JP2023146987A - 微細気泡を含む切削液の供給装置および供給方法 - Google Patents

微細気泡を含む切削液の供給装置および供給方法 Download PDF

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Abstract

【課題】工具寿命を高めることを可能にする切削液供給装置、および、切削液供給方法を提供する。【解決手段】本発明の切削液供給装置92によれば、前記切削液生成装置93により微細気泡が混入された切削液がタンク98に貯留されるとともに、タンク98に貯留された切削液がノズル76によりミスト状に切削機器に供給され、切削液が充分に供給された状態で切削機器である丸鋸切断機10による加工が行われるため、丸鋸切断機10の丸鋸20の刃部と被切断材14との潤滑性が確保されるとともに切り屑の除去が行われ、その際に切削液に含まれる微細気泡により、さらにそれらの効果が高められて、丸鋸20の寿命を高めることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、切削加工における切削液に関するものであり、特に、微細気泡を含む切削液の供給装置および供給方法に関するものである。
切削などの機械加工においては、工具の冷却や潤滑を目的として切削液が供給される。その際、切削液をミスト状にして供給する技術が知られている。例えば特許文献1に記載の技術がそれである。特許文献1においては、台金の外周部において周方向に連ねられた複数の刃部を有する円板状の丸鋸と、ミスト状切削液を前記丸鋸に向けて噴射するミスト噴射装置と、前記丸鋸を回転駆動する丸鋸回転駆動装置と、前記丸鋸を金属製の被切断材に切り込ませるためにその被切断材に向けて移動させる丸鋸移動装置とを備える丸鋸切断機が開示されている。このように切削液をミスト状にして吹きかけることで、切削液を注ぎ掛けるのに比べて、使用する切削液の量が少なくてすみ、さらに、その切削液を貯溜するための大型のタンク、循環させるためのポンプ、および濾過するための濾過装置などが不要となる。そのため、設備コストおよび運転コストを低減させることができる。
特開平11-33823号公報
ところで、液体中に微細気泡、例えば気泡径が0.1mm未満のファインバブルと呼ばれる気泡を混入する技術が利用されている。機械加工における切削液に微細気泡を混入させることが行われている。かかる技術においては、切削液中の微細気泡が工具と被加工物との間で破壊されることで生ずるジェット流により、被加工物と工具との間の切削屑の除去、ひいては摩擦の低減に寄与することなどが期待できる。
本願の発明者らは、以上の事情を背景として種々検討を重ねた結果、微細気泡を混入した切削液をミスト状(霧状)に供給することにより、工具寿命の大幅な向上が可能となることを見いだした。本願はかかる知見に基づいてなされたものである。
本発明は以上の事情を背景としてなされたものであり、その目的とするところは、工具寿命を高めることを可能にする切削液供給装置、および、切削液供給方法を提供することにある。
かかる目的を達成するための請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a)切削機器に切削液を供給する切削液供給装置であって、(b)前記切削液に微細気泡を混入する切削液生成装置と、(c)前記切削液を貯留するタンクと、(d)前記切削液生成装置により微細気泡が混入された前記切削液を前記切削機器の所望の位置にミスト状に噴出するノズルと、を有すること、にある。
また、請求項4にかかる発明の要旨とするところは、(a)切削機器に切削液を供給する切削液供給方法であって、(b)前記切削液に微細気泡を混入する切削液生成工程と、(c)前記切削液生成工程により微細気泡が混入された前記切削液をタンクに貯留する貯留工程と、(d)前記タンクに貯留された微細気泡が混入された前記切削液をノズルからミスト状に噴出させる噴出工程と、を含み、(e)前記噴出工程は、前記切削液生成工程による前記切削液への微細気泡の混入が完了された後に実行されること、を特徴とする。
請求項1にかかる発明の切削液供給装置によれば、前記切削液生成装置により微細気泡が混入された切削液がタンクに貯留されるとともに、タンクに貯留された切削液がノズルによりミスト状に切削機器に供給されるので、切削液が充分に供給された状態で切削機器による加工が行われるため、切削機器の工具先端部と被切削材料との潤滑性が確保されるとともに、切削液に含まれる微細気泡により、さらに潤滑性の効果が高められて、工具の寿命を高めることができる。
また、請求項4にかかる発明の切削液供給方法によれば、前記切削液生成工程により微細気泡が混入された切削液が貯留工程においてタンクに貯留されるとともに、噴出工程においてタンクに貯留された切削液がノズルによりミスト状に切削機器に供給されるので、切削液が充分に供給された状態で切削機器による加工が行われるため、切削機器の工具先端部と被切削材料との潤滑性が確保されるとともに、切削液に含まれる微細気泡により、さらに潤滑性の効果が高められて、工具の寿命を高めることができる。また、前記噴出工程は、前記切削液生成工程による前記切削液への微細気泡の混入が完了された後に実行されるので、切削液生成工程を噴出工程に先立って完了させることができる。
また、請求項2にかかる発明の切削液供給装置によれば、前記切削液生成装置による前記切削液への微細気泡の混入は、前記ノズルから前記切削液を噴出させる前に行われるので、切削液の噴出に先立って前記切削液への微細気泡の混入をあらかじめ完了させることができる。
また、請求項3にかかる発明の切削液供給装置によれば、前記切削液生成装置により混入される微細気泡の径は、前記ノズルにより噴出されるミスト状の切削液の径よりも小さいので、切削液中に混入された微細気泡がミスト状に噴出される際に失われることが低減される。
切削液供給装置の構成の概略を説明する図である。 図1の切削液供給装置におけるファインバブル発生器の構成を説明する図である。 本実施例におけるノズルの構成を説明する図である。 本発明の切削液供給装置が適用された一態様である、スイング式の丸鋸切断機を示す正面図である。 図4に示す丸鋸の一部とノズルの先端部とを拡大して示す図である。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例である切削液供給装置92の構成を説明する図である。図1においては、切削液供給装置92から切削液が供給される丸鋸が、切削液供給装置92とともに示されている。
切削液供給装置92は、切削液生成装置93、切削液タンク98、切削液送出装置99、ノズル76を含んで構成されている。
切削液生成装置93は、気泡発生器94、循環ポンプ96、循環ポンプ96を駆動するモータ97を含んで構成されている。モータ97はいわゆる電動モータであり、電気的に駆動される。モータ97により駆動される循環ポンプ96により、後述する切削液タンク98から切削液が吸引される。吸引された切削液は、気泡発生器94に通される。
図2は、気泡発生器94の一例を説明する図であり、図2(a)はその外形を示す図であり、図2(b)は、断面図である。気泡発生器94はいわゆるインライン型と呼ばれる気泡発生器であり、図2(a)に示すように、例えば円筒状のような長手形状の外筒94eを有している。また、円筒状の外筒94eの両端には、それぞれ液体流入口94aおよび液体流出口94cが設けられている。液体流入口94aから気泡混入処理が未実施の切削液が流入させられ、液体流出口94cから処理後の切削液が流出させられる。また、外筒94eの側面には気体流入口94bが設けられており、気体流入口94bから気泡とされる気体が流入させられる。
図2(b)に示すように、筒状の気泡発生器94の内部には、微小な空洞を有する材料、例えば多孔質セラミック94fが筒状に長手方向の両端間に設けられている。すなわち、筒状の気泡発生器94の内部は、筒状の多孔質セラミック94fの内部と外部とに二分されている。多孔質セラミック94fの両端は、それぞれ外筒94eの端面(筒形状の底面に相当)に気密に接している。また、前記液体流入口94aおよび液体流出口94cは、外筒94eの両端面に開口しているが、それらはいずれも筒状の多孔質セラミック94fの内側に位置している。一方、気体流入口94bは、外筒94eの側面に開口しており、外筒94eの内側空間のうち、筒状の多孔質セラミック94fによって分けられた外側に連通している。
多孔質セラミック94fは多孔質材料からなり、微小な孔がその内側と外側とを連通している。この孔径は、多孔質セラミック94fの内側を流れる液体が外側に漏れだすことがない一方、多孔質セラミック94fの外側に供給される気体が内側に入り込むことが可能な程度の大きさとされている。
このような気泡発生器94において、所定の流量および圧力となるようにポンプ96により吸引された切削液が液体流入口94aから外筒94e内かつ多孔質セラミック94f内を液体流出口94cまで流通させられるとともに、所定の流量および圧力にて気泡とされる気体、例えば本実施例においては空気が気体流入口94bから外筒94eの内部へ流通させられる。ここで、気体は図示しないコンプレッサなどにより圧縮されて供給され、外筒94e内の気体の圧力が多孔質セラミック94f内の切削液の圧力よりも高くさせられることで、気体が多孔質セラミック94fの外部から内部へ、その孔を通って移動する。そして多孔質セラミック94fの内部表面に膨張したところを、流れる切削液により剪断されて、多孔質セラミック94fの内部表面から離脱して、切削液中に微細気泡として含まれる。この微細気泡はファインバブルとも呼ばれ、また、その径に応じてマイクロバブル、あるいはナノバブルとも呼ばれる。ここで、前述の切削液および気体の所定の流量および圧力は、実際に切削液中に含ませようとする微細気泡の量および大きさ(径)の要求に応じて変化させることができる。
図1に戻って、切削液タンク98には、切削液が貯留され、前述の切削液生成装置93により切削液への微細気泡の混入が行われる際には、前述のポンプ96により切削液タンク98から切削液が吸引され、気泡発生器94を通して微細気泡が混入された後、再び切削液タンク98に戻される。また、切削液タンク98に貯留された、微細気泡が混入された切削液は、後述する切削液送出装置99を介して、加工機械に送られる。なお、図示はしないが、加工機械において供給された切削液は、回収されて再び切削液タンク98に戻される構成としてもよい。なお、前記切削液は、例えば鉱物性切削油が用いられる。
前述の気泡発生器94によって切削液に混入された微細気泡は、切削液中に長時間滞在し続ける特性を有する。一方、微細気泡の混入処理に要する時間はそれに比してはるかに短い。そのため、切削液タンク98において微細気泡が切削液中に残る時間を考慮し、その時間において使用する量の切削液を予め切削液タンク98に準備し、加工機械の運転前に切削液タンク98にある切削液に微細気泡の混入を行っておけばよい。具体的には、発明者らの実験に基づけば、いったん切削液に混入された微細気泡は1日程度は気泡として維持されるのに対し、1日に使用する切削液を1~2リットルとすると、本実施例の切削液生成装置93を用いてその量の切削液に微細気泡を混入させるのに要する時間は10分程度であった。
切削液タンク98に貯留された微細気泡を含む切削液は、配管100を通して、切削液送出装置99に送られる。切削液送出装置99には、切削液と、図示しないコンプレッサなどから供給される圧縮空気とがそれぞれ供給され、それら切削液と圧縮空気とが所定の比率となるように送出される。切削液送出装置99の出力側には、二重管101が接続されており、二重管の一方、例えば内側管に切削液が、他方、例えば外側管に圧縮空気がそれぞれ送出される。二重管101の端部には、ミストノズル76が設けられている。
図3は、ミストノズル76の構成の一例を説明する図である。図3(a)は側面図を、図3(b)は正面図を、図3(c)は図3(a)におけるA-A断面図をそれぞれ示している。図3(a)~(c)に示すように、ミストノズル76は、1つの流入口76a、混合室76b、3つの噴出口76c、76d、76e、および、取付部76g、76hを含んでいる。
ミストノズル76は、例えば略円柱形状の金属片を加工して設けられる。略円柱状の金属片に対して、その一端から軸芯に沿って設けられた孔部と、その一端において孔部を塞ぐように設けられた蓋部76fにより、前記金属片の内部に空間が設けられ、混合室76bとして機能する。また、流入口76a、噴出口76c、76d、76eはそれぞれ、混合室76bに対し連通する孔である。このうち、流入口76aは二重管101が挿入可能な径を有する。噴出口76c、76d、76eはそれぞれ、後述するように圧縮空気と混合された切削液が所望の粒径のミストとして噴出するように、その径が設定されている。
かかるミストノズル76においては、ミストノズル76の混合室76bにおいて切削液と圧縮空気とが混合され、噴出口76c、76d、76eから噴出される。このとき各噴出口76c、76d、76eは径の小さい穴であるので、縮流部として機能する。縮流部を通る際に高速の空気流となり、この高速空気流により二重管101を流れる切削液が剪断され、霧状(ミスト状)とされる。
取付部76gおよび76hは、前記金属片の前記混合室76bが設けられたのとは他方の端部(他端部)に設けられる。本実施例においては取付部76hとし金属片の側面から中心に向けて設けられたザグリ穴と、そのザグリ穴と前記金属片の軸芯に対して対称な位置に設けられた取付部76gとしての切り欠きとが設けられている。これら取付部76g、76hに図示しないねじや一対のボルトおよびナットなどの取付具が固定されることで、ミストノズル76の噴出口76c、76d、76eから噴出されるミスト状の切削液が所望の位置に供給されるように、ミストノズル76が設置される。
流入口76aには二重管101が取り付けられており、二重管101を通して切削液送出装置99から切削液および圧縮空気が流入する。流入した切削液および圧縮空気は混合室76bにおいて混合されて、圧縮空気の圧力により噴出口76c、76d、76eから霧状(ミスト状)の切削液が噴霧される。
表1は、本実施例の切削液供給装置92のミストノズル76から噴出されるミスト状の切削液の粒径を、油種ごとに示している。サプラルーベ25IIおよびサプラルーベ60Sは兼房株式会社製のものであり、サンカットEFC-10およびサンフォームCF-200は日本グリース株式会社製のものである。粒径は複数回測定した粒度分布の中心粒径である。表1に示す通り、微細気泡(ファインバブル)の混入の有無と粒径の変化とは、油種によって異なっている。
Figure 2023146987000002
図4は、本発明の一実施例の切削液供給装置92とともに用いられるスイング式の丸鋸切断機10を示す正面図である。図4において、丸鋸切断機10は、基台12上において、図4に示す丸鋸切断機10の背面側に配置される図示しない給材装置から供給された被切断材14を、切断毎に間欠的に予め設定された所定寸法ずつ長手方向へ送る、すなわち被切断材14の軸心O1に平行な方向へ移動させる材料定寸送り装置16と、下端部が支持軸17を介して支持台18により回動中心C1まわりの回動可能に設けられた傾動部材19の上端部に、回転中心C2まわりの回転可能に設けられた円板状の丸鋸20と、丸鋸20を回転駆動する丸鋸回転駆動装置24と、丸鋸20を金属製の被切断材14に切り込ませるために丸鋸20をその被切断材14に向けて移動させる丸鋸移動装置26とを備えている。本実施例の被切断材14は丸棒状であり、図4において紙面に垂直な方向へ長手状を成すように配置されている。そして、上記被切断材14は、例えばアルミ合金などの金属製棒材である。
上記材料定寸送り装置16は、被切断材14が載置されるワークテーブル28と、被切断材14をクランプしてその軸心O1に平行な方向へ所定寸法ずつ移動させる図示しない可動クランプ装置と、ワークテーブル28上の被切断材14の位置を固定する横型クランプ装置30および縦型クランプ装置32とを備えている。
上記可動クランプ装置は、横型クランプ装置30および縦型クランプ装置32により被切断材14の位置が固定されていない状態において、その被切断材14を把持しつつ、軸心O1に平行な方向へ例えば油圧シリンダにより予め設定された所定寸法移動させられる可動式のクランプを備えるものである。
前記横型クランプ装置30は、被切断材14の軸心O1に直交し且つワークテーブル28の上面(ワーク載置面)に平行な方向すなわち図1の矢印a方向へ往復運動可能なピストンを有する図示しない油圧シリンダと、その油圧シリンダのピストンロッドに連結されて上記矢印a方向へ移動可能な移動部材34の先端に固定されたクランプパッド36とを備えている。この横型クランプ装置30は、上記油圧シリンダを作動させてクランプパッド36を被切断材14に向けて前進させることにより、被切断材14をクランプパッド36と当て板38との間で挟んで固定する。上記当て板38は、被切断材14のクランプパッド36とは反対側においてワークテーブル28に位置固定に設けられた板材である。なお、横型クランプ装置30は、被切断材14が前記可動クランプ装置により移動させられるときには、被切断材14の固定を解除する。
前記縦型クランプ装置32は、被切断材14のワークテーブル28とは反対側において、被切断材14の軸心O1に直交し且つワークテーブル28の上面(非切断材の載置面)に垂直な方向、すなわち図1の矢印b方向へ往復運動可能なピストンを有する油圧シリンダ40と、その油圧シリンダ40のピストンロッドの先端に固定されたクランプパッド42とを備えている。この縦型クランプ装置32は、油圧シリンダ40を作動させてクランプパッド42を被切断材14に向けて前進させることにより、被切断材14をクランプパッド42とワークテーブル28との間で挟んで固定する。なお、縦型クランプ装置32は、前記可動クランプ装置により被切断材14が移動させられるときには、被切断材14の固定を解除する。また、縦型クランプ装置32による被切断材14の固定は、好適には横型クランプ装置30による被切断材14の固定後に行われる。
図5は、図4に示す丸鋸20の一部を拡大して示す図である。図5に示すように、丸鋸20は、円板状の台金44と、その台金44の外周部において周方向に一定間隔を隔てて連ねられ、例えばろう付け等により台金44に固着された複数の超硬チップ46とを備えている。前記超硬チップ46は、たとえば炭化タングステンを主体とした焼結体から成る超硬合金が用いられたチップである。そして、図4に示すように、台金44が回転軸47に一体的に固定され、その回転軸47を介して傾動部材19により回転中心C2まわりの回動可能に支持されている。なお、図4では、丸鋸20のカバー部材48が一部切欠かれて示されている。
図4に戻って、前記丸鋸回転駆動装置24は、丸鋸20を回転中心C2まわりの回転可能に支持する回転軸47と、丸鋸20を回転駆動する動力源としての丸鋸駆動用電動機62と、その丸鋸駆動用電動機の出力軸の回転を回転軸47に伝達するための例えばプーリおよびベルト等の図示しない伝動部材とを備えている。なお、丸鋸駆動用電動機62は、傾動部材19に固設されている。この丸鋸回転駆動装置24は、丸鋸駆動用電動機62を作動させてその出力軸の回転を上記伝動部材を介して回転軸47に伝達することにより、丸鋸20を矢印c方向に回転駆動する。
前記丸鋸移動装置26は、丸鋸20を被切断材14に向かって或いは被切断材14とは反対側へ移動させるために、被切断材14を固定するワークテーブル28と一体の機台64の上面に固定された第1支持部材66と、丸鋸20を支持する傾動部材19の上部に固定された第2支持部材68とを、相互に接近離隔するように駆動する。具体的には、丸鋸移動装置26は、第1支持部材66により回動中心C3まわりの回動可能に支持された中空円筒状の支持部材70と、その支持部材70の軸心と略同心のボールネジ状の回転出力軸を有して、支持部材70の第2支持部材68とは反対側の端部に固設された電気駆動式のサーボモータ72と、一端部が上記ボールネジ回転出力軸の外周側に螺合されつつ支持部材70の内周面により軸心方向の移動可能に且つ軸心まわりの回転不能に支持され、他端部が第2支持部材68により上記回動中心C3に平行な回動中心C4まわりの回動可能に支持された円筒状の軸方向移動部材74とを備えている。この丸鋸移動装置26は、サーボモータ72を作動させて、傾動部材19の上部に第2支持部材68を介して連結された軸方向移動部材74をその軸心方向すなわち図4の矢印d方向へ移動させることにより、傾動部材19を図4の矢印e方向へ傾動させる。
本実施例の切削油供給装置92のノズル76は、切削油供給装置92から供給されるミスト状の切削液を、丸鋸切断機10の丸鋸20の回転方向前方であって超硬チップ46のすくい面50に対向する位置からそのすくい面50に向けて噴出するように位置決めされている。これにより、本実施例では、切削油供給装置92により丸鋸20の切刃、ネガ面、およびすくい面の表面に切削液が供給されることで上記各面と切屑との滑りが良くなって、切屑の排出が一層促されるようになっている。
(実験例)
本発明の有効性を検証するために発明者らが行った実験の内容と結果を説明する。
(実験条件)
・丸鋸切断機10:ノリタケカンパニーリミテド社製NCS-5/75
・丸鋸20:ノリタケカンパニーリミテド社製MSP-A5R(285×80z)(直径285mm、刃数80)
・切断条件:140rpm、1刃あたりの切り込み量0.08mm
・鋸送り速度:896mm/min
・被切断材の材質:SCM415、SCM420
・被切断材の径:φ=17~52mm
・切削液:鉱物性切削油
また、切削液供給装置92の切削液生成装置93は、丸鋸切断機20による切断の開始前に10分運転することで、丸鋸切断機20において1日分の使用量に相当する切削液に微細気泡の混入を行えることを確認した。
上述の条件にて、丸鋸20が寿命となるまで被切断材の切断を行い、その累積切断面積を調べた。これを鋸寿命(m)とする。切削液に微細気泡を混入した場合と混入しない場合について、それぞれ3枚の丸鋸で切断を行い、平均値を算出した。なお、丸鋸20の切断面に傷が生じた場合に寿命に達したものと判断している。これは、切断面の傷、すなわち、丸鋸先端の刃部に設けられたチップの欠けが切断面の傷を生じさせるためである。
表2はその結果を示したものである。表2に示すように、切削液に微細気泡を混入しない場合の累積切断面積の平均は56.48mである一方、切削液に微細気泡を混入した場合の累積切断面積の平均は93.96mであった。このように、切削液に微細気泡を混入することで、しない場合に比べて丸鋸20の寿命が66%向上したことがわかる。
Figure 2023146987000003
上記のように構成される切削液供給装置92によれば、切削液に微細気泡を混入する切削液生成装置93と、前記切削液を貯留するタンク98と、前記切削液生成装置により微細気泡が混入された前記切削液を前記切削機器の所望の位置にミスト状に噴出するノズル76と、を有するので、前記切削液生成装置93により微細気泡が混入された切削液がタンク98に貯留されるとともに、タンク98に貯留された切削液がノズル76によりミスト状に切削機器に供給され、切削液が充分に供給された状態で切削機器である丸鋸切断機10による加工が行われるため、丸鋸切断機10の丸鋸20の刃部と被切断材14との潤滑性が確保されるとともに切り屑の除去が行われ、その際に切削液に含まれる微細気泡により、さらにそれらの効果が高められて、丸鋸20の寿命を高めることができる。
また、本実施例の切削液供給装置92によれば、前記切削液生成装置93による前記切削液への微細気泡の混入は、前記ノズル76から前記切削液を噴出させる前に行われるので、切削液の噴出に先立って前記切削液への微細気泡の混入をあらかじめ完了させることができる。
また、本実施例の切削液供給装置92によれば、前記切削液生成装置93により混入される微細気泡の径は、前記ノズル76により噴出されるミスト状の切削液の径よりも小さいので、切削液中に混入された微細気泡がミスト状に噴出される際に失われることが低減される。
以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、別の態様でも実施され得る。
たとえば、前述の実施例において、切削液供給装置92は、丸鋸切断機20に切削液を供給したが、これに限られず、機器の種類を問わず切削液を必要とする切削機器に切削液を供給することができ、同様の効果を得られる。
また、前述の実施例において、ミスト化する切削液として鉱物性油が使用されていたが、これに限らず、例えば、動物性油、植物性油、合成油、或いはそれらの混合油などが使用されてもよい。また、水性のものであってもよい。
また、前述の実施例において、微小気泡のために気泡発生器94に供給される気体は空気であったが、これに限られない。例えば窒素ガスや炭酸ガスのような気体であってもよい。窒素ガスを用いる場合、切削油への酸素の混入を減らすことができるため、切削油の酸化に伴う劣化を低減しうる。また、炭酸ガスを用いる場合、空気よりも切削油への溶け込みが容易であり、さらなる鋸寿命の向上を図ることができる。
また、前述の実施例において、ノズル76は3つの噴出口76c、76d、76eを有するものとされたが、これに限られず、噴出口の数、位置、向きなどは、切削液を供給する対象となる切削機械に応じて適宜設けることができる。
また、前述の実施例において、気泡発生器94として、インライン型のものが用いられたが、これに限られない。例えば、浸漬型と呼ばれるものが用いられてもよいし、その他の形式のものが用いられてもよいし、エジェクタが用いられてもよい。浸漬型の気泡発生器としては、例えば、中空の多孔質体からなり、その中空部に所定の圧力および流量で気体が供給される構成を有し、その多孔質体が切削液タンク98内の切削液に浸漬されることで多孔質体表面から切削液内に微細気泡が発生する態様で用いられる。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:丸鋸切断機
14:被切断材
20:丸鋸

24:丸鋸回転駆動装置
26:丸鋸移動装置
44:台金
76:ノズル
92:切削液供給装置
93:切削液生成装置
94:気泡発生器
96:循環ポンプ
97:モータ
98:切削液タンク
99:切削液送出装置
100:配管
101:二重管

Claims (4)

  1. 切削機器に切削液を供給する切削液供給装置であって、
    前記切削液に微細気泡を混入する切削液生成装置と、
    前記切削液を貯留するタンクと、
    前記切削液生成装置により微細気泡が混入された前記切削液を前記切削機器の所望の位置にミスト状に噴出するノズルと、を有すること
    を特徴とする切削油供給装置。
  2. 前記切削液生成装置による前記切削液への微細気泡の混入は、前記ノズルから前記切削液を噴出させる前に行われること、
    を特徴とする請求項1に記載の切削液供給装置。
  3. 前記切削液生成装置により混入される微細気泡の径は、前記ノズルにより噴出されるミスト状の切削液の径よりも小さいこと、
    を特徴とする請求項1または2に記載の切削液供給装置。
  4. 切削機器に切削液を供給する切削液供給方法であって、
    前記切削液に微細気泡を混入する切削液生成工程と、
    前記切削液生成工程により微細気泡が混入された前記切削液をタンクに貯留する貯留工程と、
    前記タンクに貯留された微細気泡が混入された前記切削液をノズルからミスト状に噴出させる噴出工程と、を含み、
    前記噴出工程は、前記切削液生成工程による前記切削液への微細気泡の混入が完了された後に実行されること、
    を特徴とする切削油供給方法。
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