図9は、実施形態のインナーロータ形の電動機に用いるステータコアの構成に関して示す、軸方向に垂直な断面に相当する横断面図である。 図10は、実施形態のインナーロータ形の電動機に用いるステータコアの構成に関して示す、軸方向に垂直な断面に相当する横断面図である。 図11は、実施形態のインナーロータ形の電動機に用いるステータコアの構成に関して示す、軸方向に垂直な断面に相当する横断面図である。 図12は、実施形態のインナーロータ形の電動機に用いるステータコアの構成に関して示す、軸方向に垂直な断面に相当する横断面図である。 図13は、実施形態のインナーロータ形の電動機に用いるステータコアの構成に関して示す、軸方向に垂直な断面に相当する横断面図である。 図14は、実施形態のインナーロータ形の電動機に用いるステータコアの構成に関して示す、軸方向に垂直な断面に相当する横断面図である。 図15は、実施形態のインナーロータ形の電動機に用いるステータコアの構成に関して示す、軸方向に垂直な断面に相当する横断面図である。 図16は、実施形態のインナーロータ形の電動機に用いるステータコアの構成に関して示す、軸方向に垂直な断面に相当する横断面図である。 図17は、実施形態のインナーロータ形の電動機に用いるステータコアの構成に関して示す、軸方向に垂直な断面に相当する横断面図である。 図18は、実施形態のインナーロータ形の電動機に用いるステータコアの構成に関して示す、軸方向に垂直な断面に相当する横断面図である。 図19は、実施形態のインナーロータ形の電動機に用いるステータコアの構成に関して示す、軸方向に垂直な断面に相当する横断面図である。 図20は、実施形態のアウターロータ形の電動機に用いるステータコアの構成に関して示す、軸方向に垂直な断面に相当する横断面図である。 図21は、実施形態の電動機に用いるロータコアの構成に関して示す、軸方向に垂直な断面に相当する横断面図である。 図22は、本開示の構成をモータコアにリベット締結を行う場合に適用した例を示す図である。 図23は、実施形態の送風機について示す概略図である。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示される実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。各図面は、本開示を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために必要に応じて寸法、比または数を誇張または簡略化して表す場合がある。
《第1の実施形態》
第1の実施形態について説明する。本開示の圧縮機(10)は、例えば冷凍装置(1)に設けられる。
(1)冷凍装置の概要
図1に示す冷凍装置(1)は、本開示の圧縮機(10)を備える。冷凍装置(1)は、冷媒が充填された冷媒回路(R)を有する。冷媒回路(R)は、圧縮機(10)、放熱器(2)、減圧機構(3)、および蒸発器(4)を有する。減圧機構(3)は、膨張弁である。冷媒回路(R)は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。
冷凍サイクルでは、圧縮機(10)によって圧縮された冷媒が、放熱器(2)において空気に放熱する。放熱した冷媒は、減圧機構(3)によって減圧され、蒸発器(4)において蒸発する。蒸発した冷媒は、圧縮機(10)に吸入される。
冷凍装置(1)は、空気調和装置である。空気調和装置は、冷房専用機、暖房専用機、あるいは冷房と暖房とを切り換える空気調和装置であってもよい。この場合、空気調和装置は、冷媒の循環方向を切り換える切換機構(例えば四方切換弁)を有する。冷凍装置(1)は、給湯器、チラーユニット、庫内の空気を冷却する冷却装置などであってもよい。冷却装置は、冷蔵庫、冷凍庫、コンテナなどの内部の空気を冷却する。膨張機構は、電子膨張弁、感温式膨張弁、膨張機、またはキャピラリーチューブで構成される。
(2)圧縮機
図2に示すように、圧縮機(10)は、ケーシング(11)と、電動機(30)と、回転軸(20)と、圧縮機構(22)とを有する。圧縮機(10)は、ロータリ型の圧縮機である。厳密には、圧縮機(10)は揺動ピストン型の圧縮機である。圧縮機(10)は、スクロール型、スクリュー型、あるいはターボ型の圧縮機であってもよい。
(2-1)ケーシング
ケーシング(11)は、電動機(30)、回転軸(20)、および圧縮機構(22)を収容する。ケーシング(11)は全密閉型の容器である。ケーシング(11)の内部は、圧縮機構(22)から吐出された高圧の冷媒で満たされる。
ケーシング(11)は、金属材料で構成される。ケーシング(11)は、胴体(12)、底部(13)、および頂部(14)を有する。胴体(12)は、金属製の筒状の部材である。胴体(12)の軸方向の両端にはそれぞれ開口が形成される。本例では、胴体(12)の軸方向が鉛直方向に対応する。底部(13)は胴体(12)の下側の開口を閉塞する。頂部(14)は胴体(12)の上側の開口を閉塞する。
(2-2)電動機
図2および図3に示す電動機(30)は、回転電気機械の一例である。電動機(30)は、圧縮機構(22)の上方に配置される。電動機(30)は、インバータ装置によって運転周波数が制御される。言い換えると、圧縮機(10)は、運転周波数が可変なインバータ式である。
電動機(30)は、ステータ(31)と、ロータ(40)とを有する。ステータ(31)は、ケーシング(11)の胴体(12)に支持される。ステータ(31)は、ステータコア(32)と、ステータコア(32)に巻回されるコイル(33)とを有する。ステータコア(32)は、本開示のコアを構成する。ステータコア(32)は、電磁鋼板(M)が軸方向に積層されて構成される。図3に示すように、ステータコア(32)は、環状のバックヨーク(34)と、バックヨーク(34)の内周面から径方向内方に延びる複数(本例では6つであるが、これには限らない)のティース(35)とを有するコア部(37)を備える。更に、支持ヨーク部(50)、バックヨーク(34)と支持ヨーク部(50)とを接続する支持部(51)、バックヨーク(34)を支持する固定部(52)等が設けられているが、詳しくは後に更に説明する。
ロータ(40)は、ステータコア(32)の内部に配置される。ロータ(40)は、回転軸心回りに回転自在に構成される。ロータ(40)の回転軸心には回転軸(20)が固定される。ロータ(40)の内部には、複数の永久磁石が埋め込まれる(図示省略)。
ステータ(31)のティース(35)と、ロータ(40)との間には、横断面視において環状のギャップが形成される。
(2-3)回転軸
回転軸(20)は、ケーシング(11)の軸心に沿って鉛直方向に延びる。回転軸(20)は、電動機(30)によって回転駆動される。回転軸(20)は、軸受け(21)によって回転可能に支持される。
(2-4)圧縮機構
圧縮機構(22)は、シリンダ(23)と、シリンダ(23)の内部に設けられるピストン(24)とを有する。シリンダ(23)の内周面とピストン(24)の外周面との間にシリンダ室(25)が形成される。シリンダ室(25)では、回転軸(20)によって駆動されるピストン(24)により流体が圧縮される。
(2-5)吸入管および吐出管
圧縮機(10)は、吸入管(26)および吐出管(27)を有する。吸入管(26)は、胴体(12)を径方向に貫通し、シリンダ室(25)と連通する。冷媒回路(R)の低圧冷媒が、吸入管(26)を介してシリンダ室(25)に吸い込まれる。吐出管(27)は、頂部(14)を軸方向に貫通し、ケーシング(11)の内部空間と連通する。圧縮機構(22)で圧縮された冷媒は、電動機(30)ギャップを流れた後、吐出管(27)より冷媒回路(R)へ送られる。
(3)ステータコアの詳細
モータコア(32)の一例としてのステータコア(32)の詳細について、図3及び図4を参照しながら説明する。尚、以下の説明においては、「軸方向」、「周方向」、および「径方向」は、特に言及しない限り、ステータ(31)の軸方向、周方向、および径方向をそれぞれ意味する。本例では、ステータ(31)の軸方向は、図2に示すように回転軸(20)の軸方向に相当する。
ステータコア(32)は、複数の電磁鋼板が軸方向の一端から他端に亘って積層された構成であっても良い。
図3は、ステータコア(32)の構成例1を模式的に示す。ステータコア(32)は、回転軸心周りに設けられたコア部(37)を備える、コア部(37)は、環状のバックヨーク(34)及びバックヨーク(34)から内径方向に延びるティース(35)を備える。ステータコア(32)は、更に、コア部(37)と径方向に対向して設けられた環状の支持ヨーク部(50)、コア部(37)と支持ヨーク部(50)とを接続してコア部(37)を支持する複数の支持部(51)、及び、支持ヨーク部(50)に対してコア部(37)と反対側に配置されて支持ヨーク部(50)を固定する複数の固定部(52)を備える。固定部(52)は、パイプ状のケーシング(11)と支持ヨーク部(50)とを連結することにより、ケーシング(11)に対してステータコア(32)を固定する。
このように、図3において、コア部(37)とケーシング(11)とは直接には接しておらず、支持部(51)、支持ヨーク部(50)及び固定部(52)を介して間接的に固定されている。
図3において、2つの固定部(52)が、環状の支持ヨーク部(50)を2等分する位置(図3では左右)に設けられている。この固定部(52)の配置は、軸心に対して回転対称である。また、支持部(51)は、隣り合う2つの固定部(52)が支持ヨーク部(50)の中心に対して成す角を2等分する位置(図3では上下の領域(61)として示す)に設けられている。隣り合う固定部(52)の間の支持ヨーク部(50)を2等分する位置と言っても良い。支持部(51)と固定部(52)とは、軸心に対して90°ずれて位置することになる。
ケーシング(11)とステータコア(32)とは、焼き嵌めにより固定されている。この結果、ケーシング(11)からステータコア(32)に対し、圧縮応力(60)が印加される。より正確には、圧縮応力(60)は固定部(52)に対して印加される。従って、図3では、左右に矢印で示すように圧縮応力(60)が発生している。
コア部(37)に圧縮応力(60)が印加された場合、コア部(37)における磁気特性劣化の原因となり、更には鉄損が増大する原因ともなる。しかし、図3のステータコア(32)では、支持ヨーク部(50)とステータコア(32)(バックヨーク(34))との間に隙間があるので、圧縮応力(60)が直接ステータコア(32)に印加されることはない。
また、支持ヨーク部(50)とコア部(37)とが支持部(51)により接続される領域(61)では、圧縮応力(60)により、支持ヨーク部(50)はコア部(37)から遠ざかる方向に変位する。従って、支持ヨーク部(50)からコア部(37)に加わる応力は引っ張り応力となる。
以上から、コア部(37)において、圧縮応力(60)による磁気特性劣化及びそれに起因する鉄損の増大は抑制される。更に、領域(61)における引っ張り応力は、コア部(37)における磁気特性をむしろ改善し、鉄損を低減し得る。
これに関し、図4により更に説明する。図4は、図3のステータコア(32)の支持部(51)が設けられていない仮想的な構成において、圧縮応力(60)による支持ヨーク部(50)の変形を強調して示す図である。図4では、変形した支持ヨーク部(50)と、円状の変形前形状(50a)(破線)とを示している。
図4に示すように、ステータコア(32)に対し、固定部(52)の位置(左右)においてケーシング(11)からステータコア(32)に圧縮応力(60)が加わると、支持ヨーク部(50)は変形する。この際、固定部(52)に近い(固定部(52)は2つであるから、固定部(52)が含まれる四分円内の)範囲(64)では、変形前形状(50a)と比較して、支持ヨーク部(50)の各部はコア部(37)に近づく方向に変位する。従って、この領域(64)に支持部(51)を設けた場合、圧縮応力(60)が加わると、支持部(51)からコア部(37)にも圧縮応力が加わることになる。
逆に、固定部(52)から遠い領域(65)では、変形前形状(50a)と比較して、支持ヨーク部(50)の各部はコア部(37)から遠ざかる方向に変位する。従って、この領域(64)に支持部(51)を設けた場合、圧縮応力(60)が加わると、支持部(51)からコア部(37)には引っ張り応力が加わることになる。このことから、支持部(51)は、この領域(65)に設けることが好ましい。領域(65)は、隣り合う2つの固定部(52)が支持ヨーク部(50)の中心に対して成す角において、一方の固定部(52)を基準に1/4の位置から3/4の位置までの範囲と考えることができる。隣り合う2つの固定部(52)の間の支持ヨーク部(50)の長さにおいて、一方の固定部(52)を基準に1/4の位置から3/4の位置までの範囲とも言える。
更に、隣り合う2つの固定部(52)が支持ヨーク部(50)の中心に対して成す角を2等分する位置である中央部(63)において、支持ヨーク部(50)がコア部(37)から遠ざかる変位が最大となる。図3のステータコア(32)では、この部分に支持部(51)を設けている。この場合に、前記の引っ張り応力は最大となる。従って、コア部(37)に引っ張り応力を加えて磁気特性を改善する観点からは、この位置に支持部(51)を設けることに利点がある。
また、領域(64)と領域(65)との境界部(62)では、支持ヨーク部(50)が全体として変形した際にも、圧縮応力(60)により前記コア部から遠ざかる方向への変位は0となる。従って、この部分に支持部(51)を設けたとすると、支持ヨーク部(50)に圧縮応力(60)が加わったとしてもコア部(37)に応力を加えることは無い。圧縮、引っ張りのいずれも応力もコア部(37)に加えないようにする観点からは、この位置に支持部(51)を設けることが好ましい。境界部(62)は、隣り合う2つの固定部(52)が支持ヨーク部(50)の中心に対して成す角(又は、当該部分の支持ヨーク部(50)の長さ)において、一方の固定部(52)を基準に1/4又は3/4の位置と考えることができる。
(ステータコア(32)の他の形状)
ステータコア(32)の構成、特に、支持ヨーク部(50)、支持部(51)及び固定部(52)の数、配置及び形状は、図3に示したものには限られない。図3の場合を構成例1として、以下に、他の構成例を示す。
(構成例2)
図5は、構成例2のステータコア(32)を示す。当該ステータコア(32)において、バックヨーク(34)及びバックヨーク(34)及びティース(35)を備えるコア部(37)が、支持部(51)、環状の支持ヨーク部(50)及び固定部(52)を介してケーシング(11)に固定されている構成は、図3に示す構成例1の場合と同様である。
但し、図5では、支持部(51)及び固定部(52)をいずれも3つ備えている点で、図3とは相違する。
図5のステータコア(32)において、環状の支持ヨーク部(50)を120°毎に3等分する位置にそれぞれ固定部(52)が設けられている。矢印により示すように、この位置において、固定部(52)から支持ヨーク部(50)に向かって圧縮応力(60)が加わる。これに対し、3つの支持部(51)は、隣り合う2つの固定部(52)が支持ヨーク部(50)の中心に対して成す角を2等分する位置に設けられている。軸心に対し、支持部(51)と固定部(52)とは60°ずれて配置されている。
このような構成例2のステータコア(32)においても、圧縮応力(60)が直接コア部(37)に加わることは避けられている。また、支持部(51)は、支持ヨーク部(50)の変形によりコア部(37)から遠ざかるように変位する位置に設けられており、コア部(37)に対しては引っ張り応力を加えるようになっている。従って、圧縮応力(60)によるコア部(37)における磁気特性劣化及び鉄損の増大は抑制され、むしろ引っ張り応力により改善され得る。
(構成例3)
図6は、構成例3のステータコア(32)を示す。当該ステータコア(32)は、支持部(51)及び固定部(52)をいずれも4つ備えている点で図3の場合とは異なり、他の構成は同様である。固定部(52)は支持ヨーク部(50)を4等分する位置に設けられ、支持部(51)は隣り合う2つの固定部(52)が支持ヨーク部(50)の中心に対して成す角を2等分する位置に設けられている。
このような構成のステータコア(32)においても、圧縮応力(60)による磁気特性劣化及び鉄損の増大を抑制する等の本開示の効果が発揮される。
(構成例4)
図7は、構成例4のステータコア(32)を示す。当該ステータコア(32)は、支持部(51)及び固定部(52)をいずれも6つ備えている点で図3の場合とは異なり、他の構成は同様である。このような構成のステータコア(32)においても、圧縮応力(60)による磁気特性劣化及び鉄損の増大を抑制する等の本開示の効果が発揮される。
以上に支持部(51)及び固定部(52)の数が異なる構成例1~4を例示したが、更に他の数であっても良い。支持部(51)及び固定部(52)は、軸心に対して回転対称に配置することが望ましい。
支持部(51)及び固定部(52)が少ない方が、圧縮応力(60)による支持ヨーク部(50)の各部の変位量が大きくなる。従って、支持部(51)の変位による引っ張り応力を大きくする(それにより鉄損を改善する)観点からは、支持部(51)及び固定部(52)は少ない方が好ましい。
(構成例5)
図8は、構成例5のステータコア(32)を示す。当該ステータコア(32)は、コア部(37)のバックヨーク(34)の外周及び支持ヨーク部(50)がいずれも多角形(一例として12角形であるが、これには限定されない)となっている点において、これらが円形(円環)状である構成例1~4と相違する。尚、図8のバックヨーク(34)及び支持ヨーク部(50)について、「円環」ではないとしても、端の無い形に巡って一周しているという意味において「環」であるものと考える。
構成例5のステータコア(32)においても、コア部(37)が、支持部(51)、環状の支持ヨーク部(50)及び固定部(52)を介してケーシング(11)に固定されている。
支持部(51)及び固定部(52)はそれぞれ3つ設けられ、12角形の支持ヨーク部(50)の頂点に配置されている。固定部(52)は支持ヨーク部(50)を3等分する位置に設けられ、支持部(51)は隣り合う2つの固定部(52)が支持ヨーク部(50)の中心に対して成す角を2等分する位置に設けられている。この点では、図5の構成例2と同様である。
このような構成のステータコア(32)においても、圧縮応力(60)による磁気特性劣化及び鉄損の増大を抑制する等の本開示の効果が発揮される。
(構成例6)
図9は、構成例6のステータコア(32)を示す。当該ステータコア(32)は、バックヨーク(34)及び支持ヨーク部(50)が多角形(十二角形)状である点では図8のステータコア(32)と同様である。また、3つの固定部(52)が支持ヨーク部(50)を3等分する位置に設けられ、3つの支持部(51)は隣り合う2つの固定部(52)が支持ヨーク部(50)の中心に対して成す角を2等分する位置に設けられている点も、図8のステータコア(32)と同様である。
しかし、支持部(51)及び固定部(52)がそれぞれ12角形の支持ヨーク部(50)の辺の中央に配置されている点において、図8とは異なる。
このような構成のステータコア(32)においても、圧縮応力(60)による磁気特性劣化及び鉄損の増大を抑制する等の本開示の効果が発揮される。
(構成例7)
図10は、構成例7のステータコア(32)を示す。当該ステータコア(32)は、バックヨーク(34)及びティース(35)を備えるコア部(37)、コア部(37)をケーシング(11)に固定するための支持ヨーク部(50)等を備える点では、これまでに説明した構成例と同様である。但し、支持ヨーク部(50)の形状が異なる。
構成例7のステータコア(32)は、楕円状の支持ヨーク部(50)を備える。支持ヨーク部(50)は、その長軸上の位置(図10では左右)にケーシング(11)に固定される固定部(52)、短軸上の位置(図10では上下)にバックヨーク(34)に接してコア部(37)を支持する支持部(51)を有する。
楕円形の短軸と長軸とは直交するので、2つの支持部(51)は軸心を挟んで反対側に位置し、2つの固定部(52)は支持部(51)同士の間の支持ヨーク部(50)を2等分する配置となっている。この場合も、ケーシング(11)がステータコア(32)を固定する際の圧縮応力(60)は、固定部(52)の位置に加わっている。
このような構成のステータコア(32)においても、圧縮応力(60)による磁気特性劣化及び鉄損の増大を抑制する等の本開示の効果が発揮される。
(構成例8)
図11は、構成例8のステータコア(32)を示す。当該ステータコア(32)も、コア部(37)及びこれをケーシング(11)に固定するための支持ヨーク部(50)等を備える点では、これまでに説明した構成例と同様である。
構成例8において、支持ヨーク部(50)は、3つの弧状部分からなる120°回転対称形状を有する。支持ヨーク部(50)は、軸心側から見て最も外側に突出した位置にケーシング(11)に固定される固定部(52)、最も内側寄りの位置にバックヨーク(34)に接してコア部(37)を支持する支持部(51)を有する。支持ヨーク部(50)は120°回転対称形状であるから、固定部(52)は周を3等分する配置であり、3つの固定部(52)は支持部(51)同士の間の支持ヨーク部(50)を2等分する配置となっている。
このような構成のステータコア(32)においても、圧縮応力(60)による磁気特性劣化及び鉄損の増大を抑制する等の本開示の効果が発揮される。
(構成例9)
図12は、構成例9のステータコア(32)を示す。当該ステータコア(32)は、バックヨーク(34)及び支持ヨーク部(50)の形状、支持部(51)及び固定部(52)の数と配置について、図5のステータコア(32)と同様である。
但し、破線により囲んで一部拡大して示すように、固定部(52)とケーシング(11)との間に機能部材(54)が介在する点において、図5のステータコア(32)とは異なっている。
機能部材(54)は、例えば電気絶縁部材、制振部材等である。電気絶縁部材は、例えば樹脂部材又はセラミックである。樹脂部材は、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA)ナイロン、液晶ポリマー(LCP)等を含む。セラミックは、アルミナ、ガラス、ジルコニア等を含む。制振部材は、例えば制振合金、発泡金属等を含む。電気絶縁部材により、コア部(37)とケーシング(11)とを絶縁することができる。制振部材により、コア部(37)とケーシング(11)とで伝播する振動を低減することができる。電動機(30)に求める性能や特性によっては、このような機能部材(54)を設けることが好ましい。尚、機能部材(54)は拡大図においてのみ図示し、他では省略している。
このような構成においても、固定部(52)及び機能部材(54)により支持ヨーク部(50)がケーシング(11)に固定されていることはこれまでに説明した構成例と同様であり、圧縮応力による磁気特性劣化及び鉄損の増大を抑制する等の本開示の効果が発揮される。
また、圧縮応力(60)により支持ヨーク部(50)が変形するので、過大な圧縮応力が機能部材(54)に加わることは抑制される。従って、圧縮応力(60)による機能部材(54)の破損は抑制される。
(構成例10)
図13は、構成例10のステータコア(32)を示す。当該ステータコア(32)は、図5のステータコア(32)において、固定部(52)の全体を機能部材(54)に置き換えた構成である。
図12の構成例9では、支持ヨーク部(50)と一体で且つ外側に突出した部分として固定部(52)が設けられ、その更に外側に、ケーシング(11)との間に挟まれる機能部材(54)が配置されている。これに対し、図13の構成例10では、支持ヨーク部(50)と一体に形成された固定部(52)は設けられず、代わりに別部材の固定部(52a)として、機能部材(54)が設けられている。あるいは、支持ヨーク部(50)とは別部材として、絶縁体からなる固定部(52a)が設けられていると言うこともできる。
このようなステータコア(32)においても、圧縮応力による磁気特性劣化及び鉄損の増大を抑制する等の本開示の効果が発揮される。また、構成例9と同様に、コア部(37)とケーシング(11)との間で絶縁、振動の伝播の低減等ができ、且つ、圧縮応力(60)による機能部材(54)の破損の抑制も可能である。
(構成例11)
図14は、構成例11のステータコア(32)を示す。当該ステータコア(32)も、コア部(37)及びこれをケーシング(11)に固定するための支持ヨーク部(50)等を備える点では、これまでに説明した構成例と同様である。バックヨーク(34)及び支持ヨーク部(50)が円環状であり、6つの固定部(52)を備える点では、図7に示す構成例4のステータコア(32)に類似する。しかし、支持部(51)の数は3つのみである。
図7では、隣り合う固定部(52)の間にそれぞれ支持部(51)が設けられている。これに対し、図14のステータコア(32)では、隣り合う固定部(52)同士の間において、支持部(51)が設けられる箇所と、設けられない箇所(領域(55))とが交互になっている。
つまり、隣り合う固定部(52)同士の間に支持部(51)を配置することは必須では無い。また、固定部(52)の数と支持部(51)の数との関係によって、配置は異なる。例えば、固定部(52)は図14と同じであり、支持部(51)は2つである場合、支持部(51)は図14において上下に配置されてもよい。この場合、支持部(51)の間に、支持部の無い領域(55)が2つ配置されることになる。また、6つの支持部(51)及び3つの固定部(52)のように、支持部(51)の方が多くなっていても良い。
このような構成のステータコア(32)においても、圧縮応力(60)による磁気特性劣化及び鉄損の増大を抑制する等の本開示の効果が発揮される。
(構成例12)
図15は、構成例12のステータコア(32)を示す。当該ステータコア(32)も、コア部(37)及びこれをケーシング(11)に固定するための支持ヨーク部等を備える点では、これまでに説明した構成例と同様である。
しかし、これまでの構成例ではコア部(37)と支持ヨーク部(50)とが一体に形成されていたのに対し、図15のステータコア(32)では、別部材となっている。図15のステータコア(32)における支持ヨーク部(50)は、バックヨーク(34)と径方向に対向する円環状に構成され、外側に固定部(52a)、内側に支持部(51a)を備える。支持部(51a)は、例えば図15に示すようにT字状の断面に形成され、バックヨーク(34)の外周に形成された凹部に嵌合する。これにより、支持ヨーク部(50)が外側に変形した場合にも、支持ヨーク部(50)とコア部(37)との接合を維持する。
電磁ノイズは、ステータ(31)からケーシング(11)へ伝搬する。そこで、支持部(51a)及び/又は固定部(52a)を電気絶縁部材にすることにより、電磁ノイズの伝搬経路を遮断できる。また、支持部(51a)及び/又は固定部(52a)制振部材に変更することにより、ステータ(31)からケーシング(11)に伝搬する振動を抑制することができる。
このような構成のステータコア(32)においても、圧縮応力(60)による磁気特性劣化及び鉄損の増大を抑制する等の本開示の効果が発揮される。
(構成例13)
図16は、構成例13のステータコア(32)を示す。当該ステータコア(32)も、コア部(37)及びこれをケーシング(11)に固定するための支持ヨーク部(50)等を備える点では、これまでに説明した構成例と同様である。また、バックヨーク(34)及び支持ヨーク部(50)は円環状である。
しかし、支持部(51)の配置について、これまでの構成例とは異なっている。
構成例1~13では、圧縮応力(60)によって支持ヨーク部(50)が変形した際、コア部(37)から遠ざかる方向に変位する位置に支持部(51)を設けている。特に、そのような変位が最も大きくなる位置として、隣り合う2つの固定部(52)が支持ヨーク部(50)の中心に対して成す角を2等分する位置に支持部(51)を設けている。
これに対し、図16のステータコア(32)では、支持ヨーク部(50)が変形した際にも、径方向の変位0となる部位に支持部(51)が設けられている。このためには、図4において説明した通り、コア部(37)に近づく方向に変位する領域(64)と、コア部(37)から遠ざかる方向に変位する領域(65)との境界部(62)に支持部(51)を設ける。
2つの固定部(52)が設けられた図16のステータコア(32)では、2つの固定部(52)が支持ヨーク部(50)の中心に対して成す角は180°であり、一方の固定部(52)を基準に1/4又は3/4の位置、つまり、45°又は135°の位置が境界部(62)となる。図16では、これに該当する4か所に固定部(52)が設けられている。
このようなステータコア(32)によると、圧縮応力(60)がコア部(37)に直接加わることが無いので、磁気特性の劣化及び鉄損の増大を抑制できる。更に、支持部(51)がコア部(37)に引っ張り応力を加えることも無い。電動機(30)に求める性能や特性に応じて、このような設計を選択できる。
固定部(52)が3つ以上備えられる場合にも、同様に、2つの固定部(52)が支持ヨーク部(50)の中心に対して成す角において、一方の固定部(52)を基準に1/4又は3/4の位置に支持部(51)を配置すれば良い。固定部(52)が3つであれば、支持部(51)は6つ備えられることになる。
(構成例14)
図17は、構成例14のステータコア(32)を示す。当該ステータコア(32)は、図16のステータコアにおいて、支持部(51)を2つのみとした構成である。つまり、支持ヨーク部(50)の変形による変位が0となる4つの境界部(62)(図4を参照)のうち、それぞれの固定部(52)から見て反時計回りに1/4の位置(45°の位置)にのみ支持部(51)が設けられている。
このような構成のステータコア(32)においても、コア部(37)に対する圧縮応力及び引っ張り応力の印加を共に避ける効果が発揮される。
(構成例15)
図18は、構成例15のステータコア(32)を示す。当該ステータコア(32)も、コア部(37)及びこれをケーシング(11)に固定するための支持ヨーク部(50)等を備える点では、これまでに説明した構成例と同様である。また、バックヨーク(34)及び支持ヨーク部(50)は円環状である。
図18において固定部(52)は上下2か所に設けられ、この位置に圧縮応力(60)が加わる。構成例13等と同様に、支持部(51)は、固定部(52)同士が成す角の1/4~3/4の範囲(固定部(52)が含まれない左右2つの四分円の範囲)に配置されている。従って、支持ヨーク部(50)の変形によりコア部(37)から遠ざかる方向に変位する位置であり、コア部(37)に圧縮応力を加えることは避けられている。
また、図18において、コア部(37)は、径方向について、バックヨーク(34)におけるティース(35)が設けられた位置の反対側において支持部(51)と接続されている。
これらの条件を合わせて、図18では4つの支持部(51)が設けられている。
電動機(30)を動作させる際、バックヨーク(34)において磁気飽和が発生すると、トルク電流比が低下し、銅損が増加して電動機(30)の効率が低下する。
これに対し、図18のように支持部(51)がティース(35)の反対側に設けられていると、支持部(51)は磁束の流れる経路となる。つまり、コア部(37)から支持ヨーク部(50)に磁束が流れやすくなり、バックヨーク(34)における磁気飽和が抑制される。この結果、電動機の効率低下が抑制される。
(構成例16)
図19は、構成例16のステータコア(32)を示す。当該ステータコア(32)も、コア部(37)及びこれをケーシング(11)に固定するための支持ヨーク部(50)等を備える点では、これまでに説明した構成例と同様である。また、バックヨーク(34)及び支持ヨーク部(50)は円環状である。
図19のステータコア(32)では、支持部(51)はバックヨーク(34)及び支持ヨーク部(50)とは別体の機能部材(56)として形成されている。構成例9において説明したのと同様に、機能部材(56)は、例えば電気絶縁部材、制振部材等である。電気絶縁部材により、コア部(37)とケーシング(11)とを絶縁することができる。制振部材により、コア部(37)とケーシング(11)とで伝播する振動を低減することができる。
圧縮応力(60)が機能部材(56)に直接加わることは無く、配置を選択することにより、機能部材(56)の破損を抑制することもできる。
《第2の実施形態》
次に、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態の電動機(30)は、ステータ(31)の内側にロータ(40)が配置されるインナーロータ形である。これに対し、本開示の技術は、ステータの外側にロータが配置されるアウターロータ形の電動機にも適用可能である。
図20は、アウターロータ形の電動機に用いられるステータコア(110)を示す。ステータコア(110)は、環状のバックヨーク(104)及びバックヨーク(104)から外径方向に延びるティース(105)を備えるコア部(107)を有する。ティース(105)には、コイル(103)が備えられている。
ステータコア(110)は、更に、バックヨーク(104)の内側に、バックヨーク(104)と径方向に対向して設けられた環状の支持ヨーク部(100)、コア部(107)と支持ヨーク部(100)とを接続してコア部(107)を支持する複数の支持部(101)、及び、支持ヨーク部(100)と反対側に配置されて支持ヨーク部(100)を固定する複数の固定部(102)を備える。当該固定部(102)により、バックヨーク(104)の内側に設けられた固定軸(106)に対してステータコア(110)が固定されている。
図20では、2つの固定部(102)が固定軸(106)の外周を2等分する位置(左右2箇所)に設けられている。これにより、固定部(102)から支持ヨーク部(100)に向かって圧縮応力(109)が加わる。当該圧縮応力(109)により支持ヨーク部(100)が変形し、固定部(102)付近ではコア部(107)に近づく方向に変位する。2つの固定部(102)が支持ヨーク部(100)の中心に対して成す角において、一方の固定部(102)を基準に1/4から3/4の範囲では、コア部(107)から離れる方向(108)に変位する。このような関係は、インナーロータ形の電動機に関して図4において説明した事項と対応する。
固定部(102)に対する支持部(101)の配置を設定することにより、アウターロータ形の電動機においても、圧縮応力による磁気特性の劣化、鉄損の増大を抑制することがきる。
尚、図20の場合、支持ヨーク部(100)が円環状であり、支持部(101)及び固定部(102)を各2つ備える点において、図3に示す第1の実施形態の構成例1に対応する。しかし、本実施形態において、第1の実施形態の他の構成例に対応するようにしても良い。
《第3の実施形態》
次に、第3の実施形態について説明する。ここでは、本開示の技術をモータコアの他の例としてロータコア(78)に適用した場合を説明する。
図22は、電動機のロータコア(78)を示す。ロータコア(78)は、永久磁石(76)が埋め込まれた環状のコア部(75)と、コア部(75)の内側に、コア部(75)と径方向に対向して設けられた環状の支持ヨーク部(70)、コア部(75)と支持ヨーク部(70)とを接続してコア部(75)を支持する複数の支持部(71)、及び、支持ヨーク部(70)に対してコア部(75)と反対側に反対側に配置されて支持ヨーク部(70)を固定する固定部(72)を備える。固定部(72)は、環状のコア部(75)の内側に配置された回転軸(77)と支持ヨーク部(70)とを連結することにより、回転軸(77)に対してロータコア(78)を固定する。
この場合にも、固定部(72)から支持ヨーク部(70)に向かって圧縮応力が加わる。当該圧縮応力により支持ヨーク部(70)が変形し、支持ヨーク部(70)各部がコア部(75)に対して近づく又は遠ざかる方向に変位することは、図4、第2の実施形態等で説明したのと同様である。
このような構成において、固定部(72)に対する支持部(71)の配置等を設定することにより、ロータコア(78)に関しても、圧縮応力による磁気特性の劣化、それに起因する鉄損の増大を抑制することがきる。支持ヨーク部(70)の形状、支持部(71)及び固定部(72)の数と配置等については、第1の実施形態の各構成例に対応するようにしても良い。
《第4の実施形態》
次に、第4の実施形態について説明する。本実施形態は、コア部に対してリベット締結を行う場合に本開示を適用した例である。
図22は、コア部(84)と、コア部(84)に挿入されたリベット(87)について示している。コア部(84)の内側に環状の支持ヨーク部(80)が設けられ、コア部(84)は均等に4つ設けられた支持部(81)によって支持されている。リベット(87)の外周には、支持ヨーク(80)と径方向に対向して設けられた環状の固定ヨーク部(83)が設けられている。言い換えると、固定ヨーク部(83)は、支持ヨーク部(80)とは反対側(ここでは内側)に設けられる。固定ヨーク部(83)と支持ヨーク部(80)とは均等に配置された固定部(82)によって連結されている。つまり、コア部(84)は、支持部(81)、支持ヨーク部(80)、固定部(82)及び固定ヨーク部(83)を介してリベット(87)に固定されている。支持部(81)及び固定部(82)は、互いに周方向にずれた位置に配置されている。
この場合にも、固定部(82)から支持ヨーク部(80)に向かって圧縮応力が加わることがある。当該圧縮応力により支持ヨーク部(80)が変形し、支持ヨーク部(80)各部がコア部(84)に対して近づく又は遠ざかる方向に変位することは、これまでの実施形態にて説明したのと同様である。圧縮応力による磁気特性の劣化、それに起因する鉄損の増大を抑制することがきることに関しても、これまでの実施形態と同様である。
これに加えて、固定ヨーク部(83)により、リベット(87)との接触面積が大きくなるので、リベット(87)に対するコア部(84)の固定をより確実、安定に行うことができる。
尚、固定ヨーク部(83)と同様の構成は、図20に示すアウターロータ形のステータコア(110)において設けることもできる。つまり、図20において、固定軸(106)の外周に、支持ヨーク部(100)と径方向に対向して設けられた環状の固定ヨーク部が備えられ、当該固定ヨーク部と支持ヨーク部(100)とが均等に配置された固定部(102)によって連結されていても良い。
《その他の実施形態》
以上では、ステータコア(32)、ステータコア(110)、ロータコア(78)等を用いる電動機(30)について、冷凍装置(1)に備えられた圧縮機(10)に用いる例を説明した。しかし、電動機(30)の使用目的は圧縮機(10)には限られない。例えば、送風機に用いることもできる。
図23に送風機(95)の一例としてシロッコファンを示す。送風機(95)は、羽根車と、羽根車を駆動する電動機(95a)とを有する。電動機(95a)は、ACモータである。電動機(95a)は、その軸心が略水平方向に延びる状態で配置される。図23の例では、送風機(95)の下側には、制振台(96a)と、複数の制振ゴム(96b)とを有する制振装置(96)が設けられている。
また、送風機としては、空気調和装置の室外機に用いられるプロペラファン等であっても良い。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態、構成例、その他の実施形態に係る要素を適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上説明したように、本開示は、電動機について有用である。
1 冷凍装置
10 圧縮機
30 電動機
32,110 ステータコア(モータコア)
34,104 バックヨーク
35,105 ティース
37,75,84,107 コア部
50,70,80,100 支持ヨーク部
51,71,81,101 支持部
52,72,82,102 固定部
53,83 固定ヨーク部
60 圧縮応力
78 ロータコア(モータコア)

Claims (10)

  1. 回転軸心周りに設けられたコア部(37,75,84,107)、前記コア部(37,75,84,107)と径方向に対向して設けられた環状の支持ヨーク部(50,70,80,100)、前記コア部(37,75,84,107)と前記支持ヨーク部(50,70,80,100)とを接続して前記コア部(37,75,84,107)を支持する複数の支持部(51,71,81,101)、及び、前記支持ヨーク(50,70,80,100)に対して前記コア部(37,75,84,107)と反対側に配置されて前記支持ヨーク部(50,70,80,100)を固定する複数の固定部(52,72,82,102)を有するモータコア(32,78,110)
    を備える電動機において、
    前記支持ヨーク部(50,70,80,100)は、前記固定部(52,72,82,102)から前記支持ヨーク(50)部に向かって圧縮応力(60)が加わる方法によって固定され、
    前記支持ヨーク部(50,70,80,100)は、前記固定部(52,72,82,102)から加わる圧縮応力(60)により前記コア部(37,75,84,107)から遠ざかる方向に変位する部位、又は、前記固定部(52,72,82,102)から加わる圧縮応力(60)による変位が0となる部位において、前記支持部(51,71,81,101)と接続する電動機(30)。
  2. 請求項1において、
    前記コア部(37,107)は、環状のバックヨーク(34,104)及び前記バックヨーク(34,104)から径方向に伸びるティース(35,105)を備え、
    前記コア部(37,107)は、径方向について、前記バックヨーク(34,104)における前記ティース(35,105)が設けられた位置の反対側において前記支持部(51,101)と接続する電動機(30)。
  3. 請求項1又は2において、
    前記支持部(51,71,81,101)は、隣り合う2つの前記固定部(52,72,82,102)が前記支持ヨーク部(50,70,80,100)の中心に対して成す角において、一方の前記固定部(52,72,82,102)を基準に1/4の位置から3/4の位置までの範囲に設けられている電動機(30)。
  4. 請求項1又は2において、
    前記支持部(51,71,81,101)は、隣り合う2つの前記固定部(52,72,82,102)が前記支持ヨーク部(50,70,80,100)の中心に対して成す角を2等分する位置に設けられている電動機(30)。
  5. 請求項1~4のいずれか1つにおいて、
    前記支持部(51,71,81,101)は、前記コア部(37,75,84,107)及び前記支持ヨーク部(50,75,84,107)の少なくとも一方とは別部材として設けられている電動機(30)。
  6. 請求項1~5のいずれか1つにおいて、
    前記固定部(52,72,82,102)は、前記支持ヨーク部(50,70,80,100)とは別部材として設けられている電動機。
  7. 請求項1~6のいずれか1つにおいて、
    パイプ状のケーシング(11)を更に備え、
    前記モータコア(32)は、ステータコアであり、且つ、前記固定部(52)を介して前記ケーシング(11)に固定される電動機(30)。
  8. 請求項1~7のいずれか1つの電動機(30)を備える圧縮機(10)。
  9. 請求項1~7のいずれか1つの電動機(30)を備える送風機(95)。
  10. 請求項1~7のいずれか1つの電動機(30)を備える冷凍装置(1)。
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