JP2023148857A - 配管構造 - Google Patents

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英治 木村
Eiji Kimura
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Abstract

Figure 2023148857000001
【課題】カバーよりも径方向内側に水が入るのを抑制する配管構造を提供する。
【解決手段】配管構造1は、縦管P1,P5に接続可能な縦管接続部16,21を有する継手本体24、及び、継手本体の外周面に突出され、横管P3に接続可能な横管接続部17を有する集合管継手10と、集合管継手を覆うカバー30と、を備え、カバーは、内部に横管接続部が配置される貫通孔30aが形成され、継手本体を覆う本体カバー39と、本体カバーにおける貫通孔の開口周縁部から外側に向かって突出し、横管接続部を覆う枝カバー36と、を有し、横管接続部及び枝カバーを覆う第1封止部45を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、配管構造に関する。
従来、集合管継手に上部カバー及び下部カバーが巻きつけられた配管構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。集合管継手では、継手本体に横管接続部が設けられている。横管接続部は、上部カバーを貫通している。
特開2019-116732号公報
この種の配管構造は、マンション、ホテル等の多層建築物(建築物)に用いられる。多層建築物では、上下方向に隣合う層が、床スラブにより仕切られている。床スラブには、スラブ孔が形成されている。配管構造の一部は、床スラブのスラブ孔内に配置され、スラブ孔は、モルタル等の充填材により埋め戻される。
多層建築物に配管構造が施工される間に雨が降ると、床スラブ上に水が溜まることがある。この水は、上部カバーにおける横管接続部が通された部分を通して上部カバーよりも径方向内側に入ると、床スラブよりも下方の層に漏れる虞がある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、カバーよりも径方向内側に水が入るのを抑制する配管構造を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の配管構造は、縦管に接続可能な縦管接続部を有する継手本体、及び、前記継手本体の外周面に突出され、横管に接続可能な横管接続部を有する集合管継手と、前記集合管継手を覆うカバーと、を備え、前記カバーは、内部に前記横管接続部が配置される貫通孔が形成され、前記継手本体を覆う本体カバーと、前記本体カバーにおける前記貫通孔の開口周縁部から外側に向かって突出し、前記横管接続部を覆う枝カバーと、を有し、前記横管接続部及び前記枝カバーを覆う第1封止部を備えることを特徴としている。
この発明では、縦管及び横管が接続可能な集合管継手を、カバーにより覆うことができる。このとき、第1封止部は横管接続部及び枝カバーを覆うため、横管接続部と枝カバーとの間から水が枝カバーよりも内側に入り難い。さらに、枝カバーは貫通孔の開口周縁部から突出しているため、水は本体カバーの貫通孔から本体カバーよりも径方向内側に入り難い。従って、カバーよりも径方向内側に水が入るのを抑制することができる。
また、前記配管構造において、前記カバーは、前記継手本体から前記横管接続部にまでわたって延びる合成ゴム製の遮音カバーを有してもよい。
この発明では、例えば、遮音カバーが展開したときに平坦となるシート状に形成されていたとしても、合成ゴムは変形しやすいため、遮音カバーにおける横管接続部を覆う部分を平坦な形状から変形させて、横管接続部に沿った形状に変形させることができる。
また、本発明の他の配管構造は、縦管に接続可能な縦管接続部を有する継手本体、及び、前記継手本体の外周面に突出され、横管に接続可能な横管接続部を有する集合管継手と、前記集合管継手を覆うカバーと、を備え、前記カバーは、内部に前記横管接続部が配置される貫通孔が形成され、前記継手本体を覆う本体カバーと、前記横管接続部を覆う枝カバーと、を有し、前記横管接続部及び前記枝カバーを覆う筒状の第1封止部と、前記本体カバーにおける前記貫通孔の開口周縁部と前記枝カバーとの間を封止する第2封止部と、を備えることを特徴としている。
この発明では、縦管及び横管が接続可能な集合管継手を、カバーにより覆うことができる。このとき、第1封止部は横管接続部及び枝カバーを覆うため、横管接続部と枝カバーとの間から水が枝カバーよりも内側に入り難い。さらに、第2封止部は本体カバーにおける貫通孔の開口周縁部と枝カバーとの間を封止するため、水は本体カバーの貫通孔から本体カバーよりも径方向内側に入り難い。従って、カバーよりも径方向内側に水が入るのを抑制することができる。
本発明の配管構造では、カバーよりも径方向内側に水が入るのを抑制することができる。
本発明の第1実施形態の配管構造の一部を破断した正面図である。 本発明の第2実施形態の配管構造の要部における、一部を破断した正面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る配管構造の第1実施形態を、図1を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態の配管構造1は、多層建築物(建築物)101に用いられる。多層建築物101では、上下方向に複数の層102が重なっている。複数の層102同士(即ち、上層階と下層階)の間を、床スラブ103が仕切っている。床スラブ103には、上下方向に貫通するスラブ孔103aが形成されている。
配管構造1は、集合管継手10と、カバー30と、第1封止部45と、を備える。
ここで、集合管継手10及びカバー30は、それぞれ筒状に形成されている。集合管継手10及びカバー30それぞれの中心軸(軸線)は、共通軸と同軸に配置されている。以下では、共通軸を軸線O1と言い、軸線O1に沿う方向を軸線O1方向と言う。集合管継手10及びカバー30は、軸線O1が上下方向に沿って配置される。なお、これらは、軸線O1が上下方向に対して傾斜するように配置されてもよい。
軸線O1方向のうち、後述する上部接続管11に対する下部接続管12側を下方Z1と言い、下部接続管12に対する上部接続管11側を上方Z2と言う。配管構造1を上下方向から見て、軸線O1に直交する方向を径方向と言い、軸線O1回りに周回する方向を周方向と言う。
ただし、図中の下方Z1及び上方Z2は、向きを便宜的に示すものであり、本来は基準となるものに対する向きである。
集合管継手10の形状は、後述する縦管接続部16,21及び横管接続部17を有していれば、特に限定されない。例えば、集合管継手10は、上部接続管11と、下部接続管12と、を有する。
上部接続管11は、上部本体15と、上部縦管接続部(縦管接続部)16と、横管接続部17と、を有する。
上部本体15は、円筒状である。なお、上部本体15は、角筒状等の筒状であってもよい。
上部本体15の内部には、上下方向に延びる縦リブ(不図示)が設けられている。縦リブは、横管接続部17の基端側の開口部を避けて配置されている。
上部本体15の外周面に、図示しない複数のリブが設けられてもよい。複数のリブは、上部本体15から径方向外側に向けて突出する。例えば、軸線O1方向に互いに間隔をあけた3つのリブが、周方向に互いに間隔をあけて4組配置される。4組のリブは、周方向に互いに等間隔に配置されている。各リブの径方向の大きさは、特に限定されない。
集合管継手10を多層建築物101に施工する際に、図示しない支持金具が複数のリブに対して径方向外側から当接することにより、集合管継手10が保持される。
この例では、上部縦管接続部16は、受口である。上部縦管接続部16は、上部本体15の上端部に設けられている。上部縦管接続部16は、第1縦管(縦管)P1に接続可能である。第1縦管P1は、ポリエチレンやポリ塩化ビニル等の樹脂で形成された管である。第1縦管P1の下端部は、上部縦管接続部16内に配置されている。上部縦管接続部16内には、第1縦管P1が下方Z1に移動するのを規制するストッパ、及び第1縦管P1と上部縦管接続部16との間を水密に封止する封止部材が設けられていることが好ましい。
なお、上部縦管接続部は、挿口、フランジ等でもよい。
横管接続部17は、上部本体15の外周面から径方向外側に向けて突出されている。この例では、横管接続部17は、受口である。本実施形態では、集合管継手10は、横管接続部17を2つ有している。2つの横管接続部17が延びる方向は、平面視で90°をなす。
なお、集合管継手10が有する横管接続部17の数は、1つでもよいし、3つ以上でもよい。横管接続部は、挿口、フランジ等でもよい。
横管接続部17は、接続部本体17aと、受口ユニット17bと、を有する。接続部本体17aは、筒状であり、上部本体15の外周面から径方向外側に向けて突出されている。以下では、上部本体15(後述する継手本体24)における横管接続部17が設けられた部分を、接続部設置部分15bと言う。
受口ユニット17bは、接続部本体17aに着脱できる。受口ユニット17bは、横管P3に接続可能である。横管P3は、外径が第1縦管P1よりも小さいこと以外は、第1縦管P1と同様に構成される。横管P3は、水勾配を有するとともに、ほぼ水平面に沿って配置されている。横管P3の端部は、受口ユニット17b内に配置されている。受口ユニット17b内には、上部縦管接続部16と同様に、ストッパ及び封止部材が設けられていることが好ましい。
なお、受口ユニット17bは、接続部本体17aと一体に構成されてもよい。
上部接続管11を構成する上部本体15、縦リブ、上部縦管接続部16、接続部本体17aは、樹脂組成物を射出成形等で一体に成形して構成されている。
樹脂組成物を構成する樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等を例示でき、ポリ塩化ビニル系樹脂が好ましい。「ポリオレフィン系樹脂」とは、ポリオレフィン単体の樹脂か、複数種の樹脂を含む場合、質量が最も多い樹脂がポリオレフィンである樹脂を意味する。同様に「ポリ塩化ビニル系樹脂」とは、ポリ塩化ビニル単体の樹脂か、複数種の樹脂を含む場合、質量が最も多い樹脂がポリ塩化ビニルである樹脂を意味する。
上部接続管11のスラブ孔103a内に位置する外面又は内面には、熱膨張材を含む耐火材を設けてもよい。熱膨張材としては、火災時に発生する熱により膨張する素材であればよく、例えば、熱膨張性黒鉛等を例示できる。耐火材を上部接続管11の外面に設ける場合には、シート状に成形された耐火材を巻き付けて設けることができる。耐火材を上部接続管11の内面に設ける場合には、円筒の管状に成形された耐火材を上部接続管11の下部の内部に配置することで設けることができる。円筒の管状に成形された耐火材については以下に詳細を説明する。
下部接続管12は、傾斜管部20と、下部縦管接続部(縦管接続部)21と、を有する。なお、上部本体15、上部縦管接続部16、傾斜管部20、及び下部縦管接続部21で、継手本体24を構成する。
傾斜管部20は、下方Z1に向かうに従い外径及び内径がそれぞれ小さくなる筒状である。傾斜管部20の内部には、上下方向に延びる整流板20aが設けられている。
例えば、傾斜管部20は、樹脂組成物を射出成形することで製造される。
傾斜管部20を構成する樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂を例示でき、中でも、ポリ塩化ビニル系樹脂が好ましい。ポリ塩化ビニル系樹脂であれば、火災時に管路をより確実に閉塞できる。
下部接続管12のスラブ孔103a内に位置する外面又は内面には、熱膨張材を含む耐火材18を設けてもよい。熱膨張材としては、火災時に発生する熱により膨張する素材であればよく、例えば、熱膨張性黒鉛等を例示できる。耐火材を下部接続管12の外面に設ける場合には、シート状に成形された耐火材を巻き付けて設けることができる。耐火材を下部接続管12の内面に設ける場合には、円筒の管状に成形された耐火材18を下部接続管12の上部の内部に配置することで設けることができる。
なお、耐火材18は上部接続管11と下部接続管12の両方に設けてもよく、上部接続管11の下部と下部接続管12の上部にまたがる範囲に設けてもよい。
円筒の管状に成形された耐火材18は、全体が単一の樹脂組成物からなる単層構造でもよいし、複数の層からなる複層構造でもよい。耐火材18が複層構造の場合、いずれかの層が熱膨張材を含有する樹脂組成物から形成されていればよい。例えば、耐火材18が、表層と中間層と内層とからなる3層構造である場合には、中間層が熱膨張材を含有する樹脂組成物から形成されたものが挙げられる。
表層、中間層及び内層は、吸熱剤を含有していてもよい。吸熱剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、カオリン系鉱物(カオリナイト、ハロイサイト、ディッカイト)やハイドロタルサルサイト等の無機水酸化物、セピオライト、ベントナイト、モンモリロナイト、タルク、マイカ、石英、ゼオライト、ワラストナイト、ネフェリンサイアナイト等の吸水作用のある無機化合物を例示できる。
中間層が熱膨張性黒鉛を含有する場合、中間層は黒色を呈する。そのため、表層と内層は黒色以外の着色剤を含有させ、中間層と区別可能にしておくことが好ましい。
表層及び内層の厚みは、それぞれ0.3mm以上3.0mm以下が好ましく、0.6mm以上1.5mm以下がより好ましい。表層及び内層である被覆層の厚みが0.3mm以上であれば、傾斜管部20の管としての機械的強度を充分に確保できる。被覆層の厚みが3.0mm以下であれば、傾斜管部20の耐火性の低下を抑制できる。
また、傾斜管部20は、JIS K6741、硬質ポリ塩化ビニル管に記載の性能を満たすものが好ましい。
この例では、下部縦管接続部21は、受口である。下部縦管接続部21は、上部縦管接続部16と同様に構成されている。下部縦管接続部21は、傾斜管部20の下端部に設けられている。下部縦管接続部21は、第2縦管(縦管)P5に接続可能である。第2縦管P5は、第1縦管P1と同様に構成された管である。
下部縦管接続部21は、上部接続管11と同様の材料で形成される。なお、下部縦管接続部は、挿口、フランジ等でもよい。
上部接続管11及び下部接続管12は別々に製造され、上部本体15と傾斜管部20とが接着材等により互いに接続されている。
以上のように構成された集合管継手10は、樹脂製である。
すなわち、本実施形態では、集合管継手10は、接続管11,12という2つの部材を互いに接続して構成されている。なお、集合管継手10は、1つの部材で構成されてもよいし、3つ以上の部材で構成されてもよい。
カバー30は、集合管継手10を径方向外側から覆う。カバー30の構成は、限定されない。例えば、カバー30は、吸音カバー31と、遮音カバー32と、を有する。
吸音カバー31は、展開したときに平坦となるシート状に形成されている。吸音カバー31は、継手本体24に巻き付けられ、継手本体24を径方向外側から覆う。吸音カバー31は、筒状である。吸音カバー31には、横管接続部17を通すための吸音貫通孔31aが形成されている。
吸音カバー31は、例えばニードルフェルトで形成されている。例えば、ニードルフェルトには、ポリエチレンテレフタレートが40%~50%、アクリル繊維が35%~45%、ウール・レーヨンが10%~20%含まれている。ニードルフェルトを製造する際には、トゲの付いた針をニードルフェルトに刺し込み、機械的に繊維を交絡させている。
なお、吸音カバー31をサーマルフェルト、PETフェルト等のフェルトや、アクリル繊維混合物、グラスウール、ロックウール、発泡ウレタン等で形成してもよい。吸音カバー31の密度は、80kg/m以上であることが好ましい。吸音カバー31の厚さは、10mm程度であることが好ましい。
遮音カバー32は、展開したときに平坦となるシート状に形成されていることが好ましい。遮音カバー32は、遮音本体カバー35と、遮音枝カバー(枝カバー)36と、を有する。なお、吸音カバー31及び遮音本体カバー35で、本体カバー39を構成する。本体カバー39は、継手本体24を径方向外側から覆う。カバー30は、本体カバー39と、遮音枝カバー36と、を有する。
遮音本体カバー35は、筒状である。遮音本体カバー35は、吸音カバー31に巻き付けられ、吸音カバー31を径方向外側から覆う。遮音本体カバー35は、吸音カバー31の外周面に直接接触している。遮音本体カバー35には、横管接続部17を通すための遮音貫通孔35aが形成されている。なお、吸音カバー31の吸音貫通孔31a及び遮音貫通孔35aで、カバー30の貫通孔30aを構成する。
カバー30に形成された貫通孔30aの内部には、横管接続部17が配置される。
遮音枝カバー36は、筒状である。遮音枝カバー36は、遮音本体カバー35における遮音貫通孔35aの開口周縁部(本体カバー39における貫通孔30aの開口周縁部)から径方向外側に向かって突出する。すなわち、遮音本体カバー35と遮音枝カバー36とは、隙間無く連なっている。遮音枝カバー36は、横管接続部17を覆う。
遮音カバー32を構成する遮音本体カバー35及び遮音枝カバー36は、継手本体24から横管接続部17にまでわたって延びる。
遮音カバー32は、改質アスファルト、エラストマー、ポリオレフィン樹脂、軟質塩化ビニル樹脂等の合成ゴム製であることが好ましい。遮音カバー32は、炭酸カルシウムや硫酸バリウム等の無機材料、鉄や鉛等の金属シート、金属粉等を含有していてもよい。また、遮音カバー32の厚さは1.0mm以上5.0mm以下が好ましく、1.5mm以上4.0mm以下がより好ましい。さらに、遮音カバー32の片面又は両面に、合成繊維不織布やガラス繊維不織布等の表面材を積層してもよい。
遮音カバー32は、例えば、オレフィン系材料(オレフィン系樹脂100重量部に対して、無機フィラーを300~600重量部含有する樹脂組成物)等といった弾性を備えた樹脂材料により形成されてもよい。
遮音カバー32の厚さは、例えば1~5mm程度であることが好ましく、2mm程度であることがより好ましい。また、遮音カバー32の面密度は、1~8kg/mであることが好ましく、3.4kg/m程度であることがより好ましい。
前記無機フィラーとしては、特に限定されないが、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーンナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。
これらのうち、重量とコストのバランスから炭酸カルシウムを前記無機フィラーとして用いることが好ましい。なおこれらは、単独でも、2種以上を混合して用いてもよい。
前記オレフィン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、低密度ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、アタクチックポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ポリαオレフィンが挙げられる。中でも密度が0.87~0.93g/cmのポリエチレンが、前記オレフィン系樹脂として好ましい。なお、密度が0.87g/cm未満だと、遮音カバー32の強度が十分ではなく、0.93g/cmを超えると、遮音カバー32を偏平させたとき遮音カバー32が座屈してしまうおそれがある。また、オレフィン系樹脂の曲げ弾性率が、100~3000kg/cmであれば、強度、巻き加工性として十分である。
遮音カバー32は、オレフィン系材料とは異なる材料で形成されていてもよく、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、熱可塑性エラストマー(TPE)等のエラストマー材料等を用いても構わない。
以上のように、遮音カバー32を構成する遮音本体カバー35及び遮音枝カバー36は、一体に構成されている。
カバー30における継手本体24を覆う部分は、内側に配置された吸音カバー31、及び外側に配置された遮音カバー32の遮音本体カバー35を有する二重構造である。カバー30における横管接続部17を覆う部分は、遮音カバー32の遮音枝カバー36を有する一重構造である。
第1封止部45は、筒状に形成されている。第1封止部45についての筒状とは、例えば帯状部材を第1封止部45の周方向に巻いて形成された形状ではなく、第1封止部45の周方向に継目無く形成された形状を意味する。
第1封止部45は、横管接続部17及び遮音枝カバー36を外側からそれぞれ覆う。この例では、第1封止部45は、横管接続部17の接続部本体17aを外側から覆う。
例えば、配管構造1の傾斜管部20は、床スラブ103のスラブ孔103a内に配置されている。横管P3は、床スラブ103よりも上方Z2に配置されている。下部縦管接続部21は、床スラブ103よりも下方Z1に突出している。
床スラブ103におけるスラブ孔103aの開口周縁部と配管構造1との間には、モルタル等の充填材104が充填されている。
なお、多層建築物101内において、床スラブ103よりも上方Z2の層102には、図示しないトイレ等の排水設備が設けられている。排水設備は、第1縦管P1及び横管P3に接続されている。
次に、以上のように構成された配管構造1の動作について説明する。
排水設備から、第1縦管P1及び横管P3を通して集合管継手10内に排水が流れ込む。排水は、集合管継手10内で縦リブ及び整流板20aに当たりながら下方Z1に向かって流れる。排水は、集合管継手10から第2縦管P5内に流れ込み、適宜排水される。
集合管継手10内を排水が流れる際に発生する音は、カバー30によりカバー30の外部に漏れ難くなる。
次に、以上のように構成された配管構造1が多層建築物101に施工されるときの水(雨水)の流れについて説明する。なお、このときには、スラブ孔103a内に充填材104が充填されている。
多層建築物101に雨が降ると、床スラブ103上に図示しない水が溜まることがある。ここで、例えば、配管構造1に対して、遮音枝カバー36及び第1封止部45を備えない構造を、従来の配管構造と規定する。
従来の配管構造では、床スラブ103上に溜まった水は、矢印A1で示すように、カバー30における横管接続部17が通された部分を通してカバー30よりも径方向内側に入る虞がある。この場合、この水は、継手本体24とカバー30との間を通して床スラブ103よりも下方Z1の層102に漏れる虞がある。
この課題に対して、本実施形態の配管構造1では、第1縦管P1及び横管P3が接続可能な集合管継手10を、カバー30により覆うことができる。このとき、第1封止部45は横管接続部17及び遮音枝カバー36を覆うため、横管接続部17と遮音枝カバー36との間から水が遮音枝カバー36よりも内側に入り難い。さらに、遮音枝カバー36は貫通孔30aの開口周縁部から突出しているため、水はカバー30の貫通孔30aから本体カバー39よりも径方向内側に入り難い。従って、カバー30よりも径方向内側に水が入るのを抑制することができる。
カバー30は、遮音カバー32を有する。遮音カバー32が展開したときに平坦となるシート状に形成されていたとしても、合成ゴムは変形しやすいため、遮音カバー32における横管接続部17を覆う部分を平坦な形状から変形させて、横管接続部17に沿った形状に変形させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図2を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図2に示すように、本実施形態の配管構造2は、第1実施形態の配管構造1におけるカバー30に代えて、カバー50及び第2封止部65を備える。
カバー50は、本体カバー51と、枝カバー52と、を有する。
本体カバー51は、継手本体24を径方向外側から覆う。本体カバー51は、本体吸音カバー55と、本体遮音カバー56と、を有する。
本体吸音カバー55は、吸音カバー31と同様に構成されている。本体遮音カバー56は、遮音本体カバー35と同様に構成されている。本体カバー51には、内部に横管接続部17が配置される貫通孔51aが形成される。
枝カバー52は、横管接続部17を外側から覆う。枝カバー52は、枝吸音カバー59と、枝遮音カバー60と、を有する。
枝吸音カバー59は、筒状に形成されている。枝吸音カバー59は、横管接続部17を外側から覆う。枝吸音カバー59は、吸音カバー31と同一の材料で形成されている。
枝遮音カバー60は、遮音枝カバー36と同様に構成されている。枝遮音カバー60は、枝吸音カバー59を外側から覆う。
第2封止部65は、円環状に形成された接着層等である。第2封止部65は、本体カバー51における貫通孔51aの開口周縁部と枝カバー52との間を水密に封止する。
図2において、枝吸音カバー59の端部及び第1封止部45は、接続部本体17aの外面を覆う位置に設けられているが、枝吸音カバー59の端部は受口ユニット17bの外面の位置まで設けられていてもよく、第1封止部45は受口ユニット17bの外面を覆っていてもよい。
以上のように、本体カバー51及び枝カバー52は、別体に構成され、第2封止部65により互いに接続されている。
カバー50における継手本体24を覆う部分は、内側に配置された本体カバー51の本体吸音カバー55、及び外側に配置された本体カバー51の本体遮音カバー56を有する二重構造である。カバー50における横管接続部17を覆う部分は、内側に配置された枝カバー52の枝吸音カバー59、及び外側に配置された枝カバー52の本枝遮音カバー60を有する二重構造である。
以上のように構成された本実施形態の配管構造2では、カバー50よりも径方向内側に水が入るのを抑制することができる。
さらに、第1縦管P1及び横管P3が接続可能な集合管継手10を、カバー50により覆うことができる。このとき、第1封止部45は横管接続部17及び枝カバー52を覆うため、横管接続部17と枝カバー52との間から水が枝カバー52よりも内側に入り難い。さらに、第2封止部65は本体カバー51における貫通孔51aの開口周縁部と枝カバー52との間を封止するため、水は本体カバー51の貫通孔51aから本体カバー51よりも径方向内側に入り難い。従って、カバー50よりも径方向内側に水が入るのを抑制することができる。
以上、本発明の第1実施形態及び第2実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。さらに、各実施形態で示した構成のそれぞれを適宜組み合わせて利用できることは、言うまでもない。
例えば、前記第1実施形態及び第2実施形態では、カバーは、上部カバーと、下部カバーと、を有してもよい。この場合、上部カバーは、継手本体24における、接続部設置部分15b、及び接続部設置部分15bよりも上方Z2の部分を径方向外側から覆う。下部カバーは、継手本体24における上部カバーが覆う部分よりも下方Z1の部分を覆う。
前記第1実施形態及び第2実施形態では、配管構造1,2は、縦リブ及び整流板20aを備えなくてもよい。
1,2 配管構造
10 集合管継手
16 上部縦管接続部(縦管接続部)
17 横管接続部
21 下部縦管接続部(縦管接続部)
24 継手本体
30,50 カバー
30a,51a 貫通孔
32 遮音カバー
36 遮音枝カバー(枝カバー)
39,51 本体カバー
45 第1封止部
52 枝カバー
65 第2封止部
P1 第1縦管(縦管)
P3 横管
P5 第2縦管(縦管)

Claims (3)

  1. 縦管に接続可能な縦管接続部を有する継手本体、及び、前記継手本体の外周面に突出され、横管に接続可能な横管接続部を有する集合管継手と、
    前記集合管継手を覆うカバーと、
    を備え、
    前記カバーは、
    内部に前記横管接続部が配置される貫通孔が形成され、前記継手本体を覆う本体カバーと、
    前記本体カバーにおける前記貫通孔の開口周縁部から外側に向かって突出し、前記横管接続部を覆う枝カバーと、
    を有し、
    前記横管接続部及び前記枝カバーを覆う第1封止部を備える、配管構造。
  2. 前記カバーは、前記継手本体から前記横管接続部にまでわたって延びる合成ゴム製の遮音カバーを有する、請求項1に記載の配管構造。
  3. 縦管に接続可能な縦管接続部を有する継手本体、及び、前記継手本体の外周面に突出され、横管に接続可能な横管接続部を有する集合管継手と、
    前記集合管継手を覆うカバーと、
    を備え、
    前記カバーは、
    内部に前記横管接続部が配置される貫通孔が形成され、前記継手本体を覆う本体カバーと、
    前記横管接続部を覆う枝カバーと、
    を有し、
    前記横管接続部及び前記枝カバーを覆う第1封止部と、
    前記本体カバーにおける前記貫通孔の開口周縁部と前記枝カバーとの間を封止する第2封止部と、
    を備える、配管構造。
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