JP2023148039A - 止水装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 止水板の設置作業を容易にする。【解決手段】 左右の止水板支持部20の間の開口部Aを止水板10によって塞ぐようにした止水装置において、左右の止水板支持部20の各々には、開口部Aの側の面に、上下方向に間隔を置いた下側被係合部31と上側被係合部32が設けられ、止水板10は、左端側と右端側の各々に、下側被係合部31に対し止水板厚さ方向の一方側から係合する下側係合部14と、上側被係合部32に対し前記一方側から係合する上側係合部15とを具備し、下側被係合部31は、上側被係合部32に対し前記一方側へずれて位置する。【選択図】 図9
Description
本発明は、増水時に建物や地下道の開口部を閉鎖して水の侵入を阻む止水装置に関するものである。
台風や集中豪雨などによる増水が建物や地下道の開口部に侵入すると、浸水による甚大な被害を及ぼすおそれがある。そこで、このような事態に備えて、予め建物や地下道などの開口部の両側に溝付きの支柱を対向させて立設しておくとともに、この支柱の近傍に止水板を格納しておき、増水が発生したときには、止水板を前記支柱の溝内へ差し込み、開口部を閉鎖して水の侵入を阻むようにしたものが従来知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記従来技術において、止水板を両側の支柱の溝に嵌め合わせるためには、高重量な止水板を溝よりも高い位置まで持ち上げて溝内へ差し込む必要があり、その作業に苦労する場合がある。
このような課題に鑑みて、本発明は、以下の構成を具備するものである。
左右の止水板支持部の間の開口部を止水板によって塞ぐようにした止水装置において、前記左右の止水板支持部には、前記開口部の側の面に、上下方向に間隔を置いた下側被係合部と上側被係合部が設けられ、前記止水板は、左端側と右端側の各々に、前記下側被係合部に対し止水板厚さ方向の一方側から係合する下側係合部と、前記上側被係合部に対し前記一方側から係合する上側係合部とを具備し、前記下側被係合部は、上側被係合部に対し前記一方側へずれて位置することを特徴とする止水装置。
左右の止水板支持部の間の開口部を止水板によって塞ぐようにした止水装置において、前記左右の止水板支持部には、前記開口部の側の面に、上下方向に間隔を置いた下側被係合部と上側被係合部が設けられ、前記止水板は、左端側と右端側の各々に、前記下側被係合部に対し止水板厚さ方向の一方側から係合する下側係合部と、前記上側被係合部に対し前記一方側から係合する上側係合部とを具備し、前記下側被係合部は、上側被係合部に対し前記一方側へずれて位置することを特徴とする止水装置。
本発明は、以上説明したように構成されているので、止水板の設置作業を容易にすることができる。
本実施の形態では、以下の特徴を開示している。
第一の特徴は、左右の止水板支持部の間の開口部を止水板によって塞ぐようにした止水装置において、前記左右の止水板支持部には、前記開口部の側の面に、上下方向に間隔を置いた下側被係合部と上側被係合部が設けられ、前記止水板は、左端側と右端側の各々に、前記下側被係合部に対し止水板厚さ方向の一方側から係合する下側係合部と、前記上側被係合部に対し前記一方側から係合する上側係合部とを具備し、前記下側被係合部は、上側被係合部に対し前記一方側へずれて位置する(図1~図4,図9,図10等参照)。
第一の特徴は、左右の止水板支持部の間の開口部を止水板によって塞ぐようにした止水装置において、前記左右の止水板支持部には、前記開口部の側の面に、上下方向に間隔を置いた下側被係合部と上側被係合部が設けられ、前記止水板は、左端側と右端側の各々に、前記下側被係合部に対し止水板厚さ方向の一方側から係合する下側係合部と、前記上側被係合部に対し前記一方側から係合する上側係合部とを具備し、前記下側被係合部は、上側被係合部に対し前記一方側へずれて位置する(図1~図4,図9,図10等参照)。
第二の特徴として、前記下側係合部は、前記下側被係合部に対し斜め上側から係合する(図9参照)。
第三の特徴として、前記上側係合部は、前記上側被係合部に対し離脱不能に係合するとともに、この係合状態を所定の操作により解除する係脱機構を構成している(図10参照)。
第四の特徴として、前記下側被係合部と前記上側被係合部は、それぞれ、前記左右の止水板支持部の各々から前記開口部の側へ突出し、前記止水板は、前記左右の止水板支持部に対し止水板厚さ方向の一方側から水密に圧接され、突出する前記下側係合部と前記上側係合部を、それぞれ、前記下側被係合部と前記上側被係合部に係合する(図9及び図10参照)。
第五の特徴として、上記止水装置の製造に用いる止水板被係合部用設置治具であって、前記下側被係合部を嵌め合わせて位置決めするための第一の嵌合部と、前記上側被係合部を嵌め合わせて位置決めするための第二の嵌合部とを、上下方向に所定の間隔を置いて一体に有し、前記第一の嵌合部は、前記第二の嵌合部に対し前記一方側へずれて位置する(図5及び図6参照)。
<具体的実施態様>
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1~図2は、本発明に係る止水装置の一例を示す。
止水装置1は、開口部Aを塞ぐようにして上方へ積み上げられる複数の止水板10と、開口部Aの両側で止水板10を支持する左右の止水板支持部20,20とを備え、屋外側から屋内側へ侵入しようとする水を、複数の止水板10により阻む。
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1~図2は、本発明に係る止水装置の一例を示す。
止水装置1は、開口部Aを塞ぐようにして上方へ積み上げられる複数の止水板10と、開口部Aの両側で止水板10を支持する左右の止水板支持部20,20とを備え、屋外側から屋内側へ侵入しようとする水を、複数の止水板10により阻む。
各止水板10は、板本体11と、板本体11の横幅方向の両端側で止水板支持部20に圧接される水密材12(図3及び図13参照)と、板本体11の下端側で下方側の面(例えば、下側に隣接する止水板10の上端面、又は床面等)に圧接される水密材13と、板本体11の左端側と右端側の各々で、止水板支持部20の下側被係合部31に対し止水板厚さ方向の一方側(図示例によれば屋外側)から係合する下側係合部14と、同止水板支持部20の上側被係合部32に対し同一方側から係合する上側係合部15とを備える。
板本体11は、金属等の硬質材料により横長矩形状に形成され、その長手方向の一端側と他端側が、それぞれ、止水板支持部20の屋外側の面に重なり合うように位置する。
この板本体11は、図示例によれば、引き抜き成形された横長矩形状の部材を上下方向に複数連結してなるが(図9及び図10参照)、他例としては、単一の横長矩形状部材から形成することも可能である。
この板本体11は、図示例によれば、引き抜き成形された横長矩形状の部材を上下方向に複数連結してなるが(図9及び図10参照)、他例としては、単一の横長矩形状部材から形成することも可能である。
水密材12,13は、ゴムやエラストマー樹脂等の弾性材料からなる長尺状の部材である。
一方の水密材12は、板本体11の左端側と右端側の各々における屋内側の面に固定され、板本体11の上下方向の略全長にわたり連続している。この水密材12は、その略全長にわたって、止水板支持部20の屋外側面に対し、止水板厚さ方向の一方側(図示例によれば屋外側)から接する。
そして、この水密材12は、止水板10が屋外側から受ける水圧により止水板支持部20に水密に圧接される。
そして、この水密材12は、止水板10が屋外側から受ける水圧により止水板支持部20に水密に圧接される。
他方の水密材13は、板本体11の下端から下方へ突出するように固定され、板本体11の横幅方向の略全長にわたり連続している。この水密材13は、その略全長にわたって、下方側の止水板10の上端部、又は床面等に接する。また、この水密材13は、止水板10の重量により、下方側の面に水密に圧接される。
下側係合部14は、板本体11の横幅方向の一端側において、板本体11の屋内側の面から突出して、止水板支持部20側の下側被係合部31に対し、屋外側斜め上側から係合するように形成されている(図9参照)。
上側係合部15は、板本体11の横幅方向の一端側において、板本体11の屋内側の面から突出して、止水板支持部20の上側被係合部32に対し、屋外側の斜め上側から近づいて離脱しないように係合する、この係合状態は、図示しない係脱機構に対する手動操作により解除可能である。
また、止水板支持部20は、開口部Aの幅方向の一端側に立設される支柱21と、支柱21の開口部A側の面に固定された支持板24とを一体的に具備している。
この止水板支持部20には、開口部Aの側の面(図示例によれば、支持板24表面)から突出するとともに、上下方向に間隔を置いた軸状の下側被係合部31及び上側被係合部32が複数組固定される。
この止水板支持部20には、開口部Aの側の面(図示例によれば、支持板24表面)から突出するとともに、上下方向に間隔を置いた軸状の下側被係合部31及び上側被係合部32が複数組固定される。
支柱21は、金属等の硬質材料からなる長尺状の部材である。
この支柱21は、図示例によれば、上下方向へ連続するCチャンネル状の本体部21aと、この本体部21aの開口を塞ぐように本体部21aを補強する補強部材21bとから一体的に構成される。
この支柱21における開口部A側の壁部には、後述する挿通孔24a,24bに連通する貫通孔(図示せず)が設けられる。また、前記貫通孔の裏側には、下側被係合部31と上側被係合部32の各々に螺合されるナット状部材(例えば、図示しないウェルドナット等)が固定される。
この支柱21は、図示例によれば、上下方向へ連続するCチャンネル状の本体部21aと、この本体部21aの開口を塞ぐように本体部21aを補強する補強部材21bとから一体的に構成される。
この支柱21における開口部A側の壁部には、後述する挿通孔24a,24bに連通する貫通孔(図示せず)が設けられる。また、前記貫通孔の裏側には、下側被係合部31と上側被係合部32の各々に螺合されるナット状部材(例えば、図示しないウェルドナット等)が固定される。
支持板24は、上下方向へ連続する長尺な板状部材である。この支持板24には、下側被係合部31の基端側を挿通するための挿通孔24aと、上側被係合部32の基端側を挿通するための挿通孔24bが、上下方向に所定間隔を置いて複数組設けられる(図5参照)。
なお、支柱21と支持板24は、一体の部材とすることも可能である。すなわち、支柱21における開口部A側の面に挿通孔24a,24bを直接形成すれば、支持板24を省くことが可能である。
なお、支柱21と支持板24は、一体の部材とすることも可能である。すなわち、支柱21における開口部A側の面に挿通孔24a,24bを直接形成すれば、支持板24を省くことが可能である。
支持板24における最下側の挿通孔24aは、下側被係合部31の基端側を上下不動に嵌め合わせる円形状(丸穴状)に形成される。
最下側の挿通孔24aよりも上側に位置する挿通孔24b及び挿通孔24aは、何れも、上側被係合部32と下側被係合部31を上下に位置調整可能とするように、上下方向の長孔状に形成される(図5参照)。
最下側の挿通孔24aよりも上側に位置する挿通孔24b及び挿通孔24aは、何れも、上側被係合部32と下側被係合部31を上下に位置調整可能とするように、上下方向の長孔状に形成される(図5参照)。
また、挿通孔24bは、挿通孔24aよりも屋内側に設けられる。
言い換えれば、挿通孔24aは、挿通孔24bに対し止水板厚さ方向の一方側(図示例によれば屋外側)へずれて位置する。
このため、図4に示すように、挿通孔24aに嵌り合う下側被係合部31は、挿通孔24bに嵌り合う上側被係合部32に対し、止水板厚さ方向の一方側(図4によれば屋外側)へ、寸法Wずれて位置する。
言い換えれば、挿通孔24aは、挿通孔24bに対し止水板厚さ方向の一方側(図示例によれば屋外側)へずれて位置する。
このため、図4に示すように、挿通孔24aに嵌り合う下側被係合部31は、挿通孔24bに嵌り合う上側被係合部32に対し、止水板厚さ方向の一方側(図4によれば屋外側)へ、寸法Wずれて位置する。
下側被係合部31は、支柱21及び支持板24に挿通される基軸部31aと、後述する止水板被係合部用設置治具2に対し回転不能に嵌り合う鍔部31bと、止水板10の下側係合部14に係合する係合軸部31cとを一体に有する(図5参照)。
基軸部31aは、円柱状に形成され、その先端側に雄螺子部を有する。この雄螺子部は、支柱21内の図示しないナット状部材に螺合し締め付けられる。
基軸部31aは、円柱状に形成され、その先端側に雄螺子部を有する。この雄螺子部は、支柱21内の図示しないナット状部材に螺合し締め付けられる。
鍔部31bは、図示例によれば、四角柱状に形成される、この鍔部31bは、止水板被係合部用設置治具2に対し回転不能に嵌り合えばよく、例えば、六角柱状等の多角柱状や、平行な二面を有する形状等とすることも可能である。
上側被係合部32は、下側被係合部31と同形状の部材であり、基軸部32a、鍔部32b、係合軸部32cを一体に有する。図示例の上側被係合部32は、下側被係合部31と同形状であり、共通部品化されている。
上側被係合部32についても、下側被係合部31と同様に、基軸部32aの先端側の雄螺子部が、支柱21内の図示しないナット状部材に螺合し締め付けられる。
上側被係合部32についても、下側被係合部31と同様に、基軸部32aの先端側の雄螺子部が、支柱21内の図示しないナット状部材に螺合し締め付けられる。
次に、上記構成の止水装置1について、製造上の特徴を詳細に説明する。
下側被係合部31及び上側被係合部32を止水板支持部20に装着する際には、止水板被係合部用設置治具2が用いられる(図5参照)。
下側被係合部31及び上側被係合部32を止水板支持部20に装着する際には、止水板被係合部用設置治具2が用いられる(図5参照)。
止水板被係合部用設置治具2は、上述した止水装置1において、下側被係合部31及び上側被係合部32を位置決めするための治具である。
この止水板被係合部用設置治具2は、長手方向の一端側に下側被係合部31の鍔部31bに嵌め合い可能な第一の嵌合部2aを有し、その他端側に上側被係合部32に嵌め合い可能な第二の嵌合部2bを有し、第一の嵌合部2aと第二の嵌合部2bの間に上側被係合部32に嵌め合い可能な第三の嵌合部2cを有する。
第一の嵌合部2aは、下側被係合部31の鍔部31bに対し回転不能かつ上方から嵌り合う凹状に形成されている。
第二の嵌合部2bは、上側被係合部32の鍔部32bに対し回転不能かつ下方から嵌り合う凹状に形成されている。
第三の嵌合部2cは、上側被係合部32の鍔部32bに対し回転不能かつ環状に嵌り合う四角孔状に形成される。
第二の嵌合部2bは、上側被係合部32の鍔部32bに対し回転不能かつ下方から嵌り合う凹状に形成されている。
第三の嵌合部2cは、上側被係合部32の鍔部32bに対し回転不能かつ環状に嵌り合う四角孔状に形成される。
すなわち、第一の嵌合部2a、第二の嵌合部2b及び第三の嵌合部2cの各々と、対応する下側被係合部31又は上側被係合部32とは、互いに回転不能に嵌り合うように、平坦な面同士を重ね合わせる。より詳細に説明すれば、例えば、四角孔状の第三の嵌合部2cの内周面の平坦部分が、上側被係合部32の鍔部32b外周面の平坦部分に重なり合う。
なお、第一の嵌合部2a、第二の嵌合部2b及び第三の嵌合部2cの各形状は、内面に前記平坦な面を有する形状であれば、図示例以外の形状であってもよい。
なお、第一の嵌合部2a、第二の嵌合部2b及び第三の嵌合部2cの各形状は、内面に前記平坦な面を有する形状であれば、図示例以外の形状であってもよい。
そして、第一の嵌合部2aと第二の嵌合部2bのピッチP1は、単一の止水板10における下側係合部14と上側係合部15のピッチと略同一に設定される。
第三の嵌合部2cと第一の嵌合部2aのピッチP2は、上下に隣接する止水板10,10のうち、下側の止水板10の上側係合部15と、上側の止水板10の下側係合部14のピッチと略同一に設定される。
第三の嵌合部2cと第一の嵌合部2aのピッチP2は、上下に隣接する止水板10,10のうち、下側の止水板10の上側係合部15と、上側の止水板10の下側係合部14のピッチと略同一に設定される。
第一の嵌合部2aは、第二の嵌合部2bに対し図示の屋外側へ寸法Wずれており、かつ、第三の嵌合部2cに対しては屋内側へ寸法Wずれている(図6参照)。
以下の工程は、止水板被係合部用設置治具2を用いて、下側被係合部31及び上側被係合部32を、止水板支持部20に固定する手順を示す。
先ず、第一工程では、基準となる下側被係合部31を、止水板支持部20の支持板24における最も下側の挿通孔24aに固定する(図5及び図7(a)参照)。
詳細に説明すれば、下側被係合部31は、その基軸部31aが挿通孔24a及び支柱21周壁の貫通孔(図示せず)に挿通され、支柱21裏側のナット状部材(図示せず)に螺合し締め付けられることで、不動に固定される。この第一工程で固定される下側被係合部31は、最も下側の止水板10の下側係合部14に対応するものである。
先ず、第一工程では、基準となる下側被係合部31を、止水板支持部20の支持板24における最も下側の挿通孔24aに固定する(図5及び図7(a)参照)。
詳細に説明すれば、下側被係合部31は、その基軸部31aが挿通孔24a及び支柱21周壁の貫通孔(図示せず)に挿通され、支柱21裏側のナット状部材(図示せず)に螺合し締め付けられることで、不動に固定される。この第一工程で固定される下側被係合部31は、最も下側の止水板10の下側係合部14に対応するものである。
次の第二工程では、止水板被係合部用設置治具2における第一の嵌合部2aを下方へ向けて、先に固定された下側被係合部31に嵌め合わせる(図5及び図7(b)参照)。この工程において、第二の嵌合部2bは上方を向く。
次の第三工程では、上側被係合部32を、止水板被係合部用設置治具2における上方向きの第二の嵌合部2bに嵌め合わせて、止水板支持部20に固定する(図5及び図7(b)(c)参照)。
上記工程によれば、上側被係合部32は、支持板24の長孔状の挿通孔24bに挿通された状態で、止水板被係合部用設置治具2の第二の嵌合部2bに嵌り合うことで上下方向に高精度に位置決めされる。そして、この上側被係合部32は、支柱21内のナット状部材(図示せず)に螺合され締め付けられることで不動に固定される。
上記工程によれば、上側被係合部32は、支持板24の長孔状の挿通孔24bに挿通された状態で、止水板被係合部用設置治具2の第二の嵌合部2bに嵌り合うことで上下方向に高精度に位置決めされる。そして、この上側被係合部32は、支柱21内のナット状部材(図示せず)に螺合され締め付けられることで不動に固定される。
次の第四工程では、第一の嵌合部2aを上方へ向けるようにして、止水板被係合部用設置治具2の第三の嵌合部2cを、上側被係合部32に対し環状に嵌め合わせる(図5及び図8(b)参照)。
次の第五工程では、積み上げられる上側の止水板10の下側係合部14に対応する下側被係合部31を、上方向きの第一の嵌合部2aに嵌め合わせて、止水板支持部20に固定する(図5及び図8(b)(c)参照)。
詳細に説明すれば、下側被係合部31は、支持板24の長孔状の挿通孔24a(図5参照)に挿通された状態で、第二の嵌合部2bに嵌り合うことで上下方向に高精度に位置決めされる。そして、この下側被係合部31は、支柱21内のナット状部材(図示せず)に螺合され締め付けられることで不動に固定される。
詳細に説明すれば、下側被係合部31は、支持板24の長孔状の挿通孔24a(図5参照)に挿通された状態で、第二の嵌合部2bに嵌り合うことで上下方向に高精度に位置決めされる。そして、この下側被係合部31は、支柱21内のナット状部材(図示せず)に螺合され締め付けられることで不動に固定される。
前記第五工程で用いる止水板被係合部用設置治具2は、前記第二工程で用いた止水板被係合部用設置治具2とすればよいが、同形状の他の止水板被係合部用設置治具2を用いてもよい。
また、図示例によれば、前記第五工程の後に止水板被係合部用設置治具2を取り外しているが、他例としては、止水板被係合部用設置治具2を止水板支持部20に装着したままの状態で、当該止水装置1が用いられるようにしてもよい。
また、図示例によれば、前記第五工程の後に止水板被係合部用設置治具2を取り外しているが、他例としては、止水板被係合部用設置治具2を止水板支持部20に装着したままの状態で、当該止水装置1が用いられるようにしてもよい。
なお、上記第四工程の他例としては、各部寸法を調整して、第二の嵌合部2bを上方へ向けるようにして、第三の嵌合部2cを上側被係合部32に嵌め合わせる態様とすることも可能である。この場合、上記第五工程では、下側被係合部31を、上方向きの第二の嵌合部2bに嵌め合わせて、止水板支持部20に固定する。
よって、上記製造方法によれば、止水板10毎に対応する下側被係合部31と上側被係合部32のピッチや、下側の止水板10に対応する上側被係合部32と上側の止水板10に対応する下側被係合部31とのピッチ等について、寸法精度を向上するとともに、下側被係合部31及び上側被係合部32を容易に適正な位置に固定することができる。
次に、止水板10を左右の止水板支持部20,20間に設置する作業における特徴について詳述する。
止水板10は、作業者等により搬送され、左右の止水板支持部20,20の間に屋外側から装着される。
この際、作業者等は、止水板10を持ち上げ、図9に示すように、先ずは、止水板10の下端側を止水板支持部20に近づける。
そして、止水板10の下側係合部14を下側被係合部31に係合した後、下側被係合部31を中心に止水板10を一方(図示例によれば、時計回り)へ回転させるようにして、上側係合部15を上側被係合部32に係合する(図10参照)。
止水板10は、作業者等により搬送され、左右の止水板支持部20,20の間に屋外側から装着される。
この際、作業者等は、止水板10を持ち上げ、図9に示すように、先ずは、止水板10の下端側を止水板支持部20に近づける。
そして、止水板10の下側係合部14を下側被係合部31に係合した後、下側被係合部31を中心に止水板10を一方(図示例によれば、時計回り)へ回転させるようにして、上側係合部15を上側被係合部32に係合する(図10参照)。
前記のようにして、下側係合部14を上側係合部15よりも先に係合する作業においては、下側被係合部31が上側被係合部32よりも、寸法Wだけ屋外側(止水板10側)に位置するため(図4参照)、その作業性が良好である。
<変形例>
上記実施態様によれば、特に好ましい態様として、下側被係合部31及び上側被係合部32をそれぞれ円柱軸状に形成したが、他例としては、下側被係合部31及び上側被係合部32をそれぞれ横断面多角形状の軸状や、その他の形の軸状に形成することも可能である。
上記実施態様によれば、特に好ましい態様として、下側被係合部31及び上側被係合部32をそれぞれ円柱軸状に形成したが、他例としては、下側被係合部31及び上側被係合部32をそれぞれ横断面多角形状の軸状や、その他の形の軸状に形成することも可能である。
また、止水板被係合部用設置治具の他例としては、側方を開口した凹状の嵌合部を有する態様や、その他の形状の嵌合部を有する態様とすることが可能である。さらに、前記嵌合部2a,2b,2cの数は、2つ又は4以上にすることも可能である。
また、上記実施態様によれば、止水板10を3つ積み上げたが、止水板10を単数にした態様や、止水板10を2つ又は4以上積み上げた態様とすることも可能である。
また、上記実施態様によれば、洪水等により屋外側で発生する水が屋内側へ侵入するのを阻むように止水装置1を用いたが、他例としては、表裏が逆になるように止水装置1を配置して、屋内側で発生する水が屋内側へ流れるのを阻むことも可能である。
本発明は上述した実施態様に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
1:止水装置
2:止水板被係合部用設置治具
2a:第一の嵌合部
2b:第二の嵌合部
2c:第三の嵌合部
10:止水板
11:板本体
14:下側係合部
15:上側係合部
20:止水板支持部
24a:挿通孔
24b:挿通孔
31:下側被係合部
32:上側被係合部
A:開口部
P1,P2:ピッチ
2:止水板被係合部用設置治具
2a:第一の嵌合部
2b:第二の嵌合部
2c:第三の嵌合部
10:止水板
11:板本体
14:下側係合部
15:上側係合部
20:止水板支持部
24a:挿通孔
24b:挿通孔
31:下側被係合部
32:上側被係合部
A:開口部
P1,P2:ピッチ
Claims (5)
- 左右の止水板支持部の間の開口部を止水板によって塞ぐようにした止水装置において、
前記左右の止水板支持部には、前記開口部の側の面に、上下方向に間隔を置いた下側被係合部と上側被係合部が設けられ、
前記止水板は、左端側と右端側の各々に、前記下側被係合部に対し止水板厚さ方向の一方側から係合する下側係合部と、前記上側被係合部に対し前記一方側から係合する上側係合部とを具備し、
前記下側被係合部は、上側被係合部に対し前記一方側へずれて位置することを特徴とする止水装置。 - 前記下側係合部は、前記下側被係合部に対し斜め上側から係合することを特徴とする請求項1記載の止水装置。
- 前記上側係合部は、前記上側被係合部に対し離脱不能に係合するとともに、この係合状態を所定の操作により解除する係脱機構を構成していることを特徴とする請求項1又は2記載の止水装置。
- 前記下側被係合部と前記上側被係合部は、それぞれ、前記左右の止水板支持部の各々から前記開口部の側へ突出し、
前記止水板は、前記左右の止水板支持部に対し止水板厚さ方向の一方側から水密に圧接され、突出する前記下側係合部と前記上側係合部を、それぞれ、前記下側被係合部と前記上側被係合部に係合することを特徴とする請求項1~3何れか1項記載の止水装置。 - 請求項1~4何れか1項記載の止水装置の製造に用いる止水板被係合部用設置治具であって、
前記下側被係合部を嵌め合わせて位置決めするための第一の嵌合部と、前記上側被係合部を嵌め合わせて位置決めするための第二の嵌合部とを、上下方向に所定の間隔を置いて一体に有し、
前記第一の嵌合部は、前記第二の嵌合部に対し前記一方側へずれて位置することを特徴とする止水板被係合部用設置治具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022055862A JP2023148039A (ja) | 2022-03-30 | 2022-03-30 | 止水装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022055862A JP2023148039A (ja) | 2022-03-30 | 2022-03-30 | 止水装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023148039A true JP2023148039A (ja) | 2023-10-13 |
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ID=88288613
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2022055862A Pending JP2023148039A (ja) | 2022-03-30 | 2022-03-30 | 止水装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023148039A (ja) |
-
2022
- 2022-03-30 JP JP2022055862A patent/JP2023148039A/ja active Pending
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