JP2023147021A - コモンモードノイズフィルタ - Google Patents

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Sadaaki Fukui
託司 川嶋
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Abstract

【課題】本開示は、コモンモードノイズフィルタに生じる応力のばらつきを小さくすることを目的とする。【解決手段】コモンモードノイズフィルタ1は、素体2と、複数の導体層3と、ビアと、を備える。複数の導体層3のうち偶数個の導体層3は、スパイラル層である。スパイラル層4は、スパイラル導体41と、少なくとも1つのビアパッド42、43と、を有する。ビアパッド42の外縁は、外対向部RO4を含む。上下方向から見て、外対向部RO4は、偶数個のスパイラル層のうち対応するスパイラル層4、7の内対向部RI4、RI7の形状に沿っている。【選択図】図2

Description

本開示は一般にコモンモードノイズフィルタに関し、より詳細には、複数の導体層を備えるコモンモードノイズフィルタに関する。
特許文献1に記載のインダクタ部品(コモンモードノイズフィルタ)は、素体と、第1の平面スパイラル導体(スパイラル導体)と、第1のコンタクト導体(ビアパッド)と、第1のスルーホール導体と、を備える。第1の平面スパイラル導体は、素体内部の第1の平面に形成される。第1のコンタクト導体は、第1の平面スパイラル導体の内端に設けられる。第1のスルーホール導体は、第1のコンタクト導体に接続する。第1のコンタクト導体は、第1の平面スパイラル導体のスパイラル中央領域のうち、一方方向の一端に形成される。
特開2010-123876号公報
特許文献1に記載されたようなコモンモードノイズフィルタの製造工程では、素体にスパイラル導体とビアパッドとが形成される。しかしながら、製造工程において、コモンモードノイズフィルタのうちスパイラル導体とビアパッドとの間の領域に、応力のばらつきが生じることがある。これにより、コモンモードノイズフィルタの性能の低下が引き起こされる可能性がある。
本開示は、コモンモードノイズフィルタに生じる応力のばらつきを小さくすることを目的とする。
本開示の一態様に係るコモンモードノイズフィルタは、素体と、複数の導体層と、ビアと、を備える。前記複数の導体層は、前記素体の内部に設けられている。前記複数の導体層は、上下方向に重なっている。前記ビアは、前記素体の内部に設けられている。前記ビアは、前記複数の導体層のうち2以上の導体層を電気的に接続する。前記複数の導体層のうち偶数個の導体層は、スパイラル層である。前記偶数個のスパイラル層はそれぞれ、スパイラル導体と、少なくとも1つのビアパッドと、を有する。前記少なくとも1つのビアパッドは、前記上下方向から見て前記スパイラル導体の内側に配置されている。前記少なくとも1つのビアパッドは、前記スパイラル導体及び前記ビアに電気的に接続された通電用ビアパッドを含む。前記偶数個のスパイラル層のうち1つのスパイラル層に着目すると、前記着目するスパイラル層の前記少なくとも1つのビアパッドの外縁は、外対向部を含む。前記外対向部は、前記着目するスパイラル層のスパイラル導体の内縁と対向する。前記偶数個のスパイラル層の各々の前記スパイラル導体の内縁は、内対向部を含む。前記上下方向から見て、前記内対向部は、前記着目するスパイラル層の前記外対向部と対向する。前記上下方向から見て、前記内対向部は、円弧状の領域を含む。前記上下方向から見て、前記着目するスパイラル層の前記外対向部は、円弧状の領域を含む。前記上下方向から見て、前記着目するスパイラル層の前記外対向部は、前記偶数個のスパイラル層のうち対応するスパイラル層の前記内対向部の形状に沿っている。
本開示は、コモンモードノイズフィルタに生じる応力のばらつきを小さくすることができるという利点がある。
図1A~図1Dは、実施形態1に係るコモンモードノイズフィルタの平断面図である。 図2は、同上のコモンモードノイズフィルタにおいて、複数の導体層を一平面に投影した投影図である。 図3は、同上のコモンモードノイズフィルタの側断面図である。 図4は、比較例に係るコモンモードノイズフィルタの平断面図である。 図5A~図5Dは、実施形態2に係るコモンモードノイズフィルタの平断面図である。 図6は、同上のコモンモードノイズフィルタにおいて、複数の導体層を一平面に投影した投影図である。 図7A~図7Dは、実施形態3に係るコモンモードノイズフィルタの平断面図である。 図8は、同上のコモンモードノイズフィルタの側断面図である。 図9A~図9Dは、実施形態4に係るコモンモードノイズフィルタの平断面図である。 図10は、同上のコモンモードノイズフィルタの側断面図である。 図11A~図11Dは、実施形態5に係るコモンモードノイズフィルタの平断面図である。 図12は、同上のコモンモードノイズフィルタの側断面図である。
下記の各実施形態においては、本開示のコモンモードノイズフィルタについて、図面を用いて説明する。ただし、下記の各実施形態は、本開示の様々な実施形態の一部に過ぎない。下記の各実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の各実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(実施形態1)
(概要)
本開示は、コモンモードノイズフィルタ1に関する。コモンモードノイズフィルタ1は、信号のディファレンシャルモード(差動モード)の成分を通過させる一方で、コモンモードのノイズ成分を減衰させる。コモンモードノイズフィルタ1は、電子機器の回路基板又は電子部品等に実装される。
図1A~図3に示すように、本実施形態のコモンモードノイズフィルタ1は、素体2と、複数の導体層3と、ビアB1、B2と、を備える。複数の導体層3は、素体2の内部に設けられている。複数の導体層3は、上下方向に重なっている。ビアB1、B2は、素体2の内部に設けられている。ビアB1、B2は、複数の導体層3のうち2以上の導体層3を電気的に接続する。複数の導体層3のうち偶数個の導体層3は、スパイラル層4~7である。ここでは、スパイラル層4に着目して説明する。
スパイラル層4は、スパイラル導体41と、少なくとも1つ(図1Aでは2つ)のビアパッド42、43と、を有する。少なくとも1つのビアパッド42、43は、上下方向から見てスパイラル導体41の内側に配置されている。少なくとも1つのビアパッド42、43は、スパイラル導体41及びビアB1に電気的に接続された通電用ビアパッド42を含む。
偶数個のスパイラル層4~7のうち1つのスパイラル層4に着目すると、着目するスパイラル層4の少なくとも1つのビアパッドの外縁は、外対向部を含む。より詳細には、ビアパッド42の外縁は、外対向部RO4を含み、ビアパッド43の外縁は、外対向部LO4を含む。ここでは、外対向部RO4に着目して説明する。
外対向部RO4は、着目するスパイラル層4のスパイラル導体41の内縁(内対向部RI4)と対向する。偶数個のスパイラル層4~7の各々のスパイラル導体41、51、61、71の内縁は、内対向部RI4~RI7を含む。上下方向から見て、内対向部RI4~RI7は、着目するスパイラル層4の外対向部RO4と対向する。上下方向から見て、内対向部RI4~RI7は、円弧状の領域を含む。上下方向から見て、着目するスパイラル層4の外対向部RO4は、円弧状の領域を含む。上下方向から見て、着目するスパイラル層4の外対向部RO4は、偶数個のスパイラル層4~7のうち対応するスパイラル層の内対向部の形状に沿っている。図2では、外対向部RO4は、少なくともスパイラル層4及び7と対応し、スパイラル層4の内対向部RI4及びスパイラル層7の内対向部RI7の形状に沿っている。
本実施形態によれば、コモンモードノイズフィルタ1に生じる応力のばらつきを小さくすることができる。
例えば、加熱を伴う焼成等の加工方法によりスパイラル導体41、71とビアパッド42とが形成される場合は、コモンモードノイズフィルタ1のうち内対向部RI4、RI7と外対向部RO4との間の領域には、素体2とスパイラル導体41、71及びビアパッド42との熱収縮率の差に起因したひずみが生じる可能性がある。そして、外対向部RO4が、内対向部RI4、RI7との間の距離が大きい第1領域と、内対向部RI4、RI7との間の距離が小さい第2領域とを含んでいると、第1領域付近での素体2の熱収縮の程度と、第2領域付近での素体2の熱収縮の程度とが互いに異なるため、第1領域と第2領域とで応力のばらつきが生じる可能性がある。
しかしながら、本実施形態では、外対向部RO4が内対向部RI4、RI7に沿って形成されているため、外対向部RO4のうちどの位置に着目しても、外対向部RO4と内対向部RI4、RI7との間の距離は略一定である。つまり、領域ごとの応力のばらつきを低減させることができる。
(詳細)
(1)全体構成
以下、本実施形態のコモンモードノイズフィルタ1について、より詳細に説明する。
なお、本開示で言う「上」及び「下」は、コモンモードノイズフィルタ1の各構成の相対的な位置関係を表すに過ぎず、コモンモードノイズフィルタ1の使用方向を限定する趣旨ではない。本開示で言う「下」が、例えば、上、前、後、左又は右となる向きで、コモンモードノイズフィルタ1が使用されてもよい。また、図2、図3等には、上下、左右及び前後を表す矢印を図示しているが、この矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
図1A~図3に示すように、コモンモードノイズフィルタ1は、素体2と、複数(図3では4つ)の導体層3と、複数(図3では2つ)のビアB1、B2と、を備える。
コモンモードノイズフィルタ1は、複数の導体層3に含まれる構成として、複数(図3では4つ)のスパイラル導体41、51、61、71を備える。複数のスパイラル導体41、51、61、71は、2つ1組で設けられている。より詳細には、スパイラル導体41とスパイラル導体61とが1組を構成し、スパイラル導体51とスパイラル導体71とが別の1組を構成する。スパイラル導体41とスパイラル導体61とは、ビアB1を介して電気的に接続されている。スパイラル導体51とスパイラル導体71とは、ビアB2を介して電気的に接続されている。
コモンモードノイズフィルタ1は、複数の導体層3に含まれる構成として、複数(図2では4つ)の引出導体44、54、64、74を備える。引出導体44と引出導体64とは、スパイラル導体41とスパイラル導体61とを介して電気的に接続されている。引出導体54と引出導体74とは、スパイラル導体51とスパイラル導体71とを介して電気的に接続されている。
引出導体44と引出導体64とのうち一方は、第1入力端子として用いられ、他方は、第1出力端子として用いられる。引出導体54と引出導体74とのうち一方は、第2入力端子として用いられ、他方は、第2出力端子として用いられる。すなわち、コモンモードノイズフィルタ1は、第1入力端子、第2入力端子、第1出力端子、及び、第2出力端子を備える。コモンモードノイズフィルタ1は、第1入力端子及び第2入力端子を通じて入力される差動信号からコモンモードノイズを除去して、信号を第1出力端子及び第2出力端子から出力する。
(2)素体2
図3に示すように、素体2は、複数(図3では11個)の絶縁体層20を含む。複数の絶縁体層20は、上下方向に積層されている。
素体2の形状の一例を説明する。上から見て、複数の絶縁体層20は、互いに同一形状である。上から見て、各絶縁体層20の形状は、長方形状である。各絶縁体層20の形状は、直方体状である。複数の絶縁体層20が重なって、素体2は、全体として直方体状に形成されている。
複数の絶縁体層20は、絶縁体層21、22、23、24、25、26、27、2a、2b、2c、2dを含む。複数の絶縁体層20は、上から下へ、絶縁体層2a、26、2b、21、22、23、24、25、2c、27、2dの順で重なっている。なお、互いに隣り合う絶縁体層20は、層間の境界が視認できない程度に一体化されていてもよい。
絶縁体層21~27は、非磁性体層である。非磁性体層は、例えば、ガラスセラミックを材料として含む。
絶縁体層2a~2dは、磁性体層である。磁性体層は、例えば、フェライトを材料として含む。一例として、磁性体層の厚さは非磁性体層の厚さよりも大きい。
(3)スパイラル層4~7
上述の通り、コモンモードノイズフィルタ1は、複数(図3では4つ)の導体層3を備える。本実施形態では、複数の導体層3の各々は、スパイラル層である。すなわち、コモンモードノイズフィルタ1は、偶数個(4つ)のスパイラル層4、5、6、7を備える。4つのスパイラル層4、5、6、7は、上から下へ、スパイラル層4、5、6、7の順で並んでいる。
スパイラル層4は、素体2の内部の第1平面に設けられている。スパイラル層5は、素体2の内部の第2平面に設けられている。スパイラル層6は、素体2の内部の第3平面に設けられている。スパイラル層7は、素体2の内部の第4平面に設けられている。第1~第4平面は、上下方向に並んでおり、互いに平行である。なお、本開示で言う「平行」とは、厳密な意味での平行に限らず、数度程度の誤差がある場合も含む。
スパイラル層4は、絶縁体層21と絶縁体層22との間に設けられている。スパイラル層5は、絶縁体層22と絶縁体層23との間に設けられている。スパイラル層6は、絶縁体層23と絶縁体層24との間に設けられている。スパイラル層7は、絶縁体層24と絶縁体層25との間に設けられている。
(3.1)スパイラル層4
まず、スパイラル層4について説明する。図1Aに示すように、スパイラル層4は、スパイラル導体41と、ビアパッド42、43と、引出導体44と、を有する。
スパイラル導体41は、渦状に形成された導体である。より詳細には、スパイラル導体41は、導体を長円に沿って複数回巻いた形状である。スパイラル導体41の左右方向の長さは、スパイラル導体41の前後方向の長さよりも長い。
スパイラル導体41は、1ターン目の部分411と、2ターン目の部分412と、3ターン目の部分413と、を含む。部分411~413のうち、1ターン目の部分411が最も内側に設けられており、3ターン目の部分413が最も外側に設けられている。
スパイラル導体41の内縁は、内対向部RI4を含む。ここで、スパイラル導体41の内縁とは、1ターン目の部分411の長円状の輪郭線の内縁である。内対向部RI4は、ビアパッド42の外縁と対向する部分である。図1Aでは、内対向部RI4の前端RI41と後端RI42とを図示している。内対向部RI4の形状は、円弧状である。
また、スパイラル導体41の内縁は、内対向部LI4を含む。内対向部LI4は、ビアパッド43の外縁と対向する部分である。図1Aでは、内対向部LI4の前端LI41と後端LI42とを図示している。内対向部LI4は、円弧状の領域と、直線状の領域LI40と、を含む。直線状の領域LI40の前後に、円弧状の領域が設けられている。
スパイラル導体41の第1端は、ビアパッド42につながっている。スパイラル導体41の第2端は、引出導体44につながっている。
ビアパッド42及びビアパッド43は、スパイラル導体41の内側に配置されている。ビアパッド42及びビアパッド43は、左右方向に並んでいる。ビアパッド42は、スパイラル導体41の中心軸Ax1(仮想軸)より右に配置されており、ビアパッド43は、中心軸Ax1より左に配置されている。言い換えると、ビアパッド42は、中心軸Ax1に対して、スパイラル導体41の長手方向の一方側に配置されており、ビアパッド43は、中心軸Ax1に対して、スパイラル導体41の長手方向の他方側に配置されている。
ビアパッド42の形状は、半円状である。ビアパッド42の外縁は、外対向部RO4を含む。外対向部RO4は、内対向部RI4と対向する部分である。外対向部RO4は、外対向部RO4及び内対向部RI4のうち少なくとも一方の径方向において内対向部RI4と対向する。外対向部RO4の形状は、円弧状である。図1Aでは、外対向部RO4の前端RO41と後端RO42とを図示している。
ビアパッド43の形状は、略半円状である。ビアパッド43の外縁は、外対向部LO4を含む。外対向部LO4は、内対向部LI4と対向する部分である。外対向部LO4は、外対向部LO4及び内対向部LI4のうち少なくとも一方の径方向において内対向部LI4と対向する。図1Aでは、外対向部LO4の前端LO41と後端LO42とを図示している。外対向部LO4は、円弧状の領域と、直線状の領域LO40と、を含む。直線状の領域LO40の前後に、円弧状の領域が設けられている。
このように、スパイラル層4は、ダミーパッドとして、ビアパッド43を有する。ダミーパッドとは、偶数個のスパイラル層4~7のそれぞれのスパイラル導体から電気的に絶縁されたビアパッドである。そのため、ビアパッド43は、スパイラル導体41から電気的に絶縁されている。
つまり、偶数個のスパイラル層4~7のうち少なくとも1つである特定のスパイラル層4の少なくとも1つ(ここでは2つ)のビアパッド42、43は、上記特定のスパイラル層4のスパイラル導体41から電気的に絶縁されたビアパッド43を含む。
ビアパッド42は、ビアB1と、当該ビアパッド42を有するスパイラル層4のスパイラル導体41と、に電気的に接続された、通電用ビアパッドである。
また、上下方向から見て、内対向部LI4は、円弧状の領域と、直線状の領域LI40と、を含み、上下方向から見て、外対向部LO4は、内対向部LI4の形状に沿って、円弧状の領域と、直線状の領域LO40と、を含む。
引出導体44は、スパイラル導体41の外側に配置されている。より詳細には、引出導体44は、素体2の外縁部分に配置されている。
(3.2)スパイラル層5
次に、スパイラル層5について説明する。スパイラル層5の構成は、スパイラル層4の構成と略同様である。そのため、スパイラル層5についての詳細な説明は適宜省略する。
図1Bに示すように、スパイラル層5は、スパイラル導体51と、ビアパッド52、53と、引出導体54と、を有する。
スパイラル導体51は、渦状に形成された導体である。より詳細には、スパイラル導体51は、導体を長円に沿って複数回巻いた形状である。スパイラル導体51の左右方向の長さは、スパイラル導体51の前後方向の長さよりも長い。スパイラル導体51の少なくとも一部は、スパイラル導体41の少なくとも一部と上下方向に重なる。
スパイラル導体51は、1ターン目の部分511と、2ターン目の部分512と、3ターン目の部分513と、を含む。部分511~513のうち、1ターン目の部分511が最も内側に設けられており、3ターン目の部分513が最も外側に設けられている。
スパイラル導体51の内縁は、内対向部RI5を含む。内対向部RI5は、ビアパッド52の外縁と対向する部分である。内対向部RI5の形状は、円弧状である。
また、スパイラル導体51の内縁は、内対向部LI5を含む。内対向部LI5は、ビアパッド53の外縁と対向する部分である。内対向部LI5は、円弧状の領域と、直線状の領域LI50と、を含む。直線状の領域LI50の前後に、円弧状の領域が設けられている。
スパイラル導体51の第1端は、ビアパッド53につながっている。スパイラル導体51の第2端は、引出導体54につながっている。
ビアパッド52及びビアパッド53は、スパイラル導体51の内側に配置されている。ビアパッド52及びビアパッド53は、左右方向に並んでいる。ビアパッド52は、スパイラル導体51の中心軸Ax1より右に配置されており、ビアパッド53は、中心軸Ax1より左に配置されている。
ビアパッド52の形状は、半円状である。ビアパッド52の外縁は、外対向部RO5を含む。外対向部RO5は、内対向部RI5と対向する部分である。外対向部RO5は、外対向部RO5及び内対向部RI5のうち少なくとも一方の径方向において内対向部RI5と対向する。外対向部RO5の形状は、円弧状である。
このように、スパイラル層5は、中継ビアパッドとして、ビアパッド52を有する。ビアパッド52は、スパイラル導体51から電気的に絶縁されている。中継ビアパッドとは、他の2つのスパイラル層が有する2つのビアパッド間に設けられて、上記2つのビアパッドに電気的に接続されたビアパッドである。ビアパッド52は、ビアパッド42、62に電気的に接続されている(図3参照)。
ビアパッド53は、ビアB2と、当該ビアパッド53を有するスパイラル層5のスパイラル導体51と、に電気的に接続された、通電用ビアパッドである。
ビアパッド53の形状は、略半円状である。ビアパッド53の外縁は、外対向部LO5を含む。外対向部LO5は、内対向部LI5と対向する部分である。外対向部LO5は、外対向部LO5及び内対向部LI5のうち少なくとも一方の径方向において内対向部LI5と対向する。外対向部LO5は、円弧状の領域と、直線状の領域LO50と、を含む。直線状の領域LO50の前後に、円弧状の領域が設けられている。
このように、上下方向から見て、内対向部LI5は、円弧状の領域と、直線状の領域LI50と、を含み、上下方向から見て、外対向部LO5は、内対向部LI5の形状に沿って、円弧状の領域と、直線状の領域LO50と、を含む。
引出導体54は、スパイラル導体51の外側に配置されている。より詳細には、引出導体54は、素体2の外縁部分に配置されている。
(3.3)スパイラル層6
次に、スパイラル層6について説明する。スパイラル層6の構成は、スパイラル層4の構成と略同様である。そのため、スパイラル層6についての詳細な説明は適宜省略する。
図1Cに示すように、スパイラル層6は、スパイラル導体61と、ビアパッド62、63と、引出導体64と、を有する。
スパイラル導体61は、渦状に形成された導体である。より詳細には、スパイラル導体61は、導体を長円に沿って複数回巻いた形状である。スパイラル導体61の左右方向の長さは、スパイラル導体61の前後方向の長さよりも長い。スパイラル導体61の少なくとも一部は、スパイラル導体41の少なくとも一部と上下方向に重なる。
スパイラル導体61は、1ターン目の部分611と、2ターン目の部分612と、3ターン目の部分613と、を含む。部分611~613のうち、1ターン目の部分611が最も内側に設けられており、3ターン目の部分613が最も外側に設けられている。
スパイラル導体61の内縁は、内対向部RI6を含む。内対向部RI6は、ビアパッド62の外縁と対向する部分である。内対向部RI6の形状は、円弧状である。
また、スパイラル導体61の内縁は、内対向部LI6を含む。内対向部LI6は、ビアパッド63の外縁と対向する部分である。内対向部LI6は、円弧状の領域と、直線状の領域LI60と、を含む。直線状の領域LI60の前後に、円弧状の領域が設けられている。
スパイラル導体61の第1端は、ビアパッド62につながっている。スパイラル導体61の第2端は、引出導体64につながっている。
ビアパッド62及びビアパッド63は、スパイラル導体61の内側に配置されている。ビアパッド62及びビアパッド63は、左右方向に並んでいる。ビアパッド62は、スパイラル導体61の中心軸Ax1より右に配置されており、ビアパッド63は、中心軸Ax1より左に配置されている。
ビアパッド62の形状は、半円状である。ビアパッド62の外縁は、外対向部RO6を含む。外対向部RO6は、内対向部RI6と対向する部分である。外対向部RO6は、外対向部RO6及び内対向部RI6のうち少なくとも一方の径方向において内対向部RI6と対向する。外対向部RO6の形状は、円弧状である。
ビアパッド63の形状は、略半円状である。ビアパッド63の外縁は、外対向部LO6を含む。外対向部LO6は、内対向部LI6と対向する部分である。外対向部LO6は、外対向部LO6及び内対向部LI6のうち少なくとも一方の径方向において内対向部LI6と対向する。外対向部LO6は、円弧状の領域と、直線状の領域LO60と、を含む。直線状の領域LO60の前後に、円弧状の領域が設けられている。
このように、スパイラル層6は、中継ビアパッドとして、ビアパッド63を有する。ビアパッド63は、スパイラル導体61から電気的に絶縁されている。ビアパッド63は、ビアパッド53、73に電気的に接続されている(図3参照)。
ビアパッド62は、ビアB1と、当該ビアパッド62を有するスパイラル層6のスパイラル導体61と、に電気的に接続された、通電用ビアパッドである。
また、上下方向から見て、内対向部LI6は、円弧状の領域と、直線状の領域LI60と、を含み、上下方向から見て、外対向部LO6は、内対向部LI6の形状に沿って、円弧状の領域と、直線状の領域LO60と、を含む。
引出導体64は、スパイラル導体61の外側に配置されている。より詳細には、引出導体64は、素体2の外縁部分に配置されている。
(3.4)スパイラル層7
次に、スパイラル層7について説明する。スパイラル層7の構成は、スパイラル層4の構成と略同様である。そのため、スパイラル層7についての詳細な説明は適宜省略する。
図1Dに示すように、スパイラル層7は、スパイラル導体71と、ビアパッド72、73と、引出導体74と、を有する。
スパイラル導体71は、渦状に形成された導体である。より詳細には、スパイラル導体71は、導体を長円に沿って複数回巻いた形状である。スパイラル導体71の左右方向の長さは、スパイラル導体71の前後方向の長さよりも長い。スパイラル導体71の少なくとも一部は、スパイラル導体51の少なくとも一部と上下方向に重なる。
スパイラル導体71は、1ターン目の部分711と、2ターン目の部分712と、3ターン目の部分713と、を含む。部分711~713のうち、1ターン目の部分711が最も内側に設けられており、3ターン目の部分713が最も外側に設けられている。
スパイラル導体71の内縁は、内対向部RI7を含む。内対向部RI7は、ビアパッド72の外縁と対向する部分である。内対向部RI7の形状は、円弧状である。
また、スパイラル導体71の内縁は、内対向部LI7を含む。内対向部LI7は、ビアパッド73の外縁と対向する部分である。内対向部LI7は、円弧状の領域と、直線状の領域LI70と、を含む。直線状の領域LI70の前後に、円弧状の領域が設けられている。
スパイラル導体71の第1端は、ビアパッド73につながっている。スパイラル導体71の第2端は、引出導体74につながっている。
ビアパッド72及びビアパッド73は、スパイラル導体71の内側に配置されている。ビアパッド72及びビアパッド73は、左右方向に並んでいる。ビアパッド72は、スパイラル導体71の中心軸Ax1より右に配置されており、ビアパッド73は、中心軸Ax1より左に配置されている。
ビアパッド72の形状は、半円状である。ビアパッド72の外縁は、外対向部RO7を含む。外対向部RO7は、内対向部RI7と対向する部分である。外対向部RO7は、外対向部RO7及び内対向部RI7のうち少なくとも一方の径方向において内対向部RI7と対向する。外対向部RO7の形状は、円弧状である。
このように、スパイラル層7は、ダミーパッドとして、ビアパッド72を有する。ビアパッド72は、スパイラル導体71から電気的に絶縁されている。
ビアパッド73は、ビアB2と、当該ビアパッド73を有するスパイラル層7のスパイラル導体71と、に電気的に接続された、通電用ビアパッドである。
ビアパッド73の形状は、略半円状である。ビアパッド73の外縁は、外対向部LO7を含む。外対向部LO7は、内対向部LI7と対向する部分である。外対向部LO7は、外対向部LO7及び内対向部LI7のうち少なくとも一方の径方向において内対向部LI7と対向する。外対向部LO7は、円弧状の領域と、直線状の領域LO70と、を含む。直線状の領域LO70の前後に、円弧状の領域が設けられている。
このように、上下方向から見て、内対向部LI7は、円弧状の領域と、直線状の領域LI70と、を含み、上下方向から見て、外対向部LO7は、内対向部LI7の形状に沿って、円弧状の領域と、直線状の領域LO70と、を含む。
引出導体74は、スパイラル導体71の外側に配置されている。より詳細には、引出導体74は、素体2の外縁部分に配置されている。
(3.5)巻き方向
上から見て、スパイラル導体41の渦の向き(巻き方向)は、スパイラル導体61の渦の向きと、反対向きである。上から見て、スパイラル導体51の渦の向きは、スパイラル導体71の渦の向きと、反対向きである。例えば、図1A~図1Dでは、スパイラル導体41、51の渦の向きは、渦の外側から内側に向かって、反時計回りに渦を巻く向きである。スパイラル導体61、71の渦の向きは、渦の外側から内側に向かって、時計回りに渦を巻く向きである。
(3.6)ビア
図3に示すように、ビアB1(導体)は、上下方向に長さを有する。ビアB1は、ビアパッド42とビアパッド62とを電気的に接続している。ここで、ビアパッド42とビアパッド62との間には、ビアパッド52が配置されている。ビアB1は、ビアパッド42とビアパッド62とに電気的に接続されており、さらに、ビアパッド52にも電気的に接続されている。
一例として、上下方向から見て、ビアB1は、ビアパッド42、52、62よりも小さい。
ビアB2(導体)は、上下方向に長さを有する。ビアB2は、ビアパッド53とビアパッド73とを電気的に接続している。ここで、ビアパッド53とビアパッド73との間には、ビアパッド63が配置されている。ビアB2は、ビアパッド53とビアパッド73とに電気的に接続されており、さらに、ビアパッド63にも電気的に接続されている。
一例として、上下方向から見て、ビアB2は、ビアパッド53、63、73よりも小さい。
(3.7)ビアパッドの形状とスパイラル導体の形状との関係
上述の通り、偶数個のスパイラル層4~7の各々は、外対向部を含む。すなわち、スパイラル層4は、外対向部RO4、LO4を含む。スパイラル層5は、外対向部RO5、LO5を含む。スパイラル層6は、外対向部RO6、LO6を含む。スパイラル層7は、外対向部RO7、LO7を含む。
上下方向から見て、偶数個のスパイラル層4~7の各々の外対向部は、円弧状の領域を含む。上下方向から見て、偶数個のスパイラル層4~7の各々の外対向部は、偶数個のスパイラル層4~7のうち対応するスパイラル層の内対向部の形状に沿っている。本実施形態では、外対向部RO4~RO7はスパイラル層4、7の内対向部RI4、RI7の形状に沿っている。また、外対向部LO4~LO7はスパイラル層4の内対向部LI4の形状に沿っている。
図2は、スパイラル層4~7を一平面に投影した投影図である。なお、本実施形態では、ビアパッド42、52、62、72は、互いに同一形状であり、上下方向に重なっている。また、本実施形態では、ビアパッド43、53、63、73は、互いに同一形状であり、上下方向に重なっている。
スパイラル導体41、51、61、71の形状には、差異がある。そのため、例えば、上下方向から見て、スパイラル導体41の内対向部RI4とビアパッド42との間の距離は、スパイラル導体61の内対向部RI6とビアパッド42との間の距離と異なる場合がある。
(3.8.1)距離D1、D2
ここで、スパイラル層4~7のうち、1つのスパイラル層に着目する。まずは、スパイラル層4に着目する。より詳細には、スパイラル層4のビアパッド42及びスパイラル導体41に着目する。上下方向から見て、着目するスパイラル層4の外対向部RO4と、偶数個のスパイラル層4~7の各々の内対向部RI4~RI7と、の間の最短距離D1は、90μm以下である。
また、スパイラル層4のビアパッド43及びスパイラル導体41に着目する。上下方向から見て、着目するスパイラル層4の外対向部LO4と、偶数個のスパイラル層4~7の各々の内対向部LI4~LI7と、の間の最短距離D2は、90μm以下である。
また、スパイラル層5に着目する。より詳細には、スパイラル層5のビアパッド52及びスパイラル導体51に着目する。上下方向から見て、着目するスパイラル層5の外対向部RO5と、偶数個のスパイラル層4~7の各々の内対向部RI4~RI7と、の間の最短距離D1は、90μm以下である。
また、スパイラル層5のビアパッド53及びスパイラル導体51に着目する。上下方向から見て、着目するスパイラル層5の外対向部LO5と、偶数個のスパイラル層4~7の各々の内対向部LI4~LI7と、の間の最短距離D2は、90μm以下である。
また、スパイラル層6に着目する。より詳細には、スパイラル層6のビアパッド62及びスパイラル導体61に着目する。上下方向から見て、着目するスパイラル層6の外対向部RO6と、偶数個のスパイラル層4~7の各々の内対向部RI4~RI7と、の間の最短距離D1は、90μm以下である。
また、スパイラル層6のビアパッド63及びスパイラル導体61に着目する。上下方向から見て、着目するスパイラル層6の外対向部LO6と、偶数個のスパイラル層4~7の各々の内対向部LI4~LI7と、の間の最短距離D2は、90μm以下である。
また、スパイラル層7に着目する。より詳細には、スパイラル層7のビアパッド72及びスパイラル導体71に着目する。上下方向から見て、着目するスパイラル層7の外対向部RO7と、偶数個のスパイラル層4~7の各々の内対向部RI4~RI7と、の間の最短距離D1は、90μm以下である。
また、スパイラル層7のビアパッド73及びスパイラル導体71に着目する。上下方向から見て、着目するスパイラル層7の外対向部LO7と、偶数個のスパイラル層4~7の各々の内対向部LI4~LI7と、の間の最短距離D2は、90μm以下である。
(3.8.2)1つのスパイラル層の内対向部と外対向部との関係
また、ここで、スパイラル層4~7のうち1つのスパイラル層に着目する。より詳細には、1つのスパイラル層の内対向部と外対向部とに着目する。上下方向から見て、これらの内対向部と外対向部との間の最短距離が、90μm以下であることが好ましい。例えば、スパイラル層4に着目する。上下方向から見て、スパイラル層4の内対向部RI4と外対向部RO4との間の最短距離が、90μm以下であることが好ましい。また、上下方向から見て、スパイラル層4の内対向部LI4と外対向部LO4との間の最短距離が、90μm以下であることが好ましい。
同様に、上下方向から見て、スパイラル層5の内対向部RI5と外対向部RO5との間の最短距離が、90μm以下であることが好ましい。上下方向から見て、スパイラル層5の内対向部LI5と外対向部LO5との間の最短距離が、90μm以下であることが好ましい。
上下方向から見て、スパイラル層6の内対向部RI6と外対向部RO6との間の最短距離が、90μm以下であることが好ましい。上下方向から見て、スパイラル層6の内対向部LI6と外対向部LO6との間の最短距離が、90μm以下であることが好ましい。
上下方向から見て、スパイラル層7の内対向部RI7と外対向部RO7との間の最短距離が、90μm以下であることが好ましい。上下方向から見て、スパイラル層7の内対向部LI7と外対向部LO7との間の最短距離が、90μm以下であることが好ましい。
(3.8.3)外対向部の形状
さらに、1つのスパイラル層に着目すると、上下方向から見て、着目するスパイラル層の外対向部の形状は、偶数個のスパイラル層4~7の偶数個のスパイラル導体41、51、61、71のうち最も内側のスパイラル導体の内対向部の形状に沿っている。例えば、外対向部RO4の後方の領域では、図2に示すように、内対向部RI4が最も内側に位置する。外対向部RO4のうち後ろ側の部分の形状は、内対向部RI4の形状に沿っている。より詳細には、外対向部RO4のうち後ろ側の部分は、内対向部RI4に対して一定距離をあけて設けられている。すなわち、外対向部RO4のうち後ろ側の部分の任意の点から内対向部RI4までの距離は、上記一定距離である。更に詳細には、外対向部RO4のうち後ろ側の部分は、内対向部RI4に対して同心の円弧状である。
本開示で言う「一定」とは、完全に一定である状態に限定されず、実用上問題ない範囲で異なっている場合も含む。例えば、2つの値の差が5%未満の範囲なら「一定」とみなして本開示を適用してもよい。
また、外対向部RO4のうち前側の部分の曲率半径と、内対向部RI7のうち前側の部分の曲率半径との差は、外対向部RO4のうち前側の部分の曲率半径と、内対向部RI4のうち前側の部分の曲率半径との差よりも小さい。つまり、外対向部RO4のうち前側の部分の形状は、内対向部RI4の形状に対してよりも、内対向部RI7の形状に対して沿っている。
外対向部RO4の前方の領域では、図2に示すように、内対向部RI7が最も内側に位置する。外対向部RO4のうち前側の部分の形状は、内対向部RI7の形状に沿っている。より詳細には、外対向部RO4のうち前側の部分は、内対向部RI7に対して上記一定距離をあけて設けられている。すなわち、外対向部RO4のうち前側の部分の任意の点から内対向部RI7までの距離は、上記一定距離である。更に詳細には、外対向部RO4のうち前側の部分は、内対向部RI7に対して同心の円弧状である。
また、外対向部RO4のうち後ろ側の部分の曲率半径と、内対向部RI4のうち後ろ側の部分の曲率半径との差は、外対向部RO4のうち後ろ側の部分の曲率半径と、内対向部RI7のうち後ろ側の部分の曲率半径との差よりも小さい。つまり、外対向部RO4のうち後ろ側の部分の形状は、内対向部RI7の形状に対してよりも、内対向部RI4の形状に対して沿っている。
さらに、本実施形態では、上下方向から見て、スパイラル層4~7の各々の外対向部RO4~RO7の形状は、スパイラル導体41、51、61、71のうち最も内側のスパイラル導体の内対向部の形状に沿っている。より詳細には、外対向部RO4~RO7それぞれの後ろ側の部分の形状は、内対向部RI4の形状に沿っている。外対向部RO4~RO7それぞれの前側の部分の形状は、内対向部RI7の形状に沿っている。
また、互いに同じスパイラル層に属する外対向部RO4~RO7と内対向部RI4~RI7とは、曲率半径に違いがあっても、外対向部が内対向部に沿っている。例えば、外対向部RO4と内対向部RI4とがいずれも円弧状に形成されている。
さらに、本実施形態では、上下方向から見て、スパイラル層4~7の各々の外対向部LO4~LO7の形状は、スパイラル導体41、51、61、71のうち最も内側のスパイラル導体41の内対向部LI4の形状に沿っている。例えば、外対向部LO4に着目する。外対向部LO4の周囲では、図2に示すように、内対向部LI4が最も内側に位置する。外対向部LO4の形状は、内対向部LI4の形状に沿っている。より詳細には、外対向部LO4は、内対向部LI4に対して一定距離をあけて設けられている。すなわち、外対向部LO4の任意の点から内対向部LI4までの距離は、上記一定距離である。更に詳細には、外対向部LO4は、内対向部LI4に対して同心の円弧状である。
本実施形態では、内対向部LI4~LI7が互いに相似形である。そのため、外対向部LO4の形状は、内対向部LI4~LI7のそれぞれの形状に沿っている。外対向部LO5の形状は、内対向部LI4~LI7のそれぞれの形状に沿っている。外対向部LO6の形状は、内対向部LI4~LI7のそれぞれの形状に沿っている。外対向部LO7の形状は、内対向部LI4~LI7のそれぞれの形状に沿っている。
任意の1つのスパイラル層に着目すると、上下方向から見て、着目するスパイラル層の外対向部LO4、LO5、LO6又はLO7の形状は、着目するスパイラル層の内対向部LI4、LI5、LI6又はLI7の形状に沿っている。つまり、互いに同じスパイラル層に属する外対向部と内対向部とに関して、外対向部が内対向部に沿っている。例えば、外対向部LO4の形状は、内対向部LI4の形状に沿っている。外対向部LO5の形状は、内対向部LI5の形状に沿っている。外対向部LO6の形状は、内対向部LI6の形状に沿っている。外対向部LO7の形状は、内対向部LI7の形状に沿っている。
(4)製造工程及びコモンモードノイズフィルタ1の利点
本実施形態では、コモンモードノイズフィルタ1が製造工程において焼成されることを想定している。電気めっきにより導体を素体2に設け、その後、焼成することにより、導体は導体層3を構成する配線(スパイラル導体41及びビアパッド42、43等)となる。
素体2は、例えば、ガラスセラミックを材料として含む。配線材料(導体)は、例えば、銀等の金属を含む。素体2の熱収縮率は、配線材料の熱収縮率と異なる。そのため、焼成時に、外対向部RO4と内対向部RI4との間の領域には、素体2とスパイラル導体41、51、61、71及びビアパッド42との熱収縮率の差に起因したひずみが生じる可能性がある。具体的には、素体2は収縮する一方で、スパイラル導体41、51、61、71及びビアパッド42は僅かに膨張する。そのため、素体2とスパイラル導体41、51、61、71及びビアパッド42との間に応力が発生し得る。
ここで、例えば、比較例に係るコモンモードノイズフィルタ1P(図4参照)のように、上下方向から見てビアパッド42の形状が長方形であると、ビアパッド42とスパイラル導体41との間の距離が、場所によって大きく異なることになる。具体的には、図4のビアパッド42のうち前後方向における中心の領域と、スパイラル導体41との間の距離D31は、比較的大きい。一方で、図4のビアパッド42の後端の領域と、スパイラル導体41との間の距離D32は、比較的小さい。距離D31、D32の差に起因して、ビアパッド42の上記中心の付近における熱収縮の程度と、ビアパッド42の後端付近における熱収縮の程度とに差が生じ、熱収縮の程度の差により、コモンモードノイズフィルタ1Pに局所的な応力がかかることがある。すると、コモンモードノイズフィルタ1Pのインピーダンス及び絶縁抵抗等の劣化が引き起こされる可能性がある。
これに対して、図2に示すように、本実施形態のコモンモードノイズフィルタ1では、上下方向から見て、ビアパッド42の外対向部RO4は、スパイラル導体41の内対向部RI4及びスパイラル導体71の内対向部RI7の形状に沿っている。そのため、ビアパッド42とスパイラル導体41、71との間の距離が、場所によって大きく異なることが抑制されている。つまり、ビアパッド42とスパイラル導体41、71との間では、どこでも同程度、熱収縮する。よって、熱収縮による局所的な応力が発生する可能性が低減される。すなわち、コモンモードノイズフィルタ1のインピーダンス及び絶縁抵抗等の劣化が引き起こされる可能性を、低減させることができる。
局所的な応力の発生を抑制する効果は、スパイラル層4のビアパッド42の周囲においてだけではなく、ビアパッド43、及び、スパイラル層5~7の各ビアパッドの周囲においても発揮される。
また、局所的な応力の発生を抑制する効果は、ビアパッド42が同一の層(スパイラル層4)のスパイラル導体41に沿って形成されている場合にのみ発揮されるのではない。図2に示すようにスパイラル層4~7を一平面に投影した場合に、ビアパッド42が、別の層(スパイラル層5、6又は7)のスパイラル導体に沿って形成されている場合にも、局所的な応力の発生を抑制する効果が発揮される。
また、ビアパッド42、52、62、72がスパイラル導体に沿って形成されているのと同様に、ビアパッド43、53、63、73がスパイラル導体に沿って形成されていることも、局所的な応力の発生を抑制することに寄与する。
また、本実施形態のコモンモードノイズフィルタ1では、内対向部と外対向部との間の最短距離が90μm以下と、比較的小さい。そのため、熱収縮の程度が比較的小さくなり、熱収縮に起因した局所的な応力の発生を抑制することができる。
(実施形態1の変形例)
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
スパイラル層の個数は、4つに限定されない。スパイラル層の個数は、偶数個であればよく、例えば、2つ、6つ又は8つであってもよい。
各ビアパッドの形状は、半円状に限定されない。例えば、少なくとも1つのビアパッドの形状が、円状又は楕円状であってもよい。
ビアパッド43の形状は、ビアパッド42に対して線対称であってもよい。この場合の対称軸は、スパイラル導体41の中心軸Ax1を通り前後方向に沿った直線である。
あるいは、ビアパッド43の形状は、ビアパッド42に対して点対称であってもよい。この場合の対称軸は、スパイラル導体41の中心軸Ax1である。
ビアパッド53も同様に、ビアパッド52に対して線対称又は点対称であってもよい。ビアパッド63も同様に、ビアパッド62に対して線対称又は点対称であってもよい。ビアパッド73も同様に、ビアパッド72に対して線対称又は点対称であってもよい。
スパイラル層4は、ダミーパッドであるビアパッド43を備えていなくてもよい。スパイラル層7は、ダミーパッドであるビアパッド72を備えていなくてもよい。
スパイラル層5は、中継ビアパッドであるビアパッド52を備えていなくてもよく、この場合、ビアB1は、ビアパッド52を介さずに、ビアパッド42、62を電気的に接続していればよい。スパイラル層6は、中継ビアパッドであるビアパッド63を備えていなくてもよく、この場合、ビアB2は、ビアパッド63を介さずに、ビアパッド53、73を電気的に接続していればよい。
ビアパッド42、52、62、72は、互いに同一形状でなくてもよい。
ビアパッド43、53、63、73は、互いに同一形状でなくてもよい。
実施形態1では、スパイラル導体41、51、61、71の各々のターン数は、3である。ただし、ターン数は3に限定されない。
(実施形態2)
以下、実施形態2に係るコモンモードノイズフィルタ1Aについて、図5A~図6を用いて説明する。実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。なお、実施形態2の構成は、実施形態1の各変形例と適宜組み合わせて実現されてもよい。
実施形態1では、外対向部RO4~RO7はいずれも、内対向部RI4、RI7の形状に沿っている。
これに対して、本実施形態では、任意の1つのスパイラル層に着目すると、上下方向から見て、着目するスパイラル層の外対向部RO4、RO5、RO6又はRO7の形状は、着目するスパイラル層の内対向部RI4、RI5、RI6又はRI7の形状に沿っている。さらに、上下方向から見て、着目するスパイラル層の外対向部LO4、LO5、LO6又はLO7の形状は、着目するスパイラル層の内対向部LI4、LI5、LI6又はLI7の形状に沿っている。つまり、互いに同じスパイラル層に属する外対向部と内対向部とに関して、外対向部が内対向部に沿っている。
例えば、スパイラル層4に着目すると、図5Aに示すように、外対向部RO4の形状は、内対向部RI4の形状に沿っており、外対向部LO4の形状は、内対向部LI4の形状に沿っている。
より詳細には、外対向部RO4は、内対向部RI4に対して一定距離D41をあけて設けられている。すなわち、外対向部RO4の任意の点から内対向部RI4までの距離は、一定距離D41である。更に詳細には、外対向部RO4は、内対向部RI4に対して同心の円弧状である。
また、外対向部LO4は、内対向部LI4に対して一定距離D42をあけて設けられている。すなわち、外対向部LO4の任意の点から内対向部LI4までの距離は、一定距離D42である。更に詳細には、外対向部LO4は、内対向部LI4に対して同心の円弧状である。
また、スパイラル層5に着目すると、図5Bに示すように、外対向部RO5の形状は、内対向部RI5の形状に沿っており、外対向部LO5の形状は、内対向部LI5の形状に沿っている。
より詳細には、外対向部RO5は、内対向部RI5に対して一定距離D51をあけて設けられている。すなわち、外対向部RO5の任意の点から内対向部RI5までの距離は、一定距離D51である。更に詳細には、外対向部RO5は、内対向部RI5に対して同心の円弧状である。
また、外対向部LO5は、内対向部LI5に対して一定距離D52をあけて設けられている。すなわち、外対向部LO5の任意の点から内対向部LI5までの距離は、一定距離D52である。更に詳細には、外対向部LO5は、内対向部LI5に対して同心の円弧状である。
また、スパイラル層6に着目すると、図5Cに示すように、外対向部RO6の形状は、内対向部RI6の形状に沿っており、外対向部LO6の形状は、内対向部LI6の形状に沿っている。
より詳細には、外対向部RO6は、内対向部RI6に対して一定距離D61をあけて設けられている。すなわち、外対向部RO6の任意の点から内対向部RI6までの距離は、一定距離D61である。更に詳細には、外対向部RO6は、内対向部RI6に対して同心の円弧状である。
また、外対向部LO6は、内対向部LI6に対して一定距離D62をあけて設けられている。すなわち、外対向部LO6の任意の点から内対向部LI6までの距離は、一定距離D62である。更に詳細には、外対向部LO6は、内対向部LI6に対して同心の円弧状である。
また、スパイラル層7に着目すると、図5Dに示すように、外対向部RO7の形状は、内対向部RI7の形状に沿っており、外対向部LO7の形状は、内対向部LI7の形状に沿っている。
より詳細には、外対向部RO7は、内対向部RI7に対して一定距離D71をあけて設けられている。すなわち、外対向部RO7の任意の点から内対向部RI7までの距離は、一定距離D71である。更に詳細には、外対向部RO7は、内対向部RI7に対して同心の円弧状である。
また、外対向部LO7は、内対向部LI7に対して一定距離D72をあけて設けられている。すなわち、外対向部LO7の任意の点から内対向部LI7までの距離は、一定距離D72である。更に詳細には、外対向部LO7は、内対向部LI7に対して同心の円弧状である。
また、ビアパッド42の形状は、ビアパッド52の形状と同じである。一方、ビアパッド42の形状は、ビアパッド62、72の形状と異なる。
ビアパッド62の形状は、ビアパッド72の形状と同じである。一方、ビアパッド62の形状は、ビアパッド42、52の形状と異なる。
ビアパッド53、73の形状は、ビアパッド43、63の形状と異なる。
本実施形態の構成でも、実施形態1と同様に、コモンモードノイズフィルタ1Aにおいて局所的な応力が発生する可能性が低減される。例えば、スパイラル層4に着目すると、上下方向から見て、外対向部RO4は内対向部RI4の形状に沿っているため、外対向部RO4と内対向部RI4との間での熱収縮の偏りが抑制され、熱収縮による局所的な応力が発生する可能性が低減される。
(実施形態3)
以下、実施形態3に係るコモンモードノイズフィルタ1Bについて、図7A~図8を用いて説明する。実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。なお、実施形態3の構成は、実施形態1の各変形例及び実施形態2と適宜組み合わせて実現されてもよい。
本実施形態のコモンモードノイズフィルタ1Bは、偶数個のスパイラル導体41、51、61、71の電気的な接続関係が、実施形態1と相違する。すなわち、スパイラル導体41とスパイラル導体71とが電気的に接続されており、スパイラル導体51とスパイラル導体61とが電気的に接続されている。
より詳細には、図8に示すように、ビアB1は、ビアパッド42とビアパッド72とを電気的に接続している。ここで、ビアパッド42とビアパッド72との間には、ビアパッド52及びビアパッド62が配置されている。ビアB1は、ビアパッド42とビアパッド72とに電気的に接続されており、さらに、ビアパッド52とビアパッド62とにも電気的に接続されている。
ビアB2は、ビアパッド53とビアパッド63とを電気的に接続している。
ビアパッド43、73はそれぞれ、偶数個のスパイラル層4~7のそれぞれのスパイラル導体から電気的に絶縁されたダミーパッドである。
ビアパッド52、62はそれぞれ、ビアパッド42、72間に設けられビアパッド42、72に電気的に接続された中継ビアパッドである。
また、スパイラル導体41、51、61、71の電気的な接続関係の変更に伴い、スパイラル層4~7の形状について実施形態1に対して変更が加えられる(例えば、図7A~図7Dを参照)。
上から見て、スパイラル導体41の渦の向きは、スパイラル導体71の渦の向きと、反対向きである。上から見て、スパイラル導体51の渦の向きは、スパイラル導体61の渦の向きと、反対向きである。
本実施形態によれば、実施形態1と同様に、コモンモードノイズフィルタ1Bに生じる応力のばらつきを小さくすることができる。
(実施形態4)
以下、実施形態4に係るコモンモードノイズフィルタ1Cについて、図9A~図10を用いて説明する。実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。なお、実施形態4の構成は、実施形態1の各変形例及び実施形態2と適宜組み合わせて実現されてもよい。
本実施形態のコモンモードノイズフィルタ1Cは、偶数個のスパイラル導体41、51、61、71の電気的な接続関係が、実施形態1と相違する。すなわち、スパイラル導体41とスパイラル導体51とが電気的に接続されており、スパイラル導体61とスパイラル導体71とが電気的に接続されている。
より詳細には、図10に示すように、ビアB1は、ビアパッド42とビアパッド52とを電気的に接続している。ビアB2は、ビアパッド63とビアパッド73とを電気的に接続している。
ビアパッド43、53、62、72はそれぞれ、スパイラル導体から電気的に絶縁されたダミーパッドである。
また、スパイラル導体41、51、61、71の電気的な接続関係の変更に伴い、スパイラル層4~7の形状について実施形態1に対して変更が加えられる(例えば、図9A~図9Dを参照)。
上から見て、スパイラル導体41の渦の向きは、スパイラル導体51の渦の向きと、反対向きである。上から見て、スパイラル導体61の渦の向きは、スパイラル導体71の渦の向きと、反対向きである。
本実施形態によれば、実施形態1と同様に、コモンモードノイズフィルタ1Cに生じる応力のばらつきを小さくすることができる。
(実施形態5)
以下、実施形態5に係るコモンモードノイズフィルタ1Dについて、図11A~図12を用いて説明する。実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。なお、実施形態4の構成は、実施形態1の各変形例及び実施形態2と適宜組み合わせて実現されてもよい。
本実施形態のコモンモードノイズフィルタ1Dでは、複数の導体層3は、2つのスパイラル層5、6を含む。また、複数の導体層3は、スパイラル層4、7に代えて、端子層8、9を含む。
端子層8は、絶縁体層21と絶縁体層22との間に設けられている。端子層8は、接続線81と、ビアパッド82と、引出導体84と、を有する。接続線81は、ビアパッド82と引出導体84とを電気的に接続している。引出導体84は、素体2の外縁部分に配置されている。
端子層9は、絶縁体層24と絶縁体層25との間に設けられている。端子層9は、接続線91と、ビアパッド93と、引出導体94と、を有する。接続線91は、ビアパッド93と引出導体94とを電気的に接続している。引出導体94は、素体2の外縁部分に配置されている。
スパイラル導体51と引出導体84とは、電気的に接続されている。より詳細には、図12に示すように、ビアB1は、ビアパッド52とビアパッド82とを電気的に接続している。スパイラル導体51は、ビアパッド52、ビアB1、ビアパッド82及び接続線81を介して引出導体84に電気的に接続されている。
スパイラル導体61と引出導体94とは、電気的に接続されている。より詳細には、図12に示すように、ビアB2は、ビアパッド63とビアパッド93とを電気的に接続している。スパイラル導体61は、ビアパッド63、ビアB2、ビアパッド93及び接続線91を介して引出導体94に電気的に接続されている。
ビアパッド53、62はそれぞれ、スパイラル導体から電気的に絶縁されたダミーパッドである。
また、スパイラル導体51、61の電気的な接続関係の変更に伴い、スパイラル層5、6の形状について実施形態1に対して変更が加えられる(例えば、図11B、図11Cを参照)。
上下方向から見て、スパイラル層5の外対向部RO5は、内対向部RI5、RI6のうち少なくとも一方の形状に沿っている。上下方向から見て、スパイラル層5の外対向部LO5は、内対向部LI5、LI6のうち少なくとも一方の形状に沿っている。
また、上下方向から見て、スパイラル層6の外対向部RO6は、内対向部RI5、RI6のうち少なくとも一方の形状に沿っている。上下方向から見て、スパイラル層6の外対向部LO6は、内対向部LI5、LI6のうち少なくとも一方の形状に沿っている。
本実施形態によれば、実施形態1と同様に、コモンモードノイズフィルタ1Dに生じる応力のばらつきを小さくすることができる。
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
第1の態様に係るコモンモードノイズフィルタ(1、1A~1D)は、素体(2)と、複数の導体層(3)と、ビア(B1、B2)と、を備える。複数の導体層(3)は、素体(2)の内部に設けられている。複数の導体層(3)は、上下方向に重なっている。ビア(B1、B2)は、素体(2)の内部に設けられている。ビア(B1、B2)は、複数の導体層(3)のうち2以上の導体層(3)を電気的に接続する。複数の導体層(3)のうち偶数個の導体層(3)は、スパイラル層(4~7)である。偶数個のスパイラル層(4~7)はそれぞれ、スパイラル導体(例えば、スパイラル導体41)と、少なくとも1つのビアパッド(例えば、ビアパッド42、43)と、を有する。少なくとも1つのビアパッド(42、43)は、上下方向から見てスパイラル導体(41)の内側に配置されている。少なくとも1つのビアパッド(42、43)は、スパイラル導体(41)及びビア(B1)に電気的に接続された通電用ビアパッド(42)を含む。偶数個のスパイラル層(4~7)のうち1つのスパイラル層(例えば、スパイラル層4)に着目すると、着目するスパイラル層(4)の少なくとも1つのビアパッド(例えば、ビアパッド42)の外縁は、外対向部(RO4)を含む。外対向部(RO4)は、着目するスパイラル層(4)のスパイラル導体(41)の内縁と対向する。偶数個のスパイラル層(4~7)の各々のスパイラル導体(41、51、61、71)の内縁は、内対向部(RI4~RI7)を含む。上下方向から見て、内対向部(RI4~RI7)は、着目するスパイラル層(4)の外対向部(RO4)と対向する。上下方向から見て、内対向部(RI4~RI7)は、円弧状の領域を含む。上下方向から見て、着目するスパイラル層(4)の外対向部(RO4)は、円弧状の領域を含む。上下方向から見て、着目するスパイラル層(4)の外対向部(RO4)は、偶数個のスパイラル層(4~7)のうち対応するスパイラル層(4、7)の内対向部(RI4、RI7)の形状に沿っている。
上記の構成によれば、コモンモードノイズフィルタ(1、1A~1D)に生じる応力のばらつきを小さくすることができる。
また、第2の態様に係るコモンモードノイズフィルタ(1、1A~1D)では、第1の態様において、上下方向から見て、着目するスパイラル層(4)の内対向部(RI4)と着目するスパイラル層(4)の外対向部(RO4)との間の最短距離は、90μm以下である。
上記の構成によれば、内対向部(RI4)と外対向部(RO4)との間の最短距離が比較的小さいため、素体(2)のうち内対向部(RI4)と外対向部(RO4)との間の部分の収縮に起因した、応力のばらつきを小さくすることができる。
また、第3の態様に係るコモンモードノイズフィルタ(1、1A~1D)では、第1又は2の態様において、偶数個のスパイラル層(4~7)の各々は、外対向部(RO4~RO7)を含む。上下方向から見て、偶数個のスパイラル層(4~7)の各々の外対向部(RO4~RO7)は、円弧状の領域を含み、偶数個のスパイラル層(4~7)のうち対応するスパイラル層(4、7)の内対向部(RI4、RI7)の形状に沿っている。
上記の構成によれば、偶数個のスパイラル層(4~7)それぞれにおいて、応力のばらつきを小さくすることができる。
また、第4の態様に係るコモンモードノイズフィルタ(1、1A~1D)では、第3の態様において、上下方向から見て、着目するスパイラル層(4)の外対向部(RO4)と、偶数個のスパイラル層(4~7)の各々の内対向部(RI4~RI7)と、の間の最短距離は、90μm以下である。
上記の構成によれば、内対向部(RI4~RI7)と外対向部(RO4)との間の最短距離が比較的小さいため、素体(2)のうち内対向部(RI4~RI7)と外対向部(RO4)との間の部分の収縮に起因した、応力のばらつきを小さくすることができる。
また、第5の態様に係るコモンモードノイズフィルタ(1、1A~1D)では、第1~4の態様のいずれか1つにおいて、上下方向から見て、着目するスパイラル層(4)の外対向部(RO4)の形状は、偶数個のスパイラル層(4~7)の偶数個のスパイラル導体(41、51、61、71)のうち最も内側のスパイラル導体(41、71)の内対向部(RI4、RI7)の形状に沿っている。
上記の構成によれば、応力のばらつきを更に小さくすることができる。
また、第6の態様に係るコモンモードノイズフィルタ(1、1A~1D)では、第1~5の態様のいずれか1つにおいて、上下方向から見て、着目するスパイラル層(4)の外対向部(RO4又はLO4)の形状は、着目するスパイラル層(4)の内対向部(RI4又はLI4)の形状に沿っている。
上記の構成によれば、応力のばらつきを小さくすることができる。
また、第7の態様に係るコモンモードノイズフィルタ(1、1A~1D)では、第1~6の態様のいずれか1つにおいて、偶数個のスパイラル層(4~7)のうち少なくとも1つである特定のスパイラル層(例えば、スパイラル層4)の少なくとも1つのビアパッド(42、43)は、特定のスパイラル層(4)のスパイラル導体(41)から電気的に絶縁されたビアパッド(43)を含む。なお、各実施形態における「ダミーパッド」及び「中継ビアパッド」はそれぞれ、「特定のスパイラル層のスパイラル導体から電気的に絶縁されたビアパッド」に該当する。
上記の構成によれば、ダミーパッド又は中継ビアパッドが設けられていない場合と比較して、ダミーパッド又は中継ビアパッドの周囲において、応力のばらつきを小さくすることができる。
また、第8の態様に係るコモンモードノイズフィルタ(1、1A~1D)では、第1~7の態様のいずれか1つにおいて、上下方向から見て、内対向部(LI4)は、円弧状の領域と、直線状の領域(LI40)と、を含む。上下方向から見て、外対向部(LO4)は、内対向部(LI4)の形状に沿って、円弧状の領域と、直線状の領域(LO40)と、を含む。
上記の構成によれば、外対向部(LO4)が内対向部(LI4)の形状に沿って形成されているため、コモンモードノイズフィルタ(1、1A~1D)の応力のばらつきを小さくすることができる。
第1の態様以外の構成については、コモンモードノイズフィルタ(1、1A~1D)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
1、1A~1D コモンモードノイズフィルタ
2 素体
3 導体層
4 スパイラル層
5 スパイラル層
6 スパイラル層
7 スパイラル層
41 スパイラル導体
42、43 ビアパッド
51 スパイラル導体
52、53 ビアパッド
61 スパイラル導体
62、63 ビアパッド
71 スパイラル導体
72、73 ビアパッド
B1、B2 ビア
LI4~LI7 内対向部
LI40、LI50、LI60、LI70 直線状の領域
LO4~LO7 外対向部
LO40、LO50、LO60、LO70 直線状の領域
RI4~RI7 内対向部
RO4~RO7 外対向部

Claims (8)

  1. 素体と、
    前記素体の内部に設けられ、上下方向に重なった複数の導体層と、
    前記素体の内部に設けられ、前記複数の導体層のうち2以上の導体層を電気的に接続するビアと、を備え、
    前記複数の導体層のうち偶数個の導体層は、
    スパイラル導体と、前記上下方向から見て前記スパイラル導体の内側に配置された少なくとも1つのビアパッドと、を有するスパイラル層であり、
    前記少なくとも1つのビアパッドは、前記スパイラル導体及び前記ビアに電気的に接続された通電用ビアパッドを含み、
    前記偶数個のスパイラル層のうち1つのスパイラル層に着目すると、前記着目するスパイラル層の前記少なくとも1つのビアパッドの外縁は、前記着目するスパイラル層のスパイラル導体の内縁と対向する外対向部を含み、
    前記偶数個のスパイラル層の各々の前記スパイラル導体の内縁は、前記上下方向から見て前記着目するスパイラル層の前記外対向部と対向する内対向部を含み、
    前記上下方向から見て、前記内対向部は、円弧状の領域を含み、
    前記上下方向から見て、前記着目するスパイラル層の前記外対向部は、円弧状の領域を含み、前記偶数個のスパイラル層のうち対応するスパイラル層の前記内対向部の形状に沿っている、
    コモンモードノイズフィルタ。
  2. 前記上下方向から見て、前記着目するスパイラル層の前記内対向部と前記着目するスパイラル層の前記外対向部との間の最短距離は、90μm以下である、
    請求項1に記載のコモンモードノイズフィルタ。
  3. 前記偶数個のスパイラル層の各々は、前記外対向部を含み、
    前記上下方向から見て、前記偶数個のスパイラル層の各々の前記外対向部は、円弧状の領域を含み、前記偶数個のスパイラル層のうち対応するスパイラル層の前記内対向部の形状に沿っている、
    請求項1又は2に記載のコモンモードノイズフィルタ。
  4. 前記上下方向から見て、前記着目するスパイラル層の前記外対向部と、前記偶数個のスパイラル層の各々の前記内対向部と、の間の最短距離は、90μm以下である、
    請求項3に記載のコモンモードノイズフィルタ。
  5. 前記上下方向から見て、前記着目するスパイラル層の前記外対向部の形状は、前記偶数個のスパイラル層の偶数個のスパイラル導体のうち最も内側のスパイラル導体の内対向部の形状に沿っている、
    請求項1~4のいずれか一項に記載のコモンモードノイズフィルタ。
  6. 前記上下方向から見て、前記着目するスパイラル層の前記外対向部の形状は、前記着目するスパイラル層の内対向部の形状に沿っている、
    請求項1~5のいずれか一項に記載のコモンモードノイズフィルタ。
  7. 前記偶数個のスパイラル層のうち少なくとも1つである特定のスパイラル層の前記少なくとも1つのビアパッドは、前記特定のスパイラル層の前記スパイラル導体から電気的に絶縁されたビアパッドを含む、
    請求項1~6のいずれか一項に記載のコモンモードノイズフィルタ。
  8. 前記上下方向から見て、前記内対向部は、円弧状の領域と、直線状の領域と、を含み、
    前記上下方向から見て、前記外対向部は、前記内対向部の形状に沿って、円弧状の領域と、直線状の領域と、を含む、
    請求項1~7のいずれか一項に記載のコモンモードノイズフィルタ。
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