JP2023146337A - 熱硬化性樹脂組成物、樹脂シートおよび金属ベース基板 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、樹脂シートおよび金属ベース基板 Download PDF

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Abstract

【課題】熱伝導率および絶縁性に優れる材料を提供する。【解決手段】(A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤と、(C)窒化ホウ素粒子と、を含み、レーザー回折式粒度分布測定装置による成分(C)の個数基準粒度分布において、10μm以下の粒径を有する粒子の量が、成分(C)の全体に対して50%未満である、熱硬化性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物、樹脂シート、および金属ベース基板に関する。
電気・電子機器等を構成する絶縁材料に対して放熱性が要求されている。絶縁材料の放熱性について様々な開発がなされてきた。
放熱性に優れた材料を得るための技術として、特許文献1(特開2015-193504号公報)に記載のものがある。同文献には、ゆるめ嵩密度および平均の円形度が特定の範囲にある窒化ホウ素粒子と樹脂成分とを含む樹脂組成物について記載されている(請求項3)。また、同文献には、窒化ホウ素粒子の含有量が高く、かつ作業性に優れた樹脂組成物を得ることができる。よって、放熱性に優れた材料(たとえば熱伝導性シート)が得られると記載されている(段落0012)。
特開2015-193504号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、高熱伝導率と高い絶縁性とを両立するという点で改善の余地があった。
そこで、本発明は、熱伝導率および絶縁性に優れる材料を提供する。
本発明によれば、
(A)エポキシ樹脂と、
(B)硬化剤と、
(C)窒化ホウ素粒子と、
を含み、
レーザー回折式粒度分布測定装置による前記成分(C)の個数基準粒度分布において、10μm以下の粒径を有する粒子の量が、前記成分(C)の全体に対して50%未満である、熱硬化性樹脂組成物が提供される。
本発明によれば、前記本発明における熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂シートが提供される。
また、本発明によれば、
金属基板と、
前記本発明における樹脂シートからなる絶縁樹脂層と、
金属層と、をこの順で備える、金属ベース基板が提供される。
本発明によれば、熱伝導率および絶縁性に優れる材料を提供することができる。
実施形態における金属ベース基板の構成の一例を示す概略断面図である。 窒化ホウ素粒子およびその分級品の粒度分布を示す図である。 窒化ホウ素粒子の分級品の粒度分布を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。
本実施形態において、組成物は、各成分をいずれも単独でまたは2種以上を組み合わせて含むことができる。
本明細書において、数値範囲を示す「~」は、以上、以下を表し、両端の数値をいずれも含む。
本実施形態において、熱硬化性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」とも呼ぶ。)は、以下の成分(A)~(C)を含む。
(A)エポキシ樹脂
(B)硬化剤
(C)窒化ホウ素粒子
そして、レーザー回折式粒度分布測定装置による成分(C)の個数基準粒度分布において、10μm以下の粒径を有する粒子の量が、成分(C)の全体に対して50%未満である。
本発明者は、熱硬化性樹脂組成物が、特定の個数基準粒度分布を有する成分(C)を、成分(A)および(B)とともに含む構成とすることにより、優れた熱伝導性と絶縁性(たとえば、耐圧。)を両立できることを新たに見出した。
以下、各成分をさらに具体的に説明する。
(成分(A))
成分(A)は、エポキシ樹脂である。
成分(A)として、たとえば、メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、アダマンタン骨格を有するエポキシ樹脂、フェノールアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するエポキシ樹脂、および、ナフタレンアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂からなる群から選択される一種または二種以上を用いることができる。
成分(A)は、2官能以上のエポキシ樹脂を含むことが好ましい。つまり、エポキシ樹脂1分子中には2以上のエポキシ基が含まれることが好ましい。成分(A)の官能基数は、好ましくは2以上6以下であり、より好ましくは2以上4以下である。
樹脂組成物の硬化時の熱伝導性(放熱性)を高める観点、および、樹脂シートに可撓性を付与して加工プロセス耐性を改善するから、成分(A)は、好ましくはメソゲン骨格を有するエポキシ樹脂を含む。
メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂では、硬化時に、そのメソゲン骨格により高次構造(液晶相または結晶相)が形成されると考えられる。そして、その高次構造を熱が伝わることで熱伝導性(放熱性)が一層高まると考えられる。硬化物中の高次構造の存在は、具体的には偏光顕微鏡による観察によって調べることができる。
メソゲン骨格としては、分子間相互作用の働きにより、液晶性や結晶性を発現しやすくする骨格全般を挙げることができる。メソゲン骨格は、好ましくは共役構造を含む。メソゲン骨格として具体的には、ビフェニル骨格、フェニルベンゾエート骨格、アゾベンゼン骨格、スチルベン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、フェナントレン骨格などが挙げられる。
メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂は、メソゲン骨格としてナフタレン骨格等の縮合多環芳香族炭化水素骨格を含むことが好ましい。
メソゲン骨格の中でも、ナフタレン骨格のような縮合多環芳香族炭化水素骨格では、たとえばフェニルベンゾエート骨格(-C64-COO-C64-)と比べて、高温下での熱運動による結合の回転およびこれに伴う液晶性の低下を抑制することができる。そして、エポキシ樹脂が縮合多環芳香族炭化水素骨格を含むことで、たとえば200℃における熱伝導率λ200を12.0W/(m・K)以上に設計しやすく、それゆえ高温環境下での放熱性を一層高めやすい。
また、多環芳香族炭化水素骨格は、好ましくはナフタレン骨格である。ナフタレン骨格を採用することで、上述のメリットを得つつ、エポキシ樹脂が剛直になりすぎることを抑えることもできる。これは、ナフタレン骨格はメソゲン骨格としては比較的小さいためである。エポキシ樹脂が剛直になりすぎないことは、樹脂組成物の硬化時の応力が緩和されやすくなることによるクラック等の抑制、などの点で好ましい。
メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂の軟化点は、樹脂組成物の硬化時の熱伝導性(放熱性)を高める観点、および、樹脂シートに可撓性を付与して加工プロセス耐性を改善するから、好ましくは60℃以下であり、より好ましくは55℃以下、さらに好ましくは52℃以下である。
また、メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂は、好ましくは25℃において液状である。
かかる樹脂として、たとえば、ナフタレン型エポキシ樹脂およびビフェノール型エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種が挙げられる。
軟化点が60℃以下であり、メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂として、たとえば、下記式で表される化合物および例示される樹脂からなる群から選択される一種または二種以上を含む。
Figure 2023146337000001
軟化点が60℃以下であり、メソゲン骨格を有する樹脂の市販品の例として、DIC社製HP-4032D(2官能ナフタレン型液状エポキシ樹脂)、HP-6000L(ナフタレン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)、日本化薬社製NC-3000/NC-3000L(ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂)が挙げられる。
軟化点が60℃以下であり、メソゲン骨格を有する樹脂の樹脂組成物中の含有量は、高熱伝導性および絶縁性により優れた樹脂シートを得る観点から、樹脂組成物中の成分(C)以外の成分全体に対して、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは7質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは40質量%以下であり、より好ましくは35質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。
また、本実施形態において、成分(A)は、軟化点が60℃以下であり、メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂と、他のエポキシ樹脂を含んでもよい。他のエポキシ樹脂は、その軟化点が60℃を超えていてもよく、高熱伝導性および絶縁性の観点から、メソゲン骨格を含むことが好ましい。
他のエポキシ樹脂としては、たとえば下記式で表される化合物から選択される一または二以上が挙げられる。
Figure 2023146337000002
樹脂組成物中の成分(A)の含有量は、高熱伝導性および絶縁性により優れた樹脂シートを得る観点から、樹脂組成物中の成分(C)以外の成分全体に対して、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上、さらにより好ましくは30質量%以上であり、また、好ましくは70質量%以下であり、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である。
(成分(B))
成分(B)は、硬化剤である。成分(B)として、たとえば、ノボラック型フェノール化合物等のフェノール樹脂、シアネート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、活性エステル樹脂などを用いることができる。
成分(B)は、シアネート樹脂を含むことが好ましい。これにより、樹脂組成物の硬化物について、低線膨張化や、弾性率および剛性の向上を図ることができる。また、得られる金属ベース基板の耐熱性や耐湿性の向上に寄与することも可能である。
シアネート樹脂は一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよく、一種類または二種類以上と、それらのプレポリマーとを併用してもよい。
シアネート樹脂は、たとえば、ノボラック型シアネート樹脂;ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂;ナフトールアラルキル型フェノール樹脂とハロゲン化シアンとの反応で得られるナフトールアラルキル型シアネート樹脂;ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂;ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型シアネート樹脂からなる群から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、熱伝導率および絶縁性を向上する観点から、ノボラック型シアネート樹脂およびナフトールアラルキル型シアネート樹脂のうちの少なくとも一方を含むことがより好ましく、ノボラック型シアネート樹脂を含むことがさらに好ましい。
ノボラック型シアネート樹脂としては、たとえば、下記一般式(I)で示されるものが挙げられる。
Figure 2023146337000003
上記一般式(I)中、nは平均繰り返し単位であり、任意の整数である。平均繰り返し単位nは、限定されないが、1以上が好ましく、2以上がより好ましい。平均繰り返し単位nが上記下限値以上であると、ノボラック型シアネート樹脂の耐熱性が向上し、加熱時に低量体が脱離、揮発することをより一層抑制できる。また、平均繰り返し単位nは、限定されないが、10以下が好ましく、7以下がより好ましい。nが上記上限値以下であると、溶融粘度が高くなるのを抑制でき、樹脂シートの成形性を向上させることができる。
また、シアネート樹脂としては、下記一般式(II)で表わされるナフトールアラルキル型シアネート樹脂も好適に用いられる。下記一般式(II)で表わされるナフトールアラルキル型シアネート樹脂は、たとえば、α-ナフトールあるいはβ-ナフトール等のナフトール類とp-キシリレングリコール、α,α'-ジメトキシ-p-キシレン、1,4-ジ(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ベンゼン等との反応により得られるナフトールアラルキル型フェノール樹脂とハロゲン化シアンとを縮合させて得られるものである。
Figure 2023146337000004
上記一般式(II)中、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を示し、nは平均繰り返し単位であって、整数であり、好ましくは1以上10以下の整数である。
一般式(II)の平均繰り返し単位nは、より均一な樹脂シートを得る観点から、10以下の整数であることが好ましい。さらに、これにより、合成時に分子内重合が起こりにくく、水洗時の分液性が向上し、収量の低下を防止できる傾向がある。
樹脂組成物中の成分(B)の含有量は、樹脂組成物の硬化物のより効果的な低線膨張化、高弾性率化を図る観点から、樹脂組成物中の成分(C)以外の成分全体に対して、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上、さらにより好ましくは40質量%以上であり、また、好ましくは70質量%以下であり、好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは55質量%以下である。
(成分(C))
成分(C)は、窒化ホウ素粒子である。成分(C)は、レーザー回折式粒度分布測定装置による個数基準粒度分布(以下、単に「粒度分布」とも呼ぶ。)において、10μm以下の粒径を有する粒子の量が、成分(C)の全体に対して50%未満である。
上記粒度分布において、10μm以下の粒径を有する粒子の量は、熱伝導性向上の観点、および、絶縁性の低下の抑制の観点から、成分(C)の全体に対して50%未満であり、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは10%以下、さらにより好ましくは5%以下、よりいっそう好ましくは3%以下である。
また、成分(C)が、上記粒度分布において、10μm以下の粒径を有する粒子を含むとき、その含有量は、成分(C)の全体に対してたとえば1%以上であってもよい。
成分(C)の粒度分布において、100μm以上の粒径を有する粒子の量は、絶縁性の低下の抑制の観点から、成分(C)の全体に対して好ましくは0.3%未満であり、より好ましくは0.25%以下、さらに好ましくは0.2%以下である。
また、成分(C)の粒度分布において、100μm以上の粒径を有する粒子を含むとき、その量は、熱伝導性向上の観点から、成分(C)の全体に対してたとえば0.05%以上であってもよい。
成分(C)の基準粒度分布において、モード径における頻度f1(%)に対する粒径10μmにおける頻度f2(%)の比(f2/f1)は、ワニス作製時のハンドリング性向上の観点から、好ましくは0.05以上であり、より好ましくは0.08以上、さらに好ましくは0.12以上である。
また、樹脂組成物の熱伝導率向上の観点から、上記比(f2/f1)は、好ましくは0.35以下であり、より好ましくは0.25以下、さらに好ましくは0.2以下である。
また、成分(C)の粒度分布は、樹脂組成物の熱伝導率とワニス作製時のハンドリング性とのバランスをより好ましいものとする観点から、好ましくは10~20μmの領域に肩を有する。
ここで、肩の位置は、粒度分布上の肩の部分に接線を引いたときに、傾きが最大となる部分と最小となる部分の交点である。
成分(C)の粒度分布は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(たとえばHORIBA社製 LA-950シリーズ)を用いて以下の条件で測定される。
分散溶媒:水
サンプル:界面活性剤(洗剤)を5~10wt%入れた水中に分散。装置内蔵超音波で30秒(照射強度5)。
屈折率:窒化ホウ素1.74、水1.33
粒子径基準:個数
測定粒径点数:0.011μm~3000μmで93点(対数で等間隔)
樹脂組成物中の成分(C)の含有量は、熱伝導性向上の観点から、樹脂組成物中の成分(C)以外の成分全体を100質量部としたとき、好ましくは100質量部以上であり、より好ましくは150質量部以上、さらに好ましくは200質量部以上である。
また、プロセス性(生産性)の低下を抑制する観点から、樹脂組成物中の成分(C)以外の成分全体を100質量部としたとき、好ましくは400質量部以下であり、より好ましくは350質量部以下、さらに好ましくは320質量部以下である。
本実施形態において、樹脂組成物は、成分(A)~(C)以外の成分をさらに含んでもよい。かかる成分として、たとえば、以下の成分(D)および(E)が挙げられる。
(成分(D))
成分(D)は、フェノキシ樹脂である。樹脂組成物がフェノキシ樹脂(D)を含むことにより樹脂シートの加工プロセス耐性をさらに改善することができる。
成分(D)としては、たとえば、ビスフェノール骨格を有するフェノキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するフェノキシ樹脂、アントラセン骨格を有するフェノキシ樹脂、およびビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂等が挙げられる。また、これらの骨格を複数種有した構造のフェノキシ樹脂を用いることもできる。
樹脂組成物中の成分(D)の含有量は、樹脂組成物の硬化物のより効果的な低線膨張化、高弾性率化を図る観点から、樹脂組成物中の成分(C)以外の成分全体に対して、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは6質量%以下である。
(成分(E))
成分(E)は、硬化促進剤である。
成分(E)としては、たとえば、反応速度や反応温度、保管性などの観点から、適切なものを選択することができる。
成分(E)の具体例として、イミダゾール類、有機リン化合物、3級アミン類、フェノール化合物、および、有機酸からなる群から選択される一種または二種以上が挙げられる。この中でも、耐熱性を高める観点から、イミダゾール類などの窒素原子含有化合物を用いることが好ましい。
イミダゾール類としては、たとえば、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2,4-ジエチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテートが挙げられる。
3級アミン類としては、たとえば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7が挙げられる。
フェノール化合物としては、たとえば、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノール、2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパンが挙げられる。
有機酸としては、たとえば、酢酸、安息香酸、サリチル酸、p-トルエンスルホン酸が挙げられる。
樹脂組成物中の成分(E)の含有量は、樹脂組成物の硬化物のより効果的な低線膨張化、高弾性率化を図る観点から、樹脂組成物中の成分(C)以外の成分全体に対して、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは6質量%以下である。
樹脂組成物は、上述した成分以外の他の成分を含むことができる。この他の成分としては、たとえば、酸化防止剤、レベリング剤が挙げられる。
本実施形態において、樹脂組成物の製造方法として、たとえば、次のような方法がある。
成分(A)~(C)および適宜その他の成分を、溶剤中に溶解、混合、撹拌することにより、ワニス状の樹脂組成物(樹脂ワニス)を調製することができる。この混合は、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、および自転公転式分散方式などの各種混合機を用いることができる。
溶剤としては限定されないが、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ類、カルビトール類、アニソール、およびN-メチルピロリドン等が挙げられる。
(樹脂シート)
本実施形態の樹脂シートは、本実施形態における樹脂組成物からなり、たとえば樹脂組成物を硬化してなる。樹脂シートの具体的な形態として、キャリア基材と、キャリア基材上に設けられた、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層と、を備えるものが挙げられる。
樹脂シートは、たとえばワニス状の樹脂組成物をキャリア基材上に塗布して得られた塗布膜(樹脂層)に対して、溶剤除去処理を行うことにより得ることができる。樹脂シート中の溶剤含有率は、樹脂組成物全体に対してたとえば10質量%以下とすることができる。たとえば80℃~200℃、1分間~30分間の条件で溶剤除去処理を行うことができる。
また、上記キャリア基材としては、たとえば、高分子フィルムや金属箔などを用いることができる。このうち、高分子フィルムとしては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、シリコーンシート等の離型紙、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂などの耐熱性を有した熱可塑性樹脂シート等が挙げられる。また、金属箔としては、たとえば、銅および/または銅系合金、アルミおよび/またはアルミ系合金、鉄および/または鉄系合金、銀および/または銀系合金、金および金系合金、亜鉛および亜鉛系合金、ニッケルおよびニッケル系合金、錫および錫系合金などが挙げられる。
また、樹脂シートは、たとえば樹脂基板に用いることができる。樹脂基板は、樹脂組成物の硬化物で構成された絶縁層を備えるものである。この樹脂基板は、LED、パワーモジュールなどの電子部品を搭載するためのプリント基板の材料として用いることができる。
(金属ベース基板)
本実施形態において、金属ベース基板は、上述の本実施形態における絶縁樹脂層と、金属層と、をこの順で備える。
図1は、金属ベース基板100の構成の一例を示す概略断面図である。
図1に示した金属ベース基板100は、金属基板101と、金属基板101上に設けられた絶縁層102と、絶縁層102上に設けられた金属層103と、を備えることができる。この絶縁層102は、本実施形態における樹脂組成物からなる樹脂層、樹脂組成物の硬化物および積層板からなる群から選択される一種で構成することが可能である。これらの樹脂層、積層板のそれぞれは、金属層103の回路加工の前では、Bステージ状態の熱硬化性樹脂組成物で構成されていてもよく、回路加工の後では、それを硬化処理されてなる硬化体であってもよい。
金属層103は絶縁層102上に設けられ、回路加工されるものである。この金属層103を構成する金属としては、たとえば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、鉄、錫等から選択される一種または二種以上が挙げられる。これらの中でも、金属層103は、好ましくは銅層またはアルミニウム層であり、より好ましくは銅層である。銅またはアルミニウムを用いることで、金属層103の回路加工性を良好なものとすることができる。金属層103は、板状で入手できる金属箔を用いてもよいし、ロール状で入手できる金属箔を用いてもよい。
金属層103の厚みの下限値は、たとえば、0.01mm以上であり、好ましくは0.035mm以上であれば、高電流を要する用途に好適である。
また、金属層103の厚みの上限値は、たとえば、10.0mm以下であり、好ましくは5mm以下である。このような数値以下であれば、回路加工性を向上させることができ、また、基板全体としての薄型化を図ることができる。
金属基板101は、金属ベース基板100に蓄積された熱を放熱する役割を有する。金属基板101は、放熱性の金属基板であれば限定されないが、たとえば、銅基板、銅合金基板、アルミニウム基板、アルミニウム合金基板であり、銅基板またはアルミニウム基板が好ましく、銅基板がより好ましい。銅基板またはアルミニウム基板を用いることで、金属基板101の放熱性を良好なものとすることができる。
金属基板101の厚さは、本発明の目的が損なわれない限り、適宜設定できる。
金属基板101の厚さの上限値は、たとえば、20.0mm以下であり、好ましくは5.0mm以下である。この数値以下の金属ベース基板100の外形加工や切り出し加工等における加工性を向上させることができる。
また、金属基板101の厚さの下限値は、たとえば、0.01mm以上であり、好ましくは0.6mm以上である。この数値以上の金属基板101を用いることで、金属ベース基板100全体としての放熱性を向上させることができる。
本実施形態において、金属ベース基板100は、各種の基板用途に用いることが可能であるが、熱伝導性及び耐熱性に優れることから、LEDやパワーモジュールを用いるプリント基板として用いることが可能である。
金属ベース基板100は、パターンにエッチング等することによって回路加工された金属層103を有することができる。この金属ベース基板100において、最外層に不図示のソルダーレジストを形成し、露光・現像により電子部品が実装できるよう接続用電極部が露出されていてもよい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の様々な構成を採用することができる。
以下に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<熱硬化性樹脂組成物(ワニス状)の製造>
表1に記載の配合割合に従い、各成分と溶媒(メチルエチルケトン)を撹拌してワニス状の樹脂組成物を得た。
表1中の各成分の詳細は以下のとおりである。
(成分(A))
・エポキシ樹脂1:2官能ナフタレン型エポキシ樹脂(メソゲン構造あり、DIC社製、HP-4032D、常温25℃で液状(軟化点25℃以下))
・エポキシ樹脂2:4官能ナフタレン型エポキシ樹脂(メソゲン構造あり、DIC社製、HP-4710、軟化点96℃)
(成分(B))
・硬化剤1:ノボラック型シアネート樹脂(メソゲン構造なし、ロンザジャパン社製、PT-30)
・硬化剤2:ノボラック型フェノール化合物(明和化成社製、MEH-8000H、常温25℃で液状)
(成分(C))
・分級なし:凝集窒化ホウ素(水島合金鉄社製、HP-40)
・分級品1~3:凝集窒化ホウ素(水島合金鉄社製、HP-40)を以下の調製例1により分級したもの
(その他樹脂)
・(D)フェノキシ樹脂1:ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(日鉄ケミカル&マテリアル社製、YP-55)
(調製例1)
原料粉(上記「分級なし」)を、気流分級機(日本ニューマチック工業社製、MDS-3)を、分級点100μmで分級した。
上記分級により得られた100μm以下の粉体を分級点10μmでさらに分級し、以下の分級品1~3の3つに分けた。
分級品1:10μm以下の微粒
分級品3:100μm以上の粗粒
分級品2:分級品1および3を除いた残り
そして、分級品2および3を体積換算比で以下の割合で混合して分級品C-1およびC-2を得た。
分級品C-1:分級品2/分級品3=70/30
分級品C-2:分級品2/分級品3=50/50
(粒度分布の測定方法)
HORIBA製 レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置 LA-950シリーズを用い、以下の条件で測定した。
分散溶媒:水
サンプル:界面活性剤(洗剤)を5~10wt%入れた水中に分散。
装置内蔵超音波で30秒(照射強度5)。
屈折率:窒化ホウ素1.74、水1.33
粒子径基準:個数
測定粒径点数:0.011μm~3000μmで93点(対数で等間隔)
図2は、分級なし(図中「元粉」)、および、分級品1~3の個数基準粒度分布を示す図である。また、図3は、分級品C-1の個数基準粒度分布を示す図である。
(評価)
以下の方法で評価用試料を作製し、熱伝導率、耐圧および耐圧不良率を測定した。結果を表1にあわせて示す。
(評価用試料の作製方法)
ワニス状の樹脂組成物(P)をPETフィルム上に塗布し、100℃で30分間熱処理することにより、膜厚が200μm(0.2mm)の、Bステージ状(半硬化状態)の熱伝導性シートを作製した。これを、PETフィルムから剥がして200℃で90分間熱処理して熱伝導性シート硬化物を得た。
この熱伝導性シート硬化物を、以下では「測定用硬化物」ともいう。
(熱伝導率)
<熱硬化性樹脂組成物の硬化物の特性の測定>
(25℃における熱伝導率λ)
熱伝導率は、α×Cp×Spの式により求められる(αは熱拡散係数、Cpは比熱、Spは密度)。よって、α、CpおよびSpをそれぞれ測定して、熱伝導率を求めた。具体的には以下のとおりである。
・25℃における熱拡散係数αの測定
測定用硬化物を、厚さ約0.2mm、10mm×10mmの大きさに切り出した。これを、NETZSCH社製の装置「LFA447 NanoFlash」にセットし、空気下、200℃で保持した。そして、レーザフラッシュ法により、25℃における熱拡散係数αを測定した。
・25℃における比熱Cpの測定
JIS K 7123(プラスチックの比熱容量測定方法)に準拠し、DSC法により、測定用硬化物の、25℃での比熱(Cp)を測定した。
・密度Spの測定
JIS K 6911(熱硬化性プラスチック一般試験方法)に準拠して行った。試験片には、測定用硬化物を、縦2cm×横2cm×厚み0.2mmに切り出したものを用いた。
・25℃における熱伝導率λの算出
上述の方法で求めたα、CpおよびSpを掛け算して、25℃における熱伝導率λを算出した。
(耐圧、耐圧不良率)
熱伝導率の測定方法にて前述の方法で得た測定用硬化物の絶縁破壊電圧をJIS K6911に準じて、次のように測定した。まず、得られた熱伝導性シートの硬化物を40mm角に切断して試験片を得た。さらに、得られた試験片を円電極に挟んだ状態で絶縁油中に設置した。
次いで、菊水電子社製TOS9201を用いて、両電極に昇圧速度0.5kV/秒の速度で電圧が上昇するように、交流電圧を印加した。試験片が破壊した電圧を、絶縁破壊電圧とした。
絶縁破壊電圧が30kV/mm未満を耐圧不良とし、24個の試験片を評価した際の不良率を算出した。
Figure 2023146337000005
表1より、各実施例で得られた樹脂シートは、比較例1に比べて熱伝導性に優れていた。また、各実施例で得られた樹脂シートは、耐圧についても好ましいものであった。

Claims (8)

  1. (A)エポキシ樹脂と、
    (B)硬化剤と、
    (C)窒化ホウ素粒子と、
    を含み、
    レーザー回折式粒度分布測定装置による前記成分(C)の個数基準粒度分布において、10μm以下の粒径を有する粒子の量が、前記成分(C)の全体に対して50%未満である、熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記成分(C)の前記個数基準粒度分布において、100μm以上の粒径を有する粒子の量が、前記成分(C)の全体に対して0.3%未満である、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記成分(C)の前記個数基準粒度分布において、モード径における頻度f1(%)に対する粒径10μmにおける頻度f2(%)の比(f2/f1)が0.05以上0.35以下である、請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 前記成分(C)の前記個数基準粒度分布が10~20μmの領域に肩を有する、請求項1乃至3いずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 前記成分(B)がシアネート樹脂を含む、請求項1乃至4いずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 成分(D):フェノキシ樹脂をさらに含む、請求項1乃至5いずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項1乃至6いずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂シート。
  8. 金属基板と、
    請求項7に記載の樹脂シートからなる絶縁樹脂層と、
    金属層と、をこの順で備える、金属ベース基板。
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