JP2023143541A - 棺用畳 - Google Patents

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【課題】 棺を補強することができ、かつ、棺表面の結露を抑えることができる棺用畳を提供する。【解決手段】 棺用畳10は、棺1内の底板2aに敷かれる強化段ボール材からなる畳床12と、この畳床12の表面に設けられる畳表13とを備える。畳床12の棺幅方向の左右には強化段ボール材からなる羽根板14が設けられる。畳床12と羽根板14との境界部の段ボール面には、畳床12に対し左右の羽根板14をほぼ垂直に立ち上げ可能な折り曲げ溝M2が設けられる。棺1内の底板2aに畳床12が敷かれるとき、左右の羽根板14が折り曲げ溝M2によって同棺内の左右の側板に重なるように立ち上げられる。【選択図】図1

Description

本発明は、棺用畳に関するもので、特に、折畳式段ボール棺に使用するのに適した棺用畳に関するものである。
従来より強化段ボール材を用いた折畳式段ボール棺が知られている。この種の段ボール棺は、底板の左右に可倒式の側板を有し、これらを必要時に立ち上げて使用する。左右の側板には強化段ボール材の板面を加工してなる折り曲げ溝が設けられる。
例えば図8に示すように、段ボール棺1は、矩形の底箱2の左右上方に可倒式の側板3,3が設けられる。側板3,3は、棺内の段ボール面に断面V字状に切り込まれた折り曲げ溝M1(図7参照)を介して棺内向きに折り曲げ可能になっている。
側板3,3の前後には、折り代板4,4が連結されており、これらが底箱2の前後に載る。
段ボール棺1を組み立てる場合、図8に示すように、左右の側板3,3を垂直に立ち上げた状態で、折り代板4,4に下向きコ字状の妻板5を被せて底箱2まで落とし込む。これにより、左右の側板3,3の起立状態をロックする。
このように段ボール棺1を組み立てることにより、使用前には棺をコンパクトに折り畳んだ状態にしておき、葬儀等で必要となったときには棺を迅速に準備することが可能になる。
特公平6-52005号公報 特開平11-155917号公報 特開2017-38663号公報
このような折畳式段ボール棺において重要な点は、燃焼性に優れかつ軽量な特性を生かすために、段ボール材の厚みを如何に抑えるかという点である。このため、棺の構造や材料に種々の工夫がされているところである。
しかしながら、従来の段ボール棺では、段ボール材の厚みを抑えようとすると、底板や側板といった主要な構成部分の耐久性を十分に確保することができない問題が生じていた。特に、前述したような折畳式段ボール棺では、側板の折り曲げ溝M1付近に変形や潰れが起こりやすく、強度不足の問題が顕著となっていた。
また、段ボール材の厚みを抑える場合の別の問題として、断熱性の低下に伴う棺表面の結露の問題がある。例えば葬儀の際に棺内にドライアイス等の冷却材を入れると、冷却材に近い外側の棺表面(側板表面)に低温部分が生じ、この付近に結露が発生して見た目が悪くなるといったことが生じていた。
このような問題の対策にあたり、本発明者は、強化段ボール材からなる棺用畳に着目した。このような棺用畳を段ボール棺の内側に敷くことで、内装効果に加えて底板の補強を図ることができる。また、強化段ボール材を使用することで段ボール棺としての特性を損なうこともない。
そして、このような棺用畳にさらなる改良を加えることで、棺を補強しつつ棺表面の結露を効果的に抑えることに成功し、本発明を想到するに至った。
本発明の目的は、棺を補強することができ、かつ、棺表面の結露を抑えることができる棺用畳を提供することにある。
なお、従来の棺用畳に関する先行技術としては、特許文献1~3等が開示されているが、いずれも棺内の装飾を主な目的としたもので、棺の補強と結露の抑制を図るようにしたものは知られていない。
[第1発明]
前記課題を解決するための本発明の棺用畳は、以下の特徴を備えている。
棺(1)内の底板(2a)に敷かれる強化段ボール材からなる畳床(12)と、
この畳床の表面に設けられる畳表(13)と、を備えた棺用畳であって、
前記畳床の棺幅方向の左右にそれぞれ設けられる、強化段ボール材からなる羽根板(14)と、
前記畳床と前記羽根板との境界部の段ボール面に設けられ、前記畳床に対し前記左右の羽根板をほぼ垂直に立ち上げ可能な折り曲げ溝(M2)と、を備えており、
前記棺内の底板に前記畳床が敷かれるとき、前記左右の羽根板が前記折り曲げ溝によって同棺内の左右の側板に重なるように立ち上げられる構成とした。
第1発明の構成によれば、棺内の底板に畳床を敷いて左右の羽根板を垂直に立ち上げると、左右の羽根板が棺内の側板に重なった状態になる。これにより、畳床で底板を補強するのに加え、羽根板で側板を補強することができる。
また、畳床と羽根板とは折り曲げ溝を介して連結されることから、この連結部分が互いの板の位置ズレや撓みを抑える。この結果、棺の底板と側板に畳床と羽根板を一体的に重ねることができ、補強効果を格段に高めることができる。
したがって、段ボール棺において段ボール材の厚みを抑えても、底板や側板といった主要部分の耐久性を十分に確保することができる。折畳式段ボール棺においては、側板の折り曲げ溝付近に起こりやすい変形や潰れを羽根板により効果的に防止することができる。
さらに、棺内の底板と側板にそれぞれ畳床と羽根板が重なることで、棺の底面から側面にかけての板厚が増し、断熱効果を大幅に高めることができる。この結果、棺内にドライアイス等の冷却材を入れた際に、棺表面(側板外面)に結露が生じるのを効果的に抑えることができる。
[第2発明]
第2発明の棺用畳は、第1発明の構成に加え、前記折り曲げ溝(M2)が、前記畳床(12)と前記羽根板(14)との境界部であって、前記畳表(13)と反対側の段ボール面に設けられる構成とした。
第2発明の構成によれば、畳床の左右に立ち上げた羽根板を折り曲げ溝で内向きに倒すことができる。このため、棺用畳を使用しないときには、羽根板を伏せた状態にして棺内に収納しておき、必要時に羽根板を立ち上げて棺内の側板に重ねることができる。つまり、羽根板を伏せた状態から立ち上げ状態に直ぐに切り替えることができるため、棺内に棺用畳を組み付ける作業が簡単になる。
なお、棺内の側板に羽根板を重ねて立ち上げた後は、両面テープ等の留め手段により側板に羽根板を固定することで羽根板が倒れるのを防止することができる。
[第3発明]
第3発明の棺用畳は、第1発明の構成に加え、前記折り曲げ溝(M3:図6および図7参照)が、前記畳床(12)と前記羽根板(14)との境界部であって、前記畳表(13)側の段ボール面にほぼ90゜の溝角で断面V字状に形成される構成とした。
第3発明によれば、畳床の左右で折り曲げ溝に沿って羽根板を折り曲げると、水平状態から起こされた羽根板がほぼ垂直に立ち上がって止まる。このとき、断面V字状の折り曲げ溝が閉じて羽根板が内側に倒れるのを防止するため、棺内での立ち上げ状態を安定させることができる。
[第1~3発明]
第1~3発明による棺用畳は、折畳式段ボール棺に適用すると効果的であるが、折畳式でない段ボール棺の他、木製棺に使用する場合でも同様の効果を得ることができる。
畳表には、通常の畳と同様な天然い草を使用するほか、畳柄をプリントしたシートを使用してもよい。表面に畳柄を直接プリントした段ボール材を使用することも可能である。
第1~3発明には必要に応じて本明細書に記載される他の発明を組み合わせてもよい。
第1実施形態による棺用畳を示す斜視図である。 (A)は同棺用畳の折り曲げ状態を示す断面図、(B)は同棺用畳の強化段ボール材を示す部分拡大図である。 (A)は同棺用畳の展開状態を示す一部切り欠き断面図、(B)は同棺用畳の折り曲げ溝を示す部分拡大断面図である。 同棺用畳を折り畳んだ状態を示すもので、(A)は断面図、(B)は一部切り欠き平面図である。 同棺用畳の使用方法を説明するもので、(A)は折畳式段ボール棺内で同棺用畳を使用する状態を示す断面図、(B)は折畳式段ボール棺内に同棺用畳を収納する状態を示す断面図である。 第2実施形態による棺用畳を示すもので、(A)は同棺用畳の展開状態を示す一部切り欠き断面図、(B)は同棺用畳の折り曲げ溝を示す部分拡大断面図である。 第2実施形態の棺用畳の使用方法を説明するもので、(A)は折畳式段ボール棺内で同棺用畳を使用する状態を示す断面図、(B)は折畳式段ボール棺内に同棺用畳を収納する状態を示す断面図である。 折畳式段ボール棺を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に記載の実施形態は、本発明を適用した形態の一例であり、発明の範囲がこれらの実施形態に限定されるものではない。
[第1実施形態]
図1~5に第1実施形態の棺用畳10を示した。
棺用畳10は、折畳式段ボール棺1(図8参照)に使用されるもので、棺内の底板2aに敷かれる強化段ボール材からなる畳床12と、その上面に設けられる畳表13とを備えている。図2に示すように、畳床12の表面に天然い草で織られた畳表13が貼り付けられる。畳表13の左右両端には縁13aが設けられており、この縁13aと畳表13とが強化段ボール材の畳床12に縫い付けられている。段ボール棺1内に畳表13が表れることで棺内が和の装いになる。
段ボール棺1の寸法は、例えば前後の棺長さ(長辺)が170~200cm程度、左右の棺幅(短辺)が50~70cm程度、高さが40~50cm程度である。
強化段ボール材としては、板厚10~15mm程度の二層強化段ボール材(例えばトライウォール社製)が採用される。この強化段ボール材は、図2(B)に示すように、2枚のライナーRb,Rfの間に、2層の波板r1,r2が仕切り板r3を介して積層されてなり、耐圧性・耐水性が強化されている。
本実施形態では、段ボール棺1と棺用畳10が共に二層強化段ボール材により形成される。
図2(A)に示すように、畳床12の棺幅方向の左右には羽根板14,14が連結される。これらの羽根板14,14は、強化段ボール材により畳床12と一体的に形成されており、畳床12と羽根板14,14との境界部には折り曲げ溝M2が設けられている。折り曲げ溝M2によって羽根板14,14が畳床12に対し水平な状態からほぼ垂直な起立状態(図5(A)参照)に立ち上げ可能になっている。
折り曲げ溝M2は、畳床12と羽根板14,14との境界部であって、畳表13と反対側の段ボール面に切り込みを入れることで形成される(図3参照)。この切り込みは、段ボール材の裏側つまり図3で下から上に断面I字状に連なっており、表側のライナーRfのみを残して他の層を分断している。畳床12と羽根板14,14とがライナーRfのみで連結された格好となり、畳床12に対して羽根板14,14を折り曲げると、このライナーRfの連結部分がヒンジの役割を果たすことになる。
畳床12のサイズは、その前後方向の長さが段ボール棺1内の底板2aの長さにほぼ一致するように設定されており、左右幅が段ボール棺1内の底板2aの幅よりも段ボール材の板厚2枚分だけ短く設定される。これにより、段ボール棺1内で畳床12の左右に羽根板14,14を立ち上げたとき、羽根板14,14が左右の側板3,3に重なる位置に来る(図5(A)参照)。
羽根板14,14のサイズは、その前後方向の長さが畳床12に一致し、その左右幅が起立状態の側板3の折り曲げ溝M2よりも高い位置になるように設定される(図5(A)参照)。つまり、段ボール棺1内で畳床12の左右に羽根板14,14が立ち上がると、側板3の折り曲げ溝M2が羽根板14,14で隠れることになる。
また、羽根板14,14の左右幅は、それぞれ畳床12の左右幅の1/2よりも短くなっている。これにより、羽根板14,14が畳床12の上に倒されたとき、羽根板14,14の先端同士が当たって干渉し合うことがない(図5(B)参照)。
羽根板14,14の裏面(図3で下側)には両面テープ15が貼り付けられる。この両面テープ15は、ほぼ一定の幅で羽根板14,14の長さ方向に連なっている。両面テープ15の表側には離型紙が付いたまま保たれる。
次に、棺用畳10の使用方法について説明する。
段ボール棺1を使用する前は、図5(B)に示すように、棺用畳10の羽根板14,14を内向きに畳んで折畳状態の段ボール棺1内に収納しておく。棺用畳10が段ボール棺1の底箱2に収まるサイズになっているため、段ボール棺1の側板3を倒す際に棺用畳10が邪魔になることはない。
段ボール棺1を使用するときには、図5(A)に示すように、底箱2の上に側板3を立ち上げる。そして、図8に示すように、折り代板4,4に妻板5を被せて側板3,3の起立状態をロックする。
このように段ボール棺1を組み立てた後、底板2aの上に棺用畳10を置いたまま、左右の羽根板14,14をほぼ垂直に立ち上げる。次いで、両面テープ15の離型紙を剥がし、羽根板14,14を側板3の内側に貼り付けると、羽根板14,14と側板3とが重なり合って固定される。
なお、羽根板14,14を立ち上げは、上記のように段ボール棺1を組み立てた後に行うことが望ましいが、組み立ての途中に行ってもよい。
第1実施形態の棺用畳10によれば、段ボール棺1内に畳床12を敷いて羽根板14,14を立ち上げると、羽根板14,14が段ボール棺1内の側板3に重なる。これにより、畳床12で底板2aを補強するのに加え、羽根板14,14で側板3を補強することができる。
また、畳床12と羽根板14,14とは折り曲げ溝M2を介して連結されるため、この連結部分が畳床12と羽根板14,14の位置ズレや撓みを互いに抑える。つまり、畳床12と羽根板14,14とが段ボール材のライナーRfの折り曲げ部分で連結されているために両板の動きが互いに規制される。この結果、段ボール棺1の底板2aと側板3に畳床12と羽根板14,14を一体的に重ねることができ、両板をそれぞれ独立に用いるのに比べ段ボール棺1の補強効果を格段に高めることができる。
したがって、段ボール棺1の段ボール材の厚みを抑えても、底板2aや側板3といった主要部分の耐久性を十分に確保することができる。特に、可倒式の側板3の折り曲げ溝M2付近は強度が不足しがちであるが、このような部分に棺用畳10の羽根板14,14を重ねることで、溝付近の変形や潰れを効果的に防止することができる。
また、第1実施形態の棺用畳10によれば、段ボール棺1の底板2aと側板3にそれぞれ畳床12と羽根板14,14が重なることで、棺の底面から側面にかけての段ボール材の板厚が増し、断熱効果を大幅に高めることができる。
この結果、図5(A)に示すように、葬儀の際に段ボール棺1内にドライアイス等の冷却材Cを入れても、冷却材Cの冷気が側板3と羽根板14,14とによる二層の段ボール層によって遮断され、段ボール棺1の外側表面に結露が生じるのを効果的に抑えることができる。
さらに、第1実施形態の棺用畳10では、畳床12の左右に立ち上げた羽根板14,14を折り曲げ溝M2で内向きに倒すことができる。このため、棺用畳10を使用しないときには、羽根板14,14を伏せた状態にして棺内に収納しておき、必要時に羽根板14,14を立ち上げて棺内の側板3に重ねることができる。つまり、羽根板14,14を伏せた状態から立ち上げ状態に直ぐに切り替えることができるため、棺内に棺用畳10を組み付ける作業が簡単になる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の棺用畳20を説明する。
図6および図7に示すように、棺用畳20は、畳床12と羽根板14,14との境界部に断面V字状の折り曲げ溝M3を設けたものである。
この折り曲げ溝M3は、畳床12と羽根板14,14との境界部であって、畳表13側の段ボール面にV溝加工による切り込みを入れることで形成される。この切り込みは、段ボール材の表側つまり図6で上から下に断面V字状に連なっており、裏側のライナーRbのみを残して他の層を分断している。畳床12と羽根板14,14とがライナーRbのみで連結された格好となり、畳床12に対して羽根板14,14を折り曲げると、このライナーRbの連結部分がヒンジの役割を果たす。
折り曲げ溝M3の溝角はほぼ90゜に設定されている。これにより、畳床12に対し羽根板14,14を最大限まで折り曲げると、V溝の溝面が閉じて羽根板14,14がほぼ垂直に立ち上がった状態で止まる。
畳床12のサイズは、その前後方向の長さと左右幅がそれぞれ段ボール棺1内の底板2aの長さと幅にほぼ一致するように設定される。これにより、段ボール棺1内で畳床12の左右に羽根板14,14を立ち上げたとき、羽根板14,14が左右の側板3,3に重なる位置に来る(図7(A)参照)。
羽根板14,14のサイズは、第1実施形態と同様に、段ボール棺1内で立ち上げたときに側板3の折り曲げ溝M2が隠れる長さに設定される。
棺用畳20を段ボール棺1で使用する前は、図7(B)に示すように、畳床12の裏側に羽根板14,14が回り込むように折り曲げて重ねる。これにより、棺用畳20が第1実施形態と同様に、畳床12と羽根板14,14とが重なったコンパクトな形態なるため、段ボール棺1の底箱2内に収まる。
棺用畳20を段ボール棺1で使用する場合は、まず、側板3,3を外側に開いて底箱2内に収納した棺用畳20を一旦取り出す。次いで、畳床12に対し羽根板14,14をほぼ垂直に立ち上げて再度、底箱2内に入れ込む。
この状態で段ボール棺1の側板3,3を起こし、羽根板14,14の両面テープ15で側板3,3に羽根板14,14を貼り付けて固定する。その後、側板3,3の起立状態を妻板5でロックすることにより段ボール棺1を完成させる。
第2実施形態の棺用畳20によれば、段ボール棺1内に畳床12を敷いて左右の羽根板14,14を立ち上げると、左右の羽根板14,14が棺内の側板3に重なる。これにより、畳床12で底板2aを補強するのに加え、羽根板14,14で側板3を補強することができる。
また、畳床12と羽根板14,14とは折り曲げ溝M3を介して連結されるため、この連結部分が畳床12と羽根板14,14の板の位置ズレや撓みを互いに抑える。この結果、段ボール棺1の底板2aと側板3に畳床12と羽根板14,14を一体的に重ねることができ、補強効果を格段に高めることができる。
また、第2実施形態の棺用畳20によれば、段ボール棺1の底板2aと側板3にそれぞれ畳床12と羽根板14,14が重なることで、棺の底面から側面の断熱効果を大幅に高めることができる。これにより、葬儀の際に段ボール棺1内にドライアイス等の冷却材Cを入れても、冷却材Cの冷気が側板3と羽根板14,14とによる二層の段ボール層によって遮断され、段ボール棺1の外側表面に結露が生じるのを効果的に抑えることができる。
さらに、第2実施形態の棺用畳20では、畳床12の左右で折り曲げ溝M3に沿って羽根板14,14を折り曲げると、水平状態から起こされた羽根板14,14がほぼ垂直な状態に立ち上がって止まる。このとき、折り曲げ溝M3が閉じて羽根板14,14が内側に倒れるのを防止するため、棺内での立ち上げ状態を安定させることができる。
[変形例]
以上、第1実施形態および第2実施形態の棺用畳を説明したが、本発明の実施形態は、これらの構成に限定されることなく、種々の変形や変更を伴ってもよい。
前記実施形態では、二層構造の強化段ボール材を採用しているが、単一層もしくは三層以上の強化段ボール材を採用してもよい。その他ハニカム構造の強化段ボール材を採用することもできる。
畳床12と羽根板14,14とは、単一の段ボール材から一体的に切り出すようにすることが望ましいが、それぞれ別体で切り出したものを隣り合わせて布やシートで連結することもできる。この場合、隣り合わせた畳床12と羽根板14,14の境界部分が折り曲げ溝になる。
また、前記実施形態では、畳表13に天然い草を織ったものを採用しているが、これに代えて、畳柄をプリントしたシートを畳床12の表面に貼ってもよい。畳床12の表面に畳柄を直接プリントすることも可能である。畳表13を畳床12から羽根板14,14まで延長することもできる。
羽根板14,14の両面テープ15については、段ボール棺1の側板3に羽根板14,14を重ねて留めることができればよく、接着剤や留め具で代用してもよい。その他、面ファスナー等の留め手段を採用することもできる。
第2実施形態の棺用畳20においては、羽根板14,14が棺の内側に倒れにくいため、両面テープ15等の留め手段を省略することもできる。
1・・段ボール棺(折畳式段ボール棺)
2 ・・底箱
2a・・底板
3 ・・側板
10 ・・棺用畳
12 ・・畳床
13 ・・畳表
13a・・縁
14 ・・羽根板
15 ・・両面テープ
M1,M2,M3・・・折り曲げ溝

Claims (3)

  1. 棺内の底板に敷かれる強化段ボール材からなる畳床と、
    この畳床の表面に設けられる畳表と、を備えた棺用畳であって、
    前記畳床の棺幅方向の左右にそれぞれ設けられる、強化段ボール材からなる羽根板と、
    前記畳床と前記羽根板との境界部の段ボール面に設けられ、前記畳床に対し前記左右の羽根板をほぼ垂直に立ち上げ可能な折り曲げ溝と、を備えており、
    前記棺内の底板に前記畳床が敷かれるとき、前記左右の羽根板が前記折り曲げ溝によって同棺内の左右の側板に重なるように立ち上げられることを特徴とする棺用畳。
  2. 前記折り曲げ溝が、前記畳床と前記羽根板との境界部であって、前記畳表と反対側の段ボール面に設けられる、請求項1記載の棺用畳。
  3. 前記折り曲げ溝が、前記畳床と前記羽根板との境界部であって、前記畳表側の段ボール面にほぼ90゜の溝角で断面V字状に形成される、請求項1記載の棺用畳。
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