JP3176847U - 段ボール棺 - Google Patents
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Abstract
【課題】荷重負荷を受けても歪みにくく、温度や湿度の変化により変形しにくい箱形状の安定性に優れた段ボール棺を提供する。
【解決手段】段ボール棺10は、強化段ボール材の展開シートを折り曲げることにより形成される箱体12と、この箱体12の箱形状を強化するための筋交い板16とを備える。箱体12は、矩形の底板12Aと、この底板12Aの長手方向の左右にほぼ垂直に立ち上げられる矩形の側板12Bと、底板12Aの長手方向の前後にほぼ垂直に立ち上げられる矩形の妻板12Cとを備え、箱体12の内側底部の左右隅であって長手方向の中央部に、側板壁面と底板壁面とを突っ張る強化段ボールからなる筋交い板16が設けられる。筋交い板16は、一定の幅と厚みをもって箱体12の長手方向に連なる帯状の板であり、当該帯状の板の下方に空間を伴って側板12Bと底板12Aとの間にほぼ45゜の傾斜をもって架け渡される。
【選択図】図1
【解決手段】段ボール棺10は、強化段ボール材の展開シートを折り曲げることにより形成される箱体12と、この箱体12の箱形状を強化するための筋交い板16とを備える。箱体12は、矩形の底板12Aと、この底板12Aの長手方向の左右にほぼ垂直に立ち上げられる矩形の側板12Bと、底板12Aの長手方向の前後にほぼ垂直に立ち上げられる矩形の妻板12Cとを備え、箱体12の内側底部の左右隅であって長手方向の中央部に、側板壁面と底板壁面とを突っ張る強化段ボールからなる筋交い板16が設けられる。筋交い板16は、一定の幅と厚みをもって箱体12の長手方向に連なる帯状の板であり、当該帯状の板の下方に空間を伴って側板12Bと底板12Aとの間にほぼ45゜の傾斜をもって架け渡される。
【選択図】図1
Description
本考案は、段ボール棺に関するもので、詳しくは、段ボール棺の箱形状を強化するための補強構造に関するものである。
従来より、木製棺に代わる棺として段ボール棺が知られている。段ボール棺は、木製棺に比べ軽量で燃焼性および加工性に優れるため、環境に優しい葬送品として注目されている。
最近では、強化段ボール材を採用した段ボール棺が開発されている。この種の段ボール棺は、強化段ボール材の展開シートを箱状に折り曲げて形成される。
例えば、図11に示すように、展開シートP0は、矩形の底板2Aの左右に側板2B,2Bが設けられ、底板2Aの前後に妻板2C,2Cが設けられる。底板2Aと、側板2Bおよび妻板2Cとの境界には、折曲げ用の縦V溝y0、横V溝x0がほぼ90゜角のV字状の断面をもって形成される。
図11の状態から底板2Aに対し側板2Bと妻板2Cを垂直に折り曲げ、これらのV溝面を貼り合わせて下箱2を組み立てる。下箱2の上方には、強化段ボール材で別個に作成された上蓋が開閉可能に載置される。
例えば、図11に示すように、展開シートP0は、矩形の底板2Aの左右に側板2B,2Bが設けられ、底板2Aの前後に妻板2C,2Cが設けられる。底板2Aと、側板2Bおよび妻板2Cとの境界には、折曲げ用の縦V溝y0、横V溝x0がほぼ90゜角のV字状の断面をもって形成される。
図11の状態から底板2Aに対し側板2Bと妻板2Cを垂直に折り曲げ、これらのV溝面を貼り合わせて下箱2を組み立てる。下箱2の上方には、強化段ボール材で別個に作成された上蓋が開閉可能に載置される。
なお、段ボール棺の補強に係る先行技術としては、特許文献1および2が開示されている。
しかしながら、このような従来の段ボール棺(図11参照)は、段ボール材の強度が木材よりも小さいため、木製棺に比べて耐荷重性が劣る。特に、下箱には、荷重が直接作用するため、荷重負荷が大きくなると箱形状が大きく歪む。
また、段ボール材が温度や湿度の変化の影響を受けやすいため、長期間保管していると、箱形状が変形してしまい、段ボール棺の製品価値を損ねるといった問題もある。
また、段ボール材が温度や湿度の変化の影響を受けやすいため、長期間保管していると、箱形状が変形してしまい、段ボール棺の製品価値を損ねるといった問題もある。
本考案は、このような現状に鑑みなされたもので、荷重負荷を受けても歪みにくく、温度や湿度の変化により変形しにくい箱形状の安定性に優れた段ボール棺を提供することを目的としている。
このような状況の下、本考案者らは、強化段ボール材からなる展開シートを折り曲げて形成した下箱サイズの箱体について、納棺時の負荷の大きさ・位置を仮定した耐荷重性の試験を繰り返し行い、箱形状の歪みや変形の状況を調査した。この結果、箱体が潰れるときの形状変化の過程には、一定の法則性があることを知見し、このような箱体の長手方向の中央部の特定箇所を強化することで、箱全体の強度が大幅に高められることを見出した。
[第1考案]
すなわち、前記課題を解決するための本考案の段ボール棺は、
強化段ボール材の展開シートを折り曲げることにより形成される箱体と、この箱体の箱形状を強化するための筋交い板とを備えた段ボール棺であって、
前記箱体は、
矩形の底板と、
この底板の長手方向の左右にほぼ垂直に立ち上げられる矩形の側板と、
前記底板の長手方向の前後にほぼ垂直に立ち上げられる矩形の妻板とを備え、
前記箱体の内側底部の左右隅であって長手方向の中央部に、前記側板壁面と前記底板壁面とを突っ張る強化段ボールからなる前記筋交い板が設けられ、
前記筋交い板は、一定の幅と厚みをもって前記箱体の長手方向に連なる帯状の板であり、当該帯状の板の下方に空間を伴って前記側板と前記底板との間にほぼ45゜の傾斜をもって架け渡される構成とした。
すなわち、前記課題を解決するための本考案の段ボール棺は、
強化段ボール材の展開シートを折り曲げることにより形成される箱体と、この箱体の箱形状を強化するための筋交い板とを備えた段ボール棺であって、
前記箱体は、
矩形の底板と、
この底板の長手方向の左右にほぼ垂直に立ち上げられる矩形の側板と、
前記底板の長手方向の前後にほぼ垂直に立ち上げられる矩形の妻板とを備え、
前記箱体の内側底部の左右隅であって長手方向の中央部に、前記側板壁面と前記底板壁面とを突っ張る強化段ボールからなる前記筋交い板が設けられ、
前記筋交い板は、一定の幅と厚みをもって前記箱体の長手方向に連なる帯状の板であり、当該帯状の板の下方に空間を伴って前記側板と前記底板との間にほぼ45゜の傾斜をもって架け渡される構成とした。
前述した本考案者らによる耐荷重試験によれば、箱体内部への荷重負荷が大きくなると、最初に図12(A)に示すように、左右の側板2Bの中央部に内向きの負荷がかかる。この負荷に側板2Bが耐えきれなくなると、図12(B)に示すように、側板2Bが内側に倒れ始めて同時に底板2Aが長手方向(前後方向)に撓み出す。
さらに、荷重が大きくなると、図12(C)に示すように、側板2Bがさらに内側に倒れ込んで、箱体上部の長手方向の中央付近で潰れが起こり、この潰れ部分を支点にして箱全体が中央に折り畳まれるように折れ曲がる。
さらに、荷重が大きくなると、図12(C)に示すように、側板2Bがさらに内側に倒れ込んで、箱体上部の長手方向の中央付近で潰れが起こり、この潰れ部分を支点にして箱全体が中央に折り畳まれるように折れ曲がる。
第1考案の構成では、箱体の内側底部で筋交い板によって底板および側板の長手方向中央部の壁面を突っ張ることで、側板の初期段階の内側への倒れ込みを防止する。これにより、箱体への荷重負荷が箱全体に分散されて箱形状の歪みを抑えることができる。
また、温度や湿度の変化により段ボール棺が変形する場合には、通常、側板が長手方向に伸びて、この伸びが側板の中央部を内側へ反らせる。第1考案の構成によれば、側板の内側への反りを筋交い板によって止めることで側板を真っ直ぐに保つ。この結果、温度や湿度の変化による箱形状の変形を抑えることができる。
[第2考案]
第2考案の段ボール棺は、第1考案の構成を有するものであって、
前記箱体および前記筋交い板が、一対の厚板の間に波板を積層してなる強化段ボール材からなり、かつ、前記箱体における前記波板の凹凸条と前記筋交い板における前記波板の凹凸条とが直交するように配向される構成とした。
第2考案の段ボール棺は、第1考案の構成を有するものであって、
前記箱体および前記筋交い板が、一対の厚板の間に波板を積層してなる強化段ボール材からなり、かつ、前記箱体における前記波板の凹凸条と前記筋交い板における前記波板の凹凸条とが直交するように配向される構成とした。
このような構成によれば、箱体とともに筋交い板を強化段ボール材で形成することができるため、軽量で燃焼性に優れる段ボール棺の特性を損なうことがない上に、箱体と筋交い板との間で強化段ボール材の波板の凹凸条を直交させることで、箱体の長手方向および短手方向の強度をバランスよく補強することができる。
[第3考案]
考案者らの試験によれば、箱体の内側底部の左右隅に筋交い板を設ける場合、箱体の長手方向中間位置を基準として一定の範囲の長さを確保すれば、それ以上筋交い板を長くしても箱体の耐荷重性は大きく向上しないことが確認された。具体的には、箱体の長手方向の全長に対し、その中心位置から1/20〜1/2程度の範囲で筋交い板を設ければ箱体の強度を一般的な使用に十分に耐える程度に高めることができる。
考案者らの試験によれば、箱体の内側底部の左右隅に筋交い板を設ける場合、箱体の長手方向中間位置を基準として一定の範囲の長さを確保すれば、それ以上筋交い板を長くしても箱体の耐荷重性は大きく向上しないことが確認された。具体的には、箱体の長手方向の全長に対し、その中心位置から1/20〜1/2程度の範囲で筋交い板を設ければ箱体の強度を一般的な使用に十分に耐える程度に高めることができる。
そこで、第3考案の段ボール棺は、第1または2考案の構成を有するものであって、
前記筋交い板の長さが、前記箱体の長手方向中間位置に前記筋交い板の長手方向中間位置を一致させた状態で、前記箱体の全長の1/20〜1/2の範囲に設定される構成とした。
前記筋交い板の長さが、前記箱体の長手方向中間位置に前記筋交い板の長手方向中間位置を一致させた状態で、前記箱体の全長の1/20〜1/2の範囲に設定される構成とした。
このように筋交い板の長さを上記範囲に制限することで、箱形状を補強しつつ、材料コストを節約し、段ボール棺の軽量化を図ることが可能になる。
[第4考案]
第4考案の段ボール棺は、第1〜3考案のいずれかの構成を有するものであって、
前記箱体の上端部に、前記側板および前記妻板の先端を内側に折り返してなる補強枠が形成される構成とした。
第4考案の段ボール棺は、第1〜3考案のいずれかの構成を有するものであって、
前記箱体の上端部に、前記側板および前記妻板の先端を内側に折り返してなる補強枠が形成される構成とした。
前述したように、箱体が荷重負荷を受けると、その長手方向中央部で折り曲がる直前に側板の上端中央付近が局部的に圧縮されて潰れる。同時に、前後の妻板が内側に倒れ込むように傾く。第4考案の構成では、このような側板の上端部の潰れと妻板の傾きを補強枠が防止する。これにより、段ボール棺の強度を高めることができる。
なお、側板の内側上部には、補強枠に加えて側板の上部中央を補強するための補助板を追加してもよい。このように箱体の潰れが起こりやすい部分を集中的に補強することで、段ボール棺の強度をさらに向上させることが可能になる。
[第1〜4考案]
第1〜4考案は、強化段ボール材からなる展開シートを折り曲げて箱体を組み立てる段ボール棺に適用することができる。通常は、段ボール棺の下箱と上蓋のうち、下箱に本考案を適用することが想定されるが、上蓋が箱状になっている場合には、このような上蓋にも本考案を適用することができる。
段ボール棺の用途(人用、ペット用等)や種類(寝棺、座棺等)は、特に限定されることはない。
第1〜4考案は、強化段ボール材からなる展開シートを折り曲げて箱体を組み立てる段ボール棺に適用することができる。通常は、段ボール棺の下箱と上蓋のうち、下箱に本考案を適用することが想定されるが、上蓋が箱状になっている場合には、このような上蓋にも本考案を適用することができる。
段ボール棺の用途(人用、ペット用等)や種類(寝棺、座棺等)は、特に限定されることはない。
なお、第1〜4考案は、単独で適用してもよいし、これらの考案を必要に応じて組み合わせて適用することもできる。また、第1〜4考案に本明細書に記載される他の考案を組み合わせてもよい。
以下、本考案の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、段ボール棺の下箱に本考案を適用したものである。
[第1実施形態]
図1に示すように、段ボール棺10は、下箱12と蓋13とからなる。下箱12の上方に蓋13が載置される。蓋13の前側上部には、小窓14が設けられる。この小窓14には観音扉が取り付けられ、これらの扉を開くことで棺の内部が覗けるようになっている。
段ボール棺10の寸法は、例えば長さが170〜200cm程度、幅が50〜70cm程度、下箱12と上蓋13を含めた高さが40〜50cm程度である。
図1に示すように、段ボール棺10は、下箱12と蓋13とからなる。下箱12の上方に蓋13が載置される。蓋13の前側上部には、小窓14が設けられる。この小窓14には観音扉が取り付けられ、これらの扉を開くことで棺の内部が覗けるようになっている。
段ボール棺10の寸法は、例えば長さが170〜200cm程度、幅が50〜70cm程度、下箱12と上蓋13を含めた高さが40〜50cm程度である。
下箱12および上蓋13は、強化段ボール材により形成される。強化段ボール材としては、例えば、板厚10〜20mm程度の三層強化段ボール材(例えばトライウォール社製)が採用される。この種の段ボール材は、図5の部分拡大図に示すように、2枚の厚板(ライナー)Rf,Rbとの間に、3層の波板r1〜r3が仕切り板r4およびr5を介して積層されてなるもので、優れた耐圧性・耐水性をもつ。
強化段ボール材に折曲げ用のV溝を形成する際には、これらの層のうち厚板Rf,Rbのいずれかを残して他の層を回転刃等を用いて切削する。強化段ボール材の板を折り曲げる際には、残した片方の厚板(ライナー)のみを折り曲げて、V溝の傾斜する溝面を互いに密着させる。V溝の溝角がほぼ90゜になるようにV溝加工を施せば、隣り合う板同士がほぼ垂直に折れ曲がる。なお、他のV溝の形成方法としては、プレス機等で段ボール面を断面V字状に圧縮して形成することもできる。
強化段ボール材に折曲げ用のV溝を形成する際には、これらの層のうち厚板Rf,Rbのいずれかを残して他の層を回転刃等を用いて切削する。強化段ボール材の板を折り曲げる際には、残した片方の厚板(ライナー)のみを折り曲げて、V溝の傾斜する溝面を互いに密着させる。V溝の溝角がほぼ90゜になるようにV溝加工を施せば、隣り合う板同士がほぼ垂直に折れ曲がる。なお、他のV溝の形成方法としては、プレス機等で段ボール面を断面V字状に圧縮して形成することもできる。
段ボール棺10の表面には、必要に応じて布やフィルムなどの化粧シートが貼り付けられる。このような化粧仕上げ施すことで、段ボール材の表面が隠れて棺の外観が高級感のあるものに仕上がる。
図2に示すように、下箱12の展開シートP1は、矩形の底板12Aの左右に側板12B,12Bが設けられ、底板12Aの前後に妻板12C,12Cが設けられる。底板12Aと、側板12Bおよび妻板12Cとの境界には、折曲げ用の縦V溝y1、横V溝x1が形成されている。これらの縦V溝y1、横V溝x1は、ほぼ90゜角のV字状の断面をもつ。
側板12Bおよび妻板12Cの先端部には、W溝(ほぼ90゜角にカットされたV溝を2列に並設して形成した溝)を挟んで枠板12Dが設けられる。図2の状態では、枠板12DがW溝により180゜折り返されている。
側板12Bおよび妻板12Cの先端部には、W溝(ほぼ90゜角にカットされたV溝を2列に並設して形成した溝)を挟んで枠板12Dが設けられる。図2の状態では、枠板12DがW溝により180゜折り返されている。
図2の状態から底板12Aに対し側板12Bと妻板12Cを垂直に折り曲げ、これらのV溝面を接着剤、粘着テープ等で貼り合わせると、図1に示す下箱12となる。下箱12の上端部には、前後左右の4つの枠板12Dが合わさって補強枠が形成される。
図1および図3に示すように、下箱12の内側底部の左右隅には、強化段ボール材からなる筋交い板16が設けられる。筋交い板16は、一定の幅と厚みをもつ帯状の板であり、側板12Bと底板12Aの間にほぼ45゜の傾斜をもって架け渡されている(図4参照)。筋交い板16の左右側端は、その表裏の板面に対して45゜の傾斜で左右対称にカットされ、これらの傾斜面が接着剤、粘着テープ等により側板12Bと底板12Aとの壁面に強固に固定されている。
筋交い板16の長さについては、下箱12の長手方向中間位置に筋交い板16の長手方向中間位置を一致させた状態で、下箱12の全長の1/2程度(80〜100cm程度)に設定される。また、筋交い板16の板幅は、5〜10cm程度に設定される。
なお、筋交い板16は、下箱12の内側底部の左右隅に位置するため、棺に遺体を入れるときの邪魔になることはない。また、下箱12の仕上げに伴って化粧布で筋交い板16が隠れるため、棺の使用時に下箱12の内側に筋交い板16が見えることはない。
なお、筋交い板16は、下箱12の内側底部の左右隅に位置するため、棺に遺体を入れるときの邪魔になることはない。また、下箱12の仕上げに伴って化粧布で筋交い板16が隠れるため、棺の使用時に下箱12の内側に筋交い板16が見えることはない。
図5に示すように、筋交い板16の横断面には、強化段ボール材の内部構造として厚板Rb,Rfの間に波板r1〜r3の積層構造が現れる。これらの波板r1〜r3の凹凸条は、下箱12の長手方向に連なって延びる。これにより、筋交い板16の長手方向に対する曲げ強度が十分に大きく確保されている。
なお、下箱12については、その波板の凹凸条が筋交い板16の凹凸条と直交する方向に向けられている。すなわち、図2の展開シートP1において、波板の凹凸条は、左右方向に連なって延びている。
このように下箱12と筋交い板16との間で波板の凹凸条を直交させることで、下箱12の長手方向および短手方向の強度がバランスよく補強される。特に、本実施形態の構成では、底板12Aと側板12Bとの間で角部の寸法精度が高くなり、しかも、下箱12の中央部の強度が大きい高品質の段ボール棺10を得ることができる。もちろん下箱12と筋交い板16における凹凸条の向きを反対にすることも可能である。この場合でも、下箱12の長手方向および短手方向の強度をバランスよく補強することができる。
このように下箱12と筋交い板16との間で波板の凹凸条を直交させることで、下箱12の長手方向および短手方向の強度がバランスよく補強される。特に、本実施形態の構成では、底板12Aと側板12Bとの間で角部の寸法精度が高くなり、しかも、下箱12の中央部の強度が大きい高品質の段ボール棺10を得ることができる。もちろん下箱12と筋交い板16における凹凸条の向きを反対にすることも可能である。この場合でも、下箱12の長手方向および短手方向の強度をバランスよく補強することができる。
次に、段ボール棺10の作用・効果を説明する。
図6に示すように、下箱12の内部で下向きの荷重負荷が大きくなると、側板12Bには底板12Aに引っ張られて内側へ倒れ込もうとする負荷(矢印t参照)が作用する。しかしながら、段ボール棺10では、筋交い板16が底板12Aと側板12Bの壁面を突っ張って側板12Bの倒れ込みを防止するため、前述したような下箱12が潰れる際の初期の変形が起こらない(図12(B)参照)。この結果、箱形状の歪みを抑えて耐荷重性を大幅に向上させることができる。考案者らの実験によれば、筋交い板16の付いたものでは、付いていないものに比べ耐荷重性が60〜80kg高められることが確認された。
図6に示すように、下箱12の内部で下向きの荷重負荷が大きくなると、側板12Bには底板12Aに引っ張られて内側へ倒れ込もうとする負荷(矢印t参照)が作用する。しかしながら、段ボール棺10では、筋交い板16が底板12Aと側板12Bの壁面を突っ張って側板12Bの倒れ込みを防止するため、前述したような下箱12が潰れる際の初期の変形が起こらない(図12(B)参照)。この結果、箱形状の歪みを抑えて耐荷重性を大幅に向上させることができる。考案者らの実験によれば、筋交い板16の付いたものでは、付いていないものに比べ耐荷重性が60〜80kg高められることが確認された。
また、温度や湿度の変化により側板12Bが長手方向に伸びて内側に反ろうとしても、筋交い板16が側板12Bの中央部の壁面を支持して内側への反りを止める。このため、側板12Bの姿勢を真っ直ぐに保ち、温度や湿度の変化による箱形状の変形を抑えることができる。
さらに、段ボール棺10では、側板12Bおよび妻板12Cの上端部に補強枠(枠板12D)が折り返されるため、これらの枠板12Dによっても下箱12の歪みや変形を抑えることができる。つまり、筋交い板16の突っ張り力に加えて補強枠(枠板12D)が側板12Bおよび妻板12Cの内側へ倒れ込みを防止し、筋交い板16と相俟って下箱12強度を高めることができる。
[第2実施形態]
次に、本考案の第2実施形態を図8および図9に示した。第2実施形態の段ボール棺20は、側板12Bの内側上部に補助板21を追加したものである。
段ボール棺20は、下箱12と上蓋13とからなり、下箱12の内側底部の左右隅に第1実施形態と同様な筋交い板16が設けられる。下箱12の上端部には、側板12Bおよび妻板12Cの先端を内側に折り返して補強枠(枠板D)が形成されている。
側板12Bの内側上部であって補強枠(枠板12D)の直ぐ下には、補助板21が固定される(図9参照)。補助板21は、同様な強化段ボール材を一定幅に切断して形成されるもので、筋交い板16とほぼ同じ長さで、その波板の凹凸条を下箱12の長手方向に向けている。
次に、本考案の第2実施形態を図8および図9に示した。第2実施形態の段ボール棺20は、側板12Bの内側上部に補助板21を追加したものである。
段ボール棺20は、下箱12と上蓋13とからなり、下箱12の内側底部の左右隅に第1実施形態と同様な筋交い板16が設けられる。下箱12の上端部には、側板12Bおよび妻板12Cの先端を内側に折り返して補強枠(枠板D)が形成されている。
側板12Bの内側上部であって補強枠(枠板12D)の直ぐ下には、補助板21が固定される(図9参照)。補助板21は、同様な強化段ボール材を一定幅に切断して形成されるもので、筋交い板16とほぼ同じ長さで、その波板の凹凸条を下箱12の長手方向に向けている。
第2実施形態によれば、側板12Bの上部中央を集中的に補強することで、下箱12の強度をさらに高めることができる。なお、補助板21は、枠板12Dの直ぐ下にを配置されるため、棺の使用時に邪魔になることはない。
[第3実施形態]
本考案の第3実施形態を図10に示した。第3実施形態は、平面形状が八角形の棺に本考案を適用したものである。
図10に示すように、段ボール棺30は、下箱12と上蓋13が平面方向から見て八角形になるように四隅部が面取りされる。上蓋13の上端四隅は三角形に面取りされて宝飾品のような多面体の外観になっている。
下箱12の内側底部の左右隅には、第1実施形態と同様な筋交い板16が設けられる。下箱12の上端部には、側板12Bおよび妻板12Cの先端を内側に折り返して補強枠(枠板12D)が形成されている。側板12Bと妻板12Cとを繋ぐコーナ部分には、面取り板12Eが設けられる。
本考案の第3実施形態を図10に示した。第3実施形態は、平面形状が八角形の棺に本考案を適用したものである。
図10に示すように、段ボール棺30は、下箱12と上蓋13が平面方向から見て八角形になるように四隅部が面取りされる。上蓋13の上端四隅は三角形に面取りされて宝飾品のような多面体の外観になっている。
下箱12の内側底部の左右隅には、第1実施形態と同様な筋交い板16が設けられる。下箱12の上端部には、側板12Bおよび妻板12Cの先端を内側に折り返して補強枠(枠板12D)が形成されている。側板12Bと妻板12Cとを繋ぐコーナ部分には、面取り板12Eが設けられる。
第3実施形態によれば、第1実施形態と同様に、筋交い板16と補強枠(12D)により下箱12の歪みや変形を防止することができる。
また、下箱12と上蓋13に宝飾品のような面取りが施されるため、その外観の高級感が増して棺のデザイン性を高めることができる。
また、下箱12と上蓋13に宝飾品のような面取りが施されるため、その外観の高級感が増して棺のデザイン性を高めることができる。
[その他の実施形態]
以上、第1〜第3実施形態の段ボール棺を例示したが、本考案の実施形態はこれらに限定されることなく、下記の通り種々の変形・変更を伴ってもよい。
例えば、第1〜第3実施形態では、下箱12に本考案を適用しているが、上蓋13に本考案を適用してもよい。
また、第1〜3実施形態において、下箱12の枠板12Dについては、必ずしも設ける必要はなく、必要に応じて省略してもよい。
また、展開シートP1における底板12A、側板12Bおよび妻板12Cの配置については、第1〜3実施形態に限られず、例えば側板12Bの長手方向の前後端に妻板12Cの全部または一部を折り曲げ可能に設けてもよい。
さらに、強化段ボール材は、三層強化段ボールに限られず、その他の多層段ボール材、ハニカム構造の段ボール材等を用いてもよい。
以上、第1〜第3実施形態の段ボール棺を例示したが、本考案の実施形態はこれらに限定されることなく、下記の通り種々の変形・変更を伴ってもよい。
例えば、第1〜第3実施形態では、下箱12に本考案を適用しているが、上蓋13に本考案を適用してもよい。
また、第1〜3実施形態において、下箱12の枠板12Dについては、必ずしも設ける必要はなく、必要に応じて省略してもよい。
また、展開シートP1における底板12A、側板12Bおよび妻板12Cの配置については、第1〜3実施形態に限られず、例えば側板12Bの長手方向の前後端に妻板12Cの全部または一部を折り曲げ可能に設けてもよい。
さらに、強化段ボール材は、三層強化段ボールに限られず、その他の多層段ボール材、ハニカム構造の段ボール材等を用いてもよい。
10 段ボール棺
12 下箱(箱体)
12A 底板
12B,12B 側板
12C 妻板
12D 枠板(補強枠)
13 上蓋
14 小窓
16 筋交い板
21 補助板
P1 展開シート
x1 横V溝
y1 縦V溝
Rf,Rb 厚板
r1,r2,r3 波板
r4,r5 仕切り板
12 下箱(箱体)
12A 底板
12B,12B 側板
12C 妻板
12D 枠板(補強枠)
13 上蓋
14 小窓
16 筋交い板
21 補助板
P1 展開シート
x1 横V溝
y1 縦V溝
Rf,Rb 厚板
r1,r2,r3 波板
r4,r5 仕切り板
Claims (4)
- 強化段ボール材の展開シートを折り曲げることにより形成される箱体と、この箱体の箱形状を強化するための筋交い板とを備えた段ボール棺であって、
前記箱体は、
矩形の底板と、
この底板の長手方向の左右にほぼ垂直に立ち上げられる矩形の側板と、
前記底板の長手方向の前後にほぼ垂直に立ち上げられる矩形の妻板とを備え、
前記箱体の内側底部の左右隅であって長手方向の中央部に、前記側板壁面と前記底板壁面とを突っ張る強化段ボールからなる前記筋交い板が設けられ、
前記筋交い板は、一定の幅と厚みをもって前記箱体の長手方向に連なる帯状の板であり、当該帯状の板の下方に空間を伴って前記側板と前記底板との間にほぼ45゜の傾斜をもって架け渡されることを特徴とする段ボール棺。 - 請求項1記載の段ボール棺であって、前記箱体および前記筋交い板が、一対の厚板の間に波板を積層してなる強化段ボール材からなり、かつ、前記箱体における前記波板の凹凸条と前記筋交い板における前記波板の凹凸条とが直交するように配向される、段ボール棺。
- 請求項1または2記載の段ボール棺であって、前記筋交い板の長さが、前記箱体の長手方向中間位置に前記筋交い板の長手方向中間位置を一致させた状態で、前記箱体の全長の1/20〜1/2の範囲に設定される、段ボール棺。
- 請求項1、2または3記載の段ボール棺であって、前記箱体の上端部に、前記側板および前記妻板の先端を内側に折り返してなる補強枠が形成される、段ボール棺。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012002469U JP3176847U (ja) | 2012-04-25 | 2012-04-25 | 段ボール棺 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012002469U JP3176847U (ja) | 2012-04-25 | 2012-04-25 | 段ボール棺 |
Related Parent Applications (1)
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JP2007296558A Continuation JP2009119037A (ja) | 2007-11-15 | 2007-11-15 | 段ボール棺 |
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JP3176847U true JP3176847U (ja) | 2012-07-05 |
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ID=48003750
Family Applications (1)
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JP2012002469U Expired - Lifetime JP3176847U (ja) | 2012-04-25 | 2012-04-25 | 段ボール棺 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015029813A (ja) * | 2013-08-06 | 2015-02-16 | 松島 如戒 | 組み立て棺 |
JP2019181155A (ja) * | 2018-04-03 | 2019-10-24 | 株式会社平和カスケット | 折畳式段ボール棺 |
-
2012
- 2012-04-25 JP JP2012002469U patent/JP3176847U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015029813A (ja) * | 2013-08-06 | 2015-02-16 | 松島 如戒 | 組み立て棺 |
JP2019181155A (ja) * | 2018-04-03 | 2019-10-24 | 株式会社平和カスケット | 折畳式段ボール棺 |
JP7168208B2 (ja) | 2018-04-03 | 2022-11-09 | 株式会社平和カスケット | 折畳式段ボール棺 |
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