JP2023148014A - 複合シートのプレス圧力制御方法及び複合シート - Google Patents

複合シートのプレス圧力制御方法及び複合シート Download PDF

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光春 上本
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Abstract

【課題】ワークの表面にシリコーンゴムを含有する複合シートを加圧プレスしてワークを加工するにあたり、前記複合シートを介してワーク表面に均一に圧力が加わるようにする。【解決手段】加圧プレスした際にワーク2に加わる圧力の圧力分布に応じて、シートの面内に硬度が異なる部分1a,1b,1c,1dを配して形成された複合シート1を用い、これをワーク2表面に加圧プレスすることでワーク2表面に加わる圧力を制御する。【選択図】図4

Description

本発明は、加工対象物(以下、「ワーク」ともいう。)の表面にシリコーンゴムを含有する複合シートを加圧プレスしてワークを加工するにあたり、前記複合シートを介してワーク表面に加わる圧力を制御する方法に関する。
シリコーンゴムを含有する複合シートは、様々な産業分野でワーク表面を加工するシートとして利用されている。
例えば、図6は複合シートをワーク表面に加圧プレスしてフレネルレンズを製造する加工態様を示している。
同図に示されたものは、加圧プレス機101の固定盤101aと可動盤101bとの間に、ワークである透明なガラス板102とシリコーンゴムを含有する複合シート103と表面にフレネルレンズの凹凸パターンが形成されたマスター金型104とを配置し、可動盤101bを降下させ、所定の圧力及び温度で加圧プレスしてマスター金型104の凹凸パターンを複合シート103の表面に転写形成すると同時に複合シート103をワーク102に加熱圧着させ、その後、可動盤101bを上昇させて硬化した複合シート103からマスター金型104を離型させることでフレネルレンズが得られるようになっている(例えば特許文献1参照)。
特開2007-212771号公報
前記のようにワーク表面に複合シートを重ね、これを加圧プレス機で加圧プレスしてワークを加工する場合に、ワークがその表面に凹凸がある形状のものでは、複合シートを挟んでワークの凹部にかかる圧力と凸部にかかる圧力とが異なったり、プレス機の中心部と周辺部、つまりワークの中央と周辺部とで複合シートを介してワークに加わる圧力が異なったりして、ワーク全体に均一に圧力がかからないことがある。
ワークに複合シートを加熱圧着させる加工態様では前記ワークに対する加圧力の偏在により、複合シートのワークへの圧着が不十分となり、ワークから複合シートが剥がれたり部分的にシートが浮いたりするなどの加工不良が発生することがある。
本発明は従来技術の有するこのような問題に鑑み、ワークの表面にシリコーンゴムを含有する複合シートを加圧プレスしてワークを加工するにあたり、ワークの表面形状にかかわりなく、前記複合シートを介してワーク表面に均一に圧力が加わるようにすることを課題とする。
ワークの表面に複合シートを加圧プレスしてワークを加工する際に、複合シートを介してワークに加わる圧力を均一にするための手段として、加圧プレス機にワークへの加圧力を部分的に調整する機能を設けることが挙げられるが、機構が複雑となって現実的ではない。加圧プレス機の押圧力がワーク全体で一定の場合に、従来使用されていた全体が一様な厚みの複合シートでは、ワーク表面の凹凸形状に対応させて前記押圧力を分散させ、ワーク表面に均一に圧力がかかるように調整することはできない。
そこで本発明では、従来の厚みが一様な複合シートに代えて、ワーク表面の凹凸形状に対応させて、シリコーンゴム層の硬度を部分的に異ならせた複合シートを用い、これをワークに重ねて加圧プレスしたときにワーク表面にかかる圧力を効果的に分散させて、ワーク全体に均一に圧力が加わるようにした。
すなわち、本発明の複合シートのプレス圧力制御方法は、シリコーンゴム層と合成樹脂フィルム層を含む複合シートをワーク表面に加圧プレスして当該ワークを加工するにあたり、前記複合シートを介してワーク表面に加わる圧力を制御する方法であり、前記加圧プレスした際にワークに加わる圧力の圧力分布に応じてシリコーンゴム層の硬度を異ならせて形成された複合シートを用い、これを当該ワーク表面に加圧プレスすることでワーク表面に加わる圧力を制御することを特徴とする。
前記加圧プレスした際にワークに加わる圧力の分布は、従来の複合シートである表面が平坦で厚みが一定の複合シートをワーク表面に加圧プレスしたときに、ワーク表面に加わる圧力の大きさを観察して得ることができる。
例えば、ワークがその表面に凸部と凹部を有する形状の場合に、これに厚みが一定の複合シートを重ねて加圧プレスすると、ワークの前記凸部が設けられた領域には大きな圧力が加わりやすく、凹部が設けられた領域には圧力が加わりにくくなる。かかる圧力分布を踏まえ、複合シートのシリコーンゴム層の硬度を部分的に異ならせて複合シートを形成し、例えば、前記ワークの加圧圧力が大きい領域に接する部分は前記シリコーンゴム層の硬度が低い部分、前記加圧圧力が小さい領域に接する部分はシリコーンゴム層の硬度が高い部分が接するような硬度分布にシリコーンゴム層を形成し、これをワークに加圧プレスした際にワーク全体でその表面に均一に圧力が加わるように制御することが可能となる。複合シートを構成するシリコーンゴム層を、その表面が部分的に異なるような硬度分布とすることで、複合シートの圧力分散性能を向上させることができる。
前記シリコーンゴム層の硬度分布を設定は、ワーク表面の形状などに応じ、加圧プレスの際にワーク表面に加わる圧力を、構造解析シミュレーションを行うことで決定することができる。
(複合シートの構成)
前記複合シートとしては、結晶性ポリエステル樹脂を主体とするシートあるいはフィルムの少なくとも片面に、シリコーンエラストマー樹脂からなるシリコーンゴム層を形成して前記シートあるいはフィルムとシリコーンゴム層が一体化したシリコーンゴム複合体を用いることができる。
好ましくは、結晶性ポリエステル樹脂を主成分とする基材層(A層)の片面側に、非晶性ポリマーを含有する下塗り層(B層)、シリコーン樹脂を含有する薄膜層(C層)、シリコーンエラストマー樹脂を含有するシリコーンゴム層(D層)の順に積層され、一体化してなるシリコーンゴム複合体であり、前記基材層(A層)の片面側とは異なる他面側の中心線平均粗さ(Sa)が1.0μm以上であるシリコーンゴム複合体を用いることができる。
以下、前記複合シートとして好適に用いられるシリコーンゴム複合体(以下、「本複合体」ともいう。)の一例の構成について説明する。
本複合体は、シリコーンゴムと、結晶性ポリエステル樹脂を主成分とする基材層(A層)が積層されているため、しわや折れ曲がりが生じず、プレス成形の離型材として使用した際の成形体の生産性を向上し得る。さらにはロール状に捲回、又は、枚葉状に重ねたシリコーンゴム複合体を用いて成形加工する際に、シリコーンゴム複合体同士の密着、すなわち基材層(A層)とシリコーンゴム層(D層)との密着による作業性の低下を改善することができる。
[基材層(A層)]
基材層(A層)の主成分は、耐熱性や機械的強度の観点から、結晶性ポリエステル樹脂を主成分とする。前記結晶性ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。なかでも、耐熱性、フィルムの腰、平滑性、商業的入手のしやすさ等に加え、他の層との接着性の観点から、ポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
また、基材層(A層)は機械的強度の観点から、少なくとも1軸に配向されていることが好ましく、2軸に延伸されていることがより好ましい。
基材層(A層)の厚みは、10μm~350μmが好ましく、15μm~300μmがより好ましく、20μm~250μmがさらに好ましい。前記厚みを10μm以上とすることで、表面に他の層を積層させる際、しわ等の発生が十分抑制される。一方、350μm以下とすることで、基材層(A層)が硬くなりすぎないため、後述する下塗り層等を塗工しやすくなる傾向がある。
基材層(A層)の表面粗さは、後述の下塗り層(B層)、薄膜層(C層)、シリコーンゴム層(D層)と積層する片面側とは異なる他面側において、中心線平均粗さ(Sa)は1.0μm以上が重要であり、好ましくは2.0μm以上、より好ましくは10μm以上である。前記Saが1.0μm以上とすることで、シリコーンゴム複合体を重ね合わせた際、基材層(A層)と後述のシリコーンゴム層(D層)とが過度に密着されにくい。そのため、ロール状に捲回、又は、枚葉状に重ねたシリコーンゴム複合体を用いて成形加工する際に、基材層(A層)とシリコーンゴム層(D層)とが密着しすぎて、シリコーンゴム複合体が剥がれにくいなどの不具合を抑制することができる。これは基材層を粗面化することによって、シリコーンゴム複合体同士、すなわち、基材層(A層)とシリコーンゴム層(D層)との接触面積が小さくなるため、シリコーンゴム複合体を重ねても剥がれやすくなると考えられる。一方、前記中心線平均粗さ(Sa)の上限は特に限定されないが、平滑性の観点から300μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましい。
中心線平均粗さ(Sa)は、面粗さにおいて、表面の平均面に対する各点の高さの差の絶対値の平均であり、ISO25178に準拠する。
前記中心線平均粗さ(Sa)を1.0μm以上にするには、基材層(A層)の片面側とは異なる他面側に粗面処理を行うことが重要である。粗面処理の方法は、公知の方法を適用することができる。具体的な粗面処理の方法としてはコロナ処理、プラズマ処理、サンドブラスト処理、エンボス処理、レーザーアブレージョン処理等の物理的方法、溶剤等の薬品による腐食処理等の化学的方法が挙げられる。なかでも、生産性の観点からサンドブラスト処理、レーザーアブレージョン処理が好ましい。
[下塗り層(B層)]
本複合体では、基材層(A層)の片面に、非晶性ポリマーを含有する下塗り層(B層)を有する。下塗り層(B層)を用いることで、薄膜層(C層)を均一に形成することができる。
非晶性ポリマーとしては、前記基材層(A層)の表面に均一に塗布できるものであれば特に限定されるものではなく、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂など実質的に結晶性の無いポリマーから適宜選択すればよい。
具体例としては、ポリエステル樹脂及び/又はポリエーテル樹脂をウレタン結合等で直鎖状に高分子量化したポリウレタン樹脂、アクリル酸及び/又はメタクリル酸エステルの共重合体からなるアクリル樹脂、酸成分あるいはグリコール成分が2種類以上の単量体よりなる共重合ポリエステル樹脂が挙げられる。これら非晶性樹脂は、薄膜に塗工されるので、通常有機溶剤で希釈した状態、あるいは水中に乳化又は可溶化させて適度な濃度に調整したものが使用される。
前記下塗り層(B層)は、耐熱性、耐溶剤性を向上させる目的で、架橋構造を持つものであってもよく、この場合、上記非晶性ポリマーは、主鎖あるいは側鎖にカルボキシル基、水酸基、アミノ基等架橋性官能基を持つものであり、架橋剤としては、ポリイソシアネート、メラミン、多官能エポキシ樹脂、金属化合物等から適時選択される。また、塗工液には、上記架橋剤のほか、界面活性剤等からなるレベリング剤、シリカ等ブロッキング防止剤、増粘剤等が添加されていても良い。
下塗り層(B層)の厚みは、0.01~5μmであることが好ましい。下塗り層(B層)の厚みが0.01μm以上であれば、厚みの調整が容易であり、また、後述するシリコーン樹脂を含有する薄膜層(C層)との接着性も良好となるため好ましい。また、厚みが5μm以下であれば、下塗り層(B層)の塗工が困難になることもない。かかる観点から、下塗り層(B層)の厚みは0.05~4μmであることがより好ましく、0.1~3μmであることがさらに好ましい。
[薄膜層(C層)]
本複合体では、下塗り層(B層)の上にさらに薄膜層(C層)を形成させる。薄膜層(C層)にはシリコーン樹脂が含まれており、なかでも下塗り層(B層)に対して親和性が高く、塗布後、加熱あるいはUV照射等で架橋被膜を形成するものや、シリコーンゴム層(D層)架橋時に同時に架橋被膜を形成するものが好ましい。
薄膜層(C層)に使用可能なシリコーン樹脂の例として、付加型シリコーン樹脂、縮合型シリコーン樹脂、UV硬化型シリコーン樹脂などが挙げられる。
付加型シリコーン樹脂としては、ビニル基を含有するポリジメチルシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポリメチルハイドロジェンシロキサンを配合し、白金触媒の存在下で反応硬化させて得られるものが挙げられる。縮合型シリコーン樹脂としては、末端にシラノール基を含有するポリジメチルシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポリメチルハイドロジェンシロキサンを配合し、有機スズ触媒存在下で加熱硬化して得られるものが挙げられる。
UV硬化型シリコーン樹脂としては、アクリロイル基あるいはメタクリロイル基を含有するポリジメチルシロキサンをベースポリマーとするもの、メルカプト基とビニル基を含有するポリジメチルシロキサンをベースポリマーとするもの、前述の付加型シリコーン樹脂、あるいはカチオン硬化機構で硬化するエポキシ基を含有するポリジメチルシロキサンをベースポリマーとするもの等に光重合開始剤を配合し、UV光を照射することによって硬化させるものが挙げられる。
また、この塗工液には、下塗り層(B層)との親和性を上げる目的で、シランカップリング剤等の添加剤が含まれることが好ましい。この目的を満たすシランカップリング剤は、一般式YRSiX3で表される化合物で、Yはビニル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基等の有機官能基、Rはメチレン、エチレン、プロピレン等アルキレン基、Xはメトキシ基、エトキシ基等加水分解性官能基あるいはアルキル基である。具体的化合物として、例えばビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γーグリシジルプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシジルプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
薄膜層(C層)の厚みは、溶剤乾燥後で0.01~1μmであることが好ましい。厚みが0.01μm以上であれば、均一な厚みの硬化被膜が得られ、かつ、シリコーンゴム層(D層)との接着力も十分に得られる。また、上記組成のシリコーン樹脂は一般に膜強度がそれほど強くないため、本複合体の剥離力を評価する際、前記薄膜層(C層)で凝集破壊が起こる傾向にあるが、その厚みが1μm以下であれば、前記薄膜層(C層)の凝集破壊を抑制し、シリコーンゴム複合体として十分な強度を得ることができる。かかる観点から、薄膜層(C層)の厚みは、0.03~0.7μmがより好ましく、0.05~0.5μmがさらに好ましい。
[シリコーンゴム層(D層)]
シリコーンゴム層(D層)には、シリコーンエラストマー樹脂が含まれていることが特徴である。
シリコーンゴム層(D層)に使用可能なシリコーンエラストマー樹脂の例として、ポリジメチルシロキサンを主成分とするシリコーンエラストマー樹脂が好ましく挙げられる。
また、シリコーンゴム層(D層)は、ビニル基を含有するポリジメチルシロキサンを主成分とするシリコーンエラストマー樹脂を含むことも、圧縮永久歪みの調整の観点から好ましい。ビニル基を含有する場合は、ポリジメチルシロキサン全量に対するビニル基の含有量は、0.05~5モル%であることが好ましく、0.5~4モル%であることがより好ましく、1~3モル%であることがさらに好ましい。ビニル基の含有量が0.05モル%であれば、シリコーンエラストマー樹脂の架橋密度を調整しやすくなり、所望の圧縮永久歪みを有するシリコーンエラストマー樹脂を得ることができる。一方、5モル%以下であれば、シリコーンエラストマー樹脂が過度に硬化することがないため好ましい。
このようなシリコーンエラストマー樹脂として、市販品を使用することもできる。市販品としては、信越化学工業社製ミラブル型シリコーンコンパウンドやモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製ミラブル型シリコーンゴムを使用することができる。
ここで、シリコーンエラストマー樹脂は、フュームドシリカ、沈殿シリカ、ケイソウ土、石英粉などの補強性充填剤や各種加工助剤、耐熱性向上剤などの他、エラストマーとしての機能性を持たせる各種添加剤を含有してもよい。上記添加剤としては、難燃性付与剤、放熱性フィラー、導電性フィラーなどが挙げられる。
シリコーンゴム層(D層)の厚みは、50μm以上であることが好ましい。上記厚みが50μm以上であれば、本複合体として、ゴム弾性としての性質が十分に得られる。また、上記厚みの下限は、用途等から1.5mm以下が好ましい。
シリコーンゴム層(D層)は、シリコーンエラストマー樹脂を硬化させた際、シリコーンゴム層(D層)の硬度は10~80であることが好ましく、20~70がより好ましい。前記硬度が10以上であることにより、本複合体は十分な取り扱い性を有することができ、80以下であることにより、十分な弾力性を有することができる。
なお、硬度の測定方法は、JIS K6301スプリング式硬さ試験A形に準拠する。
[積層構成]
なお、本複合体の積層構成は、A層/B層/C層/D層の順に積層され、一体化してなるものである。又は、必要に応じて、シリコーンゴム層(D層)の表面に保護層などの他の層を積層させてもよい。
[剥離特性]
本複合体は当該複合体同士の室温での剥離力が0.03mN/20mm以下が好ましく、0.02mN/20mm以下がより好ましい。一方、下限は剥離特性の観点から特に限定されない。
本複合体を離型材として用いる際、室温での剥離力が低いほど、本複合体の加工時に本複合体同士を剥がす際、必要な力が少なくて済み、生産工程における剥離の失敗、本複合体の変形などの不具合を抑制することができる。なかでも、本複合体は、粘着性をシリコーンゴム層(D層)があっても、上記不具合は抑制され、低い剥離特性を有することができる。
<シリコーンゴム複合体の製造方法>
本複合体の製造方法は、結晶性ポリエステル樹脂を主成分とする基材層(A層)の片面側に、非晶性ポリマーを含有する下塗り層(B層)、シリコーン樹脂を含有する薄膜層(C層)、シリコーンエラストマー樹脂を含有するシリコーンゴム層(D層)の順に積層させ、一体化させる。
まず、前述のポリエステル系樹脂を主成分とする基材層(A層)の片面に、下塗り層(B層)としての塗工液を塗布し、次いで乾燥、さらに必要に応じて熱架橋させることにより、下塗り層(B層)を形成させる。塗布方法としては、塗工液に適した公知の方法が適用でき、別工程で延伸した基材層(A層)に塗布しても良いし、基材層(A層)の未延伸シートに直接塗工液を塗布した後に延伸して、下塗り層(B層)を形成させたものであってもよい。また、塗工液のレベリング性や密着性を上げる目的で塗工面にあらかじめコロナ処理等の表面処理を施すこともできる。
次に、下塗り層(B層)の上に、薄膜層(C層)を塗工する。塗布方法としては、上述の下塗り層(B層)と同様に、薄膜が精度良く得られる方法であれば特に限定されるものではなく、公知の方法を使用することができる。
さらに、シリコーンエラストマー樹脂を含有するシリコーンゴム層(D層)は、次の方法により積層するのが好ましい。まず、シリコーン樹脂を含有する薄膜層(C層)の上に、未架橋状態のシリコーンエラストマー樹脂を積層させる。積層方法としては、未架橋状態のシリコーンエラストマー樹脂を押出成形、射出成形、カレンダー成形、プレス成形等によってシート状に成形した後に、薄膜層(C層)の上に積層させるのが好ましい。もしくは、公知のコーティング方法によって、薄膜層(C層)の上に直接製膜するという方法であってもよい。
次いで、上記未架橋状態のシリコーンエラストマー樹脂を硬化させることで、本複合体を得ることができる。シリコーンエラストマー樹脂を硬化する手段としては、硬化触媒を添加する方法、高温加熱する方法、架橋剤を添加する方法、放射線照射による架橋方法等が挙げられる。
なかでも、本複合体のシリコーンゴム層(D層)は、放射線照射によって硬化させた放射線硬化物であることが好ましい。放射線照射による硬化は、触媒や架橋剤の残渣等による耐熱、耐光信頼性を損なう懸念がないため好ましい。また、硬化時に熱が加わらないため、熱劣化の懸念もなく好ましい。
放射線としては、例えば電子線、X線、γ線等が挙げられる。これらの放射線は工業的にも広く利用されているものであり、容易に利用可能であり、エネルギー効率の良い方法である。これらのなかでも、吸収損失がほとんどなく、透過性が高いという観点から、γ線を利用することが好ましい。
γ線の照射線量は、樹脂種や架橋基の量、そして線源の種類により、適宜選択して決定することができる。本複合体において、例えば、γ線の照射線量は、20~150kGyであることが好ましい。照射線量が20kGy以上であれば、シリコーンゴム層(D層)を十分に硬化させることができ、結果として所望の圧縮永久歪を得ることができる。一方、照射線量が150kGy以下でれば、分解反応による低分子量成分の増加を抑制できる。かかる観点から、照射線量は30~120kGyであることがより好ましく、40~110kGyであることがさらに好ましい。
また、この照射線量の選定には、シリコーンエラストマー樹脂の架橋密度の他、基材層(A層)として使用するプラスチックフィルムの耐放射線性も考慮に入れる必要がある。この点、本複合体で使用する結晶性ポリエステル系樹脂は、一般に放射線に対する耐性に優れ、本発明の目的に極めて適合した基材である。
(複合シートの製造方法)
前記のとおり、複合シートをワークに重ねて加圧プレスした際にワーク表面に加わる圧力の大きさから、圧力が偏って分布している箇所を観察・評価し、前記ワークの圧力のかかりやすい領域はシリコーンゴム層の硬度が低い部分、圧力のかかりにくい領域は同じく硬度が高い部分が重なるように、シリコーンゴム層の硬度分布を決定する。ワークに重なる複合シートのその中心から端部に亘るまでに少なくとも一つ以上の部分的に硬度が異なる硬度分布となるように複合シートを加工することで、複合シートの圧力分散性能を向上させることができる。
かかる複合シートの製造は、例えば、未硬化のシリコーンゴムシートを放射線照射により、硬化させる際にマスクを覆い照射するなどして、シリコーンゴム層に硬度の分布を付与することで行うことができる。
なお、上述の説明において「主成分」と表現した場合、特に記載しない限り、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含する。
この際、当該主成分の含有割合を特定するものではないが、主成分(2成分以上が主成分である場合には、これらの合計量)は組成物中の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上(100%含む)を占めるものである。
また、「X~Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
さらに、「X以上」(Xは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
また、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、その厚みが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいい、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚みが極めて小さく、最大厚みが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいう(JIS K6900:1994)。但し、「シート」と「フィルム」の境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
本発明によれば、部分的にシリコーンゴム層の硬度を異ならせた複合シートをワークに重ねて加圧プレスすることで、複合シートを介してワーク表面に加わる圧力をワーク全体で均一となるように制御したり、ワーク内の特定の箇所の圧力を高め、あるいは弱めたりすることができる。ワークに複合シートを加熱圧着させる加工態様において、ワークに対する加圧力の偏在を解消し、複合シートのワークへの圧着性を高め、ワークから複合シートが剥がれたり部分的にシートが浮いたりするなどの加工不良を抑制することが可能である。
複合シートの概略断面を示す図である。 比較例の複合シートの上面を示した図である。 比較例におけるワーク表面の圧力分布を示した図である。 実施例の複合シートの概略上面を示した図である。 実施例におけるワーク表面の圧力分布を示した図である。 複合シートをワーク表面に加圧プレスする従来の一例の加工態様を示した図である。
本発明の複合シートのプレス圧力制御方法を実施の形態を例示して説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は本発明で使用される複合シートの構成を示している。
複合シート1は、前述のシリコーンゴム複合体であり、シリコーンゴム層11に二軸延伸ポリエステルフィルムからなる合成樹脂フィルム層12を積層して構成されている。
複合シート1は、前記のとおり、ワーク2に重ねて加圧プレスした際にワーク表面に加わる圧力分布に応じて、圧力が偏って分布している箇所を観察・評価し、シリコーンゴム層11の硬度を部分的に異ならせて形成される。
そして、ワーク表面に複合シートを加熱圧着する加工において、かかる複合シート1をワーク2に重ねて加圧プレスすることで、ワーク2表面に加わる圧力をワーク全体で均一となるように制御することが可能となる。
以下に、複合シートをワーク表面に加圧プレスして形成される成形品について、加圧プレスの際にワーク表面に加わる圧力をコンピュータシミュレーションした結果について説明する。
(比較例)
表面が平坦で一定の厚みの複合シートをワークに重ねて加圧プレスする態様をシミュレーションした。
図2は比較例で用いた複合シート1の上面を示している。複合シートの条件は、厚み300μm、弾性率が2.67MPaのシリコーンゴム層の一面に厚み100μm、弾性率が4.5GPaのポリエステルフィルムを接着一体化させて形成された、シリコーンゴム複合体に設定した。
ワークは、平面視正方形の合成樹脂成形体を設定した。
前記ワークの上面に前記複合シートのシリコーンゴム層側を重ねて複合シートでワーク上面を覆い、これを加圧プレス機で複合シートの上面全体に均一な面圧(100kgf/cm)で押圧したときに、ワーク表面に加わる圧力の大きさをシミュレーションにより観察した。ワークや複合シートの水平方向の大きさは10mm×10mmとして、実際には5mm×5mmの1/4モデルで解析した。構造解析ソフトはANSYSを用いた。
図3は前記シミュレーションの結果であり、ワーク上面をその中心を通るX軸とY軸で4分割したときの第一象限のワーク表面に加わる圧力分布を示している。
同図に示されるように、ワーク表面に加わる圧力は、ワークの中央側の領域が大きく、ワークの中心から離れた周辺部側の領域が小さくなっていた。実際の加圧プレス加工時において、一定の厚みの複合シートを用いたときにワーク表面の凹凸形状などによってワーク内で圧力が十分にかからない領域が発生することが課題となっていることは、上記シミュレーション結果のとおりである。
(実施例)
比較例の複合シートに代えて、複合シートの面内で硬度を部分的に異ならせて形成された複合シートを用いて上記と同様のシミュレーションを行った。
図4は実施例で用いた複合シートであって、前記ワーク上面を4分割したときの第一象限のワーク表面に重なる部分の上面、つまり、複合シートを4分割したときに分割された一つのシートの上面を示している。
図示されるように、この複合シート1は、シートの周辺領域1a、その内側の領域1b、さらに内側の領域1c、領域1cで囲われたにシートの中央側の領域1dの各領域で、シリコーンゴム層11に加工を施して含む硬度が異なるように形成したものである。各領域の硬度は、領域1aは6.0MPa、領域1bは5.0MPa、領域1cは4.0MPa、領域1dは2.67MPaに設定してある。複合シート1の硬度を部分的に異ならせた以外は、前記比較例とシミュレーションの条件は同じである。
図5は実施例のシミュレーションの結果であり、前記と同様にワーク上面を4分割したときの第一象限のワーク表面に加わる圧力分布を示している。
同図に示されるように、ワーク表面には、ワークの中央側の領域から周辺部の間際の領域に亘って広く略均一に圧力が加わることを確認することができる。
実施例の複合シートは、比較例の厚みが一定の複合シートを用いたときのワーク表面の加わる圧力分布に基づいて、シートの硬度を部分的に異ならせ、圧力が大きい領域に接する部分は硬度を低く、圧力が小さい領域に接する部分は硬度を高く形成したものである。このように、ワーク表面の凹凸形状とこれに加わる圧力の大きさに対応した、硬度が部分的に異なる複合シートを用いることで、複合シートをワークに重ねて加圧プレスした際に、複合シートを介してワーク表面に加わる圧力をワーク全体で均一となるように制御可能であることが実施例のシミュレーション結果により検証された。
以上、本発明の実施の形態の一例について説明したが、本発明はこれに限定されないことは言うまでもない。実施の形態は一例であり、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
本発明の複合シートのプレス圧力制御方法は、シリコーンゴム層と合成樹脂フィルム層を含む複合シートをワーク表面に加圧プレスして当該ワークを加工する態様、例えば、電気・電子製品に組み込まれるICや受動部品、半導体等のディスプレー・タッチパネル関連製品部材やLED照明製品部材その他の電気部品、車両用部品や建築材料、医療品、日用品など様々な産業分野の製品の加工に適用可能である。
1 複合シート、1a,1b,1c 硬度が異なる境界を示す部分、11 シリコーンゴム層、12 合成樹脂フィルム層、2 ワーク

Claims (4)

  1. シリコーンゴム層と合成樹脂フィルム層を含む複合シートをワーク表面に加圧プレスして当該ワークを加工するにあたり、前記複合シートを介してワーク表面に加わる圧力を制御する方法であって、
    前記加圧プレスした際にワークに加わる圧力の圧力分布に応じてシリコーンゴム層の硬度を異ならせて形成された複合シートを用い、これを当該ワーク表面に加圧プレスする複合シートのプレス圧力制御方法。
  2. 表面が平坦な複合シートをワーク表面に加圧プレスしたときのワークに加わる圧力分布に対応させて、当該ワークの加圧圧力が大きい領域にはシリコーンゴム層の硬度が低い部分、加圧圧力が小さい領域にはシリコーンゴム層の硬度が高い部分が接するように複合シートが設けられている請求項1に記載の複合シートのプレス圧力制御方法。
  3. ワーク表面に加圧プレスして当該ワークの加工に用いられる、シリコーンゴム層と合成樹脂フィルム層を含む複合シートであって
    シリコーンゴム層の硬度が部分的に異なるように形成された構成を有する複合シート。
  4. 複合シートは、結晶性ポリエステル樹脂を主体とするシートあるいはフィルムの少なくとも片面に、シリコーンエラストマー樹脂からなるシリコーンゴム層を形成して前記シートあるいはフィルムとシリコーンゴム層が一体化したシリコーンゴム複合体である請求項3に記載の複合シート。
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