JP2023146825A - αディフェンシン分泌促進用組成物 - Google Patents

αディフェンシン分泌促進用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、日常的に安全に摂取可能な、αディフェンシンの分泌を促進する組成物を提供することを課題とする。【解決手段】ラクチュロース、メチオニン、及びコリンから選択される一種又は二種以上をαディフェンシン分泌促進用組成物の有効成分として含有させる。前記組成物は、通常パネト細胞からのαディフェンシンの分泌を促進する。前記組成物は、飲食品や医薬品の態様として摂取することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、抗菌性ペプチドの一種であるαディフェンシン分泌促進用組成物に関する。
生物には外界からの病原性微生物の侵入に対して防御するための自己生体防御機構が備わっている。その一環として、アミノ酸10~50残基程度の抗菌性ペプチドを産生・分泌し、病原性微生物の細胞膜を通過することによってそれらを殺滅する仕組みがある。
そのような抗菌ペプチドの一つであるαディフェンシンは、腸内上皮パネト(Paneth)細胞が分泌する抗菌ペプチドとして知られている。αディフェンシンは、病原菌に対して強い殺菌作用を示し、常在菌に対してはほとんど殺菌活性を示さないため、腸管自然免疫に寄与したり、腸内細菌叢の制御を介して腸内環境の恒常性維持を担ったりする(非特許文献1)。ヒトにおいてパネト細胞から分泌されるαディフェンシンとしては、アミノ酸32~33残基の塩基性ペプチドであるHD5及びHD6の2種が存在する。
感染症対策や腸内環境向上の観点から抗菌性ペプチドの分泌を促進することへの関心は高く、これまでに、αディフェンシンの分泌促進剤の有効成分として茸やステロール配糖体等種々のものが提案されている(特許文献1~5)。
特開2012-180329号公報 特開2013-74821号公報 特開2013-237643号公報 特開2015-93852号公報 特開2017-43554号公報
中村公則ら、腸内細菌学雑誌 33 : 129-135,2019
本発明は、日常的に摂取可能な、αディフェンシンの分泌を促進する組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、腸管陰窩モデルにおいてラクチュロース存在下で培養するとパネト細胞からαディフェンシンを包接する顆粒の分泌が有意に増加すること、またラクチュロースを経口摂取したマウスにおいてαディフェンシンの分泌が有意に増加することを見出した。また、メチオニン及びコリンが欠損した食餌を投与したマウスにおいては、αディフェンシンの分泌が有意に低下することを見出し、これらの知見から本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ラクチュロース、メチオニン、及びコリンから選択される一種又は二種以上を含有する、αディフェンシン分泌促進用組成物である。前記組成物は、通常パネト細胞からのαディフェンシンの分泌を促進する。
本発明の組成物は飲食品の態様とすることが好ましく、免疫機能向上、感染防御又は腸内細菌叢改善のために摂取される飲食品であることがより好ましい。
また、本発明の組成物は医薬品の態様とすることが好ましく、免疫機能向上のため、感染防御のため、又は腸内細菌叢改善により予防、治療、もしくは改善し得る疾患及び/もしくは状態のために投与される医薬品であることがより好ましい。
本発明によれば、日常的に摂取可能な態様でαディフェンシンの分泌を促進させることができる。また、それにより免疫機能向上や感染防御や腸内細菌叢改善に役立てることができる。
小腸陰窩モデルにおいて、ラクチュロース添加後30分間にパネト細胞から分泌された顆粒の数(エンテロイド5個の平均)を示すグラフ(各群n=3)。 ラクチュロースを投与したマウスにおけるαディフェンシンの分泌量を示すグラフ(各群n=6)。 メチオニン・コリン欠損高脂肪食を投与したマウスにおけるαディフェンシンの分泌量を示すグラフ(標準食群n=4、メチオニン・コリン欠損高脂肪食n=5)。
次に、本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。
本発明の組成物は、ラクチュロース、メチオニン及びコリンから選択される一種又は二種以上を有効成分として含有する。
ラクチュロースは、フラクトースとガラクトースからなる二糖類である。本発明において、ラクチュロースは、無水物であってもよく、水和物であってもよい。
ラクチュロースは、公知の方法により製造することができる。
例えば、市販乳糖の10%水溶液に、水酸化ナトリウムを添加し、該混合液を70℃の温度で30分間加熱し、冷却し、のち冷却した溶液をイオン交換樹脂により精製し、濃縮し、冷却し、結晶化し、未反応の乳糖を除去し、固形分含量約68%(固形分中ラクチュロースを約79%含有する。)のラクチュロース水溶液を得る。この水溶液をイオン交換樹脂カラムに通液し、ラクチュロースを含む画分を採取し、濃縮し、固形分含量約68%(固形分中ラクチュロース約86%を含有する。)の精製ラクチュロース水溶液を得る(特開平3-169888号公報に記載の方法)。
さらに、前記の方法により得たラクチュロース水溶液(シロップ)を固形分含量約72%に濃縮し、この濃縮液を15℃に冷却し、ラクチュロース三水和物結晶を種晶として添加し、攪拌しながら7日間を要して5℃まで徐々に冷却し、結晶を生成させ、10日後に上澄液の固形分含量が約61%に低下した結晶を含む液から濾布式遠心分離器により結晶を分離し、5℃の冷水で洗浄し、乾燥させ、純度95%以上のラクチュロースの結晶を得ることができる(特開平6-228179号公報に記載の方法)。
また、ラクチュロースは、市販されているものを使用することもできる。市販されているものは、例えば、「ミルクオリゴ糖MLS(登録商標)-50」や、「ミルクオリゴ糖MLC(登録商標)-97」(いずれも森永乳業株式会社製)等が挙げられる。
本発明の組成物におけるラクチュロースの量は、組成物の態様により適宜設定すればよく、特に限定されないが、例えば、好ましくは組成物全体の0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上とするのがよい。ラクチュロースの含量の上限は特に制限されないが、例えば100質量%以下であってよい。
また、本発明の組成物が飲食品の態様の場合におけるラクチュロースの量は、本発明の
組成物100kcal当たりの含量として、10mg以上であることが好ましく、50mg以上であることがより好ましく、100mg以上であることがさらに好ましい。上限は特に制限されないが、組成物100kcal当たりの含量として、10000mg以下であってよく、1000mg以下であってもよい。なお、これらの数値は、ラクチュロースが水和物の場合は、無水物に換算した値である。以下の記載でも同様である。
メチオニンはアミノ酸であり、タンパク質やペプチドを定法により加水分解して取得することができる。またメチオニンは、市販されているものを使用することもできる。
本発明の組成物におけるメチオニンの量は、組成物の態様により適宜設定すればよく、特に限定されないが、例えば、好ましくは組成物全体の0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上とするのがよい。メチオニンの含量の上限は特に制限されないが、例えば100質量%以下であってよい。
コリンは、単体であってもよく、ホスファチジルコリン(PC)、スフィンゴミエリン(SM)、グリセロホスホコリン(GPC)などのリン脂質の構成成分として存在するものであってもよい。また、リン脂質から取得されたものであってもよい。また、市販されているコリンを使用することもできる。
本発明の組成物におけるコリンの量は、組成物の態様により適宜設定すればよく、特に限定されないが、例えば、好ましくは組成物全体の0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上とするのがよい。コリンの含量の上限は特に制限されないが、例えば100質量%以下であってよい。
本発明の組成物は、パネト細胞におけるαディフェンシンの分泌を促進することができる。特に、後述の実施例で示される通り、ラクチュロースはパネト細胞におけるαディフェンシンの分泌を有意に増加させる。また、コリン及びメチオニンは、αディフェンシンの分泌に必須な成分である。
ここで、αディフェンシンは、通常、小腸上皮細胞のパネト細胞から分泌されるものを指す。また、「分泌促進」とは、パネト細胞等のαディフェンシン分泌細胞におけるαディフェンシンの分泌を、本発明の組成物の適用前に比べて適用後に、又は本発明の組成物の適用の場合に非適用の場合に比べて増強すること、あるいは分泌をより強く誘導することを意味する。したがって、本発明におけるαディフェンシン分泌促進用組成物は、αディフェンシン分泌増強用組成物やαディフェンシン分泌誘導用組成物と言い換えてもよい。
本発明の組成物の適用後のαディフェンシン分泌量は、適用前に比べて、少なくとも1.1倍であり、1.5倍以上であることが好ましく、2倍以上であることが好ましく、2.5倍以上であることが好ましく、3倍以上であることが好ましく、3.5倍以上であることが好ましく、4倍以上であることがより好ましい。上限値は、特に制限されないが、8倍以下、7倍以下、6倍以下、又は5倍以下であってよい。また、上記数値の矛盾しない組み合わせの範囲であってもよく、具体的には、1.1~8倍、1.5~8倍、2~8倍、2.5~8倍、3~8倍、3.5~8倍、又は4~8倍であってよい。
ここで、αディフェンシン分泌量は、周知の方法で定性的又は定量的に確認することができ、例えば小腸陰窩分泌物中のαディフェンシンを直接測定したり該分泌物の殺菌活性を測定したりすること等により行うことができる。
本発明の組成物はαディフェンシン分泌を促進し、αディフェンシンは種々の病原菌に対して殺菌作用を示すことから、免疫機能向上、感染防御、腸内細菌叢改善などの効果が期待される。
免疫機能向上とは、免疫機能の維持、改善、又は強化することを含む。ここで、免疫機
能の維持とは正常又は良好な免疫機能が発揮されている状態を保ち機能低下することを防ぐことを含み、免疫機能の改善とは低下した免疫機能を正常な状態にすることを含む。
感染防御とは、病原菌、例えばサルモネラ属細菌、病原性大腸菌、酢酸菌、レジオネラ菌、緑色硫黄細菌、緑色非硫黄細菌、淋菌、髄膜炎菌、カタラリス菌、肺炎桿菌、緑膿菌などミラビリス変形菌、マイコプラズマ、ヘリコバクター・ピロリ、ゲルトネル菌、チフス菌などのグラム陰性菌や、黄色ブドウ球菌、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、レンサ球菌、腸球菌、破傷風菌、ジフテリア菌などのグラム陽性菌などの細菌による感染を防ぐことを含む。
腸内細菌叢改善とは、前述した病原菌の腸内細菌叢に存在する細菌数やその存在割合を減少させること、腸内の常在菌、例えばビフィドバクテリウム属細菌や乳酸菌等の有用菌(いわゆる善玉菌)の腸内細菌叢に存在する細菌数やその存在割合を増加させることを含む。前記「存在割合」は、腸内細菌叢において検出された菌群全体に対する「占有率」とも言い換えることができる。
本発明の組成物を投与する(摂取させる)対象は、動物であれば特に限定されないが、通常は哺乳動物であり、ヒトが好ましい。
本発明の別の側面は、αディフェンシン分泌促進用組成物の製造における、ラクチュロース、メチオニン、及びコリンから選択される一種又は二種以上の使用である。
本発明の別の側面は、αディフェンシン分泌促進における、ラクチュロース、メチオニン、及びコリンから選択される一種又は二種以上の使用である。
本発明の別の側面は、αディフェンシン分泌促進のために用いられる、ラクチュロース、メチオニン、又はコリンである。
本発明の別の側面は、ラクチュロース、メチオニン、及びコリンから選択される一種又は二種以上を対象に投与することを含む、αディフェンシン分泌を促進する方法である。
なお、「対象に投与すること」は、「対象に摂取させること」と同義であってよい。摂取は、自発的なもの(自由摂取)であってもよく、強制的なもの(強制摂取)であってもよい。すなわち、投与工程は、具体的には、例えば、ラクチュロース、メチオニン、及び/又はコリンを飲食品や飼料に配合して対象に供給し、以て対象にラクチュロース、メチオニン、及び/又はコリンを自由摂取させる工程であってもよい。
本発明の組成物の摂取(投与)時期や摂取(投与)期間は、特に限定されず、投与対象の状態に応じて適宜選択することができる。
本発明の組成物は、それ自体を飲食品や医薬品等の形態としてもよいし、添加物として飲食品や医薬品等に含有させる形態としてもよい。
本発明の組成物の摂取(投与)経路は、経口又は非経口のいずれでもよいが、通常は経口である。また、非経口摂取(投与)としては、経皮、静注、直腸投与、吸入等が挙げられる。
本発明の組成物の摂取(投与)量は、摂取(投与)対象の年齢(月齢)、性別、状態、その他の条件等により適宜選択される。
本発明の組成物の摂取(投与)量は、ラクチュロースの摂取量として、例えば、好ましくは0.01~40.0g/日、より好ましくは0.05~20.0g/日、さらに好ましくは0.1~5.0g/日の範囲となる量を目安とするのがよい。
メチオニンの摂取(投与)量として、例えば、好ましくは1~10000mg/日、より好ましくは5~3500mg/日、さらに好ましくは10~1500mg/日の範囲と
なる量を目安とするのがよい。
コリンの摂取(投与)量として、例えば、好ましくは1~10000mg/日、より好ましくは5~3500mg/日、さらに好ましくは50~1000mg/日の範囲となる量を目安とするのがよい。
また、ラクチュロース、メチオニン、及びコリンから選択される一種又は二種以上の摂取(投与)量として、それぞれの目安となる量を組み合わせて配合してもよい。
なお、摂取(投与)の量や期間にかかわらず、本発明の組成物は1日1回又は複数回に分けて投与することができる。
本発明の組成物を経口摂取される組成物とする場合は、飲食品の態様とすることが好ましい。
飲食品としては、本発明の効果を損なわず、経口摂取できるものであれば形態や性状は特に制限されず、ラクチュロース、メチオニン、及び/又はコリンを含有させること以外は、通常飲食品に用いられる原料を用いて通常の方法によって製造することができる。
飲食品としては、液状、ペースト状、ゲル状固体、粉末等の形態を問わず、例えば、錠菓;流動食(経管摂取用栄養食);パン、マカロニ、スパゲッティ、めん類、ケーキミックス、から揚げ粉、パン粉等の小麦粉製品;即席めん、カップめん、レトルト・調理食品、調理缶詰め、電子レンジ食品、即席スープ・シチュー、即席みそ汁・吸い物、スープ缶詰め、フリーズ・ドライ食品、その他の即席食品等の即席食品類;農産缶詰め、果実缶詰め、ジャム・マーマレード類、漬物、煮豆類、農産乾物類、シリアル(穀物加工品)等の農産加工品;水産缶詰め、魚肉ハム・ソーセージ、水産練り製品、水産珍味類、つくだ煮類等の水産加工品;畜産缶詰め・ペースト類、畜肉ハム・ソーセージ等の畜産加工品;加工乳、乳飲料、ヨーグルト(発酵乳)類、乳酸菌飲料類、チーズ、アイスクリーム類、クリーム、その他の乳製品等の乳・乳製品;バター、マーガリン類、植物油等の油脂類;しょうゆ、みそ、ソース類、トマト加工調味料、みりん類、食酢類等の基礎調味料;調理ミックス、カレーの素類、たれ類、ドレッシング類、めんつゆ類、スパイス類、その他の複合調味料等の複合調味料・食品類;素材冷凍食品、半調理冷凍食品、調理済冷凍食品等の冷凍食品;キャラメル、キャンディー、チューインガム、チョコレート、クッキー、ビスケット、ケーキ、パイ、スナック、クラッカー、和菓子、米菓子、豆菓子、デザート菓子、ゼリー、その他の菓子などの菓子類;炭酸飲料、天然果汁、果汁飲料、果汁入り清涼飲料、果肉飲料、果粒入り果実飲料、野菜系飲料、豆乳、豆乳飲料、コーヒー飲料、お茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、スポーツ飲料、栄養飲料、アルコール飲料、その他の嗜好飲料等の嗜好飲料類、ベビーフード、ふりかけ、お茶漬けのり等のその他の市販食品等;サプリメント、調製乳(粉乳、液状乳等を含む)等の栄養組成物;経腸栄養食;機能性食品(特定保健用食品、栄養機能食品)等が挙げられる。
なお、飲食品としてサプリメントの形態とする場合は、腸溶性コーティング等により腸溶処理されてもよい、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤等の固形製剤;溶液剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤等の液剤;等に製剤化することができる。かかる製剤化に際しては、後述する医薬品の製剤化に係る成分、担体、及び方法の説明に準ずることができる。
また、飲食品の一態様として飼料とすることもできる。飼料としては、ペットフード、家畜飼料、養魚飼料等が挙げられる。
飼料の形態としては特に制限されず、ラクチュロース、メチオニン、及び/又はコリンの他に例えば、トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦、マイロ等の穀類;大豆油粕、ナタネ油粕、ヤシ油粕、アマニ油粕等の植物性油粕類;フスマ、麦糠、米糠、脱脂米糠等の糠類;コーングルテンミール、コーンジャムミール等の製造粕類;魚粉、脱脂粉乳、ホエイ、イエローグリース、タロー等の動物性飼料類;トルラ酵母、ビール酵母等の酵母類;第三リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等の鉱物質飼料;油脂類;単体アミノ酸;糖類等を含有するものであってよい。
本発明の組成物が飲食品(飼料を含む)の態様である場合、免疫機能向上、感染防御、腸内細菌叢改善等の用途が表示された飲食品として提供・販売されることが可能である。また、本明細書に係るラクチュロース、メチオニン、及び/又はコリンは、これら飲食品等の製造のために使用可能である。
かかる「表示」行為には、需要者に対して前記用途を知らしめるための全ての行為が含まれ、前記用途を想起・類推させうるような表現であれば、表示の目的、表示の内容、表示する対象物・媒体等の如何に拘わらず、全て本発明における「表示」行為に該当する。
また、「表示」は、需要者が上記用途を直接的に認識できるような表現により行われることが好ましい。具体的には、飲食品に係る商品又は商品の包装に前記用途を記載したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引き渡しのために展示し、輸入する行為、商品に関する広告、価格表若しくは取引書類に上記用途を記載して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に上記用途を記載して電磁気的(インターネット等)方法により提供する行為等が挙げられる。
一方、表示内容としては、行政等によって認可された表示(例えば、行政が定める各種制度に基づいて認可を受け、そのような認可に基づいた態様で行う表示等)であることが好ましい。また、そのような表示内容を、包装、容器、カタログ、パンフレット、POP等の販売現場における宣伝材、その他の書類等へ付することが好ましい。
また、「表示」には、健康食品、機能性食品、経腸栄養食品、特別用途食品、保健機能食品、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品、医薬用部外品等としての表示も挙げられる。この中でも特に、消費者庁によって認可される表示、例えば、特定保健用食品、栄養機能食品、若しくは機能性表示食品に係る制度、又はこれらに類似する制度にて認可される表示等が挙げられる。具体的には、特定保健用食品としての表示、条件付き特定保健用食品としての表示、身体の構造や機能に影響を与える旨の表示、疾病リスク減少表示、科学的根拠に基づいた機能性の表示等を挙げることができ、より具体的には、健康増進法に規定する特別用途表示の許可等に関する内閣府令(平成二十一年八月三十一日内閣府令第五十七号)に定められた特定保健用食品としての表示(特に保健の用途の表示)及びこれに類する表示が典型的な例である。
かかる表示としては、例えば、「抗菌ペプチドを増やす」、「αディフェンシンを増やす」、「健康な人の免疫機能の維持に役立つ」、「免疫機能を高める」、「病原菌への感染を防ぐ」、「腸内細菌叢を改善する」、「おなかの健康に役立つ」、「腸内環境を維持する」、「腸内環境を改善する」、「腸の健康ものさしを改善する」等と表示することが挙げられる。
本発明の組成物は、医薬品の態様とすることもできる。
かかる医薬品としては、免疫機能向上のため、又は感染防御のために投与されるものが好ましい。また、腸内細菌叢が改善することにより予防又は改善しうる疾患や状態、あるいは腸内細菌叢が悪化することに起因する疾患や状態に対して、その予防、改善又は治療のために投与されるものも好ましい。
感染防御のために投与される医薬品としては、前述した病原菌の感染による感染症を予防するためのものの他に、病原菌の生産する毒素による中毒症やアレルギー症などを予防するためのものも挙げられる。具体的な症状や疾患としては、例えば、食中毒、カンジダ症、クリプトコッカス感染症、アスペルギルス症、ニューモシスチス肺炎、う蝕、白癬、とびひ、MRSA感染症、緑膿菌感染症等を挙げることができる。
腸内細菌叢が改善することにより予防又は改善しうる疾患や状態、あるいは腸内細菌叢が悪化することに起因する疾患や状態のための医薬品としては、例えば、整腸用、免疫調節用、抗アレルギー用、細菌・ウイルス感染防御用、酸化ストレス低減用、下痢の予防・改善用、便秘の予防・改善用、炎症性腸疾患用、大腸がんの予防用等とすることができる。また、前記疾患や状態としては、例えば、肥満症、炎症性腸疾患、II型糖尿病、非アルコール性脂肪肝炎、自閉症、肝硬変症、肝癌、大腸癌等が挙げられる。
医薬品の投与経路は、経口又は非経口のいずれでもよいが経口が好ましい。また、非経口摂取(投与)としては、経皮、静注、直腸投与、吸入等が挙げられる。
医薬品の形態としては、投与方法に応じて、適宜所望の剤形に製剤化することができる。例えば、経口投与の場合、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤等の固形製剤;溶液剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤等の液剤等に製剤化することができる。また、腸溶性コーティング等により、腸溶剤とすることもできる。非経口投与の場合、座剤、軟膏剤、注射剤等に製剤化することができる。
製剤化に際しては、ラクチュロース、メチオニン、又はコリンの他に、通常製剤化に用いられている賦形剤、pH調整剤、着色剤、矯味剤等の成分を用いることができる。また、他の薬効成分や、公知の又は将来的に見出されるαディフェンシン分泌促進作用を有する成分等を併用することも可能である。
加えて、製剤化は剤形に応じて適宜公知の方法により実施できる。製剤化に際しては、適宜、通常製剤化に用いる担体を配合して製剤化してもよい。かかる担体としては、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤等が挙げられる。
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニット、ソルビット等の糖誘導体;トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、α-デンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプン等のデンプン誘導体;結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム等のセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルラン;軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム等の珪酸塩誘導体;リン酸カルシウム等のリン酸塩誘導体;炭酸カルシウム等の炭酸塩誘導体;硫酸カルシウム等の硫酸塩誘導体等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、上記賦形剤の他、ゼラチン;ポリビニルピロリドン;マクロゴール等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、上記賦形剤の他、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン等の化学修飾されたデンプン又はセルロース誘導体等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、タルク;ステアリン酸;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸金属塩;コロイドシリカ;ビーガム、ゲイロウ等のワックス類;硼酸;グリコール;フマル酸、アジピン酸等のカルボン酸類;安息香酸ナトリウム等のカルボン酸ナトリウム塩;硫酸ナトリウム等の硫酸塩類;ロイシン;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム等のラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物等の珪酸類;デンプン誘導体等が挙げられる。
安定剤としては、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等のアルコール類;塩化ベンザルコニウム;無水酢酸;ソルビン酸等が挙げられる。
矯味矯臭剤としては、例えば、甘味料、酸味料、香料等が挙げられる。
なお、経口投与用の液剤の場合に使用する担体としては、水等の溶剤等が挙げられる。
本発明の医薬品を摂取するタイミングは、例えば食前、食後、食間、就寝前など特に限定されない。
以下に実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]ラクチュロースを投与した培養腸管陰窩モデルにおけるパネト細胞からの顆粒分泌の検討
成熟マウスの小腸から陰窩を単離し、3~4日間培養して生体腸管組織を模す三次元培養系エンテロイドを作成した。取得したエンテロイドの内腔に共焦点顕微鏡下で試験物質のマイクロインジェクションを行った。試験物質としては、ラクチュロース(森永乳業社製ミルクオリゴ糖 MLC(登録商標)-97)500μg/mL含有PBS又はPBS(コントロール)を用いた。インジェクション開始30分後のエンテロイドを共焦点顕微鏡で撮像し、パネト細胞から分泌された顆粒の分泌量を測定した。詳細な手法は、Y. Yokoi et al., Sci. Rep., 2019, 9, 2710を参照されたい。
結果を図1に示す。コントロールに比してラクチュロースを添加したパネト細胞からの顆粒分泌量は有意に大きかった。該顆粒はαディフェンシンを包含するため、この結果はラクチュロースによりパネト細胞からのαディフェンシン分泌が促進されたことを示す。
[実施例2]ラクチュロースを経口投与したマウスにおけるαディフェンシン分泌の検討
7週齢のマウス(C57BL/6J、日本クレア株式会社)に、1日1回3週間、ラクチュロース500mg/mL含有PBS又はPBS(コントロール)を500μL/回、経口投与した。試験期間中、水及び標準食は自由摂取させた。試験開始0、1、2及び3週毎に、回収した糞便を粉砕後、PBSにて懸濁し、遠心分離した上清をサンプルとした。Sandwich Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay(ELISA)を用いてサンプル中のαディフェンシンを検出し、マウスにおけるαディフェンシン分泌量を測定した。
結果を図2に示す。コントロールに比してラクチュロースを投与したマウスにおいてαディフェンシン分泌量の増加が認められ、特に試験開始2週以降はコントロールに比して有意に大きな分泌量が認められた。
[実施例3]メチオニン及びコリンのαディフェンシン分泌への影響の検討
6週齢のマウス(C57BL/6J、日本クレア株式会社)に、3週間水及び食餌を自由摂取させた。食餌は、メチオニン・コリン欠損高脂肪食(CDAHFD; A06071302, Research Diets Inc.)又は標準食(SD; A06071314, Research Diets Inc.)を用いた。試験開始0及び3週後に、実施例2と同様にαディフェンシン分泌量を測定した。
結果を図3に示す。標準食群に比してメチオニン・コリン欠損高脂肪食群において、αディフェンシン分泌量の有意な低下が認められた。

Claims (6)

  1. ラクチュロース、メチオニン、及びコリンから選択される一種又は二種以上を含有する、αディフェンシン分泌促進用組成物。
  2. パネト細胞からの分泌促進用である、請求項1に記載の組成物。
  3. 飲食品である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 免疫機能向上、感染防御又は腸内細菌叢改善のために摂取される、請求項3に記載の組成物。
  5. 医薬品である、請求項1又は2に記載の組成物。
  6. 免疫機能向上のため、感染防御のため、又は腸内細菌叢改善により予防、治療、もしくは改善し得る疾患及び/もしくは状態のために投与される、請求項5に記載の組成物。
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