JP2023148484A - 焼結体、及び切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速加工下において耐摩耗性及び耐欠損性に優れた焼結体及び切削工具を提供する。【解決手段】焼結体は、TiN、TiC、TiCN、又は(Ti、M)(C、N)(Mは周期表の4~6族に属する元素(Ti元素を除く)からなる群より選択される少なくとも1種)を主成分とする硬質粒子と、Co及びNiの少なくとも1種を含む結合相と、を含む。結合相は、さらにRe、Ru、Moからなる群より選択される少なくとも1種を含む。焼結体は、1000℃におけるビッカース硬度が800Hv以上である。【選択図】図1

Description

本開示は、焼結体、及び切削工具に関する。
炭化タングステンやチタン炭窒化物を主成分とする硬質相と、鉄族元素を主成分とする結合相とを備える超硬合金やサーメットを基材として用いた切削工具が知られている(例えば特許文献1参照)。
国際公開第2008/146856号公報
ところで、超硬合金やサーメットを基材とする切削工具は一般的に耐欠損性に優れるが、結合相にCoやNi等の比較的低融点な金属を用いるため、高速加工下では、工具の塑性変形が生じたり、摩耗が生じ得る。特許文献1の発明では、サーメットの耐塑性変形性および耐欠損性を向上させるために、結合相の耐熱化を図っているが、切削速度が250m/min以下にとどまっている。一方で、鋼材などをより高速で加工する技術が求められている。
本開示は、上記実情を鑑みてなされたものであり、高速加工下において耐摩耗性及び耐欠損性に優れた焼結体及び切削工具を提供することを目的とする。本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
〔1〕TiN、TiC、TiCN、又は(Ti、M)(C、N)(Mは周期表の4~6族に属する元素(Ti元素を除く)からなる群より選択される少なくとも1種)を主成分とする硬質粒子と、
Co及びNiの少なくとも1種を含む結合相と、
を含む焼結体であって、
前記結合相は、さらにRe、Ru、Moからなる群より選択される少なくとも1種を含み、
1000℃におけるビッカース硬度が800Hv以上である焼結体。
〔2〕25℃におけるビッカース硬度に対して1000℃におけるビッカース硬度が50%以上である〔1〕に記載の焼結体。
〔3〕〔1〕または〔2〕に記載の焼結体を用いた切削工具。
〔4〕〔1〕または〔2〕に記載の焼結体を基材とし、前記基材の表面に被覆層が形成された切削工具。
本開示によれば、高速加工下において耐摩耗性及び耐欠損性に優れた焼結体を提供できる。
鉄(Fe)に対する耐反応性と硬度に優れるTi化合物を主成分とした硬質相を含むことで、耐摩耗性に優れる焼結体となる。また、結合相は、主成分のCo又はNiに対して融点の高いRe、Ru、Moからなる群より選択される少なくとも1種を含むことで、結合相の軟化温度を高められる。そのため、高温下における硬度の低下を抑制できる。加えて、結合相は、Moを含むと、CoMoに代表される金属間化合物の析出により高硬度化する。これらの結果、焼結体の高温硬度(ビッカース硬度)を800Hv以上とすることができ、高速加工下においても耐摩耗性と耐塑性変形性に優れた焼結体が得られる。
25℃におけるビッカース硬度に対して1000℃におけるビッカース硬度が50%以上である場合には、切削加工時の温度上昇に伴う焼結体の塑性変形を抑制できる。
本開示の焼結体を切削工具に供することで、耐摩耗性及び耐欠損性に優れた切削工具を提供できる。
切削工具の表面に被覆層が形成されている場合には、表面を硬質化するとともに被覆層に覆われた基材の酸化を抑制できるため、切削工具の耐摩耗性をより一層向上できる。
焼結体(切削工具)の一例の斜視図である。 図1のA-A線断面図である。
以下、本開示を詳しく説明する。なお、本明細書において、数値範囲について「~」を用いた記載では、特に断りがない限り、下限値及び上限値を含むものとする。例えば、「10~20」という記載では、下限値である「10」、上限値である「20」のいずれも含むものとする。すなわち、「10~20」は、「10以上20以下」と同じ意味である。
1.焼結体
(1)焼結体の構成
焼結体は、TiN、TiC、TiCN、又は(Ti、M)(C、N)(Mは周期表の4~6族に属する元素(Ti元素を除く)から選ばれる1種以上)を主成分とする硬質粒子と、Co(コバルト)及びNi(ニッケル)の少なくとも1種を含む結合相と、を含む。結合相は、さらにRe(レニウム)、Ru(ルテニウム)、Mo(モリブデン)からなる群より選択される少なくとも1種を含む。焼結体は、1000℃におけるビッカース硬度が800Hv以上である。
(2)硬質粒子
硬質粒子は、TiN、TiC、TiCN、又は(Ti、M)(C、N)(Mは周期表の4~6族に属する元素(Ti(チタン)元素を除く)から選ばれる1種以上)を主成分とする。ここで「主成分」とは、硬質粒子を100体積%とした場合に、Ti化合物(TiN、TiC、TiCN、又は(Ti、M)(C、N)(Mは周期表の4~6族に属する元素(Ti(チタン)元素を除く)から選ばれる1種以上))が60体積%以上であることを意味する。Mは、Ta(タンタル)、Nb(ニオブ)、W(タングステン)、V(バナジウム)、Cr(クロム)、Zr(ジルコニウム)、Mo(モリブデン)、Hf(ハフニウム)から選択される少なくとも1種の元素が好ましい。中でも、Ta(タンタル)、Nb(ニオブ)、W(タングステン)から選択される少なくとも1種の元素がより好ましく、Ta及び/又はNbであることがさらに好ましい。なお、硬質粒子を構成する元素の組成比は、特に限定されない。
硬質粒子は、単一組成の粒子であっても良いし、複数成分を含む粒子(例えばコアリム構造の粒子)であってもよい。TiC、TiN、TiCN、(Ti、M)(C、N)を構成する元素の組成比は、特に限定されない。例えば、TiCNにおけるC、Nの比率は限定されず、CやNは非化学量比でもよく、硬質粒子は、1種のみ存在してもよく、複数種存在していてもよい。複数種存在しているとは、元素Mが異なる(Ti、M)(C、N)粒子が一緒に存在していることを意味するほか、元素Mは同一であるが、粒子を構成するTi,M,C,Nの組成比が異なる(Ti、M)(C、N)粒子が一緒に存在していることも意味する。
なお、炭素の組成比XCと窒素の組成比XNとは、被削材に含まれる鉄に対する耐反応性の観点から、(XN/(XC+XN))で表される比率において、0.10~0.90の範囲が好ましく、0.20~0.80の範囲がより好ましく、0.30~0.70の範囲が更に好ましい。
チタンの組成比XTiと金属元素Mの組成比XMとは、硬度の観点から、(XTi/(XTi+XM))で表される比率において0.40~0.95の範囲が好ましく、0.50~0.95の範囲がより好ましく、0.70~0.95の範囲が更に好ましい。
焼結体における各物質の含有率(体積%)は、蛍光X線分析法等により各元素の量を求めることで算出できる。
焼結体における硬質粒子の含有率は、特に限定されない。硬質粒子は、耐摩耗性及び耐塑性変形性を高める観点から、硬質粒子、結合相、及び後述する分散粒子の合計を100体積%としたとき、硬質粒子が65体積%以上95体積%以下であることが好ましく、硬質粒子が75体積%以上90体積%以下であることがより好ましく、硬質粒子が80体積%以上85体積%以下であることが更に好ましい。
(3)結合相
結合相は、Co及びNiの少なくとも1種を含む。結合相がCo及びNiの少なくとも1種を含むことで、硬質粒子及び後述する分散粒子における粒子間の結合を強化することができる。そのため、焼結体の耐摩耗性及び耐欠損性を高めることができる。
結合相は、さらにRe、Ru、Moからなる群より選択される少なくとも2種を含む。これにより、結合相自体の耐熱性を高めることができる。その結果、高温下における硬度の低下を抑制できる。
(4)結合相に関する要件
結合相は、Co、Re、及びMoを含むことが好ましい。Moは、硬質粒子中に固溶し、これが硬質粒子と結合相の中間層として焼結体の耐欠損性を高めることができる。さらに、高融点金属である。結合相中に更にRe含むことで、結合相の高温軟化をより一層抑制できる。そのため、焼結体が塑性変形し難くなる。
Co、Re、及びMoの合計の含有率を100質量%としたとき、Coの含有率が70質量%以上90質量%以下であり、ReまたはRuの含有率が5質量%以上25質量%以下であり、Moの含有率が5質量%以上25質量%以下であることが好ましい。このような構成によって、焼結体の耐摩耗性及び耐塑性変形性を高めることができる。なお、結合相には、Co及びMoの他に別途不純物が含まれていてもよい。
焼結体は、耐摩耗性及び耐塑性変形性を高める観点から、硬質粒子、結合相、及び後述する分散粒子の合計を100体積%としたとき、結合相が3体積%以上10体積%以下であることが好ましく、結合相が5体積%以上8体積%以下であることが更に好ましい。
(5)硬度に関する要件
焼結体の1000℃におけるビッカース硬度は、切削速度が速い加工条件、すなわち、刃先温度が高くなる加工条件であっても、高い耐摩耗性及び高い耐塑性変形性を確保する観点から、800Hv以上であるとよい。
なお、ビッカース硬度は、日本工業規格JIS R 1610(室内温度)及びJIS R 1623(高温硬度)に準拠して測定される。試験荷重は、98.01Nとする。
焼結体の25℃におけるビッカース硬度に対する1000℃におけるビッカース硬度の割合(硬度維持率)は、切削加工時の温度上昇に伴う工具の塑性変形を抑制する観点から、50%以上であるとよい。硬度維持率は、(1000℃におけるビッカース硬度)/(25℃におけるビッカース硬度)×100の計算式で求められる。
(6)金属間化合物
結合相は、金属間化合物を含むことが好ましい。これにより、結合相の硬度を高めることができる。金属間化合物は、例えばCo及び/又はNiと、Moとの金属間化合物である。金属間化合物は、具体的には、CoとMoとの化合物、NiとMoとの化合物、CoとNiとMoとの化合物である。金属間化合物は、CoMoが好ましい。
(7)分散粒子
焼結体は、上記硬質粒子の他に、硬質粒子と固溶体を形成しない独立の粒子(分散粒子)を含んでもよい。焼結体は、分散粒子を含むことで、高温・高負荷環境下における硬質粒子の移動が妨げられるため、耐塑性変形性の向上に寄与できる。分散粒子は、化学的に安定なAlを含むことで、耐摩耗性向上が図れるため、好ましい。Alを含む分散粒子は、焼結体中に分散して存在し、硬質粒子の粒成長を抑制する。以下、Alを含む粒子を分散粒子とも称する。
分散粒子は、Alの窒化物、酸化物、及び酸窒化物のうちの1種以上からなる粒子が例示される。例えば、AlN粒子(窒化アルミニウム粒子)、Al粒子(酸化アルミニウム粒子)、及びAlON粒子(酸窒化アルミニウム粒子)のうちの1種以上からなることが示される。
分散粒子は、AlN粒子であることが好ましい。AlN粒子は、焼結体を用いてなる切削工具の熱伝導率を増加させ、熱膨張率を低下できる。よって、分散粒子としてAlN粒子を含むことで、高速加工下においてより優れた耐摩耗性と耐欠損性を発揮でき、工具の寿命が向上する。
分散粒子の含有率は、特には限定されない。分散粒子の含有量は、焼結体全体を100体積%とした場合に、3体積%以上25体積%以下が好ましく、5体積%以上10体積%以下が更に好ましい。分散粒子の含有率がこのような範囲であれば、高速加工下における拡散摩耗を抑制できるため、工具の耐摩耗性を高めることができる。また、結合相の高融点化(耐熱化)に伴い製造時の焼成温度が高温化しても、硬質粒子の粒成長を効果的に抑制でき、組織細分化が図れるため、工具の耐摩耗性と耐欠損性を高めることができる。
2.焼結体の製造方法
焼結体の製造方法は特に限定されない。焼結体の製造方法の一例を以下に示す。
(1)原料
原料として次の原料粉末を使用する。
・Ti炭窒化物系原料粉末
・TaC粉末(炭化タンタル粉末)、NbC粉末(炭化ニオブ粉末)、及びWC粉末(炭化タングステン粉末)から選択される1種以上の原料粉末、またはこれらの固溶体粉末
・AlN粉末(窒化アルミニウム粉末)、Al粉末(酸化アルミニウム粉末)等の原料粉末
・Co粉末、Ni粉末、Re粉末、Ru粉末、Mo粉末、W粉末等の原料粉末
(2)焼成用粉末の準備
原料粉末を所定の配合割合になる様に秤量する。容器(例えば樹脂ポット等)の中に、原料粉末、球石(例えばAl球石)、及び溶媒(例えばアセトン)を入れて混合粉砕する。得られたスラリーは湯煎乾燥にて処理し、乾燥混合粉末を得る。
(3)焼成
乾燥混合粉をプレス成型後、雰囲気焼成を行って焼結体2を作製する。雰囲気焼成は、Ar又はN雰囲気下で行う。
3.切削工具
図1及び図2に示すように、切削工具1は、上記焼結体2を用いてなる。切削工具1の形状は、特に限定されない。
焼結体2は、切削、研削、及び研磨の少なくとも1つの加工法によって形状や表面の仕上げを行って、切削工具1とすることができる。もちろん、これらの仕上げが不要であれば、焼結体2をそのまま切削工具1として用いてもよい。
切削工具1は、焼結体2を基材として、基材の表面に被覆層7が形成されていてもよい。被覆層7は、特に限定されないが、例えば、チタン、ジルコニウム、クロム及びアルミニウムの炭化物、窒化物、酸化物、炭窒化物、炭酸化物、酸窒化物、及び炭窒酸化物より選択される少なくとも1種の化合物からなることが好ましい。被覆層7が形成されると、切削工具1の表面硬度が増加すると共に、被覆層7に覆われた基材の酸化を抑制できるため、切削工具1の耐摩耗性を向上できる。
チタン、ジルコニウム、クロム及びアルミニウムの炭化物、窒化物、酸化物、炭窒化物、炭酸化物、酸窒化物、及び炭窒酸化物より選択される少なくとも1種の化合物としては、特に限定されないが、TiN、TiAlN、TiCrAlN、CrAlNが好適な例として挙げられる。耐摩耗性の観点から、Ti系(例えばTiCAlN、TiAlN)が、より好ましい。
被覆層7の形態は、単層膜であっても、複数の膜が積層した積層膜であってもよい。
被覆層7の厚みは、特に限定されない。被覆層7の厚みは、耐摩耗性の観点から、0.02μm以上30μm以下が好ましい。
以下、実施例により本開示を更に具体的に説明する。
なお、実験例3~13は実施例であり、実験例1,2は比較例である。
表において、実験例を「No.」を用いて示す。また、表において「※1」のように、「※」が付されている場合には、比較例であることを示している。
1.実験例1~13
実験例1~13の各焼結体を作製し、これらの各焼結体を加工して、実験例1~12の各切削工具とした。表1に示す配合組成では、含まれる成分の合計が100体積%となっている。表1中、実験例1の配合組成の「(Ti,Nb)(C,N)-9%AlN-8%Co」は、(Ti,Nb)(C,N)、AlN、Coがそれぞれ83体積%、9体積%、8体積%含まれていることを意味している。
(1)原料粉末
以下に示す原料粉末を用いた。
Ti炭窒化物系原料粉末:平均粒径1.5μm以下
TaC粉末:平均粒径1.5μm以下
NbC粉末:平均粒径1.5μm以下
WC粉末:平均粒径1.5μm以下
Al粉末:平均粒径0.7μm以下
AlN粉末:平均粒径0.7μm以下
Co粉末:平均粒径5.0μm以下
Ni粉末:平均粒径5.0μm以下
Re粉末:平均粒径5.0μm以下
Ru粉末:平均粒径5.0μm以下
Mo粉末:平均粒径5.0μm以下
W粉末:平均粒径5.0μm以下
(2)焼結体(実験例1~13)の作製
原料粉末を用いて混合粉末を調製し、混合粉末にアセトンを入れて、72hr粉砕・混合した。粉砕・混合後、得られたスラリーを湯煎乾燥することで、アセトンの抜気を行い、乾燥混合粉末を調製した。得られた乾燥混合粉末を用いて、プレス成型後、雰囲気焼成(一次焼成)を行って焼結体を作製した。雰囲気焼成の条件は、焼成温度1550℃~1750℃、2時間、Ar雰囲気下であった。なお、緻密化し難いもの(実験例10)に関しては、適宜HIP処理を施した。HIP処理の条件は、1550℃、4時間、150MPa、Ar雰囲気下であった。各実験例の配合組成(体積%)、焼成温度を表1に示す。
Figure 2023148484000002


(3)切削工具の作製
実験例1~13の焼結体を、所定の寸法となるように研磨加工し、切削工具を作製した。
(4)炭素鋼に対する耐摩耗性能評価試験
(4.1)試験条件
各切削工具を用いて、切削試験を行った。試験条件は下記の通りである。
・チップ形状:CNMN120408T00520
・被削材:S45C(JIS)
・切削速度:800m/min
・切込み量:0.5mm
・送り量:0.3mm/rev.
・切削環境:乾式施削試験
(4.2)評価
評価結果を表1に併記する。下記項目を寿命判定基準として寿命に至るまでの切削距離にて評価を行った。切削距離1kmの加工時までに寿命に至らなかった場合に、合格とした。寿命要因は、「塑性変形」、「摩耗」、「欠損」である。逃げ面を基準面として刃先の変形量が0.10mmを超過した場合に、「塑性変形」が生じたと判定した。VB摩耗が0.1mm以上生じた場合に、「摩耗」が生じたと判定した。
寿命に至るまでの切削距離を評価した。
(5)評価結果
(5.1)硬度について
実験例1~13を比較検討する。結合相にCoを含み、高温硬度(1000℃におけるビッカース硬度)が685Hvである実験例1は、寿命時の切削距離が0.5kmであり、不合格であった。結合相にCo、Reを含み、高温硬度(1000℃におけるビッカース硬度)が790Hvである実験例2は、寿命時の切削距離が0.9kmであり、不合格であった。結合相にRe、Ru、Moからなる群より選択される少なくとも1種を含み、高温硬度(1000℃におけるビッカース硬度)が800Hv~897Hvである実験例3~12は、以下の要件(a)(b)を満たし、寿命時の切削距離が1.5km~4.0kmであり、合格であった。
・要件(a):結合相は、Re、Ru、Moからなる群より選択される少なくとも1種を含む
・要件(b):1000℃におけるビッカース硬度が800Hv以上である
実験例3~13は、上記要件(a)(b)を満たすことで、耐摩耗性と耐塑性変形性が向上した。
(5.2)硬度維持率について
硬度維持率は、25℃におけるビッカース硬度に対する1000℃におけるビッカース硬度の割合である。すなわち、硬度維持率は、(1000℃におけるビッカース硬度)/(25℃におけるビッカース硬度)×100の計算式で求められる。結合相にRe、Ru、Moからなる群より選択される少なくとも1種を含む実験例4~13は、以下の要件(c)を満たし、硬度維持率が50%以上であった。
・要件(c):25℃におけるビッカース硬度に対して1000℃におけるビッカース硬度が50%以上である
実験例4~13は、上記要件(c)を満たすことで、寿命時の切削距離が1.5km~4.0kmとなり、耐摩耗性と耐塑性変形性が向上した。特に、実験例4は、寿命に至るまでの切削距離が4.0kmであり、耐摩耗性と耐塑性変形性が大幅に向上した。
(5.3)硬質粒子の成分について
実験例4,6を比較検討する。硬質粒子にNbを含む実験例4は、寿命時の切削距離が4.0kmであった。硬質粒子にTa,Wを含む実験例6は、寿命時の切削距離が3.4kmであった。硬質粒子が周期表の4~6族に属する元素(Ti元素を除く)からなる群より選択される少なくとも1種)を含む複合炭窒化物固溶体から構成される構成でも、1000℃におけるビッカース硬度が800Hv以上となり、切削性能が満足できた。
(5.4)分散粒子の有無について
実験例4,5~10を比較検討する。分散粒子(Alを含む粒子)を含まない実験例7は寿命時の切削距離が1.5kmであった。分散粒子を含む実験例4,8~10は寿命時の切削距離が、それぞれ4.0km、2.9km、1.8km、3.0kmであった。焼結体は、Alを含む分散粒子を含むことで工具の摩耗量が低減した。
分散粒子がAlN粒子である実験例4は寿命時の切削距離が4.0kmであった。分散粒子がAl粒子である実験例10は寿命時の切削距離が3.0kmであった。分散粒子としてAl粒子よりもAlN粒子を含む方が、耐摩耗性を向上できた。
焼結体全体を100体積%とした場合の分散粒子の含有量がそれぞれ9体積%、3体積%、9体積%である実験例4,8,10は、寿命時の切削距離がそれぞれ4.0km、2.9km、3.0kmであった。分散粒子の含有量が3体積%以上9体積%以下とすることで、高い耐摩耗性を示した。
(5.5)結合相の量について
硬質粒子、結合相、及び分散粒子の合計を100体積%としたとき、結合相がそれぞれ8体積%、3体積%、5体積%、10体積%である実験例4,11~13は、寿命時の切削距離がそれぞれ4.0km、2.2km、3.6km、2.1kmであった。結合相が3体積%以上10体積%以下であることで、十分な工具性能(高い耐摩耗性)を示した。
実験例4~13では、高速加工下において耐摩耗性及び耐欠損性に優れた焼結体及び切削工具となった。このような切削工具によれば、鋼材加工の切削速度を向上でき、切削加工の高能率化を図ることができる。
本開示は上記で詳述した実施形態に限定されず、本開示の請求項に示した範囲で様々な変形又は変更が可能である。
1 …切削工具
2 …焼結体
7 …被覆層

Claims (4)

  1. TiN、TiC、TiCN、又は(Ti、M)(C、N)(Mは周期表の4~6族に属する元素(Ti元素を除く)からなる群より選択される少なくとも1種)を主成分とする硬質粒子と、
    Co及びNiの少なくとも1種を含む結合相と、
    を含む焼結体であって、
    前記結合相は、さらにRe、Ru、Moからなる群より選択される少なくとも1種を含み、
    1000℃におけるビッカース硬度が800Hv以上である焼結体。
  2. 25℃におけるビッカース硬度に対して1000℃におけるビッカース硬度が50%以上である請求項1に記載の焼結体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の焼結体を用いた切削工具。
  4. 請求項1または請求項2に記載の焼結体を基材とし、前記基材の表面に被覆層が形成された切削工具。
JP2022056532A 2022-03-30 2022-03-30 焼結体、及び切削工具 Pending JP2023148484A (ja)

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