JP2023146988A - プーリ装置 - Google Patents

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惇 安達
Atsushi Adachi
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Abstract

【課題】加工が容易でありながら遠心強度を確保できるプーリ装置を提供する。【解決手段】プーリ装置は、固定シーブ(110)と、可動シーブ(120)と、可動シーブ(120)に、軸方向移動力に変換されるトルクを与えるトルクカム機構(150)と、を備え、トルクカム機構(150)は、可動シーブ(120)から延伸するシーブ延伸部(123)と、固定シーブ(110)又は軸部材(63)と一体的に回転するカムプレート(140)と、に形成され、シーブ延伸部(123)にシーブ延伸部(123)の先端(123B)から基端(123A)側に延びるカム溝(124)が形成されるプーリ装置において、カム溝(124)は、シーブ延伸部(123)に貫通形状で形成され、シーブ延伸部(123)には、カム溝(124)の先端(123B)側を外部から覆う非貫通部(129)が一体に形成されている。【選択図】図5

Description

本発明は、プーリ装置に関する。
従来、鞍乗り型車両において、トルクカム機構を備えるプーリ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、駆動側の可動シーブの外周にシーブ延伸部を設け、シーブ延伸部にカム溝を形成する構造が記載されている。特許文献1のカム溝は、シーブ延伸部に貫通形状に形成され、その先端が開放されている。
PCT/JP2021/014093号
特許文献1に記載のような構造では、カム溝の先端が開放されているため、遠心強度の確保及びカム溝内のローラーピンの抜け防止のために、樹脂部品のアウターカラーを可動シーブの延伸部外周に圧入する。しかしながら、アウターカラーを圧入するためには、アウターカラー等に加工精度が求められるという課題があり、更なる改良が求められている。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、加工が容易でありながら遠心強度を確保できるプーリ装置を提供することを目的とする。
プーリ装置は、軸方向変位を規制された固定シーブと、前記固定シーブに対して軸方向に変位する可動シーブと、前記可動シーブに、軸方向移動力に変換されるトルクを与えるトルクカム機構と、を備え、前記トルクカム機構は、前記可動シーブから軸方向に延伸するシーブ延伸部と、前記固定シーブと一体的に回転する又は前記固定シーブの取り付けられる軸部材と一体的に回転するカムプレートと、に形成され、前記シーブ延伸部に前記シーブ延伸部の先端から基端側に延びるカム溝が形成されるプーリ装置において、前記カム溝は、前記シーブ延伸部に貫通形状で形成され、前記シーブ延伸部には、前記カム溝の前記先端側を外部から覆う非貫通部が一体に形成されていることを特徴とする。
加工が容易でありながら遠心強度を確保できるプーリ装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両の側面図である。 パワーユニットの内部構造を示す図である。 図2の駆動プーリの拡大図である。 駆動プーリの要部の斜視図である。 駆動プーリの要部の分解斜視図である。 第1の実施の形態の可動シーブの斜視図である。 ランププレートのガイド孔と可動シーブの延出スライド板とを示す斜視図である。 可動シーブの製造方法を説明する図である。 第2の実施の形態の可動シーブの斜視図である。 第3の実施の形態の可動シーブの斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示す。
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両10の側面図である。
鞍乗り型車両10は、車体フレーム11と、車体フレーム11に支持されるパワーユニット12と、前輪13を操舵自在に支持するフロントフォーク14と、後輪15を支持するスイングアーム16と、乗員用のシート17とを備える車両である。
鞍乗り型車両10は、乗員がシート17に跨るようにして着座する車両である。シート17は、車体フレーム11の後部の上方に設けられる。
車体フレーム11は、車体フレーム11の前端部に設けられるヘッドパイプ18と、ヘッドパイプ18の後方に位置するフロントフレーム19と、フロントフレーム19の後方に位置するリアフレーム20とを備える。フロントフレーム19の前端部は、ヘッドパイプ18に接続される。
シート17は、リアフレーム20に支持される。
フロントフォーク14は、ヘッドパイプ18によって左右に操舵自在に支持される。前輪13は、フロントフォーク14の下端部に設けられる車軸13aに支持される。乗員が把持する操舵用のハンドル21は、フロントフォーク14の上端部に取り付けられる。
スイングアーム16は、車体フレーム11に支持されるピボット軸22に支持される。ピボット軸22は、車幅方向に水平に延びる軸である。スイングアーム16の前端部には、ピボット軸22が挿通される。スイングアーム16は、ピボット軸22を中心に上下に揺動する。
後輪15は、スイングアーム16の後端部に設けられる車軸15aに支持される。
パワーユニット12は、前輪13と後輪15との間に配置され、車体フレーム11に支持される。
パワーユニット12は、内燃機関である。パワーユニット12は、クランクケース23と、往復運動するピストンを収容するシリンダー部24とを備える。シリンダー部24の排気ポートには、排気装置25が接続される。
パワーユニット12の出力は、パワーユニット12と後輪15とを接続する駆動力伝達部材によって後輪15に伝達される。
また、鞍乗り型車両10は、前輪13を上方から覆うフロントフェンダー26と、後輪15を上方から覆うリアフェンダー27と、乗員が足を載せるステップ28と、パワーユニット12が使用する燃料を蓄える燃料タンク29とを備える。
フロントフェンダー26は、フロントフォーク14に取り付けられる。リアフェンダー27及びステップ28は、シート17よりも下方に設けられる。燃料タンク29は、車体フレーム11に支持される。
第1の実施の形態の鞍乗り型車両10は、乗員が跨るようにして着座するシート17を備えるスクーター型の鞍乗り型車両である。パワーユニット12は、車体フレーム11の後部に支持されるユニットスイングパワーユニットである。パワーユニット12は、クランクケース23と、シリンダー部24とスイングアーム16とが一体に設けられている。
図2は、パワーユニット12の内部構造を示す図である。
パワーユニット12は、エンジン40と、エンジン40および後輪15間に設けられる変速機41とを備え、エンジン40のシリンダー部24に排気装置25の上流端が接続される。
エンジン40は、単気筒の4サイクルエンジンであり、クランクケース23からシリンダー部24が前方へ向けて水平に突出する水平エンジンに構成されている。シリンダー部24は、クランクケース23側から順に、シリンダブロック42、シリンダヘッド43、シリンダヘッドカバー44で構成される。
シリンダー部24には、ピストン55が摺動自在に配置され、クランクケース23には、ピストン55にコンロッド56を介して連結されたクランク軸63が回転自在に支持される。ピストン55が往復動すると、それに伴ってクランク軸63が回転する。シリンダヘッド43には点火プラグ36が装着され、その先端が、ピストン55とシリンダヘッド43との間の燃焼室に臨んでいる。シリンダヘッド43とシリンダヘッドカバー44の間にクランク軸63と平行にカム軸65が支承される。
クランク軸63は、クランクケース23内を左右に延び、左右一対の軸受66,67を介して回転自在に支持される。
カム軸65は、シリンダヘッド43とシリンダヘッドカバー44との間で回転自在に支持され、クランク軸63との間に掛け渡されたカムチェーン68を介してクランク軸63とともに回転し、不図示の吸排気弁を駆動させて4サイクルに従った吸排気を行う。クランク軸63の動力は、変速機41を介して後輪15に伝達される。つまり、変速機41は、エンジン40の動力を後輪15に伝達する車両用動力伝達装置を構成する。
この変速機41は、Vベルト式変速機(ベルト式無段変速機)71と、Vベルト式変速機71と出力軸72との間に設けられた発進クラッチ73とを備える。図2において、動力伝達に関わる回転軸として、Vベルト式変速機71の駆動軸となるクランク軸63、Vベルト式変速機71の従動軸74、中間軸75及び出力軸72を示している。
Vベルト式変速機71は、エンジン40の駆動軸であるクランク軸63の軸方向一端部(左端部)に設けられる駆動プーリ(プーリ装置)100と、クランク軸63の後方に平行に軸支される従動軸74の軸方向一端部(左端部)に設けられる従動プーリ77と、駆動プーリ100と、従動プーリ77間に掛け渡されるVベルト78とを備えている。
駆動プーリ100は、クランク軸(軸部材)63の軸方向一端側(左端側)に固定された固定シーブ110と、固定シーブ110に対向して配置されクランク軸63の軸方向に移動自在に支持された可動シーブ120とを有する。クランク軸63が回転すると、回転による遠心力で遠心方向に移動するウェイトローラー153の作用により可動シーブ120が軸方向に移動する。これによって、可動シーブ120と固定シーブ110との離間距離が変動し、可動シーブ120と固定シーブ110との間に挟まれたVベルト78の巻き掛け径が可変する。
従動軸74は、クランクケース23の後部を左右に延び、複数の軸受81,82,83を介して回転自在に支持される。
従動プーリ77は、従動軸74に固定された従動固定シーブ77Aと、従動軸74に軸方向に移動自在に支持された従動可動シーブ77Bとを備える。従動固定シーブ77Aと従動可動シーブ77Bとは互いに対向して配置され、その間にVベルト78が挟持される。従動可動シーブ77Bは、従動側付勢部材85によって従動固定シーブ77A側に付勢され、Vベルト78をVベルト78の幅方向に押下する。本実施の形態の従動側付勢部材85はコイルスプリングである。
基本的には、可動シーブ120を押すウェイトローラー153の作用と、従動可動シーブ77Bを押す従動側付勢部材85の作用とによって、駆動プーリ100と従動プーリ77のそれぞれの溝幅が調節され、Vベルト式変速機71の変速比が自動的に調整される。
なお、従動側付勢部材85は、コイルスプリング以外の付勢部材でも良い。
この従動プーリ77と従動軸74との間には、発進クラッチ73(遠心クラッチ)が配置され、この発進クラッチ73を介して従動プーリ77と従動軸74とが断接(切断/接続)される。
従動軸74の後方には、中間軸75と出力軸72が前後に間隔を空けて平行に配置され、各軸75,72は、軸受86,87,88,89を介して回転自在に支持される。従動軸74の回転は、減速ギヤ91を介して中間軸75に伝達され、中間軸75の回転は、減速ギヤ92を介して出力軸72に伝達され、この出力軸72に連結された後輪15が回転駆動する。つまり、従動軸74から中間軸75を経て出力軸72に至る機構は、Vベルト式変速機71の回転を更に減速する減速機構を構成している。
クランク軸63が回転すると、このクランク軸63の回転が駆動プーリ100から従動プーリ77に伝達され、エンジン40がアイドリング回転数を超えると、発進クラッチ73がつながり、鞍乗り型車両10が発進する。
図3は、図2の駆動プーリ100の拡大図である。図4は、駆動プーリ100の要部の斜視図である。図5は、駆動プーリ100の要部の分解斜視図である。
駆動プーリ100は、固定シーブ110と、固定シーブ110に対して接近、離間可能に支持される可動シーブ120と、可動シーブ120の軸方向他側(右側)に配置されるランププレート130と、ランププレート130の軸方向他側に配置されるカムプレート140と、を備える。
固定シーブ110は、クランク軸63が挿通される軸部111を有する。軸部111の内周部には、スプライン部111A(図3参照)が形成されている。スプライン部111Aがクランク軸63のスプライン部63Aと嵌合する。固定シーブ110はクランク軸63と一体に回転する。
軸部111の軸方向他端部には、円錐面形状を形成するシーブ本体部112が形成されている。シーブ本体部112は、軸方向一側(左側)に進むに連れて拡径する円錐面形状に形成される。シーブ本体部112の軸方向一側にはフィン113が形成されている。フィン113は、クランクケース23のカバーの図示しない開口から変速機室23A(図2参照)内に冷却空気を流通させる。
固定シーブ110の軸方向他側には、可動シーブ120が配置される。
図3、図5に示すように、可動シーブ120は、クランク軸63に支持される筒状の軸部121を備える。軸部121の内周部には、円筒状のブッシュ151(図3参照)が装着される。ブッシュ151には、軸部121よりも軸方向に長い円筒状のスリーブ152が挿通される。軸部121には、ブッシュ151とスリーブ152を介してクランク軸63が挿通される。これにより、可動シーブ120は、クランク軸63に対して回転可能且つ軸方向に移動可能に支持される。
軸部121の軸方向一側には、円錐面形状を形成するシーブ本体部122(図3参照)が形成されている。シーブ本体部122は、軸方向他側に進むに連れて拡径する円錐面形状に形成されている。シーブ本体部122の径は、固定シーブ110のシーブ本体部112と同様の径に形成されている。シーブ本体部122と、固定シーブ110のシーブ本体部112との間には、Vベルト78が挟持される。
シーブ本体部122の径方向外端寄りには、軸方向他側に延伸するシーブ延伸部123が形成されている。シーブ延伸部123は、シーブ本体部122に接続される基端123Aと、シーブ本体部122の延伸方向の先端123Bと、を備える。シーブ延伸部123は、シーブ本体部122の軸方向他端面から軸方向他側に延伸する円筒状に形成されている。ここで、シーブ本体部122の径方向外端寄りとは、シーブ本体部122の半径の1/2以上の径方向外側を意味する。本実施の形態では、シーブ延伸部123は、シーブ本体部122の径方向の外端に接続されており、シーブ本体部122の径方向の外端から軸方向他側に延びる。シーブ延伸部123は、軸部121と同心の円筒状に形成されている(図5参照)。
図6は、第1の実施の形態の可動シーブ120の斜視図である。
シーブ延伸部123には、貫通形状のカム溝124が形成されている。カム溝124は、シーブ延伸部123の先端123Bから基端123A側に延びて、軸線L1に対して斜めに延びる。カム溝124は、複数形成される。本実施の形態では、カム溝124は、周方向に等間隔に形成されており、3つ形成されている。カム溝124が形成されたシーブ延伸部123の部位により、カム溝形成部127が構成される。カム溝形成部127は、周方向に複数形成される。
シーブ延伸部123の内周面には、隣接するカム溝形成部127とカム溝形成部127との間に対応して、径方向外側に凹んだ凹部123Cが形成されている。凹部123Cは、矩形状に凹んでいる。凹部123Cは、先端123B側が開放されている。凹部123Cの側壁面123Dはクランク軸63の軸線Lに沿って延びている。凹部123Cにより、シーブ延伸部123には薄肉部128が形成される。薄肉部128により、隣接するカム溝形成部127とカム溝形成部127とが接続される。
換言すれば、円筒状のシーブ延伸部123は、先端123B側では、カム溝124が形成されたカム溝形成部127と、カム溝124が形成されていない薄肉部128とが周方向に交互に形成されている。薄肉部128が設けられることにより、可動シーブ120が軽量化されている。
カム溝124は、シーブ延伸部123の周方向および軸方向に延びる。カム溝124は、シーブ延伸部123の先端123Bから基端123A側に延びる挿入溝部124Aと、挿入溝部124Aの軸方向一端(内端)から軸方向一側に進むに連れて回転方向Rの下流側に傾斜して延びる本体溝部124B(図5参照)と、を備える。
挿入溝部124Aは、シーブ延伸部123の内周面が径方向外側に凹んだ形状により構成されている。挿入溝部124Aは、クランク軸63の軸線L1に沿って延びる矩形状に形成されている。挿入溝部124Aでは、挿入溝部124Aの底面により非貫通部129が構成される。非貫通部129が設けられることにより、カム溝124が開放端とならず、シーブ延伸部123の強度が確保される。
カム溝124は段付き構造である。具体的には、シーブ延伸部123の内周面、すなわち、本体溝部124Bの底面124Cには、底面124Cを貫通する長孔124Dが形成される。長孔124Dは、本体溝部124Bに沿って延びる。長孔124Dは、本体溝部124Bよりも幅が狭い。本体溝部124Bの底面124Cに、幅が狭い長孔124Dが形成されることにより、カム溝124が外部に貫通する貫通形状とされ、カム溝124の段付き構造が構成される。カム溝124が段付き構造であるため、本体溝部124Bに配置されたカムピン158が底面124Cにより覆われ、カムピン158が径方向に抜けることを規制することができる。
本体溝部124Bの基端123A側には、長孔124Dの溝幅よりも大径の貫通孔である拡径貫通部124Eが形成されている。本実施の形態では、拡径貫通部124Eは本体溝部124Bの溝幅と同径に形成される。拡径貫通部124Eは、カムピン158がカム溝124内を移動しない位置に対応して形成される。
シーブ延伸部123の径方向内側には、シーブ延伸部123に沿って延出する延出スライド板125が形成されている。延出スライド板125は、周方向に等間隔で3つ形成されている。
隣接する延出スライド板125の間には、WR収容部126が形成されている。WR収容部126は、周方向に6つ形成されており、延出スライド板125の間に、二つずつ形成されている。WR収容部126の間には、ウェイトローラー153(図3、図5参照)が収容される。WR収容部126に対応して、シーブ本体部122の右面には、WR当接面126Aが形成されている。
軸部121、シーブ本体部122、シーブ延伸部123、カム溝124、延出スライド板125、WR収容部126などにより、本実施の形態の可動シーブ120が構成される。
可動シーブ120の軸方向他側には、ランププレート130が支持されている。
ランププレート130は、クランク軸63が挿通される筒状の軸部131を備える。軸部131の内周部には、段差状のベアリング受け部131A(図3参照)が形成されている。軸部131には、ボールベアリング154が軸方向他側から挿入され、ベアリング受け部131Aにボールベアリング154が装着される。ランププレート130は、ボールベアリング154を介してクランク軸63に支持される。したがって、ランププレート130は、クランク軸63に対して軸方向固定、且つ、相対回転可能に支持されている。
軸部131の外周部には、軸方向一側から径方向に延びる板状のWRガイド部132、133(図5参照)が形成されている。第1のWRガイド部132と、第2のWRガイド部133は隣接して形成される。一組のWRガイド部132、133が周方向に間隔を空けて3つ形成されている。WRガイド部132、133のうち、第1のWRガイド部132の軸方向他端面には、軸方向他側に突出する円筒状のボス部132Aが形成されている。また、WRガイド部132、133のうち、第2のWRガイド部133の軸方向他端面には、軸方向他側に突出する補強リブ133Aが形成されている。補強リブ133Aは、径方向に延びる板状に形成されている。
可動シーブ120のWR収容部126のWR当接面126Aと、ランププレート130のWRガイド部132、133との間(軸方向における間)には、円筒状のウェイトローラー153が配置される。ウェイトローラー153は、その円筒状の中心線が、周方向に沿うように配置される。ウェイトローラー153は、可動シーブ120の遠心力に応じて径方向外側に移動する。可動シーブ120のWR当接面126Aと、ランププレート130のWRガイド部132、133が、ウェイトローラー153に接触した状態が保持される。可動シーブ120のWR当接面126Aと、ランププレート130のWRガイド部132、133との間隔は、ウェイトローラー153が遠心力で移動する径方向の位置に応じて変化する。
図7は、ランププレート130のガイド孔135Aと可動シーブ120の延出スライド板125とを示す斜視図である。
第1のWRガイド部132の回転方向Rの下流側と、第2のWRガイド部133の回転方向Rの上流側との間には、軸方向に延びる断面V字状のガイド回避部134が形成されている。ガイド回避部134の軸方向一側には、ガイド回避部134の軸方向一側を閉塞するように形成された板状の装着部135が形成されている。装着部135には、径方向外端から径方向内側に延びるU字スリット状のガイド孔135Aが形成されている。装着部135には、ガイドピース155が装着される。
ガイドピース155は、滑り性に優れた合成樹脂製の部品である。ガイドピース155には、可動シーブ120の延出スライド板125が、軸方向一側から軸方向他側に差し込まれるようにして嵌合される。これにより、延出スライド板125がガイドピース155を介してランププレート130のガイド孔135Aに挟まれ、可動シーブ120の回転に伴ってランププレート130が回転可能となる。よって、可動シーブ120が軸方向に移動する際には、延出スライド板125がガイド回避部134に進退しながら、ランププレート130が、可動シーブ120に対して一体的に回転可能である。
ここで、ガイド孔135Aとボス部132Aとの周方向の間隔(クランク軸63の軸線L1回りの角度)は、延出スライド板125とカム溝124の挿入溝部124Aとの周方向の間隔(クランク軸63の軸線L1回りの角度)が一致している。
図3に示すように、ランププレート130の軸部131の外周部には、ばね受け部材156が嵌合される。ばね受け部材156は、軸部131に圧入される筒部156Aと、筒部156Aの軸方向一側に形成されたフランジ部156Bと、を有する。フランジ部156Bの径方向外端には、径方向内側に凹んだ係合凹部156Dが形成されている。係合凹部156Dは、ランププレート130のボス部132Aに応じて周方向に等間隔に3つ形成されている。係合凹部156Dがボス部132Aの位置に合わされて、ばね受け部材156は、フランジ部156Bがランププレート130に突き当てられた状態となるようにランププレート130に圧入される。これにより、ばね受け部材156はランププレート130と一体に回転する。
フランジ部156Bの周方向の所定の位置には、軸方向他側に突出するばね係合部156Cが形成されている。ばね係合部156Cには、ねじりコイルばね(弾性体)157が係合する。
軸部131、WRガイド部132、133、装着部135などにより本実施の形態のランププレート130が構成される。ランププレート130には、ガイドピース155が一体に装着される。ランププレート130には、ばね受け部材156が一体に接合される。
ランププレート130の軸方向他側には、カムプレート140が配置される。
カムプレート140は、クランク軸63が挿通される筒状の軸部141を備える。軸部141の内周部には、スプライン部141A(図3参照)が形成されている。スプライン部141Aは、クランク軸63のスプライン部63Bに嵌合する。カムプレート140は、クランク軸63の拡径部分で形成される段部63Cに軸部141の他端が突き当てられて軸方向で位置決めされる。カムプレート140は、クランク軸63と一体に回転する。
軸部141の外周部には、径方向に延びるアーム部142が形成されている。アーム部142は、シーブ延伸部123の径よりも径方向に短く形成されている。アーム部142は、周方向に等間隔に形成されている。アーム部142は、可動シーブ120のカム溝124の数に応じて形成されており、本実施の形態では、3つ形成されている。アーム部142は、軸側面視(図3参照)でL字状に形成されている。アーム部142は、径方向に延びるアーム部本体部142Aと、アーム部本体部142Aの径方向外端から軸方向一側に延伸するプレート延伸部142Bと、を備える。
アーム部本体部142Aには、軸方向に貫通する仮止孔142Dが形成されている。仮止孔142Dには、組み立て時に、図示しない仮止め用のボルトが挿通される。この仮止め用のボルトはランププレート130のボス部132Aに締結される。
プレート延伸部142Bの軸方向一端部には、カム支持部142Cが形成されている。カム支持部142Cには、径方向に延伸する円柱状のカムピン(ローラーピン)158が支持される。クランク軸63の径方向において、カムピン158の径方向の位置は、可動シーブ120のシーブ延伸部123の径方向の位置に対応する。カムピン158は、シーブ延伸部123のカム溝124に嵌合する。カムピン158とカム溝124により、本実施の形態のトルクカム機構150(図3参照)が構成される。
図3、図4に示すように、アーム部本体部142Aの軸方向一側には、有底円筒状のばね収容部145が形成されている。ばね収容部145は、肉抜き孔が形成された底壁部145Aと、底壁部145Aの外周から軸方向一側に延びる筒状の側壁部145Bと、を備える。底壁部145Aは、ばね受け部材156のフランジ部156Bと同様の径に形成されており、側壁部145Bがばね係合部156Cに対向する。側壁部145Bには、スリット状のばね係合溝145Cが形成されている。ばね係合溝145Cは、所定の周方向の位置に形成されている。すなわち、カムピン158がカム溝124に嵌合した場合に、ねじりコイルばね157が、カムピン158をカム溝124内の下流側の側面(軸方向他側の側面)に接触させるように、ねじりコイルばね157を弾性変形させることができる所定の周方向の位置に、ばね係合溝145Cは形成されている。
ばね収容部145には、ねじりコイルばね157が収容される。ねじりコイルばね157は、線材が円環状に巻かれたコイル部157Aと、コイル部157Aの軸方向一端部から径方向に延びる一端部157Bと、コイル部157Aの軸方向他端部から径方向に延びる他端部157Cとを備える。
コイル部157Aは、ばね収容部145の側壁部145Bと、ばね受け部材156の筒部156Aとで包囲されるように配置される。ねじりコイルばね157の一端部157Bは、ランププレート130のばね係合部156Cに係合し、ねじりコイルばね157の他端部157Cが、ばね係合溝145Cに差し込まれる。他端部157Cは、ばね係合溝145Cを通じて、径方向内側から、ばね収容部145の側壁部145Bよりも径方向外側に突出する。
ねじりコイルばね157は、ランププレート130に対してカムプレート140を回転方向R側に付勢する。これにより、カムピン158は、カム溝124内の位置に関わらず、カム溝124内の下流側の側面(軸方向他側の側面)に接触した状態が保持され易くなっている。
軸部141、アーム部142、ばね収容部145などにより、本実施の形態のカムプレート140が構成される。カムプレート140には、カムピン158が一体に設けられる。
次に、駆動プーリ100の組み立て順序の一例を説明する。
駆動プーリ100の可動シーブ120側は、例えば、図4に示すように、小組みしてクランク軸63に装着可能である。そこで、この小組みについて説明する。小組みでは、可動シーブ120のWR収容部126にウェイトローラー153をセットする。また、可動シーブ120の軸部121にブッシュ151を装着し、さらに、スリーブ152を装着する。
また、ランププレート130の軸部131に、ボールベアリング154を装着する。ばね受け部材156には、ねじりコイルばね157のコイル部157Aを筒部156Aに装着し、ばね係合部156Cに、ねじりコイルばね157の一端部157Bを係合させる。そして、カムプレート140をランププレート130の軸方向他側に配置する。カムプレート140を配置する際には、ばね係合溝145Cに、ねじりコイルばね157の他端部157Cを差し込ませる。この状態で、カムプレート140を、その仮止孔142Dがランププレート130のボス部132Aに一致するように所定の角度、回転させる。この際に、ねじりコイルばね157はカムプレート140を加速側に付勢するように弾性変形される。そして、カムプレート140の仮止孔142Dから図示しない仮止め用のボルトを挿通し、その仮止め用のボルトをランププレート130のボス部132Aに締結する。これにより、ランププレート130とカムプレート140により、ねじりコイルばね157が弾性変形された状態で一体に保持される。このとき、ボス部132Aの周方向の位置にカムピン158が位置する。
ランププレート130、カムプレート140、ねじりコイルばね157が一体となった状態で、ランププレート130を可動シーブ120の軸方向他側に配置する。この際に、ランププレート130のガイドピース155に、延出スライド板125が差し込まれる。ガイド孔135Aとボス部132Aとの周方向の間隔(回転中心L1回りの角度)が、延出スライド板125とカム溝124の挿入溝部124Aとの周方向の間隔(回転中心L1回りの角度)に一致しているため、この状態で、カムプレート140を軸方向一側に移動させると、ボス部132Aの位置に対応するカムピン158は、挿入溝部124Aに挿入される。これにより、可動シーブ120にカムプレート140が係合され、ウェイトローラー153が、WR収容部126のWR当接面126AとWRガイド部132、133とで挟まれる。
カムピン158が挿入溝部124Aに挿入された状態で、図示しない仮止め用のボルトを取り外すと、ランププレート130に対してカムプレート140が相対回転可能となる。また、カムプレート140を加速側に付勢するように弾性変形していたねじりコイルばね157が弾性的に復元するため、カムピン158が加速側に付勢され、カム溝124内の下流側の側面(軸方向他側の側面)に当接されながら、本体溝部124B内を移動する。
小組みされた駆動プーリ100の可動シーブ120側は、クランク軸63に装着される。このとき、カムプレート140のスプライン部141Aが、クランク軸63のスプライン部63Bに嵌合する。また、カムプレート140の軸部141が段部63Cに突き当てられて軸方向に位置決めされる。さらに、軸部141に突き当てられるボールベアリング154や、ボールベアリング154に突き当てられるスリーブ152なども、軸方向で位置決めされる。
そして、固定シーブ110をクランク軸63に装着する。固定シーブ110は、スプライン部111Aが、クランク軸63のスプライン部63Aに嵌合する。また、固定シーブ110は、軸部111がスリーブ152に突き当てられる。この状態で、クランク軸63の一端部にはワッシャ171(図3参照)が装着され、ワッシャ171(図3参照)の軸方向一側からナット172(図3参照)がクランク軸63の締結部63D(図3参照)に締結される。これにより、軸方向一側から締め付けられ、固定シーブ110、スリーブ152、ボールベアリング154、カムプレート140が軸方向で固定される。クランク軸63の一端部は、ボールベアリング173(図3参照)を介してクランクケース23に回転可能に支持される。
固定シーブ110と可動シーブ120との間には、Vベルト78が装着される。Vベルト78は駆動プーリ100と従動プーリ76に架け渡される。
図8は、可動シーブ120の製造方法を説明する図である。
次に、可動シーブ120の製造方法を説明する。加工前の可動シーブ120は、鋳造品である。加工前の可動シーブ120は、例えば、アルミニウム合金により鋳造される。加工前の可動シーブ120は、軸線L1の方向に型抜きされる。これにより、シーブ本体部122や、シーブ延伸部123、挿入溝部124A、凹部123C、非貫通部129などを備える加工前の可動シーブ120が製造される。
加工前の可動シーブ120に対しては、加工工具160によりカム溝124が形成される。加工工具160は、回転して金属を切削する。加工工具160は、先端部161と、先端部161よりも小径の軸部162とを有する。先端部161は、切削刃を先端面および周面に備える。軸部162は、切削刃を周面に備える。
加工工具160は、図8の一点鎖線で示すように、その軸線L2を、シーブ延伸部123の外周面に対して垂直にされ、加工工具160の先端部161が拡径貫通部124Eの位置に合わされて、シーブ延伸部123に押し当てられる。これにより、先端部161がシーブ延伸部123を厚み方向(径方向)に切削し拡径貫通部124Eが形成される。そして、先端部161が、シーブ延伸部123を貫通仕切らない所定の量だけ押し込まれた状態で、軸線L2がシーブ延伸部123の外周面と垂直な状態を保持しながら、加工工具160を挿入溝部124Aに向けて移動させる。このとき、先端部161により本体溝部124Bの側面および底面123Cが形成され、軸部162により長孔124Dが形成される。すなわち、加工工具160により、段付き構造のカム溝124が形成される。このようにして、開放端が生じない貫通孔状のカム溝124が形成される。加工工具160は逆に移動させることにより抜かれる。
次に、本実施の形態の駆動プーリ100の作用を説明する。
鞍乗り型車両10の走行が安定しておりエンジン40の回転数が安定している場合、クランク軸63が安定した回転数で回転をしている。この場合、駆動プーリ100では、固定シーブ110およびカムプレート140がクランク軸63からトルクを受けて回転している。また、可動シーブ120は、カムプレート140からトルクカム機構150を介してトルクを受けて回転している。さらに、ランププレート130は、可動シーブ120の延出スライド板125からトルクを受けてランププレート130と一体的に回転している。
したがって、例えば、平坦な道路を一定の速度で走行する場合には、Vベルト78やウェイトローラー153、トルクカム機構150などから作用する力がつり合い、固定シーブ110および可動シーブ120の間隔は一定を保った状態で、固定シーブ110、可動シーブ120、ランププレート130、カムプレート140が一体的に回転する。
ここで、スロットル(不図示)を開放側に操作しクランク軸63の回転数を増大させようとすると、クランク軸63と一体的に回転する固定シーブ110およびカムプレート140は、それらの回転数が増大しようとする。このとき、可動シーブ120は、カムプレート140のカムピン158からカム溝124を介してトルクを受ける構成である。よって、カムプレート140の回転数が増大した場合には、カム溝124の傾斜角度のために、可動シーブ120は、カムピン158から回転数が増大する方向のトルクを受けると共に、固定シーブ110から離間する方向、すなわち、ローシフト側の軸方向移動力も受ける。このため、回転数が増大してウェイトローラー153の遠心力が大きくなり、可動シーブ120が軸方向一側に移動しようとするハイシフト側の力が大きくなるまで、可動シーブ120がローシフト側に移動し易くなっている。よって、スロットルを開放した場合に、エンジン40の回転数が十分に増大する前に、可動シーブ120がハイシフト側に移動することが抑制されており、エンジン40の回転数を増大させ易くなっている。
以上説明したように、本発明を適用した第1の実施の形態によれば、軸方向変位を規制された固定シーブ110と、固定シーブ110に対して軸方向に変位する可動シーブ120と、可動シーブ120に、軸方向移動力に変換されるトルクを与えるトルクカム機構150と、を備え、トルクカム機構150は、可動シーブ120から軸方向に延伸するシーブ延伸部123と、固定シーブ110と一体的に回転する又は固定シーブ110の取り付けられるクランク軸63と一体的に回転するカムプレート140と、に形成され、シーブ延伸部123にシーブ延伸部123の先端123Bから基端123A側に延びるカム溝124が形成されるプーリ装置において、カム溝124は、シーブ延伸部123に貫通形状で形成され、シーブ延伸部123には、カム溝124の先端123B側を外部から覆う非貫通部129が一体に形成されている。
この構成によれば、加工が容易でありながら遠心強度を確保できる駆動プーリ100を提供することができる。すなわち、カム溝124が開放形状で形成されないので、シーブ延伸部123の遠心強度が確保できる。よって、シーブ延伸部123に嵌装される強度部材としてのアウターカラー等が不要となることから加工が容易になり、また、アウターカラーを用いる場合に比べて部品点数を削減することができる。なお、遠心強度とは、遠心力が作用した場合の変形し難さのことであり、本実施の形態では、カム溝124が形成されるシーブ延伸部123の変形し難さのことである。
本実施の形態では、カム溝124は、段付き構造で形成される。
この構成によれば、カムピン158の抜け止めを行うことができる。
また、本実施の形態では、カム溝124の基端123A側の端部には、拡径貫通部124Eが形成される。
この構成によれば、カム溝124の基端123A側の端部は、車両の運転状態において、カムピン158の移動する頻度が低い位置、または、カムピン158が移動しない位置となるため、カム溝124の基端123A側の端部に拡径貫通部124Eを設けることで、カムピン158の抜け止めを成立させつつ、拡径貫通部124Eから加工工具160を挿入してカム溝124の段付き構造を形成することができる。
また、本実施の形態では、シーブ延伸部123は、カム溝124が形成されたカム溝形成部127を複数備え、隣接するカム溝形成部127は、カム溝形成部127よりも薄肉の薄肉部128により接続されている。
この構成によれば、可動シーブ120を軽量化することができ、駆動プーリ100を軽量化することができる。
[第2の実施の形態]
本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
図9は、第2の実施の形態の可動シーブ220の斜視図である。
第2の実施の形態の可動シーブ220では、第1の実施の形態における凹部123Cおよび薄肉部128に代えて、凹部223Cおよび薄肉部228を有する。
シーブ延伸部123の外周面には、カム溝形成部127とカム溝形成部127の間に対応して、径方向内側に凹んだ凹部223Cが形成されている。凹部223Cは、矩形状に凹んでいる。凹部223Cは、先端123B側が開放されている。凹部223Cの側壁面223Dは軸線L1に沿って延びている。凹部223Cにより、円筒状のシーブ延伸部123には薄肉部228が形成される。薄肉部228により、隣接するカム溝形成部127とカム溝形成部127とが接続される。薄肉部228が設けられることにより、可動シーブ220が軽量化されている。凹部223Cは、先端123B側に開放されており、軸線L1の方向に型抜き可能である。
以上説明したように、本発明を適用した第2の実施の形態によれば、薄肉部228の形状が異なる可動シーブ220である点以外は、第1の実施の形態と同様である。よって、本発明を適用した第2の実施の形態でも、カム溝124が開放形状で形成されないので、シーブ延伸部123の遠心強度が確保できる。よって、アウターカラーが不要となることから加工が容易になり、また、アウターカラーを用いる場合に比べて部品点数を削減することができる。
[第3の実施の形態]
本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態において、上記第2の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
図10は、第3の実施の形態の可動シーブ320の斜視図である。
第3の実施の形態の可動シーブ320では、第2の実施の形態の可動シーブ220に対して、延出凹部323Cが形成される点が異なる。延出凹部323Cは、カム溝124の前側の部分に形成される。延出凹部323Cは、カム溝形成部327に対して径方向内側に凹んでいる。延出凹部323Cは、凹部223Cと一体的に凹んでいる。延出凹部323Cおよび凹部223Cにより、シーブ延伸部123には、薄肉部328が形成される。薄肉部328により、隣接するカム溝形成部327とカム溝形成部327とが接続される。薄肉部328が設けられることにより、可動シーブ320が軽量化されている。延出凹部323Cおよび凹部223Cは、先端123B側に開放されており、軸線L1の方向に型抜き可能である。
以上説明したように、本発明を適用した第3の実施の形態によれば、延出凹部323Cが追加されている点で、第2の実施の形態よりも更に軽量化されている。また、本発明を適用した第3の実施の形態でも、カム溝124が開放形状で形成されないので、シーブ延伸部123の遠心強度が確保できる。よって、アウターカラーが不要となることから加工が容易になり、また、アウターカラーを用いる場合に比べて部品点数を削減することができる。
[他の実施の形態]
上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
上記実施の形態では、カムプレート140がクランク軸63に固定された構成を説明したが、カムプレート140は固定シーブ110に固定されて一体的に回転してもよい。
上記実施の形態では、鞍乗り型車両10として前輪13と後輪15とを有する自動二輪車を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、前輪または後輪を2つ備えた3輪の鞍乗り型車両や4輪以上を備えた鞍乗り型車両に適用可能である。
[上記実施の形態によりサポートされる構成]
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
(構成1)軸方向変位を規制された固定シーブと、前記固定シーブに対して軸方向に変位する可動シーブと、前記可動シーブに、軸方向移動力に変換されるトルクを与えるトルクカム機構と、を備え、前記トルクカム機構は、前記可動シーブから軸方向に延伸するシーブ延伸部と、前記固定シーブと一体的に回転する又は前記固定シーブの取り付けられる軸部材と一体的に回転するカムプレートと、に形成され、前記シーブ延伸部に前記シーブ延伸部の先端から基端側に延びるカム溝が形成されるプーリ装置において、前記カム溝は、前記シーブ延伸部に貫通形状で形成され、前記シーブ延伸部には、前記カム溝の前記先端側を外部から覆う非貫通部が一体に形成されていることを特徴とするプーリ装置。
この構成によれば、加工が容易でありながら遠心強度を確保できるプーリ装置を提供することができる。すなわち、カム溝が開放形状で形成されないので、遠心強度が確保できる。よって、アウターカラーが不要となることから加工が容易になり、また、アウターカラーを用いる場合に比べて部品点数を削減することができる。
(構成2)前記カム溝は、段付き構造で形成されることを特徴とする構成1に記載のプーリ装置。
この構成によれば、ローラーピンの抜け止めを行うことができる。
(構成3)前記カム溝の前記基端側の端部には、拡径貫通部が形成されることを特徴とする構成2に記載のプーリ装置。
この構成によれば、カム溝の基端側の端部は、車両の運転状態においてローラーピンの移動する頻度が少ない位置またはローラーピンが移動しない位置となるため、カム溝の基端側の端部に拡径貫通部を設けることで、ローラーピンの抜け止めを成立させつつ、拡径貫通部から加工工具を挿入してカム溝の段付き構造を形成することができる。
(構成4)前記シーブ延伸部は、前記カム溝が形成されたカム溝形成部を複数備え、隣接する前記カム溝形成部は、前記カム溝形成部よりも薄肉の薄肉部により接続されていることを特徴とする構成1から3のいずれかに記載のプーリ装置。
この構成によれば、可動シーブを軽量化することができ、プーリ装置を軽量化することができる。
10 鞍乗り型車両
63 クランク軸(軸部材)
100 駆動プーリ(プーリ装置)
110 固定シーブ
120 可動シーブ
123 シーブ延伸部
123A 基端
123B 先端
124 カム溝
124E 拡径貫通部
127 カム溝形成部
128 薄肉部
129 非貫通部
140 カムプレート
150 トルクカム機構
220 可動シーブ
228 薄肉部
320 可動シーブ
327 カム溝形成部
328 薄肉部

Claims (4)

  1. 軸方向変位を規制された固定シーブ(110)と、前記固定シーブ(110)に対して軸方向に変位する可動シーブ(120、220、320)と、前記可動シーブ(120、220、320)に、軸方向移動力に変換されるトルクを与えるトルクカム機構(150)と、を備え、前記トルクカム機構(150)は、前記可動シーブ(120、220、320)から軸方向に延伸するシーブ延伸部(123)と、前記固定シーブ(110)と一体的に回転する又は前記固定シーブ(110)の取り付けられる軸部材(63)と一体的に回転するカムプレート(140)と、に形成され、前記シーブ延伸部(123)に前記シーブ延伸部(123)の先端(123B)から基端(123A)側に延びるカム溝(124)が形成されるプーリ装置において、
    前記カム溝(124)は、前記シーブ延伸部(123)に貫通形状で形成され、
    前記シーブ延伸部(123)には、前記カム溝(124)の前記先端(123B)側を外部から覆う非貫通部(129)が一体に形成されていることを特徴とするプーリ装置。
  2. 前記カム溝(124)は、段付き構造で形成されることを特徴とする請求項1に記載のプーリ装置。
  3. 前記カム溝(124)の前記基端(123A)側の端部には、拡径貫通部(124E)が形成されることを特徴とする請求項2に記載のプーリ装置。
  4. 前記シーブ延伸部(123)は、前記カム溝(124)が形成されたカム溝形成部(127、327)を複数備え、隣接する前記カム溝形成部(127、327)は、前記カム溝形成部(127、327)よりも薄肉の薄肉部(128、228、328)により接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプーリ装置。
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